(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】パネル体
(51)【国際特許分類】
E06B 3/70 20060101AFI20230901BHJP
E06B 3/76 20060101ALI20230901BHJP
E06B 3/82 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
E06B3/70 E
E06B3/76
E06B3/82
(21)【出願番号】P 2019178242
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】井上 和也
(72)【発明者】
【氏名】小張 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】小泉 郁夫
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-247204(JP,A)
【文献】特開2015-158068(JP,A)
【文献】特開平9-250280(JP,A)
【文献】登録実用新案第3012797(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/54-3/88
E04B 2/00-2/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左側パネル要素と右側パネル要素から組み立てられるパネル体であって、
前記左側パネル要素は、左側表面材と、複数本の縦骨材と、を備えており、前記左側パネル要素の右側見込部に位置する第1縦骨材には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間が形成されており、
前記右側パネル要素は、右側表面材と、複数本の縦骨材と、を備えており、前記右側パネル要素の左側見込部に位置する第2縦骨材には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間が形成されており、
前記左側パネル要素の前記ジョイント嵌入空間と前記右側パネル要素の前記ジョイント嵌入空間に跨って高さ方向に延びるジョイントが設けられており、
前記左側表面材の右端と前記右側表面材の左端を突合わせた状態で、前記ジョイントの左側部位は前記左側パネル要素の前記ジョイント嵌入空間に嵌入された状態で前記第1縦骨材に固定されており、前記ジョイントの右側部位は前記右側パネル要素の前記ジョイント嵌入空間に嵌入された状態で前記第2縦骨材に固定されている、
パネル体。
【請求項2】
前記左側パネル要素の前記複数本の縦骨材は、前記左側表面材の内面に当接するように設けられ、前記左側表面材の右端と前記第1縦骨材の右端は一致しており、
前記右側パネル要素の前記複数本の縦骨材は、前記右側表面材の内面に当接するように設けられ、前記右側表面材の左端と前記第2縦骨材の左端は一致しており、
前記左側表面材及び第1縦骨材の右端と前記右側表面材及び第2縦骨材の左端を突合わせた状態で、前記ジョイントが前記第1縦骨材及び前記第2縦骨材に固定されている、
請求項1に記載のパネル体。
【請求項3】
前記左側パネル要素の前記右側見込部の上端、前記右側パネル要素の前記左側見込部の上端の一方から水平方向に延びる上側ジョイントの突出部が突出しており、他方の上端には前記突出部が嵌入する上側ジョイント嵌入部が形成されており、前記突出部は前記上側ジョイント嵌入部に嵌入された状態で前記上側ジョイント嵌入部が形成されたパネル要素に固定されており、
前記左側パネル要素の前記右側見込部の下端、前記右側パネル要素の前記左側見込部の下端の一方から水平方向に延びる下側ジョイントの突出部が突出しており、他方の下端には前記突出部が嵌入する下側ジョイント嵌入部が形成されており、前記突出部は前記下側ジョイント嵌入部に嵌入された状態で前記下側ジョイント嵌入部が形成されたパネル要素に固定されている、
請求項1、2いずれか1項に記載のパネル体。
【請求項4】
前記左側パネル要素は、第1上側横骨材及び第1下側横骨材を備え、
前記右側パネル要素は、第2上側横骨材及び第2下側横骨材を備え、
前記左側パネル要素と前記右側パネル要素の組立時には、前記第1上側横骨材の右端と前記第2上側横骨材の左端、前記第1下側横骨材の右端と前記第2下側横骨材の左端が、それぞれ突合わさるようになっており、
前記上側ジョイントは、前記第1上側横骨材、前記第2上側横骨材の一方の上側横骨材から突出し、他方の上側横骨材によって形成された上側ジョイント嵌入部に嵌入された状態で固定されており、
前記下側ジョイントは、前記第1下側横骨材、前記第2下側横骨材の一方の下側横骨材から突出し、他方の下側横骨材によって形成された下側ジョイント嵌入部に嵌入された状態で固定されている、
請求項3に記載のパネル体。
【請求項5】
左側パネル要素と右側パネル要素からパネル体を組み立てる方法であって、
前記左側パネル要素は、左側表面材と、複数本の縦骨材と、を備えており、前記左側パネル要素の右側見込部に位置する縦骨材
には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間が形成されており、
前記右側パネル要素は、右側表面材と、複数本の縦骨材と、を備えており、前記右側パネル要素の左側見込部に位置する縦骨材
には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間が形成されており、
前記左側パネル要素と前記右側パネル要素の一方のパネル要素の一方のジョイント嵌入空間にはジョイントの部分が固定されており、前記ジョイントの残りの部分は一方のパネル要素の端部から突出する突出部を形成しており、他方のパネル要素の他方のジョイント嵌入空間は、前記ジョイントの突出部が嵌入するジョイント嵌入部を形成しており、
前記ジョイントの突出部を前記ジョイント嵌入部に嵌入し、前記左側表面材の右端と前記右側表面材の左端を突合わせた状態で、前記ジョイント嵌入部に嵌入された前記ジョイントの突出部と前記ジョイント嵌入部を形成する縦骨材を固定する、
パネル体の組立方法。
【請求項6】
前記左側パネル要素の前記複数本の縦骨材は、前記左側表面材の内面に当接するように設けられ、前記左側パネル要素の右側見込部に設けられ前記ジョイント嵌入空間を形成する第1縦骨材を含み、前記左側表面材の右端と前記第1縦骨材の右端は一致しており、
前記右側パネル要素の前記複数本の縦骨材は、前記右側表面材の内面に当接するように設けられ、前記右側パネル要素の左側見込部に設けられ前記ジョイント嵌入空間を形成する第2縦骨材を含み、前記右側表面材の左端と前記第2縦骨材の左端は一致しており、
前記第1縦骨材と前記第2縦骨材の一方の縦骨材が前記ジョイント嵌入部を形成しており、
前記左側表面材及び第1縦骨材の右端と前記右側表面材及び第2縦骨材の左端を突合わせた状態で、前記ジョイント嵌入部に嵌入された前記ジョイントの突出部と前記ジョイント嵌入部を形成する縦骨材を固定する、
請求項5に記載のパネル体の組立方法。
【請求項7】
前記左側パネル要素の前記右側見込部の上端、前記右側パネル要素の前記左側見込部の上端の一方から水平方向に延びる上側ジョイントの突出部が突出しており、他方の上端には前記突出部が嵌入する上側ジョイント嵌入部が形成されており、
前記左側パネル要素の前記右側見込部の下端、前記右側パネル要素の前記左側見込部の下端の一方から水平方向に延びる下側ジョイントの突出部が突出しており、他方の下端には前記突出部が嵌入する下側ジョイント嵌入部が形成されており、前記上側ジョイントの突出部を前記上側ジョイント嵌入部に嵌入し、前記下側ジョイントの突出部は前記下側ジョイント嵌入部に嵌入し、前記左側表面材の右端と前記右側表面材の左端を突合わせた状態で、前記上側ジョイントの突出部を前記上側ジョイント嵌入部が形成されたパネル要素に固定し、前記下側ジョイントの突出部を前記下側ジョイント嵌入部が形成されたパネル要素に固定する、
