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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】縦型ブラインド
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/36 20060101AFI20230831BHJP
   E06B 9/38 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
E06B9/36 B
E06B9/38
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022064521
(22)【出願日】2022-04-08
(65)【公開番号】P2022170698
(43)【公開日】2022-11-10
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】202110499374.2
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522143575
【氏名又は名称】億豊総合工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125221
【弁理士】
【氏名又は名称】水田 愼一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】屈旭武
(72)【発明者】
【氏名】陳琳
(72)【発明者】
【氏名】梁正祁
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-080572(JP,A)
【文献】特開2020-143470(JP,A)
【文献】実開昭58-148198(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0204657(US,A1)
【文献】米国特許第04928744(US,A)
【文献】中国実用新案第211258441(CN,U)
【文献】中国実用新案第205206704(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24 - 9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドビーム、ブラインド本体、前記ヘッドビームに設けられる回転軸および駆動機構、前記回転軸に操作可能に接続される第1推進機構、前記第1推進機構に操作可能に接続される日よけ部材、および前記回転軸と前記第1推進機構を連動可能に接続する第1クラッチを備える縦型ブラインドであって、
前記ブラインド本体は、前記ヘッドビームの下方に位置し且つ複数のルーバーを備え、これら複数のルーバーと前記ヘッドビームの間に隙間が設けられ、
前記回転軸は、前記複数のルーバーと連動可能に接続され、
前記駆動機構は、前記回転軸に接続されて前記回転軸を駆動することにより前記複数のルーバーが第1閉合位置と第2閉合位置の間で往復回転できるようにし、且つ前記第1閉合位置と前記第2閉合位置との間に1つの展開位置が設けられ、
前記第1推進機構は、前記回転軸に駆動されて1つの移動区間内において往復移動し、
前記日よけ部材は、前記隙間に対して遮光位置と採光位置の間で移動可能に形成され、前記ルーバーが前記第1閉合位置および前記第2閉合位置にあるとき、前記日よけ部材は、前記遮光位置に移動して前記隙間を覆い、前記ルーバーが前記展開位置にあるとき、前記日よけ部材は、前記第1推進機構に押圧されて前記採光位置に移動し、
前記第1クラッチは、前記第1推進機構が前記回転軸に駆動されて前記移動区間の第1端と第2端との間で往復移動できるようにし、前記回転軸が第1方向に回転して前記第1推進機構を前記移動区間の前記第1端に移動させ、且つ前記回転軸が前記第1方向に回転し続けるとき、前記第1クラッチは、前記回転軸と前記第1推進機構の連動関係を解除して前記第1推進機構が前記移動区間の前記第1端に止まるようにする、縦型ブラインド。


【請求項2】
前記第1推進機構が前記移動区間の前記第1端に位置し、且つ前記回転軸が前記第1方向に回転し続けて前記第1クラッチのトルクが所定値を超えるとき、前記第1クラッチは、前記回転軸と前記第1推進機構の連動関係を解除する、請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項3】
前記回転軸は、軸棒、および複数の歯で形成される環状歯車を備え、前記複数の歯は、軸棒の軸方向に沿って配置され、前記複数の歯で形成される環状歯車は、固定的に前記軸棒の外周面を一周して形成され、
前記第1クラッチは、1つの歯車台および1つの片持ち部を備え、前記片持ち部は、固定端および自由端を備え、前記固定端を前記歯車台に接続し且つ前記自由端を前記固定端から離間して設けることにより、前記片持ち部が前記歯車台に対して操作可能に枢動できるようにし、
前記軸棒は、前記歯車台に貫設され、前記片持ち部に歯形部が設けられ、前記歯形部が前記環状歯車に操作可能に噛み合って前記回転軸と前記第1クラッチが連動して回転できるようにする、請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項4】
前記第1推進機構が前記移動区間の前記第1端に位置し、且つ前記回転軸が前記第1方向に回転し続けるとき、前記片持ち部が前記環状歯車に押圧されて前記自由端を外へ枢動させることにより、前記第1クラッチの前記片持ち部の前記歯形部と前記回転軸の前記環状歯車の噛み合い関係を解除し、前記回転軸が前記歯車台に対して回転できるようにする、請求項3に記載の縦型ブラインド。
【請求項5】
前記ヘッドビームは、1つの位置決めキャビティを備え、前記位置決めキャビティは、第1拡張域および制限域に仕切られ、前記片持ち部の少なくとも一部が前記位置決めキャビティに収容され、
前記第1推進機構を駆動して前記移動区間の前記第1端と前記第2端の間で移動させるとき、前記第1クラッチの前記片持ち部が前記制限域に移動して前記片持ち部の枢動を制限することにより、前記片持ち部の前記歯形部と前記回転軸の前記環状歯車の噛み合い関係を保持して前記回転軸と前記第1推進機構の連動関係を保持し、
前記第1推進機構を駆動して前記移動区間の前記第1端に移動させ、且つ前記回転軸が前記第1方向に回転し続けるとき、前記片持ち部が追従して前記第1拡張域に移動して且つ前記第1拡張域において枢動することにより、前記片持ち部の前記歯形部と前記回転軸の前記環状歯車の噛み合い関係を解除し、前記回転軸と前記第1推進機構の連動関係を解除する、請求項3に記載の縦型ブラインド。
【請求項6】
前記片持ち部の前記固定端と前記自由端を結ぶ連結線方向は、前記歯車台の軸方向に直交する、請求項3に記載の縦型ブラインド。
【請求項7】
前記片持ち部の前記固定端と前記自由端を結ぶ連結線方向は、前記歯車台の軸方向に平行する、請求項3に記載の縦型ブラインド。
【請求項8】
前記ヘッドビームは、収容スペースおよび支持台を備え、前記支持台が前記収容スペース内に設けられ、前記位置決めキャビティは、前記第1クラッチの前記片持ち部に合わせて前記支持台に設けられる、請求項5に記載の縦型ブラインド。
【請求項9】
前記ヘッドビームは、枠体、サイドカバーおよび収容スペースを備え、前記サイドカバーは、前記枠体の一端に設けられて前記収容スペースの境目を形成し、前記位置決めキャビティは、前記第1クラッチの前記片持ち部に合わせて前記サイドカバーの裏面に設けられる、請求項5に記載の縦型ブラインド。
【請求項10】
前記回転軸は、スリーブおよび軸棒を備え、前記第1クラッチは、1つの筐体を備え、前記スリーブは、前記軸棒に対して回転不能に前記軸棒に套設され、且つ前記筐体に対応して設けられて前記軸棒と前記筐体を連動可能に接続させ、
前記軸棒から前記スリーブを介して前記第1クラッチの前記筐体に伝わるトルクが所定値を超えるとき、前記スリーブと前記筐体が相対的に回転する、請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項11】
前記回転軸から前記スリーブを介して前記第1クラッチの前記筐体に伝わるトルクが前記所定値を超えるとき、前記スリーブ及び前記筐体のうち少なくとも1つが弾性変形する、請求項10に記載の縦型ブラインド。
【請求項12】
前記スリーブは、外歯構造を備え、前記筐体は、内歯構造を備え、前記外歯構造と前記内歯構造が噛み合うことにより、前記回転軸と前記第1クラッチが前記スリーブと前記筐体の噛み合いによって連動するようにし、
前記回転軸から前記スリーブを介して前記第1クラッチの前記筐体に伝わるトルクが前記所定値を超えるとき、前記スリーブまたは前記筐体の弾性変形によって前記内歯構造と前記外歯構造の噛み合い関係を解除する、請求項11に記載の縦型ブラインド。
【請求項13】
前記縦型ブラインドは、前記第1推進機構と連動する位置決め機構を更に備え、前記ヘッドビームは、係止部を備え、前記位置決め機構と前記係止部の組合わせによって前記第1推進機構が前記移動区間に限って往復移動するようにする、請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項14】
前記第1推進機構は、前記日よけ部材に操作可能に接続され、
前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記第1閉合位置または前記第2閉合位置から前記展開位置向きに回転するとき、前記回転軸は、前記第1推進機構を駆動して前記日よけ部材が前記採光位置に移動するようにする、請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項15】
前記縦型ブラインドは、接続装置を更に備え、前記接続装置は、前記第1推進機構と前記日よけ部材の間に設けられ且つ前記日よけ部材に操作可能に接続され、
前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記第1閉合位置または前記第2閉合位置から前記展開位置向きに回転するとき、前記回転軸は、前記第1推進機構を駆動して前記接続装置を押圧移動させることにより、前記日よけ部材が前記採光位置に移動するようにする、請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項16】
