特許 7340674 決済サーバおよび決済方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-08-30

(45)【発行日】2023-09-07

(54)【発明の名称】決済サーバおよび決済方法

(51)【国際特許分類】

   G06Q 20/24 20120101AFI20230831BHJP

   G06Q 30/0238 20230101ALI20230831BHJP

【ＦＩ】

G06Q20/24

G06Q30/0238

【請求項の数】 12

(21)【出願番号】P 2022194761

(22)【出願日】2022-12-06

【審査請求日】2022-12-06

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】519110124

【氏名又は名称】ＰａｙＰａｙ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(74)【代理人】

【識別番号】100154852

【弁理士】

【氏名又は名称】酒井 太一

(74)【代理人】

【識別番号】100181124

【弁理士】

【氏名又は名称】沖田 壮男

(74)【代理人】

【識別番号】100194087

【弁理士】

【氏名又は名称】渡辺 伸一

(72)【発明者】

【氏名】馬場 一

(72)【発明者】

【氏名】松永 麻見

(72)【発明者】

【氏名】大塚 千壽子

【審査官】阿部 潤

(56)【参考文献】

【文献】特許第７０９７４８７（ＪＰ，Ｂ１）

【文献】特開２００６－２７７０６７（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０６Ｑ １０／００ － ９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

電子決済サービスを提供する決済サーバであって、
前記電子決済サービスの加盟者が設定した特典であって、前記電子決済サービスを利用した分割払いにおいて分割金利手数料の負担を免除する特典の設定情報を記憶する記憶部と、
利用者の端末装置からの取得要求に応じて前記特典の利用権を示す特典チケットを前記端末装置に配信する特典配信部と、
決済要求時に通信ネットワークを介して受信される決済情報に基づいて前記加盟者に対する前記利用者の支払いを電子決済により決済するための決済処理を実行する決済処理部と、
を備え、
前記決済処理部は、
前記利用者の決済履歴および前記特典チケットの配信履歴をもとに、前記利用者が過去に行った決済である実施済み決済のうち前記利用者が前記特典チケットを取得済みの決済を前記特典の適用対象である対象決済として特定し、
特定した前記対象決済について、前記特典を適用した分割払いである特定分割払いにおける分割方法が前記利用者により指定された場合、前記対象決済の支払い方法を指定された前記分割方法による前記特定分割払いに変更するものであり、
前記決済処理により前記利用者の支払いの決済が完了し、前記決済が前記特典の適用条件を満たす場合、前記決済の完了を示す画面であって、前記特典の利用申し込みを受け付けるためのユーザインタフェースを含む決済完了画面を前記利用者の操作に応じて前記利用者の端末装置に表示させ、
前記決済処理部は、前記ユーザインタフェースにより前記特典の利用申し込みを受け付けた場合に、前記特典に係る前記分割方法の指定を受け付けるとともに、前記決済の支払い方法を、前記分割方法による前記特定分割払いに変更する、
決済サーバ。

【請求項2】

電子決済サービスを提供する決済サーバであって、
前記電子決済サービスの加盟者が設定した特典であって、前記電子決済サービスを利用した分割払いにおいて分割金利手数料の負担を免除する特典の設定情報を記憶する記憶部と、
利用者の端末装置からの取得要求に応じて前記特典の利用権を示す特典チケットを前記端末装置に配信する特典配信部と、
決済要求時に通信ネットワークを介して受信される決済情報に基づいて前記加盟者に対する前記利用者の支払いを電子決済により決済するための決済処理を実行する決済処理部と、
を備え、
前記決済処理部は、
前記利用者の決済履歴および前記特典チケットの配信履歴をもとに、前記利用者が過去に行った決済である実施済み決済のうち前記利用者が前記特典チケットを取得済みの決済を前記特典の適用対象である対象決済として特定し、
特定した前記対象決済について、前記特典を適用した分割払いである特定分割払いにおける分割方法が前記利用者により指定された場合、前記対象決済の支払い方法を指定された前記分割方法による前記特定分割払いに変更するものであり、
前記利用者の決済履歴を示し、各履歴がそれぞれの決済完了画面に紐づけられた決済履歴画面であって、前記決済履歴のうち前記特典の適用条件を満たす履歴を識別可能に表示する決済履歴画面を前記利用者の端末装置に表示させ、
前記特典の適用条件を満たす履歴に紐づけられた前記決済完了画面には前記特典の利用申し込みを受け付けるためのユーザインタフェースが表示させ、
前記決済履歴画面に表示された決済履歴のうち前記特典の適用条件を満たす履歴に関し、前記ユーザインタフェースにより前記特典の利用申し込みが実施された場合に、前記特典に係る前記分割方法の指定を受け付けるとともに、前記決済の支払い方法を、前記分割方法による前記特定分割払いに変更する、
決済サーバ。

【請求項3】

電子決済サービスを提供する決済サーバであって、
前記電子決済サービスの加盟者が設定した特典であって、前記電子決済サービスを利用した分割払いにおいて分割金利手数料の負担を免除する特典の設定情報を記憶する記憶部と、
利用者の端末装置からの取得要求に応じて前記特典の利用権を示す特典チケットを前記端末装置に配信する特典配信部と、
決済要求時に通信ネットワークを介して受信される決済情報に基づいて前記加盟者に対する前記利用者の支払いを電子決済により決済するための決済処理を実行する決済処理部と、
を備え、
前記決済処理部は、
前記利用者の決済履歴および前記特典チケットの配信履歴をもとに、前記利用者が過去に行った決済である実施済み決済のうち前記利用者が前記特典チケットを取得済みの決済を前記特典の適用対象である対象決済として特定し、
特定した前記対象決済について、前記特典を適用した分割払いである特定分割払いにおける分割方法が前記利用者により指定された場合、前記対象決済の支払い方法を指定された前記分割方法による前記特定分割払いに変更し、前記特定分割払いの利用に関して前記加盟者に課される利用料の支払いを、前記加盟者に前記特定分割払いに係る前記分割金利手数料を負担させることで相殺するものであり、
前記分割方法での支払い回数に応じた分割金利手数料を前記支払い回数で按分した金額を、前記特定分割払いによる月々の支払いに応じて前記加盟者から徴収する、
決済サーバ。

【請求項4】

前記決済情報は、前記利用者の端末装置が前記加盟者により提示された二次元コードから読み取った情報に基づいて生成され、
前記決済処理部は、前記利用者の端末装置から前記決済情報を取得する、
請求項１から３のいずれか一項に記載の決済サーバ。

【請求項5】

前記決済情報は、前記加盟者の店舗端末装置が前記利用者の端末装置により提示された二次元コードから読み取った情報に基づいて生成され、
前記決済処理部は、前記加盟者の店舗端末装置から前記決済情報を取得する、
請求項１から３のいずれか一項に記載の決済サーバ。

