(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】照明システム、及び、照明方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/11 20200101AFI20230901BHJP
H05B 47/13 20200101ALI20230901BHJP
【FI】
H05B47/11
H05B47/13
(21)【出願番号】P 2019060255
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】武内 芳夫
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-176942(JP,A)
【文献】特開2005-242494(JP,A)
【文献】特表2014-519693(JP,A)
【文献】特開2014-160553(JP,A)
【文献】特開2001-176677(JP,A)
【文献】特開2018-018577(JP,A)
【文献】特開2009-090929(JP,A)
【文献】特開2001-118689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の光の照射範囲の少なくとも一部が映る画像を撮影し、撮影された前記画像の画像情報を出力するカメラと、
前記画像情報に基づいて季節を特定し、特定された前記季節に基づいて前記光源を発光させる制御部とを備え
、
前記制御部は、
前記季節が冬であると特定された場合に、前記光源を第一発光色で発光させ、
前記季節が夏であると特定された場合に、前記光源を前記第一発光色よりも緑色成分が多い第二発光色で発光させる
照明システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像情報に基づいて前記画像に含まれる画素の色の判定を行い、緑色であると判定された画素の数に基づいて前記季節を特定する
請求項
1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記画像情報に基づいて天気を特定し、特定された前記天気に基づいて前記光源を発光させる
請求項1
または2に記載の照明システム。
【請求項4】
さらに、前記照射範囲における気温を計測し、計測した気温を示す気温情報を出力する温度センサを備え、
前記制御部は、前記気温情報に基づいて前記光源を発光させる
請求項1
~3のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記気温情報が示す気温が所定値未満である場合に、前記光源を第一色温度で発光させ
、
前記気温情報が示す気温が所定値以上である場合に、前記光源を前記第一色温度よりも高い第二色温度で発光させる
請求項
4に記載の照明システム。
【請求項6】
さらに、人感センサを備え、
前記制御部は、人感センサの検知結果に基づいて前記光源が発する光の明るさを制御する
請求項1~
5のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項7】
さらに、前記画像情報と、当該画像情報に基づいて前記光源をどのように発光させたかを示す制御結果とが対応付けられてデータベースとして記憶される記憶部を備える
請求項1~
6のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記データベースに基づいて構築された機械学習モデルであって、画像情報を入力として前記光源の制御内容を示す情報を出力する機械学習モデルを用いて、前記光源を発光させる
請求項
7に記載の照明システム。
【請求項9】
コンピュータによって実行される照明方法であって、
光源の光の照射範囲の少なくとも一部が映る画像を撮影し、
撮影された前記画像の画像情報に基づいて季節を特定し、
特定された前記季節に基づいて前記光源を発光させ
、
前記季節が冬であると特定された場合に、前記光源を第一発光色で発光させ、
前記季節が夏であると特定された場合に、前記光源を前記第一発光色よりも緑色成分が多い第二発光色で発光させる
照明方法。
【請求項10】
請求項9に記載の照明方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、及び、照明方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な空間に適した照明装置が提案されている。このような照明装置の一例として、特許文献1には、オフィスなどの執務空間において、様々な情報に応じて発光体により照明演出を行い、空間の利用者に気付きを与える照明演出パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、屋外に設置される照明装置の周囲の環境は、季節及び時間帯によって大きく変化する。したがって、屋外に設置される照明装置を手動で調整し、周囲の環境の変化に合わせて発光させることは現実的ではない。
【0005】
