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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20230901BHJP
   F21V 21/04 20060101ALI20230901BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230901BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21V21/04 310
F21Y115:10 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019026574
(22)【出願日】2019-02-18
(65)【公開番号】P2020136025
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 範男
(72)【発明者】
【氏名】車谷 寿光
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-207625(JP,A)
【文献】特開2010-287581(JP,A)
【文献】特開2017-123282(JP,A)
【文献】特開2006-040773(JP,A)
【文献】特開2016-162565(JP,A)
【文献】特開2015-213052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 21/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光モジュールと、
前記発光モジュールを収容する器具本体と、
前記器具本体の外周側に配置され、かつ、前記器具本体を天井に固定するための一対のバネとを備え、
前記器具本体の一部は、前記発光モジュールが出射する光の光軸と交差する方向に突出し、
前記一対のバネのうち、少なくとも一つのバネは、光軸を含み、かつ、前記器具本体の一部が突出する方向と直交する平面よりも前記器具本体の一部が突出する側に配置され、
前記光軸の方向から前記器具本体及び前記一対のバネを平面視した場合において、突出している前記器具本体の一部と重なる位置には、前記一対のバネは設けられていなく、
前記器具本体は、前記発光モジュールを収容する筐体を有し、
照明装置を光軸方向に沿って平面視した場合に、前記器具本体の一部が突出するように、前記筐体の一部は、外装カバーの外周面よりも外径方向に突出し、
前記筐体は、当該照明装置を光軸方向に沿って平面視した場合に前記発光モジュールから前記外装カバーの前記外径方向に延びる長尺な底板部と、前記底板部の前記発光モジュール側に設けられ、前記一対のバネが一対一で対応するように取付けられる一対の取付部とを有し、
前記一対の取付部のうち、前記バネが取付けられる側の少なくとも一つの取付部の表面は、当該照明装置を光軸方向に沿って平面視した場合に、前記底板部が延びる方向に対して傾く
照明装置。
【請求項2】
前記一対のバネは、当該照明装置を光軸方向に沿って平面視した場合に、光軸方向に対して点対称に配置される
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記一対のバネのうちの一方のバネ及び他方のバネのそれぞれは、板バネであり、
前記器具本体から前記一方のバネのアーム部が延びる方向と、前記器具本体から前記他方のバネのアーム部が延びる方向とは同一の直線上にある
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記器具本体は、
前記発光モジュールが発する光が通過する外装カバーと、
前記外装カバーを固定し、かつ、前記発光モジュールを収容する筐体とを有する
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
さらに、
前記発光モジュールを点灯させるための電力を供給する点灯回路と、
前記点灯回路と前記発光モジュールとを実装する実装基板とを備え、
前記点灯回路及び前記実装基板は、前記筐体に収容される
