(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネット
(51)【国際特許分類】
F17B 1/013 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
F17B1/013
(21)【出願番号】P 2022510929
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(86)【国際出願番号】 CN2020109832
(87)【国際公開番号】W WO2021032090
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】201910769607.9
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518402727
【氏名又は名称】シーアイエスディーアイ エンジニアリング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CISDI ENGINEERING CO., LTD
【住所又は居所原語表記】YAN Bo No.1, Shuanggang Road, Yuzhong District Chongqing 400013 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チエン リー
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ハイピン
(72)【発明者】
【氏名】グオ ポンジー
(72)【発明者】
【氏名】リウ チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ダイ リエンポン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リン フーホン
(72)【発明者】
【氏名】ワン スーリン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チョンユー
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105715938(CN,A)
【文献】特開昭53-096518(JP,A)
【文献】特開2008-208956(JP,A)
【文献】特開2015-135138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17B 1/013
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
いくつかのサイドプレートを継ぎ合わせてなり、隣接するサイドプレートがその外側に設置される縦型カラムにより固定される正多角形を呈する筒体と、
前記筒体の底部に設置される中央アンダープレートと、
底部油溝アンダープレート及び底部油溝縦型プレートにより前記サイドプレートの底部の周りを囲む溝を含む底部油溝と、
前記筒体の内部にゴム製シーリングフィルムで摺動可能に設置されるピストンと、
前記サイドプレートの内部の縦型カラムに対応する位置に設置され、前記ゴム製シーリングフィルムを固定するためのゴム型固定装置と、を含
み、
前記ゴム型固定装置は、
ゴム型支持プレートと、
前記ゴム型支持プレートを前記サイドプレートの内部に固定するための固定装置とを含み、
前記ゴム型支持プレートは、
縦型カラムに対応する位置に配置される縦型カラム支持台と、縦型カラム支持台の両側に固定された重ね折りプレートと、
前記重ね折りプレートと前記サイドプレートとを接続するための重ねエンドプレートとを含む、
ことを特徴とする多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネット。
【請求項2】
前記ゴム型支持プレートは、
縦型カラムに対向する位置に配置される縦型カラム支持台と、
前記サイドプレートに整合するいくつかのサイドプレート支持台と、前記サイドプレート支持台により固定された縦型プレートとを含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネット。
【請求項3】
前記固定装置は、
前記サイドプレートに固設されたシーリングアングルと、
縦型カラムに固設されたコーナーシーリングアングルと、
前記コーナーシーリングアングルと前記サイドプレートとを接続するためのコーナーシーリングプレートと、
前記コーナーシーリングプレートと前記サイドプレートとを接続するための第1の支持構造と、
前記コーナーシーリングプレートと前記縦型カラムとを接続するための第2の支持構造とを含み、
前記第1の支持構造及び第2の支持構造は、ゴム製シーリングフィルムのガイドとしても機能する、
ことを特徴とする請求項
2に記載の多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネット。
【請求項4】
前記重ね折りプレートは、2N個を設け、N個ずつ1組に分けられ、Nは正の整数であり、
前記縦型カラム支持台の片側に近づく前記重ね折りプレートは、前記縦型カラムに重ねられ、これに隣接する前記重ね折りプレートは、一端が重ね合わされ、他端が前記サイドプレートに固着される、
