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特許7340644スプリットレンズと撮像モジュール及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】スプリットレンズと撮像モジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20230831BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20230831BHJP
【FI】
G02B7/02 D
G02B7/02 B
G03B30/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022047339
(22)【出願日】2022-03-23
(62)【分割の表示】P 2019552211の分割
【原出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2022091868
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】201720299172.2
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710182535.9
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518168041
【氏名又は名称】▲寧▼波舜宇光▲電▼信息有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 明珠
(72)【発明者】
【氏名】王 守杰
(72)【発明者】
【氏名】郭 楠
(72)【発明者】
【氏名】丁 亮
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲飛▼帆
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 春梅
(72)【発明者】
【氏名】梅 其敏
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0301303(US,A1)
【文献】特開2008-003603(JP,A)
【文献】特開2007-010866(JP,A)
【文献】特開2010-191345(JP,A)
【文献】特開2015-118111(JP,A)
【文献】国際公開第2014/156954(WO,A1)
【文献】特開2009-175331(JP,A)
【文献】国際公開第2011/055503(WO,A1)
【文献】特開2014-164239(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105005131(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0223829(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105637398(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0058265(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102023361(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0218649(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0185291(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101493563(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104007529(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/16
G03B 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリットレンズであって、
第1の鏡筒と、少なくとも一つの、前記鏡筒に装着されるレンズとを含む少なくとも一つの第1のレンズ群と;
第2の鏡筒と、少なくとも一つの、前記第2の鏡筒に装着されるレンズとを含む少なくとも一つの第2のレンズ群と;を含み、
前記第1の鏡筒は第1の固定部を含み、前記第2の鏡筒はさらに第2の固定部を含み、前記第1の固定部と前記第2の固定部とは互いに接続されて固定されることによって前記第1の鏡筒と前記第2の鏡筒が一体型レンズに組み立てられ、
前記第1の鏡筒の外径は前記第2の鏡筒の上端側の内側における直径のうち最も小さい直径より小さいことで、前記第1の鏡筒の前記第1の固定部と前記第2の鏡筒の前記第2の固定部とが安定的に嵌め合わせられるように接続され、
前記第1の固定部は外固定面を含み、前記第2の固定部は外固定面を含み、前記第1の固定部の外固定面は前記第1の鏡筒の下端の外側に位置し、前記第2の固定部の前記外固定面は前記第2の鏡筒の上端の内側に位置し、前記第2の鏡筒の内側には、前記第2の鏡筒の頂部内側に設置された固定溝がさらに設けられており、しかも前記固定溝は、前記第1のレンズ群に沿って前記第2のレンズ群に向かって徐々に小さくなる内径を有し、前記固定溝は、前記第1の鏡筒の外固定面と対応し、これによって前記固定溝は接続媒体により充填されて前記第1の鏡筒の外固定面と十分に接触し、
前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間の接続位置の外部光を遮断して外部光が前記スプリットレンズ内部に入ることを防止し、しかも前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間に所定の光路を形成するように、前記第1のレンズ群の下端の前記レンズと前記第2のレンズ群の上端の前記レンズとの間に設置され、しかも前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間に安定的に設置されている少なくとも一つの遮光素子を更に含む、
ことを特徴とする、スプリットレンズ。
【請求項2】
前記遮光素子が前記第2のレンズ群の上端の前記レンズの上面に設置されている、請求項1に記載のスプリットレンズ。
【請求項3】
前記遮光素子が前記第1のレンズ群の下端の前記レンズの下面に設置されている、請求項1に記載のスプリットレンズ。
【請求項4】
三つの前記遮光素子がそれぞれ前記第1のレンズ群の下端の三つの前記レンズの下面に設置され、二つの前記遮光素子がそれぞれ前記第2のレンズ群の上端の二つの前記レンズの下面に設置されている、請求項1に記載のスプリットレンズ。
【請求項5】
前記遮光素子が、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群の隣接する前記レンズの間に設置されている、請求項1に記載のスプリットレンズ。
【請求項6】
二つの前記レンズの間に配置されて光学設計における前記レンズに対する要求を満足するための少なくとも一つのスペーサをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のスプリットレンズ。
【請求項7】
前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群は、アクティブアライメントによって組み立てられる、請求項1~5のいずれか一項に記載のスプリットレンズ。
【請求項8】
前記遮光素子はコーティング層である、請求項1~5のいずれか一項に記載のスプリットレンズ。
【請求項9】
前記遮光素子は黒色接着剤層である、請求項1~5のいずれか一項に記載のスプリットレンズ。
【請求項10】
前記第1のレンズ群は3枚の前記レンズを含み、前記第2のレンズ群は3枚の前記レンズを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のスプリットレンズ。
【請求項11】
前記第1のレンズ群の下端の前記レンズは、少なくとも一つの接着媒体を通して前記第1の鏡筒の内表面に接着される、請求項1~5のいずれか一項に記載のスプリットレンズ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のスプリットレンズと、少なくとも一つの感光素子とを含み、前記スプリットレンズを通過した光が前記感光素子に到達して光電変換により、結像に用いられることを特徴とする、撮像モジュール。
【請求項13】
少なくとも一つの電子機器本体と、前記電子機器本体に設置される請求項12に記載の一つ以上の前記撮像モジュールとを含むことを特徴とする、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリットレンズに関するものであり、特に、スマートデバイスに適用される撮像モジュールのスプリットレンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レンズの質の優劣は、撮像パフォーマンスを最も直接に影響する鍵である。高品質のレンズを作ることは、撮像業界で高品質の製品を作るために非常に重要である。撮像撮影分野では、レンズに対する各方面からの研究開発は、製造業者が高品質性能に対する追求を反映できる。スマートモバイルデバイスの流行につれて、光学レンズについての設計と研究開発は、スマートモバイルデバイスの場合にはより多くのチャレンジに直面しているとともに、より広い市場にも直面している。
