(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2019134638
(22)【出願日】2019-07-22
【審査請求日】2022-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】中川 卓也
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-090922(JP,A)
【文献】特開2003-340047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の始動条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技の実行の可否を決定する決定手段と、
前記決定手段による決定の結果を報知する変動演出の態様を決定する変動演出決定手段と、
前記変動演出中に実行可能であって所定の示唆を行う示唆演出の態様を決定する示唆演出決定手段と、を備え、
複数の遊技状態のいずれかが設定される遊技機であって、
所定の変更条件の成立に基づいて、前記変動演出決定手段による前記変動演出の態様の決定の傾向が変更されるとともに、前記示唆演出決定手段による前記示唆演出の態様の決定の傾向が変更されるように設定されて
おり、
所定の遊技状態中の前記変動演出の態様の決定の傾向として、複数のパターンが設けられており、
前記所定の遊技状態中には、前記所定の変更条件が成立するごとに、予め定められた順番で前記パターンが変更され、最終の前記パターンに至った後は最初の前記パターンに戻るように変更が行われることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技の進行を制御する主制御手段と、
前記遊技の進行に伴って実行される演出を制御する副制御手段と、を備え、
前記主制御手段は、前記変動演出の態様を特定可能な変動パターンが定められた変動パターンテーブルを複数備え、
前記副制御手段は、前記各変動パターンテーブルに対応して設けられ、前記変動パターンに応じた前記示唆演出の態様が定められた示唆演出決定テーブルを複数備え、
前記変動演出決定手段は、いずれかの前記変動パターンテーブルを参照して前記変動パターンを決定し、
前記示唆演出決定手段は、いずれかの前記示唆演出決定テーブルを参照して前記示唆演出の態様を決定し、
各前記変動パターンテーブルには、前記変動パターンが複数定められているとともに、前記変動パターンテーブルごとに、前記変動演出決定手段による各前記変動パターンの決定割合が異なるように設定されており、
各前記示唆演出決定テーブルには、前記示唆演出の態様が複数定められているとともに、前記示唆演出決定テーブルごとに、前記示唆演出決定手段による各前記示唆演出の態様の決定割合が異なるように設定されており、
前記所定の変更条件の成立に基づいて、前記変動演出決定手段が参照する前記変動パターンテーブルが変更されるとともに、前記示唆演出決定手段が参照する前記示唆演出決定テーブルが変更されるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
所定の取得条件の成立に基づいて、前記決定手段による前記特別遊技の実行の可否の決定に用いられる乱数を取得する乱数取得手段を備え、
前記示唆演出には、前記乱数取得手段により取得された乱数を対象として、当該乱数について前記特別遊技の実行の可否を決定する前から実行可能であって、当該乱数について前記特別遊技の実行が決定される期待度を示唆する先読み演出が含まれ、
前記先読み演出には、第1の態様と、当該第1の態様よりも実行期間が長い第2の態様とが少なくとも設けられ、
前記所定の変更条件の成立に基づいて、前記示唆演出決定手段による前記先読み演出における前記第2の態様の決定割合が変更され得るように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動領域(始動入賞口)への遊技球の進入を契機として、大当たりの抽選のための乱数や大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の態様を決定するための乱数を保留として記憶するとともに、予め定められた始動条件の成立を契機として、記憶されている保留を読み出し、この読み出された保留に係る乱数に基づいて、大当たりの抽選や変動演出の態様の決定を行い、決定された態様で変動演出を実行するものが知られている。
上述のような遊技機では、演出効果を高めるべく、変動演出の変動時間や実行態様を決定するためのテーブルを複数備え、大当たりの抽選回数(変動演出の実行回数)に応じて選択するテーブルを切り替えることにより、予め定められた大当たりの抽選回数において特定の変動時間や特定の実行態様の変動演出が実行される割合を高めるようなことも行われている(特許文献1~2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-110921号公報
【文献】特開2015-160002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機では、所定のタイミングで実行される変動演出の実行態様や変動演出の実行頻度をある程度コントロールすることができるため、演出効果を高めることが可能となる。
ここで、上述のような遊技機では、変動演出中に所定の静止画や動画等の画像を表示することで大当たりの当選の期待度を示唆する予告演出や、記憶された保留に基づく変動演出の実行前から当該保留に関する大当たりの当選の期待度を示唆可能な先読み演出等も実行可能となっているのが一般的である。また、近年では、極めて膨大な種類の予告演出や先読み演出が実行可能となっている。
しかし、これらの演出は、変動演出の実行態様ごとに実行割合が定められているのが一般的であるものの、上述のように、極めて膨大な種類が設けられているため、全ての種類の演出がバランスよく実行される可能性は低く、一部の演出のみ実行頻度が高くなってしまうとの問題が生じていた。これにより、演出効果を十分に高めることができず、演出に対する遊技者の興趣が低下してしまうとのおそれが生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、演出効果を高めつつ、演出に対する遊技者の興趣が低下するのを防止可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明に係る遊技機は、所定の始動条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技の実行の可否を決定する決定手段と、前記決定手段による決定の結果を報知する変動演出の態様を決定する変動演出決定手段と、前記変動演出中に実行可能であって所定の示唆を行う示唆演出の態様を決定する示唆演出決定手段と、を備え、複数の遊技状態のいずれかが設定される遊技機であって、所定の変更条件の成立に基づいて、前記変動演出決定手段による前記変動演出の態様の決定の傾向が変更されるとともに、前記示唆演出決定手段による前記示唆演出の態様の決定の傾向が変更されるように設定されており、所定の遊技状態中の前記変動演出の態様の決定の傾向として、複数のパターンが設けられており、前記所定の遊技状態中には、前記所定の変更条件が成立するごとに、予め定められた順番で前記パターンが変更され、最終の前記パターンに至った後は最初の前記パターンに戻るように変更が行われることを特徴とする。
ここで、所定の始動条件としては、遊技領域に設けられた始動領域へ遊技球が進入すること、いわゆる保留記憶がなされた状態で実行中の変動や特別遊技が終了すること等が挙げられる。
また、所定の変更条件としては、遊技者に有利な特別遊技の実行が決定される(大当たりに当選する)こと、特別遊技が終了すること、特別遊技とは異なる遊技である小当たり遊技の実行が決定される(小当たりに当選する)こと、小当たり遊技が終了すること、特別遊技が終了してから特別遊技の実行の可否の決定が所定回数行われる(特別図柄の変動表示(変動演出)が所定回数行われる)こと、小当たり遊技が終了してから特別遊技の実行の可否の決定が所定回数行われる(特別図柄の変動表示(変動演出)が所定回数行われる)こと、特別遊技が終了し所定の遊技状態(特別遊技の実行が決定されやすい高確率遊技状態、所定の入賞口への遊技球の入球が容易となる時短遊技状態等)が設定されること、所定の遊技状態が設定されてから特別遊技の実行の可否の決定が所定回数行われる(特別図柄の変動表示(変動演出)が所定回数行われる)こと等が挙げられる。
【0008】
本発明に係る遊技機においては、所定の変更条件の成立に基づいて、特別遊技の実行の可否を報知する変動演出の態様の決定の傾向が変更されるとともに、所定の示唆を行う示唆演出の態様の決定の傾向が変更される。
これにより、本発明に係る遊技機によれば、たとえば、特別遊技の実行の可否の決定回数に応じて、所定の態様の変動演出が実行されやすく、かつ所定の態様の示唆演出が実行されやすくなるようになる等、変動演出の態様や実行頻度、及び示唆演出の態様や実行頻度もコントロールできるため、演出効果を高めつつ、演出に対する遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
【0009】
(2)また、本発明に係る遊技機は、遊技の進行を制御する主制御手段と、前記遊技の進行に伴って実行される演出を制御する副制御手段と、を備え、前記主制御手段は、前記変動演出の態様を特定可能な変動パターンが定められた変動パターンテーブルを複数備え、前記副制御手段は、前記各変動パターンテーブルに対応して設けられ、前記変動パターンに応じた前記示唆演出の態様が定められた示唆演出決定テーブルを複数備え、前記変動演出決定手段は、いずれかの前記変動パターンテーブルを参照して前記変動パターンを決定し、前記示唆演出決定手段は、いずれかの前記示唆演出決定テーブルを参照して前記示唆演出の態様を決定し、各前記変動パターンテーブルには、前記変動パターンが複数定められているとともに、前記変動パターンテーブルごとに、前記変動演出決定手段による各前記変動パターンの決定割合が異なるように設定されており、各前記示唆演出決定テーブルには、前記示唆演出の態様が複数定められているとともに、前記示唆演出決定テーブルごとに、前記示唆演出決定手段による各前記示唆演出の態様の決定割合が異なるように設定されており、前記所定の変更条件の成立に基づいて、前記変動演出決定手段が参照する前記変動パターンテーブルが変更されるとともに、前記示唆演出決定手段が参照する前記示唆演出決定テーブルが変更されるように設定してもよい。
(3)また、本発明に係る遊技機は、所定の取得条件の成立に基づいて、前記決定手段による前記特別遊技の実行の可否の決定に用いられる乱数を取得する乱数取得手段を備え、前記示唆演出には、前記乱数取得手段により取得された乱数を対象として、当該乱数について前記特別遊技の実行の可否を決定する前から実行可能であって、当該乱数について前記特別遊技の実行が決定される期待度を示唆する先読み演出が含まれ、前記先読み演出には、第1の態様と、当該第1の態様よりも実行期間が長い第2の態様とが少なくとも設けられ、前記所定の変更条件の成立に基づいて、前記示唆演出決定手段による前記先読み演出における前記第2の態様の決定割合が変更され得るように設定してもよい。
ここで、所定の取得条件とは、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた所定の入賞口に遊技球が入球すること等が挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、演出効果を高めつつ、演出に対する遊技者の興趣が低下するのを防止可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図6】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図7】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の決定用テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図18】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図19】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図20】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図21】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図40】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図41】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図42】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図43】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図44】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図45】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図46】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図47】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図48】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図49】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図50】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図51】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図52】パチンコ機の変動演出及び予告演出の態様の一例を示す図である。
【
図53】パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。
【
図54】パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。
【
図55】パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。
【
図56】パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。
【
図57】パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。
【
図58】パチンコ機の保留表示の態様の一例を示す図である。
【
図59】パチンコ機の期待度示唆先読み演出の態様の一例を示す図である。
【
図60】パチンコ機の期待度示唆先読み演出決定テーブルの説明図である。
【
図61】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図62】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図63】パチンコ機の副制御基板におけるテーブル情報取得コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図64】パチンコ機の副制御基板における変動回数コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図65】パチンコ機の副制御基板における事前判定コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図66】パチンコ機の副制御基板における変動パターンコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図67】パチンコ機の副制御基板における予告演出決定処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行や特別遊技と異なる遊技である小当たり遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技又は小当たり遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、
図3に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
【0026】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0029】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0030】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0031】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0032】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0033】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0034】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0035】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、及び、特別遊技や小当たり遊技を制御する。
この主制御基板100は、
図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0036】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、遊技球がゲート20を通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、遊技球がアウト口19へ進入したことを検出するアウト口検出センサ等を設けてもよい。
【0037】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0038】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0039】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0040】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0041】
また、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0042】
さらに、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0043】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0044】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0045】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0046】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理が行われるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0047】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0048】
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0049】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0050】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0051】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0052】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0053】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)又は高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0054】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0055】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、その後、所定回数(本形態では60回)の大当たりの抽選の結果がすべて大当たり以外(ハズレ又は小当たり)となると、高確率遊技状態及び時短遊技状態が終了し低確率時短遊技状態及び非時短遊技状態が設定されることにより、通常遊技状態へ移行するようになっている。
【0056】
また、上述の大当たりの抽選によって小当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が大入賞口18へ入球すると、上述のように所定個数(15個)の遊技球が払い出される。
なお、小当たり遊技の実行により遊技状態が変更されることはなく、小当たり遊技の終了後は、当該小当たり遊技の実行前の遊技状態のままとなる。すなわち、通常遊技状態中に小当たりに当選し小当たり遊技が実行されても、当該小当たり遊技の終了後に通常遊技状態以外の遊技状態に移行することはなく、依然として通常遊技状態のままとなる。
【0057】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0058】
大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、及び後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、大当たりの抽選の結果を報知する際に実行される変動演出のパターン(変動時間、変動演出の態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
【0059】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0060】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0061】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0062】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果を判定するための大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技又は小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114、及び変動パターンコマンドを決定する際に選択される変動パターンテーブル114を決定するための決定用テーブル115を有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0063】
大当たり乱数判定テーブル110は、大当たりの抽選の結果を判定するためのものであって、
図5(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0064】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり乱数が1000~1219であった場合に大当たりと判定され、1220~1546であった場合に小当たりと判定され、これら以外の大当たり乱数(0~999、1547~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.9、小当たりの当選確率はおよそ1/200.4となる。
【0065】
また、
図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり乱数が1000~2119であった場合に大当たりと判定され、2120~2446であった場合に小当たりと判定され、これら以外の大当たり乱数(0~999、2447~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.5、小当たりの当選確率はおよそ1/200.4となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0066】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~1219)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~2119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0067】
また、上述の通り、低確率判定テーブル110a及び高確率判定テーブル110bのいずれにおいても小当たりとの判定が可能となっている。そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16のいずれに遊技球が入球した場合にも、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかに基づいて大当たりの抽選の結果が判定される。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合のいずれであっても、小当たりに当選可能となっているが、これに限定されるものではない。
