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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】音声制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
H04Q9/00 331A
H04Q9/00 301D
H04Q9/00 321B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021160303
(22)【出願日】2021-09-30
(62)【分割の表示】P 2017144009の分割
【原出願日】2017-07-25
(65)【公開番号】P2021193849
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 実
(72)【発明者】
【氏名】木村 克彦
(72)【発明者】
【氏名】花園 正也
(72)【発明者】
【氏名】夏目 龍司
(72)【発明者】
【氏名】近藤 真樹
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-524012(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0330042(US,A1)
【文献】国際公開第2015/025341(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの音声が入力される音声入力装置と、
前記ユーザの音声に基づいて生成される第1コマンドを取得する取得部と、
前記第1コマンドを前記第1コマンドとはプロトコルが異なる第2コマンドに変換するコマンド変換部と、
前記第2コマンドを複数の配線器具のうち制御対象となる配線器具に出力する出力部と、を備え、
前記第1コマンドは、前記複数の配線器具のうち前記制御対象となる配線器具を特定する対象特定項目と、制御内容を特定する内容特定項目と、を含み、
前記音声入力装置は、前記第2コマンドによる前記制御対象となる配線器具の制御の結果を表す情報である応答情報に基づいて報知音を出力する、
音声制御システム。
【請求項2】
ユーザの音声が入力される音声入力装置と、
前記ユーザの音声に基づいて生成される第1コマンドを取得する取得部と、
前記第1コマンドを前記第1コマンドとはプロトコルが異なる第2コマンドに変換するコマンド変換部と、
前記第2コマンドを複数の配線器具のうち状態監視対象となる配線器具に出力する出力部と、を備え、
前記第1コマンドは、前記複数の配線器具のうち前記状態監視対象となる配線器具を特定する対象特定項目と、状態監視内容を特定する内容特定項目と、を含み、
前記音声入力装置は、前記第2コマンドによる前記状態監視対象となる配線器具の状態監視の結果を表す情報である応答情報に基づいて報知音を出力する、
音声制御システム。
【請求項3】
前記音声入力装置は、特定の事象をトリガにして、前記ユーザの音声操作の受け付けを開始し、
前記特定の事象は、前記ユーザから特定のキーワードを表す音声が入力されること、前記音声入力装置の正面に前記ユーザが移動すること、及び、前記音声入力装置のボタンが押されることのうちの少なくとも一つである、
請求項1又は2に記載の音声制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に声制御システに関し、より詳細には、電源と負荷機器との間に接続される少なくとも1つの配線器具を備える声制御システに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、壁等に取り付けられるスイッチ本体を備え、照明器具等の負荷機器への電力供給をオン/オフするスイッチ装置において、ワイヤレス信号で送信された信号を受信するように構成されたスイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のスイッチ装置(ワイヤレススイッチ)は、スイッチ本体の前面に取り付けられてピアノタッチ操作で押釦を押圧するピアノハンドルと、ワイヤレス信号を送信するワイヤレスリモコンと、を備えている。ワイヤレスリモコンは、ピアノハンドルの前面に形成された取付部に着脱自在に取り付けられ、ピアノハンドルに対して磁力で結合される。スイッチ本体は、押釦の操作、又はワイヤレスリモコンからのワイヤレス信号により、負荷機器への電力供給をオン/オフする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-038795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の配線器具(スイッチ装置)では、ユーザは、負荷機器への電力供給をオン/オフするために、ピアノハンドルを押す操作、又はワイヤレスリモコンのリモコン操作部を押す操作が必要である。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みてなされており、配線器具のより簡単な操作を可能とする、声制御システを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
態様に係る音声制御システムは、音声入力装置と、取得部と、コマンド変換部と、出力部と、を備える。前記音声入力装置は、ユーザの音声が入力される。前記取得部は、前記ユーザの音声に基づいて生成される第1コマンドを取得する。前記コマンド変換部は、前記第1コマンドを前記第1コマンドとはプロトコルが異なる第2コマンドに変換する。前記出力部は、前記第2コマンドを複数の配線器具のうち制御対象となる配線器具に出力する。前記第1コマンドは、前記複数の配線器具のうち前記制御対象となる配線器具を特定する対象特定項目と、制御内容を特定する内容特定項目と、を含む。前記音声入力装置は、前記第2コマンドによる前記制御対象となる配線器具の制御の結果を表す情報である応答情報に基づいて報知音を出力する。
一態様に係る音声制御システムは、音声入力装置と、取得部と、コマンド変換部と、出力部と、を備える。前記音声入力装置は、ユーザの音声が入力される。前記取得部は、前記ユーザの音声に基づいて生成される第1コマンドを取得する。前記コマンド変換部は、前記第1コマンドを前記第1コマンドとはプロトコルが異なる第2コマンドに変換する。前記出力部は、前記第2コマンドを複数の配線器具のうち状態監視対象となる配線器具に出力する。前記第1コマンドは、前記複数の配線器具のうち前記状態監視対象となる配線器具を特定する対象特定項目と、状態監視内容を特定する内容特定項目と、を含む。前記音声入力装置は、前記第2コマンドによる前記状態監視対象となる配線器具の状態監視の結果を表す情報である応答情報に基づいて報知音を出力する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、配線器具のより簡単な操作が可能となる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1に係る配線器具システム及び音声制御システムを示す概略システム構成図である。
