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特許7341236リアルタイム研磨データを取得するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】リアルタイム研磨データを取得するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 23/02 20060101AFI20230901BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
B24B23/02
B24B49/10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021528372
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 US2019062617
(87)【国際公開番号】W WO2020106959
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】62/770,394
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/887,231
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391010770
【氏名又は名称】サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】507169495
【氏名又は名称】サン-ゴバン アブラジフ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミロット、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】アルコア、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】オリヴェイラ、ヨアオ、フェルナンド ジー.
(72)【発明者】
【氏名】サリヴァン、ジョセフ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】タニケッラ、ブラーマナンダム、ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】タデパッリ、ラジャッパ
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204807959(CN,U)
【文献】国際公開第2013/073436(WO,A1)
【文献】特表2016-525458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 23/02
B24B 49/10
B25F 5/00 - 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
身体装着可能デバイスであって、
研磨製品または被加工物に関与する研磨動作と関連付けられた研磨動作データを検出するように構成されている、少なくとも1つのセンサであって、前記研磨動作データが加速度データを含む、少なくとも1つのセンサと、
ディスプレイと、
メモリおよびプロセッサを含むコントローラであって、前記メモリが、前記コントローラに動作を実施させるように前記プロセッサによって実行可能である命令を記憶し、前記動作が、
前記少なくとも1つのセンサから、前記研磨動作データを受信することと、
前記加速度データに基づいて、振動データを計算することと、
前記振動データに基づいて、角速度データを決定することと、
前記振動データの、下限および上限によって画定される所定の振動ゾーン内の部分、および
前記角速度データの、所定の最適角速度ゾーン内の部分、
示す視覚的な表示を前記ディスプレイ上に生成することと、
を含む、コントローラと、を含む、身体装着可能デバイスと、
遠隔コンピューティングデバイスと、を備える、システム。
【請求項2】
前記身体装着可能デバイスが、ユーザの手首に結合されるよう構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記身体装着可能デバイスが通信インターフェースを含み、
前記動作が、
前記通信インターフェースを使用して、遠隔コンピューティングデバイスから前記研磨製品の識別子を受信することと、
前記識別子を使用して前記研磨製品を識別することと、をさらに含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記通信インターフェースが、画像キャプチャデバイス、無線通信デバイス、近距離通信(NFC)デバイス、無線周波数識別(RFID)リーダ、Bluetooth(登録商標)デバイス、またはLoRa(低消費電力広域ネットワーク)デバイスのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記動作が、前記角速度が前記所定の最適角速度ゾーン内である時間の長さを決定することさらに含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記動作はさらに、
前記所定の振動ゾーンからの偏差、又は
前記所定の最適角速度ゾーンからの偏差
の少なくとも1つを示す視覚的な表示を前記ディスプレイ上に生成すること、を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項7】
前記動作はさらに、前記角速度データが前記所定の最適角速度ゾーン外である部分を示す視覚的な表示を前記ディスプレイ上に生成すること、を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項8】
前記動作はさらに、前記振動データを既知の振動パターンのセットと比較することを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項9】
記動作はさらに、
前記下限を下回る前記振動データの部分、
前記上限を上回る前記振動データの部分、又は
その組み合わせ
示す視覚的な表示を前記ディスプレイ上に生成すること、を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項10】
前記所定の最適角速度ゾーンが上限及び下限により定される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項11】
前記動作はさらに、
前記角速度が前記上限を上回った時間の長さを決定し、前記角速度が前記上限を上回った時間の決定された長さを示す視覚的な表示を前記ディスプレイ上に生成すること、又は
前記角速度が前記下限を下回った時間の長さを決定し、前記角速度が前記下限を下回った時間の決定された長さを示す視覚的な表示を前記ディスプレイ上に生成すること、
の少なくとも1つを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記動作はさらに、前記振動データに基づいて、加えられた研削力、動作状態、前記研磨動作に関連したタスクの性能、又はそれらの任意の組み合わせを決定すること、を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項13】
方法であって、
身体装着可能デバイスによって、研磨製品または被加工物に関与する研磨動作と関連付けられた振動データを計算することであって、前記身体装着可能デバイスが少なくとも1つのセンサを含み、前記振動データが前記少なくとも1つのセンサによって収集された加速度データに基づいて計算される、計算することと、
前記身体装着可能デバイスによって、前記振動データに基づいて、角速度データを決定することと、
前記振動データの、下限および上限によって画定される所定の振動ゾーン内の部分、および
前記角速度データの、所定の最適角速度ゾーン内の部分、
示す視覚的な表示を前記身体装着可能デバイスのディスプレイ上に生成することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記身体装着可能デバイスによって、通信インターフェースを介して遠隔コンピューティングデバイスに、前記振動データ又は前記角速度データの少なくとも1つを送信することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記所定の振動ゾーンからの偏差、又は
前記所定の最適角速度ゾーンからの偏差
の少なくとも1つを示す視覚的な表示を前記ディスプレイ上に生成すること、をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記角速度が前記所定の最適角速度ゾーン内である時間の長さを決定することさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記所定の最適角速度ゾーン外の前記角速度データの部分を示す視覚的な表示を前記ディスプレイ上に生成することさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムであって、
(i)研磨製品に関与する事前の研磨動作データと、(ii)前記事前の研磨動作データと関連付けられた製品固有情報との間のマッピングを含むデータベースを含み、
前記遠隔コンピューティングデバイスは、動作を実施するように構成され、前記動作が、
前記身体装着可能デバイスから、前記研磨動作データを受信することと、
前記マッピングを使用して、前記研磨動作データが前記研磨製品の製品固有情報に関連することを予測することと、を含む、システム。
【請求項19】
前記データベースが、(i)プラントと、前記プラント内でそれぞれ動作している研磨製品との間の第1のマッピングセットと、(ii)前記研磨製品と、前記研磨製品とそれぞれ関連付けられた身体装着可能デバイスとの間の第2のマッピングセットと、(iii)前記身体装着可能デバイスと、前記身体装着可能デバイスとそれぞれ関連付けられたオペレータとの間の第3のマッピングセットと、をさらに含み、前記動作が、
クライアントデバイスから、前記プラントからの少なくとも1つのプラントと関連付けられた研磨動作データを閲覧する要求を受信することと、
前記第1のマッピングセットに基づいて、前記少なくとも1つのプラントと関連付けられた研磨製品セットを決定することと、
前記クライアントデバイスから、前記研磨製品セットからの少なくとも1つの研磨製品と関連付けられた研磨動作データを閲覧する要求を受信することと、
前記第2のマッピングセットに基づいて、前記少なくとも1つの研磨製品と関連付けられた身体装着可能デバイスセットを決定することと、
前記第3のマッピングセットに基づいて、前記身体装着可能デバイスセットと関連付けられたオペレータセットを決定することと、
前記クライアントデバイスに、前記オペレータセットに関連した研磨動作データを提供することと、をさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記動作が、
前記クライアントデバイスから、日付範囲内の研磨動作データを閲覧する要求を受信することをさらに含み、前記研磨動作データを提供することが、前記日付範囲内の前記研磨動作データを提供することをさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
研磨工具は、様々な材料除去動作で使用され得る。
【背景技術】
【0002】
そのような工具は、工具の使用を監視し得るセンサを備えている。例えば、動力センサが、負荷によって消費される電力を監視するために工具に組み込まれ得る。工具に組み込まれた動力センサは、工具に関連した有用な情報を工具のユーザに提供し得るが、センサは、工具の動作および/またはユーザの体験を完全にキャプチャしない場合がある。例えば、動力センサデータは、工具の構成要素が損傷したか、または誤動作しているか否かを決定するために効果的に使用されることができない。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、概して、研磨および研磨工具用途におけるリアルタイムデータを取得、分析、および利用するためのシステムおよび方法に関する。
【0004】
第1の態様では、システムが提供される。システムは、身体装着可能デバイスを含む。身体装着可能デバイスは、研磨製品または被加工物に関与する研磨動作と関連付けられた研磨動作データを検出するように構成されている、少なくとも1つのセンサを含む。身体装着可能デバイスはまた、通信インターフェースを含む。身体装着可能デバイスは、メモリおよびプロセッサを備えるコントローラをさらに含む。メモリは、コントローラに動作を実施させるようにプロセッサによって実行可能である命令を記憶する。動作は、少なくとも1つのセンサから、研磨動作データを受信することを含む。動作はまた、研磨動作データに基づいて、研磨製品の製品固有情報または被加工物の被加工物固有情報を決定することを含む。動作は、通信インターフェースを介して、製品固有情報または被加工物固有情報を送信することをさらに含む。システムは、送信された製品固有情報または被加工物固有情報を受信するように構成された遠隔コンピューティングデバイスをさらに含む。
【0005】
第2の態様では、方法が提供される。方法は、研磨製品または被加工物に近接して配設された少なくとも1つのセンサから、研磨製品または被加工物に関与する研磨動作と関連付けられた研磨動作データを受信することを含む。方法はまた、研磨動作データに基づいて、製品固有情報または被加工物固有情報を決定することを含む。方法は、通信インターフェースを介して遠隔コンピューティングデバイスに、製品固有情報または被加工物固有情報を送信することをさらに含む。
【0006】
第3の態様では、システムが提供される。システムは、(i)研磨製品および被加工物に関与する事前の研磨動作データと、(ii)事前の研磨動作データと関連付けられた製品固有情報および被加工物固有情報との間のマッピングを含むデータベースを含む。システムはまた、動作を実施するように構成されたコンピューティングデバイスを含む。動作は、少なくとも1つのセンサが研磨動作データを検出するように構成されていることから、研磨製品および被加工物に関与する研磨動作と関連付けられた研磨動作データを受信することを含む。動作は、マッピングを使用して、研磨動作データが、研磨製品の製品固有情報または被加工物の被加工物固有情報に関することを予測することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な実施形態による、着用可能デバイスのブロック図を例示する。
図2】例示的な実施形態による、着用可能デバイスを使用するシナリオを例示する。
図3】例示的な実施形態による、着用可能デバイスの動作状態の表を図示する。
図4】例示的な実施形態による、研磨工具の動力信号および振動信号の相関を実証するグラフを図示する。
図5】例示的な実施形態による、研磨工具の動作過酷度が決定され得る加速度グラフを図示する。
図6A】例示的な実施形態による、研磨工具の不均衡研磨物品が検出され得る加速度グラフを各々図示する。
図6B】例示的な実施形態による、研磨工具の不均衡研磨物品が検出され得る加速度グラフを各々図示する。
図7】例示的な実施形態による、研磨工具の損傷したディスクが検出され得る加速度グラフを図示する。
図8】例示的な実施形態による、研磨工具の衝撃および/またはストロークが検出され得る加速度グラフを図示する。
図9】例示的な実施形態による、結合研磨物品の斜視図を含む。
図10A】例示的な実施形態による、成形された研磨粒子の斜視図を含む。
図10B】例示的な実施形態による、図10Aの成形された研磨粒子の上面図を含む。
図11】例示的な実施形態による、成形された研磨粒子の斜視図を含む。
図12A】例示的な実施形態による、制御された高さの研磨粒子(CHAP)の斜視図を含む。
図12B】例示的な実施形態による、成形されていない粒子の斜視図を含む。
図13】例示的な実施形態による、微粒子材料を組み込むコーティングされた研磨物品の断面図を含む。
図14】例示的な実施形態による、コーティングされた研磨材の一部分の上面図を含む。
図15】例示的な実施形態による、コーティングされた研磨材の一部分の断面を例示する。
図16】例示的な実施形態による、グラフを例示する。
図17】例示的な実施形態による、グラフを例示する。
図18】例示的な実施形態による、システムを例示する。
図19】例示的な実施形態による、モデルを例示する。
図20】例示的な実施形態による、ウェブアプリケーションの図を例示する。
図21】例示的な実施形態による、着用可能デバイスのいくつかの表示を例示する。
図22】例示的な実施形態による、例示的な着用可能デバイスを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示的な方法、デバイス、およびシステムが本明細書に説明される。「例」、「例示的な」という単語は、「例、事例、または例示として用いる」を意味するように本明細書で使用されることを理解されたい。「例」または「例示的」であるとして本明細書に説明される任意の実施形態または特徴は、他の実施形態または特徴を上回って優位または有利であるように解釈される必要はない。本明細書に提示される主題の範囲から逸脱せずに、他の実施形態が利用されてもよく、他の変更が行われてもよい。
【0009】
したがって、本明細書に説明される例示的な実施形態は、限定を意味するものではない。本明細書に概して説明され、図に例示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成に配置、置換、合成、分離、および設計され得、それらの全てが、本明細書に企図される。
【0010】
さらに、文脈が別様に示唆しない限り、図の各々に例示される特徴は、互いに組み合わせて使用されてもよい。したがって、図は、概して、1つ以上の実施形態全体の構成要素の態様として見られるべきであり、全ての例示された特徴が、各実施形態に必要である訳ではないことを理解するべきである。
【0011】
I.概要
上記の議論に沿って、研磨工具(例えば、研削工具)に組み込まれるセンサ(例えば、動力センサ)は、工具の挙動または工具を使用するオペレータのユーザ体験を適切にキャプチャしない。したがって、そのようなセンサは、工具の動作に関するいくつかの情報をオペレータに提供し得るが、センサは、研磨工具パラメータのリアルタイム値および/または工具を使用して実施された研磨動作のリアルタイムフィードバックなどの、他の情報または洞察をオペレータに提供することができない。
【0012】
研磨工具の挙動を示す研磨動作データを決定および使用するための方法およびシステムが本明細書に開示される。本明細書に説明されるように、研磨動作データは、研磨工具の挙動をキャプチャすること、工具を使用するオペレータのユーザ体験をキャプチャすること、ならびに/または動作改善および/もしくは企業の改善を決定することを含む、多くの目的で使用され得る。
【0013】
本明細書に使用される際、研磨工具という用語は、研磨物品と使用されるように構成された任意の工具を含む。研磨物品は、少なくとも基材および基材に接続された(例えば、基材の中に収容されるか、または上にある)研磨物品を含む、固定研磨物品を含み得る。本明細書の実施形態の研磨物品は、結合研磨材、コーティングされた研磨材、不織布研磨材、薄型ホイール、切削ホイール、強化研磨物品、超研磨材、単層研磨物品などとすることができる。そのような研磨物品は、例えば、限定されるものではないが、成形された研磨粒子、一定の高さの研磨粒子、成形されていない研磨粒子(例えば、破壊または爆発された研磨粒子)などを含む、1つ以上の様々な種類の研磨物品を含み得る。
【0014】
図10Aは、一実施形態による、成形された研磨物品の斜視図を含む。成形された研磨粒子1000は、主表面1002、主表面1003、および主表面1002と1003との間に延在する側面1004を含む、本体1001を含み得る。図10Aに例示されるように、成形された研磨粒子1000の本体1001は、薄い形状の本体であり得、主表面1002および1003は、側面1004よりも大きい。さらに、本体1001は、頂点から底部に延在し、主表面1002または1003上の中点1050を通る、長手方向軸1010を含み得る。長手方向軸1010は、主表面に沿って、主表面1002の中点1050を通る、本体の最長寸法を画定することができる。
【0015】
ある特定の粒子では、本体の主表面の中点が、容易に明らかでない場合、主表面を俯瞰し、主表面の二次元形状の周囲の最も近くに適合する円を描き、主表面の中点としてその円の中心を使用してもよい。
【0016】
図10Bは、図10Aの成形された研磨粒子の上面図を含む。とりわけ、本体1001は、三角形の二次元形状を有する主表面1002を含む。円1060が、主表面1002上の中点1050の位置を容易にするように三角形の周囲に描かれている。
【0017】
図10Aを再び参照すると、本体1001は、同じ主表面1002上の長手方向軸1010に概して垂直に延在する、本体1001の幅を画定する、横軸1011をさらに含み得る。最終的には、図示されるように、本体1001は、縦軸1012を含み得、これは、薄い形状の本体の文脈において、本体1001の高さ(または厚さ)を画定することができる。薄い形状の本体では、長手方向軸1010の長さは、縦軸1012よりも長い。例示されるように、垂直軸1012に沿った厚さは、主表面1002と主表面1003との間の側面1004に沿って、長手方向軸1010および横軸1011によって画定される平面に垂直に延在し得る。本明細書で言及される研磨粒子の長さ、幅、および高さは、例えば、固定研磨材に付着される研磨粒子の群を含む、より大きい群の研磨粒子の好適なサンプリングサイズからとった、平均値についての言及であり得ることが理解されるであろう。
【0018】
薄い形状の研磨粒子を含む、本明細書の実施形態の成形された研磨粒子は、長さが幅以上であり得るような、第1のアスペクト比の長さ:幅を有し得る。さらに、本体1001の長さは、高さ以上であり得る。最終的には、本体1001の幅は、高さ以上であり得る。一実施形態によれば、第1のアスペクト比の長さ:幅は、少なくとも1.1:1、少なくとも1.2:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.8:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、またはさらには少なくとも10:1などの、少なくとも1:1であり得る。別の非限定的な実施形態では、成形された研磨粒子の本体1001は、100:1以下、50:1以下、10:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、2:1以下、またはさらには1:1以下の第1のアスペクト比の長さ:幅を有し得る。本体1001の第1のアスペクト比は、上に示された最小比および最大比のうちのいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0019】
しかしながら、ある特定の他の実施形態では、幅は、長さよりも長い場合がある。例えば、本体1001が正三角形であるそのような実施形態では、幅は、長さよりも長い場合がある。かかる実施形態では、第1のアスペクト比の長さ:幅は、少なくとも1:1.1、または少なくとも1:1.2、または少なくとも1:1.3、または少なくとも1:1.5、または少なくとも1:1.8、または少なくとも1:2、または少なくとも1:2.5、または少なくとも1:3、または少なくとも1:4、または少なくとも1:5、または少なくとも1:10であり得る。また、非限定的な実施形態では、第1のアスペクト比の長さ:幅は、1:100以下、または1:50以下、または1:25以下、または1:10以下、または5:1以下、または3:1以下であり得る。本体1001の第1のアスペクト比は、上に示された最小比および最大比のうちのいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0020】
