(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】ハニカム構造強化機能を有するハニカム体及びそのための押出ダイ
(51)【国際特許分類】
B28B 3/20 20060101AFI20230901BHJP
B28B 3/26 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
B28B3/20 E
B28B3/26 A
(21)【出願番号】P 2020566263
(86)(22)【出願日】2019-05-30
(86)【国際出願番号】 US2019034551
(87)【国際公開番号】W WO2019232148
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-25
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ケネス リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ダンホン
(72)【発明者】
【氏名】ニッカーソン,セス トーマス
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/078946(WO,A2)
【文献】特開2012-030219(JP,A)
【文献】国際公開第2016/013516(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/039325(WO,A1)
【文献】特表2007-524030(JP,A)
【文献】特開2006-239603(JP,A)
【文献】特表2010-504853(JP,A)
【文献】国際公開第98/005602(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 3/20-3/26
C04B 38/00-38/10
F01N 3/022
F01N 3/28
B01J 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム体であって、ハニカム構造と、
周辺スキンと
を備えており、
前記ハニカム構造が、前記周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁を備えており、前記周辺セルが、前記周辺スキンと交差する前記壁の一部で構成されており、
ある特定の壁が前記周辺スキンに近接して互いに交差する1つ以上の円周方向位置において、前記周辺スキンを前記円周方向の位置で前記ある特定の壁と接続する移行ウェブが提供され、前記移行ウェブが対向する半径を含み、ここで、前記対向する半径の少なくとも一方が、前記ある特定の壁の平面に沿って延びる延長線を通過し、かつ少なくとも1つのアンダーカットを含む、
ハニカム体。
【請求項2】
ハニカム構造を含むハニカム体の製造方法であって、該方法が、
押出ダイを通してバッチ材料を押し出し、ハニカム構造を形成する工程、を含み、前記ハニカム構造が、周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁と、
第1の壁と第2の壁との交差位置から半径方向に延びる移行ウェブと
を備えており、前記第1の壁及び前記第2の壁が、円周方向位置で2つの隣接する周辺セルの側面を形成し、前記移行ウェブが、第1の半径及び第2の半径を含む対向する半径を含み、前記第1の半径が前記第2の壁に沿って延長線を通過し、かつ第1のアンダーカットを含み、前記第2の半径が、前記第1の壁に沿って延長線を通過し、かつ第2のアンダーカットを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容全体がここに参照することによって本願に援用される、2018年5月31日出願の米国仮特許出願第62/678,768号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示の実施形態は、ハニカム構造を含むハニカム体に関し、より詳細には、高いアイソスタティック(ISO)強度を有するハニカム構造を含む、押出成形ハニカム体に関する。
【背景技術】
【0003】
壁厚が比較的薄いセラミックハニカム構造は、排気の後処理システムに利用することができる。壁が薄くなると、ISO強度が低くなるという問題が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、改善されたISO強度を提供するハニカム構造を含むセラミックハニカム体など、ハニカム構造を含むハニカム体を含む。
【0005】
本開示の実施形態は、ハニカム構造のISO強度を改善する、ハニカム構造の周辺スキンに近接した周辺セル構成を含むハニカム構造を含むハニカム体を製造する方法を含む。
【0006】
本開示の実施形態はまた、改善されたISO強度を有する、ハニカム構造の周辺スキンに近接した周辺セル構成を含むハニカム構造を含むハニカム体を製造するように構成された押出ダイも含む。
【0007】
本開示の別の実施形態は、ハニカム構造と、最外周層又は周辺スキンとを備えたハニカム体を含む。ハニカム構造は、周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁を備えており、周辺セルの1つ以上は、第1の壁面、第2の壁面、及び第1の壁面と第2の壁面との間に延びるスキン表面部分によって少なくとも部分的に画成されており、該スキン表面部分は、第1の壁面との第1の接線から第2の壁面との第2の接線まで延びる連続的に変化する半径を有している。
【0008】
本開示の別の実施形態は、ハニカム構造と、最外周層又は周辺スキンとを含むハニカム体を含む。ハニカム構造は、周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁を備えており、周辺セルの1つ以上は、第1の壁面、第2の壁面、及び第1の壁面と第2の壁面との間に延びるスキン表面部分によって少なくとも部分的に画成されており、該スキン表面部分は、スキン表面部分上の第1の点とスキン表面部分上の第2の点との間に延びる連続的に変化する半径を有している。
【0009】
本開示の別の実施形態は、ハニカム構造と、最外周層又は周辺スキンとを備えたハニカム体を含む。ハニカム構造は、周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁を備えており、周辺セルは、周辺スキンと交差する壁の一部で構成されている。ある特定の壁が半径方向位置で周辺スキンに近接して互いに交差する、1つ以上の半径方向位置において、半径方向位置で周辺スキンをある特定の壁と接続する移行ウェブが配置され、該移行ウェブは対向する半径を含み、ここで、対向する半径の少なくとも一方は、ある特定の壁の平面に沿って延びる延長線を通過し、かつ少なくとも1つのアンダーカットを含む。
【0010】
本開示の別の実施形態は、ハニカム押出ダイを含む。ハニカム押出ダイは、周辺スキン形成マスクと、ダイ本体とを備えており、該ダイ本体は、入口面、出口面、及び該出口面に配置され、かつ出口面に配置された交差するスロットのマトリクスを画成するように配置された複数のピンを備えており、該複数のピンは、周辺スキン形成マスクに直接隣接して配置された周辺ピンを含み、該周辺ピンの1つ以上は、第1のピン表面、第2のピン表面、及び第1のピン表面と第2のピン表面との間に延び、かつ周辺スキン形成マスクに沿って延びる第3のピン表面によって少なくとも部分的に画成されており、第3のピン表面は、第1のピン表面との第1の接線から第2のピン表面との第2の接線まで延びる、連続的に変化する半径を有している。
