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特許7341419コンベヤ装置の清掃に適した横型製袋充填包装機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】コンベヤ装置の清掃に適した横型製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 59/00 20060101AFI20230904BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
B65B59/00
B65B57/00 H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019001498
(22)【出願日】2019-01-08
(65)【公開番号】P2020111338
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108567
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 利雄
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 和馬
(72)【発明者】
【氏名】勝 大樹
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-071761(JP,A)
【文献】特開2008-222289(JP,A)
【文献】特開2013-018498(JP,A)
【文献】特開2012-188155(JP,A)
【文献】特開平11-278420(JP,A)
【文献】特開2012-224442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 59/00
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材ロールから帯状包装材を引き出して下流側に送る包装材繰り出し装置、
前記帯状包装材を略筒状包装材に成形するとともに当該略筒状包装材の送り方向を水平方向とする製筒器、
前記略筒状包装材の長手方向に延びる重合側縁部分にセンターシールを施すことで前記略筒状包装材を筒状包装材に成形するセンターシール装置、
前記筒状包装材内に包装すべき製品を順次供給する製品供給コンベヤ装置、
前記筒状包装材を挟んで対向配置されていて接離動作をするエンドシーラを備えており、前記エンドシーラが前記接離動作における接近動作をするときに前記筒状包装材に対して当該筒状包装材を横断方向にエンドシールを施し、前記接離動作における離間動作をするときに前記筒状包装材から遠ざかるエンドシール装置、並びに
前記包装材繰り出し装置、前記センターシール装置、前記製品供給コンベヤ装置及び前記エンドシール装置の運転速度を制御する制御装置を備えている横型製袋充填包装機において、
前記制御装置においては、前記製品供給コンベヤ装置を包装速度から定められる包装運転速度で運転する通常運転モードと、前記包装運転速度よりも充分遅い速度であって前記製品供給コンベヤ装置を清掃に適した速度で運転する清掃運転モードとが、選択可能であり、
前記製品供給コンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わる負荷モニター機能を利用して当該駆動モータに働く負荷がモニターされており、前記制御装置は、前記清掃運転モードにおいて、前記負荷モニター機能によって予め設定された充分に低い検出レベル以上の負荷がモニターされたことに応じて当該製品供給コンベヤ装置を停止させること
から成る横型製袋充填包装機。
【請求項2】
請求項1に記載の横型製袋充填包装機であって、
前記エンドシーラの前記接離動作と連動して互いに接離動作をする中間コンベヤ装置と包装体搬出コンベヤ装置とから成る組のコンベヤ装置としてのシャトルコンベヤ装置を備えており、前記組のコンベヤ装置が当該組のコンベヤ装置の前記接離動作における離間状態にあるときに前記エンドシーラが接近動作をし、前記エンドシーラが当該エンドシーラの前記離間動作における離間状態にあるときに前記組のコンベヤ装置が前記接離動作における接近動作をして前記製品を内部に収容した前記筒状包装材の渡り移動が可能であり、 前記シャトルコンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わる負荷モニター機能を利用して当該駆動モータに働く負荷がモニターされており、
前記制御装置においては、前記シャトルコンベヤ装置の運転速度を制御可能であり、前記シャトルコンベヤ装置を包装速度から定められる包装運転速度で運転する通常運転モードと、前記包装運転速度よりも充分遅い速度であって前記シャトルコンベヤ装置を清掃に適した速度で運転する清掃運転モードとが、選択可能であり、
前記制御装置は、前記シャトルコンベヤ装置における前記清掃運転モードにおいて、前記シャトルコンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わる前記負荷モニター機能によって予め設定された充分に低い検出レベル以上の負荷がモニターされたことに応じて、前記シャトルコンベヤ装置に停止させるべき負荷が生じたとして当該シャトルコンベヤ装置を停止させること
