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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】防火面格子
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/01 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
E06B9/01 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019141977
(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公開番号】P2021025244
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390040800
【氏名又は名称】株式会社ナカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】弁理士法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西本 直史
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 祥博
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-98948(JP,U)
【文献】特開2001-173332(JP,A)
【文献】実開昭48-12846(JP,U)
【文献】特開2012-41731(JP,A)
【文献】特開2011-241680(JP,A)
【文献】特開2001-107657(JP,A)
【文献】特開2002-38838(JP,A)
【文献】特開2001-321455(JP,A)
【文献】特開2010-203754(JP,A)
【文献】特開2000-145332(JP,A)
【文献】特開平11-193676(JP,A)
【文献】特開平10-8854(JP,A)
【文献】特開2003-314162(JP,A)
【文献】特開2009-287192(JP,A)
【文献】実公昭46-31493(JP,Y1)
【文献】実開昭59-196689(JP,U)
【文献】実開平3-95496(JP,U)
【文献】実開昭58-141089(JP,U)
【文献】特開平11-200722(JP,A)
【文献】実開昭63-140495(JP,U)
【文献】実開昭63-64884(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00-11/08
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓装置を構成する窓枠の屋外側に取り付けられる取付ブラケットと、
矩形枠状に構成され、前記取付ブラケットに対して一端が回動可能に支持された框枠体と、前記框枠体の内側に開閉可能に支持された複数のルーバとをそれぞれ有する、面格子本体と、
前記面格子本体を閉鎖位置に保持するためのロック機構と、
前記ロック機構を解除する、温度センサを有する解除機構と、を備え、
前記ロック機構は、前記取付ブラケットに備えられたブラケット側係合部と、前記面格子本体に備えられた面格子側係合部とを有し、
前記温度センサが所定温度に達したことを検知すると、前記ブラケット側係合部と前記面格子側係合部との係合を解除し、前記面格子本体を揺動開放させる、防火面格子。
【請求項2】
前記解除機構は、前記面格子側係合部を先端部に備えた解除腕部と、前記解除腕部を先端側に向けて押圧する押圧部とをさらに有しており、前記温度センサが前記所定温度に達したことを検知すると、前記解除腕部の先端側への移動を許容する、請求項1に記載した防火面格子。
【請求項3】
窓装置を構成する窓枠の屋外側に取り付けられる取付ブラケットと、
矩形枠状に構成され、前記取付ブラケットに対して下端が回動可能に支持された框枠体と、前記框枠体の内側に開閉可能に支持された複数のルーバとをそれぞれ有する、面格子本体と、
前記面格子本体を閉鎖位置に保持するためのロック機構と、
前記框枠体の上辺を構成する上框の内部に収容されており、前記ロック機構を解除する、温度センサを有する解除機構と、を備え、
前記温度センサが所定温度に達したことを検知すると、前記ロック機構を解除し、前記面格子本体を揺動開放させる、防火面格子。
【請求項4】
窓装置を構成する窓枠の屋外側に取り付けられる取付ブラケットと、
矩形枠状に構成され、前記取付ブラケットに対して一端が回動可能に支持された框枠体と、前記框枠体の内側に開閉可能に支持された複数のルーバとをそれぞれ有する、面格子本体と、
前記面格子本体を閉鎖位置に保持するためのロック機構と、
前記ロック機構を解除する、温度センサを有する解除機構と、を備え、
前記取付ブラケットは、前記窓枠に取り付けられる第1取付ブラケットと、上端部を前記第1取付ブラケットに対し回動可能に支持した第2取付ブラケットとを有しており、
前記框枠体の下端は、前記第2取付ブラケットの下端部に対して回動可能に支持されており、
前記温度センサが所定温度に達したことを検知すると、前記ロック機構を解除し、前記面格子本体を揺動開放させる、防火面格子。
【請求項5】
窓装置を構成する窓枠の屋外側に取り付けられる取付ブラケットと、
矩形枠状に構成され、前記取付ブラケットに対して一端が回動可能に支持された框枠体と、前記框枠体の内側に開閉可能に支持された複数のルーバとをそれぞれ有する、面格子本体と、
