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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20230901BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20230901BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20230901BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/04014
H01M8/04 Z
H01M8/04 N
H01M8/04 H
H01M8/10 101
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018203143
(22)【出願日】2018-10-29
(65)【公開番号】P2019114530
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2017244996
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 純司
(72)【発明者】
【氏名】伊瀬 豪彦
(72)【発明者】
【氏名】薄 義人
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-173954(JP,A)
【文献】特開2017-114213(JP,A)
【文献】特開2016-012531(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02963725(EP,A1)
【文献】特開2014-137873(JP,A)
【文献】特開2011-204446(JP,A)
【文献】特開2008-192528(JP,A)
【文献】特開2017-199659(JP,A)
【文献】特開2016-143633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードに供給された燃料ガスおよびカソードに供給された酸化剤ガスにより発電する燃料電池と、
前記燃料電池のアノードを通過したアノードオフガスを燃焼せずに排出するアノードオフガス排出経路と、
前記燃料電池から出力された電力を変換する電力変換器と、
前記電力変換器を収納するケースと、
前記ケースに空気を供給する第1空気供給器と、
前記燃料電池、前記ケースおよび前記第1空気供給器を収納する筐体と、
前記ケースを通過した空気を前記筐体外へ排出するための空気排出経路と、を備え、
前記アノードオフガス排出経路の下流端は前記空気排出経路に接続されている燃料電池システム。
【請求項2】
前記燃料電池で発生した熱を回収する熱媒体が循環する熱媒体循環経路と、
前記熱媒体循環経路に設けられた熱交換器と、
前記熱交換器に空気を供給する第2空気供給器と、をさらに備え、
前記筐体は、前記熱交換器および前記第2空気供給器を収納している、
請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記空気排出経路は、前記筐体に設けられた排気口から前記ケースに延伸している第1排出経路と、前記第1排出経路から分岐して前記熱交換器に延伸している第2排出経路と、を備える請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記アノードオフガス排出経路の下流端は前記第1排出経路に接続されている請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記アノードオフガス排出経路の下流端は前記第2排出経路に接続されている請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記第1空気供給器は、前記空気を送風するファンと前記ファンを周囲から覆うフードと、を備え、
前記フードと前記筐体との間に形成された空間を空気が通過することで前記筐体内が換気されている請求項1-5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記筐体に設けられた吸気口から流入した空気は、前記空間を通過した後、前記フード内、前記ケース内および前記空気排出経路をこの順に流れることで前記筐体外に排出されている請求項6に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
純水素を燃料ガスに用いる燃料電池システムにおいて、燃料電池の発電に使用されなかった燃料ガス(アノードオフガス)を燃料電池のアノードに戻して再利用する構成が提案されている。しかし、この燃料電池では、例えば、カソードに供給された空気中の窒素の一部が電解質を介してアノード側へ移動する現象が起こる。これにより、燃料電池の発電を継続すると、燃料ガス中の窒素濃度が徐々に高くなることで、燃料電池の発電効率が低下する。
