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特許7341175不動産取引を支援する方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】不動産取引を支援する方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230901BHJP
【FI】
G06Q50/16
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021001265
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2021111402
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0002193
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521011341
【氏名又は名称】スペースウォーク インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】スン ヒョン チョー
(72)【発明者】
【氏名】ヘ ヨン リン
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-083032(JP,A)
【文献】特開2002-351963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産取引を支援するシステムで具現される方法であって、前記システムは、価値評価管理部、逆提案管理部、マーケットプレイス管理部、補償管理部を含み、
前記価値評価管理部が、取引の対象となり得る不動産客体の建築敷地に関する建築要素および金融要素に基づいて前記建築敷地上に建築できる建物の設計モデルを生成し、前記設計モデルによって前記建築敷地上に前記建物を建築する場合に前記不動産客体で発生すると予想される追加収益を参照して前記不動産客体の開発後価値価する段階、
前記逆提案管理部が、前記開発後価値を参照して少なくとも一の仲介者によって決定される売り渡し推薦価格を含む逆提案が前記不動産客体の権利者に提供されるようにする段階、および
前記マーケットプレイス管理部が、前記権利者の意思に基づいて前記不動産客体を売り物件としてマーケットプレイスに登録するかどうかを決定し、前記不動産客体が売り物件として登録されると、前記開発後価値および前記逆提案のうち少なくとも一つに基づいて前記不動産客体に買い手が希望する少なくとも一つの買収条件をマッチングさせる段階を含み、
前記不動産客体の開発後価値価する段階で、前記不動産客体と位置的に関連する他の不動産客体に対する開発に関する事例情報をさらに参照して前記不動産客体の開発後価値を評価し、
前記不動産客体の開発後価値価する段階で、前記設計モデルは前記買収条件に含まれる使用者要求情報にさらに基づいて再生成され、前記開発後価値は、前記再生成される設計モデルに基づいて再評価される、方法。
【請求項2】
前記逆提案には、前記不動産客体に関する流通可能金額、流通確率、取引価値の等級および市場価値のうち少なくとも一つがさらに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記逆提案が前記不動産客体の権利者に提供されるようにする段階で、前記逆提案が少なくとも一の前記仲介者のデバイスまたは前記不動産客体の前記権利者のデバイスに提供されるようにする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記補償管理部が、前記不動産客体に対する取引が成立すると、前記逆提案が前記権利者に提供されることに寄与した仲介者、前記不動産客体が売り物件として登録されることに寄与した仲介者または前記取引が成立することに寄与した仲介者に提供される補償を決定する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記仲介者に提供される補償を決定する段階で、前記不動産客体が取引された価格に基づいて前記仲介者に提供される補償を差別的に決定する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記買収条件をマッチングさせる段階で、前記不動産客体が売り物件として登録されると、前記開発後価値および前記逆提案のうち少なくとも一つに基づいて前記不動産客体に既設定された買収希望者をマッチングさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載された方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
不動産取引を支援するシステムであって、
取引の対象となり得る不動産客体の建築敷地に関する建築要素および金融要素に基づいて前記建築敷地上に建築できる建物の設計モデルを生成し、前記設計モデルによって前記建築敷地上に前記建物を建築する場合に前記不動産客体で発生すると予想される追加収益を参照して前記不動産客体の開発後価値価する価値評価管理部、
前記開発後価値を参照して少なくとも一の仲介者によって決定される売り渡し推薦価格を含む逆提案が前記不動産客体の権利者に提供されるようにする逆提案管理部、および
前記権利者の意思に基づいて前記不動産客体を売り物件としてマーケットプレイスに登録するかどうかを決定し、前記不動産客体が売り物件として登録されると、前記開発後価値および前記逆提案のうち少なくとも一つに基づいて前記不動産客体に買い手が希望する少なくとも一つの買収条件をマッチングさせるマーケットプレイス管理部を含み、
前記価値評価管理部は、前記不動産客体と位置的に関連する他の不動産客体に対する開発に関する事例情報をさらに参照して前記不動産客体の開発後価値を評価し、
