(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】駐車支援装置、駐車支援方法、及び、車両
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20230901BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20230901BHJP
【FI】
B60W30/06
B60R99/00 321
(21)【出願番号】P 2021161236
(22)【出願日】2021-09-30
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138771
【氏名又は名称】吉田 将明
(72)【発明者】
【氏名】神山 博貴
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-116013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
B60R 99/00
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、
前記車両が備える撮像装置から駐車枠を撮像した画像を受信する通信インタフェースと、
前記車両に乗車している乗員の人数
と、前記駐車枠を規定する2本の線の間の実際の距離とに基づいて、受信した前記画像から検出した前記駐車枠の端点の位置の補正値を決定するプロセッサと、を備える、
駐車支援装置。
【請求項2】
前記補正値は、前記乗員の人数が多いほど大きな値となる、
請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記各乗員の前記車両における着座位置に基づいて前記補正値を決定する、
請求項1又は2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記端点に対する前記撮像装置の相対的な位置に基づいて前記補正値を決定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記端点は、前記駐車枠を規定する2本の線のそれぞれに対応する第1の端点及び第2の端点を含み、
前記プロセッサは、前記第1の端点の位置の前記補正値と前記第2の端点の位置の前記補正値とを決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
駐車支援装置によって実行される、車両の駐車を支援する駐車支援方法であって、
前記車両が備える撮像装置から駐車枠を撮像した画像を受信し、
前記車両に乗車している乗員の人数
と、前記駐車枠を規定する2本の線の間の実際の距離とに基づいて、受信した前記画像から検出した前記駐車枠の端点の位置の補正値を決定する、
駐車支援方法。
【請求項7】
車両の外を撮像する撮像装置と、
前記車両に乗車している乗員の人数を検出する検出装置と、
前記撮像装置から駐車枠を撮像した画像を受信し、前記検出装置によって検出された前記乗員の人数
と、前記駐車枠を規定する2本の線の間の実際の距離とに基づいて、受信した前記画像から検出した前記駐車枠の端点の位置の補正値を決定し、決定した前記補正値を用いて補正した駐車枠に前記車両を駐車させるための経路を特定する駐車支援装置と、
特定された前記経路に基づいて前記車両の移動を制御する移動制御装置と、を備える、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車支援装置、駐車支援方法、及び、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載された撮像装置(例えばカメラ)による撮像画像から駐車場における車両の駐車枠を検出し、その検出結果を用いて車両の駐車枠への駐車を支援する技術が知られている。撮像装置による撮像画像から駐車枠を正しく検出するために、撮像装置の校正(キャリブレーション)が行われる(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-149711号公報
【文献】特開2017-188743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像装置の校正は車両に人が乗車していない状態で行われる。よって、車両に人が乗車している場合、撮像装置が地面に近づき、撮像装置の撮像画像から駐車枠を正しく検出できない場合がある。
【0005】
本開示の目的は、撮像画像から駐車枠をより正しく検出することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る駐車支援装置は、車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、前記車両が備える撮像装置から駐車枠を撮像した画像を受信する通信インタフェースと、前記車両に乗車している乗員の人数に基づいて、受信した前記画像から検出した前記駐車枠の端点の位置の補正値を決定するプロセッサと、を備える。
【0007】
本開示に係る駐車支援方法は、車両の駐車を支援する駐車支援方法であって、前記車両が備える撮像装置から駐車枠を撮像した画像を受信し、前記車両に乗車している乗員の人数に基づいて、受信した前記画像から検出した前記駐車枠の端点の位置の補正値を決定する。
【0008】