【0003】
スマートモバイルデバイス、特に携帯電話、タブレット、ラップトップ、インテリジェントサービス端末、さらに携帯型認証装置などは、いずれも広い市場を持つ製品である。撮像モジュールは重要な検出デバイスとして、すでに装置に直接に実装されている。多くの装置には、撮像モジュールに対する要求がプロ用撮像デバイスに対する要求とほぼ同じである。また、撮像モジュールにおけるレンズに対する要求もますます高くなっている。
【0004】
明らかに、撮像モジュールのレンズに着目して改善することは最も効果的な方法である。そして、撮像モジュールの解像度品質に影響を与える非常に重要な部品はレンズである。従来のレンズは、複数のレンズを鏡筒に順次取り付けて固定することにより得られる。そして、複数の鏡筒が組み立てられて、複数の鏡筒の中の複数のレンズ間の光伝送関係によって完全な光学システムが形成される。しかし、組み立て中の公差により、レンズとチップには偏心や傾きの現象が起こり、さらに解像度が低くなる。また、従来のレンズの加工時にも公差があるため、各レンズが良好であり、しかもレンズに良好に組み立てられた場合でも、鏡筒間に公差がある。いったん組立てられた鏡筒は、修正することが難しい。これは、レンズと鏡筒の無駄遣いであり、製造効率には大きな影響を及ぼす。
【0005】
高性能の光学システムを設計するには、製造においてレンズスペーサの設計と加工には問題がある。スペーサは、光学性能全体の焦点距離、切片、検出率に対して影響があり、モジュールの解像度にも影響がある。従来のレンズスペーサの設計は、フロントレンズとリアレンズの直径及び開口径の違いにも影響される。従来のプロセスでは、スペーサの設計とシミュレーションが必要であるだけではなく、スペーサに対する精確な加工も高く要求されている。光学間隔、有効開口径、及び光軸の一致性を確保するしかレンズの品質を保証できない。レンズ内に遮光性の良い環境を形成して外部光が側方からレンズ内に入ることを防止し、外部からの迷光の影響を避けることも、レンズの光学システムの結像品質を確保するための重要なことである。
【0006】
また、高画素撮像モジュールでは、レンズ内のレンズ数が増えつつあるにつれて、レンズの高さが増えることになる。しかし、撮像モジュールは軽量薄型化へ発展することが要求されているため、撮像モジュール技術が高度に発展している今日では、撮像モジュールの各部品の改良は、撮像モジュールにとって極めて重要であり、例えば、スペーサは従来の光学レンズにおいて不可欠であるとともに、レンズの一定のスペースを占める。従来のスペーサは柔らかく、通常は隣接している二枚のレンズの間に挟持されるように取り付けられて固定され、レンズ自身は直接に固定し難いまたは鏡筒と固定し難い。
【0007】
撮像モジュールのレンズの性能を向上させると同時に良品率と製造効率を高め、コストを削減することは、撮像モジュールの製造において重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一つの目的は、レンズ群の組み合わせを採用し、その中で、一つの遮光素子が隣接する二つのレンズ群の間に設置され、群間の接する位置での外部光を遮断して所定の光路を形成するスプリットレンズを提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、遮光素子をスプリットレンズの構造設計に適合させることによって従来の形態でのスペーサがスプリットレンズ構造に対する不適合性を避けるスプリットレンズを提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、遮光素子がレンズ群の表面に付着して複数のレンズ群の高さを小さくすると同時に、小さい座面による従来のスペーサの変形及び不安定を避けるスプリットレンズを提供することである。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、二つのレンズ群の組み合わせを採用し、その中で、一つの遮光素子をレンズ間に適用して離間する役割を果たし、レンズの性能を向上させるとともに、設計のコストと困難さを低め、製造コストを保障するスプリットレンズを提供することである。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、レンズ群の構造を簡略化してアクティブアライメント(Active Alignment)をすることにより、撮像モジュールに適用される場合により高い性能を持つスプリットレンズを提供することである。
【0013】
本発明のもう一つの目的は、レンズ間の遮光素子の設計と装着を簡略化したことで全体的に良好な完全性と一致性を有し、光軸校正に寄与するスプリットレンズを提供することである。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、二つのレンズ群がいずれも異なる接続モードに適した一つの固定部を有することにより、二つのレンズ群を安定的かつ確実に一体化に組み合わせるスプリットレンズを提供することである。
【0015】
本発明のもう一つの目的は、レンズと遮光素子が該レンズ群に装着される場合、該レンズが鏡筒に対する公差を確保でき、製造効率を高めて無駄遣いを避けることができるスプリットレンズを提供することである。
【0016】
本発明のもう一つの目的は、二つのレンズ群を装着するに際して、該固定部を使用して組立時の公差を減少させ、組立後のスプリットレンズ全体の一致性を確保するスプリットレンズを提供することである。
【0017】
本発明のもう一つの目的は、該固定部により二つのレンズ群を確実に接続し、鏡筒間の公差を確保し、製造効率を大幅に向上させるスプリットレンズを提供することである。
【0018】
本発明のもう一つの目的は、該固定部が複数の接続モードに適し、レンズの状況によって、該固定部の接続モードが選択可能であるスプリットレンズを提供することである。
【0019】
本発明のもう一つの目的は、遮光素子が光学間隔、有効開口径、及び光軸の一致性を確保することにより、該レンズ群の質を確保するスプリットレンズを提供することである。
【0020】
本発明のもう一つの目的は、該遮光素子の設計の自由度が高く、合理性及び該レンズ群に対する要求を満たすことができ、さらに撮像モジュールの質を確保できるスプリットレンズを提供することである。
【0021】
本発明のもう一つの目的は、異なるレンズの光学性能に対する要求に従って該遮光素子と該固定部とを組み合わせることで二つのレンズ群間の光学的関係を安定的かつ確実にするスプリットレンズを提供することである。
【0022】
本発明のもう一つの目的は、該遮光素子によりレンズ間の緊密なアレンジメントを実現し、全体的にスプリットレンズの完全性を向上するスプリットレンズを提供することである。
【0023】
本発明のもう一つの目的は、該遮光素子の一部または全体において遮光コーティングを使用し、レンズを該レンズ群に装着する困難さを低めたスプリットレンズを提供することである。
【0024】
本発明のもう一つの目的は、該遮光素子としてスペーサと遮光材料を選択的に使用し、該レンズ群の異なる設計ニーズに対して様々な解決案を提供するスプリットレンズを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記発明の目的の少なくとも一つを実現するために、本発明は、少なくとも一つの第1の鏡筒と、少なくとも一つの、前記鏡筒に装着されるレンズとを含む少なくとも一つの第1のレンズ群と;少なくとも一つの第2の鏡筒と、少なくとも一つの、前記第2の鏡筒に装着されるレンズとを含む少なくとも一つの第2のレンズ群と;前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間に所定の光路を形成するように前記第1のレンズ群の下端の前記レンズと前記第2のレンズ群の上端の前記レンズとの間に設置され、しかも前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間に安定的に設置される少なくとも一つの遮光素子と;を含む、スプリットレンズを提供する。
【0026】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズにおいて、一つの前記遮光素子が前記第2のレンズ群の上端の前記レンズの上面に設置される。
【0027】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズにおいて、一つの前記遮光素子が前記第1のレンズ群の下端の前記レンズの下面に設置される。
【0028】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズにおいて、三つの前記遮光素子がそれぞれ前記第1のレンズ群の下端の三つの前記レンズの下面に設置され、二つの前記遮光素子がそれぞれ前記第2のレンズ群の上端の二つの前記レンズの下面に設置される。
