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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20230831BHJP
   H01C 1/01 20060101ALI20230831BHJP
   H01G 2/14 20060101ALI20230831BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20230831BHJP
   H01G 11/18 20130101ALI20230831BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230831BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20230831BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20230831BHJP
   H01M 50/507 20210101ALN20230831BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01C1/01 Z
H01G2/14 106
H01G11/12
H01G11/18
H01M10/48 301
H01M50/209
H01M50/284
H01M50/507
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020211172
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022097916
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 康雅
(72)【発明者】
【氏名】稲村 卓思
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 崇俊
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-276071(JP,A)
【文献】特開2016-018740(JP,A)
【文献】特表2020-513149(JP,A)
【文献】特開2001-185239(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0214583(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/204 - 216
H01M 50/284 - 287
H01M 10/48
H01G 11/18
H01G 11/12
H01G 2/14
H01C 1/01
H01M 50/507
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電セルを積層した積層体と、
前記積層体上に載置された樹脂プレートと、
前記樹脂プレート上に載置され、前記複数の蓄電セルと電気的に接続された電気回路を有するフレキシブルプリント基板と、
前記電気回路上に設けられ、前記複数の蓄電セルのうちの1つの蓄電セルに接触して該蓄電セルの温度を検出するサーミスタ素子と、
前記樹脂プレート上に設けられ、前記フレキシブルプリント基板を覆う樹脂製のカバー部材と、
前記カバー部材と前記サーミスタ素子との間に位置して前記サーミスタ素子を前記蓄電セルに押しつける弾性体とを備え、
前記カバー部材は、樹脂プレート側に突出した突出部を含み、
前記弾性体は、前記突出部上に配置されており、
前記カバー部材に、開閉窓が設けられており、
前記開閉窓が開いた状態で、前記弾性体と前記サーミスタ素子との接触状態を視認可能である、蓄電モジュール。
【請求項2】
複数の蓄電セルを積層した積層体と、
前記積層体上に載置された樹脂プレートと、
前記樹脂プレート上に載置され、前記複数の蓄電セルと電気的に接続された電気回路を有するフレキシブルプリント基板と、
前記電気回路上に設けられ、前記複数の蓄電セルのうちの1つの蓄電セルに接触して該蓄電セルの温度を検出するサーミスタ素子と、
前記樹脂プレート上に設けられ、前記フレキシブルプリント基板を覆う樹脂製のカバー部材と、
前記カバー部材と前記サーミスタ素子との間に位置して前記サーミスタ素子を前記蓄電セルに押しつける弾性体とを備え、
前記カバー部材は、樹脂プレート側に突出した突出部を含み、
前記弾性体は、前記突出部上に配置されており、
前記突出部には、前記弾性体が配置されている側とは反対側から前記弾性体に達する位置まで貫通した貫通孔が形成されている、蓄電モジュール。
【請求項3】
前記弾性体および前記カバー部材の各々の表面の色は、互いに異なる、請求項に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電モジュールの構成を開示した先行文献として、国際公開第2019/073857号(特許文献1)がある。特許文献1に記載された蓄電モジュールは、蓄電素子である被検出体と、センサユニットとを備える。センサユニットは、導電路構成体と、センサ素子と、台座部と、付勢部材とを含む。導電路構成体は、被検出体上に配置されている。センサ素子は、導電路構成体の表面において導電路に接続されている。台座部は、センサ素子を覆うように導電路構成体に設けられている。付勢部材は、台座部を被検出体に向けて付勢することにより、導電路構成体を被検出体に接触させている。台座部とセンサ素子との間には、センサ素子を覆う樹脂製の保護部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/073857号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された蓄電モジュールにおいては、センサユニットの構成が複雑である。付勢部材によってサーミスタ素子に蓄電セルを押圧させて蓄電セルの温度を検出する場合、付勢部材およびサーミスタ素子を通じた伝熱によって温度検出精度が低下することがある。
