(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】スケジュール管理用熱変色性印刷物及びそれを用いたスケジュール管理用熱変色性印刷物セット
(51)【国際特許分類】
B42D 5/04 20060101AFI20230831BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20230831BHJP
B43K 29/02 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
B42D5/04 L
B42D15/00 301A
B42D15/00 301D
B43K29/02 F
(21)【出願番号】P 2022130757
(22)【出願日】2022-08-18
(62)【分割の表示】P 2018119465の分割
【原出願日】2018-06-25
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三田 真之
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 慎也
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-091858(JP,U)
【文献】特開2012-183779(JP,A)
【文献】特開2000-335141(JP,A)
【文献】登録実用新案第3156830(JP,U)
【文献】中国実用新案第201338442(CN,Y)
【文献】中国実用新案第205705820(CN,U)
【文献】米国特許第9844965(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0249949(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0243279(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 1/00-3/18
7/00-9/04
G09F 1/00-5/04
B43K 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に、日にち及び/又は曜日から選ばれる熱変色像を設けた印刷物であって、前記熱変色像は熱変色性材料を含む有色から色の異なる有色に不可逆的に色変化する像であ
り、前記熱変色性材料は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなる可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料であり、前記マイクロカプセル顔料が、色濃度-温度曲線に関して大きなヒステリシス特性を示して有色状態と無色状態の互変性を呈し、両状態が共存できる保持温度域が常温域にある顔料であり、該顔料は有色状態から温度が上昇する過程では、温度T
3
に達すると消色し始め、温度T
3
より高い温度T
4
以上の温度域で完全に無色状態となり、無色状態から温度が下降する過程では、温度T
3
より低い温度T
2
に達すると着色し始め、温度T
2
より低い温度T
1
以下の温度域で完全に着色状態となり、前記温度T
2
と温度T
3
の間の温度域で着色状態と無色状態が共存可能であるヒステリシス特性を示し、温度T
1
は-30~10℃の範囲にあり、温度T
4
が30~80℃の範囲にあることを特徴とする
スケジュール管理用熱変色性印刷物。
【請求項2】
前記温度T
4
が50~80℃の範囲にある請求項1記載のスケジュール管理用熱変色性印刷物。
【請求項3】
前記印刷媒体が紙製印刷媒体である請求項1又は2記載のスケジュール管理用熱変色性印刷物。
【請求項4】
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、手帳、手帳用シート、ノート、カレンダーから選ばれる請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスケジュール管理用熱変色性印刷物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、摩擦体とからなるスケジュール管理用熱変色性印刷物セット。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、摩擦部材を備えた筆記具とからなるスケジュール管理用熱変色性印刷物セット。
【請求項7】
前記筆記具に加熱により消色可能なインキを収容してなる請求項6記載のスケジュール管理用熱変色性印刷物セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスケジュール管理用熱変色性印刷物及びそれを用いたスケジュール管理用熱変色性印刷物セットに関する。詳細には、熱変色性の日にちが印刷されたスケジュール管理用熱変色性印刷物、スケジュール管理用熱変色性印刷物セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スケジュール表が印刷された手帳やカレンダー等の印刷物が多種存在しており、スケジュール管理に広く普及しており、スケジュール管理を行うために用いられる(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-42872号公報
【文献】実開平7-15357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、この種の印刷物における日に日にちや曜日の管理を容易なものとしたスケジュール管理用熱変色性印刷物を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、印刷媒体の表裏両面に、日にち及び/又は曜日から選ばれる熱変色像を設けた印刷物であって、前記熱変色像は熱変色性材料を含む有色から色の異なる有色に不可逆的に色変化する像であり、前記熱変色性材料は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなる可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料であり、前記マイクロカプセル顔料が、色濃度-温度曲線に関して大きなヒステリシス特性を示して有色状態と無色状態の互変性を呈し、両状態が共存できる保持温度域が常温域にある顔料であり、該顔料は有色状態から温度が上昇する過程では、温度T
3
に達すると消色し始め、温度T
3
より高い温度T
4
以上の温度域で完全に無色状態となり、無色状態から温度が下降する過程では、温度T
3
より低い温度T
2
に達すると着色し始め、温度T
2
より低い温度T
1
以下の温度域で完全に着色状態となり、前記温度T
2
と温度T
3
の間の温度域で着色状態と無色状態が共存可能であるヒステリシス特性を示し、温度T
1
は-30~10℃の範囲にあり、温度T
4
が30~80℃の範囲にあるスケジュール管理用熱変色性印刷物を要件とする。
更には、前記温度T4が50~80℃の範囲にあること、前記印刷媒体が紙製印刷媒体であること、前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、手帳、手帳用シート、ノート、カレンダーから選ばれること等を要件とする。
更には、前記スケジュール管理用熱変色性印刷物と、摩擦体とからなるスケジュール管理用熱変色性印刷物セット、前記スケジュール管理用熱変色性印刷物と、摩擦部材を備えた筆記具とからなるスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、スケジュール管理を行う際、日にちや曜日の管理を容易なものとした利便性に富むスケジュール管理用熱変色性印刷物及びそれを用いたスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の
スケジュール管理用熱変色性印刷物の一実施例を示す正面図である。
【
図2】本発明の
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの一実施例を示す正面図である。
【
図3】本発明の
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの他の実施例を示す正面図である。
【
図4】可逆熱変色性組成物の色濃度-温度曲線におけるヒステリシス特性を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、紙、合成紙、布帛等の印刷媒体に日にち及び/又は曜日からなる熱変色像が形成された印刷物である。
前記印刷媒体としては、紙製印刷媒体が好適に用いられる。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物としては、日にちや曜日が表裏両面に印刷された頁を有する手帳、ルーズリーフタイプのシステム手帳に用いられる日にちや曜日が表裏両面に印刷された手帳用シート、日にちや曜日が表裏両面に印刷されたノートや冊子、日にちや曜日が表裏両面に印刷されたカレンダー等を例示できる。
また、印刷物は日にちや曜日を印刷した構成の他、月を印刷した構成であってもよい。
更には、所望により表罫、裏罫、波罫、ミシン罫、横罫、縦罫等の罫線、枠線を印刷して設けてもよく、前記罫線、枠線は熱変色像、非変色像のいずれであってもよい。
【0009】
前記熱変色像は、熱変色性材料を含む有色から色の異なる有色に不可逆的に色変化する像であって、温度変化によって色変化させることにより、特定の日や曜日を判別し易くしてスケジュール管理を容易なものとしたり、土曜日や日曜日等の休日を色変化させることにより、スケジュール管理を容易なものとすることができる。
【0010】
