(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】輸送計画生成装置および輸送計画生成方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20230901BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
G06Q10/087
B65G61/00 542
(21)【出願番号】P 2019198578
(22)【出願日】2019-10-31
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】末光 一成
(72)【発明者】
【氏名】宇都木 契
(72)【発明者】
【氏名】細田 順子
(72)【発明者】
【氏名】岸川 直子
(72)【発明者】
【氏名】嶋津 慶人
(72)【発明者】
【氏名】西川 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】小山 英晃
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-062916(JP,A)
【文献】特開2004-326711(JP,A)
【文献】特開2017-187854(JP,A)
【文献】特開2018-020885(JP,A)
【文献】特開2009-286502(JP,A)
【文献】特開2016-143266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、
を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第1期間の輸送対象の輸送数に基づいて、前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとに算出する算出処理を実行し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、
ことを特徴とする輸送計画生成装置。
【請求項2】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第2期間の輸送量内で追加輸送可能な前記輸送対象の最大輸送数に基づいて、前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとに算出する算出処理を実行し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、
ことを特徴とする輸送計画生成装置。
【請求項3】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第1期間の輸送対象の輸送数と、前記第2期間の輸送量内で追加輸送可能な前記輸送対象の最大輸送数と、のうち小さい方に基づいて、前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとに算出する算出処理を実行し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、
ことを特徴とする輸送計画生成装置。
【請求項4】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記輸送対象と前記第2期間の組み合わせについて、前記輸送対象の前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を算出する算出処理を実行し、
前記算出処理では、前記プロセッサは、前記輸送対象の前記第1期間での付け替え前の余剰需要量及び前記第2期間での輸送能力内で追加輸送可能な最大数を示す最大前倒し可能数を算出し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理による結果に基づき、前記優先度が最大となる前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせについて、前記第1期間からの最大前倒し可能数を決定し、
前記プロセッサは、さらに、前記最大前倒し可能数に基づき前記輸送数と割当済み輸送能力とを更新する更新処理を、前記第1期間の割当済み輸送能力が最大輸送能力を下回るまで繰り返し実行する、
ことを特徴とする輸送計画生成装置。
【請求項5】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、
過去の期間の輸送手段の実績台数を目的変数とし、前記過去の期間の休日数、前記過去の期間が決算期であるか否かを示す情報、または、前記過去の期間が連休を含むか否かを示す情報のうち少なくとも1つを説明変数とする実績データに基づいて、学習モデルを生成する学習処理と、
前記学習処理によって生成された学習モデルに、予測対象期間における前記説明変数である予測データを入力することにより、前記予測対象期間における前記輸送手段の予測台数を出力する予測処理と、を実行し、
前記検出処理では、前記プロセッサは、前記予測対象期間のうち、前記輸送手段の予測台数および前記容積に基づく前記期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する、
ことを特徴とする輸送計画生成装置。
【請求項6】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第1期間の輸送対象を前記第1期間に前記輸送手段で輸送する第1料金と、前記輸送対象を前記第2期間に前記輸送手段で輸送する第2料金と、前記第1期間と前記第2期間との間において前記輸送対象の価値が変動する変動モデルと、に基づいて、前記輸送対象ごとに算出する算出処理を実行し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記輸送対象ごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、
ことを特徴とする輸送計画生成装置。
【請求項7】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置が実行する輸送計画生成方法であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第1期間の輸送対象の輸送数に基づいて、前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとに算出する算出処理を実行し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、
ことを特徴とする輸送計画生成方法。
【請求項8】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置が実行する輸送計画生成方法であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第2期間の輸送量内で追加輸送可能な前記輸送対象の最大輸送数に基づいて、前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとに算出する算出処理を実行し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、
ことを特徴とする輸送計画生成方法。
【請求項9】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置が実行する輸送計画生成方法であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第1期間の輸送対象の輸送数と、前記第2期間の輸送量内で追加輸送可能な前記輸送対象の最大輸送数と、のうち小さい方に基づいて、前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとに算出する算出処理を実行し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、
ことを特徴とする輸送計画生成方法。
【請求項10】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置が実行する輸送計画生成方法であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記輸送対象と前記第2期間の組み合わせについて、前記輸送対象の前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を算出する算出処理を実行し、
前記算出処理では、前記プロセッサは、前記輸送対象の前記第1期間での付け替え前の余剰需要量及び前記第2期間での輸送能力内で追加輸送可能な最大数を示す最大前倒し可能数を算出し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理による結果に基づき、前記優先度が最大となる前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせについて、前記第1期間からの最大前倒し可能数を決定し、
前記プロセッサは、さらに、前記最大前倒し可能数に基づき前記輸送数と割当済み輸送能力とを更新する更新処理を、前記第1期間の割当済み輸送能力が最大輸送能力を下回るまで繰り返し実行する、
ことを特徴とする輸送計画生成方法。
【請求項11】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置が実行する輸送計画生成方法であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、
過去の期間の輸送手段の実績台数を目的変数とし、前記過去の期間の休日数、前記過去の期間が決算期であるか否かを示す情報、または、前記過去の期間が連休を含むか否かを示す情報のうち少なくとも1つを説明変数とする実績データに基づいて、学習モデルを生成する学習処理と、
前記学習処理によって生成された学習モデルに、予測対象期間における前記説明変数である予測データを入力することにより、前記予測対象期間における前記輸送手段の予測台数を出力する予測処理と、を実行し、
前記検出処理では、前記プロセッサは、前記予測対象期間のうち、前記輸送手段の予測台数および前記容積に基づく前記期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する、
ことを特徴とする輸送計画生成方法。
【請求項12】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置が実行する輸送計画生成方法であって、
前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、
