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特許73410623D視覚効果を生成するための機器およびそのような機器用の発煙装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】3D視覚効果を生成するための機器およびそのような機器用の発煙装置
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20230901BHJP
   F42B 12/48 20060101ALI20230901BHJP
   A63H 33/22 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
A63H33/00 C
F42B12/48
A63H33/22 A
A63H33/00 J
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019549669
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 IB2017057654
(87)【国際公開番号】W WO2018104863
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-11-25
(31)【優先権主張番号】16/01734
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】17/70433
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519436105
【氏名又は名称】グエン,リュック
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(73)【特許権者】
【識別番号】320001950
【氏名又は名称】ショー,ミシェル
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(73)【特許権者】
【識別番号】519436116
【氏名又は名称】ウー,ジュイ-フン
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ショー,ミシェル
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105517655(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0105167(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02955474(EP,A1)
【文献】特開平11-033224(JP,A)
【文献】特開2003-169970(JP,A)
【文献】特開平06-294534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
A63J 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D視覚効果を生成する機器であって、
制御された発煙器(10)であって、人工発煙器と、この人工発煙器によって生成される煙を指向的に推進する手段としての推進装置とを備え、一定の方向に伸長された煙の線を形成する制御された発煙器(10)と、
制御された発光器(20)であって、前記制御された発煙器(10)と前記一定の方向に沿って並設されることで1または複数の光線を前記煙の線内に前記一定の方向に沿って生成し、前記1または複数の光線は前記煙の線に含有される制御された発光器(20)と、
を備え、
前記推進装置はタービン(17)を備え、前記タービンは軸の周りを回転し、前記軸は、前記人工発煙器(10)が備えるノズル(11)の軸と重なる、機器。
【請求項2】
3D視覚効果を生成する機器であって、
制御された発煙器(10)であって、人工発煙器と、この人工発煙器によって生成される煙を指向的に推進する手段としての推進装置とを備え、一定の方向に伸長された煙の線を形成する制御された発煙器(10)と、
制御された発光器(20)であって、1または複数の光線を前記煙の線内に伸長方向に沿って生成可能であり、前記1または複数の光線は前記煙の線に含有される制御された発光器(20)と、
を備え、
