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  • 特許-シートベルト着脱検出スイッチ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】シートベルト着脱検出スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 21/28 20060101AFI20230831BHJP
   A44B 11/26 20060101ALI20230831BHJP
   B60R 22/48 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H01H21/28 Z
A44B11/26
B60R22/48 103
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020072848
(22)【出願日】2020-04-15
(65)【公開番号】P2021170457
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】出▲崎▼ 健二郎
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-100070(JP,A)
【文献】特開昭50-109037(JP,A)
【文献】実開平3-86530(JP,U)
【文献】実開昭52-89663(JP,U)
【文献】特開2018-191899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 21/28
A44B 11/26
B60R 22/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルトの着脱検出用の回路を含むプリント基板と、
前記プリント基板に回転可能に取り付けられ、前記シートベルトのタングと接触する接触部を含み、前記タングのバックルへの押し込みに伴って順方向に回転する回転子と、
順方向に回転した前記回転子を、前記タングのバックルからの引き抜きに伴って逆方向に回転させるばねと、
前記回転子の前記プリント基板に対向する面に取り付けられ、前記回転子の回転の状態に応じて前記回路の導電部との接触/非接触の状態が変化する脚部を有する電気ブラシを含む
シートベルト着脱検出スイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のシートベルト着脱検出スイッチであって、
前記回転子は、
前記プリント基板に向かって延伸する軸を含み、
前記プリント基板は、
前記軸と嵌合する穴を含み、
前記ばねは、ねじりコイルばねであって、
前記ねじりコイルばねのコイルは、前記軸に挿通され、前記ねじりコイルばねの一方の端部が前記回転子に固定され、前記ねじりコイルばねの他方の端部が前記プリント基板に固定される
シートベルト着脱検出スイッチ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシートベルト着脱検出スイッチであって、
前記回転子は、
前記プリント基板に向かって延伸し延伸方向と異なる方向に張り出した爪を含み、
前記プリント基板は、
前記爪を挿通する円弧形状のスリットを含む
シートベルト着脱検出スイッチ。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載のシートベルト着脱検出スイッチであって、
前記回転子は、
順方向の回転を制限する第1の突起と、
逆方向の回転を制限する第2の突起を含み、
前記プリント基板は、
前記回転子が順方向の回転の予め定めた限界角度にあるとき、前記第1の突起と嵌合する第1の溝と、
前記回転子が逆方向の回転の予め定めた限界角度にあるとき、前記第2の突起と嵌合する第2の溝を含む
シートベルト着脱検出スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートベルト着脱検出スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
シートベルトバックルスイッチの従来技術として例えば特許文献1がある。特許文献1のシートベルトバックルスイッチは、バックルの内部に設置される基板と、基板上に形成された電極領域と、基板に基板上をスライド可能に取付けられ、タングプレートの着脱動作に連動してスライドするスライダと、スライダが基板上をスライドすることで電極領域に対して接触または非接触のいずれかの状態となるように、スライダのスライド方向に延びて基板または電極領域に接触する1つ以上の導電性の脚部を有する可動端子と、基板に1つ以上の段差部が設けられることで構成され、段差部は電極領域の少なくとも一部に沿って連続または断続して延びて、段差部によってスライダのスライド時に可動端子が案内されるガイド部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-159723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシートベルトバックルスイッチの動作方向はタングプレートの動作方向と同じであるため、タングプレートの可動域と同じ動作範囲となるスイッチを用いる必要があり、スイッチのサイズが大きくなってしまうことが課題である。
【0005】
そこで本発明では、小型なシートベルト着脱検出スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシートベルト着脱検出スイッチは、プリント基板と、回転子と、ばねと、電気ブラシを含む。
