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特許7340669制御装置、制御方法、制御プログラム及び制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、制御プログラム及び制御システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230831BHJP
   G05D 1/00 20060101ALI20230831BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20230831BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
G05D1/02 P
G05D1/00 B
G08G1/00 X
G08G1/16 A
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022156918
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2021090192の分割
【原出願日】2017-07-20
(65)【公開番号】P2022179577
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】久原 俊介
(72)【発明者】
【氏名】青島 武伸
【審査官】藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091304(JP,A)
【文献】国際公開第2017/079290(WO,A1)
【文献】特開2011-250021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
G05D 1/00
G08G 1/00
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置の制御方法であって、
所定のイベント発生時に前記複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、
前記対象車両が前記遠隔操縦装置の操縦に応じて前記遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成し、
前記遠隔操縦回避制御命令を前記非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する、
制御方法。
【請求項2】
前記遠隔操縦回避制御命令は、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする可能性を現在の可能性より低い可能性にするように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦抑制制御命令を含む、
請求項1記載の制御方法。
【請求項3】
前記遠隔操縦抑制制御命令は、前記非対象車両が現在の速度より低い速度で走行するように前記非対象車両を自律走行させるための速度抑制制御命令を含む、
請求項2記載の制御方法。
【請求項4】
前記遠隔操縦抑制制御命令は、前記非対象車両が自律走行できなくなる可能性を現在の可能性より低い可能性にするように前記非対象車両を自律走行させるための自律走行維持制御命令を含む、
請求項2記載の制御方法。
【請求項5】
前記自律走行維持制御命令は、前記非対象車両が複数車線の道路を走行している場合、前記複数車線のうち中央線側の車線を走行するように前記非対象車両を自律走行させるための中央側走行制御命令を含む、
請求項4記載の制御方法。
【請求項6】
前記自律走行維持制御命令は、幅員が所定値より狭い道路を前記非対象車両が走行している場合、幅員が前記所定値以上の道路を前記非対象車両が走行するように前記非対象車両を自律走行させるための幅員拡大制御命令を含む、
請求項4記載の制御方法。
【請求項7】
前記自律走行維持制御命令は、前記対象車両の走行モードが前記自律走行モードから前記遠隔操縦モードに切り替えられた地点を含む所定範囲の走行回避領域を前記非対象車両が走行しないように前記非対象車両を自律走行させるためのルート変更制御命令を含む、
請求項4記載の制御方法。
【請求項8】
前記自律走行維持制御命令は、他の非対象車両が遠隔操縦要求を送信した地点を含む所定範囲の走行回避領域を前記非対象車両が走行しないように前記非対象車両を自律走行させるためのルート変更制御命令を含む、
請求項4記載の制御方法。
【請求項9】
前記自律走行維持制御命令は、前記非対象車両を走行させるための燃料又は電気の補給を促進するように前記非対象車両を自律走行させるための補給促進制御命令を含む、
請求項4記載の制御方法。
【請求項10】
前記遠隔操縦回避制御命令は、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする場合に前記非対象車両に対して即座の遠隔操縦が可能となるように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦待機制御命令を含む、
請求項1記載の制御方法。
【請求項11】
前記遠隔操縦待機制御命令は、前記非対象車両が複数車線の道路を走行している場合、前記複数車線のうち中央線と反対側の車線を走行するように前記非対象車両を自律走行させるための側道側走行制御命令を含む、
請求項10記載の制御方法。
【請求項12】
前記遠隔操縦待機制御命令は、幅員が所定値より狭い道路を前記非対象車両が走行している場合、幅員が前記所定値以上の道路を前記非対象車両が走行するように前記非対象車両を自律走行させるための幅員拡大制御命令を含む、
請求項10記載の制御方法。
【請求項13】
前記所定のイベント発生時は、前記複数の自動運転車両に遠隔操縦が必要となる状況が生じたときである、
請求項1記載の制御方法。
【請求項14】
前記ルート変更制御命令は、前記対象車両の走行モードが前記自律走行モードから前記遠隔操縦モードに切り替えられた要因に応じて、送信するか否かが判断される、
請求項7記載の制御方法。
【請求項15】
前記ルート変更制御命令は、前記要因が前記対象車両のセンサ部の故障である場合、送信されない、
請求項14記載の制御方法。
【請求項16】
前記ルート変更制御命令は、前記要因が前記対象車両のセンサ部の故障ではなく、前記センサ部のセンシングができないことである場合、送信されない、
請求項14記載の制御方法。
【請求項17】
前記ルート変更制御命令は、前記対象車両と型番、車種、及び前記センサ部のセンシング方式の少なくとも1つが同一の前記非対象車両に対して送信される、
請求項15記載の制御方法。
【請求項18】
前記補給促進制御命令を受信した前記非対象車両は、残バッテリ容量の閾値を増加させる、
請求項9記載の制御方法。
【請求項19】
前記補給促進制御命令は、残バッテリ容量が少ない前記非対象車両に送信される、
請求項9記載の制御方法。
【請求項20】
前記補給促進制御命令は、充電場所が近くにある前記非対象車両に送信される、
請求項9記載の制御方法。
【請求項21】
前記補給促進制御命令は、充電場所が近くにある前記非対象車両に送信される、
請求項9記載の制御方法。
【請求項22】
前記補給促進制御命令は、充電場所が走行予定ルートの近くにある前記非対象車両に送信される、
請求項9記載の制御方法。
【請求項23】
自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置であって、
所定のイベント発生時に前記複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定する特定部と、
前記対象車両が前記遠隔操縦装置の操縦に応じて前記遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成する作成部と、
前記遠隔操縦回避制御命令を前記非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する通信部とを備える、
制御装置。
【請求項24】
自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両と、
前記複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置と、
前記複数の自動運転車両の中から遠隔操縦の対象となる対象車両を遠隔操縦する遠隔操縦装置とを備え、
前記制御装置は、
所定のイベント発生時に前記複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定する特定部と、
前記対象車両が前記遠隔操縦装置の操縦に応じて前記遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成する作成部と、
前記遠隔操縦回避制御命令を前記非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する通信部とを備える、
制御システム。
【請求項25】
自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置として、コンピュータを機能させるための制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
所定のイベント発生時に前記複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、
前記対象車両が前記遠隔操縦装置の操縦に応じて前記遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成し、
前記遠隔操縦回避制御命令を前記非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する、
処理を実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置、該制御装置の制御方法及び制御プログラム、並びに該制御装置を備える制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、運転手による操縦を必要としない完全な自動運転を行う自動運転車両に関する技術開発が行われ、このような自動運転車両を用いて荷物を配達する構想や実用化実験が行われている。また、遠隔地にある車両を操作するための車両遠隔操作システムの開発も行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、車両遠隔操作システムにおける車両は、四方を撮像する撮像部と、前輪の角度を検出する舵角センサと、車速センサと、前輪の向きを変更する操舵部と、後輪を駆動する駆動部と、後輪を制動する制動部と、横Gセンサと、ヨーレートセンサと、各部を制御する車両制御部と、遠隔地の遠隔操作室と無線通信を行う無線通信部と、ここでは使用されない運転部による操作と遠隔操作室による操作とを切り替える切り替え部とを備え、遠隔操作室の運転者による操舵、駆動、制動の入力値を無線通信により受け取り、車両の挙動や周囲の状況などを示す信号を遠隔操作室に与えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-206218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、運転者により操縦が可能な通常の車両、すなわち、自動運転ではない手動運転の車両を遠隔制御することについては開示されているが、遠隔操縦者が複数の自動運転車両を遠隔監視しているときに、遠隔操縦者が自動運転車両を遠隔操縦する必要が発生した場合、他の自動運転車両をどのように制御するかについては何ら検討されておらず、他の自動運転車両の制御については、更なる改善が必要とされていた。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたもので、遠隔操縦者が複数の自動運転車両を遠隔監視しているときに、遠隔操縦者が遠隔操縦の対象となる自動運転車両の遠隔操縦に専念し易くすることができる状況を実現することができる制御装置、制御方法、制御プログラム及び制御システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る制御方法は、自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置の制御方法であって、所定のイベント発生時に前記複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、前記対象車両が前記遠隔操縦装置の操縦に応じて前記遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成し、前記遠隔操縦回避制御命令を