たとえば、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合にのみ小当たりに当選し、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には小当たりに当選しないように設定してもよい。具体的には、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照する大当たり乱数判定テーブル110、及び第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照する大当たり乱数判定テーブル110をそれぞれ別個に設け、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照する大当たり乱数判定テーブル110においてのみ、小当たりと判定される大当たり乱数の数値範囲を有するように設定してもよい。
【0068】
特別図柄乱数判定テーブル111は、上述の如く、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0069】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの判定結果が得られた(すなわち、大当たりに当選した)場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、小当たりの判定結果が得られた(すなわち、小当たりに当選した)場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄という)として5種類の特別図柄(Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)が設けられており、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0070】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~29であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が30~199であったときに大当たり図柄X2が決定される。また、小当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~39であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が40~79であったときに小当たり図柄Y2が決定され、特別図柄乱数が80~119であったときに小当たり図柄Y3が決定され、特別図柄乱数が120~159であったときに小当たり図柄Y4が決定され、特別図柄乱数が160~199であったときに小当たり図柄Y5が決定される。
すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりの判定結果が得られた場合に大当たり図柄X1が決定される確率は15%、大当たり図柄X2が決定される確率は85%となっており、小当たりの判定結果が得られた場合に小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4及びY5が決定される確率はいずれも20%となっている。
【0071】
また、
図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が100~199であったときに大当たり図柄X2が決定される。また、小当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~39であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が40~79であったときに小当たり図柄Y2が決定され、特別図柄乱数が80~119であったときに小当たり図柄Y3が決定され、特別図柄乱数が120~159であったときに小当たり図柄Y4が決定され、特別図柄乱数が160~199であったときに小当たり図柄Y5が決定される。
すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの判定結果が得られた場合に大当たり図柄X1、X2が決定される確率はいずれも50%となっており、小当たりの判定結果が得られた場合に小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4及びY5が決定される確率はいずれも20%となっている。
【0072】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの特別図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。同様に、いずれの特別図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の小当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる小当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0073】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の判定において、ハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の判定において、ハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合にのみ参照され、ハズレの判定結果が得られた場合には参照されないようになっている。
なお、第1特図乱数に基づいてハズレの判定結果が得られた場合に参照される特別図柄乱数判定テーブル111、第2特図乱数に基づいてハズレの判定結果が得られた場合に参照される特別図柄乱数判定テーブル111をそれぞれ設け、ハズレの場合にも、当該特別図柄乱数判定テーブル111及び特別図柄乱数に基づいて、ハズレ図柄を決定するようにしてもよい。
【0074】
特別電動役物作動テーブル112は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技、又は、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するためのものであり、特別遊技又は小当たり遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図7(a)~(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、第1作動テーブル112aと、第2作動テーブル112bと、第3作動テーブル112cと、が設けられている。
【0075】
具体的には、大当たり図柄X1が決定されると、
図7(a)に示すように、第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
【0076】
大当り図柄X2が決定されると、
図7(b)に示すように、第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、第1作動テーブル112aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル112aと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、大当たり図柄X2が決定された場合よりも、大当たり図柄X1が決定された場合の方が多い。
【0077】
また、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定されると、
図7(c)に示すように、第3作動テーブル112cを参照して小当たり遊技が実行される。この第3作動テーブル112cによれば、大入賞口18の0.1秒の開放が1回行われる。また、この小当たり遊技中に大入賞口18に10個の遊技球が入球すると、当該小当たり遊技は終了となる。
以上のように、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、大入賞口18が0.1秒開放されるが、この0.1秒の開放の間に大入賞口18へ遊技球を入球させることは極めて困難である。したがって、小当たり遊技においては、遊技者は、賞球を獲得することはほぼ不可能となっている。
【0078】
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図8に示すように、大当たり図柄X1及びX2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、60回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が60回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、60回の抽選の結果が全てハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
【0079】
なお、特別遊技の終了後の遊技状態としては、いずれの特別図柄が決定された場合にも同一の遊技状態を設定するのではなく、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて異なる遊技状態(たとえば、低確率遊技状態と時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態、高確率遊技状態と非時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態等)を設定するようにしてもよい。
【0080】
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。
変動パターンコマンドには、複数種類の変動時間(変動演出の変動時間、すなわち、特別図柄の変動表示の変動時間)のうちのいずれかが定められた変動パターンが対応付けられており、変動パターンコマンドが決定されることにより変動パターン(変動時間)が決定されるようになっている。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の変動時間、及び変動演出の後半部分の変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
【0081】
また、変動時間(変動パターン)には、変動演出の実行態様(たとえば、後述するリーチ表示の有無、後述するリーチ発展演出の実行の有無、後述するリーチ発展演出の種類(後述する発展演出画像の種類等)等)が対応付けられている。したがって、上述のように決定された変動パターンコマンドの種類によって、どのような実行態様(たとえば、リーチ表示が行われる態様、リーチ表示が行われない態様、リーチ発展演出が実行される態様、リーチ発展演出が実行されない態様等)の変動演出が実行されるのかを把握できるようになっている。
【0082】
そして、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて変動演出の実行態様を決定する。
【0083】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類、及び決定割合が設定されている。
【0084】
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルA、テーブルB、テーブルC、テーブルD及びテーブルE(
図9~
図13参照)、並びに高確率時短遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルF(特に図示しておらず)を備えている。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、現時点の保留数(第1特図保留数又は第2特図保留数)と、いずれかの変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
【0085】
なお、特に図示していないが、変動パターンテーブル114としては、通常遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合や、高確率時短遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルも備えている。しかし、演出表示装置21における遊技球の打ち出しの指示の表示に従っている限りにおいては、通常遊技状態中は第1始動入賞口15へのみ遊技球が入球し、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へのみ遊技球が入球する。したがって、通常遊技状態中の第2始動入賞口16への遊技球の入球や高確率時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球はイレギュラーなものであり、以下では、このようなイレギュラーな入球については考慮せず、通常遊技状態中は第1始動入賞口15へ遊技球が入球し、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するものとして説明を行う。
【0086】
(通常遊技状態における変動パターンテーブル114の決定)
ここで、通常遊技状態においては、当該通常遊技状態の開始後(初期状態の設定後、高確率時短遊技状態の終了後)又は小当たりの当選に基づいて実行される小当たり遊技の終了後からの変動回数に応じて、変動パターンコマンドの決定時に参照する変動パターンテーブル114が決定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pには、通常遊技状態において参照する変動パターンテーブル114を決定するために用いられるテーブルとして、参照する変動パターンテーブル114を定めた決定用テーブル115が設けられている。そして、通常遊技状態において変動パターンコマンドを決定する際には、このテーブルに係る情報に基づいて、参照する変動パターンテーブル114が決定される。
【0087】
決定用テーブル115は、上述の如く、通常遊技状態において参照する変動パターンテーブル114を定めたものである。
この決定用テーブル115においては、
図14に示すように、小当たり遊技の実行の契機となった小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種別、及び当該小当たり遊技の終了後又は通常遊技状態の開始後からの変動回数(特別図柄の変動表示の実行回数)ごとにそれぞれ、参照する変動パターンテーブル114が定められている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における小当たり遊技の終了時に、上述の決定用テーブル115に基づいて、当該小当たり遊技の実行の契機となった小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種別に対応付けられた変動パターンテーブル114の情報が取得されるようになっている。
【0088】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態において、当該通常遊技状態の開始後又は小当たり遊技の終了後からの変動回数が、メインRAM103の所定の記憶領域により構成される所定の変動回数カウンタによりカウントされるようになっている。具体的には、通常遊技状態が設定されるか(すなわち、リセット処理等により初期状態が設定されるか又は高確率時短遊技状態が終了するか)又は通常遊技状態中に小当たり遊技が終了すると、上述の変動回数カウンタのカウント値がクリアされ、特別図柄の変動表示(大当たりの抽選)が行われるごとに当該カウンタの値が1インクリメントされる。これにより、通常遊技状態において、当該通常遊技状態の開始後又は小当たり遊技の終了後からの変動回数がカウントされる。すなわち、通常遊技状態が開始された場合には当該通常遊技状態の開始後からの変動回数がカウントされ、通常遊技状態中に小当たり遊技が行われた場合には当該小当たり遊技の終了後からの変動回数がカウントされることとなる。
そして、通常遊技状態において変動パターンコマンドを決定する際に、通常遊技状態の開始時又は小当たり遊技の終了時に決定用テーブル115に基づいて取得された変動パターンテーブル114の情報を参照し、当該時点における変動回数カウンタのカウント値に基づいて、参照する変動パターンテーブル114が決定される。
【0089】
図14に示すように、決定用テーブル115によれば、通常遊技状態の開始後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(本形態では30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルA→テーブルB→テーブルC→テーブルD→テーブルEという順番で切り替わり、テーブルEに至った後は再度テーブルAに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている。当該切り替えは、大当たり又は小当たりに当選するまで継続して行われる。
【0090】
具体的には、通常遊技状態の開始後においては、変動回数カウンタのカウント値が1~30(通常遊技状態の開始後からの変動回数が1回目~30回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルAが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が31~60(通常遊技状態の開始後からの変動回数が31回目~60回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルBが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が61~90(通常遊技状態の開始後からの変動回数が61回目~90回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルCが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が91~120(通常遊技状態の開始後からの変動回数が91回目~120回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルDが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が121~150(通常遊技状態の開始後からの変動回数が121回目~150回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルEが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が151~180(通常遊技状態の開始後からの変動回数が151回目~180回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114として再度テーブルAが決定される。その後は、同様の順番で、参照される変動パターンテーブル114が決定される。
【0091】
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y1に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルA→テーブルC→テーブルE→テーブルB→テーブルDという順番で切り替わり、テーブルDに至った後は再度テーブルAに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(
図14参照)。
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y2に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルB→テーブルD→テーブルA→テーブルE→テーブルCという順番で切り替わり、テーブルCに至った後は再度テーブルBに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(
図14参照)。
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y3に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルC→テーブルA→テーブルE→テーブルB→テーブルDという順番で切り替わり、テーブルDに至った後は再度テーブルCに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(
図14参照)。
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y4に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルD→テーブルE→テーブルB→テーブルC→テーブルAという順番で切り替わり、テーブルAに至った後は再度テーブルDに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(
図14参照)。
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y5に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルE→テーブルC→テーブルD→テーブルA→テーブルBという順番で切り替わり、テーブルBに至った後は再度テーブルEに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(
図14参照)。
そして、上述のような参照される変動パターンテーブル114の切り替えは、上述と同様に、大当たり又は小当たりに当選するまで継続して行われる。
【0092】
また、特に図示していないが、高確率時短遊技状態の開始後(すなわち、大当たり図柄X1又はX2に基づく特別遊技の終了後)においては、変動回数カウンタの値にかかわらず(変動回数カウンタの値がいかなる値であっても)、常に、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルFが決定されるようになっている。
なお、常にテーブルFが決定されるようにするのではなく、高確率時短遊技状態においても、通常遊技状態と同様に、変動回数カウンタの値が所定回数増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が切り替わるようにしてもよい。
【0093】
そして、上述のように決定された変動パターンテーブル114を参照して、変動パターンコマンドが決定される。
【0094】
(通常遊技状態における変動パターンコマンドの決定)
テーブルA、B、C、D及びEはいずれも、通常遊技状態において第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるものである。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する際には、当該時点(すなわち、大当たりの抽選時点)における第1特図保留数が参照される。
【0095】
ここで、遊技通常状態においては、
図9~
図14に示すように、ハズレ図柄Z1が決定された場合に決定され得る変動パターンコマンドとして、「00H(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)」、「01H」、「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「08H」、「09H」及び「0AH」の11種類が設けられている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合に決定され得る変動パターンコマンドとして、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A7H」、「A8H」、「A9H」及び「AAH」の7種類が設けられている。
また、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合に決定され得る変動パターンコマンドとして、「B0H」の1種類が設けられている。
【0096】
そして、これらの各変動パターンコマンドにはそれぞれ、種々の変動パターン(変動演出の前半部分の変動時間、変動演出の後半部分の変動時間)が対応付けられている。
具体的には、「00H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が0秒、及び後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン1が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチなしパターンA、及び後半部分が後述するノーマルハズレパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「01H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が0秒、及び後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン2が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチなしパターンA、及び後半部分が後述するノーマルハズレパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
