(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】電気掃除機の吸口体およびこれを備えた電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
A47L9/04 A
(21)【出願番号】P 2020161726
(22)【出願日】2020-09-28
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山谷 遼
(72)【発明者】
【氏名】小森 啓礼
(72)【発明者】
【氏名】横田 雅瑛
(72)【発明者】
【氏名】板垣 慶太
(72)【発明者】
【氏名】鷲塚 拓仁
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-212330(JP,A)
【文献】特開2020-000919(JP,A)
【文献】特開2013-212216(JP,A)
【文献】特開2020-110506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/02~ 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃面を清掃する回転清掃体と、
前記回転清掃体の一端を軸支して収容するケースと、
前記ケースに取り付けられ、前記回転清掃体の他端を保持する軸受カバーと、を備え、
前記軸受カバーは、
幅方向の外側に向けて凹状に切り欠かれた凹部と、前記凹部に一体に形成されて撓み変形可能な撓み部と
、前記撓み部に形成される爪部と、を備え、
前記軸受カバーが前記ケースに挿入され、前記撓み部が撓み変形して前記爪部が前記ケースに形成された嵌合孔に嵌合することで、前記回転清掃体が前記ケースに固定され
、
前記軸受カバーの底面部には、気密保持部材が設けられ、
前記気密保持部材は、当該気密保持部材の後部が前記凹部よりも前記回転清掃体の軸方向の内側に位置していることを特徴とする電気掃除機の吸口体。
【請求項2】
請求項
1に記載の電気掃除機の吸口体において、
前記気密保持部材は、
さらに底面視において略Z字形状に形成され
、かつ、当該気密保持部材の前部が前記内側よりも外側に位置し、かつ、前記前部と前記後部との間が前方に向かうにつれて外側に傾斜するように位置していることを特徴とする電気掃除機の吸口体。
【請求項3】
請求項
1または2に記載の電気掃除機の吸口体を備えたことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の吸口体およびこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転ブラシを搭載した掃除機の吸口は、使用者が回転ブラシをお手入れするために回転ブラシのカバー部材(軸受カバー)を取り外し、回転ブラシを吸口本体から取り外すことができる。例えば、カバー部材を取り外す方法としては、レバーを設けて、レバーを操作するものや、コインを使用するものなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の吸口について、部品点数を少なくして、軽量化や組立性の向上を図りたいという課題があった。
【0005】
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、軽量化や組立性の向上を図ることが可能な電気掃除機の吸口体およびこれを備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被清掃面を清掃する回転清掃体と、前記回転清掃体の一端を軸支して収容するケースと、前記ケースに取り付けられ、前記回転清掃体の他端を保持する軸受カバーと、を備え、前記軸受カバーは、幅方向の外側に向けて凹状に切り欠かれた凹部と、前記凹部に一体に形成されて撓み変形可能な撓み部と、前記撓み部に形成される爪部と、を備え、前記軸受カバーが前記ケースに挿入され、前記撓み部が撓み変形して前記爪部が前記ケースに形成された嵌合孔に嵌合することで、前記回転清掃体が前記ケースに固定され、前記軸受カバーの底面部には、気密保持部材が設けられ、前記気密保持部材は、当該気密保持部材の後部が前記凹部よりも前記回転清掃体の軸方向の内側に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、軽量化や組立性の向上を図ることが可能な電気掃除機の吸口体およびこれを備えた電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の吸口体が適用される電気掃除機の一例を示す側面図である。
【
図5】吸口体から上ケースを外した状態を示す上面図である。
【
図6】吸口体から上ケースを外した状態を示す斜視図である。
【
図9】ユニットカバーを内側から見たときの斜視図である。
【
図11】ユニットカバーを外側から見たときの斜視図である。
【
図23】吸口体のセンサレバーがONの場合を示す側面図である。
【
図24】吸口体のセンサレバーがOFFの場合を示す側面図である。
【
図26】継手部の構造を示し、継手部が起立した状態を示す断面図である。
【
図27】継手部の構造を示し、継手部が倒れた状態を示す断面図である。
【
図29】吸口体のセンサレバーがスイッチONの状態を示す断面図である。
【
図30】吸口体を上下逆さまにしたときの断面図である。
【
図33】継手部を下ケースに取り付けた状態を示す上面図である。
【
図34】
図3のXXXIV-XXXIV線断面図である。
【
図39】
図5のXXXIX-XXXIX線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の吸口体が適用される電気掃除機の一例を示す側面図である。
図1に示すように、電気掃除機1000は、ハンディ状態、スティック状態など各種の使用形態に変更して掃除を行うことができるものである。
【0010】
