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特許7340926生体情報処理装置、生体情報センサ及び生体情報システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】生体情報処理装置、生体情報センサ及び生体情報システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
A61B5/00 G
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018234428
(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公開番号】P2020092956
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 広格
(72)【発明者】
【氏名】小山 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】久保 博
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0089369(US,A1)
【文献】特開2012-053792(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1885747(CN,A)
【文献】特開2008-054798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が被検者の生体情報データを取得するように構成された複数の生体情報センサに通信可能に接続される生体情報処理装置であって、
前記生体情報処理装置は、
n番目(nは自然数)のメインフレームを分割した複数の第1サブフレームのうちのx番目(xは自然数)の第1サブフレームにおいて複数の処理が実行され、前記x番目の第1サブフレームにおいて実行される1つの処理として、前記複数の生体情報センサのうち第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、さらに、前記x番目の第1サブフレームにおいて実行される他の処理として、第3の生体情報センサから第3生体情報データを受信し、
m番目(mは、n以外の自然数)のメインフレームを分割した複数の第2サブフレームのうちのx番目の第2サブフレームにおいて複数の処理が実行され、前記x番目の第2サブフレームにおいて実行される処理の1つとして、前記第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、さらに、前記x番目の第2サブフレームにおいて実行される他の処理の1つとして、前記第3の生体情報センサから第3生体情報データを受信する、
ように構成されている、生体情報処理装置。
【請求項2】
各々が被検者の生体情報データを取得するように構成された複数の生体情報センサに通信可能に接続される生体情報処理装置であって、
前記生体情報処理装置は、
n番目(nは自然数)のメインフレームを分割した複数の第1サブフレームのうちのx番目(xは自然数)の第1サブフレームにおいて、前記複数の生体情報センサのうち第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、
m番目(mは、n以外の自然数)のメインフレームを分割した複数の第2サブフレームのうちのx番目の第2サブフレームにおいて、前記第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、
前記x番目の第1サブフレームで実行された処理が、複数の第1サブフレームのうちの一部において再度実行されるように、r番目(rは、x以外の自然数)の第1サブフレームにおいて、前記第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、
前記x番目の第2サブフレームで実行された処理が、複数の第2サブフレームのうちの一部において再度実行されるように、前記r番目の第2サブフレームにおいて、前記第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信する、
ように構成されている、生体情報処理装置。
【請求項3】
前記生体情報処理装置は、
y番目(yは、xと同一または異なる自然数)の第1サブフレームにおいて、前記複数の生体情報センサのうち第2の生体情報センサから第2生体情報データを受信し、
y番目の第2サブフレームにおいて、前記第2の生体情報センサから第2生体情報データを受信する、
ように構成されている、請求項1または2に記載の生体情報処理装置。
【請求項4】
前記生体情報処理装置は、
前記x番目の第1サブフレーム及び前記x番目の第2サブフレームにおいて、前記第1の生体情報センサを指定するデータを前記複数の生体情報センサの各々に向けて送信するように構成されている、
請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
【請求項5】
前記生体情報処理装置は、
前記y番目の第1サブフレーム及び前記y番目の第2サブフレームにおいて、前記第2の生体情報センサを指定するデータを前記複数の生体情報センサの各々に向けて送信するように構成されている、請求項に記載の生体情報処理装置。
【請求項6】
前記生体情報処理装置は、
前記第1の生体情報センサからの第1生体情報データにエラーが存在した場合でも、前記第1の生体情報センサに第1生体情報データの再送を要求しないように構成されている、
請求項1からのうちいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の生体情報センサと前記生体情報処理装置との間の通信が切断された場合に、前記第1の生体情報センサ以外の前記複数の生体情報センサの各々の生体情報データに割り当てられたサブフレームの順番が維持される、請求項1からのうちいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
【請求項8】
前記メインフレームは、1msのフレーム長を有する一方、前記複数の第1サブフレーム及び前記複数の第2サブフレームの各々は、125μsのフレーム長を有する、
請求項1からのうちいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
【請求項9】
前記生体情報処理装置は、
前記複数の生体情報センサの各々から生体情報データを周期的に受信するように構成されている、請求項1からのうちいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
【請求項10】
前記生体情報処理装置は、
前記複数の第1サブフレームの各々において、分割されたバルクデータを受信するように構成されている、請求項1からのうちいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
【請求項11】
第4の生体情報センサが新たに前記生体情報処理装置に通信可能に接続されたときに、
