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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】部品供給方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022153221
(22)【出願日】2022-09-27
(62)【分割の表示】P 2020172191の分割
【原出願日】2016-09-02
(65)【公開番号】P2022174331
(43)【公開日】2022-11-22
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】杉本 浩一郎
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-141909(JP,A)
【文献】特開2011-077096(JP,A)
【文献】国際公開第2015/162761(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/098235(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/098236(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品供給装置のフィーダ装着部にフィーダが装着された状態で、前記フィーダのテープ挿入口に挿入されたキャリアテープを、前記キャリアテープに収納された部品が部品実装装置によって吸着される吸着位置に、自動的に搬送する部品供給方法であって、
前記キャリアテープに収納された部品の情報に基づいて、前記キャリアテープを挿入すべき前記フィーダが装着された装着位置を案内し、
前記テープ挿入口への前記キャリアテープの挿入を認識するテープ挿入認識部の認識信号に基づいて、案内された前記装着位置に装着された前記フィーダに前記キャリアテープが正しく挿入されたか否かを判断し、
前記キャリアテープが、案内された前記装着位置に装着された前記フィーダに挿入されたと判断された場合に、前記装着位置に装着された前記フィーダに対し、前記キャリアテープを前記吸着位置に搬送する部品供給指令を送出し、
前記テープ挿入認識部は、前記テープ挿入口に設けたテープ挿入認識レバーの操作によって前記認識信号を出力するセンサである
【請求項2】
部品供給装置のフィーダ装着部にフィーダが装着された状態で、前記フィーダのテープ挿入口に挿入されたキャリアテープを、前記キャリアテープに収納された部品が部品実装装置によって吸着される吸着位置に、自動的に搬送する部品供給方法であって、
前記キャリアテープに収納された部品の情報に基づいて、前記キャリアテープを挿入すべき前記フィーダが装着された装着位置を案内し、
前記テープ挿入口への前記キャリアテープの挿入を認識するテープ挿入認識部の認識信号に基づいて、案内された前記装着位置に装着された前記フィーダに前記キャリアテープが正しく挿入されたか否かを判断し、
前記キャリアテープが、案内された前記装着位置に装着された前記フィーダに挿入されたと判断された場合に、前記装着位置に装着された前記フィーダに対し、前記キャリアテープを前記吸着位置に搬送する部品供給指令を送出し、
前記テープ挿入認識部は、作業者の操作による前記テープ挿入口の開放動作によって前記認識信号を出力するセンサである部品供給方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアテープに収納された部品を部品実装装置へ供給する部品供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、部品実装装置の部品供給装置に装着されるフィーダにキャリアテープを装填する場合には、フィーダとそれに装填されるキャリアテープに収納された部品とを関連付けるための部品の照合作業が実行される。従来、部品の照合作業は、フィーダを部品供給装置のスロットより取り外した状態で、フィーダに付与されたバーコードを読み取るとともに、フィーダに装着するキャリアテープを巻回したリールのバーコードを読み込み、しかる後、フィーダを部品供給装置の所定のスロットに装着するようにしている。
【0003】
