(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】調光回路
(51)【国際特許分類】
H05B 45/14 20200101AFI20230831BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20230831BHJP
【FI】
H05B45/14
H05B45/10
(21)【出願番号】P 2019147634
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神原 大輔
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0194091(US,A1)
【文献】特開2014-143235(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0334802(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非反転入力端にそれぞれ異なる
複数の調光入力電圧が入力されて反転入力端に共通の調光出力電圧が入力される複数のアンプを備えた入力段と、
前記複数のアンプそれぞれの出力端と前記調光出力電圧の出力ノードとの間に接続されており前記複数のアンプそれぞれに入力される
前記複数の調光入力電圧のうち最も低い電圧を前記調光出力電圧として出力する出力段と、
を有
し、
前記入力段は、前記複数の調光入力電圧として、少なくとも2系統の外部調光入力電圧と、前記調光出力電圧の上限値に相当する内部調光入力電圧と、の入力を受け付ける、調光回路。
【請求項2】
前記外部調光入力電圧は、発光素子の光束ランク、マイコンの制御信号、抵抗回路の分圧比、若しくは、温度のいずれかに応じたアナログ電圧である
、請求項1に記載の調光回路。
【請求項3】
前記出力段は、
制御端が前記複数のアンプそれぞれの出力端に接続されて第1端が接地端に接続された複数の入力トランジスタと、
制御端が前記複数の入力トランジスタそれぞれの第2端に接続されて第1端が電源端に接続されて第2端が前記調光出力電圧の出力ノードに接続された出力トランジスタと、
を含む
、請求項1又は2に記載の調光回路。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の調光回路と、
発光素子に流れる出力電流に応じたセンス電圧を生成するセンスアンプと、
前記センス電圧と前記調光出力電圧との誤差電圧を生成するエラーアンプと、
前記誤差電圧に応じて前記出力電流の出力帰還制御を行う出力帰還制御部と、
を有する
、発光素子駆動制御装置。
【請求項5】
前記センス電圧または前記調光出力電圧にオフセット電圧を付与するオフセット付与部をさらに有する
、請求項4に記載の発光素子駆動制御装置。
【請求項6】
前記発光素子に前記出力電流を供給するスイッチ出力段と、
前記スイッチ出力段を駆動する請求項
4又は5に記載の発光素子駆動制御装置と、
を有する
、発光素子駆動装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の発光素子駆動装置と、
前記発光素子駆動装置から前記出力電流の供給を受ける発光素子と、
を有する
、発光装置。
【請求項8】
前記発光素子は、LEDまたは有機EL素子である
、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
請求項
7又は8に記載の発光装置を有することを特徴とする車両。
【請求項10】
前記発光装置は、ヘッドランプ、昼間走行用ランプ、テールランプ、ストップランプ、及び、ターンランプの少なくとも一つである
、請求項9に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示されている発明は、調光回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子の輝度を調節する調光回路が種々提案されている。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の調光回路では、その精度について、更なる改善の余地があった。
【0006】
本明細書に開示されている発明は、本願の発明者により見出された上記課題に鑑み、高精度の調光回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書中に開示されている調光回路は、非反転入力端にそれぞれ異なる調光入力電圧が入力されて反転入力端に共通の調光出力電圧が入力される複数のアンプを備えた入力段と、前記複数のアンプそれぞれの出力端と前記調光出力電圧の出力ノードとの間に接続されており前記複数のアンプそれぞれに入力される複数の調光入力電圧のうち最も低い電圧を前記調光出力電圧として出力する出力段とを有する構成(第1の構成)とされている。
【0008】
なお、上記第1の構成から成る調光回路において、前記入力段は、前記複数の調光入力電圧として、少なくとも2系統の外部調光入力電圧と、前記調光出力電圧の上限値に相当する内部調光入力電圧と、の入力を受け付ける構成(第2の構成)にするとよい。
