(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】半田切断装置、半田切断ユニット、部品実装装置および生産システム
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20230901BHJP
H05K 13/02 20060101ALI20230901BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20230901BHJP
B23K 3/06 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
H05K3/34 505A
H05K13/02 Z
H05K13/04 Z
B23K3/06 P
(21)【出願番号】P 2022511490
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(86)【国際出願番号】 JP2020015378
(87)【国際公開番号】W WO2021199440
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】391032358
【氏名又は名称】平田機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 寿臣
(72)【発明者】
【氏名】松吉 哲典
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-166096(JP,A)
【文献】特開平1-44270(JP,A)
【文献】実開昭60-130643(JP,U)
【文献】特開昭58-68943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0305297(US,A1)
【文献】特開昭49-103862(JP,A)
【文献】国際公開第2021/199441(WO,A1)
【文献】特開平5-245627(JP,A)
【文献】特開2008-288334(JP,A)
【文献】特開2004-216426(JP,A)
【文献】特開2010-125477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
H05K 13/02
H05K 13/04
B23K 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺のテープ状半田材の保持および保持解除を行う第1保持部と、
前記第1保持部が搭載され、前記第1保持部が保持した前記テープ状半田材を第1方向に直線送行させる第1の駆動部と、
対向して、かつ、近接および離間自在に設けられる第1および第2の切断部材を有し、該第1および第2の切断部材の間の切断位置に位置する前記テープ状半田材の切断を行う切断部と、
前記第1および第2の切断部材の少なくとも一方を、前記テープ状半田材の平面部に対して垂直な第2方向に動作させる第2の駆動部と、
を備え、
前記第1の駆動部は、
軸心が前記第1方向に延びる回転体の回転運動を前記第1方向への直線運動に変換する電動駆動の第1のアクチュエータであり、
前記第2の駆動部は、
前記第1方向に移動可能な移動体を直線運動させる第2のアクチュエータと、前記移動体の直線運動を前記第2方向への直線運動に変換し、前記第1および第2の切断部材の少なくとも一方に伝達する伝達機構とを備える、
ことを特徴とする半田切断装置。
【請求項2】
前記伝達機構は平面カム機構であり、
前記移動体に構成される平面カムと、該平面カムのカム面に当接されるカムフォロワと、該カムフォロワを支持するとともに、前記第1および第2の切断部材の少なくとも一方に接続される連結部材と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の半田切断装置。
【請求項3】
前記第1保持部は、
対向して、かつ、近接および離間自在に設けられる第1および第2の保持部材と、
前記第1および第2の保持部材の少なくとも一方を、前記テープ状半田材の前記平面部に対して
垂直な前記第2方向に動作させる第1の保持駆動部と、を備え、
前記第1の保持駆動部は、
前記第1方向に移動可能な保持移動体を有して前記保持移動体を直線運動させる第3のアクチュエータと、前記保持移動体の直線運動を前記第2方向への直線運動に変換し、前記第1および第2の保持部材の少なくとも一方に伝達する伝達機構と、を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の半田切断装置。
【請求項4】
前記カム面および前記カムフォロワの少なくとも一方を清浄する清浄ユニットを備えることを特徴とする請求項2に記載の半田切断装置。
【請求項5】
前記第1保持部と前記切断部の間に設けられ、切断される前記テープ状半田材を保持および保持解除する第2保持部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の半田切断装置。
【請求項6】
前記テープ状半田材から切断された半田片を切断支持位置にて受け取り保持する切断片保持部、および
前記切断支持位置から離間した、前記半田片の取出しが行われる取出し位置と前記切断支持位置との間で前記切断片保持部を移動させる切断片保持駆動部を含む切断半田移送部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の半田切断装置。
【請求項7】
請求項5に記載の半田切断装置における前記第1保持部、前記第1の駆動部、前記切断部、前記第2の駆動部および前記第2保持部が搭載される枠体を備え、
該枠体の最下層である第1層部に、前記第2のアクチュエータおよび前記伝達機構が設けられ、
前記第1層部の上方を前記テープ状半田材が送行され、該送行される前記テープ状半田材と前記第1層部との間に、前記第1保持部、前記第1の駆動部、前記切断部および前記第2保持部が設けられる、
ことを特徴とする半田切断ユニット。
【請求項8】
前記枠体は、
前記第1層部に、前記第2のアクチュエータおよび前記伝達機構が設けられる下台部を有し、
前記第1層部の上方を前記テープ状半田材が送行され、
該送行される前記テープ状半田材と前記第1層部との間に設けられ、前記第1のアクチュエータおよび前記第2保持部が設けられる上台部を有し、
前記上台部と前記下台部とは、前記第1方向の一方側にて互いに連結される連結部をそれぞれ備え、
前記第1のアクチュエータは、前記連結部から離間する他方側の前記上台部に設けられ、
前記第2のアクチュエータは、前記連結部から離間する他方側の前記下台部に設けられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の半田切断ユニット。
【請求項9】
請求項1に記載の半田切断装置は、
前記第1保持部と前記切断部の間に設けられ、切断される前記テープ状半田材を保持および保持解除する第2保持部と、
前記テープ状半田材から切断された半田片を切断支持位置にて受け取り保持する切断片保持部と、
前記切断支持位置から離間した、前記半田片の取出しが行われる取出し位置と前記切断支持位置との間で前記切断片保持部を移動させる切断片保持駆動部を含む切断半田移送部を更に備え、
請求項1に記載の半田切断装置における前記第1保持部、前記第1の駆動部、前記切断部、前記第2の駆動部、前記第2保持部および前記切断半田移送部が搭載される枠体を備え、
前記第1保持部、前記第1の駆動部、前記切断部、前記第2の駆動部および前記第2保持部が前記テープ状半田材が供給される供給処理側に設けられ、
前記切断半田移送部が切断された前記半田片が取り出される取出し側に設けられる、
ことを特徴とする半田切断ユニット。
【請求項10】
架台と、
該架台上に着脱自在に配設され、請求項7または請求項9に記載の半田切断ユニットを複数並列配置してなる半田切断ユニット群と、
前記架台上に設けられ、前記テープ状半田材から切断された半田片が実装される実装対象物を支持する実装支持部と、
前記架台上に設けられ、前記実装対象物を搬送する第1の搬送装置と、
該半田切断ユニット群により切断されるそれぞれの前記半田片を、前記実装支持部の実装対象物に移載し、実装する移載ユニットと、
を備える、
ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項11】
前記架台上に設けられ、前記実装支持部と前記実装支持部外とで前記実装対象物を搬送する第2の搬送装置を更に備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の部品実装装置。
【請求項12】
テープ状半田材から切断された半田片が実装される実装対象物の温度処理を行う生産システムであって、
請求項10または11に記載の部品実装装置と、
実装された実装対象物の温度処理を行う温度処理装置と、
前記部品実装装置と前記温度処理装置とで前記実装対象物を移送させる実装対象移送装置と、を備えた生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ状半田材を半田片に切断する半田切断装置、半田切断ユニット、部品実装装置および生産システムに関する。
背景技術
【0002】
従来、半田処理プロセスを含む生産システムにおいては、例えば長尺のテープ状半田材を半田片に切断する半田切断装置が使用されている。特許文献1に記載の半田供給装置は、リールに巻き付けたテープ状半田材(シート状半田テープ)を送出装置により掛渡装置を介してリールから引き出して切断部に送り、切断部にて半田片に切断している。
【0003】
掛渡装置および送出装置はシート状半田テープの送出経路を形成するそれぞれ複数のローラにて構成され、送出装置の送出ローラは第1のモータにより駆動されて回転し、シート状半田テープの送出を行う。切断部は、第2のモータによりカムを回転させ、カムにより送出経路上に配置されたポンチを上下移動させてシート状半田テープを切断する。第2のモータからカムには、タイミングベルトを介して駆動力が伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、掛渡装置および送出装置の各ローラの軸、カムの軸、並びに第1および第2のモータの出力軸の方向は、いずれもテープ状半田材の送り方向に対して直交する方向となる、テープ状半田材の幅方向となっている。そして、第1および第2のモータの出力軸を駆動させるそれぞれの駆動源部は、それぞれの出力軸の一方側に構成される。このため、掛渡装置および送出装置の幅方向の寸法は、少なくとも第1および第2のモータのそれぞれの出力軸+駆動源部を含むモータ全長分の配置寸法が必要となり、第1および第2のモータを含む掛渡装置および送出装置を含む半田供給装置は装置の幅を掛渡装置および送出装置の幅より狭くすることができないという問題点を有する。この問題点は、半田供給装置を幅方向に複数台並列に並べて備える生産システムにおいて、工場内での生産システムの設置面積が大きくなるという顕著な問題を招来する。
【0006】
本発明の一態様は、設置エリアを有効に活用することができる半田切断装置、半田切断ユニット、部品実装装置および生産システムを実現することを目的とする。
課題を解決するための手段
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る半田切断装置は、長尺のテープ状半田材の保持および保持解除を行う第1保持部と、前記第1保持部が搭載され、前記第1保持部が保持した前記テープ状半田材を第1方向に直線送行させる第1の駆動部と、対向して、かつ、近接および離間自在に設けられる第1および第2の切断部材を有し、該第1および第2の切断部材の間の切断位置に位置する前記テープ状半田材の切断を行う切断部と、前記第1および第2の切断部材の少なくとも一方を、前記テープ状半田材の平面部に対して垂直な第2方向に動作させる第2の駆動部と、を備え、前記第1の駆動部は、軸心が前記第1方向に延びる回転体の回転運動を前記第1方向への直線運動に変換する電動駆動の第1のアクチュエータであり、前記第2の駆動部は、前記第1方向に移動可能な移動体を直線運動させる第2のアクチュエータと、前記移動体の直線運動を前記第2方向への直線運動に変換し、前記第1および第2の切断部材の少なくとも一方に伝達する伝達機構とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、半田切断装置は、テープ状半田材の幅方向における装置幅を狭くすることが可能である。これにより、半田切断装置を含み、半田切断装置から供給される半田片を使用するシステムにおいて、複数台の半田切断装置を幅方向に並列設置したとしても、部品実装装置の装置幅を抑制することができることから、部品実装装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態の生産システムが備える半田供給ユニットおよび半田切断装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2(A)が
図1に示した半田供給ユニットの斜視図であり、
図2(B)が半田供給ユニットにおける支持部材部分の拡大図であり、