【0003】
このような燃料電池の発電効率低下を抑制するために、例えば、アノードオフガス中の窒素などの不純物を外部に排出するパージ動作を行うことが提案されている。このパージ動作では、アノードオフガス中に、窒素とともに、可燃性の水素ガスが存在するので、水素ガスを所望の濃度にまで希釈した後、大気に排出する必要がある。
【0004】
そこで、特許文献1では、燃料電池の熱を回収する熱媒体が通過する熱媒体循環経路と、熱媒体と空気との熱交換が行われるラジエータ(熱交換器)と、熱交換器に空気を送風するファンと、が開示され、パージ動作の際、熱交換器を通過した空気を用いて、パージガスを希釈するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-235205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来例は、上記のパージ動作において、アノードオフガスを空気で希釈する際の空気量不足の問題については検討されていない。
【0007】
本開示の一態様(aspect)は、このような事情に鑑みてなされたものであり、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、アノードオフガスを空気で希釈する際の空気量を従来よりも適切に確保し得る燃料電池システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様の燃料電池システムは、アノードに供給された燃料ガスおよびカソードに供給された酸化剤ガスにより発電する燃料電池と、前記燃料電池のアノードを通過したアノードオフガスを排出するためのアノードオフガス排出経路と、前記燃料電池から出力された電力を変換する電力変換器と、前記電力変換器を収納するケースと、前記ケースに空気を供給する第1空気供給器と、前記燃料電池、前記ケースおよび前記第1空気供給器を収納する筐体と、前記ケースを通過した空気を前記筐体外へ排出するための空気排出経路と、を備え、前記アノードオフガス排出経路の下流端は前記空気排出経路に接続されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様の燃料電池システムは、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、アノードオフガスを空気で希釈する際の空気量を従来よりも適切に確保し得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は第1実施形態の燃料電池システムの一例を示す図である。
図2A図2Aは第1実施形態の第1実施例の燃料電池システムの一例を示す図である。
図2B図2Bは第1実施形態の第2実施例の燃料電池システムの一例を示す図である。
図3図3は第2実施形態の燃料電池システムの一例を示す図である。
図4図4は第2実施形態の変形例の燃料電池システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、アノードオフガスを空気で希釈する際の空気量不足の問題について鋭意検討が行われ、以下の知見が得られた。
【0012】
上記のとおり、例えば、固体高分子形の燃料電池システムでは、燃料電池を通過する熱媒体(例えば、水)が循環する熱媒体循環経路上に熱交換器が設けられており、この熱交換器に熱媒体を冷却するための外気(空気)の空気量を制御することで、燃料電池の温度調整が行われる。
【0013】
ここで、発明者らは、特許文献1に記載の車両用の燃料電池システムと定置用の燃料電池システムとの間の燃料電池の出力の違いに着目した。つまり、定置用の燃料電池の出力は数百W(ワット)から数KW(キロワット)程度であるのに対して、特許文献1に記載の車両用の燃料電池の出力は数十KWから数百KWである。よって、前者の発熱量は、後者の発熱量に比べて格段に小さい。
【0014】
以上の理由により、定置用の燃料電池システムは、例えば、冬季、寒冷地など外気温度が低い環境においては、燃料電池の温度調節をするために熱交換器に供給される空気量を少量にして燃料電池が動作温度の下限を下回らないような制御を行う必要性が車両用の燃料電池システムの場合に比べて高いと考えられる。
【0015】
つまり、熱交換器に供給する空気を用いてアノードオフガスを希釈する構成を取る定置用の燃料電池システムは、外気温度が低い環境において、アノードオフガスを十分に希釈することが困難になる可能性が存在することを意味する。
【0016】
そこで、発明者らは、以上の問題の対応を鋭意検討した結果、動作温度の上限および下限の間で動作する燃料電池と、動作温度の上限以下で動作する電力変換器とが、燃料電池システムに併存することを見出し、以下の本開示の一態様に到達した。
【0017】