【0009】
また、上記第2の構成から成る調光回路において、前記外部調光入力電圧は、発光素子の光束ランク、マイコンの制御信号、抵抗回路の分圧比、若しくは、温度のいずれかに応じたアナログ電圧である構成(第3の構成)にするとよい。
【0010】
また、上記第1~第3いずれかの構成から成る調光回路において、前記出力段は、制御端が前記複数のアンプそれぞれの出力端に接続されて第1端が接地端に接続された複数の入力トランジスタと、制御端が前記複数の入力トランジスタそれぞれの第2端に接続されて第1端が電源端に接続されて第2端が前記調光出力電圧の出力ノードに接続された出力トランジスタと、を含む構成(第4の構成)にするとよい。
【0011】
また、本明細書中に開示されている発光素子駆動制御回路は、上記第1~第4いずれかの構成から成る調光回路と、発光素子に流れる出力電流に応じたセンス電圧を生成するセンスアンプと、前記センス電圧と前記調光出力電圧との誤差電圧を生成するエラーアンプと、前記誤差電圧に応じて前記出力電流の出力帰還制御を行う出力帰還制御部と、を有する構成(第5の構成)とされている。
【0012】
なお、上記第5の構成から成る発光素子駆動制御回路は、前記センス電圧または前記調光出力電圧にオフセット電圧を付与するオフセット付与部をさらに有する構成(第6の構成)にするとよい。
【0013】
また、本明細書中に開示されている発光素子駆動装置は、前記発光素子に前記出力電流を供給するスイッチ出力段と、上記第5または第6の構成から成り前記スイッチ出力段を駆動する発光素子駆動制御装置と、を有する構成(第7の構成)とされている。
【0014】
また、本明細書中に開示されている発光装置は、上記第7の構成から成る発光素子駆動装置と、前記発光素子駆動装置から前記出力電流の供給を受ける発光素子と、を有する構成(第8の構成)とされている。
【0015】
なお、上記した第8の構成から成る発光装置において、前記発光素子は、例えば、LED[light emitting diode]若しくは有機EL[electro-luminescence]素子である構成(第9の構成)にするとよい。
【0016】
また、本明細書中に開示されている車両は、上記第8または第9の構成から成る発光装置を有する構成(第10の構成)とされている。
【0017】
なお、上記第10の構成から成る車両において、前記発光装置は、ヘッドランプ、昼間走行用ランプ、テールランプ、ストップランプ、及び、ターンランプの少なくとも一つである構成(第11の構成)にするとよい。
【発明の効果】
【0018】
本明細書に開示されている発明によれば、高精度の調光回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図4】比較例におけるランク判別と温度ディレーティングの両立を示す図
【
図7】本実施形態におけるランク判別と温度ディレーティングの両立を示す図
【
図8】LED発光装置が搭載される車両の外観図(前面)
【
図9】LED発光装置が搭載される車両の外観図(背面)
【発明を実施するための形態】
【0020】
<LED発光装置>
図1は、LED発光装置の全体構成を示す図である。本構成例のLED発光装置1は、LED駆動装置10と、LED駆動装置10によって駆動されるLED発光部20(本図では複数のLED21を直列に接続して成るLEDストリング)と、を有する。
【0021】
<LED駆動装置>
引き続き、
図1を参照しながら、LED駆動装置10についての説明を行う。本構成例のLED駆動装置10は、LED駆動制御装置100と、これに外付けされる種々のディスクリート部品(キャパシタC1~C3、ダイオードD1(例えばショットキーバリアダイオード)、インダクタL1、Nチャネル型MOS[metal oxide semiconductor]電界効果トランジスタN1、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタP1、pnp型バイポーラトランジスタQ1、及び、抵抗R1~R11)を制御基板上に実装して成り、LED発光部20に一定の出力電流ILEDを供給する。
【0022】
LED駆動制御装置100は、LED駆動装置10の制御主体となるシリコンモノリシック集積回路(いわゆるLEDドライバコントローラIC)であり、IC外部との電気的な接続を確立するための手段として、複数本の外部端子(VIN、VDRV5、EN、VREF3、RT、SSFM_B、COMP、DCDIM1、DCDIM2、DSET、DRL/PWMI、FAULT_B、GND、GL、CS、PGND、OPUD、SNSP、SNSN、及び、PDRV)を備えている。
【0023】
