(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】乾燥風道、衣類処理装置及び乾燥風道の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
D06F 58/26 20060101AFI20230831BHJP
D06F 58/02 20060101ALI20230831BHJP
D06F 58/45 20200101ALI20230831BHJP
D06F 103/36 20200101ALN20230831BHJP
D06F 105/54 20200101ALN20230831BHJP
【FI】
D06F58/26
D06F58/02 F
D06F58/45
D06F103:36
D06F105:54
(21)【出願番号】P 2021574977
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(86)【国際出願番号】 CN2020094971
(87)【国際公開番号】W WO2021047220
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】201910849683.0
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512306405
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンシーズ インク オブ ズーハイ
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES, INC. OF ZHUHAI
【住所又は居所原語表記】Qianshan Jinji West Road,Zhuhai, Guangdong, 519070, P.R. CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲剣▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 斌華
(72)【発明者】
【氏名】祝 蔚鋒
(72)【発明者】
【氏名】馮 穎
(72)【発明者】
【氏名】陳 坦
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109518439(CN,A)
【文献】中国実用新案第208414916(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108486840(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第00485700(EP,A1)
【文献】特開2014-028013(JP,A)
【文献】特開2015-024116(JP,A)
【文献】実開昭49-135866(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00~39/10
D06F 58/02~58/08
D06F 58/20~58/26
D06F 103/36
D06F 105/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥風道であって、
凝縮セクション風道(1)、加熱セクション風道(2)及び送風機(3)を備え、前記送風機(3)は前記凝縮セクション風道(1)と前記加熱セクション風道(2)との接続位置に設置され、前記凝縮セクション風道(1)内に洗浄装置が更に設置され、前記洗浄装置は前記凝縮セクション風道(1)の前記送風機(3)に近接する端に設置され、且つ前記洗浄装置の前記送風機(3)から離れる側に位置する前記凝縮セクション風道(1)を洗浄することができ
、前記洗浄装置は噴射管を備え、前記噴射管は前記凝縮セクション風道(1)内に設置され、前記噴射管は管本体(4)及び噴孔(5)を備え、前記噴孔(5)は前記管本体(4)の前記送風機(3)から離れる側のみに位置し、前記噴孔(5)の開口は下向きであり、且つ前記管本体(4)の表面に一定の角度を有する噴射範囲を形成することを特徴とする乾燥風道。
