(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】補償回路及びチップ、方法、装置、記憶媒体、電子装置
(51)【国際特許分類】
H03F 1/32 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
H03F1/32
(21)【出願番号】P 2021565829
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2020111361
(87)【国際公開番号】W WO2021037054
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】201910817751.5
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 吉 軍
(72)【発明者】
【氏名】董 晶 晶
(72)【発明者】
【氏名】趙 国 良
(72)【発明者】
【氏名】陳 仲 軼
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-136636(JP,A)
【文献】国際公開第2010/119456(WO,A2)
【文献】特開平08-242130(JP,A)
【文献】特開2014-179886(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0005622(US,A1)
【文献】特開平11-103218(JP,A)
【文献】特開2004-274439(JP,A)
【文献】特表2002-526960(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0096813(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F1/00-H03F3/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補償回路であって、
前記補償回路は、
入力信号を受信するように配置される入力ノードと、出力信号を出力するように配置される出力ノードと
、前記入力ノードと前記出力ノードとの間に設置されるオペレーショナルトランスコンダクタンスアンプとを含むアナログモジュールと、
前記アナログモジュールによって生成された非線形成分を補償するように配置される直線性補償モジュールと、を含み、
前記直線性補償モジュールは、複数のトランスコンダクタンスユニットを含み、前記複数のトランスコンダクタンスユニット
は、第1配置信号を取得
するように配置され、
前記直線性補償モジュールは、前記第1配置信号に基づいて
、前記複数のトランスコンダクタンスユニットの
うち、補償処理を行うトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置し、配置結果であるトランスコンダクタンスユニットの組み合わせによって、入力される前記第1配置信号に対して、トランスコンダクタンス処理を行って補償信号を出力し、かつ前記補償信号を前記アナログモジュールの前記出力ノードに提供して前記出力信号を補償するようにさらに配置され、
前記第1配置信号は、前記入力信号と、前記出力信号と、前記アナログモジュールにおける前記入力ノードと前記出力ノードとの間の任意の位置のプロセス信号と、を含む回路。
【請求項2】
各前記トランスコンダクタンスユニットは、相互に並列に接続される複数のトランスコンダクタンスサブユニットを含み、
前記複数のトランスコンダクタンスユニット及び前記複数のトランスコンダクタンスサブユニットは、前記第1配置信号を取得
するように配置され、
前記直線性補償モジュールは、前記第1配置信号に基づいて、前記複数のトランスコンダクタンスユニット
のうち、補償処理を行うトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置した上で、補償処理を行うことに配置された各トランスコンダクタンスユニットに対して複数のトランスコンダクタンスサブユニットのうち、補償処理を行うトランスコンダクタンスサブユニットの対象及び数を配置して、前記出力ノードに前記補償信号を提供するように
さらに配置される請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記トランスコンダクタンスサブユニットは、トランスコンダクタンストランジスタと、バイアストランジスタとを含み、前記トランスコンダクタンストランジスタのゲートが前記第1配置信号を取得するように配置され、前記トランスコンダクタンストランジスタのドレインが前記バイアストランジスタのソースに信号を提供するように配置され、前記バイアストランジスタのゲートがバイアス信号を取得するように配置され、前記バイアストランジスタのドレインが前記補償信号を提供するように配置され、
前記トランスコンダクタンストランジスタ及び前記バイアストランジスタはいずれもPMOSトランジスタを使用し、又は、前記トランスコンダクタンストランジスタ及び前記バイアストランジスタはいずれもN
MOSトランジスタを使用する請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記トランスコンダクタンスサブユニットは、入力端子と、出力端子と、前記入力端子と前記出力端子との間に設置されるカレントミラーとを含み、前記出力端子は前記補償信号を提供するように配置され、
前記入力端子は、PMOSトランジスタと、NMOSトランジスタとを含み、前記PMOSトランジスタのソースは前記NMOSトランジスタのソースに接続され、前記PMOSトランジスタのソース及び前記NMOSトランジスタのソースは前記第1配置信号を取得するように配置され、前記PMOSトランジスタのゲートは第1バイアス信号を取得するように配置され、前記NMOSトランジスタのゲートは第2バイアス信号を取得するように配置され、前記PMOSトランジスタのドレイン及び前記NMOSトランジスタのドレインはカレントミラーに信号を提供するように配置される請求項2に記載の回路。
【請求項5】
各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのPMOSトランジスタを使用する
トランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、又は、各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのNMOSトランジスタを使用
するトランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つある請求項3に記載の回路。
【請求項6】
各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのPMOSトランジスタを使用する
トランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、又は、各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのNMOSトランジスタを使用する
トランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、又は、各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのPMOSトランジスタを使用
するトランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、異なるサイズのNMOSトランジスタを使用する
トランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つある請求項4に記載の回路。
【請求項7】
前記第1配置信号が前記入力信号である場合、前記複数のトランスコンダクタンスユニットは、各前記トランスコンダクタンスユニットが1つの前記入力ノードの入力信号を取得するという方式で第1配置信号を取得するように配置される請求項
1に記載の回路。
【請求項8】
補償方法であって、アナログモジュールに補償信号を提供することに用いられ、前記アナログモジュールは、
入力信号を受信するように配置される入力ノードと、
出力信号を出力するように配置される出力ノードと
、前記入力ノードと前記出力ノードとの間に設置されるオペレーショナルトランスコンダクタンスアンプとを含み、
前記
補償方法は、
第1配置信号を取得
することと、
前記第1配置信号に基づいて
、複数のトランスコンダクタンスユニット
のうち、補償処理を行うトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置し、配置結果であるトランスコンダクタンスユニットの組み合わせによって、入力される前記第1配置信号に対して、トランスコンダクタンス処理を行って前記補償信号を出力し、かつ前記補償信号を前記アナログモジュールの前記出力ノードに提供して前記出力信号を補償することと、を含み、
前記第1配置信号は、前記入力信号と、前記出力信号と、前記アナログモジュールにおける前記入力ノードと前記出力ノードとの間の任意の位置のプロセス信号と、を含む方法。
【請求項9】
補償回路であって、
前記補償回路は、
入力信号を受信するように配置される入力ノードと、出力信号を出力するように配置される出力ノードと
、前記入力ノードと前記出力ノードとの間に設置されるオペレーショナルトランスコンダクタンスアンプとを含むアナログモジュールと、
前記アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ前記動作情報に基づいて第2配置信号を提供するように配置される検出モジュールと、
前記アナログモジュールによって生成された非線形成分を補償するように配置される直線性補償モジュールと、を含み、
前記直線性補償モジュールは、複数のトランスコンダクタンスユニットを含み、前記複数のトランスコンダクタンスユニットは、第1配置信号及び前記第2配置信号を取得
するように配置され、
前記直線性補償モジュールは、前記第1配置信号及び前記第2配置信号のうちの少なくとも1つに基づいて
、前記複数のトランスコンダクタンスユニットのうち、補償処理を行うトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置し、配置結果であるトランスコンダクタンスユニットの組み合わせによって、入力される前記第1配置信号及び前記第2配置信号のうちの少なくとも1つに対して、トランスコンダクタンス処理を行って補償信号を出力し、かつ前記補償信号を前記アナログモジュールの前記出力ノードに提供して前記出力信号を補償するようにさらに配置され、
前記第1配置信号は、前記入力信号と、前記出力信号と、前記アナログモジュールにおける前記入力ノードと前記出力ノードとの間の任意の位置のプロセス信号と、を含む回路。
【請求項10】
前記動作情報は、プロセス情報、電圧情報、温度情報、及び周波数情報の少なくとも1つを含み、前記第2配置信号は、プロセス配置信号、電圧配置信号、温度配置信号、周波数配置信号の少なくとも1つを含む請求項
9に記載の回路。
【請求項11】
前記直線性補償モジュールは、
第m周期で目標配置信号を取得し、かつ前記目標配置信号に基づいて第m補償信号を提供し、前記目標配置信号が前記第1配置信号及び前記第2配置信号のうちの少なくとも1つを含み、mが非負整数であり、
第m+1周期で前記第1配置信号及び前記第2配置信号を取得し、かつ前記第1配置信号及び前記第2配置信号に基づいて第m+1補償信号を提供し、
前記第m+1補償信号と前記第m補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、前記出力ノードに前記第m補償信号を提供するように配置される請求項
9に記載の回路。
【請求項12】
前記検出モジュールは、さらに、
第n周期で前記アナログモジュールの前記動作情報の変化を検出した場合、変化した後の前記動作情報に基づいて前記直線性補償モジュールに前記第2配置信号を再提供し、nが非負整数であるように配置され、
前記直線性補償モジュールは、さらに、
第n周期で前記第1配置信号及び前記第2配置信号を取得し、かつ前記第1配置信号及び前記第2配置信号に基づいて第n補償信号を提供し、
第n+1周期で前記第1配置信号及び前記第2配置信号を取得し、かつ前記第1配置信号及び前記第2配置信号に基づいて第n+1補償信号を提供し、
前記第n+1補償信号と前記第n補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、前記出力ノードに前記第n補償信号を提供するように配置される請求項
11に記載の回路。
【請求項13】
各前記トランスコンダクタンスユニットは、相互に並列に接続される複数のトランスコンダクタンスサブユニットを含み、
前記複数のトランスコンダクタンスユニット及び前記複数のトランスコンダクタンスサブユニットは、前記第1配置信号及び前記第2配置信号を取得
するように配置され、
前記直線性補償モジュールは、前記第1配置信号及び前記第2配置信号の少なくとも1つに基づいて
、前記複数のトランスコンダクタンスユニットのうち、補償処理を行うトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置した上で、補償処理を行うことに配置された各トランスコンダクタンスユニットに対して前記複数のトランスコンダクタンスサブユニットのうち、補償処理を行うトランスコンダクタンスサブユニットの対象及び数を配置して、前記出力ノードに前記補償信号を提供するようにさらに配置される請求項
10に記載の回路。
【請求項14】
前記トランスコンダクタンスサブユニットは、トランスコンダクタンストランジスタと、バイアストランジスタとを含み、
前記トランスコンダクタンストランジスタのゲートが前記第1配置信号及び前記第2配置信号のうちの少なくとも1つを取得するように配置され、
前記トランスコンダクタンストランジスタのドレインが前記バイアストランジスタのソースに信号を提供するように配置され、前記バイアストランジスタのゲートがバイアス信号を取得するように配置され、前記バイアストランジスタのドレインが前記補償信号を提供するように配置され、
前記トランスコンダクタンストランジスタ及び前記バイアストランジスタはいずれもPMOSトランジスタを使用し、又は、前記トランスコンダクタンストランジスタ及び前記バイアストランジスタはいずれもN
MOSトランジスタを使用する請求項
13に記載の回路。
【請求項15】
前記トランスコンダクタンスサブユニットは、入力端子と、出力端子と、前記入力端子と前記出力端子との間に設置されるカレントミラーとを含み、前記出力端子は前記補償信号を提供するように配置され、
前記入力端子は、PMOSトランジスタと、NMOSトランジスタとを含み、前記PMOSトランジスタのソースは前記NMOSトランジスタのソースに接続され、前記PMOSトランジスタのソース及び前記NMOSトランジスタのソースは前記第1配置信号及び前記第2配置信号のうちの少なくとも1つを取得するように配置され、前記PMOSトランジスタのゲートは第1バイアス信号を取得するように配置され、前記NMOSトランジスタのゲートは第2バイアス信号を取得するように配置され、前記PMOSトランジスタのドレイン及び前記NMOSトランジスタのドレインはカレントミラーに信号を提供するように配置される請求項
13に記載の回路。
【請求項16】
各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのPMOSトランジスタを使用する
トランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、又は、各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのNMOSトランジスタを使用する
トランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つある請求項
14に記載の回路。
【請求項17】
各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのPMOSトランジスタを使用する
トランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、又は、各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのNMOSトランジスタを使用する
トランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、又は、各前記トランスコンダクタンスユニットにおける前記複数のトランスコンダクタンスサブユニット
には
、異なるサイズのPMOSトランジスタを使用
するトランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、異なるサイズのNMOSトランジスタを使用
するトランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つある請求項
15に記載の回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年8月30日に中国特許庁に提出された出願番号201910817751.5の中国特許出願の優先権を主張しており、該出願の全内容は引用によって本願に組み込まれる。