さらに、本体1001は、少なくとも1.1:1、少なくとも1.2:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.8:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも8:1、またはさらには少なくとも10:1などの、少なくとも1:1であり得る第2のアスペクト比の幅:高さを有し得る。また、別の非限定的な実施形態では、本体1001の第2のアスペクト比の幅:高さは、50:1以下、10:1以下、8:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、またはさらには2:1以下などの、100:1以下であり得る。第2のアスペクト比の幅:高さは、上の最小比および最大比のうちのいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0021】
別の実施形態では、本体1001は、少なくとも1.2:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.8:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも8:1、またはさらには少なくとも10:1などの、少なくとも1.1:1であり得る第3のアスペクト比の長さ:高さを有し得る。また、別の非限定的な実施形態では、本体1001の第3のアスペクト比の長さ:高さは、50:1以下、10:1以下、8:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下などの、100:1以下であり得る。本体1001第3のアスペクト比は、最小比および最大比のうちのいずれかを含む範囲内、ならびに上記であり得ることが理解されるであろう。
【0022】
成形された研磨粒子を含む本明細書の実施形態の研磨粒子は、結晶質材料、より具体的には多結晶質材料を含み得る。とりわけ、多結晶質材料は、研磨粒を含み得る。一実施形態では、例えば、成形された研磨粒子の本体を含む研磨粒子の本体は、本質的に結合材などの有機材料を含まなくてもよい。少なくとも1つの実施形態では、研磨粒子は、本質的に多結晶質材料からなり得る。別の実施形態では、成形された研磨粒子などの研磨粒子は、シランを含まなくてもよく、具体的には、シランコーティングを有さなくてもよい。
【0023】
研磨粒子は、限定されるものではないが、窒化物、酸化物、炭化物、ホウ化物、オキシ窒化物、オキシホウ化物、ダイヤモンド、炭素含有材料、およびこれらの組み合わせを含む、ある特定の材料で作製され得る。特定の事例では、研磨粒子は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化ストロンチウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、希土類酸化物などの酸化物化合物または複合体、およびそれらの組み合わせを含み得る。研磨粒子は、超研磨粒子とすることができる。
【0024】
特定の一実施形態では、研磨粒子は、過半量のアルミナを含み得る。少なくとも1つの実施形態について、研磨粒子は、少なくとも90重量%のアルミナ、少なくとも91重量%のアルミナ、少なくとも92重量%のアルミナ、少なくとも93重量%のアルミナ、少なくとも94重量%のアルミナ、少なくとも95重量%のアルミナ、少なくとも96重量%のアルミナ、またはさらに少なくとも97重量%のアルミナなどの、少なくとも80重量%のアルミナを含み得る。また、少なくとも1つの特定の実施形態では、研磨粒子は、99重量%以下のアルミナ、98.5重量%以下のアルミナ、97.5重量%以下のアルミナ、97重量%以下のアルミナ、96重量%以下のアルミナ、またはさらに94重量%以下のアルミナなどの、99.5重量%以下のアルミナを含み得る。本明細書の実施形態の研磨粒子は、上記の最小および最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内でアルミナの含有量を含み得ることが理解されるであろう。さらに、特定の事例では、成形された研磨粒子は、種晶ゾルゲルから形成され得る。少なくとも1つの実施形態では、研磨粒子は、本明細書に説明されるように、アルミナおよび特定のドーパント材料から本質的になり得る。
【0025】
本明細書の実施形態の研磨粒子は、特に、研磨材として使用するために好適であり得る、濃密体を含み得る。例えば、研磨粒子は、少なくとも96%の理論密度、少なくとも97%の理論密度、少なくとも98%の理論密度、またはさらに少なくとも99%の理論密度などの、少なくとも95%の理論密度の密度を有する本体を有し得る。
【0026】
研磨粒子の本体内に含有される研磨粒(すなわち、結晶子)は、概して、約100マイクロメートル以下である平均粒径(すなわち、平均結晶径)を有し得る。他の実施形態では、平均粒径は、約80マイクロメートル以下、または約50マイクロメートル以下、または約30マイクロメートル以下、または約20マイクロメートル以下、または約10マイクロメートル以下、または6マイクロメートル以下、または5マイクロメートル以下、または4マイクロメートル以下、または3.5マイクロメートル以下、または3マイクロメートル以下、または2.5マイクロメートル以下、または2マイクロメートル以下、または1.5マイクロメートル以下、または1マイクロメートル以下、または0.8マイクロメートル以下、または0.6マイクロメートル以下、または0.5マイクロメートル以下、または0.4マイクロメートル以下、または0.3マイクロメートル以下、またはさらに0.2マイクロメートル以下など、小さくてもよい。また、研磨粒子の本体内に含有される研磨粒の平均粒径は、少なくとも約0.05マイクロメートル、または少なくとも約0.06マイクロメートル、または少なくとも約0.07マイクロメートル、または少なくとも約0.08マイクロメートル、または少なくとも約0.09マイクロメートル、または少なくとも約0.1マイクロメートル、または少なくとも約0.12マイクロメートル、または少なくとも約0.15マイクロメートル、または少なくとも約0.17マイクロメートル、または少なくとも約0.2マイクロメートル、またはさらに少なくとも約0.3マイクロメートルなどの、少なくとも約0.01マイクロメートルであり得る。研磨粒子は、上記の最小および最大値のいずれかの間の範囲内の平均粒径(すなわち、平均結晶径)を有し得ることが理解されるであろう。
【0027】
平均粒度(すなわち、平均結晶径)は、走査電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真を使用する、未修正の切片法に基づいて測定することができる。エポキシ樹脂中でベークライトの台を作製し、次いでStruers Tegraminの30ポリッシングユニットを使用して、ダイアモンドポリッシングスラリーを用いてポリッシングすることによって、研磨粒の試料を調製する。ポリッシングの後に、エポキシをホットプレート上で加熱し、次いでポリッシングした表面を150℃未満の焼結温度で5分間熱エッチングする。個々の粒(5~10グリット)をSEM台上に取り付け、次いでSEM準備のために金でコーティングする。3つの個々の研磨粒子のSEM顕微鏡写真をおよそ50,000倍の倍率で撮影し、次いで未修正の結晶子径を以下のステップを使用して計算する:1)写真の底部の黒いデータ帯域を除いて、結晶構造図の1つの角から対向する角へ対角線を引き、2)L1およびL2として対角線の長さを0.1センチメートル単位で測定し、3)対角線の各々が交差する粒界の数(すなわち、粒界交差部I1およびI2)を数え、対角線の各々のこの数を記録し、4)各顕微鏡写真または図面の底部のマイクロメートルで長さを示す横棒(すなわち、「横棒長さ」)の(センチメートルでの)長さを測定することによって、計算された横棒の数値を決定し、(マイクロメートルでの)横棒長さを(センチメートルでの)横棒長さによって除算し、5)顕微鏡写真上に引いた対角線の総センチメートルを加算して(L1+L2)、対角線の長さの合計を得、6)両方の対角線(I1+I2)の粒界交差部の数を加算して、粒界交差部の合計を得、7)センチメートルでの対角線の長さの合計(L1+L2)を粒界交差部の合計(I1+I2)によって除算し、この数を計算された横棒の数値で乗算する。このプロセスを、3つの異なる無作為に選択された試料に対して少なくとも3回別々に完了し、平均結晶子径を得る。
【0028】
特定の実施形態によると、特定の研磨粒子は、研磨粒子の本体内に少なくとも2つの異なる種類の粒を含む複合物品であり得る。異なる種類の粒が、互いに対して異なる組成を有する粒であることが理解されるであろう。例えば、研磨粒子の本体は、2つの異なる種類の粒を含むように形成され得、2つの異なる種類の粒は、窒化物、酸化物、炭化物、ホウ化物、オキシ窒化物、オキシホウ化物、ダイヤモンド、およびこれらの組み合わせであり得る。
【0029】
実施形態によると、研磨粒子は、少なくとも約100マイクロメートルの最大寸法(すなわち、長さ)によって測定されたときに、平均粒径を有し得る。実際、研磨粒子は、少なくとも約200マイクロメートル、少なくとも約300マイクロメートル、少なくとも約400マイクロメートル、少なくとも約500マイクロメートル、少なくとも約600マイクロメートル、少なくとも約マイクロメートル、少なくとも約800マイクロメートル、またはさらに少なくとも約900マイクロメートルなどの、少なくとも約150マイクロメートルの平均粒径を有し得る。また、本明細書の実施形態の研磨粒子は、約3mm以下、約2mm以下、またはさらに約1.5mm以下などの、約5mm以下である平均粒径を有し得る。研磨粒子は、上記の最小および最大値のいずれかの間の範囲内の平均粒径を有し得ることが理解されるであろう。
【0030】
図10は、概して三角形の二次元形状を有する、上主表面1002または主表面1003の平面によって画定されるような二次元形状を有する、成形された研磨粒子の図を含む。本明細書の実施形態の成形された研磨粒子は、このように限定されず、他の二次元形状を含み得ることが理解されるであろう。例えば、本明細書の実施形態の成形された研磨粒子としては、多角形、正多角形、不規則な多角形、弓状もしくは湾曲した側面、またはそのような側面の部分を含む不規則な多角形、楕円、数字、ギリシャ文字、ラテン文字、キリル文字、漢字、多角形形状の組み合わせを有する複雑な形状、中央領域および中央領域から延在する複数の腕部(例えば、少なくとも3本の腕部)を含む形状(例えば、星形)、ならびにそれらの組み合わせを含む形状の群からの、本体主表面によって画定されるような、二次元形状を有する本体を有する粒子を挙げることができる。特定の多角形形状としては、長方形、台形、四辺形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。別の場合では、最終的に形成される成形された研磨粒子は、不規則な四辺形、不規則な長方形、不規則な台形、不規則な五角形、不規則な六角形、不規則な七角形、不規則な八角形、不規則な九角形、不規則な十角形、およびそれらの組み合わせなどの二次元形状を有する本体を有し得る。不規則な多角形形状は、多角形形状を画定する辺のうちの少なくとも1つが、別の辺と比較して寸法(例えば、長さ)が異なるものである。本明細書の他の実施形態に図示されるように、ある特定の成形された研磨粒子の二次元形状は、特定の数の外点または外角を有し得る。例えば、成形された研磨粒子の本体は、長さおよび幅によって画定される平面の観点から二次元多角形形状を有し得、本体は、少なくとも4つの外点(例えば、四辺形)、少なくとも5つの外点(例えば、五角形)、少なくとも6つの外点(例えば、六角形)、少なくとも7つの外点(例えば、七角形)、少なくとも8つの外点(例えば、八角形)、少なくとも9つの外点(例えば、九角形)を有する二次元形状などを含む。
【0031】
図11は、別の実施形態による、成形された研磨粒子の斜視図を含む。とりわけ、成形された研磨粒子1100は、端部表面1102および1103と称され得る、表面1102および1103を含む、本体1101を含み得る。本体は、端部表面1102と端部表面1103との間に延在し結合されている主表面1104、1105、1106、1107をさらに含み得る。図11の成形された研磨粒子は、主表面1105に沿って延在し、端部表面1102と端部表面1103との間の中点1140を通る長手方向軸1110を有する、細長く成形された研磨粒子である。図10および図11の成形された研磨粒子などの、識別可能な二次元形状を有する粒子について、長手方向軸は、主表面上の中点を通る本体の長さを画定するために容易に理解される次元である。例えば、図11では、成形された研磨粒子1100の長手方向軸1110は、示されるように、主表面を画定する縁部に平行な端部表面1102と端部表面1103との間に延在する。かかる長手方向軸は、棒の長さを画定するであろうものと一致する。とりわけ、長手方向軸1110は、端部表面1102および1103を接合する角間、ならびに主表面1105を画定する縁部を斜めに延在しないが、かかる線は、最も長い寸法を画定し得る。主表面が、完全に平面の表面と比較して、うねりまたは微小な不完全な部分を有する場合、長手方向軸は、うねりを無視して、俯瞰した二次元画像を使用して画定してもよい。
【0032】
本体1101が、概して端部表面1102および1103によって画定されるように正方形の断面輪郭を有するので、表面1105は、長手方向軸1110を図示するために選択されていることが理解されるであろう。したがって、表面1104、1105、1106、および17は、互いに対してほぼ同じサイズであり得る。しかしながら、他の細長い研磨粒子の文脈では、表面1102および1103は、異なる形状、例えば、長方形形状を有し得、したがって、表面1104、1105、1106、および1107のうちの少なくとも1つは、他と比較してより大きい場合がある。かかる場合では、最大表面は主表面を画定し得、長手方向軸は、表面のうちの最大のものに沿って中点1140を通り延在し、主表面を画定する縁部に平行に延在し得る。さらに図示されるように、本体1101は、表面1105によって画定される同じ表面内で長手方向軸1110に垂直に延在する横軸1111を含み得る。さらに図示されるように、本体1101は、研磨粒子の高さを画定する縦軸1112をさらに含み得、縦軸1112は、表面1105の長手方向軸1110および横軸1111によって画定される平面に垂直方向に延在する。
【0033】
図10の成形された薄型研磨粒子のような、図11の細長く成形された研磨粒子は、図10の成形された研磨粒子に対して画定されたものなどの、様々な二次元形状を有し得ることが理解されるであろう。本体1101の二次元形状は、端部表面1102および1103の周囲の形状によって画定され得る。細長く成形された研磨粒子1100は、本明細書の実施形態の成形された研磨粒子の属性のうちのいずれかを有し得る。
【0034】
図12Aは、一実施形態による、制御された高さの研磨粒子(CHAP)の斜視図を含む。例示されるように、CHAP1200は、第1の主表面1202、第2の主表面1203、および第1の主表面1202と第2の主表面1203との間に延在する側面1204を含む、本体1201を含み得る。図12Aに例示されるように、本体1201は、薄く、比較的平面の形状を有し得、第1および第2の主表面1202および1203が、側面1204よりも大きく、実質的に互いに平行である。さらに、本体1201は、中点1220を通って延在し、本体1201の長さを画定する長手方向軸1210を含み得る。本体1201は、第1の主表面1202上の横軸1211をさらに含み得、これは、第1の主表面1202の中点1220を通って延在し、長手方向軸1210に垂直であり、本体1201の幅を画定する。
【0035】
本体1201は、縦軸1212をさらに含み得、これは、本体1201の高さ(または厚さ)を画定し得る。図示されるように、縦軸1212は、第1および第2の主表面1202および1203の間の側面1204に沿って、第1の主表面上の軸1210および1211によって画定される平面に概して垂直の方向に延在する。図12Aに例示されるCHAPなどの薄く成形された本体について、長さは、幅以上であり得、長さは、高さを超え得る。本明細書で言及される研磨粒子の長さ、幅、および高さは、研磨粒子のバッチのうちの好適なサンプリングサイズの研磨粒子からとった、平均値についての言及であり得ることが理解されるであろう。
【0036】
図10A図10B、および図11の成形された研磨粒子とは異なり、図12AのCHAPは、第1または第2の主表面1202および1203の外周に基づいて、容易に識別可能な二次元形状を有していない。かかる研磨粒子は、限定されないが、制御された高さを有するが、不規則に形成された平面の主表面を有する研磨粒子を形成するために、材料の薄い層を破砕することを含む、多様な方式で形成され得る。かかる粒子では、長手方向軸は、表面上の中点を通って延在する、主表面上の最長寸法として定義される。主表面が、うねりを有する場合、長手方向軸は、うねりを無視して、俯瞰した二次元画像を使用して画定してもよい。さらに、図10Bで上記のように、最も近くに適合する円を使用して、主表面の中点を識別し、ならびに長手方向軸および横軸を識別してもよい。
【0037】
図12Bは、成形されていない粒子の例示を含み、希釈剤粒、充填材、凝集体などのような細長い、成形されていない研磨粒子、または第2の粒子であり得る。成形された研磨粒子は、鋳造、プリンティング、鋳込み、押し出しを含む特定のプロセスを通じて形成することができる。成形された研磨粒子は、各粒子が互いに対して実質的に同じ配置の表面および縁部を有するように形成することができる。例えば、成形された研磨粒子の群は、概して互いに対して同じ配置および方向、ならびにまたは二次元形状の表面および縁部を有する。したがって、成形された研磨粒子は、互いに対する表面および縁部の配置において、比較的高い形状の忠実度および一貫性を有する。さらに、一定の高さの研磨粒子(constant height abrasive particles、CHAP)はまた、主表面を俯瞰すると不規則な二次元形状を有し得る薄い形状の本体の形成を容易にする、特定のプロセスを通じて形成することができる。CHAPは、成形された研磨粒子よりも低い形状忠実度を有し得るが、実質的に平面の、側面によって離間されている平行な主表面を有し得る。
【0038】
対照的に、成形されていない粒子は、異なるプロセスを通じて形成され得、成形された研磨粒子およびCHAPと比較して、異なる形状属性を有する。例えば、成形されていない粒子は、典型的には、材料の塊を形成し、次いで破壊し、ふるいにかけて、ある特定のサイズの研磨粒子を得る、粉砕プロセスによって形成される。しかしながら、成形されていない粒子は、概して無作為な配置の表面および縁部を有し、概して表面および縁部の配置において識別可能な二次元または三次元形状を欠くであろう。さらに、成形されていない粒子は、互いに対して一貫した形状を有する必要はなく、したがって、成形された研磨粒子またはCHAPと比較して、顕著により低い形状忠実度を有する。成形されていない粒子は、概して、各粒子に対して、および他の成形されていない粒子と比較して、無作為な配置の表面および縁部によって画定される。
【0039】
図12Bは、成形されていない粒子の斜視図を含む。成形されていない粒子1250は、概して無作為に配置された、本体1251の外表面に沿って延在する縁部1255を含む、本体1251を有し得る。本体は、粒子の最長寸法を画定する長手方向軸1252をさらに含み得る。長手方向軸1252は、二次元の観点から、本体の最長寸法を画定する。したがって、長手方向軸が主表面上で測定される成形された研磨粒子およびCHAPとは異なり、成形されていない粒子の長手方向軸は、粒子の最長寸法の観点を提供する画像または視点を使用して、粒子を二次元的に見ると、互いから最も遠い本体上の点によって画定される。つまり、図12Bに例示されるものなどの、細長いが、成形されていない粒子は、長手方向軸を適切に求めるために、最長寸法外観をなす斜視において観察されるべきである。本体1251は、長手方向軸1252に垂直に延在し、粒子の幅を画定する横軸1253をさらに含み得る。横軸1253は、長手方向軸1252を同定するのに使用した同じ平面の長手方向軸の中点1256を通り、長手方向軸1252に垂直に延在し得る。研磨粒子は、縦軸1254によって画定されるように、高さ(または厚さ)を有し得る。縦軸1254は、中点1256を通るが、長手方向軸1252および横軸1253を画定するのに使用した表面に垂直の方向で、延在し得る。高さの値を求めるために、研磨粒子を見る尺度を変えて、長さおよび幅の値を求めるのに使用したものとは異なる視点から粒子を見る必要があり得る。
【0040】
理解されるであろうように、研磨粒子は、長手方向軸1252によって画定される長さ、横軸1253によって画定される幅、および高さを画定する縦軸1254を有し得る。理解されるであろうように、本体1251は、長さが幅以上であるような、第1のアスペクト比の長さ:幅を有し得る。さらに、本体1251の長さは、高さ以上、または高さに等しくてもよい。最終的には、本体1251の幅は、高さ以上であり得る。一実施形態によれば、第1のアスペクト比の長さ:幅は、少なくとも1.1:1、少なくとも1.2:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.8:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、またはさらには少なくとも10:1であり得る。別の非限定的な実施形態では、細長く成形された研磨粒子の本体1251は、100:1以下、50:1以下、10:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、またはさらには2:1以下の第1のアスペクト比の長さ:幅を有し得る。本体1251の第1のアスペクト比は、上に示された最小比および最大比のうちのいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0041】
さらに、本体1251は、少なくとも1.2:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.8:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも8:1、またはさらには少なくとも10:1などの、少なくとも1.1:1の第2のアスペクト比の幅:高さを有し得る。また、別の非限定的な実施形態では、本体1251の第2のアスペクト比の幅:高さは、50:1以下、10:1以下、8:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、またはさらには2:1以下などの、100:1以下であり得る。第2のアスペクト比の幅:高さは、上の最小比および最大比のうちのいずれかを含む範囲を有し得ることが理解されるであろう。
【0042】
別の実施形態では、本体1251は、少なくとも1.2:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.8:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも8:1、またはさらには少なくとも10:1などの、少なくとも1.1:1であり得る第3のアスペクト比の長さ:高さを有し得る。また、別の非限定的な実施形態では、本体1251の第3のアスペクト比の長さ:高さは、50:1以下、10:1以下、8:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下などの、100:1以下であり得る。本体1251の第3のアスペクト比は、最小比および最大比のうちのいずれかを含む範囲、ならびに上記を有し得ることが理解されるであろう。