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置として特許文献1には、一部が光軸と直交する方向に延びた装置本体と、装置本体の内部に設けられた発光モジュールと、装置本体の延びた部分と直交するように、装置本体固定される2つの取付バネとを備える天井埋め込み型の照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-198141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の照明装置では、器具本体の一部が光軸と直交する方向に延びているため、この延びる方向側に重心が光軸からズレている。一方で、器具本体の一部の張り出す方向が2つのバネの並び方向と直交している。このため、従来の照明装置では、2つのバネが器具本体を十分に支持することができていない。そこで、照明装置を支持するために、バネをさらに器具本体に設けることも考えられる。しかし、部品点数の増加により、照明装置の製造コストが増大する。
【0005】
そこで、部品点数を増やすことなく、バネによる器具本体の保持力を向上させることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示に係る照明装置の一態様は、発光モジュールと、前記発光モジュールを収容する器具本体と、前記器具本体の外周側に配置され、かつ、前記器具本体を天井に固定するための一対のバネとを備え、前記器具本体の一部は、前記発光モジュールが出射する光の光軸と交差する方向に突出し、前記一対のバネのうち、少なくとも一つのバネは、光軸を含み、かつ、前記器具本体の一部が突出する方向と直交する平面よりも前記器具本体の一部が突出する側に配置され、前記光軸の方向から前記器具本体及び前記一対のバネを平面視した場合において、突出している前記器具本体の一部と重なる位置には、前記一対のバネは設けられていなく、前記器具本体は、前記発光モジュールを収容する筐体を有し、照明装置を光軸方向に沿って平面視した場合に、前記器具本体の一部が突出するように、前記筐体の一部は、外装カバーの外周面よりも外径方向に突出し、前記筐体は、当該照明装置を光軸方向に沿って平面視した場合に前記発光モジュールから前記外装カバーの前記外径方向に延びる長尺な底板部と、前記底板部の前記発光モジュール側に設けられ、前記一対のバネが一対一で対応するように取付けられる一対の取付部とを有し、前記一対の取付部のうち、前記バネが取付けられる側の少なくとも一つの取付部の表面は、当該照明装置を光軸方向に沿って平面視した場合に、前記底板部が延びる方向に対して傾く
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る照明装置は、部品点数を増やすことなく、バネによる器具本体の保持力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る照明装置を例示する斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る照明装置の分解斜視図である。
図3図3は、図1のIII-III線における、照明装置の断面を見た断面図である。
図4図4は、実施の形態に係る照明装置をX軸マイナス方向側から平面視した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本開示の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態等は、一例であり、本開示を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
また、以下の実施の形態において、略平行等の表現を用いている。例えば、略平行は、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0012】
まず、本実施の形態に係る照明装置について説明する。
【0013】
(実施の形態)
[構成]
図1は、実施の形態に係る照明装置1を例示する斜視図である。図1では、照明装置1(具体的には後述する発光モジュール62)から発する光の光軸方向をX軸プラス方向(例えば、照明装置1の下側)と規定し、器具本体3の一部が光軸と直交する方向に突出する外径方向をY軸プラス方向と規定し、X軸プラス方向及びY軸プラス方向と交差する方向をZ軸プラス方向と規定する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、図1に示す各方向に対応させて表示する。