また、電気掃除機1000は、サイクロン式のものであり、掃除機本体1、ダストケース(集塵装置)2、充電池3を備えて構成されている。
【0011】
掃除機本体1は、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12を備えて構成されている。モータケース部11には、吸引力を発生させる電動送風機(不図示)が収容されている。ハンドル部12には、吸込み力の切り替えを行う操作スイッチSWが設けられている。
【0012】
延長管300の一端は、掃除機本体1のダストケース2と連通するように掃除機本体1の接続口に接続されている。また、延長管300の他端は、吸口体400に接続されている。また、延長管300は、図示しない通風路が形成されるとともに、充電池3と吸口体400のブラシ用の電動機(不図示)とを電気的接続する配線(不図示)を備えている。
【0013】
なお、電気掃除機1000としては、図示されているスティックタイプの掃除機に限定されず、ハンディタイプの掃除機、キャニスター(シリンダー式)掃除機などの電源コード式やコードレス式の電気掃除機に適用することができる。
【0014】
図2は、吸口体を上側から見たときの斜視図である。
図2に示すように、吸口体400は、モータによってブラシが回転するパワーブラシ式のものであり、吸口本体20と、この吸口本体20に回動自在に接続される継手部30と、を備えて構成されている。
【0015】
吸口本体20は、下ケース21と、上ケース22と、ユニットカバー23とが組み合わされて構成されている。下ケース21と、上ケース22と、ユニットカバー23は、いずれも合成樹脂製の材料で形成されている。例えば、下ケース21および上ケース22は、ABS樹脂などで形成されている。ユニットカバー23は、ABS樹脂よりも固いガラス入りナイロンなどの樹脂で形成されている。また、下ケース21には、バンパ部24が設けられている。このバンパ部24は、エラストマ樹脂で形成され、下ケース21と二重成型によって構成されている。
【0016】
図3は、吸口体の正面図である。なお、
図3は
図2の状態の吸口体400を正面から見た状態である。
図3に示すように、バンパ部24は、下ケース21の正面側に設けられ、幅方向(左右方向)に延びて形成されている。また、バンパ部24の下部は、吸口本体20の幅寸法よりも短く形成されている。また、バンパ部24の上部は、右端が下ケース21の右端部まで延び、左端がユニットカバー23まで延びている。
【0017】
吸口本体20は、上ケース22が下ケース21よりも左右方向(幅方向)に短く形成されている。換言すると、吸口本体20は、上ケース22の右端から下ケース21の一部が突出し、上ケース22の左端からユニットカバー23が突出するように構成されている。
【0018】
図4は、吸口体を底側から見たときの斜視図である。
図4に示すように、吸口体400は、回転ブラシ(回転清掃体)40と、軸受カバー50と、を備えて構成されている。なお、軸受カバー50の詳細について後記する。
【0019】
回転ブラシ40は、吸口本体20の左右方向(幅方向)に沿って配置され、ブラシ室Q内に回転可能に支持されている。また、回転ブラシ40は、吸口本体20の左右方向(回転ブラシ40の軸方向)の一端側から他端側まで連続して設けられている。
【0020】
また、回転ブラシ40は、硬さや高さ等が異なるブラシなど複数種類のブラシを備え、各ブラシがらせん状に配設されている。
【0021】
継手部30は、延長管300(
図1参照)と接続してスティック状態で使用されるか、または掃除機本体1に直接に接続してハンディ状態で使用されるようになっている。また、継手部30は、直管部31と、回動継手部32と、回動カバー33と、を備えて構成されている。
【0022】
また、下ケース21には、該下ケース21の背面に脚部25が形成されている。この脚部25は、下ケース21と一体に樹脂成型されている。また、脚部25は、回動継手部32の左右両側近傍から後方に向けて延びる延出部25a,25aと、延出部25aの後端同士をつなぐ繋ぎ部25bと、を有し、平面視においてコの字形状となるように構成されている。また、繋ぎ部25bには、車輪25cが回転可能に支持されている。
【0023】
また、下ケース21には、回転ブラシ40の後方に、回転ブラシ40に沿う形状の刷毛120が設けられている。このような刷毛120を設けることで、回転ブラシ40によって前方から掻き込んだ塵埃が後方に飛び出さないようになっている。また、刷毛120は、回転ブラシ40に平行な回動軸(不図示)を有し、前後方向に回動するように構成されている。
【0024】
図5は、吸口体から上ケースを外した状態を示す上面図である。
図6は、吸口体から上ケースを外した状態を示す斜視図である。
図5および
図6に示すように、下ケース21には、複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)61,61が実装されたLED基板60(配線基板)が収容されている。このLED基板60の前方には、LED61を保護する保護部材62(流路を形成する部材と保護カバーとを一体に形成する部材)が設けられている。また、保護部材62は、上ケース22に形成された切欠き22a(
図3参照)から外部に露出するように構成されている。
【0025】
また、保護部材62には、LED基板60の後方に、継手部30に連通する流路の一部を構成する流路部64(流路を形成する部材)が一体に成形されている。
【0026】
また、下ケース21には、回転ブラシ40を駆動する駆動源としての電動機70が配置されている。電動機70は、左右方向の一端側(左側)に位置している。また、下ケース21には、電動機70とは左右方向の反対側に、回転ブラシ40を制御する制御基板80が配置されている。
【0027】
図7は、
図3のVII-VII線断面図である。なお、
図7は、継手部30を途中まで立ち上げた状態を示している。
図7に示すように、継手部30の直管部31は、略直線状に延びて形成され、先端部に、外側に膨らむように形成された曲面部31aが形成されている。また、直管部31には、回転ブラシ40を駆動する電動機70と電気的に接続される端子部34が形成されている。