本開示に係る車両は、車両の外を撮像する撮像装置と、前記車両に乗車している乗員の人数を検出する検出装置と、前記撮像装置から駐車枠を撮像した画像を受信し、前記検出装置によって検出された前記乗員の人数に基づいて、受信した前記画像から検出した前記駐車枠の端点の位置の補正値を決定し、決定した前記補正値を用いて補正した駐車枠に前記車両を駐車させるための経路を特定する駐車支援装置と、特定された前記経路に基づいて前記車両の移動を制御する移動制御装置と、を備える。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、撮像画像から駐車枠より正しく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態に係る車両の構成例を示す模式図
【
図2】本実施の形態に係る車両及び駐車支援装置の構成例を示すブロック図
【
図4】駐車支援装置の処理の概要を示すフローチャート
【
図5】実際の目標駐車枠の端点と、撮像画像から検出される端点とのずれを説明するための図
【
図7】車両の撮像装置と目標駐車枠との相対的な位置関係を示す模式図
【
図8】間口幅3500mmの第1の端点の補正値テーブルの一例を示す図
【
図9】間口幅3500mmの第2の端点の補正値テーブルの一例を示す図
【
図10】間口幅2300mmの第1の端点の補正値テーブルの一例を示す図
【
図11】間口幅2300mmの第2の端点の補正値テーブルの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(本実施の形態)
<車両の構成>
図1及び
図2を参照して、本実施の形態に係る車両1の構成の一例を説明する。
図1は、本実施の形態に係る車両1の構成例を示す模式図である。
図2は、本実施の形態に係る車両1及び駐車支援装置20の構成例を示すブロック図である。
【0014】
車両1は、撮像装置11(11A、11B、11C、11D)、周囲検出装置12、出力装置13、入力装置14、無線通信装置15、移動制御装置16、乗員検出装置17、及び、駐車支援装置20を備える。これらの装置11、12、13、14、15、16、17、20は、車内ネットワーク18を通じて互いに情報を送受信できてよい。車内ネットワーク18の例として、CAN(Controller Area Network)、LIN、FlexRayが挙げられる。
【0015】
撮像装置11Aは、例えば車両1のフロントグリルに設置され、車両1の前方を撮像する。撮像装置11Aは、フロントカメラと読み替えられてよい。
【0016】
撮像装置11Bは、例えば車両1の左サイドミラーに設置され、車両1の左方を撮像する。撮像装置11Bは、少なくとも車両1の左方の地面が撮像されるように設置されてよい。撮像装置11Bは、左サイドカメラと読み替えられてよい。
【0017】
撮像装置11Cは、例えば車両1の右サイドミラーに設置され、車両1の右方を撮像する。撮像装置11Cは、少なくとも車両1の右方の地面が撮像されるように設置されてよい。撮像装置11Cは、右サイドカメラと読み替えられてよい。
【0018】
撮像装置11Dは、例えば車両1のトランク付近に設置され、車両1の後方を撮像する。撮像装置11Dは、リアカメラと読み替えられてよい。
【0019】
周囲検出装置12は、車両1の外の周囲の状況を検出する。周囲検出装置12の例として、カメラ、ミリ波レーダ及びLiDAR(Light Detection And Ranging)の少なくとも1つが挙げられる。
【0020】
出力装置13は、車両1内に設置され、車両1の乗員(運転者を含む)に向けて各種情報を出力する。出力装置13の例として、ディスプレイ又はスピーカが挙げられる。
【0021】
入力装置14は、車両1内に設置され、車両1の乗員からの指示を受け付ける。入力装置14の例として、ボタン、スイッチ、ダイヤル、タッチパネル又はマイクが挙げられる。
【0022】
無線通信装置15は、セルラ網(図示しない)を通じて様々な情報を送受信できてよい。セルラ網の例として、LTE(Long Term Evolution)、4G、5Gが挙げられる。
【0023】
移動制御装置16は、車両1の移動を制御する。移動制御装置16は、運転者によるハンドル操作に応じて、又は、後述する駐車支援装置20の指示に応じて、車両1のステアリングを制御してよい。移動制御装置16は、運転者によるアクセル操作、ブレーキ操作、又は、シフトレバー操作に応じて、車両1の加速、減速、又は、シフト切り替えを制御してよい。
【0024】
乗員検出装置17は、車両1に乗車している人数を検出する装置である。さらに、乗員検出装置17は、車両1のどの座席に乗員が着座しているかを検出してよい。例えば、乗員検出装置17は、各座席に備えられる重量センサの検出結果に応じて、乗員が着座している座席を検出してよい。あるいは、乗員検出装置17は、各座席に搭載されるシートベルトの装着状況に応じて、乗員が着座している座席を検出してよい。
【0025】
駐車支援装置20は、駐車枠への車両1の駐車を支援する。駐車支援装置20は、プロセッサ21、メモリ22、及び、通信I/F(Interface)23を備えてよい。プロセッサ21は、メモリ22又は通信I/F23と協調動作して駐車支援装置20の処理を実行する。プロセッサ21は、メモリ22からプログラムを読み出して実行してよい。プロセッサ21は、通信I/F23を通じて他の装置と情報を送受信してよい。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、制御回路、コントローラ、LSI(Large Scale Integration)といった他の用語に読み替えられてよい。メモリ22は、プログラム又はデータ等を記憶する。メモリ22は、ROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含んで構成されてよい。メモリ22は、不揮発性記憶媒体の一例としてフラッシュメモリを含んで構成されてよい。通信I/F23は、車内ネットワーク18に接続されてよい。後述する駐車支援装置20が主体の処理は、駐車支援装置20のプロセッサ21が主体の処理に読み替えることができる。駐車支援装置20は、ECU(Electronic Control Unit)として構成されてよい。なお、駐車支援装置20の処理の詳細については後述する。