請求項5、6いずれか1項に記載のパネル体の組立方法。
【請求項8】
前記左側パネル要素は、第1上側横骨材及び第1下側横骨材を備え、
前記右側パネル要素は、第2上側横骨材及び第2下側横骨材を備え、
前記上側ジョイントは、前記第1上側横骨材、前記第2上側横骨材の一方の上側横骨材から突出し、前記上側ジョイント嵌入部は、他方の上側横骨材によって形成されており、
前記下側ジョイントは、前記第1下側横骨材、前記第2下側横骨材の一方の下側横骨材から突出し、前記下側ジョイント嵌入部は、他方の下側横骨材によって形成されており、
前記第1上側横骨材の右端と前記第2上側横骨材の左端、前記第1下側横骨材の右端と前記第2下側横骨材の左端を、それぞれ突合わさせる時に、前記上側ジョイントの突出部を前記上側ジョイント嵌入部に嵌入し、前記下側ジョイントの突出部を前記下側ジョイント嵌入部に嵌入し、前記上側ジョイントの突出部を、前記上側ジョイント嵌入部を形成する上側横骨材に固定し、前記下側ジョイントの突出部を、前記下側ジョイント嵌入部を形成する下側横骨材に固定する、
請求項7に記載のパネルの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル体に係り、詳しくは、左側パネル要素と右側パネル要素から組み立てられるパネル体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型扉を現場に搬入する際には、以下のような問題がある。
(ア)大型扉を改修現場等に搬入する際に、搬入経路に寸法制限があり、扉体の搬入経路を確保できない場合がある。例えば、大型扉が既存のエレベータに乗らないサイズの場合もあり得る。
(イ)扉が大型になれば、その分扉重量が重くなるため、搬入時の揚重作業等により多くの人手が必要となる。
【0003】
扉を左右に分割して組み立てるという技術思想は存在し、例えば、特許文献1に開示されている。この文献に開示された分割要素の接続構成はダボを用いるものであることから、木製扉を前提していると推測されるものであり、例えば、骨材と表面材で形成された扉体に適用することはできない。
【文献】特開2007-247204
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、骨材と表面材で形成されたパネル体を、左側パネル要素と右側パネル要素から組み立て可能とする手段を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が採用した技術手段は、左側パネル要素と右側パネル要素から組み立てられるパネル体であって、
前記左側パネル要素は、左側表面材と、複数本の縦骨材と、を備えており、前記左側パネル要素の右側見込部に位置する第1縦骨材には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間が形成されており、
前記右側パネル要素は、右側表面材と、複数本の縦骨材と、を備えており、前記右側パネル要素の左側見込部に位置する第2縦骨材には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間が形成されており、
前記左側パネル要素の前記ジョイント嵌入空間と前記右側パネル要素の前記ジョイント嵌入空間に跨って高さ方向に延びるジョイントが設けられており、
前記左側表面材の右端と前記右側表面材の左端を突合わせた状態で、前記ジョイントの左側部位は前記左側パネル要素の前記ジョイント嵌入空間に嵌入された状態で前記第1縦骨材に固定されており、前記ジョイントの右側部位は前記右側パネル要素の前記ジョイント嵌入空間に嵌入された状態で前記第2縦骨材に固定されている、
パネル体、である。
本明細書において、「左側」、「右側」は、パネル体の一定の正面視における「左側」、「右側」によって、パネル体の構成要素を特定するものである。
1つの態様では、前記パネル体は扉体であって、前記扉体は左側扉要素と右側扉要素とから組み立てられている。
扉体は、3枚以上の幅狭のパネル体から組み立てられていてもよい。例えば、パネル体が左から右に向かって順に第1パネル要素、第2パネル要素、第3パネル要素の3つに分割されている場合には、「第1パネル要素、第2パネル要素」、「第2パネル要素、第3パネル要素」が、それぞれ「左側パネル要素、右側パネル要素」となる。
【0006】
1つの態様では、前記左側パネル要素の前記複数本の縦骨材は、前記左側表面材の内面に当接するように設けられ、前記左側表面材の右端と前記第1縦骨材の右端は一致しており、
前記右側パネル要素の前記複数本の縦骨材は、前記右側表面材の内面に当接するように設けられ、前記右側表面材の左端と前記第2縦骨材の左端は一致しており、
前記左側表面材及び第1縦骨材の右端と前記右側表面材及び第2縦骨材の左端を突合わせた状態で、前記ジョイントが前記第1縦骨材及び前記第2縦骨材に固定されている。
【0007】
1つの態様では、前記左側パネル要素の前記右側見込部の上端、前記右側パネル要素の前記左側見込部の上端の一方から水平方向に延びる上側ジョイントの突出部が突出しており、他方の上端には前記突出部が嵌入する上側ジョイント嵌入部が形成されており、前記突出部は前記上側ジョイント嵌入部に嵌入された状態で前記上側ジョイント嵌入部が形成されたパネル要素に固定されており、
前記左側パネル要素の前記右側見込部の下端、前記右側パネル要素の前記左側見込部の下端の一方から水平方向に延びる下側ジョイントの突出部が突出しており、他方の下端には前記突出部が嵌入する下側ジョイント嵌入部が形成されており、前記突出部は前記下側ジョイント嵌入部に嵌入された状態で前記下側ジョイント嵌入部が形成されたパネル要素に固定されている。
後述する実施形態では、上側ジョイントの突出部と下側ジョイントの突出部は共通の扉要素から突出しているが、それぞれ異なる扉要素から突出してもよい。
後述する実施形態では、上側ジョイントの突出部、下側ジョイントの突出部と、ジョイントの突出部は、共通の扉要素から突出しているが、上側ジョイントの突出部と下側ジョイントの突出部と、ジョイントの突出部が、それぞれ異なる扉要素から突出してもよい。
【0008】
1つの態様では、前記左側パネル要素は、第1上側横骨材及び第1下側横骨材を備え、
前記右側パネル要素は、第2上側横骨材及び第2下側横骨材を備え、
前記左側パネル要素と前記右側パネル要素の組立時には、前記第1上側横骨材の右端と前記第2上側横骨材の左端、前記第1下側横骨材の右端と前記第2下側横骨材の左端が、それぞれ突合わさるようになっており、
前記上側ジョイントは、前記第1上側横骨材、前記第2上側横骨材の一方の上側横骨材から突出し、他方の上側横骨材によって形成された上側ジョイント嵌入部に嵌入された状態で固定されており、
前記下側ジョイントは、前記第1下側横骨材、前記第2下側横骨材の一方の下側横骨材から突出し、他方の下側横骨材によって形成された下側ジョイント嵌入部に嵌入された状態で固定されている。
上側ジョイント、下側ジョイントは一方の横骨材に一体形成されてもよいが、1つの態様では、横骨材と別体で用意した上側ジョイント、下側ジョイントの部分が横骨材に固定され、上側ジョイント、下側ジョイントの残りの部分が突出部となっている。
1つの態様では、前記第1上側横骨材は、上側ジョイントの左側部位の第1嵌入空間を形成しており、前記第2上側横骨材は、上側ジョイントの右側部位の第2嵌入空間を形成しており、
前記第1下側横骨材は、下側ジョイントの左側部位の第1嵌入空間を形成しており、前記第2下側横骨材は、下側ジョイントの右側部位の第2嵌入空間を形成しており、
前記上側ジョイントは、前記第1上側横骨材の右端と前記第2上側横骨材の左端の突合わせ部に跨って水平方向に延び、前記上側ジョイントの左側部位は前記第1上側横骨材に嵌入された状態で前記第1上側横骨材に固定され、前記上側ジョイントの右側部位は前記第2上側横骨材に嵌入された状態で前記第2上側横骨材に固定されており、