【請求項6】

前記決済処理部は、前記特定分割払いによる１回目の支払いにおいて、前記対象決済において利用者が支払った金額のうち、前記分割方法での支払い回数に応じた月々の支払い額を相殺した金額を前記利用者に割り戻す、
請求項１から３のいずれか一項に記載の決済サーバ。

【請求項7】

前記電子決済サービスの加盟者から、前記特典の設定の登録を前記加盟者ごとに受け付ける特典登録部をさらに備える、
請求項１から３のいずれか一項に記載の決済サーバ。

【請求項8】

前記特典配信部は、前記特典の設定情報に基づいて、前記電子決済サービスの利用者の中から前記特典を適用可能な利用者を特定し、特定された利用者の端末装置に、適用可能な前記特典について前記特典チケットの取得を促す特典情報を配信する、
請求項１から３のいずれか一項に記載の決済サーバ。

【請求項9】

前記決済処理部は、前記実施済み決済のうち決済日が現在から所定の期間内に実施された決済を前記対象決済の候補として前記端末装置に通知し、前記候補の中から選択された前記対象決済について前記支払い方法の変更を行う、
請求項１から３のいずれか一項に記載の決済サーバ。

【請求項10】

電子決済サービスを提供する決済サーバが、
前記電子決済サービスの加盟者が設定した特典であって、前記電子決済サービスを利用した分割払いにおいて分割金利手数料の負担を免除する特典の設定情報を記憶し、
利用者の端末装置からの取得要求に応じて前記特典の利用権を示す特典チケットを前記端末装置に配信し、
決済要求時に通信ネットワークを介して受信される決済情報に基づいて前記加盟者に対する前記利用者の支払いを電子決済により決済するための決済処理を実行し、
前記決済処理において、
前記利用者の決済履歴および前記特典チケットの配信履歴をもとに、前記利用者が過去に行った決済である実施済み決済のうち前記利用者が前記特典チケットを取得済みの決済を前記特典の適用対象である対象決済として特定し、
特定した前記対象決済について、前記特典を適用した分割払いである特定分割払いにおける分割方法が前記利用者により指定された場合、前記対象決済の支払い方法を指定された前記分割方法による前記特定分割払いに変更するものであり、
前記決済処理により前記利用者の支払いの決済が完了し、前記決済が前記特典の適用条件を満たす場合、前記決済の完了を示す画面であって、前記特典の利用申し込みを受け付けるためのユーザインタフェースを含む決済完了画面を前記決済の完了に応じて前記利用者の端末装置に表示させ、
前記ユーザインタフェースにより前記特典の利用申し込みを受け付けた場合に、前記特典に係る前記分割方法の指定を受け付けるとともに、前記決済の支払い方法を、前記分割方法による前記特定分割払いに変更する、
決済方法。

【請求項11】

電子決済サービスを提供する決済サーバが、
前記電子決済サービスの加盟者が設定した特典であって、前記電子決済サービスを利用した分割払いにおいて分割金利手数料の負担を免除する特典の設定情報を記憶し、
利用者の端末装置からの取得要求に応じて前記特典の利用権を示す特典チケットを前記端末装置に配信し、
決済要求時に通信ネットワークを介して受信される決済情報に基づいて前記加盟者に対する前記利用者の支払いを電子決済により決済するための決済処理を実行し、
前記決済処理において、
前記利用者の決済履歴および前記特典チケットの配信履歴をもとに、前記利用者が過去に行った決済である実施済み決済のうち前記利用者が前記特典チケットを取得済みの決済を前記特典の適用対象である対象決済として特定し、
特定した前記対象決済について、前記特典を適用した分割払いである特定分割払いにおける分割方法が前記利用者により指定された場合、前記対象決済の支払い方法を指定された前記分割方法による前記特定分割払いに変更するものであり、
前記利用者の決済履歴を示し、各履歴がそれぞれの決済完了画面に紐づけられた決済履歴画面であって、前記決済履歴のうち前記特典の適用条件を満たす履歴を識別可能に表示する決済履歴画面を前記利用者の端末装置に表示させ、
前記特典の適用条件を満たす履歴に紐づけられた前記決済完了画面には前記特典の利用申し込みを受け付けるためのユーザインタフェースが表示させ、
前記決済履歴画面に表示された決済履歴のうち前記特典の適用条件を満たす履歴に関し、前記ユーザインタフェースにより前記特典の利用申し込みが実施された場合に、前記特典に係る前記分割方法の指定を受け付けるとともに、前記決済の支払い方法を、前記分割方法による前記特定分割払いに変更する、
決済方法。

【請求項12】

電子決済サービスを提供する決済サーバが、
前記電子決済サービスの加盟者が設定した特典であって、前記電子決済サービスを利用した分割払いにおいて分割金利手数料の負担を免除する特典の設定情報を記憶し、
利用者の端末装置からの取得要求に応じて前記特典の利用権を示す特典チケットを前記端末装置に配信し、
決済要求時に通信ネットワークを介して受信される決済情報に基づいて前記加盟者に対する前記利用者の支払いを電子決済により決済するための決済処理を実行し、
前記決済処理において、
前記利用者の決済履歴および前記特典チケットの配信履歴をもとに、前記利用者が過去に行った決済である実施済み決済のうち前記利用者が前記特典チケットを取得済みの決済を前記特典の適用対象である対象決済として特定し、
特定した前記対象決済について、前記特典を適用した分割払いである特定分割払いにおける分割方法が前記利用者により指定された場合、前記対象決済の支払い方法を指定された前記分割方法による前記特定分割払いに変更し、前記特定分割払いの利用に関して前記加盟者に課される利用料の支払いを、前記加盟者に前記特定分割払いに係る前記分割金利手数料を負担させることで相殺するものであり、
前記分割方法での支払い回数に応じた分割金利手数料を前記支払い回数で按分した金額を、前記特定分割払いによる月々の支払いに応じて前記加盟者から徴収する、
決済方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、決済サーバ、アプリケーションプログラムおよび決済方法に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、加盟店の運営者の電子決済を支援する電子決済システムがある。例えば、特許文献１には、購入者の保有残高が購入対象の商品の代金未満である場合に、残高へのチャージ処理後に商品購入処理を行うシステムが提案されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０２０－１１５２７８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

従来の技術では、加盟店の運営者が販売する商品を利用者が購入する可能性を高めることができない場合があった。

【0005】

本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、加盟店の運営者が販売する商品を利用者が購入する可能性をより高めることができる決済サーバ、アプリケーションプログラムおよび決済方法を提供することを目的の一つとする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の一態様は、電子決済サービスを提供する決済サーバであって、前記電子決済サービスの加盟者が設定した特典であって、前記電子決済サービスを利用した分割払いにおいて分割金利手数料の負担を免除する特典の設定情報を記憶する記憶部と、利用者の端末装置からの取得要求に応じて前記特典の利用権を示す特典チケットを前記端末装置に配信する特典配信部と、決済要求時に通信ネットワークを介して受信される決済情報に基づいて前記加盟者に対する前記利用者の支払いを電子決済により決済するための決済処理を実行する決済処理部と、を備え、前記決済処理部は、前記利用者の決済履歴および前記特典チケットの配信履歴をもとに、前記利用者の過去の実施済み決済のうち前記利用者が前記特典チケットを取得済みの決済を前記特典の適用対象である対象決済として特定し、特定した前記対象決済について、前記特典を適用した分割払いである特定分割払いにおける分割方法が前記利用者により指定された場合、前記対象決済の支払い方法を指定された前記分割方法による前記特定分割払いに変更する、決済サーバである。