前記非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、遠隔操縦者が複数の自動運転車両を遠隔監視しているときに、遠隔操縦者が遠隔操縦の対象となる自動運転車両の遠隔操縦に専念し易くすることができる状況を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態1における制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示す制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図1に示す自動運転車両の構成の一例を示すブロック図である。
図4図1に示す遠隔操縦装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5図1に示す制御装置による遠隔操縦回避制御処理の一例を示すフローチャートである。
図6】本開示の実施の形態2における制御システムの制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図7図6に示す制御装置による遠隔操縦回避制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
上記のように、遠隔操縦者が複数の自動運転車両を遠隔監視しているときに、1台の自動運転車に事故が発生したり、自動運転での走行ができなくなる場合がある。例えば、雪、雨、及び風等の悪天候により環境状況が悪化した場合、多数の人で道路が混雑した場合、道路上に多数のゴミ等の障害物が散乱されている場合、又は車載センサ等が故障した場合等においては、道路上の標識や障害物等の物体を誤認識したり、自動運転車両の自己位置を把握できなくなったりして、センサでのセンシングが正確にできなくなるため、自動運転での走行ができなくなる。
【0011】
上記のような状況が発生した場合、遠隔操縦者は上記の自動運転車両を自律走行モードから遠隔操縦モードに切り替えて遠隔操縦する必要がある。このとき、遠隔操縦者が自動運転車両の遠隔操縦を開始すると、遠隔操縦者は、他の自動運転車両を監視することができず、さらに、他の自動運転車両に上記のような状況が発生して遠隔操縦を要求されても、対応することができなくなる。したがって、他の自動運転車両が遠隔操縦を必要する状況になってしまうと、遠隔操縦可能になるまで待機しなければならないため、他の自動運転車両が遠隔操縦を必要とする状況にならないようにする必要がある。
【0012】
上記のような課題を解決するため、本開示では、例えば、遠隔監視されている複数の自動運転車両のうち、1台の自動運転車両の遠隔操縦を開始する際に、他の自動運転車両に対して、遠隔操縦が必要となる状況の発生可能性を低くなるように自律走行する命令を送信する。この結果、遠隔操縦時に、他の自動運転車両が遠隔操縦を必要とする状況に陥る可能性を低減することができ、また、他の自動運転車両が走行途中で遠隔操縦を待機する状況に陥る可能性を低減することができる。
【0013】
すなわち、本開示の一態様に係る制御方法は、自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置の制御方法であって、所定のイベント発生時に前記複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、前記対象車両が前記遠隔操縦装置の操縦に応じて前記遠隔操縦モードで走行する
ように制御されるとき、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成し、前記遠隔操縦回避制御命令を前記非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する。
【0014】
この構成によれば、所定のイベント発生時に複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成し、作成した遠隔操縦回避制御命令を非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、遠隔操縦回避制御命令を受信した非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況に陥る可能性を低減することができるとともに、遠隔操縦回避制御命令を受信した非対象車両が走行途中で遠隔操縦を待機する状況に陥る可能性を低減することができる。この結果、遠隔操縦者が複数の自動運転車両を遠隔監視しているときに、遠隔操縦者が遠隔操縦の対象となる自動運転車両の遠隔操縦に専念し易くすることができる状況を実現することができる。
【0015】
前記遠隔操縦回避制御命令は、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする可能性を現在の可能性より低い可能性にするように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦抑制制御命令を含むようにしてもよい。
【0016】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両が遠隔操縦を必要とする可能性を現在の可能性より低い可能性にするように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦抑制制御命令を作成し、作成した遠隔操縦抑制制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況に陥る可能性を確実に低減することができるとともに、非対象車両が走行途中で遠隔操縦を待機する状況に陥る可能性を確実に低減することができる。
【0017】
前記遠隔操縦抑制制御命令は、前記非対象車両が現在の速度より低い速度で走行するように前記非対象車両を自律走行させるための速度抑制制御命令を含むようにしてもよい。
【0018】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両が現在の速度より低い速度で走行するように非対象車両を自律走行させるための速度抑制制御命令を作成し、作成した速度抑制制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両を安全な低速で走行させることができる。
【0019】
前記遠隔操縦抑制制御命令は、前記非対象車両が自律走行できなくなる可能性を現在の可能性より低い可能性にするように前記非対象車両を自律走行させるための自立走行維持制御命令を含むようにしてもよい。
【0020】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両が自律走行できなくなる可能性を現在の可能性より低い可能性にするように非対象車両を自律走行させるための自立走行維持制御命令を作成し、作成した自立走行維持制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況に陥る可能性を確実に低減することができるとともに、非対象車両が走行途中で遠隔操縦を待機する状況に陥る可能性を確実に低減することができる。
【0021】
前記自立走行維持制御命令は、前記非対象車両が複数車線の道路を走行している場合、
前記複数車線のうち中央線側の車線を走行するように前記非対象車両を自律走行させるための中央側走行制御命令を含むようにしてもよい。
【0022】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両が複数車線の道路を走行している場合、複数車線のうち中央線側の車線を走行するように非対象車両を自律走行させるための中央側走行制御命令を作成し、作成した中央側走行制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両が複数車線の道路を走行している場合でも、障害物等の少ない中央線側の車線を非対象車両に走行させることができる。
【0023】
前記自立走行維持制御命令は、幅員が所定値より狭い道路を前記非対象車両が走行している場合、幅員が前記所定値以上の道路を前記非対象車両が走行するように前記非対象車両を自律走行させるための幅員拡大制御命令を含むようにしてもよい。
【0024】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、幅員が所定値より狭い道路を非対象車両が走行している場合、幅員が所定値以上の道路を非対象車両が走行するように非対象車両を自律走行させるための幅員拡大制御命令を作成し、作成した幅員拡大制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、幅員が所定値より狭い道路を非対象車両が走行している場合でも、遠隔操縦が必要になる可能性の低い安全な広い道路を非対象車両に走行させることができる。
【0025】
前記自立走行維持制御命令は、前記対象車両の走行モードが前記自律走行モードから前記遠隔操縦モードに切り替えられた地点を含む所定範囲の走行回避領域を前記非対象車両が走行しないように前記非対象車両を自律走行させるためのルート変更制御命令を含むようにしてもよい。
【0026】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、対象車両の走行モードが自律走行モードから遠隔操縦モードに切り替えられた地点を含む走行回避領域を非対象車両が走行しないように非対象車両を自律走行させるためのルート変更制御命令を作成し、作成したルート変更制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、対象車両の遠隔操縦が必要になった地点を含む走行回避領域を走行することなく、遠隔操縦が必要になる可能性の低い安全なルートを非対象車両に走行させることができる。
【0027】
前記自立走行維持制御命令は、前記非対象車両を走行させるための燃料又は電気の補給を促進するように前記非対象車両を自律走行させるための補給促進制御命令を含むようにしてもよい。
【0028】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両を走行させるための燃料又は電気の補給を促進するように非対象車両を自律走行させるための補給促進制御命令を作成し、作成した補給促進制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両に燃料又は電気の補給を行わせることができるとともに、非対象車両を停止した状態にすることができる。
【0029】
前記遠隔操縦回避制御命令は、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする場合に前記非対象車両に対して即座の遠隔操縦が可能となるように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦待機制御命令を含むようにしてもよい。