から成る横型製袋充填包装機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の横型製袋充填包装機であって、
前記制御装置は、前記清掃運転モードが終了されたとき、請求項1を引用する場合においては前記清掃運転モードに入っていた前記製品供給コンベヤ装置請求項2を引用する場合においては前記清掃運転モードに入っていた前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置を、前記通常運転モードにおける運転開始の基準位置まで運転させてから停止させること
から成る横型製袋充填包装機。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の横型製袋充填包装機であって、
請求項1を引用する場合においては前記製品供給コンベヤ装置には当該製品供給コンベヤ装置覆う安全カバーが、請求項2を引用する場合においては前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置には当該製品供給コンベヤ装置及び当該シャトルコンベヤ装置を覆う安全カバーが配設されており、
前記制御装置において、請求項1を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置の運転に前記清掃運転モードが選択されているときには、前記制御装置は、当該製品供給コンベヤ装置に配設されている前記安全カバーが開けられている状態でも当該製品供給コンベヤ装置を前記清掃運転モードで運転させ
前記制御装置において、請求項2を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置の運転に前記清掃運転モードが選択されているときには、前記制御装置は、当該製品供給コンベヤ装置及び当該シャトルコンベヤ装置に配設されている前記安全カバーが開けられている状態でも当該製品供給コンベヤ装置及び当該シャトルコンベヤ装置を前記清掃運転モードで運転させること
から成る横型製袋充填包装機。
【請求項5】
請求項4に記載の横型製袋充填包装機であって、
前記制御装置は、請求項4において請求項1を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置の運転・停止と当該製品供給コンベヤ装置に配設されている前記安全カバーの開閉とを連動させ、請求項4において請求項2を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置の運転・停止と当該製品供給コンベヤ装置及び当該シャトルコンベヤ装置に配設されている前記安全カバーの開閉とを連動させていること
から成る横型製袋充填包装機。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の横型製袋充填包装機であって、
前記清掃運転モードにおいて、請求項1を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置の低速清掃速度、請求項2を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置の低速清掃速度、を任意の速度に変更、又は複数の速度の中から選択可能であること
から成る横型製袋充填包装機。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の横型製袋充填包装機であって、
前記清掃運転モードが選択されたことに応じて、前記横型製袋充填包装機が前記清掃運転モードで運転中であることを表示する表示手段が配設されていること
から成る横型製袋充填包装機。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の横型製袋充填包装機であって、
前記製品供給コンベヤ装置は、前記製品の後部を支持して搬送するプッシャアタッチメントが所定の間隔で取り付けられ、両端のスプロケットにより支持・駆動される無端チェーンから構成されているチェーンコンベヤであること
から成る横型製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横型製袋充填包装機、特に、製品を送り込む供給コンベヤ装置等の各種のコンベヤ装置を備え、当該コンベヤ装置の清掃に適した横型製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
横ピロー包装機のような横型製袋充填包装機は、一般に、包装材搬送装置によって包装材ロールから帯状包装材が引き出されて下流に送られ、当該帯状包装材が製筒器により略筒状に曲成されながら水平方向に移送され、包装すべき製品が製品供給装置によって当該曲成された包装材内に順次送り込まれ、略筒状に曲成された包装材がその長手方向の重合部分にセンターシールが施されて筒状包装材に成形され、更に、当該筒状包装材内の製品を筒状包装材の移送方向に挟むようにして前後部にそれぞれエンドシール装置によってエンドシールが施されて袋包装体(いわゆるピロー包装体)を製造する包装機である。連続する袋包装体は、例えばエンドシールにおいて切断が行われて、個々の袋包装体に切り離されて、包装体搬出コンベヤによって搬出される。包装材搬送装置、製品供給装置、エンドシール装置等は、それぞれサーボモータによって駆動され制御装置により互いに同期して動作するように制御されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
