(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】包材及び梱包体
(51)【国際特許分類】
B65D 81/07 20060101AFI20230901BHJP
B65D 71/06 20060101ALI20230901BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
B65D81/07
B65D71/06 210
B65D77/04 D
(21)【出願番号】P 2020531217
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(86)【国際出願番号】 JP2019026252
(87)【国際公開番号】W WO2020017316
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2018136725
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(72)【発明者】
【氏名】竹尾 薫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/176115(WO,A1)
【文献】実開昭59-186267(JP,U)
【文献】特表2002-519259(JP,A)
【文献】国際公開第2016/040787(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/07
B65D 71/06
B65D 77/04
B65D 81/03
B65D 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装体を梱包するための包材であって、 基体と、 前記被包装体を覆うためのフィルムと、 前記基体及び前記フィルムを接合する接合体と、を備え、 前記基体は、第1方向において互いに対向する一対の第1面部、前記第1方向と直角である第2方向において互いに対向する一対の第2面部、前記第1方向及び前記第2方向と直角である第3方向の一方側において前記一対の第1面部に繋がる一対の第1フラップ部、及び前記第3方向の前記一方側において前記一対の第2面部に繋がる一対の第2フラップ部を有し、
前記一対の第1フラップ部の各々は、前記第2方向両側に位置する一対の第1側辺を有し、 前記一対の第2フラップ部の各々は、前記第1方向両側に位置する一対の第2側辺を有し、 前記一対の第1側辺は、前記第1面部から離間するほど互いの距離が小さくなるように傾いており、 前記基体は、隣り合う前記第1側辺と前記第2側辺とに各々が繋がる、4つの連結部をさらに有し、前記接合体は、前記フィルムの前記第1方向の両端部と前記一対の第1フラップ部とを接合する一対の第1接合部を有する、包材。
【請求項2】
前記一対の第1接合部は、前記フィルムの前記第1方向の両端部と、前記一対の第1フラップ部の端部とを接合する、請求項1に記載の包材。
【請求項3】
前記接合体は、前記フィルムと前記4つの連結部とを各別に接合する4つの連結接合部をさらに有する、請求項
2に記載の包材。
【請求項4】
前記第1フラップ部は、前記一対の第1側辺に挟まれた部分である主部と、当該主部から前記第2方向の前記一方側に延出する第1延出部とを有する、請求項1ないし請求項
3のいずれか1項に記載の包材。
【請求項5】
請求項1ないし請求項
4のいずれかに記載の包材を備える梱包体であって、 前記一対の第1面部及び前記一対の第2面部に囲まれた収容空間に少なくとも一部が配置され、少なくとも前記第3方向の他方側から前記フィルムによって覆われた被包装体をさらに備え、前記第3方向の前記他方側から前記一方側に向けて、前記被包装体、前記一対の第1フラップ部及び前記一対の第2フラップ部の順で積層されるように、前記一対の第1フラップ部及び前記一対の第2フラップ部が前記第1面部及び前記第2面部に対して折られている、梱包体。
【請求項6】
前記一対の第1フラップ部の前記第1方向における先端間の距離は、前記被包装体の前記第1方向寸法よりも小さい、請求項
5に記載の梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包材及び梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
被包装体としての商品を包装した梱包体は、例えば通信販売された商品を消費者に配送する際の形態として広く用いられている。包装に用いられる包材としては、広く、略立方体または略長方体の段ボールが用いられている。包材の大きさは資材コスト、配送コストの面から、限定される傾向がある。これに対し、被包装体の形状は様々であるため、包材と被包装体の間に、隙間が生じる場合がある。この隙間を埋めて包材内に被包装体を固定するために、たとえば、衝撃緩衝材が利用されている。
【0003】