【0029】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズにおいて、一つの前記遮光素子が、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群の隣接するレンズの間に設置される。
【0030】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズにおいて、前記遮光素子が、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群の隣接するレンズの間に設置される。
【0031】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズにおいて、前記遮光素子が、隣接する二つの前記レンズのうち、上方に位置する前記レンズの下面に設置される。
【0032】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズにおいて、前記遮光素子が、隣接する二つの前記レンズのうち、下方に位置する前記レンズの上面に設置される。
【0033】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズは、二つの前記レンズの間に配置されて光学設計における前記レンズに対する要求を満足するための少なくとも一つのスペーサをさらに含む。
【0034】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズの前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群は、アクティブアライメントによって組み立てられる。
【0035】
一部の実施形態において、前記第1の鏡筒は一つの第1の固定部を含み、前記第2の鏡筒はさらに一つの第2の固定部を含み、前記第1の固定部と前記第2の固定部とは互いに接続されて固定されることによって前記第1の鏡筒と前記第2の鏡筒が一体型レンズに組み立てられる。
【0036】
一部の実施形態において、前記第1の鏡筒の下部口径は前記第2の鏡筒の上部口径より小さいことで、前記第1の鏡筒の前記第1の固定部と前記第2の鏡筒の前記第2の固定部とが安定的に嵌め合わせられるように接続される。
【0037】
一部の実施形態において、前記第1の固定部は前記第1の鏡筒の下端部であり、前記第2の固定部は前記第2の鏡筒の上端部であり、前記第1の固定部と前記第2の固定部は、少なくとも一つの接続媒体により接続されることによって前記第1の鏡筒と前記第2の鏡筒とを接続する。
【0038】
一部の実施形態において、前記第1の固定部は、前記第1の鏡筒の拡径した前記下端部であり、前記第1の固定部の下側は前記第2の固定部の上側に接着固定される。
【0039】
一部の実施形態において、前記第1の固定部の外側は、前記第2の固定部の上側に接着固定される。
【0040】
一部の実施形態において、前記第2の鏡筒は、前記第2の鏡筒の上部に形成されて前記第1の鏡筒の前記第1の固定部と対応する一つの固定溝をさらに含み、前記固定溝に接続媒体が充填されて前記第1の固定部と前記第2の固定部とを接続する。
【0041】
一部の実施形態において、前記第1の鏡筒の外側に突出するように延伸する一つの第1の固定部をさらに含み、前記第2の鏡筒の上端部に第2の固定部が形成され、前記第1の固定部と前記第2の固定部とが互いに接続されて固定され、前記第1の鏡筒の下端部が前記第2の鏡筒の前記第2の固定部内に延伸して前記第1の鏡筒と前記第2の鏡筒が一体型レンズに組み立てられる。
【0042】
一部の実施形態において、前記第1の固定部の下側は前記第2の固定部の上側に接着される。
【0043】
一部の実施形態において、前記第2の固定部の頂部には、前記第2の固定部と前記第1の固定部とを接着させるための少なくとも一つの接続媒体を収容するための一つの固定溝が形成されている。
【0044】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズの前記遮光素子は一つのコーディング層である。
【0045】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズの前記遮光素子は一つの黒色接着剤層である。
【0046】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズの前記第1のレンズ群は3枚の前記レンズを含み、前記第2のレンズ群は3枚の前記レンズを含む。
【0047】
一部の実施形態において、前記スプリットレンズの前記遮光素子は、コーティング、スプレー、シルクスクリーン印刷のいずれか一つの方法で形成される。
【0048】
一部の実施形態において、前記第1のレンズ群の下端の前記レンズは、少なくとも一つの接着媒体を通して前記第1の鏡筒の内表面に接着される。
【0049】
本発明のもう一方において、本発明はさらに、上記スプリットレンズを含む撮像モジュール、及び上記撮像モジュールを含む電子機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は本発明の第1の好ましい実施形態のスプリットレンズの断面模式図で ある。
図2図2は本発明の第2の好ましい実施形態のスプリットレンズの断面模式図で ある。
図3図3は本発明の第3の好ましい実施形態のスプリットレンズの断面模式図で ある。
図4A図4Aは本発明の第4の好ましい実施形態のスプリットレンズの断面模式 図である。
図4B図4Bは本発明の第4の好ましい実施形態のスプリットレンズの変形実施 形態の模式図である。
図5図5は本発明の第5の好ましい実施形態のスプリットレンズの断面模式図で ある。
図6図6は本発明の第5の好ましい実施形態のスプリットレンズの分解模式図で ある。
図7図7は本発明の上記スプリットレンズを備える撮像モジュールの断面模式図 である。
図8図8は本発明の上記スプリットレンズを備える別の撮像モジュールの断面模 式図である。
図9図9は本発明の上記撮像モジュールを備える電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下の記載は本発明を開示して当業者が本発明を実現できるようにするものである。以下に記載の好ましい実施例は例示に過ぎず、当業者は他の明らかな変化形に容易に想到できる。以下の記載において定義された本発明の基本的な原理は他の実施形態、変形形態、改善形態、均等形態及び本発明の趣旨と範囲から離脱しない他の技術構成に応用できる。
【0052】
当業者は以下のように理解できる。本発明の開示において、用語の「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等が示す方位または位置関係は図面に示された方位または位置関係に基づくもので、本発明を説明しやすく及び簡単に説明するためのものであり、対象の装置または素子が必然的に特定の方位、特定の方位のある構造及び操作を示しまたは示唆するものではなく、このため、前記用語は本発明に対する制限と理解することはできない。
【0053】
以下のように理解できる。用語の「一つ」は「少なくとも一つの」または「一つまたは複数の」と理解すべきであり、即ち一つの実施形態において、一つの素子の数量は一つとすることができ、他の実施形態において、該素子の数量は複数とすることができ、用語「一つ」は数量に対する制限と理解してはならない。
【0054】
従来のレンズ、特に撮像モジュールに使用されるレンズは、長期的に比較的安定した単一の構造であり、複数のレンズを一つの鏡筒を組み立ててからなる。レンズの数が少なくて例えば、2、3枚がある場合、このような構造の組立誤差による影響は比較的に小さいが、レンズ及び撮像モジュールの高画素、高結像質の要求に従ってレンズの数が増え、累積誤差も増加し、従来のレンズ構造は、レンズと撮像モジュールに対する要求をとても満足できない。これに対して、本発明はスプリットレンズを提供し、複数のレンズ群から組み立てられて一つの一体型レンズを形成するため、各レンズ群内のレンズの数が少なく、各レンズ群の組立誤差が小さく、各レンズ群からなる前記スプリットレンズの総レンズ数が多くて、高い画素を提供することができ、しかも累積誤差は小さい。また、各レンズ群単体を複数レンズ群を組み立てる過程において、アクティブアライメント(Active
Alignment、AA)を利用して組み立てることができ、これによって各レンズ群間の相対誤差が減少して複数レンズ群によい光学一致性を与える。
【0055】