図2(C)が
図2(B)における識別部262の部分拡大図である。
【
図3】
図3(A)が案内部材の下部ガイド部材の上面の下流側部分の形状を示す斜視図、
図3(B)が案内部材の下部ガイド部材の上面の上流側部分の形状を示す斜視図、
図3(C)が下部ガイド部材の下面の形状を示す斜視図、および
図3(D)が下部ガイド部材の下面に装着ガイド部材を装着した状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6(A)が
図4および
図5に示した第1保持部を拡大して示す斜視図であり、
図6(B)が
図4および
図5に示した第2保持部を拡大して示す斜視図である。
【
図7】
図7(A)が切断部が備えるカッターユニットの斜視図であり、
図7(B)がカッターユニットを支持する支持部材および連結部材を除去した状態の斜視図であり、
図7(C)がガイド支持部材を除去した状態の斜視図であり、
図7(D)が切断部および切断部付近の縦断面図であり、
図7(E)が切断部の正面図であり、
図7(F)が切断部と切断片保持部との位置関係を示す斜視図であり、
図7(G)が切断部と案内部材との位置関係を示す斜視図である。
【
図8】
図4および
図5に示した切断半田移送部を拡大して示す斜視図である。
【
図9】
図5に示した半田切断装置において、第1保持部によるテープ状半田材の送り込みから切断部によるテープ状半田材の切断までの動作の説明図である。
【
図10】
図10(A)が本発明の実施形態の生産システムが備える部品実装装置を示す斜視図であり、
図10(B)が
図10(A)の部品実装装置を第1の方向(繰り出し方向)に沿って切断し、かつ
図10(A)とは異なる方向から見た場合の斜視図である。
【
図11】
図11(A)から
図11(E)は、本発明の実施形態の生産システムが備える各タイプの部品実装装置を示す模式図である。
【
図13】
図13(A)が
図1に示した半田供給ユニットが備える案内部材の下部ガイド部材の上面の形状を示す図であって、下部ガイド部材に装着ガイド部材を装着した状態を示す斜視図であり、
図13(B)が上記案内部材の下部ガイド部材の下面の形状を示す図であって、下部ガイド部材に装着ガイド部材を装着した状態を示す斜視図である。
【
図14】本発明の他の実施形態の半田切断装置の斜視図である。
【
図16】
図14および
図15に示した第1保持部および第2保持部を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。生産システム1は、
図12(A)から
図12(D)に示す部品実装装置5および温度処理装置57を備える。
図1は、本実施形態の生産システム1(
図11参照)に構成される部品実装装置5(
図10(A)、
図10(B)参照)に含まれる半田片製造
装置12が備える半田供給ユニット2および半田切断装置3(半田切断ユニット4)を示す斜視図である。なお、以下の説明では、テープ状半田材21が送られる方向(テープ状半田材21の先端側)、あるいはテープ状半田材21から切断された半田片が送られる方向(切断された半田片の取出し位置側)を下流側とし、その反対方向を上流側として説明する。
【0011】
テープ状半田材21は、予め定められた長さ、幅および厚みで形成される。本実施形態においては、テープ状半田材21は、リールホルダ23に装着されるリール(不図示)にテープ状半田材21の一端から順に厚み方向で重なる様に他端となる先端部まで巻きまわされて収容された状態で準備され、供給される。テープ状半田材21の幅は、長さより狭い寸法(例えば、50mm以下)で形成される。テープ状半田材21は、厚み方向の一方の面を上面とし、他方の面を下面として取り扱われる。本実施形態においては、リールに巻かれた状態で外周側の面を下面として取り扱う。テープ状半田材21は、幅のサイズが異なる複数のテープ状半田材が準備され、それぞれのサイズに適した幅を備えるリールに巻かれて供給される。なお、リールを用いずに直線状に伸ばした状態でテープ状半田材を準備し、直線状体のまま供給させてもよい。
【0012】
(半田供給ユニット2)
図2(A)が
図1に示した半田供給ユニット2の斜視図、
図2(B)が半田供給ユニット2における支持部材24の部分の拡大図、および
図2(C)が
図2(B)における識別部262の部分拡大図である。
【0013】
図1および
図2(A)から
図2(C)に示すように、半田供給ユニット2は、ベース部材22、リールホルダ23、支持部材24、案内部材25、および抑えユニット27を備え、リールホルダ23が保持する長尺のテープ状半田材21を半田切断装置3へ供給する。また、半田供給ユニット2は、識別領域部26を備える。
【0014】
(ベース部材22)
ベース部材22は、テープ状半田材21の繰り出し方向(以下、単に繰り出し方向と称する)に延びる細長い板状部材である。ベース部材22は、後述する移動機構28に支持され、半田供給ユニット2を半田切断ユニット4側に設けられた装着位置Sと半田切断ユニット4から離間して設けられた離脱位置Rとの間で繰り出し方向(第1方向(X方向)に相当)に移動可能に架台11上に設けられている。
【0015】
(リールホルダ23、支持部材24)
リールホルダ23は、ベース部材22上(の離脱位置R側)に設けられ、テープ状半田材21が巻回されたリール(図示せず)を回転自在に保持する。リールホルダ23は、ホルダ取付部23a、ホルダ支持部23bおよび回転保持部材23cを備える。ホルダ取付部23aは、ベース部材22に取り付けられる。ホルダ支持部23bは、ホルダ取付部23aの繰り出し方向と直交する一端部側に上方に延びるように設けられ、板状である。回転保持部材23cは、ホルダ支持部23bに設けられ、リールを回転自在に保持する。また、リールホルダ23は、ホルダ支持部23bの一方側に設けられる第1操作部23dと、ホルダ支持部23bの他方側に設けられる第2操作部23eとを備える。回転保持部材23cは、ホルダ支持部23bの他方面に対して垂直方向(幅方向)に伸びる軸と平行な回転軸RCを含んでホルダ支持部23bに構成される。回転軸RCは、後述する案内部材25の延出部2512と同じ高さ位置に配置される。第1操作部23dおよび第2操作部23eは、回転保持部材23cを間に挟んでホルダ支持部23bに設けられる。第1操作部23dは、ホルダ支持部23bの装着位置S側であって、回転保持部材23cより上方に配置される。第2操作部23eは、ホルダ支持部23bの離脱位置R側であって、回転保持部材23cより下方に配置される。第1操作部23dおよび第2操作部23eを備えることで、移動機構28の移動、すなわち引き出し方向からのリール装着が容易になる。
【0016】
移動機構28は、繰り出し方向に所定の長さを有するレール部材281と、レール部材281に移動可能に構成される移動部材282と、半田供給ユニット2のベース部材22が装着される装着部材283と、を備える。また、移動機構28は、装着位置S側に設けられ、半田供給ユニット2の装着位置S側への移動を規制する第1規制部材30と、離脱位置R側に設けられ、半田供給ユニット2の離脱位置R側への移動を規制する第2規制部材29と、を備える。
【0017】
レール部材281は、装着位置Sおよび離脱位置Rとの間に配置され、移動部材282の移動をガイドする。
【0018】
移動部材282は、レール部材281にガイドされ、装着位置Sおよび離脱位置Rとの間で移動される。
【0019】
装着部材283は、所定の長さの板状部材であり、一方側に設けられる不図示の取付部が移動部材282に取り付けられる。装着部材283は、ベース部材22が装着部材283に装着される際に、装着部材283に設けられた装着位置を規定する規定部22aと、ベース部材22が載置され、固定される載置部22cと、を備える(
図4参照)。装着部材283に対して
半田供給ユニット2の取り外しを行う際は、ベース部材22と載置部22cの固定を解除し、ベース部材22と規定部22aとの係合を解除させる。また、装着部材283に対して
半田供給ユニット2の再装着を含む装着を行う際は、ベース部材22を規定部22aに係合させ、その後、ベース部材22と載置部22cの固定を行う。規定部22aを目安にベース部
材22の位置を合せることができるので所定の位置に
半田供給ユニット2を適切に位置合わせして装着させることができる。
【0020】
装着部材283は、移動部材282に取り付けられる。装着部材283は、第1規制部材30に係合する第1係合部材284と、第2規制部材29に係合する第2係合部材285と、を備える。第1係合部材284および第2係合部材285は繰り出し方向に離間し、移動部材282を間に挟んで設けられる。装着部材283が装着位置Sに移動し、第1係合部材284が第1規制部材30と係合することで半田供給ユニット2が装着位置Sに位置付けられる。また、装着部材283が離脱位置Rに移動し、第2係合部材285が第2規制部材29と係合することで半田供給ユニット2が離脱位置Rに位置付けられる。
【0021】
支持部材24は、ベース部材22上(ベース部材22上の装着位置S側)に設けられ、案内部材25を支持する。具体的には、支持部材24は、上下方向に延びており、案内部材25を所定高さ位置にて水平となるように案内部材25を支持する。支持部材24は、ベース部材22に取り付けられるベース取付部24Lと、案内部材25が支持され取り付けられる案内取付部24Uとを備える。また、案内取付部24Uは、下側ローラ24cを転動可能に支持する。下側ローラ24cは、下側ローラ24cの幅方向と平行な軸LRCを中心に転動可能である。下側ローラ24cには、案内部材25に案内されて移動するテープ状半田材21の下面が当接する。本実施形態における支持部材24は、板状の部材が幅方向に間隔を空けて2つ配置され、一方側に配置される第1支持部材24aと、他方側に配置される第2支持部材24bとを備える。下側ローラ24cは、第1支持部材24aの案内取付部と第2支持部材24bの案内取付部とに支持され、その間に配置される。案内取付部24Uには、後述する抑えユニット27が取り付けられる不図示の抑え取付部が設けられる。
【0022】
(識別領域部26)
図2(B)、
図2(C)に示すように、識別領域部26は、架台11に設けられる後述の識別機構261により識別部262を検出する部分である。識別部262は、例えば半田供給ユニット2のベース部材22に設けられる。識別部262は、ベース部材22に取り付ける識別取付部262aと、識別機構261により検出される複数のマーキング部262bとを含む。複数のマーキング部262bは、本実施形態においては、複数の孔で形成される。
【0023】
複数のマーキング部262bは、リールホルダ23に保持されるテープ
状半田材21の種類(少なくとも、幅の種類=幅サイズ)にそれぞれ応じて所定のマーキング部262bが設けられている。
図2(C)の例では、マーキング部262bは、上下方向に2つ並べて形成される孔である。これらの孔262b、262bを検出ユニット261b(本実施例においては、3つの検出ユニット261bの内、2つの検出ユニット261b)が検出することでテープ
状半田材21の種類が判別される。なお、識別領域部26の識別機構261と識別部262とは、識別機構261をベース部材22に構成し、識別部262を架台11に構成させても良い。
【0024】
識別機構261は、架台11に設けられ、検出取付部261a、検出ユニット取付部26bおよび複数の検出ユニット261bを備える。検出取付部261aは、装着位置S側に移動される半田供給ユニット2の移動を規制する第1規制部材30に取り付けられる。検出ユニット261bは、識別部262の複数のマーキング部262bの検出を行う。検出ユニット261bは、本実施例においては、光検出センサーが採用されている。検出ユニット取付部26bは、検出ユニット261bが取り付けられる。本実施形態においては、3つの検出ユニット261bが上下方向に所定の間隔を空けて配置され、取り付けられる。
【0025】
半田供給ユニット2が識別領域部26の識別部262を有することにより、例えば半田切断装置3は、半田供給ユニット2が、どのようなリール幅のリール、すなわちどのような種類(幅)のテープ状半田材21を保持したものであるかを識別することができる。
【0026】
このように、半田片製造装置12から半田供給ユニット2を取り外し、新たな半田供給ユニット2を装着する際、新しい半田供給ユニット2にセットされているテープ状半田材21の種類は、外見だけでは判別が難しい。しかしながら、本実施の形態における半田供給ユニット2は、半田供給ユニット2自身が備える識別領域部26によって、リールにセットされているテープ状半田材21の種類を容易に識別することができる。このため、作業員が誤って、間違ったテープ状半田材21のリールを半田供給ユニット2にセットしたとしても、その間違いを確実に検知することができるため、ヒューマンエラーに起因する製品不良の発生を防ぐことができる。
【0027】
(案内部材25)
図3(A)が案内部材25の下部ガイド部材251の上面の下流側部分の形状を示す斜視図、
図3(B)が案内部材25の下部ガイド部材251の上面の上流側部分の形状を示す斜視図、
図3(C)が下部ガイド部材251の下面の形状を示す斜視図、および
