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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
A63F7/02 349A
A63F7/02 326A
A63F7/02 326C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020215361
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022101026
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和泉 則教
【審査官】平井 隼人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-015090(JP,A)
【文献】特開2012-147869(JP,A)
【文献】特開2003-210700(JP,A)
【文献】特開2011-234816(JP,A)
【文献】特開2016-131850(JP,A)
【文献】特開2012-147870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場の島設備に固定される外枠と、
遊技盤を保持し、前記外枠に対して開閉可能に取り付けられる内枠と、を備え、
前記外枠の天板には、前記島設備に前記外枠を固定する固定部材を挿通するために用いる複数の島固定穴が一定の位置に形成されており、
前記複数の島固定穴は、前記外枠の天板と前記外枠の側板とを固定するために用いられるものではなく、
前記内枠の背面側の上部には、上方から落下する遊技球を貯留する球貯留部が設けられており、
前記内枠の上面の少なくとも一部は平面になっており、
前記外枠に前記内枠を取り付けた状態において、前記複数の島固定穴の鉛直下方には、前記球貯留部が配置されておらず、前記平面が配置されている、遊技機。
【請求項2】
遊技場の島設備に固定される外枠と、
遊技盤を保持し、前記外枠に対して開閉可能に取り付けられる内枠と、を備え、
前記外枠の天板には、前記島設備に前記外枠を固定する固定部材を挿通するために用いる複数の島固定穴が一定の位置に形成されており、
前記複数の島固定穴は、前記外枠の天板と前記外枠の側板とを固定するために用いられるものではなく、
前記内枠の背面側の上部には、上方から落下する遊技球を貯留する球貯留部が設けられており、
前記内枠の上面の少なくとも一部は平面になっており、
前記内枠の上面には前記内枠を補強するためのリブが形成されており、
前記外枠に前記内枠を取り付けた状態において、前記複数の島固定穴の鉛直下方には、前記球貯留部および前記リブが配置されておらず、前記平面が配置されている、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個数の賞球が遊技者に払い出され、識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態を変更する遊技機(いわゆる、パチンコ機)が知られている。
【0003】
また、1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより識別情報の変動表示を開始し、遊技者がストップスイッチを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の変動表示を停止し、全ての変動表示を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態を変更する遊技機(いわゆる、スロットマシン)が知られている。
【0004】
そのような遊技機において、例えば、外枠を遊技場の島設備に固定するときにスペーサを用いて高さ寸法の誤差を吸収するとともに、スペーサを保持する保持部を備えることが知られている(特許文献1)。また、例えば、釘を用いて遊技場の島設備に固定される外枠を備えることが知られている(特許文献2)。また、例えば、上側締着部材及び下側締着部材を用いて外枠を遊技場の島設備に固定することが知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-126004号公報(例えば、図2
【文献】特開2016-131850号公報(例えば、図3図18