【発明の効果】

【0007】

本発明の一態様によれば、加盟店の運営者が販売する商品を利用者が購入する可能性をより高めることができる決済サーバ、アプリケーションプログラムおよび決済方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。

【図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図（その１）である。

【図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図（その２）である。

【図4】第１実施形態に係る決済サーバ１００の構成図である。

【図5】利用者情報１７２の内容の一例を示す図である。

【図6】加盟店／店舗情報１７６の内容の一例を示す図である。

【図7】特定決済処理部１６０の構成の一例を示す図である。

【図8】加盟店の運営者が特典の設定および登録の際に使用する画面の一例を示す図である。

【図9】利用者端末装置１０における特典情報の表示例を示す図である。

【図10】決済サーバ１００と、利用者端末装置１０とが協働して特定分割払いによる電子決済を実現する処理の流れの一例を示す図である。

【図11】特定分割払いによる電子決済において利用者端末装置１０が表示する画面の遷移例を示す図である。

【図12】特定分割払いにおいて加盟者、決済事業者、および利用者の間で行われる金銭のやり取りの流れを示す図である。

【図13】実施形態の特定分割払いにおける、利用者と、加盟店の運営者と、電子決済サービスの運営者との間で行われるやり取りの内容をまとめた図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、図面を参照し、本発明の決済サーバ、アプリケーションプログラムおよび決済方法の実施形態について説明する。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗（実店舗）であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者（以下「決済事業者」ともいう。）とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店（ブランド）に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。

【0010】

［電子決済サービス］
図１は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ１００を中心として実現される。決済サーバ１００は、例えば、一以上の利用者端末装置１０、一以上の第１店舗端末装置５０、及び一以上の第２店舗端末装置７０のそれぞれとネットワークＮＷを介して通信する。ネットワークＮＷは、例えば、インターネット、ＬＡＮ（Local Area Network）、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。

【0011】

利用者端末装置１０は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置１０は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等と称する。利用者端末装置１０では、ＣＰＵ等のプロセッサにより決済アプリ２０が実行されることで、決済サーバ１００と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ２０は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置１０にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。

【0012】

第１店舗端末装置５０は、例えば、店舗に設置される。第１店舗端末装置５０は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第１店舗端末装置５０は、いわゆるＰＯＳ（Point of Sale）装置を含み、ＰＯＳ装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像６０は、店舗に置かれ、ＱＲコード（登録商標）等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像６０は、店舗に置かれたディスプレイ（スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい）によって表示されてもよい。

【0013】

第２店舗端末装置７０は、加盟店の運営者（以下「加盟者」という。）によって使用される。第２店舗端末装置７０は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第２店舗端末装置７０では、加盟店向けインターフェース７２が動作する。加盟店向けインターフェース７２は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース７２は、加盟者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ１００に送信する。スマートフォンである第２店舗端末装置７０は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置１０が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。

【0014】

決済サーバ１００は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第１店舗端末装置５０は、ＰＯＳ装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、ＰＯＳ装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ１００に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第１店舗端末装置５０から決済情報が送信されるものとする。

【0015】

図２および図３は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン１とパターン２の二つが存在してよい。

【0016】

図２に示すパターン１（以下、ユーザスキャンと称する）の場合、決済アプリ２０が起動した状態の利用者端末装置１０が、光学読取機能によって店舗コード画像６０をデコードする（Ｓ１）。店舗コード画像６０には、店舗ＵＲＬ（Uniform Resource Locator）の情報が含まれている。この店舗ＵＲＬは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ１００において加盟店ＩＤや店舗ＩＤ等との対応付けがなされている（後述）。決済アプリ２０は、店舗ＵＲＬとアカウントＩＤを含む第１決済情報を決済サーバ１００に送信する（Ｓ２）。決済サーバ１００は、店舗ＵＲＬに対応する加盟店ＩＤ、店舗ＩＤから、店舗情報（後述）を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し（Ｓ３）、決済アプリ２０に送信する（Ｓ４）。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置１０に入力する（Ｓ５）。そして、利用者端末装置１０は、少なくとも決済金額を含む第２決済情報を生成し、決済サーバ１００に送信する（Ｓ６）。決済サーバ１００は、受信した第２決済情報に基づいて電子決済を行う（Ｓ７）。そして、決済サーバ１００は、決済完了通知（決済完了画面を表示するための情報）を決済アプリ２０に送信し（Ｓ８）、決済アプリ２０は決済完了画面を表示する（Ｓ９）。なお、店舗コード画像６０が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像６０には、店舗ＵＲＬだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第１決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ１００に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。

【0017】

図３に示すパターン２（以下、ストアスキャンと称する）の場合、決済アプリ２０の起動時、決済アプリ２０において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング（例えば１分おき）になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ２０はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ１００に送信する（Ｓ１１）。決済サーバ１００はワンタイムコードを生成し（Ｓ１２）、決済アプリ２０に送信する（Ｓ１３）。決済アプリ２０は、ワンタイムコードに基づいて生成した、ＱＲコードやバーコード等のコード画像を表示する（Ｓ１４）。利用者は利用者端末装置１０の表示面を第１店舗端末装置５０に翳し（提示し）、第１店舗端末装置５０は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する（Ｓ１５）。そして、第１店舗端末装置５０は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ等を含む決済情報を生成し、決済サーバ１００に送信する（Ｓ１６）。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ１００は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う（Ｓ１７）。そして、決済サーバ１００は、決済完了通知を決済アプリ２０に送信し（Ｓ１８）、決済アプリ２０は決済完了画面を表示する（Ｓ１９）。

【0018】

なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図２で説明した「アカウントＩＤ」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報（例えば電話番号）であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ２０は、利用者のアカウントＩＤに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ１００は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントＩＤに対応する利用者を特定する。

【0019】

［決済サーバ］
図４は、第１実施形態に係る決済サーバ１００の構成図である。決済サーバ１００は、例えば、通信部１１０と、決済コンテンツ提供部１２０と、決済処理部１３０と、情報管理部１４０と、記憶部１７０とを備える。通信部１１０および記憶部１７０以外の構成要素は、例えば、ＣＰＵなどのハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、ＬＳＩ（Large Scale Integration）やＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）、ＧＰＵ（Graphics Processing Unit）などのハードウェア（回路部；circuitryを含む）によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めＨＤＤ（Hard Disk Drive）やフラッシュメモリなどの記憶装置（非一過性の記憶媒体を備える記憶装置）に格納されていてもよいし、ＤＶＤやＣＤ－ＲＯＭなどの着脱可能な記憶媒体（非一過性の記憶媒体）に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。