前記第4の生体情報センサ以外の前記複数の生体情報センサの各々の生体情報データに割り当てられたサブフレームの順番が維持された状態で、前記生体情報処理装置は、前記第4の生体情報センサから第4生体情報データを周期的に受信するように構成されている、
請求項1から10のうちいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
【請求項12】
請求項1から11のうちいずれか一項に記載の生体情報処理装置と、
各々が被検者の生体情報データを取得するように構成されると共に、前記生体情報処理装置に通信可能に接続された複数の生体情報センサと、
を有する、生体情報システム。
【請求項13】
被検者の生体情報データを取得するように構成されると共に、生体情報処理装置に通信可能に接続される生体情報センサであって、
前記生体情報センサは、
n番目(nは自然数)のメインフレームを分割した複数の第1サブフレームのうちのx番目(xは自然数)の第1サブフレームにおいて、前記生体情報処理装置に生体情報データを送信し、
m番目(mは、n以外の自然数)のメインフレームを分割した複数の第2サブフレームのうちのx番目の第2サブフレームにおいて、前記生体情報処理装置に前記生体情報データを送信し、
前記x番目の第1サブフレームで実行された処理が、複数の第1サブフレームのうちの一部において再度実行されるように、r番目(rは、x以外の自然数)の第1サブフレームにおいて、前記生体情報処理装置に第1生体情報データを送信し、
前記x番目の第2サブフレームで実行された処理が、複数の第2サブフレームのうちの一部において再度実行されるように、前記r番目の第2サブフレームにおいて、第1生体情報データを送信する、
ように構成されている、生体情報センサ。
【請求項14】
各々が被検者の生体情報データを取得するように構成された複数の生体情報センサに通信可能に接続される生体情報処理装置であって、
前記生体情報処理装置は、
n番目(nは自然数)のメインフレームを分割した複数の第1サブフレームのうちのx番目(xは自然数)の第1サブフレームにおいて複数の処理が実行され、前記x番目の第1サブフレームにおいて実行される1つの処理として、前記複数の生体情報センサのうち第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、さらに、前記x番目の第1サブフレームにおいて実行される他の処理として、第3の生体情報センサから第3生体情報データを受信し、
m番目(mは、n以外の自然数)のメインフレームを分割した複数の第2サブフレームのうちのy番目の第2サブフレームにおいて複数の処理が実行され、前記x番目の第2サブフレームにおいて実行される処理の1つとして、前記第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、さらに、前記x番目の第2サブフレームにおいて実行される他の処理の1つとして、前記第3の生体情報センサから第3生体情報データを受信する、
ように構成されており、
yはxに基づいて決定される、
生体情報処理装置。
【請求項15】
各々が被検者の生体情報データを取得するように構成された複数の生体情報センサに通信可能に接続される生体情報処理装置であって、
前記生体情報処理装置は、
n番目(nは自然数)のメインフレームを分割した複数の第1サブフレームのうちのx番目(xは自然数)の第1サブフレームにおいて、前記複数の生体情報センサのうち第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、
m番目(mは、n以外の自然数)のメインフレームを分割した複数の第2サブフレームのうちのy番目の第2サブフレームにおいて、前記第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、
前記x番目の第1サブフレームで実行された処理が、複数の第1サブフレームのうちの一部において再度実行されるように、r番目(rは、x以外の自然数)の第1サブフレームにおいて、前記第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、
前記x番目の第2サブフレームで実行された処理が、複数の第2サブフレームのうちの一部において再度実行されるように、前記r番目の第2サブフレームにおいて、前記第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信する、
ように構成されており、
yはxに基づいて決定される、
生体情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報処理装置、生体情報センサ及び生体情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、生体情報センサと、生体情報センサに通信可能に接続された生体情報表示装置とを備えるシステムを開示している。特許文献1に開示されたシステムでは、生体情報センサによって取得された生体情報信号はアナログ信号として生体情報表示装置に送信される。その後、送信された生体情報信号は、生体情報表示装置のAD変換器によってデジタル信号に変換された上で、生体情報信号に対してデジタル信号処理(DSP)が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-119741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の生体情報センサを生体情報処理装置(例えば、生体情報モニタ等)に通信可能に接続する場合に、各生体情報処理装置と生体情報センサとを接続するための通信インターフェースを統一させたいといったニーズが少なからず存在する。さらに、被検者に装着される生体情報センサの個数の増加に伴い、各生体情報センサのレイアウトの自由度を確保したいといったニーズも少なからず存在する。この点において、デジタルデータを送信する通信インターフェース(例えば、USBインターフェース)を用いて生体情報処理装置と各生体情報センサを接続することが考えられる。この点において、各生体情報センサがデジタルデータ(特に、データパケット)として生体情報データを生体情報処理装置に送信する場合に、生体情報処理装置による生体情報データの周期的な処理の維持とリアルタイム処理に関する観点から生体情報システムをさらに改善させる余地がある。
【0005】
本開示は、各生体情報センサから送信された生体情報データに対する処理の周期性を維持しつつ、当該生体情報データに対する処理のリアルタイム性を向上させることが可能な生体情報処理装置、生体情報センサ及び生体情報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る生体情報処理装置は、各々が被検者の生体情報データを取得するように構成された複数の生体情報センサに通信可能に接続される。
前記生体情報処理装置は、
n番目(nは自然数)のメインフレームを分割した複数の第1サブフレームのうちのx番目(xは自然数)の第1サブフレームにおいて、前記複数の生体情報センサのうち第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、
m番目(mは自然数)のメインフレームを分割した複数の第2サブフレームのうちのx番目の第2サブフレームにおいて、前記第1の生体情報センサから前記第1生体情報データを受信する、ように構成されている。