また、特許文献1には、衝撃緩衝材を用いずに、被包装体を包材の内部(収容空間)に固定する技術が開示されている。同文献に開示される包材は、基体とフィルムとを有する。基体は、梱包体において外装の箱となる部位を含む。フィルムは、例えば伸長可能な樹脂からなり、被包装体を覆うものである。同文献の梱包体においては、フィルムに張力が生じた状態で、被包装体がフィルムに覆われる。フィルムに覆われた被包装体は、箱の一部に固定され、箱に収容される。これにより、梱包体が配送される際等に、被包装体の箱内における不要な動き等が抑制され、被包装体が保護されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同文献に開示された技術においては、梱包体を製造する際に、フィルムに張力を付与するための動作、張力が付与されたフィルムを被包装体に沿わせて被包装体を覆う動作、および、フィルムに覆われた被包装体が内部に収容された状態で、箱を閉じる動作が必要となる。このため、梱包体の製造効率が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、様々な形状の被包装体を収容空間に固定することのできる包材及び梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の包材は、被包装体を梱包するための包材であって、基体と、被包装体を覆うためのフィルムと、基体及びフィルムを接合する接合体と、を備える。基体は、第1方向において互いに対向する一対の第1面部、第1方向と直角である第2方向において互いに対向する一対の第2面部、第1方向及び第2方向と直角である第3方向の一方側において一対の第1面部に繋がる一対の第1フラップ部、及び第3方向の一方側において一対の第2面部に繋がる一対の第2フラップ部を有する。接合体は、フィルムの第1方向の両端部と一対の第1フラップ部とを接合する一対の第1接合部を有する。
【0008】
本開示の包材において、一対の第1接合部は、フィルムの第1方向の両端部と、一対の第1フラップ部の端部とを接合する。
【0009】
本開示の包材において、一対の第1フラップ部の各々は、第2方向両側に位置する一対の第1側辺を有しており、一対の第2フラップ部の各々は、第1方向両側に位置する一対の第2側辺を有している。一対の第1側辺は、第1面部から離間するほど互いの距離が小さくなるように傾いている。基体は、隣り合う第1側辺と第2側辺とに各々が繋がる、4つの連結部をさらに有する。
【0010】
本開示の包材において、接合体は、フィルムと4つの連結部とを各別に接合する4つの連結接合部をさらに有する。
【0011】
本開示の包材において、連結接合部の第2方向寸法は、連結部の第2方向における最大寸法の1/2以上である。
【0012】
本開示の包材において、第1フラップ部は、一対の第1側辺に挟まれた部分である主部と、当該主部から第2方向の一方側に延出する第1延出部とを有する。
【0013】
本開示の包材において、第1フラップ部は、第1延出部から第2方向両側に延出する一対の第2延出部を有する。
【0014】
本開示の包材において、基体は、第3方向の他方側において一対の第1面部に繋がる一対の第3フラップ部及び第3方向の他方側において一対の第2面部に繋がる一対の第4フラップ部を有する。
【0015】
本開示の梱包体は、上記包材が用いられた梱包体であって、一対の第1面部及び一対の第2面部に囲まれた収容空間に少なくとも一部が配置され、少なくとも第3方向の他方側からフィルムによって覆われた被包装体をさらに備え、第3方向の他方側から一方側に向けて、被包装体、一対の第1フラップ部及び一対の第2フラップ部の順で積層されるように、一対の第1フラップ部及び一対の第2フラップ部が第1面部及び第2面部に対して折られている。
【0016】
本開示の梱包体において、一対の第1フラップ部の第1方向における先端間の距離は、被包装体の第1方向寸法よりも小さい。
【0017】
本開示の梱包体において、基体が外箱を構成する。
【0018】
本開示の梱包体は、基体を収容する外箱をさらに備える。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、一対の第1フラップ部は、一対の第1フラップ部間に渡されたフィルムの第3方向一方側の面上に被包装体を載置した状態で、内側(向かい合う一対の第1フラップ部間の中心側)に向けて倒れることができる。一対の第1フラップ部が内側に倒されると、一対の第1接合部によって一対の第1フラップ部に接合されたフィルムが、被包装体の第3方向他方側から被包装体の第1方向両端を経由して被包装体の第3方向一方側に巻き込まれるように伸長される。そして、一対の第1フラップ部が完全に倒されると、フィルムは、被包装体に沿うように伸長された状態(張力が付与された状態)で被包装体を覆うこととなる。これにより、被包装体の形状、大きさなどが、包材の収容空間の形状、大きさと異なっている場合であっても、包材の収容空間において、被包装体を固定することができる。したがって、本開示の包材によれば、様々な形状の被包装体を、包材の収容空間に固定することができる。特に本開示によれば、一対の第1フラップ部を倒す動作とは別に、フィルムに張力を付与するための動作をする必要がない。
【0020】
本発明のその他の特徴および利点について、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る包材を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る包材を示す正面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る包材を用いた梱包体の製造を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る包材を用いた梱包体の製造を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る梱包体を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る包材を用いた梱包体の変形例の製造を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る梱包体の変形例を示す断面図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る包材を用いた梱包体の製造を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る梱包体を示す断面図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係る梱包体を示す断面図である。