【0026】
<駐車支援の概要>
図3及び
図4を参照して、車両1の駐車支援の概要について説明する。
図3は、車両1の駐車支援の概要を説明するための図である。
図4は、駐車支援装置20の処理の概要を示すフローチャートである。
【0027】
運転者は、まず
図3(a)に示すように、車両1を駐車させたい駐車枠Pの横に停車させる。
【0028】
運転者は、入力装置14の一つである駐車支援スイッチをオンにする(S1)。これにより、駐車支援装置20は、以下の処理を開始する。
【0029】
駐車支援装置20は、車両1を駐車させたい駐車枠Pに近い方の撮像装置11Bが撮像した画像(以下、撮像画像と称する)100に基づいて、駐車枠Pを検出する(S2)。
【0030】
駐車支援装置20は、
図3(a)に示すように、ステップS2にて検出した駐車枠Pを出力装置13に表示すると共に、この駐車枠Pに車両1を駐車するか否かを運転者に問い合わせる。
【0031】
運転者が入力装置14を通じてこの駐車枠Pに車両1を駐車すると指示した場合(例えば、
図3(a)の「はい」ボタンを選択した場合)、駐車支援装置20は、この駐車枠Pを目標駐車枠41に設定する(S3)。
【0032】
駐車支援装置20は、目標駐車枠41に車両1を駐車させるための経路(以下、駐車経路と称する)を特定及び設定する(S4)。
【0033】
駐車支援装置20は、
図3(b)に示すように、駐車経路に基づいて車両1の前進方向の切り返し枠42Aを決定し、当該切り返し枠42Aを出力装置13に表示する(S5)。
【0034】
駐車支援装置20は、車両1の前進に合わせて、車両1が前進方向の切り返し枠42A内に移動するように、移動制御装置16を通じてステアリングを自動制御する(S6)。このとき、運転者は、ハンドルを操作せずに、アクセル又はブレーキを操作して車両1を前進させてよい。あるいは、駐車支援装置20は、移動制御装置16を通じてアクセル又はブレーキを自動制御してもよい。
【0035】
車両1が前進方向の切り返し枠42A内に移動した場合、駐車支援装置20は、
図3(c)に示すように、駐車経路に基づいて車両1の後退方向の切り返し枠42Bを決定し、当該切り返し枠42Bを出力装置13に表示する(S7)。当該切り返し枠42Bは、目標駐車枠41内に表示されてよい。
【0036】
駐車支援装置20は、車両1の後退に合わせて、車両1が後退方向の切り返し枠42B内に移動するように、移動制御装置16を通じてステアリングを自動制御する(S8)。このとき、運転者は、ハンドルを操作せずに、アクセル又はブレーキを操作して車両1を後退させてよい。あるいは、駐車支援装置20は、移動制御装置16を通じてアクセル又はブレーキを自動制御してもよい。
【0037】
駐車支援装置20は、車両1が後退方向の切り返し枠42B内すなわち目標駐車枠4141内に移動した場合、処理を終了する。
【0038】
これにより、運転者は、アクセル又はブレーキを操作するだけで、簡単に車両1を目標駐車枠41に駐車させることができる。
【0039】
<駐車枠の端点のずれ>
図5を参照して、実際の目標駐車枠41の端点と、撮像画像100から検出される端点とのずれについて説明する。
図5は、実際の目標駐車枠41の端点と、撮像画像100から検出される端点とのずれを説明するための図である。また、
図5に示す撮像画像100は、撮像装置11B(左サイドカメラ)によって撮像されたものである。
【0040】
駐車支援装置20は、目標駐車枠41の2本の白線102A、102Bを含む撮像画像100を、目標駐車枠41の2本の白線102A、102Bを検出するための画像に変形する。以下、当該変形された画像を、駐車枠検出用画像101と称する。駐車枠検出用画像101は、撮像画像100を俯瞰画像に変形したものであってよい。また、本実施の形態では、駐車枠が白線であるとして説明するが、駐車枠の色は白に限られない。したがって、駐車枠の白線は、駐車枠の線と読み替えられてよい。
【0041】
駐車支援装置20は、駐車枠検出用画像101から、2本の白線102A、102Bを検出し、目標駐車枠41を規定する。そして、駐車支援装置20は、駐車枠検出用画像101から検出した目標駐車枠41の2本の白線102A、102Bに基づき、白線102Aの撮像装置11に近い端点を第1の端点103Aとして検出し、白線102Bの撮像装置11に近い端点を第2の端点103Bとして検出する。
【0042】
図5の駐車枠検出用画像101Aは、車両1に人が乗車していない場合の駐車枠検出用画像101の一例を示し、
図5の駐車枠検出用画像101Bは、車両1に人が乗車している場合の駐車枠検出用画像101の一例を示す。
【0043】
車両1に人が乗車している場合、乗員の重さにより車両1が沈み込み、撮像装置11が地面に近づく。そのため、