記設計モデルは前記買収条件に含まれる使用者要求情報にさらに基づいて再生成され、前記開発後価値は、前記再生成される設計モデルに基づいて再評価される、システム。
【請求項9】
前記逆提案には、前記不動産客体に関する流通可能金額、流通確率、取引価値の等級および市場価値のうち少なくとも一つがさらに含まれる、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記逆提案管理部は、前記逆提案が少なくとも一の前記仲介者のデバイスまたは前記不動産客体の前記権利者のデバイスに提供されるようにする、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記不動産客体に対する取引が成立すると、前記逆提案が前記権利者に提供されることに寄与した仲介者、前記不動産客体が売り物件として登録されることに寄与した仲介者または前記取引が成立することに寄与した仲介者に提供される補償を決定する補償管理部をさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記補償管理部は、前記不動産客体が取引された価格に基づいて前記仲介者に提供される補償を差別的に決定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記マーケットプレイス管理部は、前記不動産客体が売り物件として登録されると、前記開発後価値および前記逆提案のうち少なくとも一つに基づいて前記不動産客体に既設定された買収希望者をマッチングさせる、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産取引を支援する方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの人々が関心を有している資産の一つである不動産に関して、多様な情報を提供するサービスが紹介されている。特に、不動産の資産価値を知りたがる使用者のニーズを満足させるために、不動産の価格に関する情報(例えば、公示地価、相場、実勢価格など)、不動産を売り買いする取引に関する情報(例えば、取引量、取引時点など)、不動産の価値に影響を及ぼす要素に関する情報(例えば、交通、学区、便宜施設など)を提供するサービスが広く利用されている。
【0003】
それにもかかわらず、不動産取引の手続きにおいては多くの人々が伝統的な取引方式から脱皮しないでおり、これに伴い、非効率性と不正確性が解消されていないのが実情である。一例として、土地、建物などの不動産を売り渡そうとする人(すなわち、売り手)は、仲介人から推薦を受けるか、仲介プラットフォームで自身が望む価格で売り物件を登録することになる。この過程で、売り手自身が保有している不動産の価値を評価したり、自身の不動産を売り渡すことが好ましいかに対して判断することになるが、売り手が前記のような評価または判断を自らすることになる場合、制限的な情報、不充分な経験、非専門性などの要因によって不正確な結果が導き出される可能性が高いという限界が存在し、これによって売り手自身が保有している不動産を適切な価格で売り渡すことに困難を経験せざるを得ない問題が存在する。
【0004】
そこで、本発明者は、取引の対象となり得る不動産客体に対する価値評価に関する情報を含む逆提案が該当不動産客体の権利者に提供されるようにすることによって、不動産を保有している人(すなわち、潜在的な売り手)が客観的な情報に基づいて市場に積極的に参加できるように支援する技術を提案するところである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した従来技術の問題点をすべて解決することをその目的とする。
【0006】
また、本発明は取引の対象となり得る不動産客体に対する価値評価を遂行し、価値評価に関する情報を含む逆提案が不動産客体の権利者に提供されるようにし、権利者の意思に基づいて不動産客体を売り物件として登録するかどうかを決定し、不動産客体が売り物件として登録されると、価値評価および逆提案のうち少なくとも一つに関する情報に基づいて不動産客体に少なくとも一つの買収条件をマッチングさせることによって、不動産を保有している人(すなわち、潜在的な売り手)が客観的な情報に基づいて市場に積極的に参加できるように支援することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。
【0008】
本発明の一態様によると、不動産取引を支援するシステムで具現される方法であって、前記システムは、価値評価管理部、逆提案管理部、マーケットプレイス管理部、補償管理部を含み、前記価値評価管理部が、取引の対象となり得る不動産客体の建築敷地に関する建築要素および金融要素に基づいて前記建築敷地上に建築できる建物の設計モデルを生成し、前記設計モデルによって前記建築敷地上に前記建物を建築する場合に前記不動産客体で発生すると予想される追加収益を参照して前記不動産客体の開発後価値価する段階、前記逆提案管理部が、前記開発後価値を参照して少なくとも一の仲介者によって決定される売り渡し推薦価格を含む逆提案が前記不動産客体の権利者に提供されるようにする段階、および前記マーケットプレイス管理部が、前記権利者の意思に基づいて前記不動産客体を売り物件としてマーケットプレイスに登録するかどうかを決定し、前記不動産客体が売り物件として登録されると、前記開発後価値および前記逆提案のうち少なくとも一つに基づいて前記不動産客体に買い手が希望する少なくとも一つの買収条件をマッチングさせる段階を含み、前記不動産客体の開発後価値価する段階で、前記不動産客体と位置的に関連する他の不動産客体に対する開発に関する事例情報をさらに参照して前記不動産客体の開発後価値を評価し、前記不動産客体価する段階で、前記設計モデルは前記買収条件に含まれる使用者要求情報にさらに基づいて再生成され、前記開発後価値は、前記再生成される設計モデルに基づいて再評価される、方法が提供される。
【0009】