【0028】
回動継手部32には、回動カバー33の外面33bに沿う形状の曲面部32aが形成されている。回動カバー33は、直管部31と回動継手32との間に挟まれるように配置されている。また、回動カバー33の内面33aは、直管部31の曲面部31aと摺動する。回動カバー33の外面33bは、回動継手部32の曲面部32aと摺動する。
【0029】
図8は、ユニットカバーの上面図である。なお、
図8は、ユニットカバー23に電動機70が取り付けられた状態を示す。
図8に示すように、ユニットカバー23は、下ケース21および上ケース22とは別部品で構成され、吸口本体20(
図2参照)の外郭の一部を成している。換言すると、ユニットカバー23は、吸口本体20の外部に露出するように構成されている。
【0030】
また、ユニットカバー23には、電動機70が固定されるモータ固定部23aが形成されている。
【0031】
図9は、ユニットカバーを内側から見たときの斜視図である。
図9に示すように、ユニットカバー23は、後部において電動機70がモータ固定部23aに固定され、電動機70よりも前方においてクラッチ71が回転可能に支持されている。クラッチ71は、回転ブラシ40(
図4参照)が接続される接続部である。また、クラッチ71は、カップ状に形成され、内側に回転ブラシ40(
図4参照)と嵌合する突起部71bが周方向に間隔を置いて複数形成されている。
【0032】
このように、ユニットカバー23に電動機70とクラッチ71を取り付けている理由は、軸間距離を安定できることにある。ユニットカバー23は、前記したようにガラス入りナイロンなどの安定性のある固い材料で作られる。吸口体400として重要なのは、電動機70の軸と、クラッチ71の軸との間の距離(軸間距離)であり、この距離が安定しないと、部品のばらつきで距離が近くなったり、遠くなったりし、ベルトの張り方も変わってくる。これにより、騒音の程度が製品によって変化したり、回転が安定しなくなる事象が発生する。そこで、本実施形態では、電動機70とクラッチ71を固定する手段として、固い材料のユニットカバー23で構成したものである。
【0033】
図10は、
図8のX-X線断面図である。
図10に示すように、電動機70の回転軸70aには、電動機側の小径プーリ(駆動部プーリ)72が設けられている。クラッチ71の回転軸71aには、ブラシ側の大径プーリ(回転清掃体プーリ)73が設けられている。小径プーリ72と大径プーリ73には、歯付きベルト(駆動ベルト)74が掛け渡されている。また、ユニットカバー23には、歯付きベルト74の巻き角を増加させるためのテンションプーリ75が設けられている。
【0034】
これら小径プーリ72、大径プーリ73,歯付きベルト74、テンションプーリ75をユニットカバー23に組み込んだ後、ブラシ駆動用の電動機70を取り付け、下ケース21に組み込む。また、大径プーリ73には、クラッチ71(
図9参照)が固定される。
【0035】
これにより、電動機70が駆動することで、小径プーリ72から大径プーリ73に駆動力が伝達され、クラッチ71が回転する。クラッチ71は、回転ブラシ40と突起部71bとが嵌合しているので、回転ブラシ40が一体に回転し、また回転ブラシ40がクラッチ71と着脱可能となる。
【0036】
また、
図10には、小径プーリ72の回転軸70aと大径プーリ73の回転軸71aとの上下方向の軸間距離L1と前後方向の軸間距離L2を示している。本実施形態では、ユニットカバー23によって、電動機70の回転軸70aとクラッチ71の回転軸71aとは一体で保持されている。この状態で下ケース21に取り付けられるので、小径プーリ72と大径プーリ73との軸間距離L1,L2の誤差や組み立てバラツキを小さくすることができる。
【0037】
図11は、ユニットカバーを外側から見たときの斜視図である。
図11に示すように、ユニットカバー23は、吸口本体20(
図2参照)の外郭側面を構成する側面23b、外郭前面を構成する前面23c、外郭上面を構成する上面23dを有している。また、前面23cと上面23dとの間には、外郭を構成しない切欠部23eが形成されている。この切欠部23eには、下ケース21の左端部が嵌合するようになっている。
【0038】
また、ユニットカバー23の側面23bには、ユニットカバー23の内部と連通する孔23fが形成されている。また、側面23bには、孔23fから切欠部23eに向けて形成される溝23gが形成されている。この溝23gには、バンパ部24の左端部が嵌合するようになっている。
【0039】
図12は、ユニットカバーの底面図である。
図12に示すように、ユニットカバー23は、吸口本体20(
図2参照)の外郭底面を構成する底面23hが形成されている。
【0040】
このように、ユニットカバー23において、側面23b(
図11参照)を外郭側面、前面23cを外郭前面、底面23hを外郭底面として構成することで、吸口体400の軽量化を図ることができる。詳述すると、従来の吸口体では、ユニットカバーと外郭部品とで二重や三重の壁となっていた部分を一枚の壁で構成することで吸口体400の軽量化が可能になる。
【0041】
また、ユニットカバー23において、上面23d(
図11参照)を外郭上面として構成することで、上ケース22を小型化することが可能になり、吸口体400の軽量化を図ることができる。詳述すると、従来の上ケースは両端までつながって形成され、外郭上面全体を上ケースで構成するものが一般的であるが、本実施形態では、従来とは異なり、ユニットカバー23によって外郭上面を構成している。これにより、上ケース22の幅を従来よりも短くすることができ、その上面側の部分も二重壁などがなくなることで軽量化が可能になる。
【0042】
底面23hには、刷毛91(ハケ)が設けられている。この刷毛91は、リントブラシ(Lint Brush)によって構成され、接着固定されている。この刷毛91は、前後方向に細長く形成され、底面23hの外側寄りに配置されている。
