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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】基板処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022002735
(22)【出願日】2022-01-12
(65)【公開番号】P2022151585
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2022-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0037865
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クォン、オ ヨル
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ソ ヨン
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004817(JP,A)
【文献】特開2011-077245(JP,A)
【文献】特開2016-070693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置の処理工程に応じて処理容器又は噴射ノズルを所定の位置に移動させる機構移動ステップと、
前記処理容器又は前記噴射ノズルの移動位置が正常位置にあるか否かを複数の位置検知センサを介して検知するセンサ検知ステップと、
ビジョンセンサを介して前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態を検査するビジョン検査ステップと、
前記位置検知センサを介した検知結果と前記ビジョンセンサによる検査結果とを総合して前記位置検知センサの検知誤り及び前記基板処理装置の誤作動を判断できる作動状態判断ステップと、を含むことを特徴とする、基板処理方法。
【請求項2】
前記センサ検知ステップは、
所定の位置別に配置された複数の位置検知センサを介して前記移動位置を検知し、
前記ビジョン検査ステップは、
既に保有された位置別正常状態情報と前記移動位置を撮影した撮影イメージとを対比して前記位置状態を検査することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記センサ検知ステップは、
前記処理容器の両側の昇降ユニットに設けられたマグネットを、前記処理容器の高さ位置別に配置された複数のマグネット検知手段を介して検知し、
前記ビジョン検査ステップは、
前記処理容器の上方から撮影した撮影イメージと既に保有された処理容器の位置別正常状態情報とを対比して前記処理容器の位置状態を検査することを特徴とする、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記センサ検知ステップは、
一側に前記噴射ノズルが配置されたノズル支持台の他側に設けられたマグネットを、前記噴射ノズルの回転位置別に配置された複数のマグネット検知手段を介して検知し、
前記ビジョン検査ステップは、
前記噴射ノズルの上方から撮影した撮影イメージと既に保有された噴射ノズルの位置別正常状態情報とを対比して前記噴射ノズルの位置状態を検査することを特徴とする、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記作動状態判断の結果に応じて後続の措置を行う後続措置ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記作動状態判断ステップは、
前記位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した位置状態検査結果に基づく前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態が正常状態であれば、前記位置検知センサの検知誤りと判断し、
前記後続措置ステップは、
前記基板処理装置の処理工程を行い続けることを特徴とする、請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記作動状態判断ステップは、
前記位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した位置状態検査結果に基づく前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態が非正常状態であれば、前記基板処理装置の誤作動と判断し、
前記後続措置ステップは、
前記基板処理装置の処理工程を中断することを特徴とする、請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記後続措置ステップは、
前記位置検知センサの検知誤り発生回数に基づいて前記位置検知センサの故障情報を提供することを特徴とする、請求項6に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記作動状態判断ステップは、
前記位置検知センサを介した検知結果が正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した位置状態検知結果に基づいて前記位置検知センサの検知誤差を判断し、
前記後続措置ステップは、
前記位置検知センサの検知誤差が基準値を超える場合、前記基板処理装置の処理工程を中断することを特徴とする、請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記後続措置ステップは、
前記基板処理装置の処理工程の中断に対するアラーム情報を提供し、自動復旧を行うことを特徴とする、請求項7又は請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
基板を支持する基板支持ユニットと、
上部が開放された工程空間が提供されて前記工程空間に前記基板支持ユニットが位置し、処理工程による処理流体を流入及び吸入する回収筒が設けられた処理容器と、
前記処理容器を昇降させて前記基板支持ユニットに対する前記処理容器の相対高さを変更する昇降ユニットと、
前記処理容器の昇降移動による前記処理容器の高さ位置が正常位置にあるか否かを検知する処理容器位置検知センサと、
前記処理容器の上方から前記処理容器の位置を撮影するビジョンセンサと、
前記ビジョンセンサの撮影イメージに基づいて前記処理容器の位置状態を検査し、これを前記処理容器位置検知センサの検知結果と対比して前記処理容器位置検知センサの検知誤り及び基板処理装置の誤作動に対する作動状態を判断できる作動状態判断部と、を含むことを特徴とする、基板処理装置。
【請求項12】
前記処理容器は、
処理工程による複数の処理流体をそれぞれ個別に流入及び吸入するように高さに応じて多段に複数の回収筒が備えられたことを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記昇降ユニットは、
前記処理容器の外面の両側に互いに対応して配置されるが、一側端が前記処理容器に連結されたシャフトを垂直に移動させて前記処理容器の高さ位置を変更するロッドシリンダが備えられた処理容器移動駆動器を含み、
前記処理容器位置検知センサは、