前記下側ジョイントは、前記第1下側横骨材の右端と前記第2下側横骨材の左端の突合わせ部に跨って水平方向に延び、前記下側ジョイントの左側部位は前記第1下側横骨材に嵌入された状態で前記第1下側横骨材に固定され、前記下側ジョイントの右側部位は前記第2下側横骨材に嵌入された状態で前記第2下側横骨材に固定されている。
上記態様では、前記上側ジョイントの部分は、前記第1嵌入空間と前記第2嵌入空間の一方の嵌入空間に嵌入された状態で固定されており、前記上側ジョイントの残りの部分が突出部を形成しており、他方の嵌入空間が上側ジョイント嵌入部を形成し、前記下側ジョイントの部分は、前記第1嵌入空間と前記第2嵌入空間の一方の嵌入空間に嵌入された状態で固定されており、前記下側ジョイントの残りの部分が突出部を形成しており、他方の嵌入空間が下側ジョイント嵌入部を形成する。
1つの態様では、前記左側パネル要素は、前記左側表面材の内面に当接する第1上側横骨材及び第1下側横骨材を備え、前記左側表面材の右端と前記第1上側横骨材及び前記第1下側横骨材の右端は一致しており、
前記右側パネル要素は、前記右側表面材の内面に当接する第2上側横骨材及び第2下側横骨材を備え、前記右側表面材の左端と前記第2上側横骨材及び前記第2下側横骨材の左端は一致している。
【0009】
本発明が採用した他の技術手段は、左側パネル要素と右側パネル要素からパネル体を組み立てる方法であって、
前記左側パネル要素は、左側表面材と、複数本の縦骨材と、を備えており、前記左側パネル要素の右側見込部に位置する縦骨材には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間が形成されており、
前記右側パネル要素は、右側表面材と、複数本の縦骨材と、を備えており、前記右側パネル要素の左側見込部に位置する縦骨材には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間が形成されており、
前記左側パネル要素と前記右側パネル要素の一方のパネル要素の一方のジョイント嵌入空間にはジョイントの部分が固定されており、前記ジョイントの残りの部分は一方のパネル要素の端部から突出する突出部を形成しており、他方のパネル要素の他方のジョイント嵌入空間は、前記ジョイントの突出部が嵌入するジョイント嵌入部を形成しており、
前記ジョイントの突出部を前記ジョイント嵌入部に嵌入し、前記左側表面材の右端と前記右側表面材の左端を突合わせた状態で、前記ジョイント嵌入部に嵌入された前記ジョイントの突出部と前記ジョイント嵌入部を形成する縦骨材を固定する、
パネル体の組立方法、である。
【0010】
1つの態様では、前記左側パネル要素の前記複数本の縦骨材は、前記左側表面材の内面に当接するように設けられ、前記左側パネル要素の右側見込部に設けられ前記ジョイント嵌入空間を形成する第1縦骨材を含み、前記左側表面材の右端と前記第1縦骨材の右端は一致しており、
前記右側パネル要素の前記複数本の縦骨材は、前記右側表面材の内面に当接するように設けられ、前記右側パネル要素の左側見込部に設けられ前記ジョイント嵌入空間を形成する第2縦骨材を含み、前記右側表面材の左端と前記第2縦骨材の左端は一致しており、
前記第1縦骨材と前記第2縦骨材の一方の縦骨材が前記ジョイント嵌入部を形成しており、
前記左側表面材及び第1縦骨材の右端と前記右側表面材及び第2縦骨材の左端を突合わせた状態で、前記ジョイント嵌入部に嵌入された前記ジョイントの突出部と前記ジョイント嵌入部を形成する縦骨材を固定する。
【0011】
1つの態様では、前記左側パネル要素の前記右側見込部の上端、前記右側パネル要素の前記左側見込部の上端の一方から水平方向に延びる上側ジョイントの突出部が突出しており、他方の上端には前記突出部が嵌入する上側ジョイント嵌入部が形成されており、
前記左側パネル要素の前記右側見込部の下端、前記右側パネル要素の前記左側見込部の下端の一方から水平方向に延びる下側ジョイントの突出部が突出しており、他方の下端には前記突出部が嵌入する下側ジョイント嵌入部が形成されており、前記上側ジョイントの突出部を前記上側ジョイント嵌入部に嵌入し、前記下側ジョイントの突出部は前記下側ジョイント嵌入部に嵌入し、前記左側表面材の右端と前記右側表面材の左端を突合わせた状態で、前記上側ジョイントの突出部を前記上側ジョイント嵌入部が形成されたパネル要素に固定し、前記下側ジョイントの突出部を前記下側ジョイント嵌入部が形成されたパネル要素に固定する。
【0012】
1つの態様では、前記左側パネル要素は、第1上側横骨材及び第1下側横骨材を備え、
前記右側パネル要素は、第2上側横骨材及び第2下側横骨材を備え、
前記上側ジョイントは、前記第1上側横骨材、前記第2上側横骨材の一方の上側横骨材から突出し、前記上側ジョイント嵌入部は、他方の上側横骨材によって形成されており、
前記下側ジョイントは、前記第1下側横骨材、前記第2下側横骨材の一方の下側横骨材から突出し、前記下側ジョイント嵌入部は、他方の下側横骨材によって形成されており、
前記第1上側横骨材の右端と前記第2上側横骨材の左端、前記第1下側横骨材の右端と前記第2下側横骨材の左端を、それぞれ突合わさせる時に、前記上側ジョイントの突出部を前記上側ジョイント嵌入部に嵌入し、前記下側ジョイントの突出部を前記下側ジョイント嵌入部に嵌入し、前記上側ジョイントの突出部を、前記上側ジョイント嵌入部を形成する上側横骨材に固定し、前記下側ジョイントの突出部を、前記下側ジョイント嵌入部を形成する下側横骨材に固定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、骨材と表面材で形成されたパネル体を、左側パネル要素と右側パネル要素から組み立て可能とするものであり、大型の扉体であっても、左側パネル要素と右側パネル要素に分割した要素で搬入することができ、搬入経路の寸法の制限が受け難くなり、また、1枚の大型のパネル体を持ち運ぶ場合に比べて持ち運びを容易かつ安全に行うことを可能とする。
左側パネル要素と右側パネル要素の接合構造を、骨材と表面材で形成されたパネル体が本来備えている部品を用いて構成することで、左右に分割された要素から組み立てられる扉体をより少ない部品点数で構成することができる。
左側パネル要素と右側パネル要素を接続するジョイント、上側ジョイント、下側ジョイントは、接続手段に加えて、左側パネル要素と右側パネル要素の接続部の補強構造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】本実施形態に係る左側扉要素と右側扉要素を示す正面図である。
【
図5】(A)は右側扉要素の戸先側部位(ジョイントが固定される前の状態)の横断面図、(B)は右側扉要素の戸先側部位(ジョイントが固定された状態)の横断面図、(C)左側扉要素の戸尻側部位の横断面図、である。
【
図6】左図は、
図2における扉体の左側扉要素の右側部位の縦断面図であり、右図に、上側ジョイント、下側ジョイントが固定される前の状態を示す。
【
図7】左図は、
図2ないし
図3における扉体の右側扉要素の左側部位の縦断面図であり、右図に、上側ジョイント、下側ジョイントが固定される前の状態を示す。
【
図8】左側扉要素と右側扉要素の接続部の正面図である。
【
図9】ドア枠に戸尻側扉要素を支持させる工程を説明する図である。
【
図10】ドア枠に支持された戸尻側扉要素に対して、戸先側扉要素を連結する工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[A]左右の分割扉要素から組み立てられる高背かつ幅広の扉体
図1は、ドア装置の正面図、
図2は、扉体の正面図であり、ドア装置は、長方形状のドア枠1と、ドア枠1に形成された開口部を開閉する扉体2と、からなる。ドア枠1は、上枠10と下枠11と左右の縦枠12、13からなる長方形枠であり、縦長方形状の開口部を形成している。本実施形態に係るドア装置は開き戸であり、ドア枠1の縦枠12は戸先側縦枠、縦枠13は戸尻側縦枠(吊元側縦枠)であり、扉体2は、ドア枠1の吊元側部位に回動可能に取り付けられる。