本発明は、複数のレンズ群を含むスプリットレンズを提供し、各レンズ群は複数のレンズを含み、複数のレンズ群の組み合わせによって複数レンズの前記スプリットレンズを形成する。各レンズ群の組立時に、前記レンズ群の相対位置を調節することで前記スプリットレンズの全体的な組立公差を減少させ、高画素レンズの形成により適させることができる。さらに、本発明において、前記複数レンズ群の隣接する前記レンズ群間において環状の遮光素子が設置され、これによって隣接するレンズ群間の光を遮断し、隣接する前記レンズ群間に所定の光路を形成する。前記遮光素子は前記スプリットレンズの構造に合わせて設計され、前記スプリットレンズの複数の前記レンズ群の組立方法に適合しているので、従来のスペーサの使用時の装着不便さ、不安定性及び変形し得る等問題を避けることができる。さらに、前記遮光素子は、上方に位置する前記レンズ群の下端レンズに設置されてもよく、下方に位置する前記レンズ群の上端のレンズに設置されてもよい。さらに、前記遮光素子は前記レンズに付着されることができ、例えば、コーティング、スプレー、シルクスクリーン印刷などの方法によって付着され、例えば、黒色接着剤をコーティングし、すなわち、上方に位置する前記レンズ群の下端の前記レンズの下面及び/または下方に位置する前記レンズ群の上端のレンズの上面に付着されて、隣接する前記レンズ群の間の迷光を遮断して所定の光路を形成する。前記遮光素子は前記スプリットレンズの構造に合わせるため、独立した前記レンズ群の組立を実現することができ、レンズ全体の側面からの迷光の干渉を避けることができる。
【0056】
説明の便宜上、本発明の実施形態及び図面において、二つの前記レンズ群、例えば前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群とからなる前記スプリットレンズを例として説明する。勿論、本発明のその他の実施形態において、前記スプリットレンズはさらに多くの前記レンズ群、例えば、三つ以上のレンズ群を含むことができ、本発明はこれに限られていない。
【0057】
具体的には、本発明は、第1のレンズ群10と、第2のレンズ群20と、少なくとも一つの遮光素子32とを含むスプリットレンズを提供する。第1のレンズ群10はさらに第1のレンズセット11と第1の鏡筒12とを含み、前記第2のレンズ群20はさらに第2のレンズセット21と第2の鏡筒22とを含み、前記第1のレンズセット11は前記第1の鏡筒12に装着され、前記第2のレンズセット21は前記第2の鏡筒22に装着される。なお、前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20との間の接続位置の外部光を遮断して外部光が前記スプリットレンズ内部に入ることを防止し、しかも前記第1のレンズ群10と第2のレンズ群との間に所定の光路を形成するように、前記遮光素子30は前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20との間に設置されている。前記第1のレンズ群10は第2のレンズ群20に組み立てられて前記スプリットレンズを形成する。好ましくは、前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20は、段付きレンズの形状を形成するように組み立てられる。勿論、前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20は後でさらに組み立てられて撮像モジュールを形成してもよい。本発明の第1の好ましい実施形態は図1に示すように、前記第1のレンズ群10の前記第1のレンズセット11はさらに第1のレンズ111と、第2のレンズ112と、第3のレンズ113とを含む。前記第2のレンズ群20の前記第2のレンズセット21はさらに、第4のレンズ211と、第5のレンズ212と、第6のレンズ213とを含む。なお、本好ましい実施形態において、前記第1のレンズセット11と第2のレンズセット21に含まれるレンズの数は、本発明の対象を限定するものではなく、異なる撮像モジュールがレンズに対する要求に従って、レンズの数を調整することができる。レンズの結果を説明しやすくするため、各レンズを特別に標記している。前記第1のレンズ111、前記第2のレンズ112、及び前記第3のレンズ113は前記第1の鏡筒12に装着され、前記第4のレンズ211、前記第5のレンズ212、及び前記第6のレンズ213は前記第2の鏡筒22に装着される。
【0058】
本発明のこの実施形態では、前記スプリットレンズには二つのレンズ群を含むことを例としているが、その他の変形した実施形態において、前記スプリットレンズはより多くのレンズ群を含んでもよいことが理解できる。隣接する二つのレンズ群の間に前記遮光素子が設置されて、側面から光が前記スプリットレンズに入ることを防止している。
【0059】
さらに、本発明のこの実施形態によれば、前記遮光素子32は隣接する前記レンズ群のうち、下方に位置する前記レンズ群の上端のレンズの上面に設置される。より具体的には、前記遮光素子32は、前記第2のレンズ群20の前記第4のレンズ211の上面に付着されて前記第4のレンズ211の縁領域を遮断し、前記第1のレンズ群10の光が所定の光路を通過するように前記第4のレンズ211の中心領域に所定の光路を形成する。なお、前記遮光素子32は前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20との間の位置に配置されているため、前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20とが接続する位置の光が前記スプリットレンズ内部に入る光路を遮断することができる。好ましくは、前記遮光素子32は付着層であってもよく、例えば、コーティング、スプレー、シルクスクリーン印刷などの方法により設置される付着層、または接着の方法により設置される付着層である。前記遮光素子32は黒色接着剤層、例えば、環状の黒色接着剤層であることが好ましい。
【0060】
なお、前記スプリットレンズの前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20との間には、スペーサなどの光路素子を設置する必要があり、これによって前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20との間に所定光路を形成して迷光を防止する。つまり、前記第1のレンズ群10の下端のレンズ、例えば第3のレンズ113と、前記第2のレンズ群20の上端のレンズ、例えば前記第4のレンズ211と、の間に少なくとも一つの光路素子が設置される。しかし、通常のスペーサの装着方法として、隣接する2枚のレンズ間に挟持され、しかも材質は軽くて薄いため、前記光路素子として従来のスペーサを採用する場合、前記第1のレンズ群10の下端は適切な装着位置を提供できず、スペーサは前記第2のレンズ群20に設置される場合でも適切な装着位置を提供することができない。例えば、本実施形態では、前記スペーサは前記第4のレンズ211の上表面にしか設置できず、前記スペーサの下方は前記第4のレンズ211に支持されることができるが、上方は固定できないので、従来のスペーサは前記スプリットレンズの構造に適合しない。これに対して、本発明では、前記遮光素子32は前記第1のレンズ群10の下端に位置する前記レンズ、例えば前記第3のレンズ113に付着されて設置されているか、前記前記第2のレンズ群20の上端に位置するレンズ、例えば前記第4のレンズ211に付着されていることによって、前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20との間に所定の光路を形成し、従来のスペーサのように挟持される必要はない。
【0061】
前記第1のレンズ群10の一番下側のレンズ、すなわち本発明のこの実施形態では前記第3のレンズ113は、締り嵌めにより前記第1の鏡筒12と組み立てることができる他、レーザ溶接や超音波溶接などの方法により前記第1の鏡筒12と固定することができる。また、この好ましい実施形態では、サイドディスペンスにより固定を強化している。より詳しくは、前記第1の鏡筒12の下端部の内側には、接着媒体41を収容して下端に位置する前記第3のレンズ113を補強固定するための少なくとも一つの補強固定溝が備えられる。前記接着媒体41は、UV接着剤、熱硬化性接着剤、UV熱硬化性接着剤などであってもよい。
【0062】
好ましくは、一部の実施形態では、前記補強固定溝は前記第1の鏡筒12の内側面と前記第3のレンズ113との間に対称的に分布し、これによって対応する前記第3のレンズ113に均一な力を与え、接着媒体41が環境の影響を受けて変化する場合、前記第3のレンズ113への不均一な作用力を防止し、例えば、接着媒体41が熱膨張する場合の不均一な力を受けることを防止する。
【0063】
前記補強固定溝は、くさび形、三角形、台形、長方形など、必要に応じて異なる形状に設計することができる。補強固定溝は、間隔をあけて配置されてもよく、連結溝、すなわち、一体の環状溝を形成してもよく、環状溝の断面は異なる形状であってもよい。
【0064】
好ましくは、前記補強固定溝の深さは、対応する前記第3のレンズ113の縁の厚さよりも小さく、前記補強固定溝と前記第3のレンズ113の上面の縁との間の隙間を防ぎ、接着剤がその隙間から内部に入ることを防ぐ。すなわち、前記接着媒体41は、前記第3のレンズ113の上面の縁から突出することはない。
【0065】
本発明のこの実施形態及び添付の図面において、前記補強固定溝は台形構造であり、しかも四つの前記補強固定溝は対称的に分布している。勿論、本発明の他の実施形態では、前記補強固定溝と、それに対応する前記接着媒体41はその他の形状及びその他の数であってもよく、例えば三つ、五つ、及び五つ以上であってもよく、本発明はこれに限られていない。
【0066】