本発明の他の一態様によると、不動産取引を支援するシステムであって、取引の対象となり得る不動産客体の建築敷地に関する建築要素および金融要素に基づいて前記建築敷地上に建築できる建物の設計モデルを生成し、前記設計モデルによって前記建築敷地上に前記建物を建築する場合に前記不動産客体で発生すると予想される追加収益を参照して前記不動産客体の開発後価値価する価値評価管理部、前記開発後価値を参照して少なくとも一の仲介者によって決定される売り渡し推薦価格を含む逆提案が前記不動産客体の権利者に提供されるようにする逆提案管理部、および前記権利者の意思に基づいて前記不動産客体を売り物件としてマーケットプレイスに登録するかどうかを決定し、前記不動産客体が売り物件として登録されると、前記開発後価値および前記逆提案のうち少なくとも一つに基づいて前記不動産客体に買い手が希望する少なくとも一つの買収条件をマッチングさせるマーケットプレイス管理部を含み、前記価値評価管理部は、前記不動産客体と位置的に関連する他の不動産客体に対する開発に関する事例情報をさらに参照して前記不動産客体の開発後価値を評価し、前記設計モデルは前記買収条件に含まれる使用者要求さらに情報に基づいて再生成され、前記開発後価値は、前記再生成される設計モデルに基づいて再評価される、システムが提供される。
【0010】
この他にも、本発明を具現するための他の方法、他のシステムおよび前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体がさらに提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、不動産に対する価値評価に関する情報を含む逆提案が該当不動産を保有している権利者に提供され得、このような逆提案を提供された権利者が確信を持って該当不動産を売り物件として出すことができるようになるため、不動産を保有している人が客観的な情報に基づいて市場に積極的に参加できるようになる効果が達成される。
【0012】
また、本発明によると、不動産を保有している権利者に価値評価に基づいた逆提案を提供したり、不動産を保有している権利者がマーケットプレイスに売り物件を登録するように誘導することによって、権利者の不動産がマーケットプレイスで取引されるようにすることに寄与した仲介者に所定の補償を提供することによって不動産取引を促進させることができるようになる効果が達成される。
【0013】
また、本発明によると、市場参加者が不動産取引に関して合理的な意思決定ができるように支援することができる。
【0014】
また、本発明によると、買い手が希望する買収条件によって特定される開発要素または設計モデルに基づいて売り渡しの対象となる不動産客体の価値を評価することによって、買い手が希望する条件、用途または計画に符合する方向に不動産の価値をリアリティーをもって推定できるため、買い手が不動産客体を買収した後に自身が希望する用途または計画にしたがって該当不動産客体を開発する場合に得られる経済的な価値(すなわち、開発後の価値)を予測できるようになり、ひいては、買い手自身が希望する開発後の価値を有するものとして予測される不動産客体の推薦を受けることができるようになる効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例により、不動産取引を支援する全体システムの概略的な構成を図示する図面である。
図2】本発明の一実施例により、サービス提供システムの内部構成を例示的に示す図面である。
図3】本発明の一実施例により、サービス提供システムを通じて不動産の開発後の価値に関する情報が推定される構成を例示的に示す図面である。
図4】本発明の一実施例により、サービス提供システムを通じて不動産の開発後の価値に関する情報が推定される構成を例示的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として図示する添付図面を参照する。このような実施例は、当業者が本発明を実施できるように充分かつ詳細に説明される。本発明の多様な実施例は、互いに異なるが互いに排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造および特性は、本発明の精神と範囲を逸脱することなく一実施例から他の実施例に変更されて具現され得る。また、それぞれの実施例内の個別の構成要素の位置または配置も、本発明の精神と範囲を逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものと理解されるべきである。図面で類似する参照符号は多様な側面に亘って同一または類似する構成要素を示す。
【0017】
以下では、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の多様な好ましい実施例に関して添付された図面を参照して詳細に説明することにする。
【0018】
本発明で、不動産客体は筆などの単位によって他の不動産と区分され得る不動産を指すものであり、民法で決定する土地およびその定着物(例えば、建物等)であればすべて本発明で言う不動産客体となり得る。本発明の一実施例によると、不動産客体はデジタル地図上に表示されて使用者によって選択され得るグラフィック客体に対応する概念であり得、このように選択される不動産客体は登記簿謄本(または不動産固有番号)を基準とする時、一つの不動産のみを含むか二つ以上の不動産を含むことができる。
【0019】
〔全体システムの構成〕
【0020】
図1は、本発明の一実施例により、不動産取引を支援する全体システムの概略的な構成を図示する図面である。
【0021】
図1に図示された通り、本発明の一実施例に係る全体システムは、通信網100、デバイス200およびサービス提供システム300を含んで構成され得る。
【0022】