【0011】
本開示の別の実施形態は、ハニカム押出ダイを含む。ハニカム押出ダイは、周辺スキン形成マスクとダイ本体とを備えている。ダイ本体は、周辺スキン形成マスクに直接隣接して配置された周辺ピンと、ダイ本体の中央に形成された中央ピンとを含む複数のピンを含んでおり、該複数のピンは複数のスロットを画成する。ダイ本体はまた、周辺スキン形成マスクとダイ本体との間に配置されたスキン形成領域も含み、ここで、2つの隣接する周辺ピンの側面が第1のスロット及び第2のスロットを画成し、第1のスロット及び第2のスロットは、円周方向位置のスキン形成領域に直接近接する交差位置で互いに交差し、移行スロットは、交差位置から円周方向位置のスキン形成領域まで半径方向に延び、該移行スロットは、第1の半径及び第2の半径を含む対向する半径を含み、第1の半径は、第2のスロットに沿ってスロット側面延長線を通過し、かつ第1のアンダーカットを含み、第2の半径は、第1のスロットに沿って側面延長線を通過し、かつ第2のアンダーカットを含む。
【0012】
本開示の別の実施形態は、ハニカム構造を含むハニカム体の製造方法を含む。ハニカム構造の製造方法は、押出ダイを通してバッチ材料を押し出し、周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成するハニカム構造壁を形成する工程を含み、周辺セルの1つ以上は、第1の壁面、第2の壁面、及び第1の壁面と第2の壁面との間に延びる周辺スキンのスキン表面部分によって少なくとも部分的に画成されており、該スキン表面部分は、第1の壁面との第1の接線から第2の壁面との第2の接線まで延びる、連続的に変化する半径を有する。
【0013】
本開示の別の実施形態は、ハニカム構造を含むハニカム体の製造方法を含む。ハニカム体の製造方法は、押出ダイを通してバッチ材料を押し出し、周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁を備えたハニカム構造を形成する工程と、第1の壁と第2の壁との交差位置から半径方向に延びる移行ウェブを形成する工程とを含み、第1の壁及び第2の壁は、円周方向位置で2つの隣接する周辺セルの側面を形成し、移行ウェブは、第1の半径及び第2の半径を含む対向する半径を含み、ここで、第1の半径は、第2の壁に沿って延長線を通過し、かつ第1のアンダーカットを含み、第2の半径は、第1の壁に沿って延長線を通過し、かつ第2のアンダーカットを含む。
【0014】
本開示の追加の特徴は、以下の説明に記載され、一部にはその説明から明らかになり、あるいは本開示を実施することによって学習することができる。
【0015】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれる添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、本開示の実施形態を例示し、その説明とともに、本開示を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1B】実施形態による、ハニカム押出物が押し出されている押出装置の斜視側面図
【
図3A】実施形態による、連続的に可変の半径を有する周辺セルを含むハニカム構造の端部の拡大部分図
【
図3B】実施形態による、周辺スキンに隣接する周辺セルを含むハニカム構造の拡大図
【
図3C】実施形態による、周辺スキンと壁の交差との間に延びる移行ウェブを示すハニカム構造の拡大図
【
図4A】壁と周辺スキンとの間の小さい半径を示す、従来のハニカム構造の一部の端部平面図
【
図4B】周辺スキンの内面の一部に沿った半径寸法のプロット
【
図4C】1つ以上の実施形態による、周辺スキンの内面の一部に沿った半径寸法のプロット
【
図5A】1つ以上の実施形態による、ハニカム構造を押し出すように構成された押出ダイの前面の正面平面図
【
図5C】実施形態による、スキン形成領域に隣接する
図5Aの押出ダイの一部の部分端面図
【
図6】実施形態による、ハニカム構造の製造方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
内燃エンジンからの排ガスの後処理には、高表面積の基体上に担持された触媒材料又は触媒を使用することができ、一部のエンジンの場合、粒子を除去するための触媒フィルタ又は非触媒フィルタを使用することができる。これらの用途でのフィルタ及び触媒基体は、耐火性、耐熱衝撃性、ある範囲の酸素分圧pO2条件下で安定、触媒システムと非反応性であってよく、かつ排ガスの流れに対して低い耐性を提供することができる。本明細書に記載される「ハニカム体」を利用して、多孔質セラミックのフロースルーハニカム基体及びウォールフローハニカムフィルタを製造することができる。
【0018】
ハニカム構造を含むハニカム体は、セラミック又はセラミック前駆体、若しくはその両方を含みうる無機材料、有機結合剤(例えば、メチルセルロース)、及び液体ビヒクル(例えば、水)、並びに任意選択的な細孔形成剤、レオロジー改質剤などを含む、バッチ混合物、例えば、セラミック形成バッチ組成物から形成することができる。焼成されると、セラミック形成バッチ組成物は、多孔質セラミック材料、例えば、排気の後処理の目的に適した多孔質セラミックへと変換又は焼結される。形成される(一又は複数の)セラミックは、コージエライト、チタン酸アルミニウム、ムライト、コージエライトとムライトとチタン酸アルミニウムの組合せ(例えば、コージエライト、ムライト、及びチタン酸アルミニウム(CMAT)など)、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素など、並びにそれらの組合せでありうる。
【0019】
ハニカム構造を含むハニカム体は、セラミック形成バッチ組成物がハニカム押出物へと押し出され、切断され、乾燥され、焼成されて、セラミックハニカム構造を形成する、押出プロセスによって形成することができる。押出プロセスは、油圧ラム押出プレス、二段脱気シングルオーガー押出機、二軸押出機を使用して、排出端に取り付けられたダイアセンブリ内の押出ダイを用いて行うことができる。他の適切な押出装置又は他のデバイスを使用して、本明細書に記載されるハニカム構造を形成することもできる。
【0020】
このようなハニカム構造の生産に用いられるハニカム押出ダイは、例えば、スキン形成マスクと組み合わせた壁形成ダイ本体を含む多部品アセンブリでありうる。例えば、米国特許第4,349,329号及び同第4,298,328号の各明細書には、スキン形成マスクを含むダイ構造が開示されている。ダイ本体には、好ましくは、ダイ面に形成された排出スロットのアレイにつながり、それと交差するバッチ繰出し孔が組み込まれ、それを通してセラミック形成バッチ組成物が押し出される。押し出しは、中央のセル状ハニカム構造を形成する、十字交差する壁の相互接続アレイを形成する。外周スキンの形成にマスクを使用することができる。マスクは、ハニカム構造のスキンの周囲を画成する、カラーの形態などのリング状の周辺構造でありうる。ハニカム構造の周辺スキン層は、マスクとダイ本体の中央のセル状ハニカム構造形成部分との間にセラミック形成バッチ組成物を押し出すことによって形成することができる。
【0021】
ハニカム押出物と呼ばれる押し出された材料を切断して、エンジン製造業者のニーズを満たすような形状及びサイズのハニカム構造を含むハニカム体を形成するなど、ハニカム体を生成することができる。あるいは、ハニカム押出物は、ハニカム構造を形成するために一緒に接続又は結合することができるハニカムセグメントの形態であってもよい。これらのハニカムセグメント及び結果として生じるハニカム構造は、任意のサイズ又は形状にすることができる。ハニカム押出物が押し出されると、ハニカム押出物の長さに沿って、外周面などの外側の押し出された表面を提供することができる。幾つかの実施形態では、ハニカム構造の端部は塞がれていないが、必要に応じて(例えば、ハニカムフィルタを製造するために)、特定の通路をあるパターンで塞ぐことができる。