【0007】
プリント基板は、シートベルトの着脱検出用の回路を含む。回転子は、プリント基板に回転可能に取り付けられ、シートベルトのタングと接触する接触部を含み、タングのバックルへの押し込みに伴って順方向に回転する。ばねは、順方向に回転した回転子を、タングのバックルからの引き抜きに伴って逆方向に回転させる。電気ブラシは、回転子のプリント基板に対向する面に取り付けられ、回転子の回転の状態に応じて回路の導電部との接触/非接触の状態が変化する脚部を有する。
【発明の効果】
【0008】
小型なシートベルト着脱検出スイッチとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】シートベルト着脱検出スイッチの分解斜視図。
図2】シートベルト着脱検出スイッチの第1の斜視図。
図3】シートベルト着脱検出スイッチのプリント基板を除く第1の斜視図。
図4】シートベルト着脱検出スイッチの第2の斜視図。
図5】シートベルト着脱検出スイッチの初期状態の平面図。
図6】シートベルト着脱検出スイッチの順方向に回転した状態の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0011】
以下、図1を参照して実施例1のシートベルト着脱検出スイッチの構成を説明する。同図に示すように、本実施例のシートベルト着脱検出スイッチ1は、プリント基板11と、回転子12と、ねじりコイルばね13と、電気ブラシ14を含む。
【0012】
プリント基板11は、第1の回路111と、第2の回路112と、穴113と、スリット114と、第1の溝115と、第2の溝116と、凹部117を含む。回転子12は、接触部121と、軸122と、爪123と、第1の突起124と、第2の突起125を含む。ねじりコイルばね13は、端部131と、端部132と、屈曲部133と、コイル134を含む。電気ブラシ14は、第1の脚部141と、第2の脚部142を含む。
【0013】
図2に示すように、回転子12は、プリント基板11に回転可能に取り付けられている。具体的には、回転子12は、プリント基板11に向かって延伸する軸122を含み、プリント基板11は、軸122と嵌合する穴113を含み、回転子12は軸122を回転軸として回転可能とされている。
【0014】
回転子12は、シートベルトのタングと接触する接触部121を含み、タングのバックルへの押し込みに伴って順方向(同図の白抜き矢印の方向)に回転する。
【0015】
また回転子12は、プリント基板11に向かって延伸し延伸方向と異なる方向に張り出した爪126を含み、プリント基板11は、爪126を挿通する円弧形状のスリット114を含む。爪126の先端が張り出していることにより、爪126の先端がスリット114と係り合って、回転子12の浮き、脱落を防止する。
【0016】
同様に回転子12は、プリント基板11に向かって延伸し延伸方向と異なる方向に張り出した爪123を含む。爪123の先端がプリント基板11の円弧形状に切り欠かれた領域と係り合って、回転子12の浮き、脱落を防止する。
【0017】
また回転子12は、順方向の回転を制限する第1の突起124と、逆方向の回転を制限する第2の突起125を含み、プリント基板11は、回転子12が順方向の回転の予め定めた限界角度にあるとき、第1の突起124と嵌合する第1の溝115と、回転子12が逆方向の回転の予め定めた限界角度にあるとき、第2の突起125と嵌合する第2の溝116を含み、第1の溝115と第2の溝116の間は、円弧形状に切り欠かれている。
【0018】
図3に示すように、ねじりコイルばね13は、順方向に回転した回転子12を、タングのバックルからの引き抜きに伴って逆方向に回転させ、回転子12を初期状態に復帰させる。ねじりコイルばね13のコイル134は、軸122に挿通され、ねじりコイルばね13の一方の端部131が回転子12の溝128に固定され(図4を併せて参照)、ねじりコイルばね13の他方の端部132がプリント基板11の凹部117に固定される(図2を併せて参照)。
【0019】
図3に示すように、電気ブラシ14は、回転子12のプリント基板に対向する面に取り付けられ、回転子12の回転の状態に応じてプリント基板11上の第1の回路111の導電部との接触/非接触の状態が変化する第1の脚部141と、回転子12の回転の状態に応じてプリント基板11上の第2の回路112の導電部との接触/非接触の状態が変化する第2の脚部142を含む。なお、第1の回路111、第2の回路112はシートベルトの着脱検出用の回路である。
【0020】
図5に初期状態の回転子12の向きを示し、図6に順方向一杯まで回転した状態の回転子12の向きを示す。
【0021】
本実施例のシートベルト着脱検出スイッチ1によれば、従来、シートベルトのタングのバックルへの挿し込み、引き抜きに連動して1軸方向にスライドしていたスライダーを、回転動作する回転子12に変更したことにより、小型化を実現できた。また、ねじりコイルばね13により、タングのバックルへの挿し込みに伴って順方向に回転した回転子12を、タングのバックルからの引き抜きに伴って逆方向に回転させ、回転子12を初期状態に復帰させることができる。また、回転子12に設けられた爪123、126により、回転子12のプリント基板11からの浮き、脱落を防ぐことができる。また、回転子12に設けられた第1の突起124、第2の突起125と、これらに嵌合する第1の溝115、第2の溝116を設けたことにより、回転子12を予め定めた角度の範囲で回転動作させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6