IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シチズンファインテックミヨタ株式会社の特許一覧 ▶ シチズンホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-液晶表示素子 図1
  • 特許-液晶表示素子 図2
  • 特許-液晶表示素子 図3
  • 特許-液晶表示素子 図4
  • 特許-液晶表示素子 図5
  • 特許-液晶表示素子 図6
  • 特許-液晶表示素子 図7
  • 特許-液晶表示素子 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】液晶表示素子
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1341 20060101AFI20230831BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20230831BHJP
   G02F 1/1337 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
G02F1/1341
G02F1/1333 500
G02F1/1337 525
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020032965
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021135437
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(72)【発明者】
【氏名】半田 正人
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-305094(JP,A)
【文献】特開平08-201825(JP,A)
【文献】特開昭62-206527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1341
G02F 1/1333
G02F 1/1339
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の基板の周縁部をシール材で貼り合わせ、該シール材の一部を開口することで形成された液晶注入口より液晶を注入する液晶表示素子であって、前記液晶注入口は、前記2枚の基板の互いに対向する辺部がずれた位置関係で貼り合わされることによって形成された段差部に設けられており、当該段差部より張り出す一方の基板の張り出し部表面には、前記液晶注入口へ向け液晶を誘導注入するための液晶注入路が設けられており、当該液晶注入路は、前記液晶注入口を構成するシール材の2つの開口端部それぞれから前記基板の端部へ連続して延びる2本の溝に挟まれた前記基板の張り出し部表面からなることを特徴とする液晶表示素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な電子機器の表示機能として広く利用される液晶表示素子に関するものである。
【0002】
図5は、従来の液晶表示素子を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面断面図である。図5の液晶表示素子は、液晶未注入、未封止状態を示すものである。
【0003】
液晶表示素子51は表面に電極54と配向膜55を形成した上基板52と、表面に電極54と配向膜55を形成した下基板53をシール材56で貼り合わせた構成である。電極54は、具体的には透明導電膜(ITO膜)で形成されている。また、配向膜55は、液晶分子群を一定方向に配列させるための機能膜であり、例えば、ポリイミド膜等によって形成されている。
【0004】
上基板52と下基板53は、シール材56の厚さ分に相当する空隙57を有して貼り合わされており、当該シール材56が、上基板52と下基板53を重ね合わせた周縁部を囲繞するようにしてシールされている。このシール材56の一部には、液晶を注入するための液晶注入口58が設けられている。また、液晶注入口58の配置場所は、上基板52と下基板53の端面部が同一線上となる位置に設けるのが一般的である。
【0005】
また、上基板52、53の材質は、液晶の駆動方式や液晶表示素子が透過型か反射型かによって変わるが、一方が透明ガラス基板であり、他方がシリコン基板か透明ガラス基板の何れかの構成を取るのが一般的である。また、基板材料として、最近では、プラスチック基板もより多くの液晶表示素子で用いられるようになってきている。
【0006】
図6は、液晶表示素子に液晶を注入する工程を示す図であり、液晶表示素子と液晶皿と液晶皿に配置された液晶との位置関係を示す側面図である。
【0007】
液晶を注入する工程において、まず、液晶表示素子51の液晶注入口58が下側になる位置に保持した上、液晶60が入れられた液晶皿61と共に真空チャンバー(不図示)に入れる。その後、チャンバー内を所定圧力まで真空にし、液晶60が入れられた液晶皿61の液晶60と液晶表示素子51の液晶注入口58とを接触させる。この状態で真空チャンバー内を大気に戻すことで生ずる真空チャンバー内と、液晶表示素子51内の圧力差を利用して液晶60の注入が行われる。
【0008】
その後、図示しないが、液晶注入口58を封口材にて封口し液晶表示素子51が完成する。封口材としては、熱硬化型樹脂や紫外線硬化樹脂が適宜選択され用いられている。