前記熱変色像中に含まれる熱変色性材料としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を少なくとも含む加熱により消色する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料が有効である。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公平4-17154号公報、特開平7-179777号公報、特開平7-33997号公報、特開平8-39936号公報、特開2005-1369号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8~70℃)を示し、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、低温域での発色状態、又は、高温域での消色状態を特定温度域で保持できる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物(不可逆的な可逆熱変色性組成物)が好適に用いられる。
【0011】
前記可逆熱変色性組成物の色濃度-温度曲線におけるヒステリシス特性について説明する。
図4において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する温度T
4(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度T
3(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度T
2(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全発色状態に達する温度T
1(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
変色温度域は前記T
1とT
4間の温度域であり、着色状態と消色状態の両状態が共存でき、色濃度の差の大きい領域であるT
2とT
3の間の温度域が実質変色温度域である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さいと変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きいと変色前後の各状態の保持が容易となる。
【0012】
前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度T1を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち-30~10℃、好ましくは-30~0℃、より好ましくは-30~-10℃、且つ、完全消色温度T4を摩擦体による摩擦熱等の身近な加熱体から得られる温度、即ち30~90℃、好ましくは36~80℃、より好ましくは50~80℃、よりより好ましくは60~80℃の範囲に特定し、ΔH値を40~60℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
本発明で適用される熱変色性材料は、熱変色像が指触等では容易に変色しない構成であることが好ましく、しかも、変色した像は常温(室温)下で再び元の色に変色しないことが好ましい。
従って、前述したT1とT4の温度設定は重要な要件となる。
【0013】
以下に前記(イ)、(ロ)、(ハ)の各成分について具体的に化合物を例示する。
本発明の(イ)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物は、色を決める成分であって、顕色剤である(ロ)成分に電子を供与し、発色する化合物である。
前記電子供与性呈色性有機化合物としては、フタリド化合物、フルオラン化合物、スチリノキノリン化合物、ジアザローダミンラクトン化合物、ピリジン化合物、キナゾリン化合物、ビスキナゾリン化合物等が挙げられ、これらのうちフタリド化合物およびフルオラン化合物が好ましい。
前記フタリド化合物としては、例えばジフェニルメタンフタリド化合物、フェニルインドリルフタリド化合物、インドリルフタリド化合物、ジフェニルメタンアザフタリド化合物、フェニルインドリルアザフタリド化合物、およびそれらの誘導体などが挙げられ、これらの中でも、フェニルインドリルアザフタリド化合物、ならびにそれらの誘導体が好ましい。
また、フルオラン化合物としては、例えば、アミノフルオラン化合物、アルコキシフルオラン化合物、およびそれらの誘導体が挙げられる。
以下にこれらの化合物を例示する。
3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、
3-(4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、
3,3-ビス(1-n-ブチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、
3,3-ビス(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、
3-(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、
3-(2-ヘキシルオキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、
3-〔2-エトキシ-4-(N-エチルアニリノ)フェニル〕-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、
3-(2-アセトアミド-4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-プロピルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、
3,6-ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、
3,6-ジメトキシフルオラン、
3,6-ジ-n-ブトキシフルオラン、
2-メチル-6-(N-エチル-N-p-トリルアミノ)フルオラン、
3-クロロ-6-シクロヘキシルアミノフルオラン、
2-メチル-6-シクロヘキシルアミノフルオラン、
2-(2-クロロアミノ)-6-ジブチルアミノフルオラン、
2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、
2-(3-トリフルオロメチルアニリノ)-6-ジエチルアミノフルオラン、
2-(3-トリフルオロメチルアニリノ)-6-ジペンチルアミノフルオラン、
2-(ジベンジルアミノ)-6-ジエチルアミノフルオラン、
2-(N-メチルアニリノ)-6-(N-エチル-N-p-トリルアミノ)フルオラン、
1,3-ジメチル-6-ジエチルアミノフルオラン、
2-クロロ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、
2-アニリノ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、
2-アニリノ-3-メトキシ-6-ジエチルアミノフルオラン、
2-アニリノ-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、
2-アニリノ-3-メトキシ-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、
2-キシリジノ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、
2-アニリノ-3-メチル-6-(N-エチル-N-p-トリルアミノ)フルオラン、
1,2-ベンツ-6-ジエチルアミノフルオラン、
1,2-ベンツ-6-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)フルオラン、
1,2-ベンツ-6-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)フルオラン、
2-(3-メトキシ-4-ドデコキシスチリル)キノリン、
スピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕-3′-オン,2-(ジエチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル、
スピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕-3′-オン,2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-ブチルアミノ)-4-メチル、
スピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕-3′-オン,2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル、
スピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕-3′-オン,2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-4-メチル、
スピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕-3′-オン,2-(ジブチルアミノ)-8-(ジペンチルアミノ)-4-メチル、
4,5,6,7-テトラクロロ-3-〔4-(ジメチルアミノ)-2-メトキシフェニル〕-3-(1-ブチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)-1(3H)-イソベンゾフラノン、
4,5,6,7-テトラクロロ-3-〔4-(ジエチルアミノ)-2-エトキシフェニル〕-3-(1-エチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)-1(3H)-イソベンゾフラノン、
4,5,6,7-テトラクロロ-3-〔4-(ジエチルアミノ)-2-エトキシフェニル〕-3-(1-ペンチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)-1(3H)-イソベンゾフラノン、
4,5,6,7-テトラクロロ-3-[4-(ジエチルアミノ)-2-メチルフェニル]-3-(1-エチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)-1(3H)-イソベンゾフラノン、