前記面格子本体を閉鎖位置に保持するためのロック機構と、
前記ロック機構を解除する、温度センサを有する解除機構と、
前記面格子本体を屋外側に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記温度センサが所定温度に達したことを検知すると、前記ロック機構を解除し、前記面格子本体を揺動開放させる、防火面格子。
【請求項6】
前記面格子本体の開放角度を規制するための角度規制手段をさらに備える、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載した防火面格子。
【請求項7】
前記温度センサは、前記所定温度に達すると溶断する、温度ヒューズである、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載した防火面格子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓装置の屋外側に設置される防火面格子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マンションなどの集合住宅においては、室内換気や採光などの目的で、共用廊下に面した位置に窓装置を設置することが行われている。また、共用廊下に面して設置された窓装置の屋外側には、防犯性やプライバシーを確保するために、面格子を設けることが行われている。面格子としては、従来から各種構造のものが知られているが、特開2009-46868号公報などに記載された、開閉可能なルーバを備えたルーバ面格子は、通風性や遮光性などを自由に調節できることから、近年使用例が増えている。一方、火災時の延焼などを防止するため、防火性能を向上させた面格子が近年要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-46868号公報
【文献】特開2001-173332号公報
【文献】特開2012-41731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防犯性やプライバシーを確保しつつ、防火性能を向上させるには、窓装置の屋外側に設置したルーバ面格子のルーバを全閉にした状態で、室内で火災が発生した場合に、窓装置からの放熱をルーバ面格子が遮らない構造にすることが有効である。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ルーバを全閉にした状態で、室内で火災が発生した場合にも、窓装置からの放熱を遮らない、防火面格子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる防火面格子は、窓装置の屋外側に設置されるものであり、取付ブラケットと、面格子本体と、ロック機構と、解除機構とを備える。
前記取付ブラケットは、前記窓装置を構成する窓枠の屋外側に取り付けられる。
前記面格子本体は、矩形枠状に構成され、前記取付ブラケットに対して一端(例えば下端、上端又は左右の一端)が回動可能に支持(枢支)された框枠体と、前記框枠体の内側に開閉可能に支持された複数のルーバとを、それぞれ有している。
前記ロック機構は、前記面格子本体を閉鎖位置に保持(ロック)するものである。
前記解除手段は、温度センサを有しており、前記ロック機構を解除するものである。
本発明の一態様にかかる防火面格子は、前記温度センサが所定温度に達したことを検知すると、前記ロック機構を解除し、前記面格子本体を揺動開放させる。
【0007】
本発明の一態様では、前記温度センサを、前記所定温度に達すると溶断する温度ヒューズとすることができる。
【0008】
本発明の一態様では、前記ロック機構を、前記取付ブラケットに備えられたブラケット側係合部と、前記面格子本体に備えられた面格子側係合部とを備えたものとすることができる。
【0009】
本発明の一態様では、前記解除機構を、前記面格子側係合部を先端部に備えた解除腕部と、前記解除腕部を先端側に向けて押圧する押圧部とをさらに有するものとし、前記温度センサが前記所定温度に達したことを検知すると、前記解除腕部の先端側への移動を許容するものとすることができる。
【0010】
本発明の一態様では、前記框枠体の下端を、前記取付ブラケットに対して回動可能に支持することができる。
この場合には、前記框枠体の上辺を構成する上框の内部に、前記解除機構を収容することができる。
また、前記取付ブラケットを、前記縦枠に取り付けられる第1取付ブラケットと、上端部を前記第1取付ブラケットに対して回動可能に支持した第2取付ブラケットとを有するものとし、前記框枠体の下端を、前記2取付ブラケットの下端部に対して回動可能に支持することができる。
【0011】
本発明の一態様では、前記面格子本体の開放角度を規制するための角度規制手段をさらに備えることができる。
【0012】
本発明の一態様では、前記面格子本体を屋外側に向けて付勢する付勢部材をさらに備えることができる。
前記付勢部材としては、例えばバネやゴムなどの弾性部材を採用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防火面格子によれば、ルーバを全閉にした状態で、室内で火災が発生した場合にも、窓装置からの放熱を遮らないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施の形態の第1例に係る防火面格子を屋外側から見た図である。