【0009】
図5に示す液晶表示素子51は、一般構造として、液晶注入口58が2枚の基板(上基板52、下基板53)の端面部が同一線上となる位置に存在しているタイプを例示したものであるが、これに限らず、表示領域の最大化や最終製品としてのレイアウトの関係上、基板と基板がずれた位置関係で貼り合わされることで生じる段差部分に液晶注入口を配置する場合もある。
【0010】
図7は、従来の液晶表示素子を示す上面図である。図7の液晶表示素子を構成する各部材は、図5に示す液晶表示素子51と同様であるが、液晶注入口58を設けた位置が異なっており、シール材56の形成パターンが相違するものである。上基板52と下基板53は、同一サイズの基板であるが、上方に位置する上基板52が下方に位置する下基板53に対して左方向にずれた位置で貼り合わされている。これにより段差部59が構成され、この段差部59の位置に液晶注入口58が設けられている。
【0011】
図8は、図7に示す液晶表示素子に液晶を注入する工程を示す図であり、液晶表示素子と液晶皿と液晶皿に配置された液晶との位置関係を示す側面図である。
【0012】
液晶を注入する工程においては、図8に示すように、液晶表示素子51の液晶注入口58が下側になるような位置に保持した上、液晶60が入れられた液晶皿61と共に真空チャンバー(不図示)に入れる。その後、チャンバー内を所定圧力まで真空にし、液晶60が入れられた液晶皿61の液晶60と液晶表示素子の液晶注入口58とを接触させる。この状態で真空チャンバー内を大気に戻すことで生ずる真空チャンバー内と、液晶表示素子51内の圧力差を利用して液晶の注入が行われる。
【0013】
その後は、図示しないが、液晶注入口58を封口材にて封口し液晶表示素子51が完成する。封口材としては、熱硬化型樹脂や紫外線硬化樹脂が適宜選択され用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開平7-209658
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述の図7に示す構成の液晶表示素子51の場合、液晶皿61の液晶60が注入時に上基板52と下基板53の段差部59を伝わり液晶注入口58へ流れ込むことになるが、液晶注入口58まで距離があるため、図中の矢印方向に液晶60が逃げてしまい、液晶注入口58への注入が適正に行えず、液晶未注入等の不良が発生してしまうという問題があった。
【0016】
本発明は、前述の問題点を解決しようとするもので、液晶注入口まで一定の距離があっても的確に液晶を注入することができる液晶表示素子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
2枚の基板の周縁部をシール材で貼り合わせ、該シール材の一部を開口することで形成された液晶注入口より液晶を注入する液晶表示素子であって、前記液晶注入口は、前記2枚の基板の互いに対向する辺部がずれた位置関係で貼り合わされることによって形成された段差部に設けられており、当該段差部より張り出す一方の基板の張り出し部表面には、前記液晶注入口へ向け液晶を誘導注入するための液晶注入路が設けられた液晶表示素とする。
前記液晶注入路の幅は、前記液晶注入口の幅と同一かそれよりも狭い構成となっており、各々が対向配置されていてもよい。
前記液晶注入路は、前記基板の張り出し部表面に薄膜をパターニングして形成することができる。
前記薄膜は、前記基板に形成される電極膜及び/又は配向膜で形成することができる。
また、前記液晶注入路は、前記基板の張り出し部表面の一部をエッチング加工、又はレーザー加工により形成してもよい。
前記液晶注入路は、前記液晶注入口を構成するシール材の2つの開口端部それぞれから前記基板の端部へ連続して延びる2本の細溝で構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、液晶は液晶注入口付近以外に濡れ広がらないので、効率よく液晶注入口から液晶が的確に注入され、未注入などの不良を発生させることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態における液晶表示素子を示す図。
図2】本発明の一実施形態における液晶表示素子に液晶を注入する工程を示す工程図。
図3】本発明の他の実施形態における液晶表示素子を示す図。
図4】本発明の他の実施形態における液晶表示素子を示す図。
図5】従来の液晶表示素子を示す図。
図6】従来の液晶表示素子に液晶を注入する工程を示す図。
図7】従来の液晶表示素子を示す上面図。
図8図7に示す液晶表示素子に液晶を注入する工程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態の液晶表示素子について説明する。
図1は、本発明の一実施形態の液晶表示素子を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)の右側面図である。
【0021】
液晶表示素子1は、上基板2と下基板3が貼り合わされて成るもので、液晶が充填される間隙を維持した状態で各々が貼り合わされている。上基板2と下基板3が貼り合わされる各々の対向面には、電極4が形成され、その上方に配向膜5が積層されている。
【0022】