【0014】
[照明装置1]
図1に示すように、照明装置1は、天井等の造営材に取付けられる装置である。例えば、照明装置1は、スポットライト、ダウンライト等である。照明装置1は、所定の方向に向けて光を照射することで所定方向を照明することができる装置である。
【0015】
図2は、実施の形態に係る照明装置1の分解斜視図である。図3は、図1のIII-III線における、照明装置1の断面を見た断面図である。図2及び図3に示すように、照明装置1は、器具本体3と、一対の板バネ70と、実装基板61と、発光モジュール62と、電源部63と、ホルダ51と、セード部54と、透光カバー55とを有する。
【0016】
<器具本体3>
器具本体3は、照明装置1の外殻を構成する。器具本体3の一部は、発光モジュール62が出射する光の光軸方向と交差する方向(Y軸プラス方向)に突出する。つまり、照明装置1を造営材の取付孔に取付けた際に、器具本体3の一部は、天井に沿って延びる。ここでいう光軸方向とは、発光モジュール62が出射する光の主たる方向である。本実施の形態では、光軸方向とは、X軸プラス方向と略平行である。
【0017】
図1に示すように、器具本体3は、第1筐体31と、第2筐体32と、外装カバー40とを有する。
【0018】
<第1筐体31及び第2筐体32>
第1筐体31及び第2筐体32は、実装基板61、発光モジュール62、及び、電源部63を収容する収容体を構成する。第1筐体31及び第2筐体32がネジ等の固定部材で固定されることによって形成される収容空間は、発光モジュール62が配置される側が小さい第1空間を形成し、電源部63が配置される空間が、第1空間よりも大きく膨出した第2空間を形成する。第1筐体31及び第2筐体32のそれぞれは、筐体の一例である。
【0019】
図4は、実施の形態に係る照明装置1をX軸マイナス方向側から平面視した平面図である。図2及び図4に示すように、第1筐体31及び第2筐体32は、照明装置1をX軸マイナス方向側から(光軸方向に沿って)平面視した場合に、円筒状の外装カバー40の外周面よりも外径方向に突出する。言い換えれば、照明装置1が造営材の取付孔に取付けられた場合、第1筐体31及び第2筐体32は、外装カバー40の外周面から、造営材に沿って外径方向に延びている。ここで外径方向は、Y軸プラス方向である。このことから、第1筐体31及び第2筐体32のY軸方向の長さは、外装カバー40の半径よりも大きい。
【0020】
図1及び図3に示すように、第1筐体31は、収容体の底部を構成する。第1筐体31は、Y軸方向に長尺であり、外装カバー40の外周面から突出するように、Y軸プラス方向に延びる。また、第1筐体31は、金属製であり、例えば、アルミニウム、又は鉄等を主成分とした板金を折り曲げ加工して形成される。
【0021】
第1筐体31は、底板部31aと、一対の第1取付部31bとを有する。
【0022】
底板部31aは、第2筐体32及び外装カバー40を所定の姿勢で固定する、Y軸方向に長尺な平板である。底板部31aのY軸マイナス方向には、底板部31aの両端縁の一部からZ軸方向に張り出すように延びる一対の延出片31a2が形成される。一対の延出片31a2の端縁は、Y軸方向に対して斜めに張り出している。
【0023】
また、一対の延出片31a2の間には、発光モジュール62を露出させるための開口31a1が底板部31aに形成される。開口31a1は、底板部31aのY軸マイナス方向に形成される。
【0024】
図1及び図2に示すように、一対の第1取付部31bは、底板部31aにおけるY軸マイナス方向側に配置され、外装カバー40の外周側に位置し、底板部31aの開口31a1の両側に設けられる。一対の第1取付部31bは、底板部31aの一対の延出片31a2と一対一で対応するように、第1筐体31に一体的に設けられる。一対の第1取付部31bは、一対の延出片31a2の端縁に接続されるため、照明装置1をX軸マイナス方向側から(光軸方向に沿って)平面視した場合に、板バネ70を取付けるための外周側の表面31b2がX-Y平面に対して傾く。一対の第1取付部31bの表面31b2は、後述する板バネ70の第2取付部71と対向する面である。
【0025】