図3(D)が下部ガイド部材251の下面が装着ガイド部材39に装着された(係合した)状態を示す斜視図である。
【0028】
案内部材25は、繰り出し方向に延びており、上記リールから繰り出されるテープ状半田材21を案内する。案内部材25は、少なくともテープ状半田材21の下面を案内する構成であればよい。
【0029】
図2(A)および
図3(A)から
図3(D)に示すように、案内部材25は、繰り出し方向に延出する下部ガイド部材251および上部ガイド部材252を有する。また、案内部材25は、繰り出し方向の一端部側に設けられ、支持部材24の案内取付部24Uに取り付けられる案内固定部251aと、繰り出し方向の他端部側に設けられ、半田切断ユニット4に規定される先端部251bとを備える。
【0030】
上部ガイド部材252は下部ガイド部材251の上から下部ガイド部材251に重ねるように構成され、繰り出し方向に延びる形状の板部材である。上部ガイド部材252は、下部ガイド部材251の幅と同じ幅を有し、下部ガイド部材251の繰り出し方向に亘って下部ガイド部材251の上面に配置される。
【0031】
下部ガイド部材251は、テープ状半田材21の下面および側面(側部)を案内する。すなわち、下部ガイド部材251は、繰り出し方向(所定の方向)に延出する延出部2512、および繰り出されるテープ状半田材21の側部を案内する案内側壁部2513,2513により案内路2511が形成される。具体的には、下部ガイド部材251は、繰り出し方向と直交する方向の両端部の間の下部ガイド部材251の上面の一端部から下方に延設し、対向して設けられる案内側壁部2513,2513が形成され、案内側壁部2513,2513のそれぞれの他端部と連続する延出部2512が形成されることで案内路2511が形成される。下部ガイド部材251は、テープ状半田材21の種類によって異なる幅および厚みに応じて案内側壁部2513,2513の高さおよびお互いの離間間隔が設定され、案内路2511が形成される。
【0032】
これにより、案内部材25は、繰り出されるテープ状半田材21の下方への移動を下部ガイド部材251の延出部2512によって規制する。また、案内側壁部2513、2513によってテープ状半田材21の両側部を規制することで、繰り出されるテープ状半田材21の幅方向への移動を規制する。また、繰り出されるテープ状半田材21の上方への移動を延出部2512と対向して配置される上部ガイド部材252の下面により規制する。これにより、案内部材25は、テープ状半田材21の繰り出し方向となる案内固定部251aと先端部251bとの間で安定して案内することができる。
【0033】
また、テープ状半田材21の種類に応じた案内部材25を採用することで、繰り出されるテープ状半田材21の移送を最適に行うことができる。すなわち、案内部材25は、延出部2512および案内側壁部2513がテープ状半田材21の案内路2511を形成し、テープ状半田材21の下面を延出部2512によって案内し、テープ状半田材21の側部を案内側壁部2513によって案内することができる。
【0034】
また、
図3(B)に示すように、延出部2512は、その両側に案内側壁部2513,2513が設けられる第1の延出部2531と、第1の延出部2531に連続して設けられ、その両側に案内側壁部2513、2513が設けられない第2の延出部2532とを含む。案内側壁部2513,2513は、お互いがテープ状半田材21を案内可能な間隔で設けられる第1の案内側壁部2541,2541と、第1の案内側壁部2541よりも大きい間隔で設けられる第2の案内側壁部2542,2542とを含む。これにより、半田供給ユニット2は、テープ状半田材21の先端部を案内部材25の案内路2511に容易に位置合わせして装着することができる。
【0035】
また、下部ガイド部材251は、後述する半田切断装置3に先端部251bを装着する際に、半田切断装置3に設けられる案内規定部338に先端部251bが規定される。これは、繰り出されるテープ状半田材21を切断する半田切断装置3の切断位置にテープ状半田材21を案内するためである。詳細には、下部ガイド部材251は、先端部251bの幅方向の両側部において繰り出し方向の先端側から下部ガイド部材251のそれぞれの側部に向かって所定の角度の傾斜部251b1、251b1が形成される。また、下部ガイド部材251は、傾斜部251b1、251b1に連続する先端部251bの幅方向の両側部の一定の範囲が案内規定部338に規定される側部先端部251c1,251c1として設定される。また、下部ガイド部材251は、先端部251bの下部は、繰り出し方向の先端側から所定の範囲が案内規定部338に規定される下部先端部251b2として設定される。
【0036】
図3(A)から
図3(D)に示すように、案内部材25は、下部ガイド部材251の裏面に下部ガイド部2514および側部ガイド部2515,2515を有する。本実施形態において、下部ガイド部2514は、幅方向に延びる上面部を形成する。側部ガイド部2515,2515は、下部ガイド部2514の幅方向の両端部にそれぞれ下部ガイド部材251の裏面から上方に延出して設けられる。これにより、側部ガイド部2515,2515は、案内部材25すなわち下部ガイド部材251の幅方向の一方側の下面の位置において、下部ガイド部材251の一方端部の先端部251bに、繰り出し方向に延びて先端側に開放する溝形状を形成する。
【0037】
半田供給ユニット2は、半田切断装置3に装着された場合に、半田切断装置3が有する装着ガイド部材39に下部ガイド部2514および側部ガイド部2515,2515が案内され、半田切断装置3の切断位置に下部ガイド部材251の先端部251bが位置づけされ装着される。すなわち、下部ガイド部2514は、延出部2512の繰り出し方向(一方)先端部に設けられ、半田供給ユニット2が装着される装着位置への移動中に、装着ガイド部材39により延出部2512の下方向への移動が所定の位置に規定されると共にガイドされる。また、下部ガイド部2514は、半田供給ユニット2が装着される装着位置への移動中に、側部ガイド部2515,2515により延出部2512の側方への移動が所定の位置に規定されると共にガイドされ、切断位置に位置付けられる。
【0038】
これにより、半田供給ユニット2が半田切断装置3の上流側に装着された際に、下部ガイド部2514および側部ガイド部2515,2515によって案内部材25の先端部251bを半田切断装置3の所定の位置に設定された装着位置に案内する。装着位置においては、半田切断装置3の案内規定部338に先端部251bが規定されることで、半田供給ユニット2を半田切断装置3に効率よく正確に装着することができる。したがって、案内部材25によって繰り出されるテープ状半田材21を半田切断装置3の切断位置に正確に繰り出し、セットすることができる。また、異なる種類のテープ状半田材21に応じた案内部材25であっても、下部ガイド部2514、側部ガイド部2515,2515および先端部251bが共通で設けられるので、案内部材25の先端部251bを半田切断装置3の切断位置に効率よく正確に装着することができる。
【0039】
案内部材25の下部ガイド部材251の延出部2512には、延出部2512を上下方向に貫通する開口部としての第1の開口部2516が形成される。第1の開口部2516は、延出部2512の所定の方向となる延出方向に所定の長さで形成される第1周縁部2551と、第1周縁部2551に連続して形成され、延出部2512の幅より短い長さで形成される第2周縁部2552とを含む。第1の開口部2516は、上下方向に移動される半田切断装置3の第1の把持具(
図6に示す第1の保持部材311および第2の保持部材312の内、第2の保持部材312に相当)を受け入れ可能なように所定幅に形成される。これにより、案内部材25に案内されるテープ状半田材21は、第1の開口部2516において第1の把持具の第1の保持部材311および第2の保持部材312の間に配置され、第1の保持部材311および第2の保持部材312が接近し、テープ状半田材21の上面および下面にそれぞれ当接することで把持することが可能となる。
【0040】
また、第1の開口部2516は、第2の保持部材312が繰り出し方向へ移動できるように繰り出し方向に所定の長さに形成される。これにより、第1の把持具は、第1の開口部2516においてテープ状半田材21を把持し、把持した状態で繰り出し方向に移動させることが可能となる。
【0041】
また、案内部材25の下部ガイド部材251には、繰り出し方向における第1の開口部2516よりも下流側の位置(切断位置側)に、第2の開口部2517が形成される。第2の開口部2517は、上下方向に移動される半田切断装置3の第2の把持具(
図6に示す第1の保持部材351および第2の保持部材352の内、第2の保持部材352に相当)を受け入れ可能なように所定幅に形成される。これにより、案内部材25に案内されるテープ状半田材21は、第2の開口部2517において第2の把持具の第1の保持部材351および第2の保持部材352の間に配置され、第1の保持部材351および第2の保持部材352が接近し、テープ状半田材21の上面および下面にそれぞれ当接することで把持することが可能となる。また、第2の把持具は、半田切断装置3でのテープ状半田材21の切断時に、第2の開口部2517においてテープ状半田材21を把持可能であり、半田切断装置3はテープ状半田材21を安定に切断可能となる。また、第2の把持具がテープ状半田材21を把持することで、第1の把持具によるテープ状半田材21の把持を解除し、次のテープ状半田材21の繰り出し動作の準備を行うことができる。
【0042】
図2(A)に示すように、案内部材25の上部ガイド部材252には、繰り出し方向の先端部251b側が開放された状態で繰り出し方向に所定の長さおよび幅の開口部2521が形成される。具体的には、開口部2521は、繰り出し方向の先端部251bから案内固定部251aに向かって連続する開口が上下方向において第1の開口部2516の案内固定部251a側の端部の位置が一致する位置まで形成される。開口部2521がこのように形成されることで開口部2521と第1の開口部2516および第2の開口部2517とは上下方向において連通する開放空間が形成される。
【0043】
案内部材25の下部ガイド部材251の下面には、繰り出し方向に所定の長さおよび幅で下部ガイド部材251の下面から所定の高さで形成される凹み部2518(
図3(C)参照)が、繰り出し方向の先端部251b側が開放された状態で先端部251bから案内固定部251aに向かって形成される。具体的には、凹み部2518は、繰り出し方向の先端部251bから第1の開口部2516の案内固定部251a側の端部の位置が一致する位置まで形成される。すなわち、凹み部2518は、案内部材
25の下面における第1の開口部
2516の前端部から案内部材
25の先端までの領域に形成される。案内路2511の底面と、凹み部2518の底面とは、下部ガイド部材251の上面と下面との間の寸法となる第1の厚み寸法より小さい寸法となる第2の厚み寸法でそれぞれの底面が隣接して形成されることになる。これにより、第1および第2の把持具の把持状態位置と把持解除位置との間の動作距離は、第2の厚み寸法より大きく、第1の厚み寸法より小さ
い距離として設定することができる。また、案内部材25は、案内部材25の幅方向の寸法以内に下部ガイド部材251の幅以内の下面に凹み部2518が形成されるので、幅方向の占有面積を有効に活用することができる。
【0044】
(抑えユニット27)
抑えユニット27は、案内部材25の上方に設けられ、案内部材25にテープ状半田材21を装着させる際の待機位置と、案内部材25にテープ状半田材21を装着させた際の装着位置とを移動可能に構成される。抑えユニット27は、案内路2511に位置するテープ状半田材21の上面を延出部2512に向けて付勢する。具体的には、抑えユニット27は、案内部材25に案内されるテープ状半田材21の上方への移動を抑える抑え機構271と、抑え機構271を支持する抑え支持部272とを備える。抑え機構271は、テープ状半田材21の上面に当接する抑え部材(抑えローラ)271bと、抑え部材271bを支持し、移動する抑え移動体271aとを備える。抑え部材271bは、抑え移動体271aの移動端部に設けられ、幅方向と平行に設定された回転軸URCを中心に転動可能に構成される。抑え支持部272は、抑え移動体271aを移動可能に支持する抑え移動支持部272bと、抑え移動支持部272bを案内部材25から離間した位置で支持可能に支持部材24に取り付ける移動支持取付部272aとを備える。抑え移動体271aは、リールから繰り出されるテープ状半田材21の幅方向と平行な方向に伸びる軸HC周りに回動可能に抑え移動支持部272bに軸支される。これにより、半田供給ユニット2は、案内部材25および抑えユニット27により、リールから繰り出されるテープ状半田材21を安定的にガイドすることができる。
【0045】
(半田供給ユニット2の利点)
半田供給ユニット2は、案内部材25が支持部材24に設けられ、リールホルダ23および支持部材24がベース部材22上に設けられて一体に構成されているので、例えば半田切断装置3に取り付けられている半田供給ユニット2を交換する場合に、ベース部材22の取り付けおよび取り外しを行うことで、半田供給ユニット2の脱着が可能である。