【0043】
成形されていない粒子1250は、例えば、限定されないが、組成、微細構造的な特色(例えば、平均粒度)、硬さ、気孔性などを含む、本明細書の実施形態に記載の研磨粒子の属性のうちのいずれかを有し得る。
【0044】
本明細書の実施形態の研磨物品は、異なる種類の研磨粒子、異なる種類の第2の粒子、またはこれらの任意の組み合わせを含む、異なる種類の粒子を組み込み得る。例えば、一実施形態では、コーティングされた研磨物品は、成形された研磨粒子を含む第1の種類の研磨粒子、および第2の種類の研磨粒子を含み得る。第2の種類の研磨粒子は、成形された研磨粒子または成形されていない研磨粒子であり得る。
【0045】
図13は、一実施形態による、微粒子材料を組み込む、コーティングされた研磨物品の断面図を含む。図示されるように、コーティングされた研磨材1300は、基材1301と、基材1301の表面を覆うメイクコート1303と、を含み得る。コーティングされた研磨材1300は、第1の種類の成形された研磨粒子の形態の第1の種類の微粒子材料1305と、第2の種類の成形された研磨粒子の形態の第2の種類の微粒子材料1306と、希釈剤研磨粒子、成形されていない研磨粒子、充填材などのような第2の粒子であり得る、第3の種類の微粒子材料1307と、をさらに含み得る。コーティングされた研磨材1300は、研磨微粒子材料1305、1306、1307、およびサイズコート1304を覆い、結合させるサイズコート1304をさらに含み得る。他の層または材料が、基材に追加されてもよく、他の構成要素の層は、例えば、限定されるものではないが、当業者に既知のフロントフィル、バックフィルなどを含むことが理解されるであろう。
【0046】
一実施形態によれば、基材1301は、有機材料、無機材料、およびそれらの組み合わせを含み得る。ある特定の場合では、基材1301としては、織布材料を挙げることができる。しかしながら、基材1301は、不織布材料から作製され得る。特に好適な基材材料としては、ポリマー、具体的にはポリエステル、ポリウレタン、ポリプロピレン、DuPontからのKAPTONなどのポリイミド、紙、またはそれらの任意の組み合わせを含む、有機材料を挙げることができる。いくつかの好適な無機材料としては、金属、金属合金、具体的には銅、アルミニウム、鋼、およびそれらの組み合わせの箔を挙げることができる。繊維の開放されたウェブであり得る不織布基材の文脈では、研磨粒子は、1つ以上の接着層によって繊維に接着され得る。そのような不織布製品では、研磨粒子は、繊維をコーティングするが、図13に例示されるように基材の主表面の上を覆うコンフォーマル層を形成する必要はない。そのような不織布製品が本明細書の実施形態に含まれることが理解されるであろう。
【0047】
メイクコート1303は、単一プロセスで基材1301の表面に適用され得るか、または代替的に、微粒子材料1305、1306、1307は、メイクコート1303材料と組み合わされてもよく、混合物としてメイクコート1303および微粒子材料1305~1307の組み合わせを基材1301の表面に適用してもよい。ある特定の場合では、メイクコート中の粒子1305~1307の制御された堆積または配置には、メイクコート1303を適用するプロセスを、メイクコート1303に研磨微粒子材料1305~1307を堆積させるプロセスと分けることがより好適であり得る。また、かかるプロセスを組み合わせてもよいことが考慮される。メイクコート1303の好適な材料としては、有機材料、具体的には、例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリシロキサン、シリコーン、酢酸セルロース、ニトロセルロース、天然ゴム、デンプン、セラック、およびそれらの混合物を含む、ポリマー材料を挙げることができる。一実施形態では、メイクコート1303としては、ポリエステル樹脂を挙げることができる。次いで、コーティングされた基材を加熱して、樹脂および研磨微粒子材料を基材に硬化させることができる。概して、コーティングされた基材1301は、この硬化プロセス中約100℃~約250℃未満の温度で加熱され得る。
【0048】
本明細書の実施形態によれば、微粒子材料1305~1307は、異なる種類の研磨粒子を含み得る。異なる種類の研磨粒子としては、異なる種類の成形された研磨粒子、異なる種類の第2の粒子、またはそれらの組み合わせが挙げられ得る。異なる種類の粒子は、組成、二次元形状、三次元形状、粒度、粒径、硬さ、脆弱性、凝集、およびそれらの組み合わせにおいて、互いに異なり得る。例示されるように、コーティングされた研磨材1300は、概して角錐形状を有する第1の種類の成形された研磨粒子1305、および概して三角形の二次元形状を有する第2の種類の研磨粒子1306を含み得る。コーティングされた研磨材1300は、異なる量の第1の種類および第2の種類の成形された研磨粒子1305および1306を含み得る。コーティングされた研磨材は、異なる種類の成形された研磨粒子を含む必要がない場合があり、本質的に単一の種類の成形された研磨粒子からなってもよいことが理解されるであろう。理解されるであろうように、本明細書の実施形態の成形された研磨粒子は、異なる種類の成形された研磨粒子、第2の粒子などを含み得る、ブレンドの形態を含む様々な固定研磨材(例えば、結合研磨材、コーティングされた研磨材、不織布研磨材、薄型のホイール、切り欠きのあるホイール、強化研磨物品など)に組み込まれ得る。
【0049】
粒子1307は、第1および第2の種類の成形された研磨粒子1305および1306とは異なる第2の粒子であり得る。例えば、第2の粒子1307は、成形されていない研磨粒子を表す破壊された研磨グリットを含み得る。
【0050】
研磨微粒子材料1305~1307を内部に含有するメイクコート1303を十分に形成した後に、サイズコート1304を形成して研磨微粒子材料1305を覆い、適所で結合させてもよい。サイズコート1304は、有機材料を含み得、本質的にポリマー材料から作製され得、とりわけ、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリシロキサン、シリコーン、酢酸セルロース、ニトロセルロース、天然ゴム、デンプン、セラック、およびそれらの混合物を使用し得る。
【0051】
図14は、実施形態による、コーティングされた研磨材の一部分の上面図を含む。コーティングされた研磨物品1400は、第1の領域1410、第2の領域1420、第3の領域1430、および第4の領域1440などの複数の領域を含み得る。領域1410、1420、1430および1440の各々は、チャネル領域1450によって離間され得、チャネル領域1450が、粒子を含まない裏材の領域を画定する。チャネル領域1450は、任意のサイズおよび形状を有し得、削り屑の除去および研削作業の改善に特に有用であり得る。チャネル領域は、長さ(すなわち、最長寸法)、および領域1410、1420、1430、および1440のうちのいずれか内のすぐ隣の研磨粒子間の平均空間よりも大きい幅(すなわち、長さに垂直の最短寸法)を有し得る。チャネル領域1450は、本明細書の実施形態のうちのいずれかの任意選択的な特色である。
【0052】
さらに例示されるように、第1の領域1410は、互いに対して概して無作為な回転方向を有する成形された研磨粒子1411の群を含み得る。成形された研磨粒子1411の群は、互いに対して無作為な分布で配置され得るため、成形された研磨粒子1411の配置に関して識別可能な短距離秩序または長距離秩序がない。とりわけ、成形された研磨粒子1411の群は、第1の領域1410内で実質的に均質に分布され得るので、塊(互いに接触している2つ以上の粒子)の形成が限定的である。第1の領域1410の成形された研磨粒子1411の群の粒の重量は、コーティングされた研磨材の意図される用途に基づいて制御してもよいことが理解されるであろう。
【0053】
第2の領域1420は、互いに対して制御された分布で配置されている成形された研磨粒子1421の群を含み得る。さらに、成形された研磨粒子1421の群は、互いに対して規則的かつ制御された回転方向を有し得る。例示されるように、成形された研磨粒子1421の群は、コーティングされた研磨材1401の裏材に対して同じ回転角度によって画定される概して同じ回転方向を有し得る。とりわけ、成形された研磨粒子1421の群は、第2の領域1420内で実質的に均質に分布され得るので、塊(互いに接触している2つ以上の粒子)の形成が限定的である。第2の領域1420内の成形された研磨粒子1421の群の粒の重量は、コーティングされた研磨材の意図される用途に基づいて制御してもよいことが理解されるであろう。
【0054】
第3の領域1430は、成形された研磨粒子1421および第2の粒子1432の複数の群を含み得る。成形された研磨粒子1431および第2の粒子1432の群は、互いに対して制御された分布で配置され得る。さらに、成形された研磨粒子1431の群は、互いに対して規則的かつ制御された回転方向を有し得る。図示されるように、成形された研磨粒子1431の群は、概して、コーティングされた研磨材1401の裏材上で2つの種類の回転方向のうちの1つを有し得る。とりわけ、成形された研磨粒子1431および第2の粒子1432の群は、第3の領域1430内で実質的に均質に分布され得るので、塊(互いに接触している2つ以上の粒子)の形成が限定的である。第3の領域1430の、成形された研磨粒子1431および第2の粒子1432の群の粒の重量は、コーティングされた研磨材の意図される用途に基づいて制御してもよいことが理解されるであろう。
【0055】
第4の領域1440は、互いに対して概して無作為な分布を有する成形された研磨粒子1441および第2の粒子1442の群を含み得る。追加的に、成形された研磨粒子1441の群は、互いに対して無作為な回転方向を有し得る。成形された研磨粒子1441および第2の粒子1442の群は、互いに対して無作為な分布で配置され得るので、識別可能な短距離秩序または長距離秩序がない。とりわけ、成形された研磨粒子1441および第2の粒子1442の群は、第4の領域1440内で実質的に均質に分布され得るので、塊(互いに接触している2つ以上の粒子)の形成が限定的である。第4の領域1440の、成形された研磨粒子1441および第2の粒子1442の群の粒の重量は、コーティングされた研磨材の意図される用途に基づいて制御してもよいことが理解されるであろう。
【0056】
図14に例示されるように、コーティングされた研磨物品1400は、異なる領域1410、1420、1430、および1440を含み得、これらの各々は、成形された粒子および第2の粒子などの、粒子の異なる群を含み得る。コーティングされた研磨物品1400は、本明細書の実施形態のシステムおよびプロセスを使用して作り出すことができる、粒子の異なる種類のグループ分け、配置、および分布を図示することを意図する。例示は、それらの粒子のグループ分けのみに限定することを意図せず、コーティングされた研磨物品は、図14に例示されるような1つの領域のみを含んで作製され得ることが理解されるであろう。また、図14に例示される領域のうちの1つ以上の異なる組み合わせまたは配置を含む、他のコーティングされた研磨物品を作製することができることが理解されるであろう。
【0057】
別の実施形態によると、コーティングされた研磨物品が形成され得、これは、研磨粒子の異なる群を含み、異なる群は、互いに対して異なる傾斜角を有する。例えば、図15に例示されるように、コーティングされた研磨材の一部分の断面図が提供される。コーティングされた研磨材1500は、裏材1501および第1の研磨粒子群1502を含み得、第1の研磨粒子群1502内の研磨粒子の各々は、第1の平均傾斜角を有する。コーティングされた研磨材1500は、第2の研磨粒子群1503をさらに含み得、第2の研磨粒子群1503内の研磨粒子の各々は、第2の平均傾斜角を有する。一実施形態によると、第1の研磨粒子群1502および第2の研磨粒子群1503は、チャネル領域1505によって分離され得る。さらに、第1の平均傾斜角は、第2の平均傾斜角とは異なり得る。より具体的な実施形態では、第1の研磨粒子群は、直立配向に配向され得、第2の研磨粒子群は、傾斜した配向で配向され得る。特定の理論に束縛されることを意図せず、コーティングされた研磨材の異なる領域内の研磨粒子の異なる群の傾斜角の制御された変動が、コーティングされた研磨材の改善された性能を容易にし得ると考えられる。
【0058】
1つの特定の態様によると、裏材の上を覆う研磨粒子の含有量は、意図される用途に基づいて制御され得る。例えば、研磨粒子は、少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%などの、裏材の総表面積の少なくとも5%、上を覆い得る。さらに別の実施形態では、コーティングされた研磨物品は、本質的にシランを含まなくてもよい。
【0059】
さらに、本明細書の実施形態の研磨物品は、基材の上を覆う粒子の特定の含有量を有し得る。さらに、開放コーティング密度などの裏材の上の粒子のある特定の含有量に関して、産業は、所望される垂直配向で粒子のある特定の含有量を得ることが困難であることを見出している。一実施形態では、粒子は、約70粒子/cm以下の粒子のコーティング密度を有する開放コーティング研磨製品(すなわち、研磨粒子、第2の粒子、または研磨粒子および第2の粒子の両方)を画定し得る。他の事例では、研磨物品の平方センチメートル当たりの成形された研磨粒子の密度は、約60粒子/cm以下、約55粒子/cm以下、またはさらに約50粒子/cm以下などの、約65粒子/cm以下であり得る。また、1つの非限定的な実施形態では、本明細書の成形された研磨粒子を使用する開放コーティングでコーティングされた研磨材の密度は、少なくとも約5粒子/cm、またはさらに少なくとも約10粒子/cmであり得る。研磨粒子の平方センチメートル当たりの成形された研磨粒子の密度は、上記の最小および最大値のいずれかの間の範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0060】
ある特定の事例では、研磨物品は、物品の外部研磨表面を被覆する、約50%以下の開放コーティング密度の粒子(すなわち、研磨粒子もしくは第2の粒子、または研磨粒子および第2の粒子の合計)を有し得る。他の実施形態では、粒子が配置される表面の総面積に対する研磨粒子の面積は、約30%以下、約25%以下、またはさらに約20%以下などの、約40%以下であり得る。また、1つの非限定的な実施形態では、表面の総面積に対する粒子のコーティング率は、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、またはさらに少なくとも約40%などの、少なくとも約5%であり得る。研磨表面の総面積に対する粒子の被覆率は、上記の最小および最大値のいずれかの間の範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0061】
いくつかの研磨物品は、裏材の所与の面積(例えば、リーム、1リーム=30.66m)に対する粒子(すなわち、研磨粒子もしくは第2の粒子、または研磨粒子および第2の粒子の合計)の特定の含有量を有し得る。例えば、一実施形態では、研磨物品は、少なくとも5ポンド/リーム、または少なくとも10ポンド/リーム、または少なくとも約15ポンド/リーム、または少なくとも約20ポンド/リーム、または少なくとも約25ポンド/リーム、またはさらに少なくとも約30ポンド/リームなどの、少なくとも約1ポンド/リーム(14.8グラム/m)の粒子の正規化重量を利用し得る。また、1つの非限定的な実施形態では、研磨物品は、80ポンド/リーム以下、または70ポンド/リーム以下、または60ポンド/リーム以下、または約50ポンド/リーム以下、またはさらに約45ポンド/リーム以下などの、約90ポンド/リーム(1333.8グラム/m)以下の粒子の正規化重量を含み得る。本明細書の実施形態の研磨物品が、上記の最小および最大値のいずれかの間の範囲内の粒子の正規化重量を利用し得ることが理解されるであろう。
【0062】
ある特定の事例では、研磨物品は、特定の被加工物に対して使用され得る。好適な例示的な被加工物は、無機材料、有機材料、天然材料、およびそれらの組み合わせを含み得る。特定の実施形態によると、被加工物は、鉄系材料、ニッケル系材料などのような金属または金属合金を含み得る。一実施形態では、被加工物は、鋼であり得、より具体的には、ステンレス鋼(例えば、304ステンレス鋼)から本質的になり得る。
【0063】
別の実施形態では、固定研磨物品が、結合材料の三次元体積内に収容された研磨粒子を含む、結合研磨材であり得、これは、例えば、概して、メイクコートおよび/またはサイズコートなどの結合材中に含有される研磨粒子の単一層を含むコーティングされた研磨物品を含む、ある特定の他の固定研磨物品とは別個であり得る。さらに、コーティングされた研磨物品は、概して、研磨粒子および結合材の層のための支持体として裏材を含む。対照的に、結合研磨物品は、概して、研磨粒子、結合材料、および任意選択のある程度の気孔性の三次元体積を含む自己支持物品である。結合研磨物品は、基材を含む必要がない場合があり、本質的に基材なしであり得る。
【0064】
図9は、一実施形態による、結合研磨物品の斜視図を含む。例示されるように、結合研磨物品120は、上面124、底面126、および上面124と底面126との間に延在する側面103を含む、概して円筒形状の本体101を有し得る。図9の結合研磨物品は、非限定的な例であり、限定されないが、円錐形、カップ形状、中央がへこんだホイール(例えば、T42)などを含む他の形状の本体を利用してもよいことが理解されるであろう。最終的に、さらに図示されるように、本体101は、本体101を回転させ、材料除去作業を容易にするように構成された機械上に本体101を取り付けるための心軸またはシャフトを受容するように構成され得る、中央開口部185を含み得る。
【0065】
結合研磨物品120は、例えば、本体101の体積内に収容された研磨粒子105および128の群を含む、研磨粒子を含む本体101を有し得る。研磨粒子は、本体101の三次元体積全体を通じて延在し得る結合材料107によって、本体101の三次元体積内に収容され得る。一実施形態によれば、結合材料107は、ガラス質、多結晶質、単結晶質、有機質(例えば、樹脂)、金属、金属合金、およびそれらの組み合わせなどの材料を含み得る。
【0066】
特定の実施形態では、研磨粒子は、結合材料107内に封入され得る。本明細書で使用される場合、「封入された」とは、研磨粒子のうちの少なくとも1つが、結合材料の均質な、または概して均質な組成物によって完全に取り囲まれている状態を指す。一実施形態では、結合研磨物品120は、本質的に固定層なしであり得る。特定の事例では、結合研磨物品120は、本体101の体積全体を通して実質的に均一であり得る。より具体的な事例では、本体101は、本体101の体積全体を通して実質的に均質な組成物を有し得る。
【0067】
一実施形態によると、結合研磨物品120内に含有される研磨粒子は、本明細書の実施形態に説明されるものによる、研磨材料を含み得る。
【0068】
結合研磨物品120は、第1および第2の種類の研磨粒子などの1つ以上の種類の研磨粒子を含む、研磨粒子の組み合わせを含み得る。第1および第2の種類とは、固定研磨物品内の研磨粒子の含有量を指し得、第1の種類の研磨粒子は、第2の種類の研磨粒子よりも高い含有量で存在する。他の場合では、第1と第2の種類の研磨粒子の間の区別は、本体内での研磨粒子の位置に基づき得、第1の研磨粒子が、材料除去の最初の段階を行うか、または第2の研磨粒子と比較して大部分の材料除去を行うように位置し得る。また他の場合では、第1と第2の研磨粒子との間の区別は、研磨粒子の研磨の性質(例えば、硬さ、脆弱性、破砕機構など)に属し得、第1の粒子の研磨の性質が、典型的には、第2の種類の研磨粒子と比較してより頑強である。第2の種類の研磨粒子として考慮され得る研磨粒子のいくつかの好適な例としては、希釈剤粒子、凝集粒子、非凝集粒子、天然材料(例えば、鉱物)、合成材料、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0069】
ある特定の事例では、結合研磨物品120は、好適な材料除去動作を容易にし得る、特定の含有量の研磨粒子を本体101内に含み得る。例えば、本体101は、本体の全体積に対して少なくとも0.5体積%、かつ60体積%以下の研磨粒子の含有量を含み得る。
【0070】
さらに、結合研磨物品120の本体101は、結合研磨物品120の好適な動作を容易にし得る、結合材料107の特定の含有量を含み得る。例えば、本体101は、本体の全体積に対して少なくとも0.5体積%、かつ約90体積%以下の結合材料107の含有量を含み得る。
【0071】
ある特定の場合では、固定研磨物品は、気孔性の含有量を含む本体101を有し得る。気孔性は、本体101の全体積のうちの少なくとも一部分全体を通じて延在し得、ある特定の場合では、本体101の全体積全体を通じて実質的に均一に延在し得る。例えば、気孔性は、密閉気孔性または開放気孔性を挙げることができる。密閉気孔性は、結合材料および/または研磨粒子によって互いから単離されている別個の気孔の形態であり得る。かかる密閉気孔性は、気孔形成剤によって形成することができる。他の場合では、気孔性は、本体101の三次元体積のうちの少なくとも一部分全体を通じて延在する、チャネルの相互接続されたネットワークを画定する、開放気孔性であり得る。本体101は、密閉気孔性と開放気孔性との組み合わせを含んでもよいことが理解されるであろう。
【0072】
一実施形態によれば、固定研磨物品は、好適な材料除去作業を容易にし得る、特定の含有量の気孔性を含む、本体101を有し得る。例えば、本体101は、本体の全体積に対して少なくとも0.5体積%、かつ80体積%以下の気孔性を有し得る。
【0073】
別の実施形態によると、結合研磨物品120は、ある特定の研削動作を容易にし得る、ある特定の添加剤を含む本体101を含み得ることが理解されるであろう。例えば、本体101は、充填材、研削補助剤、気孔生成剤、中空材料、触媒、カップリング剤、硬化剤、帯電防止剤、懸濁剤、抗増量剤、潤滑剤、湿潤剤、染料、充填剤、粘度調整剤、分散剤、消泡剤、およびそれらの組み合わせなどの添加剤を含み得る。
【0074】
図9にさらに例示されるように、本体101は、所望の材料除去動作に応じて変動させることができる直径183を有し得る。直径とは、特に本体101が、円錐形またはカップ形状の輪郭を有する場合の本体の最大直径を指し得る。
【0075】
さらに、本体101は、上面124と底面126との間で軸状の軸180に沿う側面103に沿って延在する特定の厚さ181を有し得る。本体101は、1m以下であり得る、本体101の平均厚さであり得る、厚さ181を有し得る。
【0076】
一実施形態によれば、本体101は、ある特定の除去作業に好適であり得る直径:厚さの比を定義する、直径183と厚さ181との間の特定の関係性を有し得る。例えば、本体101は、少なくとも15:1、少なくとも20:1、少なくとも50:1、またはさらには少なくとも100:1などの少なくとも10:1の直径:厚さの比を有し得る。本体は、10,000:1以下、または1000:1以下の直径:厚さの比を有し得ることが理解されるであろう。
【0077】
結合研磨物品120は、少なくとも1つの強化部材141を含み得る。特定の場合では、強化材料141は、本体101の全幅(例えば、直径183)の大部分に延在し得る。しかしながら、他の場合では、強化部材141は、本体101の全幅(例えば、直径183)の一部分にのみ延在し得る。ある特定の事例では、強化部材141は、ある特定の材料除去動作のための本体への好適な安定性を追加するために含められ得る。一実施形態によれば、強化部材141としては、織布材料、不織布材料、複合材料、積層材料、モノリシック材料、天然材料、合成材料、およびそれらの組み合わせなどの材料を挙げることができる。より具体的には、ある特定の場合では、強化部材141としては、単結晶質材料、多結晶質材料、ガラス質材料、非晶質材料、ガラス(例えば、ガラス繊維)、セラミック、金属、有機材料、無機材料、およびそれらの組み合わせなどの材料を挙げることができる。特定の場合では、強化材料141は、ガラス繊維を含み得、本質的にガラス繊維から形成され得る。