【0022】
図1Aは、連続二軸押出装置などの押出装置20の一実施形態の部分断面側面図を示している。押出装置20は、その中に形成され、互いに連通している第1のチャンバ部分24及び第2のチャンバ部分26を備えたバレル22を含む。バレル22は、モノリシックとすることができ、あるいはそれは、長手方向(例えば、軸方向)に連続して接続された複数のバレルセグメントから形成することができる。第1のチャンバ部分24及び第2のチャンバ部分26は、バレル22を通って、上流側28と下流側30との間で長手方向に延びる。バレル22の上流側28には、バッチ材料33を押出装置20に供給するために、ホッパー又は他の材料供給構造を含むことができる供給ポート32が提供されうる。パグ、より小さい小球、形成された粒子、又は他の任意の適切な形態でバッチ材料33を供給することによって、バッチ材料33を連続的又は半連続的に供給ポート32に供給することができる。
【0023】
バッチ材料33をハニカム押出物37などの所望の形状へと押し出すために、ハニカム押出ダイ34がバレル22の下流側30の排出ポート36に設けられている。ハニカム押出ダイ34は、バレル22の端部などで、バレル22の排出ポート36に関して結合することができる。ハニカム押出ダイ34は、バッチ材料33がハニカム押出ダイ34に到達する前に、安定したプラグタイプの流れ前面の形成を容易にするために、概して開いた空洞、スクリーン及び/又はホモジナイザー(図示せず)などの他の構造を先行させることができる。
【0024】
図1Aに示されるように、一対の押出機スクリュがバレル22に取り付けられている。第1のスクリュ38は、第1のチャンバ部分24内に少なくとも部分的に回転可能に取り付けられ、第2のスクリュ40は、第2のチャンバ部分26内に少なくとも部分的に回転可能に取り付けられる。第1のスクリュ38及び第2のスクリュ40は、示されるように、互いに略平行に配置されうるが、それらはまた、互いに対してさまざまな角度で配置することもできる。第1のスクリュ38及び第2のスクリュ40はまた、同じ方向又は異なる方向に回転するためにバレル22の外側に配置された駆動モータなどの駆動機構に結合されてもよい。第1のスクリュ38及び第2のスクリュ40の両方が、伝達又はギア機構を介して単一の駆動機構(図示せず)に、又は示されるように個々の駆動機構42A、42Bに結合されうることが理解されるべきである。第1のスクリュ38及び第2のスクリュ40は、軸方向とも呼ばれる押出方向35への圧送及び混合作用により、バッチ材料33を、バレル22を通して移動させる。
【0025】
図1Bは、押出装置20の端部と、そこから押し出されているハニカム押出物37とを示している。バッチ材料33がハニカム押出物37として押出装置20を出る、押出機前端102を備えた押出装置20が示されている。押出機前端102の近くに配置された押出機カートリッジ104は、ハニカム押出ダイ34(
図1Bには示されていない)及びスキン形成マスク105などの押出ハードウェアを含みうる。ハニカム押出物37は、第1の端面114及び、押出機前端102と第1の端面114との間に延びる長さ115を含む。ハニカム押出物37は、複数のチャネル108と外周スキン表面110(スキン)とを含みうる。複数の交差する壁120は、互いに交差し、押出方向35に延びるチャネル108を形成することができる。例えば、押出方向35に延びるように示される単一のチャネル108’を形成する交差する壁120が、例示のために破線で示されている。軸方向35に垂直な最大断面寸法が、寸法116で示されている。例えば、示されているハニカム押出物37の第1の端面114の断面が円形の場合、最大寸法116は、円形の第1の端面114の直径でありうる。ハニカム押出物37の第1の端面114の断面が長方形の場合、最大寸法116は、長方形の第1の端面114の対角線でありうる。第1の端面114の断面形状は、楕円形、レーストラック状、正方形、長方形(非正方形)、三角形又は三葉状、非対称、対称、若しくは他の所望の形状、及びそれらの組合せでありうる。
【0026】
押出装置20を軸方向35に出ると、ハニカム押出物37は、硬化してよく、また、軸方向に延在し、同じく軸方向に延在するチャネル108及び軸方向に延在する外周スキン表面110を形成する、軸方向に延在する交差壁120のハニカム構造又はハニカムマトリクス126を含みうる。外周スキン表面110は、同じバッチ材料33からハニカムマトリクス126と共に押し出されるスキンであってよく、一体的に形成された共押し出しスキンでありうる。ハニカム押出物37は、ハニカム構造を含む未焼成のハニカム体へと切断又は他の方法で形成することができる。本明細書で用いられる場合、未焼成のハニカム構造とは、焼成前の乾燥された押出物を指す。
【0027】
押し出しは、
図1Bには水平方向として示されているが、本開示はそのように限定されず、押し出しは、水平、垂直、又はそれに対して幾らかの傾斜がついていてもよい。
【0028】
図2をさらに参照すると、押出機前端102(
図1B)を出ると、バッチ材料33はハニカム押出物37(
図1B)へと形成され、これをある長さへと切断、乾燥、及び焼成することができ、それによって、第1の端面214と第2の端面218との間に延びる長さ217のハニカム体200が形成されうる。切断は、ワイヤ切断、鋸切断、研磨ホイールなどの切断と研削の組合せ、帯鋸又は往復式鋸による切断、若しくは他の切断方法によって達成することができる。
【0029】
ハニカム体200(焼成後)のハニカム構造のセル密度は、約100セル/平方インチ(cpsi)~約1,500cpsi(約15.5セル/平方センチメートル~約232.5セル/平方センチメートル)でありうる。交差する壁120は、約0.038mm~約1.5mm(約1.5ミル~約60ミル、ここで、1ミルは0.001インチ(約25.4μm)である)の範囲の壁厚を有しうる。例えば、ハニカム体200の幾何学形状は、約8ミル(約0.2mm)の壁厚を有する400cpsi(400/8のハニカム構成として表される)、又は約6ミル(約150μm)の壁厚を有する400cpsi(400/6)でありうる。ハニカム体200の他の幾何学形状には、例えば、100/17、200/12、200/19、270/19、600/4、400/4、600/3、750/2、及び900/2が含まれる。
【0030】
交差する壁120は、焼成後に、幾つかの実施形態では、10μm≦MPD≦16μm、又はさらには11μm≦MPD≦15μmのメジアン細孔径(MPD)を含みうる。開放され、相互接続された多孔率の細孔径分布の幅Dbは、Db≦1.5、又はさらにはDb≦1.0であってよく、ここで、Db=((D90-D10)/D50)であり、式中、D90は、交差する壁120の細孔径分布における球相当径であり、ここで、細孔の90%がそれに等しいかそれより小さい直径を有し、かつ10%がそれより大きい直径を有し、D10は、細孔径分布における球相当径であり、ここで、細孔の10%がそれに等しいかそれより小さい直径を有し、かつ90%がそれより大きい直径を有する。メジアン細孔径(MPD)及び細孔径分布の幅Dbは、例えば、水銀ポロシメトリで測定することができる。
【0031】
