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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/02 20060101AFI20230901BHJP
   A47B 57/40 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
A47B47/02 C
A47B57/40 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019099925
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020192110
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】越智 景子
(72)【発明者】
【氏名】平井 良治
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】西独国特許出願公開第02007769(DE,A)
【文献】特開2003-235652(JP,A)
【文献】実開平05-068360(JP,U)
【文献】特開2002-165679(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0306392(US,A1)
【文献】特開2006-345943(JP,A)
【文献】独国実用新案第000029719687(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 43/00-45/00
A47B 47/00-47/06
A47B 57/00-57/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納間口方向両側に配される棚板を保持する棚受部材が収納間口方向両側のそれぞれに取り付けられる棚支持部材を備えており、
前記棚受部材、前記棚支持部材の収納間口方向両側のそれぞれにおいて開口するように設けられた差込孔に差し込まれる差込片と、この差込片を有し、かつ収納間口方向に厚さ方向を沿わせて配される板状とされ前記棚支持部材に沿わせられて取り付けられる取付片部と、この取付片部の下端部から収納間口方向中央側に向けて突出するように設けられ前記棚板が載置される支持片部と、前記取付片部の下端部から一連状に下方側に向けて延出するように設けられた延出片部と、を備えており、
前記棚支持部材の収納間口方向両側の差込孔は、互いに同高さに位置するように、かつ収納間口方向に見て重なり合わない位置となるように設けられていることを特徴とする収納装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記棚支持部材の収納間口方向両側の差込孔は、平面視して点対称状の位置となるように設けられていることを特徴とする収納装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記棚支持部材には、上下の設置方向を確認可能な目印が設けられていることを特徴とする収納装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記棚支持部材の収納間口方向両側には、収納奥行方向に間隔を空けて複数の前記差込孔が設けられ、前記棚受部材には、これら複数の差込孔のそれぞれに差し込まれる複数の差込片が設けられていることを特徴とする収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、棚板を有し、住居等の建物内に設置される収納装置が知られている。このような収納装置においては、収納間口(幅)方向に複数の収納空間を区分する複数の側板や支柱等の棚支持部材を有し、これら棚支持部材の収納間口方向両側のそれぞれに棚板の保持が可能な構成とされたものも知られている。