本発明は、周囲の環境の変化に応じて発光することができる照明システム及び照明方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明システムは、光源と、前記光源の光の照射範囲における自然環境の状態を示す情報に基づいて前記光源を発光させる制御部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る照明方法は、コンピュータによって実行される照明方法であって、光源の光の照射範囲における自然環境の状態を示す情報に基づいて前記光源を発光させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、周囲の環境の変化に応じて発光することができる照明システム及び照明方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明システムの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る照明システムの動作例1のフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る照明システムの動作例2のフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る照明システムの動作例3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[照明システムの概要]
まず、実施の形態に係る照明システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る照明システムの概要を示す図である。
図2は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
照明システム100は、屋外用の照明装置10を備える。
図1に示されるように、照明装置10は、例えば、街路灯であり、公園などに設置される。照明システム100は、照明装置10の光の照射範囲における自然環境の変化に応じて照明装置10の発光態様を自動的に(リアルタイムに)変化させることができる。例えば、照明システム100は、夏の暑い季節には、人が涼しく感じるように照明装置10を高い色温度で発光させ、冬の寒い季節には、人が温かく感じるように照明装置10を低い色温度で発光させる。
【0014】
[照明システムの構成]
照明システム100は、照明装置10と、明るさセンサ20と、カメラ30と、温度センサ40と、人感センサ50と、サーバ装置60とを備える。まず、照明装置10の構成について主として
図2を参照しながら説明する。
【0015】
照明装置10は、光源11と、発光制御回路12と、制御部13と、記憶部14と、通信部15とを備える。
【0016】
光源11は、制御部13によって発光制御される発光モジュールである。光源11は、例えば、基板上に複数のLED素子が実装された発光モジュールである。複数のLED素子のそれぞれは、赤色LEDチップ、青色LEDチップ、及び、緑色LEDチップを含み、各LEDチップの輝度が独立して制御可能である。これにより、光源11の発光色の変更が実現される。つまり、光源11は、調光機能、及び、調色機能を備えている。
【0017】
なお、光源11は、青色LEDチップと、青色LEDチップを封止する蛍光体含有樹脂(封止部材)とによって実現される、白色光(具体的には、電球色または温白色など)を発するLED素子によって実現されてもよい。この場合、光源11に、低い色温度(例えば、電球色)の白色光を発する第一LED素子と、高い色温度(例えば、温白色、昼白色、または、昼光色など)の白色光を発する第二LED素子とが含まれれば、第一LED素子及び第二LED素子の輝度が制御されることにより、光源11の調色機能を実現することができる。
【0018】
また、光源11は、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)または無機EL等の固体発光素子を用いた発光モジュールであってもよい。
【0019】
発光制御回路12は、制御部13の制御に基づいて電圧及び電流を光源11に供給する回路である。発光制御回路12は、具体的には、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路などの調光回路である。
【0020】
制御部13は、発光制御回路12を介して光源11の発光を制御する。制御部13は、具体的には、光源11の光の照射範囲における自然環境の状態を示す情報に基づいて光源11を発光させる。制御部13は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0021】
記憶部14は、制御部13が実行するプログラムが記憶される記憶装置である。記憶部14は、具体的には、半導体メモリなどによって実現される。
【0022】
通信部15は、照明装置10がインターネットなどの広域通信ネットワーク70を介してサーバ装置60と通信を行うための通信回路である。通信部15によって行われる通信は、有線通信であってもよいし無線通信であってもよい。通信部15が行う通信の通信規格は特に限定されない。
【0023】
次に、各種センサ及びカメラ30について説明する。なお、各種センサ及びカメラ30は、照明装置10に内蔵されていてもよい。
【0024】
明るさセンサ20は、照明装置10の周囲の明るさを検知するセンサである。明るさセンサ20は、例えば、フォトダイオードまたはフォトトランジスタなどの光電変換素子によって実現される。
【0025】
カメラ30は、光源11の光の照射範囲の少なくとも一部が映る画像を撮影し、撮影された画像の画像情報を自然環境の状態を示す情報として出力する。カメラ30は、具体的には、イメージセンサ及びレンズなどによって実現される。
【0026】
温度センサ40は、照明装置10の周囲の気温(例えば、光源11の光の照射範囲における気温)を計測し、計測した気温を示す気温情報を自然環境の状態を示す情報として出力する。温度センサ40は、例えば、サーミスタまたは熱電対などの温度計測素子を有するセンサである。
【0027】
人感センサ50は、人の有無を検知する。人感センサ50は、具体的には、人の体から発せられる赤外線を検知する焦電センサである。人感センサ50は、超音波または可視光を用いたセンサであってもよい。
【0028】