【0030】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両が遠隔操縦を必要とする場合に非対象車両に対して即座の遠隔操縦が可能となるように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦待機制御命令を作成し、作成した遠隔操縦待機制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両を即座の遠隔操縦が可能となる状態にすることができる。
【0031】
前記遠隔操縦待機制御命令は、前記非対象車両が複数車線の道路を走行している場合、前記複数車線のうち中央線と反対側の車線を走行するように前記非対象車両を自律走行させるための側道側走行制御命令を含むようにしてもよい。
【0032】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両が複数車線の道路を走行している場合、複数車線のうち中央線と反対側の車線を走行するように非対象車両を自律走行させるための側道側走行制御命令を作成し、作成した側道側走行制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両が複数車線の道路を走行している場合でも、中央線と反対側の車線を非対象車両に走行させることができ、非対象車両を即座に停止させることができる。
【0033】
前記遠隔操縦待機制御命令は、幅員が所定値より狭い道路を前記非対象車両が走行している場合、幅員が前記所定値以上の道路を前記非対象車両が走行するように前記非対象車両を自律走行させるための幅員拡大制御命令を含むようにしてもよい。
【0034】
この構成によれば、特定した対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、幅員が所定値より狭い道路を非対象車両が走行している場合、幅員が所定値以上の道路を非対象車両が走行するように非対象車両を自律走行させるための幅員拡大制御命令を作成し、作成した幅員拡大制御命令を非対象車両に送信しているので、対象車両の遠隔操縦時に、幅員が所定値より狭い道路を非対象車両が走行している場合でも、非対象車両に幅員が広い道路を走行させることができ、非対象車両を即座に停止させることができる。
【0035】
前記遠隔操縦装置は、複数の遠隔操縦装置を含み、前記複数の遠隔操縦装置のうち遠隔操縦に使用されていない未使用遠隔操縦装置の数が所定の第1閾値以下となった場合に、前記遠隔操縦回避制御命令を作成するようにしてもよい。
【0036】
この構成によれば、複数の遠隔操縦装置のうち遠隔操縦に使用されていない未使用遠隔操縦装置の数が所定の第1閾値以下となった場合に、遠隔操縦回避制御命令を作成しているので、未使用遠隔操縦装置の数に余裕があり、次の遠隔操縦に対応可能な状況にある場合は、遠隔操縦回避制御命令を送信することなく、非対象車両の円滑な走行を実現することができるとともに、未使用遠隔操縦装置の数に余裕がなく、次の遠隔操縦に対応困難な状況にある場合のみ、遠隔操縦回避制御命令を送信し、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況に陥る可能性を低減することができるとともに、非対象車両が走行途中で遠隔操縦を待機する状況に陥る可能性を低減することができる。
【0037】
前記未使用遠隔操縦装置の数が前記第1閾値以下で前記第1閾値より少ない第2閾値を越えている場合に、前記遠隔操縦回避制御命令として、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする可能性を現在の可能性より低い可能性にするように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦抑制制御命令を作成し、前記未使用遠隔操縦装置の数が前記第2閾値以下となった場合に、前記遠隔操縦回避制御命令として、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする場合に前記非対象車両に対して即座の遠隔操縦が可能となるように前記非対象車両
を自律走行させるための遠隔操縦待機制御命令を作成するようにしてもよい。
【0038】
この構成によれば、未使用遠隔操縦装置の数が第1閾値以下で第1閾値より少ない第2閾値を越えている場合に、遠隔操縦回避制御命令として、非対象車両が遠隔操縦を必要とする可能性を現在の可能性より低い可能性にするように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦抑制制御命令を作成し、未使用遠隔操縦装置の数が第2閾値以下となった場合に、遠隔操縦回避制御命令として、非対象車両が遠隔操縦を必要とする場合に非対象車両に対して即座の遠隔操縦が可能となるように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦待機制御命令を作成しているので、未使用遠隔操縦装置の数が第1閾値以下で第2閾値を越えており、未使用遠隔操縦装置の数にある程度余裕があり、次の遠隔操縦にある程度対応可能な状況にある場合は、遠隔操縦を必要とする可能性が低くなるように非対象車両を走行させることができるとともに、未使用遠隔操縦装置の数が第2閾値以下となり、未使用遠隔操縦装置の数にあまり余裕がない場合は、即座の遠隔操縦が可能となるように非対象車両を走行させることができる。
【0039】
前記遠隔操縦装置は、複数の遠隔操縦装置を含み、前記複数の遠隔操縦装置のうち遠隔操縦に使用されていない未使用遠隔操縦装置の数に応じて前記遠隔操縦回避制御命令を送信する前記非対象車両を変更するようにしてもよい。
【0040】
この構成によれば、複数の遠隔操縦装置のうち遠隔操縦に使用されていない未使用遠隔操縦装置の数に応じて遠隔操縦回避制御命令を送信する非対象車両を変更しているので、未使用遠隔操縦装置の数にある程度余裕がある場合は、遠隔操縦回避制御命令の実行に適した非対象車両に対してのみ遠隔操縦回避制御命令を送信し、非対象車両の遠隔操縦の必要性をある程度低減することができるとともに、他の非対象車両の円滑な走行を実現することができ、また、未使用遠隔操縦装置の数に余裕がない場合は、すべての非対象車両に対して遠隔操縦回避制御命令を送信し、非対象車両の遠隔操縦の必要性を確実に低減することができる。
【0041】
前記未使用遠隔操縦装置の数が所定範囲内にある場合に、前記非対象車両のうち所定のタスクを実行していないタスク非実行車両に対して前記遠隔操縦回避制御命令を優先的に送信するようにしてもよい。
【0042】
この構成によれば、未使用遠隔操縦装置の数が所定範囲内にある場合に、非対象車両のうち所定のタスクを実行していないタスク非実行車両に対して遠隔操縦回避制御命令を優先的に送信しているので、全体として、非対象車両のタスク効率を維持することができるとともに、非対象車両の遠隔操縦の必要性を低減することができる。
【0043】
前記未使用遠隔操縦装置の数が所定範囲内にある場合に、前記非対象車両のうち遠隔操縦を必要とする可能性が通常より高いエリア内に位置する車両に対して前記遠隔操縦回避制御命令を優先的に送信するようにしてもよい。
【0044】
この構成によれば、未使用遠隔操縦装置の数が所定範囲内にある場合に、非対象車両のうち遠隔操縦を必要とする可能性が通常より高いエリア内に位置する車両に対して遠隔操縦回避制御命令を優先的に送信しているので、遠隔操縦が必要となる可能性が高いエリア内に位置する非対象車両に対して優先的に遠隔操縦回避制御命令を出すことができ、必要以上に遠隔操縦回避制御命令を出して、非対象車両の走行効率を下げないようにすることができる。
【0045】
前記未使用遠隔操縦装置の数が所定範囲内にある場合に、前記非対象車両のうち手動運転できない非手動運転車両に対して前記遠隔操縦回避制御命令を優先的に送信するように
してもよい。
【0046】
この構成によれば、未使用遠隔操縦装置の数が所定範囲内にある場合に、非対象車両のうち手動運転できない非手動運転車両に対して遠隔操縦回避制御命令を優先的に送信しているので、手動運転可能な車両に対しては、非手動運転車両よりも遠隔操縦回避制御命令を出さないようにすることができ、必要以上に遠隔操縦回避制御命令を出して、非対象車両の走行効率を下げないようにすることができる。
【0047】
また、本開示は、以上のような特徴的な処理を実行する制御方法として実現することができるだけでなく、制御方法が実行する特徴的な処理に対応する特徴的な構成を備える制御装置又は制御システムなどとして実現することもできる。また、このような制御方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。したがって、以下の他の態様でも、上記の制御方法と同様の効果を奏することができる。
【0048】
本開示の他の態様に係る制御装置は、自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置であって、所定のイベント発生時に前記複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定する特定部と、前記対象車両が前記遠隔操縦装置の操縦に応じて前記遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成する作成部と、前記遠隔操縦回避制御命令を前記非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する通信部とを備える。
【0049】
本開示の他の態様に係る制御システムは、自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両と、前記複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置と、前記複数の自動運転車両の中から遠隔操縦の対象となる対象車両を遠隔操縦する遠隔操縦装置とを備え、前記制御装置は、所定のイベント発生時に前記複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定する特定部と、前記対象車両が前記遠隔操縦装置の操縦に応じて前記遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成する作成部と、前記遠隔操縦回避制御命令を前記非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する通信部とを備える。
【0050】
本開示の他の態様に係る制御プログラムは、自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置として、コンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記コンピュータに、所定のイベント発生時に前記複数の自動運転車両のうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、前記対象車両が前記遠隔操縦装置の操縦に応じて前記遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、前記非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように前記非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成し、前記遠隔操縦回避制御命令を前記非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する、処理を実行させる。
【0051】
そして、上記のようなコンピュータプログラムを、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。また、本開示の一実施の形態に係る装置又はシステムの構成要素の一部とそれ以外の構成要素とを複数のコンピュータに分散させたシステムとして構成してもよい。
【0052】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すためのものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が想到する範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。