【0005】
本技術は、上記の課題を解決するためになされたものであって、簡易な構成でサーミスタ素子の温度検出精度の低下を抑制することができる、蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に基づく蓄電モジュールは、積層体と、樹脂プレートと、フレキシブルプリント基板と、サーミスタ素子と、樹脂製のカバー部材と、弾性体とを備える。積層体においては、複数の蓄電セルが積層されている。樹脂プレートは、積層体上に載置されている。フレキシブルプリント基板は、樹脂プレート上に載置され、複数の蓄電セルと電気的に接続された電気回路を有する。サーミスタ素子は、上記電気回路上に設けられ、複数の蓄電セルのうちの1つの蓄電セルに接触してこの蓄電セルの温度を検出する。カバー部材は、樹脂プレート上に設けられ、フレキシブルプリント基板を覆う。弾性体は、カバー部材とサーミスタ素子との間に位置してサーミスタ素子を蓄電セルに押しつける。カバー部材は、樹脂プレート側に突出した突出部を含む。弾性体は、突出部上に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、簡易な構成でサーミスタ素子の温度検出精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】組電池の基本的構成を示す図である。
図2図1に示す組電池における電池セルおよびエンドプレートを示す図である。
図3図1に示す組電池における電池セルを示す図である。
図4】組電池上に配線モジュールを設けた状態を示す斜視図である。
図5】組電池上に載置される配線モジュールの模式的な上面図である。
図6】配線モジュールを覆うカバー部材の模式的な上面図である。
図7】カバー部材とサーミスタ素子との間に位置する弾性体がサーミスタ素子を電池セルに押しつける直前の状態を示す断面図である。
図8】カバー部材に設けられた開閉窓が開いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。
【0011】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0012】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池など他の電池を含み得る。本明細書において、「電極」は正極および負極を総称し得る。また、「電極板」は正極板および負極板を総称し得る。
【0013】
本明細書において、「蓄電セル」ないし「蓄電モジュール」は、電池セルないし電池モジュールに限定されず、キャパシタセルないしキャパシタモジュールを含み得る。
【0014】
図1は、組電池1の基本的構成を示す図である。図2は、組電池1に含まれる電池セル100とエンドプレート200とを示す図である。
【0015】
図1図2に示すように、「蓄電モジュール」の一例としての組電池1は、電池セル100と、エンドプレート200と、拘束部材300とを備える。
【0016】
複数の電池セル100は、Y軸方向(配列方向)に並ぶように設けられる。これにより、電池セル100の積層体が形成される。複数の電池セル100の間には、図示しないセパレータが介装されている。2つのエンドプレート200に挟持された複数の電池セル100は、エンドプレート200によって押圧され、2つのエンドプレート200の間で拘束されている。
【0017】
エンドプレート200は、Y軸方向において組電池1の両端に配置されている。エンドプレート200は、組電池1を収納するケースなどの基台に固定される。エンドプレート200のX軸方向の両端には、段差部210が形成される。
【0018】
拘束部材300は、2つのエンドプレート200を互いに接続する。拘束部材300は、2つのエンドプレート200に各々形成された段差部210に取り付けられる。
【0019】
複数の電池セル100およびエンドプレート200の積層体に対してY軸方向の圧縮力を作用させた状態で拘束部材300をエンドプレート200に係合させ、その後に圧縮力を解放することにより、2つのエンドプレート200を接続する拘束部材300に引張力が働く。その反作用として、拘束部材300は、2つのエンドプレート200を互いに近づける方向に押圧する。
【0020】
拘束部材300は、第1部材310と、第2部材320とを含む。第1部材310と第2部材320とは、たとえば突き合わせ溶接により互いに結合される。第2部材320が折り返されて形成された先端面が、Y軸方向からエンドプレート200の段差部210に当接する。
【0021】
図3は、組電池1における電池セル100を示す図である。図3に示すように、電池セル100は、電極端子110と、筐体120と、ガス排出弁130とを含む。
【0022】
電極端子110は、正極端子111と、負極端子112とを含む。電極端子110は、筐体120上に形成されている。筐体120は、略直方体形状に形成されている。筐体120には、図示しない電極体および電解液が収容されている。ガス排出弁130は、筐体120内の圧力が所定値以上となった際に破断する。これにより、筐体120内のガスが筐体120外に排出される。
【0023】
図4は、組電池1上に配線モジュールを設けた状態を示す斜視図である。図4に示すように、組電池1上にプレート部材400が載置され、プレート部材400上に配線部材500が設けられる。配線部材500はコネクタ600を介して外部機器と電気的に接続可能である。プレート部材400上には、配線部材500を覆うようにカバー部材700が設けられる。
【0024】
図5は、組電池1上に載置される配線モジュールの模式的な上面図である。図5に示すように、配線モジュールは、プレート部材400、配線部材500、およびコネクタ600を含む。
【0025】