【0097】
「02H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が10秒、及び後半部分の変動時間が5秒に設定された変動パターン3が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンA、及び後半部分が後述する発展なしパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「03H」及び「A3H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が10秒、及び後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターン4が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンA、及び後半部分が後述する発展ありパターンAである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
【0098】
「04H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が15秒、及び後半部分の変動時間が5秒に設定された変動パターン5が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチなしパターンB、及び後半部分が後述するノーマルハズレパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「05H」及び「A5H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が15秒、及び後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターン6が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンB、及び後半部分が後述する発展ありパターンAである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
【0099】
「06H」及び「A6H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が15秒、及び後半部分の変動時間が35秒に設定された変動パターン7が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンB、及び後半部分が後述する発展ありパターンBである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「07H」及び「A7H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が15秒、及び後半部分の変動時間が55秒に設定された変動パターン8が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンB、及び後半部分が後述する発展ありパターンCである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
【0100】
「08H」及び「A8H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が25秒、及び後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターン9が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンC、及び後半部分が後述する発展ありパターンAである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「09H」及び「A9H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が25秒、及び後半部分の変動時間が35秒に設定された変動パターン10が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンC、及び後半部分が後述する発展ありパターンBである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
【0101】
「0AH」及び「AAH」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が25秒、及び後半部分の変動時間が55秒に設定された変動パターン11が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンC、及び後半部分が後述する発展ありパターンCである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
【0102】
「B0H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が0秒、及び後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン1が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチなしパターンA、及び後半部分が後述するノーマルハズレパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
【0103】
そして、
図9~
図13に示すように、テーブルA、テーブルB、テーブルC、テーブルD及びテーブルEには、大当たりの抽選により決定された特別図柄の種別(大当たり図柄X1又はX2、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5、ハズレ図柄Z1)、大当たりの抽選時点の第1特図保留数、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される変動パターン乱数ごとに対応付けられて、上述の変動パターンコマンドが定められている。
【0104】
なお、
図9~
図13において、変動パターンコマンドが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた変動パターン乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図9~
図13に示すように、大当たりに当選した場合にはハズレの場合よりも、前半部分の変動時間が相対的に長い(たとえば、15秒や25秒等)変動パターンコマンドの決定割合が高く、後半部分の変動時間が相対的に長い(たとえば、35秒や55秒等)変動パターンコマンドの決定割合が高くなるように設定されている。
また、大当たりに当選した場合には、前半部分の変動時間が相対的に長い(15秒や25秒等)変動パターンコマンドが、前半部分の変動時間が相対的に短い(0秒や10秒等)変動パターンコマンドよりも決定されやすく、後半部分の変動時間が相対的に長い(35秒や55秒等)変動パターンコマンドが、後半部分の変動時間が相対的に短い(5秒や15秒等)変動パターンコマンドよりも決定されやすいように設定されている。これに対して、ハズレの場合には、前半部分の変動時間が相対的に短い(0秒や10秒等)変動パターンコマンドが、前半部分の変動時間が相対的に長い(15秒や25秒等)変動パターンコマンドよりも決定されやすく、後半部分の変動時間が相対的に短い(5秒や15秒等)変動パターンコマンドが、後半部分の変動時間が相対的に長い(35秒や55秒等)変動パターンコマンドよりも決定されやすいように設定されている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の前半部分の変動時間や後半部分の変動時間に応じて大当たりの当選の期待度が異なり、変動演出の前半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の前半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高く、変動演出の後半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の後半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高くなるようになっている。
【0105】
(テーブルAの概要)
具体的には、
図9に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「08H」、「09H」及び「0AH」の全11種類の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A7H」、「A8H」、「A9H」及び「AAH」の全7種類の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
【0106】
(テーブルBの概要)
図10に示すように、テーブルBによれば、テーブルAと同様に、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「08H」、「09H」及び「0AH」の全11種類の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
【0107】
ここで、テーブルBにおいては、テーブルAよりも、大当たりの抽選時点の第1特図乱数が2以上の場合に「00H」(全体の変動時間が13秒)の変動パターンコマンドが決定される割合が高くなっているとともに、「01H」(全体の変動時間が3秒)の変動パターンコマンドが決定される割合が低くなっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、テーブルBが参照される場合には、テーブルAが参照される場合よりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上のときの変動時間が長くなりやすいように設定されている。
【0108】
また、テーブルAと同様に、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A7H」、「A8H」、「A9H」及び「AAH」の全7種類の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
【0109】
また、テーブルBにおいては、テーブルAと同様に、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
なお、テーブルBは、テーブルAよりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が1以下のときにも変動時間が長くなりやすいように設定してもよい。
【0110】
(テーブルCの概要)
図11に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「02H」、「04H」、「06H」、「07H」、「09H」、「0AH」、「0CH」及び「0DH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A6H」、「A7H」、「A9H」、「AAH」、「ACH」及び「ADH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
これに対して、テーブルCにおいては、テーブルAやテーブルBにおいて決定され得る「03H」、「05H」、「08H」、「0BH」、「A3H」、「A8H」及び「ABH」の変動パターンコマンド(すなわち、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンド)は決定されない。
【0111】
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、テーブルCが参照される場合には、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンA)が決定されることはなく、後半部分の変動時間が35秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンB)又は55秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンC)が決定され得るようになっている。
ここで、上述のように、変動演出の後半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の後半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高くなる。したがって、テーブルCが参照される場合には、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンドが決定され得るように設定されたテーブルAやテーブルBを参照する場合に比べて、変動演出の後半部分の変動時間(実行態様)により大当たりの当選の期待度が高い印象を遊技者に与えることができるようになっている。
【0112】
また、テーブルCにおいては、大当たりの抽選時点の第1特図乱数が2以上の場合に「00H」の変動パターンコマンドが決定される割合、「01H」の変動パターンコマンドが決定される割合が、テーブルAと同様に設定されている。したがって、上述のテーブルBが参照される場合には、テーブルCが参照される場合よりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上のときの変動時間が長くなりやすい。
【0113】
また、テーブルCにおいては、テーブルA及びBと同様に、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
【0114】
(テーブルDの概要)
図12に示すように、テーブルDによれば、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「02H」、「04H」、「07H」、「0AH」及び「0DH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A7H」、「AAH」及び「ADH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
これに対して、テーブルDにおいては、テーブルAやテーブルBにおいて決定され得る「03H」、「05H」、「06H」、「08H」、「09H」、「0BH」、「0CH」、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A8H」、「A9H」、「ABH」及び「ACH」の変動パターンコマンド(すなわち、後半部分の変動時間が15秒や35秒に設定された変動パターンコマンド)は決定されない。
【0115】
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、テーブルDが参照される場合には、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンA)及び後半部分の変動時間が35秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンB)が決定されることはなく、後半部分の変動時間が55秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンC)が決定され得るようになっている。
ここで、上述のように、変動演出の後半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の後半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高くなる。したがって、テーブルCが参照される場合には、後半部分の変動時間が15秒や35秒に設定された変動パターンコマンドが決定され得るように設定されたテーブルA~Cを参照する場合に比べて、変動演出の後半部分の変動時間(実行態様)により大当たりの当選の期待度が高い印象を遊技者に与えることができるようになっている。
【0116】
また、テーブルDにおいては、大当たりの抽選時点の第1特図乱数が2以上の場合に「00H」の変動パターンコマンドが決定される割合、「01H」の変動パターンコマンドが決定される割合が、テーブルAやテーブルCと同様に設定されている。したがって、上述のテーブルBが参照される場合には、テーブルDが参照される場合よりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上のときの変動時間が長くなりやすい。
【0117】
また、テーブルA~Cと同様に、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
【0118】
(テーブルEの概要)
図13に示すように、テーブルEによれば、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「08H」、「09H」、「0AH」、「0BH」、「0CH」及び「0DH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A8H」、「A9H」、「AAH」、「ABH」、「ACH」及び「ADH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
これに対して、テーブルEにおいては、テーブルAやテーブルBにおいて決定され得る「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「A3H」、「A5H」、「A6H」及び「A7H」の変動パターンコマンド(すなわち、前半部分の変動時間が10秒や15秒に設定された変動パターンコマンド)は決定されない。
【0119】
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、テーブルEが参照される場合には、前半部分の変動時間が10秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の前半部分の実行態様はリーチパターンA)及び前半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の前半部分の実行態様はリーチなしパターンB、リーチパターンB)が決定されることはなく、前半部分の変動時間が25秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の前半部分の実行態様はリーチパターンC)が決定され得るようになっている。
ここで、上述のように、変動演出の前半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の前半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高くなる。したがって、テーブルEが参照される場合には、前半部分の変動時間が10秒や15秒に設定された変動パターンコマンドが決定され得るように設定されたテーブルA~Dを参照する場合に比べて、変動演出の前半部分の変動時間(実行態様)により大当たりの当選の期待度が高い印象を遊技者に与えることができるようになっている。
【0120】
また、テーブルEにおいては、大当たりの抽選時点の第1特図乱数が2以上の場合に「00H」の変動パターンコマンドが決定される割合、「01H」の変動パターンコマンドが決定される割合が、テーブルA、テーブルCやテーブルDと同様に設定されている。したがって、上述のテーブルBが参照される場合には、テーブルEが参照される場合よりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上のときの変動時間が長くなりやすい。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、テーブルBが参照される場合には、テーブルB以外の変動パターンテーブル114が参照される場合よりも、大当たりの抽選がハズレとなった際の変動時間が長くなりやすいようになっている。すると、テーブルBが参照される場合には、テーブルB以外が参照される場合よりも、特別図柄の変動表示中(変動演出の実行中)となりやすく、この間に第1特図乱数が保留記憶されやすくなるため、第1特図保留数が多くなりやすい。
【0121】
また、テーブルA~Dと同様に、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
【0122】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100において各変動パターンテーブル114が参照される期間ごとに、変動パターンコマンドの決定傾向が異なるようになっている。これにより、当該変動パターンコマンドに基づいて決定される変動演出の実行態様の決定傾向も異なることとなり、たとえば、大当たりの期待度が高い変動演出が実行されやすい期間や、保留記憶が行われやすい期間等を作り出すことができる。
【0123】
(高確率時短遊技状態における変動パターンコマンドの決定)
テーブルFは、高確率時短遊技状態において第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるものである。そして、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する際には、当該時点(すなわち、大当たりの抽選時点)における第2特図保留数が参照される。
高確率時短遊技状態においては、特に図示していないが、通常遊技状態に決定され得る変動パターンコマンドとは異なる変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。また、高確率時短遊技状態において決定される変動パターンコマンドには、通常遊技状態に決定され得る変動パターンコマンドに対応付けられている変動時間や基本的態様と異なる変動時間や基本的態様が決定され得るようになっている。
また、テーブルFには、テーブルA~Eと同様に、大当たりの抽選により決定された特別図柄の種別(大当たり図柄X1又はX2、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5、ハズレ図柄Z2)、大当たりの抽選時点の第2特図保留数、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される変動パターン乱数ごとに対応付けられて、変動パターンコマンドが定められており、このテーブルFに基づいていずれかの変動パターンコマンドが決定されるようになっている。
【0124】
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様、及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「09H」(前半部分の変動時間は25秒、後半部分の変動時間は35秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値60秒(=25秒+35秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「01H」及び「B0H」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
【0125】
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0126】
なお、変動演出の変動時間及び基本的態様については、変動パターンコマンドのみに基づいて、変動演出の前半部分の変動時間及び態様、並びに変動演出の後半部分の変動時間及び態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の変動時間及び態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の変動時間及び態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の変動時間及び態様を決定するようにしてもよい。
【0127】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及びメインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
【0128】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0129】
また、当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図15(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態、特別遊技中において参照される第1判定テーブル116aと、時短遊技状態において参照される第2判定テーブル116bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、又は普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0130】
第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、第2判定テーブル116bによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0131】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び第2始動入賞口開放制御テーブル118を備えている。
