(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】表示制御システム、表示制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20230831BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20230831BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20230831BHJP
【FI】
H04L67/00
G06F3/0481
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2021031875
(22)【出願日】2021-03-01
(62)【分割の表示】P 2020038767の分割
【原出願日】2020-03-06
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500022557
【氏名又は名称】サイボウズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長尾 洋也
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 淳
(72)【発明者】
【氏名】林 憲佑
(72)【発明者】
【氏名】矢野 ありす
(72)【発明者】
【氏名】中川 遼太郎
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0145245(US,A1)
【文献】できるシリーズ編集部,できるExcel 2016 初版,第1版,日本,株式会社インプレス 土田 米一,2015年11月01日,第78頁-第79頁、第260頁-第267頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 3/0481
G06Q 10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザで共有される共有情報を取得する第1取得手段と、
前記複数のユーザのうち、前記共有情報の表示を要求した表示要求ユーザ
の表示手段に、前記共有情報を含む表示画面を画面サイズに応じた調整をせずに表示させる表示制御手段と、
前記表示画面において前記表示要求ユーザにより指定された、当該表示要求ユーザの個別の表示設定に関する個別設定情報を取得する第2取得手段と、
を含み、
個別の表示設定をした前記ユーザごとに、当該ユーザ専用の前記個別設定情報が存在し、
前記表示制御手段は、前記表示要求ユーザ専用の前記個別設定情報に基づいて、前記表示要求ユーザの前記表示手段に、前記表示画面を表示させる、
表示制御システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記共有情報が作成された場合に、デフォルトの表示設定に基づいて、前記表示手段に前記表示画面を表示させ、
前記第2取得手段は、前記デフォルトの表示設定に基づいて表示された前記表示画面において前記表示要求ユーザにより指定された前記個別設定情報を取得する、
請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記複数のユーザに共通する、前記共有情報の表示設定に関する共通設定情報を取得す
る第3取得手段を更に含み、
前記第2取得手段は、前記共通設定情報を上書きするための前記個別設定情報を取得する、
請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記共通設定情報及び前記個別設定情報の各々は、前記表示画面に表形式で表示される前記共有情報の列幅を示し、
前記第2取得手段は、前記共通設定情報が示す列幅よりも狭い列幅を示す前記個別設定情報を取得する、
請求項3に記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記第2取得手段は、前記表示画面に表形式で表示される前記共有情報の行幅を示す前記個別設定情報を取得する、
請求項1~4の何れかに記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記第2取得手段は、前記表示画面の背景を示す前記個別設定情報を取得する、
請求項1~5の何れかに記載の表示制御システム。
【請求項7】
前記表示制御システムは、前記個別設定情報を保存するための操作が前記表示要求ユーザにより行われた場合に、前記個別設定情報を保存する保存部を更に含む、
請求項1~6の何れかに記載の表示制御システム。
【請求項8】
複数のユーザで共有される共有情報を取得する第1取得ステップと、
前記複数のユーザのうち、前記共有情報の表示を要求した表示要求ユーザの表示手段に、前記共有情報を含む表示画面を画面サイズに応じた調整をせずに表示させる表示制御ステップと、
前記表示画面において前記表示要求ユーザにより指定された、当該表示要求ユーザの個別の表示設定に関する個別設定情報を取得する第2取得ステップと、
を含み、
個別の表示設定をした前記ユーザごとに、当該ユーザ専用の前記個別設定情報が存在し、
前記表示制御ステップは、前記表示要求ユーザ専用の前記個別設定情報に基づいて、前記表示要求ユーザの前記表示手段に、前記表示画面を表示させる、
表示制御方法。
【請求項9】
複数のユーザで共有される共有情報を取得する第1取得手段、
前記複数のユーザのうち、前記共有情報の表示を要求した表示要求ユーザの表示手段に、前記共有情報を含む表示画面を画面サイズに応じた調整をせずに表示させる表示制御手段、
前記表示画面において前記表示要求ユーザにより指定された、当該表示要求ユーザの個別の表示設定に関する個別設定情報を取得する第2取得手段、
としてコンピュータを機能させ、