次に、サーバ装置60の構成について説明する。サーバ装置60は、通信部61と、情報処理部62と、記憶部63とを備える。
【0029】
通信部61は、サーバ装置60が照明装置10と広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信回路である。通信部61によって行われる通信は、有線通信であってもよいし無線通信であってもよい。通信部61が行う通信の通信規格は特に限定されない。
【0030】
情報処理部62は、記憶部63に記憶されるデータベースの更新などの情報処理を行う。データベースは、照明装置10、及び、他の照明装置によってどのような発光制御が行われたかを示す発光制御の履歴情報である。情報処理部62は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0031】
記憶部63は、情報処理部62が実行するプログラムが記憶される記憶装置である。記憶部63は、具体的には、HDD(Hard Disc Drive)などによって実現される。
【0032】
[動作例1]
次に、照明システム100の動作例1について説明する。
図3は、照明システム100の動作例1のフローチャートである。
【0033】
照明装置10の光源11は、当初は消灯状態である(S11)。制御部13は、明るさセンサ20によって出力される明るさ情報に基づいて、照明装置10の周囲の明るさが所定の明るさよりも暗くなったか否かを判定する(S12)。ステップS12の処理は、周囲の明るさが所定の明るさよりも暗くなったと判定されるまで継続される(S12でNo)。
【0034】
ステップS12において周囲の明るさが所定の明るさよりも暗くなったと判定されると(S12でYes)、制御部13は、発光制御回路12に制御信号を出力することにより光源11を点灯させる(S13)。このときの光源11の発光色は、カメラ30の画像の撮影に適した所定の発光色である。
【0035】
次に、制御部13は、カメラ30に、光源11の光の照射範囲の少なくとも一部が映る画像(例えば、静止画)を撮影させ、撮影された画像の画像情報を、光源11の光の照射範囲における自然環境の状態を示す情報としてカメラ30から取得する(S14)。
【0036】
次に、制御部13は、取得した画像情報に基づいて季節を特定する(S15)。制御部13は、具体的には、画像情報に基づいて、当該画像情報が示す画像に含まれる画素の色の判定を行う。
【0037】
図1に示されるように、照明装置10が公園などに設置される場合、夏場は緑色の葉を有する木が被写体として画像に映り、冬場は落葉した木が被写体として画像に映る。そうすると、制御部13は、画像に含まれる複数の画素のそれぞれについて当該画素の色が緑色であるか否かの判定を行い、緑色であると判定された画素の数に基づいて季節を特定することができる。なお、画素が緑色であるか否かの判定は、例えば、画素値が緑色と判断できる所定範囲内であるか否かに基づいて行われる。
【0038】
制御部13は、緑色であると判定された画素の数が第一所定値未満であれば、現在の季節が冬であると特定する(S15で冬)。この場合、制御部13は、発光制御回路12に制御信号を出力することにより光源11を第一発光色で点灯させる(S16)。
【0039】
一方、制御部13は、緑色であると判定された画素の数が第一所定値よりも大きい第二所定値以上であれば、現在の季節が夏であると特定する(S15で夏)。この場合、制御部13は、発光制御回路12に制御信号を出力することにより光源11を第二発光色で点灯させる(S17)。
【0040】
そして、制御部13は、緑色であると判定された画素の数が第一所定値以上第二所定値未満であれば、現在の季節が春または秋であると特定する(S15で春または秋)。この場合、制御部13は、発光制御回路12に制御信号を出力することにより光源11を第三発光色で点灯させる(S18)。
【0041】
ここで、第一発光色、第二発光色、及び、第三発光色は、例えば、いずれも白色であるが、発光スペクトルにおける緑色成分(例えば、500nm以上570nm以下の成分)の割合に着目すると、第二発光色が最も緑色成分が多く、第三発光色が次に緑色成分が多く、第一発光色が最も緑色成分が少ない。これにより、樹木が多くの緑色の葉を有している季節ほど緑色成分の多い光が照射されるため、樹木をより色鮮やかに見せることができる。
【0042】
ステップS16、ステップS17、及び、ステップS18の後、制御部13は、制御結果情報を通信部15にサーバ装置60へ送信させる(S19)。制御結果情報は、ステップS14で取得された画像情報(言い換えれば、光源11の照射範囲の自然環境を示す情報)と、当該画像情報に基づいて光源11をどのように発光させたか(第一発光色、第二発光色、及び、第三発光色のいずれが選択されたか)を示す制御結果とが対応付けられた情報である。
【0043】
サーバ装置60の情報処理部62は、通信部61によって制御結果情報が受信されると、制御結果情報を記憶部63内のデータベースに追加することによりデータベースを更新する(S20)。データベースは、画像情報(光源11の照射範囲の自然環境を示す情報)と、当該画像情報に基づいて光源11をどのように発光させたかを示す制御結果とが対応付けられた情報である。
【0044】
以上説明したように、動作例1では、照明システム100は、照明装置10の周囲の季節を特定し、特定した季節に応じた発光態様で光源11を発光させる。これにより、季節感を考慮した発光制御が実現される。
【0045】
また、ステップS15~ステップS18の処理は、画像情報を入力として発光色を示す情報を出力する、機械学習に基づいてあらかじめ構築された識別器(機械学習モデル)を使用することで実現されてもよい。このような識別器は、上述した制御結果情報のデータベースに基づいて構築されてもよい。