図2図2は、図1のA-A断面に相当する縦断面図である。
図3図3は、図2から各障子を省略して示す図であり、(A)はルーバの全閉状態を示しており、(B)はルーバの全開状態を示している。
図4図4は、図1のB-B断面に相当する一部省略図である。
図5図5は、図3の(A)の上部拡大図である。
図6図6は、図2から各障子を省略し、メンテナンス作業時に、面格子本体を揺動開放した状態を示す図である。
図7図7は、上部丁番を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
図8図8は、図3の(A)の下部拡大図である。
図9図9は、図2から各障子を省略し、火災発生時に、面格子本体が揺動開放した状態を示す図である。
図10図10は、下部丁番を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
図11図11は、図1のB-B断面図である。
図12図12は、図2のC-C断面に相当する図であり、(A)はロック状態を示しており、(B)はロック解除状態を示している。
図13図13は、図12の上方から見た一部省略図であり、(A)はロック状態を示しており、(B)はロック解除状態を示している。
図14図14は、図12の部分拡大図である。
図15図15は、本発明の変形例の3例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1図14を用いて説明する。
【0016】
防火面格子1は、例えばマンションなどの共用廊下に面して取り付けられた窓装置2の屋外側に設置されるもので、室内で火災が発生した場合に、自動的に揺動開放し、窓装置2からの放熱を妨げないようにする機能を有する。以下、窓装置2の構造を簡単に説明した後、防火面格子1の構造を詳しく説明する。
【0017】
〈窓装置〉
窓装置2は、図2に示すように、矩形枠状の窓枠3と、窓枠3の内側にそれぞれ面内方向(水平方向)に関する移動が可能に引き違い式に建て込まれた、内障子4及び外障子5とを備えている。
なお、面内方向に関して外側とは、窓枠3の幅方向(左右方向)外側をいい、面内方向に関して内側とは、窓枠3の幅方向中央側をいう。
【0018】
窓枠3は、躯体の開口部の面内方向に配置されて上辺を構成する上枠6と、同じく面内方向に配置されて下辺を構成する下枠7と、鉛直方向に配置されて左右の縦辺を構成する1対の縦枠8とを備えている。そして、上枠6及び下枠7の面内方向両端部と1対の縦枠8の上下方向両端部とを、それぞれタッピングねじなどを用いて連結することにより、窓枠3を矩形枠(角部が直角状である四角枠)状に構成している。上枠6、下枠7及び縦枠8のそれぞれは、アルミニウム合金製である。
【0019】
内障子4及び外障子5は、矩形枠状の障子枠9a、9bと、障子枠9a、9bの内側に嵌め込まれた矩形板状のガラスパネル10a、10bとから構成されている。障子枠9a、9bを構成する各框(上框、下框、戸先框及び召し合わせ框)のそれぞれは、アルミニウム合金製である。
【0020】
内障子4は、窓枠3の屋内側部分に面内方向の移動を可能に建て込まれている。このために、内障子4の障子枠9aの上辺を、上枠6の屋内寄り部分に備えられた上部案内レール11aに係合させるとともに、内障子4の障子枠9aの下辺に備えられたローラ12aを、下枠7の屋内寄り部分に備えられた下部案内レール13aに係合させている。
【0021】
外障子5は、窓枠3の屋外側部分に面内方向の移動を可能に建て込まれている。このために、外障子5の障子枠9bの上辺を、上枠6の屋外寄り部分に備えられた上部案内レール11bに係合させるとともに、外障子5の障子枠9bの下辺に備えられたローラ12bを、下枠7の屋外寄り部分に備えられた下部案内レール13bに係合させている。
【0022】
本例の窓装置2は、網戸障子14をさらに備えている。網戸障子14は、窓枠3のうちで、外障子5が建て込まれた部分よりもさらに屋外側部分(屋外側端部)に、面内方向に関する移動が可能に建て込まれている。
【0023】
なお、本例では、窓装置として、引き違い式の窓装置2を採用した場合を示したが、本発明を実施する場合には、窓装置の構造は、引き違い式に限定されず、FIX窓、内開き窓、内倒し窓など、その他の構造を採用することもできる。
【0024】
〈防火面格子の全体構造〉
防火面格子1は、防犯性やプライバシーを確保するために、窓装置2の屋外側に設置されるもので、大別して、面格子本体15と、1対の取付ブラケット16と、ロック機構17と、解除機構18とを備えている。
【0025】
面格子本体15は、1対の取付ブラケット16を利用して、窓装置2の窓枠3を構成する縦枠8の屋外側に開閉可能に取り付けられており、平常時には、ロック機構17により閉鎖位置(窓装置2と平行に配置され、窓装置2を屋外側から完全に覆う位置)に保持されているが、火災発生時には、解除機構18によりロック機構17が解除され、揺動開放される。また、窓装置2のメンテナンスなどを行う際に、面格子本体15を手動で開放することも可能である。以下、このような本例の防火面格子1を構成する各部材について、詳しく説明する。
【0026】
《面格子本体》
面格子本体15は、矩形枠状に構成された框枠体19と、框枠体19の内側に開閉可能に支持された複数のルーバ20とを備えている。
【0027】