【0046】
(半田切断装置3)
図4は、
図1に示した半田切断装置3の斜視図である。
図5は、
図4に示した半田切断装置3の正面図である。
【0047】
図4および
図5に示すように、半田切断装置3は、第1保持部31、第1の駆動部32、切断部33、第2の駆動部34、第2保持部35、清浄ユニット36、切断半田移送部37および枠体38を備える。また、半田切断装置3は、半田供給ユニット2を装着位置Sと離脱位置Rとの間で移動可能に支持する移動機構28を備える。また、半田切断装置3は、供給されるテープ状半田材21の種類を識別する識別機構261を備える。
【0048】
(枠体38)
枠体38は、架台11の上に設けられ、下台部381および上台部382を有する。下台部381は、所定の幅を有し、テープ状半田材21の送り方向(繰り出し方向)に延びる所定の長さの板形状の部材である。上台部382は、下台部381の上方に位置し、下台部381とほぼ同一の幅を有し、下台部381と平行に送り方向に延びる所定の長さの板形状の部材である。上台部382は、下台部381よりも短い長さの板形状の部材である。上台部382は、下流側端部(一方端部)において、下台部381に支持される連結部383に連結される。また、上台部382は、下流側端部より上流側において下台部381に支持される補助連結部383aに連結される。言い換えると、下台部381と上台部382とは、第1方向(X方向、繰り出し方向)の一方側にて互いに連結される連結部383および第1方向の他方側にて互いに連結される補助連結部383aにより連結され、一体の枠体38が形成される。
【0049】
(第1保持部31)
図6(A)が
図4および
図5に示した第1保持部31を拡大して示す斜視図、
図6(B)が
図4および
図5に示した第2保持部35を拡大して示す斜視図である。
図5および
図6(
A)に示すように、第1保持部31は、半田供給ユニット2から供給されたテープ状半田材21の保持および保持解除を行う。
図6(A)に示すように、第1保持部31は、第1の保持部材311および第2の保持部材312、並びに第1の保持駆動部313を備える。また、第1保持部31は、第1の保持部材311および第2の保持部材312、並びに第1の保持駆動部313を支持する第1保持載置部31aを備える。
【0050】
第1の保持部材311および第2の保持部材312は、対向して、かつ、近接および離間自在に設けられる。本実施形態において第1の保持部材311および第2の保持部材312は、上下方向にお互いが接近および離間自在に設けられる。第1の保持駆動部313は、第1の保持部材311および第2の保持部材312を、テープ状半田材21の平面部に対して垂直な第2方向(Z方向:上下方向)に動作させる。第1の保持部材311および第2の保持部材312のそれぞれの先端部は、平面状に形成され、お互いの面同士が当接可能に形成され、配置される。また、第1の保持部材311および第2の保持部材312のそれぞれの先端部は、幅方向において案内部材25の中央部になるように配置される。
【0051】
第1の保持駆動部313は、第1の保持部材311および第2の保持部材312の駆動源となる第3のアクチュエータ3131および第1の保持部材311および第2の保持部材312へ駆動力を伝達する伝達機構3133を備える。第3のアクチュエータ3131は、第1方向(X方向)に移動可能な保持移動体3132を有し、第1方向の一方に設定される保持動作位置と、第1方向の他方に設定される保持解除位置との間において保持移動体3132を往復直線運動させる。第3のアクチュエータ3131は、第1保持載置部31aに支持される支持部31bに支持される。また、保持移動体3132は、第1保持載置部31aに支持される支持部31cに移動可能に支持される。本実施形態において、保持移動体3132は、側面視三角形状の部材であり、第1の面313aが上方に向くように配置され、また、第2の面313bが下方に向くように配置され、第1の面313aおよび第2の面313bが第1方向に向かってお互いの面の距離が徐々に小さくなるように傾斜状に配置される。
【0052】
伝達機構3133は、保持移動体3132の第1方向への直線運動を第2方向(Z方向)への直線運動に変換し、第1の保持部材311および第2の保持部材312を第2方向に移動させる駆動力を伝達する。
【0053】
本実施形態において、伝達機構3133は、第1の保持部材311および第2の保持部材312を動作させる。具体的には、伝達機構3133は、上部チャック機構部3134、上部フォロア部3135、上部弾性部材(バネ部材)3138、下部チャック機構部3136、下部フォロア部3137および下部弾性部材(バネ部材)3139を備える。
【0054】
上部チャック機構部3134は、第1の保持部材311および上部弾性部材3138を含み、上部フォロア部3135が第1の保持部材311に連結される。また上部チャック機構部3134は、第1保持載置部31aに支持される上部支持体311aと、第1の保持部材311が連結され、上部支持体311aに上下方向に移動可能に設けられる不図示の上部移動体とを備える。上部弾性部材3138は、第1の保持部材311に一方が連結され、他方が上部支持体311aに連結されることで下向きの弾性力(移動力)を付与する。上部チャック機構部3134は、上部フォロア部3135が保持移動体3132の第1の面313aに上部弾性部材3138の弾性力により当接された状態に維持されることで、保持移動体3132の第1方向への移動に伴って第2方向への往復移動を可能にする。
【0055】
下部チャック機構部3136は、第2の保持部材312および下部弾性部材3139を含み、下部フォロア部3137が第2の保持部材312に連結される。また下部チャック機構部3136は、第1保持載置部31aに支持される下部支持体312aと、第2の保持部材312が連結され、下部支持体312aに上下方向に移動可能に設けられる不図示の下部移動体とを備える。下部弾性部材3139は、第2の保持部材312に一方が連結され、他方が下部支持体312aに連結されることで上向きの弾性力(移動力)を付与する。下部チャック機構部3136は、下部フォロア部3137が保持移動体3132の第2の面313bに下部弾性部材3139の弾性力により当接された状態に維持されることで、保持移動体3132の第1方向への移動に伴って第2方向への往復移動を可能にする。
【0056】
上部チャック機構部3134は、保持移動体3132が進出すると、第1の保持部材311を第2方向に設定されるテープ状半田材21の保持位置から上方の保持解除位置へ上昇させ、退行すると、第1の保持部材311を第2方向に設定されるテープ状半田材21の上方の保持解除位置から保持位置へ下降させる。同様に、下部チャック機構部3136は、保持移動体3132が進出すると、第2の保持部材312を第2方向に設定されるテープ状半田材21の保持位置から下方の保持解除位置へ下降させ、退行すると、第2の保持部材312を第2方向に設定されるテープ状半田材21の下方の保持解除位置から保持位置へ上昇させる。これにより、第1の保持部材311および第2の保持部材312によるテープ状半田材21の保持および保持の解除が可能となる。なお、第1保持部31は、下側の第2の保持部材312のみによって、例えば第2の保持部材312がテープ状半田材21の下面を吸着および吸着を解除することによって、テープ状半田材21の保持および保持の解除が可能となる構成であってもよい。吸着保持するときは、吸着痕が残らないような吸着部材を採用する。
【0057】
(第1の駆動部32)
第1の駆動部32は、上台部382の第1方向の一方側に配置され、第1保持部31が搭載される第1保持移動体32bと、第1保持移動体32bをテープ状半田材21の繰り出し方向(第1方向(X方向))に直線送行させる第1の駆動機構32aとを備える。第1保持移動体32bは、所定の幅を有し、第1方向に所定の長さを有する板状の部材である。第1保持移動体32bは、その上部に第1保持載置部31aが載置され固定されることで第1保持部31を第1保持移動体32bの移動と共に第1方向に移動させる。第1の駆動機構32aは、軸心が第1方向に延びる軸体32a1を備え、内蔵される不図示の回転体の回転運動を第1方向への直線運動に変換することで軸体32a1を第1方向へ移動させる電動駆動の第1のアクチュエータである。第1のアクチュエータは、上台部382に載置され、不図示の移動位置検出手段(例えば、エンコーダ)を備えており、第1方向への移動位置を数値データにより設定し、数値制御により動作することで軸体32a1を第1方向の任意の位置に移動させることができる。また第1の駆動部32は、軸体32a1の一方端部が第1保持移動体32bに連結されることで第1保持移動体32bを第1方向に往復移動可能に構成する。
【0058】
このように第1の駆動部32に第1保持部31が構成されることで第1保持部31により保持されるテープ状半田材21を繰り出し方向へ移送させることができる。また、第1のアクチュエータの軸体32a1の移動を数値データで移動制御することで繰り出し方向へ移送させるテープ状半田材21の移送距離を任意に設定することができる。
【0059】
(切断部33)
図7(A)が切断部33が備えるカッターユニット333の斜視図であり、
図7(B)がカッターユニット333を支持する支持部材334および連結部材3423を除去した状態の斜視図であり、
図7(C)がガイド支持部材335を除去した状態の斜視図であり、
図7(D)が切断部33および切断部33付近の縦断面図であり、
図7(E)が切断部33の正面図であり、
図7(F)が切断部33と切断片保持部371との位置関係を示す斜視図であり、
図7(G)が切断部33と案内部材25との位置関係を示す斜視図である。
【0060】
図7(A)から
図7(G)に示すように、切断部33は、カッターユニット333、支持部材334および連結部材3423を備える。連結部材3423は、カッターユニット333の後述する移動部材3331に連結されて第2方向に移動可能に支持部材334により支持される。支持部材334は、カッターユニット333の第2方向の位置を規定する。すなわち、支持部材334は、カッターユニット333を上台部332よりも上方に配置し、上台部332の上方位置においてカッターユニット333によるテープ状半田材21の切断を可能に支持している。
【0061】
図7(E)に示すように、また切断部33は、対向して、かつ、近接および離間自在に設けられる第1の切断部材331および第2の切断部材332を有し、該第1の切断部材331および第2の切断部材332の間の切断位置に位置するテープ状半田材21を切断する。本実施形態において、第1の切断部材331は、テープ状半田材21の平面部に対して垂直な第2方向(Z方向)に移動可能に構成される。すなわち上下移動可能な第1の切断部材331が上刃部331aを含み、第2の切断部材332が切断位置に固定状態に設けられた下刃部332aを含む。カッターユニット333によるテープ状半田材21の切断は、第1の切断部材331が破線の位置まで下降し、上刃部331aと下刃部332aとが交差することにより行われる。
【0062】
上刃部331aおよび下刃部332aの幅は、供給されるテープ状半田材21の幅より大きい寸法で形成され、供給される最大幅の寸法のテープ状半田材21を含む複数サイズの幅のテープ状半田材21の切断に共通して対応可能に設定される。例えば、本実施形態において供給されるテープ状半田材21の幅は、最大幅が50mm以下であり、最大幅より小さい幅で形成される複数のテープ状半田材21を共通で切断可能に設定される。
【0063】
カッターユニット333は、第1の切断部材331が構成される移動部材3331と、下台部381に支持される連結部383に取付支持され、支持部材334の上部に所定の間隔を空けて配置され、移動部材3331の移動をガイドする一対のガイド支持部材335と、移動部材3331の第1方向に設けられ、移動部材3331の第1方向における一方への移動を規制する一方保持部材336と、移動部材3331の第1方向における他方への移動を規制する他方保持部材337とを備える。
【0064】
移動部材3331は、上部に第1の切断部材331が構成される上部取付部3331aと、下部に後述の連結部材3423と連結する下部連結部3331bを有し、上部取付部3331aと下部連結部3331bとの間にテープ状半田材21が配置可能な開口が形成される開口部3332を備える。また開口部3332の開口は、後述する切断半田移送部37の切断片保持部371を切断支持位置(第2の切断部材332に隣接した位置)に対して出し入れ可能としつつ、切断片保持部371に支持されたテープ状半田材21を切断する際に移動部材3331が待機位置と切断位置との間で移動可能なサイズの開口が形成されている。
【0065】
一対のガイド支持部材335は、移動部材3331の幅方向にそれぞれ配置され、移動部材3331の幅方向への移動を規制しつつ第2方向(上下方向)への移動をガイドするガイド部335aと、第2の切断部材332が取り付けられる切断支持部335bとを含む。また一対のガイド支持部材335は、第1方向の一方側に一方保持部材336が取り付けられ、第1方向の他方側であって、第2の切断部材332の上方に他方保持部材337が取り付けられる。