個別の表示設定をした前記ユーザごとに、当該ユーザ専用の前記個別設定情報が存在し、
前記表示制御手段は、前記表示要求ユーザ専用の前記個別設定情報に基づいて、前記表示要求ユーザの前記表示手段に、前記表示画面を表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御システム、表示制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のユーザで情報を共有するシステムが知られている。例えば、非特許文献1には、複数のユーザの各々で共有される共有情報を表形式で表示させるシステムが記載されている。このシステムでは、複数のユーザに共通する表示設定が採用されており、各ユーザは、この表示設定を変更できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「Google スプレッドシート-オンラインでスプレッドシートを作成、編集できる無料サービス」,インターネット,2020年2月28日検索,online, https://www.google.com/intl/ja_jp/sheets/about/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1の技術では、あるユーザAが一部の列幅を変更すると、その変更が他のユーザBに対しても適用されるので、ユーザBにとって使いにくい表示設定になる可能性がある。例えば、ユーザAが横長の画面を使用しており、ユーザBが縦長の画面を使用していたとする。ユーザAが自身の横長の画面で共有情報を見やすくするために列幅を広げたとすると、横幅の狭い画面を使用するユーザBにとって、見づらい画面になることがある。
【0005】
本開示の一態様が解決しようとする課題は、ユーザに応じた表示設定で共有情報を表示させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る表示制御システムは、複数のユーザで共有される共有情報を取得する第1取得手段と、前記複数のユーザのうち、前記共有情報の表示を要求した表示要求ユーザにより指定された、当該表示要求ユーザの個別の表示設定に関する個別設定情報を取得する第2取得手段と、前記個別設定情報に基づいて、前記表示要求ユーザの表示手段に前記共有情報を表示させる表示制御手段と、を含む。
【0007】
本開示の一側面に係る表示制御方法は、複数のユーザで共有される共有情報を取得する第1取得ステップと、前記複数のユーザのうち、前記共有情報の表示を要求した表示要求ユーザにより指定された、当該表示要求ユーザの個別の表示設定に関する個別設定情報を取得する第2取得ステップと、前記個別設定情報に基づいて、前記表示要求ユーザの表示手段に前記共有情報を表示させる表示制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
本開示の一側面に係るプログラムは、複数のユーザで共有される共有情報を取得する第1取得手段、前記複数のユーザのうち、前記共有情報の表示を要求した表示要求ユーザにより指定された、当該表示要求ユーザの個別の表示設定に関する個別設定情報を取得する第2取得手段、前記個別設定情報に基づいて、前記表示要求ユーザの表示手段に前記共有情報を表示させる表示制御手段、としてコンピュータを機能させる。
【0009】
本開示の一側面によれば、前記共有情報は、表形式で表示され、前記個別設定情報は、前記表示要求ユーザにより指定された列幅及び行幅の少なくとも一方を示す、ことを特徴とする。
【0010】
本開示の一側面によれば、前記表示制御システムは、前記複数のユーザに共通する、前記共有情報の表示設定に関する共通設定情報を取得する第3取得手段を更に含み、前記個別設定情報は、前記共有情報のうち、前記表示要求ユーザにより指定された部分の表示設定に関する情報であり、前記表示制御手段は、前記個別設定情報に基づいて前記部分を表示させ、前記共通設定情報に基づいて他の部分を表示させる、ことを特徴とする。
【0011】
本開示の一側面によれば、前記個別設定情報は、前記共有情報のうちの前記部分を示す識別情報を含み、前記表示制御手段は、前記識別情報に基づいて前記部分を特定し、前記共有情報のうち、前記個別設定情報に前記識別情報が含まれていない部分を前記他の部分として特定する、ことを特徴とする。
【0012】
本開示の一側面によれば、前記表示制御システムは、前記表示要求ユーザの端末に、前記個別設定情報を記録する第1記録手段と、サーバに、前記共通設定情報を記録する第2記録手段と、を含み、前記第2取得手段は、前記端末に記録された前記個別設定情報を取得し、前記第3取得手段は、前記サーバに記録された前記共通設定情報を取得する、ことを特徴とする。
【0013】
本開示の一側面によれば、前記表示制御システムは、前記複数のユーザのうち、前記共通設定情報の設定が許可された管理ユーザの操作に基づいて、前記共通設定情報を設定する設定手段と、前記管理ユーザではない他のユーザの操作に基づく前記共通設定情報の設定を制限する制限手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
本開示の一側面によれば、前記表示要求ユーザにより利用される複数のブラウザの各々に、前記個別設定情報が関連付けられており、前記第2取得手段は、前記複数のブラウザのうち、前記表示要求ユーザにより選択されたブラウザに関連付けられた前記個別設定情報を取得し、前記表示制御手段は、前記表示要求ユーザにより選択されたブラウザに関連付けられた前記個別設定情報に基づいて、前記表示手段に前記共有情報を表示させる、ことを特徴とする。
【0015】