【0043】
このように、大きな形状の下ケース21に刷毛91を設けるよりも、小さい形状のユニットカバー23に刷毛91を設けることで、作業性を向上できる。詳述すると、ハケの接着作業を要する場合には乾燥させる工程が必要になる。部品の形状が小さいとその部品を置いておくスペースを削減でき、作業性が向上する。
【0044】
また、底面23hには、外郭を構成しない切欠部23iが形成されている。この切欠部23iには、下ケース21の左端部が嵌合するようになっている。刷毛91は、切欠部23iの縁から前方に延びて配置されている。また、刷毛91は、底面23hから前面23cの下部まで回り込むようにして配置されている。
【0045】
図13は、下ケースの上面図である。なお、
図13は、下ケース21の単体を示し、下ケース21から、電動機70が設けられたユニットカバー23、制御基板80(
図5参照)、LED基板60(
図5参照)、保護部材62(
図5参照)、継手部30(
図5参照)などを取り外した状態を示している。
【0046】
図13に示すように、下ケース21は、吸口本体20(
図2参照)の外郭を構成する上面部21aと、右側面の外郭を構成する右側面部21bと、後面の外郭を構成する後面部21cと、を有している。
【0047】
また、下ケース21の上面には、電動機70、制御基板80、LED基板60、保護部材62、流路部64などが取り付けられる開口21dが形成されている。
【0048】
また、下ケース21は、前記したように、バンパ部24と二重成型によって一体に形成されている。バンパ部24は、下ケース21の前側に配置されるバンパ前部24aと、右側面に配置されるバンパ右側面部24bと、左側面に配置されるバンパ左側面部24cと、を有している。バンパ右側面部24bは、右側面部21bに固着されている。
【0049】
バンパ左側面部24cは、バンパ前部24aから後方に延びて形成され、先端内側に、突起24dが形成されている。この突起24dは、鉤形状であり、孔23f(
図11参照)に嵌合するようになっている。また、バンパ左側面部24cは、溝23g(
図11参照)にも嵌合するようになっている。
【0050】
また、バンパ右側面部24bとバンパ左側面部24cを設けることで、吸口体400の左右側面を保護することができる。
【0051】
このようなバンパ部24の形状にすることで、ユニットカバー23を外郭の一部として構成し、下ケース21に着脱可能な構成にした場合であっても、ユニットカバー23を下ケース21に取り付けた後にバンパ左側面部24cをユニットカバー23に取り付けることが可能になる。バンパ左側面部24cをユニットカバー23に二重成型で構成する場合よりも吸口本体20を安価に構成できる。
【0052】
また、ユニットカバー23の側面23bに孔23fを形成し、この孔23fにバンパ部24の突起24dを差し込んで固定することで、バンパ部24を分割して構成する必要がなくなり、作業性を向上できる。詳述すると、バンパ部24を例えば2つに分割して、折れ曲がった部分を違う部品にするとか、ユニットカバー23に二重成型するとか、そういったやり方にすると、部品点数が増えたりし、また分割した方にも二重成型する作業が増えてしまう。本実施形態のようなバンパ部24を備えることで、下ケース21のみに二重成型すればよいので作業性を向上できる。また、バンパ部24を分割した場合、分割部分を埋めたり、固定したりする必要があるが、本実施形態のように分割しないようにすることで、接続部分が不要になり、軽量化が可能になる。
【0053】
なお、本実施形態では、孔23fを側面23bに形成した場合を例に挙げて説明したが、孔を前面23cに形成してもよい。その場合、バンパ部24の孔23fに対向する位置に突起が設けられる。
【0054】
また、下ケース21には、開口21d内に、保護部材62が取り付けられる取付孔21jが形成されている。この取付孔21jは、回転ブラシ40が収容されるブラシ室Qと連通している。
【0055】
図14は、LEDカバーを示す斜視図である。
図14に示すように、保護部材62は、保護板63と、流路部64と、を備えている。保護板63は、LED61を保護するものであり、左右方向に細長く形成され、上ケース22(
図3参照)に形成された同形状の切欠き22aに嵌合するように配置されている。これにより、保護板63の表面は、上ケース22の表面と面一になる。また、保護板63は、LED60からの光を透過する樹脂によって構成されている。つまり、保護部材62は、流路部64も含めて光を透過することが可能な同じ樹脂で成形されている。
【0056】
流路部64は、回転ブラシ40(
図7参照)が収容されるブラシ室Q(
図7参照)と継手部30とを連通する流路の一部を構成している。また、流路部64は、流路の上部側を構成するものであり、半円筒部64aを有している。
【0057】
また、保護部材62は、保護板63の下方に上ケース22の内壁面に当接する当接部63aが形成されている。この当接部63aは、保護板63と左右方向の長さが略同じに形成されている。
【0058】
図15は、LEDカバーの正面図である。
図15に示すように、当接部63aは、保護板63の下端縁部から下方に突出した位置に配置されている。また、流路部64は、半円筒部64aの一部が保護板63の上端縁部から上方に突出している。また、流路部64は、当接部63aの下端縁部から下方に突出している。また、流路部64の左右両端64b,64cは、下ケース21の取付孔21jに沿うように下方に延びて形成されている。
【0059】
図16は、LEDカバーの上面図である。
図16に示すように、保護板63と流路部64とは、連結部63bによって連結している。この連結部63bは、左右方向の幅が保護板63よりも短く形成されている。また、連結部63bは、上面視において、保護板63と流路部64との間に前後方向の隙間Sが形成されるように構成されている。
【0060】
図17は、
図15のXVII-XVII線断面図である。