【0066】
一方保持部材336は、例えば方形の枠形状を有し、移動部材3331の開口部3332に対応する位置に、開口部3332よりも大きい開口部3371を有する。他方保持部材337は、移動部材3331と
案内規定部338における第1方向とは反対側部分との間に設けられ、移動部材3331の第1方向の他方への移動を規制する。
図7(G)に示すように、
案内規定部338は、他方保持部材337の上面に配置される第1部分338dと他方保持部材337の側面のうちの上流側の面に配置される第2部分338eとを有する。第2部分338eは、第2部分338eの下端部から上方へほぼ長方形状に切り欠いた形状の開口部338cを有する。開口部338cには案内部材25が挿入され、開口部338cの左右の側部は、案内部材25の側部の位置を規定する案内部規定部338a,338aとなる。開口部338cの左右の下端部には、それぞれ反対側の案内部規定部338a方向へ突出し、案内部材25の下部の位置を規定する案内下部規定部338b,338bが形成される。
【0067】
(第2の駆動部34)
第2の駆動部34は、第1の切断部材331を、テープ状半田材21の平面部に対して垂直な第2方向(Z方向)に動作させる。平面部は、テープ状半田材21の上面または下面である。本実施形態において、第2の駆動部34は、第1の切断部材331をテープ状半田材21の上面の上方に設けられる切断待機位置と、テープ状半田材21の上面より下方に設けられる切断完了位置との間で動作させる。第2の駆動部34は、下台部381の第1方向の一方側に配置され、第1方向へ移動する第2移動体34aと、第2のアクチュエータ341とを備える。また第2の駆動部34は、第2のアクチュエータ341の動作を第1の切断部材331の切断動作に伝達する伝達機構342を備える。
【0068】
第2のアクチュエータ341は、下台部381に載置され、繰り出し方向(第1方向(X方向))に移動可能な伝達移動体343を直線運動させる。伝達機構342は、伝達移動体343の直線運動をテープ状半田材21の平面部に対して垂直な第2方向(Z方向)への直線運動に変換し、上記直線運動を上刃331に伝達する。
【0069】
図5に示すように、伝達機構342は、平面カム機構であり、平面カム3421、カムフォロワ3422および連結部材3423を備える。伝達移動体343は、移動体載置部材343a上に載置され、第2のアクチュエータ341に駆動されて第1方向の一方側に移動する。移動体載置部材343aは載置部材支持台343b上に設けられる。平面カム3421は伝達移動体343の下流側部分に構成される。本実施形態において、カム面3421aは、上流側部分に向かって下流側部分から斜め上方に傾斜した状態である。
【0070】
カムフォロワ3422は平面カム3421のカム面3421aに当接され、伝達移動体343すなわちカム面3421aの第1方向の一方側への移動により第2方向へ移動する。カムフォロワ3422は連結部材3423により支持され、連結部材3423は前述のように移動部材3331および第1の切断部材331に連結される。本実施形態において、カムフォロワ3422は、伝達移動体343が第1方向の下流側へ移動することにより、平面カム3421のカム面3421aにより押し下げられる。これにより、切断部33の連結部材3423、移動部材3331および第1の切断部材331が下方へ移動し、第1の切断部材331の上刃部331aと第2の切断部材332の下刃部332aとによりテープ状半田材21を切断することができる。
【0071】
また、第2の駆動部34の伝達機構342は、連結部材3423を上方へ付勢する付勢機構3424を備える。付勢機構3424は、連結部材3423に連結し、連結部材3423の移動と共に移動する移動端部3424aと、下台部381に固定される固定端部3424bと、移動端部3424aと固定端部3424bとの間に配置され、移動端部3424aに上方への移動力を付与する付勢部材3424c(例えば、弾性部材としてバネ部材)と、を含む。
【0072】
下方へ移動された第1の切断部材331は、第2のアクチュエータ341の動作によって伝達移動体343が第1方向の他方側へ移動することで付勢機構3424による上方への移動力が付与され、上方への移動が開始される。詳細には、連結部材3423に構成されるカムフォロワ3422は、付勢機構3424による上方への付勢力によって平面カム3421に当接し、上方への移動が規制される。伝達移動体343が第1方向の他方側へ移動されることで平面カム3421による上方への移動の規制が徐々に解除される。第1の切断部材331は、平面カム3421による上方への移動の規制が徐々に解除されることで上方へ徐々に移動され、第1の切断部材331に構成される上刃部331aは、第1の切断部材331の上方への移動と共に上方へ移動されることとなる。
【0073】
(第2保持部35)
図5および
図6(B)に示すように、第2保持部35は、第1方向において第1保持部31と切断部33との間に設けられ、切断されるテープ状半田材21の保持および保持解除を行う。第2保持部35は、第1の保持部材351および第2の保持部材352、並びに第2の保持駆動部353を備える。また、第2保持部35は、支持部材334と所定の間隔を空けて上台部382に連結支持される支持部35aと、上台部382の上方に所定の間隔を空けて配置され、支持部材334と支持部35aとに支持される載置部35bとを備える。第1の保持部材351および第2の保持部材352、並びに第2の保持駆動部353は、載置部35bに支持される。
【0074】
第1の保持部材351および第2の保持部材352は、対向して、かつ、近接および離間自在に設けられる。第2の保持駆動部353は、第1の保持部材351および第2の保持部材352の少なくとも一方を、テープ状半田材21の平面部に対して垂直な第2方向(Z方向)に動作させる。第1の保持部材351および第2の保持部材352のそれぞれの先端部は、平面状に形成され、お互いの面同士が当接可能に形成され、配置される。また、第1の保持部材351および第2の保持部材352のそれぞれの先端部は、幅方向において案内部材25の中央部になるように配置される。
【0075】
第2の保持駆動部353は、第4のアクチュエータ3531および伝達機構3533を備える。第4のアクチュエータ3531は、載置部35bに構成され、第2方向(Z方向)に移動可能なアクチュエータ動作部3532を有し、アクチュエータ動作部3532が載置部35bに形成された開口を通る様に載置部35bに配置され、アクチュエータ動作部3532を上下方向へ直線運動させる。
【0076】
本実施形態において、伝達機構3533は、第1および第2の保持部材351,352を動作させる。具体的には、伝達機構3533は、上部チャック機構部3534、上部弾性部材(バネ部材)351a、上部フォロア部3535、下部チャック機構部3536、下部弾性部材(バネ部材)352aおよび下部フォロア部3537を備える。また、伝達機構3533は、載置部35bに支持され、アクチュエータ動作部3532の直線運動を第1保持部材351に伝達する中間伝達機構(天秤機構)3538を備える。
【0077】
上部チャック機構部3534は、第1の保持部材351および上部弾性部材(バネ部材)351aを含み、上部フォロア部3535が第1の保持部材351に連結される。また上部チャック機構部3534は、載置部35bに支持される上部支持体351bと、第1の保持部材351が連結され、上部支持体351bに上下方向に移動可能に設けられる不図示の上部移動体と、上部支持体351bに含まれる不図示の当接部とを備える。上部弾性部材351aは、第1の保持部材351に一方が連結され、他方が上部支持体351bに連結されることで下向きの弾性力(移動力)を付与する。上部フォロア部3535は、後述する中間伝達機構3538の中間伝達部材3538bに係合する。
【0078】
上部チャック機構部3534は、アクチュエータ動作部3532が進出すると上昇し、退行すると下降する。具体的には、上部チャック機構部3534は、不図示の当接部にアクチュエータ動作部3532が当接し、上方へ移動されることにより第1の保持部材351が上方に移動され、上部フォロア部3535も上方へ移動されることで中間伝達機構3538の係合部に当接し、アクチュエータ動作部3532が後退すると、上部弾性部材(バネ部材)351aの下向きの弾性力(移動力)が付与されることで第1の保持部材351が下方に移動され、上部フォロア部3535も下方へ移動されることで中間伝達機構3538の係合部から離間される。
【0079】
中間伝達機構3538は、載置部35bに支持される中間支持部3538aと、中間支持部3538aに揺動可能に支持される中間伝達部材3538bとを備える。また、中間伝達機構3538は、中間伝達部材3538bの一方向への揺動動作を規制する揺動規制機構3538cを備える。中間支持部3538aは、一方が載置部35bに支持され、他方端部に中間伝達部材3538bを揺動可能に支持する。中間伝達部材3538bは、長方形の部材であり、中心部が第1方向と平行に設けられた軸を中心として揺動可能に中間支持部3538aに軸支される。要するに中間伝達機構3538は、中間伝達部材3538bを揺動可能に支持する天秤機構として構成される。揺動規制機構3538cは、載置部35bに支持され、中間伝達部材3538bの他方端部の上方への揺動移動を規制する。
【0080】
下部チャック機構部3536は、第2の保持部材352および下部弾性部材352aを含み、下部フォロア部3537が第2の保持部材352に連結される。また下部チャック機構部3536は、載置部35bに支持される下部支持体352bと、第2の保持部材352が連結され、下部支持体352bに上下方向に移動可能に設けられる不図示の下部移動体とを備える。下部弾性部材352aは、第2の保持部材352に一方が連結され、他方が下部支持体352bに連結されることで上向きの弾性力(移動力)を付与する。下部チャック機構部3536は、下部フォロア部3537が中間伝達部材3538bの他端部に下部弾性部材352aの弾性力により移動され当接された状態に維持されることで、中間伝達部材3538bの他端部の揺動動作に伴って上下方向への往復移動を可能にする。
【0081】
第2保持部35は、アクチュエータ動作部3532が上方に進出(移動)することで上部チャック機構部3534の当接部に当接し、更に上昇させることで上部弾性部材(バネ部材)351aの下方向への移動力に対向して上部チャック機構部3534が上方に移動される。すると第1の保持部351が上方へ移動されると共に上部フォロア部3535が上昇され、中間伝達部材3538bの一端部に当接して中間伝達部材3538bの一端部を上方へ移動させる。中間伝達部材3538bの一端部が上方へ移動されることで中間伝達部材3538bの他端部が下部弾性部材(バネ部材)352aの上方向への移動力に対向して下降され、他端部に当接する下部フォロア部3537が下降されることで下部チャック機構部3536が下降され、第2の保持部材352が下降される。
【0082】
また、第2保持部35は、アクチュエータ動作部3532が下方に進出(移動)することで上部弾性部材(バネ部材)351aの下方向への移動力が上部チャック機構部3534に伝達され、上部チャック機構部3534の当接部から離間する方向にアクチュエータ動作部3532が更に移動することで上部チャック機構部3534が下方に移動される。すると第1の保持部351が下方へ移動されると共に上部フォロア部3535が下降され、中間伝達部材3538bの一端部の当接が解除されることで中間伝達部材3538bの一端部を上方への移動が解除される。下部チャック機構部3536は、中間伝達部材3538bの一端部の上方へ移動が解除されることで下部弾性部材(バネ部材)352aの上方向への移動力が付与され、第2の保持部材352が上昇されると共に下部フォロア部3537が上昇されることで中間伝達部材3538bの他端部に当接し、他端部を上昇させる。下部チャック機構部3536の上昇によって上方に移動される中間伝達部材3538bの他端部は、揺動規制機構3538cにより上方への移動が規制される。
【0083】
これにより、第1の保持部材351および第2の保持部材352によるテープ状半田材21の保持および保持の解除が可能となる。また、第2保持部35がテープ状半田材21を保持した後に第1保持部31によるテープ状半田材21の保持解除を行うことにより、第1保持部31によるテープ状半田材21の次の繰り出し動作の準備を行うことができる。これにより、次の切断のための第1保持部31の準備を効率よく行うことができる。
【0084】
なお、第2保持部35は、下側の第2の保持部材352のみによって、例えば第2の保持部材352がテープ状半田材21の下面を吸着および吸着を解除することによって、テープ状半田材21の保持および保持の解除が可能となる構成であってもよい。吸着保持するときは、吸着痕が残らないような保持部材を採用する。
【0085】
(清浄ユニット36)