本開示の一側面によれば、前記複数のユーザは、複数の前記共有情報を共有し、前記複数の共有情報の各々に、前記個別設定情報が関連付けられており、前記第1取得手段は、前記複数の共有情報のうち、選択された選択共有情報を取得し、前記第2取得手段は、前記選択共有情報に関連付けられた前記個別設定情報を取得し、前記表示制御手段は、前記選択共有情報に関連付けられた前記個別設定情報に基づいて、前記表示手段に前記選択共有情報を表示させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、ユーザに応じた表示設定で共有情報を表示させることである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】表示制御システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】ユーザ端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図3】表示制御システムで実現される機能を示す機能ブロック図である。
【
図4】共有情報データベースのデータ格納例を示す図である。
【
図5】個別設定データのデータ格納例を示す図である。
【
図6】表示制御システムで実行される処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[1.表示制御システムの全体構成]
以降、本開示に係る表示制御システムを説明する。
図1は、表示制御システムの全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、表示制御システムSは、サーバ10と、ユーザ端末20と、を含む。サーバ10とユーザ端末20の各々は、インターネットなどのネットワークNに接続される。なお、
図1では、1台のユーザ端末20を示しているが、複数のユーザにそれぞれ対応する複数のユーザ端末20が存在する。1人のユーザが複数のユーザ端末20を利用してもよい。また、サーバ10も複数台存在してもよい。
【0019】
サーバ10は、サーバコンピュータである。サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、RAMやハードディスクを含み、各種プログラムやデータを記憶する。制御部11は、これらプログラムやデータに基づいて各種処理を実行する。通信部13は、ネットワークカードや各種通信コネクタ等の通信インタフェースを含み、他の装置との通信を行う。
【0020】
ユーザ端末20は、ユーザが操作するコンピュータである。例えば、ユーザ端末20は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォンである。ユーザ端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23の各々のハードウェア構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。操作部24は、マウスやキーボード等の入力デバイスである。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21の指示により各種画面を表示する。
【0021】
なお、サーバ10及びユーザ端末20の各々に記憶されるものとして説明するプログラム及びデータは、ネットワークを介して供給されてもよい。サーバ10及びユーザ端末20の各々のハードウェア構成は、上記の例に限られず、種々のハードウェアを適用可能である。例えば、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)や外部機器と直接的に接続するための入出力部(例えば、USB端子)が含まれてもよい。この場合、情報記憶媒体に記憶されたプログラムやデータが、読取部又は入出力部を介して供給されてもよい。
【0022】
[2.表示制御システムの概要]
表示制御システムSでは、複数のユーザで共有情報が共有される。共有情報は、複数のユーザに提供される情報である。複数のユーザの各々は、共有情報にアクセス可能であり、共有情報の閲覧及び更新の少なくとも一方が可能である。共有情報は、任意の内容を含み、例えば、テキスト、数値、表、図、画像、動画、音声、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。
【0023】
本実施形態では、複数のユーザが同じユーザグループに属し、ユーザグループ内で共有情報が共有される。ユーザグループは、ユーザの集団であり、例えば、会社の部署、チーム、又は友人グループである。ユーザグループに属する何れかのユーザは、共有情報を作成してサーバ10に登録する。ユーザグループに属する全てのユーザに共有情報の編集権限を持たせてもよいし、一部のユーザにだけ編集権限を持たせて、他のユーザには閲覧権限だけを持たせてもよい。
【0024】
ユーザは、少なくとも1つのユーザグループに属する。ユーザは、表示制御システムSにログインすると、自身が属するユーザグループの共有情報を、ユーザ端末20に表示させることができる。ユーザグループでは、少なくとも1つの共有情報が共有される。ユーザが表示させたい共有情報を選択すると、その共有情報を表示させるための表示画面がユーザ端末20に表示される。
【0025】
図2は、ユーザ端末20に表示される表示画面の一例を示す図である。本実施形態では、ブラウザ上で表示画面Gが表示される場合を説明するが、特にブラウザが利用されなくてもよい。ユーザ端末20には、少なくとも1つのブラウザがインストールされている。本実施形態では、ユーザ端末20に複数のブラウザがインストールされており、ユーザは、何れかのブラウザを選択して表示画面Gを表示させる。
【0026】
図2に示すように、共有情報Iは、表形式(テーブル形式)で表示画面Gに表示される。表は、少なくとも1つの行と列を含む。各列の1行目には、フィールド名が表示される。各行には、共有情報に含まれる個々のレコードの内容が表示される。共有情報Iが作成された時点では、デフォルトの列幅と行幅が設定される、デフォルトの列幅と行幅は、固定値であってもよいし、フィールド名に応じた長さが設定されてもよい。