【0007】
本開示の一態様に係る生体情報システムは、
上記生体情報処理装置と、
各々が被検者の生体情報データを取得するように構成されると共に、前記生体情報処理装置に通信可能に接続された複数の生体情報センサと、
を有する。
【0008】
本開示の一態様に係る生体情報センサは、被検者の生体情報データを取得するように構成されると共に、生体情報処理装置に通信可能に接続される。
前記生体情報センサは、
n番目(nは自然数)のメインフレームを分割した複数の第1サブフレームのうちのx番目(xは自然数)の第1サブフレームにおいて、前記生体情報処理装置に生体情報データを送信し、
m番目(mは自然数)のメインフレームを分割した複数の第2サブフレームのうちのx番目の第2サブフレームにおいて、前記生体情報処理装置に前記生体情報データを送信する、
ように構成されている。
【0009】
本開示の他の態様に係る生体情報処理装置は、各々が被検者の生体情報データを取得するように構成された複数の生体情報センサに通信可能に接続される。
前記生体情報処理装置は、
n番目(nは自然数)のメインフレームを分割した複数の第1サブフレームのうちのx番目(xは自然数)の第1サブフレームにおいて、前記複数の生体情報センサのうち第1の生体情報センサから第1生体情報データを受信し、
m番目(mは自然数)のメインフレームを分割した複数の第2サブフレームのうちのy番目の第2サブフレームにおいて、前記第1の生体情報センサから前記第1生体情報データを受信する、ように構成されている。yはxに基づいて決定される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、各生体情報センサから送信された生体情報データの周期性を維持しつつ、当該生体情報データに対する処理のリアルタイム性を向上させることが可能な生体情報処理装置、生体情報センサ及び生体情報システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態(以下、本実施形態という。)に係る生体情報システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る生体情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る生体情報センサの構成の一例を示す図である。
図4】n番目から(n+3)番目のメインフレームを示す図である。
図5】n番目のメインフレームに含まれる複数のサブフレームと各サブフレームにおいて実行されるトランザクションを示す図である。
図6】(a)は、1つのトランザクションにおいて転送される各パケットを示す図である。(b)は、トークンパケットの構成の一例を示す図である。(c)は、データパケットの構成の一例を示す図である。(d)は、ハンドシェイクパケットの構成の一例を示す図である。
図7】n番目のメインフレームの1番目のサブフレームにおいて生体情報システムによって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図8】(n+2)番目のメインフレームに含まれる複数のサブフレームと各サブフレームにおいて実行されるトランザクションを示す図である。
図9】USBメモリが分岐ユニットに新たに接続された生体情報システムを示す図である。
図10】各生体情報センサのトランザクションと分割バルクデータに関するトランザクションを示す図である。
図11】1つの生体情報センサが分岐ユニットから取り外された生体情報システムを示す図である。
図12図11に示す生体情報システムにおける各生体情報センサのトランザクションを示す図である。
図13】1つの生体情報センサが分岐ユニットから取り外されると共に、他の生体情報センサが分岐ユニットに新たに接続された生体情報システムを示す図である。
図14図13に示す生体情報システムにおける各生体情報センサのトランザクションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。最初に、図1を参照して本発明の実施形態(以下、単に本実施形態という。)に係る生体情報システム1の全体構成について説明する。図1は、生体情報システム1の全体構成の一例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、生体情報システム1は、生体情報処理装置2(以下、単に処理装置2という。)と、分岐ユニット3a~3cと、生体情報センサ4a~4hとを備える。処理装置2は、後述するようにUSB(Universal Serial Bus)インターフェースを有しており、分岐ユニット3aとUSBケーブルにより通信可能に接続されている。分岐ユニット3aは、USBケーブルにより分岐ユニット3b及び分岐ユニット3cに通信可能に接続されている。特に、分岐ユニット3bは、分岐ユニット3aの接続ポートCH1に接続されている。分岐ユニット3cは、分岐ユニット3aの接続ポートCH2に接続されている。分岐ユニット3a~3cの各々は、複数の接続ポートを有するUSBハブと、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えている。
【0014】
生体情報センサ4a~4dの各々は、USBインターフェースを有しており、USBケーブルにより分岐ユニット3bに通信可能に接続されている。この点において、生体情報センサ4aは、USBケーブルを介して分岐ユニット3bの接続ポートCH1に接続されている。生体情報センサ4bは、USBケーブルを介して分岐ユニット3bの接続ポートCH2に接続されている。生体情報センサ4cは、USBケーブルを介して分岐ユニット3bの接続ポートCH3に接続されている。生体情報センサ4dは、USBケーブルを介して分岐ユニット3bの接続ポートCH4に接続されている。
【0015】
生体情報センサ4e~4hの各々は、USBインターフェースを有しており、USBケーブルにより分岐ユニット3cに通信可能に接続されている。この点において、生体情報センサ4eは、USBケーブルを介して分岐ユニット3cの接続ポートCH1に接続されている。生体情報センサ4fは、USBケーブルを介して分岐ユニット3cの接続ポートCH2に接続されている。生体情報センサ4gは、USBケーブルを介して分岐ユニット3cの接続ポートCH3に接続されている。生体情報センサ4hは、USBケーブルを介して分岐ユニット3cの接続ポートCH4に接続されている。
【0016】
このように、処理装置2は、分岐ユニット3a,3bを介して生体情報センサ4a~4dに通信可能に接続されていると共に、分岐ユニット3a,3cを介して生体情報センサ4e~4hに通信可能に接続されている。尚、本実施形態では、説明の便宜上、生体情報システム1は、8つの生体情報センサを有しているが、生体情報センサの数は特に限定されるものではない。さらに、分岐ユニットの数も特に限定されるものではない。また、以降の説明では、便宜上、生体情報センサ4a~4hを総称して生体情報センサ4という場合がある。さらに、分岐ユニット3a~3cを総称して分岐ユニット3という場合がある。
【0017】