【文献】特開2006-149540号公報(例えば、図2図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1~3に示された方法によって遊技機を遊技場の島設備に固定する場合に、支障なく取り付けるには改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より最適に遊技機を遊技場の島設備に固定することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、遊技場の島設備に固定される外枠(例えば、外枠102)と、遊技盤(例えば、遊技盤108)を保持し、前記外枠に対して開閉可能に取り付けられる内枠(例えば、内枠104、段落0011参照)と、を備え、前記外枠の天板(例えば、天板102a)には、前記島設備に前記外枠を固定する固定部材(例えば、釘)を挿通するために用いる複数の島固定穴(例えば、島固定穴300a~300d)が一定の位置に形成されており、前記複数の島固定穴は、前記外枠の天板と前記外枠の側板とを固定するために用いられるものではなく(例えば、段落0022および図7参照)、前記内枠の背面側の上部には、上方から落下する遊技球を貯留する球貯留部(例えば、賞球貯留タンク204)が設けられており、前記内枠の上面の少なくとも一部は平面になっており、前記外枠に前記内枠を取り付けた状態において(例えば、段落0023および図5参照)、前記複数の島固定穴の鉛直下方には、前記球貯留部が配置されておらず、前記平面が配置されている。よって、より最適に遊技機を遊技場の島設備に固定することができる。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、遊技場の島設備に固定される外枠(例えば、外枠102)と、遊技盤(例えば、遊技盤108)を保持し、前記外枠に対して開閉可能に取り付けられる内枠(例えば、内枠104、段落0011参照)と、を備え、前記外枠の天板(例えば、天板102a)には、前記島設備に前記外枠を固定する固定部材(例えば、釘)を挿通するために用いる複数の島固定穴(例えば、島固定穴300a~300d)が一定の位置に形成されており、前記複数の島固定穴は、前記外枠の天板と前記外枠の側板とを固定するために用いられるものではなく(例えば、段落0022および図7参照)、前記内枠の背面側の上部には、上方から落下する遊技球を貯留する球貯留部(例えば、賞球貯留タンク204)が設けられており、前記内枠の上面の少なくとも一部は平面になっており、前記内枠の上面には前記内枠を補強するためのリブ(例えば、リブ301)が形成されており、前記外枠に前記内枠を取り付けた状態において(例えば、段落0023および図5参照)、前記複数の島固定穴の鉛直下方には、前記球貯留部および前記リブが配置されておらず、前記平面が配置されている。よって、より最適に遊技機を遊技場の島設備に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】遊技機の正面図である。
図2】前枠を開放した状態のパチンコ機の斜視図である。
図3】内枠を開放した状態のパチンコ機の斜視図である。
図4】遊技機の背面図である。
図5】前枠を開放した状態のパチンコ機の上面図である。
図6】内枠を開放した状態のパチンコ機の上面図である。
図7】遊技機の背面側上部の拡大図である。
図8】下ヒンジ機構を右方側から見た拡大図である。
図9】下ヒンジ機構の左方側から見た拡大図である。
図10】下ヒンジ機構を右方側から見た分解斜視図である。
図11】下ヒンジ機構を左方側から見た分解斜視図である。
図12】前枠を閉鎖したときの遊技球の動きを示す説明図である。
図13】変形例1において、前枠を開放した状態のパチンコ機の上面図である。
図14】変形例2において、前枠を開放した状態のパチンコ機の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[全体構成]
図1図3に示すように、遊技機100であるパチンコ機は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、外枠102に開閉自在に取り付けられた内枠104と、内枠104に開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。前枠106は内枠104を介して外枠102に開閉自在に取り付けられている。外枠102、内枠104、前枠106は、上ヒンジ機構400と下ヒンジ機構401とによって軸支されている。
【0012】
内枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、囲繞空間に遊技盤108が保持されている。遊技盤108は、前枠106が開放された状態(開状態)の場合に内枠104に取り付け可能である。また、遊技盤108の前面には遊技領域が形成されており、前枠106が閉鎖された状態(閉状態)の場合に透明窓106aを介して当該遊技領域を視認可能である。なお、図2は遊技盤8の図示を省略している。
【0013】