電極4、4は、具体的には透明導電膜(ITO膜)で形成されるもので、蒸着等の成膜手法を用いて形成されている。また、配向膜5、5は、液晶分子群を一定方向に配列させるための機能膜であり、例えば、ポリイミド膜等によって形成されている。
【0023】
6はシール材で、液晶表示素子1の中央に位置する表示領域(不図示)を取り囲むように配置され、上基板2と下基板3を一定の間隙を保持して接合している。このシール材6で囲繞された間隙は、液晶が注入されるスペースとなるもので、シール材6の凸部6a、6a間に設けた開口部(以下、液晶注入口7という)から液晶が注入される。
【0024】
前述の上基板2と下基板3は、互いにずれた位置関係で貼り合わされるため、段差部8が生じており、この段差部8から下基板3の一部が外側へ張り出すことで、張り出し部8aが形成された状態となっている。前記シール材6で形成された液晶注入口7は、この段差部8側に向けて配設されている。
【0025】
張り出し部8aの表面には、下基板3に形成された電極4と配向膜5が配設された構成であるが、前記液晶注入口7に対向する部位には、電極4と配向膜5が形成されていない構成となっており、液晶注入口7の幅に合わせ、ほぼ同一の幅で下基板3の外端部に至るまで電極4、配向膜5が形成されていない構成をとる。これにより、下基板3の外端部から液晶注入口7へと至る部分に、液晶を誘導するための液晶注入路9が形成されることになる。本実施形態において、液晶注入路9の幅は、液晶注入口7の幅と一致させた構成であるが、これよりも狭い幅で構成することも可能であり、同構成によれば、液晶注入口7への液晶の誘導が確実化される。
【0026】
液晶注入路9の形成方法は、電極4と配向膜5を成膜する際に、液晶注入路9を成す部位には電極4と配向膜5が成膜されないよう、パターニング処理を施すことにより容易に形成することができる。また、電極4と配向膜5を張り出し部8aの表面全面に形成した後でも、液晶注入路9に該当する部位の電極4と配向膜5を除去する方法で行ってもよい。
【0027】
液晶注入路9は、張り出し部8aの表面上において、電極4と配向膜5が形成されない部位において、それらの膜厚によって凹部が構成された状態となっている。これにより、液晶が外側へ漏れ広がらず、凹部に沿って液晶注入口7へ向かって確実に誘導され液晶注入が的確に行われるようになる。液晶が的確に注入されることで、液晶を無駄にすることがなくなり、濡れ広がった液晶を除去する作業も不要となる。
【0028】
尚、前記張り出し部8aの表面上には、電極4と配向膜5が形成される2層構造で説明したが、例えば、配向膜5がなく、電極4のみで構成されても良い。また、電極4あるいは配向膜5のいずれでもない別材質の膜を選択することも可能である。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態における液晶表示素子に液晶を注入する工程を示す工程図である。10は液晶で、11は、液晶10を配置した液晶皿である。
液晶10を液晶表示素子1内に注入する場合、液晶注入路9が下側になるよう液晶表示素子1を立てた状態で液晶皿11の液晶10と対向配置し、真空チャンバー(不図示)に入れる。
【0030】
その後、チャンバー内を所定圧力まで真空にし、液晶10が入れられた液晶皿11の液晶10と液晶表示素子1の液晶注入路9とを接触させる。この状態で真空チャンバー内を大気に戻すことで生ずる真空チャンバー内と、液晶表示素子1内の圧力差を利用して液晶の注入を行う。
【0031】
この時、液晶10は、液晶注入路9に沿ってシール材6の凸部6a、6a間に位置する液晶注入口7から、液晶表示素子1内へ的確に注入される。液晶注入路9は、前述したように電極4と配向膜5の膜厚段差分があるので、液晶10は、液晶注入路9内を直線的に伝わり、図中矢印方向へ効率よく誘導され、液晶注入口7から液晶表示素子1内部へ流れて的確に注入される。続いて、図示しないが、液晶注入口7を封口材(熱硬化型樹脂や紫外線硬化樹脂等)にて封口し液晶表示素子1が完成する。
【0032】
図3は、本発明の他の実施形態の液晶表示素子を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)の右側面図である。
【0033】
液晶表示素子21は、上基板22と下基板23が貼り合わされて成り、各々は液晶が充填される間隙を維持した状態で貼り合わされている。上基板22と下基板23が貼り合わされる対向面には、各々電極24が形成され、その上方に配向膜25が積層されている。電極24、24は、具体的には透明導電膜(ITO膜)で構成されるもので、蒸着等の成膜手法を用いて形成されている。また、配向膜25、25は、液晶分子群を一定方向に配列させるための機能膜であり、例えば、ポリイミド膜等によって形成されている。
【0034】
26はシール材で、液晶表示素子21の中央に位置する表示領域(不図示)を取り囲むように配置され、上基板22と下基板23を一定の間隙を保持して接合している。このシール材26で囲繞された間隙は、液晶が注入されるスペースとなるもので、シール材26の凸部26a、26a間に設けた開口部(以下、液晶注入口27という)から液晶が注入される。
【0035】
前述の基板22と下基板23は、互いにずれた位置関係で貼り合わされるため、段差部28が生じており、この段差部28から下基板23の一部が外側へ張り出すことで、張り出し部28aが形成された状態となっている。前記シール材26で形成された液晶注入口27は、この段差部28側に向けて配設されている。