前記人工発煙器(10)はノズル(11)を備え、前記ノズル(11)は加熱する手段としての加熱装置(12)を有し、加熱されると濃い煙を形成する液体物質が供給される、機器。
【請求項3】
3D視覚効果を生成する機器であって、
制御された発煙器(10)であって、人工発煙器と、この人工発煙器によって生成される煙を指向的に推進する手段としての推進装置とを備え、一定の方向に伸長された煙の線を形成する制御された発煙器(10)と、
制御された発光器(20)であって、1または複数の光線を前記煙の線内に伸長方向に沿って生成可能であり、前記1または複数の光線は前記煙の線に含有される制御された発光器(20)と、
を備え、
前記制御された発光器(20)は、可動要素(21)に取り付けられた少なくとも1つの光源を備える機器。
【請求項4】
3D視覚効果を生成する機器であって、
制御された発煙器(10)であって、人工発煙器と、この人工発煙器によって生成される煙を指向的に推進する手段としての推進装置とを備え、一定の方向に伸長された煙の線を形成する制御された発煙器(10)と、
制御された発光器(20)であって、1または複数の光線を前記煙の線内に伸長方向に沿って生成可能であり、前記1または複数の光線は前記煙の線に含有される制御された発光器(20)と、
を備え、
前記制御された発光器は、集光のための少なくとも1つの光学要素(24)を備える機器。
【請求項5】
請求項1、3および4のいずれか一項に記載の機器であって、前記人工発煙器(10)はノズル(11)を備え、前記ノズル(11)は加熱する手段としての加熱装置(12)を有し、加熱されると濃い煙を形成する液体物質が供給される、機器。
【請求項6】
請求項2または5に記載の機器であって、前記ノズルは、前記液体物質の緩衝貯蔵領域を形成する繊維状の管状要素を備える、機器。
【請求項7】
請求項6に記載の機器であって、前記加熱装置(12)は、前記繊維状の管状要素を囲む抵抗素線を備える、機器。
【請求項8】
請求項7に記載の機器であって、前記抵抗素線は、前記繊維状の管状要素に機械的に結合できるように、前記繊維状の管状要素を保持する、機器。
【請求項9】
請求項2および請求項5から請求項8のいずれか1つに記載の機器であって、前記ノズルおよび前記加熱装置は、気密であり、端部が閉鎖したスリーブ(112)によって囲まれる、機器。
【請求項10】
請求項2から請求項9のいずれか1つに記載の機器であって、前記推進装置はタービン(17)を備える、機器。
【請求項11】
請求項10に記載の機器であって、前記タービンは軸の周りを回転し、前記軸は、前記人工発煙器(10)が備えるノズル(11)の軸と重なる、機器。
【請求項12】
請求項1、10および11、ならびに請求項1を直接的または間接的に引用する請求項5から請求項9のいずれか1つに記載の機器であって、前記推進装置は、前記タービンが作り出す流れを集中させるための集中装置(18)を備える、機器。
【請求項13】
請求項12に記載の機器であって、前記タービンが作り出す流れを集中させるための集中装置(18)は、一定の外部幅と可変の内部幅とを有する環状通路を画定する、機器。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1つに記載の機器であって、前記制御された発光器(20)は少なくとも1つの固定光源を備える、機器。
【請求項15】
請求項1、2および4、ならびに請求項1、2および4のいずれか一項を直接的または間接的に引用する請求項5から請求項14のいずれか1つに記載の機器であって、前記制御された発光器(20)は、可動要素(21)に取り付けられた少なくとも1つの光源を備える、機器。
【請求項16】
請求項15に記載の機器であって、前記可動要素は、電気モータによって駆動される回転部材(21)を備える、機器。
【請求項17】
請求項16に記載の機器であって、前記少なくとも1つの光源は前記回転部材の回転と同時に強度制御される、機器。
【請求項18】
請求項16または17に記載の機器であって、前記回転部材(21)は毎秒約10回転より高い回転速度で駆動される、機器。
【請求項19】
請求項1から3、ならびに請求項1から3のいずれか一項を直接的または間接的に引用する請求項5から請求項18のいずれか1つに記載の機器であって、前記制御された発光器は、集光のための少なくとも1つの光学要素(24)を備える、機器。
【請求項20】
請求項1から請求項19のいずれか1つに記載の機器であって、前記制御された発光器は、少なくとも1つの発光ダイオード型の光源を備える、機器。