複数の第1の壁又は水平壁222は、複数の第2の壁又は垂直壁224と交差して、対向する第1の端面214と第2の端面218との間で軸方向35に延びる相互に隣接するチャネル208を形成することにより、交差する壁222、224のハニカム構造又はハニカムマトリクス226を形成する。軸方向は矢印35で示されており、軸方向35に垂直な最大断面寸法は直径216で示されている。軸方向35は、第1の端面214に垂直に延びうる。水平壁222及び垂直壁224は、周辺スキン210と交差する。以下に説明するように、水平壁222と周辺スキン210との交差及び垂直壁224と周辺スキン210との交差は、従来のハニカム構造における弱い部分を構成しうる。しかしながら、本明細書でさらに説明するように、本明細書に開示されるハニカム体200のハニカム構造は、これらの交差及びハニカム体200の全体的なISO強度を強化する、壁とスキンとの界面構成を含む。
【0032】
第1の端面214は入口面とすることができ、第2の端面218はハニカム体200の出口面とすることができる。ハニカム体200の周辺スキン210は、第1の端面214と第2の端面218との間で軸方向に延在しうる。本明細書に記載される幾つかの実施形態では、ハニカム体200は、より長い丸太状の未焼成のハニカム構造から切り出すことができ、これをさらに焼成することができる。他の実施形態では、未焼成ハニカム構造は、実質的に焼成の準備ができており、焼成後に最終長さ217を生成する、適切なサイズの未焼成ハニカム構造でありうる。
【0033】
ハニカム体200のチャネル208を形成する水平壁222及び垂直壁224は、幾つかの実施形態では、コーティングされうる。例えば、ハニカム体200が触媒コンバータ用途で用いられる場合、水平壁222及び垂直壁224は、排気の後処理用のウォッシュコートなどの触媒含有コーティングでコーティングすることができる。このような用途では、水平壁222及び垂直壁224の開放され、相互接続された多孔率(%P)は、10%~30%、又は15%~25%でありうる。他の実施形態では、ハニカム体200は、水平壁222及び垂直壁224が適切に多孔質であり(例えば、30%~70%の多孔率)、排ガスが水平壁222及び垂直壁224を通過できるようにする微粒子フィルタ用途に使用することができる。例えば、幾つかの実施形態では、壁120の開放され、相互接続された多孔率(%P)は、焼成後、%P≧40%、%P≧45%、%P≧50%、%P≧60%、又はさらには%P≧65%でありうる。幾つかの実施形態では、壁120の開放され、相互接続された多孔率は、35%≦%P≦70%、又はさらには40%≦%P≦60%、又はさらには45%≦%P≦55%でありうる。他の値の%Pも使用することができる。本明細書に記載される多孔率(%P)は、水銀多孔率測定法によって測定される。
【0034】
排ガスを洗浄するための基体及びフィルタなどのハニカム体200を利用する排気後処理デバイスの熱質量は、触媒性能を決定する上で役割を果たすことができる。例えば、冷間始動段階及び低温エンジンサイクル中に、比較的薄い壁及び比較的高いcpsi(比較的高い表面積を提供する)により、高速ライトオフ性能を向上させることができる。これまで以上に厳しい排気ガス規制は、従来のセラミックハニカム構造よりも低い熱質量及び大きい熱交換表面積、並びに低い背圧のための大きい開口率を備えたハニカム体についての長期間未解決であった必要性を浮き彫りにしている。
【0035】
本明細書に開示されるハニカム体200は、従来のハニカム構造より高いISO強度を有する。幾つかの実施形態では、ハニカム体200は、従来のハニカム構造よりも周辺スキンに隣接する半径が大きい構成を含むことができる。幾つかの実施形態では、周辺スキンに隣接する幾つかのセルは、アンダーカットを含みうる。幾つかの実施形態では、周辺スキンに隣接する幾つかのセルは、アンダーカットと、周壁に隣接する連続的に変化する半径との組合せを含みうる。これらのアンダーカット及び/又は連続的に変化する半径は、従来のハニカム構造と比較して、ハニカム体200のISO強度を改善する。
【0036】
本明細書に開示されるハニカム体200はまた、高い耐熱衝撃性及び改善されたISO強度を維持しつつ、改善された耐チッピング性を有することができる。本明細書に記載される機能改善は、正方形チャネル、六角形チャネル、及びカゴメ格子を含めた異なるセル形状を含む複数の異なるハニカム構造に適用することができる。
【0037】
本開示によるハニカム体200のこれら及び他の実施形態が、本明細書の
図1A~
図6を参照して以下にさらに説明される。
【0038】
次に
図3Aを参照すると、これは、ハニカム体200の第1の端面の拡大された一部分を示しており、強化されたISO強度を提供する周辺スキン210に近接する構造の詳細を示している。周辺スキン210は、内面302Aと外面302Bとを含みうる。周辺スキン210の内面302Aと外面302Bとの間の距離は、周辺スキン210の厚さである。周辺スキン210の厚さは、ハニカム体200の周囲全体にわたって変化しうる。例えば、第1の周辺セルの内面302Aと外面302Bとの間の最小厚さは、第2の周辺セルの内面302Aと外面302Bとの間の最小厚さとは異なりうる。ハニカム体200は、複数の中央セル304C及び複数の周辺セル304Pを含む複数のセル304を含みうる(すべてではないが、それらの幾つかは、図面においてラベル付けされている)。上述のように、セル304は、ハニカム体200の長さ217(
図2)に亘って延在する開口部である。周辺セル304Pは、周辺スキン210の内面302Aに隣接する1つ以上の側面を有しうる。例えば、周辺セル304Pの1つの側面又は壁は、周辺スキン210の内面302Aの一部でありうる。幾つかの実施形態では、周辺セル304Pの1つ以上の部分は、周辺スキン210の内面302Aに隣接しうる。
【0039】
セル304は、水平壁222及び垂直壁224などの複数の交差する壁から形成されうる。
図3Aに示されるセル304の構成又はレイアウトは、x方向及びy方向に延びる壁を含みうる。1つ以上のx方向に延びる壁222は、x軸318に沿って又はx軸318に平行に延在し、1つ以上のy方向に延びる壁224は、y軸319に沿って又はy軸319に平行に延在しうる。本明細書に記載されるように、水平壁222及び垂直壁224の幾つかは、ハニカム体200に強度を提供するために、周辺スキン210に近接するx軸318及びy軸319から逸脱しうる。1つ以上のx方向に延びる壁222は、1つ以上のy方向に延びる壁224と直角に交差しうる。他のハニカム構造は、他の角度で交差する壁を含む異なるセル形状を含みうる。例えば、他のハニカム構造は、長方形の非正方形のセル形状、三角形のセル形状、六角形の形状、又はそれらの組合せを含みうる。さらに他のハニカム構造は、半径方向に構成されてよく、台形形状のセルを含みうる。
【0040】
周辺セル304Pの1つ以上は、ハニカム体200の強度を増加させる特徴を含みうる。周辺セル304P及び中央セル304Cの幾つかの拡大図を示す
図3Bをさらに参照する。周辺セル304Pは異なる形状を有しうるが、中央セル304Cは横断面において同じ形状を有しうる。周辺セル304Pの1つの代表的なタイプ(説明のために320とラベル付けされている)は、ハニカム体200の強度を改善するこれらの特徴の少なくとも幾つかを示している。周辺セル320は、第1の壁222上に配置された第1の壁面320A、該第1の壁222に隣接して位置する第2の壁222上に配置された第2の壁面320B、及び第3の壁224上に配置された第3の壁面320Cを含みうる。スキン表面部分320Sが、第1の壁面320Aと第2の壁面320Bとの間に延在しうる。
【0041】
