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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】携帯用電解水噴霧器
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20230101AFI20230901BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20230901BHJP
   C25B 9/01 20210101ALI20230901BHJP
   C25B 11/02 20210101ALI20230901BHJP
   C25B 11/03 20210101ALI20230901BHJP
【FI】
C02F1/461 A
C25B9/00 A
C25B9/01
C25B11/02 301
C25B11/03
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020020260
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021122813
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】笹部 茂
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優子
(72)【発明者】
【氏名】谷 知子
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-052168(JP,A)
【文献】特表2012-512007(JP,A)
【文献】特開2004-000855(JP,A)
【文献】特開2006-346203(JP,A)
【文献】特開2009-220093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/461
C25B1/00-15/08
A61L2/00-2/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の携帯用電解水噴霧器であって、
外郭を構成する筐体と、
前記筐体内に形成される液体タンク部と、
前記液体タンク部内に設置され、前記液体タンク部内の液体を電気分解する少なくとも第1の電極と第2の電極で構成された電解部と、
前記筐体内に形成され、前記電解部に電力を印加する電源部と、
前記液体タンク部に接続され、前記電解部で電解された電解水を噴霧する噴霧機構部と
を備え、
前記筒状の携帯用電解水噴霧器の側面は、円弧形状に形成された右側側面と、円弧形状に形成された左側側面と、前記右側側面および前記左側側面の間に形成された2つの平行な平坦面とからなり、
前記第1の電極と前記第2の電極は、いずれも板状であり、
前記第1の電極と前記第2の電極は、前記平坦面に対して直交して配置されている
携帯用電解水噴霧器。
【請求項2】
前記第1の電極および前記第2の電極には表裏に貫通した開口部が設けられている
請求項1に記載の携帯用電解水噴霧器。
【請求項3】
前記第1の電極および前記第2の電極の端部に切り欠き形状の前記開口部が形成されている
請求項2に記載の携帯用電解水噴霧器。
【請求項4】
前記第1の電極および前記第2の電極に2以上の開口部が設けられている
請求項2に記載の携帯用電解水噴霧器。
【請求項5】
前記第の電極および前記第2の電極がメッシュ状に形成されている
請求項2に記載の携帯用電解水噴霧器。
【請求項6】
重心を一方の側面に偏らせ、前記一方の側面が平坦面である
請求項1に記載の携帯用電解水噴霧器。
【請求項7】
前記電源部は、
電池と、
前記電池の側方に並べて配置され、前記電池を電源として前記電解部に通電する制御回路部と
を有する
請求項6に記載の携帯用電解水噴霧器。
【請求項8】
前記筐体は、一方の側面側を肉厚に形成する
請求項6に記載の携帯用電解水噴霧器。
【請求項9】
前記筐体内には、一方の側面側に錘を配設する
請求項6に記載の携帯用電解水噴霧器。
【請求項10】
前記筐体は、一方の側面側に飾り板を設ける
請求項6に記載の携帯用電解水噴霧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体を電気分解して生成した電解水をスプレー部から噴霧する電解水噴霧器に関し、特に、携帯して任意の部位に電解水を噴霧して除菌する携帯用電解水噴霧器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、電解水の優れた殺菌、消毒作用に着目し、ハンドバッグ等に収納して携帯し、任意の場所の殺菌、消毒に使用することが検討されている。
【0003】
