(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】生産管理装置および生産管理方法ならびに生産管理方法をコンピュータにより実行させるプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2018216582
(22)【出願日】2018-11-19
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】竹原 裕起
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/166538(WO,A1)
【文献】特開2003-162313(JP,A)
【文献】特開2007-201309(JP,A)
【文献】特開2017-143169(JP,A)
【文献】国際公開第2018/207280(WO,A1)
【文献】特開2012-182998(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0124394(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備を用いた前記ワークの生産状況をシミュレーションする生産模擬部と、
前記生産模擬部によって発生が予測された
作業者による作業に対して、前記ワークを加工する前記生産ラインを構成する前記生産設備における作業者の作業領域を
予測された作業毎に決定する作業領域決定部と、
前記作業領域決定部で決定された前記作業領域を前記作業者の停止位置として、前記作業者の作業動線を
予測された作業毎に推定する動線推定部と、を備える、生産管理装置。
【請求項2】
前記作業領域は、前記生産設備を操作する操作部を備える面に近接する領域である、請求項1に記載の生産管理装置。
【請求項3】
前記作業領域は、前記生産設備を開口または閉止させるシャッターを備える面に近接する領域である、請求項1または2に記載の生産管理装置。
【請求項4】
前記動線推定部は、複数の前記作業領域が決定された前記生産設備に対して、いずれの前記作業領域を前記停止位置とするかを決定して前記作業動線を推定する、請求項1から3のいずれかに記載の生産管理装置。
【請求項5】
前記動線推定部は、前記作業が遠隔から作業できる場合、前記停止位置をスキップして前記作業動線を推定する、請求項1から4のいずれかに記載の生産管理装置。
【請求項6】
前記動線推定部は、複数の前記作業領域が決定された前記生産設備に対して、前記作業者の現在の位置に基づいて前記停止位置を決定して前記作業動線を推定する、請求項1から5のいずれかに記載の生産管理装置。
【請求項7】
前記動線推定部は、前記作業者が複数いる場合、複数の前記作業者のそれぞれが担当する前記作業領域の情報に基づいて、いずれの前記作業者が作業をするかを決定して前記作業動線を推定する、請求項1から6のいずれかに記載の生産管理装置。
【請求項8】
前記動線推定部は、複数の前記作業者のうち一の作業者が作業している間、他の作業者が待機している位置から前記作業領域までの経路を当該他の作業者の作業動線として推定する、請求項7に記載の生産管理装置。
【請求項9】
表示画面を有する表示部と、
前記表示画面に表示され、前記生産設備のそれぞれに前記作業領域を設定させる作業領域設定手段と、をさらに備える、請求項1から8のいずれかに記載の生産管理装置。
【請求項10】
前記ワークを加工する前記生産設備は、少なくとも基板に半田を堆積させる印刷装置または前記基板に部品を実装する部品実装装置である、請求項1から9に記載の生産管理装置。
【請求項11】
ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備を用いた前記ワークの生産状況をシミュレーションし、
シミュレーションによって発生が予測された
作業者による作業に対して、ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備における作業者の作業領域を
予測された作業毎に決定し、
決定された前記作業領域を前記作業者の停止位置として、前記作業者の作業動線を
予測された作業毎に推定することを含む、生産管理方法。
【請求項12】
前記作業領域は、前記生産設備を操作する操作部を備える面に近接する領域である、請求項11に記載の生産管理方法。
【請求項13】
前記作業領域は、前記生産設備を開口または閉止させるシャッターを備える面に近接する領域である、請求項11または12に記載の生産管理方法。
【請求項14】
複数の前記作業領域が決定された前記生産設備に対して、いずれの前記作業領域を前記停止位置とするかを決定して、前記作業動線を推定する、請求項11から13のいずれかに記載の生産管理方法。
【請求項15】
前記作業が遠隔から作業できる場合、前記停止位置をスキップして、前記作業動線を推定する、請求項11から14のいずれかに記載の生産管理方法。
【請求項16】