例えば、下記特許文献1には、床面に立設される複数本の支柱の左右の側面の巾方向(収納奥行方向)の中央位置に、棚受け板に設けられた引っ掛け片が挿通される挿通穴を設けた構成とされた収納ラックの棚受け板の取り付け構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-235652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された取り付け構造では、支柱の左右の側面のそれぞれの巾方向の中央位置に挿通穴を設けた構成とされている。そのため、これら挿通穴に挿通された引っ掛け片同士が支柱内において干渉しないように、支柱の左右方向(収納間口方向)に沿う寸法を大きくする必要があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、収納間口方向両側に棚受部材の取り付けが可能でありながらも、棚支持部材の収納間口方向に沿う寸法の薄型化を図り得る収納装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る収納装置は、収納間口方向両側に配される棚板を保持する棚受部材が収納間口方向両側のそれぞれに取り付けられる棚支持部材を備えており、前記棚受部材、前記棚支持部材の収納間口方向両側のそれぞれにおいて開口するように設けられた差込孔に差し込まれる差込片と、この差込片を有し、かつ収納間口方向に厚さ方向を沿わせて配される板状とされ前記棚支持部材に沿わせられて取り付けられる取付片部と、この取付片部の下端部から収納間口方向中央側に向けて突出するように設けられ前記棚板が載置される支持片部と、前記取付片部の下端部から一連状に下方側に向けて延出するように設けられた延出片部と、を備えており、前記棚支持部材の収納間口方向両側の差込孔は、互いに同高さに位置するように、かつ収納間口方向に見て重なり合わない位置となるように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る収納装置は、上述のような構成としたことで、収納間口方向両側に棚受部材の取り付けが可能でありながらも、棚支持部材の収納間口方向に沿う寸法の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る収納装置の一例を模式的に示し、(a)は、一部破断概略側面図、(b)は、図1(a)におけるX-X線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。
図2】(a)は、同収納装置の一部破断概略斜視図、(b)は、同収納装置が備える棚受部材の一例を模式的に示す一部破断概略斜視図である。
図3】同収納装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係る収納装置を施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
【0010】
本実施形態に係る収納装置1は、図3に示すように、収納間口方向両側に配される棚板9を保持する棚受部材10が収納間口方向両側のそれぞれに取り付けられる棚支持部材20を備えている。
図例では、この収納装置1を、住居等の建物の第1壁面2に沿わせるように設置した例を示している。この収納装置1の第1壁面2側が、当該収納装置1の収納奥行方向奥側となり、収納奥行方向及び上下方向に直交する方向が収納間口方向となる。また、この収納装置1の収納間口方向一方側を、第1壁面2に対して直交状に設けられた第2壁面3に沿わせて収納装置1を設置した例を示している。つまり、この収納装置1を、第1壁面2と第2壁面3との入隅部に設置した例を示している。なお、この収納装置1は、収納間口方向両側を壁面に沿わせて設置されるものでもよい。
【0011】
また、この収納装置1は、壁面収納を構成するように設置されるものでもよく、いわゆるウォークインクローゼット等の収納室内に設置されるものでもよい。また、図例では、第1壁面2に沿わせて収納装置1を一列状(I字状)に設置した例を示しているが、L字状やU字状(コ字状)となるように、複数の収納装置1を各壁面2,3に沿わせて設置した態様等としてもよい。また、図例のように、I字状に収納装置1を設置した場合には、収納奥行方向手前側に、適宜の扉を設けた構成としてもよい。また、L字状やU字状(コ字状)となるように収納室内に複数の収納装置1を設置した場合には、収納室の開口を開閉する適宜の扉を設けた構成としてもよい。
【0012】
この収納装置1は、収納間口方向に間隔を空けて配される複数(図例では、4つ)の棚支持部材20を備えている。つまり、図例では、これら4つの棚支持部材20によって収納間口方向に3つの収納空間を区分した例を示している。これら棚支持部材20は、互いに同様の構成とされている。