【0132】
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図16に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、0.6秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
【0133】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル118は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル118に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中には、
図17に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図17に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが1.8秒(=0.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計1.8秒開放される。
【0134】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0135】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図18のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0136】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値をクリアする。特に図示していないが、リセット処理が実行された場合にも、この初期化処理が実行される。これにより
リセット処理の実行後(通常遊技状態の開始後)からの変動回数が変動回数カウンタによってカウントされることとなる。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウンタ値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0137】
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0138】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図19のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0139】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0140】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、特別遊技及び小当たり遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0141】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0142】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0143】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0144】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0145】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0146】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0147】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0148】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0149】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0150】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
【0151】
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態でない(すなわち、時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ508に進む。
【0152】
ステップ508において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0153】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0154】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0155】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
【0156】
ステップ606において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ608に進む。
【0157】
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0158】
次に、上述したステップ508及びステップ608の事前判定処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ508の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに第1特図保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに第2特図保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を確認する。そして、次のステップ652に進む。
【0159】
ステップ652において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、入球した遊技球に基づく変動が実行される時点の遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと、記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
【0160】
ステップ653において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ652における判定の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)又は小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ612における判定の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)又は小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15であり、かつ上述のステップ652における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はハズレ図柄Z1であると判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16であり、かつ上述のステップ652における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はハズレ図柄Z2であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ654に進む。
【0161】
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した現時点の保留数、及び上述のステップ651で確認した現時点の変動回数カウンタのカウント値によって、保留記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく変動が実行される際の変動回数を導出した上で、当該変動回数に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ655に進む。
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ654で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ653で判定された特別図柄の種別と、記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ656に進む。
【0162】
ステップ656において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)、上述のステップ653で判定された特別図柄の種別、上述のステップ655で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
【0163】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された乱数(第1特図乱数)、又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された乱数(第2特図乱数)を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
【0164】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)、小当たり遊技制御処理(ステップ705)又は特別遊技終了処理(ステップ706)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0165】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0166】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0167】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
【0168】
ステップ806において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ806における抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)又は小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ806における抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)又は小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)を決定する。一方、上述のステップ806における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Z1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Z2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0169】
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
【0170】
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
【0171】
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに特別図柄変動中状態を示すデータ「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0172】
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0173】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した始動入賞口の種別、及び現時点の変動回数カウンタのカウント値に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
【0174】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0175】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0176】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ905で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0177】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0178】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0179】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0180】
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0181】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
【0182】
ステップ1105において、メインCPU101は、高確率時短遊技状態が終了した場合に(すなわち、上述のステップ1103で時短遊技フラグがオフとなり、かつ上述のステップ1104で高確遊技フラグがオフとなった場合に)、通常遊技状態設定処理を実行する。
この通常遊技状態設定処理では、メインCPU101は、決定用テーブル115を参照し、通常遊技状態の開始後において変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を取得するための決定用テーブル情報取得処理を実行し、取得した情報を、メインRAM103の所定のテーブル情報記憶領域に記憶する。また、メインCPU101は、上述のように取得した、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を含むテーブル情報取得コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、当該情報を、副制御基板300に伝達することができる。さらに、メインCPU101は、変動回数カウンタの値をリセットする。これにより、通常遊技状態の開始後からの変動回数がカウントされることとなる。なお、高確率時短遊技状態が終了していない場合(すなわち、時短遊技フラグがオン、かつ高確遊技フラグがオンである場合)には、メインCPU101は何も処理を行わない。
そして、次のステップ1106に進む。
【0183】
ステップ1106において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1112に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1107に進む。
【0184】
ステップ1107において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1109に進む。
【0185】
ステップ1109において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1111に進む。
【0186】
ステップ1111において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1106で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1112において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1115に進む。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1113に進む。
【0187】
ステップ1113において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1114に進む。
ステップ1114において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0188】
また、上述のステップ1112で停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1115において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1116に進む。
ステップ1116において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0189】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0190】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0191】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0192】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0193】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0194】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0195】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0196】
次に、上述したステップ705の小当たり遊技制御処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、上述のステップ1113でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1252に進む。
【0197】
ステップ1252において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1256に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル112における第3作動テーブル112cに基づいて、大入賞口18の開閉を行う小当たり遊技実行処理を行う。そして、次のステップ1254に進む。
【0198】
ステップ1254において、メインCPU101は、大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0199】
また、上述のステップ1252でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1256において、メインCPU101は、上述のステップ1255でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、小当たり遊技終了処理を実行する。そして、次のステップ1258に進む。
ステップ1258において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0200】
次に、上述したステップ1257の小当たり遊技終了処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1280において、メインCPU101は、小当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態であったか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、高確率時短遊技状態である)と判定した場合、小当たり遊技終了処理を終了する。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ1281に進む。
ステップ1281において、メインCPU101は、決定用テーブル115を参照し、終了した小当たり遊技の実行契機となった小当たり図柄(Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)に基づいて、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を取得するための決定用テーブル情報取得処理を実行する。そして、取得した変動パターンテーブル114の情報を、メインRAM103の所定のテーブル情報記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1282に進む。
【0201】
ステップ1282において、メインCPU101は、上述のステップ1281で取得した、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を含むテーブル情報取得コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、当該情報を、副制御基板300に伝達することができる。そして、次のステップ1283に進む。
ステップ1283において、メインCPU101は、変動回数カウンタの値をリセットする。これにより、通常遊技状態中の小当たり当選に基づく小当たり遊技の終了からの変動回数がカウントされることとなる。そして、小当たり遊技終了処理を終了する。
【0202】
次に、上述したステップ706の特別遊技終了処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、遊技状態設定テーブル113に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「60」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0203】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0204】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0205】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0206】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0207】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a又は第2判定テーブル116bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、第1判定テーブル116aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2判定テーブル116bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0208】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0209】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0210】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0211】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0212】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0213】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0214】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0215】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0216】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0217】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0218】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態、時短遊技状態、又は特別遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0219】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0220】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0221】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技、特別遊技及び小当たり遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、変動演出中に実行され、大当たりの当選の期待度や所定の演出の実行の可能性を示唆する予告演出、及び記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を実行可能な先読み演出について説明する。