框枠体19は、上辺を構成する上框21と、下辺を構成する下框22と、それぞれが左右の縦辺を構成する1対の縦框23a、23bとを備えている。そして、上框21及び下框22の面内方向両端部と1対の縦框23a、23bの上下方向両端部とを、それぞれタッピングねじなどを用いて連結することにより、框枠体19を矩形枠状に構成している。上框21、下框22及び縦框23a、23bのそれぞれは、アルミニウム合金製であり、略矩形の断面形状を有している。
【0028】
ルーバ20は、略コ字形の断面形状を有する帯状部材であり、長手方向を面内方向に向け、上下方向に配列されている。上下方向に配列された複数のルーバ20は、互いに平行である。ルーバ20の面内方向両端部は、それぞれ支持ピン24を利用して、1対の縦框23a、23bに対し回動可能に支持(枢支)されている。また、複数のルーバ20を、同期して開閉させるために、ルーバ20の面内方向片端部を支持した支持ピン24同士を、図示しないクランクアーム及び連動杆などによって互いに連結している。これにより、上下方向中間部に配置されたルーバ20に備えられた操作レバー25を操作することで、図3の(A)及び(B)に示すように、複数のルーバ20を同期して開閉させられるようにしている。なお、ルーバ20の羽根角度は、全閉状態である0度(図3の(A))から全開状態である90度(図3の(B))までの間で調節可能である。
【0029】
《取付ブラケット》
取付ブラケット16は、面格子本体15を、窓装置2の窓枠3を構成する左右の縦枠8に対して取り付けるのに使用する取付金具であり、1対(2つ)備えられている。なお、1対の取付ブラケット16は、左右対称の形状を有しており、面内方向に離隔して互いに平行に配置されている。
【0030】
本例では、火災発生時と、窓装置2(特に網戸障子14)のメンテナンス作業時とに、面格子本体15の開放を可能とするために、1対の取付ブラケット16のそれぞれを、第1取付ブラケット26と、第2取付ブラケット27との、2つの部材から構成している。なお、本発明を実施する場合に、火災発生時にのみ面格子本体を開放可能とするのであれば、取付ブラケット16は、1つの部材(第1取付ブラケット26のみ)から構成することができる。
【0031】
第1取付ブラケット26は、図4に示すように、略L字形の断面形状を有する板状部材であり、縦枠8とほぼ同じ全長(上下寸法)を有している。これにより、第1取付ブラケット26が、縦枠8の屋外側面と面格子本体15を構成する左右の縦框23a、23bの屋内側面との間の空間を覆うことで、屋外側からの遮視性を向上させている。第1取付ブラケット26は、屋内側端部に係止溝28を有する持ち出し板部29と、持ち出し板部29の屋外側端部から、面内方向に関して内側に略直角に折れ曲がった取付板部30とを有している。係止溝28は、第1取付ブラケット26の全長にわたり備えられており、面内方向に関して外側が開口している。このような第1取付ブラケット26は、係止溝28の内側に、縦枠8の屋外側端部に備えられたヒレ状の係止片31を圧入し、係止溝28の内側面により係止片31を屋内外方向両側から挟持することで、縦枠8の屋外側に取り付けられる。なお、第1取付ブラケットとしては、縦枠8とほぼ同じ全長を有するものではなく、例えば特開2001-173332号公報などに記載されるような、上下寸法の小さいピース状の第1取付ブラケットを複数使用しても良い。
【0032】
第2取付ブラケット27は、略L字形の断面形状を有する板状部材であり、第1取付ブラケット26とほぼ同じ全長(上下寸法)を有している。第2取付ブラケット27は、第1取付ブラケット26を構成する取付板部30の屋外側に配置されており、取付板部30と略平行に配置された基板部32と、基板部32の面内方向外側の端部から屋外側に略直角に折れ曲がったガイド板部33とを有する。ガイド板部33は、面格子本体15を閉鎖位置に保持した状態で、左右の縦框23a、23bの面内方向外側に配置される。
【0033】
本例では、第2取付ブラケット27のそれぞれの上端部を、第1取付ブラケット26のそれぞれの上端部に対して回動可能に支持している。具体的には、図5に示すように、第1取付ブラケット26を構成する取付板部30の上端部と、第2取付ブラケット27を構成する基板部32の上端部とを、上部丁番34を利用して互いに連結している。これにより、図6に示すように、窓装置2のメンテナンス作業時に、いわゆる突き出し窓のように、面格子本体15の上部に配置された回動軸を中心として、面格子本体15を揺動開放させられるようにしている。この際、面格子本体15は、上端が回動端となり、下端が遊端となる。このように面格子本体15を揺動開放させる際には、第2取付ブラケット27は、面格子本体15と一体になって動作する。
【0034】
上部丁番34は、図7に示すように、1対の取付板35a、35bと、回動軸であるピン36とからなる。1対の取付板35a、35bのうち、第1取付ブラケット26に固定される一方の取付板35aは、1対のねじ孔37を有しており、長手方向一端部(取付状態での上端部)に、ピン36の両端部を支持するための1対の支持筒部38を有している。これに対し、1対の取付板35a、35bのうち、第2取付ブラケット27に固定される他方の取付板35bは、1対の下孔39を有しており、長手方向一端部(取付状態での上端部)に、略U字形に折れ曲がったフック部40を有している。上部丁番34は、他方の取付板35bに備えられたフック部40を、1対の支持筒部38同士の間に配置し、ピン36の軸方向中間部に係止することで組み立てられる。なお、ピン36の両端部は、ピン36の脱落を防止するために、かしめ変形させられている。本例では、第1取付ブラケット26に予め固定しておいた一方の取付板35aに支持されたピン36に対し、第2取付ブラケット27(面格子本体15)に予め固定しておいた他方の取付板35bのフック部40を係止する。これにより、上部丁番34を構成し、第1取付ブラケット26の取付板部30の上端部と、第2取付ブラケット27の基板部32の上端部とを、ピン36を中心とした回動を可能に連結する。