前記シャフトに配置されたマグネットと、前記シャフトの昇降移動に応じて前記マグネットの位置を検知するように所定の高さ別に配置された複数のマグネット検知手段と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項14】
待機位置と工程位置との間へ回転移動して基板上に処理流体を供給する噴射ノズルが備えられた噴射ユニットと、
前記噴射ノズルの回転移動による前記噴射ノズルの回転位置を検知する噴射ノズル位置検知センサと、をさらに含み、
前記ビジョンセンサは、
前記噴射ノズルの上方から前記噴射ノズルの位置を撮影し、
前記作動状態判断部は、
前記ビジョンセンサの撮影イメージに基づいて前記噴射ノズルの位置状態を検査し、これを前記噴射ノズル位置検知センサの検知結果と対比して前記噴射ノズル位置検知センサの検知誤り又は前記基板処理装置の誤作動を判断することを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記噴射ユニットは、
待機位置と工程位置との間へ回転移動して基板上に処理流体を供給する噴射ノズルと、
一側に前記噴射ノズルが配置され、前記噴射ノズルを支持するノズル支持台と、
前記ノズル支持台の他側を基準に前記ノズル支持台を回転させて前記噴射ノズルを回転移動させるノズル移動駆動器と、を含み、
前記噴射ノズル位置検知センサは、
前記ノズル支持台の他側に配置されたマグネットと、前記ノズル支持台の回転移動に応じて前記マグネットの位置を検知するように回転角度別に配置された複数のマグネット検知手段と、を含むことを特徴とする、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記処理容器の相対高さを変更するか或いは前記噴射ノズルの回転位置を変更するように制御し、前記作動状態判断部の判断結果に基づいてアラーム情報を提供し、前記基板処理装置の処理工程の中断及び復旧を行う制御部をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記作動状態判断部は、
前記処理容器位置検知センサ又は前記噴射ノズル位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態検査結果に基づく前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態が正常状態であれば、位置検知センサの検知誤りと判断し、
前記制御部は、
前記作動状態判断部の作動状態判断結果に基づいて、前記基板処理装置の処理工程を行い続けるように制御することを特徴とする、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記作動状態判断部は、
前記処理容器位置検知センサ又は前記噴射ノズル位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態検査結果に基づく前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態が非正常状態であれば、前記基板処理装置の誤作動と判断し、
前記制御部は、
前記作動状態判断部の作動状態判断結果に基づいて前記基板処理装置の処理工程を中断するように制御することを特徴とする、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記作動状態判断部は、
前記処理容器位置検知センサ又は前記噴射ノズル位置検知センサを介した検知結果が正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態検査結果に基づいて位置検知センサの検知誤差が基準値を超えるかを判断し、
前記制御部は、
前記位置検知センサの検知誤差が基準値を超える場合、前記基板処理装置の処理工程を中断することを特徴とする、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項20】
基板処理装置の処理工程に応じて処理容器を所定の位置に移動させる機構移動ステップと、
前記処理容器の両側の昇降ユニットに設けられたマグネットを、前記処理容器の高さ位
置別に配置された複数のマグネット検知手段を介して検知するセンサ検知ステップと、
前記処理容器の上方から撮影した撮影イメージと既に保有された前記処理容器の位置別正常状態情報とを対比して前記処理容器の位置状態を検査するビジョン検査ステップと、
位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、ビジョンセンサを介した前記位置状態の検査結果に基づいて前記位置検知センサの検知誤り又は前記基板処理装置の誤作動に対する作動状態を判断し、前記位置検知センサを介した検知結果が正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記位置状態の検査結果に基づいて前記位置検知センサの検知誤差による作動状態を判断する作動状態判断ステップと、
前記作動状態判断の結果に基づいて前記位置検知センサの検知誤りと判断される場合、処理工程を行い続け、前記基板処理装置の誤作動又は前記位置検知センサの検知誤差が基準値を超えたと判断される場合、処理を中断するとともにアラーム情報を提供する後続措置ステップと、を含むことを特徴とする、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法及び装置に係り、より詳細には、基板処理装置の処理容器又は噴射ノズルの移動位置を位置検知センサを介して検知するとともに、ビジョン検査を介して位置検知センサの検知誤り及び基板処理装置の誤作動を判断し、それにより後続の措置を行うための方案に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子又は液晶ディスプレイを製造するために、基板にフォトリソグラフィ、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、洗浄などの様々な工程が行われる。その中でも、洗浄工程は、基板上に残留したパーティクルを除去する工程であって、それぞれの工程前後段階で行われる。
【0003】
洗浄工程は、基板処理装置を介して基板上にケミカルや有機溶剤などをそれぞれ供給して異物を除去する工程である。処理工程には、基板のローディング及びアンローディングとそれぞれ異なる処理液等の供給を行いながら、処理工程による処理液を回収する工程が行われる。このためには、処理容器を所定の高さ位置に昇降させるか、或いは噴射ノズルを待機位置と工程位置に回転移動させる過程が伴う。このとき、処理容器が所定の高さ位置に適切に昇降して位置したのかと、噴射ノズルが工程位置に適切に回転移動したかは、当該工程の実行において相当重要な要素である。
【0004】
一般に、処理容器を所定の高さ位置に昇降させる昇降ユニット、又は噴射ノズルを待機位置と工程位置に回転移動させるノズル移動駆動器が備えられ、昇降ユニットを介した処理容器の高さ位置又はノズル移動駆動器を介した噴射ノズルの回転位置を、マグネットセンサをベースとする位置検知センサを介して検知しながら、当該機構部の適切な位置移動が行われるかを把握する。
【0005】
もし機構部が当該処理工程の実行のための位置に適切に移動していない場合、アラームと共に処理工程を中断させ、復旧の実行に入るが、アラーム発生の大部分が位置検知センサの誤検知により発生している。このような誤検知の発生は、不要に処理工程を中断させ、復旧作業を行うので、全体的な工程歩留まりを低下させる問題になる。