図17に示すように、連結部63bには、LED基板60が保持される基板保持部63cが形成されている。この基板保持部63cは、縦断面視において凹状に形成され、左右方向(図示紙面垂直方向)に延びて形成されている。また、基板保持部63cの前後方向の幅は、LED基板60の下部が嵌る長さを有している。これにより、LED基板60を安定して保持できる。また、保護部材62には、LED基板60が左右方向に移動するのを規制する規制突起63dが形成されている。
【0061】
また、保護板63の裏面(背面)には、レンズ形状部63eが形成されている。このレンズ形状部63eは、凹凸状に形成したものであり(フレネルレンズ)、LED61の光を、保護板63を通して床面(被清掃面)に向けられるように構成されている。
【0062】
このように、保護板63と流路部64とを一体にした保護部材62を備えること、つまり部品の一体化によって、吸口体400を軽量化しつつ、組立性の向上を図ることができる。
【0063】
また、基板保持部63cも保護部材62と一体化することで、吸口体400を軽量化しつつ、吸口体400の組立性の向上を図ることができる。
【0064】
また、保護板63の裏面には、床面にLED61の光を当てるためのレンズ形状部63eが形成されている。このような構成によって、床面を明るく照らすことができて使い勝手が向上し、しかもレンズ機能を備えた別部品を取り付ける必要がないので、吸口体400の軽量化を図ることもできる。
【0065】
また、LED61の光が通る保護板63を除く部分は上ケース22によって覆われているので、滑らかな表面形状にでき、意匠性を向上できる。
【0066】
図18は、軸受カバーを示す斜視図である。
図18に示すように、軸受カバー50は、下ケース21に対して着脱することができる機構を備えている。この軸受カバー50を下ケース21から取り外すことで、回転ブラシ40(
図4参照)を下ケース21から取り外すことができるようになっている。これにより、回転ブラシ40に付着した塵埃や髪の毛を取り除くことができ、回転ブラシ40の清掃が容易になる。
【0067】
また、軸受カバー50は、床面に対向する底面部51aと、底面部51aの右側縁から上方に向けて短く延びる右側面部51bと、底面部51aの前縁から上方に向けて短く延びる前面部51cと、底面部51aの後縁から上方に向けて短く延びる背面部51dと、を有している。
【0068】
また、軸受カバー50には、下ケース21(
図4参照)から取り外す際に操作されるロック部材55が設けられている。このロック部材55は、外側(右側)に向けて凹状に切り欠いた凹部51sに一体に形成されている。また、ロック部材55は、底面部51aから上方に入り込んだ位置に形成されている。
【0069】
図19は、軸受カバーの内側を示す斜視図である。
図19に示すように、軸受カバー50は、底面部51aの左側縁から上方に向けて延びる左側面部51eを有している。この左側面部51eには、略半円形に切り欠かれた回転ブラシ保持部51fが形成されている。
【0070】
図20は、軸受カバーの側面図である。
図20に示すように、軸受カバー50は、刷毛(気密保持部材)92が設けられている。この刷毛92は、リントブラシ(Lint Brush)によって構成され、接着などで固定されている。また、刷毛92は、底面部51aから前面部51c側に回り込むようにして配設されている。
【0071】
また、ロック部材55は、軸受カバー50の後ろ寄りに配置されている。また、ロック部材55は、右側面部51bよりも上方に突出して形成されている。
【0072】
図21は、
図20のXXI-XXI線断面図である。
図21に示すように、ロック部材55は、断面視略U字状に形成された撓み部55aと、この撓み部55aの外面側に形成された爪部55bと、を有している。また、ロック部材55は、ロックを解除する際に押圧される押圧部55cを有している。また、押圧部55cは、撓み部55aの基部よりも下方に位置し、かつ、凹部51sから下方および右側方に飛び出さないように構成されている。爪部55bは、断面視略三角形状を呈している。
【0073】
下ケース21の右側面部21bには、爪部55bが嵌合するスリット状の嵌合孔21b1(
図4参照)が形成されている。
図21に示す状態において、押圧部55cを左側に押圧し、撓み部55aが撓むことで、爪部55bが嵌合孔21b1から抜け出て、ロックが外れるようになっている。これにより、軸受カバー50を下ケース21から取り外すことができる。
【0074】
図22は、軸受カバーの底面図である。
図22に示すように、底面部51aに貼り付けられた刷毛92は、底面からの平面視において略Z字状に形成されている。刷毛92の前部92aが、底面部51aの外側(右側)寄りに位置している。刷毛92の後部92bが、底面部51aの内側(左側)寄りに位置している。
【0075】
ところで、撓み部55aと爪部55bとで構成されたようなロック部材55(
図21参照)とした場合、凹んだ空間(凹部51s)が必ず形成されてしまう。このような空間が形成されると、凹んだ空間の位置から塵埃などが吸い込まれ易くなり、軸受カバーと床面との間を通って、塵埃が吸い込まれ易くなる(
図22の破線矢印参照)。このような構成であると、吸口体の気密性が損なわれるので、吸込能力が低下することになる。
【0076】
そこで、本実施形態では、軸受カバー50の底面部51aに刷毛92を貼り付けて、気密性が損なわれないようにしたものである。また、刷毛92の形状を略Z字形状にして、凹部51sの内側(回転ブラシ40側)に刷毛92の後部92bを配置した。これにより、凹部51sでの吸口本体20(
図2参照)の右側方の空間とブラシ室Q(
図7参照)との間における気密性を確保することができる。
【0077】
また、凹部51sが形成されていない前側では、底面部51aの外側に刷毛92を配置した。これにより、吸口本体20(
図2参照)の前方から吸い込み領域をより広く確保することができ(
図22の実線矢印参照)、掃除する際の使い勝手が向上する。
【0078】