【0222】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
【0223】
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、全ての演出図柄50が停止表示された状態から、全ての演出図柄50の変動表示が開始される(
図39(a)及び(b)、
図40(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示が行われていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図39(c)~(e)、
図40(c)~(e)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図40(e)参照)。すなわち、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
【0224】
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(
図39(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレ又は小当たりであることが示される。なお、上述の停止表示態様は、大当たりの抽選の結果がハズレ又は小当たりであることを積極的に報知するものではなく、ハズレ又は小当たりであること(大当たりでないこと)を遊技者に単に認識させるものである。そして、大当たりの抽選の結果がハズレ及び小当たりのいずれの場合であっても、同様の態様で停止表示されるため、遊技者は、この演出図柄50の停止表示態様によって、大当たりの抽選の結果がハズレであるか、又は、小当たりであるかを把握することができないようになっている。
なお、小当たりの場合における演出図柄50の停止表示態様はこれに限定されるものではなく、小当たりを示す特定の態様(ハズレの場合に停止表示される演出図柄50の組み合わせとは異なる特定の演出図柄50の組み合わせ(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄がすべて異なる偶数の図柄となる組み合わせ等))で演出図柄50が停止表示されるようにしてもよい。
【0225】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0226】
(変動演出の前半部分の実行態様)
変動演出の前半部分の実行態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなしパターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチパターンが設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドが「00H」、「01H」、「04H」、「B0H」であった場合にリーチなしパターンにより変動演出の前半部分が実行され、「02H」、「03H」、「05H」、「06H」、「07H」、「08H」、「09H」、「0AH」、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A7H」、「A8H」、「A9H」、「AAH」であった場合にリーチパターンにより変動演出の前半部分が実行される。
【0227】
リーチなしパターンとしては、リーチなしパターンA、及びリーチなしパターンBが設けられている。
【0228】
リーチなしパターンAは、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示することでリーチ表示が行われない実行態様である(
図39参照)。
【0229】
リーチなしパターンBは、所定の停止表示態様による演出図柄50の仮停止が行われる擬似連演出が実行された後に、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示することでリーチ表示が行われない実行態様である(
図41参照)。
ここで、擬似連演出の態様としては、通常態様と特殊態様とが設けられている。通常態様は、前半部分の変動時間が経過するまでの間に、全ての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が1違いの数字の図柄で仮停止、第3停止図柄が仮停止を示唆する仮停止図柄で仮停止)した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われるものである(
図41、
図42参照)。また、特殊態様は、前半部分の変動時間が経過するまでの間、上述の通常態様と異なる特殊な停止表示態様による演出図柄50の仮停止(たとえば、「357」という数字の並びでの仮停止)が連続して行われるとともに、後述する特殊擬似予告演出(たとえば、表示部21aの右上部から左下部にかけて流れ星が流れる画像の表示)が行われるものである(
図43参照)。
【0230】
そして、リーチなしパターンBでは、このリーチなしパターンBに設定された前半部分の変動時間である15秒が経過するまでの間に、上述の仮停止が1回行われる通常態様の擬似連演出が実行されるようになっている(
図41参照)。
【0231】
また、リーチパターンには、リーチパターンA、リーチパターンB、及びリーチパターンCの3種類が設けられている。
【0232】
リーチパターンAは、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示することでリーチ表示が行われる実行態様である(
図40参照)。
【0233】
リーチパターンB、及びリーチパターンCはいずれも、上述の擬似連演出が行われた後に、リーチ表示が行われる実行態様である(
図42、
図43参照)。
リーチパターンBには、具体的な態様の異なるリーチパターンB1、及びリーチパターンB2が設けられている。リーチパターンB1では、リーチパターンBに設定された前半部分の変動時間である15秒が経過するまでの間に、上述の仮停止が1回行われる通常態様の擬似連演出が実行されるようになっている。また、リーチパターンB2では、リーチパターンBに設定された前半部分の変動時間である15秒が経過するまでの間、上述の特殊態様の擬似連演出が実行されるようになっている(
図43参照)。
また、リーチパターンCにも、具体的な態様の異なるリーチパターンC1、及びリーチパターンC2が設けられている。リーチパターンC1では、リーチパターンCに設定された前半部分の変動時間である25秒が経過するまでの間に、上述の仮停止が2回行われる通常態様の擬似連演出が実行されるようになっている(
図42参照)。また、リーチパターンC2では、リーチパターンCに設定された前半部分の変動時間である25秒が経過するまでの間、上述の特殊態様の擬似連演出が実行されるようになっている(
図43参照)。
【0234】
なお、通常態様の擬似連演出において仮停止を行う回数、仮停止を行うタイミングとしては、種々の回数や種々の時点を設定することができる。
また、大当たりに当選した場合にのみ上述の仮停止が特定回数(たとえば、4回)行われる擬似連演出が実行されるように設定し、当該擬似連演出が実行された場合には、大当たりに当選したことを把握できるようにしてもよい。
また、擬似連演出の態様としては、通常態様や特殊態様のみならず、たとえば、リーチ表示が行われてから第3停止図柄を仮停止させた後に変動表示を再開するという態様等を設けてもよい。
【0235】
また、リーチパターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知するようにしてもよい。
【0236】
(変動演出の後半部分の実行態様)
変動演出の前半部分の実行態様がリーチなしパターン(リーチなしパターンA、リーチなしパターンBであった場合における変動演出の後半部分の実行態様としては、後半部分の変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレである旨が報知されるノーマルハズレパターンが設けられている(
図39、
図41参照)。
また、変動演出の前半部分の実行態様がリーチパターン(リーチパターンA、リーチパターンB、リーチパターンC)であった場合における変動演出の後半部分の実行態様としては、リーチ表示後に演出表示装置21に所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行され、その後、大当たりの抽選の結果が大当たり又はハズレである旨を報知する発展ありパターン(
図44~
図46参照)、及びリーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果が大当たり又はハズレである旨を報知する発展なしパターン(
図40参照)が設けられている。
【0237】
また、発展ありパターンには、発展ありパターンA、発展ありパターンB、及び発展ありパターンCの3種類が設けられている。
【0238】
発展ありパターンAでは、発展演出画像として所定の低期待度発展演出画像(たとえば、演出図柄50が次々と破壊されていくような動画等)の表示が開始されてから(すなわち、リーチ発展演出が開始されてから)、当該低期待度発展演出画像の表示以外の演出が特段実行されることなく、ハズレ又は大当たりが報知されるようになっている(
図44参照)。
また、発展ありパターンAには、具体的な態様の異なる発展ありパターンA1、及び発展ありパターンA2が設けられている。特に図示していないが、発展ありパターンA1では、低期待度発展演出画像として画像A1が表示され、発展ありパターンA2では、低期待度発展演出画像として画像A2が表示されるようになっている。
【0239】
発展ありパターンBでは、発展演出画像として所定の低期待度発展演出画像の表示が開始されてから所定時間経過した後、当該低期待度発展演出画像よりも大当たりの当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度発展演出画像の表示に切り替わる旨を報知するチャンスアップ画像を表示した上で、当該高期待度発展演出画像の表示に切り替わるチャンスアップ演出が実行され、その後、ハズレ又は大当たりが報知されるようになっている(
図45参照)。
また、発展ありパターンBにも、具体的な態様の異なる発展ありパターンB1、及び発展ありパターンB2が設けられている。特に図示していないが、発展ありパターンB1では、低期待度発展演出画像として画像A1が表示され、かつ高期待度発展演出画像として画像B1が表示され、発展ありパターンB2では、低期待度発展演出画像として画像A2が表示され、かつ高期待度発展演出画像として画像B2が表示されるようになっている。
【0240】
発展ありパターンCでは、発展演出画像として所定の特殊発展演出画像(たとえば、パチンコ機Pに採用された機種コンテンツにおいて登場するキャラクターに関するエピソード動画等)の表示が行われ、ハズレ又は大当たりが報知されるようになっている(
図46参照)。
また、発展ありパターンCにも、具体的な態様の異なる発展ありパターンC1、及び発展ありパターンC2が設けられている。特に図示していないが、発展ありパターンC1では、特殊発展演出画像として画像C1が表示され、発展ありパターンC2では、特殊発展演出画像として画像C2が表示されようになっている。
【0241】
また、上述の各演出においては、画像の表示や音声の出力のみならず、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0242】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示の有無が報知されるまで(すなわち、第2停止図柄が停止表示されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示の有無が報知されてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
【0243】
(変動演出の実行態様の決定)
次に、上述の変動演出の実行態様の決定について説明する。
副制御基板300のメインROM302には、主制御基板100において決定され得る変動パターンコマンドごとに、変動演出の実行態様が定められた変動演出決定テーブル119が記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、変動開始時に主制御基板100から変動パターンコマンドを受信すると、変動演出決定テーブル119を参照して、受信した変動パターンコマンドに基づいて変動演出の実行態様を決定する。
【0244】
変動演出決定テーブル119には、
図47~
図51に示すように、主制御基板100においてテーブルAの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第1変動演出決定テーブル119a、主制御基板100においてテーブルBの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第2変動演出決定テーブル119b、主制御基板100においてテーブルCの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第3変動演出決定テーブル119c、主制御基板100においてテーブルDの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第4変動演出決定テーブル119d、主制御基板100においてテーブルEの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第5変動演出決定テーブル119eの5つのテーブルが設けられている。
各変動演出決定テーブル119には、変動パターンコマンド、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される変動演出乱数ごとに対応付けられて、変動演出の実行態様が定められている。
【0245】
副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から変動パターンコマンドを受信すると、当該時点で主制御基板100において参照されている変動パターンテーブル114に対応するいずれかの変動演出決定テーブル119を取得するとともに、所定の数値範囲(0~249)から1の変動演出乱数を取得する。そして、サブCPU301は、取得した変動演出決定テーブル119、受信した変動パターンコマンド、及び取得した変動演出乱数に基づいて、変動演出の実行態様を決定する。
【0246】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態の設定時、及び小当たり遊技の終了時に決定用テーブル115に基づいて取得される変動パターンテーブル114の情報、並びに通常遊技状態の設定時又は小当たり遊技の終了時からの変動回数をカウントする変動回数カウンタのカウント値が、主制御基板100から副制御基板300に送信されるようになっている。これにより、副制御基板300においても、主制御基板100において参照される変動パターンテーブルの種類を把握することができるようになっている。
【0247】
以下、第1変動演出決定テーブル119a、第2変動演出決定テーブル119b、第3変動演出決定テーブル119c、第4変動演出決定テーブル119d、及び第5変動演出決定テーブル119eについて説明する。
(第1変動演出決定テーブル119a)
図47に示すように、第1変動演出決定テーブル119aによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」、「01H」又は「B0H」であった場合には必ず、前半部分がリーチなしパターンA及び後半部分がノーマルハズレパターンの実行態様(以下、態様1という)が決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「04H」であった場合には必ず、前半部分がリーチなしパターンB及び後半部分がノーマルハズレパターンの実行態様(以下、態様2という)が決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「02H」であった場合には必ず、前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展なしパターンの実行態様(以下、態様3という)が決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「03H」又は「A3H」であった場合には、前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様4という)、又は前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様5という)のいずれかが決定される。
【0248】
また、受信した変動パターンコマンドが「05H」又は「A5H」であった場合には、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様6という)、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様7という)、前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様12という)、又は前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様13という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「06H」又は「A6H」であった場合には、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンB1の実行態様(以下、態様8という)、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンB2の実行態様(以下、態様9という)、前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンB1の実行態様(以下、態様14という)、又は前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンB2の実行態様(以下、態様15という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「07H」又は「A7H」であった場合には、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンC1の実行態様(以下、態様10という)、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンC2の実行態様(以下、態様11という)、前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンC1の実行態様(以下、態様16という)、又は前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンC2の実行態様(以下、態様17という)のいずれかが決定される。
【0249】
また、受信した変動パターンコマンドが「08H」又は「A8H」であった場合には、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様18という)、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様19という)、前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様24という)、又は前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様25という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「09H」又は「A9H」であった場合には、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンB1の実行態様(以下、態様20という)、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンB2の実行態様(以下、態様21という)、前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンB1の実行態様(以下、態様26という)、又は前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンB2の実行態様(以下、態様27という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「0AH」又は「AAH」であった場合には、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンC1の実行態様(以下、態様22という)、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンC2の実行態様(以下、態様23という)、前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンC1の実行態様(以下、態様28という)、又は前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンC2の実行態様(以下、態様29という)のいずれかが決定される。
【0250】
(第2変動演出決定テーブル119b)
図48に示すように、第2変動演出決定テーブル119bは、第1変動演出決定テーブル119aと同一の内容となっている。したがって、第2変動演出決定テーブル119bによれば、受信した変動パターンコマンドがいずれの場合であっても、上述の第1変動演出決定テーブル119aで決定され得る実行態様と同様の実行態様が決定される。
【0251】
(第3変動演出決定テーブル119c)
図49に示すように、第3変動演出決定テーブル119cによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」、「01H」、「B0H」、「02H」、「04H」、「06H」、「07H」、「09H」、「0AH」、「A6H」、「A7H」、「A9H」及び「AAH」であった場合にはいずれも、上述の第1変動演出決定テーブル119a及び第2変動演出決定テーブル119bで決定され得る実行態様と同様の実行態様が決定される。
なお、主制御基板100においてテーブルCが参照されている場合には、上述の如く、「03H」、「05H」、「08H」、「A3H」、「A5H」及び「A8H」の変動パターンコマンドは決定されない。したがって、第3変動演出決定テーブル119cには、これらの変動パターンコマンドについての実行態様は定められておらず、当然にこれらの変動パターンコマンドに対する実行態様が決定されることはない。
【0252】
すなわち、
図49に示すように、第3変動演出決定テーブル119cにおいては、変動演出の後半部分の実行態様として、低期待度発展演出画像が表示される発展ありパターンA1、A2(態様4、態様5、態様6、態様7、態様12、態様13、態様18、態様19、態様24、態様25)が決定されることはなく、チャンスアップ演出が行われる発展ありパターンB1、B2(態様8、態様9、態様14、態様15、態様20、態様21、態様26、態様27)、特殊発展演出画像が表示される発展ありパターンC1、C2(態様10、態様11、態様16、態様17、態様22、態様23、態様28、態様29)が決定されるようになっている。
換言すれば、第3変動演出決定テーブル119cにおいて、リーチ発展演出が実行される実行態様としては、大当たりの当選の期待度の低い態様は決定されず、大当たりの当選の期待度の高い態様が決定され得るようになっている。
【0253】
(第4変動演出決定テーブル119d)
図50に示すように、第4変動演出決定テーブル119dによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」、「01H」、「B0H」、「02H」、「04H」、「07H」、「0AH」、「A7H」及び「AAH」であった場合にはいずれも、上述の第1変動演出決定テーブル119a、第2変動演出決定テーブル119b及び第3変動演出決定テーブル119cで決定され得る実行態様と同様の実行態様が決定される。
なお、主制御基板100においてテーブルDが参照されている場合には、上述の如く、「03H」、「05H」、「06H」、「08H」、「09H」、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A8H」及び「A9H」の変動パターンコマンドは決定されない。したがって、第4変動演出決定テーブル119dには、これらの変動パターンコマンドについての実行態様は定められておらず、当然にこれらの変動パターンコマンドに対する実行態様が決定されることはない。
【0254】
すなわち、
図50に示すように、第4変動演出決定テーブル119dにおいては、変動演出の後半部分の実行態様として、発展ありパターンA1、A2(態様4、態様5、態様6、態様7、態様12、態様13、態様18、態様19、態様24、態様25)、発展ありパターンB1、B2(態様8、態様9、態様14、態様15、態様20、態様21、態様26、態様27)が決定されることはなく、発展ありパターンC1、C2(態様10、態様11、態様16、態様17、態様22、態様23、態様28、態様29)が決定されるようになっている。
換言すれば、第4変動演出決定テーブル119dにおいて、リーチ発展演出が実行される実行態様としては、最も大当たりの当選の期待度の高い態様のみが決定され得るようになっている。
【0255】
(第5変動演出決定テーブル119e)