【0006】
また、機構部が当該処理工程の実行のための位置に適切に移動しなかったにも拘らず、位置検知センサが正常位置と検知する場合、処理工程の実行による不良品の量産や装備の破損などの重大な問題を引き起こす。
【0007】
よって、位置検知センサの誤検知を防止するための対策が講じられる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国特許公開第10-2015-0139018号公報
【文献】韓国特許公開第10-2018-0002101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、処理容器又は噴射ノズルが当該処理工程に合わせて適切な位置に移動したかをより正確に把握することができる方案を提示することにある。
【0010】
特に、処理容器又は噴射ノズルの位置を検知する位置検知センサの誤検知によって不要に処理工程が中断され、復旧作業が行われて全体的な工程歩留まりが低下する問題を解決しようとする。
【0011】
また、処理容器又は噴射ノズルが適切な位置に移動しなかったにも拘らず、位置検知センサが正常位置と検知することにより、処理工程の実行による不良品の量産や装備の破損などの重大な問題発生を解消しようとする。
【0012】
本発明の目的は、上述したものに限定されず、上述していない本発明の他の目的及び利点は、以降の説明から理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による基板処理方法の一実施形態は、基板処理装置の処理工程に応じて処理容器又は噴射ノズルを所定の位置に移動させる機構移動ステップと、前記処理容器又は前記噴射ノズルの移動位置を複数の位置検知センサを介して検知するセンサ検知ステップと、ビジョンセンサを介して前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態を検査するビジョン検査ステップと、前記位置検知センサを介した検知結果と前記ビジョンセンサを介した検査結果とを総合して前記位置検知センサの検知誤り又は前記基板処理装置の誤作動を判断する作動状態判断ステップと、を含むことができる。
【0014】
好ましくは、前記センサ検知ステップは、所定の位置別に配置された複数の位置検知センサを介して前記移動位置を検知し、前記ビジョン検査ステップは、既に保有された位置別正常状態情報と前記移動位置を撮影した撮影イメージとを対比して前記位置状態を検査することができる。
【0015】
一例として、前記センサ検知ステップは、前記処理容器の両側の昇降ユニットに設けられたマグネットを、前記処理容器の高さ位置別に配置された複数のマグネット検知手段を介して検知し、前記ビジョン検査ステップは、前記処理容器の上方から撮影した撮影イメージと既に保有された処理容器の位置別正常状態情報とを対比して前記処理容器の位置状態を検査することができる。
【0016】
他の一例として、前記センサ検知ステップは、一側に前記噴射ノズルが配置されたノズル支持台の他側に設けられたマグネットを、前記噴射ノズルの回転位置別に配置された複数のマグネット検知手段を介して検知し、前記ビジョン検査ステップは、前記噴射ノズルの上方から撮影した撮影イメージと、既に保有された噴射ノズルの位置別正常状態情報とを対比して前記噴射ノズルの位置状態を検査することができる。
【0017】
さらに、前記作動状態判断結果に応じて後続の措置を行う後続措置ステップをさらに含むことができる。
【0018】
一例として、前記作動状態判断ステップは、前記位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記位置状態検査結果に基づく前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態が正常状態であれば、前記位置検知センサの検知誤りと判断し、前記後続措置ステップは、前記基板処理装置の処理工程を行い続けることができる。
【0019】
他の一例として、前記作動状態判断ステップは、前記位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記位置状態検査結果に基づく前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態が非正常状態であれば、前記基板処理装置の誤作動と判断し、前記後続措置ステップは、前記基板処理装置の処理工程を中断することができる。
【0020】
さらに、前記後続措置ステップは、前記位置検知センサの検知誤り発生回数に基づいて前記位置検知センサの故障情報を提供することもできる。
【0021】
一例として、前記作動状態判断ステップは、前記位置検知センサを介した検知結果が正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサによる前記位置状態検知結果に基づいて前記位置検知センサの検知誤差を判断し、前記後続措置ステップは、前記位置検知センサの検知誤差が基準値を超える場合、前記基板処理装置の処理工程を中断することができる。
【0022】
好ましくは、前記後続措置ステップは、前記基板処理装置の処理工程の中断に対するアラーム情報を提供し、自動復旧を行うこともできる。
【0023】
また、本発明による基板処理装置の一実施形態は、基板を支持する基板支持ユニットと、上部が開放された工程空間が提供され、前記工程空間に前記基板支持ユニットが位置し、処理工程による処理流体を流入及び吸入する回収筒が設けられた処理容器と、前記処理容器を昇降させて前記基板支持ユニットに対する前記処理容器の相対高さを変更する昇降ユニットと、前記処理容器の昇降移動による前記処理容器の高さ位置を検知する処理容器位置検知センサと、前記処理容器の上方から前記処理容器の位置を撮影するビジョンセンサと、前記ビジョンセンサの撮影イメージに基づいて前記処理容器の位置状態を検査し、これを前記処理容器位置検知センサの検知結果と対比して前記処理容器位置検知センサの検知誤り又は前記基板処理装置の誤作動に対する作動状態を判断する作動状態判断部と、を含むことができる。
【0024】
好ましくは、前記処理容器は、処理工程による複数の処理流体をそれぞれ個別に流入及び吸入するように高さに応じて多段に複数の回収筒が備えられることができる。
【0025】
一例として、前記昇降ユニットは、前記処理容器の外面の両側に互いに対応して配置されるが、一側端が前記処理容器に連結されたシャフトを垂直に移動させて前記処理容器の高さ位置を変更するロッドシリンダが備えられた処理容器移動駆動器を含み、前記処理容器位置検知センサは、前記シャフトに配置されたマグネットと、前記シャフトの昇降移動に応じて前記マグネットの位置を検知するように所定の高さ別に配置された複数のマグネット検知手段と、を含むことができる。
【0026】
他の一例として、待機位置と工程位置との間へ回転移動して基板上に処理流体を供給する噴射ノズルが備えられた噴射ユニットと、前記噴射ノズルの回転移動による前記噴射ノズルの回転位置を検知する噴射ノズル位置検知センサと、をさらに含み、前記ビジョンセンサは、前記噴射ノズルの上方から前記噴射ノズルの位置を撮影し、前記作動状態判断部は、前記ビジョンセンサの撮影イメージに基づいて前記噴射ノズルの位置状態を検査し、これを前記噴射ノズル位置検知センサの検知結果と対比して前記噴射ノズル位置検知センサの検知誤り又は前記基板処理装置の誤作動を判断することができる。