【0016】
図1~
図3に示すように、扉体2は、左側扉要素3と、右側扉要素4と、からなり、左側扉要素3と右側扉要素4を組み立てることで一枚の扉体2(
図2参照)が形成されるようになっている。本明細書において「左側」、「右側」は、扉体2を一方の正面から見た時の「左側」、「右側」を意味するものであり、扉体2を反対側からの正面視においては、左側の扉要素と左側の扉要素となる扉部材が逆転する点に留意されたい。扉体2の戸先側と戸尻側が特定されている場合には、2つの扉要素は、戸先側扉要素と戸尻側扉要素として識別することができる。本実施形態では、
図1~
図3に示す向きにおいて、左側扉要素3が戸先側扉要素、右側扉要素4が戸尻側扉要素である。
【0017】
本実施形態に係る扉体2は通常の開口部よりも高さ寸法及び幅寸法が大きい開口部を開閉するような高背かつ幅広の扉体であって、左側扉要素3の戸先側の下方に位置して取手20が設けてある。左側扉要素3及び右側扉要素4は、扉体2に比べて幅狭なので、扉体の搬入経路に、幅寸法が制限された区域(例えば、エレベータ)があったとしても、幅狭の左側扉要素3及び右側扉要素4の現場への搬入が可能となる。また、左側扉要素3、右側扉要素4のそれぞれは扉体2に比べて軽量なので、1枚の大型の扉体を持ち運ぶ場合に比べて持ち運びも容易である。
【0018】
本発明に係る扉体は、左右に分割された複数の扉要素から構成されている点に特徴を有するが、かかる扉体の構成は、開き戸の扉体に限定されるものではなく、さらに、可動(回動、スライド等)、不動(例えば、間仕切りや壁体等)を問わず、パネル一般に適用され得る。
【0019】
[B]左側扉要素
図3に示すように、左側扉要素3は、扉幅方向に間隔を存して平行して高さ方向に延びる複数本の縦骨材30及び戸尻側に位置する戸尻側縦骨材31、左側扉要素3の扉幅方向に水平に延び、複数本の縦骨材30、31の上端の上側に近接して設けた上側横骨材32と、複数本の縦骨材30、31の下端の下側に近接して設けた下側横骨材33と、これらの骨材に取り付けられて、左側扉要素3の第1見付面34、第2見付面35、戸先側見込面36、上面37、を形成する表面材(鋼板)と、からなり、戸尻側縦骨材31によって左側扉要素3の右側見込部が形成されている。本実施形態において、左側扉要素3の骨材(縦骨材30、31、上側横骨材32、下側横骨材33)と表面材(第1見付面34、第2見付面35、戸先側見込面36、上面37)が固定される場合には、固定手段は限定されないものの、溶接もしくは接着を例示することができる。
【0020】
図4に示すように、縦骨材30は、見込辺300と、第1見付辺301、第2見付辺302から断面視コ字形状を備えており、見込辺300の見込寸法は、左側扉要素3の第1見付面34と第2見付面35の内面間の距離と略同じであり、第1見付辺301が左側扉要素3の第1見付面34の内面に固定(溶接等)され、第2見付辺302が左側扉要素3の第2見付面35の内面に固定(溶接等)されている。左側扉要素3の戸先側に位置する縦骨材30は、凹部が左側扉要素3の中央を向く向きで設けてあり、見込辺300に戸先側見込面36の内面が固定(溶接等)されている。
【0021】
左側扉要素3の戸尻側に位置する戸尻側縦骨材31は、左側扉要素3の戸尻側見込部に凹部を形成する向きで設けてある。
図5(C)に示すように、戸尻側縦骨材31は、見込辺310と、第1見付辺311、第2見付辺312から断面視コ字形状を備えており、見込辺310の見込寸法は、左側扉要素3の第1見付面34と第2見付面35の内面間の距離と略同じであり、第1見付辺311が左側扉要素3の第1見付面34の内面に固定(溶接等)され、第2見付辺312が左側扉要素3の第2見付面35の内面に固定(溶接等)されている。図示の態様では、第1見付辺311及び第2見付辺312の見付寸法は、他の縦骨材30の第1見付辺301及び第2見付辺302の見付寸法より大きく、凹部が深くなっている。第1見付辺311の戸尻側端縁3110と、第1見付面34の戸尻側端縁340は一致しており、第2見付辺312の戸尻側端縁3120と、第2見付面35の戸尻側端縁350は一致している。
【0022】
図6に示すように、上側横骨材32は、上辺320と、第1見付辺321、第2見付辺322と、から断面視コ字形状を備えており、上辺320の見込寸法は、左側扉要素3の第1見付面34と第2見付面35の内面間の距離と略同じであり、第1見付辺321が左側扉要素3の第1見付面34の内面に固定(溶接等)され、第2見付辺322が左側扉要素3の第2見付面35の内面に固定(溶接等)されている。上辺320には、上面37の内面が固定(溶接等)されている。
【0023】
図6に示すように、下側横骨材33は、上辺330と、第1見付辺331、第2見付辺332と、から断面視コ字形状を備えており、上辺330の見込寸法は、左側扉要素3の第1見付面34と第2見付面35の内面間の距離と略同じであり、第1見付辺331が左側扉要素3の第1見付面34の内面に固定(溶接等)され、第2見付辺332が左側扉要素3の第2見付面35の内面に固定(溶接等)されている。下側横骨材33の下端は、左側扉要素3の下端となっている。
【0024】
本実施形態では、左側扉要素3の表面材は、第1見付面34と、戸先側見込面36の第1半部と、上面37の第1半部と、からなる第1表面材と、第2見付面35と、戸先側見込面36の第2半部と、上面37の第2半部と、からなる第2表面材と、からなり、戸先側見込面36、上面37の半部同士を当接ないし近接させて骨材に溶接等されている。なお、表面材がどのように構成されるかは限定されない。
【0025】
図5(C)に示すように、左側扉要素3の右側見込部には、断面視コ字形状の戸尻側縦骨材31の凹部からジョイント5の嵌入空間313が高さ方向に亘って形成されている。ジョイント嵌入空間313は、左側扉要素3と右側扉要素4の組立時に、ジョイント5の突出部(第2部分5B)が嵌入するジョイント嵌入部として機能するようになっている。
図4では、ジョイント嵌入空間313に、ジョイント5の突出部(第2部分5B)が嵌入した状態を示している。ジョイント5の構成の詳細については後述する。
【0026】
左側扉要素3の上側横骨材32は、扉体2の幅方向に延びる水平状の下向き凹状空間を形成しており、この凹状空間が、上側ジョイントの嵌入空間323を形成しており、上側ジョイント嵌入空間323は、左側扉要素3と右側扉要素4の組立時に、上側ジョイント嵌入部として機能する。
図6左図では、上側ジョイント嵌入空間323に、上側ジョイント6の突出部(第2部分6B)が嵌入した状態を示している。上側ジョイント6の構成の詳細については後述する。
【0027】
左側扉要素3の下側横骨材33は、扉体2の幅方向に延びる水平状の下向き凹状空間を形成しており、この凹状空間が、下側ジョイントの嵌入空間333を形成しており、下側ジョイント嵌入空間333は、左側扉要素3と右側扉要素4の組立時に、下側ジョイント嵌入部として機能する。
図6左図では、下側ジョイント嵌入空間333に、下側ジョイント7の突出部(第2部分7B)が嵌入した状態を示している。下側ジョイント7の構成の詳細については後述する。
【0028】
[C]右側扉要素
図3に示すように、右側扉要素4は、扉幅方向に間隔を存して平行して高さ方向に延びる複数本の縦骨材40及び戸先側に位置する戸先側縦骨材41、右側扉要素4の扉幅方向に水平に延び、複数本の縦骨材40、41の上端の上側に近接して設けた上側横骨材42と、複数本の縦骨材40、41の下端の下側に近接して設けた下側横骨材43と、これらの骨材に取り付けられて、右側扉要素4の第1見付面44、第2見付面45、戸尻側見込面46、上面47、を形成する表面材(鋼板)と、からなり、戸先側縦骨材41によって右側扉要素4の左側見込部が形成されている。本実施形態において、右側扉要素4の骨材(縦骨材40、41、上側横骨材42、下側横骨材43)と表面材(第1見付面44、第2見付面45、戸尻側見込面46、上面47)が固定される場合には、固定手段は限定されないものの、溶接もしくは接着を例示することができる。