【0078】
特定の事例では、強化材料141は、本体101の三次元体積内、より具体的には、結合材料107の三次元体積内に実質的に収容され得る。ある特定の事例では、強化材料141は、限定されるものではないが、上面124、側面103、および/または底面126を含む、本体101の外面に交差し得る。例えば、強化材料141は、上面124または底面126に交差し得る。少なくとも1つの実施形態では、強化材料141は、結合材料107が1つ以上の強化材料の間に配設されるように、本体101の上面124または底面126を画定し得る。単一強化部材141が、図1の実施形態に例示されているが、複数の強化部材が、意図される材料除去用途に好適な様々な配置および配向で本体101内に提供され得ることが理解されるであろう。
【0079】
さらに図示されるように、本体101は、本体101の三次元体積を定義する、ある特定の軸と平面とを含み得る。例えば、固定研磨物品120の本体101は、軸状の軸180を含み得る。さらに図示されるように、軸状の軸180に沿って、本体101は、本明細書では0°として示される特定の角度方向で本体101の特定の直径を通る、軸状の軸180に沿って延在する第1の軸平面131を含み得る。本体101は、第1の軸平面131とは異なる第2の軸平面132をさらに含み得る。第2の軸平面132は、本明細書の例によって30°として示される角度位置で本体101の直径を通る、軸状の軸180に沿って延在し得る。本体101の第1および第2の軸平面131および132は、例えば、軸平面131内の研磨粒子191の軸状集積部、および軸平面132内の研磨粒子192の軸状集積部を含む、本体101内の研磨粒子の特定の軸状集積部を画定し得る。さらに、本体101の軸平面は、例えば、本体101内の軸平面131と132との間の領域として画定される区画184を含む、軸平面間の区画を画定し得る。区画は、材料除去作業の改善を促進することができる、研磨粒子の特定の群を含み得る。例えば、軸平面内の研磨粒子を含む、本体内の研磨粒子の部分の特色についての本明細書での言及はまた、本体の1つ以上の区画内に収容される研磨粒子の群に関係するであろう。
【0080】
さらに図示されるように、本体101は、軸状の軸180に沿って特定の軸位置で、上面124および/または底面126に実質的に平行である平面に沿って延在する、第1の径方向平面121を含み得る。本体は、軸状の軸180に沿って特定の軸位置で、上面124および/または底面126に実質的に平行な様式で延在し得る、第2の径方向平面122をさらに含み得る。第1の径方向平面121および第2の径方向平面122は、本体101内で互いから離間し得、より具体的には、第1の径方向平面121および第2の径方向平面122は、互いから軸方向に離間し得る。さらに例示されるように、ある特定の事例では、1つ以上の強化部材141は、第1の径方向平面121と第2の径方向平面122との間に配設され得る。第1および第2の径方向平面121および122は、研削性能の改善を促進することができる、互いと比較してある特定の特色を有し得る、例えば、第1の径方向平面121の研磨粒子128の群、および第2の径方向平面122の研磨粒子105の群を含む、1つ以上の特定の研磨粒子の群を含み得る。
【0081】
本明細書の実施形態の研磨粒子は、特定の種類の研磨粒子を含み得る。例えば、研磨粒子は、成形された研磨粒子および/または細長い研磨粒子を含み得、細長い研磨粒子は、少なくとも1.1:1の長さ:幅または長さ:高さのアスペクト比を有し得る。様々な方法が、成形された研磨粒子を得るために利用され得る。粒子は、商業的供給源から得られるか、または調製され得る。成形された研磨粒子を調製するために使用されるいくつかの好適なプロセスは、限定されるものではないが、堆積、プリンティング(例えば、スクリーンプリンティング)、鋳造、プレス、鋳込み、分割、切断、ダイシング、パンチング、プレス、乾燥、硬化、コーティング、押し出し、圧延、およびそれらの組み合わせを含み得る。同様のプロセスが、細長い研磨粒子を得るために利用され得る。細長い成形されていない研磨粒子は、破壊およびふるい分け技術を通じて形成され得る。
【0082】
一実施形態では、システムは、研磨動作データを決定するために使用され得るリアルタイムデータを取得し得る着用可能デバイスを含み得る。リアルタイムデータを取得するために、着用可能デバイスは、工具の環境からおよび/または工具自体からリアルタイムにデータを収集し得る、埋め込みセンサを含み得る。例えば、センサは、3軸(x、y、およびz)の加速度情報を測定および記録するために動作可能であり得る加速度計を含み得る。したがって、着用可能デバイスを着用しながらオペレータが研磨動作を実施するとき、デバイスは、動作を実施するために使用されている工具に関連する加速度情報を測定および記録し得る。このシナリオでは、加速度情報は、工具の振動の程度を決定するために使用され得る。
【0083】
研磨動作データの例である振動データは、他の研磨動作データを外挿するために使用され得る。一例として、振動データは、動作状態および動作時間などの工具の動作情報を決定するために使用され得る。例えば、動作状態は、他の可能性の中でもとりわけ、「オフ」、「アイドル」、「サンディング」、「不均衡ディスクによるサンディング」、または「摩耗したディスクによるサンディング」を含み得る。別の例として、振動データは、変数の中でもとりわけ、加工角度、グリップの締め付け、加えられた圧力、角速度(例えば、回転/分、RPM)などの実施された研磨動作の研削情報を決定するために使用され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、システムは、動作が実施されている環境中に配設されている遠隔センサを追加的に含み得る。追加的に、および/または代替的に、システムは、研磨工具内に埋め込まれている(例えば、ハンドル内、工具の本体、および/または研磨製品に結合される)センサを含み得る。着用可能デバイスは、遠隔センサおよび/または研磨製品または工具と関連付けられた1つ以上のセンサと通信するように構成され得る。
【0085】
一例として、研磨工具は、研削ホイールまたは研削ディスクの角速度(RPM)に関する情報を提供するために動作可能な光または磁気センサを含み得る。そのようなシナリオでは、着用可能デバイスは、RPM情報を、着用可能デバイスによって取得された振動情報と関連付けるために、研削工具と通信するように構成され得る。
次いで、RPM情報および/または振動情報は、研削工具の研削動力および/または加えられた研削力を決定するために使用され得る。別の例として、着用可能デバイスは、研削工具の動作モードを調整するために、研削工具に命令を提供し得る。いくつかの実施形態では、着用可能デバイスは、ノイズ情報および/または振動情報に基づいて、RPM、オン、および/またはオフを調整するように、研削工具に命令し得る。例えば、ノイズデータおよび/または振動データに基づいて研削工具の動作が安全ではないと着用可能デバイスが決定した場合、着用可能デバイスは、シャットダウンするように研削工具に命令し得る。
【0086】
追加的に、着用可能デバイスは、収集されたデータを遠隔サーバに送信するために通信インターフェースを含み得る。通信インターフェースは、Wi-Fi接続を含み、クラウドコンピューティングおよび/またはクラウド記憶能力にアクセスし得る。したがって、着用可能デバイスは、遠隔サーバにリアルタイム情報を提供し得、遠隔サーバは、研削/研磨動作に関するリアルタイムフィードバックを提供し得る。このようにして、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、研削/研磨動作に関連する1つ以上の性能インジケータに関するリアルタイム情報を提供し得る。
【0087】
追加的に、遠隔サーバは、受信されたデータを記憶し得る。遠隔サーバは、次いで、ある期間にわたって記憶されているデータ(本明細書では「履歴データ」)を分析またはマイニングして、おそらく、研削工具と関連付けられた1つ以上の決定を行い得る。一例では、遠隔サーバは、動作改善または企業改善(例えば、最良な動作の実践の識別および教示)を決定し得る。別の例では、遠隔サーバは、おそらく、多くのユーザにわたる、所与の用途で使用される異なる研磨物品のための異なる価値尺度(例えば、振動、ノイズ、生産性、製品寿命など)を比較し得る。
【0088】
さらに、着用可能デバイスは、1つ以上のクラウドコンピューティングデバイスに通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、着用可能デバイスは、ウェブアプリケーションを実行するように動作可能であり得、ウェブアプリケーションは、他の可能性の中でもとりわけ、Node.js(例えば、JavaScript everywhere)ランタイム環境で動作するイベント駆動スクリプトを含み得る。すなわち、着用可能デバイスは、リアルタイムおよび/または非同期様式でクラウドコンピューティングデバイスと通信するように構成され得る。例示的な実施形態では、着用可能デバイスによって検出および/または生成されたアプリケーションデータは、リアルタイムデータベースおよびFirebaseなどの記憶ソフトウェアによって、クライアントデバイスおよび/またはクラウドコンピューティングにわたって同期され得る。いくつかの実施形態では、着用可能デバイスは、Message Queuing Telemetry Transport(MQTT)または別の種類のメッセージングプロトコルを使用して遠隔コンピューティングデバイスと通信するように構成され得る。
【0089】
II.例示的な着用可能デバイス
図1は、例示的な実施形態による、着用可能デバイス100のブロック図を例示する。着用可能デバイス100は、ユーザの身体表面に、身体表面上に、または身体表面に近接してデバイスを装着するために使用され得る、ベルト、リストバンド、アンクルバンド、ネックレス、または接着基材などのような台を含み得る。したがって、着用可能デバイス100は、ユーザの身体表面上、身体表面内、身体表面を囲んで、または身体表面に隣接して装着されるように構成されている任意のデバイスの形態をとり得る。例示的な実装形態では、着用可能デバイス100は、ユーザによって着用される保護手袋に装着され得る。追加的に、または代替的に、着用可能デバイス100は、リストバンドを含み得、リストバンドと同様に着用され得る(例えば、図2の着用可能デバイス202)。
【0090】
いくつかの例では、着用可能デバイス100は、頭部装着可能ディスプレイ(HMD)として提供されるか、またはそれを含み得る。HMDは、概して、頭部に着用され、着用者の片目または両目の前方にディスプレイを配置することができる、任意のディスプレイデバイスであり得る。そのようなディスプレイは、着用者の視野全体を占有するか、または着用者の視野の一部分のみを占有し得る。さらに、頭部装着ディスプレイは、サイズが変化してもよく、例えば、眼鏡型ディスプレイなどのより小さい形態、またはヘルメットもしくは眼鏡などのより大きい形態をとる。HMDは、着用者の身体に接触するか、または身体に近接し得る、HMD上に位置付けられた1つ以上のセンサを含み得る。
【0091】
図1に示されるように、着用可能デバイス100は、データを収集するための1つ以上のセンサ116と、収集されたデータを記憶し、命令114を含み得る、データ記憶装置104と、1つ以上のプロセッサ(複数可)102と、遠隔ソース(例えば、サーバまたは別のデバイス/センサ)と通信するための通信インターフェース106と、ディスプレイ108と、を含み得る。追加的に、着用可能デバイス100は、聴覚的出力デバイス(例えば、スピーカ)、および触覚フィードバックデバイス(例えば、他の例の中でもとりわけ、偏心回転質量(ERM)アクチュエータ、線形共振アクチュエータ(LRA)、または圧電アクチュエータ)を含み得る。
【0092】
1つ以上のセンサ116は、着用可能デバイス100の環境からの、または環境と関連付けられたデータをリアルタイムに収集するように構成され得る。データのリアルタイム収集は、データを周期的または連続的に収集するセンサを伴い得る。例えば、1つ以上のセンサ116は、センサの環境内の音(例えば、センサに近接して動作している研磨工具からの)を検出するように構成されている音検出デバイス(例えば、マイクロフォン)を含み得る。追加的に、および/または代替的に、センサ116は、着用可能デバイス100のオペレータからの、またはオペレータと関連付けられたデータを収集するように構成され得る。例えば、1つ以上のセンサ116は、オペレータの加速度(例えば、着用可能デバイス100が装着されているオペレータの手の加速度)を測定するように構成されている加速度計(例えば、3軸加速度計)を含み得る。本明細書に説明されるように、1つ以上のセンサ116によって収集されたデータは、研磨動作データを決定するために使用され得、研磨動作データは、次いで、研削/研磨動作に関するリアルタイムデータを取得すること、工具を使用しているユーザのユーザ体験をキャプチャすること、ならびに/または動作改善および/もしくは企業改善を決定すること(ある期間にわたって収集されたデータに基づいて)のために使用され得る。
【0093】
1つ以上のセンサ116はまた、IMUおよびジャイロスコープなどの、動きを検出するための他のセンサを含み得る。さらに、1つ以上のセンサ116は、他の例の中でもとりわけ、位置追跡センサ(例えば、GPSまたは他の位置特定デバイス)、光強度センサ、温度計、時計、力センサ、圧力センサ、フォトセンサ、ホールセンサ、振動センサ、音圧センサ、磁力計、赤外線センサ、カメラ、および圧電センサなどの、他の種類のセンサを含み得る。これらのセンサおよびそれらの構成要素は、着用可能デバイス100が、着用者の通常の活動と顕著に干渉せずに、身体上に着用され得るように、小型化され得る。1つ以上のセンサ116は、バッテリ給電され得るか、またはそれらを「自己発電」させるために内部環境発電機構(例えば、太陽電池環境発電システムまたは圧電環境発電システム)を有し得る。
【0094】
プロセッサ102は、命令114に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のセンサ116を制御するように構成され得る。以下に説明されることになるように、命令114は、リアルタイムデータを収集するためのものであり得る。さらに、プロセッサ102は、1つ以上のセンサ116によって収集されたリアルタイムデータを処理するために構成され得る。またさらに、プロセッサ102は、研磨工具の挙動または工具を使用しているユーザのユーザ体験を示す情報にデータを変換するように構成され得る。
【0095】
データ記憶装置104は、非限定的に、磁気ディスク、光学ディスク、有機メモリ、および/またはプロセッサ102によって読み出し可能な任意の他の揮発性(例えば、RAM)もしくは不揮発性(例えば、ROM)記憶システムを含み得る、非一時的コンピュータ可読媒体である。データ記憶装置104は、センサ読み取り値、プログラム設定(例えば、着用可能デバイス100の挙動を調整するための)、ユーザ入力(例えば、デバイス100上のユーザインターフェースから、または遠隔デバイスから通信される)などのような、データの指示を記憶するためにデータ記憶装置を含み得る。データ記憶装置104はまた、デバイス100に命令によって指定された動作を実施させるために、プロセッサ102による実行のためのプログラム命令114を含み得る。動作は、本明細書に説明される方法のいずれかを含み得る。
【0096】
通信インターフェース106は、着用可能デバイス100内、および/または着用可能デバイス100と1つ以上の他のデバイスとの間の通信を可能にするハードウェアを含み得る。ハードウェアは、例えば、送信機、受信機、およびアンテナを含み得る。通信インターフェース106は、1つ以上の有線または無線通信プロトコルに従って、1つ以上の他のデバイスとの通信を容易にするように構成され得る。例えば、通信インターフェース106は、1つ以上のIEEE801.11規格、ZigBee規格、Bluetooth(登録商標)規格、LoRa(低消費電力広域ネットワーク)などのような、1つ以上の無線通信規格に従って、着用可能デバイス100のための無線データ通信を容易にするように構成され得る。例えば、通信インターフェース106は、WiFi接続を含み、クラウドコンピューティングおよび/またはクラウド記憶能力にアクセスし得る。別の例として、通信インターフェース106は、1つ以上の他のデバイスとの有線データ通信を容易にするように構成され得る。
【0097】
ディスプレイ108は、データを表示するように構成された任意の種類のディスプレイ構成要素であり得る。一例として、ディスプレイ108は、タッチ画面ディスプレイを含み得る。別の例として、ディスプレイ108は、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイなどの、フラットパネルディスプレイを含み得る。
【0098】
ユーザインターフェース110は、着用可能デバイス100にデータおよび制御信号を提供するために使用され得るハードウェアの1つ以上の部品を含み得る。例えば、ユーザインターフェース110は、他の可能な種類のユーザ入力デバイスの中でもとりわけ、マウスもしくはポインティングデバイス、キーボードもしくはキーパッド、マイクロフォン、タッチパッド、またはタッチ画面を含み得る。概して、ユーザインターフェース110は、オペレータが、着用可能デバイス100によって提供される(例えば、ディスプレイ108によって表示される)グラフィカルユーザインターフェース(GUI)と対話することを可能にし得る。一例として、ユーザインターフェース110は、オペレータが、オペレータによって実施されるべきタスクを示す入力を提供することを可能にし得る。別の例として、オペレータは、動作を実施するために使用されるべき工具を示す入力、および/またはオペレータが研磨動作を実施し得る被加工物を示す入力を提供し得る。
【0099】
図2は、例示的な実施形態による、着用可能デバイス202を使用するシナリオ200を例示する。図2に示されるように、着用可能デバイス202が、ユーザの手204の手首上に装着される手首装着可能デバイス202の形態である。ユーザの手204は、タスクを実施するときにオペレータによって選好されるオペレータの利き手であり得る。ここで、オペレータは、研磨工具206(本明細書では「研磨デバイス」とも呼ばれ得る)のハンドル210またはハンドル212を把持するために手204(着用可能デバイス202が装着されている)を使用し得る。いくつかの例では、ユーザは、両手首上に着用可能デバイスを着用し得る。他の例では、着用可能デバイス202は、研磨工具206に直接取り付けられ得、おそらく、ハンドル210またはハンドル212の周囲に巻き付けられるか、または別様に取り付けられる。
【0100】
例の中では、研磨工具206は、被加工物(図2には例示されていない)上で手動研削動作を実施するように構成されている任意の工具であり得る。そのような手動研削動作は、研削、ポリッシング、バフ研磨、ホーニング、切断、穴あけ、研ぎ、ヤスリがけ、ラッピング、サンディング、および/または他の同様のタスクを含み得る。しかしながら、振動および/またはノイズを含み得る他の種類の手動機械動作が企図される。例えば、ハンマリング、のみ加工、圧着、ストライキング、または他の手動動作が、本開示の文脈内で可能である。
【0101】
したがって、研磨工具206は、研磨動作のうちの1つ以上を実施するために構成されているデバイスであり得る。例えば、研磨工具206は、他の例の中でもとりわけ、直角研削工具、電動ドリル、ハンマードリルおよび/またはパーカッションハンマ、のこぎり、かんな、ドライバ、ルータ、サンダ、アングルグラインダ、園芸用品、および/または多機能ツールであり得る。
【0102】
さらに、研磨工具206は、工具が研磨動作のうちの1つ以上を実施することを可能にする1つ以上の構成要素を含み得る。特に、工具206は、説明された1つ以上の動作を実施するための研磨物品を含み得る。研磨物品は、被加工物を成形するか、または仕上げるために使用され得る1つ以上の材料を含み得る。1つ以上の材料は、方解石(炭酸カルシウム)、エメリ(不純コランダム)、ダイヤモンドダスト(人工ダイヤモンドなど)、ノバキュライト、軽石、ルージュ、砂、コランダム、ガーネット、砂岩、トリポリ、粉末長石、スタウロライト、ボラゾン、セラミック、セラミック酸化アルミニウム、セラミック酸化鉄、コランダム、ガラス粉末、スチール研磨剤、炭化ケイ素(カーボランダム)、ジルコニアアルミナ、炭化ホウ素、およびスラグなどの研磨鉱物を含み得る。追加的に、および/または代替的に、1つ以上の材料は、プレスされ、結合材を使用して一緒に結合される粗粒骨材を含む、複合材料を含み得る。複合材料は、粘土、樹脂、ガラス、ゴム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、ガーネット、および/またはガードナーセラミックを含み得る。
【0103】
さらに、研磨物品は、多くの形状のうちの1つを有し得る。例えば、物品は、他の例の中でもとりわけ、ブロック、スティック、ホイール、リング、またはディスクの形態をとり得る。図2に示される例では、研磨工具206は、ホール形状の研磨物品208を含み得る。
【0104】
追加的に、研磨工具206は、動作を実施するために研磨物品を作動するように構成され得る動力源を含み得る。例の中では、動力源は、電気モータ、ガソリンエンジン、または圧縮空気であり得る。研磨工具206はまた、動力源を収容するハウジングを含み得る。ハウジングは、他の例の中でもとりわけ、硬質プラスチック、フェノール樹脂、または中硬性ゴムから形成され得る。
【0105】
研磨工具206は、工具206に刻印または固定され得る、スキャン可能な識別子(例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、シリアル番号など)などの、識別特徴218を含み得る。識別特徴は、工具206の種類、工具206の製造者、工具206のモデル、および/または工具206の一意の識別子を識別するために使用され得る。追加的に、および/または代替的に、研磨工具206の構成要素は、識別特徴を含み得る。例えば、研磨物品208は、研磨物品に刻印および/または固定される識別特徴を220含み得る。識別特徴は、研磨物品の種類、研磨物品の製造者、研磨物品のモデル、および/または研磨物品の一意の識別子を識別するために使用され得る。
【0106】
一実施形態では、着用可能デバイス202の1つ以上のセンサは、研磨工具206の識別特徴218を読み取るか、またはスキャンするように構成され得る。一例では、センサは、工具206の種類を決定するために、工具206の画像をキャプチャおよび分析し得る画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)であり得る。別の例では、センサは、工具206上の識別画像またはコードをスキャンするように構成されているスキャナであり得る。例えば、センサは、工具206に固定された識別特徴218(例えば、QRコード(登録商標))を読み取るように構成されているQRコード(登録商標)スキャナであり得る。バーコードスキャナおよびRFリーダなどの識別目的に使用され得る他のセンサもまた、本明細書で企図される。1つ以上のセンサはまた、研磨物品208の識別特徴220などの、工具206の任意の他の識別特徴を読み取るか、またはスキャンするように構成され得る。
【0107】