【0053】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0054】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における制御システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示す制御システムは、制御装置1、複数の自動運転車両21~2i、複数の遠隔操縦装置31~3j、及び複数の表示装置41~4k(ここで、i、j、kは任意の正整数)とを備える。なお、本実施の形態では、複数の自動運転車両21~2i、複数の遠隔操縦装置31~3j、及び複数の表示装置41~4kを例に説明するが、この例に特に限定されず、1台の自動運転車両、1台の遠隔操縦装置、及び1台の表示装置を用いてもよい。
【0055】
制御装置1、複数の自動運転車両21~2i、複数の遠隔操縦装置31~3j、及び複数の表示装置41~4kは、インターネット、専用回線等の所定の有線又は無線のネットワーク5を介して、相互に通信可能に接続されている。
【0056】
複数の自動運転車両21~2iの各々は、例えば、米国のSAEインターナショナル(SAE International)が定めたJ3016の定義によるレベル4(High Driving Automation)又はレベル5(Full DrivingAutomation)の自動運転を行い、無人の状態で走行する。なお、自動運転車両21~2iは、上記の例に特に限定されず、例えば、レベル1~3の自動運転を行う自動運転車両やレベル0の運転を行う通常車両(運転者が手動運転する手動運転車両)であってもよい。
【0057】
自動運転車両21~2iは、自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置31~3jにより遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成されている。自動運転車両21~2iは、自律走行モードで所定のタスクを実行する車両である。所定のタスクとしては、例えば、宅配等の物の配送サービスのタスク、タクシーサービス等の人の配送サービスのタスク等が該当する。
【0058】
通常のタスク実行状態では、自動運転車両21~2iは、自律走行モードに設定され、自律走行している。自動運転車両21~2iは、自身の走行状態に関する映像を撮影する。
【0059】
複数の表示装置41~4kは、遠隔地にある自動運転車両21~2iが撮影した映像を表示する。複数の遠隔操縦者P1~Pl(ここで、lは任意の正整数)は、複数の遠隔操縦装置31~3jを用いた遠隔操縦を行っていない場合、表示装置41~4kに表示された自動運転車両21~2iの映像を見ながら、遠隔地にある自動運転車両21~2iの走行状態を遠隔監視している。なお、遠隔操縦者P1~Plの数は、上記の例に特に限定されず、一人であってもよい。また、必ずしも自動運転車両21~2iの映像を見ながら遠隔監視を行う必要はなく、例えば、地図上に車両位置をマッピングさせた情報を表示して遠隔監視してもよく、自動運転車両21~2iを遠隔監視するための表示であれば、任意
のものであってもよい。
【0060】
一方、所定のイベント発生時に、自動運転車両21~2iは、自律走行モードから遠隔操縦モードへの切り替えを要求する遠隔操縦要求を制御装置1に送信する。制御装置1は、遠隔操縦者P1~Plが遠隔操縦装置31~3jを用いて遠隔操縦を行うことが可能な場合に、遠隔操縦要求を受け入れ、自動運転車両21~2iの走行モードを自律走行モードから遠隔操縦モードに切り替える。
【0061】
なお、遠隔操縦要求の送信方法は、上記の例に特に限定されず、例えば、遠隔操縦者P1~Plが表示装置41~4kに表示された自動運転車両21~2iの走行状態を遠隔監視しているときに、遠隔操縦者P1~Plが遠隔操縦の必要性を判断し、表示装置41~4k又は遠隔操縦装置31~3jを用いて、遠隔操縦が必要と判断した自動運転車両に対する遠隔操縦要求を制御装置1に送信する等の種々の変更が可能である。
【0062】
自動運転車両21~2iは、遠隔操縦モードに切り替えられた後、遠隔操縦者P1~Plが遠隔操縦できるように、車速、現在位置、操舵角等の車両本体に関する車両状態情報と、自動運転車両21~2iの周囲環境を撮影した周囲環境情報とを含む車両情報を制御装置1及び遠隔操縦装置31~3jに定期的又は所定のタイミングで送信する。また、自動運転車両21~2iは、現在行っているタスクを示すタスク情報を制御装置1に送信し、後述する車両情報記憶部132(図2参照)は、車両情報として、タスク情報を記憶する。また、車両情報記憶部132は、車両情報として、自動運転車両21~2iが走行する道路等に関する地図情報、及び自動運転車両21~2iが手動運転できない非手動運転車両であるか否かを示す情報等を予め記憶している。
【0063】
制御装置1は、例えば、プロセッサ、メモリ、外部記憶装置、及び通信装置等を備えるクラウドサーバ等から構成される。制御装置1は、自動運転車両21~2iからの車両情報を受信して記憶する。
【0064】
遠隔操縦装置31~3jは、自動運転車両21~2iからの車両情報を受信して表示し、遠隔操縦者P1~Plは、遠隔操縦装置31~3jを用いて自動運転車両21~2iを遠隔操縦する。遠隔操縦装置31~3jは、遠隔操縦者P1~Plにより入力された遠隔操縦指令を自動運転車両21~2iに送信する。自動運転車両21~2iは、遠隔操縦装置31~3jから遠隔操縦指令を受信すると、その指令に従って遠隔操縦モードで走行する。
【0065】
ここで、上記の所定のイベント発生時とは、自動運転車両21~2iに遠隔操縦が必要となる状況が発生したときであり、具体的には、自動運転車両21~2iに事故が発生したとき、自動運転車両21~2iが自律走行モードで走行できなくなったとき等が該当する。例えば、雪、雨、風等の悪天候により環境状況が悪化した場合、多数の人で道路が混雑した場合、道路上に多数のゴミ等の障害物が散乱されている場合、又は後述するセンサ部214(図3参照)が故障した場合等においては、道路上の標識や障害物などの物体を誤認識したり、自己位置を把握できなくなったりするため、自動運転車両21~2iが自律走行モードで走行することができない状況となる。
【0066】
上記のイベントが自動運転車両21に発生し、例えば、遠隔操縦可能な遠隔操縦者が遠隔操縦者P1の一人であった場合、遠隔操縦者P1が遠隔操縦装置31を用いて自動運転車両21の遠隔操縦を開始すると、遠隔操縦者P1は、他の自動運転車両22~2iの走行状態を表示している表示装置41~4kを見ることができなくなり、表示装置41~4kを用いた遠隔監視を行うことができなくなる。また、この状態で、さらに、上記のイベントが他の自動運転車両22~2iに発生して遠隔操縦要求が送信された場合、他の自動
運転車両22~2iを遠隔操縦することができない。
【0067】
このため、制御装置1は、所定のイベント発生時に複数の自動運転車両21~2iの中から遠隔操縦の対象となる対象車両を特定し、対象車両が遠隔操縦装置31~3jの操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、複数の自動運転車両21~2iのうち対象車両以外の非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成し、作成した遠隔操縦回避制御命令を非対象車両のうち少なくとも一部の車両に送信する。
【0068】
具体的には、制御装置1は、作成した遠隔操縦回避制御命令をすべての非対象車両に送信し、非対象車両は、受信した遠隔操縦回避制御命令を実行するか否かを判断し、遠隔操縦回避制御命令が自身の状況に適している場合、遠隔操縦回避制御命令を実行し、遠隔操縦回避制御命令が自身の状況に適していない場合、遠隔操縦回避制御命令を実行しない。この場合、遠隔操縦回避制御命令は、どの非対象車両が遠隔操縦回避制御命令の対象となるかの条件を示す情報を含むことが好ましい。
【0069】
例えば、遠隔操縦回避制御命令が後述する幅員拡大制御命令(狭い道路から広い道路に移動させる命令)である場合、制御装置1は、すべての非対象車両に幅員拡大制御命令に送信し、非対象車両のうち、狭い道路を走行している非対象車両は、幅員拡大制御命令を実行し、広い道路を走行している非対象車両は、幅員拡大制御命令を実行しない。
【0070】
また、制御装置1は、作成した遠隔操縦回避制御命令の送信対象となる非対象車両を特定し、特定した非対象車両に対してのみ遠隔操縦回避制御命令を送信するようにしてもよい。例えば、遠隔操縦回避制御命令が後述する幅員拡大制御命令である場合、制御装置1は、後述する車両情報記憶部132(図2参照)を参照して、非対象車両の車両位置及び地図情報から、非対象車両のうち狭い道路を走行している車両を特定し、その車両に対してのみ幅員拡大制御命令を送信するようにしてもよい。
【0071】
図2は、図1に示す制御装置1の構成の一例を示すブロック図であり、図3は、図1に示す自動運転車両21の構成の一例を示すブロック図であり、図4は、図1に示す遠隔操縦装置31の構成の一例を示すブロック図である。なお、図3及び図4では、図示を簡略化して、複数の自動運転車両21~2i及び複数の遠隔操縦装置31~3jのうち自動運転車両21及び遠隔操縦装置31のみを図示しているが、他の自動運転車両22~2i及び他の遠隔操縦装置32~3jも、自動運転車両21及び遠隔操縦装置31と同様に構成されて同様に動作するので、以下の説明では、自動運転車両21及び遠隔操縦装置31を用いて、複数の自動運転車両21~2i及び複数の遠隔操縦装置31~3jの構成及び動作を説明する。
【0072】
図2に示す制御装置1は、通信部11、制御部12、及び記憶部13を備え、制御部12は、要求受入部121、車両特定部122、及び制御命令作成部123を備え、記憶部13は、装置情報記憶部131、車両情報記憶部132、及び制御プログラム記憶部133を備える。
【0073】
図3に示す自動運転車両21は、通信部211、撮影部212、位置測定部213、センサ部214、駆動部215、制御部216、及び記憶部217を備え、制御部216は、通信制御部261、及び走行制御部262を備え、記憶部217は、地図情報記憶部271、経路情報記憶部272、及び自動運転プログラム記憶部273を備える。
【0074】
図4に示す遠隔操縦装置31は、通信部311、出力部312、入力部313、制御部314、及び記憶部315を備える。なお、遠隔操縦装置31の構成は、この例に特に限
定されず、制御装置1の機能の一部又はすべてを遠隔操縦装置31に含める構成であってもよい。
【0075】
自動運転車両21の制御部216は、例えば、CPU(中央演算処理装置)等から構成され、通信制御部261及び走行制御部262として機能する。記憶部217は、例えば、半導体メモリ等から構成され、地図情報記憶部271、経路情報記憶部272、及び自動運転プログラム記憶部273として機能する。通信制御部261は、通信部211、撮影部212、位置測定部213、及びセンサ部214等を制御する。
【0076】
撮影部212は、例えば、自動運転車両21の周辺を撮影するための複数のカメラ等から構成され、自動運転車両21の前方、後方、右側方、及び左側方のそれぞれに取り付けられる。撮影部212は、自動運転車両21の周辺を撮影した撮影情報を周囲環境情報として制御部216及び通信部211に出力する。
【0077】
なお、撮影部212は、上記の例に特に限定されず、自動運転車両21の周辺を撮影できる構成であれば、カメラの搭載位置や搭載台数等を変更してもよい。例えば、右側方(又は左側方)のカメラをそれぞれ車両の右前方(又は左前方)及び右後方(又は左後方)の2箇所に搭載する構成であってもよい。また、別の構成例として、全方位カメラ1台を車両の中央に搭載する構成であってもよい。
【0078】