【0027】
本実施形態では、ユーザグループに属する少なくとも1人のユーザが、管理ユーザとして設定されている。管理ユーザは、ユーザグループを管理する。例えば、管理ユーザは、ユーザグループに属するユーザの管理、ユーザグループで共有される共有情報の管理、及び共有情報の表示設定の管理を行う。本実施形態では、これらの管理のうち、共有情報の表示設定の管理について説明する。
【0028】
表示設定とは、共有情報の表示態様(表示のしかた)の設定である。表示設定は、表示のレイアウト又はデザインの設定ということもできる。例えば、表示設定は、表の列幅・行幅・フィールドの並び順、文字のフォント・色・サイズ、情報の配置、文字列の方向、余白、段組み、背景、又はこれらの2つ以上の組み合わせである。本実施形態では、表示設定の一例として表の列幅を説明する。このため、本実施形態で列幅を説明している箇所は、表示設定と読み替えることができる。
【0029】
例えば、管理ユーザは、操作部24を操作して、列幅を調整できる。列幅を調整するための操作は、任意の操作であってよい。例えば、操作部24がマウスである場合、管理ユーザは、列幅を調整したいセルの端部(列の区切り線)にカーソルを合わせる。管理ユーザは、マウスの左ボタンを押し下げて、その状態のまま左右にマウスを移動させて列幅を調整する。管理ユーザがマウスの左ボタンを離すと列幅が確定する。マウス以外の他の入力デバイスについても同様であり、任意の操作によって列幅を調整可能である。
【0030】
管理ユーザがメニューアイコンMを選択すると、共有情報Iの列幅を保存するためのメニューが表示される。管理ユーザがメニューの中から「列幅を保存する」の文言を選択すると、共有情報Iの列幅(表示中の表の列幅)がサーバ10に保存される。サーバ10に保存された列幅(管理ユーザが調整した列幅)は、ユーザグループにおける共通の表示設定となる。このため、管理ユーザが調整した列幅は、他のユーザについても適用される。
【0031】
この点、表示部25の画面サイズはユーザによって異なることもあり、他のユーザの中には、管理ユーザが調整した列幅とは異なる列幅で共有情報Iを表示させたいこともある。そこで、本実施形態では、管理ユーザではないユーザが個別に調整した列幅を、そのユーザ専用の表示設定にする。ユーザが個別に列幅を調整したフィールドは、その列幅で表示される。他のフィールドは、管理ユーザが調整した列幅で表示される。
【0032】
図2の例であれば、ユーザが、「企画部レコード番号」と「企画名」の列幅を自分で調整した場合、これら2つのフィールドは、ユーザが調整した列幅で表示されるこれらの列幅の調整は、管理ユーザによる調整の前に行われてもよいし、その後に行われてもよい。これら2つの列幅は、他のユーザについては適用されない。「管理番号」などの他のフィールドは、ユーザが列幅を調整していないので、管理ユーザが調整した列幅で表示される。このように、表示制御システムSでは、ユーザに応じた表示設定で共有情報が表示されるようになっている。以降、表示制御システムSの詳細について説明する。
【0033】
[3.表示制御システムで実現される機能]
図3は、表示制御システムSで実現される機能を示す機能ブロック図である。本実施形態では、サーバ10と、ユーザ端末20と、の各々で実現される機能について説明する。
【0034】
[3-1.サーバで実現される機能]
図3に示すように、サーバ10は、データ記憶部100、設定部101、第2記録部102、及び制限部103を含む。
【0035】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、記憶部12を主として実現される。データ記憶部100は、本実施形態で説明する処理をサーバ10が実行するために必要なデータを記憶する。本実施形態では、このデータの一例として、共有情報データベースについて説明する。
【0036】
図4は、共有情報データベースのデータ格納例を示す図である。
図4に示すように、共有情報データベースDBは、共有情報が格納されたデータベースである。例えば、共有情報データベースDBには、グループID、共有情報ID、管理ユーザID、共通設定情報、及び共有情報の実データが格納される。
【0037】
グループIDは、共有情報を共有するユーザグループを一意に識別するIDである。共有情報IDは、共有情報を一意に識別するIDである。管理ユーザIDは、管理ユーザのユーザIDである。本実施形態では、ユーザグループごとに管理ユーザが設定されている場合を説明するが、共有情報ごとに管理ユーザが設定されてもよい。ユーザIDは、ユーザを一意に識別するIDである。
【0038】
共通設定情報は、ユーザグループに属する複数のユーザに共通の表示設定に関する情報である。共通の表示設定とは、ユーザグループに属する一のユーザと他のユーザで同じ表示設定のことである。共通設定情報は複数のユーザに対応するので、共通設定情報とユーザとは、1対多の関係にある。本実施形態では、表示設定として列幅が指定されるので、共通設定情報には、共有情報に含まれる複数のフィールドの各々の名前と、その列幅と、が示される。即ち、共通設定情報には、共有情報のフィールドごとに列幅が示される。例えば、共通設定情報は、管理ユーザが編集可能である。管理権限のない他のユーザは、共通設定情報を編集できない。
【0039】
共有情報の実データは、共有情報の内容を示すデータである。共有情報の実データではなく、実データへのパスなどが共有情報データベースDBに格納されてもよい。本実施形態では、共有情報は、表形式で表示されるので、共有情報の実データには、各レコードの内容が示される。
【0040】
