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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】自動組立システム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
B25J13/08 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021534452
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(86)【国際出願番号】 JP2019028834
(87)【国際公開番号】W WO2021014563
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】永田 良
(72)【発明者】
【氏名】大石 信夫
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-176923(JP,A)
【文献】特開2013-082054(JP,A)
【文献】特開2011-093058(JP,A)
【文献】国際公開第2019/138835(WO,A1)
【文献】特開2015-197312(JP,A)
【文献】国際公開第2017/130286(WO,A1)
【文献】特開2015-149670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品供給装置と、
前記部品供給装置にバラ積みされた部品を1個ずつピックアップして所定の場所にセットする作業を行うロボットと
を備える、自動組立システムにおいて、
前記部品供給装置は、
投入された複数の部品をバラ積み状態に載置する部品載置部と、
前記部品載置部上のバラ積み状態の部品を撮像する3次元カメラと、
前記3次元カメラで撮像した画像を処理してバラ積み状態の部品を立体的に認識した情報である3次元認識情報を取得する画像処理部と
を備え、
前記3次元カメラは、前記部品載置部に固定されたカメラスタンドに取り付けられ、
前記画像処理部は、取得した3次元認識情報に基づいて前記ロボットがピックアップ可能な部品の位置を測定し、
前記画像処理部で測定したピックアップ可能な部品の位置の情報を表示する表示部を備える、自動組立システムであって、
前記ロボットのアームに取り付けられたカメラを備え、
前記ロボットの制御装置は、前記部品供給装置の前記表示部に表示されたピックアップ可能な部品の位置の情報を前記カメラで撮像し、その画像を処理することでピックアップ可能な部品の位置の情報を読み取り、その読み取り情報に基づいて前記ロボットのアーム動作を制御して前記部品載置部上にバラ積みされた部品を1個ずつピックアップする、自動組立システム。
【請求項2】
部品供給装置と、
前記部品供給装置にバラ積みされた部品を1個ずつピックアップして所定の場所にセットする作業を行うロボットと
を備える、自動組立システムにおいて、
前記部品供給装置は、
投入された複数の部品をバラ積み状態に載置する部品載置部と、
前記部品載置部上のバラ積み状態の部品を撮像する3次元カメラと、
前記3次元カメラで撮像した画像を処理してバラ積み状態の部品を立体的に認識した情報である3次元認識情報を取得する画像処理部と
を備え、
前記3次元カメラは、前記部品載置部に固定されたカメラスタンドに取り付けられ、
前記画像処理部は、取得した3次元認識情報に基づいて前記ロボットがピックアップ可能な部品の位置を測定し、
前記画像処理部で測定したピックアップ可能な部品の位置の情報を表示する表示部を備える、自動組立システムであって、
前記画像処理部は、取得した3次元認識情報に基づいて前記部品載置部上に残っているバラ積み状態の部品の中にピックアップ可能な部品が存在しないと判定したときに、その情報を前記表示部に表示し、
前記ロボットのアームに取り付けられたカメラを備え、
前記ロボットの制御装置は、前記部品供給装置の前記表示部に表示された情報を前記カメラで撮像し、その画像を処理することで、前記部品載置部上に残っているバラ積み状態の部品の中にピックアップ可能な部品が存在しないという情報を読み取ったときに、前記部品載置部上に残っているバラ積み状態の部品をばらす動作を前記ロボットに行わせる、自動組立システム。
【請求項3】
前記画像処理部は、取得した3次元認識情報に基づいて前記部品載置部上のバラ積み状態の部品の中から前記ロボットがピックアップ可能な部品を特定して当該ピックアップ可能な部品の位置を測定し、
前記画像処理部で測定したピックアップ可能な部品の位置の情報を前記ロボットの制御装置に送信する通信部を備える、請求項1又は2に記載の自動組立システム。
【請求項4】
前記画像処理部は、取得した3次元認識情報に基づいて前記部品載置部上に残っているバラ積み状態の部品の中にピックアップ可能な部品が存在しないと判断したときに、その情報を前記通信部から前記ロボットの制御装置に送信する、請求項3に記載の自動組立システム。