【
図16】
図16は、第3実施形態に係る包材を用いた梱包体の製造を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態に係る梱包体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0023】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0024】
<第1実施形態>
図1~
図9は、本開示の第1実施形態に係る包材及び梱包体を示している。本実施形態の包材A1は、基体1、フィルム2及び接合体3を備えている。包材A1は、被包装体4が包材A1によって包装されることにより、梱包体B1が製造される。これらの図において、x方向、y方向およびz方向は、それぞれ直交している。x方向は第1方向に相当し、y方向は第2方向に相当し、z方向は第3方向に相当する。
【0025】
基体1は、フィルム2に覆われた被包装体4を保持するためのものである。基体1の材料としては、一般的な、所謂ノンコート紙と呼ばれる厚紙、段ボール紙、普通紙、合成紙、表面に樹脂層が設けられた所謂コート紙、あるいは合成樹脂シートなどを採用しうる。これらは単層シート、およびこれらの2以上のシートが積層接着された積層シートなどの各種シート材を用いることができる。以降においては、基体1の材質として、ダンボール紙が用いられる場合を例に説明する。
【0026】
図1及び
図2に示すように、基体1は、一対の第1面部11、一対の第2面部12、一対の第1フラップ部13及び一対の第2フラップ部14を有する。また、本実施形態の基体1はさらに、4つの第1連結部15、一対の第3フラップ部16、一対の第4フラップ部17及び4つの第2連結部18を有する。図示された例においては、基体1は、包材A1を用いた梱包体B1において、被包装体4を収容する箱体を構成する。なお、基体1が1枚のダンボール紙から形成される場合、所定の隣り合う面部を繋ぐための接合箇所が適宜形成されていてもよい。以降の説明及び図においては、このような接合箇所を省略する。
【0027】
一対の第1面部11は、x方向において離間しており、互いに対向している。一対の第1面部11の形状や大きさは特に限定されず、本実施形態においては、y方向及びz方向に沿う2対の辺を有する矩形状である。また、図示された例においては、一対の第1面部11の形状及び大きさは、略同じである。一対の第1面部11に関し、基体1が立体的に組み立てられた場合に、互いに向かい合う面(包材A1において内側に位置する面)を各々内側面と言い、内側面と反対側の面(包材A1において外側に位置する面)を各々外側面と言う。
【0028】
一対の第2面部12は、y方向において離間しており、互いに対向している。一対の第2面部12の形状や大きさは特に限定されず、本実施形態においては、x方向及びz方向に沿う2対の辺を有する矩形状である。また、図示された例においては、一対の第2面部12の形状及び大きさは、略同じである。一対の第2面部12は、一対の第1面部11のy方向両端に繋がっている。第2面部12のz方向寸法は、第1面部11のz方向寸法と略同じである。一対の第2面部12に関し、基体1が立体的に組み立てられた場合に、互いに向かい合う面(包材A1において内側に位置する面)を各々内側面と言い、内側面と反対側の面(包材A1において外側に位置する面)を各々外側面と言う。
【0029】
対向する第1面部11の内側面、および対向する第2面部の内側面に囲まれた領域が、被包装体を収容するための収容空間である。本実施形態において収容空間の形状は、略直方体である。
【0030】
一対の第1フラップ部13は、z方向一方側(
図1及び
図2における図中上側)において一対の第1面部11にそれぞれ繋がっている。一対の第1フラップ部13の形状及び大きさは特に限定されず、また、互いの形状及び大きさが同じであってもよいし、異なっていてもよい。図示された例においては、一対の第1フラップ部13の形状及び大きさは、略同じである。第1フラップ部13は、一対の第1側辺131を有する。一対の第1側辺131は、y方向に互いに離間した辺である。図示された例においては、一対の第1側辺131は、第1面部11からz方向において離間するほどy方向における互いの距離が小さくなるように傾いている。一対の第1フラップ部13に関し、繋がる第1面部11の内側面と同
じ側にある面を各々内側面と言い、繋がる第1面部11の外側面と同じ側にある面を各々外側面と言う。
【0031】
一対の第2フラップ部14は、z方向一方側(
図1及び
図2における図中上側)において一対の第2面部12のそれぞれに繋がっている。一対の第2フラップ部14の形状及び大きさは特に限定されず、また、互いの形状及び大きさが同じであってもよいし、異なっていてもよい。図示された例においては、一対の第2フラップ部14の形状及び大きさは、略同じである。第2フラップ部14は、一対の第2側辺141を有する。一対の第2側辺141は、x方向に互いに離間した辺である。図示された例においては、一対の第2側辺141は、互いに平行であり、
図1及び