ここで、遊技機が設置される遊技場(例えばパチンコホール等)には、島設備が設けられている。島設備には、複数の遊技機を横並びに設置するための縦長矩形枠状の島設備が複数併設されている。そして、島設備は一般的に木製である。例えば遊技機100は、外枠102の上部および下部を内側(内枠104を取り付ける内周側)から4箇所ずつ島設備に設けた島設備に釘で固定することによって島設備に取り付けられる。
【0014】
前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で遊技球が遊技盤108の遊技領域に向けて発射される。
【0015】
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示器(図示せず)、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプ114、スピーカ116、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置118が設けられている。
【0016】
演出操作装置118は、遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタン118aと、遊技者のダイヤル操作を受け付ける操作ダイヤル118bとを備えている。演出操作装置118は、液晶表示器に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
【0017】
演出操作装置118の奥側(遊技盤108側)には、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿120が設けられている。上皿120が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿122に導かれることとなる。また、この下皿122の底面には、当該下皿122から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きボタン124を押下することにより、当該球抜きボタン124と一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿122の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0018】
[遊技機背面の構成]
図4に示すように、遊技機100の背面側には、遊技の制御を行う主制御基板を収納する主制御基板ケースや演出の制御を行う副制御基板を収納する副制御基板ケースを覆う裏カバー200、遊技情報出力端子板202、賞球貯留タンク204、賞球払出流路206、払出球計数スイッチ208、払出制御基板ケース210、内枠開放スイッチ212等が設置されている。この他に遊技機100の裏側には、遊技機100の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)、電源プラグを備えた電源コード及び接続配線等(いずれも不図示)が設置されている。
【0019】
遊技情報出力端子板202は、遊技機100の外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続されている。遊技機100の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、エラー情報、大当たり情報、始動口情報等)は、遊技情報出力端子板312から外部の電子機器に向けて出力される。
【0020】
賞球貯留タンク204は、内枠104の天板に取り付けられた取り付けベースに取り付けられている。これにより、賞球貯留タンク204は内枠104の背面側の上部に設けられている。賞球貯留タンク204は、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球の払出しが行われる際には、賞球貯留タンク204に蓄えられた遊技球は、賞球払出流路206を通って遊技機100の前面側の上皿120(図1参照)に導かれる。払出球計数スイッチ208は、賞球払出流路206を通って払い出される遊技球数を検出する。
【0021】
払出制御基板ケース210の左下領域には、内枠開放スイッチ212が設けられている。また、電源コード(不図示)は、例えば遊技店の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続される。これにより、遊技機100の動作に必要な電源(電力)が確保される。
【0022】
図5図7に示すように、外枠102の天板102aには、島設備に外枠102を固定する釘を打ち込むための島固定穴300a~300dが形成されている。そして、内枠104の天板の上面には、内枠104の補強用のリブ301が複数(図中の例では18)形成されている。リブ301は各々が互いに一定間隔(等間隔)離間するように横並びに配置されている。
【0023】