このような携帯用電解水噴霧器として、電源部と、制御回路部と、液体タンク部と、噴霧機構部とを上下方向に順次配設した装置が提案された(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-92886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の携帯用電解水噴霧器は、外郭が円筒状に形成されており、テーブル等に載置した際には、どの向きに載置されるか不明である。液体タンク内には、電極が複数枚並列に配設されているが、携帯用電解水噴霧器を載置した状態で、電極が液体タンク内の液面とほぼ平行になった場合には、液体を電解することができない不具合が生じる虞がある。
【0006】
本開示は、載置時に、液面と電極が平行になるのを抑制し得る携帯用電解水噴霧器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における筒状の携帯用電解水噴霧器は、外郭を構成する筐体と、前記筐体内に形成される液体タンク部と、前記液体タンク部内に設置され、前記液体タンク部内の液体を電気分解する少なくとも第1の電極と第2の電極で構成された電解部と、前記筐体内に形成され、前記電解部に電力を印加する電源部と、前記液体タンク部に接続され、前記電解部で電解された電解水を噴霧する噴霧機構部とを備え、前記筒状の携帯用電解水噴霧器の側面は、円弧形状に形成された右側側面と、円弧形状に形成された左側側面と、前記右側側面および前記左側側面の間に形成された2つの平行な平坦面とからなり前記第1の電極と第2の電極は、いずれも板状であり、前記第1の電極と第2の電極は、前記平坦面に対して直交して配置されているものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示における携帯用電解水噴霧器は、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合でも、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態における携帯用電解水噴霧器の内部を透過した斜視図
図2】同携帯用電解水噴霧器の内部を透過した斜視図
図3】同携帯用電解水噴霧器の断面図
図4】同携帯用電解水噴霧器の電源部の断面図
図5】同携帯用電解水噴霧器の液体タンク部の断面図
図6】実施の形態2の携帯用電解水噴霧器の内部を透過した外観斜視図
図7】同携帯用電解水噴霧器の電解部の断面図
図8】実施の形態3の携帯用電解水噴霧器の断面図
図9】実施の形態4の携帯用電解水噴霧器の断面図
図10図9の状態から90度回転させた状態の携帯用電解水噴霧器の断面図
図11】同電極の変形例を示す平面図
図12】同電極の変形例を示す平面図
図13】同電極の変形例を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見等)
本発明者らが本開示に想到するに至った当時、携帯用電解水噴霧器という技術は、製品化が検討されているものの、実用化はされていない状況であった。実用化の検討に当たっては、鞄等に入れて持ち運びができるように、コンパクトに設計することが一般的であった。
【0011】
コンパクトに設計するために、電池を電源とすると、外郭が円筒状に形成されるため、テーブル等に載置した際には、どの向きに載置されるか不明である。液体タンク内には、電極が複数枚並列に配設されているが、携帯用電解水噴霧器を載置した状態で、電極が液体タンク内の液面とほぼ平行になった場合には、液体を電解することができない不具合が生じる虞があるという課題に着目した。
【0012】
発明者らは、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
【0013】
そこで、本開示は、筒状の携帯用電解水噴霧器であって、外郭を構成する筐体と、前記筐体内に形成される液体タンク部と、前記液体タンク部内に設置され、前記液体タンク部内の液体を電気分解する少なくとも第1の電極と第2の電極で構成された電解部と、前記筐体内に形成され、前記電解部に電力を印加する電源部と、前記液体タンク部に接続され、前記電解部で電解された電解水を噴霧する噴霧機構部とを備え、前記筒状の携帯用電解水噴霧器の側面は、円弧形状に形成された右側側面と、円弧形状に形成された左側側面と、前記右側側面および前記左側側面の間に形成された2つの平行な平坦面とからなり前記第1の電極と第2の電極は、いずれも板状であり、前記第1の電極と第2の電極は、前記平坦面に対して直交して配置されている携帯用電解水噴霧器を提供する。
【0014】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本開示の第1の実施の形態における携帯用電解水噴霧器の内部を透過した斜視図である。図2は、同携帯用電解水噴霧器の内部を透過した斜視図である。図3は、同携帯用電解水噴霧器の断面図である。図4は、同携帯用電解水噴霧器の電源部の断面図である。図5は、同携帯用電解水噴霧器の液体タンク部の断面図である。
【0017】
図1から図5において、本開示に係る携帯用電解水噴霧器1は、外観が円筒形、楕円形、多角形等の筒状をなしている。本実施の形態では、携帯用電解水噴霧器1の外観は、円筒状に形成している。
【0018】