【請求項5】
前記画像処理部は、取得した3次元認識情報に基づいて前記部品載置部上に残っているバラ積み状態の部品の中にピックアップ可能な部品が存在しないと判定したときに、その情報を前記表示部に表示する、請求項に記載の自動組立システム。
【請求項6】
前記3次元カメラの視野内に収まる複数の所定位置に設けられた複数の基準マークを備え、
前記画像処理部は、前記3次元カメラで撮像した画像を処理して前記複数の基準マークの位置を測定し、前記複数の基準マークの位置を基準にしてピックアップ可能な部品の位置測定値のずれを補正する、請求項3乃至のいずれかに記載の自動組立システム。
【請求項7】
前記画像処理部がバラ積み状態の部品を立体的に認識する際に用いる3次元部品データは、事前に当該部品の外観形状を描画するためのCADデータに基づいて作成され、前記画像処理部のメモリに登録されている、請求項1乃至のいずれかに記載の自動組立システム。
【請求項8】
前記画像処理部がバラ積み状態の部品を立体的に認識する際に用いる3次元部品データは、事前に当該部品と外観形状が同じサンプル部品を前記部品載置部に載置して前記3次元カメラで撮像した画像を前記画像処理部で処理することで作成され、前記画像処理部のメモリに登録されている、請求項1乃至のいずれかに記載の自動組立システム。
【請求項9】
前記部品載置部に投入する部品を一時的に貯蔵するタンク部を備え、
前記画像処理部の処理結果に基づいて前記部品載置部上の部品残数が所定数以下又は0になる毎に前記タンク部内の部品の一部を前記部品載置部へ投入するように構成されている、請求項1乃至のいずれかに記載の自動組立システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、部品載置部上にバラ積みされた部品(ワーク)を1個ずつロボットにピックアップさせる自動組立システムに関する技術を開示したものである。
【背景技術】
【0002】
部品供給装置の部品載置部上にバラ積みされた部品を1個ずつロボットでピックアップして所定の場所にセットする作業を行う自動組立システムにおいては、例えば、特許文献1(特開2018-144159号公報)に記載されているように、ロボットのアーム可動領域の上方の固定構造物に複数のカメラを下向きに固定し、部品供給装置の部品載置部上にバラ積みされた部品を上方から複数のカメラで撮像して、複数のカメラで撮像した画像を処理して3次元形状データを生成し、この3次元形状データに基づいて部品載置部上のバラ積み状態の部品の中からピックアップ可能な部品を特定して当該部品の位置を測定し、その測定結果に基づいてロボットのアーム動作を制御して部品載置部上にバラ積みされた部品を1個ずつピックアップするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-144159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ロボットのアーム可動領域の上方の固定構造物に固定した複数のカメラと部品供給装置との位置関係は、ユーザ側のロボットの据付環境によって異なるため、ユーザ側でキャリブレーションする必要がある。このため、ユーザのセットアップ工数が増えてセットアップ作業に時間がかかるという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、部品供給装置と、前記部品供給装置にバラ積みされた部品を1個ずつピックアップして所定の場所にセットする作業を行うロボットとを備える、自動組立システムにおいて、
前記部品供給装置、投入された複数の部品をバラ積み状態に載置する部品載置部と、前記部品載置部上のバラ積み状態の部品を撮像する3次元カメラと、前記3次元カメラで撮像した画像を処理してバラ積み状態の部品を立体的に認識した情報である3次元認識情報を取得する画像処理部とを備え、前記3次元カメラは、前記部品載置部に固定されたカメラスタンドに取り付けられ
前記画像処理部は、取得した3次元認識情報に基づいて前記ロボットがピックアップ可能な部品の位置を測定し、
前記画像処理部で測定したピックアップ可能な部品の位置の情報を表示する表示部を備える、自動組立システムであって、
前記画像処理部は、取得した3次元認識情報に基づいて前記部品載置部上に残っているバラ積み状態の部品の中にピックアップ可能な部品が存在しないと判定したときに、その情報を前記表示部に表示し、
前記ロボットのアームに取り付けられたカメラを備え、
前記ロボットの制御装置は、前記部品供給装置の前記表示部に表示された情報を前記カメラで撮像し、その画像を処理することで、前記部品載置部上に残っているバラ積み状態の部品の中にピックアップ可能な部品が存在しないという情報を読み取ったときに、前記部品載置部上に残っているバラ積み状態の部品をばらす動作を前記ロボットに行わせるようにしたものである。
【0006】