図4に示すように、照明装置1をX軸マイナス方向側(例えば、照明装置1の上側)から平面視した場合において、一対の第1取付部31bのうちの少なくとも一方の第1取付部31bと他方の第1取付部31bとは、器具本体3の中心である中心線Oに対して点対称に配置される。一対の第1取付部31bは、その並びがZ軸方向及びY軸方向に対して、所定の角度だけ傾くように配置される。本実施の形態では、一対の第1取付部31bのうちの少なくとも一方の第1取付部31bが、照明装置1をX軸マイナス方向側から平面視した場合、照明装置1の光軸(光軸方向)と略一致する中心線Oを含むZ軸方向と平行な線よりもY軸プラス方向側の領域において、Y軸プラス方向の線からZ軸プラス方向の線までの間のハッチングされた領域A1、又は、Y軸プラス方向の線からZ軸マイナス方向(第2方向の一例)の線までの間のハッチングされた領域A2に配置される。つまり、器具本体3の一部がY軸プラス方向に延びているため、中心線OからY軸プラス方向に照明装置1の重心Hがズレている。重心Hがズレているということは、照明装置1を造営材の取付孔に取付けた際に、造営材の取付孔に偏荷重がかかることになる。このような照明装置1において、一対の第1取付部31bのうちの少なくとも一方の第1取付部31bは、このズレた重心Hを支持するように配置される。
【0026】
なお、一対の第1取付部31bのうちの他方の第1取付部31bも、さらに、Y軸プラス方向の線からZ軸マイナス方向の線までの間の領域A2、又は、Y軸プラス方向の線とZ軸プラス方向の線との間の領域A1に配置されてもよい。
【0027】
また、一対の第1取付部31bのうちの少なくとも一方の第1取付部31bが、Y軸プラス方向の線からZ軸プラス方向の線までの間の領域A1、又は、Y軸プラス方向の線からZ軸マイナス方向の線までの間の領域A2に配置されていればよいため、一対の第1取付部31bのうちの他方の第1取付部31bが、領域A1及び領域A2以外の領域に配置されていてもよい。
【0028】
図2及び図3に示すように、第2筐体32は、収容体の天板部分を構成する。つまり、第2筐体32は、第1筐体31のX軸マイナス方向側に配置される。第2筐体32は、実装基板61及び電源部63を覆うカバーとしての役割を果たす。また、第2筐体32は、金属製であり、例えば、アルミニウム、又は鉄等を主成分とした板金を折り曲げ加工して形成される。
【0029】
第2筐体32は、天板32aと、立壁部32bとを有する。
【0030】
天板32aには、実装基板61を固定するための取付け面部32a1が形成される。天板32aは、取付け面部32a1から電源部63を回避するように、取付け面部32a1に対してX軸マイナス方向に上る段部を有する。つまり、天板32aは、電源部63に対応する部分がX軸マイナス方向に膨出している。また、天板32aの段部には、X軸マイナス方向に進むにつれて電源部63を収容する収容空間を狭めるように、一部に傾斜面部が形成される。
【0031】
立壁部32bは、天板32aからX軸プラス方向に立ち上がる壁部である。立壁部32bには、電源部63に交流電流を供給するための電源コネクタ39が固定される。電源コネクタ39は、電源部63と配線により電気的に接続され、商用電源から供給される交流電流を電源部63に供給する。電源コネクタ39は、器具本体3の構成に含まれていてもよい。
【0032】
<外装カバー40>
外装カバー40は、X軸方向の両側で開口した中空の円錐台状の外殻である。外装カバー40のX軸マイナス方向側の端部は、第1筐体31における底板部31aの開口31a1の周囲を囲むように、ネジ等の固定部材により第1筐体31に固定される。外装カバー40の内部は、発光モジュール62が発する光が通過する。
【0033】
外装カバー40は、筒部41と、枠部42とを有する。
【0034】
筒部41は、円錐台状の外装部分である。筒部41は、X軸マイナス方向からX軸プラス方向に向かって大径になる。筒部41の中心線は、上述の中心線Oと略一致する。筒部41の直径は、造営材の取付孔の直径よりも小さい。
【0035】
筒部41の内部は、発光モジュール62が発する光が通過する。筒部41の内周面は、透光カバー55から出射した光を所定方向に配光制御するための光反射カバーとしての役割を果たす。
【0036】