工具206および/またはその構成要素は、着用可能デバイス202が、工具206および/またはその構成要素と関連付けられた情報をオペレータに提供することを可能にし得る。追加的に、および/または代替的に、識別は、着用可能デバイス202が、環境内の1つ以上のセンサによって収集されたデータを、所望される動作を実施するために使用される特定の工具206および/または特定の構成要素と関連付けることを可能にし得る。
【0108】
シナリオ200では、着用可能デバイス202の1つ以上のセンサは、デバイス202の環境からの、もしくはその環境と関連付けられたデータ、ならびに/またはオペレータからの、もしくはオペレータと関連付けられたデータを連続的または周期的に収集し得る。本明細書に同様に説明されるように、環境内に配設された1つ以上の追加のセンサは、デバイス202の環境からの、もしくはその環境と関連付けられたデータ、ならびに/またはオペレータからの、もしくはオペレータと関連付けられたデータを追加的に収集し得る。工具206に関連する着用可能デバイス202によって収集されたデータは、研磨動作データを決定するために使用され得る。研磨動作データは、工具206によって発せられた音を示す音データ、着用可能デバイス202によって収集された加速度データ、工具206の振動を示す振動データ、ならびに/または音データ、加速度データ、および/もしくは振動データから外挿されるデータ(例えば、適用される力データ、RPMデータ、使用率など)を含み得る。
【0109】
一実施形態では、1つ以上のセンサは、被加工物を示す情報を収集し得る。一例では、着用可能デバイス202の画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)は、被加工物の画像をキャプチャするように構成され得る。画像は、被加工物の種類、被加工物の寸法、被加工物の表面特性、および/または環境内の被加工物の配置(例えば、環境内の基準点に対する(例えば、工具206に対する)配向、角度、位置など)を含む、被加工物の状態を決定するために分析され得る。
【0110】
一実施形態では、着用可能デバイス202のマイクロフォンは、音データを収集するために構成され得る。ユーザが着用可能デバイス202を着用しながら工具206を操作しているとき、マイクロフォンは、工具206によって発生された音を収集し得る。収集された音データは、情報を外挿するために着用可能デバイス202によって分析され得る。例として、収集された音データは、研磨製品208が動作しているRPMを決定するために使用され得る。具体的には、着用可能デバイス202は、研磨製品208の推定されたRPM値を決定するために音データの振幅を分析し得る。いくつかの例では、着用可能デバイス202は、工具206が動作している推定されたRPM値に音の振幅を相関させる表を使用し得る。音の振幅と推定されたRPM値との間の対応は、工具206の種類に依存して変化し得る。
【0111】
追加的に、決定されたRPM値は、他の研磨動作データを外挿するために使用され得る。例えば、着用可能デバイス202は、工具206の研削動力を決定するためにRPM値を使用し得る。着用可能デバイス202は、特定の工具のRPMと工具によって及ぼされた研削動力との間の相関を示すデータ(例えば、表)を使用することによってそのように行い得る。したがって、着用可能デバイス202は、RPM値から研削動力を外挿する前に工具206を識別しようとし得る。別の例として、着用可能デバイス202は、被加工物に適用される力を決定するためにRPM値を使用し得る。着用可能デバイス202は、特定の工具のRPMと工具によって及ぼされた研削動力との間の相関を示すデータ(例えば、表)を使用することによってそのように行い得る。
【0112】
一実施形態では、着用可能デバイス202の加速度計は、ユーザの加速度データ、特に、ユーザの手204に関する加速度データを収集するように構成され得る。ユーザが工具206を操作しているとき、ユーザの手は、使用されているときに振動する工具206の結果として振動し得る。したがって、加速度計は、振動の結果として手の加速度を測定し得る。手の振動が工具の振動の結果であるため、加速度計によって収集された加速度情報は、工具の振動を示し得る。
【0113】
一実装形態では、加速度計は、3軸(x、y、およびz)の加速度情報を測定および記録するように動作可能である3軸加速度計であり得る。測定された加速度情報は、反復振動システム内で分散されるエネルギーを示し得る、gRMS値を計算するために使用され得る。具体的には、gRMS値は、加速度のRMS値(arms)を使用して計算され得、armsは、次のように計算され得る:
【数1】

式中、
【数2】
【0114】
gRMS値は、加速度のRMS値(arms)から取得され得る。具体的には、gRMS値は、加速度のRMS値であり得、加速度は、gで表現される。本明細書に説明されるように、gRMS値は、工具206の振動を示し得る。
【0115】
一実施形態では、着用可能デバイス202は、複数の(例えば、2、3、10、またはN個の)加速度を含み得る。複数の加速度計の各々は、異なる種類の加速度計であり得る。例えば、複数の加速度計のうちの1つは、圧電加速度計とすることができ、それに対して、複数の加速度計のうちの別の1つは、微小電気機械システム(MEMS)加速度計であり得る。複数の加速度計の各々は、特定の振動範囲および特定のサンプリングレート以内の加速度データを収集するように構成され得る。例えば、着用可能デバイス202が2つの加速度計を有する場合、加速度計のうちの1つは、10~500Hz範囲のデータを1msごとに収集するように構成され得るが、一方、他の加速度計は、500~1000Hz範囲のデータを0.5msごとに収集するように構成され得る。複数の加速度計の使用は、着用可能デバイス202が、より大きい測定範囲で振動を検出することを可能にし得、各測定範囲内のより正確な測定を可能にし得る。
【0116】
一実施形態では、研磨動作データは、研磨工具206に関連する情報を決定するために使用され得る。一例では、情報は、研磨工具206の1つ以上の研削パラメータを示し得る。1つ以上の研削パラメータは、研磨物品の角速度(例えば、回転/分、RPM)、加工角度、グリップの締め付け、加えられた圧力、動作の過酷度、および工具が受ける衝撃を含み得る。別の例では、情報は、動作状態および動作時間などの工具の動作情報を示し得る。さらに別の例では、情報は、研磨工具206またはその1つ以上の構成要素(例えば、研磨物品)の条件を示し得る。例えば、条件は、研磨物品208に対する損傷またはその不均衡を示し得る。
【0117】
別の実施形態では、研磨動作データは、ユーザに関連する情報を決定するために使用され得る。例えば、ユーザに関連する情報は、割り当てられたタスクを実施することに費やした時間の長さ、アイドル時間、および/または作業時間を含み得る。例えば、音データおよび/または振動データは、工具206が動作中であるときを決定するために使用され得る。
【0118】
一実施形態では、着用可能デバイス202は、研磨工具206および/またはユーザに関連する情報を決定するためにデータを分析し得る。着用可能デバイス202はまた、遠隔サーバ216に通信可能に結合され得、センサによって収集されたリアルタイムデータをサーバに提供し得る。それゆえに、サーバ216は、追加的に、および/または代替的に、研磨工具206および/またはユーザに関連する情報にデータを変換し得る。
【0119】
さらに、遠隔サーバ216は、研磨動作に関連するリアルタイムフィードバックおよび/または通知を提供するためにデータを分析し得る。このようにして、遠隔サーバ216は、研削/研磨動作に関連する1つ以上の性能インジケータに関するリアルタイム情報を提供し得る。サーバ216によって提供されたインジケータに基づいて、着用可能デバイス202は、特定の通知またはフィードバックをユーザに提供するために決定し得る。
【0120】
例として、センサデータの分析に基づいて、サーバ216は、研磨工具の研磨物品が損傷または誤動作していることを決定し得る。例えば、サーバ216は、研磨物品が損傷している、および/または不均衡化されていることを決定するために、加速度データおよび/またはノイズデータを分析し得る。より具体的には、サーバ216は、損傷しているか、または誤動作している研磨物品を示し得る加速度データおよび/またはノイズデータの1つ以上のパターンを検出し得る。例えば、スパイクまたはピークの第1のパターンは、損傷した研磨工具を示し得、スパイクまたはピークの第2のパターンは、誤動作している研磨工具を示し得る。
【0121】
サーバ216は、次いで、研磨物品が損傷しているか、または誤動作していることの指示を着用可能デバイス202に提供し得る。指示の受信に応答して、着用可能デバイス202は、研磨物品が損傷しているか、または誤動作していることをユーザに示す、視覚的、触覚的、聴覚的警告を出力し得る。追加的に、警告は、交換物品を注文するか、または物品の保守を要求する選択肢をユーザに提供し得る。
【0122】
別の例として、センサデータの分析に基づいて、サーバ216は、研磨ホイール208が不均衡化されていることを決定し得る。決定は、加速度データおよび/またはノイズデータの分析に基づき得る。より具体的には、サーバ216は、損傷しているか、または誤動作している研磨物品を示し得る加速度データおよび/またはノイズデータの1つ以上のパターンを検出し得る。例えば、スパイクまたはピークの特定のパターンが、不均衡化された研磨ホイールを示し得る。
【0123】
サーバ216は、次いで、研磨ホイール208が不均衡化されていることの指示を着用可能デバイス202に提供し得る。指示の受信に応答して、着用可能デバイス202は、研磨ホイールが不均衡化されていることをユーザに示す、視覚的、触覚的、および/または聴覚的警告を出力し得る。
【0124】
さらに別の例として、センサデータの分析に基づいて、サーバ216は、実施されている動作の過酷度が、研磨工具206に対する閾値過酷度を超えていることを決定し得る。例えば、決定は、加速度データおよび/またはノイズデータの分析に基づき得る。より具体的には、サーバ216は、動作の過酷度が閾値過酷度を超えていることを示し得る、加速度データおよび/またはノイズデータのピークを検出し得る。サーバ216は、次いで、閾値過酷度が超過したことの指示を着用可能デバイス202に提供し得る。指示の受信に応答して、着用可能デバイス202は、閾値過酷度が超過されていることをユーザに示す、視覚的、触覚的、聴覚的警告を出力し得る。
【0125】
さらに別の例として、データの分析に基づいて、サーバ216は、ユーザが動作を不正確に実施していることを決定し得る。例えば、決定は、ジャイロスコープデータ、および動作が実施されている被加工物を示す、サーバ216に利用可能な任意の情報(例えば、被加工物を示す、画像などのセンサデータに基づく)に基づき得る。具体的には、サーバ216は、ジャイロスコープの基準フレームに対して被加工物の角度を決定するために被加工物を示すデータを使用し得る。次いで、サーバ216は、ジャイロスコープデータに基づいて、ユーザが推薦された角度とは異なる角度で研磨工具を位置付けていることを決定し得る(動作および/または被加工物に関する情報に基づいて決定される)。
【0126】
サーバ216は、次いで、ユーザが動作を不正確に実施していることの指示を着用可能デバイス202に提供し得る。指示の受信に応答して、着用可能デバイス202は、ユーザが動作を不正確に実施していることをユーザに示す、視覚的、触覚的、および/または聴覚的警告を出力し得る。追加的に、および/または代替的に、着用可能デバイス202は、動作の正確な実施を示すフィードバックをユーザに提供し得る。
【0127】
さらに別の例として、データの分析に基づいて、サーバ216は、ユーザの状態を決定し得る。例えば、決定は、加速度データおよび/またはノイズデータの分析に基づき得る。より具体的には、閾値期間を超える加速度データおよび/またはノイズデータの期間に基づいて、サーバ216は、ユーザが少なくとも閾値期間、動作を実施したことを決定し得る。
【0128】
サーバ216は、次いで、ユーザが閾値期間、動作を実施したことの指示を着用可能デバイス202に提供し得る。着用可能デバイスは、次いで、ユーザが閾値期間、動作を実施したことの視覚的、触覚的、および/または聴覚的警告をユーザに提供し得る。
【0129】
着用可能デバイスの別の例として、図22が提供される。具体的には、図22は、例示的な実施形態による、着用可能デバイス2202を使用するシナリオ2200を例示する。着用可能デバイス2202は、ユーザの手2204の手首上に取り付けられる腕時計の形態である。そして、手2204は、研磨工具2206のハンドル2210を把持する。
【0130】
図3は、例示的な実施形態による、例示的な動作状態の表300を例示する。具体的には、各動作状態に関して、表300は、それぞれの動作状態を示す振動データ(例えば、gRMSデータ)のパターンを示す。行302によって示されるように、サーバは、サーバが振動データの安定パターンを検出した場合、研磨工具の動作状態が「オフ」であることを決定し得る。行304によって示されるように、サーバは、サーバが振動データの小さいピークを検出した場合、ユーザの状態が「歩いている」であることを決定し得る。行306によって示されるように、サーバは、サーバが振動データの安定した勾配を検出した場合、研磨工具の動作状態が「アイドル」であることを決定し得る。行308によって示されるように、サーバは、サーバが振動データのピークおよび安定した勾配を検出した場合、研磨工具の動作状態が「サンディング」であることを決定し得る。行310によって示されるように、サーバは、サーバが第1の閾値よりも大きい振動信号強度を検出した場合、研磨工具の動作状態が「摩耗を伴うサンディング」であることを決定し得る。行312によって示されるように、サーバは、サーバが第1の閾値よりも大きい第2の閾値を超える振動信号強度を検出した場合、研磨工具の動作状態が「不均衡化されたディスクによるサンディング」であることを決定し得る。表300の動作状態は、例示的な動作状態であり、他の例示的な動作状態が本明細書に企図される。
【0131】
図4図5図6A図6B図7、および図8は、異なる条件下で着用可能デバイスによって収集された、例示的な加速度データおよび/または振動データのグラフを各々図示する。グラフは、特定の条件または性能インジケータを示すデータパターンを外挿するために使用され得る。本明細書に説明されるように、コンピューティングシステムは、パターンを外挿するために1つ以上のデータ分析方法を使用し得る。これらの方法は、機械学習(例えば、ベイジアン分類器、サポートベクターマシン、線形分類器、k近傍分類器、決定木、ランダムフォレスト、およびニューラルネットワーク)、高速フーリエ変換(FFT)、人工知能(AI)方法(例えば、ニューラルネットワーク、ファジー論理、クラスタ分析、またはパターン認識)、フィルタリング、ピーク値、平均値、標準偏差、歪度、および/または尖度を含む。
【0132】
図4は、例示的な実施形態による、グラフ402、404、406、および408を例示する。具体的には、グラフは、2つの試験条件下の工具の動力信号および工具の振動データを図示する。第1の試験条件は、4.5インチのフラップディスクを含む研磨デバイスを使用して通常条件下で動作を実施するユーザに関与する。グラフ402は、動作を実施しているユーザによって着用された着用可能デバイスによって収集された振動データを図示し、図404は、研磨工具の動力信号を図示する。第2の試験条件は、4.5インチのフラップディスクを含む研磨デバイスを使用して過酷な条件下で動作を実施するユーザに関与する。グラフ406は、着用可能デバイスによって収集された振動データを図示し、グラフ408は、研磨工具の動力信号を図示する。
【0133】
一実施形態では、これらのグラフは、動作中の工具に供給された動力信号と、動作中の工具の振動との間の相関を外挿するために使用され得る。これらのグラフによって示されるように、振動データの振幅は、動力信号が増大するにつれて増大し得る。したがって、振動データは、動力信号が研磨工具に提供されているか否かを決定するために使用され得る。例えば、少なくとも閾値期間の間に閾値超の振幅を伴う振動データは、振幅が閾値超である期間の間に研磨工具が動力供給されていることを示し得る。さらに、少なくとも閾値期間の間に第2の閾値超の振幅を伴う振動データは、振動データの振幅が第2の閾値超である期間の間に研磨工具が過酷な条件下で動作していることを示し得る。
【0134】
図5は、例示的な実施形態による、グラフ502、504、506、508、510、および512を例示する。グラフの各々は、2つの試験条件下で7インチの薄型研磨ホイールを含む研磨工具を使用しているユーザによって着用された着用可能デバイスによって測定された、それぞれの軸の加速度信号を図示する。第1の試験条件は、研磨デバイスを使用して通常条件下で動作を実施するユーザに関与する。グラフ502は、x軸の加速度データを図示し、グラフ504は、y軸の加速度データを図示し、グラフ506は、第1の試験条件下のz軸の加速度データを図示する。第2の試験条件は、研磨デバイスを使用して過酷な条件下で動作を実施するユーザに関与する。グラフ508は、x軸の加速度データを図示し、グラフ510は、y軸の加速度データを図示し、グラフ512は、第2の試験条件下のz軸の加速度データを図示する。
【0135】
一実施形態では、研磨工具を操作する過酷度のレベルは、グラフ502~512で図示される加速度データから外挿され得る。具体的には、過酷な条件下で研磨工具を操作するとき、加速度データは、通常条件下で研削工具を操作するときよりも高いピークを含む。具体的には、3つの軸の各々の過酷な条件の加速度データは、通常条件の加速度データよりも高いピーク/振幅を有する。したがって、各軸の振動データの閾値を超えるピークは、過酷な動作条件を示し得る。
【0136】
図6Aは、例示的な実施形態による、グラフ602、604、606、608、610、および612を例示する。グラフの各々は、2つの試験条件下で7インチの薄型研磨ホイールを含む研磨工具を使用しているユーザによって着用された着用可能デバイスによって測定された、それぞれの軸の加速度信号を図示する。第1の試験条件は、研磨デバイスを使用して通常条件下で動作を実施するユーザに関与する。グラフ602は、x軸の加速度データを図示し、グラフ604は、y軸の加速度データを図示し、グラフ606は、第1の試験条件下のz軸の加速度データを図示する。第2の試験条件は、不均衡化された7インチの薄型研磨ホイールを含む研磨デバイスを使用して動作を実施するユーザに関与する。グラフ608は、x軸の加速度データを図示し、グラフ610は、y軸の加速度データを図示し、グラフ612は、第2の試験条件下のz軸の加速度データを図示する。
【0137】
図6Bは、例示的な実施形態による、グラフ614、616、618、620、622、および624を例示する。グラフの各々は、2つの試験条件下で4.5インチの薄型研磨ホイールを含む研磨工具を使用しているユーザによって着用された着用可能デバイスによって測定された、それぞれの軸の加速度信号を図示する。第1の試験条件は、研磨デバイスを使用して通常条件下で動作を実施するユーザに関与する。グラフ614は、x軸の加速度データを図示し、グラフ616は、y軸の加速度データを図示し、グラフ618は、第1の試験条件下のz軸の加速度データを図示する。第2の試験条件は、不均衡化された4インチの薄型研磨ホイールを含む研磨デバイスを使用して動作を実施するユーザに関与する。グラフ620は、x軸の加速度データを図示し、グラフ622は、y軸の加速度データを図示し、グラフ624は、第2の試験条件下のz軸の加速度データを図示する。
【0138】
一実施形態では、研磨工具のディスクが不均衡化されていることの指示は、グラフ602~612および/またはグラフ614~624に図示される加速度データから外挿され得る。具体的には、不均衡化されたホイールを用いて研磨工具を操作するとき、y軸の加速度データは、通常条件下で研磨工具を操作するときのy軸の加速度データと比較して、顕著な信号変動を含む。したがって、研磨工具の通常動作と比較して、y軸の加速度データに顕著な信号変動を検出することは、おそらく、ホイールが不均衡化されていることを示し得る。
【0139】
図7は、例示的な実施形態による、グラフ702、704、706、708、710、および712を例示する。グラフの各々は、2つの試験条件下で4.5インチの薄型研磨フラップディスクを含む研磨工具を使用しているユーザによって着用された着用可能デバイスによって測定された、それぞれの軸の振動信号を図示する。第1の試験条件は、研磨デバイスを使用して通常条件下で動作を実施するユーザに関与する。グラフ702は、x軸の振動データを図示し、グラフ704は、y軸の振動データを図示し、グラフ706は、第1の試験条件下のz軸の振動データを図示する。第2の試験条件は、損傷した(例えば、摩耗した)4.5インチの研磨フラップディスクを含む研磨デバイスを使用して動作を実施するユーザに関与する。グラフ708は、x軸の振動データを図示し、グラフ710は、y軸の振動データを図示し、グラフ712は、第2の試験条件下のz軸の振動データを図示する。
【0140】
一実施形態では、研磨工具のディスクが損傷していることの指示は、グラフ702~712に図示される振動データから外挿され得る。具体的には、フラップディスクを用いて研磨工具を操作するとき、y軸の振動データは、通常条件下で研磨工具を操作するときのy軸の振動データと比較して、顕著な信号変動を含む。したがって、研磨工具の通常動作と比較して、y軸の振動データに顕著な信号変動を検出することは、おそらく、フラップディスクが損傷していることを示し得る。
【0141】
図8は、例示的な実施形態による、グラフ802および804を例示する。グラフ802は、過酷な条件下で7インチの薄型研磨フラップディスクを含む研磨工具を使用しているユーザによって着用された着用可能デバイスによって測定された加速度データから計算された振動信号を図示する。グラフ804は、過酷な条件下で4.5インチの薄型研磨フラップディスクを含む研磨工具を使用しているユーザによって着用された着用可能デバイスによって測定された加速度データから計算された振動信号を図示する。一実施形態では、振動データのピークは、研磨工具が受けた衝撃およびストロークを決定するために使用され得る。したがって、閾値を超える振動データのピークを検出することは、おそらく、研磨工具が受ける衝撃およびストロークを示し得る。
【0142】
研磨動作に関連するリアルタイムフィードバックおよび/または通知を決定するために研磨動作データを使用することに加えて、着用可能デバイス202および/または遠隔サーバ216は、収集されたデータおよび/または決定された研磨動作データをデータ記憶デバイス内に記憶し得る。具体的には、特定のタスクに対応する収集されたデータおよび/または研磨動作データは、タスクが実施された後にデータ記憶デバイスに記憶され得る。したがって、記憶されたデータは、タスクを実施した従業員、タスクのタイミング、タスクに対するフィードバック(例えば、管理者または顧客からの)、振動、ノイズ、生産性、製品寿命などの、タスクの性能を示す尺度を含み得る。記憶されたデータは、タスクで使用された工具206の種類、タスクを実施する日付、タスクを実施したユーザ、タスクの長さ、および/またはタスクと関連付けられた被加工物の種類に基づいて、分類され得る。
【0143】
一実施形態では、着用可能デバイス202および/または遠隔サーバは、記憶されたデータ(本明細書では、「履歴データ」とも呼ばれる)を分析し得る。一実装形態では、記憶されたデータの分析に基づいて、着用可能デバイス202および/または遠隔サーバは、動作改善および/または企業改善を決定し得る。動作改善および/または企業改善は、特定の種類のタスクを実施するためのワークフローおよび/または最善の措置を実装することを伴い得る。追加的に、および/または代替的に、動作改善および/または企業改善は、タスクに関する情報、タスクを実施するときの最善の措置に関する情報、およびある特定の工具をどのように使用するかを説明する情報を含む、知識ベースアーティクルなどの、情報資源を含み得る。