3′,6′-ビス〔フェニル(2-メチルフェニル)アミノ〕-スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),9′-〔9H〕キサンテン]-3-オン、
3′,6′-ビス〔フェニル(3-メチルフェニル)アミノ〕-スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),9′-〔9H〕キサンテン]-3-オン、
3′,6′-ビス〔フェニル(3-エチルフェニル)アミノ〕-スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),9′-〔9H〕キサンテン]-3-オン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジエチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)ピリジン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-メトキシ-キナゾリン、
4,4′-(エチレンジオキシ)-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)キナゾリン〕
等を挙げることができる。
なお、フルオラン類としては、キサンテン環を形成するフェニル基に置換基を有する前記化合物の他、キサンテン環を形成するフェニル基に置換基を有すると共にラクトン環を形成するフェニル基にも置換基(例えば、メチル基等のアルキル基、クロロ基等のハロゲン原子)を有する青色や黒色を呈する化合物であってもよい。
【0014】
前記(ロ)成分、即ち電子受容性化合物は、(イ)成分から電子を受け取り、(イ)成分の顕色剤として機能する化合物である。
前記電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群及びその誘導体、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して(イ)成分を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等から選択される化合物があり、これらの中でも活性プロトンを有する化合物群から選択される化合物が好ましい。
活性プロトンを有する化合物及びその誘導体としては、例えばフェノール性水酸基を有する化合物及びその金属塩、カルボン酸及びその金属塩、好ましくは、芳香族カルボン酸、炭素数2~5の脂肪族カルボン酸及びそれらの金属塩、酸性リン酸エステル及びその金属塩、並びにアゾ-ル系化合物及びその誘導体、1、2、3-トリアゾール及びその誘導体が挙げられ、これらの中でも、有効な熱変色特性を発現させることができることから、フェノール性水酸基を有する化合物が好ましい。
前記フェノール性水酸基を有する化合物はモノフェノール化合物からポリフェノール化合物まで広く含まれ、更にビス型、トリス型フェノール等およびフェノール-アルデヒド縮合樹脂等もこれに含まれる。フェノール性水酸基を有する化合物の中でも、少なくともベンゼン環を2以上有するものが好ましい。また、これら化合物は置換基を有していてもよく、置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等が挙げられる。
前記活性プロトンを有する化合物の金属塩が含む金属としては、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、ジルコニウム、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、コバルト、スズ、銅、鉄、バナジウム、チタン、鉛およびモリブデン等が挙げられる。
【0015】
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o-クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n-オクチルフェノール、n-ドデシルフェノール、n-ステアリルフェノール、p-クロロフェノール、p-ブロモフェノール、o-フェニルフェノール、p-ヒドロキシ安息香酸n-ブチル、p-ヒドロキシ安息香酸n-オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、4,4-ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ヘプタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-オクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ノナン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-デカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ドデカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ジメチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-エチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-エチルヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,7-ジメチルオクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1-フェニル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-へプタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-オクタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ノナン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-デカン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ドデカン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,1-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、ビス(2-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、3,3-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2~5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3-トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
【0016】
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分について説明する。
前記(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類が挙げられる。
【0017】
更に、色濃度-温度曲線に関して大きなヒステリシス特性を示して変色し、温度変化に依存して色彩記憶性を与えるためには、特公平4-17154号公報に記載された5℃以上50℃未満のΔT値(融点-曇点)を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が挙げられる。
【0018】
炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n-ペンチルアルコール又はn-ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n-ペンタデシル、酪酸n-トリデシル、酪酸n-ペンタデシル、カプロン酸n-ウンデシル、カプロン酸n-トリデシル、カプロン酸n-ペンタデシル、カプリル酸n-ノニル、カプリル酸n-ウンデシル、カプリル酸n-トリデシル、カプリル酸n-ペンタデシル、カプリン酸n-ヘプチル、カプリン酸n-ノニル、カプリン酸n-ウンデシル、カプリン酸n-トリデシル、カプリン酸n-ペンタデシル、ラウリン酸n-ペンチル、ラウリン酸n-ヘプチル、ラウリン酸n-ノニル、ラウリン酸n-ウンデシル、ラウリン酸n-トリデシル、ラウリン酸n-ペンタデシル、ミリスチン酸n-ペンチル、ミリスチン酸n-ヘプチル、ミリスチン酸n-ノニル、ミリスチン酸n-ウンデシル、ミリスチン酸n-トリデシル、ミリスチン酸n-ペンタデシル、パルミチン酸n-ペンチル、パルミチン酸n-ヘプチル、パルミチン酸n-ノニル、パルミチン酸n-ウンデシル、パルミチン酸n-トリデシル、パルミチン酸n-ペンタデシル、ステアリン酸n-ノニル、ステアリン酸n-ウンデシル、ステアリン酸n-トリデシル、ステアリン酸n-ペンタデシル、エイコサン酸n-ノニル、エイコサン酸n-ウンデルシ、エイコサン酸n-トリデシル、エイコサン酸n-ペンタデシル、ベヘニン酸n-ノニル、ベヘニン酸n-ウンデシル、ベヘニン酸n-トリデシル、ベヘニン酸n-ペンタデシル等が挙げられる。
【0019】
ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類が有効であり、2-デカノン、3-デカノン、4-デカノン、2-ウンデカノン、3-ウンデカノン、4-ウンデカノン、5-ウンデカノン、2-ドデカノン、3-ドデカノン、4-ドデカノン、5-ドデカノン、2-トリデカノン、3-トリデカノン、2-テトラデカノン、2-ペンタデカノン、8-ペンタデカノン、2-ヘキサデカノン、3-ヘキサデカノン、9-ヘプタデカノン、2-ペンタデカノン、2-オクタデカノン、2-ノナデカノン、10-ノナデカノン、2-エイコサノン、11-エイコサノン、2-ヘンエイコサノン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン等が挙げられる。
