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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20230901BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20230901BHJP
【FI】
A47J37/06 321
F24C7/04 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019192039
(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公開番号】P2021065369
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】592044499
【氏名又は名称】株式会社千石
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】千石 唯司
(72)【発明者】
【氏名】千石 剛平
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-130367(JP,A)
【文献】国際公開第2006/054817(WO,A1)
【文献】特開2002-015711(JP,A)
【文献】特開昭63-148277(JP,A)
【文献】実公昭47-042547(JP,Y1)
【文献】国際公開第2007/046662(WO,A1)
【文献】特開2015-052446(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0024166(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00-37/07
F24C 7/00、7/04-7/06
H05B 3/02-3/18、3/40-3/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した箱形の筐体と、
該筐体の内側面に沿って配置されたヒータと、
該ヒータ及び筐体の間に配置されており、前記ヒータの輻射熱を前記開口に向けて反射する反射部と、
前記反射部の反対側にて前記ヒータに対向し、前記ヒータへの異物の付着を防止する前記輻射熱の通過が可能な防護板と
を備え、
前記ヒータは、300マイクロメートル以下の厚さのフィルム状をなす発熱体を含み、
前記防護板は、前記筐体の底面に対して65~75度の角度で傾斜し、
前記防護板と前記反射部との間に通気経路が形成されており、
前記反射部は、前記防護板の反対側に突出する半筒状をなし、
前記反射部の内側にて、軸方向に沿って前記ヒータは延び、
前記反射部の軸方向に沿う両縁部分それぞれに、前記防護板を支持する支持部が設けら れており、
前記通気経路は、各支持部における前記防護板よりも前記ヒータ寄りの部分に形成され 、前記反射部の径方向に貫通した通気孔を有し、
前記反射部は、前記反射部の軸方向に沿った上縁部分及び下縁部分を有し、
前記支持部は、前記反射部の下縁部分に形成された第一支持部と、前記反射部の上縁部分に形成された第二支持部とを有し、
前記第一支持部は、前記反射部の下縁から下方に突出した第二板部と、前記第二板部から前記筐体の内側に向けて突出した第一板部とを有し、
前記第一板部の上面は前記防護板の下縁部を支持し、
前記第二支持部は、前記反射部の上縁から上方に突出した第三板部と、前記第三板部から前記筐体の内側に向けて突出した第四板部とを有し、
前記第四板部の先端面は前記防護板の一面を支持し、
前記反射部の軸方向端部の外側に、前記第四板部の先端面と面一となるように、前記防護板の一面を支持する支持面が形成され、
前記第四板部の先端面及び前記支持面は、前記第二板部及び前記第三板部よりも、前記筐体の内側に位置し、
前記防護板と前記第二板部との間に第一空間が形成され、
前記防護板と前記第三板部との間に第二空間が形成され、
前記通気孔は、前記第一支持部に形成され、前記第一空間と前記第一空間よりも下側の空間とを連通させる第一通気孔と、前記第二支持部に形成され、前記第二空間と前記第二空間よりも上側の空間とを連通させる第二通気孔とを有する
加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ヒータの熱によって調理を行う加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上側が開口した筐体の底面に油受け皿を設け、筐体の対向する二つの内側面にヒータを設けた加熱調理器が提案されている。開口の内側には焼き網が設けられる。焼き網のヒータの略真上に位置する部分には、油受け皿に向かって下降傾斜した傾斜板が設けられている。傾斜板は、ヒータよりも筐体の中央部に向けて延びている。ヒータの真上付近にて、網に付着した油は傾斜板によって、ヒータに接触することなく、油受け皿に案内される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2012/0024166号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油は飛散することがあり、飛散した油がヒータに接触するおそれがある。また近年、加熱調理器の更なる小型化が求められている。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ヒータへの異物の付着を抑制し、小型化を促進することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、上面が開口した箱形の筐体と、該筐体の内側面に沿って配置されたヒータと、該ヒータ及び筐体の間に配置されており、前記ヒータの輻射熱を前記開口に向けて反射する反射部と、前記反射部の反対側にて前記ヒータに対向し、前記ヒータへの異物の付着を防止する前記輻射熱の通過が可能な防護板とを備え、前記ヒータは、300マイクロメートル以下の厚さのフィルム状をなす発熱体を含み、前記防護板は、前記筐体の底面に対して65~75度の角度で傾斜する。