ところで、近年、例えば、特許文献1に記載されているように、テープ挿入口に挿入したキャリアテープを、部品が吸着される位置に自動的に搬送できるフィーダが開発され、フィーダを部品供給装置より取り外さなくても、キャリアテープをフィーダに装填することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2005-539370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したような、テープ挿入口に挿入したキャリアテープを、部品が吸着される位置に自動的に搬送できるフィーダを用いれば、フィーダを部品供給装置のスロットに固定したまま、部品だけを装填することが可能となる。しかしながら、この場合、部品の照合作用をいつ、どのように行って、正しいフィーダに間違いなく部品を装填できるようにすることが課題となる。
【0006】
本発明は、上記した課題に着目して、フィーダを部品供給装置より取り外さなくても、部品の照合を行うことができ、かつ正しいフィーダに部品を装填することができる部品実装システムおよび部品供給方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の部品供給方法は、部品供給装置のフィーダ装着部にフィーダが装着された状態で、フィーダのテープ挿入口に挿入されたキャリアテープを、キャリアテープに収納された部品が部品実装装置によって吸着される吸着位置に、自動的に搬送する部品供給方法であって、キャリアテープに収納された部品の情報に基づいて、キャリアテープを挿入すべきフィーダが装着された装着位置を案内し、テープ挿入口へのキャリアテープの挿入を認識するテープ挿入認識部の認識信号に基づいて、案内された装着位置に装着されたフィーダにキャリアテープが正しく挿入されたか否かを判断し、キャリアテープが、案内された装着位置に装着されたフィーダに挿入されたと判断された場合に、装着位置に装着されたフィーダに対し、キャリアテープを吸着位置に搬送する部品供給指令を送出し、テープ挿入認識部は、テープ挿入口に設けたテープ挿入認識レバーの操作によって認識信号を出力するセンサである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品供給装置の装着位置よりフィーダを取り外すことなく、部品を収納したキャリアテープだけを挿入すればよいので、読み取りが難しいフィーダのバーコードを読む必要がなく、部品の照合を容易に行うことができる。しかも、フィーダに挿入するキャリアテープが正しい装着位置に装着できたか否かを判断できるので、キャリアテープを誤ったフィーダに装填するミスを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施に好適な部品実装装置における部品供給装置の概要を示す平面図である。
図2】部品供給装置に装着されたフィーダの概要を示す側面図である。
図3】部品を収納したキャリアテープの上面図である。
図4】本発明の実施に好適なフィーダの側面図である。
図5図4の一部を拡大した図である。
図6】部品実装装置を制御する制御装置を示すブロック図である。
図7】キャリアテープを、部品が吸着される吸着位置に搬送するためのフローチャートを示す図である。
図8】部品照合の手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、部品供給装置11を備えた部品実装装置10を示すものである。部品実装装置10は、また、図略の基板を部品実装位置に搬送する基板搬送装置13(図6参照)、および部品供給装置11によって供給された部品を吸着する図略の吸着ノズルを有し、吸着ノズルで吸着した部品を基板に装着する部品装着装置14(図6参照)を備える。
【0011】
部品供給装置11には、複数のフィーダ21が、フィーダ装着部22に設けた装着位置としての複数のスロット位置(図には示していないが、S1~Snとする)を有するスロット23(図2参照)に着脱可能に装着される。フィーダ21が、スロット23に装着されると、図2に示すように、フィーダ21に設けたコネクタ80がフィーダ装着部22に取付けたコネクタ81に接続され、これらコネクタ80、81を介して部品実装装置10の本体側からフィーダ21側に電力が供給されるとともに、必要な情報がフィーダ21と部品実装装置10との間で通信可能となっている。部品実装システムは、部品実装装置10とフィーダ21を含む。部品実装装置10は、複数のフィーダ21から供給される部品を基板に実装する。
【0012】