清浄ユニット36は、枠体38における切断部33の下流側の位置に設けられている。清浄ユニット36は、平面カム3421のカム面3421aおよびカムフォロワ3422を例えばエアーブローにより清掃する。具体的には、清浄ユニット36は、平面カム3421のカム面3421aおよびカムフォロワ3422に向けて配置されたノズル361を有し、供給された圧縮空気をノズル361から吹き出す。なお、清浄ユニット36は、平面カム3421のカム面3421aおよびカムフォロワ3422の少なくとも一方を清掃する構成であればよい。これにより、平面カム3421のカム面3421aおよびカムフォロワ3422の少なくとも一方を清浄に保ち、伝達機構342の誤動作(例えば、振動)を防止することができる。
【0086】
(切断半田移送部37)
図8は、
図4および
図5に示した切断半田移送部37を拡大して示す斜視図である。
図8に示すように、切断半田移送部37は、切断片保持部371および切断片保持駆動部372を備える。切断片保持部371は、テープ状半田材21から切断部33にて切断された半田片を切断支持位置にて受け取り保持する。切断片保持駆動部372は、切断支持位置から離間した、半田片の取出しが行われる取出し位置と切断支持位置との間で切断片保持部371を移動させる。
【0087】
切断片保持駆動部372は、下台部381の上に設けられ、支持部材37a、アクチュエータ載置台372c、第5のアクチュエータ372a、移動部372b、および支持部371aを備える。支持部材37aは、下台部381の上に設けられ、アクチュエータ載置台372cを支持し、アクチュエータ載置台372cは第5のアクチュエータ372aが載置される。第5のアクチュエータ372aは、移動部372bを第1方向に往復移動させる。支持部371aは、規制部371cに設けられ、移動体371bすなわち切断片保持部371の上下方向への移動を可能にしつつ支持する。これにより、第5のアクチュエータ372aに駆動されて切断片保持部371が第1方向の取出し位置と切断支持位置との間で往復移動可能となる。
【0088】
切断片保持駆動部372は、切断片保持部371の高さ位置を調整する高さ調整部373aを含む。高さ調整部373aは、移動体371bの上方への移動力を付与する弾性部材371dと、移動体371bの上方への移動を規制し、高さを調節する高さ調整ねじ373とを備える。弾性部材371dは、移動体371bと規制部371cとの間に配置される。高さ調整ねじ373は、規制部371cに固定され、上方への切断片保持駆動部372の移動をねじ機構により調整することで、切断位置におけるテープ状半田材21の下面を支持する高さ位置を調節する。
【0089】
第5のアクチュエータ372aによる切断片保持部371の上記の移動では、切断片保持部371は、カッターユニット333の移動部材3331における開口部3332を通過可能なように設けられ、カッターユニット333に設定された切断位置の第2の切断部材332に隣接される。また、切断片保持部371は、切断前のテープ状半田材21の下面を支持する第2の切断部材332の支持面と同様の高さ位置になる様に高さ調整部(ネジ機構)373aにてテープ状半田材21を支持する支持面の高さが調整される。これにより、切断半田移送部37は、切断片保持部371により半田片を切断支持位置から取出し位置に移送することができる。
【0090】
(半田切断装置3の利点)
半田切断装置3は、駆動軸の軸線方向や駆動部の進退方向を、テープ状半田材21の幅方向、別の言い方をすると第1方向かつ第2方向に直交する方向ではなく、第1方向または第2方向に向けて構成している。すなわち、半田切断装置3は、駆動軸の軸線がテープ状半田材21の幅方向を向いたり、駆動部がテープ状半田材21の幅方向に進退したりすることがない。よって、半田切断装置3は、テープ状半田材21の幅方向における装置サイズ(寸法)を、特許文献1等に記載された従来の装置と比較して大幅に狭くすることが可能である。例えば、従来の装置の装置幅が200mmであったとき、同縮尺での半田切断装置3の装置幅は50mm以下であり、装置幅が実に1/4以下となる。このような効果は、特に、第1のアクチュエータである第1の駆動部32、並びに保持移動体3132、第2のアクチュエータ341および伝達機構342を有する第2の駆動部34によって実現している。そして、半田切断装置3は、1台当たりの装置幅が大幅に小さいことから、例えば、複数台の半田切断装置3を幅方向に並べて設置し、各半田切断装置3から供給される半田片を使用するシステムにおいては、半田切断装置3の設置台数に比例して装置幅の抑制効果が高まる。その結果、このシステムは、そのフットプリントが小さくなることから、システムの小型化を図ることができる。
【0091】
(半田切断ユニット4)
図4および
図5に示すように、半田切断ユニット4は、枠体38を備え、枠体38に、半田切断装置3における第1保持部31、第1の駆動部32、切断部33、第2の駆動部34および第2保持部35が搭載された構成である。具体的には、枠体38は、第1の駆動部32が設けられる
上台部38
2、切断部33が設けられる
支持部材3
34、第2の駆動部34が設けられる
下台部38
1、第2保持部35が設けられる
載置部3
5bが設けられる。第1保持部31は、第1の駆動部32に搭載される。
【0092】
枠体38の最下層である第1層部、すなわち下台部381と上台部382との間には、第2のアクチュエータ341、並びに伝達機構342の平面カム3421、カムフォロワ3422および連結部材3423の下部が設けられる。具体的には、テープ状半田材21は、第1層部の上方に配置される案内部材25に案内されて、第1層部の上方を送られ、このように送られるテープ状半田材21と第1層部との間に、第1保持部31、第1の駆動部32、切断部33および第2の駆動部34が設けられる。
【0093】
詳細には、第1保持部31の第1の保持部材311および第2保持部35の第1の保持部材351は、テープ状半田材21よりも上方に位置する。同様に、切断部33の上刃(第1の切断部材)331は、テープ状半田材21よりも上方に位置する。
【0094】
上記の構成により、移載ユニット54を備えた部品実装装置5において、半田切断装置3を幅方向に複数台並べて設けたとしても、前述したように、複数台の半田切断装置3の全体の装置幅が小さいことから、移載ユニット54の可動幅(移動距離)も小さくて済む。このことは、部品実装装置5における半田片の移載に要する作業時間が短くなることを意味する。すなわち、部品実装装置5においては、短いサイクルタイムでの半田片の移載が可能であり、高速処理が可能である。また、半田切断ユニット4は、枠体38ごと交換可能であるから、交換作業が容易であるとともに、再設置の際の位置決め再現性も良好である。
【0095】
また、
図5に示すように、半田切断ユニット4は、第1層部における下台部381の上に、第2のアクチュエータ341および伝達機構342が設けられ、第1層部の上方に配置される案内部材25に案内されて、第1層部の上方をテープ状半田材21が送られる。上台部382は、送られるテープ状半田材21と第1層部との間に設けられ、上台部382には、第1の駆動部32(第1のアクチュエータ)および第2保持部35が設けられる。
【0096】
枠体38の上台部382と下台部381とは、繰り出し方向(第1方向)の一方側にて互いに連結される連結部383を備える。第1の駆動部32(第1のアクチュエータ)は、上台部382の連結部383から離間する他方側に設けられ、第2のアクチュエータ341は、下台部381の連結部383から離間する他方側に設けられる。上記の構成により、特に複数並べて配置された半田切断ユニット4の一つから第1の駆動部32(第1のアクチュエータ)および第2の駆動部34(第2のアクチュエータ341)を枠体38から取り外すときの取り外し作業が容易である。なお、この取り外し作業の際には、第1の駆動部32および第2の駆動部34の取り外しに先立って、半田供給ユニット2を半田切断ユニット4から取り外す。
【0097】
また、
図5に示すように、半田切断ユニット4は、第1保持部31、第1の駆動部32、切断部33、第2の駆動部34、第2保持部35および切断半田移送部37が枠体38に設けられる。枠体38は、切断半田移送部37が設けられる半田移送支持部が設けられる。第1保持部31、第1の駆動部32、切断部33、第2の駆動部34および第2保持部35は、連結部383を基にテープ状半田材21が供給される供給処理側に設けられ、切断半田移送部37は、連結部383を基に切断された半田片が取り出される取出し側に設けられる。これにより、半田切断ユニット4は、切断半田移送部37を含めて枠体38ごと交換可能であるから、交換作業が容易である。なお、この交換作業の際には、半田切断ユニット4の交換に先立って、半田供給ユニット2を半田切断ユニット4から取り外す。
【0098】
(第1保持部31、第1の駆動部32および切断部33の動作)
図9は、
図5に示した半田切断装置3において、第1保持部31によるテープ状半田材21の送り込みから切断部33によるテープ状半田材21の切断までの動作の説明図である
。
【0099】
図9に示すように、半田切断装置3は、状態ST91から状態ST98の工程を経て、テープ状半田材21を所定長さの半田片211に切断する。状態ST91は第1および第2の保持部材311,312が開いた状態、状態ST92はテープ状半田材21を送り込んだ状態、状態ST93は第1および第2の保持部材311,312を閉じ、テープ状半田材21を挟み込んだ状態、状態ST94は第1および第2の保持部材311,312を開いた状態、状態ST95は第1保持部31をユニットごと後退させた状態、状態ST96は第1および第2の保持部材311,312を閉じ、再度テープ状半田材21を挟み込んだ状態、状態ST97は第1保持部31をユニットごと前進させた状態、状態ST98は上刃331および下刃332によりテープ状半田材21の先端部を切断し、半田片211が切り出された状態、をそれぞれ示している。状態ST98の後、テープ状半田材21から新たな半田片211を切り出すべく状態ST94の工程に戻り、状態ST94から状態ST98の工程が順次繰り返される。
【0100】
(半田片製造装置12)
図1に示すように、半田片製造装置12は、半田切断ユニット4および半田供給ユニット2を含む。すなわち、半田片製造装置12は、架台11、架台11に取り付けられ、連続するテープ状半田材21を所定の長さに切断し半田片にする半田切断ユニット4、半田切断ユニット4に、連続する前記テープ状半田材21を供給する半田供給ユニット2を備える。これにより、半田片製造装置12において、半田片の製造の際に、テープ状半田材21の交換または、新たな供給を容易に行うことができるので効率よく半田片の製造を行うことが可能である。
【0101】
また、上記構成の半田片製造装置12において、半田切断ユニット4は、マーキング部262bを検出することでリールのリール幅を識別する識別機構(識別部材)261を備える構成である。これにより、半田片製造装置12において、半田切断ユニット4を交換する場合に、半田切断ユニット4のベース部材22の取り付けおよび取り外しを行っても、半田切断ユニット4は、識別機構(識別部材)261によりマーキング部262bを検出することでリールのリール幅を識別することができる。
【0102】
また、上記構成の半田片製造装置12において、半田供給ユニット2は、支持部材24および案内部材25の少なくとも一方が、その一部に識別領域部26を有し、識別領域部26に、リールホルダ23に保持されるリールの複数のリール幅に、それぞれ応じた所定のマーキング部262bを設け、半田切断ユニット4は、マーキング部262bを検出することでリールのリール幅を識別する識別機構(識別部材)261を備える構成である。これにより、同様に、半田片製造装置12において、半田切断ユニット4を交換する場合に、半田切断ユニット4のベース部材22の取り付けおよび取り外しを行っても、半田切断ユニット4は、識別機構(識別部材)261によりマーキング部262bを検出することでリールのリール幅を識別することができる。
【0103】
半田片製造装置12では、枠体38が架台11の上に設けられ、ベース部材22が、移動機構28に支持され、半田供給ユニット2を装着位置Sと離脱位置Rとの間で第1方向に移動可能に架台11上に設けられる。架台11上には識別領域部26が設けられる。また、半田片製造装置12では、リールホルダ23および支持部材24がベース部材22上に設けられ、案内部材25が支持部材24に設けられ、一体に構成されている。したがって、半田片製造装置12では、半田供給ユニット2を交換する場合に、半田供給ユニット2のベース部材22の取り付けおよび取り外しを行うことで、半田供給ユニット2を効率よく脱着が可能である。また半田片製造装置12は、それぞれの種類のテープ状半田材21に対応する半田供給ユニット2に交換する場合にも、半田切断ユニット4を共用可能に共通で構成されているため、複数の種類に応じた半田供給ユニット2の交換を効率よく行うことができる。
【0104】
(部品実装装置5)
図10(A)は、部品実装装置5を第1の方向(繰り出し方向)に沿って切断した状態を示す断面斜視図、
図10(B)は