前記接続装置は、1つの摺動子を備え、前記第1推進機構と前記摺動子が連動可能に接続され、
前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記第1閉合位置または前記第2閉合位置から前記展開位置向きに回転するとき、前記回転軸は、前記第1推進機構を駆動して前記摺動子を押圧移動させることにより、前記日よけ部材が前記採光位置に移動するようにする、請求項15に記載の縦型ブラインド。
【請求項17】
前記接続装置は、従動台および揺動アームを備え、前記第1推進機構と前記従動台が連動可能に接続され、前記揺動アームは、前記従動台に操作可能に且つ枢動自由に接続され、
前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記第1閉合位置または前記第2閉合位置から前記展開位置向きに回転するとき、前記回転軸は、前記第1推進機構を駆動して前記従動台を押圧移動させ、且つ前記従動台の移動に追従して前記揺動アームが枢動することにより、前記日よけ部材を押圧して前記採光位置に移動させる、請求項15に記載の縦型ブラインド。
【請求項18】
前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記展開位置から前記第1閉合位置または前記第2閉合位置向きに回転するとき、前記日よけ部材は、重力の作用下で前記採光位置から前記遮光位置向きに移動すると同時に前記接続装置を押圧移動させる、請求項15に記載の縦型ブラインド。
【請求項19】
前記日よけ部材と前記複数のルーバーを間隔を隔てて設けることにより、前記日よけ部材が前記遮光位置と前記採光位置の間で移動する際に、前記日よけ部材と前記複数のルーバーが接触しないようにする、請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項20】
前記縦型ブラインドは、第2クラッチおよび第2推進機構を更に備え、前記第2推進機構が前記第2クラッチに接続され、前記第1推進機構および前記第2推進機構は、前記回転軸の両側にそれぞれ設けられる、請求項19に記載の縦型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型ブラインドに関し、特に遮光システムによって遮光効果を高める縦型ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
日常よく見かける縦型ブラインドは、構造上少なくとも1つのヘッドビーム、1つのブラインド本体および1つの駆動機構を備え、ブラインド本体は、複数のルーバーを備えてヘッドビームの下方に操作可能に引っ掛けられ、ユーザが駆動機構のドライブコードまたは操作バトンを利用してブラインド本体のルーバーを移動させることにより、ブラインド本体を展開または畳み込み、若しくは駆動機構によってルーバーを回転させることにより、ブラインド本体からの光の通過量を調整する。従来の縦型ブラインドでは、ブラインド本体が前記動作を繰り返す際にルーバーの回転又は引きずり移動がヘッドビームとの干渉を受けずに円滑に行われるよう、ルーバーの頂部とヘッドビームの底部の間に敢えて隙間を設けて前記干渉の発生を回避することが行われている。
【0003】
ところが、隙間を残すやり方には光漏れの問題が派生する。具体的には、ユーザが室外からの入射光を遮蔽するためブラインド本体のルーバーを完全遮光状態に回転させたとしても、室外からの入射光がヘッドビームとルーバーの間の隙間から漏れて室内へ入射するおそれがあり、室内の明るさに影響して明暗分けが目立つシェード(陰影)を残すことにより完全遮光の目的を達成できず、つまり、このような縦型ブラインドでは全体の遮光効果が理想でない問題を抱えている。
【0004】
前記光漏れの問題を解決するため、従来より日よけ板を増設することが行われ、かかる日よけ板は、概ね固定式および非固定式に分かれ、そのうち固定式の日よけ板は、ヘッドビームの前後両サイドに直接固定されてヘッドビーム底部とルーバー頂部の間の隙間を覆う構成であるが、固定式の設計に対してはルーバーの移動または回転時にルーバーと接触や干渉が起こらず、ルーバーが回転して完全遮光状態になった場合に固定式の日よけ板が隙間を完全に覆うことが求められる。これらの要求に対応できる固定式の日よけ板は、通常、占用スペースが大きく、かつ日よけ板の形状を調整して美的感触を強化することが困難であるため、取付けが不便であり、デザイン性が悪いといった欠点がある。
【0005】
非固定式の日よけ板は、固定式の日よけ板と異なり、ヘッドビームを軸に枢動可能にヘッドビームに連結され、かつ各ルーバーの頂部を枢動する際の動力源とする。具体的には、非固定式の日よけ板としては、一端がヘッドビームに枢着され、ブラインド本体が回転して完全遮光状態になった場合、日よけ板の他端が自然に吊り下げられてヘッドビームとルーバーの間の隙間を覆い、一方、ブラインド本体が回転して開いた状態になった場合、日よけ板の他端の裏側がルーバー頂部の付勢力を受けて高い位置に移動する。
【0006】
非固定式の日よけ板を設けることで光漏れの問題や、固定式の日よけ板がデザイン性に欠けるなどの一連の問題を解決できるものの、非固定式の日よけ板がルーバーの頂部に押圧されて枢動する構成であるため、ルーバーが高強度の材質で製造される縦型ブラインドのみに限って適用可能であり、加えてルーバーと日よけ板が互いに干渉してルーバーのスムーズな回転および移動を妨害することがあるため、ルーバーが破損したり、ブラインド本体を開閉する際に雑音が発生するといった問題が存在し、更なる改善を加える余地がある。
【0007】
なお、ルーバーを片側に寄せ、若しくは特定区域に折り畳んで置くとき、日よけ板が均等に支持を受けずに傾斜することがあり、見栄えが悪くなり、故障も頻発するおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上に鑑み、本発明の1つの目的は、全体の遮光効果をうまく向上させ、同時にルーバーの回転や移動時に干渉が生じることを回避でき、さらに、ブラインド本体を操作するときの円滑性を高めて雑音発生の問題を解決できる縦型ブラインドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、ヘッドビーム、ブラインド本体、ヘッドビームに設けられる回転軸および駆動機構、回転軸に操作可能に接続される第1推進機構、第1推進機構に操作可能に接続される日よけ部材、および回転軸と第1推進機構を連動可能に接続する第1クラッチを備える縦型ブラインドを提供し、
前記ブラインド本体は、ヘッドビームの下方に位置し且つ複数のルーバーを備え、これら複数のルーバーとヘッドビームの間に隙間が設けられ、
前記回転軸は、前記複数のルーバーと連動可能に接続され、
前記駆動機構は、前記回転軸に接続されて前記回転軸を駆動することによりルーバーが第1閉合位置と第2閉合位置の間で往復回転できるようにし、且つ前記第1閉合位置と第2閉合位置との間に1つの展開位置が設けられ、
前記第1推進機構は、前記回転軸に駆動されて1つの移動区間内において往復移動し、
前記日よけ部材は、前記隙間に対して遮光位置と採光位置の間で移動可能に形成され、前記ルーバーが前記第1閉合位置および第2閉合位置にあるとき、前記日よけ部材は、前記遮光位置に移動して前記隙間を覆い、前記ルーバーが展開位置にあるとき、前記日よけ部材は、前記第1推進機構に押圧されて前記採光位置に移動し、
前記第1クラッチは、前記第1推進機構が前記回転軸に駆動されて前記移動区間の第1端と第2端との間で往復移動できるようにし、前記回転軸が第1方向に回転して前記第1推進機構を前記移動区間の第1端に移動させ、且つ前記回転軸が前記第1方向に回転し続けるとき、前記第1クラッチは、前記回転軸と前記第1推進機構の連動関係を解除して前記第1推進機構が前記移動区間の第1端に止まるようにする。
【0010】
本発明に係る一部の実施形態において、前記第1推進機構が前記移動区間の第1端に位置し、且つ前記回転軸が前記第1方向に回転し続けて前記第1クラッチのトルクが所定値を超えるとき、前記第1クラッチは、前記回転軸と前記第1推進機構の連動関係を解除する。
【0011】
本発明に係る一部の実施形態において、前記回転軸は、軸棒、および複数の歯で形成される環状歯車を備え、前記複数の歯は、軸棒の軸方向に沿って配置され、前記複数の歯で形成される環状歯車は、固定的に前記軸棒の外周面を一周して形成され、
前記第1クラッチは、1つの歯車台および1つの片持ち部を備え、前記片持ち部は、固定端および自由端を備え、固定端を前記歯車台に接続し且つ自由端を固定端から離間して設けることにより、前記片持ち部が前記歯車台に対して操作可能に枢動できるようにし、
前記軸棒は、前記歯車台に貫設され、前記片持ち部に1つの歯形部が設けられ、歯形部が前記環状歯車に操作可能に噛み合って前記回転軸と前記第1クラッチが連動して回転できるようにする。
【0012】
本発明に係る一部の実施形態において、前記第1推進機構が前記移動区間の第1端に位置し、且つ前記回転軸が前記第1方向に回転し続けるとき、前記片持ち部が前記環状歯車に押圧されて前記自由端を外へ枢動させることにより、前記第1クラッチの片持ち部の歯形部と前記回転軸の環状歯車の噛み合い関係を解除し、前記回転軸が前記歯車台に対して回転できるようにする。
【0013】
本発明に係る一部の実施形態において、前記ヘッドビームは、1つの位置決めキャビティを備え、前記位置決めキャビティは、第1拡張域および制限域に仕切られ、前記片持ち部の少なくとも一部が前記位置決めキャビティに収容され、
前記第1推進機構を駆動して前記移動区間の第1端と第2端の間で移動させるとき、前記第1クラッチの片持ち部が前記制限域に移動して前記片持ち部の枢動を制限することにより、前記片持ち部の歯形部と前記回転軸の環状歯車の噛み合い関係を保持して前記回転軸と前記第1推進機構の連動関係を保持し、
前記第1推進機構を駆動して前記移動区間の第1端に移動させ、且つ前記回転軸が前記第1方向に回転し続けるとき、前記片持ち部が追従して前記第1拡張域に移動して且つ前記第1拡張域において枢動することにより、前記片持ち部の歯形部と前記回転軸の環状歯車の噛み合い関係を解除し、前記回転軸と前記第1推進機構の連動関係を解除する。
【0014】
本発明に係る一部の実施形態において、前記片持ち部の固定端と自由端を結ぶ連結線方向は、前記歯車台の軸方向に直交する。