図51に示すように、第5変動演出決定テーブル119eによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」、「01H」、「B0H」、「08H」、「09H」、「0AH」、「A8H」、「A9H」及び「AAH」であった場合にはいずれも、上述の第1変動演出決定テーブル119a及び第2変動演出決定テーブル119b等で決定され得る実行態様と同様の実行態様が決定される。
なお、主制御基板100においてテーブルEが参照されている場合には、上述の如く、「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「A3H」、「A5H」、「A6H」及び「A7H」の変動パターンコマンドは決定されない。したがって、第5変動演出決定テーブル119eには、これらの変動パターンコマンドについての実行態様は定められておらず、当然にこれらの変動パターンコマンドに対する実行態様が決定されることはない。
【0256】
すなわち、
図51に示すように、第5変動演出決定テーブル119eにおいては、変動演出の前半部分の実行態様として、リーチパターンAや仮停止が1回行われる通常態様の擬似連演出や15秒の特殊態様の擬似連演出が実行される態様(態様2~17)が決定されることはなく、仮停止が2回行われる通常態様の擬似連演出や25秒の特殊態様の擬似連演出が実行される態様(態様18~29)が決定されるようになっている。
換言すれば、第5変動演出決定テーブル119eにおいて、リーチ表示が実行されるリーチパターンとしては、大当たりの当選の期待度の高い態様(仮停止が2回行われる通常態様の擬似連演出が実行される態様、25秒の特殊態様の擬似連演出が実行される態様)のみが決定されるようになっている。
【0257】
なお、
図47~
図51において、変動パターンコマンドと変動演出の実行態様とが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた変動演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の実行態様について、ハズレの場合又は大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行される変動演出の態様に応じて、大当たりの当選に対する期待度が変化するようになっている。
【0258】
具体的には、たとえば、発展ありパターンAに関しては、ハズレの場合には、発展ありパターンA1の決定割合が発展ありパターンA2の決定割合よりも高くなっており、大当たりの場合には、発展ありパターンA2の決定割合が発展ありパターンA1の決定割合が高くなっている。したがって、発展ありパターンA2が実行された場合は、発展ありパターンA1が実行された場合よりも大当たりの当選に対する期待度が高くなる。発展ありパターンB及び発展ありパターンCについても同様である。
また、たとえば、リーチパターンBに関して、リーチパターンB1の決定割合は、大当たりの場合よりもハズレの場合の方が高くなっており、リーチパターンB2の決定割合は、ハズレの場合よりも大当たりの場合の方が高くなっている。したがって、リーチパターンB2が実行された場合は、リーチパターンB1が実行された場合よりも大当たりの当選に対する期待度が高くなる。
【0259】
また、リーチパターンCに関しても、上述のリーチパターンBと同様の決定割合となっている。すなわち、リーチパターンC1の決定割合は、大当たりの場合よりもハズレの場合の方が高くなっており、リーチパターンC2の決定割合は、ハズレの場合よりも大当たりの場合の方が高くなっている。
ただし、第1変動演出決定テーブル119a~第4変動演出決定テーブル119dにおいては、ハズレ及び大当たりのいずれの場合であっても、リーチパターンC2よりもリーチパターンC1の方が決定されやすくなっているものの、第5変動演出決定テーブル119eにおいては、リーチパターンC1よりもリーチパターンC2が決定されやすくなっている。
【0260】
(予告演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出中において、当該変動演出とは別個に、大当たりの当選の期待度や変動演出中における所定の演出の実行の可能性を示唆する予告演出を実行可能となっている。
本形態に係るパチンコ機Pには、実行可能な予告演出の種類として、通常予告演出、及び特殊擬似予告演出が設けられている。
【0261】
通常予告演出は、変動演出の前半部分における所定のタイミングで、演出図柄50に重ねて当該通常予告演出の開始を示唆する開始画像(たとえば、「?」マークが付された丸印の画像等)が表示され、所定時間が経過すると、開始画像が所定のカットイン画像に変化する表示が行われるものである(
図52(a)~(c)参照)。
この通常予告演出には、表示されるカットイン画像が異なる第1予告パターン、第2予告パターン、第3予告パターン、第4予告パターン、第5予告パターン、第6予告パターン、第7予告パターン、第8予告パターン、第9予告パターン及び第10予告パターンの10種類の実行態様が設けられている。
【0262】
第1予告パターンでは、相対的に大当たりの当選の期待度が低い旨を示す低期待度カットイン画像(たとえば、「CHANCE!」の文字画像等)が表示されるようになっている(
図52(c)参照)。
第2予告パターンでは、特に図示していないが、相対的に大当たりの当選の期待度が高い旨を示す高期待度カットイン画像(たとえば、「HI-CHANCE!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第3予告パターンでは、特に図示していないが、擬似連演出が実行される可能性がある旨を示す擬似煽りカットイン画像(たとえば、「NEXT?」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第4予告パターンでは、特に図示していないが、擬似連演出が実行される旨を示す擬似カットイン画像(たとえば、「NEXT!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第5予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターン(発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC)による変動演出が実行される可能性がある旨を示す発展煽りカットイン画像(たとえば、「SP?」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第6予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンによる変動演出が実行される旨を示す発展カットイン画像(たとえば、「SP!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
【0263】
第7予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンB(チャンスアップ演出が実行されるリーチ発展演出)による変動演出が実行される可能性がある旨を示すチャンスアップ煽りカットイン画像(たとえば、「CHANCE UP?」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第8予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンBによる変動演出が実行される旨を示すチャンスアップカットイン画像(たとえば、「CHANCE UP!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第9予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンC(特殊発展演出画像(エピソード動画)が表示されるリーチ発展演出)による変動演出が実行される可能性がある旨を示すエピソード煽りカットイン画像(たとえば、「エピソード?」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第10予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンCによる変動演出が実行される旨を示すエピソードカットイン画像(たとえば、「エピソード!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
【0264】
また、特殊擬似予告演出は、上述の如く、特殊態様の擬似連演出が実行される場合(変動演出の前半部分がリーチパターンB2又はリーチパターンC2の場合)にのみ実行され(
図43参照)、大当たりの当選の期待度が高い旨を示すものである。
【0265】
(予告演出に関する決定の概要)
次に、上述の予告演出(通常予告演出、特殊擬似予告演出)の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様の決定について説明する。
副制御基板300のメインROM302には、上述のように決定され得る変動演出の実行態様ごとに、通常予告演出の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様が定められているとともに、特殊擬似予告演出の実行の可否が定められた予告演出決定テーブル120が記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、変動演出の実行態様が決定されると、予告演出決定テーブル120を参照して、決定された変動演出の実行態様に基づいて通常予告演出の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様を決定するとともに、特殊擬似予告演出の実行の可否を決定する。
【0266】
予告演出決定テーブル120には、
図53~
図57に示すように、主制御基板100においてテーブルAの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第1予告演出決定テーブル120a、主制御基板100においてテーブルBの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第2予告演出決定テーブル120b、主制御基板100においてテーブルCの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第3予告演出決定テーブル120c、主制御基板100においてテーブルDの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第4予告演出決定テーブル120d、主制御基板100においてテーブルEの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第5予告演出決定テーブル120eの5つのテーブルを備えている。
各予告演出決定テーブル120には、変動演出の実行態様、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される通常予告演出乱数ごとに対応付けられて、通常予告演出の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様が定められている。また、変動演出の実行態様、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される特殊擬似予告演出乱数ごとに対応付けられて、特殊擬似予告演出の実行の可否が定められている。
【0267】
副制御基板300のサブCPU301は、変動演出の態様を決定すると、当該時点で主制御基板100において参照されている変動パターンテーブル114に対応するいずれかの予告演出決定テーブル120を取得するとともに、所定の数値範囲(0~249)から1の通常予告演出乱数及び特殊擬似予告乱数を取得する。そして、サブCPU301は、取得した予告演出決定テーブル120、決定された変動演出の態様、及び取得した通常予告演出乱数に基づいて、通常予告演出の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様を決定する。また、サブCPU301は、取得した予告演出決定テーブル120、決定された変動演出の態様、及び取得した特殊擬似予告演出乱数に基づいて、特殊擬似予告演出の実行の可否を決定する。
【0268】
以下、第1予告演出決定テーブル120a、第2予告演出決定テーブル120b、第3予告演出決定テーブル120c、第4予告演出決定テーブル120d、及び第5予告演出決定テーブル120eについて説明する。
なお、
図53~
図57において、変動演出の実行態様と通常予告演出の実行の可否及び通常予告演出の実行態様とが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた通常予告演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。また、変動演出の実行態様と特殊擬似予告演出の実行の可否とが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた特殊擬似予告演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。
【0269】
(第1予告演出決定テーブル120a)
図53に示すように、第1予告演出決定テーブル120aによれば、決定された変動演出の実行態様が態様1であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、又は第3予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様2であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、又は第4予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様3であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、又は第5予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様4であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様5であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
【0270】
また、決定された変動演出の実行態様が態様6、態様7、態様18、又は態様19であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様8、態様9、態様20、又は態様21であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様10、態様11、態様22、又は態様23であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
【0271】
また、決定された変動演出の実行態様が態様12、態様13、態様24、又は態様25であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様14、態様15、態様26、又は態様27であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様16、態様17、態様28、又は態様29であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
【0272】
このように、第1予告演出決定テーブル120aが参照される場合(すなわち、主制御基板100においてテーブルAの変動パターンテーブル114が参照される場合)には、通常予告演出の実行態様として、第1予告パターン~第10予告パターンの全ての種類が決定され得る。
すなわち、第1予告演出決定テーブル120aが参照される場合には、通常予告演出は、第1予告パターン~第10予告パターンの全種類の実行態様により実行され得るようになっている。
【0273】
(第2予告演出決定テーブル120b)
図54に示すように、第2予告演出決定テーブル120bは、第1予告演出決定テーブル120aと同一の内容となっている。したがって、第2予告演出決定テーブル120bによれば、いずれの変動演出の実行態様が決定された場合であっても、上述の第1予告演出決定テーブル120aで決定され得る予告演出の実行態様と同様の実行態様が決定される。
すなわち、第2予告演出決定テーブル120bが参照される場合には、第1予告演出決定テーブル120bが参照される場合と同様に、通常予告演出は、第1予告パターン~第10予告パターンの全種類の実行態様により実行され得るようになっている。
【0274】
(第3予告演出決定テーブル120c)
図55に示すように、第3予告演出決定テーブル120cによれば、決定された変動演出の実行態様が態様1、態様2、又は態様3であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様8、態様9、態様20、又は態様21であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様10、態様11、態様22、又は態様23であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
【0275】
また、決定された変動演出の実行態様が態様14、態様15、態様26、又は態様27であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様16、態様17、態様28、又は態様29であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
【0276】
なお、主制御基板100においてテーブルCの変動パターンテーブル114が参照され、副制御基板300において第3変動演出決定テーブル119cの変動演出決定テーブル119に基づいて変動演出の実行態様を決定する場合には、態様4、態様5、態様6、態様7、態様12、態様13、態様18、態様19、態様24、態様25は決定されない(
図49参照)。したがって、第3予告演出決定テーブル120cには、これらの変動演出の実行態様に対応する通常予告演出の実行の可否、通常予告演出を実行する場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否は定められておらず、当然にこれらの変動演出の実行に対応する予告演出の決定が行われることはない。
【0277】
ここで、決定された変動演出の実行態様が所定の態様(態様1、態様2等)であった場合、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bにおいては、チャンスアップ煽りカットイン画像が表示される第7予告パターン、エピソード煽りカットイン画像が表示される第9予告パターンの予告演出は決定されないものの(
図53、
図54参照)、第3予告演出決定テーブル120cにおいては、これらの実行態様の予告演出が決定されるようになっている(
図55参照)。
また、第7予告パターン、第9予告パターン、チャンスアップカットイン画像が表示される第8予告パターン、エピソードカットイン画像が表示される第10予告パターンの実行態様については、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bよりも第3予告演出決定テーブル120cの方が決定されやすくなっている(
図53、
図54、
図55参照)。
すなわち、第3予告演出決定テーブル120cが参照される場合には、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bが参照される場合よりも、大当たりの当選の期待度の高いリーチ発展演出(チャンスアップ演出が実行されるリーチ発展演出、特殊発展演出画像が表示されるリーチ発展演出)の実行を示唆する予告演出の実行割合が高くなっている。
【0278】
またここで、第3予告演出決定テーブル120cが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルCの変動パターンテーブル114が参照され、かつ変動演出の実行態様を決定するときに第3変動演出決定テーブル119cが参照される場合であるが、これらを参照する際には、上述の如く、リーチ発展演出が実行される実行態様として、大当たりの当選の期待度の低い態様は決定されず、大当たりの当選の期待度の高い態様が決定され得るようになっている。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の後半部分において大当たりの当選の期待度の高いリーチ発展演出が実行されやすい間(テーブルCの変動パターンテーブル114が参照され、第3変動演出決定テーブル119cが参照される間)には、このようなリーチ発展演出の実行を示唆する予告演出も実行されやすいようになっている。
【0279】
(第4予告演出決定テーブル120d)
図56に示すように、第4予告演出決定テーブル120dによれば、決定された変動演出の実行態様が態様1、態様2、又は態様3であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様10、態様11、態様22、又は態様23であった場合には、通常予告演出については、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
【0280】
また、決定された変動演出の実行態様が態様16、態様17、態様28、又は態様29であった場合には、通常予告演出については、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
【0281】
なお、主制御基板100においてテーブルDの変動パターンテーブル114が参照され、副制御基板300において第4変動演出決定テーブル119dの変動演出決定テーブル119に基づいて変動演出の実行態様を決定する場合には、態様4、態様5、態様6、態様7、態様8、態様9、態様12、態様13、態様14、態様15、態様18、態様19、態様20、態様21、態様24、態様25、態様26、態様27は決定されない(
図50参照)。したがって、第4予告演出決定テーブル120dには、これらの変動演出の実行態様に対応する通常予告演出の実行の可否、通常予告演出を実行する場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否は定められておらず、当然にこれらの変動演出の実行に対応する予告演出の決定が行われることはない。
【0282】
ここで、決定された変動演出の実行態様が所定の態様(態様1、態様2等)であった場合、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bにおいては、エピソード煽りカットイン画像が表示される第9予告パターンの予告演出は決定されないものの(
図53、
図54参照)、第4予告演出決定テーブル120dにおいては、この実行態様の予告演出が決定されるようになっている(
図56参照)。
また、第9予告パターン、エピソードカットイン画像が表示される第10予告パターンの実行態様については、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bよりも第3予告演出決定テーブル120cの方が決定されやすくなっている(
図53、
図54、
図56参照)。
すなわち、第4予告演出決定テーブル120dが参照される場合には、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bが参照される場合よりも、最も大当たりの当選の期待度の高いリーチ発展演出(特殊発展演出画像が表示されるリーチ発展演出)の実行を示唆する予告演出の実行割合が高くなっている。
【0283】
またここで、第4予告演出決定テーブル120dが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルDの変動パターンテーブル114が参照され、かつ変動演出の実行態様を決定するときに第4変動演出決定テーブル119dが参照される場合であるが、これらを参照する際には、上述の如く、リーチ発展演出が実行される実行態様として、最も大当たりの当選の期待度の高い態様が決定され得るようになっている。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の後半部分において最も大当たりの当選の期待度の高いリーチ発展演出が実行されやすい間(テーブルDの変動パターンテーブル114が参照され、第4変動演出決定テーブル119dが参照される間)には、このリーチ発展演出の実行を示唆する予告演出も実行されやすいようになっている。
【0284】
(第5予告演出決定テーブル120e)
図57に示すように、第5予告演出決定テーブル120eによれば、決定された変動演出の実行態様が態様1であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、又は第3予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様18、又は態様19であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様20、又は態様21であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様22、又は態様23であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
【0285】