フィーダ装着部22には、図1に示すように、各スロット23に装着された各フィーダ21に対応して、フィーダ21を装着すべきスロット位置(S1~Sn)を示すランプLaがそれぞれ設けられている。これにより、作業者は、所定の部品を収納したキャリアテープ100を、ランプLaが点灯されたスロット位置(装着位置)のフィーダ21に正しく装填できるようにしている。
【0013】
フィーダ21には、キャリアテープ100を巻回した2つのリール24a、24bが着脱可能に取付けられる。リール24a、24bには、それらに巻回されたキャリアテープ100に収納される部品の情報を示すバーコードBCが付与されている。
【0014】
フィーダ21は、後述するように、テープ挿入口に挿入されたキャリアテープ100を、キャリアテープに収納された部品が吸着される吸着位置に自動的に搬送でき、かつキャリアテープ100をテープ挿入口に自動的に排出できる構成となっている。
【0015】
キャリアテープ100は、図3に示すように、多数の電子部品等の部品Paを収納する部品収納部100aを、テープの長手方向に一定の間隔を有して形成したものである。キャリアテープ100の上面には、部品収納部100aを閉塞するカバーテープ100bが貼付されている。キャリアテープ100の一側部には、テープの長手方向に一定間隔をおいて送り穴100cが貫通され、この送り穴100cに後述するスプロケットが係合されて、キャリアテープ100が前進、後退される。
【0016】
次に、フィーダ21の構成を、図4および図5に基づいて説明する。フィーダ21は、主に、フィーダ本体21b、第1サーボモータ25、第2サーボモータ26、テープ挿入認識レバー51、前部側スプロケットとしての第1スプロケット61および第2スプロケット62、後部側スプロケットとしての第3スプロケット63および第4スプロケット64、テープ搬送レール38、制御部39、カバーテープ剥離装置70等から構成されている。なお、図4および図5は、フィーダ本体21bの側壁を除去して、フィーダ21の内部構造が視認できるようにしている。
【0017】
テープ搬送レール38は、キャリアテープ100の搬送を案内するもので、フィーダ本体21bの後部に設けられたテープ挿入口21dから前部の吸着位置21aに亘って配設されている。テープ搬送レール38の前部下方には、キャリアテープ100の送り穴100cに係合可能な第1スプロケット61および第2スプロケット62が回転可能に設けられている。テープ搬送レール38の後部下方には、キャリアテープ100の送り穴100cに係合可能な第3スプロケット63および第4スプロケット64が回転可能に設けられている。なお、テープ搬送レール38には、テープ搬送レール38を搬送されるキャリアテープ100に各スプロケット61~64が係合できるように、窓穴(図示せず)が設けられている。
【0018】
第1サーボモータ25は、第1スプロケット61および第2スプロケット62を回転させるモータである。第1サーボモータ25の回転軸25aは、所要の歯車機構27を介して第1スプロケット61および第2スプロケット62に連結されている。第2サーボモータ26は、第3スプロケット63および第4スプロケット64を回転させるモータである。第2サーボモータ26の回転軸26aは、所要の歯車機構28を介して第3スプロケット63および第4スプロケット64に連結されている。第1および第2サーボモータ25、26によって、テープ駆動装置を構成している。
【0019】
入口押さえ部材32は、テープ挿入口21dに近接してテープ搬送レール38の後部上面に沿って配置され、テープ搬送レール38に対し離接できるように上下移動可能に設けられている。入口押さえ部材32は、スプリング35-2によって下方に押圧され、通常は、テープ搬送レール38の上面に接触されている。下流側押さえ部材33は、入口押さえ部材32の下流側においてキャリアテープ100を押さえるもので、テープ搬送レール38に対し離接できるように上下移動可能に設けられている。下流側押さえ部材33は、スプリング35-1によって下方に押圧され、通常は、テープ搬送レール38の上面に接触されている。
【0020】
フィーダ本体21bの後部には、図5に示すように、テープ挿入認識レバー51が前部をピボット52に支持され、回動可能となっている。テープ挿入認識レバー51の中央部には、入口押さえ部材32に設けた係合部材54の下面に係合する作動係合部51aが形成されている。テープ挿入認識レバー51は、スプリング55の付勢力によって図5の反時計回りに回動され、通常は、作動係合部51aを下降した位置に保持し、入口押さえ部材32をスプリング35-2の付勢力によって、テープ搬送レール38に当接させている。これによって、通常は、入口押さえ部材32の後部に枢支された邪魔板56により、テープ挿入口21dが閉塞され、テープ挿入口21dよりキャリアテープ100を挿入できないようにしている。