【0144】
別の実装形態では、着用可能デバイス202および/または遠隔サーバ216は、工具206および/または工具206の構成要素と関連付けられた異なる尺度を決定するためにデータを分析し得る。尺度は、使用率、総動作時間、誤動作の数、修理要求の数、寿命の長さ(例えば、研磨物品208の)を含み得る。追加的に、および/または代替的に、着用可能デバイス202および/または遠隔サーバ216は、おそらく、多くのユーザにわたって、所与のタスクで使用される異なる研磨製品に対して異なる尺度を比較し得る。
【0145】
別の実装形態では、着用可能デバイス202および/または遠隔サーバ216は、製品寿命、製品仕様および/または使用条件の間の相関を決定するために、異なるオペレータによる異なる仕様の多くの構成要素の寿命にわたって収集されたデータを分析し得る。そのようなデータは、オペレータが実施しているタスクに対する研磨仕様および使用条件の指示をオペレータに提供するために使用され得る。例えば、被加工物の材料に基づいて、着用可能デバイス202は、データの分析に基づいて決定された可能性がある、研磨仕様および使用条件の推薦をオペレータに提供し得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、研削製品または工具と関連付けられた1つ以上のセンサと通信するように構成され得る。例えば、研削工具は、研削ホイールまたは研削ディスクの角速度(RPM)に関する情報を提供するために動作可能な光または磁気センサを含み得る。そのようなシナリオでは、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、RPM情報を、着用可能デバイスによって取得されたノイズ情報および/または振動情報と関連付けるために、研削工具と通信するように構成され得る。追加的に、または代替的に、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、研削工具の動作モードを調整するために、研削工具に命令を提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、ノイズ情報および/または振動情報に基づいて、RPM、オン、および/またはオフを調整するように、研削工具に命令し得る。例えば、ノイズデータおよび/または振動データに基づいて研削工具の動作が安全ではないと遠隔センサおよび/または着用可能デバイスが決定した場合、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、シャットダウンするように研削工具に命令し得る。他の種類の命令が、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスによって受信されたノイズデータおよび/または振動データに基づいて可能である。
【0147】
III.追加の実施形態
i.追加のセンサ
一実施形態では、着用可能デバイスに埋め込まれたセンサに加えて、遠隔センサが、研磨工具の環境内に配設され得る。具体的には、遠隔センサは、研削操作からリアルタイムのノイズデータおよび/または振動データを取得するために利用され得る。遠隔センサは、研削および/または切断動作に関連する音および/または動きを検出するように構成され得る。遠隔センサは、研削/切断工具および被加工物に対して様々な場所に位置付けられ得る。例えば、振動センサ、ジャイロスコープ、マイクロフォン、および/または任意の他のセンサが、工具または工具のハンドル内に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、遠隔センサは、工具および/または被加工物の近くに位置し得る。他の実施形態では、遠隔センサは、被加工物が置かれ得る加工表面上に装着され得る。さらに他の実施形態では、遠隔センサは、壁または天井の場所で装着され得る。複数の遠隔センサは、「ステレオ」またはマルチセンサの組み合わせを提供するために、工具および/または被加工物の近くの様々な場所に位置し得ることを理解するであろう。そのような複数のセンサの組み合わせは、立体視または多視点の感知に基づいて、工具が使用されている情報、および/または特定の音を明確化する情報を提供し得る。遠隔センサは、バッテリ給電され得るか、またはそれらを「自己発電」させるために内部環境発電機構(例えば、太陽電池環境発電システムまたは圧電環境発電システム)を有し得る。
【0148】
遠隔センサ(複数可)は、通信インターフェースを含む。いくつかの例では、通信インターフェースは、聴覚的データ、振動データ、または他のデータを着用可能デバイスに送信するように構成され得、次いで、データをクラウドコンピューティングデバイスに送信し得る。いくつかの例では、通信インターフェースは、聴覚的データ、振動データ、または他のデータをクラウドコンピューティングデバイスに直接送信するように構成され得る。いくつかの例では、通信インターフェースは、聴覚的データ、振動データ、または他のデータを中間コンピューティングデバイス(例えば、オンプレミスコンピューティングデバイス)に直接送信するように構成され得、次いで、データをクラウドコンピューティングデバイスに送信し得る。他の可能性も企図される。
【0149】
通信インターフェースは、Bluetooth(登録商標)送受信機、ZigBee送受信機、Wi-Fi送受信機、WiMAX送受信機、Zeewave送受信機、無線広域ネットワーク(WWAN)送受信機、および/または無線ネットワークを介して通信するように構成可能な他の同様の種類の無線送受信機を含み得る。他の種類の通信インターフェースが企図される。
【0150】
いくつかの実施形態では、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、研削製品または工具と関連付けられた1つ以上のセンサと通信するように構成され得る。例えば、研削工具は、研削ホイールまたは研削ディスクの角速度(RPM)に関する情報を提供するために動作可能な光または磁気センサを含み得る。そのようなシナリオでは、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、RPM情報を、着用可能デバイスによって取得されたノイズ情報および/または振動情報と関連付けるために、研削工具と通信するように構成され得る。追加的に、または代替的に、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、研削工具の動作モードを調整するために、研削工具に命令を提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、ノイズ情報および/または振動情報に基づいて、RPM、オン、および/またはオフを調整するように、研削工具に命令し得る。例えば、ノイズデータおよび/または振動データに基づいて研削工具の動作が安全ではないと遠隔センサおよび/または着用可能デバイスが決定した場合、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、シャットダウンするように研削工具に命令し得る。例えば、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、工具を自動的にオフにし得る遠隔スイッチを含み得る。工具をオフにすることは、安全ではない条件を決定すること、摩耗した研磨製品を決定すること、研磨工具がその耐用年数の終了に達していることを決定することなどに基づいて、遠隔で実施され得る。他の種類の命令が、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスによって受信されたノイズデータおよび/または振動データに基づいて可能である。
【0151】
いくつかの実施形態では、研削工具、研削ホイールもしくは研削ディスク、および/または着用可能デバイスは、タグを含み得、タグは、クイックレスポンス(QR)コード、バーコード、無線識別(RFID)タグ(能動および受動の両方)、近距離通信(NFC)タグ、BLUETOOTH(登録商標) LOW ENERGY(BLE)タグ、または別の種類のタグとすることができる。例では、タグは、研削工具、研削ホイールもしくは研削ディスク、および/または着用可能デバイスに関する情報を含有し得る、ならびに/またはポインタ参照として使用され得る、汎用一意識別子(UUID)などの、一意の識別子を含み得る。ポインタ参照は、データベースサーバまたはいずれかの場所に記憶されている、研削工具、研削ホイールもしくは研削ディスク、および/または着用可能デバイスに関する情報にコンピューティングデバイスを向け得る。情報は、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスによってキャプチャされた、例えば、振動およびRPMデータなどの処理データを含み得る。
【0152】
タグから情報を取得するために、リーダが使用され得る。リーダは、超高周波数(例えば、900メガヘルツまたはその近傍)、高周波数(例えば、14メガヘルツまたはその近傍)、または低周波数(例えば、130キロヘルツまたはその近傍)を介して、RFID、NFC、および/またはBLEを介して、タグと通信し得る。タグとリーダとの間の通信中の物理的距離は、周波数および通信媒体の種類に基づいて変化し得る。リーダによって受信されたデータは、研削工具、研削ホイールもしくは研削ディスク、および/または着用可能デバイスに関する情報、ならびに/または研削工具、研削ホイールもしくは研削ディスク、および/または着用可能デバイスの一意の識別子であり得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、リーダは、ポータブルのスタンドアロンリーダシステムの形態をとり得る。いくつかの実施形態では、リーダは、着用可能デバイスまたは研削工具に物理的に接続されたデバイスの形態をとり得る。いくつかの実施形態では、リーダは、着用可能デバイスの回路に埋め込まれ得る。リーダは、タグから受信された情報を、USB接続、マイクロUSB接続、もしくは同様の物理的接続機構、またはBluetooth(登録商標)もしくはWi-Fiなどの無線プロトコルを介して、おそらく、クラウドコンピューティングデバイスに送信し得る。
【0154】
ii.クラウドコンピューティングデバイス、モバイルデバイス、および記憶装置
本明細書に説明されるシステムおよび方法は、1つ以上のウェブサービス、サーバ、またはクラウドコンピューティングデバイスに通信可能に結合され得る複数の遠隔センサおよび/または着用可能デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、ウェブアプリケーションを実行するように動作可能であり得、ウェブアプリケーションは、他の可能性の中でもとりわけ、Node.js(例えば、JavaScript everywhere)ランタイム環境で動作するイベント駆動スクリプトを含み得る。すなわち、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、リアルタイムおよび/または非同期様式でクラウドコンピューティングデバイスと通信するように構成され得る。例示的な実施形態では、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスによって検出および/または生成されたアプリケーションデータは、リアルタイムデータベースおよびFirebaseなどの記憶ソフトウェアによって、クライアントデバイスおよび/またはクラウドコンピューティングにわたって同期され得る。いくつかの実施形態では、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスは、Message Queuing Telemetry Transport(MQTT)または別の種類のメッセージングプロトコルを使用して遠隔コンピューティングデバイスと通信するように構成され得る。他のソフトウェアサービスおよび/または通信プロトコルが本明細書で可能であり、企図される。
【0155】
いくつかの実施形態では、上記の遠隔センサ、着用可能デバイス、および/またはクラウドコンピューティングデバイスは、モバイルデバイスと通信し得る。モバイルデバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、または別の種類のコンピューティングデバイスを含み得る。またさらに、モバイルデバイスは、例えば、頭部装着可能ディスプレイ(HMD)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、またはユーザインターフェースを有するか、もしくは有していない別の種類のポータブルコンピューティングデバイスを含み得る。
【0156】
モバイルアプリケーションは、モバイルデバイス上で動作し得る。モバイルアプリケーションは、パスコード、二要素認証、指紋識別、顔認識、または他の生体情報の検証を含み得る、認証機構を用いて構成され得る。そのような認証機構は、ユーザアクセスの様々なレベルまたは種類を提供し得る。現在のユーザのアクセスレベルに基づいて、モバイルアプリケーションは、異なる配置の情報を表示する、異なる種類の情報へのアクセスを提供する、および/または様々な機能を提案し得る。
【0157】
モバイルアプリケーション上に表示される情報は、遠隔センサおよび/または着用可能デバイス(例えば、RPM情報、振動情報)、遠隔センサおよび/または着用可能デバイスの条件を示す保守情報などを含み得る。モバイルアプリケーションはまた、アクションを実施するために選択可能な選択肢を含み得る。アクションは、ユーザが、損傷したか、または誤動作している研磨物品を再注文することを可能にする方法を含み得る。例えば、モバイルアプリケーションは、サーバ216からのセンサデータの分析を受信し得る(または遠隔センサおよび/または着用可能デバイスから受信されたセンサデータの分析を実施し得る)。分析に基づいて、モバイルアプリケーションは、ユーザが交換用の研磨物品を要求することを可能にするグラフィカルインターフェースを提供し得る。ユーザがグラフィカルインターフェースから交換を選択する際、モバイルアプリケーションは、例えば、要求をクラウドコンピューティングデバイスに送り得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、複数の遠隔センサおよび/または着用可能デバイスからのデータは、データがネットワーク通信なし(例えば、「オフライン」)で取得され得るように、不揮発性形態のメモリ記憶装置に記憶され得る。例えば、着用可能デバイス202は、複数の遠隔センサおよび/または着用可能デバイス202の動作に関するデータを記憶し得る取り外し可能なSecure Digital(登録商標)(SD)メモリカードを備え得る。
【0159】
iii.機械学習
一実施形態では、クラウドコンピューティングデバイスまたは着用可能デバイスは、着用可能デバイスおよび/または遠隔センサによって収集されたセンサデータを処理および/または分析するために、機械学習を利用し得る。一実装形態では、クラウドコンピューティングデバイスは、振動データおよび/またはノイズデータに対するベースラインパターンを決定するために、教師なし学習アルゴリズムを使用し得る。アルゴリズムは、次いで、ベースラインパターンから振動を検出し得る。一旦、振動が検出されると、アルゴリズムは、上記に説明されるように、研磨工具の動作パラメータを外挿し得る。
【0160】
別の実装形態では、クラウドコンピューティングデバイスは、着用可能デバイスおよび/または遠隔センサによって収集されたセンサデータを処理および/または分析するために、機械学習を利用し得る。一実装形態では、クラウドコンピューティングデバイスは、振動データおよび/またはノイズデータに対するベースラインパターンを決定するために、教師なし学習を使用し得る。アルゴリズムは、次いで、ベースラインパターンから振動を検出し得る。一旦、振動が検出されると、コンピューティングデバイスは、上記に説明されるように、研磨工具の動作パラメータを外挿し得る。
【0161】
さらに別の実施形態では、クラウドコンピューティングデバイスは、研削動作モード、特定の被加工物、特定の工具、または特定の研削条件のうちの少なくとも1つとデータを相関させるために、機械学習を利用し得る。1つ以上の動作モード、被加工物、工具、および/または研削条件とデータを相関させることに応答して、クラウドコンピューティングデバイスは、アラーム、警告、通知、および/またはレポートを含み得る、出力を提供し得る。
【0162】
さらなる実施形態では、機械学習モデルは、教師ありまたは半教師あり機械学習手法を使用して訓練され得る。例えば、訓練段階の間、クラウドコンピューティングデバイスは、入力として、タグ付けまたはラベル付けされたデータを受け入れるように構成され得る。そのようなシナリオでは、ラベル付けされたデータは、図4図5図6A図6B図7、および図8を参照して例示および説明されたものなどの、既知の条件(例えば、ホイールの種類、動作条件、工具の種類など)下の加速度データを含み得る。ラベルは、各データエントリの1つ以上の既知の条件を含み得る。クラウドコンピューティングデバイスは、例えば、分類器モデルまたは推薦器モデルの重みおよび/または他のパラメータを調整するためにラベル付けされたデータを利用し得る。そのようなモデルは、他の可能性の中でもとりわけ、例えば、ロジスティック回帰または線形回帰、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワークを使用して実装され得る。ルールベースアルゴリズム(例えば、関連付けルールモデル、学習分類器モデルなど)を組み込むモデルもまた、本出願の範囲内で企図され、可能である。
【0163】
訓練段階は、例えば、所与のモデルが、入力として、ラベル付けされたデータを与えられた結果をどの程度良好に予測するかを評価することを含み得る。例えば、訓練段階は、予測された結果とラベル付けされた結果との間の差に基づいて損失関数を決定することを含み得る。最尤推定(MLE)または他の適合アルゴリズムを含む、様々な最適化アルゴリズムが可能である。
【0164】
いくつかの実施形態では、事前のリアルタイムデータは、機械学習モデルをさらに改善するために、後続の訓練段階中にラベル付けおよび利用され得る。またさらなる実施形態では、事前のリアルタイムデータは、被加工物の測定値(例えば、平滑度、材料除去深さなど)と相関され得る。そのようなシナリオでは、強化学習手法は、期待報酬(例えば、被加工物表面平滑度、適切な材料除去など)を最大化することによって機械学習モデルを改善するために使用され得る。
【0165】
モデルが訓練段階中に訓練された後、機械学習モデルは、センサ(例えば、図2を参照して例示および説明された身体装着可能デバイス上に装着された加速度センサ)によって受信されたリアルタイムデータに基づいて条件を予測または推定するためにランタイムで適用され得る。本明細書に説明されるように、予測された条件は、通知、レポート、注文、または別の種類のアクションなどの、様々なイベントをトリガー、プロンプト、または開始し得る。
【0166】
iv.計算のシステムおよび方法
既に議論されたように、研磨製品/工具は、研削ホイールまたは研削ディスクの角速度(RPM)を検出するセンサを含み得る。着用可能デバイス202は、RPM情報を受信するためにこれらのセンサと通信し、研磨製品/工具の研削動力および/または適用された研削力を決定し得る。追加的に、および/または代替的に、着用可能デバイス202は、研削ホイールまたは研削ディスクのRPMを決定するために音データを使用し得る。具体的には、着用可能デバイス202は、音データの振幅を分析し、次いで、相関表を使用して、推定されたRPM値に音の振幅をマッピングし得る。音の振幅と推定されたRPM値との間のマッピングは、研磨製品/工具の種類に依存して変化し得る。
【0167】
上記のシナリオのいずれかでは、着用可能デバイス202は、RPM情報を決定するために、センサとの通信または研磨製品/工具の種類(例えば、マッピングのために)に依存し得る。なお、着用可能デバイス202の依存を研磨製品/工具から解除することは、有利であり得る。そのようにすることは、例えば、着用可能デバイス202が、保持されている研磨製品/工具の種類にかかわらず、およびいずれかの通信線さが研磨製品/工具上に存在しているかどうかにかかわらず、どのような研磨製品/工具が着用可能デバイス202のユーザによって保持されているかということから独立して、任意の研削ホイールまたは研削ディスクのRPMを決定することを可能にし得る。
【0168】
RPMを独立して決定するために、振動信号が使用され得る。具体的には、振動信号は、着用可能デバイス202の加速度計から決定され得る。上記のように、加速度計は、ユーザの手の振動に関する加速度データを収集する。手の振動が研磨製品/工具の振動から結果的に生じるため、加速度データは、研磨製品/工具の振動を示す。加速度データは、次いで、振動信号を結果的にもたらす、経時的なgRMS値を計算するために使用され得る。とりわけ、gRMSの計算は、着用可能デバイス202上、上記のクラウドコンピューティングデバイスなどの遠隔デバイス上、または部分的に着用可能デバイス202上および部分的に遠隔デバイス上で実施され得る。
【0169】
図16は、例示的な実施形態による、グラフ1600を例示する。図16に例示されるように、グラフ1600は、経時的な着用可能デバイス202の振動を表す信号1602を含む。すなわち、信号1602は、着用可能デバイス202を着用し、研磨製品/工具を使用するときに、ユーザが受ける振動から結果的に生じる。グラフ1600のx軸は、時間値に対応するが、一方、y軸は、振動値(gRMS単位)に対応する。
【0170】
理解するために重要な点は、研削ホイールまたは研削ディスクのRPMが信号1602に寄与するため、フーリエ変換(例えば、高速フーリエ変換(FFT)、短時間フーリエ変換(STFT)など)が、RPM値を決定するために信号1602上で実施され得ることである。例えば、着用可能デバイス202上に埋め込まれたソフトウェアは、t0~t3の研削ホイールまたは研削ディスクのRPMを決定するために、t0~t3の期間からの信号1602に対してフーリエ変換を実施し得る。
【0171】
いくつかの実施形態では、ディスクの研削ホイールのRPMは、経時的に変化し得る。例えば、ユーザが、研削ホイールまたは研削ディスクを被加工物に強固に押し当て得(被加工物の摩擦によって回転スピードが遅くなる)、研磨製品/工具の動力レベルが変化し得る、などである。これを考慮するために、信号1602は、より短いセグメントに分割/サンプリングされ得、次いで、着用可能デバイス202上に埋め込まれたソフトウェアは、各より短いセグメントに対するフーリエ変換を計算し得る。例えば、信号1602に対するフーリエ変換は、t0~t1の期間、t1~t2の期間などから実施され得る。各時間セグメントのRPMは、経時的なRPMのグラフを決定するためにプロットされ得る(図17に示されるように)。
【0172】
いくつかの実施形態では、信号1602は、複数の基礎となる周波数から構成され得る、および/または交絡/エイリアス周波数を有し得る。研削ホイールまたは研削ディスクのRPMに対応する正確な周波数を決定するために、最高振幅を有する周波数または所定範囲内の振幅を有する周波数が使用され得る。代替的に、信号1602がより短いセグメントに分割されるシナリオでは、所与の時間セグメントのRPMは、以前の時間セグメントからの偏差をほとんど示さない振幅を有する周波数に基づいて決定され得る。他の方法もまた、可能である。
【0173】