また、決定された変動演出の実行態様が態様24、又は態様25であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様26、又は態様27であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様28、又は態様29であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
【0286】
なお、主制御基板100においてテーブルEの変動パターンテーブル114が参照され、副制御基板300において第5変動演出決定テーブル119eの変動演出決定テーブル119に基づいて変動演出の実行態様を決定する場合には、態様2~態様17は決定されない(
図51参照)。したがって、第5予告演出決定テーブル120eには、これらの変動演出の実行態様に対応する通常予告演出の実行の可否、通常予告演出を実行する場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否は定められておらず、当然にこれらの変動演出の実行に対応する予告演出の決定が行われることはない。
【0287】
ここで、擬似煽りカットイン画像が表示される第3予告パターン、擬似カットイン画像が表示される第4予告パターンについては、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bよりも第5予告演出決定テーブル120eの方が決定されやすくなっている(
図53、
図54、
図57参照)。
すなわち、第5予告演出決定テーブル120eが参照される場合には、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bが参照される場合よりも、擬似連演出の実行を示唆する予告演出の実行割合が高くなっている。
【0288】
またここで、第5予告演出決定テーブル120eが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルEの変動パターンテーブル114が参照され、かつ変動演出の実行態様を決定するときに第5変動演出決定テーブル119eが参照される場合であるが、これらを参照する際には、上述の如く、変動演出の前半部分の実行態様であるリーチパターンとしては、大当たりの当選の期待度の高いリーチパターンのみが決定され得るようになっている。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の前半部分において、大当たりの当選の期待度の高いリーチパターンが実行されやすい間(テーブルEの変動パターンテーブル114が参照され、第5変動演出決定テーブル119eが参照される間)には、擬似連演出の実行を示唆する予告演出も実行されやすいようになっている。
【0289】
なお、第5変動演出決定テーブル119eにおいては、他の変動演出決定テーブル119と比較して、仮停止が2回行われる通常態様の擬似連演出が実行されるリーチパターンC1よりも、25秒の特殊態様の擬似連演出が実行されるリーチパターンC2の決定割合が高くなっている(
図47~
図51参照)。そして、変動演出の前半部分の態様としてリーチパターンC2が決定された場合には必ず、特殊擬似予告演出の実行が決定されるため(
図53~
図57参照)、第5変動演出決定テーブル119eが参照されているときには、他の変動演出決定テーブル119が参照されているときよりも、特殊擬似予告演出の決定割合も高いこととなる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の前半部分において、大当たりの当選の期待度の高いリーチパターンが実行されやすい間には、特殊擬似予告演出も実行されやすいようになっている。
【0290】
(先読み演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、保留記憶領域に記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出を実行可能となっている。
本形態に係るパチンコ機Pには、実行可能な先読み演出の種類として、保留先読み演出、及び期待度示唆先読み演出が設けられている。
なおここでは、第1特図乱数の保留記憶に基づく先読み演出についてのみ説明するものとし、第2特図乱数の保留記憶に基づく先読み演出については説明を省略する。
【0291】
(保留先読み演出の概要)
保留先読み演出は、新たな保留記憶が行われ、大当たりの当選の期待度の高い特殊な表示態様(たとえば、白色以外の色や所定のキャラクターが付された丸印等)で保留表示を行う旨が決定された場合に、演出表示装置21において、この決定された特殊な表示態様で保留表示を行うものである。また、特殊な表示態様で保留表示を行う旨が決定されなかった場合には、通常の表示態様(たとえば、白色の丸印等)で保留表示が行われるようになっている。
【0292】
図58に示すように、演出表示装置21の表示部21aの下部には、第1特図乱数の保留表示領域52が設けられている。そして、第1特図乱数について保留記憶が行われると、この保留表示領域52に、保留記憶が行われた旨を示す保留表示が行われ、この保留表示により第1特図保留数が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、保留表示領域52の最左部に、読み出された保留(すなわち、実行中の特別図柄の変動表示の対象である保留)を表示する読み出し保留表示部52aが設けられているとともに、読み出し保留表示部52aの右側に、記憶された保留を記憶順に表示する第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eが設けられている。そして、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eの4つの保留表示部により第1特図保留数が示されるようになっている。
【0293】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、主制御基板100のメインRAM103に第1特図乱数を記憶する第1保留記憶領域が設けられているが、副制御基板300のサブRAM303にも、上述の事前判定コマンドに含まれる第1特図乱数に係る大当たりの抽選の結果、決定される特別図柄の種別、及び決定される変動パターンコマンドの情報、並びに保留表示の態様を示す情報(以下、これらの情報を総称して保留情報という)が記憶される第1保留記憶領域が設けられている。
このサブRAM303に設けられる第1保留記憶領域には、第1記憶部~第4記憶部の計4つの記憶部から構成されており、第1記憶部が第1保留表示部52bに対応し、以下、第2記憶部~第4記憶部が、それぞれ第2保留表示部52c~第4保留表示部52eに対応している。そして、各記憶部に保留情報が記憶されると、対応する保留表示部において保留表示が行われるようになっている。
【0294】
たとえば、第1特図保留数が「1」である場合には、第1記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部53aにおいて保留表示が行われる。また、第1特図保留数が「4」である場合には、第1記憶部~第4記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部53a、第2保留表示部53b、第3保留表示部53c、第4保留表示部53dにおいて保留表示が行われる。
そして、保留記憶が読み出されたり、新たに保留記憶がなされたりすることで、第1特図保留数が増減すると、これに伴って、上述の保留表示部53における保留表示の数も増減するようになっている。
【0295】
また、変動パターンコマンドを受信すると、第1記憶部に記憶された保留情報が読み出され、当該保留情報がサブRAM303の所定の処理領域に記憶されるとともに、変動演出が開始される。そして、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおいて読み出された保留を対象とする保留表示が行われる。
また、サブCPU301は、第1保留記憶領域におけるいずれの記憶部まで保留情報が記憶されているかを確認することで、第1特図保留数を把握できるようになっている。たとえば、いずれの記憶部にも保留情報が記憶されていない場合には、第1特図保留数は「0」であると把握することができ、第2記憶部まで保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留数は「2」であると把握することができる。
【0296】
次に、保留先読み演出の実行の可否の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、特に図示していないが、保留先読み演出の実行の可否を決定するための保留先読み演出決定テーブルが設けられている。
保留先読み演出決定テーブルには、変動パターンコマンドの情報、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される保留先読み演出乱数ごとに対応付けられて、保留先読み演出の実行の可否が定められている。
【0297】
副制御基板300が主制御基板100から送信される事前判定コマンドを受信すると、サブCPU301は、事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動パターンコマンドの情報を上述の記憶部に記憶するとともに、所定の数値範囲(0~249)から1の保留先読み演出乱数を取得する。そして、サブCPU301は、この記憶部に記憶された変動パターンコマンドの情報、取得した保留先読み演出乱数、及び保留先読み演出決定テーブルに基づいて、保留先読み演出の実行の可否を決定する。
サブCPU301は、この決定の結果(特殊な表示態様での保留表示、通常の表示態様での保留表示)を、保留情報として、上述の事前判定コマンドに含まれる情報が記憶されている記憶部と同じ記憶部に記憶する。
【0298】
(期待度示唆先読み演出の概要)
期待度示唆先読み演出は、第1特図保留数が「2」以上であるときに新たな保留が記憶され、かつこの新たに記憶された保留(以下、当該保留という)に基づく変動演出(以下、当該変動演出という)においてリーチ発展演出が実行される場合に、当該変動演出中、又は当該保留よりも先に記憶された保留に基づく変動演出(以下、当該前変動演出という)から当該変動演出までの複数回の変動演出に跨って、演出表示装置21において、大当たりの当選の期待度が高い旨を示唆する特定示唆画像の表示を行うものである。
【0299】
たとえば、
図59(a)及び(b)に示すように、第1特図保留数が「2」であるときに行われている変動演出中に、第1始動入賞口15に遊技球が入球し新たに第1特図乱数が保留として記憶されたものとする。また、この保留に基づく変動演出(当該変動演出)において発展ありパターンA、発展ありパターンB、又は発展ありパターンCのいずれかのリーチ発展演出が実行される変動パターンコマンドが決定されるとともに、この保留を対象として、当該変動演出の1回前の当該前変動演出(以下、当該1回前変動演出という)から期待度示唆先読み演出を実行する旨が決定されたものとする。
すると、当該1回前変動演出が開始されると、演出表示装置21の表示部21aの中央左部に、期待度示唆先読み演出が実行される可能性がある旨を示唆する先読み示唆画像(たとえば、「チャンスZONE」というアイコン画像)が表示され、この先読み示唆画像が右方向へ移動する表示が行われる(
図59(c)~(e)参照)。そして、この先読み示唆画像が表示部21aの中央で停止する表示が行われ(
図59(f)参照)、期待度示唆先読み演出が実行される旨を示す先読み実行画像(たとえば、「チャンスZONE突入」という文字画像)が表示された後(
図59(g)参照)、表示部21aの上部において特定示唆画像(たとえば、「チャンスZONE」という文字が付された帯画像)が表示される(
図59(h)参照)。そして、これ以降、当該変動演出における所定の時点(本形態では、リーチ表示が行われる時点)まで、特定示唆画像が表示され続ける(
図59(i)~(j)参照)。
【0300】
また、特に図示していないが、たとえば、上述の保留を対象として、当該変動演出から期待度示唆先読み演出を実行する旨が決定された場合には、当該変動演出が開始されると、上述の先読み示唆画像の表示、当該先読み示唆画像が移動する表示及び表示部21aの中央で停止する表示が行われた後に上述の特定示唆画像が表示され、当該変動演出における所定の時点まで当該特定示唆画像が表示され続ける。
【0301】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の保留を対象として期待度示唆先読み演出を実行する旨が決定されなかったとき、上述の特定示唆画像の表示は行われないものの、上述の先読み実行画像の表示が行われる煽り演出が実行され得るようになっている。
特に図示していないが、この煽り演出では、当該1回前変動演出又は当該変動演出が開始されると、上述と同様に、先読み示唆画像が表示部21aの中央左部に表示され右方向へ移動する表示が行われるものの、この先読み示唆画像が、表示部21aの中央で停止することなく中央右部まで移動した後に、表示部21aから消える表示が行われる。
この煽り演出は、当該変動演出の後半部分においてリーチ発展演出が実行される変動パターンコマンドが決定される場合のみならず、リーチ発展演出以外(発展なしパターン、ノーマルハズレパターン)が実行される変動パターンコマンドが決定される場合にも、実行が決定され得るようになっている。
【0302】
(期待度示唆先読み演出、及び煽り演出の決定の概要)
次に、期待度示唆先読み演出、及び煽り演出の実行の可否の決定について説明する。
本形態における副制御基板300のサブROM302には、変動パターンコマンドごとに、期待度示唆先読み演出、煽り演出の実行の可否を決定するための期待度示唆先読み演出決定テーブル121が記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された事前判定コマンドを受信すると、期待度示唆先読み演出決定テーブル121を参照して、受信した事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて、期待度示唆先読み演出、煽り演出の実行の可否を決定する。
【0303】
期待度示唆先読み演出決定テーブル121には、
図60(a)及び(b)に示すように、主制御基板100においてテーブルA、テーブルC、テーブルD又はテーブルEの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121a、主制御基板100においてテーブルBの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bの2つのテーブルを備えている。
各期待度示唆先読み演出決定テーブル121には、変動パターンコマンドの種類(変動演出の後半部分の実行態様)、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される先読み演出乱数ごとに対応付けられて、期待度示唆先読み演出、煽り演出の実行の可否が定められている。
【0304】
副制御基板300のサブCPU301は、事前判定コマンドを受信すると、当該時点で主制御基板100に参照されている変動パターンテーブル114に対応するいずれかの期待度示唆先読み演出決定テーブル121を取得するとともに、所定の数値範囲(0~249)から1の示唆先読み演出乱数を取得する。そして、サブCPU301は、取得した期待度示唆先読み演出決定テーブル121、受信した事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報、及び取得した示唆先読み演出乱数に基づいて、期待度示唆先読み演出、煽り演出の実行の可否を決定する。
【0305】
以下、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121a、及び第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bについて説明する。
(第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121a)
図60(a)に示すように、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aによれば、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターン以外が実行されるもの(00H、01H、02H、04H)であった場合には、期待度示唆先読み演出が実行されずかつ煽り演出が実行されないパターン1、期待度示唆先読み演出は実行されないものの当該1回前変動演出において煽り演出が実行されるパターン2、又は、期待度示唆先読み演出は実行されないものの当該変動演出において煽り演出が実行されるパターン3のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンA、発展ありパターンB又は発展ありパターンCが実行されるもの(03H、05H、06H、07H、08H、09H、0AH)であった場合には、パターン1、パターン2、パターン3、当該1回前変動演出から期待度示唆先読み演出が開始されるパターン4、又は、当該変動演出から期待度示唆先読み演出が開始されるパターン5のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報が大当たりであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンA、発展ありパターンB又は発展ありパターンCが実行されるもの(A3H、A5H、A6H、A7H、A8H、A9H、AAH)であった場合には、パターン1、パターン2、パターン3、パターン4、又はパターン5のいずれかが決定される。
【0306】
(第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121b)
図60(b)に示すように、第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bによれば、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターン以外が実行されるもの(00H、01H、02H、04H)であった場合には、パターン1、パターン2、又はパターン3のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンAが実行されるもの(03H、05H、08H)であった場合には、パターン1、パターン2、パターン3、パターン4、又はパターン5のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンB又は発展ありパターンCが実行されるもの(06H、07H、09H、0AH)であった場合には、パターン1、パターン2、又はパターン4のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報が大当たりであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンAが実行されるもの(A3H、A5H、A8H)であった場合には、パターン1、パターン2、パターン3、パターン4、又はパターン5のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報が大当たりであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンB又は発展ありパターンCが実行されるもの(A6H、A7H、A9H、AAH)であった場合には、パターン1、パターン2、又はパターン4のいずれかが決定される。
【0307】
なお、
図60(a)及び(b)において、変動パターンコマンドと期待度示唆先読み演出及び煽り演出の実行の可否と対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた示唆先読み演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。
図60(a)及び(b)によれば、事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレの場合よりも大当たりの場合の方が、期待度示唆先読み演出の実行割合が高くなっており、また、当該変動演出から期待度示唆先読み演出が開始される割合(すなわち、実行期間が相対的に短い期待度示唆先読み演出が決定される割合)よりも、当該1回前変動演出から期待度示唆先読み演出が開始される割合(すなわち、実行期間が相対的に長い期待度示唆先読み演出が決定される割合)の方が高くなっている。
したがって、期待度示唆先読み演出が実行された場合には、期待度示唆先読み演出が実行されなかった場合よりも大当たりの当選の期待度が高いこととなる。また、当該1回前変動演出から期待度示唆先読み演出が開始された場合(実行期間が相対的に長い期待度示唆先読み演出が実行された場合)には、当該変動演出から期待度示唆先読み演出が開始された場合(実行期間が相対的に短い期待度示唆先読み演出が実行された場合)よりも大当たりの当選の期待度が高いこととなる。
【0308】
また、発展ありパターンBや発展ありパターンCの変動演出が実行されるとき、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aにおいては、期待度示唆先読み演出の非実行が決定される場合や、当該変動演出からの期待度示唆先読み演出の開始が決定される場合(実行期間が相対的に短い期待度示唆先読み演出が実行される場合)があるものの、第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bにおいては必ず、期待度示唆先読み演出の実行が決定され、また、当該1回前変動演出からの期待度示唆先読み演出の開始が決定される(実行期間が相対的に長い期待度示唆先読み演出が実行される)ようになっている。
さらに、第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bにおいては、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aよりも、煽り演出の実行の決定割合が高くなっている。
【0309】
すなわち、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aにより先読み演出の実行の可否が決定される場合よりも、第2期待度示唆先読み決定テーブル121bにより先読み演出の実行の可否が決定される場合の方が、期待度示唆先読み演出が実行されることに対する期待感が高く、また、期待度示唆先読み演出が実行される場合に大当たりの当選の期待度が高い態様となる可能性が高くなる。
【0310】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、期待度示唆先読み演出や煽り演出の実行については、第1特図保留数が「2」以上の場合(すなわち、第1特図乱数が保留記憶されている場合)において、新たに第1特図乱数の保留記憶が行われたときに決定されるようになっている。また、第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルBの変動パターンテーブル114が参照される場合であり、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルB以外(すなわち、テーブルA、テーブルC、テーブルD、テーブルE)の変動パターンテーブル114が参照される場合である。
そして、上述の如く、テーブルBが参照される場合には、テーブルB以外の変動パターンテーブル114が参照される場合よりも、大当たりの抽選がハズレとなった際の変動時間が長くなりやすいようになっている。すると、テーブルBが参照される場合には、テーブルB以外が参照される場合よりも、特別図柄の変動表示中(変動演出の実行中)となりやすく、この間に第1特図乱数が保留記憶されやすくなるため、第1特図保留数が多くなりやすい。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100においてテーブルBが参照されている間には、テーブルB以外が参照されている間と比較して第1特図保留数が多くなることから、上述の期待度示唆先読み演出が実行されやすいようになっているとともに、大当たりの当選の期待度が高い態様で期待度示唆先読み演出が実行されやすいようになっている。
【0311】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、変動時間が定められ、かつ副制御基板300で変動演出の実行態様を決定するために用いられる変動パターンコマンドを決定するために参照する変動パターンテーブル114が複数設けられている。そして、通常遊技状態における小当たりの当選及び変動回数に応じて、参照する変動パターンテーブル114が切り替わるようになっている。また、変動パターンテーブル114ごとに、変動パターンコマンドの決定割合が異なるようになっている。
これに対して、副制御基板300には、変動演出の実行態様を決定するための変動演出決定テーブル119が複数設けられており、主制御基板100において参照されている変動パターンテーブル114に応じて、参照する変動演出決定テーブル119が切り替わるようになっている。また、変動演出決定テーブル119ごとに、主制御基板100において決定された変動パターンコマンドに基づいて決定される変動演出の実行態様の種類や決定割合が異なるようになっている。
【0312】