前記プロセッサは、
複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、
前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、
前記プロセッサは、さらに、
前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第1期間の輸送対象を前記第1期間に前記輸送手段で輸送する第1料金と、前記輸送対象を前記第2期間に前記輸送手段で輸送する第2料金と、前記第1期間と前記第2期間との間において前記輸送対象の価値が変動する変動モデルと、に基づいて、前記輸送対象ごとに算出する算出処理を実行し、
前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記輸送対象ごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、
ことを特徴とする輸送計画生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送計画を生成する輸送計画生成装置および輸送計画生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、欠品が予想される部品の調達計画の立案を支援する技術を開示する。下記特許文献1の技術は、生産計画データベースに記憶されている生産計画に対し、急遽に部品を発注しても通常の物流ルートによると部品の納入が間に合わない単位期間の生産数量を増大する修正が希望されたときに、代替物流ルート検索手段が物流情報データベースを検索して欠品の発生が予想される部品種類と単位期間に欠品を発生させない代替物流ルートを検索し、希望された生産計画の修正を可能とする代替物流ルートを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、全国的にトラック台数の逼迫と輸送コスト高騰が進んでいる。これに伴い、倉庫への在庫供給においても、輸送トラック不足による欠品や、輸送コストの増加が顧客課題となっている。たとえば、トラックを第三者から契約によって借りる物流企業の場合、契約時期によって輸送トラック単価と利用可能台数が変化する。繁忙期は倉庫へ供給する在庫が増えると同時に、他の物流会社とトラックの取り合いとなり、トラックの単価も増加する。そこで、輸送トラック単価の安い閑散期に繁忙期分の在庫を前倒し輸送して、輸送コストを削減することが考え得る。しかしながら、上述した特許文献1では、輸送トラック単価は常に一定として考えられており、輸送コストを削減することができない。
【0005】
本発明は、輸送コストの低減化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明の第1側面となる輸送計画生成装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、前記プロセッサは、複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、前記プロセッサは、さらに、前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第1期間の輸送対象の輸送数に基づいて、前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとに算出する算出処理を実行し、前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、ことを特徴とする。
本願において開示される発明の第2側面となる輸送計画生成装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、前記プロセッサは、複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、前記プロセッサは、さらに、前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第2期間の輸送量内で追加輸送可能な前記輸送対象の最大輸送数に基づいて、前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとに算出する算出処理を実行し、前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、ことを特徴とする。
本願において開示される発明の第3側面となる輸送計画生成装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、前記プロセッサは、複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、前記プロセッサは、さらに、前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第1期間の輸送対象の輸送数と、前記第2期間の輸送量内で追加輸送可能な前記輸送対象の最大輸送数と、のうち小さい方に基づいて、前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとに算出する算出処理を実行し、前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記第2期間ごと、または、前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、ことを特徴とする。
本願において開示される発明の第4側面となる輸送計画生成装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、前記プロセッサは、複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、前記プロセッサは、さらに、前記輸送対象と前記第2期間の組み合わせについて、前記輸送対象の前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を算出する算出処理を実行し、前記算出処理では、前記プロセッサは、前記輸送対象の前記第1期間での付け替え前の余剰需要量及び前記第2期間での輸送能力内で追加輸送可能な最大数を示す最大前倒し可能数を算出し、前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理による結果に基づき、前記優先度が最大となる前記輸送対象および前記第2期間の組み合わせについて、前記第1期間からの最大前倒し可能数を決定し、前記プロセッサは、さらに、前記最大前倒し可能数に基づき前記輸送数と割当済み輸送能力とを更新する更新処理を実行する、ことを特徴とする。
本願において開示される発明の第5側面となる輸送計画生成装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、前記プロセッサは、複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、過去の期間の輸送手段の実績台数を目的変数とし、前記過去の期間の休日数、前記過去の期間が決算期であるか否かを示す情報、または、前記過去の期間が連休を含むか否かを示す情報のうち少なくとも1つを説明変数とする実績データに基づいて、学習モデルを生成する学習処理と、前記学習処理によって生成された学習モデルに、予測対象期間における前記説明変数である予測データを入力することにより、前記予測対象期間における前記輸送手段の予測台数を出力する予測処理と、を実行し、前記検出処理では、前記プロセッサは、前記予測対象期間のうち、前記輸送手段の予測台数および前記容積に基づく前記期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する、ことを特徴とする。
本願において開示される発明の第6側面となる輸送計画生成装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する輸送計画生成装置であって、前記プロセッサは、輸送日と輸送対象と輸送数とを関連付けて記憶する輸送数情報と、前記輸送対象と容積とを関連付けて記憶する輸送対象情報と、輸送手段と積載量と期間別の料金とを関連付けて記憶する輸送料金情報と、にアクセス可能であり、前記プロセッサは、複数の期間のうち、前記輸送数および前記容積に基づく期間別の輸送量がしきい値を超える第1期間を検出する検出処理と、前記検出処理によって検出された第1期間より前で、かつ、前記第1期間に該当しない第2期間を特定する特定処理と、前記特定処理によって特定された第2期間のうち、前記第1期間の前記輸送手段の料金よりも安くなる特定の第2期間を、前記第1期間の輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、前記決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行し、前記プロセッサは、さらに、前記第1期間の輸送量の一部を前記第1期間から前記第2期間へ付け替える優先度を、前記第1期間の輸送対象を前記第1期間に前記輸送手段で輸送する第1料金と、前記輸送対象を前記第2期間に前記輸送手段で輸送する第2料金と、前記第1期間と前記第2期間との間において前記輸送対象の価値が変動する変動モデルと、に基づいて、前記輸送対象ごとに算出する算出処理を実行し、前記決定処理では、前記プロセッサは、前記算出処理によって算出された前記輸送対象ごとの優先度に基づいて、前記第1期間の特定の輸送対象の輸送数と、前記特定の第2期間と、を決定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の代表的な実施の形態によれば、輸送コストの低減化を図ることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、需要量の前倒し例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、輸送計画生成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、輸送計画生成装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、商品情報DBの一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、輸送数情報DBの一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、保管費用情報DBの一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、輸送料金情報DBの一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、拠点間情報DBの一例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、輸送カレンダの一例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、前倒し優先度算出部による前倒し優先度の算出例を示す説明図である。