まず、本発明の一実施例によると、通信網100は有線通信や無線通信のような通信の形態に関わらずに構成され得、近距離通信網(LAN;Local Area Network)、都市圏通信網(MAN;Metropolitan Area Network)、広域通信網(WAN;Wide Area Network)などの多様な通信網で構成され得る。好ましくは、本明細書で言う通信網100は、公知のインターネットまたはワールドワイドウェブ(WWW;World Wide Web)であり得る。しかし、通信網100はこれに限定されず、公知の有/無線データ通信網、公知の電話網または公知の有/無線テレビ通信網をその少なくとも一部において含んでもよい。
【0023】
例えば、通信網100は無線データ通信網であって、ワイファイ(Wi-Fi(登録商標))通信、ワイファイダイレクト(Wi-Fi Direct)通信、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)通信、ブルートゥース(登録商標)通信(低電力ブルートゥース(登録商標)(BLE:Bluetooth(登録商標) Low Energy)を含む)、赤外線通信、超音波通信などのような従来の通信方法を少なくともその一部分において具現するものであり得る。他の例として、通信網100は光通信網であって、ライファイ(LiFi:Light Fidelity)などのような従来の通信方法を少なくともその一部分において具現するものであり得る。
【0024】
次いで、本発明の一実施例により、デバイス200は通信網100を通じて後述するサービス提供システム300に接続した後に通信できるようにする機能を含むデジタル機器であって、コンピュータ、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットPCなどのように、メモリ手段を具備しマイクロプロセッサを搭載して演算能力を備えた携帯可能なデジタル機器であれば、いくらでも本発明に係る使用者デバイス200として採択され得る。
【0025】
一方、本発明の一実施例に係るデバイス200には、本発明に係るサービスの提供を支援するアプリケーションが含まれていてもよい。このようなアプリケーションは外部のアプリケーション配布サーバー(図示されず)からダウンロードされたものであり得る。一方、このようなプログラムモジュールの性格は、後述するようなサービス提供システム300の価値評価管理部310、逆提案管理部320、マーケットプレイス管理部330、補償管理部340、通信部350および制御部360と全般的に類似し得る。ここで、アプリケーションはその少なくとも一部が必要に応じてそれと実質的に同一または均等な機能を遂行できるハードウェア装置やファームウェア装置で置換されてもよい。
【0026】
次いで、本発明の一実施例に係るサービス提供システム300は、取引の対象となり得る不動産客体に対する価値評価を遂行し、価値評価に関する情報を含む逆提案が不動産客体の権利者に提供されるようにし、権利者の意思に基づいて不動産客体を売り物件として登録するかどうかを決定し、不動産客体が売り物件として登録されると、価値評価および逆提案のうち少なくとも一つに関する情報に基づいて不動産客体に少なくとも一つの買収条件をマッチングさせることができる。
【0027】
本発明に係るサービス提供システム300の構成と機能については、以下の詳細な説明を通じて詳察することにする。一方、サービス提供システム300に関して前記のように説明したが、このような説明は例示的なものであり、サービス提供システム300に要求される機能や構成要素の少なくとも一部が必要に応じてデバイス200またはサーバー(図示されず)内で実現されたり、デバイス200またはサーバー(図示されず)内に含まれてもよいことは当業者に自明である。
【0028】
〔サービス提供システムの構成〕
【0029】
以下では、本発明の具現のために重要な機能を遂行するサービス提供システム300の内部構成と各構成要素の機能について詳察することにする。
【0030】
図2は、本発明の一実施例により、サービス提供システム300の内部構成を詳細に示す図面である。
【0031】
図2に図示された通り、本発明の一実施例により、サービス提供システム300は、価値評価管理部310、逆提案管理部320、マーケットプレイス管理部330、補償管理部340、通信部350および制御部360を含むことができる。また、本発明の一実施例により、価値評価管理部310、逆提案管理部320、マーケットプレイス管理部330、補償管理部340、通信部350および制御部360は、そのうち少なくとも一部が外部システム(図示されず)と通信するプログラムモジュールであり得る。このようなプログラムモジュールは、運営システム、アプリケーションモジュールおよびその他プログラムモジュールの形態でサービス提供システム300に含まれ得、物理的には多様な公知の記憶装置上に保存され得る。また、このようなプログラムモジュールはサービス提供システム300と通信可能な遠隔記憶装置に保存されてもよい。一方、このようなプログラムモジュールは、本発明により後述する特定の業務を遂行したり、特定の抽象データ類型を実行するルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを包括するが、これに制限されはしない。
【0032】
まず、本発明の一実施例によると、価値評価管理部310は、取引の対象となり得る不動産客体に対する価値評価を遂行することができる。具体的には、本発明の一実施例によると、価値評価管理部310は、不動産客体に関する開発要素または設計モデルに基づいて不動産客体に対する価値評価を遂行することができる。ここで、本発明の一実施例によると、不動産客体に関する開発要素には、該当不動産客体の建築敷地に適用され得る建築要素および金融要素が含まれ得る。
【0033】
また、本発明の一実施例によると、価値評価管理部310は、不動産客体の開発要素に関する情報を獲得し、前記獲得する開発要素に関する情報に基づいて該当不動産客体の建築敷地に建築できる建物の設計モデルを生成し、前記生成される設計モデルを参照して該当不動産客体の開発後の価値を評価することができる。
【0034】