なお、データ記憶部100に記憶されるデータは、上記の例に限られない。データ記憶部100は、任意のデータを記憶してよい。例えば、データ記憶部100は、各ユーザに関する情報を格納したユーザデータベースを記憶してもよい。ユーザデータベースには、ユーザグループID、ユーザID、ユーザ名、及び認証情報などが格納される。後述する個別設定情報は、ユーザ端末20ではなく、サーバ10に記憶されてもよく、この場合には、ユーザデータベースに個別設定情報が格納されてもよい。
【0041】
[設定部]
設定部101は、制御部11を主として実現される。設定部101は、複数のユーザのうち、共通設定情報の設定が許可された管理ユーザの操作に基づいて、共通設定情報を設定する。本実施形態では、管理ユーザにより共通設定情報の内容が指定されるので、設定部101は、管理ユーザのユーザ端末20から、管理ユーザにより指定された内容を取得する。例えば、設定部101は、管理ユーザのユーザ端末20に表示された共有情報Iの各フィールドの名前とその列幅とを取得する。設定部101は、各フィールドの名前と、その列幅と、を関連付けた共通設定情報を生成する。
【0042】
[第2記録部]
第2記録部102は、制御部11を主として実現される。第2記録部102は、サーバ10に、共通設定情報を記録する。本実施形態では、データ記憶部100に記憶された共有情報データベースDBに共通設定情報が管理されているので、第2記録部102は、設定部101により設定された共通設定情報を、共有情報データベースDBに格納する。例えば、第2記録部102は、管理ユーザが共通設定情報の内容を指定した共有情報Iの共有情報IDに関連付けて、設定部101により設定された共通設定情報を格納する。
【0043】
[制限部]
制限部103は、制御部11を主として実現される。制限部103は、管理ユーザではない他のユーザの操作に基づく共通設定情報の設定を制限する。例えば、他のユーザは、管理ユーザと同じユーザグループに属するユーザのうち、管理ユーザ以外のユーザである。また例えば、他のユーザは、管理ユーザが属するユーザグループには属しないユーザである。
【0044】
共通設定情報の設定を制限するとは、他のユーザの操作に基づいて共通設定情報が設定されるのを禁止することである。例えば、制限部103は、共通設定情報を設定するための操作を他のユーザに許可せず、管理ユーザにのみ許可する。制限部103は、共通設定情報を設定するための画像(
図2の例であれば、メニューアイコンMのメニューにおける「列幅を保存する」の文言)を、他のユーザのユーザ端末20に表示させない。また例えば、共通設定情報を設定するための操作自体は他のユーザに許可されてもよいが、制限部103は、他のユーザがこの操作をしても、他のユーザの操作に基づく共通設定情報が共有情報データベースDBに格納されないように制限する。
【0045】
[3-2.ユーザ端末で実現される機能]
図3に示すように、ユーザ端末20では、データ記憶部200、第1記録部201、第1取得部202、第2取得部203、第3取得部204、及び表示制御部205が実現される。
【0046】
[データ記憶部]
データ記憶部200は、記憶部22を主として実現される。データ記憶部200は、本実施形態で説明する処理をユーザ端末20が実行するために必要なデータを記憶する。本実施形態では、このデータの一例として、個別設定データDTについて説明する。
【0047】
図5は、個別設定データDTのデータ格納例を示す図である。
図5に示すように、個別設定データDTには、共有情報IDと個別設定情報とが格納される。個別設定情報は、ユーザの個別の表示設定に関する情報である。ユーザの個別の表示設定は、他のユーザには適用されない表示設定である。別の言い方をすれば、ユーザの個別の表示設定は、そのユーザにだけ適用される表示設定である。
【0048】
例えば、個別設定情報は、ユーザにより指定された列幅及び行幅の少なくとも一方を示す。個別設定情報は1人のユーザに対応するので、個別設定情報とユーザとは、1対1の関係にある。本実施形態では、ユーザにより列幅が調整されるので、個別設定情報は、ユーザにより指定された列幅を示す。例えば、個別設定情報には、ユーザにより列幅が指定されたフィールドの名前と、その列幅と、が示される。個別設定情報には、ユーザにより列幅が指定されたフィールドごとに、その列幅が示される。個別設定情報には、ユーザにより列幅が指定されなかったフィールド(列幅を調整していないフィールド)の名前と列幅は格納されない。
【0049】
ユーザは、共有情報の全ての表示設定を指定することもできるが、本実施形態では、その一部だけを指定する場合を説明する。このため、個別設定情報は、共有情報のうち、表示要求ユーザにより指定された部分の表示設定に関する情報ということができる。個別設定情報は、共有情報のうちの当該部分を示す識別情報を含む。本実施形態では、識別情報の一例として、フィールドの名前を説明するが、識別情報は、列を一意に識別するIDなどの他の情報であってもよい。本実施形態のように、共有情報が表形式で表示されるのであれば、個別設定情報には、表示要求ユーザにより列幅が指定された一部のフィールドの名前と、その列幅と、が示される。
【0050】
例えば、
図5に示す個別設定データDTは、ブラウザのCookieを利用して保存されてもよいし、特にCookieが利用されなくてもよい。本実施形態では、ユーザにより利用される複数のブラウザの各々に、個別設定情報が関連付けられている。例えば、データ記憶部200は、ブラウザごとに、個別設定データDTを記憶する。このため、同じ共有情報だったとしても、ブラウザによって個別設定情報の内容が異なることがある。
【0051】
なお、本実施形態のように各ブラウザの個別設定データDTが別々に分かれている必要はなく、これらはデータとして一体化されていてもよい。また、
図5では、1つの共有情報の個別設定情報が示されているが、同じブラウザで複数の共有情報の各々の列幅が調整された場合、個別設定情報には、複数の共有情報の各々の共有情報IDと、個別設定情報と、が格納される。