本開示の第1態様の燃料電池システムは、このような知見に基づいて案出できたものであり、アノードに供給された燃料ガスおよびカソードに供給された酸化剤ガスにより発電する燃料電池と、燃料電池のアノードを通過したアノードオフガスを排出するためのアノードオフガス排出経路と、燃料電池から出力された電力を変換する電力変換器と、電力変換器を収納するケースと、ケースに空気を供給する第1空気供給器と、燃料電池、ケースおよび第1空気供給器を収納する筐体と、ケースを通過した空気を筐体外へ排出するための空気排出経路と、を備え、アノードオフガス排出経路の下流端は空気排出経路に接続されている。
【0018】
かかる構成によると、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、アノードオフガスを空気で希釈する際の空気量を従来よりも適切に確保し得る。
【0019】
具体的には、本態様の燃料電池システムは、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、電力変換器を冷却する空気でアノードオフガスを希釈する構成を取るので、燃料電池の温度制御とは切り離して、アノードオフガスを空気希釈することが可能になる。ここで、電力変換器は、燃料電池とは異なり、動作温度の上限以下で動作する装置である。つまり、電力変換器のラジエータ(ケースおよび第1空気供給器)は、電力変換器の構成部品(例えば、半導体素子)の動作温度の上限以下で電力変換器を冷却する機能を備えるだけでよい。よって、電力変換器に空気を送るための第1空気供給器の制御量(空気量)を、外気温度の低下に対応して制御(つまり、少量の空気量で制御)する必要はないので、アノードオフガスを希釈するのに必要な空気量を確保しやすくなる。
【0020】
本開示の第2態様の燃料電池システムは、第1態様の燃料電池システムにおいて、さらに、燃料電池で発生した熱を回収する熱媒体が循環する熱媒体循環経路と、熱媒体循環経路に設けられた熱交換器と、熱交換器に空気を供給する第2空気供給器と、を備え、筐体は、熱交換器および第2空気供給器を収納していてもよい。
【0021】
本開示の第3態様の燃料電池システムは、第2態様の燃料電池システムにおいて、空気排出経路は、筐体に設けられた排気口からケースに延伸している第1排出経路と、第1排出経路から分岐して熱交換器に延伸している第2排出経路と、を備えてもよい。
【0022】
かかる構成によると、筐体に設ける排気口の数を削減することができる。
【0023】
本開示の第4態様の燃料電池システムは、第3態様の燃料電池システムにおいて、アノードオフガス排出経路の下流端は、上記の第1排出経路に接続されていてもよい。
【0024】
かかる構成によると、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、電力変換器を冷却する空気でアノードオフガスを希釈するとともに、熱交換器を冷却する空気でアノードオフガスを更に希釈することができる。
【0025】
また、燃料電池システムの起動時、停止時および待機時には、燃料電池の温度制御が不要である。よって、このような燃料電池システムの起動時、停止時および待機時においては、熱交換器に空気を送るための第2空気供給器の制御量(空気量)を、外気温度の低下に対応して制御(つまり、空気量を少量で制御)する必要はないので、アノードオフガス中の水素濃度を更に低濃度にまで低減し得る。
【0026】
本開示の第5態様の燃料電池システムは、第3態様の燃料電池システムにおいて、アノードオフガス排出経路の下流端は、上記の第2排出経路に接続されていてもよい。
【0027】
かかる構成によると、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、熱交換器を冷却する空気と電力変換器を冷却する空気との両方で、アノードオフガスを希釈できる。
【0028】
本開示の第6態様の燃料電池システムは、第1態様-第5態様のいずれか一つの燃料電池システムにおいて、第1空気供給器は、空気を送風するファンとファンを周囲から覆うフードと、を備え、フードと筐体との間に形成された空間を空気が通過することで筐体内が換気されていてもよい。
【0029】
かかる構成によると、筐体内を換気するとともに、電力変換器を冷却できる。
【0030】
本開示の第7態様の燃料電池システムは、第6態様の燃料電池システムにおいて、筐体に設けられた吸気口から流入した空気は、上記の空間を通過した後、フード内、ケース内および空気排出経路をこの順に流れることで筐体外に排出されている。
【0031】
かかる構成によると、筐体内を換気できるとともに、電力変換器を冷却できる。
【0032】
また、以上の構成によると、本態様の燃料電池システムは、第1空気供給器を換気器として機能させ得る。これにより、熱交換器に空気を送るための第2空気供給器の制御量(空気量)を、外気温度の低下に対応して制御(つまり、空気量を少量で制御)する場合であっても、筐体内を適切に換気できる。また、専用の換気器が不要となる場合、または、専用の換気器を小型化できる場合は、燃料電池システムの構成の簡素化、低コスト化を図ることができる。