更には、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n-オクタデカノフェノン、n-ヘプタデカノフェノン、n-ヘキサデカノフェノン、n-ペンタデカノフェノン、n-テトラデカノフェノン、4-n-ドデカアセトフェノン、n-トリデカノフェノン、4-n-ウンデカノアセトフェノン、n-ラウロフェノン、4-n-デカノアセトフェノン、n-ウンデカノフェノン、4-n-ノニルアセトフェノン、n-デカノフェノン、4-n-オクチルアセトフェノン、n-ノナノフェノン、4-n-ヘプチルアセトフェノン、n-オクタノフェノン、4-n-ヘキシルアセトフェノン、4-n-シクロヘキシルアセトフェノン、4-tert-ブチルプロピオフェノン、n-ヘプタフェノン、4-n-ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル-n-ブチルケトン、4-n-ブチルアセトフェノン、n-ヘキサノフェノン、4-イソブチルアセトフェノン、1-アセトナフトン、2-アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等が挙げられる。
【0020】
エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等が挙げられる。
【0021】
酸アミド類としては、アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸アミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベンズアミド、カプロン酸アニリド、カプリル酸アニリド、カプリン酸アニリド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニリド、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、ベヘニン酸アニリド、オレイン酸アニリド、エルカ酸アニリド、カプロン酸N-メチルアミド、カプリル酸N-メチルアミド、カプリン酸N-メチルアミド、ラウリン酸N-メチルアミド、ミリスチン酸N-メチルアミド、パルミチン酸N-メチルアミド、ステアリン酸N-メチルアミド、ベヘニン酸N-メチルアミド、オレイン酸N-メチルアミド、エルカ酸N-メチルアミド、ラウリン酸N-エチルアミド、ミリスチン酸N-エチルアミド、パルミチン酸N-エチルアミド、ステアリン酸N-エチルアミド、オレイン酸N-エチルアミド、ラウリン酸N-ブチルアミド、ミリスチン酸N-ブチルアミド、パルミチン酸N-ブチルアミド、ステアリン酸N-ブチルアミド、オレイン酸N-ブチルアミド、ラウリン酸N-オクチルアミド、ミリスチン酸N-オクチルアミド、パルミチン酸N-オクチルアミド、ステアリン酸N-オクチルアミド、オレイン酸N-オクチルアミド、ラウリン酸N-ドデシルアミド、ミリスチン酸N-ドデシルアミド、パルミチン酸N-ドデシルアミド、ステアリン酸N-ドデシルアミド、オレイン酸N-ドデシルアミド、ジラウリン酸アミド、ジミリスチン酸アミド、ジパルミチン酸アミド、ジステアリン酸アミド、ジオレイン酸アミド、トリラウリン酸アミド、トリミリスチン酸アミド、トリパルミチン酸アミド、トリステアリン酸アミド、トリオレイン酸アミド、コハク酸アミド、アジピン酸アミド、グルタル酸アミド、マロン酸アミド、アゼライン酸アミド、マレイン酸アミド、コハク酸N-メチルアミド、アジピン酸N-メチルアミド、グルタル酸N-メチルアミド、マロン酸N-メチルアミド、アゼライン酸N-メチルアミド、コハク酸N-エチルアミド、アジピン酸N-エチルアミド、グルタル酸N-エチルアミド、マロン酸N-エチルアミド、アゼライン酸N-エチルアミド、コハク酸N-ブチルアミド、アジピン酸N-ブチルアミド、グルタル酸N-ブチルアミド、マロン酸N-ブチルアミド、アジピン酸N-オクチルアミド、アジピン酸N-ドデシルアミド等が挙げられる。
【0022】
また、前記(ハ)成分として、下記一般式(1)で示される化合物を用いることもできる。
【化1】
〔式中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、mは0~2の整数を示し、X
1、X
2のいずれか一方は-(CH
2)
nOCOR
2又は-(CH
2)
nCOOR
2、他方は水素原子を示し、nは0~2の整数を示し、R
2は炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、Y
1及びY
2は水素原子、炭素数1~4のアルキル基、メトキシ基、又は、ハロゲンを示し、r及びpは1~3の整数を示す。〕
前記式(1)で示される化合物のうち、R
1が水素原子の場合、より広いヒステリシス幅を有する可逆熱変色性組成物が得られるため好適であり、更にR
1が水素原子であり、且つ、mが0の場合がより好適である。
なお、式(1)で示される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(2)で示される化合物が用いられる。
【化2】
式中のRは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数10~24のアルキル基、更に好ましくは炭素数12~22のアルキル基である。
前記化合物として具体的には、オクタン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
【0023】
更に、前記(ハ)成分として、下記一般式(3)で示される化合物を用いることもできる。
【化3】
(式中、Rは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはそれぞれ1~3の整数を示し、X及びYはそれぞれ水素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ハロゲンを示す。)
前記化合物として具体的には、オクタン酸1,1-ジフェニルメチル、ノナン酸1,1-ジフェニルメチル、デカン酸1,1-ジフェニルメチル、ウンデカン酸1,1-ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1-ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1-ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1-ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1-ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1-ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1-ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1-ジフェニルメチルを例示できる。
【0024】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(4)で示される化合物を用いることもできる。
【化4】
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、マロン酸と2-〔4-(4-クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、こはく酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、こはく酸と2-〔4-(3-メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、グルタル酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、グルタル酸と2-〔4-(4-クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アジピン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、ピメリン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2-〔4-(3-メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2-〔4-(4-クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2-〔4-(2,4-ジクロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アゼライン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、セバシン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,10-デカンジカルボン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2-〔4-(2-メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステルを例示できる。
【0025】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(5)で示される化合物を用いることもできる。
【化5】