次に、図2を参照して処理装置2の構成について以下に説明する。図2は、処理装置2の構成の一例を示す図である。図2に示すように、処理装置2は、制御部20と、記憶装置23と、USBインターフェース24と、ネットワークインターフェース25と、表示部26と、入力操作部27とを備える。これらは、バス29を介して互いに通信可能に接続されている。
【0018】
処理装置2は、被検者の複数の生体情報データのトレンドグラフを表示するように構成された医療用機器(生体情報モニタ等)であってもよいし、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン、タブレット、医療従事者の身体(例えば、腕や頭等)に装着されるウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチやARグラス等)であってもよい。
【0019】
制御部20は、処理装置2の動作を制御するように構成されており、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、コンピュータ可読命令(プログラム)を記憶するように構成されている。例えば、メモリは、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成されてもよい。また、メモリは、フラッシュメモリ等によって構成されてもよい。プロセッサは、例えば、CPU、MPU(Micro Processing Unit)及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)である。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。プロセッサは、記憶装置23又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。
【0020】
記憶装置23は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置(ストレージ)であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。記憶装置23には、生体情報センサ4から送信された被検者の生体情報データが保存されてもよい。例えば、送信された生体情報データは、USBインターフェース24を介して記憶装置23に保存されてもよい。
【0021】
ネットワークインターフェース25は、処理装置2を通信ネットワークに接続するように構成されている。具体的には、ネットワークインターフェース25は、通信ネットワークを介してサーバ等の外部装置と通信するための各種有線接続端子を含んでもよい。また、ネットワークインターフェース25は、アクセスポイントと無線通信するための各種処理回路及びアンテナ等を含んでもよい。アクセスポイントと処理装置2との間の無線通信規格は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、LPWA又は第5世代移動通信システム(5G)である。通信ネットワークは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)及びインターネットのうちの少なくとも一つを含む。
【0022】
表示部26は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置であってもよいし、操作者の頭に装着される透過型又は非透過型のヘッドマウントディスプレイ等であってもよい。さらに、表示部26は、画像をスクリーン上に投影するプロジェクター装置であってもよい。
【0023】
入力操作部27は、処理装置2を操作する医療従事者の入力操作を受付けると共に、当該入力操作に応じた指示信号を生成するように構成されている。入力操作部27は、例えば、表示部26上に重ねて配置されたタッチパネル、筐体に取り付けられた操作ボタン、マウス及び/又はキーボード等である。入力操作部27によって生成された指示信号がバス29を介して制御部20に送信された後、制御部20は、指示信号に応じて所定の動作を実行する。
【0024】
USBインターフェース24は、処理装置2を生体情報センサ4や分岐ユニット3等の周辺機器に通信可能に接続するためのUSB規格のインターフェースである。USBインターフェース24は、USBケーブルのコネクタが入力される接続端子を含んでいる。
【0025】
次に、図3を参照して生体情報センサ4(生体情報センサ4a~4hの各々)の構成について以下に説明する。図3は、生体情報センサ4の構成の一例を示す図である。以下では、生体情報センサ4a~4hの総称である生体情報センサ4の構成について説明を行う。図3に示すように、生体情報センサ4は、制御部40と、アナログ回路部42と、USBインターフェース46と、センサ部48とを備える。これらは、バス49を介して互いに通信可能に接続されている。
【0026】
制御部40は、生体情報センサ4の動作を制御するように構成されており、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、ROM及びRAMを有してもよい。プロセッサは、例えば、CPU、GPU及び/又はMPUである。USBインターフェース46は、生体情報センサ4を処理装置2又は分岐ユニット3等の周辺装置に通信可能に接続するためのUSB規格のインターフェースである。USBインターフェース46は、USBケーブルのコネクタが入力される接続端子を含んでいる。センサ部48は、被検者の生体情報データをアナログデータとして取得するように構成されている。生体情報センサが心電図センサである場合に、センサ部48は、被検者の心電図データ(生体情報データの一例)を取得するように構成されている。また、生体情報センサが脈波センサである場合に、センサ部48は、被検者の脈波データ(生体情報データの一例)を取得するように構成されている。この場合、センサ部48は、被検者の手指等の生体組織に向けて赤色光及び/又は赤外光を出射するように構成された発光部と、発光部から出射されて被検者の生体組織を通過又は反射した赤色光及び/又は赤外光を受光するように構成された受光部を有してもよい。センサ部48は、被検者の身体の一部に装着されてもよい。尚、本実施形態において、生体情報センサ4の種類は特に限定されるものではなく、生体情報センサ4は、心電図センサ、脈波センサ、血圧センサ、体温センサ又は呼吸センサ等であってもよい。また、生体情報センサ4a~4hは、それぞれ異なる種類の生体情報センサであってもよい。例えば、生体情報センサ4aは、生体情報データとして心電図データを取得するように構成された心電図センサである一方、生体情報センサ4bは、生体情報データとして脈波データを取得するように構成された脈波センサであってもよい。
【0027】