ことを特徴とする請求項
1から3のいずれか1つに記載の多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネット。
【請求項5】
前記サイドプレートと前記ゴム型固定装置との間に設置された、ガスを遮断するためのシーリングプレートをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネット。
【請求項6】
前記
サイドプレートに通気孔が設けられる、
ことを特徴とする請求項
2に記載の多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス貯蔵工事の技術分野に属し、多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
多角形ガスキャビネット(即ちマン型ガスキャビネット)は、潤滑油シーリングガスキャビネットの一種であり、潤滑油と鋼製摺動板を用いたピストンによるシーリング方法であり、筒体が正多角形の外形的特徴を有し、コークス炉ガスを貯蔵するために宝鋼が1979年に日本からマン型ガスキャビネットを取り入れて以来、多角形ガスキャビネットは、国内で急速に発展し、各鉄鋼企業に広く採用されている。しかしながら、多角形ガスキャビネットは、固有のピストン速度が高くないという特性や取付精度が十分でないため、多角形ガスキャビネット動作中に、ピストンの傾き、ピストンガイドローラの遅さ、洩れ量の多さという問題が多い。また、そのピストン最大動作速度も、全工場ガス管網のガスキャビネットのオンライン動作に対する要求を満たすことができず、多角形ガスキャビネットを1段式のゴムフィルムシーリングガスキャビネットに改造するニーズがある。
【0003】
1段式のゴムフィルムシーリングガスキャビネットは、多角形ガスキャビネットに比べて、ガス貯蔵圧力が同様に安定するだけでなく、構造がシンプルで、ピストン動作速度が速く(スループットが大きく)、油分含有廃水を排出しないなどの利点を有するが、ゴム製シーリングフィルムの製造長さの制限(中国国内製造で最大高さが約25m)により、新たに作られた1段式のフィルムシーリングガスキャビネットは、一般に、約1:1のアスペクト比で設計され、ピストン及び筒体がいずれも円形を呈し、現在中国国内で作られた1段式のフィルムシーリングガスキャビネットの最大キャビネット容量が15万m3以内である。ある作られた13.5万m3の1段式のフィルムシーリングガスキャビネットを例にとると、サイドプレート内壁直径が約62m、縦型カラム32本、サイドプレート全高が約70m、ピストンストロークが約45m、アスペクト比(サイドプレート全高/径)が約1.13である。
【0004】
ある20万m3の多角形ガスキャビネットを例にとると、ガスキャビネットの縦型カラム24本、サイドプレート外接円直径53.629m、サイドプレート内接円直径53.170m、ガスキャビネットの水平断面積2233m2、ピストンストローク89.56mである。ガスキャビネット水平断面サイドプレートの長さ7m、サイドプレートの高さ98.56m、このガスキャビネットのアスペクト比98.56/53.629=1.84であり、そのため、従来の20万m3の多角形ガスキャビネットを、如何に従来のゴム製シーリングフィルム製造長さの条件で、経済的に合理的にゴムフィルムシーリングガスキャビネットに改造するかが、現実的な緊迫の技術的問題となる。
【0005】
従来技術において、多角形ガスキャビネットをフィルムシーリングガスキャビネットに改造する関連技術は、通常、筒体を円形に修正し、筒体の断面積を犠牲にする形で改造するものであり、このような断面積の犠牲は、ガスキャビネットの使用経済性を大きく低下させ、筒内に取付、溶接、防食、検査のための空間を予め残すことを考慮すると、ガスキャビネットの断面積は、より一層狭くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、従来の多角形ガスキャビネットを改造することにより、従来のガスキャビネットのキャビネット容量を十分に利用し、ガスキャビネット使用の経済性を向上させ、また、従来のガスキャビネットを容易に改造し、経済的コストを低減させる多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
【0008】
多角形ガスキャビネットを改造した1段式のフィルムシーリングガスキャビネットであって、いくつかのサイドプレートを継ぎ合わせてなり、隣接するサイドプレートがその外側に設置される縦型カラムにより固定される正多角形を呈する筒体と、筒体の底部に設置される中央アンダープレートと、底部油溝アンダープレート及び底部油溝縦型プレートによりサイドプレートの底部の周りを囲む溝を含む底部油溝と、筒体内部にゴム製シーリングフィルムで摺動可能に設置されるピストンと、サイドプレートの内部の縦型カラムに対応する位置に設置され、ゴム型のシーリングフィルムを固定するためのゴム型固定装置と、を含む。
【0009】
前記ゴム型固定装置は、ゴム型支持プレートと、前記ゴム型支持プレートをサイドプレート内部に固定するための固定装置とを含んでもよい。
【0010】