さらに、本発明の一実施例によると、価値評価管理部310は、価値評価の対象となる不動産客体と位置的に関連する他の不動産客体に対する開発に関する事例情報をさらに参照して該当不動産客体の開発後の価値を評価することができる。
【0035】
ここで、本発明の一実施例によると、不動産客体の開発後の価値に関する情報には、開発要素に関する情報に基づいて生成される設計モデルによって建築敷地に建築できる建物の階数、延べ面積、建蔽率、専用率、分譲価格、取引の差益、賃貸料および賃貸収益のうち少なくとも一つに関する情報が含まれ得る。
【0036】
以下では、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310が不動産客体の開発後の価値を推定する構成に関して例示的に説明することにする。
【0037】
例えば、建築敷地に対する建築要素に関する情報には、建築敷地およびその建築敷地と隣接した敷地に関する敷地情報(例えば、面積、地籍図、建築計画、道路現況、敷地の使用用途など)、該当建築敷地に建物を建てる場合に適用され得る法規情報(例えば、国土計画法、建築法、駐車場法、住宅法など)、該当建築敷地が位置した地域の環境情報(例えば、時間別太陽の高度角、建物などの周辺環境による眺望範囲、気候、天気など)等が含まれ得る。
【0038】
また、例えば、建築敷地に対する金融要素に関する情報には、該当建築敷地から所定距離以内の不動産の賃貸料、売買金または貸し切り金に関する情報、該当建築敷地から所定距離以内の不動産の実勢価格および都市別平均不動産相場のうち、少なくとも一つから算出された該当建築敷地の予想売り渡し価格または賃貸料などの不動産市場情報が含まれ得る。
【0039】
また、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、該当建築敷地に建物を建てることを計画する使用者(例えば、不動産市場で不動産を買収して建物を新しく建てようとする人など)の要求情報を獲得することもでき、このような使用者要求情報には、使用者の危険甘受性向、使用者の建物使用選好用途(例えば、分譲および賃貸選好度)、南向きまたは眺望選好度、敷地活用度と快適性の間の優先順位などに関する情報が含まれ得る。後述するように、本発明の一実施例によると、このような使用者要求情報は、不動産客体とマッチングされ得る買収条件(すなわち、買収プール内に含まれる買収条件)に関する情報から獲得され得、さらに該当不動産客体の建築敷地と関連した質問/質問に対する買い手の応答結果から獲得されてもよい。
【0040】
一方、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、建築敷地に関して建築要素に関する情報および金融要素に関する情報を獲得するために、オープンAPI(open application program interface)提供サーバー、公知のデータベースなどを参照することができ、例えば、国家空間情報システム(nsdi.go.kr)などのような各種公共機関サイトのデータベースから獲得されたデータを分析し、その獲得されたデータを通じて自主的なデータを生成することによって、各種建築、金融、敷地、道路、人口、不動産相場、環境などに対する情報を獲得することができる。
【0041】
次いで、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、前記のように獲得される情報に基づいて不動産客体の建築敷地に建築できる建物の設計モデルを生成する機能を遂行することができる。
【0042】
具体的には、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、建築敷地に配置可能な建物の外郭形態、建物の外郭形態に適用可能な建物のコア構造、建物内のコア構造を除いた面積の使用用途による面積の分配および面積の分配による建物の階別平面構造のうち、少なくとも一つの項目に関する設計モデルを階層的に生成する機能を遂行することができる。
【0043】
さらに具体的には、本発明の一実施例によると、建物の外郭形態に関する項目は建物の外郭線、建物の外形または建築敷地上に建物または駐車空間が配置される位置に関する項目であり得、建物のコア構造に関する項目は避難階段、エレベータ、中庭などの建物の主要骨格構造に関する項目であり得、使用用途による面積の分配に関する項目は階別賃貸/分譲面積の分配に関する項目であり得、建物の階別平面構造に関する項目は階別個別空間間の区画または配置に関する項目であり得る。
【0044】
また、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、少なくとも一つの項目に関する設計モデルを生成するにおいて、少なくとも一つの項目に対する既設定された優先順位に基づいて階層的に生成することができる。後述するように、本発明の一実施例により、このような優先順位はマッチングの対象となる買収プール内に含まれる買収条件に関する情報から獲得され得、該当建築敷地と関連した質問/質問に対する買収希望者の応答結果に基づいて獲得されてもよい。
【0045】
例えば、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、建物の外郭形態、建物のコア構造、使用用途による面積の分配および建物の階別平面構造の順で設計モデルを生成する場合、まず該当建築敷地に配置可能な小さくとも一つの建物の外郭形態(すなわち、優先順位が最も高い項目)に関する設計モデルを生成し、生成された少なくとも一つの建物の外郭形態に関する設計モデルそれぞれに適用可能な小さくとも一つの建物のコア構造(すなわち、優先順位が2番目に高い項目)に関する設計モデルを生成し、生成された少なくとも一つの建物のコア構造に関する設計モデルそれぞれに適用可能な小さくとも一つの使用用途による面積の分配(すなわち、優先順位が3番目に高い項目)に関する設計モデルを生成し、生成された少なくとも一つの使用用途による面積の分配に関する設計モデルそれぞれに適用可能な小さくとも一つの建物の階別平面構造(すなわち、優先順位が4番目に高い項目)に関する設計モデルを生成することができる。