【0033】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下で説明する実施形態は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。
【0034】
よって、以下で示される数値、形状、材料、構成要素、および、構成要素の配置位置および接続形態などは、あくまで一例であり、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。また、以下の構成要素のうち、本態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。
【0035】
(第1実施形態)
[装置構成]
図1は、第1実施形態の燃料電池システムの一例を示す図である。
【0036】
図1に示す例では、本実施形態の燃料電池システム100は、燃料電池1と、アノードオフガス排出経路3と、パージ弁20と、熱媒体循環経路6と、熱交換器7と、第2空気供給器8と、電力変換器9と、ケース10と、第1空気供給器11と、筐体12と、空気排出経路13と、を備える。
【0037】
筐体12は、少なくとも、燃料電池1、熱交換器7、第2空気供給器8、ケース10および第1空気供給器11を収納する容器である。筐体12は、これらの構成要素を内包する外郭であり、燃料電池システム100を外部環境と隔離する部材でもある。よって、筐体12は、剛性および耐食性を備える材料で構成する方がよい。筐体12は、例えば、ステンレス製の板からなる外郭などで形成できるが、これに限定されない。
【0038】
燃料電池1は、アノードおよびカソードを備え、アノードに供給された燃料ガスおよびカソードに供給された酸化剤ガスにより発電する。具体的には、アノードガス供給経路2を通じて、燃料電池1のアノードに燃料ガスが供給され、カソードガス供給経路4を通じて、燃料電池1のカソードに酸化剤ガスが供給され、燃料ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素とが電気化学反応することで発電が行われる。
【0039】
燃料電池1は、例えば、電解質(図示せず)をアノードとカソードとで挟持した膜電極接合体(MEA)の積層体を備える。なお、アノードおよびカソード(電極)は、例えば、白金などの貴金属触媒を坦持したカーボン粒子からなる触媒層とカーボンペーパー、カーボンフェルトからなるガス拡散層とにより構成されているが、これに限定されない。
【0040】
燃料電池1は、いずれの種類であってもよい。本実施形態の燃料電池システム100では、燃料電池1として固体高分子形燃料電池(PEFC)を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。
【0041】
燃料ガスとして、例えば、水素ガスを挙げることができる。この場合、水素ガスは水素ガス供給源より燃料電池1のアノードに供給される。水素ガス供給源は、所定の供給元圧を備え、例えば、水素ガスインフラ、水素ガスボンベなどを挙げることができる。また、水素ガス供給源で必要となる水素は、例えば、水電解装置、改質器などで生成されてもよい。
【0042】
また、アノードガス供給経路2には、燃料電池1のアノードに供給する水素ガスの流量を調整する機器が設けられていてもよい。かかる機器は、例えば、昇圧器と流量調整弁により構成されていてもよいし、これらのいずれか一方により構成されてもよい。昇圧器として、例えば、ポンプを用いることができるが、これに限定されない。
【0043】
なお、アノードガス供給経路2には、可燃性の水素ガスが流れるので、アノードガス供給経路2は、例えば、難燃性材料の配管(例えば、ステンレス製配管などの金属配管)などで形成されていてもよい。
【0044】
酸化剤ガスとして、例えば、空気を挙げることができる。この場合、カソードガス供給経路4には、昇圧器が設けられている。昇圧器として、例えば、コンプレッサー、ポンプを用いることができるが、これに限定されない。なお、カソードガス供給経路4は、例えば、ステンレス製配管などの金属配管、架橋ポリエチレンチューブなどで形成されていてもよい。
【0045】
熱媒体循環経路6は、燃料電池1で発生した熱を回収する熱媒体が循環する経路である。熱媒体循環経路6は、例えば、ステンレス製配管などの金属配管、架橋ポリエチレンチューブなどで形成されている。なお、熱媒体として、例えば、冷却水を挙げることができる。また、冷却水はイオン交換水であることが望ましい。
【0046】
燃料電池1の発電中、燃料電池1の動作温度を適温に維持するのに必要となる以下の機器が適宜、設けられている。
【0047】
熱交換器7は、熱媒体循環経路6に設けられ、熱媒体循環経路6を流れる熱媒体を冷却するための機器である。熱交換器7は、熱媒体循環経路6を流れる熱媒体を冷却できれば、どのような構成であってもよい。例えば、熱交換器7内には、熱媒体が流れる流路部材が通過しており、この流路部材は、例えば、ステンレス製の配管で構成され、放熱フィンなどの熱交換部材(図示せず)を備えてもよい。
【0048】
