(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】ペンニードル容器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/00 20060101AFI20230901BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20230901BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
A61M5/00 516
A61M5/00 510
A61M5/32 510B
A61M5/32 510Z
A61M5/32 500
A61G12/00 W
(21)【出願番号】P 2020557288
(86)(22)【出願日】2019-04-11
(86)【国際出願番号】 US2019026922
(87)【国際公開番号】W WO2019204109
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-03-08
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター ポリティス
(72)【発明者】
【氏名】マーク ボウエン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-505043(JP,A)
【文献】特表2008-539871(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0037526(US,A1)
【文献】特開平09-019498(JP,A)
【文献】実開平02-111448(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0210331(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00
A61M 5/32
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
新しい及び使用済みペンニードルを保存するための容器であって、前記容器が、
ハウジングであって、
1以上の新しいペンニードルを保存するように構成された第1の区画と、
1以上の使用済みペンニードルを保存するように構成された第2の区画と、
前記第2の区画から前記第1の区画を分離する可撓性のセパレータと、
汚染を低減するために、前記ハウジングに固定され、且つ第1の区画内に固定された保護用鞘であって、前記ハウジングの内側側面に固定された末端フランジを含む保護用鞘と、
を含むハウジング
を含み、
前記第1及び第2の区画は、新しい及び使用済みペンニードルの種々の組み合わせに適合して大きさが調節可能である、容器。
【請求項2】
前記第1及び第2の区画は、容器の全体の大きさが同じに維持されながら、正反対に大きさが可変化するように構成された、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記可撓性のセパレータが、前記新しい及び使用済みペンニードルの種々の組み合わせに適合して移動す
る、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記可撓性セパレータの末端を前記ハウジングに固定する1以上のピンを更に含む、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記保護用鞘が、ハウジングの上部及び底部内側表面に加圧され、封止される上部表面及び底部表面を含む、請求項
1に記載の容器。
【請求項6】
前記第1及び第2の区画が同じスペースを占めることができる、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記第1及び第2の区画が新しい及び使用済みペンニードルを混合しないように、分離して封入される、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記種々の組み合わせが、複数の新しいペンニードルを含み、使用済みペンニードルを含まない、請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記種々の組み合わせが、複数の使用済みペンニードルを含み、新しいペンニードルを含まない、請求項1に記載の容器。
【請求項10】
前記ハウジングから1以上の新しいペンニードルにアクセスし、これを取り出すドアを更に含む、請求項1に記載の容器。
【請求項11】
前記1以上の使用済みペンニードルをハウジングに配置するための開口であって、
前記開口が、前記ドアと反対側のハウジングの外側表面に配置される
請求項
10に記載の容器。
【請求項12】
前記1以上の使用済みペンニードルの針を曲げるように構成された針曲げ機構を更に含む、請求項1に記載の容器。
【請求項13】