【0015】
本発明に係る一部の実施形態において、前記片持ち部の固定端と自由端を結ぶ連結線方向は、前記歯車台の軸方向に平行する。
【0016】
本発明に係る一部の実施形態において、前記ヘッドビームは、収容スペースおよび支持台を備え、前記支持台が前記収容スペース内に設けられ、前記位置決めキャビティは、前記第1クラッチの片持ち部に合わせて前記支持台に設けられる。
【0017】
本発明に係る一部の実施形態において、前記ヘッドビームは、枠体、サイドカバーおよび収容スペースを備え、前記サイドカバーは、前記枠体の一端に設けられて前記収容スペースの境目を形成し、前記位置決めキャビティは、前記第1クラッチの片持ち部に合わせて前記サイドカバーの裏面に設けられる。
【0018】
本発明に係る一部の実施形態において、前記回転軸は、スリーブおよび軸棒を備え、前記第1クラッチは、1つの筐体を備え、前記スリーブは、前記軸棒に対して回転不能に前記軸棒に套設され、且つ前記筐体に対応して設けられて前記軸棒と前記筐体を連動可能に接続させ、前記軸棒から前記スリーブを介して前記第1クラッチの筐体に伝わるトルクが所定値を超えるとき、前記スリーブと前記筐体が相対的に回転する。
【0019】
本発明に係る一部の実施形態において、前記回転軸から前記スリーブを介して前記第1クラッチの筐体に伝わるトルクが前記所定値を超えるとき、前記スリーブ及び前記筐体のうち少なくとも1つが弾性変形する。
【0020】
本発明に係る一部の実施形態において、前記スリーブは、外歯構造を備え、前記筐体は、内歯構造を備え、前記外歯構造と前記内歯構造が噛み合うことにより、前記回転軸と前記第1クラッチが前記スリーブと前記筐体の噛み合いによって連動するようにし、
前記回転軸から前記スリーブを介して前記第1クラッチの筐体に伝わるトルクが前記所定値を超えるとき、前記スリーブまたは前記筐体の弾性変形によって前記内歯構造と前記外歯構造の噛み合い関係を解除する。
【0021】
本発明に係る一部の実施形態において、前記縦型ブラインドは、前記第1推進機構と連動する位置決め機構を更に備え、前記ヘッドビームは、係止部を備え、前記位置決め機構と前記係止部の組合わせによって前記第1推進機構が前記移動区間に限って往復移動するようにする。
【0022】
本発明に係る一部の実施形態において、前記第1推進機構は、前記日よけ部材に操作可能に接続され、前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記第1閉合位置または前記第2閉合位置から前記展開位置向きに回転するとき、前記回転軸は、前記第1推進機構を駆動して前記日よけ部材が前記採光位置に移動するようにする。
【0023】
本発明に係る一部の実施形態において、前記縦型ブラインドは、接続装置を更に備え、前記接続装置は、前記第1推進機構と前記日よけ部材の間に設けられ且つ前記日よけ部材に操作可能に接続され、
前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記第1閉合位置または前記第2閉合位置から前記展開位置向きに回転するとき、前記回転軸は、前記第1推進機構を駆動して前記接続装置を押圧移動させることにより、前記日よけ部材が前記採光位置に移動するようにする。
【0024】
本発明に係る一部の実施形態において、前記接続装置は、1つの摺動子を備え、前記第1推進機構と前記摺動子が連動可能に接続され、
前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記第1閉合位置または前記第2閉合位置から前記展開位置向きに回転するとき、前記回転軸は、前記第1推進機構を駆動して前記摺動子を押圧移動させることにより、前記日よけ部材が前記採光位置に移動するようにする。
【0025】
本発明に係る一部の実施形態において、前記接続装置は、従動台および揺動アームを備え、前記第1推進機構と前記従動台が連動可能に接続され、前記揺動アームは、前記従動台に操作可能に且つ枢動自由に接続され、
前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記第1閉合位置または前記第2閉合位置から前記展開位置向きに回転するとき、前記回転軸は、前記第1推進機構を駆動して前記従動台を押圧移動させ、且つ前記従動台の移動に追従して前記揺動アームが枢動することにより、前記日よけ部材を押圧して前記採光位置に移動させる。
【0026】
本発明に係る一部の実施形態において、前記ルーバーが前記回転軸に駆動されて前記展開位置から前記第1閉合位置または前記第2閉合位置向きに回転するとき、前記日よけ部材は、重力の作用下で前記採光位置から前記遮光位置向きに移動すると同時に前記接続装置を押圧移動させる。
【0027】
本発明に係る一部の実施形態において、前記日よけ部材と前記複数のルーバーを間隔を隔てて設けることにより、前記日よけ部材が前記遮光位置と前記採光位置の間で移動する際に、前記日よけ部材と前記複数のルーバーが接触しないようにする。
【0028】
本発明に係る一部の実施形態において、さらに、第2クラッチおよび第2推進機構を備え、前記第2推進機構が前記第2クラッチに接続され、前記第1推進機構および前記第2推進機構は、前記回転軸の両側にそれぞれ設けられる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、駆動機構、回転軸、ルーバー、推進機構および日よけ部材が同調して動作することにより、ユーザがルーバーを展開位置に回した場合、日よけ部材が推進機構に押圧されて採光位置に移動し、ユーザがルーバーを閉合位置に回した場合、日よけ部材が遮光位置に移動して隙間を覆うことができる。したがって、本発明の縦型ブラインドは、遮光効果に優れ、ルーバーの回転または移動時に遮光システムとの干渉が生じる問題を回避でき、日よけ部材が片方に傾いて不具合が生じる問題も回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施例1の構成を示す斜視図であり、ルーバーが第1閉合位置に位置する状態を示す。
図2図1に示す実施例1の構成の正面図であり、第1サイドカバーを透視して観察するときの状態を示す。
図3図1に示す実施例1の構成を3-3連結線に沿って切断した断面図である。
図4】実施例1の構成を示す斜視図であり、ルーバーが展開位置に位置する状態を示す。
図5図4に示す実施例1の局部構成の立体分解図である。
図6図5に示す実施例1の局部構成の拡大図である。
図7図5に示す実施例1の局部構成を別の角度から拡大した拡大図である。
図8図6に示す実施例1の第1推進機構の背面図である。
図9図6に示す実施例1の第1推進機構の正面図である。
図10図6に示す実施例1の第1推進機構の底面図である。
図11図6に示す実施例1の第1サイドカバーの背面図である。
図12図6に示す実施例1の第1支持台の正面図である。
図13図4に示す実施例1の構成を示す正面図であり、第1サイドカバーを透視して観察するときの状態を示す。
図14図4に示す実施例1の構成を14-14連結線に沿って切断した断面図である。
図15】実施例1の構成を示す斜視図であり、ルーバーが第2閉合位置に位置する状態を示す。
図16図15に示す実施例1の構成を示す正面図であり、第1サイドカバーを透視して観察するときの状態を示す。
図17図15に示す実施例1の構成を17-17連結線に沿って切断した断面図である。
図18】本発明の実施例2の構成を示す斜視図であり、ルーバーがに位置する第1閉合位置に位置する状態を示す。
図19図18に示す実施例2の構成を示す正面図であり、第1サイドカバーを透視して観察するときの状態を示す。
図20】実施例2の構成を示す斜視図であり、ルーバーが展開位置に位置する状態を示す。
図21図20に示す実施例2の構成を示す正面図であり、第1サイドカバーを透視して観察するときの状態を示す。
図22図20に示す実施例2の局部構成の立体分解図である。
図23図20に示す実施例2の局部構成を別の角度から観察するときの立体分解図である。
図24図22に示す実施例2の第1推進機構の斜視図である。
図25図22に示す実施例2の第1推進機構の正面図である。
図26図22に示す実施例2の第1推進機構の平面図である。
図27図22に示す実施例2の第1サイドカバーの背面図である。
図28】本発明の実施例3の局部構成を示す立体分解図である。
図29】実施例3の局部構成を別の角度から観察するときの立体分解図である。
図30図28に示す実施例3の第1推進機構の斜視図である。
図31図28に示す実施例3の第1推進機構の右側面図である。
図32図28に示す実施例3の第1推進機構を別の角度から観察するときの斜視図である。
図33図28に示す実施例3の第1サイドカバーの背面図である。
図34】本発明の実施例4の局部構成を示す立体分解図である。
図35】実施例4の局部構成を別の角度から観察するときの立体分解図である。
図36】実施例4の局部構成を示す斜視図であり、主にスリーブおよび第1クラッチの構造を示す。
図37図36に示す実施例4の局部構成を別の角度から観察するときの立体図である。
図38】本発明の実施例5の局部構成を示す立体分解図である。
図39】実施例5の局部構成を別の角度から観察するときの立体分解図である。
図40】実施例5の局部構成を示す斜視図であり、主にスリーブおよび第1クラッチの構造を示す。
図41図40に示す実施例5の局部構成を別の角度から観察するときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図例を挙げて本発明の縦型ブラインドを詳細に説明する。当業者であれば、下記図例と実施例が本発明の縦型ブラインドを例示したに過ぎず、本発明はこれらの図例と実施例に制限されないことをよく理解できる。また、本発明の趣旨と範囲から逸脱しない限り、以下の実施形態に対して種々の変更や変形を加えることができ、これらの変更や変形も本発明の範囲内に含まれる。以下において、同一の構成要素については同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0032】
また、以下で説明する構造、用途及びその応用などは本発明の構成要件を制限するものではない点に留意されたい。本明細書で使われる用語は、何れも当業者が熟知する技術用語であり、本明細書で言う「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「裏」及び「外」などの方向性用語も、方向を指すときに一般に使われる用語表現であり、本発明を制限するものではない点にも留意されたい。