第1の壁面320Aは第1の接線326Aを含むことができ、第2の壁面320Bは第2の接線326Bを含むことができる。スキン表面部分320Sは、第1の壁面320Aとの第1の接線326Aと第2の壁面320Bとの第2の接線326Bとの間で湾曲していてよく、また、第1の壁面320Aとの第1の接線326Aと第2の壁面320Bとの第2の接線326Bとの間に全体に延びる連続的に変化する半径352を含む。幾つかの実施形態では、連続的に変化する半径は非対称である(
図4C参照)。したがって、スキン表面部分320Sは、該スキン表面部分320S上の第1の点とスキン表面部分320S上の第2の点との間に延びる連続的に変化する半径352を有する。
【0042】
図3Bは、中央セル304Cの内壁面への基準を提供するために、x方向及びy方向に沿って延びる延長線を示している。延長線330X1及び延長線330X2はx方向に延びる。
図3Bはまた、y方向に延びる延長線330Y1及び延長線330Y2も示している。延長線330X2は、中央セル304Cの壁面322Aと幾つかの壁平面とに沿って延び、本明細書に記載される一態様による、周辺セル304Pのy方向におけるアンダーカットを示すための基準(説明の目的で336とラベル付けされている)を提供する。延長線330Y2は、中央セル304Cの壁面324Aと幾つかの壁平面とに沿って延び、周辺セル304Pのx方向におけるアンダーカットを示すための基準(説明の目的で320とラベル付けされている)を提供する。
【0043】
延長線330X1は、壁面320Aと中央セル304Cの壁222の壁面322Aとに沿って延び、周辺セル320の第1の接線326Aとの接線を示すための基準を提供する。延長線330Y2は、中央セル304Cの幾つかの壁面324Aに沿って延び、x方向の周辺セル320における追加のアンダーカットを示すための基準を提供する。延長線は、周辺セル304Pが、そうでなければ従来のハニカム構造の周辺セルと同様の形状を有するが、本明細書に記載の修正(例えば、アンダーカット及び半径)のための場所を示しうる。
【0044】
幾つかの実施形態では、周辺セル304Pの隅部半径の幾つかは、中央セル304Cの隅部半径及び従来のハニカム構造とは異なり、周辺スキン210に近接するハニカム体200のISO強度を増加させることができる。
【0045】
従来のハニカム構造と比較した周辺セル304Pのさらなる構造の違いの例の説明を助けるために、基準線340が
図3Bに示されている。具体的には、基準線340は、スキンの厚さT
skinが一定であり、壁222、224の横方向の厚さT
wallの3倍~4倍である、従来の周辺セルの内側スキン表面位置を示している。したがって、基準線340と比較して、変化した周辺スキン210に直接隣接する周辺セル304Pの構造を見ることができる。基準線340に対する周辺セル304Pの構造への変化は、従来のハニカム構造と比較して、ハニカム体200のISO強度をさらに増加させる。周辺スキン210のスキン厚さは、ハニカム体200の周囲で一定でなくてもよい。幾つかの実施形態では、ハニカム体200の周囲の平均スキン厚さT
skinは、例えば、約0.1mm~100mm、又はさらには1mm~10mmでありうる。
【0046】
従来のハニカム構造400(
図4A)は、
図4Aの従来のハニカム構造400の一部に示されるように、周辺スキン410に隣接した周辺セル404Pに小さい隅部半径を有するフィレットを使用する。説明の目的で、周辺セル420を参照する。これらの小さい半径450A、450Cは、壁422、424と、一定の厚さTskinの周辺スキンを有する従来のハニカムの周辺スキン410との交差の隅部に提供される。周辺セル404Pのこれらの従来の構成では、結果的に、壁422、424と周辺スキン410との間の幾つかの交差が高応力点となる。
図4Bは、周辺セル404Pの第1の壁420Aとの第1の接線426Aと第2の壁420Bとの第2の接線426Bとの間の内側スキン表面に沿った半径のプロットを示している。示されるように、スキン450Bに沿った半径は、内側スキンの半径であり、略同一半径として示されている2つの隅部半径450A、450C間で一定の値である。これらの交差は、隅部半径を含むとしても、従来のハニカム構造400のチッピング、スキン分離、亀裂、及び他の望ましくない状態を引き起こす可能性のある高応力点でありうる。本明細書に記載されるハニカム体200は、従来のハニカム構造400と比較して改善されたISO強度を提供する周辺セル304Pを開示する。
【0047】
一態様では、
図3Bを再び参照すると、周辺セル338(ここでも概ね304Pとラベル付けされている)は、周辺セル338のフィレット344A、フィレット344B、及びフィレット344Cなど、周辺セル338の他のフィレットの隅部半径値より大きい隅部半径値を有する、周辺スキン210に隣接したフィレット344(隅部半径)を含む。フィレット344の隅部半径値は、同じ位置における従来のフィレットのフィレット半径より大きい。例えば、フィレットの隅部半径344A、344B、344Cは約3ミル(0.08mm)であってよく、フィレットの隅部半径344は、8ミル(0.2mm)の最大値を有しうる。幾つかの実施形態では、フィレット344の隅部半径値は、他のフィレット344A、344B、344Cのいずれか1つの隅部半径値よりも100%大きく、又はさらには200%大きくなりうる。幾つかの実施形態では、フィレット344の隅部半径値は、他のフィレット344A、344B、344Cの隅部半径値よりも100%~300%大きくなりうる。フィレット344A、344B、344Cは、同じ隅部半径値のものでありうる。フィレット344、344A、344B、344Cの半径は、半径の逆数である曲率の尺度として提供されうる。フィレット344、344A、344B、344Cを含む周辺セル338の曲率は、0.0~10.0の範囲でありうる。他の実施形態では、曲率は、0.0~5.0、又は0.0~1.0の範囲でありうる。
【0048】
幾つかの実施形態では、周辺スキン210に隣接するフィレットの隅部半径は、ハニカム体200に用いられる材料を増減することなく、従来の周辺セルのフィレットの隅部半径に対して変更される。これは、一部の半径が基準線340を超えて延びることを可能にする一方で、他の半径はその基準線340まで延在するか、又はその線よりわずかに下がることによって達成することができる。他の実施形態では、ハニカム体200に用いられる材料は、従来のハニカム構造よりわずかに大きく又は小さくなりうる。しかしながら、ハニカム体200のほぼ同じ体積を維持することにより、ハニカム体200の熱質量は、従来のハニカム構造と比較して変化しないか、あるいはほとんど変化しない。
【0049】
幾つかの実施形態では、フィレット344の半径は、少なくとも一部には、フィレット344と基準線340との間の面積346Aを増加させることによって、従来のフィレットと比較して増加させることができる。面積346Aはまた、テーパ状の壁が周辺スキン210に近づくにつれて壁224のテーパ状の壁部分348の壁厚を拡大することによって増加させることができ、したがって、周辺セル338のテーパ状の壁部分348と延長線330Y1との間の面積346Bを増加させることができる。この場合、フィレット344は、例えば、フィレット344A~344Cと同じにすることができる。壁222はまた、テーパ状の壁部分348を含むように作ることもできる。幾つかの実施形態では、周辺スキン210の近くのテーパ状の壁部分348の拡大された厚さは、押出ダイのピンのある特定の側面から材料を局所的に除去することによって達成することができる。
【0050】
次に、
図3A及び3Bの周辺セル320を参照する。延長線330X1、基準線340、及び延長線330X3で示されるように、第1の壁面320Aとの第1の接線326Aと第2の壁面320Bとの第2の接線326Bとの間に延びるスキン表面部分320Sを画成する、連続的に変化する半径352が提供される。従来の周辺セル404P(
