(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】健康管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20230901BHJP
【FI】
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2019082988
(22)【出願日】2019-04-24
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513302477
【氏名又は名称】エコナビスタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】清石 彩華
(72)【発明者】
【氏名】川又 大祐
(72)【発明者】
【氏名】安田 輝訓
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-023477(JP,A)
【文献】特開2017-174012(JP,A)
【文献】特開2019-057292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の睡眠の際の生体に関する生体情報を、当該被検者に用いられる寝具に配置されたセンサからネットワークを介して取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報
のうちの少なくとも一日以上の期間における当該生体情報から
、前記被検者の
現在の疲労度を算出する算出手段と、
前記被検者が所持する端末を介して入力された当該被検者が有する疲労感に関する
一日ごとの感覚情報を、前記ネットワークを介して取得する感覚情報取得手段と、
前記感覚情報取得手段にて取得された前記感覚情報
のうちの特定の期間における当該感覚情報から
、前記被検者の
現在の疲労感に関する疲労感情報を取得する疲労感情報取得手段と、
前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報に基づいて、前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方を改善するための改善案を作成する改善案作成手段と、
前記算出手段により算出された前記疲労度に関する疲労度情報と、前記疲労感情報と、前記改善案作成手段に
より作成された前記改善案に関する改善案情報とを、前記被検者が所持する前記端末に表示出力させる表示出力手段と、
を備える、健康管理システム。
【請求項2】
前記改善案が前記被検者に実施された場合における前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方を、当該改善案に対応付けられた改善度に基づいて予測する予測手段をさらに備え、
前記表示出力手段は、前記改善案情報とともに前記予測手段による予測結果を表示出力させることを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項3】
前記表示出力手段は、前記疲労度および前記疲労感の程度のうち、度合いの大きい方を優先的に改善させるための前記改善案情報を表示出力させることを特徴とする請求項2記載の健康管理システム。
【請求項4】
前記疲労感情報取得手段は、前記感覚情報が前記感覚情報取得手段にて取得されていない場合、前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報から算出される寝具を使用してから睡眠を開始するまでの時間、睡眠時間、および体動の数の少なくとも一つに基づき前記被検者の前記疲労感を推定することで前記疲労感情報を取得することを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項5】
前記表示出力手段は、前記疲労度情報と前記疲労感情報と前記改善案情報とを共に表示出力させるとともに、前記被検者と当該被検者が属する部署の他の被検者との前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方の比較結果に関する情報を表示出力させることを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項6】
前記疲労度および前記疲労感との関係に基づいて、前記被検者の当該疲労度に対する当該疲労感の持ち方に関する情報を作成する作成手段と、
前記表示出力手段は、前記疲労度情報と前記疲労感情報と前記改善案情報とを共に表示出力させるとともに、前記作成手段が作成した前記情報を表示出力させることを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項7】
被検者の睡眠の際の生体に関する生体情報を、当該被検者に用いられる寝具に配置されたセンサからネットワークを介して取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報
のうちの少なくとも一日以上の期間における当該生体情報から
、前記被検者の
現在の疲労度を算出する算出手段と、
前記被検者が所持する端末を介して入力された当該被検者が有する疲労感に関する
一日ごとの感覚情報を、前記ネットワークを介して取得する感覚情報取得手段と、
前記感覚情報取得手段にて取得された前記感覚情報
のうちの特定の期間における当該感覚情報から
、前記被検者の
現在の疲労感に関する疲労感情報を取得する疲労感情報取得手段と、
前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報に基づいて、前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方を改善するための改善案を作成する改善案作成手段と、
前記算出手段により算出された前記疲労度に関する疲労度情報と、前記疲労感情報と、前記改善案作成手段に作成された前記改善案に関する改善案情報とを、前記被検者が所持する前記端末に提供する提供手段と、
を備える、健康管理システム。
【請求項8】
コンピュータに、
被検者の睡眠の際の生体に関する生体情報を、当該被検者に用いられる寝具に配置されたセンサからネットワークを介して取得する生体情報取得機能と、
前記生体情報取得機能にて取得された前記生体情報
のうちの少なくとも一日以上の期間における当該生体情報から
、前記被検者の
現在の疲労度を算出する算出機能と、
前記被検者が所持する端末を介して入力された当該被検者が有する疲労感に関する
一日ごとの感覚情報を、前記ネットワークを介して取得する感覚情報取得機能と、
前記感覚情報取得機能にて取得された前記感覚情報
のうちの特定の期間における当該感覚情報から
、前記被検者の
現在の疲労感に関する疲労感情報を取得する疲労感情報取得機能と、
前記生体情報取得機能にて取得された前記生体情報に基づいて、前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方を改善するための改善案を作成する改善案作成機能と、
前記算出機能により算出された前記疲労度に関する疲労度情報と、前記疲労感情報と、前記改善案作成機能に
より作成された前記改善案に関する改善案情報とを、前記被検者が所持する前記端末に表示出力させる表示出力機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、睡眠状態に関する睡眠データと、日中の活動に関する活動データとに基づいて、一日の疲労度を判断する健康管理装置が開示されている。この健康管理装置では、疲労度を改善するためのアドバイスとして、運動量や睡眠時間等のアドバイスを提示することが開示されている。
例えば特許文献2には、睡眠時の心電、筋電、脈波、心拍、呼吸等の生体信号を分析することで、睡眠による疲労回復度を評価する生体評価装置が開示されている。
例えば特許文献3には、脈拍センサ、体動センサ、血圧、体温、呼吸数などの睡眠中の生体情報を検出し、時間的推移に基づいて睡眠状態を判断し、睡眠後の体調を予測する生体情報解析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-222276号公報
【文献】特開平08-256995号公報
【文献】特開2005-198829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、睡眠中の生体情報に基づいて被検者の疲労度を算出するシステムがある。ここで、算出された被検者の実際の疲労度と被検者が有する疲労感とには差が生じている場合があるが、被検者が疲労度と疲労感とを知ることができないと、疲労度と疲労感との差を知ることができない。