【0027】
さらに、前記噴射ユニットは、待機位置と工程位置との間へ回転移動して基板上に処理流体を供給する噴射ノズルと、一側に噴射ノズルが配置され、前記噴射ノズルを支持するノズル支持台と、前記ノズル支持台の他側を基準に前記ノズル支持台を回転させて前記噴射ノズルを回転移動させるノズル移動駆動器と、を含み、前記噴射ノズル位置検知センサは、前記ノズル支持台の他側に配置されたマグネットと、前記ノズル支持台の回転移動に応じて前記マグネットの位置を検知するように回転角度別に配置された複数のマグネット検知手段と、を含むことができる。
【0028】
好ましくは、前記処理容器の相対高さを変更するか、或いは前記噴射ノズルの回転位置を変更するように制御し、前記作動状態判断部の判断結果に基づいてアラーム情報を提供し、前記基板処理装置の処理工程の中断及び復旧を行う制御部をさらに含むことができる。
【0029】
一例として、前記作動状態判断部は、前記処理容器位置検知センサ又は前記噴射ノズル位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態検査結果に基づく前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態が正常状態であれば、位置検知センサの検知誤りと判断し、前記制御部は、前記作動状態判断部の作動状態判断結果に基づいて、前記基板処理装置の処理工程を行い続けるように制御することができる。
【0030】
他の一例として、前記作動状態判断部は、前記処理容器位置検知センサ又は前記噴射ノズル位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態検査結果に基づく前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態が非正常状態であれば、前記基板処理装置の誤作動と判断し、前記制御部は、前記作動状態判断部の作動状態判断結果に基づいて前記基板処理装置の処理工程を中断するように制御することができる。
【0031】
別の一例として、前記作動状態判断部は、前記処理容器位置検知センサ又は前記噴射ノズル位置検知センサを介した検知結果が正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記処理容器又は前記噴射ノズルの位置状態検査結果に基づいて位置検知センサの検知誤差が基準値を超えるかを判断し、前記制御部は、前記位置検知センサの検知誤差が基準値を超える場合、前記基板処理装置の処理工程を中断することができる。
【0032】
本発明による基板処理方法の好適な一実施形態は、基板処理装置の処理工程に応じて処理容器を所定の位置に移動させる機構移動ステップと、前記処理容器の両側の昇降ユニットに設けられたマグネットを、前記処理容器の高さ位置別に配置された複数のマグネット検知手段を介して検知するセンサ検知ステップと、前記処理容器の上方から撮影した撮影イメージと既に保有された前記処理容器の位置別正常状態情報とを対比して前記処理容器の位置状態を検査するビジョン検査ステップと、前記位置検知センサを介した検知結果が非正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記位置状態検査結果に基づいて前記位置検知センサの検知誤り又は前記基板処理装置の誤作動に対する作動状態を判断し、前記位置検知センサを介した検知結果が正常位置と判断される場合、前記ビジョンセンサを介した前記位置状態検査結果に基づいて前記位置検知センサの検知誤差による作動状態を判断する作動状態判断ステップと、前記作動状態判断結果に基づいて前記位置検知センサの検知誤りと判断される場合、処理工程を行い続け、前記処理装置の誤作動又は前記位置検知センサの検知誤差が基準値を超えたと判断される場合、処理を中断するとともにアラーム情報を提供する後続措置ステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0033】
このような本発明によれば、処理容器又は噴射ノズルに対する位置状態を位置検知センサで検知しながら、ビジョンセンサを介してさらに検査することにより、位置検知センサの誤検知を把握することができるので、不要な基板処理装置の処理工程の中断を防止して工程歩留まりを向上させることができる。
【0034】
特に、処理容器又は噴射ノズルが正常位置へ移動しなかったにも拘らず、位置検知センサがこれを正常位置と検知する場合、ビジョンセンサを介して非正常位置であることを把握することができるので、処理工程の実行による不良品の様相や装備の破損などの重大問題発生を予め防止することができる。
【0035】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述していない別の効果は、以降の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明による基板処理装置の一実施形態を示す図である。
図2】本発明による基板処理装置を上方から見た一実施形態を示す図である。
図3】本発明に係る基板処理装置の主要部に対する一実施形態を示す構成図である。
図4】本発明による基板処理方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図5】本発明による基板処理方法の位置検知過程から後続措置過程までの一実施形態を示すフローチャートである。
図6】本発明における処理容器の相対的な上下移動による高さ位置検知に対する一実施形態を示す図である。
図7】本発明における処理容器の高さ位置検知及び検査に対する一実施形態を示す図である。
図8】本発明における処理容器の高さ位置検知及び検査に対する他の実施形態を示す図である。
図9】本発明における噴射ノズルの回転位置検知及び検査に対する一実施形態を示す図である。
図10】本発明における噴射ノズルの回転位置検知及び検査に対する他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明するが、本発明は実施形態によって限定又は制限されるものではない。
【0038】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を説明するために、以下では、本発明の好適な実施形態を例示し、これを参照して考察する。
【0039】
まず、本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含むことができる。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0040】
本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明確にするおそれがあると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。
【0041】
本発明は、基板処理装置の処理容器又は噴射ノズルの移動位置を位置検知センサを介して検知するとともに、ビジョン検査を介して位置検知センサの検知誤りと基板処理装置の誤作動を判断し、それにより後続の措置を行うための方案を開示する。
【0042】
図1は本発明の基板処理装置に対する一実施形態を示し、図2は本発明の基板処理装置を上方から見た一実施形態を示し、図3は本発明による基板処理装置の実施形態を示す主要構成図である。