【請求項2】
前記管本体(4)に給水口(6)が設置され、前記噴孔(5)は複数あり、複数の前記噴孔(5)は前記管本体(4)の内部空洞により前記給水口(6)と連通し、複数の前記噴孔(5)は前記管本体(4)の長さ及び幅方向に沿って間隔を置いて配置されることを特徴とする請求項
1に記載の乾燥風道。
【請求項3】
前記管本体(4)は丸管であり、前記噴孔(5)は径方向孔であり、複数の前記噴孔(5)は前記管本体(4)の周方向及び軸方向に沿って均一に配置され、周方向において前記噴孔(5)は前記管本体(4)の90°~150°の領域範囲内に位置することを特徴とする請求項
1に記載の乾燥風道。
【請求項4】
前記管本体(4)の底部はV字形をなす2つの傾斜板を備え、2つの前記傾斜板に前記噴孔(5)がそれぞれ設置され、前記噴孔(5)は該噴孔(5)の位置する傾斜板の板面に垂直であり、2つの前記傾斜板がなす夾角は60°~150°であることを特徴とする請求項
1に記載の乾燥風道。
【請求項5】
前記管本体(4)の端部に接続板(7)が設置され、前記接続板(7)に接続孔(8)が設置され、前記管本体(4)は前記接続板(7)により前記凝縮セクション風道(1)の風道壁に固定して接続されることを特徴とする請求項
1に記載の乾燥風道。
【請求項6】
前記管本体(4)の外周壁に固定フレーム(9)が設置され、前記固定フレーム(9)に通気口(10)が設置され、前記管本体(4)は前記固定フレーム(9)により前記凝縮セクション風道(1)内に固定して設置されることを特徴とする請求項
1に記載の乾燥風道。
【請求項7】
前記通気口(10)は前記管本体(4)の両側に位置し、気流は前記管本体(4)のガイドにより両側の前記通気口(10)から前記送風機(3)に入ることを特徴とする請求項
6に記載の乾燥風道。
【請求項8】
前記乾燥風道は更に送風セクション風道(11)を備え、前記送風セクション風道(11)は前記加熱セクション風道(2)の送風口に設置され、前記送風セクション風道(11)に温度センサ(12)及び風速センサ(13)が設置されることを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の乾燥風道。
【請求項9】
前記温度センサ(12)及び風速センサ(13)は同一高さに位置し、前記送風セクション風道(11)の断面は矩形であり、水平断面内に前記送風セクション風道(11)の長辺長さはLであり、短辺長さはhであり、前記送風セクション風道(11)に挿入された前記温度センサ(12)及び前記風速センサ(13)の深さはH0であり、前記温度センサ(12)と第1短辺との距離はL1であり、前記風速センサ(13)と第1短辺との距離はL2であり、ここで、L1=0.2L~0.4L、L2=0.6L~0.8L、H0=0.45h~0.55hであることを特徴とする請求項
8に記載の乾燥風道。
【請求項10】
乾燥風道を備える衣類処理装置であって、
前記乾燥風道は請求項1~
9のいずれか1項に記載の乾燥風道であることを特徴とする衣類処理装置。
【請求項11】
請求項1~
9のいずれか1項に記載の乾燥風道の洗浄方法であって、
送風風道内の出口風速V1を取得することと、
取得された出口風速V1と設定風速U1とを比較して、比較結果を取得することと、
比較結果に基づいて凝縮セクション風道(1)の洗浄戦略を決定することと、
決定された洗浄戦略に基づいて凝縮セクション風道(1)を洗浄することと、を含むことを特徴とする請求項1~
9のいずれか1項に記載の乾燥風道の洗浄方法。
【請求項12】
比較結果に基づいて凝縮セクション風道(1)の洗浄戦略を決定する前記ステップは、
V1≧U1の場合、ヒータ(14)を動作させるように制御し、通常の乾燥プログラムを行うことと、
乾燥が終了した後、ヒータ(14)をオフにし、洗浄装置を起動して洗浄するとともに、送風機(3)を動作させるように維持することと、
洗浄時間が設定時間に達するかどうかを検出することと、