[技術分野]
本願は、電子分野に関し、例えば、補償回路及びチップ、方法、装置、記憶媒体、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの進化に伴い、アナログチャネルの信号帯域幅は顕著に増加し、ブロードバンドアナログ信号処理回路、例えばアナログアクティブ抵抗-コンデンサ(Resistor-Capacitance、RC)フィルター、トランスインピーダンスアンプ及びDelta-Sigma変調器等の設計は厳しい問題に直面している。無線通信システムにおける重要な指標として、直線性はブロードバンドアナログ信号処理回路の全体的な性能を直接決定する。オペレーショナルトランスコンダクタンスアンプ(operational transconductance amplifier、OTA)の回路設計を例として、非線形を抑制するために、アナログ回路におけるOTAが非常に広い周波数範囲内に十分な開ループゲインを維持する必要がある。しかしながら、高度相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor、CMOS)プロセスを用いるアナログ集積回路において、高ゲイン、大帯域幅のOTA設計は、通常に追加の消費電力及びチップ面積のオーバーヘッドに依存し、無線通信システムにおけるアナログ信号処理回路の応用を深刻に制限する。OTAの設計難度及びコストを低減するために、適切な直線性補償方式を用いてOTAの直線性を補償する必要があり、さらにアナログ回路の直線性性能を向上させる。しかしながら、関連技術では、直線性補償プロセスに非直線性源及び影響要素の考慮が不完全であるため、非線形要素の一部のみを補償することができ、さらに実際の直線性補償効果のずれが大きく、信頼性及び実用性が悪いことをもたらす。
【0003】
上記関連技術では、直線性補償プロセスに非直線性源及び影響要素に対する考慮が不完全であることにより直線性補償ずれが大きくなるという問題に対して、関連技術では効果的な技術案を提供していない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施例は、補償回路及びチップ、方法、装置、記憶媒体、電子装置を提供し、関連技術では、直線性補償プロセスに非直線性源及び影響要素に対する考慮が不完全であることにより直線性補償ずれが大きくなるという問題を少なくとも解決する。
【0005】
本願の一実施例によれば、
入力信号を受信するように配置される入力ノードと、出力信号を出力するように配置される出力ノードとを含むアナログモジュールと、
複数のトランスコンダクタンスユニットを含み、前記複数のトランスコンダクタンスユニットが、第1配置信号を取得し、かつ前記第1配置信号に基づいて前記複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、前記出力ノードに補償信号を提供するように配置され、前記第1配置信号が前記アナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられる直線性補償モジュールと、を含む補償回路。
【0006】
本願の別の実施例によれば、上記実施例における補償回路を含む補償チップがさらに提供される。
【0007】
本願の別の実施例によれば、アナログモジュールに補償信号を提供するための補償方法が提供され、前記アナログモジュールは入力ノードと、出力ノードとを含み、前記方法は、
第1配置信号を取得し、かつ前記第1配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、前記出力ノードに補償信号を提供し、前記第1配置信号が前記アナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられる、ことを含む。
【0008】
本願の別の実施例によれば、
入力信号を受信するように配置される入力ノードと、出力信号を出力するように配置される出力ノードとを含むアナログモジュールと、
前記アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ前記動作情報に基づいて第2配置信号を提供するように配置される検出モジュールと、
第1配置信号及び前記第2配置信号を取得し、かつ前記第1配置信号及び/又は前記第2配置信号に基づいて前記出力ノードに補償信号を提供し、前記第1配置信号が前記アナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられるように配置される直線性補償モジュールと、を含む補償回路がさらに提供される。
【0009】
本願の別の実施例によれば、上記実施例における補償回路を含む補償チップがさらに提供される。
【0010】
本願の別の実施例によれば、アナログモジュールに補償信号を提供するための補償方法がさらに提供され、前記アナログモジュールは入力ノードと、出力ノードとを含み、前記方法は、
前記アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ前記動作情報に基づいて第2配置信号を提供することと、
第1配置信号及び前記第2配置信号を取得し、かつ前記第1配置信号及び/又は前記第2配置信号に基づいて前記出力ノードに補償信号を提供し、前記第1配置信号が前記アナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられることと、を含む。
【0011】
本願の別の実施例によれば、アナログモジュールに補償信号を提供するように配置される補償装置がさらに提供され、前記アナログモジュールは入力ノードと、出力ノードとを含み、前記装置は、
第1配置信号を取得し、かつ前記第1配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、前記出力ノードに補償信号を提供し、前記第1配置信号が前記アナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられるように配置される補償モジュールを含む。
【0012】
本願の別の実施例によれば、アナログモジュールに補償信号を提供するように配置される補償装置がさらに提供され、前記アナログモジュールは入力ノードと、出力ノードとを含み、前記装置は、
前記アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ前記動作情報に基づいて第2配置信号を提供するように配置される提供モジュールと、
第1配置信号及び前記第2配置信号を取得し、かつ前記第1配置信号及び/又は前記第2配置信号に基づいて前記出力ノードに補償信号を提供し、前記第1配置信号が前記アナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられるように配置される補償モジュール、を含む。
【0013】
本願のさらに別の実施例によれば、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが実行するときに、上記いずれか1項の方法実施例のステップを実行するように設置される記憶媒体がさらに提供される。
【0014】
本願のさらに別の実施例によれば、メモリ及びプロセッサを含み、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行して上記いずれか1項の方法実施例のステップを実行するように設置される電子装置がさらに提供される。
【0015】
ここで説明する図面は本願の更なる理解のために提供し、本願の一部として構成しており、本願の例示的な実施例及びその説明は本願を説明するために用いられ、本願を不当に制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願の実施例に係る補償回路の機能模式図(1)である。
【
図2】本願の実施例に係るアナログモジュールの回路模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る直線性補償モジュールの回路模式図(1)である。
【
図4】本願の実施例に係る直線性補償モジュールの回路模式図(2)である。
【
図5】本願の実施例に係るカスコード型トランスコンダクタンスサブユニットの内部構造図(1)である。
【
図6】本願の実施例に係るカスコード型トランスコンダクタンスサブユニットの内部構造図(2)である。
【
図7】本願の実施例に係る共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットの内部構造図である。
【
図8】本願の実施例に係る補償方法のフローチャート(1)である。
【
図9】本願の実施例に係る補償回路の機能模式図(2)である。
【
図10】本願の実施例に係る直線性補償モジュールの回路模式図(3)である。
【
図11】本願の実施例に係る直線性補償モジュールの回路模式図(4)である。
【
図12】本願の実施例に係る補償方法のフローチャート(2)である。
【
図13】本願の実施例に係る補償装置の構造ブロック図(1)である。
【
図14】本願の実施例に係る補償装置の構造ブロック図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら実施例を組み合わせて本願を説明する。
なお、本出願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」のような用語等は類似する対象を区別するために使用されているものであり、必ずしも特定の順次又はシーケンスを示すわけではない。
【0018】
実施例1
本実施例は補償回路を提供し、
図1は、本願の実施例に係る補償回路の機能模式図(1)であり、
図1に示すように、前記補償回路は、
入力信号を受信するように配置される入力ノード1022と、出力信号を出力するように配置される出力ノード1024とを含むアナログモジュール102と、
第1配置信号を取得し、かつ第1配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニット1042の組み合わせを配置して、出力ノード1024に補償信号を提供し、第1配置信号がアナログモジュール102における任意の位置の信号を指示することに用いられるように配置される複数のトランスコンダクタンスユニット1042(
図3を参照)を含む直線性補償モジュール104と、を含む。
【0019】
アナログモジュール102では、入力ノード1022及び出力ノード1024は、通常に複数であり、
図1に示すように、アナログモジュール102には、それぞれ対応する入力信号X
1~X
nを受信するように配置される複数の入力ノード1022と、それぞれ対応する出力信号Y
1~Y
mを出力するように配置される複数の出力ノード1024とが配置され、直線性補償モジュール104によって取得された第1配置信号は、アナログモジュール102における任意の位置の信号である。
図1に示すように、上記第1配置信号は、アナログモジュール102の入力信号X
1~X
n、又は出力信号Y
1~Y
m、又は入力ノードと出力ノードとの間のプロセス信号Z
1~Z
n、あるいは上記入力信号X
1~X
n、出力信号Y
1~Y
m、及びプロセス信号Z
1~Z
nの間の組み合わせを指示することができ、本願はこれについて限定しない。
【0020】
上記アナログモジュールの設計目的又は役割により、入力ノードと出力ノードとの間に異なる電子デバイス、例えば、アクティブRCフィルター、トランスインピーダンスアンプ及びOTA等を配置又は接続してもよく、それにより異なるブロードバンドアナログ信号処理回路を形成する。本実施例はOTAに基づくブロードバンドアナログ信号処理回路を例として、すなわち、アナログモジュールでは入力ノードと出力ノードとの間にOTAを設置すると、入力ノードはOTAに入力信号を提供し、出力ノードはOTAの出力信号を出力する。
【0021】
図2は、本願の実施例に係るアナログモジュールの回路模式図であり、
図2に示すように、アナログモジュール102は複数の入力ノードを含み、複数の入力ノード1022によって対応して提供された入力信号はそれぞれ電圧信号V
i1、V
i2…V
inであり、上記複数の入力信号はそれぞれ該入力ノードの対応するブランチにおける負荷G
11、G
12…G
1nを経由してOTA1026(すなわち
図2に示されるG
OTA)の入力端子に接続され、かつOTAが電圧信号から電流信号への変換を完了した後、OTAの出力端子を介して出力信号V
oを出力し、OTAの出力端子はアナログモジュールの出力ノード1024を構成し、OTAの出力信号は出力ノード1024によって対応して出力された出力信号である。同時に、アナログモジュール102では、OTAの入力端子と出力端子との間にわたって負荷G
2が接続され、OTAの出力端子と信号グランドとの間に出力負荷G
3がさらに接続される。本実施例におけるOTAは、本分野の一般的なOTAデバイスであり、当業者であれば、本分野の技術常識に基づいてOTAの内部回路構造及び信号に対する処理方式を知ることができ、そのため、本願ではこれについて詳細な説明は省略する。
【0022】
本実施例における直線性補償モジュール104によって取得された第1配置信号は、アナログモジュール102における任意の位置の信号であり、
図1では、上記第1配置信号は、アナログモジュール102の入力信号X
1~X
n、複数の出力ノード1024によってそれぞれ出力された対応する出力信号Y
1~Y
m、及び入力ノードと出力ノードとの間のプロセス信号Z
1~Z
n、あるいは上記入力信号X
1~X
n、出力信号Y
1~Y
m、プロセス信号Z
1~Z
nの間の組み合わせを指示することができ、本願はこれについて限定しない。また、
図2に示される、OTAに基づくブロードバンドアナログ信号処理回路を例として説明し、第1配置信号は
図2に示されるアナログモジュール102における任意の位置の信号を指示することに用いられ、すなわち、該第1配置信号は、入力信号V
i1、V
i2…V
inであってもよく、出力信号V
oであってもよく、また、入力ノードと出力ノードとの間の任意の位置のプロセス信号、例えば負荷G
11、G
12…G
1nの位置に対応する信号であってもよく、上記入力信号、出力信号及びプロセス信号の間の組み合わせであってもよい。
【0023】
図3は、本願の実施例に係る直線性補償モジュールの回路模式図(1)であり、
図3に示すように、直線性補償モジュール104は複数のトランスコンダクタンスユニット1042を含み、それぞれG
c1、G
c2…G
cn、G
coに対応し、直線性補償モジュールは、第1配置信号に応じて、複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置し、すなわち、直線性補償モジュールにおける、補償処理を行うトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置し、異なるトランスコンダクタンスユニットの組み合わせによって入力される第1配置信号に対してトランスコンダクタンス処理を行って補償信号を出力し、かつ該補償信号をアナログモジュールの出力ノードに提供して出力信号を補償し、例えば、
図3に示される直線性補償モジュールでは、アナログモジュールにおける入力ノードの入力信号のみを第1配置信号とする場合、複数のトランスコンダクタンスユニットにおけるG
c1、G
c2…G
cnのみが信号に対するトランスコンダクタンス処理に参加する組み合わせを形成するように対応して配置され、アナログモジュールにおける出力ノードの出力信号のみを第1配置信号とする場合、複数のトランスコンダクタンスユニットにおけるG
coのみが信号に対するトランスコンダクタンス処理に参加するように対応して配置される。本実施例における直線性補償モジュールは、第1配置信号を入力ノードの入力信号と出力ノードの出力信号の組み合わせを例として、複数のトランスコンダクタンスユニットでは、G
c1、G
c2…G
cnはそれぞれ入力ノードにアクセスされる入力信号V
i1、V
i2…V
inに対応し、G
coは出力ノードにアクセスされる出力信号V
oに対応する。
【0024】
直線性補償モジュールでは、複数のトランスコンダクタンスユニット同士に同じサイズのデバイスを使用してもよく、異なるサイズのデバイスを使用してもよく、複数のトランスコンダクタンスユニット同士に同じサイズのデバイスを使用できる場合、すなわち、トランスコンダクタンスユニットの数を配置して対応する組み合わせを形成することで第1配置信号に対するトランスコンダクタンス処理を実現することができ、複数のトランスコンダクタンスユニット同士に異なるサイズのデバイスを使用する場合、トランスコンダクタンスユニットのデバイスのサイズが異なるため、トランスコンダクタンスユニットのトランスコンダクタンス値が異なり、そのため、この場合で、トランスコンダクタンスユニットの数を配置することを基礎として、第1配置信号における異なるブランチの信号に対して、対応するデバイスサイズのトランスコンダクタンスユニットの対象を配置して対応する組み合わせを形成することができる。直線性補償モジュールによる第1配置信号の配置の適合性をさらに向上させるために、本実施例における直線性補償モジュールは、異なるサイズのデバイスを使用するトランスコンダクタンスユニットで直線性補償モジュールを構成し、すなわち、
図3に示される直線性補償モジュールでは、異なるトランスコンダクタンスユニットG
c1、G
c2…G
cn、G