携帯用電解水噴霧器1は、下部に電源部2を配置し、中間部に液体タンク部3を配置し、上部にプッシュ式噴霧機構部4を配置して構成している。液体タンク部3内には、中央部に電解部5が液体タンク部3の軸方向に配設され、電解部5により液体タンク部3内の
液体を電化して電解水を生成する。
【0019】
電源部2は、合成樹脂製の筐体21内に、電源用電池22と、電池22の側方に制御回路部23等が併設して収納されて構成される。
【0020】
電源部2の底面は、平坦面に形成し、電源部2の底面を設置面として載置することができる。電源部2には、電池22を収納しており、携帯用電解水噴霧器1の最も重い部分であるため、安定して起立させて載置することができる。
【0021】
電源部2の底部には、電源スイッチ24を設けており、電源スイッチ24は、回転操作することによりON・OFFされる。
【0022】
電源部2の側面には、操作部25が配設され、操作部25は押圧操作することにより、制御回路部23のスイッチ(図示せず)が操作される。操作部25は、外面側端面が電源部2側面とほぼ面一、或いは電源部2側面より奥まらせた配置とし、電源部2側面に何かが接触しても操作部25が不用意に操作されるのを抑制している。
【0023】
携帯用電解水噴霧器1は、電源スイッチ24を操作し、さらに操作部25を操作することにより作動する。電源スイッチ24と操作部25を操作することにより携帯用電解水噴霧器1が作動する構成とすることにより、不用意に携帯用電解水噴霧器1が作動するのを抑制することができる。
【0024】
電源スイッチ24は、回転による操作であり、操作部25は、押圧による操作であり、電源スイッチ24と操作部25は、異なる操作とすることにより、誤動作を抑制することができる。
【0025】
電源部2の筐体21内には、電池22と制御回路部23が並べて設けられる。制御回路部23は、制御基板に、操作部25により操作されるスイッチ、LED、電力変換装置等が装着されて構成される。
【0026】
制御回路部23は、電源スイッチ24が操作され、操作部25によってスイッチが電源部2の外面から操作されて電池22を電源として電解部5に通電する。LEDは、携帯用電解水噴霧器1の外方から発光が目視できるように構成され、電解部5に電力が供給されている間点灯し、使用者に通電状態を報知する。
【0027】
電源部2は、液体タンク部3と水密状態に結合される。液体タンク部3は、透明部材で形成し、内部に形成される液体溜め部内の液体の量が目視できるように構成している。
【0028】
液体タンク部3内に配設される電解部5は、液体タンク部3内の液体を電気分解する。
【0029】
本実施の形態では、電解部5は、液体を電気分解して次亜塩素酸を発生させ、除菌用電解水として次亜塩素酸水を生成する。次亜塩素酸水を生成するために、液体は、塩化ナトリウム水溶液、塩酸水、或いは塩酸と塩化ナトリウムの混合液が用いられる。本実施の形態では、液体は、入手の容易な塩化ナトリウム水溶液を用いている。
【0030】
電解部5の電極は、プラス電極とマイナス電極で構成され、プラス電極とマイナス電極が交互配置となるように、少なくとも3枚の板状電極が所定間隔を存して対向配置される。
【0031】
本実施の形態では、電解部5の電極は、プラス電極の両側にマイナス電極を所定間隔を
有して配設した3枚の電極を用いている。
【0032】
電解部5のプラス電極とマイナス電極は、それぞれの電極が制御回路部23に対して直交する方向に平行に配置している。
【0033】
電解部5のプラス電極とマイナス電極の対向面の電気分解に作用する有効面積が略同じに形成している。これにより、電解部5全体を電解領域とすることができるため、携帯用電解水噴霧器1の全体長さを短くすることができる。
【0034】
液体タンク部3は、上部を開口しており、上面開口が液体補給開口となる。液体補給開口には、噴霧機構部4が水密に着脱自在に装着される。噴霧機構部4を取り外すことによって液体補給開口を開放し、液体タンク部3内に液体を補給することができる。
【0035】
液体タンク部3の液体補給開口周縁部には、噴霧機構部4が水密状態に着脱自在に結合される。
【0036】
噴霧機構部4を液体タンク部3に取り付けた状態において、電源スイッチ24と操作部25をONすると、タイマ回路が作動し、電池22の電力を昇圧回路で昇圧した電圧が、所定時間電解部5へ供給され、LEDが発光する。電解部5への通電により電解水が生成される。生成した電解水は、噴霧機構部4を操作することにより噴霧される。
【0037】
液体タンク部3内に液体を補給する際には、液体タンク部3から噴霧機構部4を取り外して、液体タンク部3の液体補給開口を開放し、液体補給開口から液体タンク部3へ水と塩、或いは塩化ナトリウム水溶液を補給する。
【0038】
携帯用電解水噴霧器1は、ハンドバッグなどに入れて持ち運ぶことができる。噴霧機構部4は、ノズルカバー6により着脱自在に覆い、持ち運ぶ際など、使用しないときに、何らかの状態によって噴霧機構部4が操作されて電解水が不用意に噴出するのを防止する。
【0039】