【0035】
メンテナンスを行う場合以外は、図3の(A)及び(B)に示すように、第1取付ブラケット26と第2取付ブラケット27とを、固定ねじ58により固定している。このため、メンテナンス作業者は、固定ねじ58を取り外してはじめて、面格子本体15(及び第2取付ブラケット27)を揺動開放させることが可能になる。これにより、窓枠3に備えられた網戸障子14の交換や、障子枠9a、9bに嵌め込まれたガラスパネル10a、10bの清掃などを行うことができる。なお、窓枠3に備えられた網戸障子14に代えて、例えば特開2012-41731号公報などに記載されるような、面格子に備えられた網戸を採用することもできる。
【0036】
本例では、上述のような第2取付ブラケット27のそれぞれの下端部に対して、面格子本体15の下端部の面内方向両端部を回動可能に支持している。具体的には、図8に示すように、第2取付ブラケット27を構成する基板部32の下端部と、面格子本体15を構成する左右の縦框23a、23bの下端部とを、下部丁番41を利用して互いに連結している。これにより、図9に示すように、火災発生時に、いわゆる外倒し窓のように、面格子本体15の下部に配置された回動軸を中心として、面格子本体15を揺動開放させられるようにしている。この際、面格子本体15は、下端が回動端となり、上端が遊端となる。このように面格子本体15が揺動開放する際には、第2取付ブラケット27は、第1取付ブラケット26と一体になっている。このように本例では、火災発生時とメンテナンス作業時とで、面格子本体15の開放パターンが異なる。
【0037】
下部丁番41は、図10に示すように、1対の取付板42a、42bと、回動軸であるピン43とからなる。1対の取付板42a、42bのうち、第2取付ブラケット27に固定される一方の取付板42aは、1対のねじ孔44を有しており、長手方向一端部(取付状態での下端部)に、ピン43の両端部を支持するための1対の支持筒部45aを有している。これに対し、1対の取付板42a、42bのうち、面格子本体15に固定される他方の取付板42bは、1対の下孔46を有しており、長手方向一端部(取付状態での下端部)に、ピン43の中間部を支持するための支持筒部45bを有している。下部丁番41は、一方の取付板42aに備えられた1対の支持筒部45a同士の間に、他方の取付板42bに備えられた1つの支持筒部45bを同軸上に配置し、これら3つの支持筒部45a、45bにピン43を挿通することで組み立てられる。なお、ピン43の両端部は、ピン43の脱落を防止するために、かしめ変形させられている。上述のような下部丁番41を用いることにより、面格子本体15の縦框23a、23bの下端部と、第2取付ブラケット27の基板部32の下端部とを、ピン43を中心とした回動を可能に連結する。
【0038】
平常時において、面格子本体15が、下部に配置された回動軸(ピン43)を中心として揺動開放してしまうことを防止するために、ロック機構17により、面格子本体15を閉鎖位置に保持している。以下、面格子本体15を閉鎖位置に保持するためのロック機構17、及び、ロック機構17を解除するための解除機構18について説明する。
【0039】
《ロック機構》
ロック機構17は、面格子本体15を閉鎖位置に保持しておくためのもので、1対のブラケット側係合部47と、1対の面格子側係合部48とを備えている。
【0040】
ブラケット側係合部47のそれぞれは、図2及び図11に示すように、略L字形の断面形状を有しており、第2取付ブラケット27を構成する基板部32の上端部にそれぞれ取り付けられている。ブラケット側係合部47は、基板部32の屋外側面に固定される固定板部49と、固定板部49の上端部から屋外側に向けて略直角に折れ曲がった鉤部50とを備える。固定板部49は、基板部32の屋外側面に対して取付台座51を介して固定されている。鉤部50は、平面視で略L字形状を有しており、それぞれの屋外側端部(先端部)に面内方向外側に向かって突出した突起部52を有している。
【0041】
面格子側係合部48のそれぞれは、面格子本体15を構成する左右の縦框23a、23bの上端部の内部に備えられている。面格子側係合部48は、軸方向を上下方向に向けて配置された係合ボルト53の軸部によって構成されている。左右の縦框23a、23bのうちで、面格子側係合部48(係合ボルト53)の屋外側に位置する部分には、鉤部50を挿入可能な開口部78が形成されている。
【0042】
面格子本体15の閉鎖状態では、図11に示したように、ブラケット側係合部47を構成する鉤部50を、縦框23a、23bに備えられた開口部78を通じて内部に挿入し、鉤部50に備えられた突起部52を、面格子側係合部48を構成する係合ボルト53の軸部に対して、屋外側から係合させる。これにより、面格子本体15が下部に配置された回動軸(ピン43)を中心として揺動開放することを防止し、面格子本体15を閉鎖位置に保持する。
【0043】
《解除機構》
解除機構18は、火災発生時に、ロック機構17によるロック状態を自動的に解除するもので、図12及び図13に示すように、面格子本体15を構成する上框21の内部に収容されている。解除機構18は、温度を検知するための温度センサ54と、温度センサ54が所定温度に達したことを検知するとロック機構17を解除する、機構部本体55とを備えている。