【0021】
これに対して、テープ挿入認識レバー51の後端に設けられた操作ノブ51bが作業者によって持ち上げられ、テープ挿入認識レバー51がスプリング55の付勢力に抗して回動されると、作動係合部51aによって入口押さえ部材32がスプリング35-2の付勢力に抗して上昇される。これにより、入口押さえ部材32がテープ搬送レール38上より離間されてテープ挿入口21dが開放され、キャリアテープ100の挿入が可能となる。
【0022】
フィーダ本体21bには、テープ挿入認識レバー51が回動されたこと、すなわち、キャリアテープ100の挿入が可能となったことを認識する認識センサ83が取付けられている。認識センサ83は、テープ挿入認識レバー51に取付けられたドッグ84によってONされる。上記したテープ挿入認識レバー51の操作によって動作される認識センサ83により、テープ挿入口21dへのキャリアテープ100の挿入を認識するテープ挿入認識部を構成している。
【0023】
ストッパー部材31は、入口押さえ部材32の下流側に隣接して設けられている。ストッパー部材31は、その中間部分に設けた軸支部31aが下流側押さえ部材33に軸支されて、回動可能となっている。
【0024】
テープ挿入認識レバー51の前部には、ストッパー部材31の前部に設けた係合部31eに係合可能な作動部51cが形成され、テープ挿入認識レバー51がスプリング55の付勢力に抗して回動されると、作動部51cにストッパー部材31の係合部31eが係合される。これにより、ストッパー部材31が図略のスプリングの付勢力に抗し軸支部31aを中心にして図5の反時計回りに回動され、ストッパー部材31の後端部をテープ搬送レール38に当接させる。なお、ストッパー部材31の後端部は、通常キャリアテープ100を挿通できるように、テープ搬送レール38に対し離間されている。
【0025】
下流側押さえ部材33には、テープ検出センサ85を動作するドッグ86が回動可能に軸支されている。ドッグ86は、テープ搬送レール38にキャリアテープ100が存在していないときは、図略のスプリングの付勢力によって先端がテープ搬送レール38の上面に当接されるが、テープ搬送レール38にキャリアテープ100が挿入されると、キャリアテープ100によって押し上げられ、テープ検出センサ85をONする。
【0026】
次に、フィーダ21の動作について説明する。通常は、テープ挿入認識レバー51は、スプリング55の付勢力によって、図4および図5に示す状態に保持され、入口押さえ部材32がテープ搬送レール38に当接されているとともに、邪魔板56によりテープ挿入口21dを閉塞している。
【0027】
しかる状態で、テープ挿入認識レバー51の操作ノブ51bが作業者によって持ち上げ操作されると、作動係合部51aを介して入口押さえ部材32がテープ搬送レール38より離間される。これにより、テープ挿入口21dが開放され、キャリアテープ100の挿入が可能となる。テープ挿入認識レバー51が持ち上げ操作されると、ドッグ84によって認識センサ83が動作され、テープ挿入認識レバー51の作動、すなわち、キャリアテープ100の挿入が可能となったことが認識される。認識センサ83の動作信号は、フィーダ21の制御部39を介して制御装置15に送信され、制御装置15によって、複数のフィーダ21のうち、どのフィーダ21にキャリアテープ100が挿入可能となったかが認識される。
【0028】
その状態で、作業者により、キャリアテープ100がテープ挿入口21dよりテープ搬送レール38上に挿入され、キャリアテープ100は、ストッパー部材31の後端部に当接する所定位置まで挿入される。これにより、キャリアテープ100によって、ドッグ86が作動されるので、テープ検出センサ85がONされ、キャリアテープ100の挿入が検出される。
【0029】
キャリアテープ100の挿入が検出され、テープ挿入認識レバー51が原位置に回動復帰されると、第1および第2サーボモータ25、26が駆動され、第3および第4スプロケット63、64が回転される。これにより、第4スプロケット64がキャリアテープ100の送り穴100cに係合され、キャリアテープ100は、第4スプロケット64によって第3スプロケット63側に搬送される。