(式中、Rは炭素数1乃至21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとウンデカン酸とのジエステル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステル、1,4-ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンと酪酸とのジエステル、1,4-ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンとイソ吉草酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと酢酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとプロピオン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと吉草酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプロン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリル酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステルを例示できる。
【0026】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(6)で示される化合物を用いることもできる。
【化6】
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、こはく酸と2-フェノキシエタノールとのジエステル、スベリン酸と2-フェノキシエタノールとのジエステル、セバシン酸と2-フェノキシエタノールとのジエステル、1,10-デカンジカルボン酸と2-フェノキシエタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2-フェノキシエタノールとのジエステルを例示できる。
【0027】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(7)で示される化合物を用いることもできる。
【化7】
(式中、Rは炭素数4乃至22のアルキル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルキル基、炭素数4乃至22のアルケニル基のいずれかを示し、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、nは0又は1を示す。)
前記化合物としては、4-フェニル安息香酸デシル、4-フェニル安息香酸ラウリル、4-フェニル安息香酸ミリスチル、4-フェニル安息香酸シクロヘキシルエチル、4-ビフェニル酢酸オクチル、4-ビフェニル酢酸ノニル、4-ビフェニル酢酸デシル、4-ビフェニル酢酸ラウリル、4-ビフェニル酢酸ミリスチル、4-ビフェニル酢酸トリデシル、4-ビフェニル酢酸ペンタデシル、4-ビフェニル酢酸セチル、4-ビフェニル酢酸シクロペンチル、4-ビフェニル酢酸シクロヘキシルメチル、4-ビフェニル酢酸ヘキシル、4-ビフェニル酢酸シクロヘキシルメチルを例示できる。
【0028】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(8)で示される化合物を用いることもできる。
【化8】
(式中、Rは炭素数3乃至18のアルキル基、炭素数3乃至18の脂肪族アシル基のいずれかを示し、Xは水素原子、炭素数1乃至3のアルキル基、炭素数1又は2のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、Yは水素原子、メチル基のいずれかを示し、Zは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1又は2のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示す。)
前記化合物としては、4-ブトキシ安息香酸フェノキシエチル、4-ペンチルオキシ安息香酸フェノキシエチル、4-テトラデシルオキシ安息香酸フェノキシエチル、4-ヒドロキシ安息香酸フェノキシエチルとドデカン酸とのエステル、バニリン酸フェノキシエチルのドデシルエーテルを例示できる。
【0029】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(9)で示される化合物を用いることもできる。
【化9】
(式中、Rは炭素数4乃至22のアルキル基、炭素数4乃至22のアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルキル基のいずれかを示し、Xは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、Yは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、nは0又は1を示す。)
前記化合物としては、p-ヒドロキシ安息香酸オクチルの安息香酸エステル、p-ヒドロキシ安息香酸デシルの安息香酸エステル、p-ヒドロキシ安息香酸ヘプチルのp-メトキシ安息香酸エステル、p-ヒドロキシ安息香酸ドデシルのo-メトキシ安息香酸エステル、p-ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシルメチルの安息香酸エステルを例示できる。
【0030】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(10)で示される化合物を用いることもできる。
【化10】
(式中、(式中、Rは炭素数3乃至18のアルキル基、炭素数6乃至11のシクロアルキルアルキル基、炭素数5乃至7のシクロアルキル基、炭素数3乃至18のアルケニル基のいずれかを示し、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至3のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、Yは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示す。)
前記化合物としては、p-ヒドロキシ安息香酸ノニルのフェノキシエチルエーテル、p-ヒドロキシ安息香酸デシルのフェノキシエチルエーテル、p-ヒドロキシ安息香酸ウンデシルのフェノキシエチルエーテル、バニリン酸ドデシルのフェノキシエチルエーテルを例示できる。
【0031】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(11)で示される化合物を用いることもできる。
【化11】
(式中、Rは炭素数3乃至8のシクロアルキル基又は炭素数4乃至9のシクロアルキルアルキル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとシクロヘキサンカルボン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとシクロヘキサンプロピオン酸とのジエステル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとシクロヘキサンプロピオン酸とのジエステルを例示できる。
【0032】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(12)で示される化合物を用いることもできる。
【化12】
(式中、Rは炭素数3乃至17のアルキル基、炭素数3乃至8のシクロアルキル基、炭素数5乃至8のシクロアルキルアルキル基を示し、Xは水素原子、炭素数1乃至5のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとシクロヘキサンカルボン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールジエチレングリコールエーテルとラウリン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールトリエチレングリコールエーテルとシクロヘキサンカルボン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとオクタン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとノナン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとデカン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとミリスチン酸とのジエステルを例示できる。
【0033】
更に、(ロ)電子受容性化合物として炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物(特開平11-129623号公報)、特定のヒドロキシ安息香酸エステル(特開2001-105732号公報)、没食子酸エステル(特開2003-253149号公報)等を用いた加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を適用することもできる。
【0034】
前記可逆熱変色性組成物は、前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分を必須成分とする相溶体であり、各成分の割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1~100、好ましくは0.1~50、より好ましくは0.5~20、(ハ)成分5~200、好ましくは5~100、より好ましくは10~100の範囲である(前記割合はいずれも質量部である)。
【0035】
前記可逆熱変色性組成物は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中に分散したり、或いは、マイクロカプセルに内包することによって可逆熱変色性顔料として用いられる。
尚、マイクロカプセル化は、公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセル顔料は、内包物/壁膜=7/1~1/1(質量比)の範囲であることが好ましく、壁膜の比率が前記範囲内にあることにより、発色時の色濃度及び鮮明性の低下を防止することができ、より好適には、内包物/壁膜=6/1~1/1(質量比)である。
【0036】