枠部42は、照明装置1が取付けられる天井板等の造営材を保持する円環状の鍔である。枠部42は、筒部41の下端縁(X軸プラス方向の端縁)から外径方向に延びる。枠部42の外径は、照明装置1が取付けられる造営材の取付孔の内径よりも大きい。枠部42と一対の板バネ70とは、造営材を挟持することで、照明装置1を造営材に安定的に固定する。
【0037】
<板バネ70>
一対の板バネ70は、造営材に形成された取付孔に照明装置1を取付けて固定するための弾性部材であり、外装カバー40の外周側に配置される。一対の板バネ70は、第1筐体31の一対の第1取付部31bに一対一で取付けられる。一対の板バネ70は、外装カバー40の枠部42とによって、造営材を挟持する。板バネ70は、バネの一例である。
【0038】
なお、板バネ70は、照明装置1に3つ以上設けられていてもよい。
【0039】
一対の板バネ70は、例えば鋼材等の金属材料で形成される。また、一対の板バネ70の板厚及び幅は、一対の板バネ70を形成する材料のヤング率、照明装置1の重量等に応じて、照明装置1を造営材に安定的に固定できるように適宜定められる。なお、一対の板バネ70の代わりに、線バネでもよく、他の公知のバネを用いてもよい。
【0040】
図4に示すように、一対の板バネ70は、第1筐体31の第1取付部31bの位置に応じて取付けられる。本実施の形態では、照明装置1をX軸マイナス方向側から平面視した場合に、一対の板バネ70の後述するアーム部72は、中心線Oから遠ざかるように延びる姿勢で配置される。
【0041】
また、一対の板バネ70のうち、少なくとも一方の板バネ70は、当該照明装置1をX軸マイナス方向側から平面視した場合に、中心線Oを含む平面であり、かつ、器具本体3の一部が突出する方向と直交する平面(X-Z平面)よりも器具本体3の一部が突出する側(Y軸プラス方向側)に配置される。つまり、一対の板バネ70のうち、少なくとも一方の板バネ70は、図4の直線V2よりもY軸プラス方向側に配置される。本実施の形態では、当該照明装置1をX軸マイナス方向側から平面視した場合に、中心線O及び重心Hを通る直線と中心線Oから少なくとも一方の板バネ70が延びる方向の線との角度は、90度以下である。
【0042】
なお、上述の「直交」は、完全に直交であることを意味するだけでなく、実質的に直交である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。
【0043】
一対の板バネ70のそれぞれは、第2取付部71と、アーム部72とを有する。
【0044】
第2取付部71は、外装カバー40の外周面に沿って配置される基端であり、X軸方向に延びる板状である。第2取付部71は、第1筐体31の第1取付部31bに取付けられる。
【0045】
照明装置1をX軸マイナス方向側から平面視した場合に、第1取付部31bの表面31b2がX-Y平面に対して傾いているため、第2取付部71もX-Y平面に対して傾くように取付けられる。
【0046】
アーム部72は、第2取付部71のX軸プラス方向側の端縁と接続され、外装カバー40の外周面から離れる方向に延びる板状の自由端である。照明装置1を造営材の取付孔に取付けた際、アーム部72は、アーム部72の復元力によって、造営材の取付孔に対してX軸プラス方向側に応力をかける。
【0047】
照明装置1をX軸マイナス方向側から平面視した場合に、一対の板バネ70のうちの少なくとも一方の板バネ70のアーム部72は、領域A1、A2に配置される。つまり、少なくとも一方の板バネ70のアーム部72は、上述のズレた重心Hを支持するように配置される。このため、少なくとも一方の板バネ70は、器具本体3による偏荷重を支持する。
【0048】
また、照明装置1をX軸マイナス方向側から平面視した場合に、外装カバー40の外周面から一方の板バネ70のアーム部72が延びる方向と、外装カバー40から他方の板バネ70のアーム部72が延びる方向とは同一の直線V1上にある。
【0049】
<実装基板61>
図2及び図3に示すように、実装基板61は、発光モジュール62及び電源部63等の電源回路を構成する電子部品を実装する基板である。実装基板61は、平面視において、Y軸方向に長尺、かつ、矩形状である平面を有する板材である。実装基板61は、例えばセラミックス基板、樹脂基板又は絶縁被覆されたメタルベース基板等である。実装基板61には、発光モジュール62を発光させるために、直流電力を電源部63から受電する一対の電極端子(正電極端子及び負電極端子)が形成される(不図示)。電極端子は、基板のパターンを介して電源部63に、電気的に接続される。