【0007】
本開示の一実施形態においては、防護板はヒータへの異物の移動を妨げる。またフィルム状の発熱体を使用することによって、ヒータを小型にし、更に筐体の底面に対する防護板の傾斜角度を65~75度に設定することによって、防護板の専有面積を限定させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、前記防護板と前記反射部との間に通気経路が形成されている。
【0009】
本開示の一実施形態においては、防護板と反射部との間に通気経路を形成し、反射部の冷却を促進する。
【0010】
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、前記反射部は、前記防護板の反対側に突出する半筒状をなし、前記反射部の内側にて、軸方向に沿って前記ヒータは延び、前記反射部の軸方向に沿う両縁部分それぞれに、前記防護板を支持する支持部が設けられており、前記通気経路は、各支持部における前記防護板よりも前記ヒータ寄りの部分に形成され、前記反射部の径方向に貫通した通気孔を有する。
【0011】
本開示の一実施形態においては、各支持部に通気孔を形成することによって、一方の通気孔から反射部の内側に入った空気は、反射部の内周面に沿って移動し、他方の通気孔から出る。そのため、ヒータによって加熱された反射部の内周面を効果的に冷却することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一実施形態に係る加熱調理器にあっては、防護板を設けることによって、ヒータへの異物の移動を妨げ、ヒータへの異物の付着を防止することができる。またフィルム状の発熱体を使用することによって、ヒータを小型にし、更に筐体の底面に対する防護板の傾斜角度を65~75度に設定することによって、防護板の専有面積を限定させて、加熱調理器全体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】加熱調理器の略示分解斜視図である。
図2】蓋及びプレートを除いた加熱調理器の略示平面図である。
図3図2に示すIII-III線を切断線とした略示縦断面図である。
図4】下側から視認したヒータ付近の構成を略示する部分拡大縦断面斜視図である。
図5】上側から視認したヒータ付近の構成を略示する部分拡大斜視図である。
図6】ヒータ付近の構成を略示する部分拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明を、実施の形態に係る加熱調理器1を示す図面に基づいて説明する。図1は、加熱調理器1の略示分解斜視図、図2は、蓋7及びプレート6を除いた加熱調理器1の略示平面図である。
【0015】
加熱調理器1は、平面視矩形をなし、上面に開口2aを形成した筐体2を備える。筐体2の一側面部における外面に二つの操作部3、3が設けられている。ユーザは操作部3を操作し、加熱調理器1の駆動/停止、または温度調節などを行うことができる。筐体2の内側底面に油受け皿5が、取り外し可能に設けられている。筐体2の内側面全周に亘って、筐体2の内側に向けて突出した支持部4が形成されている。支持部4は前記内側面の上部に配置されている。
【0016】
筐体2の内側には、皿状のプレート6が配置される。プレート6は平面視矩形をなし、プレート6の全周に鍔が形成されている。支持部4は鍔を支持し、プレート6を支持する。なおプレート6に代えて網を配置し、支持部4が網の外周部分を支持してもよい。プレート6の上側には蓋7が設けられる。ユーザはプレート6に食材を載せ、プレート6に蓋7を載せて調理することができる。
【0017】
図3は、図2に示すIII-III線を切断線とした略示縦断面図、図4は、下側から視認したヒータ9付近の構成を略示する部分拡大縦断面斜視図、図5は、上側から視認したヒータ9付近の構成を略示する部分拡大斜視図、図6は、ヒータ9付近の構成を略示する部分拡大縦断面図である。
【0018】
筐体2は、操作部3が設けられた前記一側面部に略直角な二つの他側面部を備える。他側面部は一側面部に略直角な方向に延びる。筐体2の内側において、前記二つの他側面部に反射部10がそれぞれ設けられている。反射部10は支持部4の下側に配置される。反射部10は、円筒を軸方向に沿う切断面によって切断したような半円筒状をなす。反射部10は、外周面を他側面部に向け、反射部10の軸心が他側面部の長手方向に延びるように、配置されている。即ち、反射部10は他側面部に向けて突出する。
【0019】