VINピンは、電源入力端子である。VDRV5ピンは、駆動電圧出力端子である。ENピンは、イネーブル入力端子である。VREF3ピンは、基準電圧出力端子である。RTピンは、スイッチング周波数設定端子である。SSFM_Bピンは、スペクトラム拡散周波数変調設定端子である。COMPピンは、周波数安定化用の位相補償回路接続端子である。DCDIM1ピン及びDCDIM2ピンは、DC調光入力端子である。DSETピンは、PWM[pulse width modulation]調光用のデューティ設定端子である。DRL/PWMIピンは、DRL[Daytime running lamps]/PWM調光入力端子である。FAULT_Bピンは、異常フラグ出力用のオープンドレイン端子である。GNDピンは、信号系の接地端子である。GLピンは、出力スイッチのゲート駆動出力端子である。CSピンは、スイッチ電流検出端子である。PGNDピンは、パワー系の接地端子である。OPUDピンは、OVP[over voltage protection]/UVD[under voltage detection]用の出力電圧検出端子である。SNSPピンは、出力電流検出端子(+)である。SNSNピンは、出力電流検出入力端子(-)である。PDRVピンは、PWM調光スイッチのゲート駆動出力端子である。
【0024】
なお、LED駆動制御装置100のパッケージとしては、例えば、裏面放熱パッドを備えたHTSSOP[heat-sink thin shrink small outline package]ないしはVQFN[very thin quad flat non-leaded]パッケージを用いるとよい。
【0025】
次に、LED駆動制御装置100の外部接続について説明する。VINピンは、入力電圧VIN(例えば5~65V)の印加端に接続されている。キャパシタC1は、VDRV5ピンと接地端との間に接続されている。抵抗R1及びR2は、入力電圧VINの印加端と接地端との間に接続されており、相互間の接続ノードがENピンに接続されている。抵抗R3及びR4は、VREF3ピンと接地端との間に接続されており、相互間の接続ノードがDSETピンに接続されている。抵抗R5は、RTピンと接地端との間に接続されている。抵抗R6及びキャパシタC2は、COMPピンと接地端との間に接続されている。抵抗R7は、FAULT_BピンとVDRV5ピンとの間に接続されている。DCDIM1ピンとDCDIM2ピンは、いずれもVREF3ピンに接続されている。GNDピンは、接地端に接続されている。
【0026】
インダクタL1の第1端は、入力電圧VINの印加端に接続されている。インダクタL1の第2端は、トランジスタN1のドレインとダイオードD1のアノードに接続されている。トランジスタN1のゲートは、GLピンに接続されている。トランジスタN1のソースと抵抗R8の第1端は、CSピンに接続されている。抵抗R8の第2端とPGNDピンは、接地端に接続されている。ダイオードD1のカソードは、出力電圧VLED(例えば~65V)の印加端に接続されている。抵抗R9及びR10は、出力電圧VLEDの印加端と接地端との間に接続されており、相互間の接続ノードがOPUDピンに接続されている。キャパシタC3は、出力電圧VLEDの印加端と接地端との間に接続されている。
【0027】
抵抗R11の第1端とSNSPピンは、出力電圧VLEDの印加端に接続されている。抵抗R11の第2端とSNSNピンは、トランジスタP1のソースに接続されている。トランジスタP1のゲートは、PDRVピンに接続されている。トランジスタP1のドレインは、LED発光部20のアノード(=最上流に位置するLED21のアノード)に接続されている。LED発光部20のカソード(=最下流に位置するLED21のカソード)は、入力電圧VINの印加端に接続されている。トランジスタQ1のエミッタは、SNSPピンに接続されている。トランジスタQ1のコレクタは、PDRVピンに接続されている。トランジスタQ1のベースは、トランジスタP1のソースに接続されている。
【0028】
上記のように接続されたディスクリート部品のうち、トランジスタN1、インダクタL1、ダイオードD1、及び、キャパシタC3は、入力電圧VINを昇圧して出力電圧VLEDを生成し、LED発光部20に出力電流ILEDを供給する昇圧型のスイッチ出力段として機能する。
【0029】
ただし、スイッチ出力段の整流方式は、必ずしもダイオード整流方式に限らず、同期整流方式を採用しても構わない。その場合には、ダイオードD1を同期整流トランジスタに置き換えればよい。
【0030】
<LED駆動制御装置(全体構成)>
引き続き、
図1を参照しながら、LED駆動制御装置100の内部構成について説明する。本構成例のLED駆動制御装置100は、駆動電圧生成部101と、イネーブル制御部102と、基準電圧生成部103と、オシレータ104と、センスアンプ105と、オフセット付与部106と、DC調光回路107と、エラーアンプ108と、スロープ電圧生成部109と、コンパレータ110と、駆動コントローラ111と、PWM調光回路112と、ドライバ113と、UVLO[under voltage locked-out]部114と、TSD[thermal shut down]部115と、OCP[over current protection]部116と、OVP/UVD部117と、SCP[short circuit protection]部118と、異常フラグ出力部119と、を集積化して成る。
【0031】
駆動電圧生成部101は、入力電圧VINから駆動電圧VDRV5(例えば5V)を生成してVDRV5ピンに出力する。駆動電圧VDRV5は、LED駆動制御装置100の内部電源電圧として用いられる。VDRV5ピンには、駆動電圧VDRV5の発振を防止するために、位相補償用のキャパシタC1を外付けすることが望ましい。