【0044】
温度センサ54は、例えば銅系合金などの薄板金属製で、所定温度(例えば60℃~120℃程度)に達すると溶断する、温度ヒューズである。
【0045】
機構部本体55は、長手方向を面内方向に向けて配置した1対の解除腕部56a、56bと、1対の解除腕部56a、56bを面内方向外側(先端側)に向けて押圧する押圧部57とを備えている。1対の解除腕部56a、56bの面内方向内側の端部(基端部)同士は、温度ヒューズである温度センサ54により互いに連結している。このため、温度センサ54が所定温度に達したことを検知し溶断すると、1対の解除腕部56a、56b同士の連結状態が解消され、1対の解除腕部56a、56bの面内方向外側に向けての移動が許容される。
【0046】
解除腕部56a、56bのそれぞれは、複数の部材を面内方向に直列に連結してなり、面内方向外側の端部(先端部)に、面格子側係合部48を構成する係合ボルト53をそれぞれ備えている。解除腕部56a、56bは、面内方向外側から内側の順に、外側板部59a、59bと、引張ばね60a、60bと、中間板部61a、61bと、内側板部62a、62bとを備えている。
【0047】
外側板部59a、59bのそれぞれは、平板状部材であり、面内方向外側の端部に係合ボルト53を備えており、面内方向内側の端部を引張ばね60a、60bに連結している。外側板部59a、59bのそれぞれは、面内方向中間部に、長円形状のガイド孔63を有している。ガイド孔63には、上框21に固定されたガイドピン64が挿入されている。これにより、外側板部59a、59bは、上框21に対して、面内方向に関する平行移動を可能に、かつ、屋内外方向に関する相対変位を不能に案内されている。
【0048】
引張ばね60a、60bのそれぞれは、外側板部59a、59bの面内方向内側の端部と中間板部61a、61bの面内方向外側の端部とを弾性的に連結している。引張ばね60a、60bは、外側板部59a、59bに対して、面内方向内側に向けて引っ張る力を付与している。これにより、外側板部59a、59bに備えられた係合ボルト53を、ブラケット側係合部47を構成する鉤部50に対して弾性的に押し付け、ブラケット側係合部47と面格子側係合部48との係合が不用意に外れないようにしている。また、面格子本体15を開放位置から閉鎖位置に戻すべく、面格子本体15を下部に配置された回動軸(ピン43)を中心として揺動させた際に、引張ばね60a、60bがそれぞれ伸張することで、係合ボルト53が鉤部50の突起部52に案内されて面内方向外側に移動することを許容する。このため、面格子本体15を開放位置から閉鎖位置へと戻す(揺動させる)だけで、ブラケット側係合部47と面格子側係合部48とを係合させることが可能になる。
【0049】
中間板部61a、61bのそれぞれは、平板状部材であり、面内方向外側の端部を引張ばね60a、60bに連結しており、面内方向内側の端部を、内側板部62a、62bの面内方向外側の端部に対してねじ止め固定している。
【0050】
内側板部62a、62bのそれぞれは、クランク形の断面形状を有する板状部材であり、互いに平行に配置された下板65a、65b及び上板66a、66bと、これら下板65a、65bと上板66a、66bとをつなぐ縦板67a、67bとを有している。内側板部62a、62bのそれぞれは、面内方向外側に配置された下板65a、65bを、中間板部61a、61bの面内方向内側の端部に対してねじ止め固定している。
【0051】
平常時において、一方の解除腕部56aを構成する内側板部62aと、他方の解除腕部56bを構成する内側板部62bとは、それぞれの面内方向内側の端部同士を突き合わせた状態で、温度センサ54により互いに連結されている。そして、図12及び図14に示すように、1対の内側板部62a、62b同士の間に、収容空間68を形成している。
【0052】
収容空間68には、1対の解除腕部56a、56bを面内方向外側に向けて押圧するための押圧部57を配置している。押圧部57は、1対の圧縮ばね69a、69bと、台座部70とを備えている。台座部70は、矩形筒状に構成されており、収容空間68の面内方向中央部に取付ねじ71により固定されている。圧縮ばね69a、69bのそれぞれは、台座部70の面内方向両側面と縦板67a、67bとの間に、圧縮した状態で配置されている。また、1対の解除腕部56a、56bを、押圧部57の押圧力により面内方向外側に向けてそれぞれ移動させた状態で、圧縮ばね69a、69bが、台座部70から脱落することを防止するために、台座部70の面内方向両側面にそれぞれねじ止めした脱落防止ねじ72a、72bを、圧縮ばね69a、69bの内側にそれぞれ挿入している。
【0053】
温度ヒューズである温度センサ54は、一方の解除腕部56aを構成する内側板部62aの上板66aの上面と、他方の解除腕部56bを構成する内側板部62bの上板66bの上面との間を跨ぐように配置され、1対の取付ねじ73a、73bにより、上板66a、66bに対してそれぞれねじ止め固定されている。
【0054】
温度センサ54は、平常時には、一方の解除腕部56aと他方の解除腕部56bとを互いに連結し、押圧部57による押圧力によっても、1対の解除腕部56a、56bが面内方向外側に移動しないように規制しているが、火災発生時に、自身の温度が所定温度に達すると溶断し、1対の解除腕部56a、56bの連結状態を解消する。つまり、温度ヒューズである本例の温度センサ54は、温度を検知するという温度センサ本来の機能だけでなく、一方の解除腕部56aと他方の解除腕部56bとを互いに連結する連結部材としても機能する。