co同士に異なるサイズのデバイスを使用し、すなわち、トランスコンダクタンスユニットG
c1、G
c2…G
cn、G
coのうち、異なるサイズのデバイスを使用するトランスコンダクタンスユニットが少なくとも2つあり、複数のトランスコンダクタンスユニット同士のデバイスのサイズが互いに異なってもよく、複数のトランスコンダクタンスユニット同士のデバイスのサイズの一部が異なってもよく、本願はこれについて限定しない。
【0025】
上記直線性補償モジュールに異なるトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置するプロセスを説明するために、以下、トランスコンダクタンスユニットを補償する方式及びトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置する方式を説明する。
【0026】
本実施例の補償回路では、アナログモジュールにおける出力ノードの出力信号V
oに線形成分及び非線形成分が存在し、直線性補償モジュールを使用して出力信号に補償信号を提供するプロセスは、上記非線形成分を補償するプロセスである。通常に、上記非線形成分とOTAの入力端子の入力信号V
xの振幅とは負相関関係であり、従って、OTAの入力端子の入力信号V
xに基づいて非線形成分を補償する必要がある補償信号を取得する。
図3に示される直線性補償モジュールの回路模式図では、OTAの入力端子の入力信号V
xとアナログモジュールの入力信号及び出力信号とは以下の関係があり、
【0027】
【0028】
上記icは直線性補償モジュールによって提供された補償信号であり、nは入力ノードの数であり、G1jは負荷G1jであり、G2及びG3はそれぞれ負荷G2及びG3であり、Vijは入力信号Vijであり、Voは出力信号Voであり、GOTAはOTAのトランスコンダクタンスである。本実施例では、電流を補償するために、icはさらに下式を満たし、
【0029】
【0030】
上記式2は、直線性補償モジュールが直線性補償を行う根拠として使用でき、すなわち、直線性補償モジュールにおけるトランスコンダクタンスユニットGc1、Gc2、…、Gcnの間の組み合わせによって入力部分の補償電流G1jVijを提供して入力信号のうちのVi1、Vi2、…、Vinに対応する非線形成分を補償し、同時に、トランスコンダクタンスユニットGcoによって出力部分の補償電流G3Voを提供して出力信号Voに対応する非線形成分を補償する。これによって、直線性補償モジュールの設置によってアナログモジュールにおける入力信号及び出力信号における非線形成分を補償することができる。
【0031】
上記方式に基づいて補償電流を決定した後、本実施例では以下の方式によってトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを決定して配置することができる。
【0032】
列挙法:直線性補償モジュールにおける複数のトランスコンダクタンスユニットの可能な組み合わせを順に配列し、第1配置信号、すなわちアナログモジュールの入力信号及び出力信号を上記各々のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせに代入して、すべての組み合わせをトラバーサルし、異なるトランスコンダクタンスユニットの組み合わせで出力される補償信号を順に試み、それにより、直線性補償効果が最も優れた対応するトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを取得して直線性補償モジュールにおける複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせの実際の配置とする。
【0033】
検索法:アナログモジュールに対応する異なる配置信号を予めテストし、各種の配置信号に対応する必要がある補償信号を取得し、かつこれに基づいて該補償信号に対応するトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを確認し、実際のアナログ回路の補償処理では、直線性補償モジュールが第1配置信号を取得すると、上記配置信号とトランスコンダクタンスユニットの組み合わせとの間の対応関係に基づいて現在の配置信号に対応するトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを決定し、これに基づいて配置することができる。
【0034】
以上の2種の方式は、本実施例では直線性補償モジュールに複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置することを実現するプロセスにおける選択可能な配置方式のみとして使用され、本実施例における補償電流の対応関係に基づいてトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置する如何なる方式は、いずれも本願の保護範囲に属し、本願はこれについて限定しない。
【0035】
本実施例における補償回路によれば、補償回路における直線性補償モジュールは、取得された第1配置信号に基づいて前記複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、アナログモジュールにおける出力ノードに補償信号を提供することができ、前記第1配置信号が前記アナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられ、従って、上記補償回路は、関連技術では、直線性補償プロセスに直線性源に対する考慮が不完全であることにより、直線性補償ずれが大きくなるという問題を解決することができ、それにより直線性信頼性を向上させる効果を実現する。
【0036】
本実施例では、一方、上記補償回路における直線性補償モジュールは、アナログモジュールの入力信号及び出力信号を吸収し、かつこれに基づいてアナログ回路におけるOTAの出力信号に補償電流を提供して補償することができ、それにより、OTA入力端子の振幅を減少させかつ出力端子の出力信号の直線性を高め、そのため、アナログ回路はOTAの設計プロセスでOTAのゲイン及び帯域幅を厳密に考慮する必要がなく、従って、OTA設計の性能要件及びコストを間接的に低減させ、他方、本実施例における直線性補償モジュールは、特定のトランスコンダクタンス値に制限されず、アナログ回路における配置信号に応じて対応するトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置することができ、従って、上記直線性補償モジュールは、異なる帯域幅モード、異なる周波数成分でのアナログモジュールに適用でき、そのため、上記異なる帯域幅モード及び周波数成分でのアナログモジュールに対応する直線性補償の信頼性を顕著に向上させることができるとともに、直線性補償モジュールに配置可能性又は適応可能性を持たせることができる。
【0037】
代替の実施形態では、直線性補償モジュール104における各々のトランスコンダクタンスユニット1042は、いずれも相互に並列接続される複数のトランスコンダクタンスサブユニット10422を含み、複数のトランスコンダクタンスユニット1042及び複数のトランスコンダクタンスサブユニット10422は、第1配置信号を取得し、かつ第1配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニット1042の組み合わせ及びトランスコンダクタンスユニット1042における複数のトランスコンダクタンスサブユニット10422の組み合わせを配置して、出力ノード1024に補償信号を提供するように配置される。
【0038】
図4は、本願の実施例に係る直線性補償モジュールの回路模式図(2)であり、
図4に示すように、各々のトランスコンダクタンスユニット1042はいずれも複数のトランスコンダクタンスサブユニット10422で並列接続して構成され、トランスコンダクタンスユニットG
c1を例として、該トランスコンダクタンスユニットG
c1は複数の相互に並列接続されるトランスコンダクタンスサブユニットG
c1、1、G
c1、2、…、G
c1、m1を含み、上記直線性補償モジュールでは第1配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせ及びトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせを配置し、すなわち、直線性補償モジュールの配置に2つの配置次元が存在することを指示し、第1次元はトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置することを指示し、第2次元は、第1次元においてトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置することを基礎として、トランスコンダクタンスユニットの内部のトランスコンダクタンスサブユニットの対象及び数を配置することを指示し、上記した、異なる対象及び数のトランスコンダクタンスユニット及び各々のトランスコンダクタンスユニットにおける異なる対象及び数のトランスコンダクタンスサブユニットが信号に対するトランスコンダクタンス処理に参加するように配置されると、信号に対する異なるトランスコンダクタンス処理結果を形成することができる。
【0039】
各々のトランスコンダクタンスユニットにとって、トランスコンダクタンスユニットの内部の複数のトランスコンダクタンスサブユニットの間が並列接続されるため、同じトランスコンダクタンスユニットに異なる対象及び数のトランスコンダクタンスサブユニットを配置することができ、それにより、該トランスコンダクタンスユニットのトランスコンダクタンス値の調整を実現する。従って、上記実施例では異なるトランスコンダクタンスユニット同士に異なるサイズのデバイスを使用する状況は、各々のトランスコンダクタンスユニットの内部のトランスコンダクタンスサブユニットの対象及び数の配置によって実現でき、すなわち、第1配置信号に基づいて各々のトランスコンダクタンスユニットのためにその内部のトランスコンダクタンスサブユニットの対象及び数を配置する。
【0040】
それに対応し、同じトランスコンダクタンスユニットにおける異なるトランスコンダクタンスサブユニットは、同じサイズのデバイスを使用してもよく、異なるサイズのデバイスを使用してもよく、複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士に同じサイズのデバイスを使用する場合、トランスコンダクタンスサブユニットの数を配置して対応する組み合わせを形成することで、第1配置信号に対するトランスコンダクタンス処理を実現することができ、複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士に異なるサイズのデバイスを使用する場合、トランスコンダクタンスサブユニットのデバイスのサイズが異なるため、トランスコンダクタンスサブユニットのトランスコンダクタンス値が異なり、そのため、この場合で、トランスコンダクタンスサブユニットの数を配置することを基礎として、第1配置信号に応じて、対応するデバイスサイズのトランスコンダクタンスサブユニットの対象を配置して対応する組み合わせを形成する。直線性補償モジュールによる第1配置信号の配置の適合性をさらに向上させるために、本代替の実施形態における直線性補償モジュールにおける各々のトランスコンダクタンスユニット内の複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士に異なるサイズのデバイスを使用することができ、
図4に示される直線性補償モジュールでは、トランスコンダクタンスユニットG
c1を例として、該トランスコンダクタンスユニットG
c1は複数のトランスコンダクタンスサブユニットG
c1、1、G
c1、2…G
c1、m1を含み、G
c1には異なるサイズのデバイスを使用するトランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士のデバイスのサイズが互いに異なってもよく、複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士のデバイスのサイズの一部が異なってもよく、本願はこれについて限定しない。
【0041】
上記複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士のデバイスサイズが同じであるかどうかに関わらず、異なるトランスコンダクタンスユニット同士にはいずれも異なる数のトランスコンダクタンスサブユニットの並列接続によって異なるトランスコンダクタンス値のトランスコンダクタンスユニットを形成することができ、従って、上記代替の実施形態では直線性補償モジュールの複数の配置次元によって該直線性補償モジュールの適合性を顕著に改善することができる。
【0042】
本代替の実施形態では、異なるトランスコンダクタンスサブユニットで構成される複数の配置次元を導入した後、トランスコンダクタンスユニットを補償する方式及びトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置する方式、すなわち、上記実施例では直線性補償モジュールがトランスコンダクタンスユニットを配置することを基礎として、各々のトランスコンダクタンスユニット内の複数のトランスコンダクタンスサブユニットを再配置する。
【0043】
補償電流を配置するプロセスに、上記式2を、直線性補償モジュールが直線性補償を行う根拠することができ、直線性補償モジュールにおけるトランスコンダクタンスユニットGc1、Gc2、…、Gcn、Gcoの間の組み合わせによって入力部分の補償電流G1jVijを提供して入力信号におけるVi1、Vi2、…、Vinに対応する非線形成分を補償することを基礎として、各々のトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせを配置することで、該トランスコンダクタンスユニットに対応する入力信号の非線形成分を効果的に補償することができ、例えば、トランスコンダクタンスユニットGc1における複数のトランスコンダクタンスサブユニットGc1、1、Gc1、2、…、Gc1、m1の間に入力信号Vi1の数値に基づいて対応する組み合わせを決定することができ、それにより、トランスコンダクタンスユニットGc1が該組み合わせに基づいて対応するトランスコンダクタンス値を形成し、入力信号Vi1に対する補償を実現する。類推により、各々のトランスコンダクタンスユニットGc1、Gc2、…、Gcn、Gcoはいずれも内部のトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせを配置することでそれに対応する補償を行うことができる。
【0044】
それに対応し、上記方式に基づいて補償電流を決定した後、本代替の実施形態ではトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを決定して配置する場合でも、上記実施例における方式を使用することができ、例えば以下のとおりである。
【0045】
列挙法:直線性補償モジュールにおける複数のトランスコンダクタンスユニット及びトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの可能な組み合わせを順に配列し、第1配置信号、すなわちアナログモジュールの入力信号及び出力信号を上記各々の組み合わせに代入して、すべての組み合わせをトラバーサルし、異なる組み合わせの場合で出力される補償信号を順に試み、それにより、直線性補償効果が最も優れた対応する組み合わせを取得して直線性補償モジュールにおける複数のトランスコンダクタンスユニット及びトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせの実際の配置とする。
【0046】
検索法:アナログモジュールに対応する異なる配置信号を予めテストし、各種の配置信号に対応する必要がある補償信号を取得し、かつこれに基づいて該補償信号に対応する複数のトランスコンダクタンスユニット及びトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせを確認し、実際のアナログ回路の補償処理では、直線性補償モジュールが第1配置信号を取得すると、上記配置信号と複数の組み合わせとの間の対応関係に基づいて現在の配置信号に対応する複数のトランスコンダクタンスユニット及びトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせを決定し、かつこれに基づいて配置することができる。
【0047】
上記代替の実施形態におけるトランスコンダクタンスユニットの構成は、直線性補償モジュールが第1配置信号に基づいて配置するプロセスに、複数の配置次元の設置により、配置の適合性を改善することを可能にし、それにより、直線性補償モジュールによる、異なるアナログモジュールに対応する直線性補償の有効性及び信頼性を顕著に向上させる。
【0048】
代替の実施形態では、トランスコンダクタンスサブユニット10422は、ゲートが第1配置信号を取得するように配置され、ドレインがバイアストランジスタ110のソースに信号を提供するように配置されるトランスコンダクタンストランジスタ108と、ゲートがバイアス信号を取得するように配置され、ドレインが補償信号を提供するように配置されるバイアストランジスタ110と、を含む。
【0049】