図2図2は、同上の配線器具システム及び同上の音声制御システムを示すブロック図である。
図3図3は、同上の配線器具システム及び同上の音声制御システムの基本動作例を示すシーケンス図である。
図4図4は、実施形態2に係る配線器具システム及び音声制御システムを示す概略システム構成図である。
図5図5は、実施形態3に係る配線器具システム及び音声制御システムを示す概略システム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る配線器具システム10は、図1に示すように、電源8と負荷機器5との間に電気的に接続される少なくとも1つ(図1の例では3つ)の配線器具4を備えている。配線器具システム10は、配線器具4及び音声入力装置6との通信機能を有する中継システム1を更に備える。中継システム1は、音声入力装置6に対するユーザU1の音声入力に応じて、配線器具4を制御する。本開示でいう「音声」は、人が発声器官を通じて発する言語音に加えて、例えば、口笛、フィンガースナップ(finger snapping)音、及び拍手(clapping)音等の、人が意図的に発する音全般を含む。
【0015】
この配線器具システム10によれば、ユーザU1は、音声操作により配線器具4を制御できるので、例えば、両手が塞がっている状態でも、発話することで簡単に配線器具4の操作が可能となる。結果的に、配線器具システム10によれば、配線器具4のより簡単な操作が可能となる。しかも、配線器具システム10では、住宅等の施設における電力インフラ(infrastructure)となる配線器具4を制御することで、施設で使用される負荷機器5への電力供給のオン/オフ等が可能になる。そのため、例えば、音声入力装置6との通信機能を持たず、かつ音声操作に対応していない負荷機器5であっても、音声入力装置6に対するユーザU1の音声入力に応じて、配線器具システム10を介した間接的な音声操作が可能となる。要するに、本実施形態に係る配線器具システム10によれば、配線器具システム10が音声入力装置6と連携することにより、負荷機器5が音声入力装置6に直接的には連動していなくても、負荷機器5を音声入力装置6に間接的に連動させることができる。
【0016】
(2)構成
(2.1)全体構成
本実施形態に係る配線器具システム10は、図1に示すように、少なくとも1つの配線器具4と、中継システム1と、を備えている。配線器具4は、電源8と負荷機器5との間に電気的に接続されており、一例として、電源8から負荷機器5への電力供給をオン/オフするスイッチ装置である。
【0017】
また、配線器具システム10は、音声入力装置6と共に、音声制御システム100を構成する。言い換えれば、音声制御システム100は、配線器具システム10と、音声入力装置6と、を備えている。つまり、音声入力装置6は、配線器具システム10の構成要素には含まれておらず、音声制御システム100の構成要素に含まれている。
【0018】
本実施形態では一例として、配線器具システム10及び音声制御システム100が戸建住宅又は集合住宅の各住戸等の住宅に導入されていることと仮定して説明する。この場合、住宅の1乃至複数人の住人が配線器具システム10及び音声制御システム100のユーザU1となる。図1の例では、ユーザU1が音声制御システム100内に示されているが、勿論、ユーザU1が音声制御システム100の構成要素に含まれる訳ではない。
【0019】
本実施形態では、配線器具システム10は、複数(ここでは3つ)の負荷機器5に一対一で対応するように、複数(ここでは3つ)の配線器具4を備えている。これら複数の配線器具4が電源8から複数の負荷機器5への電力供給をそれぞれオン/オフするように、電源8と1つの負荷機器5との間には1つの配線器具4が電気的に接続されている。以下、複数の配線器具4を区別する場合には、各配線器具4を、配線器具41、配線器具42、配線器具43のように表して区別することがある。同様に、複数の負荷機器5を区別する場合には、各負荷機器5を、負荷機器51、負荷機器52、負荷機器53のように表して区別することがある。ここでは一例として、負荷機器51は、配線器具41に電気的に接続された「リビング」の照明器具である。負荷機器52は、配線器具42に電気的に接続された「寝室」の照明器具である。負荷機器53は、配線器具43に電気的に接続された「トイレ」の照明器具である。
【0020】
さらに、図1の例では、配線器具システム10の中継システム1は、インターネット等のネットワーク91を介して、音声認識システム7に接続されている。音声認識システム7は、例えば、ネットワーク91に接続されたサーバシステムである。ネットワーク91及び音声認識システム7は、音声制御システム100の構成要素に含まれない。
【0021】
(2.2)中継システム
中継システム1は、図1に示すように、通信端末2と、通信アダプタ3と、を有している。図1の例では、中継システム1は、ルータ92を更に含んでいる。
【0022】
通信端末2は、音声入力装置6との通信機能を有する。通信端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はノート型パーソナルコンピュータ等の、通信機能を有する汎用の情報端末である。本実施形態では一例として、通信端末2はスマートフォンである。
【0023】
通信端末2は、図2に示すように、第1制御回路21を有している。第1制御回路21は、コンピュータシステムを主構成とし、取得部211、コマンド変換部212及び変更部213の機能を有している。通信端末2は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、第1制御回路21を、少なくとも取得部211、コマンド変換部212及び変更部213として機能させる。
【0024】
また、通信端末2は、第1制御回路21の他に、少なくとも、第1通信部22、ユーザインタフェース23及びコマンド記憶部24を有している。第1通信部22、ユーザインタフェース23及びコマンド記憶部24は、第1制御回路21に接続されている。
【0025】