【0050】
実装基板61は、第2筐体32の天板32aに、ネジ等の固定部材によって固定される。具体的には、照明装置1をX軸マイナス方向側から平面視した場合に、実装基板61は、第2筐体32の天板32aが外装カバー40に重なる取付け面部32a1に固定される。取付け面部32a1はY-Z軸方向と略平行であるため、実装基板61もY-Z軸方向と略平行に保持される。このように、実装基板61は、取付け面部32a1からY軸プラス方向に延びるように第1筐体31及び第2筐体32によって形成された収容空間に配置される。
【0051】
<発光モジュール62>
発光モジュール62は、所定の光を放射状に出射するLED(Light Emitting Diode)モジュールである。本実施の形態では、発光モジュール62は、例えば白色光を出射するように構成される。例えば、発光モジュール62は、COB(Chip On Board)型LEDで構成され、実装基板61上に実装されたベアチップ(LEDチップ)である複数の青色LEDと、それら青色LEDを封止し、黄色蛍光体を含む封止部材とを備える。
【0052】
発光モジュール62は、実装基板61におけるY軸マイナス方向側、かつ、X軸プラス方向側の面に実装される。このため、発光モジュール62は、X軸プラス方向に向けて光を出射する。発光モジュール62がX軸プラス方向に向けて出射する方向が光軸方向となる。発光モジュール62が発する光は、後述するホルダ51の開口部52、セード部54、透光カバー55、外装カバー40の筒部41を通過する。
【0053】
<電源部63>
電源部63は、発光モジュール62を点灯させるための電力を供給する点灯回路63aが内蔵された電源モジュールである。点灯回路63aは、電源部63に接続された配線から供給された交流電流を直流電流に変換し、変換した直流電流を、基板のパターンを介して発光モジュール62に供給する。
【0054】
点灯回路63aは、第1筐体31及び第2筐体32で構成される収容空間において、発光モジュール62が実装基板61に実装される面の反対側の面に実装される。つまり、点灯回路63aは、実装基板61におけるY軸プラス方向側、かつ、X軸プラス方向側の面に実装される。
【0055】
<ホルダ51>
ホルダ51は、ネジ等の固定部材によって実装基板61に固定され、実装基板61の位置を規制するリング状の支持部材である。
【0056】
ホルダ51には、開口部52と、複数のネジ孔とが形成される。
【0057】
開口部52は、発光モジュール62を露出させるように、開口した部分である。開口部52の開口面は、第1筐体31における底板部31aの開口31a1の開口面と重なるように対応する。
【0058】
複数のネジ孔は、ホルダ51を実装基板61にネジ等の固定部材で固定するための孔である。具体的には、ホルダ51は、第2筐体32の取付け面部32a1とで実装基板61を挟んだ状態であり、実装基板61を取付け面部32a1に押さえつけるように、固定部材によって取付け面部32a1に固定される。こうして、実装基板61が取付け面部32a1に密着した状態で固定される。これにより、発光モジュール62で発生した熱が効率よく第2筐体32に伝導される。ホルダ51は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート等の樹脂材料である。
【0059】
<セード部54>
セード部54は、発光モジュール62からの出射した光を透光カバー55に向けて反射することで配光を制御する鏡面を有する。セード部54は、内面がアルミニウム等の金属で構成された鏡面であるが、例えばポリブチレンテレフタレート等の硬質の白色樹脂材料を用いて形成されてもよい。
【0060】
セード部54は、X軸方向で開口した無底の筒状である。セード部54の形状は、発光モジュール62からの光が入射される側(X軸マイナス方向側)の端部から、当該光が出射される側(X軸プラス方向側)の端部に向かって内径が漸次大きくなるように構成された円錐台状である。
【0061】
セード部54は、ネジ等の固定部材により第1筐体31の底板部31aに固定される。セード部54のX軸マイナス方向側の端部は、第1筐体31における底板部31aの開口31a1及びホルダ51の開口部52に挿入され、発光モジュール62の周囲を囲むように配置される。また、セード部54の中心線は、中心線Oと略一致する。