【0005】
本発明の目的は、被検者が、実際の疲労度と疲労感とを同時に知ることを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、被検者の睡眠の際の生体に関する生体情報を、当該被検者に用いられる寝具に配置されたセンサからネットワークを介して取得する生体情報取得手段と、前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報のうちの少なくとも一日以上の期間における当該生体情報から、前記被検者の現在の疲労度を算出する算出手段と、前記被検者が所持する端末を介して入力された当該被検者が有する疲労感に関する一日ごとの感覚情報を、前記ネットワークを介して取得する感覚情報取得手段と、前記感覚情報取得手段にて取得された前記感覚情報のうちの特定の期間における当該感覚情報から、前記被検者の現在の疲労感に関する疲労感情報を取得する疲労感情報取得手段と、前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報に基づいて、前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方を改善するための改善案を作成する改善案作成手段と、前記算出手段により算出された前記疲労度に関する疲労度情報と、前記疲労感情報と、前記改善案作成手段により作成された前記改善案に関する改善案情報とを、前記被検者が所持する前記端末に表示出力させる表示出力手段と、を備える、健康管理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記改善案が前記被検者に実施された場合における前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方を、当該改善案に対応付けられた改善度に基づいて予測する予測手段をさらに備え、前記表示出力手段は、前記改善案情報とともに前記予測手段による予測結果を表示出力させることを特徴とする請求項1記載の健康管理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記表示出力手段は、前記疲労度および前記疲労感の程度のうち、度合いの大きい方を優先的に改善させるための前記改善案情報を表示出力させることを特徴とする請求項2記載の健康管理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記疲労感情報取得手段は、前記感覚情報が前記感覚情報取得手段にて取得されていない場合、前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報から算出される寝具を使用してから睡眠を開始するまでの時間、睡眠時間、および体動の数の少なくとも一つに基づき前記被検者の前記疲労感を推定することで前記疲労感情報を取得することを特徴とする請求項1記載の健康管理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記表示出力手段は、前記疲労度情報と前記疲労感情報と前記改善案情報とを共に表示出力させるとともに、前記被検者と当該被検者が属する部署の他の被検者との前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方の比較結果に関する情報を表示出力させることを特徴とする請求項1記載の健康管理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記疲労度および前記疲労感との関係に基づいて、前記被検者の当該疲労度に対する当該疲労感の持ち方に関する情報を作成する作成手段と、前記表示出力手段は、前記疲労度情報と前記疲労感情報と前記改善案情報とを共に表示出力させるとともに、前記作成手段が作成した前記情報を表示出力させることを特徴とする請求項1記載の健康管理システムである。
請求項7に記載の発明は、被検者の睡眠の際の生体に関する生体情報を、当該被検者に用いられる寝具に配置されたセンサからネットワークを介して取得する生体情報取得手段と、前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報のうちの少なくとも一日以上の期間における当該生体情報から、前記被検者の現在の疲労度を算出する算出手段と、前記被検者が所持する端末を介して入力された当該被検者が有する疲労感に関する一日ごとの感覚情報を、前記ネットワークを介して取得する感覚情報取得手段と、前記感覚情報取得手段にて取得された前記感覚情報のうちの特定の期間における当該感覚情報から、前記被検者の現在の疲労感に関する疲労感情報を取得する疲労感情報取得手段と、前記生体情報取得手段にて取得された前記生体情報に基づいて、前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方を改善するための改善案を作成する改善案作成手段と、前記算出手段により算出された前記疲労度に関する疲労度情報と、前記疲労感情報と、前記改善案作成手段に作成された前記改善案に関する改善案情報とを、前記被検者が所持する前記端末に提供する提供手段と、を備える、健康管理システムである。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、被検者の睡眠の際の生体に関する生体情報を、当該被検者に用いられる寝具に配置されたセンサからネットワークを介して取得する生体情報取得機能と、前記生体情報取得機能にて取得された前記生体情報のうちの少なくとも一日以上の期間における当該生体情報から、前記被検者の現在の疲労度を算出する算出機能と、前記被検者が所持する端末を介して入力された当該被検者が有する疲労感に関する一日ごとの感覚情報を、前記ネットワークを介して取得する感覚情報取得機能と、前記感覚情報取得機能にて取得された前記感覚情報のうちの特定の期間における当該感覚情報から、前記被検者の現在の疲労感に関する疲労感情報を取得する疲労感情報取得機能と、前記生体情報取得機能にて取得された前記生体情報に基づいて、前記疲労度および前記疲労感の少なくとも一方を改善するための改善案を作成する改善案作成機能と、前記算出機能により算出された前記疲労度に関する疲労度情報と、前記疲労感情報と、前記改善案作成機能により作成された前記改善案に関する改善案情報とを、前記被検者が所持する前記端末に表示出力させる表示出力機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被検者に用いられる寝具に配置されたセンサおよび被検者が所持する端末からネットワークを介して過去に取得した情報に基づく現在における実際の疲労度と疲労感と改善案とを、被検者が同時に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】健康管理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】サーバおよび端末のハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】疲労情報表示処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<健康管理システムの構成>
図1は、本実施形態に係る健康管理システム1の全体構成例を示した図である。
本実施形態に係る健康管理システム1は、ユーザの実際の疲労度と、ユーザが有する疲労感の程度とを管理することにより、ユーザの健康状態を管理するシステムである。ここで、疲労度とは、ユーザの主観的な感覚ではなく客観的に定められる疲労の程度である。また、疲労感とは、ユーザの疲労についてこのユーザ自身が有する主観的な感覚である。疲労感の程度を、以下では、疲労感度と称する。
健康管理システム1は、サーバ10と、マットセンサ20と、ユーザが所持する端末30とを備える。サーバ10と、マットセンサ20および端末30とは、ネットワークを介して接続されている。
【0010】