第1通信部22は、音声入力装置6との通信機能を有している。また、第1通信部22は、通信アダプタ3との通信機能を有している。さらに、第1通信部22は、音声認識システム7との通信機能を有している。ここでは、通信端末2は、スマートフォン等の情報端末であるから、第1通信部22は、例えば、電波を媒体とする無線通信によりルータ92に接続される。これにより、第1通信部22は、ルータ92を介して、音声入力装置6及び通信アダプタ3との双方向の通信が可能となる。また、第1通信部22は、ルータ92及びネットワーク91を介して、音声認識システム7との双方向の通信が可能である。第1通信部22の通信方式は、例えば、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の無線通信である。
【0026】
ユーザインタフェース23は、例えば、タッチパネルディスプレイを搭載しており、ユーザU1に対して各種の情報を表示する機能と、ユーザU1からの操作を受け付ける機能と、を有している。ユーザインタフェース23は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、又はメカニカルなスイッチ等を含んでもよい。
【0027】
コマンド記憶部24は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。コマンド記憶部24には、例えば、後述する変換情報等の情報が記憶される。
【0028】
第1制御回路21の取得部211は、第1コマンドを音声入力装置6から取得するように構成されている。本開示でいう「コマンド」は、コンピュータシステムに特定の機能の実行を指示する命令を意味する。第1コマンドは、音声入力装置6が入力された音声に基づいて生成するコマンドである。すなわち、取得部211は、音声入力装置6においてユーザU1の音声操作に基づいて生成された第1コマンドを、音声入力装置6から取得する。具体的には、取得部211は、第1通信部22が音声入力装置6との通信により受信した第1コマンドを、第1通信部22から取得することにより、音声入力装置6から第1コマンドを間接的に取得する。
【0029】
第1制御回路21のコマンド変換部212は、第1コマンドを第2コマンドに変換するように構成されている。第2コマンドは、第1コマンドとはプロトコルが異なるコマンドであって、配線器具4を制御するためのコマンドである。すなわち、コマンド変換部212は、取得部211が音声入力装置6から取得した第1コマンドを、配線器具4の制御に適した第2コマンドに変換する。具体的には、コマンド変換部212は、コマンド記憶部24に記憶された変換情報を用いて第1コマンドを第2コマンドに変換するように構成されている。本開示でいう「変換情報」は、第1コマンドを第2コマンドに変換するための規則を規定する情報であって、例えば、第1コマンドと第2コマンドとの対応関係を表す対照表(テーブル)等である。
【0030】
第1制御回路21の変更部213は、登録ワードを変更するように構成されている。登録ワードは、音声入力装置6での音声認識に用いられる情報であって、認識用記憶部71に記憶されている。変更部213の機能について詳しくは「(3.2)設定動作」の欄で説明する。
【0031】
通信アダプタ3は、配線器具4との通信機能を有する専用の情報端末である。通信アダプタ3は、例えば、ルータ92に接続された据置型の情報端末である。通信アダプタ3は、ルータ92を介して通信端末2と通信する。つまり、通信アダプタ3と通信端末2とは互いに通信可能である。
【0032】
通信アダプタ3は、図2に示すように、第2制御回路31を有している。第2制御回路31は、コンピュータシステムを主構成とし、出力部311の機能を有している。通信アダプタ3は、第2制御回路31にて専用のプログラムを実行することにより、第2制御回路31を、少なくとも出力部311として機能させる。
【0033】
また、通信アダプタ3は、第2制御回路31の他に、少なくとも、第2通信部32を有している。第2通信部32は、第2制御回路31に接続されている。
【0034】
第2通信部32は、配線器具4との通信機能を有している。また、第2通信部32は、通信端末2との通信機能を有している。第2通信部32は、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルによりルータ92に接続される。これにより、第2通信部32は、ルータ92を介して、通信端末2との双方向の通信が可能となる。また、第2通信部32は、ルータ92及びネットワーク91を介して、音声認識システム7との双方向の通信が可能となる。第2通信部32の配線器具4との通信方式は、例えば、免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の無線通信である。この種の小電力無線については、用途等に応じて使用する周波数帯域や空中線電力などの仕様が各国で規定されている。日本国においては、920MHz帯又は420MHz帯の電波を使用する小電力無線が規定されている。第2通信部32の通信端末2との通信方式は、例えば、イーサネット(登録商標)に準拠した通信方式である。
【0035】
第2制御回路31の出力部311は、第2コマンドを配線器具4に出力するように構成されている。具体的には、出力部311は、第2通信部32が通信端末2との通信により受信した第2コマンドを、第2通信部32から取得することにより、通信端末2から第2コマンドを間接的に取得する。そして、出力部311は、この第2コマンドを第2通信部32から配線器具4に送信することにより、配線器具4に第2コマンドを間接的に出力する。
【0036】
(2.3)配線器具
本実施形態では、配線器具4は、照明器具からなる負荷機器5への電力供給をオン/オフすることで負荷機器5の点灯/消灯を切り替えるスイッチ装置である。さらに、配線器具4は、負荷機器5の調光制御が可能である。配線器具41は「リビング」の壁、配線器具42は「寝室」の壁、配線器具43は「トイレ」の壁にそれぞれ設置されている。
【0037】
配線器具4は、図2に示すように、第3制御回路401と、第3通信部402と、ユーザインタフェース403と、スイッチ素子404と、を有している。第3通信部402、ユーザインタフェース403及びスイッチ素子404は、第3制御回路401に接続されている。図2の例では、複数の配線器具41,42,43(図1参照)のうちの1つの配線器具4のみを図示している。同様に、図2の例では、複数の負荷機器51,52,53(図1参照)のうちの1つの負荷機器5のみを図示している。
【0038】
第3制御回路401は、コンピュータシステムを主構成とする。配線器具4は、第3制御回路401にて専用のプログラムを実行することにより、第3制御回路401にて、以下の機能を実現する。
【0039】