図2に示す状態においてz方向に沿っている。また、図示された例においては、第2側辺141のz方向寸法は、第1側辺131のz方向寸法よりも若干大きい。一対の第2フラップ部14に関し、繋がる第2面部12の内側面と同じ側にある面を各々内側面と言い、繋がる第2面部12の外側面と同じ側にある面を各々外側面と言う。
【0032】
4つの第1連結部15は、隣り合う第1フラップ部13の第1側辺131と第2フラップ部14の第2側辺141とに各々が繋がっている。すなわち、第1連結部15は、隣り合う第1フラップ部13と第2フラップ部14とを連結している。図示された例においては、第1連結部15は、全体として略三角形状を有している。ただし、図示された例においては孔部151が設けられているため、1つの頂点が欠けた形状となっている。より詳細には、図示された例において第2連結部15は、z方向他方側から一方側に向けて、y方向寸法が連続的に比較的緩やかに大きくなった後、連続的に比較的急に小さくなる形状である。また、図示された例においては、第1連結部15のz方向一方側の端縁は、第1側辺131から第2側辺141に向かうほどz方向一方側(
図1及び
図2における図中上側)に位置するように傾いている。4つの第1連結部15に関し、繋がる第1フラップ部13の内側面と同じ側にある面を各々内側面と言い、繋がる第1フラップ部13の外側面と同じ側にある面を各々外側面と言う。
【0033】
また図示されるように、基体1には、4つの孔部151が形成されていてもよい。孔部151は、隣り合う第1側辺131及び第2側辺141と、これらの第1側辺131及び第2側辺141に繋がる第1連結部15によって囲まれた孔であり、図示された例においては、略三角形状である。なお、図示された例とは異なり、基体1は、4つの第1連結部15を有さない構成であってもよい。この場合、第1フラップ部13と第2フラップ部14とは互いに連結されず、独立して折り畳むことが可能である。
【0034】
一対の第3フラップ部16は、z方向他方側(
図1及び
図2における図中下側)において一対の第1面部11にそれぞれ繋がっている。一対の第3フラップ部16の形状及び大きさは特に限定されず、また、互いの形状及び大きさが同じであってもよいし、異なっていてもよい。図示された例においては、一対の第3フラップ部16の形状及び大きさは、略同じである。第3フラップ部16は、一対の第3側辺161を有する。一対の第3側辺161は、y方向に互いに離間した辺である。図示された例においては、一対の第3側辺161は、第1面部11からz方向において離間するほどy方向における互いの距離が小さくなるように傾いている。図示された第3フラップ部16は、第1フラップ部13と形状及び大きさが略同じであるが、第1フラップ部13とは異なる形状及び大きさであってもよい。
【0035】
一対の第4フラップ部17は、z方向他方側(
図1及び
図2における図中した側)において一対の第2面部12のそれぞれに繋がっている。一対の第4フラップ部17の形状及び大きさは特に限定されず、また、互いの形状及び大きさが同じであってもよいし、異なっていてもよい。図示された例においては、一対の第4フラップ部17の形状及び大きさは、略同じである。第4フラップ部17は、一対の第4側辺171を有する。一対の第4側辺171は、x方向に互いに離間した辺である。図示された例においては、一対の第4側辺171は、互いに平行であり、
図1及び
図2に示す状態においてz方向に沿っている。また、図示された例においては、第4側辺171のz方向寸法は、第3側辺161のz方向寸法よりも若干大きい。図示された第4フラップ部17は、第2フラップ部14と形状及び大きさが略同じであるが、第2フラップ部14とは異なる形状及び大きさであってもよい。
【0036】
4つの第2連結部18は、隣り合う第3フラップ部16の第3側辺161と第4フラップ部17の第4側辺171とに各々が繋がっている。すなわち、第2連結部18は、隣り合う第3フラップ部16と第4フラップ部17とを連結している。図示された例においては、第2連結部18は、全体として略三角形状を有している。ただし、図示された例においては孔部181が設けられているため、1つの頂点が欠けた形状となっている。より詳細には、図示された例において第2連結部18は、z方向一方側から他方側に向けて、y方向寸法が連続的に比較的緩やかに大きくなった後、連続的に比較的急に小さくなる形状である。また、図示された例においては、第2連結部18のz方向他方側の端縁は、第3側辺161から第4側辺171に向かうほどz方向他方側(
図1及び
図2における図中下側)に位置するように傾いている。
【0037】
また図示されるように、基体1には、4つの孔部181が形成されていてもよい。孔部181は、隣り合う第3側辺161及び第4側辺171と、これらの第3側辺161及び第4側辺171に繋がる第2連結部18によって囲まれた孔であり、図示された例においては、略三角形状である。なお、図示された例とは異なり、基体1は、4つの第2連結部18を有さない構成であってもよい。この場合、第3フラップ部16と第4フラップ部17とは互いに連結されず、独立して折り畳むことが可能である。
【0038】
フィルム2は、梱包体B1において被包装体4に沿うようにして被包装体4の少なくとも一部を覆うものである。被包装体4に密着し、且つ被包装体4をより確実に保持する観点から、フィルム2は、伸長されることにより張力を付与されることが可能なものが好ましい。図示されるように、フィルム2は互いに離間して対向する一対の第1フラップ部13間に渡されており、そのX方向の両端部は、一対の第1フラップ部13に固定されている。
【0039】