図10(A)の部品実装装置5を矢印10B方向から見た場合の斜視図である。
【0105】
図10(A)、
図10(B)に示すように、部品実装装置5は、いわゆるマウンタ―であり、架台11、半田切断ユニット群51、実装支持部52、および移載ユニット54を備える。また、部品実装装置5は、撮像部58を備える。また、部品実装装置5は、第1の搬送装置53を備える。
【0106】
架台11は、脚部11a、載置部11b、支持部11cおよび基台11dを含む。基台11dは、架台11の下部に位置する平板台状の部材である。脚部11aは、基台11d上に設けられた複数の柱状の部材であり、載置部11bを支持する。載置部11bは、半田供給ユニット2および半田切断ユニット4が載置される平板台状の部材である。支持部11cは、載置部11bの幅方向であって半田供給ユニット2および半田切断ユニット4の左右の位置に設けられ、移載ユニット54を支持する。
【0107】
図10(A)、
図10(B)に示すように、部品実装装置5では、半田片製造
装置12が備える半田供給ユニット2および半田切断装置3(半田切断ユニット4)が架台11(載置部11b)上に幅方向に複数並べて配置される。なお、詳細には、架台11(載置部11b)上には、平板状の載置受部材51aが設けられ、載置受部材51a上に半田片製造装置12が設けられる。
【0108】
半田切断ユニット群51は、架台11上に半田切断ユニット4を着脱自在に複数並列配置した構成である。半田切断ユニット群51は、幅方向の一方側に、第1の半田切断ユニット群511が配置され、幅方向の他方側に、第2の半田切断ユニット群512が配置される。第1の半田切断ユニット群511は、複数種類のテープ状半田材21が供給され、実装対象物56に必要な半田片を製造する。同様に第2の半田切断ユニット群512も第1の半田切断ユニット群511と同じ種類のテープ状半田材21が供給され、実装対象物56に必要な半田片を製造する。同じ種類の半田片を第1の半田切断ユニット群511および第2の半田切断ユニット群512で製造することで、第1の半田切断ユニット群511での半田片の製造が中断しても、第2の半田切断ユニット群512でバックアップして同じ種類の半田片を製造することが可能になり、部品実装装置5における実装対象物56への半田片の実装を停止させずに連続して行うことができる。
【0109】
実装支持部52は、架台11上に設けられ、テープ状半田材21から切断された半田片211が実装されるワークである実装対象物56(
図11参照)を支持する。実装対象物56は、半田片211を複数収容するトレイでもよい。
図10(A)、
図10(B)では、実装支持部52を点線の楕円にて示す。なお、本実施形態において、実装支持部52は、例えばコンベアの途中に構成された位置決めユニット(載置台に構成される位置決めピンに係合させるものも含む)に該当する。
【0110】
第1の搬送装置53は、架台11上に設けられ、半田片211が実装される前の実装対象物56を実装支持部52に搬送し、また、半田片211が実装された後の実装支持部52の実装対象物56を実装支持部52の外部へ搬送する。第1の搬送装置53としては、無端状の移動部材(例えば、チェーン、ベルト)を含むコンベアや複数のローラを並べたコンベア、実装対象物56を保持して移動する移動ユニットなどが採用される。なお、詳細には、架台11(載置部11b)上には、平板状の載置受部材53aが設けられ、載置受部材53a上に第1の搬送装置53が設けられる。
【0111】
移載ユニット54は、半田切断ユニット群51により切断されるそれぞれの半田片211を、実装支持部52の実装対象物56に移載し、実装する。移載ユニット54は、具体的には、移載ヘッドユニット541およびヘッド支持部542を有する。ヘッド支持部542は移載ヘッドユニット541を支持し、離間して設けられた2つの支持部11c、11cに架設され、X方向(繰り出し方向(第1方向))に移動可能である。移載ヘッドユニット541は、X方向と直交するY方向となる第3方向に移動可能である。移載ヘッドユニット541は、半田片211(
図9参照)を保持し、X方向およびY方向と直交するZ方向となる第2方向(上下方向)に移動可能な複数(本実施例においては、2個)の保持ユニット5411を有する。これにより、移載ユニット54は、切断片保持部371上の半田片211を保持し、実装支持部52の実装対象物56に半田片211を移載する。
【0112】
撮像部58は、半田切断装置3と実装支持部52との間に設けられ、移載ユニット54の移載ヘッドユニット541に保持された半田片を下方から撮像し、所定の基準位置および基準姿勢に対するXY方向の位置の誤差およびZ方向軸周りの姿勢誤差となる補正値を算出する。撮像部58は、カメラを含む撮像ユニットと、撮像する際の光源となる光源ユニットとを含む。
【0113】
このように構成される部品実装装置5は、本発明の半田切断ユニット4および半田供給ユニット2を含む半田片製造装置12を採用することにより、部品実装装置5の幅方向の占有面積を小さくすることができ、設置場所を有効に活用することが可能になる。また、移載ユニット54による移動距離が短くなるので効率よく半田片の実装を行うことができる。また、部品実装装置5は、テープ状半田材21の交換を容易に行うことができるので、実装対象物56に対して連続して効率よく半田片211を実装することが可能である。
【0114】
(生産システム1)
図11(A)から
図11(E)は、各タイプの部品実装装置5を示す模式図である。基準タイプT0の部品実装装置5は、実装支持部52が部品実装装置5の領域内部に設けられ、部品実装装置5の領域内部において実装対象物56を位置決め支持する。部品実装装置5の領域内部の実装支持部52への実装対象物56の移送、または部品実装装置5の領域
内部の実装支持部52からの実装対象物56の移送は、不図示の移送装置または作業者により行われる。
【0115】
タイプT1の部品実装装置5は、基準タイプT0の部品実装装置5に第1の搬送装置53を構成したタイプである。タイプT1の部品実装装置5は、第1の搬送装置53が部品実装装置5の領域内部に設けられ、実装対象物56を部品実装装置5の領域内部において移送する。第1の搬送装置53は、その途中において実装支持部52が設けられ、実装対象物56を実装支持部52に移送し、また実装支持部52から移送する。また第1の搬送装置53は、部品実装装置5の領域外部からの実装対象物56を受け取り移送し、部品実装装置5の領域外部への受け渡し移送を行う。
【0116】
タイプT2の部品実装装置5は、基準タイプT0の部品実装装置5に第1の搬送装置53を構成したタイプである。タイプT2の部品実装装置5は、第1の搬送装置53が部品実装装置5の領域内部を通過するように設けられ、実装対象物56を部品実装装置5の領域内部と領域外部との間において移送する。第1の搬送装置53は、その途中において実装支持部52が設けられ、実装対象物56を実装支持部52に移送し、また実装支持部52から移送する。また第1の搬送装置53は、部品実装装置5の領域外部からの実装対象物56を受け取り移送し、部品実装装置5の領域外部への受け渡し移送を行う。
【0117】
タイプT3の部品実装装置5は、基準タイプT0の部品実装装置5に第1の搬送装置53を構成したタイプである。タイプT3の部品実装装置5は、第1の搬送装置53が部品実装装置5の領域内部を通過するように設けられ、実装対象物56を部品実装装置5の領域内部と領域外部との間において移送する。実装支持部52は、第1の搬送装置53の移送方向と交差する方向の部品実装装置5の領域内部に設けられ、不図示の実装対象物移送機構により実装対象物56が実装支持部52と第1の搬送装置53との間で移送される。また第1の搬送装置53は、部品実装装置5の領域外部からの実装対象物56を受け取り移送し、部品実装装置5の領域外部への受け渡し移送を行う。
【0118】
なお、タイプT3の部品実装装置5の第1の搬送装置53に替えて後述の第2の搬送装置55を、部品実装装置5の領域外部に、かつ部品実装装置5に隣接させて配置させた構成(タイプT3-1)としても良い。タイプT3-1の部品実装装置5は、基準タイプT0の部品実装装置5に第2の搬送装置55を追加したタイプである。タイプT3-1の部品実装装置5は、第2の搬送装置55が部品実装装置5の領域内部に隣接した状態で実装対象物56を領域内部に沿って搬送するように設けられる。実装支持部52は、第2の搬送装置55の移送方向と交差する方向の部品実装装置5の領域内部に設けられ、不図示の実装対象物移送機構により実装対象物56が実装支持部52と第2の搬送装置55との間で移送される。
【0119】
図12(A)から
図12(D)は、
図11(A)から
図11(E)に示した各タイプの部品実装装置5を備えた生産システム1を示す模式図である。また生産システム1は、半田片211が実装された実装対象物56の温度処理を行う温度処理装置57を備える。なお、
図12(A)から
図12(D)では、半田供給ユニット2および半田切断装置3(半田切断ユニット4)を含む
半田片製造装置12および移載ユニット54を省略している。
【0120】
図12(A)に示す生産システム1は、タイプT1の部品実装装置5と温度処理装置57とを備える。また生産システム1は、部品実装装置5を複数備え、部品実装装置5同士の間の実装対象物56の搬送、部品実装装置5の領域内部の実装対象物56の搬送、並びに部品実装装置5と温度処理装置57とへの実装対象物56の搬送、および本生産システム1への実装対象物56の搬送を行う第2の搬送装置(実装対象移送装置)55を含む。本生産システム1は、実装対象物56の搬送経路が連続して(
図12(A)においては、直線状に)形成されるようにタイプT1の部品実装装置5が配置される。本実施形態においては、タイプT1の部品実装装置5に構成される第1の搬送装置53およ
び第2の搬送装置55が連結されることで搬送経路が形成される。
【0121】
また本生産システム1の破線部分に配置される部品実装装置5は、基準タイプT0の部品実装装置5またはタイプT1の部品実装装置5のいずれであってもよい。例えば、破線部分に配置される部品実装装置5は、予め部品実装装置5を設置するときは、タイプT1の部品実装装置5が構成され、予め構成された第2の搬送装置55の一部に部品実装装置5を構成させるときは、基準タイプT0の部品実装装置5が構成されるようにしても良い。
【0122】
図12(B)に示す生産システム1は、タイプT2の部品実装装置5と温度処理装置57とを備える。本生産システム1は、部品実装装置5を複数備え、部品実装装置5同士の間の実装対象物56の搬送、部品実装装置5の領域内部の実装対象物56の搬送、並びに部品実装装置5と温度処理装置57への実装対象物56の搬送は、タイプT2の部品実装装置5に含まれる第1の搬送装置53にて行う。本生産システム1は、実装対象物56の搬送経路が連続して(
図12(B)においては、直線状に)形成されるようにタイプT2の部品実装装置5が配置され、それぞれの部品実装装置5に構成される第1の搬送装置53同士が連結されることで搬送経路が形成される。
【0123】
図12(C)に示す生産システム1は、タイプT3の部品実装装置5と温度処理装置57とを備える。本生産システム1は、部品実装装置5を複数備え、部品実装装置5同士の間の実装対象物56の搬送は、それぞれの部品実装装置5に構成される第1の搬送装置53により行われる。また本生産システム1は、温度処理装置57および本生産システム1への実装対象物56の搬送を行う第2の搬送装置55を備える。本生産システム1は、実装対象物56の搬送経路が連続して(
図12(C)においては、直線状に)形成されるようにタイプT3の部品実装装置5が配置され、部品実装装置5に構成される第1の搬送装置53と、第2の搬送装置55とが連結されることで搬送経路が形成される。
【0124】
図12(D)に示す生産システム1は、基準タイプT0の部品実装装置5と温度処理装置57とを備える。本生産システム1は、部品実装装置5を複数備え、それぞれの部品実装装置5
への実装対象物56の搬送、および温度処理装置57への実装対象物56の搬送を行う第2の搬送装置55とを備える。本生産システム1は、実装対象物56の搬送経路が連続して(
図12(D)においては、直線状に)形成されるように第2の搬送装置55が設けられ、第2の搬送装置55の一側方に搬送経路に沿って部品実装装置5および温度処理装置57が配置される。本生産システム1は、第2の搬送装置55の搬送経路に沿って部品実装装置5および温度処理装置57を並べて配置しているので、生産システム1の生産能力に応じて部品実装装置5および温度処理装置57の増減を容易に行うことができる。
【0125】
上記のように、生産システム1は、部品実装装置5、温度処理装置57および第2の搬送装置55により構築可能である。この構成において、半田切断装置3に取り付けられている半田供給ユニット2を交換する場合に、ベース部材22の取り付けおよび取り外しを行うことで、半田供給ユニット2の脱着が可能である。この結果、生産システム1全体の稼働効率が向上する。
【0126】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。本実施形態において、生産システム1は、半田供給ユニット2に代えて半田供給ユニット6を備え、半田切断装置3に代えて半田切断装置7を備える。その他の生産システム1の構成は、前記実施形態1と同様である。