前記有色から無色に変色する熱変色性材料と、非熱変色性材料を併用することにより、有色から色の異なる有色に色変化する熱変色性材料が得られる。
前記非熱変色性材料は一般的な顔料または染料が用いられる。
【0037】
前記熱変色性材料と非熱変色性材料は、水及び/又は有機溶剤と必要により各種添加剤を含むビヒクル中に分散してスクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷等に用いられる印刷インキ、インクジェット用インキを調製して印刷することにより印刷媒体上に熱変色像を形成できる。
【0038】
前記印刷媒体の表面に設けた熱変色像と裏面に設けた熱変色像は互いに重なり合わないように形成されてなる。
表面と裏面に設けた熱変色像が重なり合わないことにより、表面の熱変色像を変色させた際に裏面の熱変色像に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を実現することができる。また、裏面の熱変色像を変色させた際に表面の熱変色像に熱が伝わって変色することもないため、同様に正確なスケジュール管理を実現することができる。
【0039】
前記熱変色像は、指による摩擦、摩擦体や加熱変色具の適用により有色から色の異なる有色に変色させることができる。
前記加熱具としては、抵抗発熱体を装備した通電加熱変色具、温水等を充填した加熱変色具等の適用を挙げることができるが、簡便な方法で変色可能な手段であることから、摩擦体の適用が好ましい。
前記摩擦体としては、弾性感に富み、摩擦時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適であるが、プラスチック成形体、石材、木材、金属、布帛であってもよい。
なお、消しゴムを使用して摩擦することもできるが、摩擦時に消しカスが発生するため、好ましくは前述のような摩擦体が用いられる。
前記摩擦体の材質としては、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物と摩擦体を組み合わせることにより携帯性に優れたスケジュール管理用熱変色性印刷物セットが得られる。
また、摩擦部材を備えた筆記具を用いることにより印刷物に筆記することもできるため利便性を向上させることができる。
前記摩擦部材を固着する箇所は、キャップ先端部(頂部)、或いは、軸筒先端部(筆記先端部を設けていない部分)等を挙げることができる。
更に、キャップの一部、或いは軸筒の一部に任意形象の小突部を設けて摩擦部材とすることもできる。
筆記具に収容されるインキとしては、非熱変色性のインキであってもよいが、加熱により消色可能なインキを用いることにより、繰り返しの筆記を可能として利便性を向上させることができる。
前記加熱により消色可能なインキ中に含まれる着色剤は前述の熱変色性材料を用いることができる。
また、前記筆記具としては、鉛筆やクレヨン等の固形筆記具であってもよい。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物と摩擦部材を備えた筆記具を組み合わせることにより携帯性に優れたスケジュール管理用熱変色性印刷物セットが得られる。
【実施例】
【0040】
以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部は質量部である。
実施例1(
図1参照)
スケジュール管理用熱変色性印刷物の作製
(イ)成分として2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール4.5部、2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T
1:-20℃、T
2:-9℃、T
3:40℃、T
4:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、黒色から無色に色変化する)30部、赤色染料5部、
アマニ油系オフセットインキビヒクル65.0部中に均一に分散混合して、可逆熱変色性オフセットインキを調製した。
印刷媒体2として上質紙の表裏両面に前記オフセットインキを用いてオフセット印刷を行ない、乾燥硬化させて日にち(熱変色像3)を形成した。
なお、表面と裏面の熱変色像は重なり合わないように形成されてなる。
次いで、非変色性黒色インキを用いてオフセット印刷を行ない、乾燥硬化させて枠線(非変色像4)を形成して
スケジュール管理用熱変色性印刷物を得た。
【0041】
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、摩擦体を用いて表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0042】
実施例2
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製(
図2参照)
実施例1の
スケジュール管理用熱変色性印刷物と、一端に凸状部を有する円柱形の摩擦体5とを組み合わせて
スケジュール管理用熱変色性印刷物セット8を得た。
前記
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦体を用いて摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0043】
実施例3
筆記具の作製(
図3参照)
(イ)成分として4,5,6,7-テトラクロロ-3-〔4-(ジエチルアミノ)-2-エトキシフェニル〕-3-〔1-エチル-2-メチル-1Hインドール-3-イル〕-1(3H)-イソベンゾフラノン1.5部、(ロ)成分として2,2-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T
1:-18℃、T
2:-9℃、T
3:42℃、T
4:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.8/1.0、青色から無色に色変化する)25.7部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.2部、尿素5.5部、グリセリン7.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.03部、変性シリコーン系消泡剤0.15部、防黴剤0.1部、潤滑剤0.5部、トリエタノールアミン0.5部、水59.82部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
インキ(予め-18℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を青色に発色させた後、室温下で放置したもの)を内径4.4mmのポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具6(可逆熱変色性ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.38mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材7として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
【0044】
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例1のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、筆記具6とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を筆記具の摩擦部材を用いて摩擦することによって生じた摩擦熱により変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
更に、前記筆記具を用いて予定を書き込み、予定が変更になった場合は筆跡を摩擦部材を用いて摩擦して消去でき、この状態は室温で維持することができるため、消去した箇所に再び新たな予定を書き込むことができた。
【0045】
実施例4
スケジュール管理用熱変色性印刷物の作製
(イ)成分として4,5,6,7-テトラクロロ-3-〔4-(ジエチルアミノ)-2-エトキシフェニル〕-3-〔1-エチル-2-メチル-1Hインドール-3-イル〕-1(3H)-イソベンゾフラノン1.5部、(ロ)成分として2,2-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T1:-18℃、T2:-9℃、T3:42℃、T4:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.8/1.0、青色から無色に色変化する)30部、赤色染料5部、アマニ油系オフセットインキビヒクル65.0部中に均一に分散混合して、可逆熱変色性オフセットインキを調製した。
印刷媒体として上質紙の表裏両面に前記オフセットインキを用いてオフセット印刷を行ない、乾燥硬化させて曜日(熱変色像)を形成して熱変色性印刷物を得た。
次いで、非変色性黒色インキを用いてオフセット印刷を行ない、乾燥硬化させて罫線と日にちと月を形成した。
なお、表面と裏面の熱変色像は重なり合わないように形成されてなる。
【0046】
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、初期は紫色の曜日が形成されたカレンダー形態の印刷物であるが、摩擦体を用いて表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、習い事のスケジュール管理用スケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた曜日は、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0047】
実施例5