【0020】

記憶部１７０は、ＨＤＤやフラッシュメモリ、ＲＡＭ（Random Access Memory）などである。記憶部１７０は、決済サーバ１００がネットワークを介してアクセス可能なＮＡＳ（Network Attached Storage）装置であってもよい。記憶部１７０には、利用者情報１７２、決済コンテンツ情報１７４、加盟店／店舗情報１７６などの情報が格納される。

【0021】

通信部１１０は、ネットワークＮＷに接続するための通信インターフェースである。通信部１１０は、例えばネットワークインターフェースカードである。

【0022】

決済コンテンツ提供部１２０は、例えば、Ｗｅｂサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報（コンテンツ）を利用者端末装置１０に提供する。決済コンテンツ提供部１２０は、決済コンテンツ情報１７４から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置１０に提供する。利用者端末装置１０は、決済アプリ２０によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ１００に送信する。

【0023】

決済処理部１３０は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部１３０は、利用者情報１７２を参照しながら決済処理を行う。

【0024】

図５は、利用者情報１７２の内容の一例を示す図である。利用者情報１７２は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報１７２は、例えば、利用者ＵＲＬ、アカウントＩＤ、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ＩＤ、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、利用者特典情報などの情報が対応付けられたものである。利用者ＵＲＬは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントＩＤは、決済サーバ１００によって利用者に発行されるものであり、利用者ＩＤは、利用者が任意に設定できる（設定しなくてもよい）ＩＤである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる（設定しなくてもよい）情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日（アカウントを作成した日）である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス（電子決済口座）のことをアカウントと称する。

【0025】

チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者（銀行）のＡＴＭ（Automatic Teller Machine）からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報（口座番号、カード番号）である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳（日時、購買行動が行われた店舗の店舗ＩＤ、決済金額、決済方法など）を、決済ごとに示す情報である。

【0026】

利用者特典情報は、後述の特典情報配信部１６２が対象の利用者に通知した特典に関する情報である。利用者特典情報は、特典の識別情報、利用者に対する特典チケットの配信状況、特典チケットの利用に関する設定（利用設定）の内容、特典チケットに対する利用申し込みの状況などの情報を含む。特典チケットは、利用者に通知された特典の利用権を示す情報であり、利用者が決済アプリ２０を介して決済サーバ１００に要求することにより取得されるものである。

【0027】

図６は、加盟店／店舗情報１７６の内容の一例を示す図である。加盟店／店舗情報１７６は、例えば、店舗ＵＲＬに対して加盟店ＩＤと店舗ＩＤが対応付けられた第１テーブル１７６Ａと、加盟店ＩＤに対して加盟店名と売上金（前述）が対応付けられた第２テーブル１７６Ｂと、店舗ＩＤに対して店舗ＩＤが対応付けられた第３テーブル１７６Ｃと、加盟店ＩＤに対して加盟者特典情報が対応づけられた第４テーブル１７６Ｄとを含む。加盟店／店舗情報１７６には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。加盟者特典情報は、加盟者が設定した特典に関する情報である。加盟者特典情報には、例えば、特典の設定内容や、利用者に対する特典の適用条件などの情報が含まれる。特典の設定内容や、適用条件の詳細は図８で後述する。加盟者特典情報は、図６に例示されるように、各加盟者について複数の特典（例えば、特典Ａ、特典Ｂ、…）が登録されてもよいし、１つの特典（例えば、特典Ｃ）が登録されてもよい。

【0028】

情報管理部１４０は、利用者端末装置１０や第２店舗端末装置７０から取得した情報に基づいて、利用者情報１７２および加盟店／店舗情報１７６を管理する。情報管理部１４０は、利用者情報１７２および加盟店／店舗情報１７６について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。

【0029】

［電子決済］
決済処理部１３０は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０から決済情報が取得されると、利用者情報１７２を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部１３０は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部１３０は、例えば、利用者ＩＤに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。

【0030】

決済処理部１３０は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部１３０は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ２０に返信される。

【0031】

なお、本実施形態では、上述の「チャージ残高」や「後払い」などの決済方法に加えて、特典により利用可能となる分割払いである「特定分割払い」が決済方法の１つとして設定され得る。特定分割払いとは、上述の後払いと同様に、クレジット払いにおける「分割払い」とは別枠で設定されるものであり、加盟者が与信者となって、加盟者が既定の許容範囲内で分割払いの金利手数料を負担するものである。以下、この既定の許容範囲を「利用枠」という。利用枠は、特典を提供する加盟者が個々に設定するものであり、特定分割払いの利用権は、所定の利用条件を満たした利用者に対して特典（以下「分割金利負担免除特典」という。）として提供されるものである。以下、単に特典といった場合は、分割金利負担免除特典を意味するものとする。特定分割払いは、利用者が予め特典を獲得しておき、支払い時にその利用権を行使することによって適用されるものである。なお、特定分割払いにおける与信者には電子決済サービスの運営者が含まれてもよいし、特定分割払いにおいて加盟者が負担する金利手数料の一部は電子決済サービスの運営者によって負担されてもよい。

【0032】

本実施形態の決済サーバ１００において、決済処理部１３０は、上述のチャージ残高や後払い、クレジット払いなど、従来から利用可能な一般的な決済方法による電子決済を実現する通常決済処理部１５０と、上述の特定分割払いによる電子決済を行うための特定決済処理を実行する特定決済処理部１６０と、を備えるものである。

【0033】

図７は、特定決済処理部１６０の構成の一例を示す図である。特定決済処理部１６０は、例えば、特典登録部１６１と、特典情報配信部１６２と、利用可否判定部１６３と、決済管理部１６４と、売上金入金部１６５と、を備える。特典登録部１６１は、加盟者からの要求により、決済サーバ１００に特典の設定を登録する。より具体的には、特典登録部１６１は、第２店舗端末装置７０の加盟店向けインターフェース７２を介して特典の設定操作を受け付け、入力された設定情報を加盟店／店舗情報１７６に保存することにより、決済サーバ１００に特典の設定を登録する。例えば、特典の設定情報は、対応する加盟店または店舗の識別情報（加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ）に対応づけて管理される。なお、特典の設定情報には、特定分割払いの利用枠の大きさや、特典の有効期限、利用者が特典の付与対象となる条件、支払方法や支払い回数の選択肢、特典の利用条件などの情報が含まれてよい。