第2空気供給器8は、熱交換器7に空気を供給する機器である。第2空気供給器8は、熱交換器7に空気を供給できれば、どのような構成であってもよい。第2空気供給器8として、例えば、回転数が制御可能なファンなどを挙げることができるが、これに限定されない。
【0049】
本実施形態の燃料電池システム100では、第2空気供給器8は、筐体12に設けられた排気口16Bから熱交換器7に延伸する空気流出経路内に設けられている。すると、第2空気供給器8の動作により、筐体12内の空気が、熱交換器7に設けられた開口(図示せず)から熱交換器7内に流入した後、上記の空気流出経路を通過して排気口16Bから筐体12外へ排出される。このとき、熱交換器7内の流路部材を通過する熱媒体と空気との熱交換により熱媒体の熱が奪われて、熱媒体が冷却される。このようにして、熱交換器7および第2空気供給器8は、熱媒体が放熱により冷却される空冷式のラジエータを構成する。
【0050】
なお、第2空気供給器8の動作により、筐体12に設けられた吸気口15Bから外気が筐体12内に流入する。つまり、第2空気供給器8は、筐体12内を換気する換気機能を備える。
【0051】
また、図示を省略するが、熱媒体循環経路6の適所には、ポンプおよび温度検知器などが設けられていてもよい。そして、図示しない制御器が、燃料電池1の熱を回収する熱媒体の温度が所定の温度となるようにポンプ、第2空気供給器8などの動作をフィードバック制御してもよい。
【0052】
制御器は、制御機能を有するものであれば、どのような構成であっても構わない。制御器は、例えば、演算回路と、制御プログラムを記憶する記憶回路と、を備える。演算回路として、例えば、MPU、CPUなどを例示できる。記憶回路として、例えば、メモリを例示できる。制御器は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
【0053】
このようにして、燃料電池1の動作温度が適温に維持されている。
【0054】
電力変換器9は、燃料電池1から出力された電力を変換する機器である。電力変換器9は、燃料電池1から出力された電力を変換できれば、どのような構成であってもよい。例えば、電力変換器9は、燃料電池1で発電した直流電力を外部負荷で利用できるように交流電力に変換するDC/ACコンバータを備えてもよい。また、電力変換器9は、燃料電池1で発電した直流電力の一部を、例えば、燃料電池システム100の補機に利用できるように昇圧するDC/DCコンバータを備えてもよい。
【0055】
ケース10は、電力変換器9を収納する容器である。ケース10は、電力変換器9の周囲を囲み、電力変換器9の温度を、動作温度の上限以下に維持するための空気が流れる流路を構成する。ケース10の形状は、電力変換器9を収納し保護できるのであれば、どのような形状であってもよい。ケース10として、ポリフェニレンスルファイド(PPS)などの樹脂製のケース、または、アルミニウムなどの金属製のケースなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0056】
第1空気供給器11は、ケース10に空気を供給する機器である。第1空気供給器11は、ケース10に空気を供給できれば、どのような構成であってもよい。第1空気供給器11として、例えば、回転数が制御可能なファンなどを挙げることができるが、これに限定されない。
【0057】
空気排出経路13は、ケース10を通過した空気を筐体外へ排出するための流路である。空気排出経路13は、例えば、PPSなどの樹脂製の流路部材、または、アルミニウムなどの金属製の流路部材などで構成することができる。
【0058】
本実施形態の燃料電池システム100では、第1空気供給器11は、筐体12に設けられた吸気口15Aからケース10の第1壁部10Aに延伸する空気流入経路内に設けられている。すると、第1空気供給器11の動作により、筐体12外の空気が、第1壁部10Aに設けられた開口(図示せず)からケース10内に流入する。ケース10内の空気は、第2壁部10Bに設けられた開口(図示せず)から空気排出経路13に流入した後、空気排出経路13を通じて排気口16Aから筐体12外へ排出される。このとき、電力変換器9の構成部品(例えば、半導体素子)とケース10内を通過する空気との間の熱交換により電力変換器9の熱が奪われて、電力変換器9が冷却される。このようにして、ケース10および第1空気供給器11は、電力変換器9が放熱により冷却される空冷式のラジエータを構成する。
【0059】
また、図示を省略するが、電力変換器9の適所には、温度検知器などが設けられていてもよい。そして、図示しない制御器が、電力変換器9が所定の温度となるように第1空気供給器11などの動作をフィードバック制御してもよい。
【0060】
燃料電池1の発電中、アノードオフガスは、燃料電池1の発電に使用されるまで、アノードオフガス循環経路14を経由して、燃料電池1のアノード出口からアノード入口に戻るように循環する。
【0061】