反射部10の内側にヒータ9が設けられている。ヒータ9は、反射部10の軸心に沿って延びる筒部9bと、該筒部9bに収納された発熱体9aとを備える。筒部9bは耐熱管であり、例えば、優れた光透過性を有する結晶化ガラス材または遠赤外線放射量の高いセラミックス材によって構成される。
【0020】
発熱体9aはフィルム状をなし、発熱体9aの厚さは、例えば100マイクロメートルである。発熱体9aの厚さは、100マイクロメートルに限定されないが、小型化のためには、300マイクロメートル以下であることが好ましい。更に好ましくは、発熱体9aの厚さは、80~100マイクロメートルとすることがよい。発熱体9aは、例えばグラファイトフィルムを備える。
【0021】
筒部9bの両端部は封止され、筒部9bの内側には、窒素ガスまたはアルゴンガスなどの不活性ガスが充填されている。グラファイトフィルムの両端部にはリード線の一端部が接続され、リード線の他端部は筒部9bから外部に出て、駆動回路に接続されている。駆動回路から電圧が印加され、グラファイトフィルムは発熱する。
【0022】
発熱体9aをフィルム状に形成することによって、フィルムよりも厚さの大きい板状の発熱体9aを使用する場合に比べて、発熱体9a自体の寸法が小さくなり、そのため筒部9bの寸法も小さくなる。その結果、ヒータ9全体の寸法を小さくすることができる。
【0023】
防護板8は半筒状をなす反射部10の軸心に沿って延びた矩形板状をなし、反射部10の開口、換言すれば反射部10の上縁部分及び下縁部分の間を塞ぐように配置される。防護板8は反射部10の軸方向に延び、ヒータ9全体に対向する。防護板8は、透光性を有する耐熱部材によって構成され、ヒータ9の輻射熱を通過させることができる。ヒータ9の輻射熱、及びヒータ9から出射され、反射部10にて反射した輻射熱は、プレート6に到達し、プレート6に載せられた食材は加熱される。
【0024】
図5及び図6に示すように、反射部10の下縁部分に防護板8を支持する第一支持部11が設けられている。第一支持部11は、第一板部11a及び第二板部11bを備える。第二板部11bは反射部10の軸方向に延びた矩形状をなし、反射部10の下縁から下方に突出している。第一板部11aは反射部10の軸方向に延びた矩形状をなし、第二板部11bの下縁から筐体2の内側に向けて突出している。第一板部11a及び第二板部11bの連結箇所に、上下に貫通した複数の第一通気孔11cが反射部10の軸方向に並設されている。第一通気孔11cは、第一板部11a及び第二板部11bに亘って形成されている。即ち、第一通気孔11cは反射部10の径方向に貫通し、第一支持部11における防護板8よりもヒータ9寄りの部分に形成されている。
【0025】
反射部10の上縁部分に防護板8を支持する第二支持部12が設けられている。第二支持部12は、第三板部12a及び第四板部12bを備える。第三板部12aは反射部10の軸方向に延びた矩形状をなし、反射部10の上縁から上方に突出している。第四板部12bは反射部10の軸方向に延びた矩形状をなし、第三板部12aの上端から筐体2の内側に向けて突出している。第三板部12a及び第四板部12bの連結箇所に、上下に貫通した複数の第二通気孔12cが反射部10の軸方向に並設されている。第二通気孔12cは、第三板部12a及び第四板部12bに亘って形成されている。即ち、第二通気孔12cは、反射部10の径方向に貫通し、第二支持部12における防護板8よりもヒータ9寄りの部分に形成されている。
【0026】
図5に示すように、反射部10の軸方向端部に隣接して、第一面21及び第二面22を有する平面視L形の溝20が筐体2の内側面に形成されている。第一面21は反射部10の軸心に略平行な面であり、第二面22は反射部10の軸心に略直角な面である。第二面22は第一面21を挟んで反射部10の反対側に位置する。第一面21は上下方向に延び、筐体2の底面に対して約70度の角度で、筐体2の内側に向けて下降傾斜する。
【0027】
第一面21は、第一板部11a及び第四板部12bに隣接する。平面視において、第一面21と、第四板部12bの先端面12d(筐体2内側に向いた面)とは略面一となる。第一板部11aの先端面11dは、第一面21よりも筐体2内側に配置される。換言すれば、第一板部11aは第一面21よりも筐体2の内側に突出する。
【0028】
第一面21の下端部は、第二板部11bよりも筐体2の内側に配置されている。反射部10の径方向において、第一面21の下端部と第二板部11bとは離隔し、第一面21の下端部と第二板部11bとの間に第一通気孔11cは配されている。換言すれば、平面視において、第一面21の下端部と第二板部11bとの間には、段差が形成され、空間29が設けられている。第一通気孔11cは、この空間29と、第一板部11aよりも下側の空間とを連通させる。
【0029】
第二面22は第一面21に対して略直角に筐体2の内側に向けて突出する。前述したように、第一板部11aの先端面11dは、第一面21よりも筐体2の内側に突出している。平面視において、第二面22の先端縁22a下部と第一板部11aの先端面11dとは、筐体2の内側に向けて、略同じ位置まで突出している。
【0030】
防護板8は第一支持部11及び第二支持部12に支持され、より詳細には、第一板部11aの上面、第四板部12bの先端面12d、第一面21及び第二面22によって支持される。防護板8は第一面21に沿って支持されているので、第一面21と同様に、筐体2の底面に対して約70度の角度で、筐体2の内側に向けて下降傾斜する。防護板8は、第二板部11bよりも筐体2の内側に位置する第一面21に支持されるので、防護板8が第一支持部11及び第二支持部12に支持された場合であっても、防護板8と第二板部11bとの間には前記空間29が確保される。