サーバ10は、ユーザの健康状態を管理する。より具体的には、ユーザの睡眠の際の生体に関する情報を取得する。また、サーバ10は、ユーザが有する疲労感に関する情報を取得する。ユーザの睡眠の際の生体に関する情報を、以下では、生体情報と称する。また、ユーザが有する疲労感に関する情報を、以下では、感覚情報と称する。さらに、サーバ10は、取得した生体情報からユーザの疲労度を算出し、また、取得した感覚情報から、ユーザが有する疲労感度を算出する。そして、サーバ10は、算出した疲労度が示された情報と、算出した疲労感度が示された情報とを、ユーザの端末30に表示させる。疲労度が示された情報を、以下では、疲労度情報と称する。また、疲労感度が示された情報を、以下では、疲労感情報と称する。さらに、疲労感が示された情報も、広義には、疲労感情報として捉えられる。
【0011】
サーバ10は、例えば、コンピュータにより実現される。サーバ10は、単一のコンピュータにより構成しても良いし、複数のコンピュータによる分散処理により実現しても良い。また、サーバ10は、クラウドコンピューティングにより提供される仮想的なハードウェア上にて実現してもよい。
【0012】
マットセンサ20は、ユーザに用いられる寝具のマット等に取り付けられる。そして、マットセンサ20は、ユーザが寝具を使用中であるときのユーザの生体を検知することにより、このユーザの生体情報を取得する。生体情報を取得する対象となるユーザを、以下では、被検者と称する。すなわち、本実施形態では、健康管理システム1を利用するユーザが、被検者である。マットセンサ20は、取得した生体情報を、マットセンサ20を識別するセンサ識別情報とともに、サーバ10へ送信する。
【0013】
生体情報としては、例えば、心拍数に関する情報、呼吸に関する情報、体動に関する情報等が挙げられる。また、生体情報としては、被検者による寝具の使用に関する情報等が挙げられる。すなわち、「被検者の睡眠の際の生体に関する生体情報」には、被検者の睡眠中の生体に関する情報のみならず、被検者が睡眠していないものの被検者が寝具を使用中であるときの被検者の生体に関する情報も含まれる。もっとも、生体情報は、上記の情報には限定されない。
【0014】
端末30は、情報を表示する表示部31を有する。表示部31は、サーバ10から疲労度情報および疲労感情報を取得すると、取得したこの疲労度情報と疲労感情報とを共に表示する。
端末30は、例えば、コンピュータ、タブレット型情報端末、その他の情報処理装置により実現される。
【0015】
サーバ10とマットセンサ20および端末30との接続に用いられるネットワークは、データの送受信が可能であれば、その種類は特に限定されず、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等として良い。データの送受信に用いられる通信回線は、有線であっても無線であっても良い。また、複数のネットワークや通信回線を介して各装置を接続する構成としても良い。
【0016】
<ハードウェア構成例>
図2は、サーバ10および端末30のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、サーバ10および端末30は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)100aと、主記憶手段であるメモリ100cとを備える。また、各装置は、外部デバイスとして、不揮発性記録デバイス100g、ネットワークインターフェイス100f、表示機構100d、音声機構100h、キーボードやマウス等の入力デバイス100i等を備える。
【0017】
メモリ100cおよび表示機構100dは、システムコントローラ100bを介してCPU100aに接続されている。また、ネットワークインターフェイス100f、不揮発性記録デバイス100g、音声機構100hおよび入力デバイス100iは、ブリッジコントローラ100eを介してシステムコントローラ100bと接続されている。各構成要素は、システムバスや入出力バスなどの各種のバスによって接続される。
【0018】
不揮発性記録デバイス100gには、各機能を実現するためのプログラムが格納されている。そして、このプログラムがメモリ100cにロードされ、このプログラムに基づく処理がCPU100aにより実行されることで、各種の機能が実現される。不揮発性記録デバイス100gとしては、例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク装置などが挙げられる。
【0019】
<サーバの機能構成>
次に、サーバ10の機能構成について説明する。
図3は、サーバ10の機能構成例を示した図である。
サーバ10は、健康管理システム1の利用登録を受け付ける登録受付部11と、被検者の生体情報等を記憶する記憶部12と、被検者の生体情報を取得する生体情報取得部13と、被検者の感覚情報を取得する感覚情報取得部14とを備える。また、サーバ10は、被検者の疲労度や疲労感度を算出する算出部15と、被検者の疲労度や疲労感を改善するための改善案を作成する改善案作成部16と、情報を端末30に出力させる出力制御部17とを備える。
【0020】
登録受付部11は、健康管理システム1の利用者としての被検者の登録を受け付ける。登録受付部11は、例えば、被検者の端末30から登録の申請を受けると、被検者の身体に関する情報の受け付けを行う。被検者の身体に関する情報を、以下では、身体情報と称する。身体情報としては、例えば、年齢、性別、身長、体重、持病、服薬状況等の情報が挙げられる。また、登録受付部11は、被検者が使用するマットセンサ20を識別するセンサ識別情報の受け付けを行う。さらに、登録受付部11は、端末30へのログインIDの付与や、端末30からの暗証番号の登録の受け付けを行う。そして、ログインIDおよび暗証番号が入力された端末30を操作する被検者を、健康管理システム1の利用者として登録する。
【0021】
登録受付部11は、利用者として登録した被検者を識別する被検者識別情報を、センサ識別情報および身体情報に関連付けて、記憶部12に送信する。被検者が端末30を介して健康管理システム1の利用者として新たに登録されることで、サーバ10は、この端末30から送信された情報を、新たに登録された被検者に関連する情報として保持するようになる。
【0022】
記憶部12は、登録受付部11から送信された身体情報や、後述する生体情報取得部13に取得される生体情報等を、被検者識別情報およびセンサ識別情報に関連付けて記憶する。記憶部12の記憶内容については、後に詳述する。
生体情報取得手段の一例としての生体情報取得部13は、マットセンサ20から生体情報を取得する。生体情報取得部13は、例えば、1秒ごとに生体情報を取得する。また、生体情報取得部13は、マットセンサ20から、生体情報とともにセンサ識別情報を取得する。生体情報取得部13は、記憶部12に記憶されているセンサ識別情報のうちのマットセンサ20から取得したものと同一のセンサ識別情報に関連付けて、生体情報を記憶させる。
【0023】
感覚情報取得部14は、感覚情報を入力可能な画面を、出力制御部17を介して端末30の表示部31に表示させる。そして、感覚情報取得部14は、端末30に入力された感覚情報を、端末30から取得する。感覚情報取得部14は、取得した感覚情報を、この感覚情報に係る被検者の被検者識別情報に関連付けて、記憶部12に記憶させる。
【0024】
端末30に入力可能な感覚情報としては、例えば、複数段階に設定された感覚情報のうちの各段階の感覚情報が挙げられる。複数段階の感覚情報としては、例えば、「全く疲れていない」、「あまり疲れていない」、「少し疲れている」、「それなりに疲れている」、「非常に疲れている」等が挙げられる。なお、例えば、被検者が端末30に対して疲労感に関するアンケートの回答を入力することで、入力された回答に応じて複数段階の何れかの段階に設定された感覚情報が感覚情報取得部14に取得されてもよい。
【0025】
算出手段の一例としての算出部15は、記憶部12に記憶されている生体情報から、被検者の現在の疲労度を算出する。算出部15は、例えば、心拍数、呼吸障害の有無、体動の有無等に基づいて、1秒当たりの被検者の睡眠の状態を判定する。睡眠の状態としては、例えば、レム睡眠の状態、ノンレム睡眠の状態、睡眠していない状態等が挙げられる。さらに、算出部15は、例えば、判定結果に基づいて、被検者の睡眠の時間帯、睡眠時間、レム睡眠とノンレム睡眠との周期等を算出する。そして、算出結果から、被検者の疲労度を算出する。例えば、算出部15は、被検者の睡眠の時間帯に22時から26時までの時間帯が含まれている場合、この時間帯が含まれていない場合よりも被検者の疲労度を小さく算出してもよい。また、例えば、算出部15は、被検者の睡眠時間が8時間以上である場合、8時間未満である場合よりも被検者の疲労度を小さく算出してもよい。また、例えば、算出部15は、レム睡眠とノンレム睡眠との間の時間の間隔が85分から95分の範囲である場合、この範囲外である場合よりも被検者の疲労度を小さく算出してもよい。さらに、上記の各手法により算出した各値を組み合わせることで被検者の疲労度を算出してもよい。もっとも、算出部15による疲労度の算出の手法は、上記の態様に限定されない。