【請求項21】
請求項1から請求項20のいずれか1つに記載の機器であって、前記制御された発光器は、少なくとも1つのレーザダイオード型の光源を備える、機器。
【請求項22】
請求項1から請求項21のいずれか1つに記載の機器であって、前記発煙器(10)および前記発光器(20)を動的に制御するための制御部(50)をさらに備える、機器。
【請求項23】
請求項22に記載の機器であって、前記制御部(50)は以下のパラメータ、
人工煙濃度、
人工煙推進、
光の色、
光の強度、
光の運動、
の少なくとも1つを制御する、機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、3D光パターンを生成するための機器の分野に関する。特に、特殊効果、ゲーム、ショーなどのための「ライトセーバー」型の模造の光の武器を再生するための装置に関与する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、液体を供給して蒸発させるぜん動ポンプをポンプとして用いる発煙器が既知である。
【0003】
特許文献2から、発煙器が既知である。主な欠点は寸法が大きいことである。そのため、同発煙器はかさばり、持ち運びできない。また、同発煙器はメイン電源に接続する必要があるため、様々な場所で使用するノマド的な使用ができない。
【0004】
特許文献3からも発煙器が既知である。同発煙器によって、映写機にやはり結合することなく、煙のパラメータを利用することができる。
【0005】
特許文献4から、煙製造システムを光源と関連づける携帯装置が既知であるが、これは相互関係のない2つの別個の機器からなる。
【0006】
最後に、特許文献5、特許文献6および特許文献7から、同一のハウジング内で発煙器と発光器を関連づける装置が既知であるが、発煙器と発光器の間に特定の相互関係はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2006064190A1号
【文献】国際公開第2014030987A1号
【文献】欧州特許公開第2837987A2号
【文献】国際公開第2013049901A1号
【文献】フランス国特許公開第2671871A1号
【文献】フランス国特許公開第2794990A1号
【文献】米国特許公開第2015/105167A1号
【発明の概要】
【0008】
本発明は一般に、特に期待される方法で、1または複数の光源の投影媒体として、限定的な幾何学的空間を有する人工煙空間を画定することによって、3D視覚効果を具体化できるように試みる。
【0009】
したがって、本発明による3D視覚効果を生成する機器が提示される。本機器は、
制御された発煙器であって、人工発煙器と、発煙器によって生成される煙を指向的に推進する手段とを備え、一定の方向に伸長された煙の線を形成する発煙器と、
制御された発光器であって、1または複数の光線を煙の線内に伸長方向に沿って生成可能であり、1または複数の光線は基本的に煙の線に含有される発光器と、
を組み合わせて備えることを特徴とする。
【0010】
本機器は任意に、個別に、または当業者が技術的に互換であると考えるであろう任意の組み合わせにおいて、以下の追加の特徴をさらに備える。
-人工発煙器はノズルを備え、ノズルは加熱手段を有し、加熱されると濃い煙を形成可能な液体物質が供給される。
-ノズルは液体物質の緩衝貯蔵領域を形成可能な繊維状の管状要素を備える。
-加熱手段は繊維状の管状要素を囲む抵抗素線を備える。
-抵抗素線は、繊維状の管状要素に機械的に結合できるように、繊維状の管状要素を保持する。
-ノズルおよび加熱手段は、一般に気密であり、端部が閉鎖したスリーブによって囲まれる。
-推進する手段はタービンを備える。
-タービンは軸の周りを回転し、軸は一般に、ノズルの軸と重なる。
-推進する手段はタービン流を集中させるための装置を備える。
-集中させるための装置は一般に、一定の外部幅と可変の内部幅とを有する環状通路を画定する。
-発光器は少なくとも1つの固定光源を備える。
-発光器は可動要素に取り付けられた少なくとも1つの光源を備える。
-可動要素は電気モータによって駆動される回転部材を備える。
-1または複数の光源は回転部材の回転と同時に強度制御される。
-回転部材は毎秒約10回転より高い回転速度で駆動される。
-発光器は集光のための少なくとも1つの光学要素を備える。