【0033】
なお、本願特許請求の範囲で使われる「1つ」、「1個」及び「前記」などの数量詞は、場合によっては複数を含む概念と解すべきであり、例えば「1つの部材」とは1個の部材に限らず、複数の部材を指すこともあり、さらに、当分野の一般知識を持つ技術者が周知する等価置換を含むことができる。また、上記の状況と類似した状況で使われる全ての接続語についても、それが適用可能な最も広い概念として解すべきであり、以下の説明で使われる特定の形状や構造を表わす技術用語についても、かかる特定の構造又は技術用語によって実現可能な機能の等価置換を含むものと解すべきである。
【0034】
図1図17は、本発明の実施例1に係る縦型ブラインド1を示し、該縦型ブラインド1としては、例えば窓、入り口、アーチドアや類似の構造など、建築物の開口に取付け可能であり、ヘッドビーム10、駆動機構20、回転軸30、ブラインド本体40、第1推進機構51、第1クラッチ61、第1位置決め機構71、第1接続装置81および日よけ部材90を備える。ユーザは、駆動機構20を利用してブラインド本体40の角度および位置を調整することにより、縦型ブラインド1からの光の通過量を調整することができる。
【0035】
以下、図5図7を利用して縦型ブラインド1の主な構成要素およびその作用を説明する。
【0036】
ヘッドビーム10は枠体11を備え、枠体11の内部には、収容スペース102、第1サイドカバー12、第2サイドカバー13、第1支持台14および第2支持台15が設けられる。ヘッドビーム10は、回転軸30などの構成要素を収容するために用いられ、枠体11を利用してヘッドビーム10を建築物の開口に取付けることができる。
【0037】
駆動機構20は、操作バトン22および接続部材24を備える。ユーザは、駆動機構20を利用して縦型ブラインド1のブラインド本体40および日よけ部材90の動きを操作することができる。
【0038】
回転軸30は、回転棒32および環状歯車34を備える。回転軸30は、駆動機構20に駆動されて回転することにより、ブラインド本体40および日よけ部材90が動くようにすることができる。
【0039】
ブラインド本体40は、ランナーフック42およびルーバー44を備える。ブラインド本体40は、使用要求に応じて建築物の開口を遮蔽または露出できるように設けられる。
【0040】
図13に示すように、第1推進機構51は、回転軸30に接続され、回転軸30に駆動されて移動区間S内において移動することにより、日よけ部材90が動くようにする。
【0041】
第1クラッチ61は、歯車台64および片持ち部66を備える。第1クラッチ61は、回転軸30と第1推進機構51の間に接続され、回転軸30と第1推進機構51が連動回転できるようにする。
【0042】
第1位置決め機構71は、前記第1推進機構51に設けられ、図11および図13に示すように、第1位置決め機構71と第1サイドカバー12の係止部122が連携して前記第1推進機構51の移動区間Sを確定する。
【0043】
第1接続装置81は、前部摺動子83を備える。第1接続装置81は、第1推進機構51と日よけ部材90の間に設けられ、第1推進機構51は、前記第1接続装置81を介して日よけ部材90が動くようにすることができる。
【0044】
日よけ部材90は、前部遮光板92を備える。図4および図13に示すように、遮光位置PL1と採光位置PL2の間における日よけ部材90の移動は操作可能になっており、図2に示すように、日よけ部材90が遮光位置PL1に移動することにより、ルーバー44とヘッドビーム10の間の隙間2を覆うことができる。
【0045】
次に、図4図7を利用してヘッドビーム10の細部構造および動作を説明する。
【0046】
ヘッドビーム10は、適宜な剛性を有するプラスチック、金属、合金または複合材などで製造される。本実施例において、ヘッドビーム10は、中空の略直方体状を呈し、枠体11の内部に収容スペース102が設けられ、ヘッドビーム10の左右両端を結ぶ軸線は長軸Aを形成する。ヘッドビーム10の第1サイドカバー12は、枠体11の一端に嵌設されて収容スペース102を仕切る1つの境目を形成し、第1支持台14は、枠体11の収容スペース102内において第1サイドカバー12と間隔を隔てて設けられ、第1サイドカバー12と第1支持台14との間に第1操作スペース16が形成される。第1支持台14は、さらに少なくとも第1クラッチ61の一部を収容可能な第1位置決めキャビティ18を備え、第1位置決めキャビティ18と第1クラッチ61の接続関係については、後に詳述する。
【0047】
駆動機構20は、ヘッドビーム10の他の構成要素に接続され、ユーザがこれらの構成要素を操作できるようにする。本実施例において、駆動機構20は、1つの操作バトン22および1つの接続部材24を備え、操作バトン22の上端は、前記接続部材24を介して回転軸30に連動可能に接続され、操作バトン22の下端は、ユーザが手で掴んで操作できるようにヘッドビーム10から露出され、ユーザは、手で操作バトン22を回すことで回転軸30を駆動して回転させることができる。本実施例において、駆動機構20として操作バトン22の形態を採用したが、他の実施例においては、回転軸30を駆動する駆動機構20としてドライブコードまたは電気モータなどの手動式及び/又は電動式の形態(図示せず)であってもよい。
【0048】
回転軸30は、ヘッドビーム10の収容スペース102内に設けられ、その軸方向がヘッドビーム10の長軸A方向に略平行になっており、回転軸30における環状歯車34の各歯は前記軸棒32の軸方向に沿って配置され、こうした歯形を持つ環状歯車34は、前記軸棒32の周壁を取り囲んで固定される。本実施例に係る回転軸30は、八角形軸であるが、本発明ではこれらの形態に特に制限されず、四角形軸、六角形軸、又は他の適宜な形状を有する軸体であってもよい。
【0049】
ブラインド本体40は、前記ヘッドビーム10の下方に位置し、ブラインド本体40のランナーフック42は、回転軸30に操作可能に接続され且つ回転軸30に駆動されて回転することができ、これらのランナーフック42は、概ね長軸A方向に沿って整然と整列される。本実施例において、前記ルーバー44は、1対1で前記ランナーフック42に挟まれてその下方に吊下げられる。一方、別の実施例では、ルーバー44の数より多くしてランナーフック42を設けることができる。ユーザの操作によって各ルーバー44がヘッドビーム10に対して移動または回転する際のルーバー44とヘッドビーム10との干渉を無くすため、図13および図14に示すように、各ルーバー44とヘッドビーム10の間にほぼ同じ高さで隙間2が設けられる。
【0050】
以下、駆動機構20、回転軸30およびブラインド本体40の配置関係を説明する。ユーザが操作バトン22を回すと、回転軸30は操作バトン22の動きに追従して回転し、回転軸30が回転すると、ランナーフック42が回転し始め、それに従ってランナーフック42に挟まれたルーバー44も同時に回転する。したがって、ユーザが操作バトン22を操作することでルーバー44を図1に示すような状態に回転させると、隣り合うルーバー44同士が部分的に重畳して光の通過を阻止し、このとき、ルーバー44が第1閉合位置に位置することになる。また、ルーバー44が図1に示す状態から、ユーザの操作によって対応するランナーフック42を軸心にして更に所定方向Rに回転して図4に示す状態になると、各ルーバー44の短軸方向がヘッドビーム10の長軸A方向に概ね直交し、このとき、光がルーバー44同士の隙間から最大量で透過することができ、この状態ではルーバー44が最大展開位置に位置することになる。ユーザがルーバー44を図1に示す第1閉合位置から図4に示す最大展開位置に回転させた後、操作バトン22を同一方向に向けて更に回し続けると、図15に示すように、ルーバー44を図1に示す状態から更にほぼ180°反転した状態に調整することができ、このとき、隣り合うルーバー44同士が重なり合って光の通過を阻止し、この状態ではルーバー44が第2閉合位置に位置することになる。なお、図4に示すように、ルーバー44を等間隔でヘッドビーム10の下方に設ける以外、ルーバー44を引きずって片側または両側などの適宜な位置に畳み込むことも可能である(図示せず)。
【0051】
図5図10を参照されたく、第1推進機構51は、第1支持台14及び第1サイドカバー12によって仕切られた第1操作スペース16内に設けられ、かつ回転軸30に操作可能に接続されて回転軸30の動きに追従して移動区間Sにおいて往復移動することができる(図13に示す円弧形区間)。本実施例において、第1推進機構51は、プラスチック、金属、合金または複合材などの適宜な剛性を有する材料で製造され、少なくとも1つの短冊形カム512を備える。短冊形カム512の基礎円中心は、回転軸30の軸方向の延長線に位置し、短冊形カム512の作業曲線(working curve)は、日よけ部材90に対応して設定される。第1推進機構51が回転軸30の動きに追従して移動すると、短冊形カム512は、それに対応する日よけ部材90の構成要素を直接または間接に駆動して移動させることができる。本発明において、短冊形カムの数、形状及び/又は製造方法について特に制限がなく、必要に応じて短冊形カムの形態を適宜調整することができる。例えば、図5図10に示すように、本実施例において短冊形カムを2つ設けてもよく、該2つの短冊形カム512、513は、ヘッドビーム10の長軸A方向に沿って配置され且つ一体に形成される。本実施例において、短冊形カム512、513の2つの基礎円が重なり合って同心円状に配置され、短冊形カム512、513の作業曲線が重なることはない。そのため、第1推進機構51が回転軸30の動きに追従して移動すると、該短冊形カム512、513は、第1推進機構51の動きに同調することにより、それぞれ各自に対応する日よけ部材90の構成要素を直接又は間接に駆動して移動させることができる。
【0052】
第1推進機構51の第1サイドは、第1サイドカバー12と離間し且つ第1クラッチ61を介して回転軸30に接続されるため、第1クラッチ機構61の状態に応じて選択的に回転軸30の動きに追従して回転することができる。第1推進機構51の第2サイド(第1サイドカバー12に近接する側)は、第1位置決め機構71に相対移動不能に接続され、本実施例では一体に接続して形成される。図7および図11に示すように、ヘッドビーム10の第1サイドカバー12の裏面には、第1位置決め機構71に対応して設けられる係止部122を備え、図13に示すように、係止部122および第1位置決め機構71によって移動区間Sの範囲を確定することにより、第1推進機構51が移動区間S内において往復移動し、係止部122を跨って連続的に繰り返し移動できないようにする。