そして、島固定穴300a~300dは、内枠104を閉じた状態(図5の状態)において、賞球貯留タンク204と対峙することなく、内枠104の天板の上面のうち平面部分と対峙する位置に配置されている。また、島固定穴300a~300dは、内枠104を閉じた状態において、リブ301と対峙することがない位置に配置されている。
【0024】
具体的には、本実施形態では、島固定穴300a~300dは、外枠102の前後方向における賞球貯留タンク204から距離がW1離れた位置に配置されている(図5参照)。これにより、島固定穴300a~300dが賞球貯留タンク204と対峙することがない。
【0025】
また、島固定穴300a~300dは、外枠102の前後方向におけるリブ301の先端部からの距離がW2離れた位置に配置されており(図5参照)、さらに、島固定穴300a~300dの中心軸La~Ldがリブ301の間を通るように配置されている(図7参照)。また、島固定穴300a~300dのそれぞれの直径rは、島固定穴300a~300dがリブ301に被らない寸法になっている。これにより、島固定穴300a~300dがリブ301と対峙することがない。
【0026】
さらに、内枠104の上面はリブ301以外の部分は平面になっていることから、島固定穴300a~300dは内枠104の上面のうち平面部と対峙する。
【0027】
また、本実施形態では、各島固定穴300a~300dから内枠104の上面の平面部までの距離W3はいずれも同一距離となっている。このため、一箇所だけ、釘の頭が内枠104の上面の平面部に接触しないように釘を打ち込むことができれば、他の箇所は同様の感覚で釘を打ち込めばよいため、最適な釘の打ち込み量の感覚を掴みやすくできる。
【0028】
なお、島固定穴300a~300dが賞球貯留タンク204やリブ301と対峙しないようにする方法として、本実施形態のように、島固定穴300a~300dの配置及び島固定穴300a~300dの大きさによって対峙しないようにすることに限らず、島固定穴300a~300dの位置又は大きさのいずれか一方を調節することにより対峙しないようにすることが可能である。
【0029】
従来から島固定穴は釘を打ち込むときの目印としての機能を有している。そして、遊技場の島設備に遊技機を固定するときに島固定穴への釘の打ち込み量が足りないと、釘の頭が内枠の上面や賞球貯留タンク、内枠の補強用のリブに接触し、これらの破損の原因となることがあった。また、従来、釘を打ち込んだことにより、外枠の木くずが賞球貯留タンクに落下してしまうという問題があった。しかし、本実施形態では、島固定穴300a~300dが賞球貯留タンク204やリブ301と対峙せず、内枠104の上面の平面部と対峙するので、釘の頭により内枠104の上面や賞球貯留タンク204、リブ301が破損してしまうという問題を解決することができる。さらに、外枠102の木くずが賞球貯留タンク204に落下してしまうという問題を解決することができる。
【0030】
[下ヒンジ機構の構成]
図8及び図9に示すように、下ヒンジ機構401(図1参照)は、外枠102に取り付けられた外枠ヒンジ板404と、外枠ヒンジ板404の上面を覆うヒンジカバー406と、内枠102に取り付けられた内枠ヒンジ板408と、前枠104に取り付けられた前枠ヒンジ板410とを備えている。
【0031】
外枠ヒンジ板404と内枠ヒンジ板408と前枠ヒンジ板410はそれぞれ金属板で形成されており、図示しないねじにより固定されている。そして、外枠ヒンジ板404と内枠ヒンジ板408と前枠ヒンジ板410は、それぞれ板厚方向が上下方向となるように(換言すると、両面のうちの一方が上面となり、他方の面が下面となるように)遊技機100の前側に突出するとともに、各ヒンジ板が積み重なるようになっている。
【0032】
また、ヒンジカバー406も板状に形成されており、外枠ヒンジ板404と内枠ヒンジ板408との間に配置されている。ヒンジカバー406は、例えば、表面が滑らかな樹脂により形成されている。
【0033】
図10及び図11に示すように、外枠ヒンジ板404の上面には上方に突出する軸404aが設けられている。また、ヒンジカバー406には軸404aを挿通可能な挿通穴406aが形成されている。さらに、内枠ヒンジ板408には軸404aが挿入可能な凹部からなる軸受け408aが設けられている。さらに、前枠ヒンジ板410には軸受け408aを挿通可能な挿通穴410aが形成されている。
【0034】
そして、外枠ヒンジ板404の軸404aを挿通穴406aに挿通することによってヒンジカバー406が外枠ヒンジ板404の上面に取り付けられる。また、ヒンジカバー406の上面に内枠104を載置するとともに、外枠ヒンジ板404の軸404aを内枠ヒンジ板408の軸受け408aに挿通することにより、外枠102に対して内枠104が開閉自在に軸支される。
【0035】