【0043】
図1乃至図3を参照すると、基板処理装置10は、チャンバ50、処理容器100、基板支持ユニット200、噴射ユニット300、処理液供給装置400、昇降ユニット500、作動状態判断部700、制御部800などを含む。
【0044】
チャンバ50は、密閉された内部空間を提供する。上部には気流供給ユニット51が設置される。気流供給ユニット51は、チャンバ50の内部に下降気流を形成する。
【0045】
気流供給ユニット51は、高湿度の外気をフィルタリングしてチャンバ50の内部へ供給する。高湿度の外気は、気流供給ユニット51を通過してチャンバの内部へ供給され、下降気流を形成する。下降気流は、基板Wの上部に均一な気流を提供し、処理流体によって基板Wの表面が処理される過程で発生する汚染物質を空気と共に処理容器100の回収筒110、120、130を介して排出させる。
【0046】
チャンバ50は、工程領域56とメンテナンス領域58に分けられる。工程領域56には、処理容器100と基板支持ユニット200が位置する。メンテナンス領域58には、処理容器100に連結される排出ライン、排気ラインなどが位置し、噴射ユニット300に連結される駆動部、供給ラインなどが位置する。また、昇降ユニット500の処理容器移動駆動器520a、520bは、メンテナンス領域58から工程領域56に延びて位置する。メンテナンス領域58は工程領域56から隔離される。
【0047】
処理容器100は、上部が開放された円筒形状を有し、基板Wを処理するための工程空間を提供する。処理容器100の開放された上面は、基板Wの搬出及び搬入通路として提供される。工程空間には基板支持ユニット200が位置する。基板支持部200は、工程の進行時に基板Wを支持した状態で基板Wを回転させる。
【0048】
処理容器100は、強制排気が行われるように下端部に排気ダクト(図示せず)が連結された下部空間を提供する。処理容器100には、回転する基板W上で飛散する処理液と気体を流入及び吸入する第1乃至第3回収筒110、120、130が多段に配置される。環状の第1乃至第3回収筒110、120、130は、一つの共通した環状空間と通じる排気口を有する。
【0049】
具体的には、第1乃至第3回収筒110、120、130は、それぞれ環状のリング形状を有する底面と、底面から延びて円筒形状を有する側壁と、を含む。第2回収筒120は、第1回収筒110を囲み、第1回収筒110から離隔して位置する。第3回収筒130は、第2回収筒120を囲み、第2回収筒120から離隔して位置する。
【0050】
第1乃至第3回収筒110、120、130は、基板Wから飛散した処理液及びヒュームが含まれた気流が流入する第1乃至第3回収空間を提供する。第1回収空間は第1回収筒110によって定義され、第2回収空間は第1回収筒と第2回収筒との離隔空間によって定義され、第3回収空間は第2回収筒と第3回収筒との離隔空間によって定義される。
【0051】
第1乃至第3回収筒110、120、130の各上面は、中央部が開放される。第1乃至第3回収筒110、120、130は、連結された側壁から開放部に行くほど対応する底面との距離が次第に増加する傾斜面からなる。基板Wから飛散した処理液は、第1乃至第3回収筒110、120、130の上面に沿って回収空間内に流入して廃液処理ユニット又は処理溶液リサイクルユニットへ排出される。
【0052】
一方、処理容器100は、処理容器100の垂直位置を変更させる昇降ユニット500に結合する。昇降ユニット500は、処理容器100を上下方向に直線移動させる。昇降ユニット500は、処理容器100の両側又は処理容器100の周りに沿って離隔して複数個が配置され得る。昇降ユニット500を介して処理容器100が上下に移動するにつれて、基板支持ユニット200に対する処理容器100の相対高さが変更される。
【0053】
昇降ユニット500は、ブラケット510a、510bと処理容器移動駆動器520a、520bとを含む。ブラケット510a、510bは、処理容器100の外壁に固定設置される。処理容器移動駆動器520a、520bは、ブラケット510a、510bに連結されたシャフトを垂直に移動させるロッドシリンダを含むことができる。基板Wがチャックステージ210にローディング又はアンローディングされるとき、チャックステージ210が処理容器100の上部に突出するように、処理容器100は下降する。また、工程の進行時には、基板Wに供給された処理液の種類に応じて、処理液が所定の回収筒110、120、130に流入できるように処理容器100の高さが第1乃至第3回収筒110、120、130に対応して調節される。処理容器100の高さ調節によって、処理容器100は、第1乃至第3回収空間別に回収される処理液と汚染ガスの種類を異ならせることができる。このために、昇降ユニット500は、処理容器100を垂直に移動させて処理容器100と基板支持ユニット200との相対的な垂直位置を変更する。
【0054】
処理工程による処理容器100の高さを制御するために、昇降ユニット500には、処理容器100の昇降移動による処理容器の高さ位置を検知する処理容器位置検知センサ610が配置される。
【0055】
処理容器位置検知センサ610は、昇降ユニット500の処理容器移動駆動器520a、520bに対応してそれぞれの処理容器位置検知センサ610a、610bが配置されることにより、処理容器100の高さ位置を検知することができる。処理容器位置検知センサ610a、610bはマグネットとマグネット検知手段を含む。
【0056】
一例として、処理容器移動駆動器520a、520bのシャフトの下端にマグネット620a、620bが配置され、シャフトの昇降移動に伴ってマグネット620a、620bの位置を検知するようにマグネット検知手段630a、630bが配置される。
【0057】
マグネット検知手段630a、630bは、処理容器100の両側の処理容器移動駆動器520a、520b別にそれぞれ配置され、チャックステージ210に基板Wをローディング又はアンローディングするための処理容器100の高さ位置、及び多段に備えられた第1乃至第3回収筒110、120、130の高さ位置にそれぞれ対応して所定の高さ別にマグネット検知手段631a、632a、633a、631b、632b、633bが配置される。
【0058】
処理容器100の移動位置を検知するためのマグネット620a、620bとマグネット検知手段630a、630bの配置位置と配置個数は、必要に応じて多様に変更できる。
【0059】
また、処理容器100の上方から処理容器100の移動による位置を撮影するビジョンセンサ690が配置される。
【0060】
このような処理容器位置検知センサ610の処理容器100に対する位置検知とビジョンセンサ690を介した処理容器100の移動位置を撮影したイメージは、作動状態判断部700に提供され、作動状態判断部700で処理容器100の位置状態を判断する。
【0061】
一例として、作動状態判断部700は、処理容器位置検知センサ610を介した検知結果が非正常位置と判断される場合、ビジョンセンサ690を介した処理容器100の位置状態検査結果に基づく処理容器100の位置状態が正常状態であれば、処理容器位置検知センサ610の検知誤りと判断し、ビジョンセンサ690を介した処理容器100の位置状態検査結果に基づく処理容器100の位置状態が非正常状態であれば、基板処理装置10の誤作動と判断する。
【0062】