前記針曲げ機構が
、前記1以上の使用済みペンニードルをハウジングに配置するための開口の近くに固定された曲面を含む、請求項
12に記載の容器。
【請求項14】
前記1以上の使用済みペンニードルの1つが、
前記1以上の使用済みペンニードルをハウジングに配置するための開口内に配置され、針曲げ機構に係合したとき、前記使用済みペンニードルの針が、針曲げ機構から外れる前に曲げられ、第2の区画に完全に入る、請求項
12に記載の容器
【請求項15】
前記針曲げ機構はハウジングに一体化される、請求項
13に記載の容器。
【請求項16】
前記ハウジングに前記セパレータを固定する2以上のピンとを更に含み、
前記2以上のピンがハウジングの溝に沿って移動し、前記第1及び第2の区画の大きさを調節する、請求項1に記載の容器。
【請求項17】
前記
可撓性のセパレータの一方の末端を前記ハウジングに回転可能に固定する第1のピンと、
前記
可撓性のセパレータの他方の末端を前記ハウジングの溝に固定する第2のピンとを更に含み、
前記第2のピンが前記溝の上を移動し、前記第1及び第2の区画の大きさを調節するために前記
可撓性のセパレータを移動する、請求項
1に記載の容器。
【請求項18】
前記可撓性のセパレータは、互いに入れ子型になっており、移動の間に長さ及び形状が変化して前記第1及び第2の区画の大きさを調節する、数個のセグメント
を含む、請求項1に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年4月19日に提出された米国仮出願番号第62/659,912に対する米国特許法119条(e)の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本明細書に取り込む。
【0002】
本発明は、薬剤送達ペンに使用するための、新しい及び使用済みペンニードルを封入するペンニードル容器に関する。
【背景技術】
【0003】
使用前にペンニードルを保存すること、及び、引き続いて、未使用のペンニードルから分離して使用済みペンニードルを保存し、汚染を防止することは、医療界における周知の習慣である。しかし、大きさの制約があり、従って、最適化された針の保存機構(arrangement)が望まれている。
【発明の概要】
【0004】
新しいペンニードル及び使用済みペンニードルを保存するために同じスペースを再利用するが、混合及び汚染を防止するペンニードル容器を提供することが、本発明の一側面ある。具体的には、柔軟な又は可動性なセパレータが、新しい及び使用済みペンニードルをそれぞれ保存する2区画を分離する。セパレータは、保存される新しい及び使用済みペンニードルの数に応じて正反対に区画の大きさを変化させることができる。
【0005】
本発明の他の側面は、上述のように、大きさが同様の柔軟性を提供し、汚染を低減するための、例えばプラスチックバッグで作製された区画を提供する。
【0006】
本発明の更なる側面は、容器内に保護用鞘を提供する。この保護用鞘は柔軟なセパレータに係合し、新しいペンニードルの区画への流体の汚染を防ぐことができる。
【0007】
最後に、本発明の他の側面は、使用済みペンニードルの針を曲げて、針を使用不能にする針の曲げ機構(bending feature)を提供する。使用済みペンニードルの曲がった針はまた、セパレータが穿刺に耐性である必要性を低減する。
【0008】
本発明の上記の側面及び/又は他の側面は、新しい及び使用済みペンニードルを保存するための容器であって、1以上の新しいペンニードルを保存するように構成された第1の区画と、1以上の使用済みペンニードルを保存するように構成された第2の区画を含み、前記第1及び第2の区画が、大きさを調節可能であり、新しい及び使用済みペンニードルの種々の組み合わせに適応する容器を提供することによって実現されうる。
【0009】
本発明の追加の及び/又は他の側面、及び利点は、以下の明細書に説明され、又は明細書から明らかであり、又は本発明の実行によって知ることができるであろう。
【0010】
本発明の上記側面及び特徴は、添付の図面を参照した本発明の例示的な実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、ペンニードル容器の第1の例示的な実施形態の正面斜視図を示す。
【
図3】
図3は、上部カバーを外した
図1のペンニードル容器の正面斜視図を示す。
【
図4】
図4は、上部カバーを外した
図1のペンニードル容器の後部斜視図を示す。
【
図5】
図5は、上部カバーを外した
図1のペンニードル容器の上面図を示す。
【
図6】
図6は、鞘を有し、上部カバーを外したペンニードル容器の第2の例示的実施形態の正面斜視図を示す。
【
図7】
図7は、針曲げ機構を有し、上部カバーを外したペンニードル容器の第3の例示的実施形態の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(例示的実施形態の詳細な説明)