洗浄時間が設定時間に達する場合、送風機(3)を停止するように制御することと、
動作を停止するように洗濯機を制御することと、
洗浄時間が設定時間に達しない場合、洗浄ステップを行い続けることと、を含むことを特徴とする請求項
11に記載の洗浄方法。
【請求項13】
比較結果に基づいて凝縮セクション風道(1)の洗浄戦略を決定する前記ステップは、
V1<U1の場合、洗浄装置を起動して洗浄するとともに、送風機(3)を起動するように制御することと、
1回の洗浄を完了した後、出口風速V1及び出口温度Tを検出することと、
出口風速V1<U2且つT>T0の場合、洗浄ステップに入って、連続洗浄回数を累計し続けることと、
連続洗浄回数が設定回数に達すると、依然として風速及び温度の要件を満たすことができない場合、故障報告ステップに入ることと、を含み、
ここで、U1<U2であることを特徴とする請求項
11に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年09月09日に中国国家知識産権局に提出された出願番号が201910849683.0で、発明の名称が「乾燥風道、衣類処理装置及び乾燥風道の洗浄方法」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本願は洗濯装置技術分野に関し、具体的には、乾燥風道、衣類処理装置及び乾燥風道の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、洗濯機市場の持続可能な発展過程において、高品質生活のニーズに応じて生じた消費アップグレードの趨勢によって洗濯機業界は健康な洗濯・ケアのニーズに対して技術革新及び開発を絶えず行っており、その中で洗濯乾燥一体型洗濯機の需要量の増加傾向は特に強い。
【0004】
現在、発明者が知られている電熱洗濯乾燥一体型洗濯機の風道の乾燥方式は主に水道水で湿った空気を冷却する、湿った空気を外部に排出する、通常の冷却システムによる除湿の3種類があり、その中で水道水で湿った空気を冷却する方式を用いる洗濯乾燥一体型洗濯機が占有する市場占有率は最も大きい。しかしながら、水道水で湿った空気を冷却する方式を用いる洗濯乾燥一体型洗濯機は風道の流路がより長く、且つ摩擦抵抗がより大きいため、乾燥過程において大量の屑毛などが洗濯機の凝縮セクション及び送風機側に堆積してしまい、それにより乾燥効率を低下させ、且つ屑毛が堆積した後、湿熱環境において大量の細菌が生成しやすく、更に二次汚染をもたらしてしまうとともに、一部の屑毛が凝縮セクション風道を流れて送風機領域及び電気加熱領域に入り、遠心送風機領域の屑毛が送風機に付着して送風機の効率低下及び騒音増加の問題を引き起こし、電気加熱領域では電気ヒータの高温作用により異臭などの問題が生じやすい。
【0005】
気流の作用によって、屑毛が主に凝縮セクション風道の周囲の壁面、特に風速が急激に低下する領域即ち配管急拡大領域に付着するが、現在、該領域を洗浄する解決手段はまだない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本願が解決しようとする技術的課題は乾燥風道、衣類処理装置及び乾燥風道の洗浄方法を提供することにあり、凝縮セクション風道の配管急拡大領域を効果的に洗浄することができ、屑毛が凝縮セクション風道内に堆積することを回避する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願は乾燥風道を提供し、凝縮セクション風道、加熱セクション風道及び送風機を備え、送風機は凝縮セクション風道と加熱セクション風道との接続位置に設置され、凝縮セクション風道内に洗浄装置が更に設置され、洗浄装置は凝縮セクション風道の送風機に近接する端に設置され、且つ洗浄装置の送風機から離れる側に位置する凝縮セクション風道を洗浄することができる。
【0008】
いくつかの実施例では、洗浄装置は噴射管を備え、噴射管は凝縮セクション風道内に設置され、噴射管は管本体及び噴孔を備え、噴孔は管本体の送風機から離れる側に位置する。
【0009】