トランスコンダクタンストランジスタ108及びバイアストランジスタ110はいずれもPMOSトランジスタを使用し、又は、トランスコンダクタンストランジスタ108及びバイアストランジスタ110はいずれもNOMSトランジスタを使用する。
【0050】
上記トランスコンダクタンストランジスタ及びバイアストランジスタでカスコード型トランスコンダクタンスサブユニットを構成し、
図5は、本願の実施例に係るカスコード型トランスコンダクタンスサブユニットの内部構造図(1)であり、
図5に示すように、トランスコンダクタンストランジスタMa及びバイアストランジスタMbはいずれもNMOSトランジスタを使用し、トランスコンダクタンストランジスタMaのゲートは、トランスコンダクタンスサブユニットの入力端子として、第1配置信号を取得することに用いられ、
図5では第1配置信号はV
iで示され、トランスコンダクタンストランジスタMaのドレインはバイアストランジスタMbのソースに信号を提供するように配置され、トランスコンダクタンストランジスタMaのソースは接地信号を取得するように配置される。バイアストランジスタMbのゲートはバイアス信号V
bを取得するように配置され、バイアストランジスタMbのドレインは補償信号を提供するように配置される。上記バイアストランジスタMbのゲートによって取得されるバイアス信号V
bは直流バイアスモジュール112によって提供され、該直流バイアスモジュールはアナログモジュールによって提供され、すなわち、アナログモジュールにおけるプロセス信号をバイアス信号としてバイアストランジスタに提供してもよく、独立して設置される直流バイアスモジュールを使用し、すなわち、バイアストランジスタのバイアス信号に別個の回路モジュールを提供してもよく、本願はこれについて限定しない。
図6は、本願の実施例に係るカスコード型トランスコンダクタンスサブユニットの内部構造図(2)であり、
図6に示すように、トランスコンダクタンストランジスタMa及びバイアストランジスタMbはいずれもPMOSトランジスタを使用し、この場合で、トランスコンダクタンストランジスタMaとバイアストランジスタMbとの間の接続方式は、トランスコンダクタンストランジスタMaとバイアストランジスタMbがNMOSトランジスタを使用する場合と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
【0051】
上記カスコード型トランスコンダクタンスサブユニットの動作方式を説明するために、以下、該カスコード型トランスコンダクタンスサブユニットの動作原理を説明する。
【0052】
上記
図5又は
図6に示されるカスコード型トランスコンダクタンスサブユニットでは、トランスコンダクタンストランジスタMaは線形領域で動作し、バイアストランジスタMbは飽和領域で動作し、トランスコンダクタンストランジスタのトランスコンダクタンスと該トランスコンダクタンストランジスタのドレインソース電圧とはほぼ線形関係にあり、すなわちg
m≒KV
DSであり、g
mはトランスコンダクタンストランジスタMaのトランスコンダクタンスであり、V
DSはトランスコンダクタンストランジスタMaのドレインソース電圧であり、KはトランスコンダクタンストランジスタMaプロセス及びサイズのパラメータである。このことから分かるように、トランスコンダクタンストランジスタ及びバイアストランジスタのサイズが変わらない前提で、バイアストランジスタのゲートにバイアス信号(バイアス電圧)V
bを接続することで、V
bによってトランスコンダクタンストランジスタのドレインソース電圧及びそのトランスコンダクタンスが対応して変化することを可能にし、さらに対応する補償電流を生成する。本実施例では、バイアス電圧V
bは調整可能な電圧として設定されてもよく、特定の電圧として設定されてもよく、トランスコンダクタンストランジスタ及びバイアストランジスタのサイズは実際のアナログ回路状態に基づいて予め配置されてもよく、調整可能なサイズとして設計されてもよい。
【0053】
代替の実施形態では、トランスコンダクタンスサブユニットは、入力端子と、補償信号を提供するように配置される出力端子と、入力端子と出力端子との間に設置されるカレントミラー114と、を含む。
【0054】
入力端子は、PMOSトランジスタ116と、NMOSトランジスタ118とを含み、PMOSトランジスタ116のソースはNMOSトランジスタ118のソースに接続され、PMOSトランジスタ116のソース及びNMOSトランジスタ118のソースは第1配置信号を取得するように配置され、PMOSトランジスタ116のゲートは第1バイアス信号を取得するように配置され、NMOSトランジスタ118のゲートは第2バイアス信号を取得するように配置され、PMOSトランジスタ116のドレイン及びNMOSトランジスタ118のドレインはカレントミラー114に信号を提供するように配置される。
【0055】
上記トランスコンダクタンストランジスタ及びバイアストランジスタは共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットを構成し、
図7は、本願の実施例に係る共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットの内部構造図であり、
図7に示すように、共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットの入力端子は2つの入力トランジスタMp及びMnを含み、入力トランジスタMpはPMOSトランジスタを使用し、入力トランジスタMnはNMOSトランジスタを使用し、入力トランジスタMpのソースは入力トランジスタMnのソースに接続されるとともに、入力信号、すなわち、本実施例における第1配置信号をアクセスすることに用いられ、入力トランジスタMpのゲート及び入力トランジスタMnのゲートはそれぞれバイアス信号を接続することに用いられ、入力トランジスタMpのゲートは第1バイアス信号V
bnを取得することに用いられ、入力トランジスタMnのゲートは第2バイアス信号V
bpを取得することに用いられ、入力トランジスタMp及び入力トランジスタMnのドレインはそれぞれ対応するカレントミラーモジュールに接続され、かつカレントミラーモジュールを通過した後に出力する。
【0056】
上記共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットの動作方式をさらに説明するために、以下、該共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットの動作原理をさらに説明する。
【0057】
入力トランジスタMnを例として、Mnのトランスコンダクタンスとゲートに接続される第2バイアス電圧Vbpとはほぼ線形関係にあり、すなわちgm≒K(VGS-VTH)であり、KはMOSトランジスのタプロセス及びサイズのパラメータであり、VGSはMOSトランジスタのゲート電圧であり、VTHはMOSトランジスタの閾値電圧である。入力信号、すなわちMnのソースにアクセスされる電圧が変化すると、それに伴ってVGSも変化し、それによりMnのトランスコンダクタンス及びドレインによって提供された補償電流を対応して変更し、上記補償電流はカレントミラーから出力端子に到着すると、出力を実現することができる。本実施例では、入力トランジスタMn及び入力トランジスタMpのサイズ、すなわち上記Kは実際のアナログ回路状態に基づいて予め配置されてもよく、調整可能なサイズとして設計されてもよく、それにより、補償電流に対する制御能力を増加させる。
【0058】
代替の実施形態では、第1配置信号は、入力信号と、出力信号と、アナログモジュールにおける入力ノードと出力ノードとの間の任意の位置のプロセス信号と、を含む。
【0059】
第1配置信号は上記入力信号、出力信号及びプロセス信号の間の組み合わせであってもよく、本実施例では入力信号と出力信号を第1配置信号として使用して例を挙げて説明し、ここで詳細な説明は省略する。
【0060】
代替の実施形態では、第1配置信号が入力信号である場合、複数のトランスコンダクタンスユニットは、各々のトランスコンダクタンスユニットが1つの入力ノードの入力信号を取得するように配置される。
【0061】
上記トランスコンダクタンスユニットが第1配置信号の数に対応することができ、それによりトランスコンダクタンスユニットが各チャネルの入力信号における非線形成分を補償することができることを確保する。
【0062】
実施例2
本実施例は、補償チップをさらに提供し、上記実施例1及び実施例1に対応する代替の実施形態における補償回路を含み、本実施例における補償チップにおける補償回路の技術案は実施例1における補償回路に対応し、ここで詳細な説明は省略する。
【0063】
実施例3
本実施例は、アナログモジュールに補償信号を提供するための補償方法をさらに提供し、アナログモジュールは入力ノードと、出力ノードとを含み、
図8は、本発明の実施例に係る補償方法のフローチャート(1)であり、
図8に示すように、該補償方法は、
直線性補償モジュールは第1配置信号を取得し、かつ第1配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、出力ノードに補償信号を提供し、第1配置信号がアナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられるS302を含む。
【0064】
本実施例における補償方法によれば、取得された第1配置信号に基づいて前記複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、アナログモジュールにおける出力ノードに補償信号を提供することができ、前記第1配置信号が前記アナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられ、従って、上記補償方法は、関連技術では、直線性補償プロセスに非直線性源及び影響要素に対する考慮が不完全であることにより、直線性補償ずれが大きくなるという問題を解決することができ、それにより、直線性補償技術の信頼性を向上させる。
【0065】
本実施例では、補償方法の他の技術案は、実施例1及び実施例1に対応する代替の実施形態における補償回路の技術案に対応するため、ここで詳細な説明は省略する。
【0066】
以上の実施形態の記述によって、当業者であれば分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されてもよい。無論、ハードウェアによっても実現される。このような理解を踏まえて、本願の技術案は、ソフトウェア製品の形態によって表われてもよい。該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体(例えば読み取り専用メモリ/ランダムアクセスメモリ(Read-Only Memory/Random Access Memory、ROM/RAM)、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末機器(携帯電話、コンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器等であってもよい)に本願の複数の実施例に記載の方法を実行させるための若干の命令を含む。
【0067】
実施例4
本実施例は、補償回路をさらに提供し、
図9は、本願の実施例に係る補償回路の機能模式図(2)であり、
図9に示すように、前記補償回路は、入力信号を受信するように配置される入力ノード4022と、出力信号を出力するように配置される出力ノード4024とを含むアナログモジュール402と、アナログモジュール402の動作情報を検出し、かつ動作情報に基づいて第2配置信号を提供するように配置される検出モジュール404と、第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて出力ノードに補償信号を提供するように配置され、第1配置信号がアナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられる直線性補償モジュール406と、を含む。
【0068】
アナログモジュール402では、入力ノード4022及び出力ノード4024は通常に複数であり、
図9に示すように、アナログモジュール402には、それぞれ対応する入力信号X
1~X
nを受信するように配置される複数の入力ノード4022と、それぞれ対応する出力信号Y
1~Y
mを出力するように配置される複数の出力ノード4024とが配置される。上記アナログモジュールの設計目的又は役割により、入力ノードと出力ノードとの間に異なる電子デバイス、例えば、アクティブRCフィルター、トランスインピーダンスアンプ、及びOTA等を配置又は接続することで、異なるブロードバンドアナログ信号処理回路を形成することができる。本願はこれについて限定しない。本実施例はOTAに基づくブロードバンドアナログ信号処理回路を例として、すなわち、アナログモジュールでは入力ノードと出力ノードとの間にOTAを設置すると、入力ノードはOTAに入力信号を提供し、出力ノードはOTAの出力信号を出力する。
【0069】
上記検出モジュール404はアナログモジュール402の動作中の動作情報を検出することに用いられ、代替の実施形態では、上記アナログモジュール402の動作情報は、プロセス情報、電圧情報、温度情報、及び周波数情報のうちの1つを含み、プロセス情報は本実施例における補償回路のMOSトランジスタのプロセスコーナー情報を指示することに用いられ、電圧情報は本実施例における補償回路の電源電圧情報を指示することに用いられ、温度情報は本実施例における補償回路の動作温度又は環境温度情報を指示することに用いられ、周波数情報は本実施例における補償回路での周波数成分情報を指示することに用いられる。上記検出モジュールは全体モジュールであってもよく、独立して設置される複数の検出ユニットであってもよく、例えば、補償回路の電源電圧情報を検出するための電圧センサ、補償回路の動作温度又は環境温度を検出するための温度センサ等が挙げられ、本願は上記検出モジュールのタイプを限定せず、アナログ回路における対応する情報を検出できる如何なるデバイスタイプ又は構造レイアウトはいずれも検出モジュールとして使用できる。
【0070】
検出モジュール404は、上記動作情報を取得した後、該動作情報を処理し、例えば取得された動作情報をコーディングし、カプセル化することにより、対応する第2配置信号を得ることができる。上記代替の実施形態における動作情報が、プロセス情報、電圧情報、温度情報、及び周波数情報のうちの1つを含む場合、プロセス情報はプロセス配置信号を対応して生成することができ、電圧情報は電圧配置信号を対応して生成することができ、温度情報は温度配置信号を対応して生成することができ、周波数情報は周波数配置信号を対応して生成することができる。検出モジュールが上記第2配置信号を取得すると、該第2配置信号を直線性補償モジュールに提供することができる。
図9に示すように、検出モジュールは、アナログモジュールのプロセス情報U
pi、電圧情報U
vi、温度情報U
ti、及び周波数情報U
fiを取得し、かつそれらに対応するプロセス配置信号U
po、電圧配置信号U
vo、温度配置信号U
to、及び周波数配置信号U
foを対応して生成し、上記プロセス配置信号U
po、電圧配置信号U
vo、温度配置信号U
to、及び周波数配置信号U
foを統括的に第2配置信号として直線性補償モジュールに送信する。
【0071】
直線性補償モジュール406は、一方、上記検出モジュール404によって提供された第2配置信号を取得することができ、他方、アナログモジュール402によって提供された第1配置信号を取得することもでき、直線性補償モジュールによって取得された第1配置信号は、アナログモジュール402における任意の位置の信号であり、
図9に示すように、上記第1配置信号は、アナログモジュールの入力信号X
1~X
n、又は出力信号Y
1~Y
m、又は入力ノードと出力ノードとの間のプロセス信号Z
1~Z
n、あるいは上記入力信号X
1~X
n、出力信号Y
1~Y
m、及びプロセス信号Z
1~Z
nの間の組み合わせを指示することができ、本願はこれについて限定しない。直線性補償モジュールは上記第1配置信号及び第2配置信号を取得すると、これに基づいて補償信号を取得しかつアナログモジュールの出力ノードに該補償信号を提供することができる。
【0072】
アナログモジュールの動作情報のうち、例えばプロセス情報、温度情報等は、いずれもアナログモジュールが動作に入った後に生成し、かつアナログモジュールの異なる動作環境に応じて変化し、従って、アナログモジュールが動作に入ったばかりの場合、通常に動作情報を検出できず、又は検出された動作情報が不正確である。この場合で、直線性補償モジュールは第1配置信号のみに基づいて補償信号を取得することができる。アナログモジュールが安定動作状態にある場合、直線性補償モジュールは第1配置信号及び第2配置信号に基づいて補償信号を同時に取得することができ、また、直線性補償モジュールはアナログモジュールの動作情報に対して独立した直線性の補償を行うこともでき、すなわち、第2配置信号のみに基づいて補償信号の取得を実現する。
【0073】
上記直線性補償モジュールが第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて補償信号を取得するプロセスを説明するために、以下、補償信号の取得方式を説明する。
【0074】