【0026】
算出部15は、算出した疲労度に基づいて疲労度情報を作成し、作成した疲労度情報を記憶部12に記憶させる。算出部15が疲労度を算出するたびに、疲労度情報の作成と、記憶部12による疲労度情報の記憶が行われることで、疲労度情報が記憶部12に蓄積される。
【0027】
また、算出部15は、被検者の疲労感度を算出する。
記憶部12に感覚情報が記憶されている場合、算出部15は、この感覚情報から、被検者の現在の疲労感度を算出する。算出部15は、例えば、複数段階における各段階の感覚情報において、「全く疲れていない」、「あまり疲れていない」、「少し疲れている」、「それなりに疲れている」、「非常に疲れている」の前の順番の段階ほど、疲労感度が小さくなるように疲労感度を算出する。ここで、疲労感度が大きいほど、被検者がより強く疲労感を有することを意味する。
【0028】
また、記憶部12に感覚情報が記憶されていない場合、算出部15は、記憶部12に記憶されている生体情報から、推定値としての現在の疲労感度を算出する。例えば、算出部15は、被検者が寝具を使用中であることが検出されてから被検者が睡眠を開始するまでの時間が短いほど、被検者の疲労感度が小さくなるように算出してもよい。また、例えば、算出部15は、生体情報から算出した被検者の睡眠時間が長いほど、被検者の疲労感度が小さくなるように算出してもよい。また、被検者による体動の数が少ないほど、被検者の疲労感度が小さくなるように算出してもよい。また、上記の各手法により算出した各値を組み合わせることで被検者の疲労感度を算出してもよい。もっとも、算出部15による疲労感度の算出の手法は、上記の態様に限定されない。
【0029】
算出部15は、算出した疲労感度に基づいて疲労感情報を作成し、作成した疲労感情報を記憶部12に記憶させる。そのため、算出部15は、疲労感情報を取得する疲労感情報取得手段としても捉えられる。算出部15が疲労感度を算出するたびに、疲労感情報の作成と、記憶部12による疲労感情報の記憶が行われることで、疲労感情報が記憶部12に蓄積される。
【0030】
また、算出部15は、記憶部12に記憶されている生体情報等から、被検者の現在の疲労度と疲労感度とに差異が生じている原因を予測する。そして、予測結果を、出力制御部17に送信する。
【0031】
また、算出部15は、被検者の未来の疲労度を予測する。算出部15は、例えば、記憶部12に蓄積されている生体情報や疲労度情報から被検者の日々の疲労度の傾向を予測し、この予測結果から、被検者の未来の疲労度を予測する。
また、算出部15は、被検者の未来の疲労感度を予測する。算出部15は、例えば、記憶部12に蓄積されている生体情報、感覚情報、および疲労感情報から被検者の日々の疲労感度の傾向を予測し、この予測結果から、被検者の未来の疲労感度を予測する。なお、算出部15による被検者の未来の疲労度や疲労感度の予測の手法は、上記の態様には限定されない。
算出部15は、予測した疲労度に基づいて疲労度情報を作成する。また、算出部15は、予測した疲労感度に基づいて疲労感情報を作成する。
【0032】
また、算出部15は、後述する改善案作成部16に作成された改善案が被検者に実施された場合における被検者の疲労度を予測する。例えば、改善案が被検者の睡眠の取り方に関する案である場合、算出部15は、この改善案が被検者に実施された場合に得られる生体情報を予測し、予測した生体情報に基づいて、被検者の疲労度を予測する。また、例えば、改善案が、疲労度を改善させる商品やサービス等の提案事項を被検者が取り入れる案である場合、算出部15は、この提案事項に予め対応付けられた疲労度の改善度に基づいて、被検者の疲労度を予測する。サーバ10は、例えば、提案事項ごとに、予め疲労度の改善度を対応付けてもよい。
【0033】
また、算出部15は、改善案作成部16に作成された改善案が被検者に実施された場合における被検者の疲労感度を予測する。例えば、改善案が被検者の睡眠の取り方に関する案である場合、算出部15は、この改善案が被検者に実施された場合に得られる生体情報を予測し、予測した生体情報に基づいて、被検者の疲労感度を予測する。また、例えば、改善案が、疲労感度を改善させる商品やサービス等の提案事項を被検者が取り入れる案である場合、算出部15は、この提案事項に予め対応付けられた疲労感の改善度に基づいて、被検者の疲労感度を予測する。サーバ10は、例えば、提案事項ごとに、予め疲労感の改善度を対応付けてもよい。ここで、算出部15は、未来における疲労度および疲労感の予測や、改善案が被検者に実施された場合における疲労度および疲労感を予測する予測手段としても捉えられる。
【0034】
算出部15は、改善案が被検者に実施された場合として予測した疲労度に基づいて、疲労度情報を作成する。また、算出部15は、改善案が被検者に実施された場合として予測した疲労感度に基づいて、疲労感情報を作成する。
また、算出部15は、作成した疲労度情報および疲労感情報を、出力制御部17へ送信する。
【0035】
改善案作成部16は、記憶部12に記憶されている疲労度情報や生体情報に基づいて、被検者の疲労度を改善するための改善案を作成する。より具体的には、改善案作成部16は、算出部15による疲労度の算出に用いられた生体情報から特定される被検者の生体を改善するための案や、被検者が取り入れることで、疲労度情報から特定される疲労度を減少させる商品やサービス等の提案情報を作成する。例えば、被検者が26時から睡眠を開始している場合、改善案作成部16は、睡眠の開始時刻を早めることを改善案として作成する。
【0036】
また、改善案作成部16は、記憶部12に記憶されている疲労感情報や生体情報に基づいて、被検者の疲労感を改善するための改善案を作成する。より具体的には、改善案作成部16は、算出部15による疲労感度の算出に用いられた生体情報から特定される被検者の生体を改善するための案や、被検者が取り入れることで、疲労感情報から特定される疲労感度を減少させる商品やサービス等の提案情報を作成する。例えば、被検者が寝具を使用中であることが検出されてから被検者が睡眠を開始するまでに一時間以上かかっている場合、改善案作成部16は、被検者の寝つきを改善するための商品の提案情報を作成する。
【0037】
また、改善案作成部16は、一の被検者とは異なる他の被検者に採用された改善案を、一の被検者を対象とした疲労度や疲労感の改善案として作成してもよい。例えば、改善案作成部16は、一の被検者の年齢と同じ年代に属する他の被検者であって、予め定められた人数以上の他の被検者に取り入れられた商品やサービス等の提案情報を、一の被検者を対象とする改善案として作成してもよい。さらに、作成した改善案に、例えば、「30代女性に多く選ばれています」等の、一の被検者の年齢と同じ年代に属する他の被検者に改善案が採用されたことを示すメッセージが含まれてもよい。また、例えば、改善案作成部16は、他の被検者に改善案が採用された結果として他の被検者の疲労度や疲労感が改善された場合に、この改善案を、一の被検者を対象とする改善案として作成してもよい。さらに、作成した改善案に、例えば、「特に40代の男性が効果を実感しています」など、特定の年代の被検者において疲労度や疲労感が改善されることが多かったことを示すメッセージが含まれてもよい。改善案作成部16は、例えば、他の被検者の疲労度や疲労感度について算出部15に算出された結果に基づいて、一の被検者を対象とする上記の改善案を作成する。
また、改善案作成部16は、作成した改善案に関する情報を、出力制御部17へ送信する。
【0038】
表示出力手段の一例としての出力制御部17は、端末30に情報を出力させる。より具体的には、出力制御部17は、端末30に対して情報を送信することにより、送信した情報を端末30の表示部31に表示させたり、送信した情報を音声により端末30に出力させたりする。
【0039】
<記憶部の記憶内容>
次に、記憶部12に記憶されている情報の内容について説明する。
図4は、被検者情報管理テーブルを示した図である。被検者情報管理テーブルは、被検者に関する情報を管理するためのテーブルである。この被検者情報管理テーブルは、被検者ごとに設けられている。
図4には、被検者「A」の被検者情報管理テーブルが示されている。