【
図11】
図11は、前倒し商品および前倒し期間の決定例とデータ更新例を示す説明図である。
【
図12】
図12は、輸送計画生成装置による輸送計画生成処理手順例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、品目別輸送計画データを示す説明図である。
【
図14】
図14は、拠点間輸送計画データを示す説明図である。
【
図17】
図17は、利用トラック台数の推移を示すグラフである。
【
図18】
図18は、実施例2にかかる輸送計画生成装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図22】
図22は、実施例3にかかる価値減少ロスコストの評価例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
<需要量の前倒し例>
図1は、需要量の前倒し例を示す説明図である。前倒しとは、第1期間の需要量のうち輸送可能な需要量の上限を超えた余剰需要量を、当該第1期間よりも前の第2期間に付け替えることである。付け替え後の第2期間の需要量についても、輸送可能な需要量の上限を超えてならない。
【0010】
グラフ101は、月別の商品の需要量(予測値)を示す棒グラフである。横軸は、月(1月~12月)を示し、縦軸は需要量/輸送量を示す。需要量/輸送量は、輸送元である物流企業に輸送が要求される商品の総容積の予測値または計画値である。以降、需要量/輸送量については、「需要量」と表記する場合もあれば、「輸送量」または「輸送能力」と表記する場合もある。輸送キャパシティTCは、当該月の輸送可能な需要量の上限である。輸送キャパシティTCは、全期間(1月~12月)において固定値でもよく月々に変動する変動値でもよいが、いずれの値もあらかじめ設定される。なお、本例では、輸送キャパシティTCは固定値とする。
【0011】
輸送トラック単価は、輸送手段の一例であるトラック1台の1回の輸送当たりの賃貸価格である。輸送トラック単価は、グラフ101の横軸に対応する。本例では、1月および2月では1日当たり40K円/台、3月および4月では1日当たり60K円/台、5月および6月では1日当たり20K円/台、7月および8月では1日当たり50K円/台、9月および10月では1日当たり30K円/台、11月および12月では1日当たり80K円/台のように輸送トラック単価は年間で異なっており、需要量が輸送キャパシティTCを超える繁忙期では、閑散期に比べて輸送トラック単価は高くなる。
【0012】
表102は、月別の商品X、Y、Zごとの輸送数を示す。表102の輸送数は、グラフ101の横軸に対応する。たとえば、商品Xの1月の輸送数は10個であったが、前倒しにより、40個になる。表102では、商品の容積の大きさを、Y>X>Zとする。
【0013】
グラフ101の場合、需要量が輸送キャパシティTCを超える3月、5月、8月、および12月が、前倒し補充が必要な前倒し対象期間であり、前倒し対象期間の需要量が、前倒し補充が必要な需要量である。グラフ101では、3月および5月の輸送キャパシティTCを超えた余剰需要量は、1月および2月に前倒しされ、5月の輸送キャパシティTCを超えた余剰需要量は、2月に前倒しされ、8月の輸送キャパシティTCを超えた余剰需要量は、6月に前倒しされ、12月の輸送キャパシティTCを超えた余剰需要量は、6月、9月および10月に前倒しされている。表102において、矢印の終端側の太字の数字が前倒し後の輸送数となる。
【0014】
このように、繁忙期における輸送キャパシティTCを超えた需要量を、繁忙期以前で繁忙期よりも輸送トラック単価の安い閑散期に前倒しすることにより、1月~12月のいずれにおいても、輸送量は輸送キャパシティTC以下となる。したがって、物流企業は、限られた輸送リソースで輸送コストを可能な限り抑制することができる。これにより、繁忙期における欠品による販売機会損失を低減することができ、販売利益の拡大を図ることができる。
【0015】
<輸送計画生成装置のハードウェア構成例>
図2は、輸送計画生成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。輸送計画生成装置200は、プロセッサ201と、記憶デバイス202と、入力デバイス203と、出力デバイス204と、通信インターフェース(通信IF)205と、を有する。プロセッサ201、記憶デバイス202、入力デバイス203、出力デバイス204、および通信IF205は、バス206により接続される。プロセッサ201は、輸送計画生成装置200を制御する。記憶デバイス202は、プロセッサ201の作業エリアとなる。また、記憶デバイス202は、各種プログラムやデータを記憶する非一時的なまたは一時的な記録媒体である。記憶デバイス202としては、たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリがある。入力デバイス203は、データを入力するデバイスである。入力デバイス203としては、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル、テンキー、スキャナがある。出力デバイス204は、データを出力するデバイスである。出力デバイス204としては、たとえば、ディスプレイ、プリンタがある。通信IF205は、ネットワークと接続し、データを送受信する。
【0016】
<輸送計画生成装置200の機能的構成例>
図3は、輸送計画生成装置200の機能的構成例を示すブロック図である。輸送計画生成装置200は、検出部301と、特定部302と、算出部303と、決定部304と、取得部305と、更新部306と、出力部307と、を有する。検出部301、特定部302、算出部303、決定部304、取得部305、更新部306、および出力部307は、具体的には、たとえば、
図2に示した記憶デバイス202に記憶されたプログラムをプロセッサ201に実行させることにより実現される機能である。
【0017】
また、輸送計画生成装置200は、輸送計画生成装置200外のDB(データベース)310にアクセス可能である。DB310は、商品情報DB311と、輸送数情報DB312と、保管費用情報DB313と、輸送料金情報DB314と、拠点間情報DB315と、輸送カレンダ316と、を有する。なお、DB310は、記憶デバイス202に記憶されていてもよい。まず、
図4~
図9を用いてDB310内の各情報から説明する。
【0018】
[DB310内の情報]
図4は、商品情報DB311の一例を示す説明図である。商品情報DB311は、フィールドとして、品目401と、容積402と、最大保管日数403と、を有する。同一行の各フィールドの値の組み合わせが、1つの商品の商品情報を構成する。品目401は、輸送対象の一例である商品の種類を示す識別情報(たとえば、JANコードのような商品コード)である。容積402は、品目401に該当する商品が占める空間の体積である。最大保管日数403は、品目401に該当する商品を保管可能な最大日数であり、たとえば、その商品の消費期限や賞味期限よりも短い日数に設定される。1行目のエントリは、商品Xの容積402は0.005m
3であり、最大保管日数が60日であることを示す商品情報である。
【0019】
図5は、輸送数情報DB312の一例を示す説明図である。輸送数情報DB312は、フィールドとして、日付501と、販売拠点502と、品目401と、輸送数503と、を有する。同一行の各フィールドの値の組み合わせが、1つの輸送数情報を構成する。日付501は、その品目401の商品を販売拠点502に輸送する輸送日である。輸送日は、その品目401の商品が販売拠点502で必要な年月日、すなわち、販売拠点への納品日でもよく、その品目401の商品の販売拠点502への発送日でもよい。
【0020】
販売拠点502は、その品目401の商品を販売する営業所や店舗であり、品目401で特定される商品の輸送先となる。拠点には、販売拠点502のほかに、製造拠点と在庫拠点がある。製造拠点は商品を製造する工場であり、在庫拠点は、商品を在庫として保管する倉庫、工場、営業所である。製造拠点で製造された商品は、在庫拠点に輸送され、在庫拠点から各販売拠点502に輸送される。本実施例では、在庫拠点から販売拠点への輸送を例に挙げて説明するが、製造拠点から在庫拠点への輸送、製造拠点から販売拠点への輸送、在庫拠点から他の在庫拠点への輸送でもよい。
【0021】
輸送数503は、その品目401の商品がその販売拠点502で必要な個数である。1行目のエントリは、日付501が納品日の場合、日付501が示す2019年1月8日までに、販売拠点502である東北営業所に商品Xが90個必要であることを示す輸送数情報である。日付501が発送日の場合、日付501が示す2019年1月8日に、販売拠点502である東北営業所に商品Xを90個発送することを示す輸送数情報である。
【0022】
図6は、保管費用情報DB313の一例を示す説明図である。保管費用情報DB313は、フィールドとして、在庫拠点601と、品目401と、在庫単価602と、を有する。同一行の各フィールドの値の組み合わせが、1つの保管費用情報を構成する。在庫拠点601は、商品を在庫として保管する倉庫、工場、営業所である。在庫単価602は、その在庫拠点601がその品目401の商品を1個保管する場合の1期間当たりの費用である。1期間とは、前倒しする期間の単位を示し、本例では1か月とする。1行目のエントリは、在庫拠点601である千葉工場が商品Xを保管する場合の在庫単価602が月100円であることを示す保管費用情報である。
【0023】
図7は、輸送料金情報DB314の一例を示す説明図である。輸送料金情報DB314は、フィールドとして、トラック種701と、積載量702と、輸送トラック単価703と、を有する。同一行の各フィールドの値の組み合わせが、1つの輸送料金情報を構成する。トラック種701は、トラックの種類を示す。積載量702は、そのトラック種が積載可能な容量を示す。輸送トラック単価703は、そのトラック種のトラック1台の1回の輸送当たりの賃貸価格である。
図7では2か月単位での輸送トラック単価703が規定されている。1行目のエントリは、トラック種701がTa、積載量702がVtaである1台のトラックを1回賃貸する場合の輸送トラック単価705が2カ月単位で変動することを示す輸送料金情報である。
【0024】