すなわち、第3制御回路401は、スイッチ素子404を制御する機能を有している。ここで、第3制御回路401は、ユーザインタフェース403から取得する操作コマンド、又は中継システム1(通信アダプタ3)から取得する第2コマンドに従って、スイッチ素子404を制御する。本実施形態では、配線器具4は調光機能付きのスイッチ装置であるので、第3制御回路401は、スイッチ素子404のオン/オフ制御に加えて、スイッチ素子404の位相角制御を行う。
【0040】
第3通信部402は、通信アダプタ3との通信機能を有している。第3通信部402の通信アダプタ3との通信方式は、例えば、免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の無線通信である。
【0041】
ユーザインタフェース403は、例えば、タッチスイッチ又は押釦スイッチ等を有しており、ユーザU1による操作を受け付ける。ユーザインタフェース403は、ユーザU1の操作(タップ、長押し、スワイプ等)に基づく操作コマンドを生成し、第3制御回路401に出力する。
【0042】
スイッチ素子404は、電源8(図1参照)と負荷機器5との間に電気的に接続されている。つまり、スイッチ素子404は、電源8から負荷機器5への給電路上に挿入されており、電源8から負荷機器5への電力供給をオン/オフする。ここで、スイッチ素子404は、メカニカルな(機械式の)接点を持たない半導体スイッチ素子、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)又は双方向性三端子サイリスタ等で構成されていることが好ましい。
【0043】
(2.4)音声入力装置
本実施形態では、音声入力装置6は、例えば、ユーザU1の音声に反応して、音楽の再生及び特定の家電機器の制御等を行う、家庭用の音声アシスタントデバイスである。この種の音声入力装置は、機械学習及び対話型の人工知能(AI:Artificial Intelligence)等の技術を用いて、音声認識及びその他の動作を行う。本開示でいう「音声認識」は、ユーザU1の音声を文字列に変換する処理だけでなく、意味解析及び文脈解析等の自然言語処理を含む。
【0044】
音声入力装置6は、図1に示すように、音声認識システム7との通信機能を有する。具体的には、音声入力装置6は、例えば、電波を媒体とする無線通信によりルータ92に接続される。これにより、音声入力装置6は、ルータ92及びネットワーク91を介して、音声認識システム7との双方向の通信が可能となる。また、音声入力装置6は、ルータ92を介して、通信端末2との双方向の通信が可能である。音声入力装置6の通信方式は、例えば、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の無線通信である。
【0045】
音声入力装置6は、図2に示すように、認識用記憶部71に記憶された登録ワードを用いて音声入力装置6に入力された音声の認識(音声認識)を行う。音声入力装置6は、音声認識を行った結果に基づいて第1コマンドを生成するように構成されている。登録ワードには、音響モデル及び認識辞書等が含まれている。すなわち、音声入力装置6は、登録ワードを参照して、ユーザU1から入力された音声を分析して音響特徴量を抽出し、認識辞書を参照して音声認識を実行する。本実施形態では、認識用記憶部71は音声認識システム7に設けられている。すなわち、音声入力装置6は、スタンドアローンで動作するのではなく、音声認識システム7と連携して音声認識を実行する。認識用記憶部71には、例えば、音声入力装置6ごと、又はユーザU1ごとに登録ワードが記憶されている。さらに、音声入力装置6は、音声を発したユーザU1を識別するための話者識別を行うことにより、予め登録されたユーザU1以外の音声、例えば、来客の音声、テレビ番組又はラジオ番組等の音声による音声入力装置6の誤動作を抑制することができる。
【0046】
音声入力装置6は、例えば、「リビング」等、住宅においてユーザU1の音声が届く場所に設置されている。音声入力装置6は、特定の事象をトリガにして、ユーザU1の音声操作の受け付けを開始する。本実施形態では一例として、特定の事象は、ユーザU1から「音声操作開始」等の特定のキーワードを表す音声が入力されることである。そのため、ユーザU1は、例えば、両手が塞がっている状態でも、音声入力装置6に対する音声操作を開始することができる。ただし、ユーザU1の音声操作の受け付けを開始するための特定の事象は、特定の音声(言葉)が入力されることに限らず、例えば、音声入力装置6の正面にユーザU1が移動すること、又は音声入力装置6のボタンが押されること等であってもよい。
【0047】
また、本実施形態では、音声入力装置6は、ユーザU1の音声を電気信号に変換するマイクロフォン加えて、電気信号を音に変換するスピーカを有している。そのため、音声入力装置6は、ユーザU1の音声による操作(音声入力)を受け付けるだけでなく、ユーザU1に対して音(音声、ビープ音、メロディ等を含む)を出力することができる。したがって、ユーザU1は、ハンズフリーでインタラクティブに音声入力装置6の操作を行うことができる。
【0048】
(3)動作
次に、本実施形態に係る配線器具システム10及び音声制御システム100の動作について説明する。以下では、音声操作により配線器具4を制御するための「基本動作」、及び基本動作に必要な各種の設定に関する「設定動作」の各々について説明する。
【0049】
(3.1)基本動作
まず、基本動作について図3を参照して説明する。本実施形態では、配線器具4は複数あるため、いずれの配線器具4を制御対象とするかを特定する必要がある。そのため、本実施形態では、第1コマンド及び第2コマンドは、複数の配線器具4のうち制御対象となる配線器具4を特定する対象特定項目と、制御内容を特定する内容特定項目と、を含むことを前提とする。ここでは一例として、「リビング」の照明器具である負荷機器51(図1参照)を明るくするように配線器具41を制御する場合の配線器具システム10及び音声制御システム100の基本動作について説明する。
【0050】
図3の例では、音声入力装置6がユーザU1の音声操作の受け付けを開始後、ユーザU1が、配線器具4を制御するための音声を発する「発話」を実行する(S1)。このとき、ユーザU1は、一例として「リビングの照明を明るくして」という言葉を発する。
【0051】
音声入力装置6は、ユーザU1から入力された音声を受けて、音声コマンドの検出を行う(S2)。すなわち、音声入力装置6は、ユーザU1の発した音声について音声認識を行い、音声認識の結果に基づいて第1コマンドを生成する。このとき、音声入力装置6は、一例として、制御対象となる配線器具41を特定する対象特定項目と、調光レベル上昇という制御内容を特定する内容特定項目とを含む、第1コマンドを生成する。音声入力装置6は、例えば、Wi-Fi(登録商標)にて第1コマンドを通信端末2に送信する(S3)。