また、刷毛92の前部92aと後部92bとの間は、前方に向かうにつれて外側に位置するように傾斜部92cが形成されている。これにより、前方から吸い込まれた空気の流れを回転ブラシ40側に滑らかにすることができる。
【0079】
このような軸受カバー50において、爪部55bを備えた撓み部55aを設けて、爪部55bを下ケース21の嵌合孔21b1に嵌合させることで回転ブラシ40を固定する。これによって、部品の一体化によって、吸口体400の軽量化を図ることができ、しかも組立性も向上する。
【0080】
また、軸受カバー50に刷毛92を設けて、刷毛92がロック部材55(爪部55b)よりも内側(吸込口側)に配置されている。これにより、ロック部材55が設けられる凹部51sがあることで気密性が落ちて吸込性能が悪化することを防ぐことが可能になる。
【0081】
また、刷毛92は、底面からの平面視において略Z字状に形成されている。つまり、刷毛92は、ロック部材55が設けられる後側が内側で、前側が外側に配置される。これにより、吸口体400の前方は、吸込幅を確保しながら、ロック部材55(爪部55bと撓み部55a)を構成できる。
【0082】
図23は、吸口体のセンサレバーがONの場合を示す側面図である。
図24は、吸口体のセンサレバーがOFFの場合を示す側面図である。
図23に示すように、下ケース21には、吸口体400が床面(被清掃面)Mから離れたことを検知した場合に回転ブラシ40の回転を停止させるセンサレバー100が設けられている。このセンサレバー100は、下ケース21から延びる腕部101と、腕部101に設けられる車輪102と、を有している。
図23では、吸口体400が床面Mに接し、センサレバー100が押し上げられ、回転ブラシ40が回転駆動する。
【0083】
また、センサレバー100は、吸口本体20の内側に設けられるものではなく、吸口本体20の外側に飛び出すようにして構成されている。このように、センサレバー100を吸口本体20の外側に回動させる構成にすることで、吸口本体20を小型化することができる。
【0084】
図24に示すように、吸口体400が床面から離れた場合には、センサレバー100が吸口本体20の底面から下方に飛び出すように回動し、回転ブラシ40の回転が停止する。なお、センサレバー100には、センサをOFFにする方向に付勢する付勢部材(不図示)が設けられている。また、吸口体400を上下逆さまにした場合でも、センサレバー100が
図24のように飛び出して、回転ブラシ40の回転が停止するようになっている。
【0085】
図25は、センサレバーの配置を示す底面図である。
図25に示すように、センサレバー100は、下ケース21に形成された脚部25の近傍に位置している。詳述すると、センサレバー100は、脚部25の右側の延出部25aに隣接して配置されている。
【0086】
ところで、このようにセンサレバー100を吸口本体20の外側に回動するように構成すると、例えば吸口体400を左右にスライドさせて狭い場所を掃除している場合、椅子などの足にセンサレバー100が力Fを受けて、センサレバー100が破損するおそれがある。そこで、本実施形態では、下ケース21の強度の高い部品である脚部25の近傍にセンサレバー100を配置することで、力Fを脚部25で受けることが可能になり、センサレバー100の破損を防止することができる。また、センサレバー100を強度の高い部品で構成する必要がなくなるので、製造コストが高くなることもない。
【0087】
図26は、継手部の構造を示し、継手部が起立した状態を示す断面図である。
図27は、継手部の構造を示し、継手部が倒れた状態を示す断面図である。
図26に示すように、回動継手部32の内壁には、回動カバー33が嵌合する爪32bが形成されている。なお、
図26では、右側のみを示しているが、左側についても同様に、回動カバー33が嵌合する爪が形成されている。また、爪32bは、回動カバー33の縁に沿って長く形成されている。
【0088】
継手部30が起立した状態になった場合には、直管部31によって回動カバー33が外側に引き出され、回動カバー33が外部に露出した状態になる。また、直管部31が垂直に起立した状態になると、回動カバー33の動作が爪32bに当接して規制される。
【0089】
図27に示すように、継手部30が倒れた状態になった場合には、直管部31の曲面部31aが回動カバー33の内面33aと対向するようにして重なる。また、回動カバー33の外面33bが回動継手部32の曲面部32aと対向するようにして重なる。このとき、従来のように、継手部に回動カバー33に相当する部材が無く、直管部31に回動カバー33に相当する部材が一体に形成されている場合、継手部を寝かせたときに、破線で示すように、管部によって流路が塞がれてしまっていた。そこで、本実施形態では、回動カバー33を新たに設けることで、継手部30を倒したとしても流路を塞ぐことがなくなる。
【0090】
図28は、センサレバーを示す斜視図である。
図28に示すように、センサレバー100は、回動軸103を有し、回動軸103が下ケース21に回動自在に支持されている。また、センサレバー100は、回転ブラシ40の動作をON・OFFするスイッチを操作するスイッチ押し部104が回動軸103に一体に形成されている。また、センサレバー100は、センサをOFFする方向に付勢するバネ105を備えている。
【0091】
また、センサレバー100は、回動軸103のスイッチ押し部104とは逆側にセンサ重り(おもり)部106が回動軸103と一体に形成されている。このセンサ重り部106は、吸口体400を逆さまにしたときでも回転ブラシ40が回転しないようにする安全装置であり、U字形状の重り収容部106aを有している。
【0092】
また、重り収容部106aの一端が回動軸103に固定され、他端に溝部106bが形成されている。この溝部106bは、軸方向に厚みが薄く形成された先端部106b1,106b2を有し、先端部106b1,106b2同士が回動軸103の軸方向に離間することによって構成されている。
【0093】
図29は、吸口体のセンサレバーがスイッチONの状態を示す断面図である。