図8は、拠点間情報DB315の一例を示す説明図である。拠点間情報DB315は、フィールドとして、発地801と、着地802と、最大前倒し納品可能日数803と、を有する。同一行の各フィールドの値の組み合わせが、1つの拠点間情報を構成する。発地801は、その輸送計画でトラックが出発する拠点である。着地802は、トラックが到着する拠点である。最大前倒し納品可能日数803は、その発地と着地との組み合わせにおいて、納品の前倒しが可能な最大日数である。1行目のエントリは、千葉工場から東北営業所へ輸送する場合の最大前倒し納品可能日数803が28日であることを示す拠点間情報である。
【0025】
すなわち、千葉工場から東北営業所へ輸送する場合、東北営業所への納品日よりも28日前まで前倒しが可能であり、29日以上前では、前倒しができないことを意味する。より具体的には、たとえば、納品日が2019年8月29日である場合、28日前の2019年8月1日まで納品の前倒しが可能であるが、2019年7月31日以前には前倒しできないことを意味する。
【0026】
図9は、輸送カレンダ316の一例を示す説明図である。輸送カレンダ316は、輸送スケジュールが規定された輸送計画であり、たとえば、フィールドとして、出発日901と、発地801と、着地802と、最大トラック台数902と、利用輸送トラック単価903と、を有する。同一行の各フィールドの値の組み合わせが、1つの輸送計画を構成する。出発日901は、その輸送計画でトラックが発地801から出発する年月日である。最大トラック台数902は、その輸送計画で使用されるトラックの最大台数である。
【0027】
利用輸送トラック単価903は、トラックが利用される期間における輸送トラック単価703である。たとえば、トラック種701がTAのトラックを6月に使用する場合の輸送トラック単価703は、20000円であり、これが利用輸送トラック単価903となる。1行目のエントリは、2019年1月4日に、千葉工場から東北営業所へ利用輸送トラック単価903が20000円のトラックが最大1台で輸送することを示す輸送計画である。
【0028】
図3に戻り、輸送計画生成装置200の各機能について説明する。検出部301は、前倒し対象期間Tを検出する。具体的には、たとえば、検出部301は、
図1に示したように、輸送キャパシティTCを超えた3月、5月、8月、および12月を前倒し対象期間Tとして検出する。
【0029】
特定部302は、前倒し可能期間Sを特定する。具体的には、たとえば、特定部302は、
図1に示したように、前倒し対象期間Tごとに、前倒し対象期間Tより前の期間で、かつ、前倒し対象期間Tの需要量のうち輸送キャパシティTCを超えた分の余剰需要量を付け替えることが可能な輸送キャパシティTC以下の需要量の期間を、前倒し可能期間Sとして特定する。
図1の例では、前倒し対象期間Tが8月であれば、前倒し可能期間Sは、4月、6月、7月である。
【0030】
算出部303は、前倒し優先度を算出する。前倒し優先度とは、商品の輸送を前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sに前倒す際の指標値であり、商品と前倒し可能期間Sとの組み合わせ毎に算出される。前倒し優先度が高い組み合わせほど、前倒しされやすくなる。
【0031】
決定部304は、算出部303によって商品と前倒し可能期間Sとの組み合わせ毎に算出された前倒し優先度に基づいて、前倒し対象商品および前倒し期間を決定する。具体的には、たとえば、決定部304は、前倒し優先度が最大となる商品を前倒し対象商品に決定し、かつ、前倒し優先度が最大となる前倒し可能期間Sを前倒し対象期間Tから余剰需要量の付け替え先に決定する。
【0032】
取得部305は、最大前倒し可能数を算出する。最大前倒し可能数は、対象商品の前倒し対象期間Tの前倒し前の個数と、対象商品の前倒し可能期間Sでの輸送能力内で追加輸送可能な最大数である。
【0033】
更新部306は、最大前倒し可能数に基づいて、輸送数と割当済み輸送能力とを更新する。具体的には、たとえば、更新部306は、前倒し対象期間tの商品iの輸送数xitを、最大前倒し可能数分減少させる。同様に、更新部306は、前倒し対象期間tの割り当て済み輸送能力etを、最大前倒し可能数に商品iの容積402を乗じた分減少させる。また、更新部306は、前倒し可能期間sの商品iの輸送数xisを、最大前倒し可能数分増加させる。同様に、更新部306は、前倒し可能期間sの割り当て済み輸送能力esを、最大前倒し可能数に商品iの容積402を乗じた分増加させる。更新部306は、前倒し対象期間tの割当済み輸送能力etが最大輸送能力Et(すなわち、輸送キャパシティTC)を下回るまで上記更新を繰り返し実行する。
【0034】
出力部307は、更新部306による更新結果を出力する。具体的には、たとえば、出力部307は、出力デバイス204から表示可能に更新結果を出力してもよく、通信IF205でアクセス可能な他のコンピュータに更新結果を送信してもよい。
【0035】
[前倒し優先度の算出例]
図10は、算出部303による前倒し優先度の算出例を示す説明図である。グラフ101において、需要量が輸送キャパシティTCを超える前倒し対象期間Tは、3月、5月、8月、12月である。
図10では、前倒し対象期間T∋t=8月とし、前倒し対象商品I=X,Y,Zとして説明する。
【0036】
前倒し対象期間t=8月の場合の前倒し可能期間Sは、需要量が輸送キャパシティTC以下の4月、6月、7月である。なお、1月および2月は、前倒し対象期間T∋t=3月により前倒し補充されるため、前倒し対象期間t=8月の場合の前倒し可能期間Sに含まれないものとする。
【0037】
算出部303は、(i,s)∈I×Sの全組み合わせについて、商品i∈Iの輸送を前倒し対象期間tから前倒し可能期間s∈Sに前倒す際の前倒し優先度pitsを算出する。優先度pitsは、下記式(1)により算出される。
【0038】
pits=Cits×rits・・・(1)
【0039】
上記式(1)のCitsは、商品i∈Iの輸送を前倒し対象期間tから前倒し可能期間s∈Sに前倒す際の単位前倒し利得である。単位前倒し利得Citsは、下記式(2)により算出される。
【0040】
Cits=CT
it-CT
is-CS
i(t-s)・・・(2)
【0041】
上記式(2)のCT
itは、商品iが1個分の前倒し対象期間tでの輸送コストである。輸送コストCT
itは、使用するトラック種701のトラック1台の前倒し対象期間tにおける輸送トラック単価703をそのトラック種701の積載量702で割り、商品iの容積402を乗じた値である。
【0042】
上記式(2)のCT
isは、商品iが1個分の前倒し可能期間sでの輸送コストである。輸送コストCT
isは、使用するトラック種701のトラック1台の前倒し可能期間sにおける輸送トラック単価703をそのトラック種701の積載量702で割り、商品iの容積402を乗じた値である。上記式(2)のCT
it-CT
isは、単位輸送コストの削減量である。単位輸送コストとは、1個の商品iを(t-s)期間分前倒した輸送コストである。
【0043】
上記式(2)のCS
iは、商品iが1個分の1期間(本例では1か月)分の保管コストである。また、上記式(2)のCS
i(t-s)は、単位保管コストの増加量である。単位保管コストとは、1個の商品iを(t-s)期間分前倒した保管コストである。
【0044】
上記式(1)のritsは、商品i∈Iの輸送を前倒し対象期間tから前倒し可能期間s∈Sに前倒す際の最大前倒し可能数である。最大前倒し可能数ritsはの下記式(3)により算出される。
【0045】
rits=min(xit,(Es-es)/vi)・・・(3)
【0046】
上記式(3)のxitは、商品iの前倒し対象期間tでの輸送数である。上記式(3)のEsは、前倒し可能期間sで輸送可能な最大輸送量であり、輸送キャパシティTCである。上記式(3)のesは、前倒し可能期間sでの割り当て済み輸送量である。上記式(3)のviは、商品iの1個当たりの輸送に必要な輸送能力であり、容積402に該当する。上記式(3)の右辺の(Es-es)/viは、前倒し可能期間sの輸送能力内で追加輸送可能な商品iの最大個数である。
【0047】
[前倒し商品および前倒し期間の決定例とデータ更新例]
図11は、前倒し商品および前倒し期間の決定例とデータ更新例を示す説明図である。前倒し商品および前倒し期間の決定は、決定部304によって実行され、データ更新は、取得部305および更新部306によって実行される。
【0048】
(A)は、(i,S)∈I×Sの全組み合わせについて、前倒し優先度pitsを算出した場合に得られる行列Ptを示す(式(4))。式(4)では、商品i=X,Y,Z(行列Ptの列方向)、前倒し対象期間t=8月、前倒し可能期間s=4,6,7(行列Ptの行方向)とした。ただし、拠点間情報DB315の該当する最大前倒し納品可能日数803を超える前倒し可能期間sの要素は消去される。たとえば、前倒し可能期間s=4月が、前倒し対象期間t=8月(たとえば、1日)から最大前倒し納品可能日数803分さかのぼった日付前であれば、前倒し優先度pX84,pY84,pZ84は、消去される(または、算出されない)。
【0049】
(B)決定部304は、行列Ptの全要素のうち前倒し優先度pitsが最大となる商品iと前倒し可能期間sとの組み合わせ(i,s)を取得する。上記の例では、前倒し優先度pitsの最大値は、前倒し優先度pX86=1500である。したがって、前倒し優先度pX86における商品iと前倒し可能期間sとの組み合わせ(i,s)は、(i,s)=(X,6)となる。すなわち、商品Xは、前倒し対象期間t=8月から前倒し可能期間s=6月に前倒しするのが最適であることがわかる。
【0050】
(C)取得部305は、前倒し輸送優先度pitsが最大となる商品iおよび前倒し可能期間sの組み合わせ(i,s)について、前倒し対象期間tからの最大前倒し可能数ritsを取得する。最大前倒し可能数ritsは、算出部303で算出済みである。(B)では、t=8でかつ(i,s)=(X,6)であるため、取得部305は、最大前倒し可能数rX86を取得する。
【0051】
そして、更新部306は、取得した最大前倒し可能数ritsに基づいて、輸送数と割当済み輸送能力とを更新する。表1100に示したように、前倒し対象期間tの商品iの輸送数xitは、xit-ritsに更新される。すなわち、輸送数xitは前倒しした分減少する。同様に、前倒し対象期間tの割り当て済み輸送能力etは、et-vi・ritsに更新される。すなわち、割り当て済み輸送能力etも前倒しした分減少する。
【0052】
一方、前倒し可能期間sの商品iの輸送数xisは、xis+ritsに更新される。すなわち、輸送数xisは前倒しされた分増加する。同様に、前倒し可能期間sの割り当て済み輸送能力esは、es+vi・ritsに更新される。すなわち、割当済み輸送能力etも前倒しされた分増加する。表1100に示したデータ更新は、前倒し対象期間tの割当済み輸送能力etが最大輸送能力Et(すなわち、輸送キャパシティTC)を下回るまで繰り返し実行される。