また、内枠ヒンジ板408の上面408bに前枠106を載置するとともに、軸受け408aを前枠ヒンジ板410の挿通穴410aに挿通することにより、外枠102及び内枠104に対して前枠106が開閉自在に軸支される。なお、内枠ヒンジ板408の上面408bと前枠ヒンジ板410の下面410bの高さ方向の隙間は遊技球の直径未満にすることが好ましく、より、好ましくは遊技球の半径以下にするとよい。
【0036】
また、内枠ヒンジ板408の上面408bには前枠106の回動範囲を規制する規制片408cが設けられている。規制片408cは、規制片408cと内板ヒンジ枠408の上面408bとの角度は90度未満にならないように形成されている。本実施形態では、前枠106を開放したときに前枠106の背面が規制片408cに当接する構成とし、前枠106の開放を一定範囲内に制限することで、前枠106を開放したときに隣席の遊技者の邪魔になることが防止される。
【0037】
規制片408cは内枠104の端104a(換言すると、内枠104の縁、内枠104の前端面)との間に隙間412が形成される位置に配置されている。隙間412の幅は少なくとも遊技球の1個分の直径(例えば、11mm)を超える幅になっている。また、内枠ヒンジ板408の上面408bの奥側には遊技球1個分の直径より大きな退避領域408dが形成されている。そして、内枠ヒンジ板406を内枠104に取り付けた状態では、退避領域408dは内枠104の端104aよりも奥側に位置するようになっている。
【0038】
そして、図12に示すように、前枠106を開放した状態で内枠ヒンジ板408の上面に遊技球Rが滞留しているときに前枠106を閉鎖した場合は、前枠106の背面に遊技球Rが押されて隙間412から外部に排出されるか、あるいは、退避領域408dに遊技球が退避する。
【0039】
なお、規制片408cの先端は遊技球が乗り上がりやすいように湾曲面とすることが好ましい。
【0040】
また、枠ヒンジ板408の上面408bを、遊技球が右下方向(換言すると、遊技者側やドアを開放した管理者側)に流下するような傾斜面としてもよい。
【0041】
なお、本実施形態では、外枠102の前側の下部には幕板414が取り付けられている。幕体414は樹脂により形成されている。そして、幕板414とヒンジカバー406は同一色の樹脂によって形成されている。
【0042】
従来、外枠102に用いるヒンジの意匠性及び安全性を高めたいという要望があった。そこで、本実施形態では、外枠ヒンジ板404に幕板414と同色のヒンジカバー406を取り付けることにより、外枠102に用いるヒンジの意匠性を高めることができる。また、ヒンジカバー406を滑らかな樹脂で形成することにより、内枠104を開放したときに内枠ヒンジ板408の摺動性を高めることができる。ヒンジカバー406を設けなかった場合には、金属で形成された外枠ヒンジ板404と内枠ヒンジ板408が直接擦れて破損する、あるいは、直接擦れて生じた金属粉により手を負傷するなど、内枠104の開放に伴う不都合を解消することができ、安全性を確保できる。
【0043】
また、従来、前枠を開放しているときになんらかの理由でヒンジ板の上面に遊技球が滞留している場合に、遊技場の店員がそのことに気づかなかったとしても、前枠を破損することなく前枠を閉鎖できるようにしたという要望があった。そこで、本実施形態では、遊技球が内枠ヒンジ板408上で滞留している状態で前枠106を閉鎖した場合でも遊技球が外部に排出されるか、遊技球が退避領域408dに退避し、前枠106の閉鎖が阻止されない構成となっているので、前枠106を閉鎖したときに遊技球が挟まって前枠106が破損することを防止できる。
【0044】
なお、上記実施形態では、内枠ヒンジ板408に規制片408cを設ける構成としたが、外枠ヒンジ板404に前枠106の回動範囲を規制する規制片を設ける構成としてもよい。そして、外枠に設けた規制片と内枠104の端との隙間から遊技球を排出するようにしてもよい。
【0045】
すなわち、下記のような構成することが可能である。
遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技盤が取り付けられる内枠と、
前記内枠が取り付けられる外枠と、
前記遊技盤を視認可能な透明窓を有する前枠と、を備え、
前記外枠には、該外枠から前方に突出する外枠ヒンジ板が取り付けられており、
前記内枠には、該内枠から前方に突出する内枠ヒンジ板が取り付けられており、
前記内枠は、前記外枠ヒンジ板の上面側で軸支されており、
前記前枠は、前記内枠ヒンジ板の上面側で軸支されており、
前記外枠ヒンジ板と前記内枠ヒンジ板とは重ねて配置されており、
前記外ヒンジ板には前記前枠の回動範囲を規制する規制部が設けられており、