【0052】
取得部211にて第1コマンドを取得した通信端末2は、コマンド変換部212にて、第1コマンドを第2コマンドに変換する。すなわち、通信端末2は、音声入力装置6が生成した第1コマンドを、配線器具4の制御に適した第2コマンドに変換する。このとき、通信端末2は、一例として、制御対象となる配線器具41を特定する対象特定項目と、調光レベル上昇という制御内容を特定する内容特定項目とを含む、第2コマンドを生成する。通信端末2は、第2コマンドを通信アダプタ3に送信する(S4)。
【0053】
第2コマンドを受信した通信アダプタ3は、出力部311にて、第2コマンドを配線器具4に出力する(S5)。すなわち、通信アダプタ3は、配線器具4と通信することにより、配線器具4に対して第2コマンドを出力する。このとき、通信アダプタ3は、一例として、複数の配線器具4のうち、第2コマンドの対象特定項目で特定される配線器具41にのみ、第2コマンドを送信する。
【0054】
第2コマンドを受信した配線器具4は、通信アダプタ3に対して応答情報を送信する(S6)。本開示でいう「応答情報」は、第2コマンドによる配線器具4の制御の結果を表す情報である。応答情報は、一例として、配線器具41についての調光レベル上昇という制御の結果を表す情報である。また、配線器具4は、内容特定項目で特定される制御内容に従って動作する。このとき、配線器具4は、調光レベルを上昇させる調光処理を実行する(S7)。すなわち、中継システム1(通信端末2及び通信アダプタ3)は、第2コマンドにより負荷機器5の点灯状態を制御する。本開示でいう「点灯状態」には、点灯、消灯、調光レベル及び点滅パターン等が含まれる。図3の例では、配線器具4は、応答情報を送信(S6)後に調光処理を実行(S7)しているが、この例に限らず、調光処理を実行後に応答情報を送信してもよい。
【0055】
応答情報を受信した通信アダプタ3は、応答情報を通信端末2に送信する(S8)。また、応答情報を受信した通信端末2は、応答情報を音声入力装置6に送信する(S9)。すなわち、中継システム1(通信端末2及び通信アダプタ3)は、第2コマンドによる配線器具4の制御の結果を表す応答情報を、配線器具4から取得し、音声入力装置6に出力する。応答情報を受信した音声入力装置6は、ユーザU1に対して報知音を出力する(S10)。このとき、音声入力装置6が出力する報知音は、一例として「リビングの照明を明るくしました」という音声、又はビープ音等である。また、応答情報を受信した音声入力装置6は、報知音に代えて、又は報知音に加えて、表示(単なる発光を含む)等によって、配線器具4の制御の結果を表す応答情報をユーザU1に報知してもよい。
【0056】
本実施形態では一例として、通信端末2から音声入力装置6に送信される応答情報は、報知音に相当する音声信号である。このような音声信号(応答情報)は、例えば、Bluetooth(登録商標)にて、通信端末2から音声入力装置6に送信される。音声入力装置6は、受信した音声信号(応答情報)を再生することにより、報知音を出力する。そのため、音声入力装置6から出力される報知音は、通信端末2にて任意に登録及び変更が可能である。ただし、この例に限らず、音声入力装置6は、通信端末2から受信した応答情報に基づいて、音声信号を生成し報知音を出力してもよい。
【0057】
以上説明した配線器具システム10及び音声制御システム100の基本動作によれば、ユーザU1は、音声操作により、複数の配線器具4のうちの任意の配線器具4を制御して、複数の負荷機器5のうちの任意の負荷機器5を制御することができる。さらに、音声入力装置6からユーザU1に対して、報知音等により配線器具4の制御の結果を表す応答情報が報知されるで、ユーザU1は、自らが行った音声操作による配線器具4の制御の結果を知ることができる。
【0058】
上述した音声コマンド等は一例に過ぎず、適宜変更が可能である。他の例として、「寝室」の照明器具である負荷機器52(図1参照)を消灯するように配線器具42を制御する場合、ユーザU1は、一例として「寝室の照明を消して」という言葉を発する。また、配線器具システム10及び音声制御システム100の基本動作によれば、ユーザU1は、配線器具4(負荷機器5)の制御だけでなく、配線器具4(負荷機器5)の状態監視等も可能である。一例として、「リビング」の照明器具である負荷機器51(図1参照)の調光レベルを確認する場合、ユーザU1は、一例として「リビングの照明の明るさを教えて」という言葉を発する。これにより、音声入力装置6からは、一例として「只今のリビングの照明の明るさは最大です」という報知音が出力される。
【0059】
(3.2)設定動作
次に、設定動作について説明する。本実施形態では、設定動作において設定される情報は、少なくとも認識用記憶部71に記憶される登録ワード、及びコマンド記憶部24に記憶される変換情報を含んでいる。すなわち、音声入力装置6での音声認識に用いられる登録ワード、及びコマンド変換部212での第1コマンドから第2コマンドへの変換に用いられる変換情報は、設定動作にて設定される。
【0060】
配線器具システム10及び音声制御システム100は、特定の事象をトリガにして、設定動作を開始する。本実施形態では一例として、特定の事象は、ユーザU1から「コマンド変更」等の特定のキーワードを表す音声が音声入力装置6に入力されることである。ただし、設定動作を開始するための特定の事象は、特定の音声(言葉)が入力されることに限らず、例えば、通信端末2に対する特定の操作等であってもよい。
【0061】
設定動作が開始すると、変更部213は、通信端末2に対する操作に応じて、認識用記憶部71に記憶される登録ワードを変更する。ここで、変更部213は、登録ワードを追加してもよいし、登録ワードを削除してもよい。本実施形態では、認識用記憶部71は音声認識システム7に設けられているので、通信端末2(変更部213)は、音声認識システム7と通信することにより認識用記憶部71に記憶される登録ワードを変更する。
【0062】
さらに、変更部213は、音声入力装置6が入力された音声に基づいて生成する編集コマンドにより、認識用記憶部71に記憶される登録ワードを変更する。すなわち、設定動作が開始すると、音声入力装置6は、ユーザU1から入力された音声に基づいて編集コマンドを生成する。本開示でいう「編集コマンド」は、認識用記憶部71に記憶される登録ワードの変更を変更部213に指示するためのコマンドである。これにより、変更部213は、通信端末2に対する操作だけでなく、音声入力装置6に対する音声操作に応じても、認識用記憶部71に記憶される登録ワードを変更する。よって、ユーザU1は、音声操作により簡単に登録ワードを変更することが可能となる。