【0046】
一方、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、建築敷地に配置可能な建物の外郭形態、建物の外郭形態に適用可能な建物のコア構造、建物内のコア構造を除いた面積の使用用途による面積の分配および面積の分配による建物の階別平面構造のうち少なくとも一つの項目に関する設計モデルを生成するためにメタヒューリスティクス(meta heuristic)アルゴリズムを利用することができ、このようなメタヒューリスティクスアルゴリズムには、遺伝的アルゴリズム(GA;genetic algorithms)、シミュレイテッドアニーリング(SA;simulated annealing)およびタブー探索(TS、tabu searching)のうち少なくとも一つが含まれ得る。
【0047】
また、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、少なくとも一つの項目に関する設計モデルを階層的に生成するにおいて、1次設計モデルに対して算出されるスコアを参照して1次設計モデルのうち少なくとも一つを抽出し、抽出された少なくとも一つの1次設計モデルに基づいて2次設計モデルを生成することができる。
【0048】
一方、設計モデル生成に関するさらに詳しい内容については、本出願人によって出願された韓国特許出願第2017-25095号に最初に添付された特許出願明細書の記載を参照することができ、韓国特許出願第2017-25095号の特許出願明細書に記載された内容はその全体として本明細書に併合されたものと見なすべきであることを明らかにしておく。
【0049】
以上、建物の設計モデルを生成する実施例について詳しく説明したが、本発明により建物の設計モデルを生成する方法は必ずしも以上で説明された実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内でいくらでも変更され得ることを明らかにしておく。
【0050】
例えば、本発明の他の実施例に係る価値評価管理部310は、設計モデルを生成するために、深層強化学習(Deep Reinforcement Learning)を含んだ多様な機械学習アルゴリズム、深層学習アルゴリズム、強化学習アルゴリズムなどを利用することができる。
【0051】
一方、本発明の一実施例によると、価値評価管理部310は、前記生成される設計モデルを参照して不動産客体の開発後の価値を推定する機能を遂行することができる。ここで、本発明の一実施例によると、開発後の価値には、開発後の分譲収益、開発後の賃貸収益などが含まれ得る。例えば、前記推定される開発後の価値に関する情報には、該当不動産客体の建築敷地に建築できる建物の階数、延べ面積、建蔽率、専用率、分譲価格、取引の差益、賃貸料、賃貸収益などに関する情報が含まれ得る。
【0052】
具体的には、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、前記生成される建物の設計モデルによって、どのような不動産客体(土地)の建築敷地上に建物を建築する場合に、該当不動産で発生すると予想される追加収益に基づいて開発後の価値を推定することができる。
【0053】
さらに具体的には、本発明の一実施例に係る価値評価管理部310は、価値算出の対象となる対象不動産客体の位置的に関連する少なくとも一つの周辺の不動産客体に対して行われた開発に関する事例情報を獲得することができ、前記生成される建物の設計モデルと前記獲得される開発事例情報をすべて参照して対象不動産客体の開発後の価値を推定する機能を遂行することができる。例えば、周辺の不動産客体に対する開発に関する事例情報には、開発時点、開発状態および開発収益のうち少なくとも一つに関する情報が含まれ得る。
【0054】
図3および図4は、本発明の一実施例により、サービス提供システムを通じて不動産の開発後の価値に関する情報が推定される構成を例示的に示す図面である。
【0055】
図3および図4の実施例において、売り渡しプールに含まれる売り渡し条件によって特定される「ソウル特別市西大門区チャンチョン洞501-24」という住所を有する一筆の土地に対する開発後の価値を評価する場合を仮定することができる。例えば、図3および図4の実施例において、対象土地410は、筆面積が307.4mであり得、用途地域が「第2種一般住居地域」であり得、地目が「垈」であり得、その土地の上に建築された建物の延べ面積が861.66mであり得、その建物の主用途が「共同住宅」であり得、その建物の規模が「地上4階、地下1階」であり得、その建物が準工後15年になった建物であり得る。
【0056】
図3および図4を参照すると、本発明の一実施例に係るサービス提供システム300は、開発要素に関する情報に基づいて対象土地410の建築敷地の上に建築できる建物の設計モデルを生成することができる。本発明の一実施例によると、サービス提供システム300によって生成される建物の設計モデルは、充分に前述した通り、開発要素(すなわち、建築要素および金融要素を含む概念であって、日照量による高さ制限、敷地内の空き地、容積率、建蔽率などを含むことができる)を総合的に考慮して生成される最適な設計モデルを指し示し得る。一例として、図3および図4の実施例では、地上5階、延べ面積614.8m、建蔽率56.7%、専用率80.37%に該当する設計モデルが生成され得る。また、本発明の一実施例に係るサービス提供システム300は、前記のように生成される設計モデルの姿を、対象土地と関連した売り手または買い手のデバイス200を通じて、3次元的なグラフィック要素420で視覚的に提供することができる。
【0057】