【0034】

特典情報配信部１６２は、加盟者により特定分割払いにより分割金利負担を免除する特典の設定が決済サーバ１００に登録された場合、当該特典を適用可能な利用者に対して、当該特典が利用可能である旨を通知する。具体的には、特典情報配信部１６２は、決済サーバ１００に登録された特典の設定情報および利用者情報１７２に基づき、当該特典を適用可能な利用者を特定し、特定した利用者の利用者端末装置１０に対して適用可能な特典に関する特典情報を配信する。

【0035】

利用可否判定部１６３は、商品購入に関して特典の利用申し込みを行った利用者について、特典の利用可否を判定する。例えば、利用可否判定部１６３は、以下の第１の利用条件および第２の利用条件の判定結果に基づいて特典の利用可否を決定してもよい。利用可否判定部１６３は、第１の利用条件および第２の利用条件のうち、いずれか一方の利用条件が満たされた場合に特典の利用が可能と判定してもよいし、両方の利用条件が満たされた場合に特典の利用が可能と判定してもよい。また、利用可否判定部１６３は、以下の第１の利用条件および第２の利用条件の判定結果と、その他の利用条件の判定結果との組み合わせで、特典の利用可否を決定してもよい。

【0036】

（第１の利用条件）
第１の利用条件は、加盟者が現在までに負担した（または負担することを決定した）分割金利手数料の総額（以下「負担総額」という。）が利用枠の範囲を超えていないことである。すなわち、第１の利用条件は、加盟者による分割金利手数料の負担総額が利用枠を規定する閾値額未満であることである。ここで、分割金利手数料の負担総額は特典ごとに管理されるものであり、その閾値額は、加盟者によって特典ごとに設定されるものである。特定決済処理部１６０は、特定分割払いによる電子決済を実施するごとに負担総額を累積的に更新してくものであり、利用可否判定部１６３は、特典の利用に際して、その時点での負担総額と閾値額とを比較することにより、第１の利用条件が満たされたか否かを判定することができる。すなわち、第１の利用条件は、端的には、特典の利用枠に空きがあることということができる。

【0037】

（第２の利用条件）
第２の利用条件は、特典の利用申し込みを行った利用者が、特定分割払いについて、与信可能な利用者であることである。例えば、利用可否判定部１６３は、外部の与信機関に問い合わせることで利用者の与信可否を判定することができる。また、例えば、利用可否判定部１６３は、利用者情報１７２に含まれる決済履歴や支払履歴などの情報に基づいて自前で与信可否を判定するように構成されてもよい。

【0038】

決済管理部１６４は、利用可否判定部１６３による特典利用可否の判定結果に基づいて、商品の購入代金の支払いを特定分割払いで決済するための処理（以下「特定決済処理」という。）を実行する。より具体的には、決済管理部１６４は、決済履歴情報を参照し、通常の支払い方法（例えばチャージ残高からの支払い）で実施された電子決済（以下「実施済み通常決済」という。）のうち特典を適用可能な決済を特定して利用者に通知し、利用者が通知された実施済み通常決済のいずれかを指定して特典の利用申し込みを行った場合に、利用者が指定した実施済み通常決済について特定分割払いを事後的に適用するものである。決済管理部１６４は、特典の利用申し込みを行った場合、利用可否判定部１６３により、その時点における特典の利用可否を認識し、利用可能と判定された場合に、特定決済処理を実行する。

【0039】

特定決済処理には、例えば、特典を適用可能な決済履歴を利用者に通知する第１処理や、特典の利用申し込みを受けて特典分割払いの適用可否を決定する第２処理、特定分割払いによる月々の支払いを管理する第３処理が含まれる。例えば、決済管理部１６４は、第１処理において、現在から過去の所定時点までの期間内に実施された実施済み通常決済を、特定分割払いの適用対象として特定してもよい。また、決済管理部１６４は、第２処理において、特定分割払いにおける分割方法が指定された場合に、特典の利用申し込みを受け付けてもよい。また、決済管理部１６４は、特定分割払いにおける分割方法の指定を受け付ける際、指定された分割方法に応じた月々の支払い額を算出して利用者に提示してもよい。クレジットカードでの分割払いにおける月々の支払い額は、購入代金の月割り額に支払い回数に応じて分割金利手数料の月額が加算された金額となるところ、特定分割払いでは分割金利手数料が加盟者によって負担されるので、特定分割払いにおける月々の支払い額は購入代金の月割り額として計算される。

【0040】

また、決済管理部１６４は、第３処理において、支払い実績の管理処理と、月々の支払い額の請求処理を実行する。決済管理部１６４は、支払い回数に対応して設定された各月において、所定の支払い日が到来した場合に、対象利用者のチャージ残高から、月々の支払い額として設定された金額を徴収する。一般に、クレジットカードでの分割払いにおける月々の支払い額は、購入代金の月割り額に支払い回数に応じた分割金利手数料の月額が加算された金額とされるところ、本実施形態の特定分割払いでは、加盟者が分割金利手数料を負担するので、月々の支払い額は購入代金の月割り額として計算される。特定分割払いにおける支払い回数は、利用者によって指定されてよい。例えば、支払い回数は、クレジットカードでの分割払いと同様に、利用者が予め定められた支払い回数の選択肢の中から選択するものであってもよい。また、本実施形態の特定分割払いは、上述のとおり、クレジットカード決済とは別枠で設定されるものであり、クレジットカード事業者の与信を必要としないので、支払い回数は、加盟者が分割金利を負担できる限りにおいて、利用者が任意に指定できるものであってもよい。

【0041】

売上金入金部１６５は、決済管理部１６４が利用者から収受した商品購入代金をもとに、販売元の加盟者に対して売上金を支払うための処理を行う。より具体的には、売上金入金部１６５は、商品購入代金の金額から、電子決済サービスにおいて特定分割払いを決済手段として利用可能にするサービス（以下「特定決済サービス」という。）の利用料を差し引いた金額を販売元の加盟者に対して支払うべき売上金として計算する。すなわち、電子決済サービスの運営者は、特定分割払いによって支払われた商品購入代金（分割金利手数料の負担が免除された購入代金）から、さらに分割金利手数料相当額を特定決済サービスの利用料として差し引いた金額を売上金として加盟者に入金する。これにより、電子決済サービスの運営者は、特定分割払いによって購入された商品の代金の全額が収受されるまで分割金利手数料の負担を一旦引き受け、販売元の加盟者に対して売上金を支払う（入金する）際に、特定決済サービスの利用料として分割金利手数料の負担分を相殺することができる。すなわち、本実施形態において、電子決済サービスの運営者は、加盟者が利用者に代わって分割金利手数料を負担することを条件として特定決済サービスを加盟者に提供するものである。