いくつかの実施形態では、信号1602は、所与の軸に対する着用可能デバイス202の振動を表す(例えば、加速度計は、3つの軸(x、y、およびz)の振動データを測定および記録するように動作可能であり得る)。これらの状況では、振動信号は、各軸に対して決定され得、研削ホイールまたは研削ディスクの集約/複合振動信号が、各軸の個々の振動信号を重み付け/合成することによって決定され得る。いくつかの例では、重み付け/合成は、本明細書に議論されるISO5349規格などの、労働安全規格に基づき得る。例示のために、ISO5349規格を適用することは、2乗平均平方根計算によって各軸からの振動信号を合成することを伴い得、各軸は、複合振動信号で異なって重み付けされる。しかしながら、他の労働安全規格および集約/複合振動信号を決定するためのそれらの対応するアルゴリズムもまた、本明細書で企図される。着用可能デバイス202は、ISO5349規格に追加的に、および/または代替的に、それらのアルゴリズムを実行するように構成され得る。
【0174】
図16に示されるように、限界が信号1602に対して配置され得る。より具体的には、上限1604および下限1606が、振動の上限および下限を表すために使用され得、上限1604と下限1606との間の領域は、研磨製品/工具の振動の「最適ゾーン」である。いくつかの実施形態では、上限1604および下限1606は、着用可能デバイス202の製造者または研磨製品/工具の製造者によって決定され得る。他の実施形態では、上限1604および下限1606は、今日または将来施行される、労働安全規格に基づき得る。例えば、上限1604および下限1606は、労働安全衛生局(OSHA)、米国労働安全衛生研究所(NIOSH)、欧州労働安全衛生機関(EU-OSHA)、または国際標準化機構(ISO)によって設定された規格に基づき得る。いくつかの場合、上限1604および下限1606は、ISO5349の曝露危険性に基づき得る。
【0175】
いくつかの実施形態では、上限1604および下限1606は、製造時に着用可能デバイス202のファームウェアにインストールされた値、または着用可能デバイス202のファームウェアに動的に読み込まれるユーザ定義された値に基づいて決定され得る。例では、ユーザ定義された値は、着用可能デバイス202のユーザインターフェース構成要素を介して着用可能デバイス202に通信され得るか、ウェブアプリケーションを介して着用可能デバイス202に通信され得るか、または上記のクラウドコンピューティングデバイスなどのクラウドコンピューティングデバイスから着用可能デバイス202に通信される。他の可能性も存在する。
【0176】
最適ゾーン内の研磨製品/工具の振動を保つことがユーザにとって有用であるため、着用可能デバイス202は、最適ゾーンからの偏差を決定し得る。例えば、着用可能デバイス202は、振動が最適ゾーンにある時間の長さに対応する曝露時間1608を決定し得る。曝露時間1608は、最適ゾーン内の時間のパーセンテージを決定するために、動作の総時間(例えば、t3-t0)と比較され得る。最適ゾーン内の時間のパーセンテージが顕著に低い場合、着用可能デバイス202は、おそらく、動作改善、推薦される動作角度などを提供する視覚的、触覚的、および/または聴覚的警告を出力することによって、時間のパーセンテージを増加させるために情報を提供し得る。
【0177】
別の例として、着用可能デバイス202は、上限1604を上回る振動期間を表す、臨界曝露時間1610を決定し得る。臨界曝露時間1610を超える動作がユーザに有害であり得るため、着用可能デバイス202は、おそらく、上記と同様に、視覚的、触覚的、および/または聴覚的警告を出力することによって、臨界曝露時間1610を減少させるために情報を提供し得る。
【0178】
さらに、信号1602上で発見されたパターンは、表300に示される動作状態を示し得る。例えば、着用可能デバイス202は、臨界曝露自家1610がN秒(N=1、2、10s)を超える場合、研磨工具の動作状態が、「摩耗を伴うサンディング」であることを決定し得る。他の動作状態も可能である。
【0179】
図17は、例示的な実施形態による、グラフ1700を例示する。図17に例示されるように、グラフ1700は、経時的な研削ホイールまたは研削ディスクのRPMを表し得る信号1702を含む。すなわち、信号1702は、グラフ1600からの信号1602に対して実施されたフーリエ変換から結果的に生じ得る。グラフ1700のx軸は、時間値に対応するが、一方、y軸は、RPM値(gRMS単位)に対応する。
【0180】
グラフ1600と同様に、グラフ1700は、上限1704および下限1706を含み、それぞれ、RPMの上限および下限を表し、上限1704と下限1706との間の領域は、研削ホイールまたは研削ディスクのRPMの「最適ゾーン」である。いくつかの実施形態では、上限1704および下限1706は、着用可能デバイス202の製造者または研磨製品/工具の製造者によって決定され得る。他の実施形態では、上限1704および下限1706は、今日または将来施行される、労働安全規格に基づき得る。
【0181】
いくつかの実施形態では、上限1704および下限1706は、製造時に着用可能デバイス202のファームウェアにインストールされた値、または着用可能デバイス202のファームウェアに動的に読み込まれるユーザ定義された値に基づいて決定され得る。例では、ユーザ定義された値は、着用可能デバイス202のユーザインターフェース構成要素を介して着用可能デバイス202に通信され得るか、ウェブアプリケーションを介して着用可能デバイス202に通信され得るか、または上記のクラウドコンピューティングデバイスなどのクラウドコンピューティングデバイスから着用可能デバイス202に通信される。他の可能性も存在する。
【0182】
グラフ1600とほぼ同様に、グラフ1700の最適ゾーン内にRPMを保つことは、ユーザにとって有用であり得る。したがって、着用可能デバイス202は、最適ゾーンからのRPMの偏差を決定するように動作し得る。例えば、着用可能デバイス202は、RPMが上限1704を上回った時間の長さに対応する臨界時間1708を決定し得る。同様に、着用可能デバイス202は、RPMが下限1706を下回った時間の長さに対応する低使用時間1710を決定するように動作し得る。いずれの場合も、着用可能デバイス202は、おそらく、動作改善、推薦される動作角度などを提供する視覚的、触覚的、および/または聴覚的警告を出力することによって、臨界時間1708および低使用時間1710を減少させるために、情報を提供し得る。
【0183】
いくつかの実施形態では、グラフ1600および/またはグラフ1700からのデータは、着用可能デバイス202によって、記憶および追加の計算のためのクラウドコンピューティングデバイスに送信され得る。例えば、クラウドコンピューティングデバイスは、信号1602および/または信号1702に関するパターン(例えば、研削時間、最適RPM時間、過負荷時間、最適振動時間など)を発見するために上記に議論された機械学習アルゴリズムを実行し得る。発見されたパターンは、次いで、ユーザに情報を提供するウェブアプリケーションに送信され得る。追加的に、および/または代替的に、ウェブアプリケーションは、経時的な着用可能デバイス202の振動のプロット(例えば、グラフ1600)を含み得る、および/または経時的な着用可能デバイス202のRPMのプロット(例えば、グラフ1700)を含み得る。ウェブアプリケーションは、オートスケーラブルであり得、タブレットデバイス、デスクトップコンピューティングデバイス、モバイルデバイスなどで閲覧することができる。さらに、ウェブアプリケーションは、様々なユーザの専用アカウントを確立するように構成され得、各ユーザのデータを分離し、プライバシーを確保するために、適所にセキュリティ対策を有し得る。いくつかの実施形態では、クラウドコンピューティングデバイスまたはウェブアプリケーションは、例えば、着用可能デバイス202の通信インターフェース106にソフトウェア更新を送信することによって、着用可能デバイス202のファームウェアを更新するために使用され得る。
【0184】
とりわけ、上記の実施形態が振動およびRPMデータに関して議論されているが、他の種類のデータもまた、本明細書の開示で企図される。
【0185】
一例では、温度センサ/相対湿度センサが、着用可能デバイス202の周囲の環境温度および湿度レベルに関するデータを提供するために使用され得る。そして、温度センサ/相対湿度センサによって収集されたデータは、着用可能デバイス202のユーザによって操作されている研磨製品/工具の熱曝露時間を測定するために使用され得る。例えば、温度センサ/相対湿度センサは、研磨製品/工具が、2時間、55°Fの環境で操作され、次いで、6時間、105°Fの環境で操作されたことを計算し得る。計算された熱曝露時間は、次いで、研磨製品/工具の残りの製品寿命/生産性を決定するために使用され得る。例えば、研磨製品/工具が高温環境で頻繁に操作された場合、研磨製品/工具の計画された製品寿命は、研磨製品/工具が適温で頻繁に操作された場合よりも短くなり得る。
【0186】
別の例では、磁力計が、着用可能デバイス202または着用可能デバイス202のユーザによって動作されている被加工物の周囲磁場/配向に関するデータを提供するために使用され得る。
【0187】
さらに別の例では、静電容量センサが、着用可能デバイス202または研磨工具に関連する材料密度または潜在的な損傷に関するデータを提供するために使用され得る。
【0188】
さらなる例では、電流測定値が、研磨工具から取得され、動力データに変換され得る。研磨工具の研削サイクルデータを提供するために使用される動力データは、いくつかの場合、研磨動作のさらなる洞察を獲得するために、上述の振動およびRPMデータと比較され得る。さらに、慣性センサ、圧力センサ、および/または力センサなどの他のセンサからのデータとともに、上記のデータで説明されるデータは、以下に説明されるディスプレイ2100、2110、2120、および2130などのダッシュボード上にグラフ化、変換、表示され、グラフ1600およびグラフ1700に関して同様に説明された上限閾値および下限閾値と関連付けられ得る。
【0189】
v.他のシステム
図16および図17に説明される実施形態は、研削ホイールまたは研削ディスクのRPMをキャプチャするために方法を提供する。これらの方法は、概して、着用可能デバイス202の振動からRPMを決定する。具体的には、着用可能デバイス202上の加速度計は、ユーザの手の振動に関連する加速度データを収集する。手の振動は、研磨製品/工具の振動から生じる。しかしながら、いくつかの状況では、ユーザの手が着用可能デバイス202を着用し、研磨製品/工具を操作することが実用的ではないか、またはさらに不可能である場合がある。例えば、研磨製品/工具は、手が把持するためのハンドルを有していない場合がある。すなわち、研磨製品/工具は、手で操作するには危険過ぎる場合がある。しかし、そのような状況でも、着用可能デバイス202の振動からRPMデータを決定する関心が依然として存在する場合がある。
【0190】
ユーザの手なしで振動データからRPMを決定しようとすることは、いくつかの不都合をもたらす。例えば、研磨工具のハンドルに着用可能デバイス202を単純に取り付けるか(例えば、着用可能デバイス202をハンドル212上に結び付ける)、または研磨製品/工具に振動センサを埋め込む手法は、これらの手法が振動信号にノイズをもたらすため、振動信号からRPMを区別することに失敗する。
【0191】
この問題および、おそらく他の問題を解決するために、本明細書の実施形態は、人間の手の物理的特性を模倣するシステムおよび方法を提示する。具体的には、着用可能デバイス202と研磨工具との間の補助構成要素が提示される。補助構成要素は、人間の手(例えば、着用可能デバイス202が取り付けられる手)の生理学に先天的な特性を用いて構築され得る。これらの特性は、補助構成要素がノイズをフィルタ除去することを可能にし、振動信号からのRPMの判別を可能にする。
【0192】
追加的に、補助構成要素は、ISO5349規格に準拠する着用可能デバイス202を可能にし得る。上述のように、ISO5349は、手腕振動に対する暴露の測定および評価のための規格である。具体的には、ISO5349は、手腕振動の測定がユーザの手と振動デバイスとの間(例えば、振動デバイスを保持するときのユーザの手のひら)に位置付けられたセンサによって行われるべきであることを規定する。着用可能デバイス202が図2に示されるように手首装着可能デバイスの形態にある場合、着用可能デバイス202は、規格に準拠しない場合がある。しかしながら、本明細書に説明される補助構成要素を使用して、着用可能デバイス202は、規格を遵守し得る。
【0193】
図18は、例示的な実施形態による、システムの構成要素を例示する。とりわけ、図18は、研磨物品208、ハンドル210、およびハンドル212を含む、研磨工具206を例示する。追加的に、図18は、補助構成要素1802が研磨工具206に取り付けられていることを示す。補助構成要素1802は、着用可能デバイス202を含み得るか、または代替的に、研磨物品208のRPMを検出するためにスタンドアロン振動センサを含み得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、補助構成要素1802は、人間の手の自由度と同様の自由度を有し得る。言い換えると、補助構成要素1802は、ジョイント1804およびジョイント1806を含み得、これらが一緒に、補助構成要素1802が複数の方向に振動を受けることを可能にする。例えば、ジョイント1804は、補助構成要素1802がy軸に沿って振動を受けることを可能にし得、ジョイント1806は、補助構成要素1802がz軸に沿って振動を受けることを可能にし得る。これは、補助構成要素1802が、着用可能デバイス202またはスタンドアロン振動センサを研磨工具206に単純に取り付けることによって通常可能ではない方向に振動することを可能にする。
【0195】
いくつかの実施形態では、補助構成要素1802は、人間の腕と同様の粘弾性特性を有する材料で形成され得る。例えば、補助構成要素1802は、ラテックス、ゴム、シリコーン、および/またはポリマー材料から構築され得る。これらの粘弾性特性もまた、補助構成要素1802が、着用可能デバイス202またはスタンドアロン振動センサを研磨工具206に単純に取り付けることによって通常可能ではない方向に振動することを可能にし得る。
【0196】
vi.例示的なウェブアプリケーションおよびデータモデル
上記のように、ウェブアプリケーションは、遠隔センサ、着用可能デバイス、研磨工具、研磨工具オペレータなどを表示するように構成され得る。これは、クラウドコンピューティングデバイスによってホストされ、要求時にユーザに提供されるウェブページまたは一連のウェブページによって達成され得る。これらのウェブページ内の情報のレイアウトおよびコンパイルは、遠隔センサ、着用可能デバイス、研磨工具、研磨工具オペレータなどに関する関連情報の効率的なレビューを可能にし得る。追加的に、ウェブページは、直感的な視覚的要素および理解することが容易な尺度を有するグラフィックスを使用して情報を編成および配置し得る。
【0197】
追加の特徴として、ウェブアプリケーションは、ユーザが、研磨工具、着用可能デバイス、研磨工具オペレータ、およびプラント(例えば、研磨動作が実施されている環境)の間の関連付けを行うことを可能にし得る。例えば、ユーザは、研磨工具AT1がプラントP1内で動作していることを示すために、プラントP1を研磨工具AT1と関連付け得る。ユーザは、次いで、着用可能デバイスWD2によって収集されたデータが研磨工具AT1の動作に関するものであることを示すために、研磨工具AT1を着用可能デバイスWD2と関連付け得る。最終的に、ユーザは、オペレータO1が着用可能デバイスWD1を着用していることを示すために、着用可能デバイスWD1をオペレータO1と関連付け得る。このようにして、研磨工具、着用可能デバイス、研磨工具オペレータ、およびプラントは、ウェブアプリケーション上の別個の論理実体になり、これらは、互いに整合して混合され得る。
【0198】
別個の論理実体を有することは、多くの利点を有し得る。例えば、着用可能デバイスWD1がオペレータO1と恒久的に関連付けられたと仮定する。オペレータO1が、突然手があかなくなった場合、手があいていない間、着用可能デバイスWD1からデータを収集することができない。一方、着用可能デバイスWD1がオペレータO1とは別個の論理実体であったと仮定する。オペレータO1が、手があかなくなった場合、着用可能デバイスWD1は、オペレータO3と迅速に関連付けられ得、データは、着用可能デバイスWD1に関して依然として収集され得る。有利には、データは、オペレータO1またはオペレータO3にかかわらず、着用可能デバイスWD1から収集され得る。他の利点も考えられる。
【0199】
図19は、例示的な実施形態による、モデル1900を例示する。モデル1900は、4つの基本表である、プラント表1910、工具表1930、着用可能表1950、およびオペレータ表1950と、3つのリンク表である、プラント工具表1920、工具着用可能表1940、およびオペレータ着用可能表1960と、を含み得る。ユニットとして、これらの表は、プラント、研磨工具、着用可能デバイス、およびオペレータの間の関係をキャプチャするために必要な情報を提供する。いくつかの例では、モデル1900は、図19に示されるよりも多い、少ない、および/または異なる種類の表を有し得る。さらに、モデル1900の表は、明確さの目的で簡略化され得る。しかし、実際、これらの表は、より多い、より少ない、および/または異なるエントリを含み得る。
【0200】
プラント表1910は、プラント用のエントリを含み得る。具体的には、プラント表1910内の各エントリは、プラント用の一意の識別子、およびプラント用の関連付けられた情報を有し得る。いくつかの例では、ユーザは、例えば、クラウドコンピューティングデバイスによって提供されたウェブページまたは一連のウェブページを通じて、情報を入力して、プラント表1910をポピュレートし得る。
【0201】
プラント工具表1920は、プラント表1910からの所与のプラントを、所与のプラント内で動作する、工具表1930からの研磨工具にマッピングするエントリを含み得る。具体的には、上記のウェブアプリケーションは、プラント工具表1920内のエントリを動的にポピュレートするための手段を提供し得る。例えば、ウェブアプリケーションは、ユーザが、プラントと、それらのプラント内で動作する研磨工具との間の関連付けを行うことを可能にするために、一連のドロップダウンメニューを提供し得る。
【0202】
工具表1930は、研磨工具206などの研磨工具用のエントリを含み得る。具体的には、工具表1930内の各エントリは、研磨工具用の一意の識別子、および研磨工具用の関連付けられた情報を有し得る。いくつかの例では、ユーザは、例えば、クラウドコンピューティングデバイスによって提供されたウェブページまたは一連のウェブページを通じて、情報を入力して、工具表1930をポピュレートし得る。他の例では、工具表1930内の情報は、上記のように遠隔センサおよび/または着用可能デバイスからポピュレートされ得る。
【0203】
工具着用可能表1940は、工具表1930からの研磨工具を、その研磨工具と関連付けられたデータを収集する着用可能表1950からの着用可能にマッピングするエントリを含み得る。具体的には、上記のウェブアプリケーションは、工具着用可能表1940内のエントリを動的にポピュレートするための手段を提供し得る。例えば、ウェブアプリケーションは、ユーザが、研磨工具と着用可能デバイスとの間の関連付けを行うことを可能にするために、一連のドロップダウンメニューを提供し得る。いくつかの場合では、着用可能表1940内のエントリは、上記のように、リーダを通じて自動的にポピュレートされ得る。例えば、研磨工具は、識別特徴218などのRFIDタグを含み得、着用可能デバイスは、着用可能デバイスを研磨工具と関連付けるために、研磨工具のRFIDタグを読み取り得るRFIDリーダを含み得る。
【0204】
着用可能表1950は、着用可能デバイス202などの着用可能デバイス用のエントリを含み得る。具体的には、着用可能表1950内の各エントリは、着用可能デバイス用の一意の識別子、および着用可能デバイス用の関連付けられた情報を有し得る。いくつかの例では、ユーザは、例えば、クラウドコンピューティングデバイスによって提供されたウェブページまたは一連のウェブページを通じて、情報を入力して、着用可能表1950をポピュレートし得る。他の例では、着用可能表1950内の情報は、上記のように遠隔センサからポピュレートされ得る。
【0205】
オペレータ着用可能表1960は、着用可能表1950からの着用可能デバイスを、着用可能デバイスを着用する、オペレータ表1970からのオペレータにマッピングするエントリを含み得る。具体的には、上記のウェブアプリケーションは、オペレータ着用可能表1960内のエントリを動的にポピュレートするための手段を提供し得る。例えば、ウェブアプリケーションは、ユーザが、着用可能デバイスとオペレータとの間の関連付けを行うことを可能にするために、一連のドロップダウンメニューを提供し得る。いくつかの場合では、オペレータ着用可能表1960内のエントリは、上記のように、リーダを通じて自動的にポピュレートされ得る。例えば、着用可能デバイスは、RFIDタグを含み得、オペレータは、着用可能デバイスをオペレータと関連付けるために、着用可能デバイスのRFIDタグを読み取り得るRFIDリーダを有し得る。
【0206】
オペレータ表1970は、着用可能デバイスを着用するオペレータ用のエントリを含み得る。具体的には、オペレータ表1970内の各エントリは、オペレータ用の一意の識別子、およびオペレータ用の関連付けられた情報を有し得る。いくつかの例では、ユーザは、例えば、クラウドコンピューティングデバイスによって提供されたウェブページまたは一連のウェブページを通じて、情報を入力して、オペレータ表1970をポピュレートし得る。
【0207】
総合すると、モデル1900の表は、(i)どのオペレータがどの着用可能デバイスと関連付けられているか、(ii)どの着用可能デバイスがどの研磨工具と関連付けられているか、および(iii)どの研磨工具がどのプラントと関連付けられているか、を確立するために情報を提供する。いくつかの場合、ウェブアプリケーションは、この情報を使用して、プラント、着用可能デバイス、研磨工具、およびオペレータに関連する尺度を提供し得る。
【0208】
図20は、例示的な実施形態による、ウェブページ2000を例示する。ウェブページ2000は、上記のウェブアプリケーションによってユーザに提供され得る。具体的には、ウェブページ2000は、プラント、着用可能デバイス、研磨工具、およびオペレータに関連する尺度を提供する。
【0209】
図20に示されるように、プラントドロップダウン2010は、ユーザが尺度を受信することを望む、複数のプラント範囲からのプラントをユーザが示すことを可能にする。デバイスドロップダウン2020は、ユーザが尺度を受信することを望む1つ以上のデバイスをユーザが選択することを可能にする。デバイスドロップダウン2020内の利用可能なデバイスは、プラントドロップダウン2010、およびプラント工具表1920内のエントリに対するユーザの選択に基づき得る。日付範囲2030は、ユーザが尺度を受信することを望む日付範囲をユーザが選択することを可能にする。プラントドロップダウン2010、デバイスドロップダウン2020、および日付範囲2030に対する選択を行った後、ユーザは、「検索」を押すことによって進み得る。このアクションは、プラントドロップダウン2010、デバイスドロップダウン2020、および日付範囲2030(例えば、エントリ2040)内の情報に対応する1つ以上のエントリを表示し得る。
【0210】
エントリ2040は、デバイスドロップダウン2020から選択されたデバイスを使用する、プラントドロップダウン2010から選択されたプラント内の、日付範囲2030から選択された時間範囲の間の特定のオペレータに関連する尺度を含む。特定のオペレータは、オペレータ着用可能表1960、着用可能表1950、および工具着用可能表1940内のエントリに基づいて決定され得る。エントリ2040は、特定のオペレータに対する、研削時間尺度2050、最適研削尺度2060、および振動曝露尺度2070を示す。