【0031】
防護板8は反射部10の開口全体を覆う。反射部10の内側には、反射部10及び防護板8によって室が形成される。以下、この室をヒータ室15という。第一通気孔11cは、ヒータ室15とヒータ室15よりも下側の空間とを連通させ、第二通気孔12cは、ヒータ室15とヒータ室15よりも上側の空間とを連通させる。そのため、図6の矢印にて示すように、前記下側の空間から、第一通気孔11cを通ってヒータ室15内に空気が流入し、反射部10の内周面に沿って上方に移動し、第二通気孔12cからヒータ室15の外に流出する。空気は、ヒータ9によって加熱された反射部10の内面を冷却する。
【0032】
図4及び図6に示すように、反射部10の外周面下側を、反射部10の軸心に沿って延びる半筒状の下カバー30が覆う。下カバー30と反射部10との間には空間が設けられている。下カバー30は、第一通気孔11cの下側を覆っており、第一通気孔11cから外部にヒータ9の光が漏れることを防止する。光漏れを防止し、加熱調理器1の品質向上を図っている。下カバー30と反射部10とは離隔しており、下カバー30と反射部10との間の空気は、第一通気孔11cを通って、ヒータ室15内に流入可能である。
【0033】
反射部10の外周面上側を、反射部10の軸心に沿って延びる半筒状の上カバー31が覆う。上カバー31の下部は下カバー30の上部に重なる。上カバー31の上端部には、防護板8の上側にて、防護板8よりも筐体2の内側に張り出した張り出し部31bが形成されている。張り出し部31bは、防護板8の上縁に沿って延びる。張り出し部31bには、防護板8に略直角な方向に貫通した複数の排気孔31aが防護板8の上縁に沿って並設されている。排気孔31aは第二通気孔12cよりも、筐体2の内側に配置される。
【0034】
張り出し部31bの下端には、防護板8の上面と、防護板8の背面(ヒータ9に対向する面)の上部とを覆うカバー部31cが設けられている。カバー部31cには複数の第二排気孔31dが防護板8の上縁に沿って並設されている。複数の排気孔31aと、複数の第二排気孔31dとは、防護板8の上縁に沿う方向、即ち反射部10の軸方向において、交互に配置されている。換言すればラビリンス構造が形成されている。排気孔31aと第二排気孔31dとが交互に配置されているので、排気孔31aに異物、例えば油が浸入した場合であっても、カバー部31cによってヒータ室15内への油の侵入を防ぎ、油がヒータ9に付着することを抑制することができる。
【0035】
反射部10の軸方向における第二排気孔31dの位置は、第二通気孔12cの位置に対応する。第二通気孔12cの略直上に、第二排気孔31dは配置されている。第二通気孔12cを通って、ヒータ室15の外に流出した空気は、第二排気孔31d及び排気孔31aを通って、筐体2内に排出される。通気経路は、ヒータ室15よりも下側の空間、第一通気孔11c、ヒータ室15の内側空間、第二通気孔12c、ヒータ室15よりも上側の空間、及び排気孔31aを含む。
【0036】
筐体2の底面に対する防護板8の傾斜角度は約70度であるが、これに限定されない。ただし、防護板8への油飛びに最小化、油受け皿5の寸法の最大化及び加熱調理器1全体の寸法の最小化を考慮した場合、平面視における防護板8の専有面積を小さくすべく、傾斜角度は65~75度の範囲に設定することが好ましく、更に好ましくは、68~72度の範囲に設定することが好ましい。
【0037】
実施の形態に係る加熱調理器1にあっては、防護板8を設けることによって、ヒータ9への異物の移動を妨げ、ヒータ9への異物の付着を防止することができる。またフィルム状の発熱体9aを使用することによって、ヒータ9を小型にし、更に筐体2の底面に対する防護板8の傾斜角度を65~75度に設定することによって、平面視における防護板8の専有面積を限定させて、加熱調理器1全体の小型化を図ることができる。即ち、ヒータ9の小型化及び防護板8の傾斜角度の限定による相乗効果によって、加熱調理器1全体の小型化が促進される。
【0038】
防護板8と反射部10との間、即ちヒータ室15の内側空間に通気経路を形成し、反射部10の冷却を促進する。通気経路は、ヒータ室15の内側を通るので、ヒータ9によって直接的に加熱される反射部10の内周面、即ちヒータ9に直接対向する面を冷却することができる。ヒータ9によって、最も加熱される部分を冷却することができるので、加熱調理器1の安全性を向上させることができる。
【0039】
また第一支持部11に第一通気孔11cを形成し、第二支持部12に第二通気孔12cを形成することによって、第一通気孔11cから反射部10の内側(ヒータ室15)に流入した空気は、反射部10の内周面に沿って移動し、第二通気孔12cから流出する。そのため、ヒータ9によって加熱された反射部10の内周面の効果的な冷却を実現することができる。
【0040】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0041】
1 加熱調理器
2 筐体
8 防護板
9 ヒータ
9a 発熱体
10 反射部
11 第一支持部
11c 第一通気孔
12 第二支持部
12c 第二通気孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6