【0030】
第4スプロケット64によるキャリアテープ100の搬送により、キャリアテープ100によって下流側押さえ部材33がスプリング35-1の付勢力に抗して持ち上げられ、キャリアテープ100は、下流側押さえ部材33とテープ搬送レール38との間を搬送される。第4スプロケット64によって搬送されるキャリアテープ100の送り穴100cが第3スプロケット63に係合すると、第3スプロケット63によってキャリアテープ100が第2スプロケット62側に搬送される。
【0031】
キャリアテープ100に形成された送り穴100cが第2スプロケット62に係合すると、第2スプロケット62によってキャリアテープ100がカバーテープ剥離装置70に送られ、カバーテープ剥離装置70によってキャリアテープ100の上面に貼付されたカバーテープ100bが剥離される。そして、キャリアテープ100の送り穴100cが第1スプロケット61に係合すると、キャリアテープ100に収納された部品が吸着位置21aに順次搬送され、吸着位置21aにおいて部品装着装置14の図略の吸着ノズルにより吸着される。
【0032】
なお、キャリアテープ100が、フィーダ21によって搬送されている場合には、キャリアテープ100がストッパー部材31の前端部を押し上げることにより、ストッパー部材31が回動され、ストッパー部材31の後端部がキャリアテープ100の上面と接触する。
【0033】
従って、その状態で、前述したように、テープ挿入認識レバー51を回動操作(認識センサ83がON)して、後続のキャリアテープ100を、テープ挿入口21dより、先行するキャリアテープ100の上面と入口押さえ部材32との間に挿入すると、後続のキャリアテープ100の先端がストッパー部材31の後端部に当接し、その位置で停止される。このため、後続のキャリアテープ100のそれ以上の搬送が阻止され、後続のキャリアテープ100はその位置で待機する。
【0034】
部品実装装置10の部品供給装置11、基板搬送装置13および部品装着装置14等は、図6に示す制御装置15によって制御されるようになっている。制御装置15は、中央処理装置としてのCPU201、記憶装置としてのROM202およびRAM203ならびに入出力インターフェース205を備えている。入出力インターフェース205には、部品供給装置11の各フィーダ21に設けられた第1および第2サーボモータ25、26を始め、基板搬送装置13および部品装着装置14等の各モータを制御する制御ユニット206が接続されている。
【0035】
また、入出力インターフェース205には、LCD等の表示装置207aおよびキーボードやマウス等の操作によってデータを入力する入力装置207bを備えた操作パネル207が接続されている。表示装置207aには、基板種の変更に伴う段取り替え時に、部品供給装置11のフィーダ21に装填すべき部品(キャリアテープ100)等が表示されるようになっている。
【0036】
ROM202には、基板に部品を実装するための基本プログラムを始め、部品装着装置14等のシーケンス動作を制御するシーケンスプログラム等が格納されている。また、RAM203には、基板の生産に使用する部品の情報に関する部品データや、どのスロット位置(S1~Sn)にどのようなフィーダIDのフィーダ21が装着され、かつそれらフィーダ21にどのような部品が装填されているかを示す部品配置データや、基板の生産スケジュールに関するデータ等が記憶される。
【0037】
図7は、段取り替え時等に、部品供給装置11のフィーダ装着部22にフィーダ21を装着した状態で、フィーダ21のテープ挿入口21dに挿入したキャリアテープ100を、キャリアテープ100に収納された部品Paが図略の吸着ノズルによって吸着される吸着位置21aに自動的に搬送するためのCPU201にて実行されるフローチャートを示すものである。なお、キャリアテープ100をフィーダ21のテープ挿入口21dに挿入するに先立って、図8に示す手順に従って、部品の情報を認識する作業が実行される。
【0038】
かかる部品の情報の認識作業は、図8のステップS102において、フィーダ21に挿入しようとするキャリアテープ100を巻回したリール24a(24b)に付与されたバーコードBCを図略の読取装置によって読み取って、キャリアテープ100に収納された部品の情報を取得する。次いで、ステップS104において、ステップS102で取得した部品の情報を部品実装装置10の制御装置15に送信する。