いくつかの実施例では、管本体に給水口が設置され、噴孔は複数あり、複数の噴孔は管本体の内部空洞により給水口と連通し、複数の噴孔は管本体の長さ及び幅方向に沿って間隔を置いて配置される。
【0010】
いくつかの実施例では、管本体は丸管であり、噴孔は径方向孔であり、複数の噴孔は管本体の周方向及び軸方向に沿って均一に配置され、周方向において噴孔は管本体の90°~150°の領域範囲内に位置する。
【0011】
いくつかの実施例では、管本体の底部はV字形をなす2つの傾斜板を備え、2つの傾斜板に噴孔がそれぞれ設置され、噴孔は該噴孔の位置する傾斜板の板面に垂直であり、2つの傾斜板がなす夾角は60°~150°である。
【0012】
いくつかの実施例では、管本体の端部に接続板が設置され、接続板に接続孔が設置され、管本体は接続板により凝縮セクション風道の風道壁に固定して接続される。
【0013】
いくつかの実施例では、管本体の外周壁に固定フレームが設置され、固定フレームに通気口が設置され、管本体は固定フレームにより凝縮セクション風道内に固定して設置される。
【0014】
いくつかの実施例では、通気口は管本体の両側に位置し、気流は管本体のガイドにより両側の通気口から送風機に入る。
【0015】
いくつかの実施例では、乾燥風道は更に送風セクション風道を備え、送風セクション風道は加熱セクション風道の送風口に設置され、送風セクション風道に温度センサ及び風速センサが設置される。
【0016】
いくつかの実施例では、温度センサ及び風速センサは同一高さに位置し、送風セクション風道の断面は矩形であり、水平断面内の送風セクション風道の長辺長さはLであり、短辺長さはhであり、送風セクション風道に挿入された温度センサ及び風速センサの深さはH0であり、温度センサと第1短辺との距離はL1であり、風速センサと第1短辺との距離はL2であり、ここで、L1=0.2L~0.4L、L2=0.6L~0.8L、H0=0.45h~0.55hである。
【0017】
本願の他の態様によれば、衣類処理装置を提供し、乾燥風道を備え、該乾燥風道は上記乾燥風道である。
【0018】
本願の他の態様によれば、上記乾燥風道の洗浄方法を提供し、
送風風道内の出口風速V1を取得することと、
取得された出口風速V1と設定風速U1とを比較して、比較結果を取得することと、
比較結果に基づいて凝縮セクション風道の洗浄戦略を決定することと、
決定された洗浄戦略に基づいて凝縮セクション風道を洗浄することと、を含む。
【0019】
いくつかの実施例では、比較結果に基づいて凝縮セクション風道の洗浄戦略を決定するステップは、
V1≧U1の場合、ヒータを動作させるように制御し、通常の乾燥プログラムを行うことと、
乾燥が終了した後、ヒータをオフにし、洗浄装置を起動して洗浄するとともに、送風機を動作させるように維持することと、
洗浄時間が設定時間に達するかどうかを検出することと、
洗浄時間が設定時間に達する場合、送風機を停止するように制御することと、
動作を停止するように洗濯機を制御することと、
洗浄時間が設定時間に達しない場合、洗浄ステップを行い続けることと、を含む。
【0020】
いくつかの実施例では、比較結果に基づいて凝縮セクション風道の洗浄戦略を決定するステップは、
V1<U1の場合、洗浄装置を起動して洗浄するとともに、送風機を起動するように制御することと、
1回の洗浄を完了した後、出口風速V1及び出口温度Tを検出することと、
出口風速V1<U2且つT>T0の場合、洗浄ステップに入って、連続洗浄回数を累計し続けることと、
連続洗浄回数が設定回数に達すると、依然として風速及び温度の要件を満たすことができない場合、故障報告ステップに入ることと、を含み、
ここで、U1<U2である。
【発明の効果】
【0021】