アナログ回路部42は、アナログ処理部43と、AD変換部45とを有する。アナログ処理部43は、センサ部48によって取得された生体情報データ(アナログデータ)に対して所定の処理を実行するように構成されている。例えば、アナログ処理部43は、生体情報データを増幅すると共に、増幅された生体情報データのノイズ成分(例えば、高周波成分)をフィルタリングするように構成されている。AD変換部45は、制御部40から出力された制御信号に基づいて、アナログ処理部43から出力された生体情報データに対してAD変換処理を実行するように構成されている。つまり、AD変換部45は、アナログデータである生体情報データをデジタルデータに変換するように構成されている。ここで、AD変換処理とは、サンプリング処理、量子化処理及び符号化処理からなる一連の処理を含む。特に、制御部40は、USBインターフェース46を介したSOF(Start of Frame)の受信に応じて制御信号を生成した上で、当該制御信号をAD変換部45に送信してもよい。その後、AD変換部45は、制御信号の受信に応じて生体情報データ(アナログデータ)のAD変換処理を開始してもよい。
【0028】
尚、本実施形態では、生体情報センサ4は、USBケーブルによって分岐ユニット3に接続されているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、各々の生体情報センサ4は、UARTケーブルでマルチセンサ処理ユニットに接続し、当該マルチセンサ処理ユニットとUART方式でデータの送受信を行う。当該マルチセンサ処理ユニットは、上述の分岐ユニット3と同様の方式でデータの送受信を行えばよい。
なお、マルチセンサ処理ユニットはUART方式に限られず、アナログ通信等の他の方式でデータ通信を行ってもよい。
【0029】
次に、図4から図8を参照して本実施形態に係る生体情報システム1の動作例について以下に説明する。特に、図4から図8を参照してどのように生体情報センサ4a~4hの各々がデジタルデータである生体情報データを処理装置2に送信するのかについて以下に説明する。図4は、n番目のメインフレームFから(n+3)番目のメインフレームFn+3を示す図である。図5は、n番目のメインフレームFに含まれる8つのサブフレームf1~f8と各サブフレームf1~f8において実行されるトランザクションを示す図である。図6(a)は、1つのトランザクションにおいて転送される各パケットを示す図である。図6(b)は、トークンパケットの構成の一例を示す図である。図6(c)は、データパケットの構成の一例を示す図である。図6(d)は、ハンドシェイクパケットの構成の一例を示す図である。図7は、n番目のメインフレームFの1番目のサブフレームf1において生体情報システム1によって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。図8は、(n+2)番目のメインフレームFn+2に含まれる複数のサブフレームf1~f8と各サブフレームf1~f8において実行されるトランザクションを示す図である。
【0030】
図4に示すように、本実施形態に係る生体情報システム1では、n番目(nは自然数)のメインフレームF及び(n+2)番目のメインフレームFn+2において生体情報データの転送が実行される。換言すれば、メインフレームF,Fn+2において生体情報センサ4a~4hの各々は、パケットとしてデジタルデータである生体情報データを処理装置2に送信する。一方、(n+1)番目のメインフレームFn+1及び(n+3)番目のメインフレームFn+3において生体情報データの転送が実行されない。換言すれば、メインフレームFn+1,Fn+3において生体情報センサ4a~4hの各々は、パケットとしてデジタルデータである生体情報データを処理装置2に送信しない。つまり、生体情報システム1では、(n+2i)番目(iは0以上の整数)のメインフレームFn+2iにおいて生体情報データの転送(トランザクション)が実行される一方で、(n+2i+1)番目のメインフレームFn+2i+1において生体情報データの転送(トランザクション)が実行されない。各メインフレームは、1msのフレーム長を有する。また、後述するように、各メインフレームは、フレーム長が125μsの8つのサブフレームを有する。
【0031】
次に、図5を参照してn番目のメインフレームFの詳細について説明する。図5に示すように、メインフレームFは、8つのサブフレームf1~f8(第1サブフレームの一例)に分割されている。サブフレームf1~f8の各々は、125μsのフレーム長を有する。サブフレームのフレーム長(時間長)は、ホストである処理装置2が所定のSOFパケットを送信する時刻と処理装置2が当該所定のSOFパケットの次のSOFパケットを送信する時刻との間の時間間隔によって規定される。このように、SOFパケットの送信間隔によってサブフレームのフレーム長が既定される。メインフレームFだけでなく他のメインフレームも同様に8つのサブフレームf1~f8に分割されている。このように、処理装置2は、125μsの時間間隔毎にSOFパケットを各生体情報センサ4a~4hに向けてブロードキャストするように構成されている。
【0032】
また、図5に示すように、生体情報センサ4と処理装置2との間のトランザクションは、サブフレーム内で実行される。特に、本実施形態では、サブフレームf1~f8の各々において4つのトランザクションが実行される。ここで、1つのトランザクションでは、図6(a)に示すように、トークンパケットと、データパケットと、ハンドシェイクパケットが転送される。1つのトランザクションでは、トークンパケットが転送された後に、データパケットが転送され、最後にハンドシェイクパケットが転送される。
【0033】
トークンパケットは、例えば、同期用のSYNCデータ(8ビット)と、トークンパケットの識別子を示すPIDデータ(4ビット)と、USBアドレスを示すADDRデータ(7ビット)と、エンドポイントを示すENDPデータ(4ビット)と、チェックコード用のCRCデータ(5ビット)とにより構成される(図6(b)参照)。
【0034】
データパケットは、例えば、同期用のSYNCデータ(8ビット)と、データパケットの識別子を示すPIDデータ(4ビット)と、生体情報データ等に相当する送信データ(0-1023バイト)と、チェックコード用のCRCデータ(5ビット)とにより構成される(図6(c)参照)。ハンドシェイクパケットは、例えば、同期用のSYNCデータ(8ビット)と、ハンドシェイクパケットの識別子を示すPIDデータ(4ビット)を含む(図6(d)参照)。
【0035】
また、トランザクションには、INトランザクションとOUTトランザクションの2種類のトランザクションが存在する。INトランザクションでは、ホストである処理装置2がターゲットである生体情報センサ4からデータを受信する。一方、OUTトランザクションでは、ホストである処理装置2がターゲットである生体情報センサ4にデータを送信する。例えば、図5に示す「1 IN」とは、1番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ4と処理装置2との間のINトランザクションを示す。一方、「1 OUT」とは、1番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ4と処理装置2との間のOUTトランザクションを示す。このように、「i IN」(iは自然数)とは、i番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ4と処理装置2との間のINトランザクションを示す。一方、「i OUT」とは、i番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ4と処理装置2との間のOUTトランザクションを示す。
【0036】