【0046】
なお、動作例1のステップS15では、季節に代えて天気(晴れ、曇り、雨、雪など)が画像情報に基づいて特定され、ステップS16~ステップS18では、天気に応じて異なる発光態様で光源11が発光してもよい。天気の特定は、例えば、画像情報を入力として天気情報を出力する、機械学習に基づいてあらかじめ構築された識別器(機械学習モデル)を使用することで実現できる。
【0047】
このような照明システム100は、照明装置10の周囲の天気を特定し、特定した天気に応じた発光態様で光源11を発光させることで、天気を考慮した発光制御を実現することができる。
【0048】
[動作例2]
次に、照明システム100の動作例2について説明する。
図4は、照明システム100の動作例2のフローチャートである。
【0049】
照明装置10の光源11は、当初は消灯状態である(S21)。制御部13は、明るさセンサ20によって出力される明るさ情報に基づいて、照明装置10の周囲の明るさが所定の明るさよりも暗くなったか否かを判定する(S22)。ステップS22の処理は、周囲の明るさが所定の明るさよりも暗くなったと判定されるまで継続される(S22でNo)。
【0050】
ステップS22において周囲の明るさが所定の明るさよりも暗くなったと判定されると(S22でYes)、制御部13は、温度センサ40によって計測される気温情報を、光源11の光の照射範囲における自然環境の状態を示す情報として温度センサ40から取得する(S23)。
【0051】
次に、制御部13は、取得した気温情報に基づいて、当該気温情報が示す気温が所定値以上であるか否かを判定する(S24)。制御部13は、気温情報が示す気温が所定値未満であると判定すると(S24でNo)、光源11を第一色温度で発光させる(S25)。一方、制御部13は、気温情報が示す気温が所定値以上であると判定すると(S24でNo)、光源11を第一色温度よりも低い第二色温度で発光させる(S26)。つまり、制御部13は、周囲の気温が比較的低い場合には、温かい印象を与えるために低い色温度で光源11を発光させ、周囲の気温が比較的高い場合には、涼しい印象を与えるために高い色温度で光源11を発光させる。
【0052】
ステップS25、及び、ステップS26の後、制御部13は、制御結果情報を通信部15にサーバ装置60へ送信させる(S27)。制御結果情報は、ステップS23で取得された気温情報(言い換えれば、光源11の照射範囲の自然環境を示す情報)と、当該気温情報に基づいて光源11をどのように発光させたか(第一色温度、及び、第二色温度のいずれが選択されたか)を示す制御結果とが対応付けられた情報である。
【0053】
サーバ装置60の情報処理部62は、通信部61によって制御結果情報が受信されると、制御結果情報を記憶部63内のデータベースに追加することによりデータベースを更新する(S28)。データベースは、気温情報(光源11の照射範囲の自然環境を示す情報)と、当該気温情報に基づいて光源11をどのように発光させたかを示す制御結果とが対応付けられた情報である。
【0054】
以上説明したように、動作例2では、照明システム100は、照明装置10の周囲の気温に応じた発光態様で光源11を発光させる。照明システム100は、例えば、周囲の気温が比較的低い場合には、温かい印象を与えるために低い色温度で光源11を発光させ、周囲の気温が比較的高い場合には、涼しい印象を与えるために高い色温度で光源11を発光させる。これにより、気温を考慮した発光制御が実現される。
【0055】
また、制御結果情報がデータベース化されることにより、このようなデータベースに基づいて画像情報を入力として発光色を出力する機械学習モデルが構築されれば、ステップS15~ステップS18の処理は、このような学習モデルを用いて実現することも可能である。
【0056】
なお、動作例2のステップS23では、気温情報に代えて、または、気温情報に加えて湿度情報が取得され、ステップS24~ステップS26では、湿度情報を用いて光源11の発光態様が決定されてもよい。この場合、照明システム100は、光源11の光の照射範囲の湿度を計測する湿度センサを備える。
【0057】
このような照明システム100は、照明装置10の周囲の湿度に応じた発光態様で光源11を発光させることで、湿度を考慮した発光制御を実現することができる。
【0058】
[動作例3]
照明システム100は、光源11の発光中に、人感センサ50の検知結果に基づいて光源11が発する光の明るさを制御してもよい。以下、このような照明システム100の動作例3について説明する。
図6は、照明システム100の動作例3のフローチャートである。
【0059】
照明装置10の光源11が発光状態であるときに(S31)、制御部13は、人感センサ50によって出力される検知結果に基づいて、照明装置10の周囲に人がいるか否かを判定する(S32)。
【0060】
照明装置10の周囲に人がいると判定されると(S32でYes)、制御部13は、光源11を、第一調光状態で発光させる(S33)。一方、照明装置10の周囲に人がいないと判定されると(S32でNo)、制御部13は、光源11を、第一調光状態よりも暗い第二調光状態で発光させる(S34)。第二調光状態には、消灯状態も含まれる。
【0061】
以上説明したように、動作例3では、照明システム100は、照明装置10の周囲に人がいないときには、照明装置10の周囲に人がいるときよりも光源11を暗く発光させる。これにより、光が必要なときのみ光源11が明るく発光するため、照明装置10の消費電力が低減される。
【0062】
[変形例]
上記実施の形態では、制御結果情報は、サーバ装置60の記憶部63においてデータベース化されていたが、照明装置10の記憶部14においてデータベース化されていてもよい。この場合、照明装置10は、制御結果情報をサーバ装置60に送信する必要がないため、通信部15を備えていなくてもよい。