【0052】
また、データ記憶部200に記憶されるデータは、上記の例に限られない。データ記憶部200は、任意のデータを記憶してよい。例えば、データ記憶部200は、ユーザが属するユーザグループの共有情報の共通設定情報を記憶してもよい。この場合、サーバ10とユーザ端末20との間で共通設定情報の整合が取られているものとする。
【0053】
[第1記録部]
第1記録部201は、制御部21を主として実現される。第1記録部201は、表示要求ユーザのユーザ端末20に、個別設定情報を記録する。表示対象ユーザは、共有情報の表示を要求したユーザである。別の言い方をすれば、表示対象ユーザは、各機能が実現されるユーザ端末20のユーザ、又は、共有情報が表示されるユーザ端末20のユーザということもできる。
【0054】
第1記録部201は、表示対象ユーザの操作に基づいて、個別設定情報を設定する。例えば、第1記録部201は、ユーザ端末20に表示された共有情報Iのうち、表示対象ユーザが列幅を指定したフィールドの名前と、その列幅と、を取得する。第1記録部201は、各フィールドの名前と、その列幅と、を関連付けた個別設定情報を生成する。第1記録部201は、列幅が調整された共有情報の共有情報IDと、生成された個別設定情報と、を個別設定データDTに関連付けてデータ記憶部200に記録する。
【0055】
[第1取得部]
第1取得部202は、制御部21を主として実現される。第1取得部202は、複数のユーザで共有される共有情報を取得する。本実施形態では、共有情報がデータ記憶部100に記憶されているので、第1取得部202は、データ記憶部100に記憶された共有情報を取得する。本実施形態では、複数のユーザは、複数の共有情報を共有しており、第1取得部202は、複数の共有情報のうち、選択された選択共有情報を取得する。
【0056】
選択共有情報は、表示対象ユーザに共有される複数の共有情報のうち、表示対象となる共有情報である。ここでの選択とは、指定又は設定と同じ意味である。選択は、ユーザにより行われてもよいし、プログラムの処理によって自動的に行われてもよい。選択共有情報は、任意の方法によって選択可能であり、例えば、表示対象ユーザにより選択されてもよい。また例えば、管理ユーザが選択した選択共有情報が、デフォルトで表示される共有情報となってもよい。また例えば、表示対象ユーザに対してメッセージを送信した他のユーザにより選択された共有情報が選択共有情報に相当してもよい。第1取得部202は、選択共有情報の共有情報IDを、サーバ10に送信する。サーバ10は、共有情報データベースDBを参照し、この共有情報IDに関連付けられた選択共有情報の実データを取得し、ユーザ端末20に送信する。第1取得部202は、実データが送信された選択共有情報を取得する。
【0057】
[第2取得部]
第2取得部203は、制御部21を主として実現される。第2取得部203は、複数のユーザのうち、表示要求ユーザにより指定された、当該表示要求ユーザの個別の表示設定に関する個別設定情報を取得する。ここでの指定は、調整又は設定ということもできる。表示要求ユーザは、個別設定情報の内容を指定する。
【0058】
本実施形態では、ユーザ端末20のデータ記憶部200に個別設定情報が記憶されているので、第2取得部203は、ユーザ端末20に記憶された個別設定情報を取得する。第2取得部203は、選択共有情報の共有情報IDを取得し、個別設定データDTにおいて、この共有情報IDに関連付けられた個別設定情報を取得する。
【0059】
本実施形態では、複数の共有情報の各々に、個別設定情報が関連付けられているので、第2取得部203は、選択共有情報に関連付けられた個別設定情報を取得する。第2取得部203は、操作部24の検出信号に基づいて、選択共有情報の共有情報IDを特定し、個別設定データDTのうち、この共有情報IDに関連付けられた個別設定情報を取得する。
【0060】
本実施形態では、複数のブラウザの各々に個別設定情報が関連付けられているので、第2取得部203は、複数のブラウザのうち、表示要求ユーザにより選択されたブラウザに関連付けられた個別設定情報を取得する。表示要求ユーザにより選択されたブラウザは、表示画面Gを表示させるブラウザである。第2取得部203は、起動中のブラウザに関連付けられた個別設定データDTに格納された個別設定情報を取得する。
【0061】
[第3取得部]
第3取得部204は、制御部21を主として実現される。第3取得部204は、複数のユーザに共通する、共有情報の表示設定に関する共通設定情報を取得する。本実施形態では、共通設定情報がサーバ10に記憶されているので、第3取得部204は、サーバ10に記憶された共通設定情報を取得する。第3取得部204は、選択共有情報の共有情報IDを、サーバ10に送信する。サーバ10は、共有情報データベースDBを参照し、この共有情報IDに関連付けられた共通設定情報を取得し、ユーザ端末20に送信する。第3取得部204は、当該送信された共通設定情報を取得する。
【0062】
[表示制御部]
表示制御部205は、制御部21を主として実現される。表示制御部205は、個別設定情報に基づいて、表示要求ユーザの表示部25に共有情報を表示させる。表示制御部205は、個別設定情報に基づいて、共有情報の表示設定を決定し、当該表示設定で共有情報を表示させる。本実施形態では、表示要求ユーザにより列幅が指定されたフィールドの名前と、その列幅と、が個別設定情報に示されているので、表示制御部205は、個別設定情報が示すフィールドの名前の列幅を、個別設定情報が示す列幅に決定する。
【0063】