プレート部材400(バスバープレート)は、絶縁性および耐熱性を有する樹脂プレートである。プレート部材400は、底面部400Aと、底面部400AからZ軸方向に立ち上がるように形成された側面部400Bとを有する。
【0026】
プレート部材400は、壁部410と、開口420,430と、突起440,450とを含む。
【0027】
壁部410は、プレート部材400の底面部400AからZ軸方向に立ち上がるように形成される。壁部410は、X軸方向の中心側に形成された第1壁部411と、X軸方向の外側に第1壁部411と平行に設けられた第2壁部412とを含む。第1壁部411および第2壁部412は、各々、Y軸方向に断続的に延びるように形成される。
【0028】
第1壁部411および第2壁部412は、電池セル100の筐体120から排出されたガスを電池パック外に排出する通路を確保しつつ、プレート部材400内で発生した火花を直接外部に出さない防護壁の役割を果たし得る。
【0029】
開口420は、積層された複数の電池セル100のうちY軸方向の端に位置する電池セル100における、電極端子110とガス排出弁130との間の位置の、上方に位置する。開口430は、電池セル100の電極端子110の上方に位置する。
【0030】
突起440(凸部)は、コネクタ600の近傍において配線部材500を貫通する。これにより、コネクタ600の位置決めが行われる。
【0031】
突起450は、Y軸方向にならぶように複数形成される。複数の突起450は、配線部材500を貫通する。突起450の数は、任意に変更可能である。
【0032】
配線部材500は、フレキシブルプリント基板510と、変位吸収部520と、バスバー接合部530と、長孔540と、サーミスタ素子550とを含む。
【0033】
フレキシブルプリント基板510は、絶縁性を有するベースフィルムと、導電性金属箔とからなる基材上に電気回路が形成された基板である。ベースフィルムは、たとえばポリイミド等により構成される。導電性金属箔は、たとえば銅箔等により構成される。フレキシブルプリント基板510は、柔軟性を有し、変形した場合にもその電気的特性を維持する特性を有する。
【0034】
変位吸収部520は、フレキシブルプリント基板510の一部を略U字状に形成し、変形しやすくしたものである。変位吸収部520は、バスバー接合部530に接続される。バスバー接合部530は、複数の電池セル100の電極端子110を連結するバスバー100Aに接合される。これにより、フレキシブルプリント基板510に設けられた電気回路と組電池1とが電気的に接続される。変位吸収部520により、バスバー接合部530の変位(X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向)を吸収することができる。
【0035】
長孔540は、Y軸方向にならぶように複数形成される。長孔540の数は、任意に変更可能である。複数の長孔540の各々には、複数の突起450の各々が1対1で対応して挿通される。コネクタ600から離れるに従って、長孔540のY軸方向の長さが長くなっている。このようにすることで、配線部材500およびコネクタ600をプレート部材400上に載置するときの位置決めが行いやすい。
【0036】
サーミスタ素子550は、フレキシブルプリント基板510の電気回路上に設けられている。サーミスタ素子550は、組電池1における複数の電池セル100のうちのY軸方向の端に位置する1つの電池セル100上に配置される。サーミスタ素子550は、開口420を通じて上記1つの電池セル100に接触してこの電池セル100の温度を検出する。これにより、サーミスタ素子550は、組電池1における最も温度が低い電池セル100の温度を検出する。なお、サーミスタ素子550によって、組電池1における最も温度が高い電池セル100の温度を検出してもよいし、複数のサーミスタ素子550を用いて、複数の電池セル100の温度を検出してもよい。
【0037】
コネクタ600は、フレキシブルプリント基板510に固定される。コネクタ600を介して、フレキシブルプリント基板510内の電気回路用と外部の電気機器とを電気的に接続し得る。
【0038】
図6は、図5に示す配線モジュールを覆うカバー部材700(バスバーカバー)の模式的な上面図である。カバー部材700は、プレート部材400上に設けられ、フレキシブルプリント基板510を覆っている。
【0039】
図6に示すように、カバー部材700は、本体710と、筒状突起720と、突出部730と、開閉窓750とを含む。筒状突起720は、プレート部材400上のフレキシブルプリント基板510に向けて突出する。
【0040】
突出部730は、本体710からプレート部材400側に突出している。突出部730は、本体710から膨出した有底筒状の形状を有している。突出部730は、Z軸方向において、サーミスタ素子550とならぶ位置に形成されている。
【0041】
突出部730上に弾性体740が配置されている。弾性体740は、突出部730に接着されている。弾性体740は、たとえばスポンジなどの樹脂製発泡体である。なお、弾性体740は、少なくともZ軸方向に弾性変形することが可能であればよく、ゴムまたは樹脂ばねなどの他の樹脂製弾性体であってもよいし、金属製弾性体であってもよい。
【0042】
突出部730には、弾性体740が配置されている側とは反対側から弾性体740に達する位置までZ軸方向に貫通した貫通孔731が形成されている。これにより、カバー部材700の外側から貫通孔731を通して弾性体740を視認することが可能となる。
【0043】
弾性体740およびカバー部材700の各々の表面の色は、互いに異なっている。弾性体740の表面の色は、たとえば黒色である。カバー部材700の表面の色は、たとえば乳白色である。これにより、カバー部材700の外側から貫通孔731を通して視認した際に、乳白色の背景の中に貫通孔731の形状の黒色部分が確認できるか否かで、弾性体740が突出部730上に配置されているかどうかを確認することができる。
【0044】