-発光器は発光ダイオード型の少なくとも1つの光源を備える。
-発光器はレーザダイオード型の少なくとも1つの光源を備える。
-機器は発煙器および発光器を動的に制御可能な制御部を備える。
-制御ユニットは、以下のパラメータのすべてまたは一部を制御可能である。
-人工煙濃度、
-人工煙推進、
-光の色、
-光の強度、
-光の運動。
【0011】
本発明は、画定される蒸気容積(一般にグリセロール蒸気)を通じて、この空間上に、正確かつ非常に見やすい様式で3D画像を提供する。1または複数の光源の移動によって(ならびに光の強度および色の制御が含まれる場合もある)、円筒形、円錐形、光線、ピラミッド形、または炎などのより複雑な形状の3Dの形状が表される。異なる色の光源を用いることによって、本機器は多色の視覚効果を生成することができ、多色の視覚効果が混合されると、色のスペクトルが実現する。
【0012】
本発明による機器は小型であり、持ち運び可能、および携帯可能であってもよい。
【0013】
ユーザ体験は、音声システムおよびフォースフィードバック効果を実現する振動するモータを用いることによって、向上される。
【0014】
別の態様によると、本発明による人工発煙装置が提供される。人工発煙装置は、加熱手段を有するノズルを備える。ノズルには加熱されると濃い煙を形成可能な液体物質が提供される。ノズルは、液体物質のための緩衝貯蔵領域を形成可能な繊維状の管状要素を備えることを特徴とする。
【0015】
本装置の追加の態様は以下の通りである。
―加熱手段は繊維状の管状要素を囲む抵抗素線を備える。
-抵抗素線は繊維状の管状要素を保持し、そのため、繊維状の管状要素への機械的結合に役立つ。
-ノズルおよび加熱手段は、一般に気密であり、端部が閉鎖したスリーブによって囲まれる。
【0016】
本発明のその他の態様、目的および有利点は、非限定的例として提示し、添付請求項を参照して以下に記載する本発明の好ましい実施形態の詳細な説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態による機器の主要構成部品の全体線図および軸方向分解組立図である。
図2】機器の全体図である。
図3図1および2の装置に設けられる煙誘導装置の側面立面図である。
図4A図3の装置の分解組立斜視図である。
図4B図3の装置を別の視点から見た分解組立斜視図である。
図5図1に類似する全体線図であり、図3、4Aおよび4Bの誘導装置を備える。
図6】本機器のノズルの具体的な実施形態の詳細の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1をまず参照すると、本発明による3D照明効果生成機器は、まず発煙装置10を備える。発煙装置10は、加熱電気抵抗器12によって囲まれるノズル11を備える。
【0019】
抵抗器12によって生成される熱によって、グリセロールを蒸発させることができる。有利には、この抵抗器は、2から3オーム/メートルほどの電気抵抗を有する抵抗素線からなり、ノズル11に、180℃から250℃程度の温度を発生させることができる。この温度は好ましくは調整可能である。抵抗器は中央装置50によって駆動される。中央装置50はマイクロコントローラによって駆動される電子基板の形であり、後で説明する。アセンブリは充電可能なバッテリ60を電源とする。
【0020】
中央装置50での制御によって加熱温度を変化させることによって、所望する視覚効果に応じて、グリセロール蒸気の濃度は変動される。この制御は基本的な実施形態において、選択的に抵抗器12の電源を投入および遮断する、制御されたスイッチのみによって行うことができる。提供された電力もまた、パルス幅変調PWMなどによって抵抗器の電源電圧を変動することによって、調整可能である。
【0021】
例示していない様式で、抵抗器12は、たとえばミネラルウール型の断熱材で囲まれる。アセンブリは、たとえば穴のあいた金属製のシースなどの剛性シースによって保護される。穴のあいた金属製のシースを通じて、加熱によって生成されたグリセロール蒸気はおおよそ濃い煙の形状で存在可能である。
【0022】
発煙装置10はさらに、タービン17を備える。タービン17は生成されたグリセロール蒸気を推進することを目的とし、中央装置30によって駆動される。タービンの回転速度を調整することによって、所望する視覚効果に応じて、煙はノズル11から、不変または可変の様式で可変距離まで推進可能である。
【0023】