また、作動状態判断部700は、処理容器位置検知センサ610を介した検知結果が正常位置と判断される場合、ビジョンセンサ690を介した処理容器100の位置状態検査結果に基づいて処理容器位置検知センサ610の検知誤りを算出し、検知誤差が基準値を超えるかを判断する。
【0063】
制御部800は、昇降ユニット500を制御して処理容器100を昇降させることにより相対高さを変更する。また、制御部800は、作動状態判断部700の作動状態判断結果に基づいて後続の措置を行う。
【0064】
制御部800は、作動状態判断部700の作動状態判断結果に基づいて、正常状態であれば、基板処理装置10の処理工程を行い続けるように制御し、非正常状態であれば、処理工程を中断するように制御する。また、制御部800は、処理容器位置検知センサ610の検知誤差が基準値を超える場合、基板処理装置10の処理工程を中断する。
【0065】
また、制御部800は、作動状態判断部700の判断結果に基づいてアラーム情報を提供し、基板処理装置10の処理工程中断時に自動復旧を行うように制御する。
【0066】
基板支持ユニット200は、スピンヘッド210、回転軸220、駆動部230及び底面ノズルアセンブリ240を含む。
【0067】
スピンヘッド210に連結された回転軸220は、駆動部230によって回転し、これにより、スピンヘッド210上に装着された基板Wが回転する。そして、回転軸220に貫通軸設された底面ノズルアセンブリ240は、基板Wの背面に処理液を噴射する。スピンヘッド210は、基板Wが上方に離隔した状態で支持されるように設置された支持部材を有する。支持部材は、スピンヘッド210の上面の縁部に所定間隔離隔して突出するように設置された多数のチャッキングピン211と、それぞれのチャッキングピン211の内側に突出するように設置された多数の支持ピン222と、を含む。回転軸220は、スピンヘッド210に連結され、その内部が空いている中空軸(Hollow Shaft)の形態であって、後述する駆動部230の回転力をスピンヘッド210に伝達する。
【0068】
噴射ユニット300は、ノズル支持台310、噴射ノズル320、支持軸330及びノズル移動駆動器340を含み、処理液供給ユニット400は、噴射ユニット300へ処理流体を供給する。
【0069】
噴射ノズル320は、ノズル支持台310の一側端の底面に設置される。ノズル支持台310の他側は、支持軸330を介してノズル移動駆動器340に連結され、ノズル移動駆動器340は、ノズル支持台310の他側を基準にノズル支持台310を回転させて噴射ノズル320を工程位置と待機位置に回転移動させる。工程位置は、噴射ノズル320が処理容器100の垂直上部に配置された位置であって、好ましくは、基板支持ユニット200に置かれた基板の中心部に対応する位置となる。待機位置は、噴射ノズル320が処理容器100の垂直上部から外れた位置である。噴射ノズル320は、基板W上へ処理流体を供給する。
【0070】
噴射ノズル320の回転移動による工程位置と待機位置を検知するために、噴射ノズル位置検知センサ650が配置される。噴射ノズル位置検知センサ650はマグネットとマグネット検知手段を含む。
【0071】
一例として、一側に噴射ノズル320が配置されたノズル支持台310の他側端にマグネット660が配置され、ノズル支持台310の回転移動に応じてマグネット660の位置を検知するようにマグネット検知手段670が配置される。
【0072】
マグネット検知手段670は、噴射ノズル320の回転角度別に複数個670a、670bが配置される。例えば、噴射ノズル320の待機位置に対応するマグネット検知手段670bと、噴射ノズル320の工程位置に対応するマグネット検知手段670aとが配置される。
【0073】
噴射ノズル320の位置を検知するためのマグネット660及びマグネット検知手段670の配置位置及び配置個数は、必要に応じて様々に変形できる。
【0074】
そして、噴射ノズル320の上方から噴射ノズル320の位置を撮影するビジョンセンサ690が配置される。ここで、ビジョンセンサ690は、先立って処理容器100の位置を撮影するとともに噴射ノズル320の位置を撮影することができるように配置される。
【0075】
このような噴射ノズル位置検知センサ650の噴射ノズル320に対する位置検知とビジョンセンサ690を介した噴射ノズル320の移動位置を撮影したイメージは作動状態判断部700へ提供され、作動状態判断部700で噴射ノズル320の位置状態を判断する。
【0076】
一例として、作動状態判断部700は、噴射ノズル位置検知センサ650を介した検知結果が非正常位置と判断される場合、ビジョンセンサ690を介した噴射ノズル320の位置状態検査結果に基づく噴射ノズル320の位置状態が正常状態であれば、噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤りと判断し、ビジョンセンサ690を介した噴射ノズル320の位置状態検査結果に基づく噴射ノズル320の位置状態が非正常状態であれば、基板処理装置10の誤作動と判断する。
【0077】
また、作動状態判断部700は、噴射ノズル位置検知センサ650を介した検知結果が正常位置と判断される場合、ビジョンセンサ690を介した噴射ノズル320の位置状態検査結果に基づいて噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤差を算出し、検知誤差が基準値を超えるかを判断する。
【0078】
制御部800は、ノズル移動駆動器340を制御して噴射ノズル320を回転させることにより噴射ノズル320の位置を変更する。また、制御部800は、作動状態判断部700の作動状態判断結果に基づいて後続の措置を行う。
【0079】
制御部800は、作動状態判断部700の作動状態判断結果に基づいて、正常状態であれば、基板処理装置10の処理工程を行い続けるように制御し、非正常状態であれば、処理工程を中断するように制御する。また、制御部800は、噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤差が基準値を超える場合、基板処理装置10の処理工程を中断する。
【0080】
また、制御部800は、作動状態判断部700の判断結果に基づいてアラーム情報を提供し、基板処理装置10の処理工程の中断時に自動復旧を行うように制御する。
【0081】
上述した本発明に係る基板処理装置10の一実施形態によって、工程の実行時に処理容器100又は噴射ノズル320の位置移動を検知して当該処理工程に対応する適切な位置状態を判断し、また、位置検知センサの検知誤り及び基板処理装置の誤作動を把握してそれによる後続の措置を行うことができる。
【0082】
また、本発明では、上述した本発明による基板処理装置の基板処理方法を提示するが、以下では、本発明による基板処理方法について実施形態を参照して説明する。
【0083】
図4は本発明による基板処理方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0084】
本発明による基板処理方法の一実施形態は、基板処理装置10の処理工程に応じて処理容器100又は噴射ノズル320を所定の位置に移動させる機構移動ステップ(S100)と、処理容器100又は噴射ノズル320の移動位置を複数の位置検知センサ610、650を介して検知するセンサ検知ステップ(S200)と、ビジョンセンサ690を介して処理容器100又は噴射ノズル320の位置状態を検査するビジョン検査ステップ(S300)と、位置検知センサ610、650を介した検知結果とビジョンセンサ690を介した検査結果とを総合して位置検知センサ610、650の検知誤り又は基板処理装置10の誤作動を判断する作動状態判断ステップ(S400)と、を含み、前記作動状態判断結果に基づいて後続措置を行う後続措置ステップ(S500)をさらに含むことができる。