図5に示すように、車両1に人が乗車している場合の駐車枠検出用画像101Bでは、車両1に人が乗車していない場合の駐車枠検出用画像101Aと比べて、目標駐車枠41の白線102Aの第1の端点103Aと、白線102Bの第2の端点103Bとの間の距離が広く検出される可能性がある。例えば、第1の端点103Aと第2の端点103Bとの間の距離(以下、端点間の距離と称する)が、車両1に人が乗車していない場合にW1(例えば3500mm)と推定され、車両1に人が乗車している場合にW2(例えば3900mm)(>W1)と推定される可能性がある。すなわち、車両1に人が乗車している場合と乗車していない場合とで、端点間の距離にΔW(=W2-W1)のずれが生じる可能性がある。なお、本実施の形態において、白線102Aと白線102Bとの間の実際の距離、又は、第1の端点103Aと第2の端点103Bとの間の実際の距離を、間口幅と称する場合がある。
【0044】
そこで、以下では、車両1に人が乗車している場合に、第1の端点103A及び第2の端点103Bの位置を補正することにより、端点間の距離を適切に推定する駐車支援装置20について説明する。
【0045】
<車両の乗車人数及び着座位置の検出>
図6を参照して、車両1の乗車人数及び着座位置の検出について説明する。
図6は、車両1の座席の位置を示す模式図である。
【0046】
例えば、乗員検出装置17は、各座席30A、30B、30C、30Dに備えられる重量センサの検出結果又はシートベルトの装着状況に応じて、どの座席に人が乗車しているかを検出する。これにより、乗員検出装置17は、車両1の乗車人数及び着座位置を検出できる。この検出結果は、後に
図8及び
図9を参照して説明する第1の端点103A及び第2の端点103Bの位置の補正値の決定に用いられる。なお、
図6では、車両1が4つの座席を備える例を示したが、車両1が備える座席数はいくつであってもよい。また、座席の位置も
図6に示す例に限られない。
【0047】
<目標駐車枠に対する撮像装置の相対位置の検出>
図7を参照して、目標駐車枠41に対する撮像装置10の相対位置の検出について説明する。
図7は、車両1の撮像装置10と目標駐車枠41との相対的な位置関係を示す模式図である。なお、
図7では、車両1の左側に目標駐車枠41が存在する場合の例を示しているが、車両1の右側に目標駐車枠41が存在する場合もある。この場合、駐車支援装置20は、撮像装置11C(右サイドカメラ)の相対位置を検出すればよい。同様に、駐車支援装置20は、車両1の前方に目標駐車枠41が存在する場合、撮像装置11A(フロントカメラ)の相対位置を検出し、車両1の後方に目標駐車枠41が存在する場合、撮像装置D(リアカメラ)の相対位置を検出してよい。
【0048】
駐車支援装置20は、撮像装置11B(左サイドカメラ)が駐車枠検出範囲104内に位置する場合、駐車支援を開始してよい。このとき、駐車支援装置20は、撮像装置11Bが駐車枠検出範囲104に含まれる領域105A,105B,105Cのいずれに位置するかを特定する。駐車枠検出範囲104は矩形であってよく、駐車枠検出範囲104を画定する2辺は、目標駐車枠41の2本の白線102A、102Bを車両1に向けて延長したものであってよい。駐車枠検出範囲104の領域105A,105B,105Cは、それぞれ、
図7に示すように、駐車枠検出範囲104を車両1の進行方向に3つに分割した場合の各領域であってよい。
【0049】
例えば、駐車支援装置20は、駐車枠検出用画像101における目標駐車枠41の2本の白線102A、102Bの位置に基づいて、撮像装置11Bが駐車枠検出範囲104に含まれる領域105A、105B、105Cのいずれに位置しているかを特定する。この特定結果は、後に
図8及び
図9を参照して説明する第1の端点103A及び第2の端点103Bの位置の補正値の決定に用いられる。なお、
図7では、駐車枠検出範囲104を3つの領域に分割する例を示したが、分割数はいくつであってもよい。
【0050】
次に、第1の端点103A及び第2の端点103Bの補正値の決定方法の一例について説明する。なお、当該説明では、便宜上、
図7に示すように、車両1が進行する方向をX軸とし、地面に沿っており(例えば平行であって)X軸に対して垂直な軸をY軸とする。加えて、2本の白線102A、102BがY軸に平行であるとする。なお、これらの方向は、説明の便宜上用いられるものであって、駐車支援装置20の実使用時における車両1に対する第1の端点103A及び第2の端点103Bの補正の方向を限定するものではない。
【0051】
<間口幅が3500mmの場合の第1の端点の補正値の決定方法>
図8を参照して、第1の端点103Aの補正値の決定方法について説明する。
図8は、間口幅が3500mmの場合の第1の端点の補正値テーブル35の一例を示す。
【0052】
上述したように、駐車支援装置20は、駐車枠検出用画像101の目標駐車枠41の白線102Aから第1の端点103Aの位置を検出し、白線102Bから第2の端点103Bの位置を検出する。ここで、第1の端点103A及び第2の端点103Bの位置に基づいて目標駐車枠41を推定する場合、次の問題が生じるおそれがある。すなわち、車両1に人が乗車している場合の駐車枠検出用画像101において、第1の端点103A及び第2の端点103Bの少なくとも1つの位置が実際の端点の位置からずれて検出されるおそれがある。その結果、駐車支援装置20は、目標駐車枠41の推定サイズを誤ってしまい、車両1を目標駐車枠41に正しく駐車できないおそれがある。
【0053】
また、目標駐車枠41に対する撮像装置11Bの相対位置の違いによって、撮像画像100における第1の端点103A及び第2の端点103Bの位置及び歪みが変化し得るため、駐車枠検出用画像101に変換した際の第1の端点103A及び第2の端点103Bの位置も変化し得る。そのため、目標駐車枠41に対する撮像装置11Bの相対位置が異なる駐車枠検出用画像101において、目標駐車枠41の第1の端点103A及び第2の端点103Bの間の距離が実際の距離よりも大きく(又は小さく)算出される場合がある。つまり、駐車支援装置20が、目標駐車枠41の推定サイズを誤ってしまう場合がある。