撮影部212で撮影された撮影情報は、周囲環境情報として、通信部211を介して、遠隔操縦装置31に送信され、遠隔操縦者P1が遠隔操縦装置31を用いて自動運転車両21を遠隔操縦する場合、その周囲環境情報を確認して、遠隔操縦を行う。なお、撮影部212で撮影される撮影情報は、視覚的な情報だけでなく、聴覚的な情報も合わせて記録された撮影情報であることが好ましい。この場合、撮影部212は、例えば、カメラとマイクとで構成される。
【0079】
位置測定部213は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機等から構成され、自動運転車両21の現在位置を示す車両位置情報を定期的に測定して取得し、車両位置情報を車両状態情報として制御部216及び通信部211に出力する。車両位置情報は、例えば、緯度及び経度で表される。
【0080】
センサ部214は、自動運転車両21の周辺環境の情報及び自動運転車両21の状態に関する情報をセンシングし、センシングしたセンサ情報を周囲環境情報として制御部216及び通信部211に出力する。自動運転車両21の周辺環境の情報をセンシングするセンサ部214としては、例えば、LIDAR(Light Detection and
Ranging)やミリ波レーダーを用いることができる。
【0081】
LIDARは、赤外線レーザを照射し、物体で反射して戻るまでの時間を計測して、周囲にあるモノの距離や相対速度を検知する。これにより、周辺環境の3次元的な構造を読み取ることができる。
【0082】
また、ミリ波レーダーは、LIDARと同様の計測を行うが、赤外線レーザではなく、電波を用いて、計測を行う。赤外線を用いるLIDARは夜間でも使えるが、悪天候では機能が低下してしまうため、電波を使うミリ波レーダーの分解能はLIDARよりも劣るものの、天候に関わらず検知可能であり、ミリ波レーダーによりLIDARで計測できない場合を補完することができる。
【0083】
自動運転車両21の周辺環境の情報をセンシングするセンサ部214でセンシングされたセンサ情報は、自動運転車両21の走行モードが自律走行モードの場合、自律走行する
際に利用され、また、自動運転車両21の走行モードが遠隔操縦モードの場合、撮影部212で撮影された撮影情報と併せて周囲環境情報として、遠隔操縦装置31に送信される。
【0084】
自動運転車両21の状態をセンシングするセンサ部214としては、舵角センサ、車速センサ、走行距離計、慣性センサなどがある。舵角センサは、前輪の角度を検出する。車速センサは、自動運転車両21の移動速度を検出する。走行距離計は、タイヤの回転数を計測して、自動運転車両21が移動した距離を計測する。慣性センサは、3軸の角速度センサと3方向の加速度センサとからなる慣性運動量を検出するセンサであり、自動運転車両21の挙動を検知する。
【0085】
なお、センサ部214でセンシングされたセンサ情報は、自動運転車両21の走行モードが自律走行モードの場合、自律走行する際に利用され、また、自動運転車両21の走行モードが遠隔操縦モードの場合、自動運転車両21の車両本体に関する車両状態情報として、遠隔操縦装置31に送信される。
【0086】
通信部211は、通信制御部261の制御の下、制御装置1及び遠隔操縦装置31と無線通信を行い、制御装置1及び遠隔操縦装置31に対して、自動運転車両21の車速、現在位置、操舵角などの車両本体に関する車両状態情報と、自動運転車両21の周囲環境を撮影した周囲環境情報とを含む車両情報を送信する。また、通信部211は、遠隔操縦装置31から自動運転車両21が遠隔操縦モードで走行することを指示する遠隔操縦指令を受信する。なお、通信部211は、一般的な無線通信装置の他、無線LAN(Local
Area Network)、携帯電話、又はPHS(personal handyphone system)等を用いてもよい。
【0087】
駆動部215は、自動運転車両21がエンジン車両である場合、例えば、エンジン及びトランスミッション等から構成される。また、自動運転車両21が狭義の電気自動車(battery vehicle)である場合、駆動部215は、例えば、走行モータ及びトランスミッション等から構成される。これらのエンジン及び走行モータは、いずれもイグニッションスイッチを介して始動及び停止が行われる。さらに、駆動部215は、アクセル装置やブレーキ装置も含み、車両の加速及び減速を行う。
【0088】
地図情報記憶部271は、地図情報を予め記憶している。地図情報には、例えば、道路リンクに関する道路データ、交差点に関する交差点データ、施設に関するデータ、道路上に設置又は形成された表示物を示す地物データなどから構成される。地図情報は、自動運転車両21が自律走行モードで自律走行する際に利用する経路情報を生成する場合に利用される。
【0089】
経路情報記憶部272は、自動運転車両21の出発地から目的地までの経路を示す経路情報を記憶している。経路情報は、既存の経路生成プログラムなどにより、生成することが可能であり、自動運転車両21は、例えば、外部のサーバなどにより生成された経路情報をサーバから受信することにより取得することができる。また、自動運転車両21は、所定の経路生成プログラムを有し、経路生成プログラムを実行することにより、経路情報を生成して経路情報記憶部272に記憶するようにしてもよい。
【0090】
自動運転プログラム記憶部273は、自動運転車両21を自律走行モード及び遠隔操縦モードで走行させるため種々のプログラムを予め記憶している。
【0091】
走行制御部262は、自動運転プログラム記憶部273に記憶されている自動運転プログラムを実行する。走行制御部262は、自動運転プログラムに従って、撮影部212が
撮影した撮影情報、位置測定部213が測定した自動運転車両21の車両位置を示す車両位置情報、及びセンサ部214がセンシングしたセンサ情報等に基づき、駆動部215を制御する。
【0092】
具体的には、走行制御部262は、自動運転車両21を自律走行モードで自律走行させるように駆動部215等を制御し、又は、遠隔操縦装置31による遠隔操縦に従い、自動運転車両21を遠隔操縦モードで走行するように駆動部215等を制御する。
【0093】
また、走行制御部262は、車両状態情報及び周囲環境情報から上記の所定のイベントが自動運転車両21に発生したことを検知し、通信部211を用いて、自律走行モードから遠隔操縦モードへの切り替えを要求する遠隔操縦要求を制御装置1に送信する。
【0094】
遠隔操縦装置31の通信部311は、自動運転車両21と通信を行い、自動運転車両21から自動運転車両21の車速、現在位置、操舵角などの車両本体に関する車両状態情報と、自動運転車両21の周囲環境を撮影した周囲環境情報とを含む車両情報を受信する。なお、通信部311は、一般的な通信装置の他、WAN(Wide Area Network)、無線LAN、携帯電話、又はPHS等を用いてもよい。
【0095】
出力部312は、例えば、液晶ディスプレイ等から構成され、通信部311を介して、自動運転車両21から受信した、自動運転車両21の車速、現在位置、操舵角などの車両本体に関する車両状態情報や自動運転車両21の周囲環境を撮影した周囲環境情報等を表示する。車両状態情報及び周囲環境情報の表示方法は、公知の表示方法を用いることができ、例えば、1つのディスプレイ上に同時に表示したり、別々のディスプレイにそれぞれの情報を表示したりしてもよい。また、周囲環境情報が、複数のカメラで撮影された撮影情報である場合、カメラ毎に撮影された撮影情報を別々に表示してもよいし、カメラ毎に撮影された撮影情報を統合し、統合した撮影情報を表示してもよい。なお、出力部312を表示装置41~4kとして用いてもよく、この場合、出力部312と表示装置41~4kとは同一の装置となる。
【0096】
制御装置1は、遠隔操縦要求を受け入れた場合、遠隔操縦要求の受入指示を、遠隔制御可能な遠隔操縦装置31に送信し、通信部311は、遠隔操縦要求の受入指示を受信して制御部314に出力する。制御部314は、記憶部315から遠隔操縦装置31の識別情報を読み出し、通信部311を用いて、読み出した識別情報を制御装置1に送信する。
【0097】
入力部313は、例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック等から構成され、遠隔操縦者P1が、各種操縦を行うために使用される。遠隔操縦者P1は、入力部313を介して、自動運転車両21の車速及び操舵量等を指定する命令操縦量等を、自動運転車両21を遠隔操縦するための走行指示として入力する。なお、入力部313は、車両を実際に操縦するときと同じ操縦環境、例えば、ハンドル、ブレーキ、アクセル等から構成してもよい。この場合、遠隔操縦者P1は、実際に車両を運転しているような感覚で、走行指示を入力することが可能である。
【0098】
記憶部315は、例えば、半導体メモリ等から構成され、自動運転車両21を遠隔操縦するための遠隔操縦アプリケーションプログラム、自動運転車両21から受信した情報、遠隔操縦者P1から入力された情報等の種々の情報を記憶する。制御部314は、例えば、CPU等から構成され、記憶部315の遠隔操縦アプリケーションプログラムを実行し、通信部311、出力部312、入力部313等を制御することにより、遠隔操縦装置31の種々の制御を行う。
【0099】
遠隔操縦者P1は、出力部312に表示された情報を確認しながら、入力部313を用
いて、自動運転車両21を遠隔操縦する。通信部311は、制御部314の制御の下、入力部313で入力された自動運転車両21の走行指示等を含む、自動運転車両21を遠隔操縦するための遠隔操縦指令を自動運転車両21に送信する。
【0100】
制御装置1の記憶部13は、例えば、半導体メモリ等から構成され、装置情報記憶部131、車両情報記憶部132、及び制御プログラム記憶部133として機能する。
【0101】
装置情報記憶部131は、各遠隔操縦装置31~3jの識別番号を予め記憶している。ここで、識別番号としては、各遠隔操縦装置31~3jを個別に識別することができれば、種々の情報を用いることができ、例えば、各遠隔操縦装置31~3jのIPアドレス(Internet Protocol address)を用いることができる。通信部11は、遠隔操縦に使用される遠隔操縦装置から当該遠隔操縦装置を識別するための識別情報を受信して装置情報記憶部131に記憶させる。
【0102】
車両情報記憶部132は、各自動運転車両21~2iの識別番号を予め記憶している。ここで、識別番号としては、各自動運転車両21~2iを個別に識別することができれば、種々の情報を用いることができ、例えば、各自動運転車両21~2iのIPアドレスを用いることができる。通信部11は、自動運転車両21~2iから車両情報を受信して車両情報記憶部132に記憶させる。
【0103】
制御部12は、例えば、CPU等から構成され、制御プログラム記憶部133に記憶されている所定の制御プログラムを実行することにより、要求受入部121、車両特定部122、及び制御命令作成部123として機能する。
【0104】
通信部11は、自動運転車両21~2iのうち一の自動運転車両から遠隔操縦要求を受信して要求受入部121に出力する。
【0105】
要求受入部121は、一の自動運転車両からの遠隔操縦要求の受け入れが可能か否かを判断する。具体的には、要求受入部121は、装置情報記憶部131を参照して、すべての遠隔操縦装置31~3jの識別番号の中に現在遠隔操縦に使用されている遠隔操縦装置の識別番号以外の識別番号があるか否かを判断する。要求受入部121は、現在遠隔操縦に使用されている遠隔操縦装置の識別番号以外の識別番号、すなわち遠隔操縦に使用されていない遠隔操縦装置の識別番号がある場合は、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断し、遠隔操縦に使用されていない遠隔操縦装置の識別番号がない場合は、遠隔操縦要求の受け入れができないと判断する。
【0106】
要求受入部121は、遠隔操縦要求の受け入れができないと判断した場合、通信部11を用いて、停止することを指示する停止制御命令を、遠隔操縦要求を送信した自動運転車両に送信し、自動運転車両は、停止制御命令に従って停止する。なお、遠隔操縦要求の受け入れができない場合の対処方法は、上記の例に特に限定されず、他の対処方法を用いてもよい。