本発明のレンズ群はさらに少なくとも一つのスペーサ部材31を含む。本好ましい実施形態では、前記スペーサ部材31はスペーサーリングであることが好ましい。特に、前記スペーサ31は環状の不透明材料である。言い換えれば、前記スペーサ部材31と前記遮光素子32とがスペーサアセンブリを構成し、それぞれ隣接するレンズの間に設置され、前記スプリットレンズの所定の光路を形成する。
【0067】
前記遮光素子32は不透明な材料であり、前記レンズの表面に塗布され、前記遮光素子32で覆われた前記レンズの表面を光が通過することを防ぐ。すなわち、前記遮光素子32は、前記レンズ間の光学間隔、有効開口径、及び光軸の一致性を確保するために前記レンズの間隔位置にそれぞれ配置される。
【0068】
より具体的には、本発明のこの実施形態では、前記第1のレンズ111と前記第2のレンズ112の間に前記スペーサ部材31が装着され、前記第2のレンズ112と前記第3のレンズ113との間には前記スペーサ部材31が装着され、前記第3のレンズ113と前記第4のレンズ211との間には前記遮光素子32が装着され、前記第4のレンズ211と前記第5のレンズ212との間には前記スペーサ部材31が装着され、前記第5のレンズ212と前記第6のレンズ213との間には前記スペーサ部材31が装着される。前記レンズの光学設計に応じて、前記レンズ間の距離には異なる要求がある。本好ましい実施形態では、前記第1のレンズ111と前記第2のレンズ112との間には前記スペーサーリング31により距離が空けられて前記第1のレンズ111と前記第2のレンズ112とを効果的に固定する。同様に、前記第2のレンズ群20の第前記5のレンズ212と前記第6のレンズ213との間は前記スペーサーリング31により間隔を確保している。装着時の識別を容易にするため、前記遮光素子32は前記第4のレンズ21の上表面に付着される。勿論、各前記遮光素子32の塗布面積および厚さはそれぞれ設計要求に従って加工される。従来の技術と比べ、前記レンズ群の装着に多くの部品の組立が減らされ、装着の安定性が向上した。その原因は以下の通りである。前記第1のレンズ群10を装着する際には、前記第1のレンズ111、前記スペーサーリング31、前記第2のレンズ112、及び前記第3のレンズ113を順次に第前記1の鏡筒12に装着する必要がある。前記第2のレンズ群20を装着する時、前記第4のレンズ211、前記第5のレンズ212、前記スペーサーリング31、及び前記第6のレンズ213を順次に前記第2の鏡筒22に装着すればよい。このように、従来技術における少なくとも一つのスペーサーリングの装着、例えば、前記第3のレンズ113と前記第4のレンズ211との間のスペーサーリングの装着は省かれる。これより明らかに、前記遮光素子32は前記レンズの表面に付着されるとき、前記遮光素子32を使用すると前記レンズ群の装着困難さを著しく低減し、レンズ間の間隔距離を減らし、前記レンズ群の高さを低めることができる。さらに、装着時の部品の数が減少することは、公差を確保し、装着精度を向上させるのに有益である。特に、前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20を組み立てる場合、前記第3のレンズ113と前記第4のレンズ211との間に前記スペーサーリング31を取り付けることはなく、前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20の装着困難さが低減される。また、前記第4のレンズ211に塗布された前記遮光素子32により、光学設計に必要な条件を確保することができ、前記スプリットレンズの量産効率を大幅に向上させることができる。
【0069】
勿論、本発明のその他の実施形態では、前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20との間に所定の光路を形成するように、前記遮光素子32は前記第3のレンズ113の下表面に設置されてもよい。その他のレンズ間の前記スペーサ31を前記遮光素子32に入れ替えてもよい。
【0070】
本発明に提供される前記スプリットレンズの前記鏡筒はさらに固定部を含む。前記第1の鏡筒12は第1の固定部120を含み、前記第2の鏡筒22はさらに第2の固定部220を含む。前記第1の固定部120と前記第2の固定部220とが互いに接続されることによって、前記第1の鏡筒12と前記第2の鏡筒22は一体型レンズに組み立てられる。前記第1の固定部120は前記第1の鏡筒12の下端部であり、前記第2の固定部220は前記第2の鏡筒22の上端部であるように構成されている。また、この実施形態では、好ましくは、図1に示すように、前記第1の固定部120は前記第1の鏡筒12の拡径した下端部であるように構成されている。好ましくは、アクティブアライメント(AA,Active Alignment)技術により、前記第1の鏡筒12と前記第2の鏡筒22の前記レンズの光軸一致性を確保して光学設計を満足させる。本好ましい実施形態では、前記第1の固定部はさらに内固定面121と外固定面122とを含み、前記第2の固定部220はさらに外固定面222を含み、前記外固定面122は前記第1の鏡筒12の下縁に位置し、すなわち、前記外固定面122は前記第1の鏡筒12の下面に位置し、前記第2の固定部220の前記外固定面222は前記第2の鏡筒22の上縁に位置し、すなわち、前記外固定面222は前記第2の鏡筒22の上面に位置する。このように、前記第1の固定部120の外固定面122と前記第2の固定部220の外固定面222は接続媒体42を介して接続され、さらに前記第1のレンズ群10と前記第2のレンズ群20を接続して固定する。前記第1の内固定面121は前記第3のレンズ113を前記第1の鏡筒12に固定する。好ましくは、本好ましい実施形態では、UV熱硬化性接着剤である接続媒体42を用いて前記第1の固定部120と前記第2の固定部220とを接続するように構成されている。前記第1の固定部120の外固定面122と前記第2の固定部220の外固定面222は前記第1の鏡筒12と前記第2の鏡筒22に対応して設置され、前記第1の固定部120の外固定面122と前記第2の固定部220の外固定面222を対応して組み立てることによって、前記第1の鏡筒12と前記第2の鏡筒22とが正確に正しい位置に組み立てられることができる。
【0071】
本発明により提供される第2の好ましい実施形態は図2に示す通りである。第1の好ましい実施形態で使用されたものと類似するレンズ配置が使われる。すなわち、前記第1のレンズ群10Aの前記第1のレンズセット11Aは、第1のレンズ111Aと、第2のレンズ112Aと、第3のレンズ113Aとを含む。前記第2のレンズ群20Aの前記第2のレンズセット21Aはさらに、第4のレンズ211Aと、第5のレンズ212Aと、第6のレンズ213Aとを含む。前記第1のレンズ111A、前記第2のレンズ112A、及び前記第3のレンズ113Aは前記第1の鏡筒12Aに装着され、前記第4のレンズ211A、前記第5のレンズ212A、及び前記第6のレンズ213Aは前記第2の鏡筒22Aに装着される。
【0072】
本好ましい実施形態では、前記スペーサ部材は四つのスペーサーリング31Aであることが好ましい。前記遮光素子32Aは前記第2のレンズ群20Aの前記第4のレンズ211Aの上表面に設置される。すなわち、この実施形態では、四つのスペーサーリング31Aと一つの遮光素子32Aとが前記スペーサアセンブリ30Aを構成し、前記スプリットレンズの所定の光路を構成する。なお、前記スペーサーリング31Aは環状の不透明な材料である。すなわち、前記遮光素子30Aは、前記レンズ間の光学間隔、有効開口径、及び光軸の一致性を確保するために前記レンズの間隔にそれぞれ配置される。前記スペーサアセンブリ30Aの前記スペーサーリング31Aはそれぞれ、前記第1のレンズ111Aと前記第2のレンズ112Aの間、前記第2のレンズ112Aと前記第3のレンズ113Aとの間、前記第4のレンズ211Aと前記第5のレンズ212Aとの間、前記第5のレンズ212Aと前記第6のレンズ213Aとの間に配置される。前記遮光素子32Aは、前記第3のレンズ113Aと前記第4のレンズ211Aとの間に配置される。前記レンズの光学設計に応じて、前記レンズ間の距離には異なる要求がある。本好ましい実施形態では、前記第1のレンズ111Aと前記第2のレンズ112Aとの間には前記スペーサーリング31Aにより前記第1のレンズ111Aと前記第2のレンズ112Aとを距離が空けて効果的に固定する。同様に、その他の前記レンズ間の間隔についても、スペーサーリング31Aまたは前記遮光素子32Aにより間隔の有効性を確保する。
【0073】
本好ましい実施形態では、前記第1のレンズ群10Aと前記第2のレンズ群20Aとの組立関係は、前記第1の鏡筒12Aの前記第1の外固定面122Aと前記第2の鏡筒22Aの前記第2の固定部222Aを利用している。好ましくは、前記第1の外固定面122Aは前記第1の鏡筒12Aの底部の外側に配置され、前記第2の外固定面222Aは前記第2の鏡筒11Aの上面に配置される。このように、前記第1の固定部120Aの外固定面122Aと前記第2の固定部220Aの外固定面222Aは接続媒体42Aを介して接続され、さらに前記第1のレンズ群10Aと前記第2のレンズ群20Aを接続して固定し、すなわち、前記第1のレンズ群10Aの前記第1の鏡筒12Aの下端外側面と前記第2のレンズ群20Aの前記第2の鏡筒22Aの上面とを通して前記接続媒体42Aによって固定する。前記第1の内固定面121Aは前記第3のレンズ113Aを前記第1の鏡筒12Aに固定する。好ましくは、本好ましい実施形態では、UV熱硬化性接着剤を用いて前記第1の固定部120Aと前記第2の固定部220Aとを接続する。本好ましい実施形態では、前記第1の鏡筒11Aの縁は、前記第2の鏡筒22Aより小さく、これにより、前記第1の鏡筒12Aの前記第1の外固定面122Aと前記第2の鏡筒22Aの前記第2の固定部222Aとが安定的に接続される。