【0054】
そこで、駐車支援装置20は、車両1の乗車人数及び乗員の着座位置、並びに、目標駐車枠41に対する撮像装置11Bの相対位置の少なくも1つに応じて、第1の端点103A及び第2の端点103Bの少なくとも1つの位置を補正することにより、目標駐車枠41を精度よく推定する。第1の端点の補正値テーブル35は第1の端点103Aの位置の補正の大きさを定めるテーブルであり、第2の端点の補正値テーブル36は第2の端点103Bの位置の補正の大きさを定めるテーブルである。
【0055】
まず、第1の端点の補正値テーブル35について説明する。第1の端点の補正値テーブル35は、
図8に示すように、車両1に乗車している人数及び着座位置と、領域105A、105B、105Cと、第1の端点103Aの位置の補正値とを関係付けるテーブルであってよい。第1の端点の補正値テーブル35は、駐車支援装置20のメモリ22に予め格納されてよい。
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35内の補正値は、撮像装置11B(左サイドカメラ)に対応するものである。よって、撮像装置11C(右サイドカメラ)に対応する第1の端点の補正値テーブル35内の補正値は、
図8に示す補正値と異なってよい。また、第1の端点の補正値テーブル35内の補正値は、車種ごとに異なってよい。また、第1の端点の補正値テーブル35内の補正値は、実験又はシミュレーション等によって定められてよい。なお、第1の端点の補正値テーブル35は、第1の端点103Aの補正値情報と読み替えられてもよい。
【0056】
駐車支援装置20は、間口幅が3500mmの場合、
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35を参照し、例えば、次の処理を行う。
【0057】
駐車支援装置20は、座席30Aに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35を参照して、第1の端点103Aの補正値を100mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に100mmずらした位置に補正する。
【0058】
駐車支援装置20は、座席30A及び30Bに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35を参照して、第1の端点103Aの補正値を200mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に200mmずらした位置に補正する。
【0059】
駐車支援装置20は、座席30A、30B及び30Cに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35を参照して、第1の端点103Aの補正値を300mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に300mmずらした位置に補正する。
【0060】
駐車支援装置20は、座席30A、30B、30C及び30Dに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35を参照して、第1の端点103Aの補正値を400mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に400mmずらした位置に補正する。
【0061】
このように、乗員の人数が多いほど第1の端点103Aの補正値は大きくなってよい。
【0062】
駐車支援装置20は、座席30Aに乗員が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Bに位置することを検出した場合、
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35を参照して、第1の端点103Aの補正値を50mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に50mmずらした位置に補正する。
【0063】
駐車支援装置20は、座席30Aに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Cに位置する場合、
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35を参照して、第1の端点103Aの補正値を20mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に20mmずらした位置に補正する。
【0064】
このように、乗員の人数及び着座位置が同じであっても、撮像装置11Bが位置する領域が異なる場合、第1の端点103Aの補正値は異なってよい。
【0065】
なお、駐車支援装置20は、
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35の他の項目についても同様の処理を行ってよい。
【0066】
<間口幅が3500mmの場合の第2の端点の補正値の決定方法>
図9を参照して、第2の端点103Bの補正値の決定方法について説明する。
図9は、間口幅が3500mmの場合の第2の端点の補正値テーブル36の一例を示す。