【0107】
一方、要求受入部121は、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断した場合、通信部11を用いて、遠隔操縦要求を送信した自動運転車両を遠隔操縦することを指示する遠隔操縦指示を、遠隔操縦に使用されていない未使用遠隔操縦装置に送信し、遠隔操縦要求を受け入れる。未使用遠隔操縦装置の通信部311は、遠隔操縦指示を受信して出力部312に出力する。出力部312は、遠隔操縦指示を表示し、操縦者は、入力部313を用いて、遠隔操縦要求を送信した自動運転車両を遠隔操縦する。
【0108】
また、要求受入部121は、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断した自動運転車両、
すなわち遠隔操縦の対象となる対象車両の識別番号を車両情報記憶部132に記憶するとともに、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断した結果を車両特定部122に通知する。
【0109】
車両特定部122は、上記の所定のイベント発生時、すなわち、所定のイベントが発生した一の自動運転車両が遠隔操縦要求を送信し、遠隔操縦要求が受け入れられた場合、複数の自動運転車両21~2iのうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、特定した非対象車両を制御命令作成部123に通知する。具体的には、車両特定部122は、車両情報記憶部132を参照して、すべての自動運転車両21~2iの識別番号の中から対象車両の識別番号以外の識別番号を有する自動運転車両を非対象車両として特定し、非対象車両の識別番号を制御命令作成部123に通知する。
【0110】
制御命令作成部123は、対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成して通信部11に出力する。
【0111】
通信部11は、作成された遠隔操縦回避制御命令を非対象車両に送信する。なお、遠隔操縦回避制御命令の送信タイミングは、この例に特に限定されず、要求受入部121が遠隔操縦要求の受け入れを可能と判断した後であれば、任意のタイミングを用いることができる。
【0112】
複数の自動運転車両21~2iのうち、対象車両は、遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行し、残りの非対象車両は、自律走行モードで遠隔操縦回避制御命令に従った走行を行い、遠隔操縦を必要とする状況を回避する。
【0113】
次に、上記の制御命令作成部123で作成される遠隔操縦回避制御命令について、具体的に説明する。
【0114】
例えば、遠隔操縦回避制御命令は、非対象車両が遠隔操縦を必要とする可能性を現在の可能性より低い可能性にするように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦抑制制御命令を含み、遠隔操縦抑制制御命令は、非対象車両が現在の速度より低い速度で走行するように非対象車両を自律走行させるための速度抑制制御命令を含む。
【0115】
この場合、制御命令作成部123は、遠隔操縦抑制制御命令の一例として、速度抑制制御命令を作成し、非対象車両は、速度抑制制御命令従い、現在の速度より低い速度、例えば、法定速度より5km/hだけ低い速度で走行する。なお、遠隔操縦抑制制御命令は、上記の例に特に限定されず、加速時の加速度を所定値だけ低減したり、道路を曲がるときの速度を所定値だけ減速して曲がったり、他の車両の追い越しを禁止する等の種々の変更が可能である。
【0116】
また、遠隔操縦抑制制御命令は、非対象車両が自律走行できなくなる可能性を現在の可能性より低い可能性にするように非対象車両を自律走行させるための自立走行維持制御命令を含み、自立走行維持制御命令は、非対象車両が複数車線の道路を走行している場合、複数車線のうち中央線側の車線を走行するように非対象車両を自律走行させるための中央側走行制御命令を含む。この場合、制御命令作成部123は、自立走行維持制御命令の一例として、中央側走行制御命令を作成し、非対象車両は、複数車線のうち中央線側の車線(3車線以上の場合は、最も左側の車線以外の車線)を走行する。
【0117】
左側車線には、駐車している車両があったり、自転車やバイクが走行する可能性が高く、また、歩行者が車道を歩く場合もあり、左側車線の走行では、センサ部214が多くの
種類の物を検知する。そのため、センサ部214が正確にセンシングできなかったり、センシングデータから正確に物を認識することができなかったりする場合が発生し、自律走行モードでの走行ができなくなる可能性があり、遠隔操縦を要求する可能性が相対的に高い。したがって、複数車線のうち中央線側の車線を走行することにより、非対象車両が自律走行できなくなる可能性を低減することができる。
【0118】
また、自立走行維持制御命令は、幅員が所定値より狭い道路を非対象車両が走行している場合、幅員が所定値以上の道路を非対象車両が走行するように非対象車両を自律走行させるための幅員拡大制御命令を含む。この場合、制御命令作成部123は、自立走行維持制御命令の一例として、幅員拡大制御命令を作成し、非対象車両は、幅員が所定値以上の道路にルート変更して走行する。
【0119】
幅員が狭い道路の場合、幅員が広い道路に比べて、走行時に種々の回避走行が行いにくいため、ちょっとした障害物を検知した場合などでも、非対象車両が自律的に判断して走行することが困難になり、遠隔操縦を要求する可能性が相対的に高い。したがって、幅員が所定値以上の道路にルート変更して走行することにより、非対象車両が自律走行できなくなる可能性を低減することができる。なお、幅員拡大制御命令は、上記の例に特に限定されず、幅員でなく、道路種別を用いてもよい。例えば、生活道路を走行している非対象車両に対して、幹線道路を走行するようにルート変更を指示する等の種々の変更が可能である。
【0120】
また、自立走行維持制御命令は、対象車両の走行モードが自律走行モードから遠隔操縦モードに切り替えられた地点を含む所定範囲の走行回避領域を非対象車両が走行しないように非対象車両を自律走行させるためのルート変更制御命令を含む。この場合、制御命令作成部123は、車両情報記憶部132を参照して、対象車両の走行モードが自律走行モードから遠隔操縦モードに切り替えられた地点を検出して、自立走行維持制御命令の一例として、ルート変更制御命令を作成し、非対象車両は、対象車両の走行モードが自律走行モードから遠隔操縦モードに切り替えられた地点を含む走行回避領域を走行しないようにルート変更して走行する。
【0121】
なお、制御命令作成部123は、対象車両の走行モードが自律走行モードから遠隔操縦モードに切り替えられた要因に応じて、ルート変更制御命令を送信するか否かを判断するようにしてもよい。例えば、上記の要因が、対象車両のセンサ部214の故障である場合、制御命令作成部123は、ルート変更制御命令を送信しない。これは、非対象車両のセンサ部214が故障していなければ、この場所を走行しても、遠隔操縦モードに切り替える必要がないからである。
【0122】
一方、上記の要因が、対象車両のセンサ部214の故障ではなく、正確なセンシングができないことである場合、制御命令作成部123は、ルート変更制御命令を送信する。これは、非対象車両であっても、遠隔操縦モードに切り替える可能性が高いからである。また、センサ部214の各センサの種類や配置が原因で正確にセンシングできない可能性もあるので、制御命令作成部123は、対象車両とセンサ部214が同一又は類似する非対象車両、例えば、同じ型番の車両、同じ車種の車両、センシング方式が同一の車両等に限定して、ルート変更制御命令を送信するようにしてもよい。
【0123】
また、車両情報記憶部132に、過去に対象車両の走行モードが自律走行モードから遠隔操縦モードに切り替えられた地点の履歴を示す遠隔操縦切替地点履歴情報を記憶し、制御命令作成部123は、車両情報記憶部132の遠隔操縦切替地点履歴情報に基づき、ルート変更するルート変更制御命令を送信するようにしてもよい。また、他の非対象車両から遠隔操縦要求を受信した場合、制御命令作成部123は、その車両の位置を含まないよ
うにルート変更するルート変更制御命令を送信するようにしてもよい。
【0124】
また、自立走行維持制御命令は、非対象車両を走行させるための燃料又は電気の補給を促進するように非対象車両を自律走行させるための補給促進制御命令を含む。この場合、制御命令作成部123は、自立走行維持制御命令の一例として、補給促進制御命令を作成し、非対象車両は、燃料又は電気の補給を促進するように走行して燃料又は電気を補給する。これは、燃料又は電気の補給ために、非対象車両は停車することとなり、停車した非対象車両を増加させることより、遠隔操縦を要求する可能性がある非対象車両を減らすことができるからである。例えば、非対象車両が電気自動車である場合、非対象車両は、記憶部217に充電を行う残バッテリ容量の閾値を記憶しておき、補給促進制御命令を受信した場合、走行制御部262は、残バッテリ容量の閾値を増加させ、より積極的に充電を行うようにしてもよい。
【0125】
また、制御命令作成部123は、非対象車両のうち特定の車両を選択して補給促進制御命令を送信するようにしてもよい。例えば、残バッテリ容量が少ない非対象車両を選択したり、充電場所が近くにある非対象車両を選択したり、充電場所が走行予定ルートの近くにある非対象車両を選択したりしてもよい。なお、選択する非対象車両の台数は、上記の条件に合う車両のすべてや任意の台数であってもよいし、上位数台を選択してもよい。
【0126】
また、遠隔操縦回避制御命令は、非対象車両が遠隔操縦を必要とする場合に非対象車両に対して即座の遠隔操縦が可能となるように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦待機制御命令を含む。遠隔操縦待機制御命令は、非対象車両が複数車線の道路を走行している場合、複数車線のうち中央線と反対側の車線を走行するように非対象車両を自律走行させるための側道側走行制御命令を含む。
【0127】
この場合、制御命令作成部123は、遠隔操縦待機制御命令の一例として、側道側走行制御命令を作成し、非対象車両は、複数車線の道路を走行している場合、複数車線のうち中央線と反対側の車線を走行する。例えば、非対象車両が複数車線を有する道路を走行している場合、左側車線を走行するように制御される。したがって、遠隔操縦が必要になった場合に停車して待機することになっても、即座に、路肩に停車させることができ、停車によって、後方車両の進行を止めてしまうことがないようにすることができる。
【0128】
また、遠隔操縦待機制御命令は、幅員が所定値より狭い道路を非対象車両が走行している場合、幅員が所定値以上の道路を非対象車両が走行するように非対象車両を自律走行させるための幅員拡大制御命令を含む。この場合、制御命令作成部123は、遠隔操縦待機制御命令の一例として、幅員拡大制御命令を作成し、非対象車両は、幅員が所定値以上の道路にルート変更して走行する。これは、幅員が狭い道路の場合、非対象車両が停車してしまうと、後方車の進行を妨げるなど他の車両の迷惑になる可能性があるが、車幅が広い道路の場合は、相対的にその可能性が低いからである。
【0129】
なお、制御命令作成部123は、非対象車両の状況に応じて、上記の各遠隔操縦回避制御命令を個別に送信するようにしてもよいし、複数の遠隔操縦回避制御命令を任意に組み合わせて送信してもよい。
【0130】
次に、上記のように構成された制御装置1による遠隔操縦回避制御処理について説明する。図5は、図1に示す制御装置1による遠隔操縦回避制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0131】
まず、複数の自動運転車両21~2iのうち一の自動運転車両に上記の所定のイベントが発生し、当該自動運転車両が遠隔操縦要求を送信すると、制御装置1の通信部11は、
遠隔操縦要求を受信して要求受入部121に出力する(ステップS11)。