開閉窓750は、突出部730に隣接して設けられている。開閉窓750は、図示しないヒンジなどにより、本体710の角部に形成された開口部を開閉可能に設けられている。開閉窓750を開くことによって、カバー部材700の外側から弾性体740の周囲が視認可能となる。
【0045】
図7は、カバー部材とサーミスタ素子との間に位置する弾性体がサーミスタ素子を電池セルに押しつける直前の状態を示す断面図である。図7に示すように、フレキシブルプリント基板510のサーミスタ素子側とは反対側に、板状部材560が設けられている。板状部材560は、サーミスタ素子550と電池セル100との間の熱伝導性を向上するとともにフレキシブルプリント基板510へのサーミスタ素子550の実装を容易にするために設けられる。板状部材560は、たとえばアルミニウムで形成されている。
【0046】
弾性体740は、Z軸方向において、カバー部材700とサーミスタ素子550との間に位置してサーミスタ素子550を電池セル100に押しつける。具体的には、弾性体740は、突出部730とサーミスタ素子550との間で挟まれて弾性変形した際の反発力によって、サーミスタ素子550とともにフレキシブルプリント基板510および板状部材560を電池セル100に押しつける。これにより、サーミスタ素子550は、フレキシブルプリント基板510および板状部材560を介して電池セル100に密着させられる。
【0047】
弾性体740は、カバー部材700とサーミスタ素子550との間に挟まれる前の状態において、カバー部材700とサーミスタ素子550との間に挟まれる方向(Z軸方向)の弾性体740の高さ寸法L1に対する、Z軸方向に垂直な方向の弾性体740の最小幅の寸法L2の比が1以上である。これにより、弾性体740が突出部730とサーミスタ素子550との間で挟まれた際に、弾性体740が座屈しにくくすることができる。
【0048】
図8は、カバー部材に設けられた開閉窓が開いた状態を示す斜視図である。図8に示すように、開閉窓750が開いた状態で、弾性体740とサーミスタ素子550との接触状態を視認可能である。これにより、弾性体740がサーミスタ素子550を電池セル100に押しつけているか確認することができる。
【0049】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、樹脂製のカバー部材700に設けられた突出部730上に配置された樹脂製の弾性体740によってサーミスタ素子550を電池セル100に押しつける簡易な構成によって、サーミスタ素子550とカバー部材700の本体710との間の伝熱距離を長く確保しつつサーミスタ素子550とカバー部材700との間に熱伝導率の低い樹脂製の弾性体740を介在させた状態で、サーミスタ素子550をフレキシブルプリント基板510を介して電池セル100に密着させることができるため、弾性体740およびサーミスタ素子550を通じた伝熱によってサーミスタ素子550の温度検出精度が低下することを抑制することができる。
【0050】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、カバー部材700とサーミスタ素子550との間に挟まれる前の状態において、カバー部材700とサーミスタ素子550との間に挟まれる方向の弾性体740の高さ寸法L1に対する、挟まれる方向に垂直な方向の弾性体740の最小幅の寸法L2の比が1以上であることにより、弾性体740がZ軸方向に圧縮された際に弾性体740が座屈しにくくするとともに弾性体740がX軸方向およびY軸方向に傾きにくくすることができるため、弾性体740によってサーミスタ素子550を電池セル100に安定して押しつけることができる。
【0051】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、カバー部材700に開閉窓750が設けられ、開閉窓750が開いた状態で、弾性体740とサーミスタ素子550との接触状態をカバー部材700の外側から視認することができるため、カバー部材700をプレート部材400に組み付けた後において、弾性体740がサーミスタ素子550を電池セル100に押しつけているか確認することができる。
【0052】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、突出部730には、弾性体740が配置されている側とは反対側から弾性体740に達する位置まで貫通した貫通孔731が形成されていることにより、カバー部材700の外側から貫通孔731を目視することによって弾性体740が突出部730上に配置されているかどうかを確認することができる。
【0053】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、弾性体740およびカバー部材700の各々の表面の色が互いに異なることにより、カバー部材700の外側から貫通孔731を目視することによって弾性体740が突出部730上に配置されているかどうかを容易に確認することができる。
【0054】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
1 組電池、100 電池セル、100A バスバー、110 電極端子、111 正極端子、112 負極端子、120 筐体、130 ガス排出弁、200 エンドプレート、210 段差部、300 拘束部材、310 第1部材、320 第2部材、400 プレート部材、400A 底面部、400B 側面部、410 壁部、411 第1壁部、412 第2壁部、420,430 開口、440,450 突起、500 配線部材、510 フレキシブルプリント基板、520 変位吸収部、530 バスバー接合部、540 長孔、550 サーミスタ素子、560 板状部材、600 コネクタ、700 カバー部材、710 本体、720 筒状突起、730 突出部、731 貫通孔、740 弾性体、750 開閉窓。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8