携帯用電解水噴霧器1は、長期間使用しているうちに、電解部5の電極表面にカルシウム等のスケールが付着して、電気分解作用が阻害されることが想定される。スケールが付着した場合には、液体タンク部3内にクエン酸溶液を入れて電解部5を浸すことにより、電極表面に付着したカルシウム等のスケールを取り除くことができる。スケールの除去には、電解部5への極性を所定時間ごとに転換することも有効である。
【0040】
携帯用電解水噴霧器1は、筐体21の制御回路部23が配置される側面と制御回路部23側の側面と相対向する電池22側の側面を円弧状に形成し、その間の側面をほぼ平坦な形状に形成している。
【0041】
携帯用電解水噴霧器1を握った際に、親指を平坦な面にかけることができ、安定して把持することができる。噴霧機構部4を操作する際にも、親指を平坦な面にかけて操作できるので、安定して操作でき、操作性が向上する。
【0042】
電源部2は、筐体21内に、電池22と、電池22の側方に制御回路部23等が収納されるので、携帯用電解水噴霧器1の重心は、制御回路部23と相対向する電池22側の側面に位置する。これにより、携帯用電解水噴霧器1をテーブル等の上に置いた際には、操作部25が配設される面が上方に位置するので、操作部25が不用意に操作されることがない。
【0043】
携帯用電解水噴霧器1は、重心を偏らせた位置に配置しているので、携帯用電解水噴霧
器1をテーブル等の載置面に載置した場合にも携帯用電解水噴霧器1が転がることが防止できる。
【0044】
重心を偏らせるために、筐体21の制御回路部23と相対向する電池22側の側面に、装飾材を設けてもよい。装飾材は、重量があることが好ましいため、金属材料により形成することが好ましい。
【0045】
また、重心を偏らせるために、筐体21は、制御回路部23と相対向する電池22側の側面を、制御回路部23側の側面より肉厚に形成してもよく、電池22側の側面に錘を配置してもよい。
【0046】
電源部2の重心は、制御回路部23と相対向する側面側に位置し、携帯用電解水噴霧器1をテーブル等の上に置いた際には、操作部25が配設される面が上方に位置する。電解部5のプラス電極とマイナス電極は、それぞれの電極が制御回路部23に対して直交する方向に平行に配置しているので、電解部5のプラス電極とマイナス電極は、液体タンク部3内の液体に浸漬した状態となり、携帯用電解水噴霧器1を載置面に横置きした状態であっても液体の電気分解を行うことができる。また、液体の電気分解により発生するガスがプラス電極とマイナス電極間に滞留して電解不良が生じることがない。
【0047】
液体タンク部3には、内部の気泡抜きのために空気導入孔が設けられる。携帯用電解水噴霧器1をハンドバッグなどに入れて持ち歩く際などに、液体タンク部3の液体が空気導入孔から流出するのを防止するために、空気導入孔には、空気は通すが、液体は通さない気液分離膜を設けている。空気導入孔は、電池22側の側面以外の側面、好ましくは、制御回路部23側の側面に形成している。これにより、携帯用電解水噴霧器1をテーブル等に載置した際に、空気導入孔が液体タンク部3内の液体によって塞がれ、気泡抜きが妨げられるのを抑制できる。
【0048】
(実施の形態2)
図6及び図7に基づいて、実施の形態2を説明する。図6は、実施の形態2の携帯用電解水噴霧器の内部を透過した外観斜視図、図7は、同携帯用電解水噴霧器の電解部の断面図である。なお、実施の形態1と同一構成部品については、同一符号を附して説明を省略する。
【0049】
電解部5は、円筒状の装飾筒7により覆われる。装飾筒7は、耐食性を有する材料、本実施の形態2では、ステンレスにより構成し、多数の通水孔71を形成し、液体タンク部3内の液体が自由に流通するよう構成される。
【0050】
実施の形態2の携帯用電解水噴霧器1は、操作部25及びスイッチをなくしている。実施の形態2の携帯用電解水噴霧器1は、電源スイッチ24を操作して、噴霧機構部4を操作すると、噴霧機構部4の操作を検出部(図示せず)により検出して電解部5に通電される。噴霧機構部4の操作により、液体タンク部3内の液体が、電解部5を通過する際に、電解水となり、噴霧機構部4から噴霧される。噴霧機構部4が操作されている間、電解部5に通電され、電解水が噴霧機構部4から噴霧される。
【0051】
図7に示すように、電解部5は、プラス電極6Aとマイナス電極6Bを、絶縁材のスペーサ5Bを介して交互に対向配置している。中間の板状電極のプラス電極6Aと、両側の板状電極のマイナス電極6Bとを、筒状体5Pで覆っている。プラス電極6Aとマイナス電極6Bとの間に、液体の流通路となる電解室5Sを形成し、電解室5Sに存在する液体を電気分解して次亜塩素酸水を生成する。この構成により、液体は、電解室5Sのみを通過するため、効率よく次亜塩素酸水を生成することができる。
【0052】
(実施の形態3)
図8に基づいて、実施の形態3を説明する。図8は、実施の形態3の携帯用電解水噴霧器の断面図である。なお、実施の形態1と同一構成部品については、同一符号を附して説明を省略する。
【0053】
図8において、本実施の形態3に係る携帯用電解水噴霧器1は、図8中、右側側面と左側側面を円弧形状に形成した矩形状をなしている。携帯用電解水噴霧器1は、筐体21の右側空間に電池22を配置し、左側空間の下部に制御回路部23を配置し、左側空間の上部に液体タンク部3を配置し、上部にプッシュ式噴霧機構部4を配置して構成している。液体タンク部3内には、中央部に電解部5が液体タンク部3の軸方向に配設され、電解部5により液体タンク部3内の液体を電解して電解水を生成する。