【0053】
<輸送計画生成処理手順例>
図12は、輸送計画生成装置200による輸送計画生成処理手順例を示すフローチャートである。まず、輸送計画生成装置200は、輸送数x
it=需要数D
itとして輸送数x
itを初期化する(ステップS1201)。具体的には、たとえば、輸送計画生成装置200は、輸送数情報DB312を参照して、同一の販売拠点502(輸送先)について、輸送数503を月別に商品iごとに集計して、月別の商品iの輸送数x
itを初期値とする。
【0054】
つぎに、輸送計画生成装置200は、輸送量となる割当済輸送能力(e
t=Σv
i・x
it)が最大輸送能力E
tを超える(e
t>E
t)期間を、前倒し対象期間Tとして検出する(ステップS1202)。
図10の例では、商品I={X,Y,Z}について、前倒し対象期間T={3月,5月,8月,12月}が検出される。
【0055】
つぎに、輸送計画生成装置200は、検出された前倒し対象期間T={3月,5月,8月,12月}に未選択の前倒し対象期間tがあるか否かを判断する(ステップS1203)。未選択の前倒し対象期間tがある場合(ステップS1203:Yes)、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tから未選択の前倒し対象期間tを選択する(ステップS1204)。
【0056】
つぎに、輸送計画生成装置200は、ステップS1204で選択された前倒し対象期間tでの輸送数xitが0より大きな商品Itがあるか否かを判断する(ステップS1205)。輸送数xitは、ステップS1208の更新前の場合は、ステップS1201で設定された初期値であり、ステップS1208の更新後の場合は、ステップS1208で更新された最新の値となる。
【0057】
前倒し対象期間tでの輸送数xitが0より大きな商品Itがある場合、輸送計画生成装置200は、ステップS1204で選択された前倒し対象期間tでの輸送数xitが0より大きな商品Itを選択する(ステップS1206)。
【0058】
つぎに、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間t以前でかつ未割当輸送能力(E
t-e
t)が0より大きな期間を前倒し可能期間Sとして特定する(ステップS1207)。
図10の例では、前倒し対象期間t=8月について、前倒し可能期間S={4月,6月,7月}が特定される。なお、前倒し可能期間Sが特定されなかった場合、ステップS1203に移行する。
【0059】
つぎに、輸送計画生成装置200は、選択商品Itと前倒し可能期間Sの全要素の組み合わせ(i,s)について、前倒し対象期間tから前倒し可能期間sへの前倒し輸送優先度p
itsを算出する(ステップS1208)。具体的には、たとえば、
図11の(A)に示したように、行列P
tが算出される。これにより、輸送トラック単価703が他の時期よりも安い時期に優先して輸送を前倒すことが可能となる。
【0060】
つぎに、輸送計画生成装置200は、前倒し優先度p
itsが最大となる商品iおよび期間sの組み合わせ(i,s)について、前倒し対象期間tからの最大前倒し可能数r
itsを決定する(ステップS1209)。具体的には、たとえば、
図11の(A)の例では、i=X、s=6の前倒し優先度p
X86=1500が最大値であるため、前倒し輸送優先度p
itsが最大となる商品iおよび期間sの組み合わせ(i,s)として、(X,6)が選択される。したがって、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間tからの最大前倒し可能数r
itsを、最大前倒し可能数r
X86に決定する。これにより、複数の前倒し候補商品から単位あたりのコストの削減量の高い商品を選択することが可能となる。
【0061】
つぎに、輸送計画生成装置200は、輸送数x
itと割当済輸送能力e
tを最大前倒し可能数r
itsで更新する(ステップS1210)。具体的には、たとえば、輸送計画生成装置200は、
図11の(C)の表1100に示したように、輸送数x
itと割当済輸送能力e
tと輸送数x
isと割当済輸送能力e
sとを更新する。
【0062】
つぎに、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間tの必要輸送能力etが最大輸送能力Et以下であるか否かを判断する(ステップS1211)。これにより、対象拠点へ対象の全商品を輸送する輸送能力を考慮することができる。前倒し対象期間tの必要輸送能力etが最大輸送能力Et以下でない場合(ステップS1211:No)、前倒し対象期間tにおいてまだ前倒しが必要な輸送量が存在するため、ステップS1205に戻る。この場合、ステップS1205では、ステップS1210で更新された最新の輸送数xitが適用される。
【0063】
一方、前倒し対象期間tの割当済輸送能力e
tが最大輸送能力E
t以下である場合(ステップS1211:Yes)、前倒し対象期間tにおいて余剰輸送量が前倒しされたため、ステップS1203に戻る。ステップS1203において、未選択の前倒し対象期間tがない場合(ステップS1203:No)、輸送計画生成装置200は、ステップS1208の最終的な更新結果と、DB310と、に基づいて、
図13~
図17で後述する出力データを生成して、出力デバイス204または通信IF205により出力し(ステップS1212)、一連の処理を終了する。
【0064】
<出力データ例>
図13~
図17を用いて出力データ例について説明する。以下の出力データは、
図12のステップS121
2で出力される。また、以下の出力データは、具体的には、たとえば、輸送計画生成装置200の出力デバイス204により表示されてもよく、通信IF205でアクセス可能な他のコンピュータの出力デバイス204により表示されてもよい。
【0065】
図13は、品目別輸送計画データを示す説明図である。品目別輸送計画データ1300は、品目別の輸送計画データである。品目別輸送計画データ1300は、フィールドとして、発地801と、着地802と、品目401と、納品指示数1301と、要求納期1302と、納品予定日1303と、前倒し日数1304と、を有する。
【0066】
納品指示数1301は、その品目401の商品が発地801から着地802に納品される個数であり、更新部306による最終的な更新結果から得られる当該商品iの輸送数xis,xitである。要求納期1302は、着地802が要求した前倒し前の納品日であり、前倒し対象期間tから自動またはユーザ操作により選択される。
【0067】
納品予定日1303は、上述した前倒し後の納品日であり、前倒し対象期間t(前大視されなかった場合)または前倒し可能期間s(前倒しされた場合)から自動またはユーザ操作により選択される。前倒し日数1304は、要求納期1302から納品予定日1303を減算した日数である。品目別輸送計画データ1300は、更新部306による最終的な更新結果と、輸送数情報DB312と、輸送カレンダ316と、に基づいて、生成される。
【0068】
図14は、拠点間輸送計画データを示す説明図である。拠点間輸送計画データ1400は、発地801および着地802の組み合わせに関する輸送計画データである。拠点間輸送計画データ1400は、フィールドとして、発地801と、着地802と、輸送日1401と、輸送能力1402と、輸送コスト1403と、を有する。輸送日1401は、発地801からの発送日(トラックの出発日)である。
【0069】
輸送能力1402は、輸送日1401に発地801から着地802へ輸送する商品の総容量であり、更新部306による最終的な更新結果から得られる輸送日1401を含む期間の輸送能力et,esである。輸送コスト1403は、輸送日1401にチャーターしたトラック種701のトラックの台数とその輸送トラック単価とを乗じた金額である。具体的には、たとえば、輸送コスト1403は、輸送カレンダ316の最大トラック台数と、利用輸送トラック単価とを乗算した金額である。拠点間輸送計画データ1400は、更新部306による最終的な更新結果と、輸送数情報DB312と、輸送カレンダ316と、輸送料金情報DB314と、に基づいて、生成される。
【0070】
図15は、在庫推移データを示す説明図である。在庫推移データ1500は、横軸を日付、縦軸を輸送数x
it,x
is、需要量、保管在庫数とする予測データである。棒グラフは輸送数を示す。ハッチングが施された輸送数は、前倒しした分の輸送数である。保管在庫数は、商品ごとに保管された在庫数であり(不図示)、その商品が入荷されると増加し、輸送されると減少する。本例では、輸送数が前倒しされた結果、保管在庫数は、需要量の増加前に増加し、需要量の増加時に減少する。
【0071】
図16は、コスト内訳データを示す説明図である。コスト内訳データ1600は、最適化前(前倒し適用前)と、最適化後(前倒し適用後)と、についてのコストを示す棒グラフである。「輸送」は、輸送コスト1403を示す。「保管」は、商品の輸送先の在庫拠点における在庫単価602と商品の在庫数との積和演算で得られる保管コストを示す。このように輸送コストに保管コストを含めた物流コストにおいても低減化を図ることができる。
【0072】
図17は、利用トラック台数の推移を示すグラフである。グラフ1700の横軸は時間であり、縦軸は利用トラック台数である。輸送計画生成装置200は、前倒し適用後の需要量にトラック種701を割り当てることで利用トラック台数を算出する。前倒しを適用することで、輸送トラック単価703が安価なときの利用トラック台数が増加傾向にあり、輸送トラック単価703が高価なときの利用トラック台数が減少傾向にある。
【0073】
なお、ユーザが
図13~
図17の出力データを参照して、前倒しを承認する入力を輸送計画生成装置200に与えた場合、輸送計画生成装置200は、輸送数情報DB312の日付501および輸送数503を、最終的な更新結果にしたがって更新する。
【0074】
このように、実施例1によれば、輸送計画生成装置200は、前倒し優先度pitsを算出することにより、輸送トラック単価703が他の時期に比べて安い時期に優先して輸送を前倒すことができる。また、輸送計画生成装置200は、決定部304により、複数の前倒し候補商品から単位あたりのコストの削減量の高い商品を選択する前倒し対象に決定することができる。また、輸送計画生成装置200は、更新部306により、前倒しの際、対象拠点へ全対象商品を輸送する輸送能力(輸送量)を、輸送キャパシティTC以下に抑制することができる。
【実施例2】
【0075】
実施例2は、輸送トラック単価と輸送能力とを予測する例である。実施例1と共通部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