また、本実施形態では、これら棚支持部材20を、収納奥行方向に沿う寸法が棚板9の収納奥行方向に沿う寸法よりも小とされた支柱状とされたものとしている。また、これら棚支持部材20を、棚板9の収納奥行方向略中央部に配される構成としている。なお、このような態様に代えて、棚支持部材20を、収納奥行方向に沿う寸法が棚板9の収納奥行方向に沿う寸法と同程度とされた側板状とされたものとしてもよい。
また、本実施形態では、収納装置1は、これら棚支持部材20の下端部に固定され、床4上に設置される支持脚29を備えている。この支持脚29は、棚支持部材20の高さ位置の調整を可能とするアジャスター機能を備えた構成とされたものでもよい。なお、棚支持部材20の具体的構成については後述する。
【0013】
また、収納装置1は、棚支持部材20の上端部に固定され、天板6を保持する天板保持部材5を備えている。この天板保持部材5は、収納奥行方向に延びるように長尺状とされ、天板6の収納間口方向側端部を保持する構成とされている。この天板保持部材5の収納奥行方向奥側端部が、第1壁面2に対して適宜の固定金具等を介して固定され、棚支持部材20の上端側が第1壁面2に対して固定保持される構成としてもよい。
天板6は、収納間口方向に隣り合う棚支持部材20,20の天板保持部材5,5間に架け渡されるように設けられる。つまり、本実施形態では、収納間口方向に3枚の天板6を設けた構成としている。これら天板6は、天井との間の天袋収納を構成する天袋棚板として機能するものでもよい。なお、このように収納間口方向に複数の天板6を設けた態様に代えて、収納間口方向に沿う寸法が収納装置1の収納間口方向に沿う寸法に応じた寸法とされた一枚の天板6を設けた態様等としてもよい。さらには、このような天板6を設けていない態様としてもよい。この場合は、天板保持部材5を設けた態様に代えて、棚支持部材20の上端部が天井等の適宜の固定対象に固定されるものでもよい。
【0014】
また、収納装置1は、収納間口方向に隣り合う棚支持部材20,20間に架け渡されるように設けられる棒状の吊下部材7及び板状の棚板9を備えている。本実施形態では、収納装置1に、複数本の吊下部材7及び複数枚の棚板9を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。
また、収納装置1は、収納間口方向に隣り合う棚支持部材20,20の下端側部位間において床4上に設置される収納箱8を備えている。図例では、この収納箱8に複数段の抽斗を設けた例を示している。
また、本実施形態では、収納装置1に、収納奥行方向奥側を区画する背板を設けていない構成としている。つまり、収納装置1の各収納空間の収納奥行方向奥側は、第1壁面2によって区画されている。なお、このような態様に代えて、背板を設けた構成としてもよい。また、収納装置1は、棚支持部材20,20間に設けられる部材として少なくとも棚板9を備えた構成とされたものであればよく、設置箇所や用途等に応じて、適宜の部材を備えた構成としてもよい。
【0015】
棚支持部材20は、上下に長尺状とされている。この棚支持部材20には、図1(a)、(b)に示すように、収納間口方向両側のそれぞれにおいて開口し、棚受部材10に設けられた差込片15が差し込まれる差込孔26,28が設けられている。これら収納間口方向両側の差込孔26,28は、互いに同高さに位置するように、かつ収納間口方向に見て重なり合わない位置となるように設けられている。このような構成とすれば、棚支持部材20の収納間口方向両側の差込孔26,28のそれぞれに棚受部材10の差込片15を差し込んで棚受部材10を棚支持部材20の収納間口方向両側に取り付けることができる。また、棚支持部材20の収納間口方向両側の差込孔26,28のそれぞれに差し込まれた差込片15が収納奥行方向でずれた位置となり、干渉することがないので、棚支持部材20の収納間口方向に沿う寸法の薄型化を図ることができる。これにより、棚支持部材20間の収納空間の間口(幅)寸法を効果的に大きくすることができ、また、棚支持部材20をすっきりとした外観にすることができる。
【0016】
本実施形態では、棚支持部材20の収納間口方向両側に、収納奥行方向に間隔を空けて複数の差込孔として第1差込孔26,26及び第2差込孔28,28を設けた構成としている。また、棚受部材10に、これら第1差込孔26及び第2差込孔28のそれぞれに差し込まれる複数(本実施形態では、2つ)の差込片15,15を設けた構成としている。このような構成とすれば、棚支持部材20に対して棚受部材10を安定的に支持させることができる。