【0054】
筐体21の底面は、平坦面に形成し、筐体21の底面を設置面として載置することができる。筐体21の左側底部には、電源スイッチ24を設けており、電源スイッチ24は、スライド操作することによりON・OFFされる。
【0055】
本実施の形態3の携帯用電解水噴霧器1は、実施の形態2の携帯用電解水噴霧器1と同様に、電源スイッチ24を操作し、噴霧機構部4を操作すると、噴霧機構部4の操作を検出部(図示せず)により検出して電解部5に通電される。噴霧機構部4の操作により、液体タンク部3内の液体が、電解部5を通過する際に、電解されて電解水となり、噴霧機構部4から噴霧される。噴霧機構部4が操作されている間、電解部5に通電され、電解水が噴霧機構部4から噴霧される。
【0056】
液体タンク部3内に配設される電解部5は、液体タンク部3内の液体を電気分解する。
【0057】
電解部5の電極は、実施の形態2の電解部5と同様に構成されており、本実施の形態3での説明は省略する。電解部5のプラス電極とマイナス電極は、図8中、左右方向に並列に配置している。
【0058】
携帯用電解水噴霧器1は、右側側面と左側側面を円弧形状に形成した矩形状をなしている。携帯用電解水噴霧器1をテーブル等の上に横に置く際には、右側側面と左側側面の間の平坦面を載置できる。電解部5のプラス電極とマイナス電極は、携帯用電解水噴霧器1を載置した状態で、左右方向に並列に位置するので、携帯用電解水噴霧器1を載置面に横置きした状態であっても、電極は、液体に浸漬した状態となり、液体の電気分解を行うことができる。また、液体の電気分解により発生するガスがプラス電極とマイナス電極間に滞留して電解不良が生じることがない。
【0059】
(実施の形態4)
図9及び図10に基づいて、実施の形態4を説明する。図9は、実施の形態4の携帯用電解水噴霧器の断面図である。図10は、図9の状態から90度回転させた状態の携帯用電解水噴霧器の断面図である。なお、実施の形態1と同一構成部品については、同一符号を附して説明を省略する。
【0060】
本実施の形態4の携帯用電解水噴霧器1は、筐体21を矩形状に形成している。液体タンク部3内の電解部5は、筐体21の平坦面に対して45度傾斜させて配置している。
【0061】
これにより、携帯用電解水噴霧器1を横置きすると、筐体21の平坦面が載置面に接するので、電解部5の電極51が液体タンク部3内の液体に浸漬した状態となり、液体の電気分解を行うことができる。また、液体の電気分解により発生するガスがプラス電極とマイナス電極間に滞留して電解不良が生じることがない。
【0063】
また、本実施の形態4では、筐体21を四角形状に形成したが、他の多角形に形成してもよい。
【0064】
図11に示すように、電極51は、一部を切り欠いて切欠部52を形成してもよい。切欠部52を形成することにより、切欠部52から液体の電気分解により発生するガスを逃がすことができ、電極51間にガスが滞留するのを抑制することができる。
【0065】
図12に示すように、電極51は、多数の貫通孔53を形成してもよい。この構成であっても、貫通孔53から液体の電気分解により発生するガスを逃がすことができ、電極51間にガスが滞留するのを抑制することができる。
【0066】
図13に示すように、電極51は、メッシュ状に形成してもよい。この構成であっても、液体の電気分解により発生するガスを逃がすことができ、電極51間にガスが滞留するのを抑制することができる。
【0067】
(効果等)
以上のように、本実施の形態において、携帯用電解水噴霧器1は、外郭を構成する筐体21と、筐体21内に形成される液体タンク部3と、液体タンク部3内に設置され、液体タンク部3内の液体を電気分解するプラス電極6Aとマイナス電極6Bで構成された電解部5と、筐体21内に形成され、電解部5に電力を印加する電源部2と、液体タンク部3に接続され、電解部5で電解された電解水を噴霧する噴霧機構部4とを備え、筒状の携帯用電解水噴霧器の側面は、円弧形状に形成された右側側面と、円弧形状に形成された左側側面と、前記右側側面および前記左側側面の間に形成された2つの平行な平坦面とからなり、プラス電極6Aとマイナス電極6Bは、いずれも板状であり、プラス電極6Aマイナス電極6Bは、前記平坦面に対して直交して配置されているものである。
【0068】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合でも、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。
【0071】
帯用電解水噴霧器1の電極6A、6Bは、平坦面に対してほぼ直交して配置されるものである。
【0072】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合でも、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。