列挙法:第1配置信号及び/又は第2配置信号を直線性補償モジュールに代入して、直線性補償モジュール内のすべての可能な補償方式を使用して第1配置信号及び/又は第2配置信号の場合で対応する補償信号を計算し、かつ補償効果が最も優れた補償信号を実際の補償信号としてアナログモジュールに対して直線性補償処理を行う。
【0075】
検索法:アナログモジュールに対応する異なる入力/出力/プロセス等の信号を予めテストして、各第1配置信号の場合で対応して補償する必要がある補償信号を取得し、同時に、アナログモジュールに対応する異なる動作情報を予めテストして、各第2配置信号に対応して補償する必要がある補償信号を取得し、かつそれぞれ上記異なる補償信号に対応する直線性補償モジュールの補償方式を確認する。実際のアナログモジュールの補償処理では、直線性補償モジュールが第1配置信号及び/又は第2配置信号を取得すると、上記第1配置信号及び/又は第2配置信号と補償信号との間の対応関係に基づき、現在の第1配置信号及び/又は第2配置信号に対応する直線性補償モジュールの補償方式及びそれによって提供された補償信号を決定することができ、それにより、アナログモジュールに対して直線性補償処理を行う。
【0076】
以上の2種の方式は、本実施例では直線性補償モジュールが第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて補償信号を取得する2つの代替の実施形態に過ぎず、補償信号を取得する他の方式は同様直線性補償モジュールの動作方式の一つであり、本願はこれについて限定しない。
【0077】
本実施例における補償回路によれば、検出モジュールは、アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ動作情報に基づいて第2配置信号を提供して、直線性補償モジュールが上記第2配置信号及びアナログモジュールによって提供された第1配置信号に基づいて補償信号を取得しかつアナログモジュールの出力ノードに提供して直線性補償を行うことができ、従って、上記補償回路は、関連技術では、直線性補償プロセスに非直線性源及び影響要素に対する考慮が不完全であることにより、直線性補償ずれが大きくなるという問題を解決することができ、直線性補償技術の信頼性を向上させる。
【0078】
本実施例の補償回路では、アナログモジュールの動作情報に基づいて得られた第2配置信号を、直線性補償モジュールが補償する根拠の一つとして使用し、そのため、直線性補償モジュールによって提供された補償信号は上記アナログモジュールの動作情報に対してアナログモジュールで形成される非線形要素を効果的に補償することができる。従って、本実施例における補償回路は、アナログモジュールのプロセス特性等に対して効果的な直線性補償を行うことができ、それにより、直線性補償の信頼性を向上させる。
【0079】
代替の実施形態では、直線性補償モジュール406は、第m周期で第1配置信号及び/又は第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて第m補償信号を提供し、第m+1周期で第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び第2配置信号に基づいて第m+1補償信号を提供し、第m+1補償信号と第m補償信号との間の数値の差値が予め設定した範囲内である場合、直線性補償モジュールが出力ノードに第m補償信号を提供するように配置されるように配置される。
【0080】
上記mは整数であり、mの割り当ては、アナログモジュールの動作における特定の周期を表すことのみに用いられ、すなわちアナログモジュールが動作する任意の周期でいずれも上記代替の実施形態における技術案を使用することができ、m+1は第m周期の次の周期を示すことに用いられ、例えば、第m周期が第0周期である場合、第m+1周期は第1周期になる。本代替の実施形態ではmの割り当てを制限せず、すなわち、第m周期が第0周期であり、第m+1周期が第1周期である場合、mに1を再割り当てすることができ、すなわち、第m周期が第1周期であり、第m+1周期が第2周期であり、これによって本代替の実施形態における技術案がアナログモジュールの動作周期に基づいてサイクルして実行することを表す。
【0081】
以下、mが0の状況について説明する。
第0周期、すなわちアナログモジュールの初期動作段階で、直線性補償モジュールはアナログモジュールにおける入力信号又は出力信号等を取得して第1配置信号とし、かつ該第1配置信号に基づいて補償信号を計算し、補償信号の計算方式は上記実施例に記載されたとおりであり、ここで詳細な説明は省略する。このとき、提供された補償信号を第0補償信号とし、該第0補償信号は直線性補償モジュールによって提供された補償信号の初期値である。
【0082】
第1周期、すなわちアナログモジュールが安定動作状態にある場合で、検出モジュールは、アナログモジュールの動作情報、例えばプロセス情報、電圧情報、温度情報、及び周波数情報等を検出し、それによりコーディング、カプセル化等の方式によって対応する第2配置信号、例えばプロセス配置信号、電圧配置信号、温度配置信号、及び周波数配置信号を得て、かつ該第2配置信号を直線性補償モジュールに提供することができる。直線性補償モジュールは、アナログモジュールによって提供された第1周期の第1配置信号と上記第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、このとき、該補償信号を第1補償信号とする。
【0083】
第1補償信号を取得した前提で、該第1補償信号と第0補償信号との間を比較することができ、すなわち、第1補償信号と第0補償信号との間の数値の差値が予め設定した範囲内にあるか否かを判断する。第1補償信号と第0補償信号との間の数値の差値は第1周期と第0周期の直線性補償モジュールによって提供された補償信号の間の誤差であると理解され、第1補償信号と第0補償信号との間の数値の差値が予め設定した範囲内である場合、該誤差は許容され、アナログモジュールの動作情報がアナログモジュールの直線性に与える影響は、第0周期に対して第1周期が制御可能な範囲内であり、従って、第0周期で直線性補償モジュールによって提供された第0補償信号を安定状態補償信号とすることができ、アナログモジュールは該第0補償信号に基づいて効果的な直線性補償を行うことができる。
【0084】
逆に、第1補償信号と第0補償信号との間の数値の差値が予め設定した範囲外である場合、すなわち、アナログモジュールの動作情報が第1周期でアナログモジュールの直線性形成に与える影響は大きく、アナログモジュールの出力信号に対して依然として第0補償信号で直線性補償を行われば、効果的な直線性補償を実現できず、そのため、補償信号を再提供する必要がある。
【0085】
上記の場合、mに1を割り当てることができ、第m周期を第1周期とする場合で上記プロセスを再度行い、第1周期の直線性補償モジュール及び第1補償信号の取得の場合で、第m+1周期、すなわち第2周期で、検出モジュールは、アナログモジュールの動作情報を再検出し、かつ再検出された動作情報に基づいて新たな第2配置信号を得て直線性補償モジュールに提供する。
【0086】
第2周期で、直線性補償モジュールは、現在周期の第1配置信号及び第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、該補償信号を第2補償信号とする。同様に、第2補償信号を取得した前提で、該第2補償信号と第1補償信号とを比較することができ、すなわち第2補償信号と第1補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内であるか否かを判断する。上記第2補償信号と第1補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、すなわちアナログモジュールの動作情報がアナログモジュールの直線性に与える影響は、第1周期に対して第2周期が制御可能な範囲内であり、従って、第1周期で直線性補償モジュールによって提供された第1補償信号を安定状態補償信号とすることができ、アナログモジュールは該第1補償信号に基づいて効果的な直線性補償を行うことができる。
【0087】
それに対応し、第2周期の第2補償信号と第1補償信号との数値の差値が依然として予め設定した範囲外である場合、mに3を再割り当てし、かつ第3周期で計算された第3補償信号と第2補償信号とを比較し、上記プロセスを繰り返す。類推により、第m+1補償信号と第m補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内になると、直線性補償モジュールは第m補償信号をアナログモジュールの出力ノードに提供して直線性補償を行うことができる。上記プロセスは直線性補償モジュールの反復プロセスと呼ばれ、反復プロセスによって、直線性補償モジュールがアナログモジュールの出力ノードに提供した補償信号は、アナログモジュールの現在周期の効果的かつ信頼性の高い直線性補償を行うことができる。
【0088】
上記技術案は、本実施例がアナログモジュールの動作情報を導入して補償信号を提供することを基礎として、補償信号が現在周期内で効果的な直線性補償を提供することを確保することができ、それにより、アナログモジュールの直線性補償の信頼性をさらに向上させる。
【0089】
代替の実施形態では、検出モジュール404は、第n周期でアナログモジュールの動作情報の変化を検出した場合、変化した後の動作情報に基づいて直線性補償モジュールに第2配置信号を再提供するように配置される。直線性補償モジュール406は、第n周期で第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び第2配置信号に基づいて第n補償信号を提供するように配置され、第n+1周期で第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び第2配置信号に基づいて第n+1補償信号を提供するように配置され、第n+1補償信号と第n補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、直線性補償モジュールは出力ノードに第n補償信号を提供するように配置される。
【0090】
上記nは整数であり、nの割り当ては、アナログモジュールの動作における1つの周期を表すのみに用いられ、すなわちアナログモジュールが動作する任意の周期でいずれも上記代替の実施形態における技術案を使用することができる。n+1は第n周期の次の周期を示すことに用いられ、例えば第n周期が第2周期である場合、第n+1周期は第3周期になる。本代替の実施形態ではnの割り当てを制限せず、すなわち第n周期が第2周期であり、第n+1周期が第3周期である場合、nに3を再割り当てすることができ、すなわち第n周期は第3周期であり、第n+1周期は第4周期であり、これによって本代替の実施形態における技術案がアナログモジュールの動作周期に基づいてサイクルして実行することを表す。
【0091】
以下、nが5の状況で説明する。
第5周期で、検出モジュールは、アナログモジュールの動作情報の変化を検出し、変化した後の動作情報に基づいて第2配置信号を再取得しかつそれを直線性検出モジュールに提供する。直線性検出モジュールは、第5周期内に変化した後の動作信号に基づいて再取得された第2配置信号を取得した後、すなわち第5周期で現在周期の第1配置信号及び現在周期の第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、補償信号の計算方式は上記実施例に記載されたとおりであり、ここで詳細な説明は省略し、このとき、計算された補償信号を第5補償信号とし、該第5補償信号は、アナログモジュールの動作情報が変化した後、直線性補償モジュールによって提供された補償信号の初期値である。
【0092】
第6周期で、すなわち動作情報が変化した後、アナログモジュールが再び安定動作状態にあり、検出モジュールは、第6周期内に対応するアナログモジュールの動作情報に基づいて第2配置信号を取得しかつ直線性検出モジュールに提供することができ、直線性検出モジュールは、第6周期のアナログモジュールの第1配置信号と上記第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、このとき、該補償信号を第6補償信号とする。
【0093】
第6補償信号を取得した前提で、該第6補償信号と第5補償信号とを比較することができ、すなわち第6補償信号と第5補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内にあるか否かを判断する。第6補償信号と第5補償信号との数値の差値は第6周期と第5周期の直線性補償モジュールによって提供された補償信号の間の誤差であると理解され、第6補償信号と第5補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、該誤差は許容され、アナログモジュールの動作情報の変化がアナログモジュールの直線性に与える影響は、第5周期に対して第6周期が制御可能な範囲内であり、従って、第5周期で直線性補償モジュールによって提供された第5補償信号を安定状態補償信号とすることができ、アナログモジュールは該第5補償信号に基づいて効果的な直線性補償を行うことができる。
【0094】
逆に、第6補償信号と第5補償信号との数値の差値が予め設定した範囲外である場合、すなわちアナログモジュールの動作情報の変化が第6周期でアナログモジュールの直線性形成に与える影響は大きく、アナログモジュールの出力信号に対して依然として第5補償信号で直線性補償を行われば、効果的な直線性補償を実現できず、そのため、補償信号を再提供する必要がある。
【0095】
上記の場合、nに6を割り当てることができ、第n周期を第6周期とする場合で上記プロセスを再度行い、第6周期の直線性補償モジュール及び第6補償信号の取得の場合で、第n+1周期、すなわち第7周期で、検出モジュールは、アナログモジュールの動作情報を再検出し、かつ再検出された動作情報に基づいて新たな第2配置信号を得て直線性補償モジュールに提供する。
【0096】
第7周期で、直線性補償モジュールは、現在周期の第1配置信号及び第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、該補償信号を第7補償信号とする。同様に、第7補償信号を取得した前提で、該第7補償信号と第6補償信号とを比較することができ、すなわち第7補償信号と第6補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内であるか否かを判断する。上記第7補償信号と第6補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、すなわちアナログモジュールの動作信号がアナログモジュールの直線性に与える影響は、第6周期に対して第7周期が制御可能な範囲内であり、従って、第6周期で直線性補償モジュールによって提供された第6補償信号を安定状態補償信号とすることができ、アナログモジュールは該第6補償信号に基づいて効果的な直線性補償を行うことができる。
【0097】
それに対応し、第7周期の第7補償信号と第6補償信号との数値の差値が依然として予め設定した範囲外である場合、nに8を再割り当てし、かつ第8周期で計算された第8補償信号と第7補償信号とを比較し、上記プロセスを繰り返す。類推により、第n+1補償信号と第n補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内になると、直線性補償モジュールは第n補償信号をアナログモジュールの出力ノードに提供して直線性補償を行うことができる。
【0098】
上記技術案では、直線性補償モジュールは反復によってアナログモジュールの現在周期の効果的な直線性補償を行うことができることを基礎として、アナログモジュールに対応する動作情報が変化するたびに、それに対応する補償信号を調整することができ、それにより、直線性補償モジュールがアナログモジュールの出力ノードに提供した補償信号はアナログモジュールの動作情報が変化した後により信頼性の高い直線性補償を行うことができ、さらに、パラメータ変動及びモードの変化による直線性補償効果の低下がないことを確保する。
【0099】
代替の実施形態では、直線性補償モジュール406は、複数のトランスコンダクタンスユニット4062を含み、複数のトランスコンダクタンスユニット4062は、第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニット4062の組み合わせを配置して、出力ノードに補償信号を提供するように配置される。
【0100】
図10は、本願の実施例に係る直線性補償モジュールの回路模式図(3)であり、
図10に示すように、上記代替の実施形態では、直線性補償モジュールでは複数のトランスコンダクタンスユニット4062を含み、G
c1、G
c2、…、G
cn、G
coに対応し、直線性補償モジュールは第1配置信号と第2配置信号に応じて、複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置し、すなわち、直線性補償モジュールにおける補償処理を行うトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置し、異なるトランスコンダクタンスユニットの組み合わせによって、入力された第1配置信号及び/又は第2配置信号に対してトランスコンダクタンス処理を行って補償信号を出力し、かつ該補償信号をアナログモジュールの出力ノードに提供して出力信号を補償する。
【0101】