【0063】
また、上記実施の形態では、照明装置10は、街路灯であると説明されたが、街路灯以外の他の屋外用照明装置であってもよい。照明装置10は、
図6に示されるような投光器として実現されてもよいし、
図7に示されるようなスポットライトとして実現されてもよい。
図6は、投光器の外観図であり、
図7は、スポットライトの外観図である。また、図示されないが、照明装置10は、屋外用のライン照明、または、ガーデンライトとして実現されてもよい。
【0064】
[効果等]
以上説明したように、照明システム100は、光源11と、光源11の光の照射範囲における自然環境の状態を示す情報に基づいて光源11を発光させる制御部13とを備える。
【0065】
このような照明システム100は、周囲の環境の変化に応じて発光することができる。
【0066】
また、例えば、照明システム100は、さらに、照射範囲の少なくとも一部が映る画像を撮影し、撮影された画像の画像情報を自然環境の状態を示す情報として出力するカメラ30を備える。制御部13は、画像情報に基づいて季節を特定し、特定された季節に基づいて光源11を発光させる。
【0067】
このような照明システム100は、周囲の季節の変化に応じて発光することができる。
【0068】
また、例えば、制御部13は、季節が冬であると特定された場合に、光源11を第一発光色で発光させ、季節が夏であると特定された場合に、光源11を第一発光色よりも緑色成分が多い第二発光色で発光させる。
【0069】
このような照明システム100は、周囲の季節の変化に応じて発光色を変更することができる。
【0070】
また、例えば、制御部13は、画像情報に基づいて画像に含まれる画素の色の判定を行い、緑色であると判定された画素の数に基づいて季節を特定する。
【0071】
このような照明システム100は、画素の色の判定によって季節を特定することができる。
【0072】
また、例えば、照明システム100は、さらに、照射範囲の少なくとも一部が映る画像を撮影し、撮影された画像の画像情報を自然環境の状態を示す情報として出力するカメラ30を備える。制御部13は、画像情報に基づいて天気を特定し、特定された天気に基づいて光源11を発光させる。
【0073】
このような照明システム100は、周囲の天気の変化に応じて発光することができる。
【0074】
また、例えば、照明システム100は、さらに、照射範囲における気温を計測し、計測した気温を示す気温情報を自然環境の状態を示す情報として出力する温度センサ40を備える。制御部13は、気温情報に基づいて光源11を発光させる。
【0075】
このような照明システム100は、周囲の気温の変化に応じて発光することができる。
【0076】
また、例えば、制御部13は、気温情報が示す気温が所定値未満である場合に、光源11を第一色温度で発光させ、気温情報が示す気温が所定値以上である場合に、光源11を第一色温度よりも高い第二色温度で発光させる。
【0077】
また、例えば、照明システム100は、さらに、人感センサ50を備える。制御部13は、人感センサ50の検知結果に基づいて光源11が発する光の明るさを制御する。
【0078】
このような照明システム100は、照明装置10の周囲に人がいないときには、照明装置10の周囲に人がいるときよりも光源11を暗く発光させることで、照明装置10の消費電力を低減することができる。
【0079】
また、例えば、照明システム100は、さらに、自然環境を示す情報と、当該情報に基づいて光源11をどのように発光させたかを示す制御結果とが対応付けられてデータベースとして記憶される記憶部63(または記憶部14)を備える。
【0080】
このような照明システム100は、光源11をどのように発光させたかをデータベース化することができる。
【0081】
また、照明システム100などのコンピュータによって実行される照明方法は、光源11の光の照射範囲における自然環境の状態を示す情報に基づいて光源11を発光させる。
【0082】
このような照明方法は、周囲の環境の変化に応じて光源11を発光させることができる。
【0083】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0084】
例えば、上記実施の形態では、照明システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。照明システムが複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された照明システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0085】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0086】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0087】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0088】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0089】
例えば、本発明は、上記実施の形態の照明装置として実現されてもよいし、照明方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0090】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
10 照明装置
11 光源
13 制御部
14 記憶部
30 カメラ
40 温度センサ
50 人感センサ
63 記憶部
100 照明システム