【0211】
研削時間尺度2050は、日付範囲2030中の特定のオペレータの総研削時間の棒グラフを表示する。具体的には、研削時間尺度2050は、グラフ1600およびグラフ1700に関して説明された実施形態を使用して決定され得る。
【0212】
最適研削尺度2060は、最適研削パラメータ内で研削している間の、特定のオペレータによって費やされた時間の棒グラフを表示する。具体的には、最適研削尺度2060は、グラフ1600およびグラフ1700に関して説明された実施形態を使用して決定され得る。最適研削尺度2060は、棒グラフとして例示されるが、最適研削パラメータ内で研削している間の時間量またはそのような時間のパーセンテージもしくは比率が、様々な異なる形態で表される、および/または表示され得ることが理解されるであろう。例えば、最適研削尺度2060は、パイチャート、レーダーチャート、線グラフ、または別の種類の情報表現もしくはインフォグラフィックとして表され得る。
【0213】
振動曝露尺度2070は、特定のオペレータに対する振動曝露時間のパイチャートを3つの分類で表示する。具体的には、振動曝露尺度2070は、グラフ1600およびグラフ1700に関して説明された実施形態を使用して決定され得る。振動曝露尺度2070がパイチャートとして例示されているが、それぞれの振動曝露条件下の時間量が、様々な異なる形態で表される、および/または表示され得ることが理解されるであろう。例えば、振動曝露尺度2070は、棒グラフ、レーダーチャート、線グラフ、または別の種類の情報表現もしくはインフォグラフィックとして表され得る。
【0214】
ウェブページ2000が、例の目的で提示されることが理解されるであろう。他の実施形態では、ウェブページ2000は、他の種類の尺度およびそのような尺度を表示する代替的な方法を提供し得る。
【0215】
図21は、例示的な実施形態による、着用可能デバイス202の表示2100、2110、2120、および2130を例示する。具体的には、図21に示される表示は、着用可能デバイス202のユーザインターフェース構成要素上に現れ得る異なるビューを例示する。しかしながら、図21に示される表示は、限定ではなく、他の表示が本開示の範囲内で企図され、可能であることに留意されたい。
【0216】
表示2100は、着用可能デバイス202の平均振動に関する視覚的合図、バッテリ寿命(左上に示される)、現在時刻(上部中央に示される)、およびWiFi信号が着用可能デバイス202に存在するか否か(右上に示される)を提供する。
【0217】
表示2110もまた、バッテリ寿命、現在時刻、および着用可能デバイス202のWiFi信号を図示するが、例えば、図16および図17で議論されたグラフ1600および1700を使用して計算され得る、研削時間尺度を追加的に示す。
【0218】
表示2120もまた、バッテリ寿命、現在時刻、および着用可能デバイス202のWiFi信号を図示するが、例えば、図16および図17で議論されたグラフ1600および1700を使用して計算され得る、最適研削時間尺度を追加的に示す。
【0219】
表示2130もまた、バッテリ寿命、現在時刻、および着用可能デバイス202のWiFi信号を図示するが、オペレータが研磨動作を実施しているときの、現在のRPMおよび振動の瞬間ビューを追加的に示す。
【0220】
vii.例示的なロボットデバイス
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよびデバイスは、ロボットデバイスに統合され得る。例えば、着用可能デバイス202は、他の可能性のある場所の中でもとりわけ、ロボットデバイスのスピンドル、アーム/マニピュレータ、および/またはエンドエフェクタに取り付けられ得る。一旦、取り付けられると、着用可能デバイス202は、ロボットデバイスによって実施される研磨動作と関連付けられた振動データ/ノイズデータを測定し得、振動データ/ノイズデータを使用してRPM情報を計算し得、ロボットデバイスの動作モードを調整するために、ロボットデバイスに命令を提供し得る。
【0221】
例示的な動作では、着用可能デバイス202は、ロボットデバイスのコントローラに通信可能にリンクされ得る。着用可能デバイス202は、ロボットデバイスと関連付けられた振動データ/ノイズデータを測定し得、ベースライン研磨動作からの偏差を検出したときに、コントローラにフィードバックを応答的に送信し得る。フィードバックは、他の命令の中でもとりわけ、ロボットデバイスによって現在利用されているRPMを調整するか、またはロボットデバイスをオン/オフにする命令を含み得る。
【0222】
IV.列挙される例示的な実施形態
本開示の実施形態は、以下に挙げられる列挙される例示的な実施形態(EEE)のうちの1つに関連し得る。
【0223】
EEE1は、システムであって、
研磨製品および被加工物に近接して配設されたセンサであって、センサが、研磨製品および被加工物に関与する研磨動作と関連付けられた研磨動作データを収集するように構成されている、センサと、
通信インターフェースと、
メモリおよびプロセッサを含むコントローラであって、メモリが、コントローラに動作を実施させるようにプロセッサによって実行可能である命令を記憶し、動作が、
センサから、研磨動作データを受信することと、
研磨動作データに基づいて、研磨製品の製品固有情報および/または被加工物固有情報を決定することと、
通信インターフェースを介して、製品固有情報または被加工物固有情報を送信することと、を含む、コントローラと、
送信された製品固有情報または被加工物固有情報を受信するように構成された遠隔コンピューティングデバイスと、を備える、システムである。
【0224】
EEE2は、製品固有情報または加工固有情報を決定することが、研磨動作データを、材料、材料除去率、動作条件、消費動力、または固有研削エネルギーのうちの少なくとも1つと相関させることを含む、EEE1のシステムである。
【0225】
EEE3は、振動データまたはノイズデータのうちの少なくとも1つに基づいて、研磨製品の製品固有情報または被加工物固有情報を決定することが、
振動データまたはノイズデータのうちの少なくとも1つを、それぞれ、サンプルレートでサンプリングすることによって、振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つを生成することと、
振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つに基づいて、製品固有情報または加工固有情報を決定することと、を含む、EEE1または2と同様のシステムである。
【0226】
EEE4は、サンプルレートが、センサのバッテリのエネルギーレベルに基づいて選択される、EEE3のシステムである。
【0227】
EEE5は、センサが、振動データまたはノイズデータをサンプルレートで収集するように構成され、サンプルレートが、データ解像度またはセンサのバッテリの利用可能なエネルギーレベルのうちの少なくとも1つに基づいて選択される、EEE1のシステムである。
【0228】
EEE6は、動作が、
通信インターフェースを使用して、研磨製品の識別子を取得することと、
識別子を使用して研磨製品を識別することと、をさらに含む、EEE1~5のいずれかと同様のシステムである。
【0229】
EEE7は、通信インターフェースが、画像キャプチャデバイス、無線通信デバイス、近距離通信(NFC)デバイス、または無線周波数識別(RFID)リーダのうちの少なくとも1つを含む、EEE6のシステムである。
【0230】
EEE8は、通信インターフェースを使用して、研磨製品の識別子を取得することが、
遠隔コンピューティングデバイスから製品識別子を受信することを含む、EEE6または7と同様のシステムである。
【0231】
EEE9は、センサが、研磨製品内または研磨製品から遠隔に配設されている、EEE1~8のいずれかと同様のシステムである。
【0232】
EEE10は、振動データまたはノイズデータのうちの少なくとも1つに基づいて、研磨製品の製品固有情報または被加工物固有情報を決定することが、
振動データまたはノイズデータのうちの少なくとも1つに基づいて、振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つを生成することと、
振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つの周波数分析に基づいて、周波数データを生成することと、
周波数データに基づいて、製品固有情報または被加工物固有情報を決定することと、を含む、EEE1~9のいずれかと同様のシステムである。
【0233】
EEE11は、動作が、
遠隔コンピューティングデバイスに周波数データを提供することをさらに含む、EEE10のシステムである。
【0234】
EEE12は、動作が、
遠隔コンピューティングデバイスに振動データおよび/もしくはノイズデータまたは振動情報もしくはノイズ情報のうちの少なくとも1つを提供することをさらに含み、遠隔コンピューティングデバイスが、受信された振動データおよび/もしくはノイズデータまたは振動情報もしくはノイズ情報のうちの少なくとも1つを分析するようにさらに構成されている、EEE1~11のいずれかと同様のシステムである。
【0235】
EEE13は、コンピューティングネットワークに専用のコンピューティングデバイスおよびデータベースであって、コンピューティングデバイスが、研磨動作の特性を予測する機械学習モデルへのアクセスを有し、コンピューティングデバイスが、動作を実施するように構成されており、動作が、
遠隔センサから振動およびノイズ情報を受信することであって、振動およびノイズ情報が、研磨製品および被加工物に関与する研磨動作と関連付けられている、受信することと、
機械学習モデルを適用して、振動およびノイズ情報が研磨製品の製品固有情報または被加工物固有情報に関連することを予測することであって、機械学習モデルが、(i)複数の研磨製品および複数の被加工物に関与する複数の事前研磨動作の動作特性と、(ii)事前研磨動作中およびその後の被加工物の表面特性との間のマッピングを用いて訓練された、予測することと、を含む、コンピューティングデバイスおよびデータベースである。
【0236】
EEE14は、動作が、データベースに、振動およびノイズ情報、ならびに予測された製品固有情報または被加工物固有情報に関連する構成アイテムを記憶することをさらに含む、EEE13のコンピューティングデバイスおよびデータベースである。
【0237】
EEE15は、動作が、遠隔コンピューティングデバイスに、予測された製品固有情報または被加工物固有情報を送信することをさらに含む、EEE1~14のいずれかと同様のコンピューティングデバイスおよびデータベースである。
【0238】
EEE16は、システムであって、
身体装着可能デバイスであって、
研磨動作データを検出するように構成されている、少なくとも1つのセンサと、
通信インターフェースと、
メモリおよびプロセッサを含むコントローラであって、メモリが、コントローラに動作を実施させるようにプロセッサによって実行可能である命令を記憶し、動作が、
少なくとも1つのセンサから、特定の研磨工具または特定の研磨製品と関連付けられた研磨動作データを受信することと、
研磨動作データに基づいて製品固有情報を決定することと、
通信インターフェースを介して、製品固有情報を送信することと、を含む、コントローラと、
送信された製品固有情報を受信するように構成された遠隔コンピューティングデバイスと、を備える、システムである。
【0239】
EEE17は、研磨動作データが、振動データまたはノイズデータのうちの少なくとも1つを含み、研磨動作データに基づいて、研磨製品の製品固有情報または被加工物固有情報を決定することが、
振動データまたはノイズデータのうちの少なくとも1つを、それぞれ、サンプルレートでサンプリングすることによって、振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つを生成することと、
振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つに基づいて、製品固有情報または加工固有情報を決定することと、を含む、EEE16のシステムである。
【0240】
EEE18は、サンプルレートが、データ解像度またはセンサのバッテリの利用可能なエネルギーレベルのうちの少なくとも1つに基づいて選択される、EEE16または17と同様のシステムである。
【0241】
EEE19は、センサが、研磨動作データをサンプルレートで収集するように構成され、サンプルレートが、センサのバッテリのエネルギーレベルに基づいて選択される、EEE16~18のいずれかと同様のシステムである。
【0242】
EEE20は、動作が、
通信インターフェースを使用して、研磨製品の識別子を取得することと、
識別子を使用して研磨製品を識別することと、をさらに含む、EEE16~19のいずれかと同様のシステムである。
【0243】
EEE21は、通信インターフェースが、画像キャプチャデバイス、無線通信デバイス、近距離通信(NFC)デバイス、または無線周波数識別(RFID)リーダのうちの少なくとも1つを含む、EEE16~20のいずれかと同様のシステムである。
【0244】
EEE22は、通信インターフェースを使用して、研磨製品の識別子を取得することが、
遠隔コンピューティングデバイスから製品識別子を受信することを含む、EEE16~21のいずれかと同様のシステムである。
【0245】
EEE23は、センサが、研磨製品内または研磨製品から遠隔に配設されている、EEE16~22のいずれかと同様のシステムである。
【0246】
EEE24は、振動データまたはノイズデータのうちの少なくとも1つに基づいて、研磨製品の製品固有情報または被加工物固有情報を決定することが、
振動データまたはノイズデータのうちの少なくとも1つに基づいて、振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つを生成することと、
振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つの周波数分析に基づいて、周波数データを生成することと、
データの周波数および/または振幅に基づいて、製品固有情報または被加工物固有情報を決定することと、を含む、EEE16~23のいずれかと同様のシステムである。
【0247】
EEE25は、動作が、
遠隔コンピューティングデバイスに周波数データを提供することをさらに含む、EEE16~24のいずれかと同様のシステムである。
【0248】
EEE26は、動作が、
遠隔コンピューティングデバイスに振動データおよび/もしくはノイズデータまたは振動情報もしくはノイズ情報のうちの少なくとも1つを提供することをさらに含み、遠隔コンピューティングデバイスが、受信された振動データおよび/もしくはノイズデータまたは振動情報もしくはノイズ情報のうちの少なくとも1つを分析するようにさらに構成されている、EEE16~25のいずれかと同様のシステムである。
【0249】
EEE27は、製品固有情報が、特定の研磨製品の動作状態、動作期間、アイドル期間、または作業時間のうちの少なくとも1つを含む、EEE16~26のいずれかと同様のシステムである。
【0250】
EEE28は、製品固有情報が、特定の研磨製品と関連付けられた研磨動作を示す情報を含む、EEE16~27のいずれかと同様のシステムである。
【0251】
EEE29は、振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つに基づいて、製品固有情報を決定することが、振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つを既知の振動パターンまたはノイズパターンのうちの少なくとも1つのセットと比較することを含む、EEE16~28のいずれかと同様のシステムである。
【0252】
EEE30は、動作が、識別プロセスに基づいて、特定の研磨製品を決定することをさらに含む、EEE16~29のいずれかと同様のシステムである。
【0253】
EEE31は、識別プロセスが、ユーザ入力、遠隔ハンドシェイク通信プロセス、近接検出プロセス、または光認識プロセスのうちの少なくとも1つを含む、EEE30のシステムである。
【0254】
EEE32は、振動情報およびノイズ情報に基づいて決定される製品固有情報が、特定の研磨製品に関するリアルタイム研磨情報を含む、EEE16~31のいずれかと同様のシステムである。
【0255】
EEE33は、遠隔コンピューティングデバイスが、クラウドコンピューティングプラットフォームを含む、EEE16~32のいずれかと同様のシステムである。
【0256】
EEE34は、身体装着可能デバイスが、ユーザの手首または胸に着用されるように構成されている、EEE16~33のいずれかと同様のシステムである。
【0257】
EEE35は、身体装着可能デバイスが、保護手袋または頭部装着可能ディスプレイ(HMD)のうちの少なくとも1つに結合されている、EEE16~34のいずれかと同様のシステムである。
【0258】
EEE36は、方法であって、
研磨製品に近接して配設された少なくとも1つのセンサから、研磨製品と関連付けられた振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つを受信することであって、少なくとも1つのセンサが、振動およびノイズを検出するように構成されている、受信することと、
振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つに基づいて、製品固有情報を決定することと、
通信インターフェースを介して遠隔コンピューティングデバイスに、製品固有情報を送信することと、を含む、方法である。
【0259】
EEE37は、製品固有情報が、研磨製品の動作状態、動作期間、アイドル期間、または作業時間のうちの少なくとも1つを含む、EEE36の方法である。
【0260】
EEE38は、製品固有情報が、研磨製品と関連付けられた研磨動作を示す情報を含む、EEE36または37と同様の方法である。
【0261】
EEE39は、振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つに基づいて、製品固有情報を決定することが、振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つを既知の振動パターンまたはノイズパターンのうちの少なくとも1つのセットと比較することを含む、EEE36~38のいずれかと同様の方法である。
【0262】
EEE40は、識別プロセスに基づいて、研磨製品を決定することをさらに含む、EEE36~39のいずれかと同様の方法である。
【0263】
EEE41は、識別プロセスが、ユーザ入力、遠隔ハンドシェイク通信プロセス、近接検出プロセス、または光認識プロセスのうちの少なくとも1つを含む、EEE36~40のいずれかと同様の方法である。
【0264】
EEE42は、振動情報またはノイズ情報のうちの少なくとも1つに基づいて決定される製品固有情報が、研磨製品に関するリアルタイム研磨情報を含む、EEE36~41のいずれかと同様の方法である。
【0265】
EEE43は、製品固有情報を送信することが、クラウドコンピューティングプラットフォームに製品固有情報を送信することを含む、EEE36~42のいずれかと同様の方法である。
【0266】
EEE44は、
製品固有情報を決定することに応答して、少なくとも1つの制御命令を研磨製品に送信することをさらに含む、EEE36~43のいずれかと同様の方法である。
【0267】
EEE45は、少なくとも1つの制御命令が、回転速度を調整すること、通知を提供すること、工具をオンにすること、または工具をオフにすること、のうちの少なくとも1つを含む、EEE36~44のいずれかと同様の方法である。
【0268】
EEE46は、少なくとも1つの制御命令が、遠隔制御されたスイッチから受信される、EEE36~45のいずれかと同様の方法である。
【0269】
EEE47は、システムであって、
身体装着可能デバイスを備え、身体装着可能デバイスが、
特定の研磨工具または特定の研磨製品と関連付けられた振動データを検出するように構成されている、少なくとも1つのセンサと、
メモリおよびプロセッサを含むコントローラであって、メモリが、コントローラに動作を実施させるようにプロセッサによって実行可能である命令を記憶し、動作が、
振動データに対する周波数分析に基づいて、振動信号を生成することと、
振動信号を使用して、角速度(RPM)信号を生成することと、
振動信号およびRPM信号に基づいて、製品固有情報を決定することと、を含む、コントローラと、を備える、システムである。
【0270】
EEE48は、RPM信号を生成することが、振動信号に対するフーリエ変換分析を実施することを含む、EEE47のシステムである。
【0271】
EEE49は、製品固有情報が、振動信号またはRPM信号が上限未満、かつ下限超に収まる時間の長さに少なくとも部分的に基づく、EEE47または48と同様のシステムである。
【0272】
EEE50は、上限および下限が、ISO5349規格に基づく、EEE49のシステムである。
【0273】
EEE51は、システムであって、
研磨物品を使用して研磨動作を実施するように構成された研磨工具と、
研磨工具の表面に取り付けられた補助構成要素であって、補助構成要素が、研磨工具よりも高い自由度を有する、補助構成要素と、
少なくとも1つのセンサであって、少なくとも1つのセンサが、研磨工具の動作と関連付けられた振動データを検出するように構成され、少なくとも1つのセンサが、補助構成要素上に装着されている、少なくとも1つのセンサと、
メモリおよびプロセッサを含むコントローラであって、メモリが、コントローラに動作を実施させるようにプロセッサによって実行可能である命令を記憶し、動作が、
振動データに基づいて、振動信号を生成することと、
振動信号を角速度(RPM)信号に変換することと、
振動信号およびRPM信号に基づいて、研磨工具に関連する製品固有情報を決定することと、を含む、コントローラと、を備える、システムである。
【0274】
EEE52は、システムであって、
永続記憶装置であって、(i)プラントと、プラント内でそれぞれ動作している研磨工具との間の第1のマッピングセット、(ii)研磨工具と、研磨工具とそれぞれ関連付けられた身体装着可能デバイスとの間の第2のマッピングセット、および(iii)身体装着可能デバイスと、身体装着可能デバイスとそれぞれ関連付けられたオペレータとの間の第3のマッピングセット、を含む、永続記憶装置と、
動作を実施するように構成された1つ以上のプロセッサと、備え、動作が、
クライアントデバイスから、プラントからの少なくとも1つのプラントと関連付けられた研磨動作尺度を閲覧する要求を受信することと、
第1のマッピングセットに基づいて、少なくとも1つのプラントと関連付けられた工具セットを決定することと、
クライアントデバイスから、工具セットからの少なくとも1つの工具と関連付けられた研磨動作尺度を閲覧する要求を受信することと、
第2のマッピングセットに基づいて、少なくとも1つの工具と関連付けられた身体装着可能デバイスセットを決定することと、
第3のマッピングセットに基づいて、身体装着可能デバイスセットと関連付けられたオペレータセットを決定することと、
クライアントデバイスに、オペレータセットに関連した研磨動作尺度を提供することと、を含む、システムである。
【0275】
EEE53は、動作が、
クライアントデバイスから、日付範囲内の研磨動作尺度を閲覧する要求を受信することをさらに含み、研磨動作尺度を提供することが、日付範囲内の研磨動作尺度を提供することを含む、システムEEE52である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22