【0029】
図4に示すように、縦骨材40は、見込辺400と、第1見付辺401、第2見付辺402から断面視コ字形状を備えており、見込辺400の見込寸法は、右側扉要素4の第1見付面44と第2見付面45の内面間の距離と略同じであり、第1見付辺401が右側扉要素4の第1見付面44の内面に固定(溶接等)され、第2見付辺402が右側扉要素4の第2見付面45の内面に固定(溶接等)されている。右側扉要素4の戸尻側に位置する縦骨材40は、凹部が右側扉要素4の中央を向く向きで設けてあり、見込辺400に戸尻側見込面46の内面が固定(溶接等)されている。
【0030】
右側扉要素4の戸先側に位置する戸先側縦骨材41は、右側扉要素4の戸先側見込部に凹部を形成する向きで設けてある。
図5(A)、(B)に示すように、戸先側縦骨材41は、見込辺410と、第1見付辺411、第2見付辺412から断面視コ字形状を備えており、見込辺410の見込寸法は、右側扉要素4の第1見付面44と第2見付面45の内面間の距離と略同じであり、第1見付辺411が右側扉要素4の第1見付面44の内面に固定(溶接等)され、第2見付辺412が右側扉要素4の第2見付面45の内面に固定(溶接等)されている。図示の態様では、第1見付辺411及び第2見付辺412の見付寸法は、他の縦骨材40の第1見付辺401及び第2見付辺402の見付寸法よりも大きく、凹部が深くなっている。第1見付辺411の戸先側端縁4110と、第1見付面44の戸先側端縁440は一致しており、第2見付辺412の戸先側端縁4120と、第2見付面45の戸先側端縁450は一致している。
【0031】
図7に示すように、上側横骨材42は、上辺420と、第1見付辺421、第2見付辺422と、から断面視コ字形状を備えており、上辺420の見込寸法は、右側扉要素4の第1見付面44と第2見付面45の内面間の距離と略同じであり、第1見付辺421が右側扉要素4の第1見付面44の内面に固定(溶接等)され、第2見付辺422が右側扉要素4の第2見付面45の内面に固定(溶接等)されている。上辺420には、上面47の内面が固定(溶接等)されている。
【0032】
図7に示すように、下側横骨材43は、上辺430と、第1見付辺431、第2見付辺432と、から断面視コ字形状を備えており、上辺430の寸法は、右側扉要素4の第1見付面44と第2見付面45の内面間の距離と略同じであり、第1見付辺431が右側扉要素4の第1見付面44の内面に固定(溶接等)され、第2見付辺432が右側扉要素4の第2見付面45の内面に固定(溶接等)されている。下側横骨材43の下端は、右側扉要素4の下端となっている。
【0033】
本実施形態では、右側扉要素4の表面材は、第1見付面44と、戸尻側見込面46の第1半部と、上面47の第1半部と、からなる第1表面材と、第2見付面45と、戸尻側見込面46の第2半部と、上面47の第2半部と、からなる第2表面材と、からなり、戸尻側見込面46、上面47の半部同士を当接ないし近接させて骨材に溶接等されている。なお、表面材がどのように構成されるかは限定されない。
【0034】
図5(A)に示すように、右側扉要素4の戸先側部位には、断面視コ字形状の戸先側縦骨材41の凹部からジョイントの嵌入空間413が高さ方向に亘って形成されている。ジョイント嵌入空間413には、ジョイント5の第1部分5Aが嵌入されて固定されており、ジョイント5の第2部分5Bは、右側扉要素4の戸先側端(第1見付辺411の戸先側端縁4110、第1見付面44の戸先側端縁440、第2見付辺412の戸先側端縁4120、第2見付面45の戸先側端縁450)から突出しており、高さ方向に延びる嵌入部を形成している。
【0035】
図7に示すように、右側扉要素4の上側横骨材42は、扉体2の幅方向に延びる水平状の下向き凹状空間を形成しており、この凹状空間が、上側ジョイント6の嵌入空間423を形成している。上側ジョイント嵌入空間423には、上側ジョイント6の第1部分6Aが嵌入されて固定されており、上側ジョイント6の第2部分6Bは、右側扉要素4の戸先側端から突出しており、水平方向に延びる突出部を形成している。
【0036】
図7に示すように、右側扉要素4の下側横骨材43は、扉体2の幅方向に延びる水平状の下向き凹状空間を形成しており、この凹状空間が、下側ジョイント7の嵌入空間433を形成している。下側ジョイント嵌入空間433には、下側ジョイント7の第1部分7Aが嵌入されて固定されており、下側ジョイント7の第2部分7Bは、右側扉要素4の戸先側端から突出しており、水平方向に延びる突出部を形成している。
【0037】
[D]ジョイント
図5(B)に示すように、本実施形態に係るジョイント5は、第1見付面50、第2見付面51、第1見込面52、第2見込面53から断面視長方形状に形成され、高さ方向に延びる柱状部材であり、上下端面が開口している。ジョイント5の第1見込面52、第2見込面53の見込寸法は、ジョイント嵌入空間313の見込寸法(左側扉要素3の戸尻側縦骨材31の第1見付辺311と第2見付辺312の内面間の距離)、及び、ジョイント嵌入空間413の見込寸法(右側扉要素4の戸先側縦骨材41の第1見付辺411と第2見付辺412の内面間の距離)と略同じである。ジョイント5の高さ寸法は、左側扉要素3の戸尻側縦骨材31、右側扉要素4の戸先側縦骨材41の高さとほぼ同じである。図示の態様では、ジョイント5は、断面視コ字形状の2つの部材を縦断面視方形状に組んで溶接して形成されているが、ジョイント5の具体的な構成は、限定されない。
【0038】
図5(A)、(B)に示すように、ジョイント嵌入空間413は、見込辺410、第1見付辺411、第2見付辺412の内面で囲まれた空間であり、ジョイント5の右側部位である第1部分5A(第1見付面50の第1部分、第2見付面51の第1部分、第2見込面53)は、見込辺410、第1見付辺411、第2見付辺412の内面に当接した状態で固定されている。固定手段は限定されないが、例えば、溶接、接着、螺子を例示することができる。
ジョイント5の左側部位である第2部分5B(第1見付面50の第2部分、第2見付面51の第2部分、第1見込面52)は、右側扉要素4の戸先側端(第1見付辺411の戸先側端縁4110、第1見付面44の戸先側端縁440、第2見付辺412の戸先側端縁4120、第2見付面45の戸先側端縁450)を越えて左方に延びており突出部を形成している。なお、工場において、左側扉要素3のジョイント嵌入空間313にジョイント5の第2部分5Bを嵌入して固定することで、ジョイント5の第1部分5Aを突出部とし、現場での組立時に、ジョイント5の第1部分5Aを右側扉要素4のジョイント嵌入空間413に嵌入して固定するようにしてもよい。
【0039】
左側扉要素3と右側扉要素4の組立時に、ジョイント5の第2部分5Bは、左側扉要素3の戸尻側部位に形成されたジョイント嵌入空間313に嵌入され、第1見付面50が左側扉要素3の戸尻側縦骨材31の第1見付辺311の内面に当接し、第2見付面51が左側扉要素3の第2見付辺312の内面に当接して嵌入状態となる(
図4参照)。本実施形態では、ジョイント5の第2部位5Bの嵌入状態において、ジョイント5の第1見込面52と戸尻側縦骨材31の見込辺310は離間している。すなわち、ジョイント5の見付寸法は、左側扉要素3と右側扉要素4の組立時の戸尻側縦骨材31の見込辺310と戸先側縦骨材41の見込辺410間の距離よりも小さい。
【0040】
ジョイント5の第2部分5Bが左側扉要素3のジョイント嵌入空間313に嵌入された状態において、第1見付面34の戸尻側部位、戸尻側縦骨材31の第1見付辺311、ジョイント5の第1見付面50の第2部分が重なった状態にあり、螺子54で第1見付面34の戸尻側部位、戸尻側縦骨材31の第1見付辺311、ジョイント5の第1見付面50を固定する。図示の態様では、第1見付面34の戸尻側部位において高さ方向に間隔を存して千鳥足状(