そこで、本実施形態の燃料電池システム100では、アノードオフガス循環経路14の途中から分岐するアノードオフガス排出経路3と、本アノードオフガス排出経路3に設けられたパージ弁20と、を備える。つまり、アノードオフガス排出経路3は、燃料電池1のアノードを通過したアノードオフガスをアノードオフガス循環経路14の外部へ排出するための流路である。パージ弁20として、例えば、電磁弁を用いることができるが、これに限定されない。アノードオフガス排出経路3およびアノードオフガス循環経路14には、可燃性のアノードオフガスが流れるので、アノードオフガス排出経路3およびアノードオフガス循環経路14は、難燃性材料の配管(例えば、ステンレス製配管などの金属配管)などで形成されている。
【0062】
パージ弁20を閉じている間は、アノードオフガスは、燃料電池1の発電に使用されるまで、燃料電池1のアノード出口からアノード入口に戻るように循環する。すると、アノードオフガスが循環する過程で、アノードオフガス中には、燃料ガス(水素ガス)以外の不純物が経時的に増加する。不純物として、例えば、燃料電池1のカソードには空気が流れているので、カソードから電解質膜を通じてアノードへ漏れる窒素ガスなどを例示できる。アノードオフガスに混入する不純物が増加すると、アノードオフガス中の水素濃度が低下するので、燃料電池1の発電中には、適時に、パージ弁20を一時的に開くことでアノードオフガス循環経路14から不純物を含むパージガスが排出(パージ)される。
【0063】
このようにして、本実施形態の燃料電池システム100は、アノードオフガスに混入する不純物の濃度を低減することが可能になるので、アノードオフガス中の水素濃度を適切に回復させることができる。
【0064】
ここで、本実施形態の燃料電池システム100では、アノードオフガス排出経路3の下流端は空気排出経路13に接続されている。なお、アノードオフガス排出経路3の下流端と空気排出経路13との間の具体的な接続形態は、第1実施例および第2実施例で説明する。
【0065】
以上により、本実施形態の燃料電池システム100は、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、アノードオフガスを空気で希釈する際の空気量を従来よりも適切に確保し得る。
【0066】
具体的には、本実施形態の燃料電池システム100は、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、電力変換器9を冷却する空気でアノードオフガスを希釈する構成を取るので、燃料電池1の温度制御とは切り離して、アノードオフガスを空気希釈することが可能になる。
【0067】
ここで、電力変換器9は、燃料電池1とは異なり、動作温度の上限以下で動作する装置である。例えば、燃料電池1は、約55℃-約75℃の間で動作させることが多いのに対して、電力変換器9(例えば、DC/ACコンバータ)は、約60℃以下で動作させることが多い。なお、DC/ACコンバータの動作温度の下限は、例えば、約-10℃程度である。よって、DC/ACコンバータを空気で空冷する場合、DC/ACコンバータを冷却する空気を少量にしてDC/ACコンバータが動作温度の下限を下回らないような制御を行う必要はない。
【0068】
つまり、電力変換器9のラジエータ(ケース10および第1空気供給器11)は、電力変換器9の構成部品(例えば、半導体素子)の動作温度の上限以下で電力変換器9を冷却する機能を備えるだけでよい。よって、電力変換器9に空気を送るための第1空気供給器の制御量(空気量)を、外気温度の低下に対応して制御(つまり、空気量を少量で制御)する必要はないので、アノードオフガスを希釈するのに必要な空気量を確保しやすくなる。
【0069】
なお、以上の電力変換器9の構成、および、燃料電池1および電力変換器9の動作温度は例示であって、本例に限定されない。
【0070】
(第1実施例)
図2Aは、第1実施形態の第1実施例の燃料電池システムの一例を示す図である。
【0071】
図2Aに示す例では、本実施例の燃料電池システム100は、燃料電池1と、アノードオフガス排出経路3Aと、パージ弁20と、熱媒体循環経路6と、熱交換器7と、第2空気供給器8と、電力変換器9と、ケース10と、第1空気供給器11と、筐体12と、空気排出経路13と、を備える。
【0072】
燃料電池1、パージ弁20、熱媒体循環経路6、熱交換器7、第2空気供給器8、電力変換器9、ケース10および第1空気供給器11は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0073】
空気排出経路13は、筐体12に設けられた排気口16Aからケース10に延伸している第1排出経路13Aと、第1排出経路13Aから分岐して熱交換器7に延伸している第2排出経路13Bと、を備える。これにより、筐体12に排気口16B(図1参照)を設ける必要がないので、筐体12に設ける排気口の数を削減することができる。さらに、排気口構成に係る部材が削減でき、コストの削減と筐体12内のレイアウトの自由度が向上する。
【0074】
また、本実施例の燃料電池システム100では、アノードオフガス排出経路3Aの下流端は、第1排出経路13Aに接続されている。