【0036】
張り出し部28aの表面部には、図1に示した一実施形態の液晶表示素子とは異なり、下基板23に形成された電極24と配向膜25が配設されない構成となっている。ただし、図示しないが、張り出し部28aの表面のごく一部分に電極24と外部基板(不図示)との接続用端子が設けられる構成である。
【0037】
張り出し部28aの前記液晶注入口27に対向する部位には、液晶注入口27の幅に合わせ、ほぼ同一の幅で下基板23の外端部に至るまで液晶注入路29が形成されている。この液晶注入路29は、断面が凹溝状になっており、これにより、下基板23の外端部から液晶注入口27へと至る部分に液晶を誘導することが可能になる。液晶注入路29の幅は、液晶注入口27の幅よりも狭い幅で構成することも可能であり、同構成によれば、液晶注入口7への液晶の誘導が確実化される。
【0038】
液晶注入路29の形成方法については、通常、下基板23の材質は、シリコンやガラスが用いられるため、例えば、エッチング加工によって容易に行える。また、レーザーを利用したレーザー加工を採用することも可能である。
【0039】
液晶注入路29は、下基板23の張り出し部28aの表面上において、液晶注入口27から下基板23の外端部へ向け凹溝形状となっている。これにより、液晶注入の際、液晶が外側へ漏れ広がらず、液晶注入路29の凹溝に沿い液晶注入口27へ向かって確実に誘導されるので、液晶注入が的確に行われるようになる。液晶注入方法については、図2を参照して説明した内容と同様であるため詳細説明は省略する。
【0040】
図4は、本発明の他の実施形態の液晶表示素子を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)の右側面図である。
【0041】
液晶表示素子31は、上基板32と下基板33が貼り合わされて成り、各々は液晶が充填される間隙を維持した状態で貼り合わされている。上基板32と下基板33が貼り合わされる対向面には、各々電極34が形成され、その上方に配向膜35が積層されている。電極34は、具体的には透明導電膜(ITO膜)で構成されるもので、蒸着等の成膜手法を用いて形成されている。また、配向膜35は、液晶分子群を一定方向に配列させるための機能膜であり、例えば、ポリイミド膜等によって形成されている。
【0042】
36はシール材で、液晶表示素子31の中央に位置する表示領域(不図示)を取り囲むように配置され、上基板32と下基板33を一定の間隙を保持して接合している。このシール材36で囲繞された間隙は、液晶が注入されるスペースとなるもので、シール材36の凸部36a、36a間に設けた開口部(以下、液晶注入口37という)から液晶が注入される。
【0043】
前述の基板32と下基板33は、互いにずれた位置関係で貼り合わされるため、段差部38が生じており、この段差部38から下基板33の一部が外側へ張り出すことで、張り出し部38aが形成された状態となっている。前記シール材36で形成された液晶注入口37は、この段差部38側に向けて配設されている。
【0044】
張り出し部38aの表面部には、下基板33に形成された電極34と配向膜35が配設されない構成となっている。ただし、図示しないが、張り出し部38aの表面のごく一部分に電極34と外部基板(不図示)との接続用端子が設けられる構成である。前述の液晶表示素子31の全体構成は、図3に示した実施形態の液晶表示素子21と同一構成である。
【0045】
張り出し部38aの表面部には、シール材36の凸部36a、36a間の開口部によって規定された液晶注入口37の幅に合わせ、2本の細溝39、39が形成されている。この細溝39は、シール材36の凸部36a、36aそれぞれの端部から、下基板33の外端部に至るまで延在して設けられており、2本の細溝39、39とこれに挟まれた張り出し部38aの表面部で液晶注入路40が形成されている。
【0046】
細溝39の形成方法については、通常、下基板33の材質は、シリコンやガラスが用いられるため、例えば、エッチング加工によって容易に行える。また、レーザーを利用したレーザー加工を採用して形成することも可能である。
【0047】
前述のように、細溝39、39を設けることにより、この細溝39、39に挟まれて成る液晶注入路40に表面張力を作用させることができるので、液晶注入の際、液晶の外側への漏れ出しを制御することができる。よって、液晶注入が的確に行われるようになる。
液晶注入方法については、図2を参照して説明した内容と同様であるため詳細説明は省略する。
【符号の説明】
【0048】
1 液晶表示素子
2 上基板
3 下基板
4 電極
5 配向膜
6 シール材
6a 凸部
7 液晶注入口
8 段差部
8a 張り出し部
9 液晶注入路
10 液晶
11 液晶皿
21 液晶表示素子
22 上基板
23 下基板
24 電極
25 配向膜
26 シール材
26a 凸部
27 液晶注入口
28 段差部
28a 張り出し部
29 液晶注入路
31 液晶表示素子
32 上基板
33 下基板
34 電極
35 配向膜
36 シール材
36a 凸部
37 液晶注入口
38 段差部
38a 張り出し部
39 細溝
40 液晶注入路
51 液晶表示素子
52 上基板
53 下基板
54 電極
55 配向膜
56 シール材
57 空隙
58 液晶注入口
59 段差部
60 液晶
61 液晶皿
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8