横型製袋充填包装機においては、包装すべき製品を包装機部に供給する製品供給装置は、製品の後部を支持して搬送するプッシャアタッチメントが所定の間隔で無端チェーンに取り付けられているチェーン駆動式の供給コンベヤである。無端チェーンは駆動スプロケットや従動スプロケットのように供給方向前後に配置された複数のスプロケットに掛け渡されており、駆動側のスプロケットは、減速機のような動力伝達機構を介して、供給コンベヤ駆動用サーボモータにより駆動される。駆動モータの回転力がスプロケットに伝達されて、スプロケットの歯部に噛み合う無端チェーンが駆動される。搬送路上に置かれる製品は、走行する無端チェーンのプッシャアタッチメントによって後部が押されながら搬送路上を包装機部、具体的には製筒器によって曲成された包装材内に向かって送り込まれる。供給コンベヤは、包装能力のデ-タ入力に基づいた速度で駆動される。
【0004】
ところで、横型製袋充填包装機によって包装すべき製品が例えば菓子のような個別の食品である場合、供給コンベヤにおいては、食品からこぼれたカス等が無端チェーンやプッシャタッチメントに付着することがある。チェーンに付着した食品カスは、チェーンに入り組んだ状態となりやすく、清掃具で掻き落す或いは掃き落とすのがなかなか困難である。付着した食品カスは横型製袋充填包装機の衛生状態を悪化させる懸念があるので、その都度随時に、或いは定期的に清掃して清潔に保つ必要がある。
【0005】
製品カスの供給コンベヤへの付着が重度の場合は、無端チェーンをスプロケットから取り外し、当該無端チェーンやそれに取り付けられたプッシャアタッチメントを清掃する、或いは供給コンベヤから無端チェーンを取り外して空間が空いたコンベヤの内部を清掃する、という念入りな清掃が行われる。供給コンベヤのチェーンをスプロケットから外して清掃を行うのは、非常に作業性が悪く、再度スプロケットに巻き掛けて元に戻すのも同様である。こうした供給コンベヤの清掃を容易に行う方法として、特許文献3に記載されている供給コンベヤを横型製袋充填包装機の本体から取り外す方法などが提案されている。
【0006】
製品カスの付着が軽度な場合や製品チェンジのように清掃が既にある程度行われている場合には、無端チェーンをスプロケットから取り外すことなく、エアブローして製品カスを吹き飛ばして清掃する、という比較的簡便な清掃が行われる。この場合、清掃は、供給装置側面の安全カバーを開放し、吹き飛ばしが必要な箇所にエアブローを施すことで行われる。しかしながら、供給コンベヤの構造上、また、外部から無端チェーンへのアクセスの制約上、清掃を一気に行うことは困難である。更に、供給コンベヤは、通常、衛生上或いは安全上の観点から安全カバーで覆われており、安全カバーが開放されているときには、供給コンベヤ駆動用のサーボモータへの電源供給は安全回路の働きによって遮断されている。供給コンベヤ(包装機も、同様)は安全カバーが閉じていないと運転することができず、供給コンベヤが停止している状態でないと安全カバーを開けることができない。こうした事情は、無端チェーンやプッシャアタッチメントの清掃作業を煩雑にしている。
【0007】
無端チェーンをその全周に亙って清掃するためには、無端チェーンを手動で動かして清掃範囲を順次移動させねばならない。即ち、供給コンベヤを停止させて安全カバーを開け、チェーンの見えている部分(範囲)の清掃が終了すると、安全カバーを閉じて、供給コンベヤを少し動かす。チェーンが少し移動して未清掃な部分がアクセス可能になると、供給コンベヤを停止させる。停止させることで安全カバーを開けることができる。供給コンベヤの停止と運転再開、安全カバーの開閉、所定範囲の清掃、という各作業を、順を追って繰り返すことで、無端チェーンやプッシャアタッチメントがその都度、一定の範囲毎に少しずつ清掃される。無端チェーン又はプッシャアタッチメントを掴んで手動で動かすことは可能であるが、減速機などの機構が付属したモータ軸が接続されたままであり、減速機を出力側から増速機として駆動することになるので、非常に大きな力を要する作業となっている。したがって、供給コンベヤの清掃は時間と手間を要していて、作業性・効率性がよくない。
【0008】
そこで、製品を供給する供給コンベヤのチェーンをスプロケットから外さなくても、チェーンを清掃することができるようにした横型製袋充填包装機の供給コンベヤが提案されている(特許文献1)。供給コンベヤは、サーボモータにより駆動される駆動ギアから伝導ギアを介してスプロケットを回転させる従動ギアからなる駆動伝達系を備えるものとし、伝導ギアは駆動ギアに対して、嵌合・離脱構造としてのクラッチによって離脱可能に構成されている。クラッチを切って伝導ギアを駆動ギアから離脱させた場合には、サーボモータとチェーンとの連結が外れるので、無端チェーンを手動で動かすことができ、移動されて現れる無端チェーンの部位が清掃可能となる。無端チェーンを少し送って停止する作業に変わりないが、クラッチを付けることで、減速機を逆方向に(即ち、増速機として)回転させながらサーボモータを手動で動かす、というような必要がなくなる。