本実施形態では、生体情報センサ4a~4hの各々は、以下の順番で分岐ユニット3にそれぞれ接続されるものとする。

・1番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ:生体情報センサ4a
・2番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ:生体情報センサ4b
・3番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ:生体情報センサ4c
・4番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ:生体情報センサ4d
・5番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ:生体情報センサ4e
・6番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ:生体情報センサ4f
・7番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ:生体情報センサ4g
・8番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ:生体情報センサ4h
【0037】
上記より、1番目のサブフレームf1では、1番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ4aと処理装置2との間のINトランザクション(「1 IN」)が実行された後に、生体情報センサ4aと処理装置2との間のOUTトランザクション(「1 OUT」)が実行される。その後、2番目に分岐ユニット3に接続された生体情報センサ4bと処理装置2との間のINトランザクション(「2 IN」)が実行された後に、生体情報センサ4bと処理装置2との間のOUTトランザクション(「2 OUT」)が実行される。
【0038】
図7を参照してサブフレームf1において生体情報システム1によって実行される4つのトランザクションについて具体的に以下に説明する。最初に、ステップS1において、処理装置2は、SOFパケットを各生体情報センサ4a~4hに送信(ブロードキャスト)する。次に、ステップS2において、処理装置2は、生体情報センサ4aを指定するトークンパケットを生体情報センサ4a~4hに送信する。生体情報センサ4aは、生体情報センサ4aを指定するトークンパケットの受信に応じて、メモリに保存された生体情報データ(デジタルデータ)をデータパケットとして処理装置2に送信する(ステップS3)。次に、処理装置2は、生体情報センサ4aから生体情報データを受信した後に、ハンドシェイクパケット(ACK)を生体情報センサ4aに送信する(ステップS4)。このように、生体情報センサ4aと処理装置2との間のINトランザクションが実行される。尚、本実施形態では、処理装置2(ホスト)は生体情報センサ4(ターゲット)にユニキャスト方式でデータを転送してもよい。
【0039】
次に、ステップS5において、処理装置2は、生体情報センサ4aを指定するトークンパケットを生体情報センサ4a~4hに送信する。その後、処理装置2は、メモリに保存された生体情報センサ4aの動作を制御するための制御データを生体情報センサ4a~4hに送信する(ステップS6)。例えば、生体情報センサ4aが脈波センサである場合に、制御データは、発光部又は受光部の動作を制御するための制御データであってもよい。また、制御データは、アナログ回路部42の動作を制御するための制御データであってもよい。次に、生体情報センサ4aは、制御データの受信に応じてハンドシェイクパケット(ACK)を処理装置2に送信する(ステップS7)。このように、生体情報センサ4aと処理装置2との間のOUTトランザクションが実行される。
【0040】
次に、所定期間の経過後に、処理装置2は、生体情報センサ4bを指定するトークンパケットを生体情報センサ4a~4hに送信する(ステップS8)。生体情報センサ4bは、生体情報センサ4bを指定するトークンパケットの受信に応じて、メモリに保存された生体情報データ(デジタルデータ)をデータパケットとして処理装置2に送信する(ステップS9)。次に、処理装置2は、生体情報センサ4bから生体情報データを受信した後に、ハンドシェイクパケット(ACK)を生体情報センサ4bに送信する(ステップS10)。このように、生体情報センサ4bと処理装置2との間のINトランザクションが実行される。
【0041】
次に、ステップS11において、処理装置2は、生体情報センサ4bを指定するトークンパケットを生体情報センサ4a~4hに送信する。その後、処理装置2は、メモリに保存された生体情報センサ4bの動作を制御するための制御データを生体情報センサ4a~4hに送信する(ステップS12)。次に、生体情報センサ4bは、制御データの受信に応じてハンドシェイクパケット(ACK)を処理装置2に送信する(ステップS13)。このように、生体情報センサ4bと処理装置2との間のOUTトランザクションが実行される。
【0042】
図7に示すフローチャートと同様の手法によって、サブフレームf2~f8の各々において4つのトランザクションが実行される。特に、図5に示すように、サブフレームf2~f4において、以下のトランザクションが実行される。尚、以降の説明では、生体情報センサ4と処理装置2との間のトランザクションを単に生体情報センサ4のトランザクションという。

<サブフレームf2>
・生体情報センサ4cのINトランザクション(「3 IN」)
・生体情報センサ4cのOUTトランザクション(「3 OUT」)
・生体情報センサ4dのINトランザクション(「4 IN」)
・生体情報センサ4dのOUTトランザクション「4 OUT」)

<サブフレームf3>
・生体情報センサ4eのINトランザクション(「5 IN」)
・生体情報センサ4eのOUTトランザクション(「5 OUT」)
・生体情報センサ4fのINトランザクション(「6 IN」)
・生体情報センサ4fのOUTトランザクション「6 OUT」)

<サブフレームf4>
・生体情報センサ4gのINトランザクション(「7 IN」)
・生体情報センサ4gのOUTトランザクション(「7 OUT」)
・生体情報センサ4hのINトランザクション(「8 IN」)
・生体情報センサ4hのOUTトランザクション「8 OUT」)
【0043】
さらに、サブフレームf5において、サブフレームf1で実行された4つのトランザクションが再度実行される。具体的には、サブフレームf5において、生体情報センサ4aと処理装置2との間のINトランザクション(「1 IN」)が実行された後に、生体情報センサ4aと処理装置2との間のOUTトランザクション(「1 OUT」)が実行される。その後、生体情報センサ4bと処理装置2との間のINトランザクション(「2 IN」)が実行された後に、生体情報センサ4bと処理装置2との間のOUTトランザクション(「2 OUT」)が実行される。同様に、サブフレームf6において、サブフレームf2で実行された4つのトランザクションが再度実行される。サブフレームf7において、サブフレームf3で実行された4つのトランザクションが再度実行される。サブフレームf8において、サブフレームf4で実行された4つのトランザクションが再度実行される。このように、サブフレームf5~f8において、サブフレームf1~f4で実行されたトランザクションが再度実行される。つまり、サブフレームf1~f4で転送された生体情報データ及び制御データがサブフレームf5~f8で再度転送される。