【0127】
(半田供給ユニット6)
図13(A)は、本実施形態の半田供給ユニット6が備える案内部材61の下部ガイド部材611の上面の形状を示す図であって、下部ガイド部材
611に装着ガイド部材73を装着した状態を示す斜視図、
図13(B)は、案内部材61の下部ガイド部材611の下面の形状を示す図であって、下部ガイド部材
611に装着ガイド部材73を装着した状態を示す斜視図である。
図13(A)、
図13(B)に示すように、半田供給ユニット6は、半田供給ユニット2の案内部材25に代えて案内部材61を備える。半田供給ユニット6のその他の構成は、半田供給ユニット2と同様である。
【0128】
(案内部材61)
図13(A)、
図13(B)に示すように、案内部材61は、繰り出し方向に延出する下部ガイド部材611および上部ガイド部材612を有する。下部ガイド部材611および上部ガイド部材612は、半田供給ユニット2の下部ガイド部材251および上部ガイド部材252に対応した構成を有する。下部ガイド部材611は、上面に、案内路6111、延出部6112および案内側壁部6113を有する。案内路6111は下部ガイド部材251の案内路2511に対応し、延出部6112は下部ガイド部材251の延出部2512に対応し、案内側壁部6113は下部ガイド部材251の案内側壁部2513に対応する。上部ガイド部材612は、半田供給ユニット2の上部ガイド部材252と同形状であり、開口部2521に対応する開口部6121を有する。
【0129】
案内部材61の下部ガイド部材611には、開口部6114が形成される。開口部6114は、下部ガイド部材611の下流側端部から上流方向へ延びている。開口部6114の上流側端部は、下部ガイド部材251の第1の開口部2516の上流側端部と同じ位置である。開口部6114は、下方から挿入される、半田切断装置7の第1の把持具および第2の把持具を受け入れ可能である。また、開口部6114の形成範囲は、例えば上部ガイド部材612の開口部6121の形成範囲と一致する。
【0130】
また下部ガイド部材611は、先端部611b、2つの傾斜部611b1,611b1、2つの下部先端部611b2,611b2および2つの側部先端部611c1,611c1を有する。先端部611bは下部ガイド部材251の先端部251bに対応し、傾斜部611b1は下部ガイド部材251の傾斜部251b1に対応し、下部先端部611b2は下部ガイド部材251の下部先端部251b2に対応し、側部先端部611c1は下部ガイド部材251の側部先端部251c1に対応する。案内部材61の上記各部の機能は案内部材25の対応する上記各部の機能と同様である。
【0131】
半田供給ユニット6は、半田切断装置7に装着された場合に、半田切断装置7が有する装着ガイド部材73が先端部611bから開口部6114に挿入され、装着位置に到達するまで下部ガイド部材611をガイドする。これにより、半田供給ユニット6が半田切断装置7に装着される際に、案内部材61の先端部611bが案内規定部338によりガイドされることで所定の位置に装着し、装着ガイド部材73の上面と延出部6112の面とが同じ高さ位置に設定することができる。したがって、案内部材61によって繰り出されるテープ状半田材21を半田切断装置7の切断位置に正確に繰り出し、セットすることができる。半田供給ユニット6は、半田供給ユニット2と同様の利点を有する。
【0132】
(半田切断装置7)
図14は、半田切断装置7の斜視図である。
図15は、半田切断装置7の正面図である。
図14および
図15に示すように、半田切断装置7は、半田切断装置3の第1保持部31に代えて第1保持部71を備え、第2保持部35に代えて第2保持部72を備える。半田切断装置7のその他の構成は半田切断装置3と同様である。
【0133】
(第1保持部71)
図16(A)は、
図14および
図15に示した第1保持部71および第2保持部72の側面図、
図16(B)は第1保持部71および第2保持部72の部分拡大斜視図である。
図16(A)、
図16(B)に示すように、第1保持部71は、実施形態1の第1保持部31と同様に、実施形態2においては、第1および第2の保持部材711,712、並びに第1の保持駆動部713を備え、テープ状半田材21の保持および保持解除を行う。ただし、第1保持部71では、第1の保持部材711が上下方向に動作可能な移動部材であり、第2の保持部材712は上下方向に移動せず、固定された固定部材である。したがって、
第1の保持駆動部713は、第1の保持部材711のみを、テープ状半田材21の平面部に対して垂直な第2方向(Z方向)に動作させる。
【0134】
第1の保持駆動部713は、実施形態1の第1の保持駆動部313の第3のアクチュエータ3131に対応する第3のアクチュエータ7131、実施形態1の第1の保持駆動部313の伝達機構3133に対応する伝達機構7133、および実施形態1の保持移動体3132に対応する保持移動体7132を備える。伝達機構7133は、保持移動体7132の第1方向(X方向)への直線運動を第2方向(Z方向)への直線運動に変換し、第1の保持部材711の第2方向(Z方向)への直線運動として伝達する。
【0135】
具体的には、伝達機構7133は、実施形態1の上部チャック機構部3134に対応する上部チャック機構部7134、実施形態1の上部フォロア部3135に対応する上部フォロア部7135、および実施形態1の上部弾性部材3138に対応するばね7138を備える。上部チャック機構部7134を動作させる伝達機構7133の動作は、実施形態1の伝達機構3133と同様である。第1保持部71については、実施形態1の第1保持部31と同様、従来周知の技術の応用や組み合わせにより種々の構成が考えられるが、テープ状半田材21の保持および保持解除を行うことができればよく、以上に開示した構成には特に限定されない。
【0136】
(第2保持部72)
図16(A)、
図16(B)に示すように、第2保持部72は、実施形態1の第2保持部35の第1の保持部材351に対応する第1の保持部材721、並びに実施形態1の第2の保持駆動部353に対応する第2の保持駆動部723を備え、テープ状半田材21の保持および保持解除を行う。
【0137】
第2保持部72では、実施形態1の第2保持部35の第2の保持部材352に代えて、装着ガイド部材73が第2の保持部材(第2の把持具)として機能する。装着ガイド部材73は、切断部33に設けられ、繰り出し方向とは逆方向へ延設される。第2の保持駆動部723は、第1の保持部材721を、テープ状半田材21の平面部に対して垂直な第2方向(Z方向)に動作させる。
【0138】
第2の保持駆動部723は、実施形態1の第2の保持駆動部353の第4のアクチュエータ3531に対応する第4のアクチュエータ7231、および実施形態1の第2の保持駆動部353の伝達機構3533に対応する伝達機構7233を備える。伝達機構7233は、実施形態1の伝達機構3533の上部チャック機構部3534に対応する上部チャック機構部7234を備える。上部チャック機構部7234は、第1の保持部材721およびばね7235を含む。ばね7235は、第1の保持部材721を下方へ付勢する。
【0139】
上部チャック機構部7234は、第4のアクチュエータ7231が動作すると第4のアクチュエータ7231の不図示の移動体の上方移動に伴って上昇し、第4のアクチュエータ7231が動作を停止し、第4のアクチュエータ7231の不図示の移動体が下方移動すると、ばね7235に付勢されて第4のアクチュエータ7231の不図示の移動体と伴に下降する。第1の保持部材721は、下降することでテープ状半田材21を下方に移動させ、装着ガイド部材73に押し付けることで装着ガイド部材73と共に、案内部材61内のテープ状半田材21を保持する。
【0140】
これにより、第1の保持部材721および装着ガイド部材73によるによるテープ状半田材21の保持および保持の解除が可能となる。第2保持部72のその他の動作は、実施形態1の第2保持部35の動作と同様である。第2保持部72については、実施形態1の第2保持部35と同様、従来周知の技術の応用や組み合わせにより種々の構成が考えられるが、テープ状半田材21の保持および保持解除を行うことができればよく、以上に開示した構成には特に限定されない。
【0141】
(半田切断装置7の利点)
半田切断装置7は、第1保持部71では第1の保持部材711のみを昇降させ、第2保持部72では第1の保持部材721のみを昇降させる構成である。これにより、第1保持部71の第1の保持駆動部713および第2保持部72の第2の保持駆動部723の構成を簡素化することが可能である。
【0142】
また、半田切断装置7に半田供給ユニット6を装着した場合には、
図13(A)、
図13(B)に示すように、案内部材61の下部ガイド部材611の開口部6114に、第1保持部71の第2の保持部材712、および装着ガイド部材73が挿入され、これらがテープ状半田材21の下面のガイドとして機能する。これにより、テープ状半田材21を安定に案内することができる。半田切断装置7のその他の利点は、実施形態1の半田切断装置3と同様である。
【0143】
〔まとめ〕
本発明の一態様に係る半田切断装置は、長尺のテープ状半田材の保持および保持解除を行う第1保持部と、前記第1保持部が搭載され、前記第1保持部が保持した前記テープ状半田材を第1方向に直線送行させる第1の駆動部と、対向して、かつ、近接および離間自在に設けられる第1および第2の切断部材を有し、該第1および第2の切断部材の間の切断位置に位置する前記テープ状半田材の切断を行う切断部と、前記第1および第2の切断部材の少なくとも一方を、前記テープ状半田材の平面部に対して垂直な第2方向に動作させる第2の駆動部と、を備え、前記第1の駆動部は、軸心が前記第1方向に延びる回転体の回転運動を前記第1方向への直線運動に変換する電動駆動の第1のアクチュエータであり、前記第2の駆動部は、前記第1方向に移動可能な移動体を直線運動させる第2のアクチュエータと、前記移動体の直線運動を前記第2方向への直線運動に変換し、前記第1および第2の切断部材の少なくとも一方に伝達する伝達機構とを備える。
【0144】
上記の構成によれば、半田切断装置は、第1方向かつ第2方向に直交する方向に移動する駆動軸や駆動部が存在することがなく、第1方向かつ第2方向に直交する方向の幅を狭くすることが可能である。このような効果は、特に、第1のアクチュエータである第1の駆動部、並びに移動体、第2のアクチュエータおよび伝達機構を有する第2の駆動部によって実現している。これにより、半田切断装置を含み、半田切断装置から供給される半田片を使用するシステムにおいて、サイズの異なる半田片を供給する複数台の半田切断装置を設置するような場合に、半田切断装置の占有面積を小さくすることができる。
【0145】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0146】
1 生産システム、 2,6 半田供給ユニット、 3,7 半田切断装置、 4 半田切断ユニット、 5 部品実装装置、 11 架台、 12 半田片製造装置、 21 テープ状半田材、 22 ベース部材、 23 リールホルダ、 24 支持部材、 25,61、 案内部材、 26 識別領域部、 27 抑えユニット、 31,71 第1保持部、 32 第1の駆動部(第1のアクチュエータ)、 33 切断部、 34 第2の駆動部、 36 清浄ユニット、 35,72 第2保持部、 37 切断半田移送部、 38 枠体、 39,73 装着ガイド部材、 51 半田切断ユニット群、 52 実装支持部、 53 第1の搬送装置、 54 移載ユニット、 55 第2の搬送装置、 56 実装対象物、 57 温度処理装置、 211 半田片、 251,611 下部ガイド部材、 252,612 上部ガイド部材、 261 識別機構、 311,351,711,721 第1の保持部材、 312,712 第2の保持部材(第1の把持具)、 313,713 第1の保持駆動部、 331 上刃(第1の切断部材)、 332 下刃(第2の切断部材)、 341 第2のアクチュエータ、 342,3133,3533,7133,7233 伝達機構、 343 伝達移動体、 352 第2の保持部材(第2の把持具)、 353,723 第2の保持駆動部、 371 切断片保持部、 381 下台部、 382 上台部、 383 連結部、 2511,6111 案内路、 2512,6112 延出部、 2513,6113 案内側壁部、 2514 下部ガイド部、 2515 側部ガイド部、 2516 第1の開口部、 2517 第2の開口部、 2518 凹み部、 2521,6114 開口部、 2531 第1の延出部、 2532 第2の延出部、 2541 第1の案内側壁部、 2542 第2の案内側壁部、 2551 第1周縁部、 2552 第2周縁部、 3131,7131 第3のアクチュエータ、 3132,7132 保持移動体、 3421 平面カム、 3422 カムフォロワ、 3423 連結部材、 3531,7231 第4のアクチュエータ、 3532 アクチュエータ動作部