例えば、
図10に示される直線性補償モジュールでは、
図9に示される補償回路における入力信号X
1~X
n、出力信号Y
1~Y
m、及びプロセス信号Z
1~Z
n又はそれらの組み合わせを第1配置信号とし、プロセス配置信号U
po、電圧配置信号U
vo、温度配置信号U
to、周波数配置信号U
fo又はそれらの組み合わせを第2配置信号として、直線性補償モジュールにおける異なるトランスコンダクタンスユニットに送信することができ、例えば、入力信号X
1~X
nを第1配置信号として複数のトランスコンダクタンスユニットにおけるG
c1、G
c2、…、G
cnに入力して第1配置信号の非線形成分の処理を行い、プロセス配置信号Poを第2配置信号として複数のトランスコンダクタンスユニットにおけるG
coに入力して第2配置信号における非線形成分の処理を行うことができ、すなわち、第1配置信号及び第2配置信号の実際のタイプに基づき、複数のトランスコンダクタンスユニットにおけるG
c1、G
c2、…、G
cn、G
coを配置して第1配置信号及び第2配置信号に対するトランスコンダクタンス処理に参加する組み合わせを形成し、かつ複数のトランスコンダクタンスユニットにおけるG
c1、G
c2、…、G
cn、G
coに基づいて補償信号を計算して、該補償信号をアナログモジュールの出力信号に提供して補償する。
【0102】
直線性補償モジュールでは、複数のトランスコンダクタンスユニット同士に同じサイズのデバイスを使用してもよく、異なるサイズのデバイスを使用してもよい。複数のトランスコンダクタンスユニット同士に同じサイズのデバイスを使用できる場合、トランスコンダクタンスユニットの数を配置して対応する組み合わせを形成することで第1配置信号及び/又は第2配置信号に対するトランスコンダクタンス処理を実現する。複数のトランスコンダクタンスユニット同士に異なるサイズのデバイスを使用する場合、トランスコンダクタンスユニットのデバイスのサイズが異なるため、トランスコンダクタンス値が異なり、そのため、この場合でトランスコンダクタンスユニットの数を配置することを基礎として、第1配置信号及び/又は第2配置信号における異なる信号に対して、対応するデバイスサイズのトランスコンダクタンスユニットの対象を配置して対応する組み合わせを形成する。上記直線性補償モジュールによる第1配置信号及び/又は第2配置信号の配置の適合性をさらに向上させるために、本代替の実施形態における直線性補償モジュールは、異なるサイズのデバイスを使用するトランスコンダクタンスユニットで直線性補償モジュールを構成し、すなわち、
図10に示される直線性補償モジュールでは、異なるトランスコンダクタンスユニットG
c1、G
c2、…、G
cn、G
co同士に異なるサイズのデバイスを使用し、すなわち、トランスコンダクタンスユニットG
c1、G
c2、…、G
cn、G
coのうち、異なるサイズのデバイスを使用するトランスコンダクタンスユニットが少なくとも2つあり、複数のトランスコンダクタンスユニット同士のデバイスのサイズが互いに異なってもよく、複数のトランスコンダクタンスユニット同士のデバイスのサイズの一部が異なってもよく、本願はこれについて限定しない。
【0103】
本代替の実施形態では、直線性補償モジュールが補償信号を計算するプロセスに、実施例1におけるOTAに基づくブロードバンドアナログ信号処理回路を参照でき、該回路における入力信号等に対して非直線形の補償を行い、また、上記実施例におけるアナログモジュールの動作情報に対して、本代替の実施形態における直線性補償モジュールは、異なる動作情報、例えばプロセス、電圧、温度及び周波数等の情報を予め記録又は記憶する場合、信号に必要な補償信号を出力し(対照表の方式によって記録することができ)、かつ該補償信号と上記補償信号を統合的に考慮し、直線性補償モジュールの配置の根拠とすることができる。上記実施例ではアナログモジュールの動作情報を導入する場合に対して、本代替の実施形態における直線性補償モジュールは以下の方式で非直線形の補償を計算する。本代替の実施形態では、第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて対応する補償電流を決定した後、本実施例は以下の方式でトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを決定して配置する。
【0104】
列挙法:直線性補償モジュールにおける複数のトランスコンダクタンスユニットの可能な組み合わせを順に配列し、第1配置信号及び/又は第2配置信号を上記各々のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせに代入して、すべての可能な組み合わせをトラバーサルし、異なるトランスコンダクタンスユニットの組み合わせの場合で出力される補償信号を順に試み、それにより、直線性補償効果が最も優れた対応するトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを取得して直線性補償モジュールにおける複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせの実際の配置とする。
【0105】
検索法:アナログモジュールに対応する異なる配置信号を予めテストし、各種の配置信号に対応する必要がある補償信号を取得し、かつこれに基づいて該補償信号に対応するトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを確認し、実際のアナログ回路の補償処理では、直線性補償モジュールは、第1配置信号及び第2配置信号を取得すると、上記配置信号とトランスコンダクタンスユニットの組み合わせとの間の対応関係に基づいて現在の配置信号に対応するトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを決定し、これに基づいて配置することができる。
【0106】
以上の2種の方式は、本実施例では直線性補償モジュールに複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置することを実現するプロセスにおける選択可能な配置方式のみとして使用され、本実施例における補償電流の対応関係に基づいてトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置する如何なる方式は、いずれも本願の保護範囲に属し、本願はこれについて限定しない。
【0107】
本代替の実施形態では、一方、上記補償回路における直線性補償モジュールは、アナログモジュールの入力信号、出力信号及びプロセス信号等、及びアナログモジュールの動作プロセスにおけるプロセス情報を吸収し、かつこれに基づいてアナログ回路におけるOTAの出力信号に補償電流を提供して補償することができ、それにより、OTA入力端子の振幅を減少させかつ出力端子の出力信号の直線性を高め、そのため、アナログ回路はOTAを設計するプロセスにOTAのゲイン、帯域幅及びその適用するプロセス等のパラメータを厳密に考慮する必要がなく、従って、OTA設計の性能要件及びコストを間接的に低減させ、他方、本実施例における直線性補償モジュールは、特定のトランスコンダクタンス値に制限されず、アナログ回路における配置信号に応じて対応するトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置することができ、従って、上記直線性補償モジュールが異なるプロセス、異なる帯域幅モード、異なる周波数成分でのアナログモジュールに適用でき、そのため、上記異なるプロセス、帯域幅モード及び周波数成分でのアナログモジュールに対応する直線性補償の信頼性を顕著に向上させることができるとともに、直線性補償モジュールの配置可能性又は適応可能性を持たせることができる。
【0108】
代替の実施形態では、各々のトランスコンダクタンスユニット4062は相互に並列接続される複数のトランスコンダクタンスサブユニット40622を含み、複数のトランスコンダクタンスユニット4062及び複数のトランスコンダクタンスサブユニット40622は、第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニット4062の組み合わせ及びトランスコンダクタンスユニット4062における複数のトランスコンダクタンスサブユニット40622の組み合わせを配置して、出力ノードに補償信号を提供するように配置される。
【0109】
図11は、本願の実施例に係る直線性補償モジュールの回路模式図(4)であり、
図11に示すように、上記代替の実施形態では、各々のトランスコンダクタンスユニットはいずれも複数のトランスコンダクタンスサブユニットで並列接続して構成され、トランスコンダクタンスユニットG
c1を例として、該トランスコンダクタンスユニットG
c1は相互に並列接続される複数のトランスコンダクタンスサブユニットG
c1、1、G
c1、2…G
c1、m1を含み、上記直線性補償モジュールでは第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせ及びトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせを配置し、すなわち直線性補償モジュールの配置中に2つの配置次元が存在することを指示し、第1次元はトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置することを指示し、第2次元は、第1次元においてトランスコンダクタンスユニットの対象及び数を配置することを基礎として、トランスコンダクタンスユニットの内部のトランスコンダクタンスサブユニットの対象及び数を配置することを指示し、上記した、異なる対象及び数のトランスコンダクタンスユニット及び各々のトランスコンダクタンスユニットにおける異なる対象及び数のトランスコンダクタンスサブユニットが信号に対するトランスコンダクタンス処理に参加するように配置される場合、信号に対する異なるトランスコンダクタンス処理結果を形成することができる。
【0110】
各々のトランスコンダクタンスユニットにとって、トランスコンダクタンスユニットの内部の複数のトランスコンダクタンスサブユニットの間が並列接続されるため、同じトランスコンダクタンスユニットに異なる対象及び数のトランスコンダクタンスサブユニットを配置することができ、それにより、該トランスコンダクタンスユニットのトランスコンダクタンス値の調整を実現する。従って、上記実施例では異なるトランスコンダクタンスユニット同士に異なるサイズのデバイスを使用する状況は、各々のトランスコンダクタンスユニットの内部のトランスコンダクタンスサブユニットの対象及び数の配置によって実現でき、すなわち、第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて各々のトランスコンダクタンスユニットにその内部のトランスコンダクタンスサブユニットの対象及び数を配置する。
【0111】
それに対応し、同じトランスコンダクタンスユニットにおける異なるトランスコンダクタンスサブユニットは、同じサイズのデバイスを使用してもよく、異なるサイズのデバイスを使用してもよく、複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士に同じサイズのデバイスを使用する場合、トランスコンダクタンスサブユニットの数を配置することで対応する組み合わせを形成することができ、それにより、第1配置信号及び/又は第2配置信号に対するトランスコンダクタンス処理を実現し、複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士に異なるサイズのデバイスを使用する場合、トランスコンダクタンスサブユニットのデバイスのサイズが異なるため、トランスコンダクタンスサブユニットのトランスコンダクタンス値が異なり、そのため、この場合で、トランスコンダクタンスサブユニットの数を配置することを基礎として、第1配置信号及び/又は第2配置信号に応じて対応するデバイスサイズのトランスコンダクタンスサブユニットの対象を配置して対応する組み合わせを形成することができる。直線性補償モジュールによる第1配置信号及び/又は第2配置信号の配置の適合性をさらに向上させるために、本代替の実施形態における直線性補償モジュールにおける各々のトランスコンダクタンスユニット内の複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士に異なるサイズのデバイスを使用することができ、
図4に示される直線性補償モジュールでは、トランスコンダクタンスユニットG
c1を例として、該トランスコンダクタンスユニットG
c1は複数のトランスコンダクタンスサブユニットG
c1、1、G
c1、2、…、G
c1、m1を含み、G
c1には異なるサイズのデバイスを使用するトランスコンダクタンスサブユニットが少なくとも2つあり、複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士のデバイスのサイズが互いに異なってもよく、複数のトランスコンダクタンスサブユニット同士のデバイスのサイズの一部が異なってもよく、本願はこれについて限定しない。
【0112】
上記複数のトランスコンダクタンスサブユニットの間のデバイスサイズが同じであるかどうかに関わらず、異なるトランスコンダクタンスユニット同士にはいずれも異なる数のトランスコンダクタンスサブユニットの並列接続によって異なるトランスコンダクタンス値のトランスコンダクタンスユニットを形成することができ、従って、上記代替の実施形態では直線性補償モジュールの複数の配置次元によって該直線性補償モジュールの適合性を顕著に改善することができる。
【0113】
本代替の実施形態では、異なるトランスコンダクタンスサブユニットで構成される複数の配置次元を導入した後、トランスコンダクタンスユニットが補償する方式及びトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置する方式は、上記実施例の直線性補償モジュールがトランスコンダクタンスユニットを配置する基礎として、各々のトランスコンダクタンスユニット内の複数のトランスコンダクタンスサブユニットを再配置することである。
【0114】
補償電流を配置するプロセスに、依然として上記直線性補償モジュールにおける複数のトランスコンダクタンスユニットが補償信号を計算する方式に基づいて補償信号を取得することができ、ここで詳細な説明は省略する。
【0115】
それに対応し、上記方式に基づいて補償電流を決定した後、本代替の実施形態ではトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを決定して配置する場合でも、上記実施例における方式を使用することができ、例えば以下のとおりである。
【0116】
列挙法:直線性補償モジュールにおける複数のトランスコンダクタンスユニット及びトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの可能な組み合わせを順に配列し、第1配置信号及び/又は第2配置信号を上記各々の組み合わせに代入して、すべての可能な組み合わせをトラバーサルし、異なるトランスコンダクタンスユニット及びトランスコンダクタンスユニットにおける異なるトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせの場合で出力される補償信号を順に試み、それにより、直線性補償効果が最も優れた対応する組み合わせを取得して直線性補償モジュールにおける複数のトランスコンダクタンスユニット及びトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせの実際の配置とする。
【0117】
検索法:アナログモジュールに対応する異なる配置信号を予めテストし、各種の配置信号に対応する必要がある補償信号を取得し、かつこれに基づいて該補償信号に対応するトランスコンダクタンスユニット及びトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットの組み合わせを確認し、実際のアナログ回路の補償処理では、直線性補償モジュールは、第1配置信号及び第2配置信号を取得すると、上記配置信号とトランスコンダクタンスユニットの組み合わせとの間の対応関係に基づいて現在の配置信号に対応するトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを決定し、これに基づいて配置することができる。
【0118】
上記代替の実施形態におけるトランスコンダクタンスユニットの構成は、直線性補償モジュールが第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて配置するプロセスに、複数の配置次元の設置により、配置可能適合性を改善し、それにより、直線性補償モジュールによる、異なるアナログモジュールに対応する直線性補償の有効性及び信頼性を顕著に向上させる。
【0119】
代替の実施形態では、トランスコンダクタンスサブユニットは、ゲートが第1配置信号及び/又は第2配置信号を取得するように配置され、ドレインがバイアストランジスタのソースに信号を提供するように配置されるトランスコンダクタンストランジスタと、ゲートがバイアス信号を取得するように配置され、ドレインが補償信号を提供するように配置されるバイアストランジスタとを含み、トランスコンダクタンストランジスタ及びバイアストランジスタはいずれもPMOSトランジスタを使用し、又は、トランスコンダクタンストランジスタ及びバイアストランジスタはいずれもNOMSトランジスタを使用する。