引き続き、図3および図4を参照すると、本発明の一実施例に係るサービス提供システム300は、対象土地410と位置的に関連する周辺の土地411、412に対して行なわれた開発に関する事例情報を獲得することができる。図3および図4の実施例では、チャンチョン洞503-6に位置する周辺の土地411とチャンチョン洞259に位置する周辺の土地412に対する開発事例情報が獲得され得る。引き続き、図3および図4を参照すると、本発明の一実施例に係るサービス提供システム300は、前記生成される建物の設計モデルと前記獲得される開発事例情報をすべて参照して対象土地で発生し得る開発後の収益を推定することができ、その推定される情報430を提供することができる。図3および図4の実施例において、開発後の価値に関する情報は、分譲時に予想される収益と賃貸時に予想される収益に区分されて提供され得る。
【0058】
次いで、本発明の一実施例によると、逆提案管理部320は、ある不動産客体に対する価値評価に関する情報を含む逆提案が該当不動産客体の権利者に提供されるようにする機能を遂行することができる。
【0059】
具体的には、本発明の一実施例によると、逆提案管理部320は、不動産客体に対して価値評価を遂行した結果に関する情報を含む逆提案が、該当不動産客体の権利者のデバイスまたは売り渡し側の仲介者のデバイスに提供されるようにすることができる。
【0060】
本発明の一実施例によると、逆提案には、対象不動産客体の流通可能金額、流通確率、取引価値、市場価値、開発後の価値などに関する情報が含まれ得る。
【0061】
また、本発明の一実施例によると、逆提案管理部320は、逆提案に含まれる情報のうち少なくとも一部は、少なくとも一の仲介者によって決定されるようにすることができる。例えば、本発明の一実施例に係るサービス提供システム300によって不動産客体Aの市場価値が25億ウォンであると評価された場合に、前記価値評価の結果を不動産客体Aを保有している権利者と親交がある仲介者(すなわち、売り手側の権利者)のデバイスに提供することによって、仲介者が権利者に不動産客体Aを24億ウォンに売り物件に出すことを推薦する旨の逆提案を提供できるように支援することができる。
【0062】
また、本発明の一実施例によると、逆提案管理部320は、前記権利者の意思に基づいて前記不動産客体を売り物件として登録するかどうかを決定することができる。ここで、本発明の一実施例によると、権利者の意思に関する情報は権利者のデバイスまたは売り渡し側の仲介者のデバイスを通じて獲得され得る。
【0063】
具体的には、本発明の実施例によると、逆提案を提供された権利者は、自身が保有している不動産客体の流通可能金額、流通確率、取引価値、市場価値、開発後の価値などに関する情報に基づいて該当不動産客体を売り物件に出すかどうかを決定することができる。そして、本発明の一実施例に係る逆提案管理部320は、自身が保有した不動産客体を売り物件に出すという旨の権利者の意思に関する情報が獲得されると、それに対応して該当不動産をマーケットプレイスに売り物件として登録することができる。
【0064】
すなわち、本発明によると、不動産に対する価値評価に関する情報を含む逆提案が該当不動産を保有している権利者に提供され得、このような逆提案を提供された権利者が確信を持って該当不動産を売り物件として出すことができるようになるため、不動産を保有している人が客観的な情報に基づいて市場に積極的に参加できることになる。
【0065】
次いで、本発明の一実施例によると、マーケットプレイス管理部330は、ある不動産客体が売り物件として登録されると、該当不動産客体に対する価値評価および逆提案のうち少なくとも一つに関する情報に基づいて、該当不動産客体に少なくとも一つの買収条件をマッチングさせる機能を遂行することができる。
【0066】
また、本発明の一実施例によると、マーケットプレイス管理部330は、買い手が希望する買収条件に関する情報を含む買収プールを生成することができる。具体的には、本発明の一実施例によると、マーケットプレイス管理部330は、買い手または仲介者によって登録される買収に関する希望条件に基づいて買収プールを生成することができる。
【0067】
例えば、買収条件に関する情報には、買い手が買収しようとする不動産客体に関する買収希望価格、買収希望地域、希望用途、希望開発計画、開発後の希望収益率および開発後の希望価値などに関する情報が含まれ得る。
【0068】
また、本発明の一実施例によると、マーケットプレイス管理部330は、売り物件として登録された特定の不動産客体と買収プールに含まれる特定の買収条件をマッチングさせることができる。具体的には、本発明の一実施例によると、マーケットプレイス管理部330は、第1不動産客体の売り渡し希望価格が第1買収条件の買収希望価格に符合すると判断されると、第1不動産客体と第1買収条件をマッチングさせることができる。ここで、本発明の一実施例によると、第1不動産客体の売り渡し希望価格は、第1不動産客体に関する価値評価および逆提案のうち少なくとも一つによって特定されたり、第1不動産客体の権利者または仲介者によって任意に特定され得る。
【0069】
例えば、本発明の一実施例に係るマーケットプレイス管理部330は、マーケットプレイスに売り物件として登録された土地Aの開発後の価値が35億ウォンであると評価され、土地Aの売り渡し希望価格が27億ウォンである場合に、買収プールに含まれる多様な買収条件のうち、買収希望価格が25億ウォン(土地Aの売り渡し希望価格に類似する)であり、開発後の希望価値が34億ウォン(土地Aの推定された開発後の価値に類似する)の買収条件Bを土地Aにマッチングさせることができる。
【0070】
特に、本発明の一実施例によると、マーケットプレイス管理部330は、不動産客体と買収条件をマッチングさせるにおいて、ある不動産客体とマッチングされ得る買収条件に関する情報に基づいて該当不動産客体に関する開発要素または設計モデルを特定することができ、このように特定される開発要素または設計モデルに基づいて該当不動産客体に対する価値評価を遂行することができる。
【0071】