複数の前記作業領域が決定された前記生産設備に対して、前記作業者の現在の位置に基づいて前記停止位置を決定して、前記作業動線を推定する、請求項11から15のいずれかに記載の生産管理方法。
【請求項17】
前記作業者が複数いる場合、複数の前記作業者のそれぞれが担当する前記作業領域の情報に基づいて、いずれの前記作業者が作業をするかを決定して、前記作業動線を推定する、請求項11から16のいずれかに記載の生産管理方法。
【請求項18】
複数の前記作業者のうち一の作業者が作業している間、他の作業者が待機している位置から前記作業領域までの経路を当該他の作業者の作業動線として推定する、請求項17に記載の生産管理方法。
【請求項19】
前記ワークを加工する前記生産設備は、少なくとも基板に半田を堆積させる印刷装置または前記基板に部品を実装する部品実装装置である、請求項11から18に記載の生産管理方法。
【請求項20】
ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備を用いた前記ワークの生産状況をシミュレーションし、
シミュレーションによって発生が予測された
作業者による作業に対して、ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備における作業者の作業領域を
予測された作業毎に決定し、
決定された前記作業領域を前記作業者の停止位置として、前記作業者の作業動線を
予測された作業毎に推定することを含む生産管理方法をコンピュータにより実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを加工する生産ラインにおける生産に関する情報を管理する生産管理装置および生産管理方法ならびに生産管理方法をコンピュータにより実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークに対して生産作業を実行する複数の生産設備で構成される生産ラインにおいて、部品や部材などを搬送する移動体や作業者の動線をシミュレーションして、適切な生産設備のレイアウトなどを決定することが知られている。特許文献1には、生産フロアに配置された部品置き場に設定された搬出場所と、生産フロアに配置された生産ラインに設定された搬入場所との間を移動して部品などを運搬する移動体の動線をシミュレーションして、移動体が存在する頻度から移動体が生産フロアのどこで滞留するかを把握することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、生産ラインには発生する作業に応じて部品などを搬送する位置や作業者が操作を行う位置が変化するものがある。例えば、基板に対して部品実装作業を実行する複数の部品実装装置を含んで構成される部品実装ラインでは、部品実装装置に対して作業する位置が、発生する作業の種類や部品実装装置の構成(操作部が両側にあるか、片側のみか等)等によって変化する。しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、生産ラインで発生する作業に応じて作業対象が変化する場合に作業者などの作業動線を精確にシミュレーションする方法が開示されておらず、更なる改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、作業者の作業動線を精確にシミュレーションすることができる生産管理装置および生産管理方法ならびに生産管理方法をコンピュータにより実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の生産管理装置は、ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備を用いた前記ワークの生産状況をシミュレーションする生産模擬部と、前記生産模擬部によって発生が予測された作業者による作業に対して、前記ワークを加工する前記生産ラインを構成する前記生産設備における作業者の作業領域を予測された作業毎に決定する作業領域決定部と、前記作業領域決定部で決定された前記作業領域を前記作業者の停止位置として、前記作業者の作業動線を予測された作業毎に推定する動線推定部と、を備える。
【0007】
本発明の生産管理方法は、ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備を用いた前記ワークの生産状況をシミュレーションし、シミュレーションによって発生が予測された作業者による作業に対して、ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備における作業者の作業領域を予測された作業毎に決定し、決定された前記作業領域を前記作業者の停止位置として、前記作業者の作業動線を予測された作業毎に推定することを含む。