ノズル11は耐熱性を有するように金属からなり、たとえばシリコーンからなる導管13によって、グリセロール分配ポンプ14に接続される。グリセロール分配ポンプ14は別の導管15によって、充填が可能となるようにキャップ(不図示)を備えるグリセロール貯蔵庫16に接続される。
【0024】
ポンプ14は中央装置50から駆動され、ノズル11に貯蔵庫16からグリセロールを供給することができる。この駆動は、取得を希望する視覚効果に応じてノズル11に所望する蒸気濃度を生成するために、抵抗器12による加熱と協調した様式で実施される。
【0025】
ポンプは好ましくは、ぜん動ポンプまたはピストンポンプであるが、その他の種類のポンプも当然のことながら使用可能である。
【0026】
粘度および周知の物理化学特性によって、加熱されると場合によっては非常に濃い煙を生成するグリセロールが選択された。グリセロールは毒性がなく、特に製薬業界で広範に用いられている。類似する特性を持つその他の物質も当然のことながら使用可能である。
【0027】
装置はさらに発光器20を備える。装置20は回転板21を備える。回転板21には、好ましくは発光ダイオードLED型またはレーザダイオード型の1または複数の光源22が取り付けられる。
【0028】
レーザダイオード型の選択は、所要の光強度および潜在的な規制の制約により行われる。
【0029】
各光源は、おおよそ一点に集まる光線を生成する。
【0030】
回転板21は心棒(不図示)でギアモータ23によって駆動される。ギアモータ23は中央装置50によって駆動され、それによって、機器の一般的な軸に対応する軸上で、好ましくは調整可能な速度で回転可能となる。
【0031】
この速度は一般に、毎秒10から30回転の間であり、取得される視覚効果は、人間の目の持続性のおかげで安定して見える。一変形では、別の種類の視覚効果を得るために、より遅い運動および/または不規則な運動を提供することもできる。
【0032】
光生成装置はさらに、1または複数のレンズからなる光学アセンブリ24を備える。光学アセンブリ24は、光源によって生成された光線(または複数の光源によって生成された光線)を煙が排出される機器の領域(ノズル11領域)に向けるように意図される。好ましくは、光学アセンブリ24から出る各光線は細い光線であり、鋭い縁部を有する。それによって、光が煙の中を通る際の光と煙の協働によって、(特に煙強度、推進される距離、光の強度、光源によって変化可能な場合は光の色などに依存して)拡散しすぎた光によって得られるであろう単一の光輪よりも、様々な視覚効果を生成することができる。
【0033】
機器はさらに、音声発生装置30を備える。音声発生装置30は、ラウドスピーカ31またはその他の音響変換器を備える。音声発生は好ましくは中央装置XXで実施される。機器はまた、(ゲームおよびおもちゃ分野では「フォースフィードバック」機構として既知である)機械式振動発生器40を備え、それによって(たとえば図1には不図示の機器のハンドルに)機器の一定の運動と関連する機械的行為を伝える。
【0034】
有利には、機器はさらに、モーションセンサを備える。モーションセンサ(一般に慣性ユニットまたは加速度計のセット)は、非明示的に示す様式で、好ましくは中央装置50の電子基板に組み込まれる。
【0035】
中央装置50は、前述の通り、導電体51~57のセットを介して前述のすべての要素に接続することによって、前述のすべての要素を駆動する。
【0036】
バッテリ60は、有利には適切な電圧および容量を有するリチウムイオン型のバッテリである。
【0037】
図2は本発明による機器Aの全体図である。
【0038】
前述のすべての要素は、機器のハンドルPに収容される。一変形では、一定の要素はハンドルPなどに収容され、特に発煙器のノズル11およびタービンは、ハンドルPの延長である部分P’に収容される。
【0039】
この部分P’に形成される開口Oによって人工煙FSが排出され、柱が形成される。柱を通じて1または複数の光線FLが進む。光線FLは回転板21によって移動され、本事例では光の円筒形となる視覚効果を示す。
【0040】
機器の操作を以下で説明する。
【0041】
始動段階中に、ノズル11の加熱装置12は一定期間、一般に2、3秒加熱される。その間ポンプ14はグリセロールを供給するために起動される。
【0042】
充分な量の煙がノズル11から排出されると、光源22は電源が投入され、ギアモータ23によって移動される。その間、タービン17は煙の推進を開始し、制御された距離まで柱FSを形成し、それによって、3D画像が光線によって実体化する蒸気の膜が形成される。