前記ゴム型支持プレートは、縦型カラムに対向する位置に配置される縦型カラム支持台と、サイドプレートに整合するいくつかのサイドプレート支持台と、支持台により固定された縦型プレートとを含んでもよい。
【0011】
前記固定装置は、サイドプレートに固設されたシーリングアングルと、縦型カラムに固設されたコーナーシーリングアングルと、コーナーシーリングアングルとサイドプレートとを接続するためのコーナーシーリングプレートと、コーナーシーリングプレートとサイドプレートとを接続するための第1の支持構造と、コーナーシーリングプレートと縦型カラムとを接続するための第2の支持構造とを含み、前記第1の支持構造及び第2の支持構造は、ゴム製シーリングフィルムのガイドとしても機能するようにしてもよい。
【0012】
前記ゴム型支持プレートは、縦型カラムに対応する位置に配置される縦型カラム支持台と、縦型カラム支持台の両側に固定された重ね折りプレートと、重ね折りプレートとサイドプレートとを接続するための重ねエンドプレートとを含んでもよい。
【0013】
前記重ね折りプレートは、2N個を設け、N個ずつ1組に分けられ、縦型カラム支持台の片側に近づく重ね折りプレートは、縦型カラムに重ねられ、これに隣接する重ね折りプレートは、一端が重ね合わされ、他端がサイドプレートに固着されてもよく、ここで、Nは正の整数である。
【0014】
前記筒体の外部にパッドが設けられ、内部に緊急救助用の吊り袋、内部の吊り篭が設けられてもよい。
【0015】
サイドプレートとゴム型固定装置との間に設置された、ガスを遮断するためのシーリングプレートをさらに含んでもよい。
【0016】
前記縦型プレートに通気孔が設けられてもよい。
【0017】
中央アンダープレートに近づく筒体の片側に、筒体に垂直な入口出口管が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0019】
本発明は、従来の多角形キャビネットの断面積を最大限に利用し、ゴムフィルムの最大製造長さの現実的な条件で、多角形キャビネットを最大容積のフィルムシーリングキャビネットに改造する省投資、施工や取付の利便性、キャビネット内の通気条件のよさを達成できる方法を提供する。
【0020】
本発明の他の利点、目標及び特徴は、以下の明細書に概ね説明され、且つ、以下の考察研究に基づいて当業者にとって概ね明らかであり、又は本発明の実施形態から教示される。本発明の目的、技術的解決手段、及び利点をより明確にするために、本発明は、以下の図面と併せて、好ましい詳細な説明を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例1の最適な実施形態の構造立面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を特定の具体例により説明するが、当業者は本明細書に開示された内容から本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。本発明は、他の様々な実施形態により実施又は応用され得るものであり、本明細書の様々な詳細事項は、本発明の精神から逸脱することなく、様々な観点及び応用に基づいて様々な修正又は改変を行うことができる。なお、以下の実施例で提供される図は、本発明の基本的な概念を概略的に示すものに過ぎず、以下の実施例及び実施例の特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0023】
ただし、図面は、例示的な説明のために過ぎず、単に概略図を示しており、実物図ではなく、本発明を制限するものと理解されず、本発明の実施例をよりよく説明するために、図面のいくつかの部材は、省略され、拡大され、又は縮小されてもよく、実際の製品の寸法を表すものではなく、当業者には、図面におけるいくつかの周知の構造及びその説明が省略されることが理解され得る。
【0024】
本発明の実施例の図面における同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の部材に対応し、本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語が示す位置又は位置関係は、図面により示される位置又は位置関係である場合、本発明の説明の便宜及び説明の簡略化のためにのみ示されており、言及される装置又は要素が特定の位置を有すること、特定の位置で構成及び操作を行わなければならないことを指示又は暗示するものではないことが理解されるべきであり、したがって、図面における位置関係を説明する用語は、例示的な説明のためにのみ使用され、本発明を制限するものとして理解されず、当業者には、具体的な状況に応じて、上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0025】
図1~
図12に示す図中の参照番号は、符号の説明の欄で後述する。
【0026】
従来の多角形ガスキャビネット筒体は、いくつかの折り補強型サイドプレート4といくつかの縦型カラム5とを溶接して断面が正多角形の形状になるため、正多角形ガスキャビネットと称され、正多角形の筒体サイドプレートは、いくつかの高さ方向において外側重ね型の溶接継目が接続される折り補強型サイドプレート4であり、折り補強型サイドプレート4は縦型カラム5に重ねて溶接され、筒体は、外部継目溶接の1製造プロセスにより筒体のガスシーリングを可能にし、ピストン9をガスキャビネット筒体内に上下に移動し、ガス貯蔵を可能にする。