この棚支持部材20は、収納奥行方向に沿う寸法よりも収納間口方向に沿う寸法が小とされている。また、本実施形態では、棚支持部材20を、長手方向に貫通する中空部21が設けられた略四角筒状としている。この棚支持部材20は、収納奥行方向両側の端壁部22,22と、収納間口方向両側の側壁部24,24と、を備え、これらによって中空部21を区画している。
【0017】
各側壁部24,24には、収納奥行方向に間隔を空けて第1差込孔26,26と第2差込孔28,28とがそれぞれに設けられている。これら第1差込孔26,26及び第2差込孔28,28は、各側壁部24,24を貫通して設けられている。また、これら第1差込孔26,26及び第2差込孔28,28は、棚支持部材20の長手方向に長尺な長孔状とされている。図例では、これら第1差込孔26,26及び第2差込孔28,28の収納奥行方向に沿う孔幅寸法を、長手方向の全体に亘って均一状とした例を示しているが、このような態様に代えて、これらの上側部位の孔幅寸法を下側部位の孔幅寸法よりも大としてもよい。例えば、第1差込孔26,26及び第2差込孔28,28の下側部位の孔幅寸法を、後記する差込片15の厚さ寸法に応じた寸法とし、これらの上側部位の孔幅寸法を、差込片15が差し込み易いように差込片15の厚さ寸法よりも大としたような構成としてもよい。
【0018】
また、これら第1差込孔26,26及び第2差込孔28,28は、棚支持部材20の長手方向に間隔を空けて複数箇所に設けられている。このような構成とすれば、棚支持部材20に複数の棚受部材10を取り付けたり、棚受部材10の取付高さ位置を変更したりすることができる。つまり、棚支持部材20に上下に間隔を空けて複数の棚板9を保持させたり、棚板9の高さ位置を変更したりすることができる。
また、本実施形態では、これら第1差込孔26,26及び第2差込孔28,28は、平面視して点対称状の位置となるように設けられている。このような構成とすれば、棚支持部材20の収納間口方向両側のそれぞれに取り付けられる棚受部材10の共通化を図ることができる。つまり、棚支持部材20の収納間口方向一方側に取り付けられる棚受部材10を上下方向に沿う軸回りに180度回転させれば、棚支持部材20の収納間口方向他方側に取り付け可能となる。また、棚支持部材20を、上下方向に沿う軸回りに180度反転させても設置可能な構成とでき、設置する際における作業性を向上させることができる。
【0019】
また、両側の側壁部24,24のうちの一方の第1側壁部24Aの第1差込孔26と他方の第2側壁部24Bの第1差込孔26とが平面視して点対称状の位置となるように設けられている。また、第1側壁部24Aの第2差込孔28と第2側壁部24Bの第2差込孔28とが平面視して点対称状の位置となるように設けられている。
第1側壁部24Aの第1差込孔26及び第2側壁部24Bの第2差込孔28は、収納奥行方向で、両側の端壁部22,22のうちの一方の第1端壁部22A側に位置するように設けられている。これら第1端壁部22A側の第1側壁部24Aの第1差込孔26と第2側壁部24Bの第2差込孔28とは、これらに差し込まれた差込片15,15同士が干渉しないように、収納奥行方向にずれた位置となるように設けられている。
また、第1側壁部24Aの第2差込孔28及び第2側壁部24Bの第1差込孔26は、収納奥行方向で、他方の第2端壁部22B側に位置するように設けられている。これら第1側壁部24Aの第2差込孔28と第2側壁部24Bの第1差込孔26とは、これらに差し込まれた差込片15,15同士が干渉しないように、収納奥行方向にずれた位置となるように設けられている。
【0020】
図例では、各側壁部24,24の収納奥行方向中心から第1差込孔26,26までの収納奥行方向に沿う寸法よりも各側壁部24,24の収納奥行方向中心から第2差込孔28,28までの収納奥行方向に沿う寸法を小とした例を示している。つまり、第1端壁部22Aから第1側壁部24Aの第1差込孔26までの収納奥行方向に沿う寸法よりも第1端壁部22Aから第2側壁部24Bの第2差込孔28までの収納奥行方向に沿う寸法を大としている。また、第2端壁部22Bから第2側壁部24Bの第1差込孔26までの収納奥行方向に沿う寸法よりも第2端壁部22Bから第1側壁部24Aの第2差込孔28までの収納奥行方向に沿う寸法を大としている。また、第1端壁部22Aから第1側壁部24Aの第1差込孔26までの収納奥行方向に沿う寸法と第2端壁部22Bから第2側壁部24Bの第1差込孔26までの収納奥行方向に沿う寸法とは、同寸法とされている。また、第1端壁部22Aから第2側壁部24Bの第2差込孔28までの収納奥行方向に沿う寸法と第2端壁部22Bから第1側壁部24Aの第2差込孔28までの収納奥行方向に沿う寸法とは、同寸法とされている。