表示要求ユーザが共有情報の全てについて列幅を指定した場合(全てのフィールドの列幅を調整した場合)、表示制御部205は、共有設定情報は利用せず、個別設定情報に基づいて共有情報を表示させる。表示要求ユーザが共有情報の一部分についてのみ列幅を指定した場合(一部のフィールドの列幅だけを調整した場合)、表示制御部205は、共有情報のうち、個別設定情報に基づいて当該部分を表示させ、共通設定情報に基づいて他の部分を表示させる。この部分は、表示要求ユーザにより自由に指定可能である。
【0064】
本実施形態では、個別設定情報に、上記部分を示す識別情報が含まれているので、表示制御部205は、識別情報に基づいて部分を特定し、共有情報のうち、個別設定情報に識別情報が含まれていない部分を他の部分として特定する。
図5のデータ格納例の場合、フィールドの名前が識別情報に相当するので、表示制御部205は、個別設定情報にフィールドの名前が格納されている列(「企画部レコード番号」と「企画名」の列)を、上記部分として特定する。表示制御部205は、個別設定情報にフィールドの名前が格納されていない列を、他の部分として特定する。表示制御部205は、共有情報又は共通設定情報を参照し、他の部分のフィールドの名前を特定する。表示制御部205は、共有情報又は共通設定情報に示されたフィールドの名前と、個別設定情報に示されたフィールドの名前と、の差分に基づいて、他の部分を特定する。
【0065】
本実施形態では、複数のブラウザの各々に個別設定情報が関連付けられているので、表示制御部205は、表示要求ユーザにより選択されたブラウザに関連付けられた個別設定情報に基づいて、表示部25に共有情報を表示させる。選択中のブラウザに関連付けられた個別設定情報が共有情報の表示に利用される。また、本実施形態では、複数の共有情報の各々に個別設定情報が関連付けられているので、表示制御部205は、選択共有情報に関連付けられた個別設定情報に基づいて、表示部25に選択共有情報を表示させる。選択された選択共有情報に関連付けられた個別設定情報が共有情報の表示に利用される。
【0066】
[4.表示制御システムで実行される処理]
次に、表示制御システムSで実行される処理について説明する。
図6は、表示制御システムSで実行される処理の一例を示すフロー図である。
図6に示す処理は、
図3に示す機能ブロックにより実行される処理の一例である。なお、
図6の処理が実行されるにあたり、ユーザはサーバ10にログイン済みであるものとする。
【0067】
図6に示すように、ユーザ端末20は、サーバ10に対し、ユーザが選択した共有情報の共有情報IDを送信する(S1)。例えば、表示可能な共有情報のリストが表示部25に表示され、ユーザはリストの中から任意の共有情報を選択する。各共有情報の共有情報IDは、リストを表示させるためのデータに含まれているものとする。なお、表示対象の共有情報は、リストではなく、他のユーザからのメッセージに含まれるリンク等から選択されてもよい。
【0068】
サーバ10は、ユーザ端末20から、ユーザが選択した共有情報の共有情報IDを受信する(S2)。サーバ10は、共有情報データベースDBを参照し、ユーザ端末20に対し、ユーザが選択した共有情報に関連付けられた共通設定情報と共有情報とを送信する(S3)。S3においては、サーバ10は、ユーザ端末20から受信した共有情報IDと同じレコードに格納された共通設定情報と共有情報を取得して送信する。
【0069】
ユーザ端末20は、サーバ10から共通設定情報と共有情報とを受信する(S4)。ユーザ端末20は、ユーザが選択したブラウザに関連付けられた個別設定情報を取得する(S5)。例えば、個別設定情報がブラウザのCookieに格納されている場合、ユーザ端末20は、表示中のブラウザのCookieに格納された個別設定情報を取得する。
【0070】
ユーザ端末20は、共通設定情報と個別設定情報とに基づいて、共有情報を表示画面Gに表示させる(S6)。S6においては、ユーザ端末20は、個別設定情報にフィールド名が含まれる列の列幅を、その列の列幅として決定する。ユーザ端末20は、共通設定情報に含まれる他の列の列幅を、他の列の列幅として決定する。ユーザ端末20は、これら決定した列幅の表を作成し、共有情報に含まれる各レコードの値をセルに設定する。
【0071】
ユーザ端末20は、操作部24の検出信号に基づいて、ユーザの操作を特定する(S7)。ここでは、共有情報Iの列幅を指定する操作、共通設定情報を保存する操作、又は、他の操作が行われる場合を説明する。共通設定情報を保存する操作は、管理ユーザしか入力できないものとする。他の操作は、セルの値を変更する操作又は表示画面Gを閉じる等の操作である。
【0072】
列幅を指定する操作が行われた場合(S7;列幅指定)、ユーザ端末20は、ユーザの操作に基づいて、共有情報Iの表における列幅を変更する(S8)。ユーザ端末20は、表示中の共有情報及び選択中のブラウザに関連付けて、個別設定情報を個別設定データDTに記録する(S9)。S9においては、ユーザ端末20は、ユーザが列幅を指定した列のフィールド名と、その列幅と、を関連付けて個別設定情報に記録する。このフィールド名が個別設定情報に格納されていなかった場合には、フィールド名と列幅の組み合わせが新たに個別設定情報に追加される。選択中のブラウザに個別設定データDT自体が存在しなかった場合には、個別設定データDTが新たに生成される。
【0073】
S7において、管理ユーザにより共通設定情報を保存する操作が行われた場合(S7;保存操作)、ユーザ端末20は、サーバ10に対し、共通設定情報の記録要求を送信する(S10)。記録要求は、所定形式のデータが送信されることにより行われる。記録要求には、表示中の共有情報Iの全てのフィールドの名前と、その列幅と、が含まれる。なお、管理ユーザではないユーザについては、メニューアイコンMに「列幅を保存する」の文言が含まれないので、S10~S12の処理は実行されないように制限される。
【0074】