また、本発明の生産管理方法をコンピュータにより実行させるプログラムは、ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備を用いた前記ワークの生産状況をシミュレーションし、シミュレーションによって発生が予測された作業者による作業に対して、ワークを加工する生産ラインを構成する生産設備における作業者の作業領域を予測された作業毎に決定し、決定された前記作業領域を前記作業者の停止位置として、前記作業者の作業動線を予測された作業毎に推定することを含む生産管理方法をコンピュータにより実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業者の作業動線を精確にシミュレーションすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成説明図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品実装システムが備える部品実装ラインの構成説明図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品実装ラインが備える部品実装装置の構成説明図
【
図4】本発明の一実施の形態の生産管理装置の構成を示すブロック図
【
図5】本発明の一実施の形態の生産管理装置が備える表示部に表示された作業領域設定画面の一例を示す図
【
図6】本発明の一実施の形態の生産管理装置が備える表示部に表示された設備別作業領域設定画面の一例を示す図
【
図7】本発明の一実施の形態の生産管理装置が備える表示部に表示された担当領域設定画面の一例を示す図
【
図8】本発明の一実施の形態の部品実装ラインが配置されたフロアにおける作業者の作業動線の一例の説明図
【
図9】本発明の一実施の形態の生産管理方法(作業動線推定方法)のフローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、部品実装ライン、生産管理装置、印刷装置、部品実装装置などの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図2では、紙面左側を基板搬送方向の上流側、紙面右側を基板搬送方向の下流側と称し、紙面下側を前側、紙面上側を後側と称する。
【0011】
まず
図1を参照して、部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、フロアFに配置された2本の部品実装ラインL1,L2が有線または無線による通信ネットワーク2によって接続され、ライン管理コンピュータ3によって管理される構成となっている。各部品実装ラインL1,L2は、後述するように部品実装装置を含む複数の生産設備を連結して構成され、基板に部品を実装した実装基板を生産する機能を有している。なお、部品実装システム1が備える部品実装ラインは2本である必要はなく、1本、および3本以上でも良い。
【0012】
各部品実装ラインL1,L2を構成する生産設備は、それぞれ通信ネットワーク2を介してライン管理コンピュータ3に接続されている。生産作業中の各生産設備の状況は、逐次、ライン管理コンピュータ3に送信されて、ライン管理コンピュータ3において各生産設備の状況を知ることができる。例えば、部品実装装置が供給している部品の残数、部品実装装置において実行される部品補給作業の状況、生産設備で発生した装置エラーと作業者による復旧作業の状況などがライン管理コンピュータ3に収集される。
【0013】
また、ライン管理コンピュータ3において、部品実装ラインL1,L2の生産設備で発生した装置エラーの内容確認と遠隔による復旧作業をすることができる。なお、ここでいう作業者は、フロアFを移動可能で、生産設備に対して作業の一部を行うことができるものであれば、人以外であってもよい。例えば、部品を保持して搬送するAGVやフロアFを自由に移動する多軸ロボット等でもよい。
【0014】
部品実装システム1は、通信ネットワーク2に接続されたコンピュータである生産管理装置4を備えている。生産管理装置4では、部品実装ラインL1,L2における実装基板の生産に関する各種シミュレーションの実行、生産計画の作成、生産設備で使用される各種パラメータの作成などが行われる。
【0015】
次に
図2を参照して、部品実装ラインL1,L2の詳細な構成を説明する。部品実装ラインL1,L2は同様の構成をしており、以下、部品実装ラインL1について説明する。部品実装ラインL1には、上流側から下流側に向けて基板(ワーク)を搬送する搬送部5を備えた生産設備が互いに連結されている。部品実装ラインL1において互いに連結された搬送部5は、前側の前側搬送レーン5Fと後側の後側搬送レーン5Rを構成する。すなわち、部品実装ラインL1は、前側搬送レーン5Fと後側搬送レーン5Rを並列に備えている。
【0016】