【0085】
本発明による基板処理方法において、センサ検知ステップ(S200)乃至後続措置ステップ(S500)について、図5に示された実施形態のフローチャートを用いてより詳細に考察する。
【0086】
所定の位置別に配置された処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650を介して処理容器100又は噴射ノズル320の移動位置を検知(S210)して、処理容器100又は噴射ノズル320が正常位置に移動したかを判断する(S230)。
【0087】
また、ビジョンセンサ690で処理容器100又は噴射ノズル320の上方から処理容器100又は噴射ノズル320の移動による位置を撮影(S310)して処理容器100又は噴射ノズル320の位置状態を検査する(S330)。ここで、位置状態検査は、作動状態判断部700が処理容器100又は噴射ノズル320の位置別正常状態情報を既に保有し、処理容器100又は噴射ノズル320の移動位置を撮影した撮影イメージと位置別正常状態情報とを対比して、処理容器100又は噴射ノズル320の位置状態が正常状態であるかを検査する。
【0088】
例えば、処理容器100又は噴射ノズル320の特定の位置で正常状態のイメージを保有し、これを撮影イメージと対比して処理容器100又は噴射ノズル320が当該位置に適切に移動したか、或いは特定の部位がずれているか歪んでいるかについての位置状態を検査する。
【0089】
一例として、作動状態判断部700は、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650を介した検知結果が非正常位置と判断される(S230)場合、ビジョンセンサ690を介した位置状態検査結果に基づいて、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤り又は基板処理装置10の誤作動による処理容器100又は噴射ノズル320の位置状態に対する正常状態か否かを判断する(S450)。
【0090】
もし処理容器100又は噴射ノズル320の位置状態が正常状態と判断されると(S450)、作動状態判断部700は、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の作動状態を判断する(S550)が、ビジョンセンサ690を介した位置状態検査結果が正常状態であるにも拘らず処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650を介した検知結果が非正常位置と検知された場合、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤りと判断する。
【0091】
また、作動状態判断部700は、処理容器100又は噴射ノズル320の位置状態が非正常状態であると判断されると(S450)、基板処理装置10の誤作動と判断する。このとき、ビジョンセンサ690を介した位置状態検査結果に基づいて、処理容器移動駆動器520a、520b又はノズル支持台310やノズル移動駆動器340などの誤作動の有無を判断することができる。
【0092】
そして、作動状態判断部700の位置状態検査結果に基づいて、制御部800は基板処理装置10を制御するが、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の検知結果が検知誤りと判断されると、制御部800は、基板処理装置10の処理工程を行い続け(S570)、基板処理装置10の誤作動と判断されると、制御部800は、基板処理装置10の処理工程を中断する(S520)。
【0093】
制御部800は、基板処理装置10の処理工程中断時にアラーム情報と一緒に作動状態判断部700の位置状態検査結果に関する情報を管理者に提供することができ、さらに基板処理装置10の誤作動発生部分に対する自動復旧を行う(S530)こともできる。自動復旧は、基板処理装置10全体又は誤作動発生部分に対するリセットを介して行われることができる。
【0094】
さらに、制御部800は、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤り発生回数に基づいて、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の故障か否かを判断し、これについての故障情報を管理者に提供することもできる。
【0095】
一例として、作動状態判断部700は、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650を介した検知結果が正常位置と判断される場合、ビジョンセンサ690を介した位置状態検査結果に基づいて処理容器100又は噴射ノズル320のずれや歪みによる位置偏差を算出し(S410)、算出された位置偏差の基準値超過判断(S430)に基づいて処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤差を算出する。
【0096】
ここで、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤差は、処理容器100又は噴射ノズル320の特定の位置で正常状態のイメージと撮影イメージとを対比して、特定の部位のずれ程度又は歪み程度に対する位置偏差を算出し、これを基準値と対比して処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の検知結果に基づく検知誤差を算出することができる。
【0097】
そして、作動状態判断部700の作動状態判断結果に基づいて、制御部800は基板処理装置10を制御するが、作動状態判断部700で判断した処理容器100又は噴射ノズル320の位置偏差が基準値以内である場合には、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤差を許容範囲以内に取り扱い、制御部800は、基板処理装置10の処理工程を行い続け(S570)、作動状態判断部700で判断した処理容器100又は噴射ノズル320の位置偏差が基準値を超える場合には、処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の作動状態を故障と判断し(S510)、制御部800は、基板処理装置10の処理工程を中断する。
【0098】
また、制御部800は、基板処理装置10の処理工程の中断時にアラーム情報と一緒に処理容器位置検知センサ610又は噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤差による故障情報を管理者に提供することもできる。
【0099】
以下、上述した本発明による基板処理方法について処理容器100又は噴射ノズル320の移動の実施例によってさらに詳しく説明する。
【0100】
図6は本発明による処理容器100の移動位置を検知する一実施形態を示す。
【0101】