【0120】
上記トランスコンダクタンストランジスタ及びバイアストランジスタでカスコード型トランスコンダクタンスサブユニットを構成し、該カスコード型トランスコンダクタンスサブユニットの内部構造は
図5又は
図6に示され、
図5に示すように、トランスコンダクタンストランジスタMa及びバイアストランジスタMbはいずれもNMOSトランジスタを使用し、トランスコンダクタンストランジスタMaのゲートは、トランスコンダクタンスサブユニットの入力端子として使用され、第1配置信号又は第2配置信号を取得することに用いられ、トランスコンダクタンストランジスタMaのドレインはバイアストランジスタMbのソースに信号を提供するように配置され、トランスコンダクタンストランジスタMaのソースは接地信号を取得するように配置される。バイアストランジスタMbのゲートはバイアス信号V
bを取得するように配置され、バイアストランジスタMbのドレインは補償信号を提供するように配置される。上記バイアストランジスタMbのゲートによって取得されたバイアス信号V
bは直流バイアスモジュールによって提供され、該直流バイアスモジュールはアナログモジュールによって提供され、すなわち、アナログモジュールにおけるプロセス信号をバイアス信号としてバイアストランジスタに提供してもよく、独立して設置される直流バイアスモジュールを使用し、すなわち、バイアストランジスタのバイアス信号に別個の回路モジュールを提供してもよく、本願はこれについて限定しない。
図6に示すように、トランスコンダクタンストランジスタMa及びバイアストランジスタMbはいずれもPMOSトランジスタを使用し、この場合で、トランスコンダクタンストランジスタMaとバイアストランジスタMbとの間の接続方式は、トランスコンダクタンストランジスタMaとバイアストランジスタMbがNMOSトランジスタを使用する場合と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
【0121】
上記代替の実施形態におけるカスコード型トランスコンダクタンスサブユニットの動作原理は、実施例1におけるカスコード型トランスコンダクタンスサブユニットの動作原理と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
【0122】
代替の実施形態では、トランスコンダクタンスサブユニットは、入力端子と、出力端子と、入力端子と出力端子との間に設置されるカレントミラーとを含み、出力端子は補償信号を提供するように配置され、入力端子は、PMOSトランジスタと、NMOSトランジスタとを含み、PMOSトランジスタのソースはNMOSトランジスタのソースに接続され、PMOSトランジスタのソース及びNMOSトランジスタのソースは第1配置信号及び/又は第2配置信号を取得するように配置され、PMOSトランジスタのゲートは第1バイアス信号を取得するように配置され、NMOSトランジスタのゲートは第2バイアス信号を取得するように配置され、PMOSトランジスタのドレイン及びNMOSトランジスタのドレインはカレントミラーに信号を提供するように配置される。
【0123】
上記トランスコンダクタンストランジスタ及びバイアストランジスタは共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットを構成し、該共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットの内部構造はまた
図7に示され、
図7に示すように、共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットの入力端子は2つの入力トランジスタMp及びMnを含み、入力トランジスタMpはPMOSトランジスタを使用し、入力トランジスタMnはNMOSトランジスタを使用し、入力トランジスタMpのソースは入力トランジスタMnのソースに接続されるとともに、入力信号、すなわち、本実施例における第1配置信号又は第2配置信号をアクセスすることに用いられ、入力トランジスタMpのゲート及び入力トランジスタMnのゲートはそれぞれバイアス信号を接続することに用いられ、入力トランジスタMpのゲートは第1バイアス信号V
bnを取得することに用いられ、入力トランジスタMnのゲートは第2バイアス信号V
bpを取得することに用いられ、入力トランジスタMp及び入力トランジスタMnのドレインはそれぞれ対応するカレントミラーモジュールに接続され、かつカレントミラーモジュールを通過した後に出力する。
【0124】
上記代替の実施形態における共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットの動作原理は、実施例1における共通ゲート型トランスコンダクタンスサブユニットの動作原理と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
【0125】
代替の実施形態では、各々のトランスコンダクタンスユニットにおける複数のトランスコンダクタンスサブユニットは異なるサイズのPMOSトランジスタ及び/又はNMOSトランジスタを使用するように配置される。
【0126】
代替の実施形態では、第1配置信号は、入力信号と、出力信号と、アナログモジュールにおける入力ノードと出力ノードとの間の任意の位置のプロセス信号とを含む。
【0127】
第1配置信号は上記入力信号、出力信号及びプロセス信号の組み合わせであってもよく、本願はこれについて限定しない。
【0128】
代替の実施形態では、第1配置信号が入力信号である場合、複数のトランスコンダクタンスユニットは、各々のトランスコンダクタンスユニットが1つの入力ノードの入力信号を取得するように配置される。上記トランスコンダクタンスユニットが第1配置信号の数に対応することができ、それによりトランスコンダクタンスユニットが各チャネルの入力信号における非線形成分を補償することができることを確保する。
【0129】
実施例5
本実施例は、補償チップをさらに提供し、上記実施例4及び実施例4に対応する代替の実施形態における補償回路を含み、本実施例における補償チップにおける補償回路の技術案は、実施例4における補償回路に対応し、ここで詳細な説明は省略する。
【0130】
実施例6
本実施例は、アナログモジュールに補償信号を提供するための補償方法をさらに提供し、アナログモジュールは入力ノードと、出力ノードとを含み、
図12は、本願の実施例に係る補償方法のフローチャート(2)であり、
図12に示すように、該補償方法は、
検出モジュールはアナログモジュールの動作情報を検出し、かつ動作情報に基づいて第2配置信号を提供するS602と、
直線性補償モジュールは第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて出力ノードに補償信号を提供し、第1配置信号がアナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられるS604と、を含む。
【0131】
本実施例における補償方法によれば、アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ動作情報に基づいて第2配置信号を提供し、上記第2配置信号及びアナログモジュールによって提供された第1配置信号に基づいて補償信号を取得しかつアナログモジュールの出力ノードに提供して直線性補償を行うことができ、従って、上記補償方法は、関連技術では、直線性補償プロセスに非直線性源及び影響要素に対する考慮が不完全であることにより、直線性補償ずれが大きくなるという問題を解決することができ、直線性補償技術の信頼性を向上させる。
【0132】
代替の実施形態では、動作情報は、プロセス情報、電圧情報、温度情報、及び周波数情報の少なくとも1つを含み、第2配置情報は、プロセス配置信号、電圧配置信号、温度配置信号、及び周波数配置信号の少なくとも1つを含む。
【0133】
上記動作情報及び第2配置信号の技術的意義及び取得方式は、いずれも実施例4に対応しており、ここで詳細な説明は省略する。
【0134】
代替の実施形態では、上記補償方法は、第m周期で第1配置信号及び/又は第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて第m補償信号を提供することと、第m+1周期で第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び第2配置信号に基づいて第m+1補償信号を提供することと、第m+1補償信号と第m補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、出力ノードに第m補償信号を提供することと、をさらに含む。
【0135】
上記mは整数であり、mの割り当ては、アナログモジュールの動作における特定の周期を表すことのみに用いられ、すなわちアナログモジュールが動作する任意の周期でいずれも上記代替の実施形態における技術案を使用することができ、m+1は第m周期の次の周期を示すことに用いられ、例えば、第m周期が第0周期である場合、第m+1周期は第1周期になる。本代替の実施形態ではmの割り当てを制限せず、すなわち、第m周期が第0周期であり、第m+1周期が第1周期である場合、mに1を再割り当てすることができ、すなわち、第m周期が第1周期であり、第m+1周期が第2周期であり、これによって本代替の実施形態における技術案がアナログモジュールの動作周期に基づいてサイクルして実行することを表す。
【0136】
以下、mが0の状況について説明する。
第0周期、すなわちアナログモジュールの初期動作段階で、直線性補償モジュールは、ステップS604に基づいてアナログモジュールにおける入力信号又は出力信号等を取得して第1配置信号とし、かつ該第1配置信号に基づいて補償信号を計算し、補償信号の計算方式は上記実施例に記載されたとおりであり、ここで詳細な説明は省略し、このとき、提供された補償信号を第0補償信号とし、該第0補償信号は直線性補償モジュールによって提供された補償信号の初期値である。
【0137】
第1周期で、すなわちアナログモジュールが安定動作状態にある場合で、検出モジュールは、ステップS602に基づいてアナログモジュールの動作情報、例えばプロセス情報、電圧情報、温度情報、及び周波数情報等を検出でき、かつこれに基づいてコーディング、カプセル化等の方式によって対応する第2配置信号、例えばプロセス配置信号、電圧配置信号、温度配置信号、及び周波数配置信号を得て、かつ該第2配置信号を直線性補償モジュールに提供することができる。直線性補償モジュールは、再びステップS604に基づき、アナログモジュールによって提供された第1周期の第1配置信号と上記第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、このとき、該補償信号を第1補償信号とする。
【0138】
第1補償信号を取得した前提で、該第1補償信号と第0補償信号とを比較することができ、すなわち、第1補償信号と第0補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内にあるか否かを判断する。第1補償信号と第0補償信号との数値の差値は第1周期と第0周期の直線性補償モジュールによって提供された補償信号の誤差であると理解され、第1補償信号と第0補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、該誤差は許容され、アナログモジュールの動作情報がアナログモジュールの直線性に与える影響は、第0周期に対して第1周期が制御可能な範囲内であり、従って、第0周期で直線性補償モジュールによって提供された第0補償信号を安定状態補償信号とすることができ、アナログモジュールは該第0補償信号に基づいて効果的な直線性補償を行うことができる。
【0139】
逆に、第1補償信号と第0補償信号との数値の差値が予め設定した範囲外である場合、アナログモジュールの動作情報が第1周期でアナログモジュールの直線性形成に与える影響は大きく、アナログモジュールの出力信号に対して依然として第0補償信号で直線性補償を行われば、効果的な直線性補償を実現できず、そのため、補償信号を再提供する必要がある。
【0140】
上記の場合、mに1を割り当てることができ、第m周期を第1周期とする場合で上記プロセスを再度行い、第1周期の直線性補償モジュール及び第1補償信号の取得の場合で、第m+1周期、すなわち第2周期で、検出モジュールは、アナログモジュールの動作情報を再検出し、かつ再検出された動作情報に基づいて新たな第2配置信号を得て直線性補償モジュールに提供する。
【0141】
第2周期で、直線性補償モジュールは、現在周期の第1配置信号及び第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、該補償信号を第2補償信号とする。同様に、第2補償信号を取得した前提で、該第2補償信号と第1補償信号とを比較することができ、すなわち第2補償信号と第1補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内であるか否かを判断する。上記第2補償信号と第1補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、すなわちアナログモジュールの動作情報がアナログモジュールの直線性に与える影響は、第1周期に対して第2周期が制御可能な範囲内であり、従って、第1周期で直線性補償モジュールによって提供された第1補償信号を安定状態補償信号とすることができ、アナログモジュールは該第1補償信号に基づいて効果的な直線性補償を行うことができる。
【0142】
それに対応し、第2周期の第2補償信号と第1補償信号との数値の差値が依然として予め設定した範囲外である場合、mに3を再割り当てし、第3周期で計算された第3補償信号と第2補償信号とを比較し、上記プロセスを繰り返す。類推により、第m+1補償信号と第m補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内になると、直線性補償モジュールは第m補償信号をアナログモジュールの出力ノードに提供して直線性補償を行うことができる。上記プロセスは直線性補償モジュールの反復プロセスと呼ばれ、該反復プロセスによって、直線性補償モジュールがアナログモジュールの出力ノードに提供した補償信号は、アナログモジュールの現在周期の効果的かつ信頼性の高い直線性補償を行うことができる。
【0143】
上記技術案は、本実施例がアナログモジュールの動作情報を導入して補償信号を提供することを基礎として、補償信号が現在周期内で効果的な直線性補償を提供することを確保することができ、それにより、アナログモジュールの直線性補償の信頼性をさらに向上させる。
【0144】
代替の実施形態では、上記補償方法は、第n周期でアナログモジュールの動作情報の変化を検出した場合、変化した後の動作情報に基づいて第2配置信号を再提供することと、第n周期で第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び第2配置信号に基づいて第n補償信号を提供することと、第n+1周期で第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び第2配置信号に基づいて第n+1補償信号を提供することと、第n+1補償信号と第n補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、出力ノードに第n補償信号を提供することと、をさらに含む。
【0145】
上記nは整数であり、nの割り当ては、アナログモジュールの動作における1つの周期を表すのみに用いられ、すなわちアナログモジュールが動作する任意の周期でいずれも上記代替の実施形態における技術案を使用することができ、n+1は第n周期の次の周期を示すことに用いられ、例えば第n周期が第2周期である場合、第n+1周期は第3周期になる。本代替の実施形態ではnの割り当てを制限せず、すなわち第n周期が第2周期であり、第n+1周期が第3周期である場合、nに3を再割り当てすることができ、すなわち第n周期は第3周期であり、第n+1周期は第4周期であり、これによって本代替の実施形態における技術案がアナログモジュールの動作周期に基づいてサイクルして実行することを表す。
【0146】
以下、nが5の状況で説明する。
第5周期で、ステップS602でアナログモジュールの動作情報の変化を検出し、変化した後の動作情報に基づいて第2配置信号を再取得しかつそれを直線性検出モジュールに提供する。直線性検出モジュールは、第5周期内に変化した後の動作信号に基づいて再取得された第2配置信号を取得した後、すなわち第5周期で現在周期の第1配置信号及び現在周期の第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、補償信号の計算方式は上記実施例に記載されたとおりであり、ここで詳細な説明は省略し、このとき、計算された補償信号を第5補償信号とし、該第5補償信号は、アナログモジュールの動作情報が変化した後、直線性補償モジュールによって提供された補償信号の初期値である。
【0147】