【0053】
第1推進機構51が回転軸30に駆動されて移動すると、第1推進機構51および第1位置決め機構71も同時に第1サイドカバー12に対して相対移動を始める。例えば、図5および図6に示すように、回転軸30が第1方向D1向きに回転することにより第1推進機構51が移動区間Sの第1端に寄ると、図2に示すように、第1位置決め機構71の第1サイドが係止部122に当接することにより、第1推進機構51および第1位置決め機構71が力を受けて引続き移動しないようにする。このとき、図2に示すように、該状態での第1推進機構51が第1位置決め位置P1に位置することになる。一方、回転軸30が逆向き(すなわち、図5および図6に示す第2方向D2)に回転することにより第1推進機構51が移動区間Sの第2端に寄ると、図16に示すように、第1位置決め機構71の第2サイドが係止部122に当接することにより、第1推進機構51および第1位置決め機構71が力を受けて引続き移動しないようにする。このとき、図16に示すように、第1推進機構51が第2位置決め位置P2に位置することになる。第1推進機構51が移動区間Sの中間位置にあるとき、図13に示すように、すなわち日よけ部材90が第1推進機構51の作業曲線のピーク値に対応する位置にあるとき、第1推進機構51が推進位置P3に位置することになる。ここで、前記移動区間の「第1端」および「第2端」とは単に理解上の便宜を図って使われる表現であり、両者は互いに代替可能であり、本発明はこれらに特に制限されない。
【0054】
以上で説明した通り、第1位置決め機構71と係止部122の相対的な位置関係によって第1推進機構51の移動区間Sの範囲が決められ、また、第1推進機構51の移動区間Sの大きさは、縦型ブラインド1全体における各構成要素(例えば、第1推進機構51、ブラインド本体40、駆動機構20、日よけ部材90など)の配置形態に基づいて適宜調整することができる。本実施例1では、移動区間Sが回転軸30の軸心を取り囲んで240°の角度で回転できるように構成されるが、別の実施例によれば、実際需要にあわせて移動区間Sを240°より大きくするか、若しくは240°未満の適宜な角度に設定することができる。なお、以上の説明では前記係止部122を第1サイドカバー12に設ける構成になっているが、別の実施例によれば、ヘッドビーム10における別の構成要素に係止部122を設けてもよい。例えば、枠体11または第1支持台14に係止部を設けてもよく(図示せず)、このとき、係止部の位置に合わせて第1位置決め機構を適宜調整することができる。また、本発明の別の実施形態によれば、第1位置決め機構の構造を省き、係止部を直接に第1推進機構の移動経路に設け(図示せず)、そして係止部と第1推進機構とによって第1推進機構の移動区間を確定することもできる。
【0055】
図5図10を参照されたく、第1クラッチ61は、回転軸30および第1推進機構51と連動可能に回転軸30および第1推進機構51に接続される。本実施例に係る第1クラッチ61は、第1推進機構51と一体に連結されるが、本発明ではこれらに制限されず、第1クラッチ61と第1推進機構51をそれぞれ独立した構成とし、両者を別の接続方式(例えば、ネジ固定、係合など)によって連動可能に接続してもよい。
【0056】
次に、図6図10を用いて第1クラッチ61の細部構造および他の部材との接続関係を説明する。第1クラッチ61は、中空の略円筒状を呈し、第1クラッチ61の歯車台64と片持ち部66が連結されて上述の中空円筒を形成する。片持ち部66は、1つの固定端662および1つの自由端664を備え、固定端662が歯車台64に接続され、自由端664が固定端662と離間して設けられ、片持ち部66の自由端664が歯車台64に対して操作可能に枢動することができる。本実施例において、片持ち部66の固定端662と自由端664の連結線方向は概ね歯車台64の軸方向に直交し、歯車台64の軸方向は長軸Aの方向に平行してもよいが、本発明ではこれらについて特に制限がない。なお、片持ち部66の外周面と歯車台64の外周面とが前記中空円筒の外周面を形成し、回転軸30の軸棒32は歯車台64に貫設され、歯車台64の内周面に1つの第1歯形部642を備え、第1歯形部642は、回転軸30の環状歯車34に噛み合いされる。片持ち部66の内周面に、自由端664に隣接して1つの第2歯形部666を備え、該第2歯形部666は、前記環状歯車34に操作可能に且つ選択的に噛み合うことにより、回転軸30と第1クラッチ61を連動させる。
【0057】
そして、図6図10図12および図14を参照されたく、第1クラッチ61の片持ち部66は、少なくとも一部が第1支持台14の第1位置決めキャビティ18内に収容され、第1位置決めキャビティ18は、1つの第1拡張域182、1つの制限域184および1つの第2拡張域186を備える。制限域184は、第1拡張域182と第2拡張域186の間に設けられ、制限域184の内壁面は、中空の円筒形状を有する第1クラッチ61の外周面にほぼ隣接して形成され、第1拡張域182と第2拡張域186の内壁面は、中空の円筒形状を有する第1クラッチ61の外周面と一定の間隔距離を隔てて形成される。そのため、第1クラッチ61が回転軸30に駆動され、それに追従して片持ち部66が制限域184に寄るとき、図14に示すように、片持ち部66の自由端664は、回転軸30と制限域184の壁面に拘束されて枢動できなくなり、片持ち部66の第2歯形部666は、回転軸30の環状歯車34に持続的に噛み合って連動状態を保持する。第1クラッチ61が駆動され、それに追従して片持ち部66が第1拡張域182又は第2拡張域186に寄ると、図3および図17に示すように、第1拡張域182または第2拡張域184と片持ち部66との間に上述の間隔距離があるため、こうしたスペースによって片持ち部66の自由端664が外へ枢動可能となる。片持ち部66の自由端664が外へ枢動すると、片持ち部66の第2歯形部666と回転軸30の環状歯車34が噛み合い関係を解除し、次第に回転軸30に余裕が生じて環状歯車34に対する第1歯形部642の噛み合い関係を解除し(すなわち、回転軸30が第1歯形部642に対して摺動可能となる)、回転軸30と第1クラッチ機構61が連動しないようにする。つまり、片持ち部66が第1拡張域182および第2拡張域186に寄る場合に限って、第1クラッチ61と回転軸30の連動関係の解除が可能となる。
【0058】
以上は、第1クラッチ61と第1位置決めキャビティ18の配置関係に対する説明であり、第1クラッチ61、第1推進機構51および第1位置決めキャビティ18の動作については、以下で詳述する。
【0059】
図5図7図13および図14を参照されたく、回転軸30に駆動されて第1推進機構51が推進位置P3に移動すると(図13を参照のこと)、それと同時に第1クラッチ61の片持ち部66が第1位置決めキャビティ18の制限域184に移動することにより(図14を参照のこと)、制限域184に位置する片持ち部66の枢動を制限する。このとき、回転軸30が回転し続けると、片持ち部66の第2歯形部666と回転軸30の環状歯車34が持続的に噛み合うため、第1クラッチ61がその伝達機能を生かして第1推進機構51と回転軸30が連動関係を保持できるようし、つまり、第1推進機構51が回転軸30に駆動されて止まることなく移動し続ける。
【0060】
図1図3を参照されたく、回転軸30に駆動されて第1推進機構51が第1位置決め位置P1(すなわち、移動区間Sの第1端)に移動すると、第1クラッチ61の片持ち部66がそれに追従して第1位置決めキャビティ18の第1拡張域182に移動し、このとき回転軸30が持続的に同一方向からの力を受けて回転し続けると、第1クラッチ61の片持ち部66の自由端664が第1拡張域182において力を受けて外へ枢動し、それにつれて片持ち部66の第2歯形部666と回転軸30の環状歯車34の噛み合い関係が解除される。同時に、環状歯車34が第1歯形部642に対して滑り動きをするため、第1クラッチ61が伝達機能を発揮できなくなり、回転軸30と第1推進機構51の連動関係を解除する。このとき、回転軸30が駆動力を受けて回転し続けるが、第1推進機構51は、第1位置決め位置P1(すなわち、移動区間Sの第1端)に止まったままの状態となる。
【0061】
上記と同様に、第1推進機構51が駆動されて第2位置決め位置P2(すなわち、移動区間Sの第2端)に移動すると、図15図17に示すように、第1クラッチ61の片持ち部66がそれに追従して第1位置決めキャビティ18の第2拡張域186に移動し、このとき回転軸30が持続的に同一方向からの力を受けて回転し続けると、第1クラッチ61の片持ち部66の自由端664が第2拡張域186において力を受けて外へ枢動し、それにつれて第1クラッチ61の第1歯形部642および第2歯形部666と回転軸30の環状歯車34の噛み合い関係を解除することにより、第1クラッチ61が伝達機能を発揮できなくなり、回転軸30と第1推進機構51の連動関係が解除される。このとき、回転軸30が駆動力を受けて回転し続けるが、第1推進機構51は、第2位置決め位置P2(すなわち、移動区間Sの第2端)に止まったままの状態になる。
【0062】
以上で述べたように、第1推進機構51が第1位置決め位置P1(すなわち、移動区間Sの第1端)または第2位置決め位置P2(すなわち、移動区間Sの第2端)に移動すると、第1クラッチ61の片持ち部66がそれに追従して第1拡張域182または第2拡張域186に移動し、第1クラッチ61が伝達機能を発揮できなくなる。一方、第1推進機構51が別の位置に寄ると、第1クラッチ61の片持ち部66が制限域184に移動し、第1クラッチ61が伝達機能を発揮するようになる。
【0063】