図8参照)に螺子54が螺入される。複数の螺子54のうち、戸尻側に位置する螺子54は、第1見付面34の戸尻側端縁340に近い位置に設けられており、表面材(第1見付面34)の浮きや変形を規制している。なお、固定手段は、螺子54に代えて溶接でもよい。
【0041】
ジョイント5の第2部分5Bが左側扉要素3のジョイント嵌入空間313に嵌入された状態において、第2見付面35の戸尻側部位、戸尻側縦骨材31の第2見付辺312、ジョイント5の第2見付面51の第2部分が重なった状態にあり、螺子54で第2見付面35の戸尻側部位、戸尻側縦骨材31の第2見付辺312、ジョイント5の第2見付面51を固定する。図示の態様では、第2見付面35の戸尻側部位において高さ方向に間隔を存して千鳥足状に螺子54が螺入される。複数の螺子54のうち、戸尻側に位置する螺子54は、第2見付面35の戸尻側端縁350に近い位置に設けられており、表面材(第2見付面35)の浮きや変形を規制している。なお、固定手段は、螺子54に代えて溶接でもよい。
【0042】
[E]上側ジョイント、下側ジョイント
[E-1]上側ジョイント
上側ジョイント6は、左側扉要素3の上側横骨材32、右側扉要素4の上側横骨材42によって形成される上側ジョイント嵌入空間323、423に嵌入可能な外形及び寸法を有している。
図6、
図7に示すように、本実施形態に係る上側ジョイント6は、上辺60、第1見付辺61、第2見付辺62から断面視コ字形状を備えており、水平に延びる部材である。上側ジョイント6の見込寸法は、上側ジョイント嵌入空間323の見込寸法(上側横骨材32の第1見付辺321と第2見付辺322の内面間の距離)、および、上側ジョイント嵌入空間423の見込寸法(上側横骨材42の第1見付辺421と第2見付辺422の内面間の距離)と略同じである。
【0043】
図7に示すように、右側扉要素4の上側ジョイント嵌入空間423は、上辺420、第1見付辺421、第2見付辺422の内面で囲まれた空間であり、上側ジョイント6の右側部位である第1部分6A(上辺60の第1部分、第1見付辺61の第1部分、第2見付辺62の第1部分)が、上辺420、第1見付辺421、第2見付辺422の内面に当接した状態で固定されている。固定手段は限定されないが、例えば、溶接、接着、螺子を例示することができる。上側ジョイント6の左側部位である第2部分6B(上辺60の第2部分、第1見付辺61の第2部分、第2見付辺62の第2部分)が、右側扉要素4の戸先側端(上側横骨材42の戸先側端縁、第1見付面44、第2見付面45の戸先側端縁440、450)を越えて左方に延びており突出部を形成している。なお、工場において、左側扉要素3の上側ジョイント嵌入空間323に上側ジョイント6の第2部分6Bを嵌入して固定することで、上側ジョイント6の第1部分6Aを突出部とし、現場での組立時に、上側ジョイント6の第1部分6Aを右側扉要素4の上側ジョイント嵌入空間423に嵌入して固定するようにしてもよい。
【0044】
左側扉要素3と右側扉要素4の組立時に、上側ジョイント6の第2部分6Bは、左側扉要素3の上側横骨材32の戸尻側部位に形成された上側ジョイント嵌入空間323に嵌入されて嵌入状態となる。上側ジョイント嵌入空間323は、上辺320、第1見付辺321、第2見付辺322の内面で囲まれた空間であり、上側ジョイント6の左側部位である第2部分6B(上辺60の第2部分、第1見付辺61の第2部分、第2見付辺62の第2部分)が、上辺320、第1見付辺321、第2見付辺322の内面に当接した状態で固定されている。固定手段は限定されないが、例えば、螺子、溶接を例示することができる。
【0045】
上側ジョイント6の第2部分6Bが左側扉要素3の上側ジョイント嵌入空間323に嵌入された状態において、第1見付面34の戸尻側部位、上側横骨材32の第1見付辺321、上側ジョイント6の第1見付辺61の第2部分が重なった状態にあり、螺子63で第1見付面34の戸尻側部位、上側横骨材32の第1見付辺321、上側ジョイント6の第1見付辺61を固定する。図示の態様では、第1見付面34の戸尻側部位(上側)において幅方向に間隔を存して3箇所(限定されない)で螺子63が螺入される。最も戸尻側に位置する螺子63は、第1見付面34の戸尻側端縁340に近い位置に設けられており、表面材(第1見付面34)の浮きや変形を規制している。なお、固定手段は、螺子63に代えて溶接でもよい。
【0046】
上側ジョイント6の第2部分6Bが左側扉要素3の上側ジョイント嵌入空間323に嵌入された状態において、第2見付面35の戸尻側部位、上側横骨材32の第2見付辺322、上側ジョイント6の第2見付辺62の第2部分が重なった状態にあり、螺子63で第2見付面35の戸尻側部位、上側横骨材32の第2見付辺322、上側ジョイント6の第2見付辺62を固定する。図示の態様では、第2見付面35の戸尻側部位(上側)において幅方向に間隔を存して3箇所(限定されない)で螺子63が螺入される。最も戸尻側に位置する螺子63は、第2見付面35の戸尻側端縁350に近い位置に設けられており、表面材(第2見付面35)の浮きや変形を規制している。なお、固定手段は、螺子63に代えて溶接でもよい。
【0047】
[E-2]下側ジョイント
下側ジョイント7は、左側扉要素3の下側横骨材33、右側扉要素4の下側横骨材43によって形成される下側ジョイント嵌入空間333、433に嵌入可能な外形及び寸法を有している。
図6、
図7に示すように、本実施形態に係る下側ジョイント7は、上辺70、第1見付辺71、第2見付辺72から断面視コ字形状を備えており、水平に延びる部材である。下側ジョイント7の見込寸法は、下側ジョイント嵌入空間333の見込寸法(下側横骨材33の第1見付辺331と第2見付辺332の内面間の距離)、および、下側ジョイント嵌入空間433の見込寸法(下側横骨材43の第1見付辺431と第2見付辺432の内面間の距離)と略同じである。
【0048】
図7に示すように、右側扉要素4の下側ジョイント嵌入空間433は、上辺430、第1見付辺431、第2見付辺432の内面で囲まれた空間であり、下側ジョイント7の右側部位である第1部分7A(上辺70の第1部分、第1見付辺71の第1部分、第2見付辺72の第1部分)が、上辺430、第1見付辺431、第2見付辺432の内面に当接した状態で固定されている。固定手段は限定されないが、例えば、溶接、接着、螺子を例示することができる。下側ジョイント7の左側部位である第2部分7B(上辺70の第2部分、第1見付辺71の第2部分、第2見付辺72の第2部分)が、右側扉要素4の戸先側端(下側横骨材43の戸先側端縁、第1見付面44、第2見付面45の戸先側端縁440、450)を越えて左方に延びており突出部を形成している。なお、工場において、左側扉要素3の下側ジョイント嵌入空間333に下側ジョイント7の第2部分7Bを嵌入して固定することで、下側ジョイント7の第1部分7Aを突出部とし、現場での組立時に、下側ジョイント7の第1部分7Aを右側扉要素4の下側ジョイント嵌入空間433に嵌入して固定するようにしてもよい。
【0049】
左側扉要素3と右側扉要素4の組立時に、下側ジョイント7の第2部分7Bは、左側扉要素3の下側横骨材33の戸尻側部位に形成された下側ジョイント嵌入空間333に嵌入されて嵌入状態となる。下側ジョイント嵌入空間333は、上辺330、第1見付辺331、第2見付辺332の内面で囲まれた空間であり、下側ジョイント7の左側部位である第2部分7B(上辺70の第2部分、第1見付辺71の第2部分、第2見付辺72の第2部分)が、上辺330、第1見付辺331、第2見付辺332の内面に当接した状態で固定されている。固定手段は限定されないが、例えば、螺子、溶接を例示することができる。
【0050】