本願に係る乾燥風道は、凝縮セクション風道、加熱セクション風道及び送風機を備え、送風機は凝縮セクション風道と加熱セクション風道との接続位置に設置され、凝縮セクション風道内に洗浄装置が更に設置され、洗浄装置は凝縮セクション風道の送風機に近接する端に設置され、且つ洗浄装置の送風機から離れる側に位置する凝縮セクション風道を洗浄することができる。本願の乾燥風道において、洗浄装置は凝縮セクション風道の送風機に近接する端に設置され、屑毛付着状況のよりひどい凝縮セクション風道の配管急拡大領域も洗浄装置の洗浄範囲内に位置できるようにし、従って、凝縮セクション風道の洗浄を行うとき、洗浄装置が屑毛付着状況のひどい領域を十分に洗浄できるように確保することができ、屑毛が凝縮セクション風道内に堆積する問題を根本的に解決することができ、熱交換効率の低下を回避し、衣類洗浄過程における二次汚染の可能性を低減し、乾燥機能の安定性を確保し、洗濯機のインテリジェントデザインを向上させ、ユーザーの快適性体験を強化する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本願の実施例に係る乾燥風道の構造模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る乾燥風道の凝縮セクション風道の構造模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る乾燥風道の洗浄装置の立体構造模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る乾燥風道の洗浄装置の部分断面構造模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る乾燥風道のセンサの設置構造図である。
【
図6】本願の実施例に係る乾燥風道の洗浄方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1~
図5に示すように、本願の実施例によれば、乾燥風道は凝縮セクション風道1、加熱セクション風道2及び送風機3を備え、送風機3は凝縮セクション風道1と加熱セクション風道2との接続位置に設置され、凝縮セクション風道1内に洗浄装置が更に設置され、洗浄装置は凝縮セクション風道1の送風機3に近接する端に設置され、且つ洗浄装置の送風機3から離れる側に位置する凝縮セクション風道1を洗浄することができる。
【0024】
本願の乾燥風道において、洗浄装置は凝縮セクション風道1の送風機3に近接する端に設置され、屑毛付着状況のよりひどい凝縮セクション風道1の配管急拡大領域も洗浄装置の洗浄範囲内に位置できるようにし、従って、凝縮セクション風道1の洗浄を行うとき、洗浄装置が屑毛付着状況のひどい領域を十分に洗浄できるように確保することができ、屑毛が凝縮セクション風道1内に堆積する問題を根本的に解決することができ、熱交換効率の低下を回避し、衣類洗浄過程における二次汚染の可能性を低減し、乾燥機能の安定性を確保し、洗濯機のインテリジェントデザインを向上させ、ユーザーの快適性体験を強化する。
【0025】
洗浄装置は噴射管を備え、噴射管は凝縮セクション風道1内に設置され、噴射管は管本体4及び噴孔5を備え、噴孔5は管本体4の送風機3から離れる側に位置する。本実施例では、管本体4の送風機3に向かう側には噴孔5を設置せず、管本体4の送風機3に背中を向ける側のみには噴孔5を設置する。そうすると、洗浄水が管本体4内に入った後、噴孔5内から送風機3から離れる方向へ噴出し、それにより凝縮セクション風道1内の屑毛を洗い流し、噴孔5が送風機3に背中を向けるため、噴孔5の水流が送風機3に噴射されて送風機3に悪影響を与えることを効果的に回避することができる。
【0026】
いくつかの実施例では、管本体4に給水口6が設置され、噴孔5は複数あり、複数の噴孔5は管本体4の内部空洞により給水口6と連通し、複数の噴孔5は管本体4の長さ及び幅方向に沿って間隔を置いて配置される。噴孔5は管本体4の内部空洞により給水口6と連通し、管本体4を利用して流量の再分配を行うことができ、それにより各噴孔5内にいずれも十分量の水流が入るように確保し、洗浄効果を向上させる。複数の噴孔5を管本体4の長さ及び幅方向に沿って間隔を置いて配置することにより、管本体4の水流噴射領域範囲を広げ、水流噴射作用面積を増加させ、凝縮セクション風道1の洗浄面積を増加させ、洗浄効率を向上させることができる。