【0027】
本発明の実施例1は
図1~
図8を参照して、底部油溝1、底部油溝アンダープレート1-1、底部油溝縦型プレート1-2、中央アンダープレート2、外部エレベータ3、サイドプレート4、縦型カラム5、キャビネット頂部6、緊急救助用の吊り袋7、内部の吊り篭8の部品が、全て、従来技術における多角形ガスキャビネット内の部品をそのまま用いることができ、従来のガスキャビネットのピストンを取り外し、底部油溝1及び中央アンダープレート2にピストン支持台9-1を設け、ピストンとガスキャビネット筒体との間の可動接続はゴム製シーリングフィルム10を用いるものである。ゴム製シーリングフィルム10は、現在、約25mの長さで製造される。ガスキャビネット筒体におけるゴム製シーリングフィルム10がキャビネットにおける固定装置に取り付けられる高さを決定し、キャビネット内の気圧が無くなるとゴム製シーリングフィルム10が自然に垂れ下がってピストン9が落ち、ピストン9が上昇すると、ゴム製シーリングフィルム10がガスキャビネット筒体にガス圧力で圧着される。従来のガスキャビネット筒体は、多角形で、コーナーにカラムがキャビネット内に突出しているため、ガスキャビネットのコーナー(正多角形コーナー)に固定装置12を設け、ガスキャビネット筒体の多角形の辺の数を倍増し、ガスキャビネット断面積の有効利用を図っている。固定装置12の取付高さは、ゴム型固定装置11の上方約100mmからピストン9の最大ストローク時にゴム製シーリングフィルム10が筒体に貼付可能な高さまでである。
【0028】
固定装置12は、高さ方向にゴム製シーリングフィルム10を覆ってガスキャビネット筒体に密着する高さ範囲において、約10mmの段の間隔をおいて、いくつかの段に分割されることで、現場での取付、溶接、防食を容易にし、このように、縦型カラムの垂直度がよくないガスキャビネットにとって、縦型プレート12-3の縦面が垂直になるように現場での調整を容易に達成する。縦型プレート12-3は、取付や調整及び通気を容易にするために、各段間に約10mmの間隙を維持する。このように、ゴム製シーリングフィルム10が筒体に密着する箇所は、元の多角形キャビネット辺の数の2倍の多角形の水平断面形状になり、具体的には、サイドプレート4と縦型プレート12-3とからなり、元の多角形ガスキャビネットの水平断面積を最大限に利用して、従来のシーリングフィルム製造長さの制約条件で大容積の多角形キャビネットの改造後の容積を最大にし、且つ、工事量を節減する。
【0029】
この考え方に合わせて、ゴム型固定装置11のキャビネットにおける固定装置もサイドプレート4に直接溶接したシーリングアングル11-1と、コーナーシーリングアングル11-2とから、前記元の多角形キャビネット辺の数の2倍の多角形を構成し、シーリングアングル11-2を支持してガスをシーリングする。ゴム型固定装置11と元の多角形ガスキャビネット筒体との間のコーナーシーリングプレート11-3は、第1の支持構造11-4と第2の支持構造11-5とを溶接してシーリングすることで、コーナーシーリングアングル11-2下部のゴム製シーリングフィルム10がガスキャビネット筒体に貼り付くことを防止する。第1の支持構造11-4と、第2の支持構造11-5とは、ゴム製シーリングフィルム10のガイド機能を兼ねている。ピストン9は円形を採用してもよい。シーリングプレート11-3近傍のシーリング溶接継目の施工が完了した後に洩れ検査を行うべきである。
【0030】
多角形キャビネットのサイドプレート4と縦型カラム5との重ね箇所からのガス洩れを防止するために、第2の支持構造11-5の筒体への取付高さと同じ高さでサイドプレート4の高さ方向に仕切プレート13で溶接してガスを遮断し、フィルムシーリングキャビネット内の通気を容易にするために、ゴム型固定装置11の高さ以上の元のサイドプレートに通気孔14を設け、通気孔14は固定装置12に間隔をおいて設けてもよく、キャビネット内の通気を容易にし、元のガス入口出口管は廃棄されて中実化することで、ピストン支持台9-1の配置を容易にし、新しいガス入口出口管15は水平吸気方式を採用し、安全性が高く、メンテナンスが容易である。
【0031】
図8~
図12は本発明の第2の実施例を示し、従来技術の多角形ガスキャビネットの縦型カラム内に縦型カラム支持台12-1を設ける場合、T字型構造を採用してもよく、数メートルわきに1段にするように設置し、縦型カラム内に溶接し、縦型カラムの非直線状態に対応するためであり、縦型カラム支持台12-1を先に取り付ければよい。重ね折りプレート12-4は、一端が縦型カラム支持台12-1に、他端がサイドプレートにそれぞれ重ねられ、縦型カラム位置から、縦型カラムから遠ざかる方向に沿って両側に順次取り付けられる。重ね折りプレート12-4の折り構造は、多角形キャビネットの垂直方向におけるゴム型固定装置11の可能な限り均一性を保証するために、異なる高さにおけるサイドプレートの変形に適応する現場での調整を容易にする一方、重ね折りプレート12-4の溶接と防食はいずれも外側で行って作業が容易であり、また、縦型カラムの垂直方向の高さによっては、重ね折りプレート12-4を数メートルわきに1段にすることができ、実施例1における解決手段に比べて効率を大幅に向上させることができる。重ね折りプレートは、必要に応じて、全体が可能な限り円弧状に類似するように構造的に調整することができ、重ねエンドプレート12-5は固定装置12がサイドプレートに重ねるための最終エンドプレートであり、最後に取り付けられ、これに隣接する重ね折りプレート12-4とサイドプレートに直接重ねて溶接される。