さらに、副制御基板300には、大当たりの当選の期待度や変動演出における所定の演出の実行の可能性を示唆する予告演出の実行態様を決定するための予告演出決定テーブル120や、新たに記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出の実行の可否を決定するための期待度示唆先読み演出決定テーブル121が複数設けられており、主制御基板100において参照されている変動パターンテーブル114(副制御基板300において参照されている変動演出決定テーブル119)に応じて、参照する予告演出決定テーブル120や期待度示唆先読み演出決定テーブル121が切り替わるようになっている。また、予告演出決定テーブル120ごとに、変動演出の実行態様に基づいて決定される予告演出の実行態様の種類や決定割合が異なり、また、期待度示唆先読み演出決定テーブル121ごとに、主制御基板100において決定された変動パターンコマンドに基づいて決定される期待度示唆先読み演出の実行の可否の決定割合が異なるようになっている。
【0313】
したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100において各変動パターンテーブル114が参照される期間、及び副制御基板300において各変動演出決定テーブル119が参照される期間ごとに、変動パターンコマンドの決定傾向が異なるとともに、当該変動パターンコマンドに基づいて決定される変動演出の実行態様の決定傾向が異なることとなる。そして、この決定傾向に応じて、予告演出の実行態様や期待度示唆先読み演出の実行の可否の決定傾向も異なることとなる。
すなわち、以上のように主制御基板100での変動パターンコマンドの決定傾向を異ならせることにより、たとえば、変動演出の前半部分において擬似連演出が行われるリーチパターンが実行されやすい期間、変動演出の後半部分において大当たりの期待度が高いリーチ発展演出が実行されやすい期間、保留記憶が行われやすい期間等を作り出すことができる。そして、上述の決定傾向に応じて副制御基板300での予告演出の実行態様や期待度示唆先読み演出の実行の可否の決定傾向を異ならせることにより、たとえば、上述の擬似連演出が行われるリーチパターンが実行されやすい期間においては、擬似連演出の実行を示唆する予告演出が実行されやすくしたり、保留記憶が行われやすい期間においては、期待度示唆先読み演出が実行されやすくしたりする等、変動パターンコマンドの決定傾向に応じた予告演出や先読み演出の実行状況を作り出すことができる。
以上より、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の各期間における変動演出の実行傾向に併せた実行傾向で特定の予告演出や先読み演出が実行されることとなるため、期間ごとに遊技者が体感できる演出が変化することとなり、演出効果が向上するとともに、遊技者の興趣を高めることができる。
【0314】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図61に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数、通常予告演出乱数、特殊擬似予告演出乱数、保留先読み演出乱数、示唆先読み演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0315】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図62に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図62に示すタイマ割込処理を開始する。
【0316】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0317】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0318】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、テーブル情報取得コマンドを受信した場合に実行されるテーブル情報取得コマンド受信処理について、
図63のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、テーブル情報取得コマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1105、又は小当たり遊技終了処理のステップ1282で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、受信したテーブル情報取得コマンドに含まれる、主制御基板100において変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶する。この情報を参照することにより、サブCPU301は、この後に主制御基板100において参照される変動パターンテーブル114を把握することができるようになっている。そして、テーブル情報取得コマンド受信処理を終了する。
【0319】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動回数コマンドを受信した場合に実行される変動回数コマンド受信処理について、
図64のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動回数コマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動開始処理のステップ805で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、受信した変動回数コマンドに含まれる変動回数の情報を、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶する。そして、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、上述のステップ2200で記憶した主制御基板100において変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報、及び上述のステップ2300で記憶した変動回数の情報に基づいて、当該時点で主制御基板100において参照する変動パターンテーブル114を判定する。そして、変動回数コマンド受信処理を終了する。
【0320】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、事前判定コマンドを受信した場合に実行される事前判定コマンド受信処理について、
図65のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、事前判定コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ656で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0321】
ステップ2400において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報、特別図柄の種別の情報、変動パターンコマンドの情報(保留情報)を、サブRAM303の第1保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶する。そして、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された保留先読み演出乱数を取得する。そして、次のステップ2402に進む。
【0322】
ステップ2402において、サブCPU301は、保留先読み演出決定テーブル、上述のステップ2401で取得した保留先読み演出乱数、及び事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて、保留先読み演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、上述のステップ2402で決定された保留先読み演出の実行が決定された場合には特殊な表示態様により保留表示を行うための保留先読み演出実行コマンドを送信バッファにセットする。一方、保留先読み演出の非実行が決定された場合には通常の表示態様により保留表示を行うための保留先読み演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた保留先読み演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板に送信され、当該制御基板により、新たに記憶された保留に対応する保留表示部に、上述の表示態様により保留表示を行うための制御が実行されることとなる。そして、次のステップ2404に進む。
【0323】
ステップ2404において、サブCPU301は、上述のステップ2301で判定された変動パターンテーブル114に対応する期待度示唆先読み演出決定テーブル121を取得する。そして、次のステップ2405に進む。
ステップ2405において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された示唆先読み演出乱数を取得する。そして、次のステップ2406に進む。
【0324】
ステップ2406において、サブCPU301は、上述のステップ2404で取得した期待度示唆先読み演出決定テーブル121、上述のステップ2405で取得した示唆先読み演出乱数、及び事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて、期待度示唆先読み演出の実行の可否、及び煽り演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2407に進む。
ステップ2407において、サブCPU301は、上述のステップ2406において期待度示唆先読み演出の実行が決定された場合には、決定された開始時点(当該1回前変動演出の開始時点、又は当該変動演出の開始時点)から当該変動演出におけるリーチ表示の時点まで期待度示唆先読み演出を実行するための示唆先読み演出実行コマンドを送信バッファにセットする。また、サブCPU301は、上述のステップ2406において煽り演出の実行が決定された場合には、決定された実行時点(当該1回前変動演出の開始時点、又は当該変動演出の開始時点)において煽り演出を実行するための煽り演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた示唆先読み演出実行コマンドや煽り演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板に送信され、当該制御基板により、上述の時点で期待度示唆先読み演出や煽り演出を行うための制御が実行されることとなる。なお、上述のステップ2406において、期待度示唆先読み演出の非実行、及び煽り演出の非実行が決定された場合には、サブCPU301はここでは何も処理を行わない。そして、事前判定コマンド受信処理を終了する。
【0325】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、
図66のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ904で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2500において、サブCPU301は、第1保留記憶領域に記憶された第1特図保留数が1減少するのに伴って、対応する保留表示部の保留表示をシフトする保留シフト処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、変動パターンコマンドを受信すると、第1保留記憶領域の各記憶部のシフト処理を行う。ここでは、第1記憶部に記憶されている保留情報をサブRAM303に設けられた所定の処理記憶部にシフトするとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。併せて、保留表示もシフトする。
なお、本形態では、第1特図乱数に係る保留情報の記憶、及び保留シフト処理についてのみ説明を行っているが、サブRAM303には、第2特図乱数を記憶するための第2保留記憶領域(第1記憶部~第4記憶部)も設けられており、この第2保留記憶領域には、第1特図乱数と同様に、第2特図乱数に係る保留情報が記憶されるようになっている。また、保留シフト処理も、第1特図乱数の保留記憶と同様に行われる。
そして、次のステップ2501に進む。
【0326】
ステップ2501において、サブCPU301は、上述のステップ2301で判定された変動パターンテーブル114に対応する変動演出決定テーブル119を取得する。そして、次のステップ2502に進む。
ステップ2502において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2503に進む。
【0327】
ステップ2503において、サブCPU301は、上述のステップ2501で取得した変動演出決定テーブル119、上述のステップ2502で取得した変動演出乱数、及び受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2504に進む。
ステップ2504において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様に応じた変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2505に進む。
ステップ2505において、サブCPU301は、予告演出の決定に係る予告演出決定処理を実行する。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0328】
次に、上述のステップ2505の予告演出決定処理について、
図67のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2600において、サブCPU301は、上述のステップ2301で判定された変動パターンテーブル114に対応する予告演出決定テーブル120を取得する。そして、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された通常予告演出乱数を取得する。そして、次のステップ2602に進む。
【0329】
ステップ2602において、サブCPU301は、上述のステップ2600で取得した予告演出決定テーブル120、上述のステップ2601で取得した通常予告演出乱数、及び上述のステップ2503で決定された変動演出の態様に基づいて、通常予告演出の実行の可否、及び実行態様を決定する。そして、次のステップ2603に進む。
ステップ2603において、サブCPU301は、上述のステップ2602において通常予告演出の実行が決定された場合には、決定された実行態様により通常予告演出を実行するための通常予告演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた通常予告演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板に送信され、当該制御基板により、上述の実行態様により通常予告演出を行うための制御が実行されることとなる。なお、上述のステップ2602において、通常予告演出の非実行が決定された場合には、サブCPU301はここでは何も処理を行わない。そして、次のステップ2604に進む。
【0330】
ステップ2604において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特殊擬似予告演出乱数を取得する。そして、次のステップ2605に進む。
ステップ2605において、サブCPU301は、上述のステップ2600で取得した予告演出決定テーブル120、上述のステップ2604で取得した特殊擬似予告演出乱数、及び上述のステップ2503で決定された変動演出の態様に基づいて、特殊擬似予告演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2606に進む。
【0331】
ステップ2606において、サブCPU301は、上述のステップ2605において特殊擬似予告演出の実行が決定された場合には、特殊擬似予告演出を実行するための特殊擬似予告演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた特殊擬似予告演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板に送信され、当該制御基板により、特殊擬似予告演出を行うための制御が実行されることとなる。なお、上述のステップ2605において、特殊擬似予告演出の非実行が決定された場合には、サブCPU301はここでは何も処理を行わない。そして、予告演出決定処理を終了する。
【0332】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、通常遊技状態の開始後又は小当たり遊技の終了後からの変動回数に応じて(30回の変動が行われるごとに)、参照される変動パターンテーブル114が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、特別遊技の終了後からの変動回数に応じて、参照される変動パターンテーブル114を決定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、小当たりの当選時に決定された小当たり図柄の種類に応じて、小当たり遊技の終了後に参照される変動パターンテーブル114が異なるようになっていたが、特別遊技の終了後からの変動回数に応じて、参照される変動パターンテーブル114を決定する場合には、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種類に応じて、特別遊技の終了後に参照される変動パターンテーブル114が異なるようにしてもよい。
また、高確率時短遊技状態中においても、特別遊技の終了後や高確率時短遊技状態中の小当たりの当選に基づく小当たり遊技の終了後からの変動回数に応じて、参照される変動パターンテーブル114を決定するようにしてもよい。また、この場合にも、小当たりの当選時に決定された小当たり図柄の種類に応じて、小当たり遊技の終了後に参照される変動パターンテーブル114が異なるようにしてもよいし、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種類に応じて、特別遊技の終了後に参照される変動パターンテーブル114が異なるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0333】
また、上述の実施の形態における通常予告演出では、複数種類のカットイン画像(たとえば、擬似煽りカットイン画像、ストーリーカットイン画像等)の中からいずれかのカットイン画像が表示されることで所定の示唆が行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、1回の通常予告演出で複数種類のカットイン画像が表示されるようにしてもよいし、変動演出中に複数回の通常予告演出を実行できるようにして、同一又は異なるカットイン画像の表示が複数回実行されるようにしてもよい。また、カットイン画像ごとに表示の可否を決定するようにして、表示する旨が決定されたカットイン画像を全て表示するようにしてもよい。
そして、このようにした場合にも、予告演出決定テーブル120ごとに、たとえば、所定のカットイン画像は表示されやすく、他のカットイン画像は表示されにくい等、通常予告演出において表示されるカットイン画像の決定の傾向が異なるように設定することができる。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0334】
また、上述の実施の形態における予告演出としては、変動演出の前半部分において実行される通常予告演出、及び特殊擬似予告演出が設けられていたが、予告演出の実行タイミングや種類については、これらに限定されるものではない。
たとえば、変動演出の後半部分の所定のタイミングにおいて所定の予告演出を実行できるようにしてもよい。
また、予告演出としては、操作ボタン9bについて所定の操作(連打、長押し等)が行われることにより所定の示唆や報知をボタン操作予告演出、所定範囲で可動可能な役物演出装置が所定態様で作動する役物作動予告演出、所定のミッション(たとえば、所定時間内に敵を倒す等)の実行結果により大当たりの当選の期待度を示唆するミッション予告演出、時間の経過を示すタイマ画像においてカウントダウン表示が行われ、タイマ画像における残り時間が0となることにより所定の演出の実行を示唆するタイマ予告演出、所定の画像が段階的に変化し、変化した段階に応じて大当たりの当選の期待度を示唆するステップアップ予告演出等を設けてもよい。また、変動演出中に、同一種類の予告演出や異なる種類の予告演出が複数回実行されるようにしてもよい。
そして、このようにした場合にも、予告演出決定テーブル120ごとに、たとえば、所定の予告演出は実行されやすく、他の予告演出は実行されにくい等、設けられている予告演出の決定の傾向が異なるように設定することができる。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0335】
また、上述の実施の形態では、変動演出の実行態様の種類ごとに、通常予告演出の実行の可否、通常予告演出が実行される場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否が定められていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、大当たりの抽選の結果(大当たり、小当たり、ハズレ)や特別図柄の種類を考慮して、大当たりの抽選の結果、特別図柄の種類、変動演出の実行態様の種類ごとに、通常予告演出の実行の可否、通常予告演出が実行される場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否を定めてもよい。そして、たとえば、同一の変動演出の実行態様が決定されたときであっても、大当たりの場合にはハズレの場合よりも所定の予告演出が実行されやすいように設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0336】
また、上述の実施の形態における期待度示唆先読み演出では、第1特図保留数が「2」以上のときに新たに保留記憶が行われた場合に実行可能となっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、第1特図保留数が「1」以下のときに新たに保留記憶が行われた場合にも、期待度示唆先読み演出を実行可能としてもよい。また、リーチ発展演出が実行されない場合にも、期待度示唆先読み演出を実行可能としてもよい。
また、上述の実施の形態における期待度示唆先読み演出は、当該1回前変動演出又は当該変動演出において開始可能となっていたが、当該変動演出の2回前に実行される変動演出、当該変動演出の3回前に実行される変動演出において開始可能としてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0337】
また、上述の実施の形態における先読み演出としては、保留先読み演出、及び期待度示唆先読み演出が設けられていたが、先読み演出の種類については、これらに限定されるものではない。
たとえば、当該前変動演出や当該変動演出において、当該保留に係る保留表示や当該保留よりも後に記憶された保留に係る保留表示の表示態様を、より大当たりの期待度の高い表示態様に変化させる保留変化先読み演出等を設けてもよい。
そして、このようにした場合にも、予告演出決定テーブル120ごとに、保留変化先読み演出の実行の可否の決定の傾向が異なるように設定することができる。
また、先読み演出は、第2特図乱数の保留記憶を対象として実行できるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0338】
また、上述の実施の形態におけるステップ806の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における変動パターン決定処理を実行するメインCPU101は、本発明の変動演出決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における予告演出や期待度示唆先読み演出は、本発明の示唆演出に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2406、ステップ2602の処理を実行するサブCPU301は、本発明の示唆演出決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における主制御基板100は、本発明の主制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における副制御基板300は、本発明の主制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における予告演出決定テーブル120、期待度示唆先読み演出決定テーブル121は、本発明の示唆演出決定テーブルに相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ503の処理を実行するメインCPU101は、本発明の乱数取得手段に相当する。また、上述の実施の形態における大当たり乱数は、本発明の乱数に相当する。また、上述の実施の形態における期待度示唆先読み演出は、本発明の先読み演出に相当する。また、上述の実施の形態における当該変動演出から開始される期待度示唆先読み演出は、本発明の第1の態様に相当する。また、上述の実施の形態における当該1回前変動演出から開始される期待度示唆先読み演出は、本発明の第2の態様に相当する。
【符号の説明】
【0339】
P パチンコ機
21 演出表示装置
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM