(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】複数のホスト材料及びこれを含む有機エレクトロルミネセンスデバイス
(51)【国際特許分類】
H10K 50/12 20230101AFI20230831BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20230831BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20230831BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20230831BHJP
C07D 209/80 20060101ALI20230831BHJP
C07D 487/14 20060101ALI20230831BHJP
C07D 405/10 20060101ALI20230831BHJP
C07D 403/10 20060101ALI20230831BHJP
C07D 409/10 20060101ALI20230831BHJP
C07D 495/04 20060101ALI20230831BHJP
C07D 413/04 20060101ALI20230831BHJP
C07D 403/04 20060101ALI20230831BHJP
C07D 417/04 20060101ALI20230831BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20230831BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20230831BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H10K50/12
H10K85/60
C09K11/06 690
C07D487/04 137
C07D209/80
C07D487/14
C07D405/10
C07D403/10
C07D409/10
C07D495/04 103
C07D413/04
C07D403/04
C07D417/04
C07D417/14
C07D413/14
C07D471/04 113
(21)【出願番号】P 2020571491
(86)(22)【出願日】2019-05-13
(86)【国際出願番号】 KR2019005686
(87)【国際公開番号】W WO2019245164
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2018-0072267
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0045304
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509266480
【氏名又は名称】ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ・コリア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビンナリ
(72)【発明者】
【氏名】イ、スヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒョソン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テチョン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、チョンウン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、サンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ムン、トゥヒョン
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/030283(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/167259(WO,A1)
【文献】特表2018-514081(JP,A)
【文献】特開2007-221097(JP,A)
【文献】特開2007-200938(JP,A)
【文献】特開2007-110102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H10K 50/12
H10K 85/60
H01L 51/50 - 51/56
C09K 11/06
C07D 487/04
C07D 209/80
C07D 487/14
C07D 405/10
C07D 403/10
C07D 409/10
C07D 495/04
C07D 413/04
C07D 403/04
C07D 417/04
C07D 417/14
C07D 413/14
C07D 471/04
DB名 CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のホスト材料及び第2のホスト材料を含む複数のホスト材料であって、前記第1のホスト材料は、下記の式1:
【化1】
(式中、
Arは、酸素を少なくとも1つ含有する非置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
L
1は、単結合又は非置換(C6)アリーレンを表し;
X
1~X
8は、それぞれ独立して、水素、シアノ
、又は置換又は非置換(C12)アリールを表すか;或いはX
1~X
8のうちの隣接したものが互いに結合して環を形成することができ;但し、X
1及びX
2、X
2及びX
3、X
3及びX
4、X
4及びX
5、X
5及びX
6、X
6及びX
7、並びにX
7及びX
8のうちの少なくとも一対が互いに結合して環を形成することができ、前記環が1~5個の単環式環を
有する)により表される化合物を含み、;及び
前記第2のホスト材料は、下記の式2:
【化2】
(式中、
Xは、-N=を表し;
Yは、-O-を表し;
HArは、
置換トリアジニルを表し
、HArにおける前記置換トリアジニルの置換基は、それぞれ独立して、非置換(13員)ヘテロアリール及び非置換(C6~C12)アリールからなる群から選択される少なくとも1つであり;
L
2は、単結合を表し、
R
1は、非置換(C6)アリールを表し、
R
2~R
4は、水素を表し;
a’は1の整数を表し;b’及びc’は、2の整数を表し;d’は4の整数を表す)により表される化合物を含む、第1のホスト材料及び第2のホスト材料を含む複数のホスト材料。
【請求項2】
式1によって表される前記化合物は、下記の化合物:
【化3】
【化4】
からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項3】
式2によって表される前記化合物は、下記の化合物:
【化5】
からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項4】
アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間の少なくとも1つの発光層とを含む有機エレクトロルミネセンスデバイスであって、前記発光層の前記少なくとも1つの層は、請求項1に記載の複数のホスト材料を含む、有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のホスト材料及びこれを含む有機エレクトロルミネセンスデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
1987年に、Eastman KodakのTangらは、発光層及び電荷移動層からなるTPD/Alq3二重層の小分子緑色有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED)を最初に開発した。その後、OLEDに関する研究が急速に行われ、市販されるようになった。現在のところ、OLEDは主に、パネル実装においてすぐれた発光効率を有する燐光物質を使用する。更に、高い発光効率及び/又は長い寿命を有するOLEDがディスプレイの長時間の使用及び高い解像度のために必要とされる。
【0003】
韓国特許出願公開第2017-0022865号明細書には、OLEDの性能を改良するためのベンゾオキサゾール誘導体化合物が開示されている。しかし、OLEDの性能を改善するための材料の開発が依然として必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、より高い発光効率及び/又はより長い寿命特性を有する有機エレクトロルミネセンスデバイスを製造するために適した化合物の特定の組合せを含む複数のホスト材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、第1のホスト材料及び第2のホスト材料を含む複数のホスト材料によって達成され得、第1のホスト材料は以下の式1によって表される化合物を含み、第2のホスト材料は以下の式2によって表される化合物を含むことを本発明者は見出した:
【化1】
(式中、
Arは、置換又は非置換(C6~C30)アリール、或いは窒素、酸素、及び硫黄のうちの少なくとも1つを含有する置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
L
1は、単結合、置換又は非置換(C6~C30)アリーレン、或いは置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
X
1~X
8は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換又は非置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、-NR
5R
6、又は-SiR
7R
8R
9を表すか;或いは隣接したX
1~X
8のうちの隣接したものが互いに結合して環を形成することができ;但し、X
1及びX
2、X
2及びX
3、X
3及びX
4、X
4及びX
5、X
5及びX
6、X
6及びX
7、並びにX
7及びX
8のうちの少なくとも一対が互いに結合して環を形成することができ、環が1~5個の単環式環を有し;
R
5~R
9は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換又は非置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、或いは置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリールを表すか;或いはR
5~R
9のうちの隣接するものが互いに結合して環を形成することができる);及び
【化2】
(式中、
Xは、-N=、-NR
10-、-O-、又は-S-を表し;
Yは、-N=、-NR
11-、-O-、又は-S-を表し;但し、Xが-N=を表すとき、Yは、-NR
11-、-O-、又は-S-を表し、Xが-NR
10-を表すとき、Yは、-N=、-O-、又は-S-を表し;
HArは、窒素原子を含有する置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
L
2は、単結合、置換又は非置換(C6~C30)アリーレン、或いは置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
R
1は、置換又は非置換(C6~C30)アリール、或いは置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
R
2~R
4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C1~C30)アルコキシ、置換又は非置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換又は非置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換又は非置換モノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ、或いは置換又は非置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表すか;或いはR
2~R
4のうちの隣接するものが互いに結合して環を形成することができ;
R
10及びR
11は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C1~C30)アルコキシ、置換又は非置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換又は非置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換又は非置換モノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ、或いは置換又は非置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表し;
a’は1の整数を表し;b’及びc’は、それぞれ独立して、1又は2の整数を表し;d’は1~4の整数を表し;b’、c’、及びd’がそれぞれ独立して2以上の整数である場合、R
2~R
4のそれぞれは同一であるか又は異なり得る)。
【0006】
発明の有利な効果
ホスト材料として本開示の化合物の特定の組合せを含むことによって、従来の有機エレクトロルミネセンスデバイスと比較してより高い発光効率及び/又はより長い寿命特性を有する有機エレクトロルミネセンスデバイスを提供すること、及びこれを使用するディスプレイ装置又は証明装置を製造することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書では以下、本開示が詳細に説明される。しかしながら、以下の説明は、本開示を説明することを意図しており、決して本開示の範囲を限定することを意味しない。
【0008】
本開示における「有機エレクトロルミネセンス材料」という用語は、有機エレクトロルミネセンスデバイスに使用され得、且つ少なくとも1つの化合物を含み得る材料を意味する。有機エレクトロルミネセンス材料は、必要に応じて、有機エレクトロルミネセンスデバイスを構成する任意の層に含まれ得る。例えば、有機エレクトロルミネセンス材料は、正孔注入材料、正孔輸送材料、正孔補助材料、発光補助材料、電子阻止材料、発光材料(ホスト材料及びドーパント材料を含有する)、電子緩衝材料、正孔阻止材料、電子輸送材料、電子注入材料等であり得る。
【0009】
本開示における「複数の有機エレクトロルミネセンス材料」という用語は、有機エレクトロルミネセンスデバイスを構成する任意の層中に含まれ得る少なくとも2つの化合物の組合せとしての有機エレクトロルミネセンス材料を意味する。これは、有機エレクトロルミネセンスデバイス中に含まれる前(例えば、蒸着前)の材料と、有機エレクトロルミネセンスデバイス中に含まれた後(例えば、蒸着後)の材料との両方を意味することができる。例えば、複数の有機エレクトロルミネセンス材料は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔補助層、発光補助層、電子阻止層、発光層、電子緩衝層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層の少なくとも1つの中に含まれ得る少なくとも2つの化合物の組合せであり得る。少なくとも2つの化合物は、当技術分野において使用される方法によって同じ層又は異なる層中に含まれ得、例えば混合蒸着若しくは共蒸着を行うことができるか又は個別に蒸着を行うことができる。
【0010】
本開示における「複数のホスト材料」という用語は、少なくとも2つのホスト材料の組合せとしての有機エレクトロルミネセンス材料を意味する。それは、有機エレクトロルミネセンスデバイスに含まれる前の(例えば、蒸着前の)材料及び有機エレクトロルミネセンスデバイスに含まれた後の(例えば、蒸着後の)材料の両方を意味することができる。本開示の複数のホスト材料は、有機エレクトロルミネセンスデバイスを構成する任意の発光層に含まれ得る。複数のホスト材料中に含まれる少なくとも2つの化合物は、ともに1つの発光層中に含まれ得るか、又はそれぞれ異なる発光層中に含まれ得る。少なくとも2つのホスト材料が1つの層中に含まれる場合、例えばそれらの混合蒸着によって1つの層を形成し得るか、又は同時に別々に共蒸着して1つの層を形成し得る。
【0011】
本明細書において、「(C1~C30)アルキル」という用語は、鎖を構成する1~30の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルキルであることを意味し、その炭素原子数は、1~10であることが好ましく、1~6であることがより好ましい。上記アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル等を含み得る。「(C3~C30)シクロアルキル」という用語は、3~30の環骨格炭素原子を有する単環式又は多環式炭化水素を意味し、炭素原子数は、3~20が好ましく、3~7がより好ましい。上記シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を含み得る。「(3~7員)ヘテロシクロアルキル」という用語は、3~7の環骨格原子を有し、B、N、O、S、Si、及びPからなる群、好ましくはO、S、及びNからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、シクロアルキルであることを意味する。上記ヘテロシクロアルキルは、テトラヒドロフラン、ピロリジン、チオラン、テトラヒドロピラン等を含み得る。「(C6~C30)アリール」又は「(C6~C30)アリールレン」という用語は、6~30の環骨格炭素原子を有する芳香族炭化水素から誘導される単環式又は縮合環ラジカルであることを意味し、環骨格炭素原子の数は、6~20が好ましく、6~15がより好ましい。上記アリール又はアリーレンは、部分的に飽和され得、スピロ構造を含み得る。上記のアリールとしては、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、ナフチル、ビナフチル、フェニルナフチル、ナフチルフェニル、フルオレニル、フェニルフルオレニル、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、フェナントレニル、フェニルフェナントレニル、アントラセニル、インデニル、トリフェニレニル、ピレニル、テトラセニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニル、スピロビフルオレニル、スピロ[フルオレン-ベンゾフルオレン]イル等を挙げることができる。「(3~50員)ヘテロアリール」又は「(3~30員)ヘテロアリーレン」という用語は、3~50,又は3~30の環骨格原子を有し(環骨格炭素原子の数は好ましくは3~30,より好ましくは5~20である)、B、N、O、S、Si及びPからなる群から選択される少なくとも1つ、好ましくは1~4つのヘテロ原子を含むアリールである。上記のヘテロアリール(エン)は、単環式環又は少なくとも1つのベンゼン環と縮合した縮合環であり得、部分的に飽和され得、単結合を介してヘテロアリール基に少なくとも1つのヘテロアリール又はアリール基を結合することにより形成されるものであり得、且つスピロ構造を含み得る。上記ヘテロアリールとしては、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル等の単環式環型ヘテロアリール、並びにベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾナフトフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾナフトチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、ベンゾカルバゾリル、フェノキサジニル、フェナントリジニル、フェナントロ-オキサゾリル、ベンゾジオキソリル等の縮合環型ヘテロアリールを挙げられ得る。更に、「ハロゲン」は、F、Cl、Br、及びIを含む。
【0012】
本明細書において、表現「置換又は非置換」における「置換」は、特定の官能基中の水素原子が別の原子又は別の官能基、すなわち置換基で置き換えられていることを意味する。Ar、L1、HAr、L2、X1~X8、X11~X33、及びR1~R15における置換アルキル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換アリーレン、置換ヘテロアリール、置換ヘテロアリーレン、置換アルコキシ、置換トリアルキルシリル、置換ジアルキルアリールシリル、置換アルキルジアリールシリル、置換トリアリールシリル、置換モノ-又はジ-アルキルアミノ、置換モノ-又はジ-アリールアミノ、又は置換アルキルアリールアミノの置換基は、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン;シアノ;カルボキシル;ニトロ;ヒドロキシル;(C1~C30)アルキル;ハロ(C1~C30)アルキル;(C2~C30)アルケニル;(C2~C30)アルキニル;(C1~C30)アルコキシ;(C1~C30)アルキルチオ;(C3~C30)シクロアルキル;(C3~C30)シクロアルケニル;(3~7員)ヘテロシクロアルキル;(C6~C30)アリールオキシ;(C6~C30)アリールチオ;非置換の又は(C1~C30)アルキル、(C6~C30)アリール、及びジ(C6~C30)アリールアミノのうちの少なくとも1つで置換された(3~50員)ヘテロアリール;非置換の又はシアノ、(C1~C30)アルキル、(3~50員)ヘテロアリール、ジ(C6~C30)アリールアミノ、及びトリ(C6~C30)アリールシリルのうちの少なくとも1つで置換された(C6~C30)アリール;トリ(C1~C30)アルキルシリル;トリ(C6~C30)アリールシリル;ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル;(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル;アミノ;モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ;モノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ;(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノ;(C1~C30)アルキルカルボニル;(C1~C30)アルコキシカルボニル;(C6~C30)アリールカルボニル;ジ(C6~C30)アリールボロニル;ジ(C1~C30)アルキルボロニル;(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールボロニル;(C6~C30)アリール(C1~C30)アルキル;及び(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールからなる群から選択される少なくとも1つである。本開示の一実施形態によると、置換基は、それぞれ独立して、(C1~C20)アルキル;非置換の又は(C1~C20)アルキル、(3~30員)ヘテロアリール、及びジ(C6~C25)アリールアミノのうちの少なくとも1つで置換された (C6~C25)アリール;非置換の又は(C1~C20)アルキル及び(C6~C25)アリールのうちの少なくとも1つで置換された(3~30員)ヘテロアリール;及びジ(C6~C20)アリールアミノからなる群から選択される少なくとも1つである。本開示の別の実施形態によると、置換基は、それぞれ独立して、(C1~C10)アルキル;非置換の又は(C1~C10)アルキル及びジ(C6~C18)アリールアミノのうちの少なくとも1つで置換された(C6~C20)アリール;非置換の又は(C6~C18)アリールで置換された(5~25員)ヘテロアリール;及びジ(C6~C18)アリールアミノからなる群から選択される少なくとも1つである。例えば、置換基は、それぞれ独立して、少なくとも1つのメチル;tert-ブチル;非置換の又はピリジニル、ジフェニルトリアジニル、フェニルキノキサリニル、フェニルキナゾリニル、ビフェニルキナゾリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル及びジフェニルアミノのうちの少なくとも1つで置換されたフェニル;非置換の又は少なくとも1つのジフェニルトリアジニルで置換されたナフチル;ビフェニル;ナフチルフェニル;テルフェニル;ジメチルフルオレニル;フェニルフルオレニル;ジフェニルフルオレニル;ジメチルベンゾフルオレニル;フェナントレニル;トリフェニレニル;ピリジニル;フェニル及びナフチルの少なくとも1つで置換されたトリアジニル;少なくとも1つのフェニルで置換されたインドリル;少なくとも1つのフェニルで置換されたベンゾイミダゾリル;キノリル;フェニル及びビフェニルの少なくとも1つで置換されたキナゾリニル;少なくとも1つのフェニルで置換されたキノキサリニル;非置換の又は少なくとも1つのフェニルで置換されたカルバゾリル;ジベンゾフラニル;ジベンゾチオフェニル;ベンゾナフトチオフェニル;非置換の又は少なくとも1つのフェニルで置換されたベンゾカルバゾリル;ジベンゾカルバゾリル;ベンゾフェナントロチオフェニル;ジフェニルアミノ;ジメチルフルオレニルフェニルアミノ;及び窒素、酸素、及び硫黄のうちの少なくとも1つを含有する置換又は非置換(16~33員)ヘテロアリールである。
【0013】
本開示の式において、「隣接したものが互いに結合して環を形成することができる」は、少なくとも2つの隣接した置換基が互いに結合又は縮合して置換又は非置換の単環式又は多環式(3~30員)、好ましくは(3~26員)、脂環又は芳香環、或いはそれらの組合せを形成することを意味する。また、形成された環は、B、N、O、S、Si及びPから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくはN、O及びSから選択される少なくも1つのヘテロ原子を含有することができる。
【0014】
本開示において、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、B、N、O、S、Si及びPから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有することができる。また、ヘテロ原子は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C1~C30)アルコキシ、置換又は非置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換又は非置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換又は非置換モノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ及び置換又は非置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノからなる群から選択される少なくとも1つに結合し得る。
【0015】
式1において、Arは、置換又は非置換(C6~C30)アリール、或いは窒素、酸素、及び硫黄のうちの少なくとも1つを含有する置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリールを表す。本開示の一実施形態によると、Arは、置換又は非置換(C6~C25)アリール、或いは窒素、酸素、及び硫黄のうちの少なくとも1つを含有する置換又は非置換(5~25員)ヘテロアリールを表す。本開示の別の実施形態によると、Arは、非置換の又は(C1~C30)アルキルで置換された(C6~C18)アリール、或いは窒素、酸素又は硫黄を含有する非置換の又は(C6~C18)アリールで置換された(5~20員)ヘテロアリールを表す。具体的には、Arは、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ナフチル、置換又は非置換ビフェニル、置換又は非置換テルフェニル、置換又は非置換カルバゾリル、置換又は非置換ジベンゾチオフェニル、置換又は非置換ベンゾチオフェニル、置換又は非置換ジベンゾフラニル、置換又は非置換ベンゾフラニル、置換又は非置換ナフチリジニル、置換又は非置換フルオレニル、置換又は非置換ベンゾフルオレニル、置換又は非置換トリフェニレニル、置換又は非置換ベンゾナフトフラニル、或いは置換又は非置換ベンゾナフトチオフェニルを表す。例えば、Arは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、テルフェニル、ジメチルフルオレニル、ジメチルベンゾフルオレニル、トリフェニレニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、非置換の又はフェニルで置換されたカルバゾリル、或いはベンゾナフトフラニルを表し得る。
【0016】
式1において、L1は、単結合、置換又は非置換(C6~C30)アリーレン或いは置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表す。本開示の一実施形態によると、L1は、単結合、置換又は非置換の(C6~C25)アリーレン或いは置換又は非置換の(5~25員)ヘテロアリーレンを表す。本開示の別の一実施形態によると、L1は、単結合、非置換の(C6~C18)アリーレン又は非置換の(5~20員)ヘテロアリーレンを表す。具体的には、L1は、単結合、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、又はフェナントロキサゾリレンを表し得る。
【0017】
式1において、X1~X8は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換又は非置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、-NR5R6、又は-SiR7R8R9を表すか;或いはX1~X8のうちの隣接したものが互いに結合して環を形成することができ;但し、X1及びX2、X2及びX3、X3及びX4、X4及びX5、X5及びX6、X6及びX7、並びにX7及びX8のうちの少なくとも一対が互いに結合して環を形成することができ、環が1~5個の単環式環を有する。本開示の一実施形態によると、X1~X8は、それぞれ独立して、水素を表すか;或いはX1及びX2、X2及びX3、X3及びX4、X4及びX5、X5及びX6、X6及びX7、並びにX7及びX8の少なくとも一対が互いに結合して環を形成し、環は1~5個の単環式環、好ましくは、2~5個の単環式環を有する。例えば、X1及びX2が互いに結合してインドール環を形成し、環は2個の単環式環を有する。環は、置換又は非置換の単環式又は多環式(3~30員)脂環又は芳香環、或いはそれらの組合せ;好ましくは置換又は非置換の単環式又は多環式(3~20員)脂環又は芳香環、或いはそれらの組合せ;及びより好ましくは置換又は非置換の単環式(3~8員)芳香環であり得る。具体的には、環は、1~5個の単環式環、好ましくは2~5個の単環式環が縮合されている環であり得る。更に、環は、B、N、O、S、Si及びPから選択される少なくとも1つのヘテロ原子;好ましくは、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子;及びより好ましくは、N及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有することができる。X1~X8が隣接した置換基と結合して環を形成することができるとき、式1によって表される化合物は、縮合カルバゾール系化合物、縮合アズレン系化合物等であり得る。例えば、X1~X8は、それぞれ独立して、水素を表すか;或いは隣接した置換基と結合して、ベンゼン環、フェニル及び/又はビフェニルで置換されたインドール環、ベンゾチオフェン環、フェニル及びナフチルの少なくとも1つで置換されたベンゾインドール環、15員多環式の環、窒素含有18員多環式の環、又は窒素含有22員多環式の環.を形成することができる。
【0018】
R5~R9は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換又は非置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、或いは置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリールを表すか;或いはR5~R9のうちの隣接するものが互いに結合して環を形成することができる。
【0019】
本開示の一実施形態によると、式1は、下記の式1-1~1-10の任意の式によって表され得る。
【化3】
【化4】
【0020】
式1-1~1-10において、置換基の定義は以下の通りである。
【0021】
Ar及びL1は式1に定義される通りである。
【0022】
V及びWは、それぞれ独立して、CR12R13、NR14、O、又はSを表す。本開示の一実施形態によると、V及びWは、それぞれ独立して、NR14、O、又はSを表す。例えば、Vは、NR14又はSを表し得、WはSを表し得る。
【0023】
R12~R14、X11~X23、及びX31~X33は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C1~C30)アルコキシ、置換又は非置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換又は非置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換又は非置換モノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ、或いは置換又は非置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表す。
【0024】
本開示の一実施形態によると、R12~R14は、それぞれ独立して、置換又は非置換(C1~C20)アルキル、置換又は非置換(C6~C25)アリール、或いは置換又は非置換(5~25員)ヘテロアリールを表す。本開示の別の実施形態によると、R12~R14は、それぞれ独立して、非置換(C6~C18)アリールを表す。例えば、R12~R14は、それぞれ独立して、フェニル又はビフェニルを表し得る。
【0025】
本開示の一実施形態によると、X11~X23、及びX31~X33は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換又は非置換(C1~C20)アルキル、置換又は非置換(C6~C25)アリール、或いは置換又は非置換(5~25員)ヘテロアリールを表す。本開示の別の実施形態によると、X11~X23、及びX31~X33は、それぞれ独立して、水素、重水素、又は非置換(C6~C18)アリールを表す。例えば、X11~X23、及びX31~X33は、それぞれ独立して、水素又はフェニルを表し得る。
【0026】
X24~X30は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C1~C30)アルコキシ、置換又は非置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換又は非置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換又は非置換モノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ、或いは置換又は非置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表すか;或いはR24~R30のうちの隣接するものが互いに結合して環を形成することができる。本開示の一実施形態によると、X24~X30は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換又は非置換の(C1~C20)アルキル、置換又は非置換の(C6~C25)アリール或いは置換又は非置換の(5~25員)ヘテロアリールを表すか;或いはX24~X30の隣接する基は、互いに結合して環を形成することができる。本開示の別の実施形態によると、X24~X30は、それぞれ独立して、水素、重水素、又は非置換(C6~C18)アリールを表すか;或いはX24~X30のうちの隣接したものが互いに結合して環を形成することができる。例えば、X24~X30は、それぞれ独立して、水素を表すか;或いはX24~X30のうちの隣接したものが互いに結合してベンゼン環を形成することができる。
【0027】
a、e~i、k、l、o、p、s、u、y、及びzは、それぞれ独立して、1~4の整数を表し;b~d、j、及びmは、それぞれ独立して、1~6の整数を表し;n及びrは、それぞれ独立して、1~3の整数を表し;qは1又は2の整数を表し;tは1~5の整数を表し;a~u、y、及びzは、それぞれ独立して、2以上の整数であり、X11~X33のそれぞれは同一であるか又は異なり得る。
【0028】
式2において、Xは、-N=、-NR10-、-O-、又は-S-を表し、Yは、-N=、-NR11-、-O-、又は-S-を表し;但し、Xが-N=を表すとき、Yは、-NR11-、-O-、又は-S-を表し、Xが-NR10-を表すとき、Yは-N=、-O-、又は-S-を表す。本開示の一実施形態によると、Xは-N=、-NR10-、-O-、又は-S-を表し;Yは-N=、-NR11-、-O-、又は-S-を表し;但し、X及びYのいずれか1つが-N=を表す。
【0029】
R10及びR11は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C1~C30)アルコキシ、置換又は非置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換又は非置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換又は非置換モノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ、或いは置換又は非置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表す。本開示の一実施形態によると、R10及びR11は、それぞれ独立して、置換又は非置換(C1~C20)アルキル、置換又は非置換(C6~C25)アリール、或いは置換又は非置換(5~25員)ヘテロアリールを表す。本開示の別の実施形態によると、R10及びR11は、それぞれ独立して、非置換(C6~C18)アリールを表す。例えば、R10及びR11はフェニルであり得る。
【0030】
式2において、HArは、置換又は非置換の窒素原子含有(3~30員)ヘテロアリールを表す。本開示の一実施形態によると、HArは、置換又は非置換の窒素原子含有(5~25員)ヘテロアリールを表す。本開示の別の実施形態によると、HArは、非置換の又は(5~25員)ヘテロアリール及び/又は(C6~C25)アリールで置換された窒素原子含有(5~20員)ヘテロアリールを表す。具体的には、HArは、置換又は非置換トリアジニル、置換又は非置換ピリジル、置換又は非置換ピリミジニル、置換又は非置換キナゾリニル、置換又は非置換ベンゾキナゾリニル、置換又は非置換キノキサリニル、置換又は非置換ベンゾキノキサリニル、置換又は非置換キノリル、置換又は非置換ベンゾキノリル、置換又は非置換イソキノリル、置換又は非置換ベンゾイソキノリル、置換又は非置換トリアゾリル、置換又は非置換ピラゾリル、置換又は非置換ナフチリジニル、或いは置換又は非置換ベンゾチエノピリミジニルを表す。例えば、HArは、置換トリアジニル、置換ピリミジニル、置換キノキサリニル、置換キナゾリニル、又は置換ナフチリジニルを表し得る。置換トリアジニル、置換ピリミジニル、置換キノキサリニル、置換キナゾリニル、及び置換ナフチリジニルの置換基は、非置換の又はジフェニルアミノで置換されたフェニル、ナフチル、ビフェニル、ジメチルフルオレニル、ジメチルベンゾフルオレニル、ジベンゾチオフェニル、ジベンゾフラニル、ベンゾナフトチオフェニル、フェニルカルバゾリル、及びフェニルベンゾカルバゾリルのうちの少なくとも1つであり得る。
【0031】
式2において、L2は、単結合、置換又は非置換(C6~C30)アリーレン或いは置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表す。本開示の一実施形態によると、L2は、単結合、置換又は非置換の(C6~C25)アリーレン或いは置換又は非置換の(5~25員)ヘテロアリーレンを表す。本開示の別の一実施形態によると、L2は、単結合、非置換の(C6~C18)アリーレン又は非置換の(5~20員)ヘテロアリーレンを表す。例えば、L2は、単結合、フェニレン、又はピリジレンを表し得る。
【0032】
式2において、R1は、置換又は非置換(C6~C30)アリール、或いは置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリールを表す。本開示の一実施形態によると、R1は、置換又は非置換(C6~C30)アリール、或いは置換又は非置換(5~25員)ヘテロアリールを表す。本開示の別の実施形態によると、R1は、非置換の又は(C1~C10)アルキル及び/又は(C6~C18)アリールで置換された(C6~C29)アリール;或いは非置換の又は(C6~C18)アリールで置換された(5~25員)ヘテロアリールを表す。例えば、R1は、フェニル、ナフチル、フェニルナフチル、ビフェニル、ジメチルフルオレニル、ジメチルベンゾフルオレニル、スピロビフルオレニル、スピロ[フルオレン-ベンゾフルオレン]イル、フェニルカルバゾリル、フェニルベンゾカルバゾリル、ジベンゾフラニル、又はジベンゾチオフェニルであり得る。
【0033】
式2において、R2~R4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C1~C30)アルコキシ、置換又は非置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換又は非置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換又は非置換モノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ、或いは置換又は非置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表すか;或いはR2~R4のうちの隣接するものが互いに結合して環を形成することができる。例えば、R2~R4は、水素であり得る。
【0034】
式2において、a’は1の整数を表し;b’及びc’は、それぞれ独立して、1又は2の整数を表し;d’は1~4の整数を表し;b’、c’、及びd’がそれぞれ独立して2以上の整数である場合、R2~R4のそれぞれは同一であるか又は異なり得る。
【0035】
本開示の一実施形態によると、式2は、下記の式2-1及び2-2の任意の1つによって表し得る。
【化5】
【0036】
式2-1及び2-2では、X、Y、R1~R4、L2、及びa’~d’は、式2で定義した通りである。
【0037】
式2-1及び2-2では、Y1~Y5、及びY11~Y17は、それぞれ独立して、N又はCR15を表す。本開示の一実施形態によると、Y1~Y5の少なくとも1つは、CR15を表し、Y11~Y17の少なくとも1つはCR15を表す。
【0038】
R15は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C1~C30)アルコキシ、置換又は非置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換又は非置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換又は非置換モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換又は非置換モノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ、或いは置換又は非置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表すか;或いはR15の隣接するものが互いに結合して環を形成することができる。本開示の一実施形態によると、R15は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換又は非置換(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C6~C25)アリール、或いは置換又は非置換(5~25員)ヘテロアリールを表す。本開示の別の実施形態によると、R15は、それぞれ独立して、水素;重水素;非置換の又は(C1~C10)アルキル及び/又はジ(C6~C18)アリールアミノで置換された(C6~C18)アリール;或いは非置換の又は(C6~C18)アリールで置換された(5~20員)ヘテロアリールを表す。例えば、R15は、それぞれ独立して、水素、非置換の又はジフェニルアミノで置換されたフェニル、ナフチル、ビフェニル、ジメチルフルオレニル、ジメチルベンゾフルオレニル、ジベンゾチオフェニル、ジベンゾフラニル、ベンゾナフトチオフェニル、フェニルカルバゾリル、又はフェニルベンゾカルバゾリルを表し得る。
【0039】
式1で表される化合物としては、下記の化合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0040】
式2で表される化合物としては、下記の化合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0041】
化合物C1-1~C1-94の少なくとも1つと、化合物C2-1~C2-125の少なくとも1つとの組合せを有機エレクトロルミネセンスデバイス中に使用することができる。
【0042】
本開示による式1で表される化合物は、当業者に周知の合成方法によって調製することができる。例えば、式1によって表される化合物は、以下の反応図式1、及び韓国特許出願公開第2015-0135109A号明細書(2015年12月2日に公開)、同第2015-0032447A号明細書(2015年3月26日に公開)、同第2016-0099471A号明細書(2016年8月22日に公開)、同第2018-0012709A号明細書(2018年2月6日に公開)、同第2012-0132815A号明細書(2012年12月10日に公開)、同第2015-0077513A号明細書(2015年7月8日に公開)、及び同第2017-0129599A号明細書(2017年11月27日に公開)、及び韓国特許第1478990B号明細書(2014年12月29日に公開)を参照することによって調製され得るが、それらに限定されない。
【0043】
【0044】
反応図式1において、Ar、L1、X28~X30、r、s、及びtは上記式1~9に定義される通りである。
【0045】
本開示による式2によって表される化合物は、当業者に周知の合成方法によって調製することができる。例えば、式2によって表される化合物は、韓国特許出願公開第2017-0022865A号明細書(2017年3月2日に公開)を参照することによって調製することができるが、それらに限定されない。
【0046】
本開示による有機エレクトロルミネセンスデバイスは、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間の少なくとも1つの有機層とを含む。有機層は、式1によって表される化合物が第1の有機エレクトロルミネセンス材料として含有され、式2によって表される化合物が第2の有機エレクトロルミネセンス材料として含有される複数の有機エレクトロルミネセンス材料を含み得る。本開示の一実施形態によると、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間の少なくとも1つの発光層とを含み、少なくとも1つの発光層の少なくとも1つの層は、式1によって表される化合物及び式2によって表される化合物を含むことができる。
【0047】
発光層は、ホスト及びドーパントを含む。ホストは、複数のホスト材料を含む。式1によって表される化合物は、複数のホスト材料に第1のホスト化合物として含まれ得、式2によって表される化合物は、複数のホスト材料に第2のホスト化合物として含まれ得る。第1のホスト化合物対第2のホスト化合物の重量比は、約1:99~約99:1の範囲内、好ましくは約10:90~約90:10の範囲内、より好ましくは約30:70~約70:30の範囲内、さらにより好ましくは約40:60~60:40の範囲内、さらにより好ましくは約50:50である。
【0048】
発光層は、それから光が放出される層であり、単層又は2つ以上の層が積み重ねられる多層であり得る。本開示による複数のホスト材料において、第1及び第2のホスト材料の両方は、1つの層に含まれ得るか、又はそれぞれ異なる発光層に含まれ得る。本開示の一実施形態によると、発光層中のホスト化合物に対するドーパント化合物の濃度は、約20重量%未満である。
【0049】
本開示の有機エレクトロルミネセンスデバイスは、正孔注入層、正孔輸送層、正孔補助層、発光補助層、電子輸送層、電子注入層、中間層、電子緩衝層、正孔阻止層、及び電子阻止層から選択される少なくとも1つの層をさらに含み得る。本開示の一実施形態によると、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、本開示の複数のホスト材料に加えてアミン系化合物を正孔注入材料、正孔輸送材料、正孔補助材料、発光材料、発光補助材料及び電子阻止材料の少なくとも1つとしてさらに含むことができる。また、本開示の一実施形態によると、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、本開示の複数のホスト材料に加えて、アジン系化合物を電子輸送材料、電子注入材料、電子緩衝材料及び正孔阻止材料の少なくとも1つとしてさらに含むことができる。
【0050】
本開示による有機エレクトロルミネセンスデバイスに含まれるドーパントは、少なくとも1つのリン光性又は蛍光性ドーパント、好ましくはリン光性ドーパントであり得る。燐光ドーパント材料は特に限定されないが、好ましくは、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銅(Cu)、及び白金(Pt)の金属化錯体化合物から選択されることができ、より好ましくは、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銅(Cu)、及び白金(Pt)のオルト金属化錯体化合物、更により好ましくは、オルト金属化イリジウム錯体化合物から選択されることができる。
【0051】
本開示の有機エレクトロルミネセンスデバイスに含まれるドーパント化合物は、次式101で表される化合物を含み得るが、それに限定されない。
【化18】
【0052】
式101では、Lは、以下の構造1及び2:
【化19】
から選択される。R
100~R
103は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、非置換の又は重水素及び/若しくはハロゲンで置換された(C1~C30)アルキル、置換又は非置換の(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換の(C6~C30)アリール、シアノ、置換又は非置換の(3~30員)ヘテロアリール、或いは置換又は非置換の(C1~C30)アルコキシを表すか;或いは隣接するR
100~R
103と結合して、ピリジンとともに環、例えば置換又は非置換のキノリン、置換又は非置換のイソキノリン、置換又は非置換のベンゾフロピリジン、置換又は非置換のベンゾチエノピリジン、置換又は非置換のインデノピリジン、置換又は非置換のベンゾフロキノリン、置換又は非置換のベンゾチエノキノリン、或いは置換又は非置換のインデノキノリン環を形成することができ;
R
104~R
107は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、非置換の又は重水素及び/若しくはハロゲンで置換された(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、置換又は非置換(C6~C30)アリール、置換又は非置換(3~30員)ヘテロアリール、シアノ、或いは置換又は非置換(C1~C30)アルコキシを表すか;或いは隣接するR
104~R
107と結合して、ベンゼンと一緒に環、例えば置換又は非置換ナフタレン、置換又は非置換フルオレン、置換又は非置換ジベンゾチオフェン、置換又は非置換ジベンゾフラン、置換又は非置換インデノピリジン、置換又は非置換ベンゾフロピリジン、或いは置換又は非置換ベンゾチエノピリジン環を形成することができ;
R
201~R
211は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、非置換の又は重水素及び/若しくはハロゲンで置換された(C1~C30)アルキル、置換又は非置換(C3~C30)シクロアルキル、或いは置換又は非置換(C6~C30)アリールを表すか;或いは隣接するR
201~R
211と結合して環を形成することができ;及び
n’は1~3の整数を表す。
【0053】
ドーパント化合物の具体的な例は、以下の通りであるが、これらに限定されない。
【化20】
【化21】
【化22】
【0054】
本開示の有機エレクトロルミネセンスデバイスの各層を形成するために、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ及びイオンプレーティング方法などの乾式成膜方法又はインクジェット印刷、ノズル印刷、スロットコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング及びフローコーティング方法などの湿式成膜方法を使用することができる。
【0055】
湿式製膜法で溶媒を用いる場合、各層を形成する材料をエタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等などの任意の適切な溶媒に溶解又は拡散させることによって薄膜を形成することができる。各層を形成する材料を溶解又は拡散させることができ、製膜能力に問題がない場合、溶媒は、任意の溶媒であり得る。
【0056】
更に、式1によって表される化合物、及び式2によって表される化合物は、一般的に共蒸発法又は混合蒸発法によって、上記の方法によって製膜され得る。共蒸発は、2つ以上の材料をそれぞれの個々のるつぼ源に入れ、同時に両方のセルに電流を印加して材料を蒸発させる混合蒸着法である。混合蒸発は、2つ以上の材料を、それらを蒸発させる前に1つのるつぼ源中で混合し、電流をセルに印加して材料を蒸発させる混合蒸着法である。
【0057】
本開示は、複数のホスト材料を含むことによってディスプレイ装置を提供することができる。更に、本開示の有機エレクトロルミネセンスデバイスを用いることによりディスプレイ装置又は照明装置を製造することが可能である。具体的には、本開示の複数のホスト材料を使用することにより、ディスプレイ装置、例えばスマートフォン、タブレット、ノートブック、PC、TV若しくは車又は照明装置、例えば屋外又は屋内照明装置のためのディスプレイ装置を製造することができる。
【0058】
以下に、本開示によるOLEDの発光効率及び寿命特性が説明される。しかしながら、以下の実施例は、本開示によるOLEDの特性を詳細に説明するにすぎず、本開示は、以下の実施例に限定されない。
【実施例】
【0059】
デバイス実施例1、2、及び5~12:本開示による第1及び第2のホスト化合物を共蒸発させることによるOLEDの製造
本開示によるOLEDを以下の通り作製した。OLED(ジオマテック株式会社、日本)のためのガラス基板上の透明電極酸化インジウムスズ(ITO)薄膜(10Ω/sq)をトリクロロエチレン、アセトン、エタノール及び蒸留水で超音波洗浄し、その後、次いでイソプロパノール中に保存した。ITO基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着した。化合物HI-1を真空蒸着装置のセル中に導入し、その後、装置のチャンバー内の圧力を次に10-6torrに制御した。その後、セルに電流を印加して、上記の導入した材料を蒸発させ、それによってITO基板上に厚さ80nmの第1の正孔注入層を形成した。次に、化合物HI-2を真空蒸着装置の別のセルに導入し、セルに電流を流して蒸着させ、それにより第1の正孔注入層上に厚さ5nmの第2の正孔注入層を形成した。次いで、化合物HT-1を真空蒸着装置の別のセルに導入し、セルに電流を流して蒸発させて、これにより第2の正孔注入層に厚さ10nmの第1の正孔輸送層を形成した。次いで、化合物HT-2を真空蒸着装置の別のセルに導入し、セルに電流を流して蒸発させ、それにより第1の正孔輸送層上に厚さ60nmの第2の正孔輸送層を形成した。正孔注入層及び正孔輸送層を形成した後、以下の通り発光層をその上に形成した。表1に示される第1のホスト化合物及び第2のホスト化合物をホストとして真空蒸着装置の2つのセル内にそれぞれ導入し、ドーパントとして化合物D-39を別のセル内に導入した。2つのホスト材料を1:1の比で蒸発させ、同時にドーパント材料を異なる比で蒸発させて、ホスト及びドーパントの総量に基づいて3重量%のドープ量で蒸着し、40nmの厚さの発光層を第2の正孔輸送層上に形成した。次に、化合物ET-1及び化合物EI-1を2つの他のセル内において1:1の比で蒸発させて、35nmの厚さの電子輸送層を発光層上に蒸着した。電子輸送層上に厚さ2nmの電子注入層として化合物EI-1を蒸着した後、電子注入層上に別の真空蒸着装置によって厚さ80nmのAlカソードを蒸着した。このように、OLEDを製造した。
【0060】
デバイス実施例3:本開示による第1及び第2のホスト化合物を混合蒸発させることによるOLEDの製造
表1に記載された第1のホスト化合物及び第2のホスト化合物を真空蒸着装置内の2つのセル内ではなく1つのセル内で蒸着したこと以外、デバイス実施例2の場合と同じ方法でOLEDを製造した。
【0061】
デバイス実施例4:本開示による第1及び第2のホスト化合物を共蒸発させることによるOLEDの製造
化合物D-39の代わりに化合物D-78をドーパントとして使用したこと以外、デバイス実施例2の場合と同じ方法でOLEDを製造した。
【0062】
比較例1及び2:本開示によらないOLEDの製造
以下の表1に示される第2のホスト化合物のみを2つのホスト化合物の代わりに使用したこと以外、デバイス実施例1の場合と同じ方法でOLEDを製造した。
【0063】
デバイス実施例及び比較例において製造されるOLEDの5,000ニトの輝度における発光効率、及び5,000ニトの輝度において定電流で100%の初期輝度を97%の輝度に低減させるためにかかる時間(T97)の結果を以下の表1に示す。
【0064】
【0065】
表1から、ホスト材料として本開示による化合物の特定の組合せを含む有機エレクトロルミネセンスデバイスは、従来の有機エレクトロルミネセンスデバイスと比較してより高い発光効率及び/又はより高い寿命特性を有することを裏づけることができる。
【0066】
デバイス実施例及び比較例に用いた化合物を下記表2に示す。
【0067】
【0068】