前側搬送レーン5Fには、上流側から下流側に向けて、基板供給装置M1、印刷装置M2、基板振分け装置M3、部品実装装置M4、部品実装装置M5、部品実装装置M6、コンベア装置M7、基板振分け装置M8、リフロー装置M9、検査装置M10、基板回収装置M11が連結されている。後側搬送レーン5Rには、上流側から下流側に向けて、基板供給装置M12、基板反転装置M13、印刷装置M14、基板振分け装置M3、部品実装装置M4、部品実装装置M5、部品実装装置M6、コンベア装置M7、基板振分け装置M8、リフロー装置M15、検査装置M16、基板回収装置M17が連結されている。
【0017】
図2において、基板供給装置M1,M12は、複数の基板を収納するラック等の収納部を備え、収納部から取り出した基板を下流側の生産設備に供給する。印刷装置M2,M14は、上流側から搬入された基板の電極にマスクを介して半田を印刷(堆積)する。なお、印刷装置M2,M14は、ディスペンサによって基板に半田を堆積する構成でもよい。基板振分け装置M3,M8は、上流側から基板を受け取って下流側に搬出する搬送部5を有する振分け機構を備えている。基板振分け装置M3は2基の振分け機構を備えており、基板振分け装置M8は1基の振分け機構を備えている。
【0018】
基板振分け装置M3の前側の振分け機構は上流側の前側搬送レーン5Fから下流側の後側搬送レーン5Rの間を前後に移動する(矢印a)。基板振分け装置M3の後側の振分け機構は上流側の後側搬送レーン5Rから下流側の前側搬送レーン5Fの間を前後に移動する(矢印b)。基板振分け装置M8の振分け機構は、上流側の前側搬送レーン5Fと後側搬送レーン5Rを含み、下流側の前側搬送レーン5Fと後側搬送レーン5Rの間を前後に移動する(矢印c)。基板振分け装置M3,M8は、ライン管理コンピュータ3などからの指令に従って、上流側の前側搬送レーン5Fまたは後側搬送レーン5Rから受け取った基板を下流側の前側搬送レーン5Fまたは後側搬送レーン5Rのいずれかに振り分けて搬出する。
【0019】
図2において、部品実装装置M4~M6は、前側搬送レーン5Fを構成する搬送部5と後側搬送レーン5Rを構成する搬送部5を備えており、それぞれの搬送部5において上流側から搬入された基板に部品を実装する。コンベア装置M7は、上流側の前側搬送レーン5Fから基板を受け取って、タイミングを調整して下流側の前側搬送レーン5Fに搬出する。また、コンベア装置M7は、上流側の後側搬送レーン5Rから基板を受け取って、タイミングを調整して下流側の後側搬送レーン5Rに搬出する。リフロー装置M9,M15は、基板を上流側から下流側に搬送しながら部品が搭載された基板を加熱して半田を融解させた後に固化させて部品を基板に半田付けする。
【0020】
検査装置M10,M16は、内蔵するカメラによって基板に半田付けされた部品の状態を観察して、所定の基準を満たすか否かを検査する。基板回収装置M11,M17は、複数の基板を収納するラック等の収納部を備え、上流側の生産設備が搬出する基板を受け取って収納部に回収する。基板反転装置M13は、上流側から受け取った基板を、ライン管理コンピュータ3などからの指令に従って、上下を反転し、または反転せずに下流側に搬出する。例えば、基板の裏面に部品を実装する際は、基板反転装置M13で基板の上下を反転する。
【0021】
部品実装ラインL1では、前側搬送レーン5Fおよび後側搬送レーン5Rによって上流側から下流側の生産設備に基板を受け渡しながら、基板に対して生産作業が実行されて実装基板が生産される。すなわち、基板はワークであり、印刷装置M2,M14、部品実装装置M4~M6などの生産設備は、ワーク(基板)を加工する生産ライン(部品実装ラインL1)を構成する。なお、部品実装ラインL1は、生産する実装基板の種類、生産量に応じて、生産設備の構成が自在に変更される。また、上記説明した生産設備の他、基板にレーザで番号などを刻印するレーザマーク装置、基板に付されたマークを読み取るカメラを有するマーク読み取り機能を内蔵するコンベア装置、半田の印刷状態を検査する印刷検査装置、基板に半田や接着剤を塗布する塗布装置などを備えてもよい。
【0022】
次に
図3を参照して、部品実装装置M4~M6の構成について説明する。部品実装装置M4~M6は同様の構成であり、ここでは部品実装装置M4について説明する。部品実装装置M4の前面中央の上方には、基板に部品を実装する実装ヘッド6、実装ヘッド6を水平移動させるヘッド移動機構(図示省略)などの可動部に作業者が誤って触れないように保護するシャッター7が設置されている。作業者が復旧作業を行う際は、シャッター7を開口させて装置内部の実装ヘッド6などに対する処置を行う。部品実装装置M4の前面中央の下方(シャッター7の下方)には、部品供給部8が設けられている。
【0023】
部品供給部8には、上部に部品供給装置である複数のテープフィーダ9を並列に保持する台車10が装着されている。台車10において、テープフィーダ9の下方には、部品を格納する部品供給テープを巻回収納する複数のリール11が並列に保持されている。テープフィーダ9は、リール11から引き出された部品供給テープを内部で搬送しながら部品供給テープに格納された部品を順に部品実装装置M4に供給する。部品供給テープが収納する部品の残数が少なくなると、部品を供給している部品供給テープの後端に新しい部品供給テープを継合したり、テープフィーダ9に新しい部品供給テープを挿入したりして、テープフィーダ9に部品を補給する部品補給作業が作業者によって行われる。