下側ジョイント7の第2部分7Bが左側扉要素3の下側ジョイント嵌入空間333に嵌入された状態において、第1見付面34の戸尻側部位、下側横骨材33の第1見付辺331、下側ジョイント7の第1見付辺71の第2部分が重なった状態にあり、螺子73で第1見付面34の戸尻側部位、下側横骨材33の第1見付辺331、下側ジョイント7の第1見付辺71を固定する。図示の態様では、第1見付面34の戸尻側部位(下側)において幅方向に間隔を存して3箇所(限定されない)で螺子73が螺入される。最も戸尻側に位置する螺子73は、第1見付面34の戸尻側端縁340に近い位置に設けられており、表面材(第1見付面34)の浮きや変形を規制している。なお、固定手段は、螺子73に代えて溶接でもよい。
【0051】
下側ジョイント7の第2部分7Bが左側扉要素3の下側ジョイント嵌入空間333に嵌入された状態において、第2見付面35の戸尻側部位、下側横骨材33の第2見付辺332、下側ジョイント7の第2見付辺72の第2部分が重なった状態にあり、螺子73で第2見付面35の戸尻側部位、下側横骨材33の第2見付辺332、下側ジョイント7の第2見付辺72を固定する。図示の態様では、第2見付面35の戸尻側部位(下側)において幅方向に間隔を存して3箇所(限定されない)で螺子73が螺入される。最も戸尻側に位置する螺子73は、第2見付面35の戸尻側端縁350に近い位置に設けられており、表面材(第2見付面35)の浮きや変形を規制している。なお、固定手段は、螺子73に代えて溶接でもよい。
【0052】
[F]左側扉要素と右側扉要素とから組み立てられた扉体
左側扉要素3と右側扉要素4から組み立てられた扉体2において、左側扉要素3は、左側表面材(第1見付面34、第2見付面35、戸先側見込面36、上面37)と、複数本の縦骨材30と、左側扉要素3の右側見込部に位置する戸尻側縦骨材31と、を備え、戸尻側縦骨材31には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間313が形成されている。
【0053】
右側扉要素4は、右側表面材(第1見付面44、第2見付面45、戸尻側見込面46、上面47)と、複数本の縦骨材40と、右側扉要素4の左側見込部に位置する戸先側縦骨材41と、を備えており、戸先側縦骨材41には高さ方向に延びるジョイント嵌入空間413が形成されている。
【0054】
左側扉要素3のジョイント嵌入空間313と右側扉要素4のジョイント嵌入空間413に跨って高さ方向に延びるジョイント5が設けられており、前記左側表面材の戸尻側端と前記右側表面材の戸先側端を突合わせた状態で、ジョイント5の左側部位である第2部分5Bは左側扉要素3のジョイント嵌入空間313に嵌入された状態で戸尻側縦骨材31に固定されており、ジョイント5の右側部位である第1部分5Aは右側扉要素4のジョイント嵌入空間413に嵌入された状態で戸先側縦骨材41に固定されている。
【0055】
左側扉要素3は、上側横骨材32及び下側横骨材33を備え、上側横骨材32は上側ジョイント6の第2部分6Bの上側ジョイント嵌入空間323を形成し、下側横骨材33は下側ジョイント7の第2部分7Bの下側ジョイント嵌入空間333を形成している。
【0056】
右側扉要素4は、上側横骨材42及び下側横骨材43を備え、上側横骨材42は上側ジョイント6の第1部分6Aの上側ジョイント嵌入空間423を形成し、下側横骨材43は下側ジョイント7の第1部分7Aの下側ジョイント嵌入空間433を形成している。
【0057】
上側ジョイント6は、上側横骨材32の右端と上側横骨材42の左端の突合わせ部に跨って水平方向に延び、上側ジョイント6の第2部分6Bは上側横骨材32の上側ジョイント嵌入空間323に嵌入された状態で上側横骨材32に固定され、上側ジョイント6の第1部分6Aは上側横骨材42の上側ジョイント嵌入空間423に嵌入された状態で上側横骨材42に固定されている。
【0058】
下側ジョイント7は、下側横骨材33の右端と下側横骨材43の左端の突合わせ部に跨って水平方向に延び、下側ジョイント7の第2部分7Bは下側横骨材33の下側ジョイント嵌入空間333に嵌入された状態で下側横骨材33に固定され、下側ジョイント7の第1部分7Aは下側横骨材43の下側ジョイント嵌入空間433に嵌入された状態で下側横骨材43に固定されている。
【0059】
左側扉要素3と右側扉要素4は、左側表面材(第1見付面34、第2見付面35、上面37)、戸尻側縦骨材31、上側横骨材32、下側横骨材33の戸尻側端と、右側表面材(第1見付面44、第2見付面45、上面47)、戸先側縦骨材41、上側横骨材42、下側横骨材43の戸先側端を突合わせて組み立てられている。扉体2において、左側扉要素3の第1見付面34の戸尻側端縁340と右側扉要素4の第1見付面44の戸先側端縁440を突き当てることで、第1見付面34と第1見付面44で扉体2の第1見付面を形成し、左側扉要素3の第2見付面35の戸尻側端縁350と右側扉要素4の第2見付面45の戸先側端縁450を突き当てることで、第2見付面35と第2見付面45で扉体2の第2見付面を形成し、左側扉要素3の上面37の戸尻側端縁と右側扉要素4の上面47の戸先側端縁を突き当てることで、上面37と上面47で扉体2の上面を形成し、左側扉要素3の戸先側見込面36が扉体2の戸先側見込面を形成し、右側扉要素4の戸尻側見込面46が扉体2の戸尻側見込面を形成する。本実施形態では、左側扉要素3の第1見付面34の戸尻側端縁340と右側扉要素4の第1見付面44の戸先側端縁440の突合わせ位置と、左側扉要素3の第2見付面35の戸尻側端縁350と右側扉要素4の第2見付面45の戸先側端縁450の突合わせ位置が扉体2の幅方向において一致しているが、これらの突合わせ位置が幅方向にずれていてもよい。
【0060】
左側扉要素3の戸尻側縦骨材31の第1見付辺311の戸尻側端縁3110、第2見付辺312の戸尻側端縁3120と右側扉要素4の戸先側縦骨材41の第1見付辺411の戸先側端縁4110、第2見付辺412の戸先側端縁4120を突き合わせることで、戸尻側縦骨材31と戸先側縦骨材41で扉体2の幅方向中央部位の縦骨材を形成すると共に、戸尻側縦骨材31と戸先側縦骨材41のジョイント嵌入空間313、413に跨ってジョイント5が固定されている。
【0061】
左側扉要素3の上側横骨材32の戸尻側端と右側扉要素4の上側横骨材42の戸先側端を突き合わせることで、上側横骨材32と上側横骨材42から扉体2の上側横骨材を形成すると共に、上側横骨材32と上側横骨材42の上側ジョイント嵌入空間323、423に跨って上側ジョイント6が固定されている。
【0062】
左側扉要素3の下側横骨材33の戸尻側端と右側扉要素4の下側横骨材43の戸先側端を突き合わせることで、下側横骨材33と下側横骨材43から扉体2の下側横骨材を形成すると共に、下側横骨材33と下側横骨材43の下側ジョイント嵌入空間333、433に跨って下側ジョイント7が固定されている。
【0063】
[G]設置現場における扉体の組立方法
左側扉要素3、右側扉要素4は、それぞれ工場で用意されて、設置現場に搬入される。左側扉要素3及び右側扉要素4は、扉体2に比べて幅狭なので、扉体の搬入経路に、寸法が制限された区域(例えば、エレベータ)があったとしても、幅狭の左側扉要素3及び右側扉要素4の搬入が可能となる。また、左側扉要素3、右側扉要素4のそれぞれは扉体2に比べて軽量なので、1枚の扉体に比べて持ち運びも容易である。
【0064】
本実施形態では、右側扉要素4において、ジョイント5の第1部分5Aは、右側扉要素4のジョイント嵌入空間413に嵌入された状態で右側扉要素4の戸先側縦骨材41に固定(溶接等)され、上側ジョイント6の第1部分6Aは、右側扉要素4の上側ジョイント嵌入空間423に嵌入された状態で右側扉要素4の上側横骨材42に固定(溶接等)され、下側ジョイント7の第1部分7Aは、右側扉要素4の下側ジョイント嵌入空間433に嵌入された状態で右側扉要素4の下側横骨材43に固定(溶接等)され、右側扉要素4の戸先側見込部から、ジョイント5の第2部分5B、上側ジョイント6の第2部分6B、下側ジョイント7の第2部分7Bが突出した状態で用意される。
図3、
図9、
図10等に示すように、上側ジョイント6の第2部分6B及び下側ジョイント7の第2部分7Bの突出寸法は、ジョイント5の第2部分5Bの突出寸法よりも大きい。
【0065】