【0042】

［加盟者による特典の設定］
図８は、加盟者が特典の設定および登録の際に使用する設定登録画面Ｇ１０の一例を示す図である。設定登録画面Ｇ１０は、例えば、特典登録部１６１によって提供される。設定登録画面Ｇ１０に必要なコンテンツは、決済コンテンツ情報１７４の一部として記憶部１７０に格納されてもよい。例えば、設定登録画面Ｇ１０は、特典の設定情報を入力するための各種の入力インターフェースＧ１１～Ｇ１８を有する。例えば、入力インターフェースＧ１１は、登録対象の特典について名称の入力を受け付けるテキストボックスである。また、例えば、入力インターフェースＧ１２は、対象特典の利用枠の大きさとして加盟者が対象特典について負担する分割金利手数料の限度額の入力を受け付けるテキストボックスである。また、例えば、入力インターフェースＧ１３は、対象特典の有効期間の入力を受け付けるテキストボックスである。また、例えば、入力インターフェースＧ１４は、特定分割払いにおける支払い回数の設定の入力を受け付けるテキストボックスである。図８は、入力インターフェースＧ１４により、支払い回数の上限と、各上限回数が有効となる購入金額の条件とを設定する例を表している。例えば、図８は、１万円未満の購入に対して、３回を支払い回数の選択肢として提示し、１万円以上１０万円未満の購入に対して、３回、５回を支払い回数の選択肢として提示し、１０万円以上の購入に対して、３回、５回、１０回を支払い回数の選択肢として提示する場合の設定例を表している。また、例えば、入力インターフェースＧ１５は、特典を利用可能とするか否かを購入商品の種別に応じて決定するための設定の入力を受け付けるチェックボックスである。また、例えば、入力インターフェースＧ１６は、特典の適用を受けることができる利用者の条件（適用条件）の設定の入力を受け付けるチェックボックスおよびテキストボックスである。また、例えば、入力インターフェースＧ１７は、特定分割払いの支払い方法の選択肢に「毎月定額払い」を含めるか否かの設定の入力を受け付けるチェックボックスである。なお、ここでいう毎月定額払いとは、商品購入の有無や金額、購買件数等に関わらず、毎月の支払い金額をほぼ一定にする支払い方法である。毎月定額払いは、いわゆるリボ払いであってよい。特定分割払いにおいて毎月定額払いを使用することができる場合、利用者は分割金利負担免除のメリットを享受しつつ、毎月の支払額を一定にすることができる。また、例えば、入力インターフェースＧ１８は、入力された設定内容での特典の登録を指示する操作の入力を受け付けるボタンである。入力インターフェースＧ１８が押下されたことに応じて、特典登録部１６１は、入力された設定情報を、加盟店ＩＤや店舗ＩＤなどと対応づけて加盟店／店舗情報１７６に登録する。

【0043】

図９は、利用者端末装置１０における特典情報の表示の一例として特典通知画面Ｇ２０を示す図である。上述のとおり、特典情報は、特典情報配信部１６２が、決済サーバ１００に特典の設定が登録されたことに応じて、当該特典を適用可能な利用者に対して配信するものである。特典通知画面Ｇ２０は、例えば、特典情報配信部１６２によって提供される。特典通知画面Ｇ２０に必要なコンテンツは、決済コンテンツ情報１７４の一部として記憶部１７０に格納されてもよい。例えば、特典通知画面Ｇ２０は、特典に関する情報の表示インターフェースＧ２１と、特典の利用に関する操作の入力インターフェースＧ２２とを備える。

【0044】

例えば、表示インターフェースＧ２１は、特典を提供する加盟店に関する画像ＩＭＧ１の表示領域と、特典の内容を示すテキスト情報の表示領域とを含む。このような、表示インターフェースＧ２１により、利用者は、特典の提供元の加盟店を認識するとともに、当該特典が、分割払いの金利手数料を加盟店が負担するものであること、加盟店の負担総額には上限があり、負担総額が上限に達し次第特典が終了することを認識することができる。入力インターフェースＧ２２は、当該特典の利用権（以下「特典チケット」という。）を取得する操作の入力を受け付けるボタンである。入力インターフェースＧ２２は、ボタンが押下されたこと応じて、決済サーバ１００に対し、特典チケットの取得要求を送信する。決済サーバ１００は、特典チケットの取得要求を受け付けた旨を決済アプリ２０に応答するとともに、利用者が特典チケットを取得した旨を決済サーバ１００に記録して管理する。決済サーバ１００において、特定決済処理部１６０は、利用者が取得済みの特典チケットを認識し、当該特典チケットに係る特典を適用可能な実施済み通常決済を決済アプリ２０に通知する。利用者は、このように通知された実施済み通常決済の中から特典の利用申し込みを行う対象を指定することができる。利用者が特典チケットを取得したことは、例えば、特典の識別情報や特典を提供する加盟店の識別情報、特典の有効期間を示す情報などが利用者の識別情報と対応づけて記録されることにより管理される。

【0045】

［特定分割払いによる電子決済の流れ］
図１０は、決済サーバ１００と、利用者端末装置１０とが協働して特定分割払いによる電子決済を実現する処理の流れの一例を示す図である。また、図１１は、特定分割払いによる電子決済において利用者端末装置１０が表示する画面の遷移例を示す図である。以下では、図１１の画面遷移例を適宜参照しながら、図１０の処理フローについて説明する。なお、図１０に示す処理フローの開始時点において、特典の適用対象となる通常決済は既に実施済みであるものとする。まず、利用者端末装置１０において、決済アプリ２０が、利用者が電子決済サービスを利用して行った電子決済の決済履歴を表示する操作の入力を受け付ける（Ｓ１０１）。続いて、決済アプリ２０は、この操作の入力に応じて、決済サーバ１００に対し、決済履歴の問い合わせ要求を送信する（Ｓ１０２）。

【0046】

続いて、決済サーバ１００では、特定決済処理部１６０が、利用者情報１７２から利用者の決済履歴情報を取得する（Ｓ１０３）とともに、利用者により取得済みの特典チケットを認識する（Ｓ１０４）。続いて、特定決済処理部１６０は、取得した決済履歴情報を参照し、取得済みの特典チケットに係る特典の適用対象の候補となる実施済み通常決済を特定し（Ｓ１０５）、特定した実施済み通常決済を含む当該利用者の決済履歴情報を決済アプリ２０に通知する（Ｓ１０６）。ここで、特典の適用対象とする実施済み通常決済は、上述のとおり、現在から過去の所定時点までの期間内に実施された通常決済として特定されてもよいし、そのような時期的条件に加え、商品種別や商品価格、販売店舗など加盟者による商品販売の条件を満たす通常決済として特定されてもよい。続いて、利用者端末装置１０では、決済アプリ２０が、決済サーバ１００から通知された決済履歴情報に基づいて、当該利用者が実施した実施済み通常決済の履歴情報を、各通常決済に対する特典の適用可否を認識可能な態様で利用者端末装置１０に表示させる（Ｓ１０７）。