【0062】
<透光カバー55>
透光カバー55は、セード部54で反射された光、及び、発光モジュール62からの光が入射される透光性のドーム状をなした光学カバーである。透光カバー55は、外装カバー40に収容される。透光カバー55は、照明装置1をX軸プラス方向から見て、セード部54及び発光モジュール62を覆う状態で外装カバー40に固定される。また、外装カバー40の中心線は、中心線Oと略一致する。
【0063】
なお、透光カバー55は、セード部54で反射された光の配光を制御して出射する機能を有してもよい。例えば透光カバー55は、フレネルレンズ等であってもよい。透光カバー55は、透光性材料を用いて形成され、例えばアクリル、ポリカーボネート(PC)等の透明樹脂材料、又は、ガラス材料等の透明材料を用いて形成する。
【0064】
このような照明装置1では、照明装置1の重心Hが中心線OからY軸プラス方向にズレているが、一対の板バネ70のうちの少なくとも一方の板バネ70が、照明装置1による偏荷重を支持する。これにより、照明装置1は、造営材の取付孔に安定的に保持される。
【0065】
[作用効果]
次に、本実施の形態における照明装置1の作用効果について説明する。
【0066】
上述したように、本実施の形態に係る照明装置1は、発光モジュール62と、発光モジュール62を収容する器具本体3と、器具本体3の外周側に配置され、かつ、器具本体3を天井に固定するための一対の板バネ70とを備える。また、器具本体3の一部は、発光モジュール62が出射する光の光軸と交差する方向に突出する。そして、一対の板バネ70のうち、少なくとも一つの(少なくとも一方の)板バネ70は、光軸(中心線O)を含み、かつ、器具本体3の一部が突出する方向と直交する平面よりも器具本体3の一部が突出する側に配置される。
【0067】
例えば、従来の照明装置では、重心が照明装置の中心線から器具本体の一部が延びる方向にズレている。そのため、図4の二点鎖線で示すように一対の板バネ70aの並び方向(Z軸方向)を、器具本体の一部が延びる方向(Y軸プラス方向)と直交するように配置すれば、単に照明装置を造営材の取付孔に取付けることができても、より安定して照明装置を造営材の取付孔に取付けることは難しい。
【0068】
しかしながら、この照明装置1では、一対の板バネ70のうち、少なくとも一つの板バネ70が、図4の二点鎖線で示す直線V2よりも器具本体3の一部が突出する側に配置されるため、照明装置1による偏荷重を支持することができる。このため、照明装置1を造営材の取付孔に安定的に取付けることができ、新たな板バネを照明装置1に設ける必要もない。
【0069】
したがって、この照明装置1では、部品点数を増やすことなく、板バネ70による器具本体3の保持力を向上させることができる。このように、板バネ70という部品点数を増加させる必要もないため、照明装置1の製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0070】
また、本実施の形態に係る照明装置1において、一対の板バネ70は、当該照明装置1を光軸方向に沿って平面視した場合における光軸方向に対して点対称に配置される。
【0071】
例えば、一方の板バネと他方の板バネとが器具本体の中心線に対して点対称に配置されていなければ、一方の板バネと他方の板バネとを直立させるように折り畳む際に、一方の板バネと他方の板バネとを器具本体の両側から同時に挟むように折り畳み難い。
【0072】
しかし、本実施の形態によれば、一方の板バネ70と他方の板バネ70とが器具本体3の中心に対して点対称である。よって、一対の板バネ70を直立させるように折り畳む際に、器具本体3の両側から挟むように、一方の板バネ70と他方の板バネ70とを同時に折り畳むことができる。つまり、一対の板バネ70を折り畳み易くなる。このため、例えば照明装置1を梱包する際、造営材の取付孔に取付ける際等に、好適である。
【0073】
また、本実施の形態に係る照明装置1において、一対のバネのうちの一方のバネと他方のバネのそれぞれは、板バネ70である。そして、器具本体3から一方の板バネ70のアーム部72が延びる方向と、器具本体3から他方の板バネ70のアーム部72が延びる方向とは同一の直線上にある。
【0074】