【0040】
被検者情報管理テーブルでは、「マットセンサ」に、被検者が使用するマットセンサ20を識別するセンサ識別情報が示されている。また、「身体情報」に、登録受付部11に受け付けられた身体情報が示されている。また、「生体情報」には、生体情報取得部13に取得された生体情報が示されている。
また、被検者情報管理テーブルでは、「感覚情報」に、感覚情報取得部14に取得された感覚情報が示されている。
【0041】
また、被検者情報管理テーブルでは、「疲労度情報」に、算出部15に作成された疲労度情報が示されている。また、「疲労感情報」に、算出部15に作成された疲労感情報が示されている。
なお、「生体情報」には、例えば1秒ごとの情報が示されている。また、「感覚情報」、「疲労度情報」、「疲労感情報」には、例えば一日ごとの情報が示されている。
【0042】
<疲労情報表示処理>
次に、疲労情報表示処理の流れについて説明する。疲労情報表示処理は、サーバ10が、被検者の疲労度および疲労感度を算出し、算出した疲労度に係る疲労度情報および算出した疲労感度に係る疲労感情報を端末30の表示部31に表示させる処理である。疲労情報表示処理は、例えば、被検者が端末30を介して疲労度の算出依頼を行うことや、被検者が目覚めたことがマットセンサ20に検知された場合等により、開始される。
図5は、疲労情報表示処理の流れを示したフローチャートである。
【0043】
まず、生体情報取得部13は、マットセンサ20から、生体情報を取得する(S101)。生体情報取得部13に取得された生体情報は、記憶部12に記憶される。
算出部15は、記憶部12に記憶されている生体情報から、被検者の疲労度を算出する(S102)。算出部15は、算出した疲労度に係る疲労度情報を、出力制御部17へ送信する。
【0044】
算出部15は、感覚情報が感覚情報取得部14に取得されたか否かを判定する(S103)。算出部15は、疲労感度を算出する対象の日にちに係る感覚情報が記憶部12に記憶されているか否かにより、上記の判定を行う。
【0045】
感覚情報が記憶部12に記憶されている場合(S103にてYES)、算出部15は、記憶されている感覚情報から、被検者の疲労感度を算出する(S104)。算出部15は、算出した疲労感度に係る疲労感情報を、出力制御部17へ送信する。
感覚情報が記憶部12に記憶されていない場合(S103にてNO)、算出部15は、記憶部12に記憶されている生体情報から、被検者の疲労感度を算出する(S105)。算出部15は、算出した疲労感度に係る疲労感情報を、出力制御部17へ送信する。
出力制御部17は、算出部15から送信された疲労度情報と疲労感情報とを、共に端末30の表示部31に表示させる(S106)。
【0046】
<情報の表示例>
次に、被検者に関する情報の表示例について説明する。被検者に関する情報は、出力制御部17により、端末30の表示部31に表示される。
図6は、疲労情報通知画面40を示した図である。疲労情報通知画面40は、被検者の疲労に関する情報を通知するための画面である。疲労情報通知画面40には、被検者表示部41と、現在疲労通知部42と、差異原因通知部45と、未来疲労通知部46と、改善案表示ボタン49とが表示されている。
【0047】
被検者表示部41には、疲労情報通知画面40に表示されている情報が示す対象者としての被検者の名前が表示されている。図示の例では、被検者表示部41には、対象者としての被検者である「Aさん」の文字が表示されている。
【0048】
現在疲労通知部42には、被検者の現在の疲労度および疲労感度を通知するための情報が表示されている。現在疲労通知部42には、表示されている情報が現在の被検者に関する情報であることを示す「現在の疲労について」の文字が表示されている。また、現在疲労通知部42には、現在疲労度情報43と、現在疲労感情報44とが表示されている。
【0049】
現在疲労度情報43には、算出部15に作成された現在の被検者の疲労度情報が表示されている。この現在疲労度情報43は、被検者の現在の疲労度が、10段階のうちの該当する段階として表示されている。図示の例では、被検者の現在の疲労度が、10段階のうちの「5」として表示されている。ここで、該当する段階が高くなるほど、被検者の疲労度が大きいことを意味する。
【0050】
現在疲労感情報44には、算出部15に作成された現在の被検者の疲労感情報が表示されている。この現在疲労感情報44は、被検者の現在の疲労感度が、10段階のうちの該当する段階として表示されている。図示の例では、被検者の現在の疲労感度が、10段階のうちの「3」として表示されている。ここで、該当する段階が高くなるほど、被検者の疲労感度が大きいことを意味する。
【0051】
このように、本実施形態では、疲労度および疲労感度は、共に10段階という同じ数の段階から、何れかの段階に設定されている。
図示の例では、現在疲労度情報43には、現在疲労感情報44よりも大きい値が表示されている。これは、被検者が感覚として有している疲労の程度よりも、被検者が実際に有している疲労の程度の方が大きいことを意味する。
【0052】
差異原因通知部45には、被検者の現在の疲労度と疲労感度とに差異が生じている原因が示されている。より具体的には、差異原因通知部45には、被検者の現在の疲労度と疲労感度とに差異が生じている原因として、被検者の睡眠の取り方に関する情報が表示されている。図示の例では、差異原因通知部45には、「睡眠時間は確保できていますが、睡眠の時間帯が遅いため、Aさんが思っているほど疲れが取れていません。」というメッセージが表示されている。
【0053】
未来疲労通知部46には、被検者の未来の疲労度および疲労感度を通知するための情報が表示されている。未来疲労通知部46においては、被検者の端末30への操作に応じて、現在より一日後から現在より七日後までの一日ごとの情報を表示可能になっている。図示の例では、「三日後」が選択されていることにより、現在より三日後を対象とした情報が表示されている。また、未来疲労通知部46には、未来疲労度情報47と、未来疲労感情報48とが表示されている。
【0054】
未来疲労度情報47には、算出部15に作成された被検者の未来の疲労度情報が表示されている。この未来疲労度情報47は、被検者の未来の疲労度が、10段階のうちの該当する段階として表示されている。図示の例では、被検者の未来の疲労度が、10段階のうちの「7」として表示されている。
【0055】
未来疲労感情報48には、算出部15に作成された被検者の未来の疲労感情報が表示されている。この未来疲労感情報48は、被検者の未来の疲労感度が、10段階のうちの該当する段階として表示されている。図示の例では、被検者の未来の疲労感度が、10段階のうちの「3」として表示されている。
【0056】
図示の例では、未来疲労度情報47には、現在疲労度情報43に示されている値よりも大きい値が表示されている。これは、算出部15により、被検者の現在の疲労度よりも未来の疲労度の方が大きくなると予測されていることを意味する。一方で、未来疲労感情報48には、現在疲労感情報44に示されている値と同じ値が表示されている。これは、算出部15により、被検者の現在の疲労感度と未来の疲労感度とが変わらないと予測されていることを意味する。すなわち、被検者の未来においては、現在よりも、被検者の疲労度と疲労感度との差が大きくなることが算出部15に予測されている。
【0057】
被検者が改善案表示ボタン49を選択すると、端末30の表示部31には、
図7に示すように、改善案画面50が表示される。改善案画面50は、被検者の疲労度や疲労感を改善するための改善案を示した画面である。改善案画面50には、被検者表示部51と、現在疲労通知部52と、現在疲労度情報53と、現在疲労感情報54とが表示されている。また、改善案画面50には、疲労度改善案情報55と、詳細情報56と、改善疲労通知部57と、戻るボタン60と、疲労感改善案表示ボタン61とが表示されている。
なお、被検者表示部51、現在疲労通知部52、現在疲労度情報53、および現在疲労感情報54に表示されている内容は、疲労情報通知画面40(
図6参照)における被検者表示部41、現在疲労通知部42、現在疲労度情報43、および現在疲労感情報44に表示されている内容と同一である。
【0058】
疲労度改善案情報55には、被検者の疲労度を改善するための改善案が表示されている。より具体的には、疲労度改善案情報55には、被検者の睡眠の取り方に関する改善案が表示されている。図示の例では、疲労度改善案情報55として、「睡眠の時間帯を早めましょう。」というメッセージが表示されている。
【0059】