【0055】
温度センサ54が溶断し、1対の解除腕部56a、56bの連結状態が解消されると、図12の(B)及び図13の(B)に示すように、1対の解除腕部56a、56bは、押圧部57の押圧力により、面内方向外側に向けてそれぞれ移動する。この結果、面格子側係合部48を構成する係合ボルト53の軸部が、ブラケット側係合部47を構成する鉤部50の突起部52よりも面内方向外側に移動し、ブラケット側係合部47と面格子側係合部48との係合が解除される。
【0056】
本例では、室内で火災が発生した場合に、温度センサ54自身の温度を、窓装置2の屋外側近傍の温度により早くかつ正確に近づけるために、上框21のうちで、温度センサ54を設置した部分の上方に開口部を形成し、該開口部を蓋部材74により覆うとともに、蓋部材74を貫通するように取り付けた反応補助部材(ビス)75の先端部を、温度センサ54に接触させている。これにより、窓装置2の屋外側近傍の温度を、上框21から一部(頭部)が外部に露出した反応補助部材75を利用して温度センサ54に伝えることができる。
【0057】
本例では、解除機構18によりロック機構17を解除した際に、面格子本体15が自動的に揺動開放するように、図2に示すように、面格子本体15と第2取付ブラケット27との間に、面格子本体15を屋外側に向けて付勢する付勢部材76を設けている。具体的には、第2取付ブラケット27を構成する基板部32の屋外側面の上端部(取付台座51の下端側部分)に、圧縮コイルばねである付勢部材76を取り付けている。ロック機構17により面格子本体15を閉鎖位置に保持した状態では、付勢部材76は、第2取付ブラケット27を構成する基板部32の屋外側面と、面格子本体15を構成する左右の縦框23a、23bの屋内側面との間で圧縮されている。したがって、解除機構18によりロック機構17を解除すると、付勢部材76による付勢力により、左右の縦框23a、23bが屋外側に押し出され、面格子本体15が自動的に揺動開放する。なお、面格子本体15の重心位置を調節する(例えば上部の屋外側に重心を配置する)ことなどにより、付勢部材76を省略することもできる。
【0058】
また、面格子本体15の開放角度(開度)を規制するために、図9に示すように、面格子本体15と第2取付ブラケット27との間に、角度規制手段77を設けている。角度規制手段77は、所定長さに切断されたワイヤから構成されており、その両端部を、面格子本体15を構成する左右の縦框23a、23bと、第2取付ブラケット27を構成する基板部32とに、それぞれ固定している。したがって、面格子本体15が揺動開放すると、面格子本体15と第2取付ブラケット27との間で、角度規制手段77が突っ張り、面格子本体15の開放角度を規制する。面格子本体15の開放角度は、ワイヤの長さを変更することにより変更可能であり、開放角度をどの程度の大きさに規制するかは、面格子本体15の屋外側(廊下)の環境などに基づき適宜決定することができ、例えば10度~40度程度(本例では30度)に規制することができる。
【0059】
以上のような本例の防火面格子1によれば、すべてのルーバ20を全閉にした状態で、室内で火災が発生した場合にも、窓装置2からの放熱を遮らないようにすることができる。
すなわち、本例の防火面格子1は、室内で火災が発生し、温度センサ54が所定温度に達したことを検知すると、温度ヒューズである温度センサ54自身が溶断し、1対の解除腕部56a、56bを面内方向外側にそれぞれ移動させる。そして、ロック機構17を構成するブラケット側係合部47と面格子側係合部48との係合を自動的に解除し、面格子本体15を、下部に配置された回動軸(ピン43)を中心として揺動開放させることができる。したがって、本例の防火面格子1によれば、窓装置2からの放熱を妨げないようにすることができる。この結果、すべてのルーバ20を全閉にした状態で、室内で火災が発生した場合にも、窓装置2からの放熱を遮らないようにすることができる。
【0060】
特に本例では、火災発生時に、いわゆる外倒し窓のように面格子本体15を揺動開放させて、窓装置2の上部と面格子本体15の上部との間を広く開口させられるため、上昇する高温の空気を、効率良く外部に逃がすことができる。このため、窓装置2からの放熱を、効果的に行わせることができる。また、面格子本体15の上辺を構成する上框21の内部に温度センサ54を配置しているため、下框22や縦框23a、23bに配置した場合に比べて、温度センサ54自身の温度を上昇させやすくすることができる。
【0061】
本例では、平常時に、取付ブラケット16(第2取付ブラケット27)に備えられたブラケット側係合部47と、面格子本体15の縦框23a、23bの内部に備えられた面格子側係合部48とを係合させることで、面格子本体15を閉鎖位置に保持しているため、面格子本体15の閉鎖状態で、ロック機構17を外部に露出させずに済む。さらに、ロック機構17を解除するための解除機構18についても、面格子本体15を構成する上框21の内部に収容しており、外部に露出させずに済む。このため、防火面格子1の意匠性を高めることができる。
【0062】
また、解除機構18を構成する温度センサ54として、温度ヒューズを使用しているため、温度センサ54により、1対の解除腕部56a、56bの基端部同士を連結する、連結部材としての機能も持たせることができる。このため、部品点数の低減を図れるとともに、装置の軽量化を図ることもできる。さらに、解除機構18を、面格子側係合部48を備えた解除腕部56a、56bと、解除腕部56a、56bを押圧する押圧部57とから構成できるため、解除機構18を小型かつ少ない部品で構成することが可能になる。