【0063】
一例として、ユーザU1が音声操作により、照明器具からなる負荷機器5を点灯させるための音声コマンドを、「照明器具を点灯」から「照明を点けて」に変更する場合について説明する。この場合、設定動作の開始後、音声入力装置6が「どのコマンドを変更しますか」という音声を出力する。これを受けて、ユーザU1が「照明器具を点灯」という音声を発すると、音声入力装置6は「わかりました。新しいコマンドは何ですか」という音声を出力する。これを受けて、ユーザU1が「照明を点けて」という音声を発すると、音声入力装置6は「わかりました。以降“照明器具を点灯”は“照明を点けて”に変更します」という音声を出力する。このとき、音声入力装置6は、「照明器具を点灯」という音声コマンドを「照明を点けて」に変更するための編集コマンドを生成し、通信端末2に送信する。音声入力装置6からの編集コマンドを受けた通信端末2(変更部213)は、音声認識システム7と通信することにより認識用記憶部71に記憶される登録ワードを変更する。
【0064】
また、本実施形態では、変更部213は、登録ワードの変更に伴って、コマンド記憶部24に記憶される変換情報を変更する。すなわち、通信端末2(変更部213)は、音声認識システム7と通信することにより認識用記憶部71に記憶される登録ワードを変更する際、コマンド記憶部24に記憶されている変換情報についても併せて変更する。
【0065】
同様に、変更部213は、認識用記憶部71に記憶される登録ワードについて、制御対象となる配線器具4を特定するための音声コマンドを変更することも可能である。例えば、「寝室の照明」という音声コマンドを、「お父さんの部屋の照明」等に変更することが可能である。この場合、コマンド記憶部24に記憶される変換情報についても、併せて変更される。
【0066】
上述したような登録ワード又は変換情報の変更は、音声入力装置6に対する音声操作に限らず、通信端末2に対するユーザU1の操作に応じても実現可能である。
【0067】
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、配線器具システム10と同様の機能は、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムを、配線器具システム10におけるコマンド変換部212として機能させるためのプログラムである。
【0068】
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0069】
本開示における配線器具システム10は、例えば、中継システム1等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における配線器具システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0070】
また、例えば、中継システム1又は音声認識システム7に設けた機能は、1つの筐体内に集約されていてもよいし、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、中継システム1又は音声認識システム7の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。また、実施形態1において、複数の装置に分散されている配線器具システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0071】
配線器具システム10は、住宅に限らず、例えば、オフィスビル、商業施設、工場、学校、又は病院等の非住宅の施設に導入されてもよい。
【0072】
また、実施形態1では、音声制御システム100は、配線器具システム10及び音声入力装置6を1つずつ備えているが、この例に限らず、音声制御システム100は、配線器具システム10及び音声入力装置6の少なくとも一方を複数備えていてもよい。
【0073】
また、配線器具4は、調光機能付きのスイッチ装置に限らず、例えば、人感センサ若しくは明るさセンサ等のセンサ付きのスイッチ装置、タイマ機能付きのスイッチ装置、又は光通信による遠隔操作機能付きのスイッチ装置等であってもよい。さらに、配線器具4は、スイッチ装置に限らず、例えば、負荷機器5の電源プラグを接続可能なコンセント(アウトレット)等であってもよい。配線器具4がコンセントである場合、配線器具システム10は、例えば、配線器具4に内蔵されているスイッチをオン/オフすることにより、配線器具4から負荷機器5への電力供給を制御する。
【0074】
また、負荷機器5は、照明器具に限らず、例えば、空調機器、換気扇、電動シャッタ、空気清浄機、給湯機、テレビ受像機、洗濯機又は冷蔵庫等であってもよい。この場合でも、電源8と負荷機器5との間に配線器具4が電気的に接続されることにより、配線器具システム10は、配線器具4を制御することによって負荷機器5を間接的に制御できる。
【0075】
また、実施形態1では、負荷機器5、音声認識システム7、電源8及びネットワーク91は、配線器具システム10及び音声制御システム100のいずれの構成要素にも含まれていないが、この構成に限らない。すなわち、負荷機器5、音声認識システム7、電源8及びネットワーク91の少なくとも1つは、配線器具システム10及び音声制御システム100のいずれかの構成要素に含まれていてもよい。反対に、実施形態1では、ルータ92が配線器具システム10の構成要素に含まれているが、この構成に限らず、配線器具システム10は、ルータ92を構成要素に含まなくてもよい。そもそもルータ92は、配線器具システム10に必須の構成ではなく、適宜省略されてもよい。この場合、例えば、通信端末2と音声入力装置6とは直接的に通信し、通信端末2と通信アダプタ3とも直接的に通信する。
【0076】
また、通信端末2の第1通信部22は、住宅の外において、例えば、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)又は公衆無線LAN(Local Area Network)を介してネットワーク91に接続されてもよい。この場合、通信端末2は、住宅の外にある場合でも、ネットワーク91を介して住宅内の音声入力装置6及び通信アダプタ3と通信可能となる。
【0077】