【0027】
本実施例では、管本体4は丸管であり、噴孔5は径方向孔であり、複数の噴孔5は管本体4の周方向及び軸方向に沿って均一に配置され、周方向において噴孔5は管本体4の90°~150°の領域範囲内に位置する。管本体4は水平に設置され、噴孔5の開口は下向きであり、且つ管本体4の表面に一定の角度を有する噴射範囲を形成し、洗浄装置が凝縮セクション風道の内壁面を最大限に洗い流すように確保し、洗い流し効率を向上させ、洗浄効果を向上させることができる。
【0028】
噴孔5は管本体4の軸方向全体に沿って配置され、周方向において凝縮セクション風道1全体を洗浄することができる。
【0029】
また、丸管構造を管本体4として用いる場合、洗浄過程において、丸管の弧形表面を利用して送風機による気流をガイド及び分流することができ、気流が管本体4の所在位置に到達するとき、管本体4自体が通気しないものであるため、気流は管本体4と風道壁との間の通路を流れる必要があり、この過程において、気流は管本体4の底部から管本体4に到達した後、管本体4のガイド作用によって両側に分流し、気流分流過程において、中心に位置する噴孔5から噴出した水流を駆動して両側へ傾斜させ、中心に位置する噴孔5が気流の駆動作用によって両側の風道壁へ噴射できるようにし、噴孔5から噴出した水流がいずれも風道壁に効果的に作用して風道壁に対してより効果的な洗浄作用を果たすように確保し、洗浄水流の利用効率を向上させる。
【0030】
図示しない一実施例では、管本体4の底部はV字形をなす2つの傾斜板を備え、2つの傾斜板に噴孔5がそれぞれ設置され、噴孔5は該噴孔5の位置する傾斜板の板面に垂直であり、2つの傾斜板がなす夾角は60°~150°である。本実施例では、管本体4の底部はV字形構造を形成し、良好な分流効果を形成することができ、水流が風道壁に向かって流れるようにすることができるとともに、更にV字形構造自体の特徴を利用して水流が噴孔5内から噴出する際に風道壁の表面に噴射できるようにし、風道壁の洗浄効果を向上させることができる。
【0031】
管本体4の端部に接続板7が設置され、接続板7に接続孔8が設置され、管本体4は接続板7により凝縮セクション風道1の風道壁に固定して接続される。接続孔8はねじ山のない穴であってもよく、ボルト孔であってもよく、具体的に必要に応じて設置されてもよく、接続板7は接続孔8及び接続ボルトにより風道壁に固定して接続され、管本体4の固定取付を完了する。給水口6は接続板7により管本体4と連通する。風道壁に取付口が設置され、接続板7に接続管が延出し、給水口6は該接続管に位置し、該接続管は風道壁上の取付口から貫通し、水源との接続を容易にし、洗浄装置への給水を実現する。
【0032】
管本体4の外周壁に固定フレーム9が設置され、固定フレーム9に通気口10が設置され、管本体4は固定フレーム9により凝縮セクション風道1内に固定して設置される。該固定フレーム9は係接方式で凝縮セクション風道1内に固定して設置されてもよく、それにより管本体4の軸方向全体において管本体4を取付固定し、管本体4の風道壁上での固定取付効果を更に確保することができる。管本体4は独立して固定フレーム9により固定して取り付けられてもよく、同時に固定フレーム9及び接続板7により取り付けられてもよい。通気口10の存在により固定フレーム9が気流の流通通路を塞ぐことがなく、気流が洗浄装置の所在位置をスムーズに流れるように確保し、洗浄装置をスムーズに取付できるようにするとともに、乾燥風道をスムーズに動作させることもできる。
【0033】
通気口10は管本体4の両側に位置し、気流は管本体4のガイドにより両側の通気口10から送風機3に入る。
【0034】
乾燥風道は更に送風セクション風道11を備え、送風セクション風道11は加熱セクション風道2の送風口に設置され、送風セクション風道11に温度センサ12及び風速センサ13が設置される。本実施例では、送風セクション風道11に温度センサ12及び風速センサ13を設置する目的は、送風セクション風道11での風速及び気流温度を検出し、更にこれに基づいて乾燥風道内に詰まり問題が生じたかどうかを判断し、洗浄装置の自動インテリジェント制御を実現することにある。