第6周期で、すなわち動作情報が変化した後、アナログモジュールが再び安定動作状態にあり、検出モジュールは、第6周期内に対応するアナログモジュールの動作情報に基づいて第2配置信号を取得しかつ直線性検出モジュールに提供することができ、直線性検出モジュールは、第6周期のアナログモジュールの第1配置信号と上記第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、このとき、該補償信号を第6補償信号とする。
【0148】
第6補償信号を取得した前提で、該第6補償信号と第5補償信号とを比較することができ、すなわち第6補償信号と第5補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内にあるか否かを判断する。第6補償信号と第5補償信号との数値の差値は第6周期と第5周期の直線性補償モジュールによって提供された補償信号の誤差であると理解され、第6補償信号と第5補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、該誤差は許容され、アナログモジュールの動作情報の変化がアナログモジュールの直線性に与える影響は、第5周期に対して第6周期が制御可能な範囲内であり、従って、第5周期で直線性補償モジュールによって提供された第5補償信号を安定状態補償信号とすることができ、アナログモジュールは該第5補償信号に基づいて効果的な直線性補償を行うことができる。
【0149】
逆に、第6補償信号と第5補償信号との数値の差値が予め設定した範囲外である場合、すなわちアナログモジュールの動作情報の変化が第6周期でアナログモジュールの直線性形成に与える影響は大きく、アナログモジュールの出力信号に対して依然として第5補償信号で直線性補償を行われば、効果的な直線性補償を実現できず、そのため、補償信号を再提供する必要がある。
【0150】
上記の場合、nに6を割り当てることができ、第n周期を第6周期とする場合で上記プロセスを再度行い、第6周期の直線性補償モジュール及び第6補償信号の取得の場合で、第n+1周期、すなわち第7周期で、検出モジュールは、アナログモジュールの動作情報を再検出し、かつ再検出された動作情報に基づいて新たな第2配置信号を得て直線性補償モジュールに提供する。
【0151】
第7周期で、直線性補償モジュールは、現在周期の第1配置信号及び第2配置信号に基づいて補償信号を再計算し、該補償信号を第7補償信号とする。同様に、第7補償信号を取得した前提で、該第7補償信号と第6補償信号とを比較することができ、すなわち第7補償信号と第6補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内であるか否かを判断する。上記第7補償信号と第6補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内である場合、すなわちアナログモジュールの動作信号がアナログモジュールの直線性に与える影響は、第6周期に対して第7周期が制御可能な範囲内であり、従って、第6周期で直線性補償モジュールによって提供された第6補償信号を安定状態補償信号とすることができ、アナログモジュールは該第6補償信号に基づいて効果的な直線性補償を行うことができる。
【0152】
それに対応し、第7周期の第7補償信号と第6補償信号との数値の差値が依然として予め設定した範囲外である場合、nに8を再割り当てし、かつ第8周期で計算された第8補償信号と第7補償信号とを比較し、上記プロセスを繰り返す。類推により、第n+1補償信号と第n補償信号との数値の差値が予め設定した範囲内になると、直線性補償モジュールは第n補償信号をアナログモジュールの出力ノードに提供して直線性補償を行うことができる。
【0153】
上記技術案では、直線性補償モジュールは反復によってアナログモジュールの現在周期の効果的な直線性補償を行うことができることを基礎として、アナログモジュールに対応する動作情報が変化するたびに、それに対応する補償信号を調整することができ、それにより、直線性補償モジュールがアナログモジュールの出力ノードに提供した補償信号はアナログモジュールの動作情報が変化した後により信頼性の高い直線性補償を行うことができ、さらに、パラメータ変動及びモードの変化による直線性補償効果の低下がないことを確保する。
【0154】
本実施例では、補償方法の他の技術案は、実施例4及び実施例4に対応する代替の実施形態における補償回路の技術案に対応しており、そのため、ここで詳細な説明は省略する。
【0155】
以上の実施形態の記載によって、当業者であれば分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されてもよい。無論、ハードウェアによっても実現される。このような理解を踏まえて、本願の技術案は、ソフトウェア製品の形態によって表われてもよい。該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末機器(携帯電話、コンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器等であってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法を実行させるための若干の命令を含む。
【0156】
実施例7
本実施例はアナログモジュールに補償信号を提供するように配置される補償装置をさらに提供し、アナログモジュールは入力ノードと出力ノードとを含み、該装置は上記実施例3及び代替の実施形態を実現することに用いられ、既に説明した部分の説明は省略する。以下で使用されるように、「モジュール」という用語は、事前設定された機能を実現できるソフトウェア及び/又はハードウェアの組み合わせである。以下の実施例で説明する装置は、ソフトウェアで実現されるが、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現することも可能である。
図13は、本願の実施例によって提供される補償装置の構造ブロック図(1)であり、
図13に示すように、該補償装置は、
第1補償モジュール701は、第1配置信号を取得し、かつ第1配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、出力ノードに補償信号を提供し、第1配置信号がアナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられるように配置される。
【0157】
本実施例における補償装置によれば、取得された第1配置信号に基づいて前記複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、アナログモジュールにおける出力ノードに補償信号を提供することができ、前記第1配置信号が前記アナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられ、従って、上記補償方法は、関連技術では、直線性補償プロセスに非直線性源及び影響要素に対する考慮が不完全であることにより、直線性補償ずれが大きくなるという問題を解決することができ、それにより、直線性補償技術の信頼性を向上させる。
【0158】
本実施例における補償装置の他の技術案は、実施例3における補償方法に対応しており、ここで詳細な説明は省略する。
【0159】
なお、上記複数のモジュールはソフトウェア又はハードウェアによって実現でき、後者である場合、上記モジュールがいずれも同一のプロセッサに位置する方式、又は、上記複数のモジュールが任意の組み合わせでそれぞれ異なるプロセッサに位置する方式で実現することができるが、これらに限定されない。
【0160】
実施例8
本実施例はアナログモジュールに補償信号を提供するように配置される補償装置をさらに提供し、アナログモジュールは入力ノードと出力ノードとを含み、該装置は上記実施例6及び代替の実施形態を実現することに用いられ、既に説明した部分の説明は省略する。以下で使用されるように、「モジュール」という用語は、事前設定された機能を実現できるソフトウェア及び/又はハードウェアの組み合わせである。以下の実施例で説明する装置は、ソフトウェアで実現されるが、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現することも可能である。
図14は、本願の実施例によって提供される補償装置の構造ブロック図(2)であり、
図14に示すように、該補償装置は、アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ動作情報に基づいて第2配置信号を提供するように配置される提供モジュール801と、第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて出力ノードに補償信号を提供し、第1配置信号がアナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられるように配置される第2補償モジュール802と、を含む。
【0161】
本実施例における補償装置によれば、アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ動作情報に基づいて第2配置信号を提供し、上記第2配置信号及びアナログモジュールによって提供された第1配置信号に基づいて補償信号を取得しかつアナログモジュールの出力ノードに提供して直線性補償を行うことができ、従って、上記補償回路は、関連技術では、直線性補償プロセスに非直線性源及び影響要素に対する考慮が不完全であることにより、直線性補償ずれが大きくなるという問題を解決することができ、直線性補償技術の信頼性を向上させる。
【0162】
代替の実施形態では、動作情報は、プロセス情報、電圧情報、温度情報、及び周波数情報の少なくとも1つを含み、第2配置情報は、プロセス配置信号、電圧配置信号、温度配置信号、及び周波数配置信号の少なくとも1つを含む。
【0163】
代替の実施形態では、上記補償方法は、第m周期で第1配置信号及び/又は第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて第m補償信号を提供することと、第m+1周期で第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び第2配置信号に基づいて第m+1補償信号を提供することと、第m+1補償信号と第m補償信号との間の数値の差値が予め設定した範囲内である場合、出力ノードに第m補償信号を提供することと、をさらに含む。
【0164】
代替の実施形態では、上記補償方法は、第n周期でアナログモジュールの動作情報の変化を検出した場合、変化した後の動作情報に基づいて第2配置信号を再提供することと、第n周期で第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び第2配置信号に基づいて第n補償信号を提供することと、第n+1周期で第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び第2配置信号に基づいて第n+1補償信号を提供することと、第n+1補償信号と第n補償信号との間の数値の差値が予め設定した範囲内である場合、出力ノードに第n補償信号を提供することと、をさらに含む。
【0165】
本実施例における補償装置の他の技術案は、実施例6における補償方法に対応しており、ここで詳細な説明は省略する。
【0166】
上記複数のモジュールはソフトウェア又はハードウェアによって実現でき、後者である場合、上記モジュールがいずれも同一のプロセッサに位置する方式、又は、上記複数のモジュールが任意の組み合わせでそれぞれ異なるプロセッサに位置する方式で実現することができるが、これらに限定されない。
【0167】
実施例9
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムが実行するとき、上記いずれか1項の方法実施例におけるステップを実行するように設置される記憶媒体をさらに提供する。
【0168】
任意選択で、本実施例では、上記記憶媒体は、以下のステップを実行するためのコンピュータプログラムを記憶するように設置される。
【0169】
S1、第1配置信号を取得し、かつ第1配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、出力ノードに補償信号を提供し、第1配置信号がアナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられる。
【0170】
任意選択で、本実施例では、上記記憶媒体は、USBフラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、略称ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、略称RAM)、モバイルディスク、磁気ディスク又は光ディスク等の複数種のコンピュータプログラムを記憶できる媒体を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0171】
実施例10
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムが実行するとき、上記いずれか1項の方法実施例におけるステップを実行するように設置される記憶媒体をさらに提供する。
【0172】
任意選択で、本実施例では、上記記憶媒体は、以下のステップを実行するためのコンピュータプログラムを記憶するように設置される。
【0173】
S1、アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ動作情報に基づいて第2配置信号を提供する。
【0174】
S2、第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて出力ノードに補償信号を提供し、第1配置信号がアナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられる。
【0175】
任意選択で、本実施例では、上記記憶媒体は、USBフラッシュメモリ、ROM、RAM、モバイルディスク、磁気ディスク又は光ディスク等の複数種のコンピュータプログラムを記憶できる媒体を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0176】
実施例11
本願の実施例は、メモリ及びプロセッサを含み、該メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、該プロセッサがコンピュータプログラムを実行して上記いずれか1項の方法実施例におけるステップを実行するように設置される電子装置をさらに提供する。
【0177】
任意選択で、上記電子装置は、上記プロセッサに接続される伝送デバイスと、上記プロセッサに接続される入出力デバイスと、をさらに含む。
【0178】
任意選択で、本実施例では、上記プロセッサはコンピュータプログラムによって、以下のステップを実行するように設置される。
【0179】
S1、第1配置信号を取得し、かつ第1配置信号に基づいて複数のトランスコンダクタンスユニットの組み合わせを配置して、出力ノードに補償信号を提供し、第1配置信号がアナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられる。
【0180】
任意選択で、本実施例の具体例は、上記実施例及び代替の実施形態で説明される例を参照してもよく、本実施例では詳細な説明は省略する。
【0181】
実施例12
本願の実施例は、メモリ及びプロセッサを含み、該メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、該プロセッサがコンピュータプログラムを実行して上記いずれか1項の方法実施例におけるステップを実行するように設置される電子装置をさらに提供する。
【0182】
任意選択で、上記電子装置は、上記プロセッサに接続される伝送デバイスと、上記プロセッサに接続される入出力デバイスと、をさらに含んでもよい。
【0183】
任意選択で、本実施例では、上記プロセッサは、コンピュータプログラムによって以下のステップを実行するように設置される。
【0184】
S1、アナログモジュールの動作情報を検出し、かつ動作情報に基づいて第2配置信号を提供する。
【0185】
S2、第1配置信号及び第2配置信号を取得し、かつ第1配置信号及び/又は第2配置信号に基づいて出力ノードに補償信号を提供し、第1配置信号がアナログモジュールにおける任意の位置の信号を指示することに用いられる。
【0186】
任意選択で、本実施例の具体例は、上記実施例及び代替の実施形態で説明される例を参照してもよく、本実施例では詳細な説明は省略する。
【0187】
本願の上記複数のモジュール又は複数のステップは、一般的な計算装置によって実現されてもよいことが当業者には明らかであろう、それらは、1つの計算装置に統合されてもよいし、複数の計算装置からなるネットワーク上に分散されてもよい。任意選択で、それらは、計算装置によって実行することができるプログラムコードによって実現されてもよく、それにより、それらを記憶手段に記憶して計算装置によって実行することができる。いくつかの状況で、この順次とは異なる順次で、示される又は説明されるステップを実行してもよく、又は、それらをそれぞれ複数の集積回路モジュールとして製造し、又は、それらの複数のモジュール又はステップを単一の集積回路モジュールとして製造することによって実現される。このように、本願は、特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されるものではない。