図1及び2は、ペンニードル容器10を示す。ペンニードル容器10は、外側表面40、外側側面41、43及び外側底面(図示せず)を備える、上部カバーを有するハウジング12を含む。外側の前部側面41は、ハウジング12に保存された新しいペンニードル20の1つ以上にアクセスし、これらを取り出すためのドア60を含む。
【0013】
外側の後部側面43は、開口62を含み、1以上の使用済みペンニードル30をハウジング12に配置し、又は廃棄する。開口62は、当産業で周知の、典型的なシャープスコンテナと同様に操作される。具体的には、開口62は、使用済みペンニードルのハブを、薬剤送達ペンにまだ接続されている間に、係合する。使用者は、続いて、薬剤送達ペンを回転させ薬剤送達ペンからペンニードルを、ねじをゆるめて外す。この後、使用済みペンニードル30は、ハウジング12内に入り、取り除くことができなくなる。
【0014】
開口62はまた、ドア60の反対側の外側表面上に配置される。言い換えれば、外側の前部側面41と外側の後部側面43は互いに反対側にある。この構成は、有利には、開口62とドア60の間の適切な分離を提供することによって、2つのアクセスポート間の混同を防止する。
【0015】
図3~5は、カバーを除去し、ハウジング12の内側底面42及び内側側面44を示したペンニードル容器10を示す。これらの表面42、44は、新しい及び使用済みペンニードル10、30を支持し、収容する。これらの表面42、44は、
図1及び2に示されるように、ハウジング12内に封入される。
【0016】
図3~5は。ペンニードル容器10内の新しいペンニードル20と使用済みペンニードル30を示す。新しいペンニードル20のそれぞれは、新しいペンニードル20を封入し、封止し、及びパッケージングするためのカバー22及びシール24を含む。新しいペンニードル20は、ペンニードル容器10の第1の区画50に置かれる。第1の区画50は、使用者が新しいペンニードル20の1つを取り出すためのドアによってアクセスされる。
【0017】
カバー22及びシール24は、新しいペンニードル20を薬剤送達ペンに結合するために除去される。続いて、薬剤送達ペン及び新しいペンニードル20が薬剤送達に使用される。
【0018】
使用後、使用済みペンニードル30が第2の区画52に廃棄される。第2の区画52は、使用者が上述の使用済みペンニードル30の1つを配置又は廃棄するために、開口62によってアクセスされる。
【0019】
一実施形態では、第1及び第2の区画50、52は、可撓性のセパレータ70によって分離される。このような構成は、有利には、第1及び第2の区画50、52について別々の封入を提供する。また、セパレータ70は、有利には、内容物の混合、具体的には、それぞれの区画50、52において、新しい及び使用済みペンニードル20、30の混合を防止する。セパレータ70は、好ましくは、可撓性エラストマー材料で構成され、ストラップ、膜又は固定ラバーバンドを含みうる。セパレータ70はまた、追加のシーリング保護のために、穴あけに耐性である。
【0020】
セパレータ70の端部は、ピン72を介してハウジング12に固定される。具体的には、
図5に示されるように、ピン72は、ハウジング12の内側底面42に、例えば圧入によって固定される。好ましい実施形態では、セパレータ70の端部は、ピン72の回りに滑り込ませるループ状の端部を備える。セパレータ70の端部は、有利には、自由に回転し、セパレータ70の移動を妨げないように構成される。
【0021】
別の実施形態では、セパレータは、例えば接着剤によりピン72に係合される。更に別の実施形態では、ピン72は、セパレータ70の端部の円筒状の棒によって置き換えられる。この円筒状の棒は、ハウジング12の凹部にフィットする。円筒状の棒は、ハウジングの上部及び底部表面の穴に係合するように伸びることができる。例示的な実施形態が本明細書に開示されるが、種々の固定方法及び取り付け具が、ペンニードル容器10のセパレータ70に対して企図される。
【0022】
セパレータ70は以下の利点を提供する。セパレータ70は、第1及び第2の区画50、52が、固定ではなく、フレキシブルな又は調節可能な大きさ(体積)となることを可能にする。このような構成は、新しい及び使用済みペンニードル20、30の数が、ペンニードル容器10内のペンニードル20、30の寿命及び使用期間で変化するので、有利である。従って、ペンニードル容器10に存在する新しい及び使用済みペンニードル20、30の種々の組み合わせに適合して、区画50、52が大きさを変化することは有利である。
【0023】
別の利点は、第1及び第2の区画50、52が、ペンニードル容器10内のペンニードル20、30の寿命及び使用期間で、大きさを変化させる場合、第1の及び第2の区画40、52は異なる期間で同じスペースに調節され、同じスペースを占めるように構成される。言い換えれば、第1の区画50が7個の新しいペンニードル20を収容し、第2の区画は使用済みペンニードルを含まない場合、セパレータ70が曲がり、第1の区画50をより大きくし、第2の区画をより小さくする。