図18は、実施例2にかかる輸送計画生成装置200の機能的構成例を示すブロック図である。実施例1との相違は、輸送計画生成装置200に、学習部1801と予測部1802とが追加され、DB310に実績データ1810と予測データ1820が追加された点である。
【0077】
学習部1801は、実績データ1810を取得して、機械学習により、学習モデルを生成する。具体的には、たとえば、学習部1801は、線形受回帰やARIMAのような自己回帰で学習モデルを生成する。予測部1802は、予測データ1820を学習モデルに入力することにより、予測結果を出力する。
【0078】
図19は、実績データの一例を示す説明図である。実績データ1810は、年月1901と、実績台数1902と、実績輸送トラック単価1903と、休日数1904と、決算期フラグ1905と、連休期フラグ1906と、を含む。年月1901は、輸送した年および月を示す。実績台数1902は、年月1901にチャーターしたトラック台数である。実際には、トラック種701ごとにトラックがあるため、輸送能力(総容量)が好ましいが、説明を単純化するため、ある1種類のトラック種701で輸送した台数とする。
【0079】
実績輸送トラック単価1903は、その年月1901にチャーターしたトラックの輸送トラック単価である。実績台数1902および実績輸送トラック単価1903が機械学習での目的変数となる。
【0080】
休日数1904は、その年月1901に含まれる休日の日数である。たとえば、商品の種類にもよるが、休日数1904が多いほど輸送頻度が高くなるという傾向がある。決算期フラグ1905は、その年月1901が決算期であるか否かを示すフラグである。連休期フラグ1906は、その年月1901に連休が存在するか否かを示すフラグである。休日数1904、決算期フラグ1905および連休期フラグ1906が機械学習での説明変数となる。
【0081】
図20は、予測データの一例を示す説明図である。予測データ1820は、年月1901と、休日数1904と、決算期フラグ1905と、連休期フラグ1906と、を含む。予測データ1820の休日数1904、決算期フラグ1905および連休期フラグ1906は、未来の年月1901の予測値であり、学習部1801が生成した学習モデルに入力される。
【0082】
図21は、予測結果の一例を示す説明図である。予測結果2100は、予測データ1820が学習モデルに入力されたことにより出力されるデータである。予測結果2100は、年月1901と、予測台数2102と、予測輸送トラック単価2103と、を含む。予測台数2102は、未来の年月1901において利用されると予想されるトラックの台数である。予測台数2102についても、実際には、トラック種701ごとにトラックがあるため、輸送能力(総容量)が好ましいが、説明を単純化するため、ある1種類のトラック種701で輸送した台数とする。予測輸送トラック単価2103は、その年月1901における輸送トラック単価703である。
【0083】
このように、実績データ1810から学習モデルを生成し、学習モデルに予測データ1820を与えて予測結果2100を得ることにより、輸送計画生成装置200は、予測結果2100を検出部301に利用することができる。具体的には、たとえば、輸送計画生成装置200は、予測台数2102とトラック種701によりその年月1901の需要量を予測することができ、予測輸送トラック単価2103を、その年月1901の輸送トラック単価703として利用することができる。
【実施例3】
【0084】
実施例3は、商品の特徴を考慮して輸送計画を生成する例である。実施例1および実施例2実施例1と共通部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0085】
図22は、実施例3にかかる価値減少ロスコストの評価例を示す説明図である。過剰な前倒し輸送によって、商品の保管期間が伸びると、商品の劣化などにより商品価値が減少する。商品価値を考慮するため、輸送計画生成装置200は、式(5)の単位前倒し利得C
itsのうち、単位価値減少項C
L
its(t,s)を以下のように算出する。
【0086】
例1:保管日数に応じて徐々に価値が減少する場合(賞味期限等)
保管期間t-sに応じた価値減少量[f1(0)-f1(t-s)]を単位価値減少項CL
its(t,s)とする。f1(x)は、下記式(6)で表現される。
【0087】
f1(x)=max(ax+b,0)・・・(6)
aはf1(x)の傾きであり、bはf1(x)の切片である。xは保管期間であり、f1(x)は、商品価値(たとえば、商品単価)である。
【0088】
例2:ある期間の前後で価値が変動する場合(イベント関連商品など)
期間(t,s)における商品iの価値の差f2(t)-f2(s)を単位価値減少項CL
its(t,s)とする。f2(x)は、下記式(7)で表現される。
【0089】
f2(x)=a (x≦Ti
1)
=b (Ti
1<x≦Ti
2)・・・(7)
=c (Ti
2<x)
【0090】
xは時期であり、a~cは、商品価値(たとえば、商品単価)である。T1
iは、商品iの第1価値変化点であり、T2
i(>T1
i)は、商品iの第2価値変化点である。T1
i<x≦T2
iの期間がイベント開催期間である。たとえば、イベント開催期間前が最も商品価値が高く、イベント開催期間中は、商品価値が開催期間前よりも低下するがある程度の水準を維持し、イベント開催期間後は、所定値以下、たとえば、無価値となる。
【0091】
算出部303は、単位前倒し利得Citsに単位価値減少項CL
its(t,s)を適用することにより、保管日数に応じて商品価値が変動する商品についても適切に前倒し優先度pitsを算出することができる。なお、実施例3では、商品価値が経時的に減少する場合を例に挙げて説明したが、時間が経過するほど商品価値が上昇する単位価値増加項を単位前倒し利得Citsに適用してもよい。
【0092】
このように、上述した実施例1~実施例3にかかる輸送計画生成装置200によれば、たとえば、輸送指示作成時において、輸送手段であるトラックを第三者から契約によって借りる場合に生じる時期による輸送トラック単価703と輸送能力et,esの変化を考慮し、複数の商品の輸送数503と輸送時期を制御することで、輸送コストの削減を実現することができ、更には保管コストまでも含めた物流コストの削減を実現することができる。
【0093】
したがって、輸送計画生成装置200のユーザである荷主企業は、限られた輸送リソースの中で輸送コスト、更には保管コストまでも含めた物流コストの低減化を図りつつ、欠品による販売機会損失を回避することが可能となり、販売利益の拡大を図ることができる。
【0094】
上述した実施例1~実施例3にかかる輸送計画生成装置200は、下記(1)~(21)のように構成することもできる。
【0095】
(1)輸送計画生成装置200は、日付501と品目401と輸送数503とを関連付けて記憶する輸送数情報DB312と、品目401と容積402とを関連付けて記憶する商品情報DB311と、トラック種701と積載量702と期間別の輸送トラック単価703とを関連付けて記憶する輸送料金情報DB314と、にアクセス可能であり、複数の期間のうち、輸送数503および容積402に基づく期間別の輸送量が輸送キャパシティTCを超える前倒し対象期間Tを検出する検出処理と、検出処理によって検出された前倒し対象期間Tより前で、かつ、前倒し対象期間Tに該当しない前倒し可能期間Sを特定する特定処理と、特定処理によって特定された前倒し可能期間Sのうち、前倒し対象期間Tの輸送手段の料金よりも安くなる特定の前倒し可能期間Sを、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の付け替え先に決定する決定処理と、決定処理による決定結果を出力する出力処理と、を実行する。
【0096】
これにより、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し先を特定することができ、輸送コストの低減化を図ることができる。
【0097】
(2)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品を前倒し対象期間Tにトラック種701のトラックで輸送する第1輸送トラック単価と、品目401の商品を前倒し可能期間Sにトラック種701のトラックで輸送する第2輸送トラック単価と、に基づいて、品目401の商品ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された品目401の商品ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0098】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、前倒し可能期間S=4月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zごとの前倒し優先度pX84、pY84、pZ84を算出し、前倒し優先度pX84、pY84、pZ84から最大値となる前倒し優先度pX84=100を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=4月に前倒すという、商品X,Y,Zの中で最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0099】
(3)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品を前倒し対象期間Tにトラック種701のトラックで輸送する第1輸送トラック単価と、品目401の商品を前倒し可能期間Sにトラック種701のトラックで輸送する第2輸送トラック単価と、に基づいて、前倒し可能期間Sごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された前倒し可能期間Sごとの優先度に基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0100】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、商品Xについて、輸送計画生成装置200は、前倒し可能期間S=4月、6月、7月ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87から最大値となる前倒し優先度p86X
=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、前倒し可能期間S=4月、6月、7月の中で最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0101】