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例4のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、摩擦体とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は紫色の曜日が形成されたカレンダー形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦体を用いて摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、習い事のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた曜日は、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0048】
実施例6
筆記具の作製
(イ)成分として4,5,6,7-テトラクロロ-3-〔4-(ジエチルアミノ)-2-エトキシフェニル〕-3-〔1-エチル-2-メチル-1Hインドール-3-イル〕-1(3H)-イソベンゾフラノン1.5部、(ロ)成分として2,2-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T1:-18℃、T2:-9℃、T3:42℃、T4:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.8/1.0、青色から無色に色変化する)25.7部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.2部、尿素5.5部、グリセリン7.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.03部、変性シリコーン系消泡剤0.15部、防黴剤0.1部、潤滑剤0.5部、トリエタノールアミン0.5部、水59.82部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
インキ(予め-18℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を青色に発色させた後、室温下で放置したもの)を内径4.4mmのポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具(可逆熱変色性ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.7mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
【0049】
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例4のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、筆記具とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は紫色の曜日が形成されたカレンダー形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を筆記具の摩擦部材を用いて摩擦することによって生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、習い事のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた曜日は、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
更に、前記筆記具を用いて予定を書き込み、予定が変更になった場合は筆跡を摩擦部材を用いて摩擦して消去でき、この状態は室温で維持することができるため、消去した箇所に再び新たな予定を書き込むことができた。
【0050】
実施例7
スケジュール管理用熱変色性印刷物の作製
(イ)成分として2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール4.5部、2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T1:-20℃、T2:-9℃、T3:40℃、T4:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、黒色から無色に色変化する)30部、青色染料5部、アマニ油系オフセットインキビヒクル65.0部中に均一に分散混合して、可逆熱変色性オフセットインキを調製した。
印刷媒体として上質紙の表裏両面に前記オフセットインキを用いてオフセット印刷を行ない、乾燥硬化させて日にち(熱変色像)と曜日(熱変色像)を形成してスケジュール管理用熱変色性印刷物を得た。
なお、表面と裏面の熱変色像は重なり合わないように形成されてなる。
【0051】
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、初期は黒色の日にちが形成されたルーズリーフタイプのシステム手帳に用いられる印刷物であるが、摩擦体を用いて表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦することにより生じた摩擦熱により青色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日と通院のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0052】
実施例8
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例7のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、通電加熱具とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を通電加熱具を用いて加熱することにより青色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日と通院のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0053】
実施例9
スケジュール管理用熱変色性印刷物の作製
(イ)成分として2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール4.5部、2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T1:-20℃、T2:-9℃、T3:40℃、T4:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、黒色から無色に色変化する)30部、赤色染料5部、
アマニ油系オフセットインキビヒクル65.0部中に均一に分散混合して、可逆熱変色性オフセットインキを調製した。
印刷媒体として上質紙の表裏両面に前記オフセットインキを用いてオフセット印刷を行ない、乾燥硬化させて日にち(熱変色像)と曜日(熱変色像)を形成した。
次いで、非変色性黒色インキを用いてオフセット印刷を行ない、乾燥硬化させて罫線を形成してスケジュール管理用熱変色性印刷物を得た。
なお、表面と裏面の熱変色像は重なり合わないように形成されてなる。
【0054】
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、初期は黒色の日にちと曜日が形成された手帳形態の印刷物であるが、摩擦体を用いて表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、スケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちと曜日は、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0055】
実施例10
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例9のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、摩擦体とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちと曜日が形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦体を用いて摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、スケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちと曜日は、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0056】
実施例11
筆記具の作製
(イ)成分として2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール4.5部、2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T1:-20℃、T2:-9℃、T3:40℃、T4:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、黒色から無色に色変化する)
25.7部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.2部、尿素5.5部、グリセリン7.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.03部、変性シリコーン系消泡剤0.15部、防黴剤0.1部、潤滑剤0.5部、トリエタノールアミン0.5部、水59.82部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
インキ(予め-18℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を青色に発色させた後、室温下で放置したもの)を内径4.4mmのポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具(可逆熱変色性ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.7mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