前記前枠が開放された状態で前記内枠ヒンジ板に遊技球が滞留しているときに前記前枠が閉鎖された場合は、該遊技球を前記前枠の端と前記規制部との間から外部に排出させることが可能である。
【0046】
また、上記実施形態では、内枠104の端104aと規制片408cとの間に形成される隙間412から遊技球を外部に排出する構成としたが、外枠の端が内枠の端よりも前側に突出した構成(すなわち、内枠の縁が外枠の縁よりも奥側に位置するように内枠が外枠内に収納される構成)とし、外枠の端と規制片との隙間から遊技球が排出されるように構成することも可能である。
【0047】
すなわち、下記のような構成することが可能である。
遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技盤が取り付けられる内枠と、
前記内枠が取り付けられる外枠と、
前記遊技盤を視認可能な透明窓を有する前枠と、を備え、
前記内枠には、該内枠から前方に突出するヒンジ板が取り付けられており、
前記前枠は、前記ヒンジ板の上面側で軸支されており、
前記ヒンジ板には前記前枠の回動範囲を規制する規制部が設けられており、
前記前枠が開放された状態で前記ヒンジ板に遊技球が滞留しているときに前記前枠が閉鎖された場合は、該遊技球を前記外枠の端と前記規制部との間から外部に排出させることが可能である。
【0048】
(変形例1)
次に、上記実施形態の変形例1について説明する。変形例1では、内枠104に代えて内枠500を設けるとともに、リブ301に代えてリブ501a及びリブ501bを設けている。なお、上記実施形態と同様の部分については詳しい説明を省略する。
【0049】
図13に示すように、上記実施形態では、全てのリブ301の先端部と島固定穴300a~300dとの距離をW2とする例を挙げたが、変形例1では、島固定穴300a~300dの両側(換言すると、島固定穴300a~300dの近傍)のリブ501aの先端部と島固定穴300a~300dとの距離を上記実施形態と同様にW2とし、リブ501a以外のリブ501bをリブ501aよりも内枠500の背面側に向けて延ばすことによって、島固定穴300a~300dをリブ501bの先端部からW2離れた距離に設けない構成としている。
【0050】
そして、島固定穴300a~300dは、外枠102の前後方向におけるリブ501aからの距離がW2離れた位置に配置されており、さらに、外枠102の中心軸La~Ldがリブ501aの間を通るように配置されている。また、島固定穴300a~300dのそれぞれの直径rは、島固定穴300a~300dがリブ501aに被らない寸法になっている。これにより、島固定穴300a~300dがリブ501aと対峙することがない。さらに、内枠500の上面はリブ501a及びリブ501b以外の部分は平面になっていることから、島固定穴300a~300dは内枠500の上面のうち平面部と対峙する。
【0051】
このように構成することにより、変形例1においても上記実施形態と同様の課題を解決し、また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0052】
(変形例2)
次に、上記実施形態の変形例2について説明する。変形例2では、内枠104に代えて内枠600を設けるとともに、リブ301に代えてリブ601a及びリブ601bを設けている。なお、上記実施形態と同様の部分については詳しい説明を省略する。
【0053】
図14に示すように、上記実施形態では、リブ301の先端部と島固定穴300a~300dとの距離をW2とする例を挙げたが、変形例2では、全てのリブ601a及びリブ601bを内枠600の背面側に向けて延ばすことによって、島固定穴300a~300dをリブ601a及びリブ601bの先端部からW2離れた距離に設けない構成としている。また、上記実施形態と異なり、変形例2では、6つのリブ601が設けられている。そして、両端側から2つのリブ601a同士の間隔はX1に設定されている。また、リブ601aの内側に設けられているリブ601bとリブ601aとの間隔X2及びリブ601b同士の間隔X2はX1よりも大きくなっている。そして、内枠600の一端側のリブ601a同士の間に島固定穴300a及び300bを配置するとともに、他端側のリブ601a同士の間に島固定穴300c及び300dを配置している。
【0054】
そして、島固定穴300a~300dは、外枠102の中心軸La~Ldがリブ601aの間を通るように配置されている。また、島固定穴300a~300dのそれぞれの直径rは、島固定穴300a~300dがリブ601aに被らない寸法になっている。これにより、島固定穴300a~300dがリブ601aと対峙することがない。さらに、内枠600の上面はリブ601a及びリブ601b以外の部分は平面になっていることから、島固定穴300a~300dは内枠600の上面のうち平面部と対峙する。
【0055】