【0074】
なお、隣接する2枚の前記レンズ間に前記遮光素子32Cを設置する場合、上方に位置する前記レンズの下面に設置してもよく、下方に位置する前記レンズの上面に設置してもよい。例えば、図4Aに示す実施形態では、前記第1のレンズ111Cと前記第2のレンズ112Cとの間の前記遮光素子32Cは、前記第1のレンズ111Cの下面に設置してもよく、前記第2のレンズ112Cの上面に設置してもよい。前記第2のレンズ112Cと前記第3のレンズ113Cとの間の前記遮光素子は、前記第2のレンズ112Cの下面に設置してもよく、前記第3のレンズ113Cの上面に設置してもよい。前記第4のレンズ211Cと前記第5のレンズ212Cとの間の前記遮光素子32Cは、前記第4のレンズ211Cの下面に設置してもよく、前記第5のレンズ212Cの上面に設置してもよい。前記第5のレンズ212Cと前記第6のレンズ213Cとの間の前記遮光素子32Cは、前記第5のレンズ212Cの下面に設置してもよく、前記第6のレンズ213Cの上面に設置してもよい。そして、図4Aにおいて、前記遮光素子32Cはそれぞれ、前記第1のレンズ111Cの下面、前記第2のレンズ112Cの下面、前記第3のレンズ113Cの下面、前記第4のレンズ211Cの下面、及び前記第5のレンズ212Cの下面に配置されていることを例として説明したが、本発明はこれに限られず、上記異なる位置の様々な可能な組み合わせであってもよい。
【0075】
本発明の第3の好ましい実施形態は図3に示す通りであり、第1の好ましい実施形態と類似するレンズの組み合わせが使用される。すなわち、前記第1のレンズ群10Bの前記第1のレンズセット11Bは、第1のレンズ111Bと、第2のレンズ112Bと、第3のレンズ113Bとを含む。前記第2のレンズ群20Bの前記第2のレンズセット21Bはさらに、第4のレンズ211Bと、第5のレンズ212Bと、第6のレンズ213Bとを含む。前記第1のレンズ111B、前記第2のレンズ112B、及び前記第3のレンズ113Bは前記第1の鏡筒12Bに装着され、前記第4のレンズ211B、前記第5のレンズ212B、及び前記第6のレンズ213Bは前記第2の鏡筒22Bに装着される。
【0076】
本好ましい実施形態では、前記スペーサアセンブリ30Bは四つのスペーサーリング31Bと一つの遮光素子32Bとからなることが好ましい。なお、スペーサーリング31Bは環状の不透明な材料である。前記遮光素子32Bは不透明な材料であり、前記レンズの表面に塗布され、前記遮光素子32Bで覆われた前記レンズの表面を光が通過することを防ぐ。すなわち、前記スペーサアセンブリ30Bは、前記レンズ間の光学間隔、有効開口径、及び光軸の一致性を確保するために前記レンズの間隔にそれぞれ配置される。前記第1のレンズ111Bと前記第2のレンズ112Bとの間に前記スペーサーリング31Bが装着され、前記第2のレンズ112Bと前記第3のレンズ113との間には前記スペーサーリング31Bが装着され、前記第3のレンズ113と前記第4のレンズ211Bとの間には前記遮光素子32Bが装着され、前記第4のレンズ211Bと前記第5のレンズ212Bとの間には前記スペーサーリング31Bが装着され、前記第5のレンズ212Bと前記第6のレンズ213Bとの間には前記スペーサーリング31Bが装着される。前記レンズの光学設計に応じて、前記レンズ間の距離には異なる要求がある。
【0077】
なお、前記遮光素子32Bは前記第4のレンズ211Bの上表面に塗布される。勿論、前記遮光素子32Bの塗布面積および厚さはそれぞれ設計要求に従って加工される。従来の技術と比べ、二つの前記レンズ群の装着時に中間部品の組立が減らされた。その原因は以下の通りである。前記第1のレンズ群10Bを装着する際には、前記第1のレンズ111B、前記スペーサーリング31B、前記第2のレンズ112B、前記スペーサーリング31B、及び前記第3のレンズ113Bを順次に前記第1の鏡筒12Bに装着する必要がある。前記第2のレンズ群20Bを装着する時、前記第4のレンズ211B、前記スペーサーリング31B、前記第5のレンズ212B、前記スペーサーリング31B、及び前記第6のレンズ213Bを順次に前記第2の鏡筒22Bに装着する。このように、従来技術におけるスペーサの装着は減少された。これより明らかに、前記遮光素子32Bを使用すると前記レンズ群の装着困難さを著しく低減することができる。異なる光学設計のニーズに合わせ、前記遮光素子32Bを前記レンズの上表面または下表面に配置することができる。このようにして、前記第1のレンズ群10Bと前記第2のレンズ群20Bを組み立てる場合、前記第3のレンズ113Bと前記第4のレンズ211Bとの間にその他の要素を考慮する必要はなく、前記第1のレンズ群10Bと前記第2のレンズ群20Bの装着困難さが低減される。また、前記第4のレンズ211Bに塗布された環状の前記遮光素子32Bにより、光学設計に必要な条件を確保することができる。
【0078】
本好ましい実施形態では、提供される前記スプリットレンズの前記鏡筒間の接続固定方式として、好ましい案が採用されている。前記外固定面122Bは前記第1の鏡筒12Bの下端の外側に位置し、前記第2の固定部220Bの前記外固定面222Bは前記第2の鏡筒22Bの上端の内側に位置する。前記第2の鏡筒22Bの内側には、前記第2の鏡筒22Bの頂部に設置された環状であってもよい固定溝223Bがさらに設けられており、しかも前記固定溝223Bは、前記第1のレンズ群10Bに沿って前記第2のレンズ群20Bに向かって徐々に小さくなる内径を有する。前記固定溝223Bは、前記第1の鏡筒12Bの前記第1の外固定面122Bと対応し、これによって前記固定溝223Bは接続媒体42Bにより充填されて前記第1の鏡筒12Bの前記第1の外固定面122Bと十分に接触する。このように、前記第1の固定部120Bの前記外固定面122Bと前記第2の固定部220Bの前記外固定面222Bは接続媒体42Bを介して接続され、さらに前記第1のレンズ群10Bと前記第2のレンズ群20Bを接続して固定する。また、前記固定溝223Bは、接着剤が多すぎて前記第2の鏡筒22Bの内部に入ることを防止できる。前記固定溝223Bを利用して組立時に前記第1の外固定面122Bを対応して配置することで、前記第1のレンズ群10Bと前記第2のレンズ群20Bとの組立時の正確さが保証される。すなわち、前記第1の鏡筒12Bの下端は小さい直径を有し、前記第2の鏡筒22Bの上端と互いに嵌め合わせて装着され、アクティブアライメントの後に接着剤によって固定され、これによって側方から光が一体型レンズに入ることを防止する。
【0079】
なお、前記遮光素子32Bの位置に従来のスペーサが設置される場合、前記スペーサの直径は一般的に前記第2の鏡筒22Bの直径より小さく、スペーサは通常、隣接するレンズの挟持作用によって固定されるため、挟持するための隣接する2枚のレンズがない場合、前記第4のレンズ211Bと前記第2の鏡筒22Bの前記第2の固定部220Bの前記外固定面22Bの内側とによって挟持して固定する必要がある。しかし、レンズ間の挟持と比べ、前記外固定面222Bにより提供し得る挟持、座面領域は小さいので、スペーサは安定的に固定されることができず、しかもスペーサは変形しやすいため、前記第2のレンズ群20Bは上下逆に組み立てられると、前記スペーサは変形しやすく、清掃などの外部の影響を受ける場合、脱落しやすい。これに対して、本発明では、前記遮光素子32Bは前記第4のレンズ222Bの上表面に付着されているので、前記外固定面222Bによる装着座面は必要ではなく、前記スプリットレンズの構造により適している。
【0080】
好ましくは、アクティブアライメント技術により、前記第1の鏡筒12Bと前記第2の鏡筒22Bの前記レンズの光軸一致性を確保して光学設計を満足させることができる。前記第1のレンズ群10Bと前記第2のレンズ群20Bとを組み立てる時、前記第1の固定部120Bの外固定面122Bと前記第2の固定部220Bの外固定面222Bとを直接に対応して組み立てることにより、前記第1の鏡筒12Bと前記第2の鏡筒22Bは正確に正しい位置に組み立てられることができ、しかも前記固定溝223B内のディスペンシングにより接続して固定されることができる。
【0081】
本発明の第4の好ましい実施形態は図4Aに示す。本好ましい実施形態は、二つのレンズ群を採用し、前記第1のレンズ群10Cの前記第1のレンズセット11Cは、第1のレンズ111Cと、第2のレンズ112Cと、第3のレンズ113Cとを含む。前記第2のレンズ群20Cの前記第2のレンズセット21Cはさらに、第4のレンズ211Cと、第5のレンズ212Cと、第6のレンズ213Cとを含む。前記第1のレンズ111C、前記第2のレンズ112C、及び前記第3のレンズ113Cは前記第1の鏡筒12Cに装着され、前記第4のレンズ211C、前記第5のレンズ212C、及び前記第6のレンズ213Cは前記第2の鏡筒22Cに装着される。