【0039】
これに基づいて、制御装置15は、図7に示すように、まず、ステップS202において、送信された部品の情報に基づいて、キャリアテープ100を挿入すべきスロット位置に対応するランプLaを点灯する。点灯されたランプLaを見て作業者は、そのスロット位置(以下、これを第3スロット位置S3とする)に装着されたフィーダ21にリール24a(24b)を取付けるとともに、キャリアテープ100をテープ挿入口21dに挿入すべく、第3スロット位置(S3)に装着されたフィーダ21のテープ挿入認識レバー51の操作ノブ51bを持ち上げる。これにより、テープ挿入口21dが開放されるとともに、ドッグ84によって認識センサ83がONされる。認識センサ83のON信号は、制御部39を介して制御装置15に送られる。
【0040】
次いで、制御装置15は、ステップS206において、テープ挿入口21dにキャリアテープ100が挿入されたかどうかを、キャリアテープ100の挿入を検出するテープ検出センサ85の信号に基づいて判断する。ステップS206で、テープ挿入口21dにキャリアテープ100が挿入されたと判断する(判断結果がYES)と、次いで、ステップS208で、制御装置15は、ランプLaが点灯された第3スロット位置(S3)に正しくキャリアテープ100が装填されたか否かを判断する。
【0041】
もし、間違って、作業者が、ランプLaが点灯された第3スロット位置(S3)の隣りの第2もしくは第4スロット位置(S2、S4)のフィーダ21にキャリアテープ100を装填した場合には、ステップS208における判別結果がNOとなり、ステップS212において、制御装置15は、装填異常を報知する。
【0042】
ステップS208における判別結果がYES、すなわち、ランプLaが点灯された第3スロット位置(S3)に間違いなくキャリアテープ100が装填されたと判断すると、ステップS209に進み、ステップS209において、RAM203に記憶された部品配置データを書き替え、第3スロット位置(S3)のフィーダ21と、上記のステップS102で取得した部品の情報とを関連付ける。次いで、ステップS210において、制御装置15は、第3スロット位置(S3)に装着されたフィーダ21の制御部39に対し、部品供給指令を送出する。
【0043】
かかる部品供給指令に基づいて、第3スロット位置(S3)に装着されたフィーダ21の制御部39によって、第1および第2サーボモータ25、26がそれぞれ正転駆動され、スプロケット61~64によってキャリアテープ100が前進される。これにより、キャリアテープ100に収納された部品が図略の吸着ノズルに吸着される吸着位置21aに順次搬送される。
【0044】
上記したステップS202により、部品の情報に基づいてキャリアテープ100を挿入すべき部品供給装置11のスロット位置(装着位置)を案内する案内制御部を構成している。また、上記したステップS208により、テープ挿入口21dへのキャリアテープ100の挿入を認識するテープ挿入認識部(認識センサ83)の認識信号に基づいて、キャリアテープ100が案内制御部(S202)によって案内されたスロット位置に正しく挿入されたか否かを判断する確認制御部を構成している。さらに、上記したステップS210により、キャリアテープ100が案内制御部(ステップS202)によって案内されたスロット位置のフィーダ21に挿入されたと判断された場合に、フィーダ21の制御部39に対し部品供給指令を送出する供給指令送出部を構成している。
【0045】
上記した実施の形態によれば、部品実装装置10は、部品供給装置11、フィーダ21との間で通信制御を行うための制御装置15を有する。制御装置15は、キャリアテープ100に収納された部品の情報に基づいてキャリアテープ100を挿入すべき部品供給装置11のスロット位置(装着位置)を案内する案内制御部S202と、テープ挿入口21dへのキャリアテープ100の挿入を認識するテープ挿入認識部(認識センサ)83の認識信号に基づいて、キャリアテープ100が案内制御部S202によって案内されたスロット位置に正しく挿入されたか否かを判断する確認制御部208と、キャリアテープ100が案内制御部S202によって案内されたスロット位置に挿入されたと判断された場合に、スロット位置のフィーダ21に対し、部品供給指令を送出する供給指令送出部210を含む。
【0046】