このように構成することにより、変形例1においても上記実施形態と同様の課題を解決し、また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0056】
なお、変形例2において、リブ601a同士の間の平面と対峙する島固定穴の数は2つに限らず、1つでもよいし3つ以上でもよい。
【0057】
[本実施形態の効果]
(A1)本実施形態では、遊技を行うことが可能な遊技機(本例では、遊技機100)において、遊技場の島設備に固定される外枠(本例では、外枠102)と、遊技盤(本例では、遊技盤108)を保持し、前記外枠に取り付けられる内枠(本例では、内枠104)と、を備え、前記外枠の天板には、前記島設備に前記外枠を固定する固定部材を挿通するために用いる島固定穴(本例では、島固定穴300a~300d)が形成されており、前記内枠の背面側の上部には遊技球の貯留タンク(本例では、賞球貯留タンク202)が取り付けられており、前記内枠の上面の少なくとも一部は平面になっており、前記島固定穴は、前記外枠に前記内枠を取り付けた状態において、前記貯留タンクと対峙することなく前記平面と対峙する(本例では、図5図7)。よって、より最適に遊技機を遊技場の島設備に固定することができる。
【0058】
(A2)本実施形態では、遊技を行うことが可能な遊技機(本例では、遊技機100)において、遊技場の島設備に固定される外枠(本例では、外枠102)と、遊技盤(本例では、遊技盤108)を保持し、前記外枠に取り付けられる内枠(本例では、内枠104)と、を備え、前記外枠の天板には、前記島設備に前記外枠を固定する固定部材を挿通するために用いる島固定穴(本例では、島固定穴300a~300d)が形成されており、前記内枠の背面側の上部には遊技球の貯留タンク(本例では、賞球貯留タンク202)が取り付けられており、前記内枠の上面の少なくとも一部は平面になっており、前記内枠の上面には前記内枠を補強するためのリブが形成されており(本例では、リブ301)、前記島固定穴は、前記外枠に前記内枠を取り付けた状態において、前記貯留タンクと対峙することなく前記平面と対峙し、かつ前記リブと対峙しない(本例では、図5図7)。
【0059】
(B1)本実施形態では、遊技を行うことが可能な遊技機(本例では、遊技機100)において、遊技盤が取り付けられる内枠(本例では、内枠104)と、前記遊技盤(本例では、遊技盤108)を視認可能な透明窓(本例では、透明窓106a)を有する前枠(本例では、前枠106)と、を備え、前記内枠には、該内枠から前方に突出するヒンジ板(本例では、内枠ヒンジ板408)が取り付けられており、前記前枠は、前記ヒンジ板の上面側で軸支されており、前記ヒンジ板には前記前枠の回動範囲を規制する規制部(本例では、規制片408c)が設けられており、前記前枠が開放された状態で前記ヒンジ板に遊技球が滞留しているときに前記前枠が閉鎖された場合は、該遊技球を前記内枠の端と前記規制部との間から外部に排出させることが可能である(本例では、図12)。よって、前枠を閉鎖するときに遊技球の球噛みが発生することを防止することができる。
【0060】
(B2)本実施形態では、遊技を行うことが可能な遊技機(本例では、遊技機100)において、遊技盤が取り付けられる内枠(本例では、内枠104)と、前記遊技盤(本例では、遊技盤108)を視認可能な透明窓(本例では、透明窓106a)を有する前枠(本例では、前枠106)と、を備え、前記内枠には、該内枠から前方に突出するヒンジ板(本例では、内枠ヒンジ板408)が取り付けられており、前記前枠は、前記ヒンジ板の上面側で軸支されており、前記前枠が開放された状態で前記ヒンジ板に遊技球が滞留しているときに前記前枠が閉鎖された場合は、該遊技球を前記ヒンジ板に設けられた退避部に退避させることが可能である(本例では、図12)。よって、前枠を閉鎖するときに遊技球の球噛みが発生することを防止することができる。
【0061】
[上記実施形態の変形例]
上記実施形態では、内枠104の天板の上面(換言すると外面)にリブ301を設けたが、内枠104の天板の下面(換言すると内面)にリブ301を設けてもよい。
【0062】
上記実施形態では、釘を打ち込むことにより外枠を遊技場の島設備に固定する例を挙げたが、例えば、ねじを用いるなど、釘以外の固定部材を用いてもよい。
【0063】
上記実施形態では、島固定穴300a~300dを貫通孔とする例を挙げたが、例えば、貫通孔とせず、釘を打ち込むときの目印となる穴としてもよい。
【0064】
上記実施形態では、カバー406と幕板414とを同一色の樹脂から構成する例を挙げたが、異なる色の部材で構成してもよい。
【符号の説明】
【0065】
100 遊技機
102 外枠
104 内枠
106 前枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14