すなわち、本発明の一実施例によると、買い手が希望する買収条件によって特定される開発要素または設計モデルに基づいて売り渡しの対象となる不動産客体の価値を評価できるようになり、これによって買い手が希望する条件、用途または計画に符合する方向に不動産客体の価値をリアリティーをもって推定できるようになる。したがって、本発明の一実施例によると、買い手が不動産客体を買収した後に自身が希望する条件、用途または計画にしたがって該当不動産客体を開発する場合に得られる経済的な価値(すなわち、開発後の価値)を予測できるようになり、後述するように、買い手が希望する開発後の価値を有すると予測される不動産客体を該当買い手の買収条件とマッチングさせることができるようになる。
【0072】
また、本発明の一実施例によると、マーケットプレイス管理部330は、前記マッチングされる特定の不動産客体に対応する特定の売り手と前記マッチングされる特定の買収条件に対応する買い手にマッチング結果に関する情報を提供することができ、これによって、特定の売り手と特定の買い手が特定の不動産客体を特定の買収条件で取引できるように誘導することができる。
【0073】
一方、本発明の他の実施例によると、マーケットプレイス管理部330は、自身が保有した不動産客体を売り物件に出すという旨の権利者の意思に関する情報が獲得されると、権利者または既設定された買収希望者からの要請または取引条件に基づいて該当不動産客体を既設定された買収希望者とマッチングさせることによって、権利者自身が保有した不動産客体を既設定された買収希望者に直接売り渡すことができるようにする機能を遂行することができる。ここで、本発明の他の実施例によると、既設定された買収希望者には、本発明に係るサービス提供システム300の運営者が含まれ得る。
【0074】
すなわち、本発明の他の実施例によると、逆提案を受けた権利者自身が保有した不動産客体をマーケットプレイスに出して任意の買い手と取引できるようになることとは別個に、逆提案を受けた権利者自身が保有した不動産客体を本発明に係るサービス提供システム300の運営者に直接売り渡すこともできるようになる。
【0075】
次いで、本発明の一実施例によると、補償管理部340は、不動産客体に対する取引が成立すると、その取引に寄与した仲介者に所定の補償を提供することができる。具体的には、本発明の一実施例によると、補償管理部340は、該当不動産客体の権利者に逆提案が伝達されることに寄与した仲介者、該当不動産客体が売り物件として登録されることに寄与した仲介者または前記取引が成立することに寄与した仲介者に提供される補償を決定する機能を遂行することができる。
【0076】
より具体的には、本発明の一実施例によると、補償管理部340は、不動産客体が取引された価格に基づいて該当取引に寄与した仲介者に提供される補償を差別的に決定することができる。
【0077】
例えば、仲介者の寄与によって不動産客体の売り渡し価格が所定の基準より低くなった場合には、該当仲介者に提供される補償の水準が高くなり得る。このような場合に、該当仲介者に提供される補償のうち少なくとも一部は該当不動産客体の買い手(または投資家)が負担することができる。
【0078】
他の例として、仲介者の寄与によって不動産客体の売り渡し価格が所定の基準より高くなった場合にも該当仲介者に提供される補償の水準が高くなり得る。このような場合に、該当仲介者に提供される補償のうち少なくとも一部は該当不動産客体の売り手が負担することができる。
【0079】
一方、本発明の一実施例によると、通信部350は、価値評価管理部310、逆提案管理部320、マーケットプレイス管理部330および補償管理部340からの/へのデータの送受信を可能にする機能を遂行することができる。
【0080】
最後に、本発明の一実施例によると、制御部360は価値評価管理部310、逆提案管理部320、マーケットプレイス管理部330、補償管理部340および通信部350間のデータの流れを制御する機能を遂行することができる。すなわち、本発明に係る制御部360は、サービス提供システム300の外部からの/へのデータの流れまたはサービス提供システム300の各構成要素間のデータの流れを制御することによって、価値評価管理部310、逆提案管理部320、マーケットプレイス管理部330、補償管理部340および通信部350でそれぞれ固有の機能を遂行するように制御することができる。
【0081】
以上で説明された本発明に係る実施例は、多様なコンピュータ構成要素を通じて実行され得るプログラム命令語の形態で具現されてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は本発明のために特別に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知になっている使用可能なものであり得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令語を保存し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。ハードウェア装置は本発明に係る処理を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールに変更され得、その逆も同様である。
【0082】
以上、本発明が具体的な構成要素などのような特定の事項と限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正と変更を図ることができる。
【0083】
したがって、本発明の思想は前記説明された実施例に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等なまたはこれから等価的に変更されたすべての範囲は本発明の思想の範疇に属するものと言える。
【符号の説明】
【0084】
100:通信網
200:デバイス
300:サービス提供システム
310:価値評価管理部
320:逆提案管理部
330:マーケットプレイス管理部
340:補償管理部
350:通信部
360:制御部
図1
図2
図3
図4