これにより、部品供給装置11のスロット23よりフィーダ21を取り外すことなく、部品を収納したキャリアテープ100だけを挿入すればよいので、読み取りが難しいフィーダ21のバーコードを読む必要がなく、部品の照合を容易に行うことができる。しかも、フィーダ21に挿入するキャリアテープ100が正しい装着位置に装着できたか否かを判断できるので、キャリアテープ100を誤ったフィーダ21に装填するミスを抑制することができる。
【0047】
上記した実施の形態によれば、テープ挿入認識部は、テープ挿入口21dに設けたテープ挿入認識レバー51の操作に基づいて認識信号を出力する認識センサ83によって構成したので、作業者によるテープ挿入認識レバー51の操作によって、キャリアテープ100の挿入が可能となったことを的確に認識することができる。
【0048】
また、上記した実施の形態によれば、部品の情報は、作業者がキャリアテープ100を巻回したリール24aから読取装置によって読み取るので、フィーダ21のID等を読み取る必要がなく、部品の情報を容易に取得することができる。
【0049】
また、上記した実施の形態によれば、案内制御部S202は、装着位置毎に設けたランプLaや、部品実装装置10に設けた表示装置207aに表示するものであるので、作業者は、ランプLaの点灯や、表示装置207aの表示内容に基づいて、正しい装着位置に容易にキャリアテープ100を挿入することができる。
【0050】
さらに、上記した実施の形態に係る部品供給方法によれば、キャリアテープ100に収納された部品の情報に基づいてキャリアテープ100を挿入すべきスロット位置(装着位置)を案内し、テープ挿入口21dへのキャリアテープ100の挿入を認識するテープ挿入認識部(認識センサ83)の認識信号に基づいて、案内されたスロット位置にキャリアテープ100が正しく挿入されたか否かを判断し、キャリアテープ100が、案内されたスロット位置に挿入されたと判断された場合に、キャリアテープ100を駆動して部品が吸着される吸着位置21aまで搬送する。
【0051】
これにより、部品供給装置11のスロット23よりフィーダ21を取り外す必要がないので、読み取りが難しいフィーダ21のバーコードを読む必要がなく、部品の照合を容易に行うことができる。しかも、フィーダ21に挿入するキャリアテープ100が正しいスロット位置に装着できたか否かを判断できるので、キャリアテープ100を誤ったフィーダ21に装填するミスを抑制することができる。
【0052】
上記した実施の形態においては、2つのキャリアテープ100を挿入可能な構成のフィーダ21について説明したが、本発明は、1つのキャリアテープ100のみを挿入可能な構成のフィーダ21にも適用可能であり、この場合には、後続するキャリアテープ100を待機させるストッパー部材31や、下流側押さえ部材33等は不要となる。
【0053】
また、上記した実施の形態においては、前部側および後部側にそれぞれ2つずつのスプロケット61、62および63、64を備えた構成のフィーダ21について説明したが、実施の形態で述べたフィーダ21は、本発明に好適な1つの例を示したにすぎないものである。すなわち、少なくとも、テープ挿入口21dに挿入されたキャリアテープ100を、部品が吸着される吸着位置21aに自動的に搬送できる構成のフィーダ21であればよい。
【0054】
また、上記した実施の形態においては、テープ挿入口21dを開放するテープ挿入認識レバー51の操作による認識センサ83の動作信号に基づいて、部品の挿入を認識するようにしたが、テープ挿入認識レバー51とは別の手段によって、部品の挿入を認識するようにしてもよい。
【0055】
本発明は上記した実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る部品実装システムおよび部品供給方法は、テープ挿入口に挿入されたキャリアテープを、吸着位置に自動的に搬送できる構成のフィーダを用いるものに適している。
【符号の説明】
【0057】
10:部品実装装置、11:部品供給装置、15:制御装置、21:フィーダ、21a:吸着位置、21d:テープ挿入口、22:フィーダ装着部、23:装着位置(スロット位置)、25,26:モータ、39:制御部、51:テープ挿入認識レバー、61~64:スプロケット、83:テープ挿入認識部(認識センサ)、100:キャリアテープ、100a:部品収納部、207a:表示装置、La:ランプ、S202:案内制御部、S208:確認制御部、S210:供給指令送出部。

図1
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図8