この構成では、部品供給装置の部品載置部に固定されたカメラスタンドに3次元カメラが取り付けられ、部品載置部と3次元カメラとが一体化されているため、ユーザ側でも部品供給装置の部品載置部と3次元カメラとの位置関係がメーカ製造時と同じ状態に維持される。このため、部品供給装置をメーカからユーザに出荷する前に、メーカ側で部品供給装置の部品載置部と3次元カメラとの位置関係をキャリブレーションして、そのキャリブレーションのデータを部品供給装置のメモリに登録しておけば、ユーザ側でキャリブレーションをやり直す必要がなくなり、ユーザのセットアップ工数を削減して、セットアップ作業の時間を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は一実施例の自動組立システムの側面図である。
図2図2は自動組立システムの平面図である。
図3図3は部品供給装置の斜視図である。
図4図4は自動組立システムの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本明細書に開示した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてロボット11の構成を説明する。
【0009】
ロボット11は、例えば5軸垂直多関節ロボットであり、工場フロア12に設置された固定ベース13と、この固定ベース13上に第1関節軸14(J1)を中心に回転可能に設けられた第1アーム15と、この第1アーム15の先端に第2関節軸16(J2)によって旋回可能に設けられた第2アーム17と、この第2アーム17の先端に第3関節軸18(J3)によって旋回可能に設けられた第3アーム19と、この第3アーム19の先端に第4関節軸20(J4)によって旋回可能に設けられた手首部21(アーム先端)と、この手首部21に第5関節軸22(J5)を中心に回転可能且つ交換可能に取り付けられたエンドエフェクタ23とから構成されている。
【0010】
この場合、エンドエフェクタ23は、例えば、部品24(ワーク)の上面を吸着する吸着ノズルや吸着パッド等の吸着具、部品24の側面を把持するチャックのいずれであっても良く、要は、部品24を吸着や把持等によって保持できるものであれば良い。
【0011】
ロボット11の第1~第5の各関節軸14,16,18,20,22は、それぞれサーボモータ25~29(図4参照)により駆動されるようになっている。図4に示すように、各サーボモータ25~29には、それぞれ回転角を検出するエンコーダ31~35が設けられ、各エンコーダ31~35で検出した回転角の情報がサーボアンプ36を経由して制御部37にフィードバックされる。これにより、制御部37は、各エンコーダ31~35で検出した各サーボモータ25~29の回転角が各々の目標回転角と一致するようにサーボアンプ36を介して各サーボモータ25~29をフィードバック制御することで、ロボット11の各アーム15,17,19と手首部21とエンドエフェクタ23の位置を各々の目標位置にフィードバック制御する。図4の構成例では、サーボアンプ36は、複数のサーボモータ25~29をフィードバック制御する多軸アンプであるが、サーボモータ25~29を1台ずつ別々のサーボアンプでフィードバック制御するようにしても良い。
【0012】
図1に示すように、ロボット11の手首部21には、エンドエフェクタ23に保持した部品24をセットする場所等を画像認識するためのハンドカメラ39が取り付けられている。
【0013】
ロボット11のアーム可動領域(エンドエフェクタ23が移動可能な領域)の所定位置には、複数の部品供給装置41が配列されている。各部品供給装置41は、投入された多数の部品24をバラ積み状態に載置する角皿状の部品載置部42と、この部品載置部42上のバラ積み状態の部品24を斜め上方から撮像する3次元カメラであるデプスカメラ43と、このデプスカメラ43で撮像した画像を処理してバラ積み状態の部品24を立体的に認識した情報である3次元認識情報を取得する画像処理部44(図4参照)とを備えた構成となっている。各部品供給装置41毎に異なる種類の部品24を供給するようにしても良いし、2以上の部品供給装置41で同じ種類の部品24を供給するようにしても良い。尚、部品供給装置41は、複数配列する構成に限定されず、1台のみとしても良い。
【0014】
各部品供給装置41のデプスカメラ43は、部品載置部42に固定されたカメラスタンド45の上端部に取り付けられることで、デプスカメラ43が部品載置部42と一体化されている。デプスカメラ43の位置は、エンドエフェクタ23が部品載置部42上の部品24をピックアップする動作に邪魔にならない位置で、且つ、部品載置部42全体をデプスカメラ43の視野内に収めて撮像できる位置となっている。
【0015】
各部品供給装置41の画像処理部44は、デプスカメラ43で撮像した画像を処理して取得した3次元認識情報に基づいて部品載置部42上のバラ積み状態の部品24の中からロボット11のエンドエフェクタ23がピックアップ可能な部品24を特定して当該ピックアップ可能な部品24の位置(X,Y,Z,θX ,θY ,θZ )を測定する。ここで、θX はX軸回りの回転角度、θY はY軸回りの回転角度、θZ はZ軸回りの回転角度である。尚、ロボット11の種類や作業内容によっては、θX ,θY ,θZ の全てを測定する必要はなく、少なくともZ軸回りの回転角度θZ を測定すれば良い。