詳細情報56には、疲労度改善案情報55に表示されている疲労度の改善案としての詳細な情報が表示されている。より具体的には、詳細情報56には、現在の被検者の睡眠の時間帯と、改善案として被検者に提案する睡眠の時間帯とが表示されている。図示の例では、「深夜2時~翌朝8時」という現在の被検者における睡眠の時間帯と、「深夜0時~翌朝6時」という改善案として提案する睡眠の時間帯とが表示されている。
【0060】
改善疲労通知部57には、詳細情報56に表示されている改善案が被検者に実施された場合として、算出部15に予測された被検者の未来の疲労度および疲労感度を通知するための情報が表示されている。改善疲労通知部57においては、被検者の端末30への操作に応じて、現在より一日後から現在より七日後までの一日ごとの情報を表示可能になっている。図示の例では、「三日後」が選択されていることにより、現在より三日後を対象とした情報が表示されている。また、改善疲労通知部57には、改善疲労度情報58と、改善疲労感情報59とが表示されている。
【0061】
改善疲労度情報58には、詳細情報56に表示されている改善案が被検者に実施された場合における被検者の未来の疲労度情報が表示されている。この改善疲労度情報58は、被検者の未来の疲労度が、10段階のうちの該当する段階として表示されている。図示の例では、被検者の未来の疲労度が、10段階のうちの「4」として表示されている。
【0062】
改善疲労感情報59には、詳細情報56に表示されている改善案が被検者に実施された場合における被検者の未来の疲労感情報が表示されている。この改善疲労感情報59は、被検者の未来の疲労感度が、10段階のうちの該当する段階として表示されている。図示の例では、被検者の未来の疲労感度が、10段階のうちの「2」として表示されている。
【0063】
図示の例では、改善疲労度情報58には、未来疲労度情報47(
図6参照)に示されている値よりも小さい値が表示されている。これは、詳細情報56に表示されている改善案が被検者に実施される場合、実施されない場合よりも、現在から三日後における被検者の疲労度が小さくなることを意味する。また、改善疲労度情報58には、現在疲労度情報53に示されている値よりも小さい値が表示されている。これは、詳細情報56に表示されている改善案が被検者に実施されることにより、被検者の未来の疲労度が、現在よりも小さくなることを意味する。
【0064】
また、改善疲労感情報59には、未来疲労感情報48(
図6参照)に示されている値よりも小さい値が表示されている。これは、詳細情報56に表示されている改善案が被検者に実施される場合、実施されない場合よりも、現在から三日後における被検者の疲労感度が小さくなることを意味する。また、改善疲労感情報59には、現在疲労感情報54に示されている値よりも小さい値が表示されている。これは、詳細情報56に表示されている改善案が被検者に実施されることにより、被検者の未来の疲労感度が、現在よりも小さくなることを意味する。すなわち、疲労度改善案情報55および詳細情報56に表示されている改善案は、被検者の疲労度および疲労感をともに改善するための改善案である。
【0065】
一方、未来疲労度情報47に示されている値から改善疲労度情報58に示されている値への減少の程度は、未来疲労感情報48に示されている値から改善疲労感情報59に示されている値への減少の程度よりも大きい。そのため、疲労度改善案情報55および詳細情報56に表示されている改善案は、疲労感よりも疲労度を大きく改善するための疲労度改善案として捉えられる。また、改善案画面50は、疲労感よりも疲労度を大きく改善するための改善案を示した疲労度改善案画面として捉えられる。なお、詳細情報56に表示されている改善案が被検者に実施された場合に、被検者の疲労感が改善されなくてもよい。すなわち、「疲労感よりも疲労度を大きく改善する」ことには、疲労度を改善する一方で疲労感を改善しないことも含まれる。
【0066】
被検者が戻るボタン60を選択すると、端末30の表示部31には、疲労情報通知画面40(
図6参照)が再び表示される。
被検者が疲労感改善案表示ボタン61を選択すると、表示部31には、
図8に示すように、疲労感改善案画面70が表示される。この疲労感改善案画面70は、被検者の疲労感度を改善するための改善案を示した画面である。疲労感改善案画面70には、被検者表示部71と、現在疲労通知部72と、現在疲労度情報73と、現在疲労感情報74とが表示されている。また、疲労感改善案画面70には、疲労感改善案情報75と、詳細情報76と、改善疲労通知部78と、疲労度改善案表示ボタン81と、戻るボタン82とが表示されている。
なお、被検者表示部71、現在疲労通知部72、現在疲労度情報73、および現在疲労感情報74に表示されている内容は、疲労情報通知画面40(
図6参照)における被検者表示部41、現在疲労通知部42、現在疲労度情報43、および現在疲労感情報44に表示されている内容と同一である。
【0067】
疲労感改善案情報75には、被検者の疲労感を改善するための改善案が表示されている。より具体的には、疲労感改善案情報75には、改善案として、食事に関する情報が表示されている。図示の例では、疲労感改善案情報75として、「疲労感を回復させる食事がお勧めです。」というメッセージが表示されている。
【0068】
詳細情報76には、疲労感改善案情報75に表示されている疲労感の改善案としての詳細な情報が表示されている。図示の例では、詳細情報76には、改善案の詳細な情報として、食事の内容を示す「豚肉の生姜焼き」の文字と、食事の内容が絵により示された画像とが表示されている。
【0069】
改善疲労通知部78には、詳細情報76に表示されている改善案が被検者に実施された場合として、算出部15に予測された被検者の未来の疲労度および疲労感度を通知するための情報が表示されている。改善疲労通知部78においては、被検者の端末30への操作に応じて、現在より一日後から現在より七日後までの一日ごとの情報を表示可能になっている。図示の例では、「三日後」が選択されていることにより、現在より三日後を対象とした情報が表示されている。また、改善疲労通知部78には、改善疲労度情報79と、改善疲労感情報80とが表示されている。
【0070】
改善疲労度情報79には、詳細情報76に表示されている改善案が被検者に実施された場合における被検者の未来の疲労度情報が表示されている。この改善疲労度情報79は、被検者の未来の疲労度が、10段階のうちの該当する段階として表示されている。図示の例では、被検者の未来の疲労度が、10段階のうちの「7」として表示されている。
【0071】
改善疲労感情報80には、詳細情報76に表示されている改善案が被検者に実施された場合における被検者の未来の疲労感情報が表示されている。この改善疲労感情報80は、被検者の未来の疲労感度が、10段階のうちの該当する段階として表示されている。図示の例では、被検者の未来の疲労感度が、10段階のうちの「2」として表示されている。
【0072】
図示の例では、改善疲労度情報79には、現在疲労度情報73に示されている値よりも大きい値であって、未来疲労度情報47(
図6参照)に示されている値と同じ値が表示されている。これは、詳細情報76に表示されている改善案が被検者に実施されても、被検者の疲労度が改善されないことを意味する。
【0073】
また、改善疲労感情報80には、未来疲労感情報48(
図6参照)に示されている値よりも小さい値が表示されている。これは、詳細情報76に表示されている改善案が被検者に実施される場合、実施されない場合よりも、現在から三日後における被検者の疲労感度が小さくなることを意味する。また、改善疲労感情報80には、現在疲労感情報74に示されている値よりも小さい値が表示されている。これは、詳細情報76に表示されている改善案が被検者に実施されることにより、被検者の未来の疲労感度が、現在よりも小さくなることを意味する。つまり、疲労感改善案情報75および詳細情報76に表示されている改善案は、被検者の疲労度を改善することなく疲労感を改善するための改善案である。なお、疲労感改善案情報75および詳細情報76には、被検者に実施された場合に、被検者の疲労度が疲労感よりも小さい程度に改善される改善案が表示されてもよい。すなわち、「疲労度よりも疲労感を大きく改善する」ことには、疲労度および疲労感を改善することも含まれる。ここで、疲労感改善案情報75および詳細情報76に表示されている改善案は、疲労度よりも疲労感を大きく改善するための疲労感改善案として捉えられる。
【0074】