【0024】
図3において、前面の右上部には、操作部12が設けられている。操作部12には、タッチパネル13、および各種の操作ボタン14が設置されている。タッチパネル13は、その表示部に各種情報、警告情報、入力ボタンなどを表示する。作業者は、操作ボタン14やタッチパネル13に表示される入力ボタンなどを操作して、部品実装装置M4の操作を行う。
【0025】
部品実装装置M4には、前面の他、後面にもシャッター7、部品供給部8、操作部12が設けられている。また、部品実装装置M4~M6以外の生産設備にも、部品実装装置M4~M6が備える操作部12と同様の操作部やシャッターを前面または後面に備えているものがある。作業者が生産設備を操作する際は、操作部やシャッターに手が届く領域で作業を行う。すなわち、生産設備を操作する操作部12を備える面に近接する領域は、その生産設備における作業者の作業領域である。また、生産設備(部品実装装置M4~M6など)を開口または閉止させるシャッター7を備える面に近接する領域も、その生産設備における作業者の作業領域である。
【0026】
次に
図4を参照して、生産管理装置4の構成について説明する。生産管理装置4は、処理部20、記憶装置である生産計画記憶部26、ライン情報記憶部27の他、入力部28、表示部29を備えている。処理部20はCPUなどのデータ処理装置であり、内部処理部として作業領域設定処理部21、担当領域設定処理部22、生産模擬部23、作業領域決定部24、動線推定部25を備えている。なお、生産管理装置4は、ひとつのコンピュータで構成する必要はなく、複数のデバイスで構成してもよい。例えば、記憶装置の全てもしくは一部をサーバを介してクラウドに備えてもよい。
【0027】
入力部28は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部29は液晶パネルなどの表示装置であり、各記憶部が記憶する各種データを表示する他、入力部28による操作のための操作画面、作業領域設定画面、担当領域設定画面などの各種情報を表示画面に表示する。
【0028】
図4において、生産計画記憶部26には、生産計画情報26a、品種情報26b、動線推定結果26cなどが記憶されている。生産計画情報26aには、生産される実装基板のロット毎に、生産する品種を特定する情報、生産枚数、実装基板を生産する部品実装ラインL1,L2、基板を搬送する前側搬送レーン5Fまたは後側搬送レーン5Rを特定する情報、生産順序などを含む生産計画が記憶されている。品種情報26bには、生産される実装基板の品種毎に、基板に実装される部品の部品種、実装位置など部品実装作業に必要な情報などが記憶されている。
【0029】
ライン情報記憶部27には、ライン構成情報27a、生産設備情報27b、作業領域情報27c、担当領域情報27dなどが記憶されている。ライン構成情報27aには、各部品実装ラインL1,L2を構成する生産設備の種類、連結された順番などの生産ラインの構成に関する情報が記憶されている。生産設備情報27bには、部品実装ラインL1,L2を構成する生産設備毎に、設備番号、生産設備の種類、搬送部5の数、作業領域、品種毎の生産される実装基板1枚あたりの作業時間(装置タクトタイム)、装置エラーの発生頻度(発生確率)などに関する情報が記憶されている。なお、装置エラーの発生頻度(発生確率)は、予想値や実績値に基づいて設定された値である。
【0030】
図4において、作業領域情報27cには、生産設備において部品補給や装置エラーの復旧作業などの作業が発生した場合に、いずれの作業領域において作業者が作業を行うかが作業の種類毎に記憶されている。また、部品実装装置M4~M6において発生する吸着エラーや基板認識エラーの復旧作業など、ライン管理コンピュータ3により作業者が遠隔から作業できる作業は、作業領域情報27cに遠隔作業可能との情報が記憶されている。なお、遠隔作業可能な作業は、生産設備への指示の送信や遠隔の表示部29における生産設備の操作などで遠隔からエラーの復旧作業が可能なものであれば、上記に限定されることはない。
【0031】
ここで
図5を参照して、生産設備に作業領域を設定する際に作業領域設定処理部21によって表示部29の表示画面29aに表示される作業領域設定画面30の例について説明する。作業領域設定画面30には、ライン選択領域31、ライン構成表示領域32、終了ボタン33が含まれている。入力部28を用いてライン選択領域31を操作すると、ライン構成表示領域32に表示される部品実装ラインL1,L2が選択される。ここでは、部品実装ラインL1が選択されている。ライン構成表示領域32には、部品実装ラインL1の構成が模式的に表示されており、各生産設備の前側と後側には作業領域を設定するためのラジオボタン32aが表示されている。
【0032】