また、通信端末2の第1通信部22又は音声入力装置6の通信方式は、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)に限らず、例えば、特定小電力無線等の無線通信であってもよいし、光通信又は有線通信等であってもよい。同様に、通信アダプタ3の第2通信部32の配線器具4との通信方式は、特定小電力無線に限らず、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の無線通信であってもよいし、光通信又は有線通信等であってもよい。さらに、実施形態1では、音声入力装置6から通信端末2への信号送信時には、通信方式はWi-Fi(登録商標)となり、通信端末2から音声入力装置6への信号送信時には、通信方式はBluetooth(登録商標)となっているが、この例に限らない。すなわち、例えば、音声入力装置6から通信端末2への信号送信時と、通信端末2から音声入力装置6への信号送信時とで、同一の通信方式が適用されてもよい。
【0078】
また、実施形態1では、通信アダプタ3は、複数の配線器具4のうち、第2コマンドの対象特定項目で特定される配線器具4にのみ、第2コマンドを送信するが、この例に限らず、複数の配線器具4の全てに第2コマンドを送信してもよい。この場合、第2コマンドを受信した配線器具4の各々は、第2コマンドの解析を行い、対象特定項目で特定される配線器具4であれば、内容特定項目で特定される制御内容に従って動作する。
【0079】
(実施形態2)
本実施形態に係る配線器具システム10A及び音声制御システム100Aは、図4に示すように、中継システム1Aが通信端末2を含まない点で、実施形態1に係る配線器具システム10及び音声制御システム100と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0080】
本実施形態においては、中継システム1Aは、通信アダプタ3と、ルータ92と、を有している。通信アダプタ3は、通信端末2を介さずに、音声入力装置6と通信可能である。つまり、通信アダプタ3は、音声入力装置6との通信機能を有している。本実施形態では、取得部211(図2参照)、コマンド変換部212(図2参照)、変更部213(図2参照)及びコマンド記憶部24(図2参照)は、いずれも通信アダプタ3に設けられる。
【0081】
この構成によれば、音声入力装置6がユーザU1の音声操作の受け付けた場合、第1コマンドは音声入力装置6から通信端末2を介さずに通信アダプタ3に送信される。そして、通信アダプタ3は、音声入力装置6から取得した第1コマンドを第2コマンドに変換し、配線器具4と通信することにより、配線器具4に対して第2コマンドを出力する。
【0082】
実施形態2で説明した構成は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0083】
(実施形態3)
本実施形態に係る配線器具システム10B及び音声制御システム100Bは、図5に示すように、中継システム1Bが通信アダプタ3(図1参照)を含まない点で、実施形態1に係る配線器具システム10及び音声制御システム100と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0084】
本実施形態においては、中継システム1Bは、通信端末2にて構成されている。通信端末2は、通信アダプタ3を介さずに、配線器具4と通信可能である。つまり、通信端末2は、配線器具4との通信機能を有している。本実施形態では、出力部311(図2参照)は、通信端末2に設けられる。
【0085】
この構成によれば、音声入力装置6がユーザU1の音声操作の入力を受け付けた場合、第1コマンドは音声入力装置6から通信端末2に送信される。そして、通信端末2は、音声入力装置6から取得した第1コマンドを第2コマンドに変換し、通信アダプタ3を介さずに配線器具4と直接的に通信することにより、配線器具4に対して第2コマンドを出力する。
【0086】
また、図5の例では、配線器具システム10Bは、1つの負荷機器5に対応するように、1つの配線器具4を備えているが、この例に限らず、実施形態1と同様に、複数の配線器具4を備えていてもよい。
【0087】
更に他の例として、図5の構成から、中継システム1B(通信端末2)が省略されてもよい。この場合、音声入力装置6は、中継システム1Bを介さずに、配線器具4と直接的に通信する。つまり、配線器具4は、音声入力装置6との通信機能を有する。この場合、取得部211(図2参照)、コマンド変換部212(図2参照)、変更部213(図2参照)、コマンド記憶部24(図2参照)及び出力部311(図2参照)は、いずれも配線器具4に設けられる。
【0088】
実施形態3で説明した構成は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0089】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)は、少なくとも1つの配線器具(4)と、中継システム(1,1A,1B)と、を備える。少なくとも1つの配線器具(4)は、通信機能を有し、電源(8)と負荷機器(5)との間に電気的に接続される。中継システム(1,1A,1B)は、配線器具(4)及び音声入力装置(6)との通信機能を有する。中継システム(1,1A,1B)は、取得部(211)と、コマンド変換部(212)と、出力部(311)と、を有する。取得部(211)は、音声入力装置(6)が入力された音声に基づいて生成する第1コマンドを音声入力装置(6)から取得する。コマンド変換部(212)は、第1コマンドを第1コマンドとはプロトコルが異なり配線器具(4)を制御するための第2コマンドに変換する。出力部(311)は、第2コマンドを配線器具(4)に出力する。
【0090】
この構成によれば、ユーザ(U1)は、音声操作により配線器具(4)を制御できるので、例えば、両手が塞がっている状態でも、発話することで簡単に配線器具(4)の操作が可能となる。結果的に、配線器具システム(10,10A,10B)によれば、配線器具(4)のより簡単な操作が可能となる。しかも、配線器具システム(10,10A,10B)によれば、配線器具(4)が制御されるので、負荷機器(5)が音声入力装置(6)に直接的には連動していなくても、負荷機器(5)を音声入力装置(6)に間接的に連動させることができる。
【0091】
第2の態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)では、第1の態様において、中継システム(1,1A,1B)は、応答情報を、配線器具(4)から取得し、音声入力装置(6)に出力するように構成されている。応答情報は、第2コマンドによる配線器具(4)の制御の結果を表す情報である。
【0092】
この構成によれば、第2コマンドによる配線器具(4)の制御の結果を、例えば、音声入力装置(6)からユーザ(U1)に提示することができる。
【0093】