【0082】
本好ましい実施形態では、スペーサアセンブリ30Cは五つの遮光素子32Cであることが好ましい。なお、前記遮光素子32Cは不透明な材料であり、前記レンズの下表面に塗布され、前記遮光素子32Cで覆われた前記レンズの表面を光が通過することを防ぐ。すなわち、前記遮光素子30Cは、前記レンズ間の光学間隔、有効開口径、及び光軸の一致性を確保するために前記レンズの間隔にそれぞれ配置される。前記第1のレンズ111Cと前記第2のレンズ112Cとの間に前記遮光素子32Cが使用され、前記第2のレンズ112Cと前記第3のレンズ113Cとの間には前記遮光素子32Cが使用され、前記第3のレンズ113Cと前記第4のレンズ211Cとの間には前記遮光素子32Cが使用され、前記第4のレンズ211Cと前記第5のレンズ212Cとの間には前記遮光素子32Cが使用され、前記第5のレンズ212Cと前記第6のレンズ213Cとの間には前記遮光素子32Cが使用される。このように、前記レンズを前記鏡筒に装着する時、前記遮光素子32Cの位置に基づいて装着方向を直接に判断することができる。また、前記遮光素子32Cは、前記レンズの光学設計に応じて、前記レンズ間の開口径の要件を満たす。
【0083】
勿論、前記遮光素子32Cの塗布面積および厚さはそれぞれ設計要求に従って加工される。従来の技術と比べ、二つの前記レンズ群の装着時に中間部品の組立が減らされた。その原因は以下の通りである。前記第1のレンズ群10Cを装着する際には、前記第1のレンズ111C、前記第2のレンズ112C、及び前記第3のレンズ113Cを順次に前記第1の鏡筒12Cに装着する必要がある。前記第2のレンズ群20Cを装着する時、前記第4のレンズ211C、前記第5のレンズ212C、及び前記第6のレンズ213Cを順次に前記第2の鏡筒22Cに装着する必要がある。このように、従来技術におけるスペーサの装着は減少された。これより明らかに、前記遮光素子32Cを使用すると前記レンズ群の装着困難さを著しく低減することができる。また、前記遮光素子32Cを前記レンズの下表面に塗布する量は、前記レンズの上表面に塗布する量より少ないが、効果は同じである。異なる光学設計のニーズに合わせ、前記遮光素子32Cを前記レンズの上表面または下表面に配置することができる。このようにして、前記第1のレンズ群10Cと前記第2のレンズ群20Cを組み立てる場合、前記レンズ間にその他の要素を考慮する必要はなく、前記第1のレンズ群10Cと前記第2のレンズ群20Cの装着困難さが低減される。また、前記第3のレンズ113Cに塗布された前記遮光素子32Cにより、光学設計に必要な条件を確保することができ、製造の困難さとコストはいずれも効果的に低減できる。
【0084】
本好ましい実施形態では、前記第1のレンズ群10Cと前記第2のレンズ群20Cとの組立関係は、前記第1の鏡筒12Cの前記外固定面122Cと前記第2の鏡筒22Cの前記外固定面222Cを利用している。なお、前記外固定面122Cは前記第1の鏡筒12Cの側面に延伸し、前記第2の外固定面222Cが対応する前記第1の鏡筒12Cから突出する前記第1の固定部120Cの底側に形成される。本発明のこの好ましい実施形態では、前記第1の固定部120Cは前記第1の鏡筒12Cの下端部ではなく、前記第1の鏡筒12Cの側面から突出するものである。
【0085】
好ましくは、前記外固定面122Cは、前記第1の鏡筒12C本体から突出する前記第1の固定部120Cに配置され、前記外固定面222Cは前記第2の鏡筒11Cの上面に配置されることにより、前記第1の鏡筒12Cは前記第2の外固定面222Cに支えられる。このように、前記第1の固定部120Cの前記外固定面122Cと前記第2の固定部220Cの外固定面222Cは接続媒体42を介して接続され、さらに前記第1のレンズ群10Cと前記第2のレンズ群20Cを接続して固定する。前記第1の内固定面121Cは前記第3のレンズ113Cを前記第1の鏡筒12Cに固定する。本好ましい実施形態では、前記第1の鏡筒11Cの縁は前記第2の鏡筒22Cより小さいので、前記第1の鏡筒12Cの前記第1の外固定面122Cと前記第2の鏡筒22Cの前記第2の固定部222Cは安定的に支持される。前記第1の鏡筒12Cの前記第1の外固定面122Cを採用すると、第1の好ましい実施形態より、全体的に前記第1の鏡筒12Cの幅を短縮した。
【0086】
図4Bには、本発明の第4の実施形態の均等の実施形態が示される。該実施形態では、前記遮光素子32Cは前記第3のレンズ113Cの下面に配置され、その他の位置には前記スペーサ31Cが配置され、例えば、前記第1のレンズ111Cと前記第2のレンズ112Cとの間、前記第2のレンズ112Cと前記第3のレンズ113Cとの間、前記第4のレンズ211Cと前記第5のレンズ212Cとの間、および前記第5のレンズ212Cと前記第6のレンズ213Cとの間に配置される。
【0087】
本発明の第5の好ましい実施形態は図5図6に示す。二つの前記レンズ群が採用されており、前記第1のレンズ群10Dの前記第1のレンズセット11Dは、第1のレンズ111Dと、第2のレンズ112Dと、第3のレンズ113Dとをさらに含む。前記第2のレンズ群20Dの前記第2のレンズセット21Dはさらに、第4のレンズ211Dと、第5のレンズ212Dと、第6のレンズ213Dとをさらに含む。なお、本好ましい実施形態では、前記第1のレンズセット11Dと第2のレンズセット21Dに含まれるレンズの数は、本発明の対象を限定するものではなく、異なる撮像モジュールがレンズに対する要求に従って、レンズの数を調整することができる。前記レンズの結果を説明しやすくするため、各レンズを特別に標記している。前記第1のレンズ111D、前記第2のレンズ112D、及び前記第3のレンズ113Dは前記第1の鏡筒12Dに装着され、前記第4のレンズ211D、前記第5のレンズ212D、及び前記第6のレンズ213Dは前記第2の鏡筒22Dに装着される。
【0088】
また、前記遮光素子30Dはさらに少なくとも一つのスペーサ部材を含む。本好ましい実施形態では、前記スペーサ部材は四つのスペーサーリング31Dと一つの遮光素子32Dであることが好ましい。特に、前記スペーサーリング31Dは環状の不透明材料である。環状の遮光素子32Dは不透明な材料であり、前記レンズの表面に塗布され、前記遮光素子32Dで覆われた前記レンズの表面を光が通過することを防ぐ。すなわち、前記遮光素子30Dは、前記レンズ間の光学間隔、有効開口径、及び光軸の一致性を確保するために前記レンズの間隔にそれぞれ配置される。前記第1のレンズ111Dと前記第2のレンズ112Dとの間に前記スペーサーリング31Dが装着され、前記第2のレンズ112Dと前記第3のレンズ113Dとの間にはスペーサーリング31Dが装着され、前記第3のレンズ113Dと前記第4のレンズ211Dとの間には遮光素子32Dが装着され、前記第4のレンズ211Dと前記第5のレンズ212Dとの間にはスペーサーリング31Dが装着され、前記第5のレンズ212Dと前記第6のレンズ213Dとの間にはスペーサーリング31Dが装着される。前記レンズの光学設計に応じて、前記レンズ間の距離には異なる要求がある。本好ましい実施形態では、前記第1のレンズ111Dと前記第2のレンズ112Dとの間には前記スペーサーリング31Dにより第1のレンズ111Dと第2のレンズ112Dとを距離が空けて効果的に固定する。同様に、前記第1のレンズ群10Dの前記第2のレンズ112Dと前記第3のレンズ113Dとの間、前記第2のレンズ群20Dの前記第4のレンズ211Dと前記第5のレンズ212Dとの間、前記第5のレンズ212Dと前記第6のレンズ213Dとの間は、前記スペーサーリング31Dにより間隔を確保している。装着時の識別を容易にするため、前記遮光素子32Dは前記第4のレンズ211Dの上表面に塗布される。勿論、前記遮光素子32Dの塗布面積および厚さはそれぞれ設計要求に従って加工される。従来の技術と比べ、前記レンズ群の装着に部品の組立が減らされた。その原因は以下の通りである。前記第1のレンズ群10Dを装着する際には、前記第1のレンズ111D、前記スペーサーリング31D、前記第2のレンズ112D、前記スペーサーリング31D、及び前記第3のレンズ113Dを順次に前記第1の鏡筒12Dに装着する必要がある。前記第2のレンズ群20Dを装着する時、前記第4のレンズ211D、前記スペーサリング31D、前記第5のレンズ212D、前記スペーサリング31D、及び前記第6のレンズ213Dを順次に前記第2の鏡筒22Dに装着すればよい。このように、従来技術におけるスペーサの装着は減らされる。これより明らかに、前記遮光素子32Dを使用すると、前記レンズ群の装着困難さを著しく低減することができる。装着時の部品の数が減少することは、公差を確保し、装着精度を向上させるのに有益である。特に、前記第1のレンズ群10Dと前記第2のレンズ群20Dを組み立てる場合、前記第3のレンズ113Dと前記第4のレンズ211Dとの間にはその他の部品を考慮することはなく、前記第1のレンズ群10Dと前記第2のレンズ群20Dの装着困難さが低減される。また、前記第4のレンズ211Dに塗布された前記遮光素子32Dにより、光学設計に必要な条件を確保することができ、前記スプリットレンズの量産効率を大幅に向上させることができる。
【0089】