被検者が、例えば疲労度改善案表示ボタン81を選択すると、端末30の表示部31には、疲労度改善画面としての改善案画面50(
図7参照)が再び表示される。
被検者が、例えば戻るボタン82を選択すると、表示部31には、疲労情報通知画面40(
図6参照)が再び表示される。
【0075】
なお、本実施形態では、疲労情報通知画面40(
図6参照)にて改善案表示ボタン49が選択されると、疲労度改善案画面としての改善案画面50(
図7参照)が端末30の表示部31に表示されている。本実施形態では、改善案表示ボタン49が選択された場合において、疲労情報通知画面40における現在疲労度情報43に示されている値が現在疲労感情報44に示されている値よりも大きい場合、疲労度改善案画面としての改善案画面50が表示部31に表示される。また、改善案表示ボタン49が選択された場合において、疲労情報通知画面40における現在疲労感情報44に示されている値が現在疲労度情報43に示されている値よりも大きい場合、疲労感改善案画面70が表示部31に表示される。すなわち、本実施形態では、改善案表示ボタン49が選択されると、被検者の現在の疲労度および疲労感度のうちの大きい方を優先的に改善させるための改善案が示された画面が表示部31に表示される。
【0076】
以上のように、本実施形態では、出力制御部17は、疲労度情報と疲労感情報とを、共に表示出力させる。
この場合、被検者が、実際の疲労度と疲労感とを同時に知ることが可能になる。
【0077】
また、本実施形態では、算出部15は、未来における疲労度および疲労感を予測する。そして、出力制御部17は、疲労度情報と疲労感情報とを共に表示出力させるとともに、算出部15による予測結果を表示出力させる。
この場合、被検者が、未来における疲労度および疲労感の現在からの変化を知ることが可能になる。
【0078】
また、本実施形態では、出力制御部17は、疲労度情報と疲労感情報とを共に表示出力させるとともに、さらに疲労度および疲労感を改善するための改善案を表示出力させる。
この場合、表示される疲労度情報と疲労感情報に応じて、被検者が改善案を実施するか否かを判断できるようになる。
【0079】
また、本実施形態では、算出部15は、改善案が被検者に実施された場合における疲労度および疲労感を予測する。そして、出力制御部17は、改善案とともに算出部15による予測結果を表示出力させる。
この場合、被検者が、改善案を実施した場合の効果を踏まえて、改善案を実施するか否かを判断できるようになる。
【0080】
また、本実施形態では、改善案には、疲労感よりも疲労度を大きく改善するための疲労度改善案と、疲労度よりも疲労感を大きく改善するための疲労感改善案とが含まれる。そして、出力制御部17は、疲労度と疲労感の程度とに応じた改善案を表示出力させる。
この場合、疲労度と疲労感の程度とに応じて、何れの改善案を優先的に提案するかを切り替えることができる。
【0081】
また、本実施形態では、算出部15は、生体情報取得部13に取得された生体情報から被検者の疲労感を推定することで、疲労感情報を取得する。
この場合、感覚情報が取得されていない場合であっても、疲労度情報と疲労感情報とを共に表示させることができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0083】
本実施形態では、改善案作成部16に作成された改善案が実施されない場合の被検者の未来の疲労度情報および疲労感情報が、改善案や改善案が被検者に実施された場合の被検者の未来の疲労度情報および疲労感情報が示された画面とは別の画面に表示されるが、これに限定されない。
例えば、改善案作成部16に作成された改善案が実施されない場合の被検者の未来の疲労度情報および疲労感情報が、改善案や改善案が被検者に実施された場合の被検者の未来の疲労度情報および疲労感情報が示された画面と同じ画面に表示されてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、疲労度改善案画面としての改善案画面50が、疲労感改善案画面70とは別の画面に表示されるが、これに限定されない。
例えば、疲労度改善案画面としての改善案画面50が、疲労感改善案画面70と同じ画面に表示されてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、改善案画面50や疲労感改善案画面70には、一の改善案が表示されているが、これに限定されない。
例えば、改善案画面50や疲労感改善案画面70には、二以上の改善案が表示されてもよい。この場合に、各々の改善案について、改善案が被検者に実施された場合における被検者の未来の疲労度情報および疲労感情報が表示されるようにしてもよい。また、二以上の改善案のうち実施される改善案に応じた被検者の未来の疲労度情報および疲労感情報が表示されるようにしてもよい。
さらに、一の画面に疲労度改善案と疲労感改善案とが表示されてもよい。そして、疲労度改善案および疲労感改善案の両方が被検者に実施された場合における被検者の疲労度情報および疲労感情報が表示されてもよい。
【0086】
また、本実施形態では、改善案画面50や疲労感改善案画面70に、被検者の現在の疲労度情報と疲労感情報とが表示されているが、これに限定されない。
例えば、改善案画面50や疲労感改善案画面70には、被検者の現在の疲労度情報と疲労感情報とが表示されていなくてもよい。また、疲労情報通知画面40に、被検者の疲労度や疲労感を改善するための改善案が表示される一方で、改善案が被検者に実施された場合における被検者の疲労度情報および疲労感情報が表示されないようにしてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、疲労度情報や疲労感情報として数値が表示される例を説明したが、これに限定されない。
例えば、疲労度情報や疲労感情報として、文字や、グラフ等の図が表示されてもよい。すなわち、疲労度情報および疲労感情報は、何れの態様により表示されてもよい。
また、疲労度情報や疲労感情報として、過去の疲労度情報や疲労感情報からの増減など、過去の疲労度情報や疲労感情報からの変化に関する情報が表示されてもよい。この変化に関する情報は、疲労度情報や疲労感情報としての数値、文字、グラフ等の図とともに表示されてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、被検者の未来の疲労度情報や疲労感情報として、現在より一日後から現在より一週間後までの情報が表示される例を説明したが、これに限定されない。
例えば、被検者の未来の疲労度情報や疲労感情報として、現在より一時間後の情報が表示されてもよい。また、現在より一か月後の情報や、現在より一年後の情報が表示されてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、感覚情報を用いて算出部15に作成された疲労感情報が表示されているが、これに限定されない。
例えば、感覚情報が、疲労感情報として表示されてもよい。そのため、感覚情報取得部14も、広義には、疲労感情報を取得する疲労感情報取得手段として捉えられる。また、疲労度情報についても、「全く疲れていない」、「あまり疲れていない」、「少し疲れている」、「それなりに疲れている」、「非常に疲れている」のうちの何れかの情報が表示されてもよい。すなわち、疲労度情報が、感覚情報と同じ表示態様により表示されてもよい。
【0090】
また、本実施形態では、改善案作成部16は、被検者の疲労度を改善するための改善案、および被検者の疲労感を改善するための改善案の両方を作成しているが、これに限定されない。
例えば、改善案作成部16は、疲労度を改善するための改善案および疲労感を改善するための改善案の少なくとも一方を作成し、出力制御部17は、改善案作成部16に作成された一方を表示出力させてもよい。また、算出部15は、改善案作成部16に作成された一方が被検者に実施された場合における被検者の疲労度情報および疲労感情報の少なくとも一方を作成し、出力制御部17は、算出部15に作成された一方を表示出力させてもよい。
【0091】
また、改善案画面50や疲労感改善案画面70に商品やサービスに関する改善案が表示される場合、この改善案画面50や疲労感改善案画面70を介して改善案としての商品やサービスを被検者が購入できるようにしてもよい。この場合、例えば、改善案画面50や疲労感改善案画面70に商品やサービスを購入するための購入ボタンを表示し、この購入ボタンが選択されると、端末30の表示部31には、商品やサービスを購入するためのWebページが表示されてもよい。そして、このWebページにて、被検者が商品を購入することができるようにしてもよい。さらに、改善案画面50や疲労感改善案画面70を介して改善案としての商品やサービスを被検者が購入する場合、商品やサービスが定価よりも安い価格により被検者が購入できるようにしてもよい。