左側扉要素3において、戸尻側見込部に形成されたジョイント嵌入空間313、上側ジョイント嵌入空間323、下側ジョイント嵌入空間333は、それぞれ、ジョイント5の第2部分5B、上側ジョイント6の第2部分6B、下側ジョイント7の第2部分7Bのジョイント嵌入部、上側ジョイント嵌入部、下側ジョイント嵌入部となっている。なお、ジョイント5、上側ジョイント6、下側ジョイント7の突出部と、組立時に、これらの突出部が嵌入する嵌入部と、がそれぞれ形成される扉要素は逆であってもよい。
【0066】
先ず、上記のように用意された左側扉要素3、右側扉要素4を設置現場に搬入する。本実施形態では、左側扉要素3が戸先側扉要素であり、右側扉要素4が戸尻側扉要素(吊元側扉要素)であるため、本実施形態に係る扉体2の組立方法についての説明においては、「戸先側扉要素3」、「戸尻側扉要素4」とする。戸先側扉要素3、戸尻側扉要素4の上端には、図示しないアイボルト(吊持手段ないし吊りボルト)が設けてあり、戸尻側扉要素4、戸先側扉要素3の吊り込みを容易に行えるようになっている。戸尻側扉要素4の戸尻側部位、ドア枠1の戸尻側部位には、丁番(ヒンジ)の構成部品が取り付けてある。設置現場においては、既にドア枠1が開口部に固定されており、ドア枠1において、縦枠12が戸先側縦枠、縦枠13が戸尻側縦枠である。
【0067】
設置現場に搬入された戸尻側扉要素4をドア枠1に吊り込む(
図9)。具体的には、戸尻側扉要素4を吊り込むことで、戸尻側扉要素4の戸尻側部位をドア枠1の戸尻側部位にヒンジ機構(例えば、ピボットヒンジ)によって回動可能に支持させる。戸尻側部位がドア枠1の戸尻側部位に回動可能に連結された戸尻側扉要素4の戸先側部位には、ジョイント5の第2部分5B、上側ジョイント6の第2部分6B、下側ジョイント7の第2部分7Bがそれぞれ突出して突出部を形成している。
【0068】
次いで、戸先側扉要素3を吊り込むことで、戸尻側部位がドア枠1の戸尻側部位に回動可能に連結された戸尻側扉要素4の戸先側部位に、戸先側扉要素3の戸尻側部位を接続する(
図10)。具体的には、ドア枠1に戸尻側部位が回動可能に支持された戸尻側扉要素4の戸先側見込部から突出するジョイント5の第2部分5B、上側ジョイント6の第2部分6B、下側ジョイント7の第2部分7Bを、戸先側扉要素3の戸尻側見込部に形成されたジョイント嵌入空間313、上側ジョイント嵌入空間323、下側ジョイント嵌入空間333にそれぞれ嵌入させながら、戸尻側扉要素4の戸先側端縁(第1見付面44の戸先側端縁440、第2見付面45の戸先側端縁450、上面47の戸先側端縁、戸先側縦骨材41の第1見付辺411、第2見付辺412の戸先側端縁4110、4120、上側横骨材42の戸先側端縁、下側横骨材43の戸先側端縁)と、戸先側扉要素3の戸尻側端縁(第1見付面34の戸尻側端縁340、第2見付面35の戸尻側端縁350、上面37の戸尻側端縁、戸尻側縦骨材31の第1見付辺311、第2見付辺312の戸尻側端縁3110、3120、上側横骨材32の戸尻側端縁、下側横骨材33の戸尻側端縁)と、を突き合わせる。
【0069】
戸尻側扉要素4の戸先側端縁と戸先側扉要素3の戸尻側端縁を突き合わせた時に、ジョイント5の第2部分5Bは戸先側扉要素3のジョイント嵌入空間313に嵌入した状態にある。第1見付面34の戸尻側部位、戸尻側縦骨材31の第1見付辺311、ジョイント5の第1見付面50の第2部分が重なった状態にあり、螺子54で第1見付面34の戸尻側部位、戸尻側縦骨材31の第1見付辺311、ジョイント5の第1見付面50を固定する。第2見付面35の戸尻側部位、戸尻側縦骨材31の第2見付辺312、ジョイント5の第2見付面51の第2部分が重なった状態にあり、螺子54で第2見付面35の戸尻側部位、戸尻側縦骨材31の第2見付辺312、ジョイント5の第2見付面51を固定する。
【0070】
戸尻側扉要素4の戸先側端縁と戸先側扉要素3の戸尻側端縁を突き合わせた時に、上側ジョイント6の第2部分6Bは戸先側扉要素3の上側ジョイント嵌入空間323に嵌入した状態にある。上側ジョイント6の第2部分6Bが左側扉要素3の上側ジョイント嵌入空間323に嵌入された状態にある。第1見付面34の戸尻側部位、上側横骨材32の第1見付辺321、上側ジョイント6の第1見付辺61の第2部分が重なった状態にあり、螺子63で第1見付面34の戸尻側部位、上側横骨材32の第1見付辺321、上側ジョイント6の第1見付辺61を固定する。第2見付面35の戸尻側部位、上側横骨材32の第2見付辺322、上側ジョイント6の第2見付辺62の第2部分が重なった状態にあり、螺子63で第2見付面35の戸尻側部位、上側横骨材32の第2見付辺322、上側ジョイント6の第2見付辺62を固定する。
【0071】
戸尻側扉要素4の戸先側端縁と戸先側扉要素3の戸尻側端縁を突き合わせた時に、下側ジョイント7の第2部分7Bは戸先側扉要素3の下側ジョイント嵌入空間333に嵌入した状態にある。下側ジョイント7の第2部分7Bが左側扉要素3の下側ジョイント嵌入空間333に嵌入された状態にある。第1見付面34の戸尻側部位、下側横骨材33の第1見付辺331、下側ジョイント7の第1見付辺71の第2部分が重なった状態にあり、螺子73で第1見付面34の戸尻側部位、下側横骨材33の第1見付辺331、下側ジョイント7の第1見付辺71を固定する。第2見付面35の戸尻側部位、下側横骨材33の第2見付辺332、下側ジョイント7の第2見付辺72の第2部分が重なった状態にあり、螺子73で第2見付面35の戸尻側部位、下側横骨材33の第2見付辺332、下側ジョイント7の第2見付辺72を固定する。
【0072】
本実施形態に係る扉体の組立方法は、戸尻側扉要素4の戸尻側部位をドア枠1に回動可能に支持させる工程と、ドア枠1に戸尻側部位が回動可能に支持された戸尻側扉要素4の戸先側部位に、戸先側扉要素3の戸尻側部位を接続する工程と、からなるので、戸先側扉要素3と戸尻側扉要素4から扉体2を組み立てる時に、戸尻側扉要素4をドア枠1に回動可能に支持された状態で接続作業を行うことができ、組立作業時に、戸尻側扉要素4を床に置いたり、壁に立て掛けたりする必要がないため、現場に十分な組立用スペースが確保できない場合でも戸先側扉要素3と戸尻側扉要素4の組立を円滑に行うことが可能となる。また、上側ジョイント6の第2部分6B及び下側ジョイント7の第2部分7Bの突出寸法は、ジョイント5の第2部分5Bの突出寸法よりも大きく、上側ジョイント6及び下側ジョイントの突出部(第2部分6B、第2部分7B)は、扉体組立時のガイドとしても機能する。
【符号の説明】
【0073】
1 ドア枠
2 扉体
3 左側扉要素(左側パネル要素)、戸先側扉要素(戸先側パネル要素)
30 縦骨材
31 戸尻側縦骨材(第1縦骨材)
313 ジョイント嵌入空間(嵌入部)
32 上側横骨材(第1上側横骨材)
323 上側ジョイント嵌入空間(上側ジョイント嵌入部)
33 下側横骨材(第1下側横骨材)
333 下側ジョイント嵌入空間(下側ジョイント嵌入部)
34 第1見付面(左側表面材)
35 第2見付面(左側表面材)
36 戸先側見込面(左側表面材)
37 上面(左側表面材)
4 右側扉要素(右側パネル要素)、戸尻側扉要素(戸尻側パネル要素)
40 縦骨材
41 戸先側縦骨材(第2縦骨材)
413 ジョイント嵌入空間(嵌入部)
42 上側横骨材(第2上側横骨材)
423 上側ジョイント嵌入空間(上側ジョイント嵌入部)
43 下側横骨材(第2下側横骨材)
433 下側ジョイント嵌入空間(下側ジョイント嵌入部)
44 第1見付面(右側表面材)
45 第2見付面(右側表面材)
46 戸尻側見込面(右側表面材)
47 上面(右側表面材)
5 ジョイント
5A 第1部分(右側部位、突出部)
5B 第2部分(左側部位、突出部)
54 螺子(固定手段)
6 上側ジョイント
6A 第1部分(右側部位、突出部)
6B 第2部分(左側部位、突出部)
63 螺子(固定手段)
7 下側ジョイント
7A 第1部分(右側部位、突出部)
7B 第2部分(左側部位、突出部)
73 螺子(固定手段)