フィルム2としては、特に限定されず、通常公知の伸縮性を備える単層構成または一種あるいは二種以上の複層構成の合成樹脂製フィルムが用いられる。また、適宜必要に応じて、ガスバリアー性や遮光性等の各種機能を有するフィルムを用いてもよい。フィルム2の厚みは、通常10μm~200μm、好ましくは30μm~100μmである。
【0040】
フィルム2の層を構成する材質の種類としては、特に限定されず、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、軟質塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。フィルム2の材質としては、これらのうち単独の樹脂が用いられてもよいし、二種以上が混合して用いられてもよい。好ましくは、フィルム2の材質は、ポリオレフィン系樹脂及びポリウレタン系樹脂であり、特に好ましくはポリオレフィン系樹脂である。
【0041】
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸-不飽和カルボン酸エステル共重合体などの各種共重合体が挙げられる。
【0042】
なお、フィルム2には、ミシン目線等の切断容易線が設けられていてもよい。この切断容易線は、後述の梱包体B1の開封において、フィルム2がよりスムーズに切断されるためのものである。ただし、切断予定線は、フィルム2が伸長されて張力が付与された状態で被包装体4を適切に包装し得るように、想定された張力が付与された状態では切断されないものが好ましい。
【0043】
接合体3は、第1フラップ部13及びフィルム2を接合するためのものである。接合体3は、基体1とフィルム2との一部ずつを適切に接合可能なものであればよく、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト等の接着剤、接着テープ等が用いられる。また、接合体3は、固定具(テープ、ステープラー等)でもよい。また接合体3は、基体1及びフィルム2のそれぞれの表層がヒートシール性を有するシーラント層によって構成され、これらがヒートシールされることにより形成される接合部分であってもよい。また、接合体3の他の形態として、例えば基体1の適所に設けた切れ目線等にフィルム2の一部を差し込んで係合させることにより、第1フラップ部13とフィルム2の端部とを接合する形態を挙げることができる。
【0044】
図1及び
図2に示すように、本実施形態においては、接合体3は、一対の第1接合部31および二対の連結接合部32を有する。
【0045】
一対の第1接合部31は、フィルム2のx方向の両端部と、一対の第1フラップ部13とを各別に接合している。図示された例においては、第1接合部31は、第1フラップ部13の内側面とフィルム2の端部とを接合している。第1接合部31の形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、第1フラップ部13の端部をy方向に横断する帯状である。
【0046】
二対の連結接合部32は、フィルム2のx方向の両端部と4つの第1連結部15の端部とを各別に接合している。図示された例においては、連結接合部32は、第1連結部15の端部の内側面とフィルム2とを接合している。連結接合部32の形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、y方向に延びる帯状である。また、図示された例においては、第1接合部31とこの第1接合部31のy方向両側に位置する一対の連結接合部32とが、互いに繋がっているが、第1接合部31と一対の連結接合部32とが互いに離れた構成であってもよい。また、第1接合部31及び連結接合部32のそれぞれは、互いに離間した複数の部位によって構成されていてもよい。
【0047】
また、連結接合部32のy方向における寸法y1は、好ましくは、第1連結部15のy方向における最大の寸法y2の1/2以上である。
【0048】
上述の図示された例において、基体1とフィルム2との配置関係はこれに限定されない。たとえば、フィルム2の端部は、第1フラップ部13の外側面に接合されていてもよい。基体1が連結結合部15を備える場合には、当然に、フィルム2の端部が連結結合部15の外側面に接合されてもよい。またフィルム2の端部が各部の外側面に接合される場合、該外側面のうちz方向一方側の端部であってもよく、端部でなくてもよい。換言すれば、フィルム2は、各外側面のうち、z方向他方側の端部と接合されていてもよい。フィルム2の端部が各部の内側面に接合される場合も、該内側面のうちz方向一方側の端部であってもよく、端部でなくてもよいが、端部に接合されることにより、x方向におけるフィルム2への張力の付与がより大きくなる点で好ましい。
【0049】
次に、包材A1を用いた梱包体B1の製造の一例について、
図3~
図9を参照しつつ、以下に説明する。
【0050】
まず、
図1及び
図2に示した状態から、一対の第4フラップ部17を内側(一対の第4フラップ17間の中心側)に倒すように、第4フラップ部17と第2面部12との境界を折る。一対の第4フラップ部17を内側に倒す動作により、一対の第2連結部18から第3フラップ部16へと、力が伝達される。この力は、第3フラップ部16を内側(一対の第3フラップ16間の中心側)に倒すように作用する。特に、一対
の第3側辺161が上述した傾いた構成であることにより、第3フラップ部16を倒すような力が作用しやすい。
【0051】
このように、一対の第4フラップ部17を倒す動作により、
図4に示すように、一対の第3フラップ部16、4つの第2連結部18及び一対の第4フラップ部17の順で、z方向一方側(図中上側)から他方側(図中下側)に積層された状態となる。また孔部181設けられている場合には、第3フラップ部16、第2連結部18及び第4フラップ部17の折れ込みが容易となり、好適な積層状態となることができる。