サーバ10は、ユーザ端末20から、共通設定情報の記録要求を受信する(S11)。サーバ10は、記録要求に基づいて、共通設定情報を記録する(S12)。S12においては、サーバ10は、共有情報データベースDBのうち、表示中の共有情報の共有情報IDのレコードに格納された共有設定情報に、記録要求に含まれるフィールドの名前と列幅の組み合わせを格納する。共有設定情報自体が存在しなかった場合には、共有設定情報が新たに生成される。
【0075】
S7において、他の操作が行われた場合(S7;他の操作)、本処理は終了する。この場合、ユーザにより行われた他の操作に応じた処理が実行される。例えば、セルの値を変更する操作が行われた場合、ユーザ端末20は、当該操作に基づいてセルの値を変更する。また例えば、表示画面Gを閉じる操作が行われた場合、ユーザ端末20は、表示画面Gを表示させているブラウザ又はそのタブを閉じる。
【0076】
以上説明した表示制御システムSによれば、個別設定情報に基づいて、ユーザ端末20に共有情報を表示させることにより、ユーザに応じた表示設定で共有情報を表示させることができる。例えば、あるユーザが調整した表示設定が他のユーザにも反映されると、他のユーザにとって使いにくい画面になることがあるが、ユーザに応じた表示設定とすることで、各ユーザにとって使いやすい画面とすることができる。
【0077】
また、共有情報は表形式で表示され、個別設定情報がユーザにより指定された列幅を示すことにより、ユーザに応じた表示設定で表形式の共有情報を表示させることができる。
【0078】
また、共有情報のうち、個別設定情報に基づいてユーザが列幅を指定した部分が表示され、共通設定情報に基づいて他の部分が表示されることにより、ユーザが一部の列幅だけしか指定しなかったとしても、使いやすい画面で共有情報を表示させることができる。ユーザが全ての列幅を指定する必要がなく、自分が気になる一部の列幅だけを指定すればよいので、ユーザの利便性を高めることもできる。
【0079】
また、個別設定情報に含まれる識別情報に基づいて、ユーザが列幅を指定した部分が特定され、共有情報のうち、個別設定情報に識別情報が含まれていない部分が他の部分として特定されることにより、ユーザが指定した部分を正確に特定できる。
【0080】
また、ユーザ端末20に個別設定情報が記録され、サーバ10に共通設定情報が記録されており、個別設定情報と共通設定情報が分散して管理されていることにより、サーバ10のメモリ消費量を軽減できる。
【0081】
また、管理ユーザの操作に基づいて共通設定情報が設定され、他のユーザの操作に基づく共通設定情報の設定を制限することにより、管理権限のないユーザが勝手に共通設定情報を変更してしまうことを防止できる。このため、ユーザグループ内のユーザ全員にとって見やすい画面とすることができる。
【0082】
また、表示要求ユーザにより選択されたブラウザに関連付けられた個別設定情報に基づいて共有情報を表示させることにより、ブラウザに応じた列幅の共有情報を表示させることができる。このため、ブラウザの特徴に応じた画面とすることができ、より見やすい画面とすることができる。
【0083】
また、複数の共有情報の各々に、個別設定情報が関連付けられていることにより、表示対象となる共有情報に応じた見やすい画面とすることができる。
【0084】
[5.変形例]
なお、本開示は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0085】
例えば、実施形態では、表示要求ユーザが列幅を変更すると、すぐに個別設定情報に反映される場合を説明したが、共通設定情報と同様に、メニューアイコンMの「設定を保存する」といった文言が選択された場合に、列幅が個別設定情報に反映されてもよい。また例えば、共通設定情報は、メニューアイコンMの「設定を保存する」といった文言が選択されることなく、管理ユーザが列幅を変更すると、すぐに共通設定情報に反映されてもよい。
【0086】
また例えば、個別設定情報ユーザが複数のブラウザを利用する場合であったとしても、複数のブラウザに共通する1つの個別設定情報が利用されてもよい。また例えば、管理ユーザ以外のユーザが共通設定情報を指定できてもよい。また例えば、ユーザグループには、特に管理ユーザがいなくてもよい。また例えば、ユーザグループが特に設定されずに、不特定多数のユーザに共有情報が共有されてもよい。また例えば、管理ユーザについては、共有設定情報に基づいて表示画面Gが表示され、個別設定情報がなくてもよい。
【0087】
また例えば、列幅が調整される場合を説明したが、行幅が調整されてもよいし、列幅と行幅の両方が調整されてもよい。また例えば、共有情報は、表形式ではなく、任意の形式で表示可能である。共有情報がドキュメントデータ形式で表示される場合には、表示設定は、テキストのフォントやサイズなどであってよい。他の形式も同様に、共有情報の形式に応じた表示設定がなされるようにすればよい。
【0088】
また例えば、上記説明した各機能は、表示制御システムSにおける任意の装置で実現されるようにすればよい。例えば、サーバ10で実現されるものとして説明した機能がユーザ端末20によって実現されてもよい。また例えば、ユーザ端末20で実現されるものとして説明した機能がサーバ10によって実現されてもよい。また例えば、各機能が複数のコンピュータによって分担されるのではなく、1つのコンピュータによって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0089】
S 表示制御システム、10 サーバ、11,21 制御部、12,22 記憶部、13,23 通信部、20 ユーザ端末、24 操作部、25 表示部、G 表示画面、M
メニューアイコン、N ネットワーク、DB 共有情報データベース、DT 個別設定データ、100 データ記憶部、101 設定部、102 第2記録部、103 制限部、200 データ記憶部、201 第1記録部、202 第1取得部、203 第2取得部、204 第3取得部、205 表示制御部。