【0016】
各部品供給装置41は、画像処理部44で測定したピックアップ可能な部品24の位置の情報をロボット11の制御装置であるロボット制御ユニット51に有線又は無線通信で送信する通信部47を備えている。
【0017】
各部品供給装置41の画像処理部44は、デプスカメラ43で撮像した画像を処理して取得した3次元認識情報に基づいて部品載置部42上に残っているバラ積み状態の部品24の中にピックアップ可能な部品24が存在しないと判断したときに、その情報を通信部47からロボット制御ユニット51に送信する。
【0018】
また、各部品供給装置41は、画像処理部44で測定したピックアップ可能な部品24の位置の情報を2次元コード等でコード化して表示する液晶表示パネル等の表示部48を備えた構成となっている。画像処理部44が部品載置部42上に残っているバラ積み状態の部品24の中にピックアップ可能な部品24が存在しないと判断したときには、その情報を表示部48に表示する。
【0019】
本実施例では、部品供給装置41の通信部47から情報をロボット制御ユニット51に送信する通信モードと、表示部48に表示した情報をロボット11のハンドカメラ39によって読み取らせる情報表示モードとを切り替えて使用するようになっている。通信モードで運用する場合には、表示部48に情報を表示する必要はない。各部品供給装置41には、通信モードと情報表示モードとを手動操作で切り替えるモード切替スイッチ(図示せず)を設けても良い。或は、部品供給装置41の通信部47とロボット制御ユニット51との間で通信が成立するか否かで、通信モードと情報表示モードとを自動的に切り替えるようにしても良い。
【0020】
各部品供給装置41の部品載置部42の上面のうちのデプスカメラ43の視野内に収まる複数の所定位置(例えば部品載置部42の上面の4隅部)には、それぞれデプスカメラ43の温度変化等による位置測定値のずれを補正するための基準マーク46が設けられている。各基準マーク46の形状は、例えば、円形、十字形、正方形等のいずれの形状であっても良く、要は、デプスカメラ43の撮像画像から各基準マーク46の中心位置を認識しやすい形状であれば良い。
【0021】
各部品供給装置41の画像処理部44は、デプスカメラ43で撮像した画像を処理して複数の基準マーク46の位置を測定し、複数の基準マーク46の位置を基準にしてピックアップ可能な部品24の位置測定値のずれを補正する。これにより、デプスカメラ43の温度変化等によるピックアップ可能な部品24の位置測定値のずれを補正する。
【0022】
画像処理部44がバラ積み状態の部品24を立体的に認識する際に用いる画像認識用の3次元部品データは、事前に当該部品24の外観形状を描画するためのCADデータに基づいて作成して、画像処理部44のメモリ(図示せず)に登録するようにしても良い。
【0023】
或は、事前に供給対象の部品24と外観形状が同じサンプル部品を部品載置部42に載置してデプスカメラ43で撮像した画像を画像処理部44で処理することで画像認識用の3次元部品データを作成して画像処理部44のメモリに登録するようにしても良い。この場合、部品供給装置41に登録ボタン(図示せず)を設けて、作業者がサンプル部品を部品載置部42に載置して登録ボタンを操作するだけで、画像認識用の3次元部品データを自動的に作成して登録するようにしても良い。
【0024】
本実施例では、各部品供給装置41は、部品載置部42に投入する部品24を一時的に貯蔵するタンク部49と、このタンク部49から部品載置部42上に部品24を投入するシュート部50とを備え、画像処理部44の処理結果に基づいて部品載置部42上の部品24の残数が所定数以下又は0になる毎にタンク部49内の部品24の一部をシュート部50によって部品載置部42へ投入するように構成されている。更に、タンク部49内の部品24の残数が所定数以下又は0になったときにそれを検出するセンサ(図示せず)が設けられ、このセンサでタンク部49内の部品24の残数が所定数以下又は0になったことを検出したときに、それを例えばLED等の発光素子の点灯や表示部48等の表示及び/又は音声や警報音等で作業者に知らせて、タンク部49内に部品24を補給するように促すようにしている。
【0025】
尚、タンク部49とシュート部50は、ユーザが必要に応じて追加可能なオプション装備であり、タンク部49とシュート部50を設けずに、作業者が手作業で部品載置部42に部品24を投入するようにしても良い。
【0026】
一方、ロボット11の動作を制御するロボット制御ユニット51は、図4に示すように、画像処理部38、制御部37及びサーボアンプ36等を備えた構成となっている。このロボット制御ユニット51の制御部37は、ロボット11の各アーム15,17,19と手首部21を動作させて、各部品供給装置41の部品載置部42上にバラ積みされた部品24を1個ずつピックアップして所定の場所にセットする作業を行う。