【0047】

例えば、決済アプリ２０は、ステップＳ１０７において、図１１に例示する残高履歴画面Ｇ３０Ａを表示させる。例えば、残高履歴画面Ｇ３０Ａは、利用者のチャージ残高の更新履歴を示す画面である。残高履歴画面Ｇ３０Ａは、実施済み通常決済による出金の履歴Ｈ３１と、ポイント付与の履歴Ｈ３２～Ｈ３４を表示した例である。このほか、残高履歴画面Ｇ３０Ａは、チャージによる入金の履歴や、ポイントの利用履歴などを表示してもよい。この際、決済アプリ２０は、ステップＳ１０４において取得済みの特典チケットがあると認識した場合、当該決済履歴について特典チケットが利用可能である旨を報知する。例えば、残高履歴画面Ｇ３０Ａは、決済アプリ２０が、決済履歴Ｈ３１の支払いについて特典チケットが利用可能である旨を特典通知Ｇ３１の表示によって報知した例である。

【0048】

この場合、残高履歴画面Ｇ３０Ａを見た利用者は、決済履歴Ｈ３１の支払いに特定分割払いの特典チケットを利用可能であることを認識し、当該特典チケットの利用申し込みを行うべく決済履歴Ｈ３１を選択する。残高履歴画面Ｇ３０Ａにおいて決済履歴Ｈ３１が選択されると、続いて、決済アプリ２０は、決済履歴Ｈ３１について報知された特典通知Ｇ３１に係る特典について利用申し込みへと続く詳細画面Ｇ３０Ｂを表示させる。詳細画面Ｇ３０Ｂは、例えば、選択された決済履歴Ｈ３１に関する詳細情報Ｇ３２と、対象特典に係る特定分割払いについて分割方法の指定を受け付けるためのボタンＧ３３とを含む。詳細情報Ｇ３２は、図示した情報のほか、決済日時や、取得ポイント数、店舗、購入商品等の情報を含んでよい。

【0049】

続いて、決済アプリ２０は、特典を適用可能な実施済み通常決済について、分割方法の指定を受け付けるとともに（Ｓ１０８）、特典チケットの利用申し込みを受け付ける（Ｓ１０９）。決済アプリ２０は、指定された実施済み通常決済について、指定された分割方法による特定分割払いを適用することを決済サーバ１００に要求する（Ｓ１１０：特典チケットの利用申し込み）。特典チケットの利用申し込みを受けた決済サーバ１００では、特定決済処理部１６０が、その時点での特典の利用可否を判定し（Ｓ１１１）、特典が利用可能であると判定した場合に、指定された実施済み通常決済について、指定された分割方法での特定分割払いを適用する（Ｓ１１２）。

【0050】

例えば、決済アプリ２０は、詳細画面Ｇ３０ＢにおいてボタンＧ３３が押下されると、分割方法の指定および特典チケットの利用申し込みを受け付ける申し込み画面Ｇ３０Ｃを表示させる。申し込み画面Ｇ３０Ｃは、例えば、分割方法の選択状態に応じて月々の支払い額の表示を更新する月額表示部Ｇ３４と、分割方法について複数の選択肢を提示するボタン群Ｇ３５と、選択された分割方法での特典チケットの利用申し込みを受け付けるボタンＧ３６とを含む。図１１に示す申し込み画面Ｇ３０Ｃは、支払総額の１０００００円に対して分割回数３回が分割方法として選択された状態に応じて、月々の支払い額に３３３３３円が表示された例である。また、図１１に示す申し込み画面Ｇ３０Ｃは、分割回数３回が分割方法として選択された状態でボタンＧ３６が押下された状態を表している。この場合、決済アプリ２０は、選択された分割回数３回で特定分割払いを行うように、決済履歴Ｈ３１に係る実施済み通常決済について特典チケットの利用申し込みを行う。

【0051】

なお、図１０の例において、特典の適用対象の候補となる実施済み通常決済が複数存在する場合、決済アプリ２０は、通知された候補の中から特典の利用申し込みを行う対象の選択を受け付け、選択された実施済み通常決済について分割方法の指定を受け付けてもよい。また、特典の適用対象の候補は、利用者端末装置１０側で認識されてもよい。この場合、例えば、決済アプリ２０は、ステップＳ１０５と同様の方法で候補となる実施済み通常決済を特定し、利用者端末装置１０において特典チケットが取得済みである場合に、対象決済の選択および前記分割方法の指定を受け付けてもよい。

【0052】

図１２は、本実施形態の特定分割払いにおいて加盟者、決済事業者、および利用者の間で行われる金銭のやり取りの流れを示す図である。なお、この図において、実線矢印が金銭のやり取りを示し、破線矢印が特典チケットの利用申し込みを示す。また、図中の括弧［］内の数値は、やり取りの開始時を基準とした各者の金銭の収支を表している。まず、利用者が通常の支払い方法による電子決済（この決済がこの後実施済み通常決済となる）によって支払い金額（この例では１０００００円）を決済する（Ｓ２０１）。この決済により、利用者のチャージ残高から１０００００円が徴収されるので、この時点における利用者の収支は［－１０００００］となる。一方、決済事業者は、利用者から徴収した１０００００円を売上金として加盟者の口座に入金する（Ｓ２０２）。これにより、決済事業者の収支は［±０］となり、この売上金の入金により加盟者の収支は［＋１０００００］となる。

【0053】

以上が、実施済み通常決済となる初回決済時における金銭の流れである。この後、利用者が自身の決済履歴を確認するなどして、当該実施済み通常決済について特典チケットの利用が可能である旨を認識し、決済事業者に対して、分割方法を指定するとともに、特典チケットの利用申し込みを行う（Ｓ２０３）。ステップＳ２０３は、金銭の流れではないので破線矢印で表している。決済事業者は、この利用申し込みを受け付け、実施済み通常決済について特定分割払いを適用する（Ｓ２０４）。なお、ここでは、特典チケットの利用申し込みに際し、利用者は分割方法として、分割回数３回を指定したものとして説明を続ける。

【0054】

続いて、特定分割払いによる１回目の決済タイミングＴ１が到来する。決済タイミングＴ１では、決済事業者は、実施済み通常決済において既に利用者から徴収した１０００００円から、１回目の支払い金額３３３３３円を相殺した金額６６６６７円を利用者に割り戻す（Ｓ２０５）。これにより、決済タイミングＴ１では、実質的に、利用者が１回目の支払い金額３３３３３円を支払った状態となる。すなわち、決済タイミングＴ１では、利用者の収支が［－３３３３３］となる。一方で、決済事業者は、分割１回目の金利手数料α円を加盟者から徴収する（Ｓ２０６）。これにより、決済タイミングＴ１では、加盟者の収支は［＋１０００００－α］となり、決済事業者の収支は［－６６６６７＋α］となる。ここでのαは、分割金利手数料の総額を支払い回数で按分した金額の一例である。なお、加盟者から分割金利手数料として月々に徴収される金額は、月ごとに異なる金額であってもよい。例えば、この場合、月々に徴収される金額は、より遅い支払いタイミングでより大きくなるように設定されてもよい。また、分割金利手数料の総額は、いずれか１回の支払いタイミングにおいて一括払いされてもよい。