図4B)と
図3A~3Bに示される周辺セル304Pとの違いをよりよく例証するために、
図4Cが提供されている。そのプロットでは、連続的に変化する半径352が、第1の接線326Aと第2の接線326Bとの間の周辺スキン210の長さに沿って延びるように示されている。滑らかな移行及び連続的に変化する半径の理由から、周辺スキン210での応力集中は、従来のハニカム構造400と比較して劇的に低減する。別の態様では、周辺セル320は、壁222上にテーパ状の壁部分348Tを備えることができ、これを組み合わせることにより、応力をさらに低減することができる。
【0051】
延長線330Y2で示されるように、連続的に変化する半径352が提供され、延長線330Y2に対してX方向にアンダーカット352Bを生成する。具体的には、アンダーカット352Bを生成するために、従来のハニカム構造に比べて面積が削除されている。幾つかの実施形態では、連続的に変化する半径352は、示されているように、基準線340まで延在しうる。
【0052】
次に、周辺セル320に隣接する周辺セル336を参照する。周辺セル336は、フィレット360と湾曲したスキン表面部分362とを含む。フィレット360の半径は、延長線330X2に対して配置することができ、延長線330X2の上にアンダーカット364Aを形成することができる。加えて、スキン表面部分362は、一定のスキン厚さの基準線340に対して、周辺スキン210にアンダーカット364Bを含みうる。したがって、認識されるべきであるように、周辺スキン210は、ハニカム体200の周囲で一定の厚さではなく、代わりに、ハニカム体200の周囲に変化する厚さのスキンを含む。周辺セル336のスキン表面部分362の曲率は、スキン表面部分362の長さにわたって変化する半径を有しうる。したがって、この曲率は、単一の半径を有するアーチでなくてもよく、上部の壁224との接線から底部の壁222との接線まで連続的に変化する複雑な半径を有するように湾曲していてもよい。結果として、略90度で周辺スキン210に加えられた応力を移行させる移行ウェブ355を形成することができる。幾つかの実施形態では、アンダーカット364Bを形成するスキン表面部分362の曲率半径は一定でありうる。移行ウェブ355は、示されるように、半径方向に配向されうる。
【0053】
ハニカム体200のフィレットは、必ずしも従来のハニカム構造のフィレットよりも大きくなくてもよい。むしろ、フィレットの半径は、応力が、例えば周辺スキン210を通して、ハニカム体200全体に広がるように変化させることができる。この応力の広がりは、ハニカム体200のISO強度を増加させる。
【0054】
幾つかの実施形態では、壁が周辺スキン210と傾斜角で接触するとき、関連するフィレットは半径が大きくなりうる。半径が大きくなると、フィレットを含む周辺セル304Pの形状がより緩やかに変化する。幾つかの実施形態では、ウェブ又は壁が鋭角で周辺スキン210と接触するとき、フィレットは、アンダーカット364Aで示されるようにアンダーカットされうる。幾つかの実施形態では、周辺セルのスキン表面部分の1つ以上が湾曲又はアーチ状でありうる。
【0055】
本明細書に記載されるフィレットの半径は、半径の逆数である、曲率の尺度として提供されうる。周辺セル304Pのフィレットを含む周辺セル304Pの曲率は、0.0~10.0の範囲でありうる。他の実施形態では、曲率は、0.0~5.0、又は0.0~1.0の範囲でありうる。
【0056】
次に、ハニカム体200の移行ウェブ355を示す
図3Cを参照する。移行ウェブ355は、第1の周辺セル320と第2の周辺セル336との間の周辺スキン210に対して円周方向位置356に配置されている。移行ウェブ355は、周辺スキン210から半径方向に延びて、交差位置358で第1の壁222及び第2の壁224に結合する。第1の壁222及び第2の壁224は、第1の周辺セル320及び第2の周辺セル336を少なくとも部分的に形成する。
図3Cに示される実施形態では、第1の壁222はx方向に延び、第2の壁224はy方向に延びる。
【0057】
延長線330Y2は、少なくとも1つの中央セル304Cを構成する、第2の壁224の表面平面324Aに沿ってy方向に延びる。延長線330X2は、中央セル304Cのうちの少なくとも1つを構成する、第1の壁222の表面平面322Bに沿ってX方向に延びる。移行ウェブ355は、延長線330Y2に対して第1の周辺セル320内の第1のアンダーカット352Bによって形成されうる。第1のアンダーカット352Bは、アンダーカット領域に沿って第1の半径R41を有しうる。幾つかの実施形態では、第1の半径R41は複雑であり、第1のアンダーカット352Bの範囲全体にわたって連続的に変化する。移行ウェブ355は、第2の周辺セル336の延長線330X2に対して第2のアンダーカット364Aを含みうる。第2のアンダーカット364Aは、第2の半径R42を有しうる。幾つかの実施形態では、第2の半径R42は複雑であり、第2のアンダーカット364Aの範囲全体にわたって連続的に変化する。第1の半径R41及び第2の半径R42は、対向する半径と呼ばれうる。移行ウェブ355は、ハニカム体200に追加の強度を提供する。例えば、移行ウェブ355の半径方向に配向された構成は、非放射状構成を有する従来のハニカム構造と比較して、ハニカム体200のISO強度を改善することができる。
【0058】
次に
図5A及び5Bを参照すると、ハニカム押出ダイ34(
図1A)の実施形態がより詳細に示されている。ハニカム押出ダイ34は、ハニカム体200(
図2、
図3A~3C)及び本開示の実施形態による他のハニカム構造を製造するように構成されうる。ハニカム体200は、例えば、米国特許第3,885,977号、同第5,332,703号、同第6,391,813号、同第7,017,278号、同第8,974,724号の各明細書、並びに国際公開第2014/046912号、及び同第2008/066765号に記載される可塑化バッチをハニカム押出ダイ34を通して押し出して、ハニカム押出物37(
図1)を生成することによって形成することができる。次に、ハニカム押出物37は、例えば、米国特許第9,038,284号、同第9,335,093号、同第7,596,885号、及び同第6,259,078号の各明細書に記載されるように、切断及び乾燥することができる。次に、このように製造された未焼成ハニカム構造を、米国特許第9,452,578号、同第9,446,560号、同第9,005,517号、同第8,974,724号、同第6,541,407号、及び同第6,221,308号の各明細書に記載されるように焼成させて、本明細書に記載される構造的幾何学形状及び微細構造を含むハニカム体200を形成することができる。
【0059】
ハニカム押出ダイ34は、ダイ本体539、可塑化バッチを受け入れるように構成されたダイ入口面542、及び該ダイ入口面542の反対側にあり、ハニカム押出物37の形態で可塑化バッチを排出するように構成されたダイ出口面547を備えることができる。ハニカム押出ダイ34は、上述のように押出装置20(
図1A~1B)に結合することができる。
【0060】