【0063】
さらに本例では、第1取付ブラケット26を構成する取付板部30の上端部と、第2取付ブラケット27を構成する基板部32の上端部とを、上部丁番34を利用して互いに連結しているため、いわゆる突き出し窓のように、面格子本体15を揺動開放させて、窓装置2のメンテナンス作業を行うことも可能である。
【0064】
上述した実施の形態では、火災発生時における面格子本体の開放パターンとして、面格子本体(框枠体)の下端を取付ブラケットに対して回動可能に支持した場合について説明したが、本発明を実施する場合に、火災発生時における面格子本体の開放パターンは特に限定されない。例えば、図15の(A)に示すように、面格子本体15の上端を取付ブラケット16に対して回動可能に支持し、火災発生時に、いわゆる突き出し窓のように、面格子本体15を揺動開放させても良いし、図15の(B)に示すように、面格子本体15の左右の一端(左端又は右端)を取付ブラケット16に対して回動可能に支持し、火災発生時に、いわゆる片開き窓のように、面格子本体15を揺動開放させても良い。さらに、図15の(C)に示すように、2分割した面格子本体15a、15bの左右の一端を取付ブラケット16に対して回動可能に支持し、火災発生時に、いわゆる観音開き窓のように、2つの面格子本体15a、15bを揺動開放させても良い。
【0065】
図15の(A)に示すように、面格子本体15の上端を取付ブラケット16に対して回動可能に支持する場合には、面格子本体15の下辺を構成する下框の内部に解除機構を収容することができる。また、図15の(B)及び(C)に示すように、面格子本体15、15a、15bの左右の一端(左端又は右端)を取付ブラケット16に対して回動可能に支持する場合には、回動端となる端部とは反対側に位置する遊端を構成する縦框の内部に、解除機構を収容することができる。
【0066】
また、本発明を実施する場合に、図15の(A)~(C)に示したように、いわゆる段窓のように、複数(例えば2つ)の面格子本体15、15a、15bを上下方向に並べて配置することもできる。この場合には、複数の面格子本体15、15a、15b同士の間で、取付ブラケット16を共用することができる。
【0067】
実施の形態では、解除手段を構成する温度センサを、上框の面内方向中央位置に配置した場合について説明したが、温度センサの配置位置は、特に限定されず、面内方向に関して外障子側(片側)又は内障子側(他側)に偏らせて配置しても良い。また、温度センサ(温度ヒューズ)を、上框の内部空間のうちで、屋内側端部(窓装置に近い側の端部)に配置しても良い。
【0068】
実施の形態では、鉤形を有するブラケット側係合部と、軸形状を有する面格子側係合部とを係合させる場合について説明したが、ブラケット側係合部及び面格子側係合部の形状については、特に限定されない。例えば、ブラケット側係合部として、軸形状を有するものを使用し、面格子側係合部として、鉤形を有するものを使用することもできる。
【0069】
実施の形態では、面格子本体の開放角度を規制するための角度規制手段として、ワイヤを使用した場合について説明したが、角度規制手段の構造は特に限定されず、例えばすべり出し窓などに採用されているリンク機構を利用することもできるし、丁番として開き角度が規制できるものなどを利用することもできる。また、面格子本体を屋外側に向けて付勢するための付勢手段を、角度規制手段として利用することも可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 防火面格子
2 窓装置
3 窓枠
4 内障子
5 外障子
6 上枠
7 下枠
8 縦枠
9a、9b 障子枠
10a、10b ガラスパネル
11a、11b 上部案内レール
12a、12b ローラ
13a、13b 下部案内レール
14 網戸障子
15、15a、15b 面格子本体
16 取付ブラケット
17 ロック機構
18 解除機構
19 框枠体
20 ルーバ
21 上框
22 下框
23a、23b 縦框
24 支持ピン
25 操作レバー
26 第1取付ブラケット
27 第2取付ブラケット
28 係止溝
29 持ち出し板部
30 取付板部
31 係止片
32 基板部
33 ガイド板部
34 上部丁番
35a、35b 取付板
36 ピン
37 ねじ孔
38 支持筒部
39 下孔
40 フック部
41 下部丁番
42a、42b 取付板
43 ピン
44 ねじ孔
45a、45b 支持筒部
46 下孔
47 ブラケット側係合部
48 面格子側係合部
49 固定板部
50 鉤部
51 取付台座
52 突起部
53 係合ボルト
54 温度センサ
55 機構部本体
56a、56b 解除腕部
57 押圧部
58 固定ねじ
59a、59b 外側板部
60a、60b 引張ばね
61a、61b 中間板部
62a、62b 内側板部
63 ガイド孔
64 ガイドピン
65a、65b 下板
66a、66b 上板
67a、67b 縦板
68 収容空間
69a、69b 圧縮ばね
70 台座部
71 取付ねじ
72a、72b 脱落防止ねじ
73a、73b 取付ねじ
74 蓋部材
75 反応補助部材
76 付勢部材
77 角度規制手段
78 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15