【0055】

続いて、特定分割払いによる２回目の決済タイミングＴ２が到来する。決済タイミングＴ２では、決済事業者は、利用者から２回目の支払い金額３３３３４円を徴収する（Ｓ２０７）。ここでは３回で分割した端数の１円を２回目の決済で徴収しているが、端数の金額を徴収するのは１～３回目のどのタイミングでもよい。これにより、決済タイミングＴ２では、利用者の収支が［－６６６６７］となる。一方で、決済事業者は、分割２回目の金利手数料α円を加盟者から徴収する（Ｓ２０８）。これにより、決済タイミングＴ２では、加盟者の収支は［＋１０００００－２α］となり、決済事業者の収支は［－３３３３３＋２α］となる。

【0056】

続いて、特定分割払いによる３回目の決済タイミングＴ３が到来する。決済タイミングＴ３では、決済事業者は、利用者から３回目の支払い金額３３３３３円を徴収する（Ｓ２０９）。これにより、決済タイミングＴ３では、利用者の収支が［－１０００００］となる。一方で、決済事業者は、分割３回目の金利手数料α円を加盟者から徴収する（Ｓ２１０）。これにより、決済タイミングＴ３では、加盟者の収支は［＋１０００００－３α］となり、決済事業者の収支は［＋２α］となる。

【0057】

このような金銭のやり取りが行われた結果、加盟者は、利用者の支払い金額１０００００円の分割金利手数料を負担し、決済事業者は、加盟者が負担する分割金利手数料を電子決済サービスにおいて特定分割払いを利用する際のサービス利用料として加盟者に課金し、利用者は、分割金利手数料を負担することなく、購入代金の支払いを行うことができる。

【0058】

図１３は、実施形態の特定分割払いにおける、利用者と、加盟者と、電子決済サービスの運営者との間で行われるやり取りの内容をまとめた図である。このようなやり取りは、利用者端末装置１０と、第１店舗端末装置５０と、第２店舗端末装置７０と、決済サーバ１００とが上述の処理を実行することにより実現されるものであり、このようなやり取りが実現されることにより実施形態の特定分割払いが実現されるものである。図１３において、利用者は利用者端末装置１０または決済アプリ２０に対応し、加盟者は第１店舗端末装置５０または第２店舗端末装置７０に対応し、電子決済サービスの運営者は決済サーバ１００に対応するものである。

【0059】

まず、加盟者が第２店舗端末装置７０を使用して決済サーバ１００に特典の登録を行う（Ｓ６１）。決済サーバ１００は、登録された特典を適用可能な利用者を特定し、特定した利用者の利用者端末装置１０に対して適用可能な特典に関する特典情報を配信する（Ｓ６２）。なお、上述のとおり、利用者に対して特典を適用可能と判定する際の条件には、利用者に対する与信リスクの確認結果が考慮されてもよい。利用者は、決済サーバ１００から配信された特典情報を確認し、（必要に応じて）利用者端末装置１０に特典チケットを取得する（Ｓ６３）。ここまでのやり取りは、利用者が特定分割払いによる支払いを行う前に実施される。

【0060】

続いて、利用者は、通常の支払い方法（例えばチャージ残高からの支払い）での電子決済により加盟店に対する支払いを行う（Ｓ７１：通常決済）。利用者は、通常決済の実施後、当該通常決済について、決済サーバ１００に対して特典チケットの利用申し込みを行う（Ｓ７２）。決済サーバ１００は、当該特典チケットが利用可能である場合には、利用者が指定した分割方法により、当該通常決済に対して特定分割払いを適用する（Ｓ７３：特典適用）。すなわち、この場合、ステップＳ７１の通常決済が、特典の適用対象の実施済み通常決済となる。

【0061】

続いて、決済サーバ１００が、実施済み通常決済に対して特定分割払いによる月々の支払いの請求処理を行い、設定された回数の支払いを受けたことをもって決済完了とする（Ｓ８１）。なお、利用者がチャージ残高不足時の自動入金動作（いわゆるオートチャージ）を設定している場合、月々の支払い時にチャージ残高が不足している場合には、決済サーバ１００は、当該設定に基づいて金融機関の利用者口座からチャージ残高への入金を行った上で、料金の引き落としを行ってもよい。電子決済サービスの運営者は、利用者から支払われた金額から、分割金利手数料に相当する金額をサービス手数料として差し引いた金額を売上金として加盟者の口座に入金する（Ｓ８２）。

【0062】

なお、図１３では、簡単のため、ステップＳ８１の特定分割払いとして、利用者が決済事業者に対して月々の支払いを行うイメージで記載されているが、図１２でも説明したように、利用者は通常決済時（Ｓ７１）において既に加盟者に対して代金を支払い済みであるので、決済事業者は利用者に対して分割払いのための割り戻し（Ｓ２０５）を行うものである。また、これと同様に、加盟店から決済事業者へのサービス利用料の支払いについても、月々の支払いに応じて月ごとに実施されるものである。

【0063】

以上説明した実施形態によれば、特典の適用条件を満たす利用者の実施済み通常決済について、分割金利手数料の負担を利用者から免除する特定分割払いによる決済を適用することが可能となるので、加盟者が販売する商品を利用者が購入する可能性をより高めることができる。

【0064】

以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。

【符号の説明】

【0065】

１０…利用者端末装置、２０…決済アプリ、５０…第１店舗端末装置、６０…店舗コード画像、７０…第２店舗端末装置、７２…加盟店向けインターフェース、１００…決済サーバ、１１０…通信部、１２０…決済コンテンツ提供部、１３０…決済処理部、１４０…情報管理部、１５０…通常決済処理部、１６０…特定決済処理部、１６１…特典登録部、１６２…特典情報配信部、１６３…利用可否判定部、１６４…決済管理部、１６５…売上金入金部、１７０…記憶部、１７２…利用者情報、１７４…決済コンテンツ情報、１７６…店舗情報

【要約】

【課題】加盟店の運営者が販売する商品を利用者が購入する可能性をより高めることができる決済サーバ、アプリケーションプログラムおよび決済方法を提供すること。
【解決手段】電子決済サービスの加盟者が設定した特典であって、電子決済サービスを利用した分割払いにおいて分割金利手数料の負担を免除する特典の設定情報を記憶し、利用者の要求に応じて特典の利用権を示す特典チケットを配信し、決済要求時に通信ネットワークを介して受信される決済情報に基づいて加盟者に対する利用者の支払いを電子決済するための決済処理を実行し、決済処理において、利用者の過去の実施済み決済のうち特典チケットを取得済みの決済を特典適用の対象決済として特定し、対象決済について、特典を適用した分割払いである特定分割払いにおける分割方法が利用者により指定された場合、対象決済の支払い方法を指定された分割方法による特定分割払いに変更する、決済サーバ。
【選択図】図１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】