【0027】
この際、各部品供給装置41の通信部47から情報をロボット制御ユニット51に送信する通信モードで運用する場合には、ロボット制御ユニット51の制御部37は、各部品供給装置41の通信部47から送信されてくるピックアップ可能な部品24の位置の情報を受信し、その受信情報に基づいてロボット11のアーム動作を制御して各部品供給装置41の部品載置部42上にバラ積みされた部品24を1個ずつピックアップして所定の場所にセットする作業を行う。
【0028】
また、ロボット制御ユニット51の制御部37は、いずれかの部品供給装置41の通信部47から、部品載置部42上に残っているバラ積み状態の部品24の中にピックアップ可能な部品24が存在しないという情報を受信したときに、当該部品載置部42上に残っているバラ積み状態の部品24をばらす動作をロボット11に行わせる。このバラ積み状態の部品24をばらす動作は、エンドエフェクタ23にばらし動作用のツール(図示せず)を保持させて、このツールでバラ積み状態の部品24をばらす動作を行うようにしても良いし、或は、エンドエフェクタ23の先端部でバラ積み状態の部品24をばらす動作を行うようにしても良い。
【0029】
一方、各部品供給装置41の表示部48に表示した情報をロボット11のハンドカメラ39によって読み取らせる情報表示モードで運用する場合には、ロボット制御ユニット51の制御部37は、各部品供給装置41の表示部48に表示されたピックアップ可能な部品の位置の情報をハンドカメラ39で撮像し、その画像を画像処理部38で処理することでピックアップ可能な部品24の位置の情報を読み取り、その読み取り情報に基づいてロボット11のアーム動作を制御して各部品供給装置41の部品載置部42上にバラ積みされた部品24を1個ずつピックアップして所定の場所にセットする作業を行う。
【0030】
また、ロボット制御ユニット51の制御部37は、各部品供給装置41の表示部48に表示された情報をハンドカメラ39で撮像し、その画像を画像処理部38で処理することで、部品載置部42上に残っているバラ積み状態の部品24の中にピックアップ可能な部品24が存在しないという情報を読み取ったときに、当該部品載置部42上に残っているバラ積み状態の部品24をばらす動作をロボット11に行わせる。
【0031】
以上説明した本実施例では、部品供給装置41にデプスカメラ43が設けられているため、ユーザ側でも部品供給装置41の部品載置部42とデプスカメラ43との位置関係がメーカ製造時と同じ状態に維持される。このため、部品供給装置41をメーカからユーザに出荷する前に、メーカ側で部品供給装置41の部品載置部42とデプスカメラ43との位置関係をキャリブレーションして、そのキャリブレーションのデータを部品供給装置41のメモリに登録しておけば、ユーザ側でキャリブレーションをやり直す必要がなくなり、ユーザのセットアップ工数を削減して、セットアップ作業の時間を大幅に削減することができる。
【0032】
尚、本実施例では、デプスカメラ43で撮像した画像から取得した3次元認識情報に基づいて部品載置部42上のバラ積み状態の部品24の中からロボット11がピックアップ可能な部品24を特定して当該ピックアップ可能な部品24の位置を測定する機能を部品供給装置41に持たせるようにしたが、この機能をロボット制御ユニット51に持たせるようにしても良い。この場合、ロボット制御ユニット51の制御部37は、部品供給装置41の通信部47から送信されてくる3次元認識情報に基づいて部品載置部42上のバラ積み状態の部品24の中からピックアップ可能な部品24を特定して当該ピックアップ可能な部品24の位置を測定し、その測定結果に基づいてロボット11のアーム動作を制御して部品載置部42上にバラ積みされた部品24を1個ずつピックアップして所定の場所にセットする作業を行うようにすれば良い。
【0033】
尚、本発明は、上述した実施例に限定されず、例えば、表示部48と通信部47のどちらか一方を省略した構成としたり、デプスカメラ43や表示部48の位置を変更したり、部品供給装置41の構成や設置台数を変更したり、ロボット11の構成を変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
11…ロボット、14…第1関節軸、15…第1アーム、16…第2関節軸、17…第2アーム、18…第3関節軸、19…第3アーム、20…第4関節軸、21…手首部(アーム先端)、22…第5関節軸、23…エンドエフェクタ、24…ワーク、25~29…サーボモータ、31~35…エンコーダ、36…サーボアンプ、37…制御部、38…画像処理部、39…ハンドカメラ、41…部品供給装置、42…部品載置部、43…デプスカメラ(3次元カメラ)、44…画像処理部、45…カメラスタンド、46…基準マーク、47…通信部、48…表示部、49…タンク部、50…シュート部、51…ロボット制御ユニット(制御装置)
図1
図2
図3
図4