これによれば、器具本体3を挟むように、一方の板バネ70のアーム部72と他方のアーム部72とを折り畳むことができる。このため、一対の板バネ70を確実に折り畳み易くなる。
【0075】
また、本実施の形態に係る照明装置1において、器具本体3は、発光モジュール62が発する光が通過する外装カバー40と、外装カバー40を固定し、かつ、発光モジュール62を収容する第1筐体31及び第2筐体32とを有する。そして、当該照明装置1を光軸方向に沿って平面視した場合に、第1筐体31及び第2筐体32の一部は、外装カバー40の外周面よりも外径方向に突出する。
【0076】
照明装置1をX軸マイナス方向に沿って平面視した場合に、第1筐体31及び第2筐体32の一部が外装カバー40の外周面から飛び出ていれば、重心Hは中心線OからY軸プラス方向にズレることになる。しかし、これによれば、重心Hが中心線OからY軸プラス方向にズレている如何様な照明装置でも、少なくとも一つの板バネ70が、照明装置1による偏荷重を支持することができる。このため、照明装置1を造営材の取付孔に安定的に取付けることができる。
【0077】
また、本実施の形態に係る照明装置1において、第1筐体31及び第2筐体32は、一対の板バネ70が一対一で対応するように取付けられる一対の第1取付部31bを有する。そして、一対の第1取付部31bのうち、板バネ70が取付けられる側の少なくとも一つの第1取付部31bの表面31b2は、当該照明装置1をX軸マイナス方向に沿って平面視した場合に、器具本体3の一部が突出する方向に対して傾く。
【0078】
これによれば、少なくとも一つの板バネ70を、図4で示す線V2よりもY軸プラス方向側に確実に配置することができる。
【0079】
また、本実施の形態に係る照明装置1は、さらに、発光モジュール62を点灯させるための電力を供給する点灯回路63aと、点灯回路63aと発光モジュール62とを実装する実装基板61とを備える。そして、点灯回路63a及び実装基板61は、第1筐体31及び第2筐体32に収容される。
【0080】
これによれば、発光モジュール62を実装する実装基板61と点灯回路63aを実装する実装基板61とを同一の実装基板にすることができる。このため、発光モジュール62と点灯回路63aとで別々の実装基板61を設ける場合よりも部品点数を削減することができる。その結果、この照明装置1では、製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0081】
また、第1筐体31及び第2筐体32に点灯回路63a及び実装基板61等を収容するため、中心線OからY軸プラス方向への照明装置1の重心のズレがより顕著になる。しかし、本実施の形態によれば、少なくとも一つの板バネ70は、照明装置1による偏荷重を支持することができる。
【0082】
(その他変形例)
以上、本開示に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記の各実施の形態に限定されるものではない。
【0083】
例えば、上記の各実施の形態において、電源部には、発光モジュールの点灯及び消灯を制御するコントローラである照明制御部が収容されていてもよい。照明制御部は、発光モジュールが発する光の明るさを制御したり、光の調色を制御したりしてもよい。
【0084】
また、上記の各実施の形態において、一対の板バネは、領域A1、A2においてZ軸方向と平行になるように配置されていてもよい。
【0085】
また、上記の各実施の形態において、照明制御部が第1筐体及び第2筐体に収容されているがこれには限定されない。照明制御部は、収容体に収容されていてもよい。
【0086】
また、上記の各実施の形態において、器具本体の構成には、ヒートシンクが含まれていてもよい。この場合、ヒートシンクの一部が光軸と交差する方向に突出していてもよい。このため、筐体が光軸と交差する方向に突出していることが必須ではない。
【0087】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1 照明装置
3 器具本体
31 第1筐体(筐体)
31b 第1取付部(取付部)
31b2 表面
32 第2筐体(筐体)
40 外装カバー
61 実装基板
62 発光モジュール
63a 点灯回路
70 板バネ(バネ)
72 アーム部
図1
図2
図3
図4