ハニカム押出ダイ34は、ダイ入口面542からダイ本体539内へと延び、かつダイ出口面547からダイ本体539内へと延びるスロット548(幾つかにラベルが付されている)のアレイと交差する、複数の繰出し孔545(幾つかにラベルが付されている)を含むことができる。複数のピン546はスロット548を画成し、該スロット548は、ピン546のそれぞれのピンの間に配置される。スロット548は、中央セル304C及び周辺セル304Pを含む、本明細書に記載されるハニカム体200を形成するように配置することができる。ハニカム押出ダイ34は、中央セル304Cを形成するように構成された中央ピン546Cを含むことができ、かつ、周辺セル304Pを形成するように構成された周辺ピン546Pを含むことができる。
【0061】
繰出し孔545は、スロット548のアレイにバッチ材料を供給する。スロット548の交差するアレイは、X方向に延びるスロット522(
図5Aで幾つかにラベルが付されている)と、Y方向に延びるスロット524(
図5Aで幾つかにラベルが付されている)を含む。ハニカム押出ダイ34は、周辺ピン546Pと周辺スキン形成マスク549との間に形成された周辺ピン546Pに隣接するスキン形成部分500Sを含むことができる。周辺スキン形成マスク549は、ダイ本体539に結合したリング状の物品でありうる。スキン形成部分500Sは、スキン形成繰出し孔545Sと界面接触して、押出方法中にハニカム押出物37上に外周スキン表面110(
図1B)を形成する。
【0062】
図5A~5B及び拡大
図5Cに見られるように、ハニカム押出ダイ34は、周辺スキン形成マスク549とダイ本体539とを含む。ダイ本体539は、ダイ入口面542、ダイ出口面547、及び該ダイ出口面547上に配置された複数のピン546を含む。複数のピン546は、バッチ材料33を押し出すことができるダイ出口面547に形成された交差するスロット522、524のマトリクスを画成するように配置される。複数のピン546は、周辺スキン形成マスク549に直接隣接して配置された周辺ピン546Pと、周辺スキン形成マスク549に直接隣接して配置されているのではなく、むしろダイ本体539の中央に配置された中央ピン546Cとを含む。周辺ピンの1つ以上546Pは、第1のピン表面546A、第2のピン表面546B、及び第1のピン表面546Aと第2のピン表面546Bとの間に延びる第3のピン表面546Sによって少なくとも部分的に画成される。第3のピン表面546Sは、周辺スキン形成マスク549の外部スキン形成表面549Sに沿って延びる。第3のピン表面546Sは、第1のピン表面546Aとの第1の接線526Aから第2のピン表面546Bとの第2の接線526Bまで延びる連続的に変化する半径552を有する。
【0063】
ハニカム押出ダイ34は、隣接するピン520及びピン536の側面を形成する第1のスロット522及び第2のスロット524をさらに備えることができる。第1のスロット522及び第2のスロット524は、円周方向位置556のスキン形成部分500Sに直接近接した交差位置558で互いに交差する。移行スロット555は、交差位置558から円周方向位置556のスキン形成部分500Sまで半径方向に延びうる。移行スロット555は、第1の半径R51及び第2の半径R52を含む対向する半径を含むことができる。第1の半径R41は、第2のスロット524に沿ってスロット側面延長線530Yを通過することができ、第1のアンダーカット552Aを含む。第2の半径R52は、第1のスロット522に沿って側面延長線530Xを通過することができ、第2のアンダーカット552Bを含むことができる。
【0064】
別の態様では、ハニカム構造の製造方法が提供される。
図6に最もよく示されるように、ハニカム構造(例えば、ハニカム体200)を製造する方法600は、602において、押出ダイ(例えば、ハニカム押出ダイ34)を提供する工程、604において、バッチ材料(例えば、バッチ材料33)を提供する工程を含む。
【0065】
方法600はさらに、606において、押出ダイを通してバッチ材料を押し出し、周辺スキン(例えば、周辺スキン210)に直接隣接して配置された周辺セル(例えば、周辺セル304P)を含む複数のセルを画成する壁(例えば、壁222、224)を形成する工程を含み、周辺セル(例えば、周辺セル320)の1つ以上は、第1の壁面(例えば、第1の壁面320A)、第2の壁面(例えば、第2の壁面320B)、及び第1の壁面と第2の壁面との間に延びる周辺スキンのスキン表面部分(例えば、スキン表面部分320S)によって少なくとも部分的に画成されており、ここで、スキン表面部分は、第1の壁面との第1の接線(例えば、第1の接線326A)から第2の壁面との第2の接線(例えば、第2の接線326B)まで延びる連続的に変化する半径(例えば、連続的に変化する半径352)によって画成される。
【0066】
方法600はまた、608において、第1の壁(例えば、第1の壁222)と第2の壁(例えば、第2の壁224)との交差位置(例えば、交差位置358)から半径方向に(中央セル304Cの隅部を接続する線に沿って)延びる移行ウェブ(例えば、
図3Cの移行ウェブ355)を形成する工程も含むことができ、第1の壁及び第2の壁は、円周方向位置(例えば、円周方向位置356)に2つの隣接する周辺セルの側面(例えば、周辺セル320、336)を形成し、移行ウェブは、第1の半径(例えば、第1の半径R41)及び第2の半径(例えば、第2の半径R42)を含む対向する半径を含み、ここで、第1の半径は、第2の壁に沿って延長線(例えば、延長線330Y2)を通過し、かつ第1のアンダーカット(例えば、第1のアンダーカット352B)を含み、第2の半径は、第1の壁に沿って延長線(例えば、延長線330X2)を通過し、かつ第2のアンダーカットを含む(例えば、第2のアンダーカット364A)。
【0067】
前述の説明は、本開示の例示的な実施形態を開示しているにすぎない。本開示の特許請求の範囲内に入る、先に開示された装置及び方法の修正は、当業者にとって容易に明らかになるであろう。したがって、本開示を、その例示的な実施形態に関連して説明してきたが、他の実施形態は、特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の範囲内に含まれうることが理解されるべきである。
【0068】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0069】
実施形態1
ハニカム体であって、ハニカム構造と、
周辺スキンと
を備えており、
前記ハニカム構造が、前記周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁を備えており、前記周辺セルの1つ以上が、第1の壁面、第2の壁面、及び前記第1の壁面と前記第2の壁面との間に延びるスキン表面部分によって少なくとも部分的に画成されており、
前記スキン表面部分が、前記第1の壁面との第1の接線から前記第2の壁面との第2の接線まで延びる連続的に変化する半径を有する、
ハニカム体。
【0070】
実施形態2
前記スキン表面部分が前記周辺スキンへのアンダーカットを含む、実施形態1に記載のハニカム体。
【0071】
実施形態3
前記第1の壁面がテーパ状の壁部分を含む、実施形態1に記載のハニカム体。
【0072】
実施形態4
前記第2の壁面がテーパ状の壁部分を含む、実施形態1に記載のハニカム体。
【0073】
実施形態5
前記連続的に変化する半径が非対称である、実施形態1に記載のハニカム体。
【0074】
実施形態6
前記ハニカム体の周囲に変化する厚さのスキンを備えている、実施形態1に記載のハニカム体。
【0075】
実施形態7
前記周辺スキンが外周スキン表面を備えており、第1の周辺セルの前記スキン表面部分と前記外周スキン表面との間の最小厚さが、第2の周辺セルの前記スキン表面部分と前記外周スキン表面との間の最小厚さより大きい、実施形態1に記載のハニカム体。
【0076】
実施形態8
前記連続的に変化する半径が、前記壁に沿って位置合わせした延長線に対して壁に第1のアンダーカットを提供する、実施形態1に記載のハニカム体。