【0021】
また、本実施形態では、各側壁部24,24の第1差込孔26,26を、各側壁部24,24に長手方向に沿って延びるように設けられた第1溝25の溝底において開口するように設けた構成としている。また、各側壁部24,24の第2差込孔28,28を、各側壁部24,24に長手方向に沿って延びるように設けられた第2溝27の溝底において開口するように設けた構成としている。これら第1溝25及び第2溝27は、各側壁部24,24に収納奥行方向に間隔を空けて設けられている。また、これら第1溝25及び第2溝27は、溝長手方向に見て略方形溝状とされている。
また、本実施形態では、棚支持部材20に、上下の設置方向を確認可能な目印を構成する止着部23,23を設けた構成としている。このような構成とすれば、棚支持部材20の上下を正しい方向に設置することができる。これにより、例えば、上記したように各差込孔26,28の孔幅寸法を上下で異ならせたような場合にも、各差込孔26,28の上下が正しい向きとなるように棚支持部材20を正しい向きに設置することができる。
【0022】
また、2つの止着部23,23を、平面視して点対称状の位置となるように設けた構成としている。図例では、第1側壁部24Aと第2端壁部22Bとの入隅部及び第2側壁部24Bと第1端壁部22Aとの入隅部のそれぞれに止着部23,23を設けた例を示している。これら止着部23,23は、上記した天板保持部材5を棚支持部材20の上端部に固定するねじ等の固着具がねじ込まれる構成とされている。天板保持部材5には、図示は省略しているが、これら止着部23,23に整合する位置となるように固着具が挿通される2つの挿通孔が設けられている。つまり、これら2つの挿通孔が止着部23,23のそれぞれに整合しなければ、棚支持部材20の上下が逆向きであることが認識可能な構成とされている。
【0023】
また、図例では、これら止着部23,23を、開環状の止着孔状とし、棚支持部材20の全長に亘って設けた例を示している。なお、これら止着部23,23は、上記した支持脚29を棚支持部材20の下端部に固定するねじ等の固着具がねじ込まれるものでもよい。また、棚支持部材20の上下の設置方向を確認可能な目印としては、止着部23,23に限られず、その他、種々の構成とされたものでもよい。さらには、このような目印を設けていない構成としてもよく、また、棚支持部材20を、上下反転させて設置可能な構成とされたものとしてもよい。また、この棚支持部材20は、適宜の金属系材料等から長尺筒状に押出成形された押出成形品であってもよい。
【0024】
棚受部材10は、棚板9の収納間口方向側端部が載置される支持片部11と、棚支持部材20の側壁部24に沿わせられて取り付けられ、差込片15を有した取付片部13と、を備えている。支持片部11は、上下方向に厚さ方向を沿わせて配される板状とされている。取付片部13は、収納間口方向に厚さ方向を沿わせて配される板状とされている。図例では、取付片部13の下端部から収納間口方向中央側に向けて突出させるように支持片部11を設けた例を示している。また、これら支持片部11及び取付片部13を、収納奥行方向に延びるように長尺状としている。これら支持片部11及び取付片部13の収納奥行方向に沿う寸法は、棚板9の収納奥行方向に沿う寸法と略同寸法としてもよい。
【0025】
支持片部11の収納間口方向に沿う幅寸法は、棚板9の側端部の載置が可能なように、また、強度上の観点等から適宜の寸法としてもよい。