入力部28を用いてラジオボタン32aを操作すると、作業領域の設定(黒丸)と非設定(白丸)が選択される。例えば、部品実装装置M4~M6は前側の面と後側の面の両方が作業領域として設定されおり、基板回収装置M11,M17は前側の面のみが作業領域として設定されている。入力部28を用いて終了ボタン33を操作すると作業領域設定画面30による作業領域の設定が終了し、作業領域設定処理部21はライン構成表示領域32において設定された情報を作業領域情報27cとしてライン情報記憶部27に記憶させる。
【0033】
次に
図6を参照して、生産設備に作業領域を設定する際に作業領域設定処理部21によって表示部29の表示画面29aに表示される設備別作業領域設定画面40の例について説明する。設備別作業領域設定画面40は、生産設備毎に作業領域を設定するところが作業領域設定画面30とは異なる。設備別作業領域設定画面40には、生産設備選択領域41、プロパティ設定領域42、終了ボタン43が含まれている。生産設備選択領域41には、「設備番号」欄41a、「設備種類」欄41b、スクロールバー41cが含まれている。「設備番号」欄41aには生産設備を特定する設備番号が表示され、「設備種類」欄41bには設備番号に対応して生産設備の種類が表示されている。スクロールバー41cを操作することで、生産設備選択領域41に表示される生産設備が変更される。
【0034】
入力部28を用いて生産設備選択領域41を操作すると、選択された生産設備に関する詳細情報がプロパティ設定領域42に表示される。ここでは、部品実装装置M5が選択されている。プロパティ設定領域42には、設備記号表示領域42a、プロパティ選択領域42b、スクロールバー42cが含まれている。スクロールバー41cを操作することで、プロパティ選択領域42bに表示される設備種類、レーン数、作業サイド、幅などの生産設備のプロパティが変更される。プロパティ選択領域42bを操作すると、ドロップダウンリスト42dが表示されて、生産設備のプロパティを選択することができる。
【0035】
図6には、作業領域の位置を設定するための「作業サイド」のドロップダウンリスト42dが表示されており、作業領域として両側(前側と後側)が選択されている。設備記号表示領域42aには、選択されたプロパティに対応する生産設備の記号が表示される。入力部28を用いて終了ボタン43を操作すると設備別作業領域設定画面40による作業領域の設定(プロパティの入力)が終了し、作業領域設定処理部21はプロパティ選択領域42bにおいて設定された情報を作業領域情報27cとしてライン情報記憶部27に記憶させる。このように、作業領域設定画面30と設備別作業領域設定画面40は、表示画面29aに表示され、生産設備のそれぞれに作業領域を設定させる作業領域設定手段である。作業領域設定手段を使用することにより、容易に作業領域を設定することができる。
【0036】
図4において、担当領域情報27dには、フロアFにおいて作業を行う作業者が担当する生産設備の作業領域(以下「担当領域」と称する。)が作業者毎に記憶されている。ここで
図7を参照して、作業者の担当領域を設定する際に担当領域設定処理部22によって表示部29の表示画面29aに表示される担当領域設定画面50の例について説明する。担当領域設定画面50には、作業者選択領域51、担当領域表示領域52,53、終了ボタン54が含まれている。入力部28を用いて作業者選択領域51を操作すると、担当領域が設定される作業者が選択される。ここでは、作業者W2が選択されている。
【0037】
担当領域表示領域52には部品実装ラインL1の構成が模式的に表示されており、担当領域表示領域53には部品実装ラインL2の構成が模式的に表示されている。担当領域表示領域52,53に表示されている生産設備には、作業領域が設定された側に白丸が表示されている。担当領域表示領域52,53において、点線55で示す作業領域は作業者W2の担当領域として設定されておらず、両側矢印付きの実線56で示す作業領域は作業者W2の担当領域として設定されていることを示している。入力部28を用いて点線55または実線56を操作することで、作業者W2の担当領域が設定される。
【0038】
図7の例では、部品実装ラインL2の全ての生産設備の作業領域と、部品実装ラインL1の前側搬送レーン5Fを備える生産設備の前側の作業領域が作業者W2の担当領域として設定されている。入力部28を用いて終了ボタン54を操作すると担当領域設定画面50による担当領域の設定が終了し、担当領域設定処理部22は担当領域表示領域52,53において設定された情報を担当領域情報27dとしてライン情報記憶部27に記憶させる。
【0039】
図4において、生産模擬部23は、ライン構成情報27a、生産設備情報27bによって設定された部品実装ラインL1,L2の構成において、生産計画情報26a、品種情報26bによって指定された実装基板を計画された生産枚数だけ生産する場合の生産時間、生産作業中に発生する作業などを予測する機能を有している。生産模擬部23は、基板供給装置M1,M12から開始して、下流側に基板を受け渡しながら各生産設備で装置タクトタイムの生産作業を行って、基板回収装置M11,M17に回収されるまでの生産状況をシミュレーション(模擬)する。