【0057】
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例9のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、筆記具とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちと曜日が形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を筆記具の摩擦部材を用いて摩擦することによって生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、スケジュール管理に有用であった。
また、スケジュール管理用変色させた箇所の裏面に設けられた日にちと曜日は、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
更に、前記筆記具を用いて予定を書き込み、予定が変更になった場合は筆跡を摩擦部材を用いて摩擦して消去でき、この状態は室温で維持することができるため、消去した箇所に再び新たな予定を書き込むことができた。
【0058】
実施例12
スケジュール管理用熱変色性印刷物の作製
(イ)成分として2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール4.5部、2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T1:-20℃、T2:-9℃、T3:40℃、T4:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、黒色から無色に色変化する)30部、赤色染料5部、アマニ油系オフセットインキビヒクル65.0部中に均一に分散混合して、可逆熱変色性オフセットインキを調製した。
印刷媒体として上質紙の表裏両面に前記オフセットインキを用いてオフセット印刷を連続して三回同じ箇所に行ない、乾燥硬化させて日にち(熱変色像)を形成してスケジュール管理用熱変色性印刷物を得た。
なお、表面と裏面の熱変色像は重なり合わないように形成されてなる。
【0059】
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、摩擦体を用いて表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0060】
実施例13
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例12のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、摩擦体とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦体を用いて摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0061】
実施例14
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例12のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、実施例3の筆記具とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を筆記具の摩擦部材を用いて摩擦することによって生じた摩擦熱により変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
更に、前記筆記具を用いて予定を書き込み、予定が変更になった場合は筆跡を摩擦部材を用いて摩擦して消去でき、この状態は室温で維持することができるため、消去した箇所に再び新たな予定を書き込むことができた。
【0062】
実施例15
スケジュール管理用熱変色性印刷物の作製
(イ)成分として2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール4.5部、2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T1:-20℃、T2:-9℃、T3:40℃、T4:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、黒色から無色に色変化する)27部、赤色染料3部をアクリル系樹脂エマルジョン(固形分45%)60部、粘度調整剤1部、消泡剤0.2部、水8.8部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて感温変色性色彩記憶性液状組成物(印刷インキ)を調製した。
印刷媒体として上質紙の表裏両面に前記印刷インキを用いてスクリーン印刷を行ない、乾燥硬化させて日にち(熱変色像)を形成してスケジュール管理用熱変色性印刷物を得た。
なお、表面と裏面の熱変色像は重なり合わないように形成されてなる。
【0063】
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、摩擦体を用いて表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0064】
実施例16
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例15のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、摩擦体とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦体を用いて摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0065】
実施例17
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例15のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、実施例3の筆記具とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を筆記具の摩擦部材を用いて摩擦することによって生じた摩擦熱により変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
更に、前記筆記具を用いて予定を書き込み、予定が変更になった場合は筆跡を摩擦部材を用いて摩擦して消去でき、この状態は室温で維持することができるため、消去した箇所に再び新たな予定を書き込むことができた。
【0066】
実施例18
スケジュール管理用熱変色性印刷物の作製
(イ)成分として2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール4.5部、2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T1:-20℃、T2:-9℃、T3:40℃、T4:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、黒色から無色に色変化する)49部、赤色染料5部を、アクリル系樹脂エマルジョン(固形分40%)44部、消泡剤2部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて感温変色性色彩記憶性液状組成物(印刷インキ)を調製した。
印刷媒体として上質紙の表裏両面に前記印刷インキを用いてグラビア印刷を行ない、乾燥硬化させて日にち(熱変色像)を形成してスケジュール管理用熱変色性印刷物を得た。
なお、表面と裏面の熱変色像は重なり合わないように形成されてなる。
【0067】
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物は、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、摩擦体を用いて表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0068】
実施例19
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例18のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、摩擦体とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を摩擦体を用いて摩擦することにより生じた摩擦熱により赤色に変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
【0069】
実施例20
スケジュール管理用熱変色性印刷物セットの作製
実施例18のスケジュール管理用熱変色性印刷物と、実施例3の筆記具とを組み合わせてスケジュール管理用熱変色性印刷物セットを得た。
前記スケジュール管理用熱変色性印刷物セットは、初期は黒色の日にちが形成された手帳形態の印刷物であるが、表面の任意の箇所の熱変色像を筆記具の摩擦部材を用いて摩擦することによって生じた摩擦熱により変色させることができ、変色した状態は室温下で維持できるため、休日のスケジュール管理に有用であった。
また、変色させた箇所の裏面に設けられた日にちは、表面の熱変色像を変色させた際に熱が伝わって変色することがないため、正確なスケジュール管理を行うことができた。
更に、前記筆記具を用いて予定を書き込み、予定が変更になった場合は筆跡を摩擦部材を用いて摩擦して消去でき、この状態は室温で維持することができるため、消去した箇所に再び新たな予定を書き込むことができた。
【符号の説明】
【0070】
T1 完全発色温度
T2 発色開始温度
T3 消色開始温度
T4 完全消色温度
ΔH ヒステリシス幅
1 スケジュール管理用熱変色性印刷物
2 印刷媒体
3 熱変色像
4 非変色像
5 摩擦体
6 筆記具
7 摩擦部材
8 スケジュール管理用熱変色性印刷物セット