図30は、吸口体のセンサレバーがスイッチOFFの状態を示す断面図である。なお、
図30は、吸口体を上下逆さまにしたときの断面図である。
図29に示すように、重り収容部106aには、球形の重り107が収容されている。センサ重り部106が設けられる下ケース21には、重り107が重り収容部106aから前方に飛び出ないための壁部21eが形成されている。また、下ケース21には、溝部106bと対向する位置にリブ21sが形成されている。リブ21sは、板状のものであり、後方に突出して形成されている。
【0094】
図29に示すスイッチONの状態では、重り107の一部が重り収容部106aから前方に飛び出して、重り107が壁部21eの後面に当接している。なお、
図29では、溝部106bを構成する先端部106b2がリブ21sの裏側に隠れた状態である。
【0095】
図30に示すように、吸口体400を上下逆さまにした場合には、センサレバー100(
図28参照)がバネ105の付勢力によって回動軸103を支点として回動し、重り収容部106aの溝部106bがリブ21sから離間する。また、下ケース21には、重り収容部106aの上部に、凹面が下方を向いた凹部21fが形成されている。吸口体400が逆さまになり、リブ21sと溝部106bとが離間することで、凹部21fが開口し、凹部21f内に重りが落下する。このとき、リブ21sと溝部106bとで重り107を挟み込んだ状態になるので、重り収容部106aがスイッチONの状態に戻らなくなる。よって、吸口体400が逆さまの状態では、スイッチがONにならなくなり、回転ブラシ40が回動することがない。
【0096】
また、吸口体400が正常な状態で床面から浮いた場合には、
図30の状態で、重り107が重力によって重り収容部106aに収容された状態になる。そして、その状態で吸口体400が床面と接触した場合には、重り107によって重り収容部106aの動作が規制されることがないので、重り収容部106aが回動し、スイッチONとなり、回転ブラシ40が回動する。
【0097】
ところで、従来のセンサレバーでは、U字部材の先端と壁との間に挟まる大きな球体の重りが設けられていた。このように、重りの大きさには制約があり、重りを小さくできなかった。そこで、本実施形態では、リブ21s、溝部106bを形成することで、重り107を小さくしても、吸口体400をひっくり返したときでも、重り収容部106aの先端とリブ21sとの間に重り107を挟み込むことができたものである。このように、重り107を小さくできたことで、センサレバー100の小型化、軽量化を実現できたものである。
【0098】
図31は、継手部の斜視図である。
図32は、継手部の側面図である。
図33は、継手部を下ケースに取り付けた状態を示す上面図である。なお、
図31~
図33は、継手部30の直管部31を斜め方向に立ち上げた状態を示している。
図31に示すように、回動継手部32には、吸口本体20(
図2参照)と接続される円筒状の接続部32cが形成されている。また、接続部32cには、矩形状の貫通孔32d,32e,32fが周方向に間隔を空けて形成されている。
【0099】
図32に示すように、接続部32cには、さらに貫通孔32gが形成されている。貫通孔32gは、貫通孔32fと周方向に間隔を空けて形成されている。このように、接続部32cには、貫通孔32d~32gが左寄りに集中して形成されている。なお、貫通孔32d~32gの数は4つに限定されるものではなく、4つより多くても少なくてもよい。
【0100】
図33に示すように、継手部30を下ケース21に取り付ける場合には、接続部32cが保護部材62の流路部64に接続される。また、下ケース21の左側面には、空気を取り入れる隙間S1が形成されている。掃除機本体1の電動送風機が駆動され、吸込力が発生すると、ブラシ室Q(
図26参照)から継手部30を通って空気が流れると同時に、隙間S1から外気が取り込まれる。隙間S1から取り込まれた空気は、電動機70を冷却した後、貫通孔32d~32gから継手部30内に取り込まれる。
【0101】
図34は、
図3のXXXIV-XXXIV線断面図である。なお、
図34は、電動機70の位置で切断した状態を示している。
図34に示すように、回転ブラシ40の回転軸40aよりも上方に電動機70の回転軸70aが位置している。これにより、回転ブラシ40と電動機70とを上下方向において一部を重ねることができ、吸口本体20の前後方向の寸法を短くしつつ、上下方向の寸法も抑えることができる。なお、
図34において、円形のラインL10は、電動機70の回転軸70aの配置ラインを示し、直線のラインL11は、LED61の配置ラインを示している。
【0102】
ところで、LED基板60の高さは、回転ブラシ40よりも上側にないと床面を照らすことができない。このため、高さをぎりぎり保つことができる位置に電動機70を置いて、上下方向と前後方向の寸法を最小化したものである。
【0103】
図35は、下ケースの内部を示す上面図である。
図36は、継手部の正面図である。なお、
図35は、
図5の右側拡大図である。
図35に示すように、下ケース21には、ストッパ部材110と、このストッパ部材110を左右方向の左側に付勢するコイルばね111と、が設けられている。ストッパ部材110は、左右方向にスライド自在に下ケース21に支持されている。コイルばね111は、ストッパ部材110とは反対側の一端が下ケース21に保持され、他端がストッパ部材110の端面に当接している。
【0104】
図36に示すように、継手部30は、回動継手部32の右側面に、前記ストッパ部材110(
図35参照)が嵌合する凹部32sが形成されている。
【0105】