【0040】
その際、生産模擬部23は、部品実装装置M4~M6における部品消費に基づく部品の補給作業の発生や、装置エラーの発生確率(頻度)に基づく復旧作業などの作業者による作業の発生を予測する。また、生産模擬部23は、生産時間を予測(算出)する際、作業者の作業時間や作業領域(停止位置)に移動するまでの時間に基づいて生産設備が停止する時間を予測して生産時間に加算する。
【0041】
図4において、作業領域決定部24は、生産模擬部23によって発生が予測された作業に対して、作業の種類と作業領域情報27cに記憶されている生産設備の作業領域(前側、後側など)に基づいて、作業者が作業を行う作業領域を決定する。すなわち、作業領域決定部24は、生産設備における作業者の作業領域を作業毎に決定する。
【0042】
例えば、
図8において、部品実装ラインL1の部品実装装置M6において後面の部品供給部8から供給されている部品の補給作業が発生した場合、作業領域決定部24は、部品実装装置M6の後側の作業領域を作業領域として決定する。また、部品実装ラインL1の部品実装装置M4において吸着エラーが発生した場合、前側の操作部12でも後側の操作部12でも復旧作業が可能であるため、作業領域決定部24は、部品実装装置M4の前側と後側の作業領域の両方を作業領域として決定する。
【0043】
図4において、動線推定部25は、担当領域情報27dに記憶されている各作業者の担当領域に基づいて、作業領域決定部24で決定された作業領域を作業者の停止位置として、作業者の作業動線を推定する。
【0044】
ここで
図8を参照して、動線推定部25が推定した作業者の作業動線の例について説明する。
図8は、
図2に示す構成の部品実装ラインL1と部品実装ラインL2が並列に配置されたフロアFを示している。作業者W1の担当領域は部品実装ラインL1の全ての作業領域である。作業者W2の担当領域は部品実装ラインL2の全ての作業領域および部品実装ラインL1の前側搬送レーン5Fを備える生産設備の前側の作業領域である。作業者W1は部品実装ラインL1の印刷装置M14の後側で待機しており、作業者W2は部品実装ラインL2の部品実装装置M4の前側で待機している。また、部品実装ラインL1,L2を管理するライン管理コンピュータ3には作業者W3が配置されている。
【0045】
図8において、まず、部品実装ラインL1において部品実装装置M6の後側が作業領域として決定されたとする。当該作業領域を担当領域とするのは作業者W1のみでるため、動線推定部25は、作業者W1が待機している位置(部品実装ラインL1の印刷装置M14の後側)から当該作業領域までの経路を作業者W1の作業動線T1と推定する。
【0046】
次いで作業者W1(一の作業者)が部品実装ラインL1の部品実装装置M6に対して作業している間に、部品実装ラインL1において部品実装装置M4の前側および後側が作業領域として決定されたとする。部品実装ラインL1の部品実装装置M4において、前側および後側の作業領域は作業者W1の担当領域であり、前側の作業領域は作業者W2(他の作業者)の担当領域でもある。この時点で作業者W1は他の作業を行っているため、動線推定部25は、作業者W2が待機している位置(部品実装ラインL2の部品実装装置M4の前側)から部品実装ラインL1の部品実装装置M4の前側の作業領域までの経路を作業者W2の作業動線T2として推定する。
【0047】
動線推定部25は、作業者W1,W2の移動経路の候補が複数ある場合は、最短の経路を作業動線T1,T2として推定する。また、部品実装ラインL1の部品実装装置M4に発生した作業を作業者W3が配置されているライン管理コンピュータ3から遠隔で作業可能な場合、動線推定部25は、作業領域決定部24によって決定された作業領域には作業者W1,W2を移動させずにスキップさせて作業動線を推定する。すなわち、動線推定部25は、作業が遠隔から作業できる場合、停止位置をスキップして作業動線を推定する。
【0048】
このように、動線推定部25は、作業者W1,W2が複数いる場合、複数の作業者W1,W2のそれぞれが担当する作業領域の情報に基づいて、いずれの作業者W1,W2が作業をするかを決定して作業動線T1,T2を推定する。また、動線推定部25は、複数の作業領域が決定された生産設備に対して、作業者W1,W2の現在の位置(待機位置)に基づいて、いずれの作業領域を停止位置とするかを決定して作業動線T1,T2を推定する。推定された作業動線T1,T2は、動線推定結果26cとして生産計画記憶部26に記憶される。
【0049】