図3~5に示された構成に基づけば、第1の区画50は第2の区画52よりも大きい。
【0024】
一方、第2の区画52が7個の使用済みペンニードル30を収容し、第1の区画50が新しいペンニードル20を含まない場合、セパレータ70が曲がり、第2の区画52をより大きくし、第1の区画をより小さくする。
図3~5に示された構成に基づけば、第2の区画52は第1の区画50よりも大きい。
【0025】
第1の区画50が広がったとき、及び第2の区画52が広がったときの異なる時間での、セパレータ70の可撓性によるセパレータ70の移動は、同じスペースの使用又はオーバーラップを可能にする。これは、正反対の関係で、一方の区画が広がりながら、他方の区画が縮み、その逆も同じであり、容器10の全体積が同じに保たれるからである。これは、ペンニードル容器10の寿命及び使用期間全体で起こる。即ち、第1及び第2の区画50、52は、異なる時間で同じスペースを共有することができる。このような構成は、ペンニードル容器10のコンパクト化をもたらし、2つの柔軟性のない(固定した大きさの)区画と比較したときに、全体の大きさを減少させ、任意の時間で空のスペース(未使用のスペース)の量を減少しつつ、ペンニードル容器10の利用可能なスペースを最適化する。
【0026】
ペンニードル容器10の任意の大きさ及び形状、並びに新しい及び使用済みペンニードル20、30の任意の組み合わせがこの開示で考慮されるが、これらは本明細書で説明したのと同様の利点を提供する。例えば、一実施形態によれば、ペンニードル容器10は、複数の新しいペンニードル20を含み、使用済みペンニードル30を含まない。他の実施形態によれば、ペンニードル容器10は、複数の使用済みペンニードル30を含み、新しいペンニードル20を含まない。別の実施形態では、ペンニードル容器10は、複数の使用済みペンニードル30と複数の新しいペンニードル20を含む。
【0027】
図6は、ペンニードル容器10の第2の実施形態を示す。この実施形態は、保護用鞘280を追加して、
図1~5の構成を全て含む。好ましい実施形態では、保護用鞘280及びセパレータ70は、両方ともハウジング12に固定され、互いには固定されない。この構成は、有利には、保護用鞘280とセパレータ70が互いに対して動くことを可能にする。
【0028】
保護用鞘280はまた、ハウジング12の内側表面に固定される。具体的には、保護用鞘280は、2つの末端フランジ282、上部表面284及び底部表面(不可視)を含む。末端フランジ282は、ハウジング12の内側側面44に、例えば、接着剤、溶接、熱カシメ、リベット及びスナップフィットアセンブリの1つによって固定され及び封止される。
【0029】
保護用鞘280の上部表面284は、ハウジング12の外側上部表面に向い合せの内側上部表面(図示せず)に封止される。保護用鞘280の底部表面(図示せず)はまた、ハウジング12の内側底部表面42にも封止される。この様式では、保護用鞘280は、2つの表面の間で加圧され、封止されるO-リングの機能と同様に、ハウジング12の上部及び底部内側表面42に加圧により封止される。
【0030】
保護用鞘280は、第1の区画50内に配置され、有利には、汚染を減少し、生物学的有害物質が第1の区画50の新しいペンニードル20と混合するのを防ぐ。保護用鞘280はまた、流体の吸収を防ぎ、第2の区画52から第1の区画50への汚染物の流入を最小限にする。
【0031】
代替の実施形態では、保護用鞘280は、例えば、熱カシメ又は接着剤によりセパレータ70に固定され、互いに移動し、曲がることによってセパレータ70と共働する。従って、保護用鞘280及びセパレータ70は、一つのまとまった部品として機能する。
【0032】
別の実施形態では。第1及び第2の区画50、52の少なくとも1つは、ハウジング12の内側表面に封止されたプラスチックバッグを含む。この構成では、保護用鞘280は必要とされない。これは、一方の区画の内容物がプラスチックバッグによって封入されるので、区画50、52の一方の自己密封性によるものである。即ち、一方の区画がプラスチックバッグである場合、汚染物が2つの区画50、52の間を通過することができない。
【0033】
図7及び
図8は、上述の第1及び第2の実施形態の一方又は両方を取り込み、更に針曲げ機構364を含む、ペンニードル10の第3の実施形態を例示する。針曲げ機構364は、使用済みペンニードルが廃棄用の開口62に挿入される間に、1以上の使用済みペンニードル30の針を曲げて使用不能にするように構成される。
【0034】
具体的には、針曲げ機構364は、ハウジング12の内側に固定され、開口62に隣接した曲線又は傾斜した表面を含む。他の実施形態では、針曲げ機構364は、ハウジング12に一体化される。針曲げ機構364の曲面は、有利には、針をうまく曲げるような種々の角度で使用済みペンニードル30の針に係合する。
【0035】