【0035】
いくつかの実施例では、温度センサ12及び風速センサ13は同一高さに位置し、送風セクション風道11の断面は矩形であり、水平断面内に送風セクション風道11の長辺長さはLであり、短辺長さはhであり、送風セクション風道11に挿入された温度センサ12及び風速センサ13の深さはH0であり、温度センサ12と第1短辺との距離はL1であり、風速センサ13と第1短辺との距離はL2であり、ここで、L1=0.2L~0.4L、L2=0.6L~0.8L、H0=0.45h~0.55hである。
【0036】
温度センサ12及び風速センサ13の送風セクション風道11内での取付位置を制限することにより、センサのセンシング位置が送風口風場の中央面近傍に位置するように確保することができ、該位置での気流速度が最も大きいため、該位置での気流温度及び気流速度を検出し、詰まりが生じた場合、該位置での温度及び気流の変化もより明らかであり、従って、乾燥風道に詰まりが生じたかどうかを検出する感度及び検出結果の精度を向上させ、乾燥風道を洗浄する制御精度を確保することができる。
【0037】
本実施例では、凝縮セクション風道1に凝縮水管15及び空気管16が更に設置され、加熱セクション風道2にヒータ14及び温度制限装置17が更に設置され、凝縮セクション風道1に感温筒が更に取り付けられ、凝縮セクション風道1に風道吸気口が更に含まれ、送風セクション風道11に風道送風口が更に含まれ、風道吸気口と風道送風口はホースにより洗濯機及びドラムに接続され、洗濯機全体の流れ場回路を構成する。
【0038】
洗濯機が乾燥動作を行うとき、内筒を通過する湿熱空気は凝縮セクション風道1内を流れ、凝縮水管15内から噴出した水は冷却して湿冷空気となり、次に湿冷空気は加熱セクション風道2のヒータ14の作用によって乾熱空気となり、乾熱空気は送風セクション風道11を流れてドラム内に入って衣類を乾燥し、乾燥過程において、衣類とドラムの相互作用により風道内にはより多くの屑毛が存在し、屑毛の洗濯乾燥一体型洗濯機の風道の性能への影響がより大きい。
【0039】
本願の解決手段を用いた後、洗濯機はプログラムによって洗浄装置に接続される弁を制御することで自動的に洗浄して屑毛を除去する目的を達成することができる。
【0040】
本願の実施例によれば、衣類処理装置は乾燥風道を備え、該乾燥風道は上記乾燥風道である。上記衣類処理装置は例えば洗濯機、乾燥機又は洗濯乾燥一体型洗濯機である。
【0041】
図6に示すように、本願の実施例によれば、上記乾燥風道の洗浄方法は、送風風道内の出口風速を取得することと、取得された出口風速V1と設定風速U1とを比較して、比較結果を取得することと、比較結果に基づいて凝縮セクション風道1の洗浄戦略を決定することと、決定された洗浄戦略に基づいて凝縮セクション風道1を洗浄することと、を含む。
【0042】
洗濯機の乾燥動作において、凝縮セクション風道1の内壁面に付着する屑毛は流量の変化を引き起こし、更に出口の風速及び温度に影響し、凝縮セクション風道1に屑毛が付着すると、出口風速が低下し、出口温度が上昇してしまい、温度センサ12及び風速センサ13は風速及び温度をリアルタイムに反映することができ、更に凝縮セクション風道の内壁面を洗い流すようにクリーナーを制御する。この方式を利用して、乾燥風道の凝縮セクション風道1に屑毛が詰まる際に直ちに洗浄することができ、乾燥風道の動作性能に影響することを回避する。
【0043】
比較結果に基づいて凝縮セクション風道1の洗浄戦略を決定するステップは、V1≧U1の場合、ヒータ14を動作させるように制御し、通常の乾燥プログラムを行うことと、乾燥が終了した後、ヒータ14をオフにし、洗浄装置を起動して洗浄するとともに、送風機3を動作させるように維持することと、洗浄時間が設定時間に達するかどうかを検出することと、洗浄時間が設定時間に達する場合、送風機3を停止するように制御することと、動作を停止するように洗濯機を制御することと、洗浄時間が設定時間に達しない場合、洗浄ステップを行い続けることと、を含む。