動線推定部25によって推定される作業動線T1,T2は、フロアFに配置される作業者W1~W3の数、それぞれの作業者W1~W3の担当領域によって変動する。また、生産設備の停止時間および実装基板の生産時間もこれらの設定によって変動する。生産管理装置4では、作業領域設定画面30または設備別作業領域設定画面40において生産設備の作業領域を変更し、また、担当領域設定画面50において作業者W1~W3の担当領域を変更して生産時間をシミュレーションすることを繰り返すことにより、最適な作業領域、最適な作業者W1~W3の人数および担当領域などを決定することができる。
【0050】
次に
図9のフローに沿って、生産管理装置4によって作業者W1,W2の作業動線T1,T2を推定する作業動線推定方法(生産管理方法)について説明する。生産管理装置4では、生産模擬部23が部品実装ラインL1,L2における実装基板の生産をシミュレーションしているとする。また、あらかじめ、作業領域設定手段などを用いて作業領域が作業領域情報27cに設定されており、担当領域設定画面50などを用いて作業者W1~W3の担当領域が担当領域情報27dに設定されているとする。
【0051】
生産模擬部23によるシミュレーションにおいて、部品実装ラインL1,L2の生産設備で作業が発生したと予測されると(ST1においてYes)、作業領域決定部24は、作業領域情報27cに基づいて、予測された作業が行われる生産設備における作業者W1~W3の作業領域を決定する(ST2:作業領域決定工程)。その際、複数の作業領域が決定された生産設備に対して、いずれの作業領域を停止位置とするかが決定される。
【0052】
次いで動線推定部25は、予測された作業が遠隔から作業できるか否かを判断する(ST3:遠隔作業判断工程)。予測された作業が遠隔から作業できる場合(ST3においてYes)、ST1に戻って実装基板の生産のシミュレーションが継続される。すなわち、予測された作業が遠隔から作業できる場合(ST3においてYes)、停止位置がスキップされる。予測された作業が遠隔から作業できるか否かの判断は、遠隔で作業可能な作業者が設定されているか、作業者が設定されている場合にその作業者が予測された作業を遠隔から作業可能か等の条件を満たす場合に遠隔から作業可能と判断される。
【0053】
図9において、予測された作業が遠隔から作業できない場合(ST3においてNo)、動線推定部25は、担当領域情報27dと作業者W1~W3の現在の位置(待機位置)と作業状況に基づいて、作業をする作業者W1~W3を決定する(ST4:作業者決定工程)。すなわち、作業者W1~W3が複数いる場合、複数の作業者W1~W3のそれぞれが担当する作業領域の情報(担当領域情報27d)に基づいて、いずれの作業者W1~W3が作業をするかが決定される。
【0054】
次いで動線推定部25は、決定された作業者W1~W3の現在の位置(待機位置)に基づいて予測された作業を行う作業領域(停止位置)を決定し、決定された作業領域を作業者W1~W3の停止位置として、作業者W1~W3の作業動線T1,T2を推定する(ST5:動線推定工程)。すなわち、複数の作業領域が決定された生産設備に対して、作業者W1~W3の現在の位置に基づいて停止位置が決定される。
【0055】
生産模擬部23による実装基板の生産のシミュレーションが終了した場合(ST6においてYes)は作業動線の推定は終了し、終了していない場合(ST6においてNo)はST1に戻ってシミュレーションが継続される。すなわち、作業領域決定部24は、生産設備における作業者W1~W3の作業領域を作業毎に決定する。これにより、作業者W1~W3の作業動線T1,T2を精確にシミュレーションすることができる。
【0056】
上記説明したように、本実施の形態の生産管理装置4は、ワークを加工する生産ライン(部品実装ラインL1,L2)を構成する生産設備における作業者W1~W3の作業領域を作業毎に決定する作業領域決定部24と、作業領域決定部24で決定された作業領域を作業者W1~W3の停止位置として、作業者W1~W3の作業動線を推定する動線推定部25と、を備えている。これにより、作業者W1~W3の作業動線T1,T2を精確にシミュレーションすることができる。
【0057】
以上、本発明の一実施の形態を基に説明した。この実施の形態は、生産ラインで生産(加工)される製品(ワーク)の種類、組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば生産ラインは、電子機器を組み立てる組立ラインであっても、食品加工製品を製造する食品加工ラインであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の生産管理装置および生産管理方法ならびに生産管理方法をコンピュータにより実行させるプログラムは、作業者の作業動線を精確にシミュレーションすることができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0059】
4 生産管理装置
7 シャッター
12 操作部
29a 表示画面
L1、L2 部品実装ライン(生産ライン)
M2、M14 印刷装置(生産設備)
M4~M6 部品実装装置(生産設備)
T1、T2 作業動線
W1~W3 作業者