【0132】
次に、要求受入部121は、装置情報記憶部131を参照して、遠隔操縦要求の受け入れが可能か否かを判断する(ステップS12)。遠隔操縦要求の受け入れができない場合(ステップS12でNO)、要求受入部121は、遠隔操縦要求を送信した対象車両に停止制御命令を通信部11から送信し(ステップS17)、処理を終了する。このとき、遠隔操縦要求を送信した対象車両は、停止制御命令に従って停止する。
【0133】
一方、遠隔操縦要求の受け入れが可能な場合(ステップS12でYES)、要求受入部121は、対象車両からの遠隔操縦要求を受け入れ、通信部11を用いて、対象車両を遠隔操縦することを指示する遠隔操縦指示を未使用遠隔操縦装置に送信し、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断した結果を車両特定部122に通知する(ステップS13)。
【0134】
このとき、遠隔操縦指示を受信した未使用遠隔操縦装置の出力部312は、遠隔操縦指示を表示し、操縦者が遠隔操縦指示を確認した後、入力部313は、操縦者が入力した遠隔操縦指令を対象車両に送信し、遠隔操縦要求を送信した対象車両が遠隔操縦される。
【0135】
次に、車両特定部122は、車両情報記憶部132を参照して、複数の自動運転車両21~2iのうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、特定した非対象車両を制御命令作成部123に通知する(ステップS14)。
【0136】
次に、制御命令作成部123は、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成して通信部11に出力する(ステップS15)。
【0137】
次に、通信部11は、作成された遠隔操縦回避制御命令を非対象車両に送信し(ステップS16)、処理を終了する。このとき、非対象車両は、自律走行モードで遠隔操縦回避制御命令に従った走行を行い、遠隔操縦を必要とする状況を回避する。
【0138】
上記の遠隔操縦回避制御処理により、本実施の形態では、所定のイベント発生時に複数の自動運転車両21~2iのうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、対象車両が遠隔操縦装置31~3jの操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成し、作成した遠隔操縦回避制御命令を非対象車両に送信している。
【0139】
したがって、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況に陥る可能性を低減することができるとともに、非対象車両が走行途中で遠隔操縦を待機する状況に陥る可能性を低減することができる。この結果、遠隔操縦者が表示装置41~4kを用いて複数の自動運転車両21~2iを遠隔監視しているときに、遠隔操縦者が遠隔操縦の対象となる自動運転車両の遠隔操縦に専念し易くすることができる状況を実現することができる。
【0140】
(実施の形態2)
図6は、本開示の実施の形態2における制御システムの制御装置の構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の制御システムが図1に示す制御システムと異なる点は、図2に示す制御装置1が図6に示す制御装置1aに変更された点であり、その他の点は同様であるので、同一部分に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0141】
また、本実施の形態の制御システムも、図1図3及び図4に示す複数の自動運転車両
21~2i及び複数の遠隔操縦装置31~3jを使用するので、図示及び詳細な説明を省略し、必要に応じて図1図3及び図4を代用して説明する。
【0142】
図6に示す制御装置1aは、通信部11、制御部12a、及び記憶部13aを備え、制御部12aは、要求受入部121、車両特定部122、制御命令作成部123a、及び装置数算出部124を備え、記憶部13aは、装置情報記憶部131、車両情報記憶部132、及び制御プログラム記憶部133aを備える。
【0143】
記憶部13aは、例えば、半導体メモリ等から構成され、装置情報記憶部131、車両情報記憶部132、及び制御プログラム記憶部133aとして機能する。
【0144】
制御部12aは、例えば、CPU等から構成され、制御プログラム記憶部133aに記憶されている所定の制御プログラムを実行することにより、要求受入部121、車両特定部122、制御命令作成部123a、及び装置数算出部124として機能する。
【0145】
通信部11は、自動運転車両21~2iのうち一の自動運転車両から遠隔操縦要求を受信して要求受入部121及び装置数算出部124に出力する。通信部11は、遠隔操縦に使用される遠隔操縦装置から当該遠隔操縦装置を識別するための識別情報を受信して装置情報記憶部131に記憶させる。通信部11は、自動運転車両21~2iから車両情報を受信して車両情報記憶部132に記憶させる。
【0146】
装置数算出部124は、複数の遠隔操縦装置31~3jのうち遠隔操縦に使用されていない未使用遠隔操縦装置の数を算出する。具体的には、装置数算出部124は、装置情報記憶部131を参照して、すべての遠隔操縦装置31~3jの識別番号の中から現在遠隔操縦に使用されている遠隔操縦装置の識別番号以外の識別番号の数を算出することにより、未使用遠隔操縦装置の数を算出する。
【0147】
また、装置数算出部124は、未使用遠隔操縦装置の数が所定の第1閾値以下、例えば、4台以下であるか否かを判断する。未使用遠隔操縦装置の数が第1閾値以下でない場合、装置数算出部124は、遠隔操縦要求に対する処理のみを実行するように要求受入部121に指示し、要求受入部121は、遠隔操縦要求に対する処理のみを実行し、制御命令作成部123aは、遠隔操縦回避制御命令を作成しない。一方、未使用遠隔操縦装置の数が第1閾値以下である場合、装置数算出部124は、未使用遠隔操縦装置の数を要求受入部121に通知する。
【0148】
要求受入部121は、通知された未使用遠隔操縦装置の数を基に、遠隔操縦要求の受け入れが可能か否かを判断する。例えば、要求受入部121は、未使用遠隔操縦装置の数が0の場合、遠隔操縦要求の受け入れができないと判断し、未使用遠隔操縦装置の数が1以上の場合、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断する。
【0149】
要求受入部121は、遠隔操縦要求の受け入れができないと判断した場合、通信部11を用いて、停止することを指示する停止制御命令を、遠隔操縦要求を送信した自動運転車両に送信し、自動運転車両は、停止制御命令に従って停止する。なお、遠隔操縦要求の受け入れができない場合の対処方法は、上記の例に特に限定されず、他の対処方法を用いてもよい。
【0150】
一方、要求受入部121は、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断した場合、通信部11を用いて、遠隔操縦要求を送信した自動運転車両を遠隔操縦することを指示する遠隔操縦指示を未使用遠隔操縦装置のうちの一の遠隔操縦装置に送信し、遠隔操縦要求を受け入れる。遠隔操縦に使用されていない一の遠隔操縦装置の通信部311は、遠隔操縦指示を
受信して出力部312に出力する。出力部312は、遠隔操縦指示を表示し、遠隔操縦者は、入力部313を用いて、遠隔操縦要求を送信した自動運転車両を遠隔操縦する。
【0151】
また、要求受入部121は、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断した自動運転車両、すなわち遠隔操縦の対象となる対象車両の識別番号を車両情報記憶部132に記憶するとともに、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断した結果を車両特定部122及び制御命令作成部123aに通知するとともに、未使用遠隔操縦装置の数を制御命令作成部123aに通知する。
【0152】
車両特定部122は、上記の所定のイベント発生時、すなわち、所定のイベントが発生した一の自動運転車両が遠隔操縦要求を送信し、遠隔操縦要求が受け入れられた場合、複数の自動運転車両21~2iのうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、特定した非対象車両を制御命令作成部123aに通知する。具体的には、車両特定部122は、車両情報記憶部132を参照して、すべての自動運転車両21~2iの識別番号の中から対象車両の識別番号以外の識別番号を有する自動運転車両を非対象車両として特定し、非対象車両の識別番号を制御命令作成部123aに通知する。なお、既に遠隔操縦中の自動運転車両がある場合、車両特定部122は、遠隔操縦の対象となる対象車両及び既に遠隔操縦中である自動運転車両以外を非対象車両として特定することが好ましい。
【0153】
制御命令作成部123aは、対象車両が遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行するように制御されるとき、未使用遠隔操縦装置の数に応じて、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成して通信部11に出力する。
【0154】
通信部11は、作成された遠隔操縦回避制御命令を非対象車両に送信する。なお、遠隔操縦回避制御命令の送信タイミングは、この例に特に限定されず、要求受入部121が遠隔操縦要求の受け入れを可能と判断した後であれば、任意のタイミングを用いることができる。
【0155】
複数の自動運転車両21~2iのうち、対象車両は、遠隔操縦装置の操縦に応じて遠隔操縦モードで走行し、遠隔操縦回避制御命令を受信した非対象車両は、自律走行モードで遠隔操縦回避制御命令に従った走行を行い、遠隔操縦を必要とする状況を回避する。
【0156】
次に、上記の制御命令作成部123aで作成される未使用遠隔操縦装置の数に応じた遠隔操縦回避制御命令について、具体的に説明する。
【0157】
まず、制御命令作成部123aは、複数の遠隔操縦装置31~3jのうち遠隔操縦に使用されていない未使用遠隔操縦装置の数が所定の第1閾値、例えば、4台以下となった場合に、遠隔操縦回避制御命令を作成し、作成した遠隔操縦回避制御命令を通信部11から非対象車両に送信する。この遠隔制御回避命令として、実施の形態1の種々の遠隔制御回避命令を用いることができる。
【0158】
また、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数が第1閾値以下で第1閾値より少ない第2閾値を越えている場合に、遠隔操縦回避制御命令として、非対象車両が遠隔操縦を必要とする可能性を現在の可能性より低い可能性にするように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦抑制制御命令を作成し、未使用遠隔操縦装置の数が第2閾値以下となった場合に、遠隔操縦回避制御命令として、非対象車両が遠隔操縦を必要とする場合に非対象車両に対して即座の遠隔操縦が可能となるように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦待機制御命令を作成し、作成した遠隔操縦回避制御命令を通信部11から
非対象車両に送信するようにしてもよい。
【0159】
例えば、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数が5台以上の場合、遠隔操縦回避制御命令を送信せず、2~4台の場合、遠隔操縦抑制制御命令として、上記の中央側走行制御命令を作成して送信し、1台の場合、遠隔操縦待機制御命令として、側道側走行制御命令を作成して送信する。
【0160】
また、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数に応じて遠隔操縦回避制御命令を送信する非対象車両を変更し、変更した非対象車両に遠隔操縦回避制御命令を通信部11から送信するようにしてもよい。