【0075】
以上により、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、電力変換器9を冷却する空気でアノードオフガスを希釈するとともに、熱交換器7を冷却する空気でアノードオフガスを更に希釈することができる。
【0076】
また、燃料電池システム100の起動時、停止時および待機時には、燃料電池1の温度制御が不要である。よって、このような燃料電池システム100の起動時、停止時および待機時においては、熱交換器7に空気を送るための第2空気供給器8の制御量(空気量)を、外気温度の低下に対応して制御(つまり、空気量を少量で制御)する必要はないので、アノードオフガス中の水素濃度を更に低濃度にまで低減し得る。
【0077】
本実施例の燃料電池システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態の燃料電池システム100と同様に構成してもよい。
【0078】
(第2実施例)
図2Bは、第1実施形態の第2実施例の燃料電池システムの一例を示す図である。
【0079】
図2Bに示す例では、本実施例の燃料電池システム100は、燃料電池1と、アノードオフガス排出経路3Bと、パージ弁20と、熱媒体循環経路6と、熱交換器7と、第2空気供給器8と、電力変換器9と、ケース10と、第1空気供給器11と、筐体12と、空気排出経路13と、を備える。
【0080】
燃料電池1、パージ弁20、熱媒体循環経路6と、熱交換器7、第2空気供給器8、電力変換器9、ケース10および第1空気供給器11は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0081】
空気排出経路13は、筐体12に設けられた排気口16Aからケース10に延伸している第1排出経路13Aと、第1排出経路13Aから分岐して熱交換器7に延伸している第2排出経路13Bと、を備える。これにより、筐体12に排気口16B(図1参照)を設ける必要がないので、筐体12に設ける排気口の数を削減することができる。さらに、排気口構成に係る部材が削減でき、コストの削減と筐体12内のレイアウトの自由度が向上する。
【0082】
また、本実施例の燃料電池システム100では、アノードオフガス排出経路3Bの下流端は、第2排出経路13Bに接続されている。
【0083】
以上により、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、熱交換器7を冷却する空気と電力変換器9を冷却する空気との両方で、アノードオフガスを希釈できる。
【0084】
本実施例の燃料電池システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態の燃料電池システム100と同様に構成してもよい。
【0085】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態の燃料電池システムの一例を示す図である。
【0086】
図3に示す例では、本実施形態の燃料電池システム100は、燃料電池1と、アノードオフガス排出経路3Aと、パージ弁20と、熱媒体循環経路6と、熱交換器7と、第2空気供給器8と、電力変換器9と、ケース10と、第1空気供給器11と、筐体12と、空気排出経路13と、を備える。
【0087】
燃料電池1、パージ弁20、熱媒体循環経路6と、熱交換器7、第2空気供給器8、電力変換器9およびケース10は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。アノードオフガス排出経路3Aおよび空気排出経路13は、第1実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0088】
第1空気供給器11は、空気を送風するファン11Aとファン11Aを周囲から覆うフード11Bと、を備える。フード11Bと筐体12との間には、空間が形成されており、この空間は、燃料電池1が配置されている筐体12内に通じている。そして、フード11Bと筐体12との間に形成された空間を空気が通過することで筐体12内が換気されている。つまり、筐体12に設けられた吸気口15Aから流入した空気は、上記の空間を通過した後、フード11B内、ケース10内、空気排出経路13の第1排出経路13Aをこの順に流れることで筐体12外に排出されている。これにより、筐体12内を換気できるとともに、電力変換器を冷却できる。
【0089】
以上により、本実施形態の燃料電池システム100は、第1空気供給器11を換気器として機能させ得る。これにより、熱交換器7に空気を送るための第2空気供給器8の制御量(空気量)を、外気温度の低下に対応して制御(つまり、空気量を少量で制御)する場合であっても、筐体12内を適切に換気できる。また、専用の換気器が不要となる場合、または、専用の換気器を小型化できる場合は、燃料電池システム100の構成の簡素化、低コスト化を図ることができる。
【0090】