取付片部13の上下方向に沿う幅寸法は、差込片15を設けることが可能なように、また、棚板9の側端面を覆うことが可能なように適宜の寸法としてもよい。本実施形態では、この取付片部13の上下方向に沿う幅寸法を、棚板9の厚さ寸法よりも大としている。つまり、取付片部13に、棚板9の上面よりも上方側に向けて延出する延出部を設けた構成としている。このような構成とすれば、この延出部を、棚板9の側方側の落下防止壁として機能させることもできる。なお、このような態様に代えて、取付片部13の上下方向に沿う幅寸法を、棚板9の厚さ寸法以下としてもよい。また、支持片部11及び取付片部13の両方または一方の収納奥行方向に沿う寸法を、棚板9の収納奥行方向に沿う寸法よりも小としてもよい。また、取付片部13の下端部に支持片部11を設けた態様に代えて、取付片部13の上端部や上下方向途中部位に支持片部11を設けた態様等としてもよい。
【0026】
また、取付片部13には、収納奥行方向に間隔を空けて2つの差込片15,15が対状に設けられている。これら差込片15,15は、取付片部13の収納奥行方向略中央部に位置するように設けられている。また、これら差込片15,15は、収納奥行方向に厚さ方向を沿わせて配される板状とされている。また、これら差込片15,15は、図2(b)に示すように、取付片部13の厚さ方向一方側から厚さ方向外側(支持片部11とは異なる側)に向けて突出するように設けられている。これら差込片15,15の突出寸法は、図1(b)に示すように、棚支持部材20の収納間口方向に沿う寸法の1/2よりも大とされている。つまり、これら差込片15,15は、棚支持部材20の差込孔(第1差込孔26または第2差込孔28)に差し込まれた状態で、先端部が棚支持部材20の収納間口方向中心を超えるように設けられている。
【0027】
また、これら差込片15,15には、図2(b)に示すように、突出方向先端部から下方側に向けて延出するように抜止部16,16が設けられている。これら抜止部16,16は、差込片15,15が棚支持部材20の差込孔(第1差込孔26または第2差込孔28)に差し込まれた状態で、側壁部24の内側面に当接される構成とされている。
また、これら差込片15,15は、取付片部13から切起状に設けられている。取付片部13には、これら差込片15,15の抜き加工によって開口14,14が設けられている。図例では、これら開口14,14を、収納間口方向に見て棚支持部材20と重なり合うように設けた例を示している(図1(a)参照)。
【0028】
また、本実施形態では、図1(b)に示すように、棚受部材10に、棚支持部材20の側壁部24に設けられた溝(本実施形態では、第1溝)25に嵌め込まれる突部17,19を設けた構成としている。このような構成とすれば、第1溝25に嵌め込まれた突部17,19と第1差込孔26及び第2差込孔28に差し込まれた差込片15,15とによって棚支持部材20に対する棚受部材10のがたつきを抑制することができる。また、それぞれに第1溝25に嵌め込まれる複数(図例では、2つ)の突部17,19を棚受部材10に設けた構成としている(図2(b)参照)。図例では、取付片部13の上端側部位に突部17を設け、取付片部13の下端部から一連状に下方側に向けて延出するように設けられた延出片部18の下端側部位に突部19を設けた例を示している。これら突部17,19は、取付片部13及び延出片部18のそれぞれにプレス加工等によって形成されたものでもよい。また、延出片部18は、支持片部11から抜き加工状に設けられている。支持片部11には、延出片部18の抜き加工によって開口12が設けられている。なお、棚受部材10は、適宜の金属系材料等から形成されたものでもよい。
【0029】
また、上記した吊下部材7の長手方向の各端部に、棚受部材10の差込片15と概ね同様、棚支持部材20の差込孔(第1差込孔26及び第2差込孔28)に差し込まれる差込片を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、各側壁部24,24のそれぞれに、平面視して点対称状の位置となるように複数の差込孔として第1差込孔26,26及び第2差込孔28,28を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。各側壁部24,24のそれぞれに、単一の差込孔を点対称状に設けた態様としてもよい。または、各側壁部24,24のそれぞれに、単一若しくは複数の差込孔を非点対称状に設けた態様としてもよい。本実施形態に係る収納装置1の上記した各部材及び各部の構成は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 収納装置
9 棚板
10 棚受部材
15 差込片
20 棚支持部材
23 止着部(目印)
26 第1差込孔(差込孔)
28 第2差込孔(差込孔)
図1
図2
図3