【0032】
実施例2は、実施例1に比べて、成型が簡単で便利で、縦型カラムとサイドプレートとの垂直方向の誤差に適応する能力が強く(調整しやすく)、溶接と防食との作業が簡単で、施工効率が大幅に向上するなどの利点を有する。
【0033】
前記20万m3角形の多角形ガスキャビネットを例にとると、水平断面が正24角形で、水平断面積2233平方メートル、筒体サイドプレート辺長さの基本寸法7m、ゴム製シーリングフィルム中国国内での製造長さ約25mの条件下で、改造後の多角形フィルムシーリングガスキャビネットのピストンストローク約45mで、筒体のシーリングアングル下部のガス空間が全て利用され、ガスキャビネット筒体におけるゴム製シーリングフィルムの支持構造は、その解決手段1の条件で、略48角形となり、水平断面積が約2220平方メートルで、元の多角形ガスキャビネット内接円直径53.17mの面積に相当し、元の多角形ガスキャビネット内接円直径のゴム製シーリングフィルム支持円筒を用いてガスキャビネットを改造すると、工事量が多く、且つキャビネット内に通気条件がよくなく、人が入ってメンテナンス可能なゴム製シーリングフィルム支持円筒を用いると、水平断面積を大幅に減少させ、且つ工事量がより多くなる。円形ピストン9と筒体の多角形との間の可動接続はゴム製シーリングフィルム10を用いるものであり、ピストン9はサイドプレート4及び固定装置12から約500mm離れ、直径が大きく、辺の数が多いため、ゴム製シーリングフィルム10の弾性はサイドプレート4及び固定装置12からなる多角形支持構造と円形ピストン9との間の寸法差を補償することができる。したがって、20万m3の多角形ガスキャビネットを10万m3の多角形フィルムシーリングガスキャビネットに改造することができ、対応するゴム製シーリングフィルム10は筒体におけるシーリングアングル11-1も48角形に変形し、従来のガスキャビネットの水平断面積を十分に利用して省投資、施工や取付がやすく、キャビネット内の通気条件がよい。
【0034】
20万m
3の多角形ガスキャビネット筒体固定装置12が解決手段2を採用する場合、縦型カラムにおける固定装置12の縦型カラム支持台12-1もT型鋼を用いることが推奨され、数メートルわきに1段にし、縦型カラムの変形に容易に適応することができ、固定装置12は、円周方向の重ね構造を採用し、詳細は
図12を参照し、水平断面積は解決手段1に相当し(ひいては可能性がより大きく)、且つサイドプレートの異なる高さに対応する変形を現場で調整することが容易であり、折り型鋼製プレートで円周方向に重ねて縦型プレート12-3を構成し、垂直方向の高さも数メートルわきに1段にすることができ、段間距離が約10mmとし、このように、固定装置12の水平断面積は、元の正多角形ガスキャビネット辺の数の2倍以上の多角形を構成し、本実施例は、実施例1に比べて、部材の成型が簡単で便利で、縦型カラムとサイドプレートとの垂直方向の誤差に適応する能力が強く(調整しやすく)、溶接と防食との作業が簡単で、施工効率が大幅に向上するなどの利点を有する。
【0035】
最後に、以上の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それらを限定するためのものではなく、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者には、本発明の技術的解決手段の主旨と範囲から逸脱することなく、本発明の技術的解決手段を修正又は等価置換することが理解され、いずれも本発明の特許請求の範囲に属することが説明される。
【符号の説明】
【0036】
1 底部油溝
1-1 底部油溝アンダープレート
1-2 底部油溝縦型プレート
2 中央アンダープレート
3 外部エレベータ
4 サイドプレート
5 縦型カラム
6 キャビネット頂部
7 緊急救助用の吊り袋
8 内部の吊り篭
9 ピストン
9-1 ピストン支持台
9-2 ピストンのゴムフィルムにおける固定装置
9-3 ピストンエプロン
9-4 ピストンプレート
10 ゴム製シーリングフィルム
11 ゴム型固定装置
11-1 シーリングアングル
11-2 コーナーシーリングアングル
11-3 コーナーシーリングプレート
11-4 第1の支持構造
11-5 第2の支持構造
12 固定装置
12-1 縦型カラム支持台
12-2 サイドプレート支持台
12-3 縦型プレート
12-4 重ね折りプレート
12-5 重ねエンドプレート
13 シーリングプレート
14 通気孔
14-1 雨よけカバー
14-2 金網
15 入口出口管
h サイドプレートの全高
H ピストンストローク
D サイドプレート外接円直径
d サイドプレート内接円直径
a 空気ゾーン
g ガスゾーン