【0077】
実施形態9
前記第1のアンダーカットが移行ウェブの一部を含む、実施形態8に記載のハニカム体。
【0078】
実施形態10
前記移行ウェブの第2の部分を形成する第2のアンダーカットを備えている、実施形態9に記載のハニカム体。
【0079】
実施形態11
ハニカム体であって、ハニカム構造と、
周辺スキンと
を備えており、
前記ハニカム構造が、前記周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁を備えており、前記周辺セルの1つ以上が、第1の壁面、第2の壁面、及び前記第1の壁面と前記第2の壁面との間に延びるスキン表面部分によって少なくとも部分的に画成されており、前記スキン表面部分が、前記スキン表面部分上の第1の点と前記スキン表面部分上の第2の点との間に延びる連続的に変化する半径を有している、
ハニカム体。
【0080】
実施形態12
前記連続的に変化する半径が前記第1の壁面内へと延び、第1のアンダーカットを形成する、実施形態11に記載のハニカム体。
【0081】
実施形態13
第2のアンダーカットを備えており、前記第1のアンダーカットと前記第2のアンダーカットとが移行ウェブを形成する、実施形態12に記載のハニカム体。
【0082】
実施形態14
前記移行ウェブが半径方向に配向される、実施形態13に記載のハニカム体。
【0083】
実施形態15
ハニカム体であって、ハニカム構造と、
周辺スキンと
を備えており、
前記ハニカム構造が、前記周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁を備えており、前記周辺セルが、前記周辺スキンと交差する前記壁の一部で構成されており、
ある特定の壁が前記周辺スキンに近接して互いに交差する1つ以上の円周方向位置において、前記周辺スキンを前記円周方向の位置で前記ある特定の壁と接続する移行ウェブが提供され、前記移行ウェブが対向する半径を含み、ここで、前記対向する半径の少なくとも一方が、前記ある特定の壁の平面に沿って延びる延長線を通過し、かつ少なくとも1つのアンダーカットを含む、
ハニカム体。
【0084】
実施形態16
前記対向する半径の少なくとも一方が、連続的に変化する半径を含む、実施形態15に記載のハニカム体。
【0085】
実施形態17
前記対向する半径の第1の半径が、第1の壁の平面に沿って延びる延長線を通過し、かつ第1のアンダーカットを含み、前記対向する半径の第2の半径が、第2の壁の平面に沿って延びる延長線を通過し、かつ第2のアンダーカットを含む、実施形態15に記載のハニカム体。
【0086】
実施形態18
前記周辺スキンが、前記ハニカム体の周囲で一定の厚さではない、実施形態15に記載のハニカム体。
【0087】
実施形態19
前記周辺スキン内に延びる第3のアンダーカットを含む、実施形態15に記載のハニカム体。
【0088】
実施形態20
ハニカム押出ダイであって、
周辺スキン形成マスク、及び
ダイ本体
を備えており、前記ダイ本体が、
入口面、
出口面、及び
前記出口面に配置され、かつ前記出口面において交差するスロットのマトリクスを画成するように配置された複数のピンを備えており、前記複数のピンが、前記周辺スキン形成マスクに直接隣接して配置された周辺ピンと前記ダイ本体の中央に配置された中央ピンとを含み、前記周辺ピンの1つ以上が、第1のピン表面、第2のピン表面、及び前記第1のピン表面と前記第2のピン表面との間に延び、かつ前記周辺スキン形成マスクに沿って延びる第3のピン表面によって少なくとも部分的に画成されており、前記第3のピン表面が、前記第1のピン表面との第1の接線から前記第2のピン表面との第2の接線まで延びる連続的に変化する半径を有している、
ハニカム押出ダイ。
【0089】
実施形態21
ハニカム押出ダイであって、
周辺スキン形成マスク、
前記周辺スキン形成マスクに直接隣接して配置された周辺ピンと、前記ダイ本体の中央に配置された中央ピンとを含む複数のピンを画成するスロットを有するダイ本体、及び
前記周辺スキン形成マスクと前記ダイ本体との間に配置されたスキン形成領域
を備えており、
前記ダイ本体がさらに、
2つの隣接する周辺ピンの側面を形成する第1のスロット及び第2のスロットであって、円周方向位置で前記スキン形成領域に直接近接する交差位置で互いに交差する、第1のスロット及び第2のスロット、並びに、
前記円周方向位置で前記交差位置から前記スキン形成領域まで半径方向に延びる移行スロットであって、前記移行スロットが、第1の半径及び第2の半径を含む対向する半径を含み、前記第1の半径が、前記第2のスロットに沿ってスロット側面延長線を通過し、かつ第1のアンダーカットを含み、前記第2の半径が、前記第1のスロットに沿って側面延長線を通過し、かつ第2のアンダーカットを含む、
ハニカム押出ダイ。
【0090】
実施形態22
ハニカム構造を含むハニカム体を製造する方法であって、該方法が、
押出ダイを通してバッチ材料を押し出し、周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁を含むハニカム構造を形成する工程
を含み、前記周辺セルの1つ以上が、第1の壁面、第2の壁面、及び前記第1の壁面と前記第2の壁面との間に延びる前記周辺スキンのスキン表面部分によって少なくとも部分的に画成されており、
前記スキン表面部分が、前記第1の壁面との第1の接線から前記第2の壁面との第2の接線まで延びる連続的に変化する半径を有する、
方法。
【0091】
実施形態23
前記押し出し中に、第1の壁と第2の壁との交差位置から半径方向に延びる移行ウェブを形成する工程
をさらに含み、前記第1の壁及び前記第2の壁が、円周方向位置で2つの隣接する周辺セルの側面を形成し、前記移行ウェブが、第1の半径及び第2の半径を含む対向する半径を含んでおり、前記第1の半径が、前記第2の壁に沿って延長線を通過し、かつ第1のアンダーカットを含み、前記第2の半径が、前記第1の壁に沿って延長線を通過し、かつ第2のアンダーカットを含む、
実施形態22に記載の方法。
【0092】
実施形態24
ハニカム構造を含むハニカム体の製造方法であって、該方法が、
押出ダイを通してバッチ材料を押し出し、ハニカム構造を形成する工程
を含み、前記ハニカム構造が、
周辺スキンに直接隣接して配置された周辺セルを含む複数のセルを画成する壁と、
第1の壁と第2の壁との交差位置から半径方向に延びる移行ウェブ
を含み、ここで、前記第1の壁及び前記第2の壁が、円周方向位置で2つの隣接する周辺セルの側面を形成し、前記移行ウェブが、第1の半径及び第2の半径を含む対向する半径を含み、前記第1の半径が前記第2の壁に沿って延長線を通過し、かつ第1のアンダーカットを含み、前記第2の半径が、前記第1の壁に沿って延長線を通過し、かつ第2のアンダーカットを含む、
方法。
【符号の説明】
【0093】
20 押出装置
22 バレル
24 第1のチャンバ部分
26 第2のチャンバ部分
28 上流側
30 下流側
32 供給ポート
33 バッチ材料
34 押出ダイ
37 ハニカム押出物
38 第1のスクリュ
40 第2のスクリュ
42A、42B 駆動機構
102 押出機前端
104 押出機カートリッジ
105 スキン形成マスク
108 チャネル
110 外周スキン表面
114 第1の端面
120 交差する壁
126 ハニカムマトリクス
200 ハニカム体
210,410 周辺スキン
302A 内面
302B 外面
304C 中央セル
304P,404P 周辺セル
400 従来のハニカム構造
422,424 壁
539 ダイ本体
542 ダイ入口面
545 繰出し孔
547 ダイ出口面
546 ピン
548 スロット