【0067】
駐車支援装置20は、上述した
図8に示す第1の端点の補正値テーブル35を用いて第1の端点103Aの補正値を決定する場合と同様、
図9に示す第2の端点の補正値テーブル36を用いて第2の端点103Bの補正値を決定してよい。例えば、駐車支援装置20は、間口幅が3500mmの場合、次の処理を行う。
【0068】
駐車支援装置20は、座席30Aに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図9に示す第2の端点の補正値テーブル36を参照して、第2の端点103Bの補正値を10mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に10mmずらした位置に補正する。
【0069】
駐車支援装置20は、座席30A及び30Bに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図9に示す第2の端点の補正値テーブル36を参照して、第2の端点103Bの補正値を20mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に20mmずらした位置に補正する。
【0070】
駐車支援装置20は、座席30A、30B及び30Cに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図9に示す第2の端点の補正値テーブル36を参照して、第2の端点103Bの補正値を40mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に40mmずらした位置に補正する。
【0071】
駐車支援装置20は、座席30A、30B、30C及び30Dに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図9に示す第2の端点の補正値テーブル36を参照して、第2の端点103Bの補正値を70mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に70mmずらした位置に補正する。
【0072】
このように、乗員の人数が多いほど第2の端点103Bの補正値は大きくなってよい。
【0073】
駐車支援装置20は、座席30A、30B、30C及び30Dに人が着座し、撮像装置11Bが領域105Bに位置することを検出した場合、
図9に示す第2の端点の補正値テーブル36を参照して、第2の端点103Bの補正値を80mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に80mmずらした位置に補正する。
【0074】
駐車支援装置20は、座席30A、30B、30C及び30Dに人が着座し、撮像装置11Bが領域105Cに位置することを検出した場合、
図9に示す第2の端点の補正値テーブル36を参照して、第2の端点103Bの補正値を90mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に90mmずらした位置に補正する。
【0075】
このように、乗員の人数及び着座位置が同じであっても、撮像装置11Bが位置する領域が異なる場合、第2の端点103Bの補正値は異なってよい。
【0076】
また、駐車支援装置20は、
図7に示すY軸方向における車両1の位置に応じて、第1の端点103A及び第2の端点103Bの補正値を変えてもよい。
【0077】
<間口幅が2300mmの場合の第1の端点の補正値の決定方法>
第1の端点の補正値は、間口幅によって変化してよい。次に、
図10を参照して、間口幅が2300mmの場合の第1の端点103Aの補正値の決定方法について説明する。
図10は、間口幅が2300mmの場合の第1の端点の補正値テーブル37の一例を示す。
【0078】
駐車支援装置20は、上述した
図8に示す間口幅が3500mmの場合の第1の端点の補正値テーブル35を用いて第1の端点103Aの補正値を決定する場合と同様、
図10に示す間口幅が2300mmの場合の第1の端点の補正値テーブル37を用いて第1の端点103Aの補正値を決定してよい。例えば、駐車支援装置20は、間口幅が2300mmの場合、次の処理を行う。
【0079】
駐車支援装置20は、座席30Aに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図10に示す第1の端点の補正値テーブル37を参照して、第1の端点103Aの補正値を30mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に30mmずらした位置に補正する。
【0080】
駐車支援装置20は、座席30A及び30Bに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図10に示す第1の端点の補正値テーブル37を参照して、第1の端点103Aの補正値を50mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に50mmずらした位置に補正する。
【0081】
駐車支援装置20は、座席30A、30B及び30Cに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図10に示す第1の端点の補正値テーブル37を参照して、第1の端点103Aの補正値を100mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に100mmずらした位置に補正する。