ところで、継手部30に対して吸口本体20がフリーで回転するように構成されていると、吸口体400を持ち上げたときに、電動機70が設けられている側が重くなり、吸口本体20の左側が下がるように傾いてしまう。そこで、本実施形態では、ストッパ部材110とコイルばね111とを設けて、吸口本体20を水平にしたときにストッパ部材110がコイルばね111によって押圧されて、ストッパ部材110が凹部32sに嵌合する。これによって、吸口体400を持ち上げたとしても、吸口本体20が傾くのを防止することができる。なお、ストッパ部材110と凹部32sとの嵌り具合は、吸口体400を持ち上げたときに吸口本体20が傾かない程度の力でストッパ部材110が凹部32sに嵌合しており、使用者が掃除中に、継手部30に対して吸口本体20を回転させた場合には、直ちにストッパ部材110が凹部32sから抜け出るようなばね力を有する構造になっている。
【0106】
図37は、上ケースの裏面側を示す平面図である。
図37に示すように、上ケース22の裏面には、複数の肉盗み部となる凹部22bが複数個所に形成されている。これら凹部22bを形成することで、上ケース22の軽量化を図ることができ、吸口体400の軽量化を実現できる。また、凹部22bは、所定の幅で前後方向に長い長穴状に形成され、左右方向に間隔を置いて形成されている。これによって、上ケース22にかかりやすい上方向からの荷重に対し強度を確保しつつ、軽量化を図っている。
【0107】
また、上ケース22の裏面には、ねじボス22c,22d,22eが形成されている。
【0108】
図38は、吸口体の底面図である。
図39は、
図5のXXXIX-XXXIX線断面図である。
図38に示すように、吸口体400は、下ケース21と上ケース22とがねじ固定される。下ケース21には、ねじ121a,121b,121cが挿通されるねじ挿通孔(不図示)が形成されている。ねじ挿通孔は、前記したねじボス22c,22d,22eに上下方向において対向する位置に形成されている。
【0109】
それぞれのねじ挿通孔にねじ121a,121b,121cが下ケース21の底側から挿通され、上ケース22のねじボス22c,22d,22eにねじ込まれ、固定されている。
【0110】
なお、下ケース21には、ユニットカバー23を下ケース21に固定するためのねじ121dによるねじ固定部が設けられている。
【0111】
図39に示すように、吸口体400は、下ケース21と上ケース22とが、前記したねじ固定に加えて、爪嵌合によって固定されている。すなわち、上ケース22の前端縁部には前方に爪22tが形成され、上ケース22の後端縁部には爪22uが形成されている。下ケース21の上部には、爪22tが嵌合する凹部21tが形成され、下ケース21の後部には、爪22uが嵌まる孔21uが形成されている。
【0112】
また、下ケース21の背面(後面)は、下側に向けて前側に位置するように傾斜する傾斜面21vが形成されている。このような傾斜面21vを有する下ケース21を備えることで、床面との接触面積を減らすことができるので、吸口体400を動かすときの抵抗を減らすことができ、使い勝手を向上できる。
【0113】
以上説明したように、本実施形態の電気掃除機の吸口体400は、床面Mを清掃する回転ブラシ40と、回転ブラシ40の一端を軸支して収容する下ケース21と、下ケース21に取り付けられ、回転ブラシ40の他端を保持する軸受カバー50と、を備える。軸受カバー50は、撓み変形可能な撓み部55aと撓み部55aに形成される爪部55bとを備える。軸受カバー50が下ケース21に挿入され、撓み部55aが撓み変形して爪部55bが下ケース21に形成された嵌合孔21b1に嵌合することで、回転ブラシ40が下ケース21に固定される。これによれば、部品の一体化によって、吸口体400の軽量化および組立性を向上できる。
【0114】
また、本実施形態は、軸受カバー50は、爪部55bよりも回転ブラシ40の軸方向の内側(吸込口側)に刷毛92を備える。これによれば、爪部55bの凹部51sを形成する必要があることで気密性が落ちて吸込性能が悪化することを防ぐことが可能になる。
【0115】
また、本実施形態は、刷毛92は、底面視において略Z字形状に形成されている。これによれば、吸口体400の前方は吸込幅を確保しながら爪部55bを構成することができる。
【0116】
また、本実施形態の電気掃除機1000は、前記した吸口体400を備えている。これによれば、吸口体400の軽量化を図ることができるので、清掃時の使い勝手を向上できる。
【符号の説明】
【0117】
1 掃除機本体
2 ダストケース
20 吸口本体
21 下ケース(ケース)
21b1 嵌合孔
21s リブ
21v 傾斜面
22 上ケース(ケース)
22a 切欠き
23 ユニットカバー(取付カバー)
23a モータ固定部
23b 側面(外郭側面)
23c 前面(外郭前面)
23d 上面(外郭上面)
23e 切欠部
23f 孔
23g 溝
23h 底面(外郭底面)
24 バンパ部
24d 突起
25 脚部
25a 延出部
25b 繋ぎ部
25c 車輪
30 継手部
31 直管部
31a 曲面部
32 回動継手部
32a 曲面部
32b 爪
32c 接続部
32d,32e,32f,32g 貫通孔
32s 凹部
33 回動カバー
33a 内面
33b 外面
40 回転ブラシ(回転清掃体)
50 軸受カバー
51s 凹部
55 ロック部材
55a 撓み部
55b 爪部
55c 押圧部
60 LED基板(配線基板)
61 LED(発光源)
62 保護部材(流路を形成する部材と保護カバーとを一体に形成する部材)
63 保護板(保護カバー)
63c 基板保持部
63e レンズ形状部
64 流路部(流路を形成する部材)
70 電動機(駆動部)
71 クラッチ
71a 回転軸
71b 突起部
72 小径プーリ
73 大径プーリ
74 歯付きベルト
75 テンションプーリ
80 制御基板
91 刷毛
92 刷毛(気密保持部材)
100 センサレバー
101 腕部
102 車輪
103 回動軸
104 スイッチ押し部
105 バネ
106 センサ重り部
106a 重り収容部
106b 溝部
106b1,106b2 先端部
107 重り
110 ストッパ部材
111 コイルばね
400 吸口体(電気掃除機の吸口体)
1000 電気掃除機
L1,L2 軸間距離
M 床面
Q ブラシ室
S1 隙間