【0032】
イネーブル制御部102は、ENピンの論理レベル(本図では、入力電圧VINの投入有無)に応じて、LED駆動制御装置100のイネーブル/ディセーブルを切り替える。
【0033】
基準電圧生成部103は、入力電圧VINから基準電圧VREF3(例えば3V)を生成してVREF3ピンに出力する。
【0034】
オシレータ104は、スイッチング周波数Fswのセット信号SETを生成して駆動コントローラ111に出力する。なお、スイッチング周波数Fswは、RTピンに外付けされる抵抗R5の抵抗値に応じた可変値(例えば200kHz~2.2MHz)である。また、スイッチング周波数Fswのスペクトラム拡散周波数変調を行うか否かについては、SSFM_Bピンの論理レベルに応じて任意に切り替えることが可能である。
【0035】
センスアンプ105は、SNSPピンとSNSNピンとの端子間電圧(=SNSP-SNSN)をゲインα(例えばα=12)で増幅することにより、LED発光部20に流れる出力電流ILEDに応じたセンス電圧V1(=α×ILED×R11)を生成する。
【0036】
オフセット付与部106は、センス電圧V1に正のオフセット電圧VL(例えば0.2V)を付与することにより、オフセット済みのセンス電圧V2(=V1+VL)を生成する。なお、オフセット付与部106は、調光出力電圧V3に負のオフセット電圧-VLを付与する構成としてもよい。
【0037】
DC調光回路107は、複数の調光入力電圧(DCDIM1/DCDIM2/VH)のうち最も低い電圧を調光出力電圧V3として出力する。なお、本図では、図示の便宜上、DC調光回路107が3系統の非反転入力端(+)を備えた単一のバッファアンプであるかのように簡易に描写したが、DC調光の精度を高めるためには、DC調光回路107の回路構成を工夫する必要がある。この点については、新規な実施形態として、後ほど詳細に説明する。なお、DC調光回路107を使用しない場合には、例えば、本図で示したように、DCDIM1ピン及びDCDIM2ピンをVREF3ピンにショートすればよい。
【0038】
エラーアンプ108は、反転入力端(-)に入力されるオフセット済みのセンス電圧V2と、非反転入力端(+)に入力される調光出力電圧V3との差分値に応じた誤差電流を出力することにより、COMPピンに誤差電圧V4を生成する。誤差電圧V4は、V2>V3であるときに低下し、V2<V3であるときに上昇する。なお、COMPピンには、誤差電圧V4の発振を防止するために、位相補償用の抵抗R6とキャパシタC2を外付けすることが望ましい。
【0039】
スロープ電圧生成部109は、トランジスタN1のオン時に流れるスイッチ電流ISWの電流情報を持つスロープ電圧V5を生成する。
【0040】
コンパレータ110は、非反転入力端(+)に入力される誤差電圧V4と、反転入力端(-)に入力されるスロープ電圧V5とを比較して、リセット信号RSTを生成する。リセット信号RSTは、V4>V5であるときにハイレベルとなり、V4<V5であるときにローレベルとなる。
【0041】
駆動コントローラ111は、セット信号SETとリセット信号RSTに応じて、スイッチ出力段(特にGLピンに外付けされたトランジスタN1)の駆動制御を行う。また、駆動コントローラ111は、各種保護回路(UVLO、TSD、OCP、OPUD、及び、SCP)の検出結果に応じて、スイッチ出力段を強制的に停止する機能も備えている。
【0042】
なお、上記した機能ブロックのうち、オシレータ104、スロープ電圧生成部109、コンパレータ110、及び、駆動コントローラ111は、誤差電圧V4に応じて出力電流ILEDの出力帰還制御を行う出力帰還制御部として機能する。
【0043】
PWM調光回路112は、DSETピンの端子電圧に応じたオンデューティのパルス幅変調信号PWMを生成してドライバ113に出力する。また、PWM調光回路112は、DRL/PWMIピンに外部入力されるパルス幅変調信号PWMをそのままドライバ113にスルー出力する機能も備えている。
【0044】
ドライバ113は、パルス幅変調信号PWMに応じてPDRVピンに外付けされたトランジスタP1を周期的にオン/オフする。このようなトランジスタP1のオン/オフに伴い、出力電流ILEDの供給経路が導通/遮断されるので、LED発光部20が周期的に点灯と消灯を繰り返す。なお、パルス幅変調信号PWMのオンデューティが高いほど、単位時間当たりの点灯時間が長くなり、逆に、パルス幅変調信号PWMのオンデューティが低いほど、単位時間当たりの点灯時間が短くなる。従って、パルス幅変調信号PWMのオンデューティに応じて、LED発光部20の輝度を調節することが可能となる。
【0045】
このように、LED駆動制御装置100には、LED発光部20の輝度を調節する手段として、DC調光回路107とPWM調光回路112の2種類が内蔵されている。
【0046】
UVLO部114は、入力電圧VINを監視して電源投入時や電源瞬断時のIC誤動作を防止するための低電圧誤動作防止回路である。UVLO部114は、入力電圧VINの低電圧異常検出時にスイッチ出力段の駆動を停止するように、駆動コントローラ111に検出結果を出力する。
【0047】