【0082】
駐車支援装置20は、座席30A、30B、30C及び30Dに人が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図10に示す第1の端点の補正値テーブル37を参照して、第1の端点103Aの補正値を150mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に150mmずらした位置に補正する。
【0083】
このように、乗員の人数が多いほど第1の端点103Aの補正値は大きくなってよい。
【0084】
駐車支援装置20は、座席30Aに乗員が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Bに位置することを検出した場合、
図10に示す第1の端点の補正値テーブル37を参照して、第1の端点103Aの補正値を10mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、X軸方向に10mmずらした位置に補正する。
【0085】
駐車支援装置20は、座席30Aに乗員が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Cに位置することを検出した場合、
図10に示す第1の端点の補正値テーブル37を参照して、第1の端点103Aの補正値を0mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置を、補正しない。
【0086】
このように、乗員の人数及び着座位置が同じであっても、撮像装置11Bが位置する領域が異なる場合、第1の端点103Aの補正値は異なってよい。
【0087】
なお、駐車支援装置20は、
図10に示す第1の端点の補正値テーブル37の他の項目についても同様の処理を行ってよい。
【0088】
<間口が2300mmの場合の第2の端点の補正値の決定方法>
図11を参照して、第2の端点103Bの補正値の決定方法について説明する。
図11は、間口幅が2300mmの場合の第2の端点の補正値テーブル38の一例を示す。
【0089】
駐車支援装置20は、上述した
図9に示す間口幅が3500mmの場合の第2の端点の補正値テーブル36を用いて第2の端点103Bの補正値を決定する場合と同様、
図11に示す間口が2300mmの場合の第2の端点の補正値テーブル38を用いて第2の端点103Bの補正値を決定してよい。例えば、駐車支援装置20は、間口幅が2300mmの場合、次の処理を行う。
【0090】
駐車支援装置20は、座席30Aに乗員が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図11に示す第2の端点の補正値テーブル38を参照して、第2の端点103Bの補正値を0mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、補正しない。
【0091】
駐車支援装置20は、座席30A及び30Bに乗員が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図11に示す第2の端点の補正値テーブル38を参照して、第2の端点103Bの補正値を10mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に10mmずらした位置に補正する。
【0092】
駐車支援装置20は、座席30A、30B及び30Cに乗員が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図11に示す第2の端点の補正値テーブル38を参照して、第2の端点103Bの補正値を30mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に30mmずらした位置に補正する。
【0093】
駐車支援装置20は、座席30A、30B、30C及び30Dに乗員が着座し、かつ、撮像装置11Bが領域105Aに位置することを検出した場合、
図11に示す第2の端点の補正値テーブル38を参照して、第2の端点103Bの補正値を50mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に50mmずらした位置に補正する。
【0094】
このように、乗員の人数が多いほど第2の端点103Bの補正値は大きくなってよい。
【0095】
駐車支援装置20は、座席30A、30B、30C及び30Dに人が着座し、撮像装置11Bが領域105Bに位置することを検出した場合、
図11に示す第2の端点の補正値テーブル38を参照して、第2の端点103Bの補正値を60mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に60mmずらした位置に補正する。
【0096】
駐車支援装置20は、座席30A、30B、30C及び30Dに人が着座し、撮像装置11Bが領域105Cに位置することを検出した場合、
図11に示す第2の端点の補正値テーブル38を参照して、第2の端点103Bの補正値を70mmに決定する。すなわち、駐車支援装置20は、第2の端点103Bの位置を、X軸方向に70mmずらした位置に補正する。
【0097】
このように、乗員の人数及び着座位置が同じであっても、撮像装置11Bが位置する領域が異なる場合、第2の端点103Bの補正値は異なってよい。
【0098】
なお、駐車支援装置20は、
図11に示す第2の端点の補正値テーブル38の他の項目についても同様の処理を行ってよい。
【0099】