(4)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品を前倒し対象期間Tにトラック種701のトラックで輸送する第1輸送トラック単価と、品目401の商品を前倒し可能期間Sにトラック種701のトラックで輸送する第2輸送トラック単価と、に基づいて、品目401の商品および前倒し可能期間Sの組み合わせ(i,s)ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された組み合わせ(i,s)ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0102】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zでかつ前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87から最大値となる前倒し優先度pX86=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、商品X,Y,Zおよび前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)の中で最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0103】
(5)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、品目401の保管費用となる在庫単価602を規定する保管費用情報DB313にアクセス可能であり、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品を前倒し可能期間Sから前倒し対象期間Tまで保管する在庫単価602の増加量CS
i(t-s)に基づいて、品目401の商品ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された品目401の商品ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0104】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、前倒し可能期間S=4月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zごとの前倒し優先度pX84、pY84、pZ84を算出し、前倒し優先度pX84、pY84、pZ84から最大値となる前倒し優先度pX84=100を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=4月に前倒すという、商品X,Y,Zの中で保管費用を考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0105】
(6)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、品目401の保管費用となる在庫単価602を規定する保管費用情報DB313にアクセス可能であり、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品を前倒し可能期間Sから前倒し対象期間Tまで保管する保管費用の増加量CS
i(t-s)に基づいて、前倒し可能期間Sごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、プロセッサは、算出処理によって算出された前倒し可能期間Sごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0106】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、商品Xについて、輸送計画生成装置200は、前倒し可能期間S=4月、6月、7月ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87から最大値となる前倒し優先度p86X
=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、前倒し可能期間S=4月、6月、7月の中で保管費用を考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0107】
(7)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、品目401の保管費用となる在庫単価602を規定する保管費用情報DB313にアクセス可能であり、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品を前倒し可能期間Sから前倒し対象期間Tまで保管する保管費用の増加量CS
i(t-s)に基づいて、品目401の商品および前倒し可能期間Sの組み合わせ(i,s)ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された組み合わせ(i,s)ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0108】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zでかつ前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87から最大値となる前倒し優先度pX86=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、商品X,Y,Zおよび前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)の中で保管費用を考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0109】
(8)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品の輸送数503に基づいて、品目401の商品ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された品目401の商品ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0110】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、前倒し可能期間S=4月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zごとの前倒し優先度pX84、pY84、pZ84を算出し、前倒し優先度pX84、pY84、pZ84から最大値となる前倒し優先度pX84=100を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=4月に前倒すという、商品X,Y,Zの中で前倒し可能な最大数を考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0111】
(9)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品の輸送数503に基づいて、前倒し可能期間Sごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された前倒し可能期間Sごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0112】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、商品Xについて、輸送計画生成装置200は、前倒し可能期間S=4月、6月、7月ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87から最大値となる前倒し優先度p86X
=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、前倒し可能期間S=4月、6月、7月の中で前倒し可能な最大数を考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0113】
(10)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品の輸送数503に基づいて、品目401の商品および前倒し可能期間Sの組み合わせ(i,s)ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された組み合わせ(i,s)ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0114】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zでかつ前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87から最大値となる前倒し優先度pX86=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、商品X,Y,Zおよび前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)の中で前倒し可能な最大数を考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0115】
(11)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し可能期間Sへ付け替え可能な前倒し対象期間Tの品目401の商品の最大輸送数((Es-es)/vi)に基づいて、品目401の商品ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された品目401の商品ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0116】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、前倒し可能期間S=4月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zごとの前倒し優先度pX84、pY84、pZ84を算出し、前倒し優先度pX84、pY84、pZ84から最大値となる前倒し優先度pX84=100を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=4月に前倒すという、商品X,Y,Zの中で輸送能力内で、追加輸送可能な最大数を考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0117】