第3の態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)では、第1又は2の態様において、音声入力装置(6)は、登録ワードを用いて音声入力装置(6)に入力された音声の認識を行った結果に基づいて第1コマンドを生成するように構成されている。登録ワードは、認識用記憶部(71)に記憶されている。中継システム(1,1A,1B)は、認識用記憶部(71)に記憶される登録ワードを変更する変更部(213)を更に有する。
【0094】
この構成によれば、音声入力装置(6)での音声認識に用いられる登録ワードを、必要に応じて変更することが可能となる。
【0095】
第4の態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)では、第3の態様において、認識用記憶部(71)は、音声入力装置(6)との通信機能を有する音声認識システム(7)に設けられている。変更部(213)は、音声認識システム(7)と通信することにより認識用記憶部(71)に記憶される登録ワードを変更するように構成されている。
【0096】
この構成によれば、音声認識システム(7)の認識用記憶部(71)に記憶されている登録ワードについても、必要に応じて変更することが可能となる。
【0097】
第5の態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)では、第3又は4の態様において、コマンド変換部(212)は、コマンド記憶部(24)に記憶された変換情報を用いて第1コマンドを第2コマンドに変換するように構成されている。変更部(213)は、登録ワードの変更に伴って、コマンド記憶部(24)に記憶される変換情報を変更するように構成されている。
【0098】
この構成によれば、登録ワードだけでなく、第1コマンドの第2コマンドへの変換に用いられる変換情報についても、必要に応じて変更することが可能となる。
【0099】
第6の態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)では、第1~5のいずれかの態様において、負荷機器(5)は照明器具であって、中継システム(1,1A,1B)は、第2コマンドにより負荷機器(5)の点灯状態を制御する。
【0100】
この構成によれば、ユーザ(U1)は、音声操作により簡単に、負荷機器(5)の点灯状態を制御することが可能となる。
【0101】
第7の態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)では、第1~6のいずれかの態様において、中継システム(1,1A,1B)は、通信アダプタ(3)と、通信端末(2)と、を有する。通信アダプタ(3)は、配線器具(4)との通信機能を有する。通信端末(2)は、音声入力装置(6)との通信機能を有する。通信アダプタ(3)と通信端末(2)とは互いに通信可能である。コマンド変換部(212)は、通信端末(2)に設けられている。
【0102】
この構成によれば、通信端末(2)のソフトウェアの変更(アップデート)により、中継システム(1,1A,1B)を実現可能であるから、ソフトウェアのアップデートの際にハードウェア構成の変更が必須でなくなる。
【0103】
第8の態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)では、第1~7のいずれかの態様において、配線器具(4)は複数ある。第1コマンド及び第2コマンドは、複数の配線器具(4)のうち制御対象となる配線器具(4)を特定する対象特定項目と、制御内容を特定する内容特定項目と、を含む。
【0104】
この構成によれば、ユーザ(U1)は、音声操作により、複数の配線器具(4)の中から制御対象となる配線器具(4)を特定して、配線器具(4)の制御を行うことができる。
【0105】
第9の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、第1~8のいずれかの態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)におけるコマンド変換部(212)として機能させるためのプログラムである。
【0106】
この構成によれば、ユーザ(U1)は、音声操作により配線器具(4)を制御できるので、例えば、両手が塞がっている状態でも、発話することで簡単に配線器具(4)の操作が可能となる。結果的に、プログラムによれば、配線器具(4)のより簡単な操作が可能となる。しかも、プログラムによれば、配線器具(4)が制御されるので、負荷機器(5)が音声入力装置(6)に直接的には連動していなくても、負荷機器(5)を音声入力装置(6)に間接的に連動させることができる。
【0107】
第10の態様に係る音声制御システム(100,100A,100B)は、第1~8のいずれかの態様に係る配線器具システム(10,10A,10B)と、音声入力装置(6)と、を備える。
【0108】
この構成によれば、ユーザ(U1)は、音声操作により配線器具(4)を制御できるので、例えば、両手が塞がっている状態でも、発話することで簡単に配線器具(4)の操作が可能となる。結果的に、音声制御システム(100,100A,100B)によれば、配線器具(4)のより簡単な操作が可能となる。しかも、音声制御システム(100,100A,100B)によれば、配線器具(4)が制御されるので、負荷機器(5)が音声入力装置(6)に直接的には連動していなくても、負荷機器(5)を音声入力装置(6)に間接的に連動させることができる。
【0109】
上記態様に限らず、実施形態1~3に係る配線器具システム(10,10A,10B)の種々の構成(変形例を含む)は、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。さらに、実施形態1~3に係る配線器具システム(10,10A,10B)の種々の構成(変形例を含む)は、音声制御システム(100,100A,100B)にも適用可能である。
【0110】
第2~8の態様に係る構成については、配線器具システム(10,10A,10B)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0111】
1,1A,1B 中継システム
2 通信端末
3 通信アダプタ
4,41,42,43 配線器具
5,51,52,53 負荷機器
6 音声入力装置
7 音声認識システム
8 電源
10,10A,10B 配線器具システム
24 コマンド記憶部
71 認識用記憶部
100,100A,100B 音声制御システム
211 取得部
212 コマンド変換部
213 変更部
311 出力部
図1
図2
図3
図4
図5