TSD部115は、入力電圧VINの供給を受けて動作し、LED駆動制御装置100のジャンクション温度Tjを監視して、異常発熱によるIC破壊を防止するための温度保護回路である。TSD部115は、例えば、Tj=175℃でスイッチ出力段の駆動を停止し、Tj=150℃でスイッチ出力段の駆動を再開するように、駆動コントローラ111に検出結果を出力する。
【0048】
OCP部116は、抵抗R8の両端間電圧(=ISW×R8)を監視して、トランジスタN1のオン時に流れるスイッチ電流ISWを所定の上限値以下に制限するように、駆動コントローラ111に検出結果を出力する。なお、過電流保護動作としては、例えば、まず最初にパルスバイパルス方式の過電流保護動作(いわゆるヒカップ動作)を行い、それでも過電流状態が続くようならタイマラッチ方式の過電流保護動作に移行するとよい。
【0049】
OVP/UVD部117は、OPUDピンの端子電圧(=VLED×{R10/(R9+R10)})を監視して、出力電圧VLEDの過電圧異常及び減電圧異常を検出し、その検出結果を駆動コントローラ111及び異常フラグ出力部119に出力する。
【0050】
SCP部118は、オフセット済みのセンス電圧V2を監視して、LED発光部20のショート異常及びオープン異常を検出し、その検出結果を駆動コントローラ111、ドライバ113及び異常フラグ出力部119に出力する。
【0051】
異常フラグ出力部119は、LED駆動制御装置100各部の異常検出結果に基づいてオープンドレイントランジスタを駆動することにより、FAULT_Bピンから異常フラグを出力する。例えば、異常フラグ出力部119は、OVP/UVD部117及びSCP部118のいずれかで異常が検出されたときには、FAULT_BピンをローレベルとしてIC外部に異常を報知する一方、上記いずれの異常も検出されないときには、FAULT_BピンをハイレベルとしてIC外部に異常が検出されていないこと(または異常が解消されたこと)を報知する。
【0052】
<DC調光回路(比較例)>
以下では、DC調光回路107の新規な実施形態の説明に先立ち、これと対比される比較例について簡単に説明する。
図2は、DC調光回路107及びその周辺回路の比較例を示す図である。
【0053】
本比較例のDC調光回路107は、2系統の非反転入力端(+)を備えた単一のアンプAMPxを含む。アンプAMPxの第1非反転入力端(+)は、DCDIMピンに接続されており、外部調光入力電圧DCDIMが入力されている。アンプAMPxの第2非反転入力端(+)には、調光出力電圧V3の上限値に相当する内部調光入力電圧VH(例えば2.2V)が入力されている。アンプAMPxの反転入力端(-)と出力端は、いずれも調光出力電圧V3の出力ノードに接続されている。このように接続されたアンプAMPxは、外部調光入力電圧DCDIM及び内部調光入力電圧VHの低い方と調光出力電圧V3がイマジナリショートするように動作する。
【0054】
エラーアンプ108は、gmアンプAMPと、スイッチSWと、を含む。gmアンプAMPは、センスアンプ105から非反転入力端(+)に入力されるセンス電圧V1と、DC調光回路107から反転入力端(-)に入力される調光出力電圧V3との差分値に応じた誤差電流を出力することにより、COMPピンに誤差電圧V4を生成する。なお、スイッチSWは、gmアンプAMPの出力端とCOMPピンとの間に接続されており、パルス幅変調信号PWMに応じてオン/オフされる。
【0055】
図3は、比較例におけるDC調光特性を示す図である。なお、横軸は外部調光入力電圧DCDIMを示しており、縦軸は調光率を示している。
【0056】
比較例では、アンプAMPxの入力側で外部調光入力電圧DCDIMと内部調光入力電圧VHの低い方を選択する構成が採用されている。このような回路構成では、外部調光入力電圧DCDIMが上限値(=内部調光入力電圧VH)に近付いてくると、アンプAMPxのゲインが不十分となり、DC調光特性のリニアリティを維持することができなくなるので、結果としてDC調光開始電圧がばらついてしまう(図中の一点鎖線枠Aを参照)。
【0057】
一方、上記と逆に、外部調光入力電圧DCDIMが0Vに近付いてくると、アンプAMPxのオフセットばらつきが無視できなくなる。例えば、外部調光入力電圧DCDIMを0Vに設定しても調光出力電圧V3が0Vまで下がらない場合には、LED発光部20を完全消灯状態(調光率0%)にすることができなくなる(図中の一点鎖線枠Bを参照)。
【0058】
上記の理由から、比較例では、LED発光部20の調光率をフルレンジ(0%~100%)で設定することが難しく、実際のDC調光範囲はより狭くなってしまう。
【0059】
また、比較例では、1系統の外部調光入力電圧DCDIMしか受け付けることができない。そのため、例えば、光束ランク判別機能と温度ディレーティング機能を両立するためには、多数のディスクリート部品が必要となる。以下、図面を参照しながら説明する。
【0060】
図4は、比較例(シングルDC調光)で光束ランク判別機能と温度ディレーティング機能を両立するために必要なディスクリート部品を示す図である。
【0061】
LED発光部20は、複数のLED21に加えて、BIN抵抗22とNTC[negative temperature coefficient]サーミスタ23をLED基板上に実装して成る。