【0052】
次いで、
図3及び
図4に示すように、被包装体4をフィルム2の上に載置する。被包装体4は、梱包体B1において、フィルム2によって少なくとも一部が覆われるものであり、かつ基体1によって外的作用から保護され得るものである。被包装体4の種類は特に限定されず、例えば日用品、文房具、食品、飲料、化粧品、医薬品、電子機器等が例示される。被包装体4の形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、略直方体形状である。被包装体4は、フィルム2の片面(z方向一方側の面)に載置される。
【0053】
次いで、
図5及び
図6に示すように、一対の第2フラップ部14を内側(一対の第2フラップ14間の中心側)に倒すように、第2フラップ部14と第2面部12との境界を折る。一対の第2フラップ部14を内側に倒す動作により、一対の第1連結部15から第1フラップ部13へと、力が伝達される。この力は、第1フラップ部13を内側(一対の第1フラップ13間の中心側)に倒すように作用する。特に、一対の第1側辺131が上述した傾いた構成であることにより、第1フラップ部13を倒すような力が作用しやすい。一対の第2フラップ部14を内側に倒すことにより、一対の第1フラップ部13が内側に倒れ始めると、
図6に示すように、図中のZ方向から包材A1を俯瞰した場合に、一対の第第1フラップ部13の上端部が、被包装体4のx方向両端に徐々に被る状態となる。これに伴い、フィルム2のx方向両端部が、被包装体4のx方向両端に被る。
【0054】
さらに、一対の第2フラップ部14を倒す動作を行うと、
図7~
図9に示すように、一対の第1フラップ部13、4つの第1連結部15及び一対の第2フラップ部14の順で、z方向他方側(図中下側)から一方側(図中上側)に積層された状態となる。以上により、基体1は、z方向両側が閉じられた箱体を構成する。これにより、
図8に示すように、一対の第1フラップ部13は、x方向に沿う状態となる。またフィルム2は、x方向において、被包装体4の中心部分から被包装体4のx方向両端を経由して、一対の第1接合部31にまで到達するように伸長させられた格好となる。これにより、被包装体4は、
図8に示されるように、被包装体4のz方向他方側(図中下側)から被包装体4のx方向両端を経由して被包装体4のz方向一方側(図中上側)のx方向内側に巻き込まれるように、フィルム2によって覆われる。フィルム2は、伸長させられることによりx方向において張力が付与されており、少なくとも
図8に示された部分において、被包装体4に沿うように密着することができる。
【0055】
また、
図3、
図5、
図7及び
図9から理解されるように、第1フラップ部13を挟んで位置する一対の第1連結部15は、第1フラップ部13が一対の第1フラップ13間の中心側に向かって倒れるに伴い、y方向において一対の第1連結部15間の中心側に向かって第1フラップ部13を覆うように倒れる。このような一対の第1フラップ部13の倒れ方により、
図9に示すように、フィルム2は、被包装体4のz方向一方側(図中上側)において一対の第2面部12間の中心側に向かって巻き込まれるように伸長される。この結果、被包装体4のy方向両端がフィルム2によって覆われることができる。フィルム2は、このように伸長させられることにより、y方向において張力が付与されており、少なくとも
図9に示された部分において、被包装体4に沿うように密着することができる。
【0056】
以上の工程を経ることにより、梱包体B1が得られる。梱包体B1においては、基体1の一対の第1面部11及び一対の第2面部12に囲まれた収容空間に被包装体4の少なくとも一部が配置される。本実施形態においては、被包装体4のすべてが配置されている。被包装体4は、少なくともz方向他方側(図中下側)においてフィルム2によって覆われており、図示された例においては、さらにx方向両端がフィルム2によって覆われている。また、基体1は、z方向の他方側(図中下側)から一方側(図中上側)に向けて、被包装体4、一対の第1フラップ部13及び一対の第2フラップ部14の順で積層されるように、一対の第1フラップ部13及び一対の第2フラップ部14が第1面部11及び第2面部12に対して折られている。また、本実施形態においては、一対の第1フラップ部13と一対の第2フラップ部14との間に、4つの第1連結部15が介在している。また、本実施形態においては、基体1が一対の第3フラップ部16、一対の第4フラップ部17及び一対の第2連結部18を有している。これにより、基体1は、x方向、y方向及びz方向の全ての両側が閉じられた箱体を形成している。さらに、本実施形態においては、基体1は、梱包体B1において外観に表れる外箱を構成している。
【0057】
また、
図8に示すように、図示された例においては、一対の第1フラップ部13のx方向における先端間の距離x1は、被包装体4のx方向における寸法x2よりも小さい。なお寸法x2は、被包装体4のx方向における寸法のうちの最大値であることが好ましい。
【0058】
次に、包材A1及び梱包体B1の作用効果について説明する。
【0059】
本実施形態によれば、
図5及び
図6に示すように、フィルム2のx方向の両端部は、一対の第1接合部31によって一対の第1フラップ部13に接合されている。このため、一対の第1フラップ部13が内側に倒されると、フィルム2は、被包装体4のz方向他方側(図中下側)から被包装体4のx方向両端を経由して被包装体4のz方向一方側(図中上側)に巻き込まれるように伸長される。そして、