更に、筐体12に吸気口15B(図1参照)を設ける必要がないので、筐体12内を換気するための吸気口の数を削減できる。さらに、吸気口構成に係る部材が削減でき、コストの削減と筐体12内のレイアウトの自由度が向上する。
【0091】
本実施形態の燃料電池システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態および第1実施形態の第1実施例-第2実施例のいずれかの燃料電池システム100と同様に構成してもよい。例えば、図3では、アノードオフガス排出経路3Aの下流端は第1排出経路13Aに接続されているが、アノードオフガス排出経路の下流端は第2排出経路13Bに接続されていてもよい。
【0092】
(変形例)
図4は、第2実施形態の変形例の燃料電池システムの一例を示す図である。
【0093】
図4に示す例では、本実施形態の燃料電池システム100は、燃料電池1と、アノードオフガス排出経路3Cと、パージ弁20と、熱媒体循環経路6と、熱交換器7と、第2空気供給器8と、電力変換器9と、ケース10と、第1空気供給器11と、筐体12と、空気排出経路13と、を備える。
【0094】
燃料電池1、パージ弁20、熱媒体循環経路6と、熱交換器7、第2空気供給器8、電力変換器9およびケース10は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。空気排出経路13は、第1実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。第1空気供給器11は、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0095】
アノードオフガス排出経路3Cの下流端は、空気が流れる方向において、第1排出経路13Aと第2排出経路13Bとが分岐する分岐部よりも下流の第1排出経路13Aに接続されている。換言すると、アノードオフガス排出経路3Cの下流端は、分岐部と排気口16Aとの間の第1排出経路13Aに接続されている。
【0096】
アノードオフガス排出経路3Aの下流端が、例えば、上記の分岐部よりも上流の第1排出経路13Aに接続されている場合、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、仮に熱交換器7に空気を送るための第2空気供給器8の動作が停止していると、アノードオフガスが、第1排出経路13Aから第2排出経路13Bを流れ込み、第2排出経路13Bを通じて、筐体12内に流入する可能性がある。しかし、本変形例の燃料電池システム100は、アノードオフガス排出経路3Aの下流端が、上記の分岐部よりも下流の第1排出経路13Aに接続されているので、このような可能性を低減できる。
【0097】
本変形例の燃料電池システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第2実施例および第2実施形態のいずれかの燃料電池システム100と同様に構成してもよい。
【0098】
なお、図1図4において、ケース10内の空気の流れにおいて、電力変換器9よりも上流側に第1空気供給器11を設け、押し込み型による空気の供給を行っているが、これに限定されない。すなわち、ケース10内の空気の流れにおいて、電力変換器9よりも下流側に第1空気供給器を設け、吸い込み型による空気の供給を行ってもよい。吸い込み型による空気の供給を行う場合、電力変換器9に乱流を当てずに効率よく冷却できる。
【0099】
第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第2実施例、第2実施形態および第2実施形態の変形例は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
【0100】
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良、他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示の一態様は、アノードオフガス中の不純物を外部に排出するパージ動作において、アノードオフガスを空気で希釈する際の空気量を従来よりも適切に確保し得る燃料電池システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 :燃料電池
2 :アノードガス供給経路
3 :アノードオフガス排出経路
3A :アノードオフガス排出経路
3B :アノードオフガス排出経路
3C :アノードオフガス排出経路
4 :カソードガス供給経路
6 :熱媒体循環経路
7 :熱交換器
8 :第2空気供給器
9 :電力変換器
10 :ケース
10A :第1壁部
10B :第2壁部
11 :第1空気供給器
11A :ファン
11B :フード
12 :筐体
13 :空気排出経路
13A :第1排出経路
13B :第2排出経路
14 :アノードオフガス循環経路
15A :吸気口
15B :吸気口
16A :排気口
16B :排気口
20 :パージ弁
100 :燃料電池システム
図1
図2A
図2B
図3
図4