【0043】
安定した操作では、加熱装置12、ポンプ14、タービン17および光源を駆動することによって(ギアモータ23による動作において、および適用される場合は色および/または強度において)、広範に変動する視覚効果が得られる。
【0044】
ここで図3、4Aおよび4Bを参照すると、発煙装置の追加の要素が示される。追加の要素は、一般に管状の外部要素181および内部要素182から形成されるガイド18を含む。内部要素182の幅は、例示する輪郭のように好ましくは、タービン17に隣接する入り口領域から出口領域に向かって徐々に増加するが、これに限定されない。一般に一定の外部幅および可変内部幅の環状通路Cはこのように画定される。放射状に配向されるスペーサ183によって、軸に沿った流れを運びながら、要素181、182の軸対軸の配置が可能になる。
【0045】
このガイドによって、ガイドの出口で環状の断面の積層流を生成可能であることが理解されよう。このような積層流によって、煙の柱FSが得られることが分かっている。柱FSは、基本的に一定の幅を保ち、長距離にわたって基本的に同質であり、(平行光線のセットが板21の軸の周りを回転することと合わせて)特に現実的な「ライトセーバー」型の視覚効果が得られる。本実施形態では、発光器20は、良好な小型化を実現するために、ガイド18によって画定される内部空間内に収容される。煙はガイド18の周囲から発光器20を囲むリングの形で排出される。
【0046】
図5図1と類似する図であり、本変形によれば誘導装置が組み込まれている。本図では、図1の要素と同一な部品の要素は同一の符号で指定され、再度説明はしない。
【0047】
本実施形態において、誘導装置18は、グリセロール蒸気が製造されるノズル11の下流に配置され、発光器20は誘導装置下流に配置されることが分かる。
【0048】
図6では、本発明によるノズル構造の拡大図が示される。
【0049】
ノズル11は、抵抗素線12によって囲まれる繊維ガラス管110を備え、加熱電気抵抗器を形成する。繊維ガラス管は一定の多孔性を示す。それによって、液体グリセロールは、ポンプ14によってグリセロールが供給される管110の内部から、抵抗素線12の影響下で煙が形成される外部に向かって、放射状方向に移動できる。管110のこの多孔性によって、管110はグリセロールの少量の緩衝貯蔵となり、煙の製造を規制する。
【0050】
このグリセロールの少量の貯蔵は、ガラス繊維内部の毛管現象によって保持され、さらに、温度上昇にしたがって増加するグリセロールの蒸発によって抵抗素線の温度を安定させ、したがって液体グリセロールの自己燃焼の危険性を低減する。実際に、(グリセロールを保持しない)乾燥したノズルを用いると、抵抗素線は極度に加熱し、グリセロールが到着するとき、過剰に加熱された抵抗器とグリセロールとの最初の接触によって、グリセロールが発火することもある。
【0051】
シース110は111の上端部で閉鎖し、グリセロールは制約されて放射状に抵抗素線12に向かって循環する。
【0052】
ノズルはさらに、好ましくは金属からなる外部シース112を備える。外部シース112内には、閉鎖された管110および抵抗素線12が収容される。シース112は自由端で開口し(図の上部)、煙がタービン17に向かって排出される。このシース112によってさらに、管110を囲む空気の容積を制限することができ、グリセロールの燃焼が開始するとき、空気中の酸素を用いた燃焼の維持は妨げられ、したがって、燃焼も自然に停止する。
【0053】
本事例では、管110の多孔性は、有利には、抵抗素線により加熱することによって、ノズルを一定期間「中に入れる」ことによって得ることができることに留意されたい。従来ガラス繊維を結びつける樹脂は消費され、繊維間に空隙が生じ、多孔性につながる。同時に、シースの周りを保持する抵抗素線12によって、樹脂の劣化に関わらず、機械的一体性が実現する。
【0054】
必要な場合は、シース110を部分的に囲む金属管(不図示)などの構造要素が設けられ、アセンブリに十分な強度が付加される。
【0055】
当然のことながら、本発明はいかなる意味においても、記載および表示した実施形態に限定されるものではなく、当業者は多数の変形および変更を挙げることができるであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6