【0062】
BIN抵抗22は、LED21の光束ランク毎に設定された抵抗値を持つ。より具体的に述べると、BIN抵抗22の抵抗値RBINは、LED21が高ランク品(高輝度品)であるほど低く設定され、低ランク品(低輝度品)であるほど高く設定される。このように、LED基板にBIN抵抗22を実装しておけば、LED21の光束ランク毎に制御基板側の抵抗値を変更する必要がなくなる。
【0063】
NTCサーミスタ23は、LED基板の温度に応じて負特性で抵抗値が変化する。より具体的に述べると、NTCサーミスタ23の抵抗値RNTCは、LED基板の温度が高いほど低くなり、LED基板の温度が低いほど高くなる。このように、NTCサーミスタ23を用いて温度ディレーティングを行うことにより、LED21の劣化を抑えて高い信頼性を実現することが可能となる。
【0064】
一方、LED駆動装置10の制御基板には、LED駆動制御装置100やスイッチ出力段を形成するディスクリート部品(トランジスタN1、インダクタL1、ダイオードD1など)に加えて、pnp型バイポーラトランジスタQx1及びQx2と、npn型バイポーラトランジスタQx3及びQx4と、抵抗Rx1~Rx6が実装されている。
【0065】
抵抗Rx1、Rx4及びRx6それぞれの第1端、並びに、トランジスタQx3及びQx4それぞれのコレクタは、いずれもLED駆動制御装置100のVREF3ピンに接続されている。抵抗Rx1の第2端、抵抗Rx2の第1端、並びに、トランジスタQx1及びQx2それぞれのエミッタは、いずれもLED駆動制御装置100のDCDIMピンに接続されている。トランジスタQx1及びQx2それぞれのコレクタと抵抗Rx2の第2端は、いずれも接地端に接続されている。トランジスタQx1のベースとトランジスタQx3のエミッタは、いずれも抵抗Rx3の第1端に接続されている。トランジスタQx2のベースとトランジスタQx4のエミッタは、いずれも抵抗Rx5の第1端に接続されている。抵抗Rx3及びRx5それぞれの第2端は、いずれも接地端に接続されている。トランジスタQx3のベースと抵抗Rx4の第2端は、いずれもNTCサーミスタ23の第1端に接続されている。トランジスタQx4のベースと抵抗Rx6の第2端は、いずれもBIN抵抗22の第1端に接続されている。BIN抵抗22及びNTCサーミスタ23それぞれの第2端は、いずれも接地端に接続されている。
【0066】
本図で示したように、比較例(シングルDC調光)で光束ランク判別機能と温度ディレーティング機能を両立するためには、多数のディスクリート部品(トランジスタ4個、抵抗6個)が必要となる。
【0067】
<DC調光回路(実施形態)>
次に、DC調光回路107の新規な実施形態について詳細に説明する。
図5は、DC調光回路107及びその周辺回路の実施形態を示す図である。本実施形態のDC調光回路107は、入力段INと出力段OUTを有する。
【0068】
入力段INは、非反転入力端(+)にそれぞれ異なる調光入力電圧(DCDIM1/DCDIM2/VH)が入力されて、反転入力端(-)に共通の調光出力電圧V3が入力される3つのアンプAMP1~AMP3を備えている。すなわち、入力段INには、2系統の外部調光入力電圧(DCDIM1/DCDIM2)と、1系統の内部調光入力電圧VH(=調光出力電圧V3の上限値に相当)が入力されている。
【0069】
なお、外部調光入力電圧(DCDIM*)は、1系統であってもよいし、3系統以上であってもよい。ただし、外部調光入力電圧(DCDIM*)を2系統以上としておけば、例えば、光束ランク判別機能と温度ディレーティング機能を両立するために必要なディスクリート部品を大幅に削減することが可能となる(詳細は後述)。
【0070】
出力段OUTは、アンプAMP1~AMP3それぞれの出力端と調光出力電圧V3の出力ノードとの間に接続された機能ブロックであり、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタN11~N15と、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタP11と、を含む。
【0071】
トランジスタN11~N13それぞれのゲートは、アンプAMP1~AMP3それぞれの出力端に接続されている。トランジスタN11~N13それぞれのソースは、いずれも接地端に接続されている。このように接続されたトランジスタN11~N13は、出力段OUTの入力トランジスタとして機能する。
【0072】
トランジスタN14のゲートは、トランジスタN11~N13それぞれのドレインに接続されている。トランジスタN14のドレインは、電源端に接続されている。トランジスタN14のソースは、調光出力電圧V3の出力ノードに接続されている。このように接続されたトランジスタN14は、出力段OUTの出力トランジスタとして機能する。
【0073】