本発明の一部の実施例において、位置決めキャビティ18は、第2拡張域186の構造を省き、第1拡張域182および制限域184のみを備えてもよい(図示せず)。このとき、第1推進機構51が駆動されて移動区間Sの第1端に移動し(すなわち、第1推進機構51が第1位置決め位置P1に移動する)、かつ回転軸30が第1方向D1向きに回転し続ける場合に限って第1クラッチ61が回転軸30と第1推進機構51との連動関係を解除し、第1推進機構51が移動区間Sの別の位置に寄るとき、第1クラッチ61は、持続的に伝達機能を発揮する。また、別の実施例によれば、位置決めキャビティ18は制限域184および第2拡張域186のみを備えてもよく(図示せず)、このとき、第1推進機構51が移動区間Sの第2端(すなわち、第2位置決め位置P2)に移動し且つ回転軸30が第2方向D2向きに回転し続ける場合に限って第1クラッチ61が回転軸30と第1推進機構51との間の連動関係を解除し、第1推進機構51が移動区間Sの別の位置に寄るとき、第1クラッチ61は持続的に伝達機能を発揮する。
【0064】
なお、第1クラッチ61が伝達機能を発揮するかどうかについては、以上で述べたように、第1位置決めキャビティ18の第1拡張域182、制限域184および第2拡張域186によって決められる以外、本発明の一部の実施例では他の仕組みを利用して決定することができる。例えば、予め1つの負荷可能なトルク所定値が設定され、前記トルク所定値に対する負荷トルクの大きさに基づいてクラッチの動作を切り替えるトルク制限クラッチや安全クラッチなどを採用してもよく、このようなトルク制限クラッチを実施例1に適用することができるが、本発明ではこれらについて特に制限がない。上記実施例の第1クラッチ61を例とした場合、具体的には以下の通りである。つまり、上記実施例において、第1クラッチ61としてトルク制限クラッチを採用した場合、第1位置決めキャビティ18および第1拡張域182、制限域184および第2拡張域186を敢えて設置する必要がなくなり、代わりに予め片持ち部が負荷可能なトルク所定値を設定する構成となる。このような構成によれば、回転軸から該トルク制限クラッチに伝わるトルクが前記所定値未満であると、回転軸の環状歯車が片持ち部の自由端を外へ押圧して枢動させ、回転軸の環状歯車が第1クラッチの第1歯形部および第2歯形部に噛み合うことができなくなり、このとき、トルク制限クラッチが伝達機能を発揮して回転軸と第1推進機構の連動関係を維持する。一方、回転軸から伝わるトルクが前記所定値を超え、例えば第1推進機構が第1位置決め位置または第2位置決め位置に寄るとき、第1位置決め機構の片側が係止部に当接し、第1位置決め機構と第1クラッチが相対移動不能になるため、このとき、回転軸が同じ方向に回転し続けると、第1クラッチが移動不能な第1位置決め機構に拘束されてもとの位置に止まるため、回転軸から第1クラッチに伝わるトルクが増加して前記所定値を超えてしまう。同時に、片持ち部の自由端が回転軸の環状歯車に押圧されて外へ枢動することにより、回転軸の環状歯車と第1クラッチの第1歯形部および第2歯形部の噛み合い関係を解除し、すなわち第1クラッチが伝達機能を発揮できず、回転軸と第1推進機構の連動関係が解除される。このようなトルク制限クラッチでは、位置決めキャビティを敢えて設ける必要がないため、その構成において第1支持台を省いてもよく、かつ歯車台および片持ち部の材質、形状、サイズなどを調整することにより、伝達機能の発揮要否を決定するトルク所定値を適宜調整することができる。
【0065】
図4図5および図13を参照されたく、本実施例に係る日よけ部材90は、長軸A方向に沿って伸び且つヘッドビーム10とほぼ同じ長さを有する前部遮光板92を備え、前部遮光板92の上端は、ヘッドビーム10の枠体11の前部に枢着され、かつ前記隙間2に対して遮光位置PL1(図1図2図15および図16を参照のこと)と採光位置PL2(図4および図13を参照のこと)の間で操作可能に移動することができる。また、日よけ部材90の前部遮光板92と前記ルーバー44は互いに間隔を隔てて設けられ、日よけ部材90の前部遮光板92が遮光位置PL1と採光位置PL2の間で移動するとき、前記日よけ部材90の前部遮光板92と前記ルーバー44が接触することなく、日よけ部材90とルーバー44との干渉を回避することができる。
【0066】
さらに、図5図7および図13を参照されたく、第1接続装置81と第1推進機構51は対応して設けられ、該第1接続装置81は、1つの前部摺動子83を備え、前部摺動子83は、第1操作スペース16に移動可能に設けられ、かつ第1推進機構51と日よけ部材90の前部遮光板92の間に位置する。前部摺動子83の片側は、第1推進機構51の短冊形カム512の外廓に当接し、他の側は、日よけ部材90の前部遮光板92の第1推進機構51に面する一面に当接する。
【0067】
次に、図1図17を挙げて回転軸30、第1推進機構51、第1接続装置81および日よけ部材90の配置形態を説明する。
【0068】
図13に示すように、第1推進機構51が回転軸30に駆動されて第1位置決め位置P1または第2位置決め位置P2から(または、その近くから)推進位置P3に移動すると、第1推進機構51の短冊形カム512は、前部摺動子83を漸次にヘッドビーム10の前部(回転軸30から離間する方向)に押し続け、前部摺動子83が押圧されて移動すると同時に日よけ部材90の前部遮光板92を遮光位置PL1(または遮光位置PL1に接近する箇所)から採光位置PL2に押圧移動させる。一方、第1推進機構51が回転軸30に駆動されて推進位置P3を離れて第1位置決め位置P1または第2位置決め位置P2に向けて移動すると、第1推進機構51の短冊形カム512は、前部摺動子83の移動に必要な動力を提供せず、このとき日よけ部材90の前部遮光板92が重力の作用下で採光位置PL2から漸次に遮光位置PL1に移動し、同時に前部摺動子83をヘッドビーム10の後部(回転軸30に接近する方向)に向けて押圧移動させ、図2および図16に示すように、前部遮光板92が遮光位置PL1に復帰するようにする。
【0069】
つまり、本実施例において、日よけ部材90が遮光位置PL1から採光位置PL2に移動する際に第1推進機構51によって駆動されるが、採光位置PL2から遮光位置PL1への移動は、第1推進機構51に駆動されずに自体の重力に依存する。本発明の別の実施例では、日よけ部材の移動が完全に第1推進機構に依存し、例えば、第1接続装置の前部摺動子の両端を日よけ部材の裏側および第1推進機構にそれぞれ接続し(図示せず)、第1推進機構が回転軸に駆動されて移動することで前部摺動子を移動させ、同時に前部摺動子に同調して日よけ部材を移動させる構成とすることができ、この構成では日よけ部材が遮光位置から採光位置へ、または採光位置から遮光位置へ移動する際には何れも第1推進機構によって駆動される。
【0070】
また、別の実施例において、日よけ部材90は、ヘッドビーム10の枠体11の後部に設けられる後部遮光板を更に備え(図示せず)、第1接続装置81は、前記後部遮光板に対応して後部摺動子84を更に備え、前部および後部遮光板を設けることで隙間2からの光漏れをより効果的に防止することができる。後部遮光板および後部摺動子84の設置形態や動作に関しては、前部遮光板92および前部摺動子83の場合と似ており、ここで説明を省略する。
【0071】
そして、本発明の一部の実施例では第1接続装置を省き、第1接続装置を介することなく、第1推進機構を操作可能に日よけ部材に直接接続することができ、よって、本発明の効果を確保する前提でブラインド部材の数を減らし、製品製造時の利便性を図ることができる。
【0072】
以上において本発明の実施例1の構造を説明したが、以下では図1図17を参照しつつ実施例1の動作を説明する。
【0073】
まず、図1および図2に示すように、縦型ブラインド1のブラインド本体40における各ルーバー44は第1閉合位置に位置し、ルーバー44同士が重なり合うことで光の通過を阻止する。このとき、日よけ部材90の前部遮光板92は、第1推進機構51および第1接続装置81に押圧されず、重力の作用下で自然に吊下げられ且つ遮光位置PL1に移動して隙間2を覆うようになる。そして、ブラインド本体40を完全採光状態に調整しようとする際には、ユーザが操作バトン22を回して回転軸30を回転させるだけで済み、回転軸30の回転に追従してブラインド本体40のルーバー44が回転すると同時に、第1クラッチ61および第1推進機構51も移動する。第1推進機構51が移動すると、それにつれて第1接続装置81の前部摺動子83が移動し、前部摺動子83の移動によって日よけ部材90の前部遮光板92が同調して移動し、図4および図13に示すように、このような一連の動作によってルーバー44が展開位置に移動すると、それに追従して第1推進機構51が推進位置P3に移動し、同時に前部摺動子83を介して前部遮光板92を採光位置PL2に押圧移動させてより多くの光がブラインド本体40を通過する。そして、ユーザが同じ方向に向けて操作バトン22を回し続けると、図15および図16に示すように、ルーバー44が更に第2閉合位置に反転し、第1推進機構51は、回転軸30につれて推進位置P3から第2位置決め位置P2に移動し、日よけ部材90の前部遮光板92は、重力の作用下で採光位置PL2から遮光位置PL1に枢動して再び隙間2を覆うようになる。
【0074】
次に、ユーザが引続き同じ方向に向けて操作バトン22を回すことで回転軸30を回転させ、かつ第1推進機構51が第2位置決め位置P2に寄ると、図16および図17に示すように、第1クラッチ61の片持ち部66が第1位置決めキャビティ18の制限域184から第2拡張域186に移動し、第2拡張域186に位置する片持ち部66が押圧力を受けて外へ向けて枢動する。このように、回転軸30が同じ方向に回転し続けても第1クラッチ61が伝達機能を発揮せず、すなわち回転軸30と第1推進機構51の連動関係が解除され、第1推進機構51が第2位置決め位置P2に止まったままの状態になる。
【0075】
一方、上記動作に続き、ユーザが逆向きに操作バトン22を回して回転軸30を回転させると、ルーバー44が第2閉合位置から展開位置を経由して第1閉合位置に移動し、このとき日よけ部材90は、ルーバー44の動きに応じて遮光位置PL1から採光位置PL2を経由して遮光位置PL1に移動し、第1推進機構51は、第2位置決め位置P2から推進位置P3を経由して第1位置決め位置P1に移動する。そして、図2および図3を参照されたく、第1推進機構51が第1位置決め位置P1に寄り、かつユーザが逆向きに操作バトン22を回し続けると、第1クラッチ61の片持ち部66が第1位置決めキャビティ18の制限域184から第1拡張域182に移動し、第1拡張域182にある片持ち部66が押圧されて外へ枢動するため、回転軸30が止まることなく回転し続けても第1クラッチ61が伝達機能を発揮せず、回転軸30と第1推進機構51の連動関係が解除され、第1推進機構51が第1位置決め位置P1に止まったままの状態になる。