【0044】
本実施形態によれば、メインフレームFにおいて同一の生体情報データが生体情報センサ4から2回送信されるため、生体情報センサ4a~4hの各々から送信される生体情報データに冗長性を持たせることが可能となる。このように、各生体情報データの信頼性を向上させることが可能となる。
【0045】
次に、図8を参照して(n+2)番目のメインフレームFn+2の詳細について説明する。図8に示すように、メインフレームFと同様に、メインフレームFn+2も125μsのフレーム長を有する8つのサブフレームf1~f8(第2サブフレームの一例)に分割されている。サブフレームf1において、生体情報センサ4aのINトランザクションが実行された後に、生体情報センサ4aのOUTトランザクションが実行される。その後、生体情報センサ4bのINトランザクションが実行された後に、生体情報センサ4bのOUTトランザクションが実行される。即ち、(n+2)番目のメインフレームFn+2のサブフレームf1で実行される4つのトランザクションは、n番目のメインフレームFのサブフレームf1で実行される4つのトランザクションと同一となる。同様に、メインフレームFn+2のサブフレームf2~f8の各々で実行される4つのトランザクションは、メインフレームFのサブフレームf2~f8の各々で実行される4つのトランザクションと同一となる。
【0046】
さらに、(n+2i)番目のメインフレームFn+2i(iは自然数)のサブフレームf1~f8の各々で実行される4つのトランザクションは、メインフレームFのサブフレームf1~f8の各々で実行される4つのトランザクションと同一となる。例えば、メインフレームFn+2iのサブフレームf1で実行される4つのトランザクションは、メインフレームFのサブフレームf1で実行される4つのトランザクションと同一となる。さらに、メインフレームFn+2iのサブフレームf2で実行される4つのトランザクションは、メインフレームFのサブフレームf2で実行される4つのトランザクションと同一となる。このように、本実施形態では、各メインフレームにおいて、生体情報センサ4のトランザクションが実行されるサブフレームの順番が固定されている。換言すれば、各メインフレームにおいて、生体情報データが転送されるサブフレームの順番が固定されている。このように、処理装置2は、生体情報センサ4a~4hの各々から生体情報データを略一定の周期で取得することができるため、受信した各生体情報データに対する処理の周期性の維持とリアルタイム性を向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、1つのサブフレームにおいて2つのINトランザクションが実行される(換言すれば、2つの異なる生体情報データが転送される)ので、各生体情報データに対する処理の周期性を維持しつつ、各生体情報データに対する処理のリアルタイム性を向上させることができる。尚、本実施形態では、1つのサブフレームにおいて、2つのINトランザクションと2つのOUTトランザクションが実行されるが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、一つのサブフレームにおいて、2以上のINトランザクション及び2以上のOUTトランザクションが実行されてもよい。さらに、サブフレームf1において4つのINトランザクションが実行された後に、サブフレームf2において4つのOUTトランザクションが実行されてもよい。この場合でも、各メインフレームにおいて、生体情報センサ4のトランザクションに割り当てられたサブフレームの順番が固定されていれば、各生体情報データの転送周期を略一定にすることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態に係る処理装置2は、受信した所定の生体情報データにエラーが存在した場合でも、所定の生体情報データを送信する生体情報センサ4に所定の生体情報データの再送を要求しないように構成されている。このように、各メインフレームにおいて、生体情報センサ4のトランザクションに割り当てられたサブフレームの順番が維持されるため、各生体情報データの転送周期を略一定にすることが可能となる。
【0049】
尚、本実施形態では、各メインフレームにおいて、生体情報センサ4のトランザクションが実行されるサブフレームの順番が固定されているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。具体的には、本実施形態では、メインフレームFのx番目のサブフレームfで実行されるトランザクションは、各メインフレームFn+2iのサブフレームfで実行されている。一方で、メインフレームFのサブフレームfで実行されるトランザクションAは、各メインフレームFn+2iのy番目のサブフレームfで実行されてもよい。特に、メインフレームFのサブフレームfで実行されるトランザクションAは、各メインフレームFn+2iの(x+1)番目のサブフレームfx+1で実行されてもよいし、又は各メインフレームFn+2iの(x-1)番目のサブフレームfx-1で実行されてもよい。この場合、y=x±1となる。このように、yはxに基づいて決定される。また、メインフレームFのサブフレームfで実行されるトランザクションAは、メインフレームFn+2の(x+1)番目のサブフレームfx+1で実行された後に、メインフレームFn+4のx番目のサブフレームfで実行されてもよい。その後、トランザクションAは、メインフレームFn+6のx番目のサブフレームfx-1で実行された後に、インフレームFn+8のx番目のサブフレームfで実行されてもよい。このように、各メインフレームにおいて、生体情報データが転送されるサブフレームの順番は必ずしも固定されていなくてよい。
【0050】
(第1変形例)
次に、図9及び図10を参照して第1変形例に係る生体情報システム1Aの動作例について以下に説明する。図9は、USBメモリ5が分岐ユニット3cに新たに接続された生体情報システム1Aを示す図である。図10は、各生体情報センサ4a~4hのトランザクションと分割されたバルクデータに関するトランザクション示す図である。生体情報システム1Aは、USBメモリ5が分岐ユニット3cの接続ポートCH5に接続されている点においてのみ図1に示す生体情報システム1と相違する。
【0051】
図9に示すように、各生体情報センサ4a~4hの各々が分岐ユニット3に接続された状態で、USBメモリ5が分岐ユニット3cに新たに接続される。その後、USBメモリ5に保存されたバルクデータが処理装置2に転送される。この点において、USBメモリ5は、バルクデータを複数のパケットに分割した上で、分割したバルクデータ(以下、「分割バルクデータ」という。)を処理装置2に送信する。図10に示すように、「9 IN_1」とは、USBメモリ5から処理装置2に転送される分割バルクデータのうち1番目に転送される分割バルクデータに関するINトランザクションを示す。このように、「9 IN_i」(iは自然数)とは、USBメモリ5から処理装置2に転送される分割バルクデータのうちi番目に転送される分割バルクデータに関するINトランザクションを示す。