【0092】
また、サーバ10は、被検者が用いるスケジューラーや日記等、被検者の日々の行動に関する行動情報が示されている情報媒体からこの行動情報を取得し、取得した行動情報に基づいて、被検者の未来の疲労度や疲労感を予測してもよい。例えば、サーバ10は、行動情報に示された特定の行動が行われた日の翌日における被検者の疲労度や疲労感が特に大きくなった結果が得られた場合、この特定の行動と、被検者の疲労度や疲労感の蓄積度とを対応付ける。そして、サーバ10は、未来においてこの特定の行動が予定されていることが行動情報に示されている場合、特定の行動が予定されている日以降の被検者の疲労度や疲労感が特に大きくなるように予測してもよい。また、サーバ10は、取得した行動情報に示されている被検者の行動と、被検者の疲労度や疲労感の蓄積度との関係を機械学習してもよい。そして、学習の結果に基づいて、被検者の行動ごとに、被検者の疲労度や疲労感の傾向を予測するようにしてもよい。
【0093】
また、サーバ10は、一の被検者の疲労度や疲労感度と、他の被検者の疲労度や疲労感度とを比較し、この比較結果を、一の被検者の疲労度情報および疲労感情報とともに、端末30の表示部31に表示させてもよい。例えば、サーバ10は、健康管理システム1の利用者全員を対象とした場合や、健康管理システム1の利用者のうちの一の被検者が属する企業の部署における利用者を対象とした場合において、一の被検者の疲労度や疲労感度の順位を表示させてもよい。また、例えば、サーバ10は、一の被検者が属する企業の部署における同僚など、一の被検者とは異なる他の被検者と比べて、一の被検者の疲労度や疲労感度が大きいか否かを示す情報を表示させてもよい。すなわち、出力制御部17は、疲労度情報と疲労感情報とを共に表示出力させるとともに、被検者と被検者とは異なる者との疲労度および疲労感の少なくとも一方の比較結果に関する情報を表示出力させるようにしてもよい。
この場合、被検者は、自身の疲労度や疲労感度と、他者の疲労度や疲労感度との関係を認識できるようになる。
【0094】
また、サーバ10は、算出部15に算出された被検者の疲労度と疲労感との関係に基づいて、被検者の疲労度に対する疲労感の持ち方に関する情報を作成し、作成した情報を、被検者の疲労度情報および疲労感情報とともに、端末30の表示部31に表示させてもよい。例えば、被検者の疲労度が疲労感度よりも大きく算出部15に算出された場合、サーバ10は、「あなたは、自分の疲れに気付きにくいタイプです」等、被検者が疲労度に対して疲労感度を小さく持っていることを示す情報を表示させてもよい。また、例えば、被検者の疲労感度が疲労度よりも大きく算出部15に算出された場合、サーバ10は、「疲れを感じやすいタイプです。」等、被検者が疲労度に対して疲労感度を大きく持っていることを示す情報を表示させてもよい。すなわち、出力制御部17は、疲労度情報と疲労感情報とを共に表示出力させるとともに、被検者の疲労度に対する疲労感の持ち方に関する情報を表示出力させるようにしてもよい。
この場合、被検者は、疲労感の持ち方に対する自身の考えを、疲労度との関係から認識できるようになる。
【0095】
また、本実施形態では、算出部15は、被検者の未来の疲労度および疲労感の両方を予測しているが、これに限定されない。
算出部15は、未来における疲労度および疲労感の少なくとも一方を予測すればよい。この場合に、出力制御部17は、算出部15に予測された一方に関する情報を、被検者の現在の疲労度情報および疲労感情報とともに表示出力させてもよい。
【0096】
また、本実施形態では、算出部15は、生体情報や感覚情報を用いて疲労度や疲労感度を算出しているが、これに限定されない。
例えば、算出部15は、身体情報を用いて疲労度や疲労感度を算出してもよい。また、例えば、サーバ10が、被検者の寝室の環境に関する環境情報を取得し、算出部15は、取得された環境情報を用いて、疲労度や疲労感度を算出してもよい。すなわち、算出部15による疲労度や疲労感度の算出には、何れの情報が用いられてもよい。
また、例えば、算出部15は、生体情報に基づいて、被検者の交感神経や副交感神経の作用等、被検者の自律神経の働きの度合いを算出し、算出した結果に基づいて被検者の疲労度や疲労感度を算出してもよい。そのため、自律神経に関する情報も、広義には、生体情報として捉えられる。
【0097】
また、本実施形態では、算出部15は、一日における生体情報や感覚情報等の情報に基づいて、被検者の現在の疲労度や疲労感度を算出しているが、これに限定されない。
例えば、算出部15は、二日以上の期間における情報に基づいて被検者の現在の疲労度や疲労感度を算出してもよい。
【0098】
また、算出部15は、感覚情報から疲労感情報を作成するとともに、生体情報から疲労感情報を作成してもよい。そして、疲労情報通知画面40や、改善案画面50や、疲労感改善案画面70に、算出部15に作成された二つの疲労感情報が表示されてもよい。
【0099】
また、算出部15は、改善案作成部16に作成された改善案が被検者に実施された場合における疲労度や疲労感度を算出するにあたり、現在から算出の対象となる日まで毎日改善案が実施された場合における疲労度や疲労感度を算出してもよい。また、現在から算出の対象となる日までの期間における一日だけ改善案が実施された場合における疲労度や疲労感度を算出してもよい。また、現在から算出の対象となる日までの期間において改善案が実施された日数に応じた疲労度や疲労感度を算出してもよい。
【0100】
また、サーバ10は、算出部15に算出された被検者の疲労度や疲労感度に応じて、被検者にポイントを付与してもよい。例えば、サーバ10は、算出部15に予め定められた値以下の疲労度や疲労感度が算出された期間が続くと、続いた期間に応じたポイントを被検者に付与してもよい。そして、被検者に用いられるポイントに応じて、改善案画面50や疲労感改善案画面70を介して購入される商品やサービスの価格が安くなってもよい。
【0101】
また、本実施形態では、被検者が端末30に身体情報や感覚情報等の情報を文字として入力しているが、これに限定されない。
例えば、被検者が音声により端末30に情報を入力してもよいし、情報が示された画像データを端末30に入力してもよい。すなわち、端末30への情報の入力態様は、何れの態様であってもよい。
また、例えば、被検者がスマートスピーカ等の音声入力手段に音声を入力し、音声が入力された音声入力手段からサーバ10へ、入力された音声に係る音声情報が送信されてもよい。すなわち、サーバ10は、端末30とは異なる情報入力手段から情報を取得してもよい。
【0102】
また、本実施形態では、生体情報取得部13は、マットセンサ20から生体情報を取得しているが、これに限定されない。生体情報取得部13は、マットセンサ20とは異なる生体情報の取得手段から生体情報を取得してもよい。すなわち、生体情報取得部13へ生体情報を送信する機能手段は、マットセンサ20に限定されない。
【0103】
また、本実施形態では、出力制御部17は、端末30に情報を出力させることを説明したが、これに限定されない。
例えば、出力制御部17は、端末30に情報を提供すればよく、端末30に情報を出力させなくてもよい。この場合に、出力制御部17は、疲労度情報と疲労感情報とを共に提供する提供手段として捉えられる。
【0104】
また、本実施形態では、サーバ10が、被検者の疲労度および疲労感度を算出し、算出した疲労度に係る疲労度情報と疲労感度に係る疲労感情報とを共に端末30の表示部31に表示させる構成としたが、これに限定されない。
例えば、端末30がサーバ10の機能を有してもよい。言い換えると、端末30が、サーバ10の登録受付部11、記憶部12、生体情報取得部13、感覚情報取得部14、算出部15、改善案作成部16、出力制御部17等の機能を備えることとしてもよい。
【0105】
また、本発明の実施形態を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットなどの通信手段を用いて提供することも可能である。
【符号の説明】
【0106】
1…健康管理システム、10…サーバ、11…登録受付部、12…記憶部、13…生体情報取得部、14…感覚情報取得部、15…算出部、16…改善案作成部、17…出力制御部、20…マットセンサ、30…端末、31…表示部