図6の(a)は、基板Wのローディング及びアンローディング時の処理容器100の位置として、処理容器100の両側に配置された処理容器移動駆動器520a、520bを介して処理容器100を所定の位置まで上昇させる。基板Wのローディング及びアンローディングのために処理容器100を所定の位置まで下降させるとき、シャフト下端のマグネット620a、620bの位置を、複数のマグネット検知手段630a、630bのうち、基板Wのローディング及びアンローディング位置に対応するマグネット検知手段631a、631bが検知する。
【0102】
また、種類別処理流体を流入及び吸入するために処理容器100が当該位置に上昇する場合、処理容器100の両側に配置された処理容器移動駆動器520a、520bを介して処理容器100を既定の位置まで上昇させる。
【0103】
図6の(b)に示すように、第3回収筒130を介して処理流体を流入及び吸入するために、処理容器100を所定の位置まで上昇させるとき、シャフト下端のマグネット620a、620bの位置を、複数のマグネット検知手段630a、630bのうち、第3回収筒130の流入及び吸入位置に対応するマグネット検知手段632a、632bが検知する。
【0104】
このように処理容器100を所定の位置に移動させるとき、処理容器位置検知センサ610を介して処理容器の位置を検知する。
【0105】
本発明では、処理容器位置検知センサ610を介した検知結果とビジョンセンサ690を介した検査結果とを総合して、処理容器位置検知センサ610の検知誤り又は基板処理装置10の誤作動の有無を判断するが、これを図7及び図8に基づいて説明する。
【0106】
図7の(a)に示すように第3回収筒130を介して処理流体を流入及び吸入するために処理容器100を所定の位置まで上昇させるとき、シャフト下端のマグネット620a、620bの位置を、複数のマグネット検知手段630a、630bのうち、第3回収筒130の流入及び吸入位置に対応するマグネット検知手段632a、632bが検知する。
【0107】
図7の(b)に示すように第3回収筒130を介して処理流体を流入及び吸入するために、処理容器100が位置した状態をビジョンセンサ690を介して撮影し、撮影イメージと既に保有された正常状態情報とを対比して検査する。
【0108】
一例として、図7の(a)に示すように第3回収筒130が処理流体を流入及び吸入するように処理容器100が正常位置状態に移動したにも拘らず、処理容器位置検知センサ610が非正常位置と検知する場合、図7の(b)に示すようにビジョンセンサ690を介して処理容器100の位置状態を検査して正常状態と判断されると、処理容器位置検知センサ610の検知誤りと判断し、処理工程を行い続ける。
【0109】
他の一例として、図8の(a)に示すように、第3回収筒130を介して処理流体を流入及び吸入するために処理容器100を所定の位置まで上昇させるとき、処理容器100の両側に配置された処理容器移動駆動器520a、520bのうち、一部の処理容器移動駆動器510aは正常動作したが、一部の処理容器移動駆動器520bは正常に動作しないことにより、図8の(b)に示すように処理容器100が歪んで処理容器100が正常位置に移動しなかったにも拘らず、正常動作していない処理容器移動駆動器520bに配置された処理容器位置検知センサ610bがこれを正常位置と検知した場合、ビジョンセンサ690を介して処理容器100の位置状態を検査することにより、処理容器移動駆動器520bの誤作動を把握することができる。
【0110】
また、本発明では、噴射ノズル位置検知センサ650を介した検知結果とビジョンセンサ690を介した検査結果とを総合して、噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤り又は基板処理装置10の誤作動の有無を判断するが、これを図9及び図10に基づいて考察する。
【0111】
噴射ノズル320が待機位置にある状態で噴射ノズル320が配置されたノズル支持台310をノズル移動駆動器340が回転させて噴射ノズル320を工程位置に回転移動させ、ノズル支持台310に配置されたマグネット660の移動を、回転角度別に配置されたマグネット検知手段670a、670bが検知して、噴射ノズル320の回転移動を検知する。
【0112】
図9の(a)に示すように、噴射ノズル320の待機位置から正常な工程位置への移動時に、ノズル支持台310に配置されたマグネット660をマグネット検知手段670aが検知する。
【0113】
そして、図9の(b)に示すように、噴射ノズル320の位置状態をビジョンセンサ690を介して撮影し、撮影イメージと既に保有された正常状態情報とを対比して検査する。
【0114】
一例として、図9の(a)に示すように噴射ノズル320が正常な工程位置に移動したにも拘らず、噴射ノズル検知センサ650が非正常位置と検知する場合、図9の(b)に示すようにビジョンセンサ690を介して噴射ノズル320の位置状態を検査して正常状態と判断されると、噴射ノズル位置検知センサ650の検知誤りと判断し、処理工程を行い続ける。
【0115】
他の一例として、図10に示すように、ノズル移動駆動器340が正常に動作しないことにより、噴射ノズル320が工程位置Cに対応する正常位置に移動しなかったにも拘らず、噴射ノズル位置検知センサ650がこれを正常位置と検知した場合、ビジョンセンサ690を介して噴射ノズル320の位置状態を検査することにより、ノズル移動駆動器340の誤作動を把握することができる。
【0116】
このように、本発明によれば、処理容器又は噴射ノズルに対する位置状態を位置検知センサで検知しながらビジョンセンサを介してさらに検査することにより、位置検知センサの誤検知を把握することができるので、不要な基板処理装置の処理工程の中断を防止して工程歩留まりを向上させることができる。
【0117】
特に、処理容器又は噴射ノズルが正常位置に移動しなかったにも拘らず、位置検知センサがこれを正常位置と検知する場合、ビジョンセンサを介して非正常位置であることを把握することができるので、処理工程の実行による不良品の様相や装備の破損などの重大問題の発生を事前に防止することができる。
【0118】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱することなく多様な修正及び変形が可能であろう。よって、本発明に記載された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、これらの実施形態によって本発明の技術思想が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下記の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0119】
10 基板処理装置
100 処理容器
200 基板支持ユニット
300 噴射ユニット
310 ノズル支持台
320 噴射ノズル
340 ノズル移動駆動器
400 処理液供給ユニット
500 昇降ユニット
510a、510b ブラケット
520a、520b 処理容器移動駆動器
610、610a、610b 処理容器位置検知センサ
620a、620b マグネット
630a、630b マグネット検知手段
650 噴射ノズル位置検知センサ
660 マグネット
670 マグネット検知手段
690 ビジョンセンサ
700 作動状態判断部
800 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10