【0052】
図10に示すように、(n+2i)番目のメインフレームFn+2iのサブフレームf1~f8の各々において、分割バルクデータに関するINトランザクションが実行され得る。換言すれば、メインフレームFn+2iのサブフレームf1~f8の各々において、処理装置2は分割バルクデータを受信することができる。この点において、処理装置2は、各サブフレームf1~f8におけるデータ転送の空き容量を考慮した上で、各サブフレームf1~f8において分割バルクデータに関するトランザクションを実行するべきかどうかを判断してもよい。例えば、処理装置2は、サブフレームf1におけるデータ転送の空き容量が不足していると判断した場合には、サブフレームf1において分割バルクデータに関するトランザクションを実行しなくてもよい。分割バルクデータに関するINトランザクションでは、図6(a)に示すように、最初に、USBメモリ5を指定するトークンパケットが処理装置2から送信(ブロードキャスト)される。次に、分割バルクデータを含むデータパケットがUSBメモリ5から処理装置2に送信される。最後に、ハンドシェイクパケット(ACK)が処理装置2から送信される。
【0053】
また、図10に示すように、分割バルクデータに関するトランザクションが各サブフレームf1~f8において実行される一方で、各生体情報センサ4a~4hのINトランザクション及びOUTトランザクションに割り当てられたサブフレームの順番が維持される。このように、第1変形例に係る生体情報システム1Aでは、処理装置2は、USBメモリ5からバルクデータをリアルタイムに取得することができると共に、生体情報センサ4a~4hの各々から生体情報データを略一定の周期で取得することができる。このように、各生体情報データに対する処理の周期性及びリアルタイム性を維持しつつ、大容量のバルクデータを同時に転送することができる。
なお、バルクデータは、空状態となっている任意のサブフレーム(送信対象のデータがない任意のサブフレーム、換言すると空のデータ帯域を有する任意のサブフレーム)において送受信させることができる。
【0054】
(第2変形例)
次に、図11及び図12を参照して第2変形例に係る生体情報システム1Bの動作例について以下に説明する。図11は、生体情報センサ4aが分岐ユニット3bから取り外された生体情報システム1Bを示す図である。図12は、図11に示す生体情報システム1Bにおける各生体情報センサ4a~4hのトランザクションを示す図である。生体情報システム1Bは、生体情報センサ4aが分岐ユニット3bの接続ポートCH1から取り外された点においてのみ図1に示す生体情報システム1と相違する。
【0055】
図12に示すように、生体情報センサ4aが分岐ユニット3bから取り外された場合(換言すれば、生体情報センサ4aと処理装置2との間の通信が切断された場合)では、サブフレームf1,f5において生体情報センサ4aのトランザクションが実行されない。この状態において、生体情報センサ4b~4hのトランザクション(換言すれば、生体情報センサ4b~4hの各々の生体情報データ)に割り当てられたサブフレームの順番が維持される。このように、生体情報センサ4と処理装置2との間の通信が切断された場合でも、各生体情報データの転送周期を略一定にすることが可能となる。
【0056】
(第3変形例)
次に、図13及び図14を参照して第3変形例に係る生体情報システム1Cの動作例については以下に説明する。図13は、生体情報センサ4aが分岐ユニット3bから取り外されると共に、生体情報センサ4iが分岐ユニット3cに新たに接続された生体情報システム1Cを示す図である。図14は、図13に示す生体情報システム1Cにおける各生体情報センサ4b~4iのトランザクションを示す図である。生体情報システム1Cは、生体情報センサ4iが分岐ユニット3cの接続ポートCH5に接続された点においてのみ図11に示す生体情報システム1Bと相違する。
【0057】
図13に示すように、生体情報センサ4aが分岐ユニット3bの接続ポートCH1から取り外された後に、生体情報センサ4iが分岐ユニット3cの接続ポートCH5に新たに接続される。その後、生体情報センサ4iのINトランザクションとOUTトランザクションが実行される。換言すれば、生体情報センサ4iから処理装置2に生体情報データが転送されると共に、処理装置2から生体情報センサ4iに制御データが転送される。ここで、図14に示すように、「9 IN」は、生体情報センサ4iのINトランザクションを示す。「9 OUT」は、生体情報センサ4iのOUTトランザクションを示す。
【0058】
図14に示すように、生体情報センサ4aが分岐ユニット3bから取り外されたとき(換言すれば、生体情報センサ4aと処理装置2との間の通信が切断されたとき)、サブフレームf1,f5において生体情報センサ4aのトランザクションが実行されない。その後、生体情報センサ4iが分岐ユニット3cの接続ポートCH5に新たに接続されたときに、サブフレームf1,f5において生体情報センサ4iのトランザクションが実行される。具体的には、生体情報センサ4aのトランザクションが実行される時間領域において、生体情報センサ4iのトランザクションが実行される。さらに、この状態において、生体情報センサ4b~4hのトランザクション(換言すれば、生体情報センサ4b~4hの各々の生体情報データ)に割り当てられたサブフレームの順番が維持される。
【0059】
このように、生体情報センサ4aが分岐ユニット3bから取り外れると共に、生体情報センサ4iが分岐ユニット3cに新たに接続される場合でも、処理装置2は、各生体情報センサ4b~4hから生体情報データを周期的に受信すると共に、生体情報センサ4iから生体情報データを周期的に受信することができる。このように、受信した各生体情報データに対する処理の周期性を維持しつつ、各生体情報データに対する処理のリアルタイム性を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0061】
また、本実施形態では、デジタルデータの通信インターフェースとしてUSBインターフェースを用いて複数の生体情報センサ4を処理装置2に接続しているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、USBインターフェースの代わりにEthernet(登録商標)インターフェースが使用されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1,1A,1B,1C:生体情報システム
2:生体情報処理装置(処理装置)
3,3a,3b,3c:分岐ユニット
4,4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4h,4i:生体情報センサ
5:USBメモリ
20:制御部
23:記憶装置
24:USBインターフェース
25:ネットワークインターフェース
26:表示部
27:入力操作部
29:バス
40:制御部
42:アナログ回路部
43:アナログ処理部
45:変換部
46:USBインターフェース
48:センサ部
49:バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14