トランジスタN15のドレインは、調光出力電圧V3の出力ノードに接続されている。トランジスタN15のソースは、接地端に接続されている。トランジスタN15のゲートは、所定の電位端に接続されている。トランジスタP11のソースは、電源端に接続されている。トランジスタP11のドレインは、トランジスタN14のゲートに接続されている。トランジスタP11のゲートは、所定の電位端に接続されている。このように接続されたトランジスタN15及びP11は、能動負荷(電流源)として機能する。なお、トランジスタN15及びP11は、抵抗などの受動負荷に置き換えてもよい。
【0074】
以下では、説明を簡単とすべく、外部調光入力電圧DCDIM1及びDCDIM2のみに着目して出力段OUTの動作原理を説明する。アンプAMP1は、外部調光入力電圧DCDIM1と調光出力電圧V3がイマジナリショートするように、トランジスタN11のゲート制御を行う。同様に、アンプAMP2は、外部調光入力電圧DCDIM2と調光出力電圧V3がイマジナリショートするように、トランジスタN12のゲート制御を行う。
【0075】
まず、DCDIM2>DCDIM1(=V3)である場合を考える。この場合、アンプAMP2は、調光出力電圧V3を外部調光入力電圧DCDIM2まで引き上げようとしてトランジスタN12のゲート電圧を引き下げ続けるので、トランジスタN12がフルオフ状態となる。その結果、出力段OUTでは、アンプAMP1及びトランジスタN11による出力帰還制御が優勢となり、調光出力電圧V3は、外部調光入力電圧DCDIM1及びDCDIM2のうち、より低い外部調光入力電圧DCDIM1に合わせ込まれる。
【0076】
次に、DCDIM1>DCDIM2(=V3)である場合を考える。この場合、アンプAMP1は、調光出力電圧V3を外部調光入力電圧DCDIM1まで引き上げようとしてトランジスタN11のゲート電圧を引き下げ続けるので、トランジスタN11がフルオフ状態となる。その結果、出力段OUTでは、アンプAMP2及びトランジスタN12による出力帰還制御が優勢となり、調光出力電圧V3は、外部調光入力電圧DCDIM1及びDCDIM2のうち、より低い外部調光入力電圧DCDIM2に合わせ込まれる。
【0077】
なお、外部調光入力電圧DCDIM1及びDCDIM2と内部調光入力電圧VHとの関係についても、上記と同様である。
【0078】
このような動作原理により、上記構成から成る出力段OUTは、アンプAMP1~AMP3それぞれに入力される調光入力電圧(DCDIM1/DCDIM2/VH)のうち最も低い電圧を調光出力電圧V3として出力する。
【0079】
図6は、本実施形態におけるDC調光特性(実線)を示す図である。なお、横軸は外部調光入力電圧DCDIM*(ただし*=1または2)を示しており、縦軸は調光率を示している。また、図中の破線は、比較例におけるDC調光特性を示している。
【0080】
本実施形態では、アンプAMP1~AMP3それぞれの出力側に設けられた出力段OUTにおいて、外部調光入力電圧DCDIM1及びDCDIM2並びに内部調光入力電圧VHのうち最も低い電圧を選択する構成が採用されている。このような回路構成であれば、外部調光入力電圧DCDIMが上限値(=内部調光入力電圧VH)に近付いても、DC調光特性のリニアリティを維持することができるので、DC調光開始電圧のばらつきを抑制することが可能となる(図中の一点鎖線枠Aを参照)。
【0081】
また、本実施形態では、センス電圧V1に正のオフセット電圧VL(例えば0.2V)が付与されている。従って、DCDIM*<VLとなる電圧範囲では、アンプAMPxのオフセットばらつきにより調光出力電圧V3が多少ばらついても、LED発光部20を完全消灯状態(調光率0%)にすることができる(図中の一点鎖線枠Bを参照)。
【0082】
このように、本実施形態であれば、LED発光部20の調光率をフルレンジ(0%~100%)まで拡大することができるので、LED発光部20の段階的点灯や完全消灯が可能となり、延いては、LED発光装置1を幅広い用途に適用することが可能となる。
【0083】
また、本実施形態であれば、2系統の外部調光入力電圧DCDIM1及びDCDIM2を並列に受け付けることができる。そのため、例えば、光束ランク判別機能と温度ディレーティング機能を両立するために必要なディスクリート部品を大幅に削減することが可能となる。以下、図面を参照しながら説明する。
【0084】
図7は、本実施形態(デュアルDC調光)で光束ランク判別機能と温度ディレーティング機能を両立するために必要なディスクリート部品を示す図である。なお、LED発光部20の構成については、先出の
図4と同様であるので、重複した説明を割愛し、以下ではLED駆動装置10の制御基板に搭載されるディスクリート部品について説明する。
【0085】
LED駆動装置10の制御基板には、LED駆動制御装置100やスイッチ出力段を形成するディスクリート部品(トランジスタN1、インダクタL1、ダイオードD1など)に加えて、抵抗R21及びR22が実装されている。
【0086】
抵抗R21は、LED駆動制御装置100のVREF3ピンとDCDIM1ピンとの間に接続されている。なお、DCDIM1ピンは、BIN抵抗22(抵抗値:RBIN)の第1端に接続されている。従って、DCDIM1ピンには、基準電圧VREF3の分圧電圧(=VREF3×{RBIN/(R21+RBIN)})が入力される。すなわち、外部調光入力電圧DCDIM1は、LED21が高ランク品(高輝度品)であるほど低くなり、低ランク品(低輝度品)であるほど高くなる。