【0044】
V1≧U1の場合には、乾燥風道内に詰まりが生じず、又は屑毛がより少なく、乾燥風道の動作性能に影響しないと説明され、従って、このような場合に乾燥動作を正常に実行することができる。乾燥が終了した後、残った屑毛が湿ったものであり、それを直ちに洗浄しないと、長時間滞在して乾燥したものになって、屑毛を除去しにくくなる恐れがある。従って、凝縮風道の内壁面に屑毛が残ることを防止するために、乾燥動作が終了した後、洗浄装置を利用して凝縮セクション風道1を再び洗い流す必要があり、凝縮セクション風道1の内壁面に屑毛が残されないように確保し、凝縮セクション風道1の屑毛除去難度を下げる。
【0045】
比較結果に基づいて凝縮セクション風道1の洗浄戦略を決定するステップは、V1<U1の場合、洗浄装置を起動して洗浄するとともに、送風機3を起動するように制御することと、1回の洗浄を完了した後、出口風速V1及び出口温度Tを検出することと、出口風速V1<U2且つT>T0の場合、洗浄ステップに入って、連続洗浄回数を累計し続けることと、連続洗浄回数が設定回数に達すると、依然として風速及び温度の要件を満たすことができない場合、故障報告ステップに入ることと、を含み、ここで、U1<U2である。
【0046】
風道内の屑毛の量が出口の風速に影響し、屑毛量の増加に伴い、出口風速が徐々に低下する。U1は詰まると初回に判定する臨界状態での風速であり、U2は洗浄後に詰まると判定する臨界風速であり、洗浄後に風速が上がり、従って、U1<U2である。
【0047】
V1<U1であると検出する場合には、凝縮セクション風道1に屑毛が詰まって、乾燥風道の動作性能に影響すると説明され、従って、乾燥風道を洗浄する必要があり、このとき、乾燥風道が洗浄モードに入るように制御し、洗浄装置を利用して乾燥風道の凝縮セクション風道1に対してセルフクリーニング操作を行う必要がある。1回のセルフクリーニング操作を完了した後、乾燥プログラムを再び実行し、送風セクション風道11内の気流温度及び風速が設定値に達するかどうかを検出する必要があり、該位置での風速V1≧U2又は温度T≦T0の場合にはいずれも、凝縮セクション風道1の屑毛が全て除去されたと説明され、次のステップの乾燥プログラムを行うことができ、依然としてV1<U1且つT>T0であると検出する場合には、除去された後に依然として屑毛で詰まる現象が存在すると説明され、除去効果が要件を満たすことができず、従って、再び自動洗浄プログラムに入って、凝縮セクション風道1を洗浄し続けるように洗浄装置を制御する必要がある。洗浄プログラムを複数回連続して実行しても、要件を満たすことができない場合には、洗浄をスムーズに完了できない他の問題が生じると説明され、従って、このときに故障を報告してメンテナンスする必要がある。洗浄回数は必要に応じて設定されてもよく、本実施例では、連続洗浄回数が5回累計される場合、故障を報告する必要がある。故障を排除した後、又は正常に乾燥プログラムに入った後、累計回数をクリアする必要があり、それにより洗浄装置が正常に規則正しく動作するように確保する。
【0048】
当業者であれば容易に理解されるように、矛盾しない限り、上記各有利な方式は自由に組み合わせ、重畳され得る。
【0049】
以上は本願の好適な実施例に過ぎず、本願を制限するためのものではない。本願の精神及び原則から逸脱することなく、行われるいかなる修正、等価置換及び改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。以上は本願の好適な実施形態に過ぎず、指摘されるように、当業者であれば、本願の技術的原理を逸脱せずに、更に種々の改良や変形を行うことができ、これらの改良や変形も本願の保護範囲であると見なされるべきである。
【符号の説明】
【0050】
1 凝縮セクション風道
2 加熱セクション風道
3 送風機
4 管本体
5 噴孔
6 給水口
7 接続板
8 接続孔
9 固定フレーム
10 通気口
11 送風セクション風道
12 温度センサ
13 風速センサ
14 ヒータ
15 凝縮水管
16 空気管
17 温度制限装置