【0076】
以上で述べたように、本発明の縦型ブラインド1は、各構成要素が連携して動作し、ユーザが駆動機構20を介してルーバー44を回転させると、それに同調して日よけ部材90を移動させることができる。また、ルーバー44が第1閉合位置および第2閉合位置に移動すると、日よけ部材90は遮光位置PL1に移動して隙間2を覆い、ルーバー44が展開位置に移動すると、日よけ部材90は採光位置PL2に移動してルーバー44との干渉を回避することができる。なお、本発明によれば、回転軸30と第1推進機構51の間に第1クラッチ61を設けることにより、負荷トルクが大きすぎても回転軸30の環状歯車34が損傷したり変形する不具合を防ぐことができる。
【0077】
また、図5に示すように、ヘッドビーム10は、第2サイドカバー13および第2支持台15を更に備えてもよく、第2サイドカバー13は、枠体11の第1サイドカバー12と相対する他端に設けられ、第2サイドカバー13と第2支持台15の間に第2操作スペース17が形成され、第2支持台15には1つの第2位置決めキャビティ19が設けられる。また、縦型ブラインド1は、第2推進機構52、第2クラッチ62、第2位置決め機構72および第2接続機構82を更に備え、該第2推進機構52、第2クラッチ62、第2位置決め機構72および第2接続機構82と前記第1推進機構51、第1クラッチ61、第1位置決め機構71および第1接続機構81は、それぞれ対応してヘッドビーム10の両端に設けられ、それ以外の各機構およびスペースの配置形態は何れも上述の実施例と同様である。このような構成によれば、ヘッドビーム10の両端に何れも回転軸30と連動、同調して日よけ部材90を外へ押圧して枢動させる推進機構を備え、ユーザがルーバー44を光通過可能な状態に反転させ、例えばルーバー44を展開位置に移動すると、ルーバー44が更に片側または両側に畳み込まれるかどうかを問わず、日よけ部材90の長軸方向の両端が共に回転軸30、推進機構(51、52)および接続装置(81、82)からの押圧力および支持を受けて、日よけ部材90が傾斜することなく同一の偏向角度に揃う。
【0078】
実施例2
以下、図18図27を参照しつつ本発明の実施例2に係る縦型ブラインド1Aを説明する。
【0079】
縦型ブラインド1Aは、ヘッドビーム10A、駆動機構20A、回転軸30A、ブラインド本体40A、第1推進機構51A、第1クラッチ61A、第1位置決め機構71A、第1接続装置81Aおよび日よけ部材90Aを備える。また、本実施例に係る各構成要素の配置形態は概ね実施例1と同様であり、ヘッドビーム10Aが第1サイドカバー12Aおよび第1支持台14Aを備え、第1クラッチ61Aが第1支持台14Aと第1サイドカバー12Aの間に設けられ、第1推進機構51Aが回転軸30Aに連動可能に接続され、第1位置決め機構71Aと第1クラッチ61Aが対応して設けられ、第1接続装置81Aが日よけ部材90Aと第1推進機構51Aの間に位置する。
【0080】
以下、実施例2の各構成要素の配置形態をより詳細に説明する。実施例2に係る第1推進機構51Aと第1クラッチ61Aは、実施例1と同様に相対移動不能に接続され且つ一体に成形される。実施例1の第1推進機構51において、図10に示すように、2つの短冊形カム512、513が第1クラッチ61で形成される中空円筒の底部に設置されることに対し、実施例2の第1推進機構51Aにおいてカム512Aは、図24図26に示すように、第1クラッチ61Aで形成される中空円筒の外周面に設けられ、該カム512Aは、2つの接続部514Aを備え、2つの接続部514Aが第1クラッチ61Aの歯車台64Aの外周面に接続され、かつ第1クラッチ61Aの片持ち部66Aがカム512Aの2つの接続部514Aの間に位置する。なお、図23図27に示すように、本実施例に係る第1位置決め機構71Aは、第1クラッチ61Aで形成される中空円筒の底面に設けられ、かつ図19および図21に示すように、第1サイドカバー12Aの係止部122Aと連携して第1推進機構51Aの移動区間SAを確定する。
【0081】
図22および図23を参照されたく、第1接続装置81Aは、1つの従動台82A、2つの揺動アーム84Aおよび2つの枢動軸86Aを備え、従動台82Aは、略直方体形状を呈し且つ長軸A方向に沿って貫通する貫通孔822Aを備え、該貫通孔822Aは、第1推進機構51Aを回転自在に収容することにより、従動台82Aが第1推進機構51Aのカム512Aに押圧されて上下に往復移動できるようにする。また、2つの枢動軸86Aは、それぞれ2つの揺動アーム84Aと連携して機能し、枢動軸86Aは、揺動アーム84Aに貫設され且つその両端がそれぞれ第1サイドカバー12Aおよび第1支持台14Aに接続され、揺動アーム84Aは、枢動軸86Aを境目として概ね上部842Aおよび下部844Aに分かれ、揺動アーム84Aの上部842Aは、従動台82Aの下縁に引っ掛けられ、揺動アーム84Aの下部844Aの末端は、日よけ部材90Aに操作可能に接続される。そのため、ユーザの操作によって従動台82Aが上向きに移動すると、それに追従して揺動アーム84Aが枢動軸86Aを軸として外へ枢動し、揺動アーム84Aが外へ枢動すると、図21に示すように、揺動アーム84Aの下部844Aが日よけ部材90Aの裏側に当接して日よけ部材90Aを採光位置PL2に押圧移動させる。
【0082】
以下、実施例2のブラインド本体40Aと日よけ部材90Aの連動関係を説明する。
【0083】
図18および図19を参照されたく、縦型ブラインド1Aのブラインド本体40Aのルーバー44Aは第1閉合位置に位置し、ルーバー44A同士が重なり合って光の通過を阻止する。このとき、日よけ部材90Aは、第1推進機構51Aおよび第1接続装置81Aからの力を受けず、自体重力の作用下で遮光位置PL1に移動して隙間2Aを覆うようになる。ユーザがブラインド本体40Aを完全採光状態に調整しようとするとき、図20図23に示すように、操作バトン22Aを回すだけで回転軸30Aを駆動して回転させることができ、回転軸30Aが回転すると、それにつれてブラインド本体40Aのルーバー44Aが回転すると同時に第1クラッチ61Aおよび第1推進機構51Aが移動し始める。そして、第1推進機構51Aの移動に追従して第1接続装置81Aの従動台82Aが上方へ移動することにより、揺動アーム84Aが外側へ枢動すると同時に揺動アーム84Aが日よけ部材90Aを押圧移動させる。一連の操作によってルーバー44Aが展開位置に移動すると、図20に示すように、日よけ部材90Aが揺動アーム84Aに押圧されて採光位置PL2に移動する。このとき、ユーザが同じ方向に向けて操作バトン22Aを回し続けると、ルーバー44Aを更に第2閉合位置に反転させることができ(図示せず)、それに追従して第1推進機構51Aが推進位置P3Aを離れ、従動台82Aが下方へ移動し、その結果、揺動アーム84Aの上部842Aが従動台82Aの下縁に拘束されずに自由に枢動することができる。このとき、日よけ部材90Aは、重力の作用下で枢動して採光位置PL2から遮光位置PL1に復帰すると同時に、図19に示すように、揺動アーム84Aの下部844Aを押圧して閉じることで再び隙間2Aを覆う。
【0084】
実施例2において、第1クラッチ61Aの配置形態、一体に設けられる第1推進機構51Aと第1クラッチ61Aの連動関係など、他の構成要素の接続関係や動作は実施例1に似ており、それによって得られる効果も実施例1の場合と同様であるため、ここで重複説明を省略する。
【0085】
実施例3
図28図33に示すように、縦型ブラインドの第1クラッチおよび第1位置決めキャビティの構造や接続関係については種々の変形を加えてもよく、実施例3の主な構成要素としては、図に示すように回転軸30B、第1サイドカバー12B、第1支持台14B、第1推進機構51B、第1クラッチ61Bおよび第1位置決め機構71Bを備え、以下において各構成要素の配置形態を詳細に説明する。
【0086】
図28図32を参照されたく、第1クラッチ61Bは、1つの歯車台64Bおよび1つの片持ち部66Bを備え、歯車台64Bと片持ち部66Bが接続されて中空の略円筒状を呈し、片持ち部66Bは1つの自由端664Bおよび1つの固定端662Bを備え、固定端662Bが歯車台64Bに接続され、自由端664Bが固定端662Bから離間し、片持ち部66Bが歯車台64Bに対して操作可能に枢動できるようにする。本実施例において、固定端662Bと自由端664Bの連結線方向は、概ね歯車台64Bの軸方向に平行し、固定端662Bが第1サイドカバー12Bから離間し、自由端664Bが第1サイドカバー12Bに隣接して設けられる。回転軸30Bの軸棒32Bは、歯車台64Bに貫設され、歯車台64Bの内周面に第1歯形部642Bが形成され、該第1歯形部642Bは、回転軸30Bの環状歯車34Bに噛み合い、片持ち部66Bの内周面には、自由端664Bに隣接して第2歯形部666Bを備える。第2歯形部666Bは、前記環状歯車34Bに操作可能に且つ選択的に噛み合うことにより、回転軸30Bと第1クラッチ61Bを連動させることができる。本実施例において、第1位置決め機構71Bは、第1クラッチ61Bで形成される中空円筒の第1サイドカバー12Bに隣接する底面に設けられ、第1サイドカバー12Bの裏面には、前記第1位置決め機構71Bに合わせて係止部122Bが設けられる。
【0087】