図8に示すように、一対の第1フラップ部13が完全に倒されると、フィルム2がz方向他方側(図中下側)からx方向両端、さらにz方向一方側にわたって被包装体4に沿うように伸長された状態(張力が付与された状態)で被包装体4を覆うこととなる。これにより、被包装体4の形状、大きさなどが、包材A1の収容空間の形状、大きさと異なっている場合であっても、包材A1の収容空間において、被包装体4を固定することができる。したがって、本開示の包材A1によれば、様々な形状の被包装体を収容空間に固定することができる。さらに、一対の第1フラップ部13を倒す動作とは別に、フィルムに張力を付与するための動作をする必要がない。したがって、包材A1によれば、たとえば特許文献1の技術に比して、梱包体B1の製造効率を高めることができる。
【0060】
また、本実施形態では、第1フラップ部13と一対の第2フラップ部14とは、2つの第1連結部15によって連結されている。このため、一対の第2フラップ部14を倒す動作により、
図5及び
図6に示すように、一対の第2フラップ部14と一対の第1フラップ部13とを一括して(一つの動作で)倒すことができる。特に、第1フラップ部13の一対の第1側辺131が上述した傾いた構成であることにより、一対の第2フラップ部14を倒し始めると、その後は、一対の第2フラップ部14に先行して一対の第1フラップ部13を倒すことができる。これは、一対の第2フラップ部14と一対の第1フラップ部13とを一括して倒しつつ、一対の第2フラップ部14が、フィルム2による被包装体4の包装を阻害することを防止するのに適している。
【0061】
また、
図9に示すように、第1連結部15が設けられていることにより、被包装体4と最外方に位置する一対の第2フラップ部14との間により大きな隙間を生じさせることができる。これは、意図しない衝撃等が梱包体B1に加えられた際に、被包装体4が損傷等することを抑制するのに好ましい。なお、梱包体B1においては、被包装体4が収容空間のz方向一方側に固定されているため、被包装体4と一対の第4フラップ部17との間には、十分な隙間(空間)が確保されている。このため、被包装体4を衝撃等の外的作用から保護することが可能であるが、より確実な被包装体4の保護を目的として、例えば被包装体4と一対の第4フラップ部17との間に衝撃緩衝材(図示略)を配置してもよい。
【0062】
フィルム2のx方向両端は、二対の連結接合部32によって二対(4つ)の第1連結部15に接合されている。これにより、
図9に示すように、一対の第1連結部15が、被包装体4のz方向一方側(図中上側)において、フィルム2を内側(一対の第2面部12間の中心側)に巻き込むような挙動を示すことができる。このため、フィルム2は、
図8を参照して説明した、被包装体4のx方向両端を経由した伸長状態(x方向の張力が付与された状態)に加えて、被包装体4のy方向両端を経由した伸長状態(y方向の張力が付与された状態)とされることができる。これにより、フィルム2によって、x方向及びy方向の双方向において被包装体4をより確実に保持することができる。また、連結接合部32のy方向における寸法y1が、第1連結部15のy方向における最大の寸法y2の1/2以上である構成は、フィルム2にy方向に沿った張力をより確実に付与するのに適している。なお、被包装体4の個数は特に限定されず、1つの基体1に複数の被包装体4が固定されていてもよい。
【0063】
図10~
図17は、本開示の変形例及び他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0064】
<第1実施形態 変形例>
図10は、包材A1を用いた梱包体の変形例の製造を示している。本例においては、被包装体4は、被包装物41及び支持部材42を含む。被包装物41は、上述した例において述べた、日用品、文房具、食品、飲料、化粧品、医薬品、電子機器等である。支持部材42は、被包装物41を支持するためのものであり、たとえば基体1の材質として採用される種々の材料からなり、たとえばダンボール紙からなることができる。
図10において、被包装物41は、支持部材42のz方向一方側(図中上側)に載置されている。すなわち、z方向他方側からz方向一方側に向けて、フィルム2、被包装物41、支持部材42の順に配置されている。支持部材42のx方向寸法およびy方向寸法は、被包装物41のx方向寸法およびy方向寸法よりも大きいことが好ましく、被包装物41は、z方向視において支持部材42に内包されていることが好ましい。
【0065】
上述した例で述べたように、一対の第2フラップ部14を倒すことにより、4つの第1連結部15を介して一対の第1フラップ部13を倒すことが可能であり、被包装物41及び支持部材42からなる被包装体4をフィルム2によって覆うことができる。このような工程を経ることにより、本例の梱包体B11が得られる。
【0066】
本実施形態によっても、フィルム2に張力を付与した状態で被包装体4が覆われることとなり、これにより、包材A1の収容空間において被包装体4が固定された梱包体B11を製造することができる。また、被包装体4が支持部材42を含むことにより、例えば被包装物41が比較的に小さい場合に、被包装体4の見かけの大きさを拡大することができる。このような構成は、例えば、被包装物41のx方向の寸法が、
図8に示す距離x1よりも小さい場合に、x方向の寸法が距離x1よりも大きい支持部材42を選択することにより、フィルム2に十分な張力を付与した状態で被包装体4を包装することができる。
【0067】
なお、被包装体4が含む被包装物41の個数は特に限定されず、1つの支持部材42に複数の被包装物41が支持されていてもよい。なお、以降の実施形態におい