【0161】
また、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数が所定範囲内にある場合に、車両情報記憶部132からタスク情報を読み出して、非対象車両のうち所定のタスクを実行していないタスク非実行車両を特定し、特定したタスク非実行車両に対して遠隔操縦回避制御命令を通信部11から優先的に送信するようにしてもよい。ここで、所定のタスクとしては、上記の宅配等の物の配送サービスのタスク、タクシーサービス等の人の配送サービスのタスク等が該当する。
【0162】
例えば、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数が5台以上の場合、遠隔操縦回避制御命令を送信せず、2~4台の場合、物や人の配送タスクを実行している実行車両に対して遠隔操縦回避制御命令を送信せず、物や人の配送タスクを実行していない非実行車両に対して遠隔操縦回避制御命令を作成して送信し、1台の場合、すべての非対象車両に対して遠隔操縦回避制御命令を作成して送信する。この場合、全体として、タスク効率を維持しつつ、遠隔操縦が必要となる可能性も低下させることができる。
【0163】
なお、非実行車両に対して遠隔操縦回避制御命令を作成して送信する場合、制御命令作成部123aは、実行車両にも遠隔操縦回避制御命令を作成して送信するようにしてもよい。この場合、実行車両は、遠隔操縦回避制御命令を一旦無視して、タスクの完了後に遠隔操縦回避制御命令に従うようにしてもよい。また、実行車両にも遠隔操縦回避制御命令を作成して送信する場合、制御命令作成部123aは、タスクに関連する人、例えば、タクシーの場合は乗客に、宅配の場合は配送先の受取人に対して、遠隔操縦回避制御命令が送信されたことを通知するようにしてもよい。
【0164】
また、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数が所定範囲内にある場合に、非対象車両のうち遠隔操縦を必要とする可能性が通常より高いエリア内に位置する車両に対して遠隔操縦回避制御命令を通信部11から優先的に送信するようにしてもよい。これは、生活道路は、幹線道路や高速道路に比べ、道が狭く、人や自転車が多いため、非対象車両は、多くの物を検出する複雑な状況になる可能性が高く、遠隔操縦を要求する可能性が高いため、当該エリアを走行する非対象車両に遠隔操縦回避制御命令を優先的に送信するためである。ここで、制御命令作成部123aは、遠隔操縦を必要とする可能性が通常より高いエリアとして、車両情報記憶部132を参照して、例えば、遠隔操縦が発生した対象車両の過去の位置の履歴に基づき、遠隔操縦が必要となる可能性が高いエリアを決定し、非対象車両のうち遠隔操縦を必要とする可能性が通常より高いエリア内に位置する車両を特定することができる。
【0165】
例えば、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数が5台以上の場合、遠隔操縦回避制御命令を送信せず、2~4台の場合、遠隔操縦が必要となる可能性が高いエリア(例えば、生活道路)を走行中の非対象車両に対してのみ遠隔操縦回避制御命令を作成して送信し、1台の場合、すべての非対象車両に対して遠隔操縦回避制御命令を作成して送信する。この場合、遠隔操縦が必要となる可能性が高いエリアから優先的に遠隔操縦回
避制御命令を送信することにより、必要以上に遠隔操縦回避制御命令を出して、非対象車両の走行効率を下げないようにすることができる。
【0166】
また、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数が所定範囲内にある場合に、車両情報記憶部132を参照して、非対象車両のうち手動運転できない非手動運転車両を特定し、特定した非手動運転車両に対して遠隔操縦回避制御命令を通信部11から優先的に送信するようにしてもよい。これは、手動運転可能な手動運転車両は、遠隔操縦できない場合でも、ドライバーにより運転可能であるが、手動運転できない非手動運転車両は、ドライバーにより運転ができないためである。
【0167】
例えば、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数が5台以上の場合、遠隔操縦回避制御命令を送信せず、2~4台の場合、非対象車両のうち手動運転できない非手動運転車両に対してのみ遠隔操縦回避制御命令を作成して送信し、1台の場合、すべての非対象車両に対して遠隔操縦回避制御命令を作成して送信する。この場合、手動運転車両に対しては、非手動運転車両よりも遠隔操縦回避制御命令を送信しないようにしているので、必要以上に遠隔操縦回避制御命令を送信して、手動運転車両の走行効率を下げないようにすることができる。
【0168】
なお、非対象車両のうち、手動運転機能も付いており、且つ、ドライバーがいる車両については、制御命令作成部123aは、遠隔操縦回避制御命令を送信せず、代わりに、即座に遠隔操縦ができない旨のメッセージを送信してもよい。また、制御命令作成部123aは、遠隔操縦回避制御命令に従って運転するか否かをドライバーに問合せるようにしてもよい。また、制御命令作成部123aは、遠隔操縦の切り替えが必要になった際に、ドライバーに遠隔操縦可能になるまで待機してもらう旨を通知したり、又は、手動運転に切り替えてもらう旨を通知したりするようにしてもよい。
【0169】
次に、上記のように構成された制御装置1aによる遠隔操縦回避制御処理について説明する。図7は、図6に示す制御装置1aによる遠隔操縦回避制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0170】
まず、複数の自動運転車両21~2iのうち一の自動運転車両に上記の所定のイベントが発生し、当該自動運転車両が遠隔操縦要求を送信すると、制御装置1aの通信部11は、遠隔操縦要求を受信して要求受入部121及び装置数算出部124に出力する(ステップS21)。
【0171】
次に、装置数算出部124は、装置情報記憶部131を参照して、複数の遠隔操縦装置31~3jのうち遠隔操縦に使用されていない未使用遠隔操縦装置の数を算出(ステップS22)。
【0172】
次に、装置数算出部124は、未使用遠隔操縦装置の数が所定の第1閾値以下であるか否かを判断する(ステップS23)。未使用遠隔操縦装置の数が第1閾値以下でない場合(ステップS23でNO)、すなわち、使用可能な遠隔操縦装置の数に余裕がある場合、装置数算出部124は、遠隔操縦要求に対する処理のみを実行するように要求受入部121に指示し、要求受入部121は、対象車両からの遠隔操縦要求を受け入れ、通信部11を用いて、対象車両を遠隔操縦することを指示する遠隔操縦指示を一の未使用遠隔操縦装置に送信し(ステップS30)、遠隔操縦回避制御命令を送信することなく、処理を終了する。
【0173】
このとき、遠隔操縦指示を受信した遠隔操縦装置の出力部312は、遠隔操縦指示を表示し、操縦者が遠隔操縦指示を確認した後、入力部313は、操縦者が入力した遠隔操縦
指令を対象車両に送信し、遠隔操縦要求を送信した対象車両が遠隔操縦される。
【0174】
一方、未使用遠隔操縦装置の数が第1閾値以下である場合(ステップS23でYES)、装置数算出部124は、未使用遠隔操縦装置の数を要求受入部121に通知し、要求受入部121は、未使用遠隔操縦装置の数を基に、遠隔操縦要求の受け入れが可能か否かを判断する(ステップS24)。例えば、要求受入部121は、未使用遠隔操縦装置の数が0の場合、遠隔操縦要求の受け入れができないと判断し、未使用遠隔操縦装置の数が1以上の場合、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断する。
【0175】
遠隔操縦要求の受け入れができない場合(ステップS24でNO)、要求受入部121は、遠隔操縦要求を送信した対象車両に停止制御命令を通信部11から送信し(ステップS29)、処理を終了する。このとき、遠隔操縦要求を送信した対象車両は、停止制御命令に従って停止する。
【0176】
一方、遠隔操縦要求の受け入れが可能な場合(ステップS24でYES)、要求受入部121は、対象車両からの遠隔操縦要求を受け入れ、通信部11を用いて、対象車両を遠隔操縦することを指示する遠隔操縦指示を一の未使用遠隔操縦装置に送信し、また、遠隔操縦要求の受け入れが可能と判断した結果を車両特定部122及び制御命令作成部123aに通知するとともに、未使用遠隔操縦装置の数を制御命令作成部123aに通知する(ステップS25)。
【0177】
このとき、遠隔操縦指示を受信した遠隔操縦装置の出力部312は、遠隔操縦指示を表示し、操縦者が遠隔操縦指示を確認した後、入力部313は、操縦者が入力した遠隔操縦指令を対象車両に送信し、遠隔操縦要求を送信した対象車両が遠隔操縦される。
【0178】
次に、車両特定部122は、複数の自動運転車両21~2iのうち遠隔操縦の対象となる対象車両以外の非対象車両を特定し、特定した非対象車両を制御命令作成部123aに通知する(ステップS26)。
【0179】
次に、制御命令作成部123aは、未使用遠隔操縦装置の数に応じて、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況を回避するように非対象車両を自律走行させるための遠隔操縦回避制御命令を作成して通信部11に出力するとともに、遠隔操縦回避制御命令を送信すべき非対象車両を指定して通信部11に通知する(ステップS27)。
【0180】
次に、通信部11は、作成された遠隔操縦回避制御命令を、指定された非対象車両に送信し(ステップS28)、処理を終了する。このとき、遠隔操縦回避制御命令を受信した非対象車両は、自律走行モードで遠隔操縦回避制御命令に従った走行を行い、遠隔操縦を必要とする状況を回避する。
【0181】
上記の遠隔操縦回避制御処理により、本実施の形態では、複数の遠隔操縦装置31~3jのうち遠隔操縦に使用されていない未使用遠隔操縦装置の数が所定の第1閾値以下となった場合に、遠隔操縦回避制御命令を作成しているので、未使用遠隔操縦装置の数に余裕があり、次の遠隔操縦に対応可能な状況にある場合は、遠隔操縦回避制御命令を送信することなく、非対象車両の円滑な走行を実現することができるとともに、未使用遠隔操縦装置の数に余裕がなく、次の遠隔操縦に対応困難な状況にある場合のみ、遠隔操縦回避制御命令を送信し、対象車両の遠隔操縦時に、非対象車両が遠隔操縦を必要とする状況に陥る可能性を低減することができるとともに、非対象車両が走行途中で遠隔操縦を待機する状況に陥る可能性を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本開示に係る制御装置、制御方法、制御プログラム及び制御システムは、遠隔操縦者が複数の自動運転車両を遠隔監視しているときに、遠隔操縦者が遠隔操縦の対象となる自動運転車両の遠隔操縦に専念し易くすることができる状況を実現することができるので、自律走行を行う自律走行モードと遠隔操縦装置により遠隔操縦される遠隔操縦モードとを切り替え可能に構成された複数の自動運転車両を遠隔監視するために使用される制御装置、制御方法、制御プログラム及び制御システムとして有用である。
【符号の説明】
【0183】
1、1a 制御装置
11 通信部
12、12a 制御部
13、13a 記憶部
121 要求受入部
122 車両特定部
123、123a 制御命令作成部
124 装置数算出部
131 装置情報記憶部
132 車両情報記憶部
133、133a 制御プログラム記憶部
21~2i 自動運転車両
211 通信部
212 撮影部
213 位置測定部
214 センサ部
215 駆動部
216 制御部
217 記憶部
261 通信制御部
262 走行制御部
271 地図情報記憶部
272 経路情報記憶部
273 自動運転プログラム記憶部
31~3j 遠隔操縦装置
311 通信部
312 出力部
313 入力部
314 制御部
315 記憶部
41~4k 表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7