図29図33を参照されたく、第1サイドカバー12Bは、前記第1クラッチ61Bの片持ち部66Bの自由端664Bに対応して設けられる第1位置決めキャビティ18Bを備える。より具体的には、第1クラッチ61Bの片持ち部66Bの自由端664Bは、少なくとも一部が第1位置決めキャビティ18B内に収容され、第1位置決めキャビティ18Bは、第1サイドカバー12Bに形成される凹溝であり、凹溝状の第1位置決めキャビティ18Bの内壁に第1拡張域182B、制限域184Bおよび第2拡張域186Bを備え、制限域184Bが第1拡張域182Bと第2拡張域186Bの間に位置し、第1位置決めキャビティ18Bの制限域184Bの内壁面は、中空の略円筒状を呈する第1クラッチ61Bの外周面にほぼ隣接し、第1拡張域182Bおよび第2拡張域186Bの内壁面は、中空の略円筒状を呈する第1クラッチ61Bの外周面と一定の間隔距離を隔てて形成される。そのため、第1クラッチ61Bが回転軸30Bに駆動されて片持ち部66Bの自由端664Bが制限域184Bに寄せると、片持ち部66Bの自由端664Bが回転軸30Bと制限域184Bの壁面に拘束されて枢動できなくなるが、片持ち部66Bの第2歯形部666Bが回転軸30Bの環状歯車34Bに持続的に噛み合って連動状態を保持する。一方、第1クラッチ61Bが駆動されて片持ち部66Bの自由端664Bを第1拡張域182Bまたは第2拡張域186Bに寄せると、第1拡張域182Bまたは第2拡張域184Bと片持ち部66Bの自由端664Bとの間に前記間隔距離があるため、片持ち部66Bの自由端664Bが外へ枢動可能なスペースが生じる。片持ち部66Bの自由端664Bが外へ枢動すると、片持ち部66Bの第2歯形部666Bと回転軸30Bの環状歯車34Bが噛み合い関係を解除し、よって、回転軸30Bに余裕が生じて環状歯車34Bが第1歯形部642Bに対して噛み合い関係を解除できるようにし(すなわち、回転軸30Bが第1歯形部642Bに対し摺動可能になる)、回転軸30Bと第1クラッチ機構61Bの連動関係を解除する。つまり、片持ち部66Bの自由端664Bが第1拡張域182Bおよび第2拡張域186Bに寄る場合に限って、第1クラッチ61Bと回転軸30Bとの連動関係の解除が可能となる。
【0088】
以上を纏めると、上述の実施例に比べて本実施例は、第1クラッチおよび第1位置決めキャビティの構造や接続関係に相違があり、特に、第1クラッチの片持ち部の移動方式が明らかに異なる。それ以外、本実施例の第1クラッチが伝達機能を発揮するかどうかを決める機構は、実施例1の場合とほぼ同様である。
【0089】
実施例4
図34図37に示すように、縦型ブラインドの第1クラッチおよび回転軸の構造や接続形態については種々の変形を加えてよく、実施例4の主な構成要素としては、図に示すように回転軸30C、第1サイドカバー12C、第1支持台14C、第1推進機構51C、第1クラッチ61Cおよび第1位置決め機構71Cを備え、以下において各構成要素の配置形態を詳細に説明する。
【0090】
図34図37を参照されたく、回転軸30Cは、スリーブ34Cおよび軸棒32Cを備え、スリーブ34Cは、外歯構造342Cを備え、かつ軸棒32Cに対して回転不能に軸棒32Cに套設される。第1クラッチ61Cは、筐体63Cを備え、筐体63Cには内歯構造632Cが形成され、スリーブ34Cと筐体63Cは対応して設けられ、スリーブ34Cの外歯構造342Cが筐体63Cの内歯構造632Cに噛み合うことにより、回転軸30Cと第1クラッチ61Cがスリーブ34Cと筐体63Cの噛み合いによって連動できるようにする。本実施例に係る第1位置決め機構71Cは、筐体63Cの第1サイドカバー12Cに隣接する側に設けられ、第1サイドカバー12Cの裏面には、前記第1位置決め機構71Cに合わせて係止部122Cが設けられる。
【0091】
上記トルク制限クラッチの場合とほぼ同様にして、回転軸30Cからスリーブ34Cを介して第1クラッチ61Cの筐体63Cに伝わるトルクが所定値を超え、例えば第1推進機構51Cが第1位置決め位置または第2位置決め位置に寄ると、第1位置決め機構71Cの片側が係止部122Cに当接し、第1位置決め機構71Cと第1クラッチ61Cが相対移動できなくなるため、このとき回転軸30Cを同じ方向に回し続けると、第1クラッチ61Cが移動不能な第1位置決め機構71Cに拘束されてもとの箇所に止まり、回転軸30Cから第1クラッチ61Cに伝わるトルクが増加して前記所定値を超えてしまう。同時に、前記スリーブ34Cまたは前記筐体63Cのうち少なくとも1つが弾性変形することにより、前記外歯構造342Cと前記内歯構造632Cの間で歯面滑り現象が発生して噛み合い関係を一時解除し、すなわち第1クラッチ61Cが一時的に伝達機能を発揮できなくなり、回転軸30Cと第1クラッチ61Cが相対的に回転するようになる。一方、回転軸30Cからスリーブ34Cを介して第1クラッチ61Cの筐体63Cに伝わるトルクが所定値未満であり、例えば第1位置決め機構71Cが係止部122Cに当接しなかった場合、スリーブ34Cの外歯構造342Cと筐体63Cの内歯構造632Cが噛み合い関係を持続的に保持し、第1クラッチ61Cが伝達機能を発揮することにより回転軸30Cと第1クラッチ61Cが同調して回転するようにする。
【0092】
なお、クラッチの動作が円滑に行われるよう、スリーブ34Cの外歯構造342Cおよび筐体63Cの内歯構造632Cの外廓形状を円弧形にしてもよいが、両者が相対的に回転して歯面滑りがスムーズに行われる限り、本発明ではこれらの外廓形状について特に制限がない。
【0093】
実施例5
図38図41に示すように、縦型ブラインドの回転軸のスリーブおよび第1クラッチの筐体の構造や接続関係については種々の変形を加えてよく、以下において本実施例5の各構成要素を詳細に説明する。
【0094】
本実施例に係る回転軸30Dは、スリーブ34Dおよび軸棒32Dを備え、スリーブ34Dは、軸棒32Dに対して回転不能に軸棒32Dに套設され、第1クラッチ61Dは、筐体63Dを備え、スリーブ34Dと筐体63Dは対応して設けられる。本実施例に係るスリーブ34Dは、上述の実施形態と異なって外歯構造を備えず、代わりに円弧形状の外周面を形成し、第1クラッチ61Dの筐体63Dも内歯構造を備えず、代わりに円弧形状の内壁面を有する凹溝になっており、スリーブ34Dは、筐体63Dに堅固に套設される。回転軸30Dからスリーブ34Dを介して第1クラッチ61Dの筐体63Dに伝わるトルクがスリーブ34Dと筐体63Dの間の静止摩擦力によって生じるトルクを超えた場合に限って、前記スリーブ34Dと前記筐体63Dが相対的に回転し、このとき第1クラッチ61Dは、伝達機能を有しないものとなる。つまり、本実施例で言うトルク所定値は、スリーブ34Dと筐体63Dの間の静止摩擦力によって決められる。
【0095】
また、本発明の別の実施形態によれば、スリーブ34Dと筐体63Dの接触面の材質を調整することで静止摩擦力を調整することができる。例えば、スリーブ34Dおよび筐体63Dの接触面を何れも硬質のプラスチック材で形成し、またはスリーブ34Dおよび筐体63Dの接触面を何れも軟質のプラスチック材で形成し、またはスリーブ34Dの接触面を軟質のプラスチック材、筐体63Dの接触面を硬質のプラスチック材で形成することができ、三者の静止摩擦力およびトルク値がそれぞれ異なるため、ユーザが縦型ブラインドの大きさや、様式に応じて材質を調整することによりトルク値を適宜調整することができる。
【0096】
以上では本発明に係る縦型ブラインドの構成要素や、部材同士の接続関係および技術効果を説明したが、言うまでもなく、これらの説明は本発明を例示したに過ぎず、本発明の趣旨から逸脱しない限り上述の構成要素や、部材同士の接続関係に対して適宜変更、変化を加えることができ、これらの変更、変化も本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1 縦型ブラインド
10 ヘッドビーム
102 収容スペース
11 枠体
12 第1サイドカバー
13 第2サイドカバー
14 第1支持台
15 第2支持台
16 第1操作スペース
17 第2操作スペース
18 第1位置決めキャビティ
19 第2位置決めキャビティ
20 駆動機構
22 操作バトン
24 接続部材
30 回転軸
40 ブラインド本体
42 ランナーフック
44 ルーバー
51 第1推進機構
52 第2推進機構
61 第1クラッチ
62 第2クラッチ
71 第1位置決め機構
72 第2位置決め機構
81 第1接続装置
82 第2接続装置
90 日よけ部材
92 前部遮光板
A 長軸
D1 第1方向
D2 第2方向
【実施例1】
【0098】
1 縦型ブラインド
2 隙間
10 ヘッドビーム
102 収容スペース
11 枠体
12 第1サイドカバー
122 係止部
13 第2サイドカバー
14 第1支持台
15 第2支持台
16 第1操作スペース
17 第2操作スペース
18 第1位置決めキャビティ
182 第1拡張域
184 制限域
186 第2拡張域
19 第2位置決めキャビティ
20 駆動機構
22 操作バトン
24 接続部材
30 回転軸
32 軸棒
34 環状歯車
40 ブラインド本体
42 ランナーフック
44 ルーバー
51 第1推進機構
512、513 短冊形カム
52 第2推進機構
61 第1クラッチ
62 第2クラッチ
64 歯車台
642 第1歯形部
66 片持ち部
662 固定端
664 自由端
666 第2歯形部
71 第1位置決め機構
72 第2位置決め機構
81 第1接続装置
82 第2接続装置
83 前部摺動子
84 後部摺動子
90 日よけ部材
92 前部遮光板
A 長軸
S 移動区間
R 所定方向
P1 第1位置決め位置
P2 第2位置決め位置
P3 推進位置
PL1 遮光位置
PL2 採光位置
D1 第1方向
D2 第2方向
【実施例2】
【0099】
1A 縦型ブラインド
2A 隙間
10A ヘッドビーム
12A 第1サイドカバー
122A 係止部
14A 第1支持台
20A 駆動機構
22A 操作バトン
30A 回転軸
40A ブラインド本体
44A ルーバー
51A 第1推進機構
512A カム
514A 接続部
61A 第1クラッチ
64A 歯車台
66A 片持ち部
71A 第1位置決め機構
81A 第1接続装置
82A 従動台
822A 貫通孔
84A 揺動アーム
842A 上部
844A 下部
86A 枢動軸
90A 日よけ部材
A 長軸
SA 移動区間
P3A 推進位置
PL1 遮光位置
PL2 採光位置
【実施例3】
【0100】
12B 第1サイドカバー
122B 係止部
14B 第1支持台
18B 第1位置決めキャビティ
182B 第1拡張域
184B 制限域
186B 第2拡張域
30B 回転軸
32B 軸棒
34B 環状歯車
51B 第1推進機構
61B 第1クラッチ
64B 歯車台
642B 第1歯形部
66B 片持ち部
662B 固定端
664B 自由端
666B 第2歯形部
71B 第1位置決め機構
【実施例4】
【0101】
12C 第1サイドカバー
122C 係止部
14C 第1支持台
30C 回転軸
32C 軸棒
34C スリーブ
342C 外歯構造
51C 第1推進機構
61C 第1クラッチ
63C 筐体
632C 内歯構造
71C 第1位置決め機構
【実施例5】
【0102】
30D 回転軸
32D 軸棒
34D スリーブ
61D 第1クラッチ
63D 筐体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41