【0073】
実施の形態のように、携帯用電解水噴霧器1の電極6A、6Bは、表裏に貫通した開口部を設けたものである。
【0074】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合でも、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。電気分解により発生するガスは、開口部から逃がすことができ、電極間にガスが滞留して電解不良が発生するのを抑
制することができる。
【0075】
実施の形態のように、携帯用電解水噴霧器1の電極6A、6Bの開口部は、電極端部に切り欠き形状52に形成したものである。
【0076】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合でも、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。電気分解により発生するガスは、開口部から逃がすことができ、電極間にガスが滞留して電解不良が発生するのを抑制することができる。
【0077】
実施の形態のように、携帯用電解水噴霧器1の電極6A、6Bの開口部は、電極に多数の貫通孔53を設けたものである。
【0078】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合でも、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。電気分解により発生するガスは、開口部から逃がすことができ、電極間にガスが滞留して電解不良が発生するのを抑制することができる。
【0079】
実施の形態のように、携帯用電解水噴霧器1の電極6A、6Bの開口部は、電極をメッシュ状51に形成したものである。
【0080】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合でも、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。電気分解により発生するガスは、開口部から逃がすことができ、電極間にガスが滞留して電解不良が発生するのを抑制することができる。
【0081】
帯用電解水噴霧器1重心を平坦面に偏らせてもよい
【0082】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合、重心の位置する側面を設置面として載置されるので、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。
【0083】
実施の形態のように、携帯用電解水噴霧器1の電源部2は、電池22と、電池22の側方に並べて配置され、電池を電源として電解部に通電する制御回路部23とを有するものである。
【0084】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合、重心の位置する電池側の側面を設置面として載置されるので、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。
【0085】
実施の形態のように、携帯用電解水噴霧器1の筐体21は、一方の側面側を肉厚に形成するものである。
【0086】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合、肉厚に形成した側面を設置面として載置されるので、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。
【0087】
実施の形態のように、携帯用電解水噴霧器1の筐体21内には、一方の側面側に錘を配設するものである。
【0088】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合、錘を配置した側面を設置面として載置されるので、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。
【0089】
実施の形態のように、携帯用電解水噴霧器1の筐体21は、一方の側面側に飾り板を設けるものである。
【0090】
これにより、携帯用電解水噴霧器を横置きした場合、飾り板を設けた側面を設置面として載置されるので、電極を液体タンク部内の液体に浸漬させることができ、液体を電気分解することができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本開示に係る携帯用電解水噴霧器は、上記実施の形態に示した構成に限定されず、種々の形態のものに適用できるものであり、本開示の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0092】
1 携帯用電解水噴霧器
2 電源部
3 液体タンク部
4 噴霧機構部
5 電解部
21 筐体
22 電池
23 制御回路部
24 電源スイッチ
25 操作部
51 電極
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