【0087】
抵抗R22は、LED駆動制御装置100のVREF3ピンとDCDIM2ピンとの間に接続されている。なお、DCDIM2ピンは、NTCサーミスタ23(抵抗値:RNTC)の第1端に接続されている。従って、DCDIM2ピンには、基準電圧VREF3の分圧電圧(=VREF3×{RNTC/(R22+RNTC)})が入力される。すなわち、外部調光入力電圧DCDIM2は、LED基板の温度が高いほど低くなり、LED基板の温度が低いほど高くなる。
【0088】
本図で示したように、本実施形態(デュアルDC調光)で光束ランク判別機能と温度ディレーティング機能を両立するために必要となるディスクリート部品は、抵抗2個だけであり、比較例(
図4)と比べて、ディスクリート部品の点数(延いては制御基板の面積)を大幅に削減することが可能となる。
【0089】
<使用例>
なお、上記では、LED21の光束ランクに応じたアナログ電圧をDCDIM1ピンに入力すると共に、LED基板の温度に応じたアナログ電圧をDCDIM2ピンに入力し、光束ランク判別機能と温度ディレーティング機能を両立する例を挙げたが、DCDIM1ピン及びDCDIM2ピンそれぞれの用途については、何らこれに限定されるものではなく、種々応用することが可能である。
【0090】
例えば、マイコンの制御信号に応じたアナログ電圧をDCDIM1ピンに入力すると共に、LED基板の温度に応じたアナログ電圧をDCDIM2ピンに入力すれば、マイコン調光機能と温度ディレーティング機能を両立することが可能となる。
【0091】
また、例えば、抵抗回路の分圧比に応じたアナログ電圧をDCDIM1ピンに入力すると共に、LED基板の温度に応じたアナログ電圧をDCDIM2ピンに入力すれば、抵抗回路によるアナログ調光機能と温度ディレーティング機能を両立することが可能となる。
【0092】
このように、2系統のDCDIM1ピン及びDCDIM2ピンを用意しておけば、多様な調光アプリケーションを実現することが可能となる。
【0093】
<用途>
LED発光装置1は、例えば、
図8及び
図9で示すように、車両X10のヘッドランプ(ハイビーム/ロービーム/スモールランプ/フォグランプなどを適宜含む)X11、昼間走行用ランプ(DRL)X12、テールランプ(スモールランプやバックランプなどを適宜含む)X13、ストップランプX14、及び、ターンランプX15などとして好適に用いることができる。また、不図示のアニメ―ションランプとしても好適に用いることができる。
【0094】
なお、発光素子駆動装置100は、駆動対象となるLED発光部20と共にモジュール(
図10のLEDヘッドランプモジュールY10、
図11のLEDターンランプモジュールY20、及び、
図12のLEDリアランプモジュールY30など)として提供されるものであってもよいし、LED発光部20とは独立にIC単体として提供されるものであってもよい。
【0095】
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、発光素子としてLEDを用いた構成を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、発光素子として有機EL素子を用いることも可能である。
【0096】
また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本明細書中に開示されている発明は、例えば、車載エクステリアランプ(DRL/ポジションランプ、ターンランプ、リアランプなど)に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 LED発光装置
10 LED駆動装置(=発光素子駆動装置に相当)
20 LED発光部
21 LED(=発光素子に相当)
22 BIN抵抗
23 NTCサーミスタ
100 LED駆動制御装置(=発光素子駆動制御装置に相当)
101 駆動電圧生成部
102 イネーブル制御部
103 基準電圧生成部
104 オシレータ
105 センスアンプ
106 オフセット付与部
107 DC調光回路
108 エラーアンプ
109 スロープ電圧生成部
110 コンパレータ
111 駆動コントローラ
112 PWM調光回路
113 ドライバ
114 UVLO部
115 TSD部
116 OCP部
117 OVP/UVD部
118 SCP部
119 異常フラグ出力部
AMP gmアンプ
AMP1~AMP3 アンプ
C1~C3 キャパシタ
D1 ダイオード
IN 入力段
L1 インダクタ
N1、N11~N15 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
OUT 出力段
P1、P11 Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ
Q1 pnp型バイポーラトランジスタ
R1~R11、R21~R22 抵抗
SW スイッチ
X10 車両
X11 ヘッドランプ
X12 昼間走行用ランプ
X13 テールランプ
X14 ストップランプ
X15 ターンランプ
Y10 LEDヘッドランプモジュール
Y20 LEDターンランプモジュール
Y30 LEDリアランプモジュール