好ましくは、開口62は、円筒状のガイド通路を含むように構成される。円筒状のガイド通路は、第2の区画52に伸び、有利には、使用済みペンニードル30の針が針曲げ機構364に確実に向けられるようにする。
【0036】
動作中では、使用済みペンニードル30が、ハウジング12の第2の区画52に配置されたとき、使用済みペンニードル30は、まず、開口62に入る。直ちに、使用済みペンニードル30の針が針曲げ機構364に接触する。針曲げ機構364は、使用済みペンニードル30の針へ強制的に係合するようにハウジング12に特に配置される。使用者は、使用済みペンニードル30を開口62及び針曲げ機構364に押し込み、圧を加える。
【0037】
使用者により加えられた圧力の結果として、針曲げ機構364は使用済みペンニードル30の針を曲げる。即ち針は、使用済みペンニードル30のハブの方に後ろ向きに曲げられる。言い換えれば、ハウジング12内の開口62及び針曲げ機構364は、使用済みペンニードル30の針が案内され、針が曲がるように針曲げ機構364に押し付けられる。従って、使用済みペンニードル30の針は、十分に曲げられ、更なる使用が不可能になる。
【0038】
使用不能になった後、使用済みペンニードル30は、曲がった針により長さが減少され、追加の隙間が提供される。従って、使用済みペンニードル30は、この隙間を通して針曲げ機構364から外れることができ、廃棄のための第2の区画52に完全に入ることができる。言い換えれば、使用済みペンニードル30のハブが開口を通して、ハウジング12内に十分に遠くまで押され、完全に針が曲げられると、使用済みペンニードル30が自由になり、第2の区画52に入る。
【0039】
使用済みペンニードル30が使用不能になることは、ともすれば、多くの使用済みペンニードル30が密にパッケージングされた構成で第2の区画52に存在する場合に起こりうるような、セパレータ70及び/又は保護用鞘280の穴あけを低減する。更に、セパレータ70及び/又は保護用鞘280が穴あけに耐性となる必要性が、減少する。
【0040】
上で開示された実施形態と同様であるが、図示していない別の実施形態では、セパレータ70は、堅く可動性のものである。具体的には、セパレータ70は、
図5~7のものと同様に、ピン72に固定されるが、この場合、ピン72が、ハウジング12の内側上部表面(図示せず)及び内側底部表面42に沿って配置された溝と、可動に係合され、その溝に移動する。従って、第1の区画50が伸び、第2の区画52が縮む場合、セパレータ70は、ピン72及び溝を介して右に移動又はスライドする。一方、第2の区画52が伸び、第1の区画50が縮む場合、セパレータ70は、ピン70及び溝を介して左に移動又はスライドする。ピン72と溝の間の係合は、非常に精密であり、汚染物の通過を低減し、加えて、妨害なくセパレータ70の滑らかな移動を提供する。
【0041】
別の図示していない実施形態では、セパレータ70は、状況に応じて、第1及び第2の区画50、52を伸び縮みさせるスライドに代えて、蝶番式に旋回するか、又は回転する。動作中では、一方のピン72が、セパレータ70及びハウジング12に回転可能に固定され、他方のピン72がハウジング12の曲線の溝に沿って移動し、これによって、状況に応じて、第1及び第2の区画50、52を伸び縮みする。他のピン72は固定さるが、セパレータ70の移動の間に、ゆがみを低下するように、適切な位置に回転する。
【0042】
更に別の図示していない実施形態では、セパレータ70は、互いに入れ子式になった数個のセグメントで作製される。各セグメントは堅いが、セパレータ70は曲がった形状であり、移動の間にその長さを変化することができ、有利には、第1及び第2の区画50、52のより効果的な物理的分離を提供できる。
【0043】
特定の例示的実施形態の上述の詳細な説明は、本発明の原理及びその実用的な適用を説明する目的で提供されており、これによって、当業者は様々な実施形態について、及び意図された特定の使用に適する様々な修飾を伴った本発明を理解することができる。この説明は、網羅的であること、又は開示された寸分違わない実施形態に本発明を制限することを必ずしも意図していない。本明細書で開示された実施形態及び/又は要素は、これらが互いに矛盾しない限り、いずれも、互いに組み合わされて、具体的に開示されていない様々な追加の実施形態を形成できる。従って、追加の実施形態が可能であり、この明細書及び本発明の範囲内に含まれることが意図される。本明細書は、他の方法で実現可能な一般的目標を達成するための具体例を説明している。
【0044】
この適用で使用される、用語「前」、「後ろ」、「上」、「下」、「上方向」、「下方向」及び他の方向を示す語句は、本発明の例示的実施形態の説明を容易にすることを意図したものであり、本発明の例示的実施形態の構造を、任意の特定の位置又は方向に制限することを意図しない。「実質的に」又は「ほぼ」などの程度を示す用語は、与えられた数値の妥当な外側の範囲、例えば、製造、アセンブリ、説明した実施形態の使用に関連した一般的な許容範囲をいうと、当業者に理解される。