このように、間口幅が異なると、端点間の距離の補正値が異なり得る。例えば、間口幅が小さくなると、端点間の距離の補正値が小さくなってよい。
【0100】
以上の処理により、駐車支援装置20は、車両1の乗車人数及び乗員の着座位置、並びに、目標駐車枠41に対する撮像装置11Bの相対位置の少なくとも1つに応じて、第1の端点103A及び第2の端点103Bの少なくとも1つの位置を適切に補正できる。よって、駐車支援装置20は、補正した第1の端点103A及び第2の端点103Bの位置を用いて、より高い精度で目標駐車枠41を推定することができる。すなわち、駐車支援装置20は、目標駐車枠41を高い精度で推定し、目標駐車枠41に対する車両1の駐車位置の誤差を低減することができる。
【0101】
(本開示のまとめ)
本開示の内容は次のように表現できる。
【0102】
<項目1>
車両1の駐車を支援する駐車支援装置20は、車両1が備える撮像装置11から駐車枠を撮像した画像を受信する通信インタフェース23と、車両1に乗車している乗員の人数に基づいて、受信した画像から検出した駐車枠の端点103A、103Bの位置の補正値を決定するプロセッサ21と、を備える。
これにより、駐車支援装置20は、車両1に乗車している乗員の人数によって生じ得る、画像から検出される駐車枠の端点103A、103Bの位置のずれを、適切に補正することができる。よって、車両1は、位置ずれを補正した駐車枠に、精度良く駐車することができる。
【0103】
<項目2>
項目1に記載の駐車支援装置20において、補正値は、乗員の人数が多いほど大きな値となってよい。
これにより、駐車支援装置20は、車両1に乗車している乗員の人数に応じた補正値を決定できる。
【0104】
<項目3>
項目1又は2に記載の駐車支援装置20において、プロセッサ21は、各乗員の車両1における着座位置に基づいて補正値を決定してよい。
これにより、駐車支援装置20は、車両1に乗車している乗員の着座位置に応じた補正値を決定できる。
【0105】
<項目4>
項目1から3のいずれか1項に記載の駐車支援装置20において、プロセッサ21は、端点103A、103Bに対する撮像装置11の相対的な位置に基づいて補正値を決定してよい。
これにより、駐車支援装置20は、端点103A、103Bに対する撮像装置11の相対的な位置に応じた補正値を決定できる。
【0106】
<項目5>
項目1から4のいずれか1項に記載の駐車支援装置20において、端点103A、103Bは、駐車枠を規定する2本の線102A、102Bのそれぞれに対応する第1の端点103A及び第2の端点103Bを含み、プロセッサ21は、第1の端点103Aの位置の補正値と第2の端点103Bの位置の補正値とを決定してよい。
これにより、駐車支援装置20は、第1の端点103Aの位置の補正値と第2の端点103Bの位置の補正値とをそれぞれ決定できる。
【0107】
<項目6>
項目1から5のいずれか1項に記載の駐車支援装置20において、プロセッサ21は、駐車枠を規定する2本の線102A、102Bの間の実際の距離に基づいて、補正値を決定してよい。
これにより、駐車支援装置20は、駐車枠を規定する2本の線102A、102Bの間の実際の距離に応じた適切な補正値を決定できる。
【0108】
<項目7>
車両1の駐車を支援する駐車支援方法は、車両1が備える撮像装置11から駐車枠を撮像した画像を受信し、車両1に乗車している乗員の人数に基づいて、受信した画像から検出した駐車枠の端点103A、103Bの位置の補正値を決定する。
これにより、駐車支援方法は、車両1に乗車している乗員の人数によって生じ得る、画像から検出される駐車枠の端点103A、103Bの位置のずれを、適切に補正することができる。よって、車両1は、駐車枠により精度良く駐車することができる。
【0109】
<項目8>
車両1は、車両1の外を撮像する撮像装置11と、車両1に乗車している乗員の人数を検出する検出装置17と、撮像装置11から駐車枠を撮像した画像を受信し、検出装置17によって検出された乗員の人数に基づいて、受信した画像から検出した駐車枠の端点103A、103Bの位置の補正値を決定し、決定した補正値を用いて補正した駐車枠に車両1を駐車させるための経路を特定する駐車支援装置20と、特定された経路に基づいて車両1の移動を制御する移動制御装置16と、を備える。
これにより、車両1は、当該車両1に乗車している乗員の人数によって生じ得る、画像から検出される駐車枠の端点103A、103Bの位置のずれを、適切に補正することができる。よって、車両1は、位置ずれを補正した駐車枠に、精度良く駐車することができる。
【0110】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本開示の技術は、車両に利用可能であり、例えば車両を駐車枠に駐車させる場合に有用である。
【符号の説明】
【0112】
1 車両
11、11A、11B、11C、11D 撮像装置
12 周囲検出装置
13 出力装置
14 入力装置
15 無線通信装置
16 移動制御装置
17 乗員検出装置
18 車内ネットワーク
20 駐車支援装置
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信I/F
30A、30B、30C、30D 座席
35、37 第1の端点の補正値テーブル
36、38 第2の端点の補正値テーブル
41 目標駐車枠
42A、42B 切り返し枠
100 撮像画像
101A、101B 駐車枠検出用画像
102A、102B 白線
103A 第1の端点
103B 第2の端点
104 駐車枠検出範囲
105A、105B、105C 領域