ては、包材A1と同様の被包装体4が記載されているが、本変形例における被包装体4を適宜採用してもよい。
【0068】
<第2実施形態>
図12~
図15は、第2実施形態に係る包材及び梱包体を示している。
【0069】
本実施形態の包材A2は、
図12に示すように、第1フラップ部13が、主部135、第1延出部136及び一対の第2延出部137を有する。
【0070】
主部135は、一対の第1側辺131に挟まれた部位である。図示された例においては、略台形状である。第1延出部136は、主部135のz方向一方側端(図中上端)からz方向一方側(図中上側)に延出している。第1延出部136の形状は特に限定されず、図示された例においては、略矩形状である。一対の第2延出部137は、第1延出部136からy方向両側に延出している。第2延出部137の形状は特に限定されず、図示された例においては、第1延出部136からy方向に離間するほどz方向寸法が小さくなる形状である。
【0071】
図12及び
図13に示すように、本実施形態においては、フィルム2は、一対の第1フラップ部13の外側面に接合されていることが好ましい。この場合フィルム2は、一対の第1フラップ部13のz方向一方側端(図中上端)を経由して、一対の第1面部11及び一対の第2面部12に囲まれた収容空間の上方を横断することができる。換言すれば、
図12の状態の包材A2をz方向一方側より俯瞰した場合に、フィルム2は、第1フラップ13の外側面から第1延出部136および第2延出部137の上方を経由しながら、対向する第1フラップ13間に渡ることができる。
【0072】
本実施形態においても、フィルム2上に被包装体4を載置した状態で、一対の第2フラップ部14を倒す動作を行うと、4つの第1連結部15を介して一対の第1フラップ部13が倒れる。これにより、被包装体4がフィルム2によって覆われ、
図14及び
図15に示す梱包体B2が得られる。
【0073】
図14に示すように、本実施形態においては、第1フラップ部13に第1延出部136が設けられていることにより、一対の第1フラップ部13の先端間の距離x1は、上述した実施形態の距離x1よりも小さくなることができる。このため、本実施形態によれば、x方向に沿ったより強力な張力をフィルム2に付与することが可能である。これにより、被包装体4をより確実に保持することができる。
【0074】
また、第1フラップ部13に一対の第2延出部137が設けられていることにより、フィルム2をy方向においてより強く伸長させることが可能であり、被包装体4をy方向においてより確実に保持するのに適している。
【0075】
なお本実施形態では、一対の第1フラップ部13の各々が第1延出部136および第2延出部137を備える場合を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、第1フラップ部13の一方が、第1延出部136および第2延出部137を備えていてもよい。またたとえば、第1フラップ部13は、主部135から延出する第1延出部136のみを備えていてもよい。すなわち、第1フラップ部13の各々は個別に、第1延出部136を備えてもよく、第1延出部136および第2延出部137を備えてもよい。x方向およびy方向に沿ったより強力な張力をフィルム2に付与する観点からは、
図12に示されるように、一対の第1フラップ部13の各々が、第1延出部136および第2延出部137を備えていることが好ましい。
【0076】
<第3実施形態>
図16は、第3実施形態に係る包材を示している。本実施形態の包材A3は、上述した実施形態における一対の第3フラップ部16、一対の第4フラップ部17および4つの第2連結部18を有していない。また、図示されるように、一対の第1面部11及び一対の第2面部12のz方向寸法が縮小されていてもよく、例えば被包装体4のz方向寸法よりも小さくてもよい。
【0077】
例えば、
図3~
図7に示す工程を経ることにより、包材A3と被包装体4との結合体が得られる。この結合体を、
図17に示すように外箱Bxによって収容することにより、梱包体B3が得られる。外箱Bxは、包材A3と被包装体4との結合体を収容する箱体であり、梱包体B3の外観に表れる。なお、図示された包材A3と被包装体4との結合体は、
図16に示す包材A3に対して所定の工程を行った後に、z方向が逆向きとなる姿勢としたものである。本実施形態においては、基体1は、z方向片側が開放された形態であり、フィルム2に覆われた被包装体4が基体1から露出している。
【0078】
また図示された梱包体B3とは異なり、外箱Bxを備えない構成であってもよい。この場合、包材A3と被包装体4との結合体が、このまま単体で扱われる梱包体を構成する。
【0079】
本開示に係る包材及び梱包体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る包材及び梱包体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0080】
A1,A2,A3:包材B1,B11,B2,B3:梱包体1 :基体2 :フィルム3 :接合体4 :被包装体11 :第1面部12 :第2面部13
:第1フラップ部14 :第2フラップ部15 :第1連結部16 :第3フラップ部17 :第4フラップ部18 :第2連結部31 :第1接合部32 :連結接合部41 :被包装物42 :支持部材131 :第1側辺135 :第主部136 :第1延出部137 :第2延出部141 :第2側辺151 :孔部161
:第3側辺171 :第4側辺181 :孔部Bx :箱体x1 :距離x2,y1,y2:寸法