また、本発明に提供される前記スプリットレンズの前記鏡筒はさらに固定部を含む。前記第1の鏡筒12Dは第1の固定部120Dを含み、前記第2の鏡筒22Dはさらに第2の固定部220Dを含む。前記第1の固定部120と前記第2の固定部220とが互いに接続されることによって、前記第1の鏡筒12Dと前記第2の鏡筒22Dは一体型レンズに組み立てられる。好ましくは、アクティブアライメント技術により、前記第1の鏡筒12Dと前記第2の鏡筒22Dのレンズの光軸一致性を確保して光学設計を満足させる。本好ましい実施形態では、前記第1の固定部はさらに内固定面121Dと外固定面122Dとを含み、前記第2の固定部220Dはさらに外固定面222Dと固定溝223Dを含む。前記第1の内固定面121Dは、前記第3のレンズ113Dを前記第1の鏡筒12Dに固定する。なお、前記第1の固定部120Dは前記第1の鏡筒12Dの側部に延伸し、しかもその底側は前記固定溝223Dに固定されて前記第2の外固定面222Dに対する、及び固定溝223Dに対応する突出を形成することができる。本好ましい実施形態では、前記第1のレンズ群10Dと前記第2のレンズ群20Dとの組立関係は、前記第1の鏡筒12Dの前記第1の外固定面122Dと前記第2の鏡筒22Dの前記第2の外固定面222Dを利用している。好ましくは、前記第1の外固定面122Dは前記第1の鏡筒12Dの側面に延伸し、前記第1の固定部120Dの下端から突出する底側面であり、前記固定溝223Dは前記第2の鏡筒22Dの上面に配置されて前記第1の鏡筒12Dを前記第2の外固定面222Dに固定する。第前記1の固定部120Dの第1の外固定面122Dと前記第2の固定部220Dの第2の外固定面222Dは接続媒体42Dを介して接続され、さらに前記第1のレンズ群10Dと前記第2のレンズ群20Dを接続して固定することができる。前記第1の固定部122Dは接着剤により対応する前記固定溝223D内に固定され、このように前記第1の固定部120Dの外固定面122Dと前記第2の固定部220Dの固定溝223Dを対応して直接に組み立てることによって、前記第1の鏡筒12Dと前記第2の鏡筒22Dとが正確に正しい位置に組み立てられることができる。好ましくは、本好ましい実施形態では、UV熱硬化性接着剤を用いて前記第1の固定部120Dと前記第2の固定部220Dとを接続する。
【0090】
よって、前記第1の固定部120Dの外固定面122Dと前記第2の固定部220Dの固定溝223Dは接続媒体42Dを介して接続され、さらに前記第1のレンズ群10Dと前記第2のレンズ群20Dを接続して固定することができる。前記第1の内固定面121Dは前記第3のレンズ113Dを前記第1の鏡筒12Dに固定する。本好ましい実施形態では、前記第1の鏡筒11Dの縁は前記第2の鏡筒22Dより小さいので、前記第1の鏡筒12Dの前記第1の外固定面122Dと前記第2の鏡筒22Dの前記第2の固定部222Dは安定的に支持される。前記第1の鏡筒12Dの前記第1の外固定面122Dを採用すると、第1の好ましい実施形態より、全体的に前記第1の鏡筒12Dの幅を短縮した。また、前記固定溝223Dは、接着剤が多すぎて前記第1の鏡筒12Dと前記第2の鏡筒22Dの内部に入ることを防止できる。前記固定溝223Dを利用して組立時に前記第1の外固定面122Dを対応して配置することで、前記第1のレンズ群10Dと前記第2のレンズ群20Dとの組立時の正確さが保証される。
【0091】
図6に示すように、装着時に、まず、前記第1のレンズ111D、前記スペーサーリング31D、前記第2のレンズ112D、前記スペーサーリング31D、及び前記第3のレンズ113Dを順次に前記第1の鏡筒12Dに装着する。前記第2のレンズ群20Dを装着する時、前記第4のレンズ211D、前記スペーサーリング31D、前記第5のレンズ212D、前記スペーサーリング31D、及び前記第6のレンズ213Dを順次に前記第2の鏡筒22Dに装着すればよい。前記第1のレンズ群10Dと前記第2のレンズ群20Dを組み立てる場合、前記第1の固定部122Dは接着剤により対応する前記固定溝223D内に固定され、このように前記第1の固定部120Dの外固定面122Dと前記第2の固定部220Dの固定溝223Dを対応して直接に組み立てることによって、前記第1の鏡筒12Dと前記第2の鏡筒22Dとが正確に正しい位置に組み立てられることができる。アクティブアライメントにより、前記第1のレンズ群10Dと前記第2のレンズ群20Dの組立は完成される。
【0092】
図7は、本発明に係る撮像モジュールの断面図であり、前記撮像モジュールはオートフォーカス撮像モジュールであり、前記スプリットレンズ1と、ドライバ2と、回路基板3と、ベース4と、感光素子5とを含む。前記スプリットレンズ1は前記ドライバ2に装着され、これによってオートフォーカスが実現できる。前記ドライバ2、前記感光素子5は導通的に前記回路基板3に接続することができ、前記ベース4は前記ドライバ2を支え、しかも前記感光素子5を収容する。前記スプリットレンズ1を通過した光は前記感光素子5に到達し、光電変換により結像に用いられる。これに対応して、赤外カットフィルタ、青色ガラスフィルタなど、光をフィルタリングするためのフィルタ6を前記スプリットレンズ1と前記感光素子5との間に配置してもよい。
【0093】
組立プロセスにおいて、前記スプリットレンズ1の前記第1のレンズ群の他に、前記撮像モジュールのその他の素子が組み立てられてからアクティブアライメントにより、前記第1のレンズ群の装着位置が確定されて固定され、これによって撮像モジュール全体が得られる。より具体的には、前記感光素子5は導通的に前記回路基板3に接続され、前記ベース4は前記回路基板3に貼り付けられるか前記回路基板3と一体的に形成され、前記ドライバ2は前記ベース4に装着されて導通的に前記回路基板3に接続される。前記スプリットレンズ1の前記第2のレンズ群は前記ドライバ2に装着され、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群が予め組み立てられてからアクティブアライメントが実行され、結像品質を分析することで前記第1のレンズ群のオフセット、チルトなどの誤差を確定し、撮像モジュール全体が適切な結像品質を得るまで前記第1のレンズ群の位置を調整し、そして前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群とを接続して固定する。
【0094】
前記アクティブアライメントプロセスにおいて、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群でのディスペンシングにより前記接続媒体を形成して予備組立を完成することができ、前記第1のレンズ群の位置が確定された後、前記接続媒体は完全に硬化したことにより、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との接続固定が完成される。あるいは、前記第1のレンズ群の位置が確定された後にディスペンシングして前記接続媒体を形成して完全に硬化させることにより、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群から一体型レンズを形成する。
【0095】
図8は、本発明に係る撮像モジュールの断面図であり、前記撮像モジュールは固定焦点撮像モジュールであってもよく、上記スプリットレンズ1と、回路基板3と、レンズホルダー7と、感光素子5とを含む。前記スプリットレンズ1は前記レンズホルダー6に装着される。前記感光素子5は導通的に前記回路基板3に接続することができ、前記レンズホルダー6は前記スプリットレンズ1を支え、しかも前記感光素子5を収容する。前記スプリットレンズ1を通過した光は前記感光素子5に到達し、光電変換により結像に用いられる。これに対応して、赤外カットフィルタ、青色ガラスフィルタなど、光をフィルタリングするためのフィルタ6を前記スプリットレンズ1と前記感光素子5との間に配置してもよい。同様に、アクティブアライメントプロセスにより、前記スプリットレンズ1の前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との組立が完成されて一体型レンズが形成され、撮像モジュールを得ることができる。
【0096】
図9を参照すると、上記撮像モジュール100は電子機械200に適用することができる。前記電子機器200として、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、コンピュータデバイス、テレビ、交通機関、カメラ、モニタリング装置などが挙げられるが、これらに限られていない。前記電子機器200は、電子機器本体201を含むことができ、前記撮像モジュール100は前記電子機器本体201に装着されてそのマザーボードに接続され、前記電子機器本体201と協力して画像の収取と再生を完成する。
【0097】
上記記載および図面に示された本発明の実施例は例示に過ぎず、本発明を限定するものではないと当業者は理解すべきである。本発明の目的は完全で効果的に実現されている。本発明の機能および構造の原理は実施例において開示および説明されており、前記原理に反しなければ、本発明の実施形態について如何なる変形または改善をすることができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9