(12)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し可能期間Sへ付け替え可能な前倒し対象期間Tの品目401の商品の最大輸送数((Es-es)/vi)に基づいて、前倒し可能期間Sごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された前倒し可能期間Sごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0118】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、商品Xについて、輸送計画生成装置200は、前倒し可能期間S=4月、6月、7月ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87から最大値となる前倒し優先度p86X
=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、前倒し可能期間S=4月、6月、7月の中で、輸送能力内で追加輸送可能な最大数考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0119】
(13)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し可能期間Sへ付け替え可能な前倒し対象期間Tの品目401の商品の最大輸送数((Es-es)/vi)に基づいて、品目401の商品および前倒し可能期間Sの組み合わせ(i,s)ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された品目401の商品ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0120】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zでかつ前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87から最大値となる前倒し優先度pX86=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、商品X,Y,Zおよび前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)の中で、輸送能力内で追加輸送可能な最大数考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0121】
(14)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品の輸送数503と、前倒し可能期間Sへ付け替え可能な前倒し対象期間Tの品目401の商品の最大輸送数((Es-es)/vi)と、のうち小さい方に基づいて、品目401の商品ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された品目401の商品ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0122】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、前倒し可能期間S=4月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zごとの前倒し優先度pX84、pY84、pZ84を算出し、前倒し優先度pX84、pY84、pZ84から最大値となる前倒し優先度pX84=100を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=4月に前倒すという、商品X,Y,Zの中で最大前倒し可能数ritsを考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0123】
(15)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品の輸送数503と、前倒し可能期間Sへ付け替え可能な前倒し対象期間Tの品目401の商品の最大輸送数((Es-es)/vi)と、のうち小さい方に基づいて、前倒し可能期間Sごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された前倒し可能期間Sごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0124】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月、商品Xについて、輸送計画生成装置200は、前倒し可能期間S=4月、6月、7月ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87から最大値となる前倒し優先度p86X
=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、前倒し可能期間S=4月、6月、7月の中で最大前倒し可能数ritsを考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0125】
(16)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、前倒し対象期間Tの輸送量の一部の前倒し対象期間Tから前倒し可能期間Sへの付け替える前倒し優先度pitsを、前倒し対象期間Tの品目401の商品の輸送数503と、前倒し可能期間Sへ付け替え可能な前倒し対象期間Tの品目401の商品の最大輸送数((Es-es)/vi)と、のうち小さい方に基づいて、品目401の商品および前倒し可能期間Sの組み合わせ(i,s)ごとに算出する算出処理を実行し、決定処理では、算出処理によって算出された品目401の商品ごとの前倒し優先度pitsに基づいて、前倒し対象期間Tの特定の品目401の商品の輸送数503と、特定の前倒し可能期間Sと、を決定する。
【0126】
これにより、たとえば、前倒し対象期間T=8月について、輸送計画生成装置200は、商品X,Y,Zでかつ前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)ごとの前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87を算出し、前倒し優先度pX84、pX86、pX87、pY84、pY86、pY87、pZ84、pZ86、pZ87から最大値となる前倒し優先度pX86=1500を選択する。したがって、輸送計画生成装置200は、商品Xの前倒し対象期間T=8月の輸送数503を、前倒し可能期間S=6月に前倒すという、商品X,Y,Zおよび前倒し可能期間S=4月、6月、7月の組み合わせ(i,s)の中で最大前倒し可能数ritsを考慮した最も低廉な輸送計画を生成することができる。
【0127】
(17)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、過去の期間のトラック種701のトラックの実績台数1902を目的変数とし、過去の期間の休日数1904、過去の期間が決算期であるか否かを示す決算期フラグ1905、または、過去の期間が連休を含むか否かを示す連休期フラグ1906のうち少なくとも1つを説明変数とする実績データ1810に基づいて、学習モデルを生成する学習処理と、学習処理によって生成された学習モデルに、予測対象期間における説明変数である予測データ1820を入力することにより、予測対象期間におけるトラック種701のトラックの予測台数2102を出力する予測処理と、を実行し、検出処理では、予測対象期間のうち、トラック種701のトラックの予測台数2102および容積402に基づく期間別の輸送量が輸送キャパシティTCを超える前倒し対象期間Tを検出する。
【0128】
このように過去実績から予測台数2102を予測することにより、前倒し対象期間Tの検出精度の向上を図ることができる。
【0129】
(18)上記(1)において、輸送計画生成装置200は、決定処理による決定結果に基づいて、輸送数情報DB312を更新する更新処理を実行し、出力処理では、更新処理による更新結果を出力する。
【0130】
これにより、前倒しを考慮した輸送数情報DB312を構築することができる。
【0131】
(19)上記(18)において、輸送計画生成装置200は、更新処理では、輸送数情報DB312の更新により、前倒し対象期間Tの輸送量が輸送キャパシティTC以下になったか否かを判断し、前倒し対象期間Tの輸送量が輸送キャパシティTC以下でない場合、更新結果に基づいて、特定処理および決定処理を再実行する。
【0132】
これにより、前倒し対象期間Tの輸送量が輸送キャパシティTC以下になるまで特定処理および決定処理が実行されるため、前倒しの最適化を図ることができる。
【0133】
(20)上記(2)において、輸送計画生成装置200は、商品情報DB311は、品目401の最大保管日数403を関連付けており、算出処理では、品目401の最大保管日数403に基づいて、前倒し優先度pitsを算出する。
【0134】
これにより、日付501から最大保管日数遡った日以前に該当する前倒し可能期間Sについては、輸送計画生成装置200は、前倒し優先度pitsを算出しない。これにより、輸送計画生成装置200は、日付501の時点で商品の価値が存在するように、前倒しを行うことができる。
【0135】
(21)上記(2)において、輸送計画生成装置200は、算出処理では、前倒し対象期間Tと前倒し可能期間Sとの間において品目401の商品の価値が変動する変動モデルに基づいて、前倒し優先度pitsを輸送対象ごとに算出する。
【0136】
これにより、輸送計画生成装置200は、変動する商品価値を考慮して前倒し優先度pitsを算出することができる。
【0137】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、または置換をしてもよい。
【0138】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサ201がそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0139】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)の記録媒体に格納することができる。
【0140】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0141】
200 輸送計画生成装置
201 プロセッサ
202 記憶デバイス
204 出力デバイス
301 検出部
302 特定部
303 算出部
304 決定部
305 取得部
306 更新部
307 出力部
311 商品情報DB
312 輸送数情報DB
313 保管費用情報DB
314 輸送料金情報DB
315 拠点間情報DB
316 輸送カレンダ