【0009】
横型製袋充填包装機は、運転スイッチが入れられると、包装速度に応じて多少、運転速度が変更されることはあるが、通常は駆動モータの回転出力を減速機で減速させて各種のコンベヤを駆動する運転モードにある。横型製袋充填包装機に備わる各種のコンベヤにおいて、チェーン等に付着したゴミやカスを取り除く清掃をしようとすると、チェーンを駆動する駆動源が停止中であるときに手動で減速機を逆方向に動かす態様でチェーンを移動させることになるので、過大な力でチェーンを移動させることが求められる。過大な力を用いることなくチェーン等の清掃をするには、上記したように、無端チェーンをスプロケットから取り外すというような強引な方策に頼る、或いは、駆動モータからスプロケットに至る駆動経路に、嵌合・離脱機構(クラッチ)のようなハードウェア的な構造を追加して設けるという対処が必要であった。
【0010】
横型製袋充填包装機において、搬入側コンベヤと排出側コンベヤとが開閉可能な渡り装置(シャトルコンベヤ)として構成されており、シャトルコンベヤが開いた状態でエンドシール装置の上下のヒータブロックが開閉可能に関連構成されており、ヒータブロックのヒートシール面の清掃を容易にした横型包装機が提案されている(特許文献2)。エンドシール装置の上下の開閉と渡り装置の進退(前後の開閉)とがカム機構によって連動されているので、ヒートシール面の上方の空間を開放させて清掃をし易くしている。
【0011】
横型製袋充填包装機において、供給コンベヤの運転制御に関して、供給コンベヤに製品又は異物が引っかかるなどの状況が生じると、供給コンベヤを駆動するサーボモータに大きな負荷(電流、トルク)が生じる。サーボモータに過大な負荷が掛かるときに、当該サーボモータに備わるサーボアンプの負荷モニター機能を利用することでそのことを認識して供給コンベヤの運転を停止させることも、従来、行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2012-224442号公報
【文献】特開2012-188155号公報
【文献】特開2006-335466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、横型製袋充填包装機に備わるコンベヤ装置の清掃については、従来、面倒な作業を伴う構造の分解・再組立て、コストの増加を招くハードウェア構造の追加、又は力任せの操作というような方策に頼らざるを得なかったが、コンベヤ装置の駆動を行う駆動源の制御に着目して、駆動源の運転制御に工夫を凝らすというソフトウェア的な対応にて、ユーザの手間が少なく簡単で且つ安価に清掃を可能にする点で解決すべき課題がある。
【0014】
この発明の目的は、既存の横型製袋充填包装機において、ハードウェア的な構成に変更を加えることなく、コンベヤ装置を駆動する駆動源の運転制御にソフトウェア的な工夫を凝らす対応により、ユーザの手間が少なく簡単で且つ安価に清掃を可能にする横型製袋充填包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に係る発明による横型製袋充填包装機は、
包装材ロールから帯状包装材を引き出して下流側に送る包装材繰り出し装置、
前記帯状包装材を略筒状包装材に成形するとともに当該略筒状包装材の送り方向を水平方向とする製筒器、
前記略筒状包装材の長手方向に延びる重合側縁部分にセンターシールを施すことで前記略筒状包装材を筒状包装材に成形するセンターシール装置、
前記筒状包装材内に包装すべき製品を順次供給する製品供給コンベヤ装置、
前記筒状包装材を挟んで対向配置されていて接離動作をするエンドシーラを備えており、前記エンドシーラが前記接離動作における接近動作をするときに前記筒状包装材に対して当該筒状包装材を横断方向にエンドシールを施し、前記接離動作における離間動作をするときに前記筒状包装材から遠ざかるエンドシール装置、並びに
前記包装材繰り出し装置、前記センターシール装置、前記製品供給コンベヤ装置及び前記エンドシール装置の運転速度を制御する制御装置を備えている横型製袋充填包装機において、
前記制御装置においては、前記製品供給コンベヤ装置を包装速度から定められる包装運転速度で運転する通常運転モードと、前記包装運転速度よりも充分遅い速度であって前記製品供給コンベヤ装置を清掃に適した速度で運転する清掃運転モードとが、選択可能であり、
前記製品供給コンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わる負荷モニター機能を利用して当該駆動モータに働く負荷がモニターされており、前記制御装置は、前記清掃運転モードにおいて、前記負荷モニター機能によって予め設定された充分に低い検出レベル以上の負荷がモニターされたことに応じて当該製品供給コンベヤ装置を停止させること
から成っている。
【0016】
請求項1に係る横型製袋充填包装機によれば、制御装置においては、通常の通常運転モードに加えて清掃運転モードが用意されていて、オペレータがいずれかのモードを選択できるようになっている。オペレータは、横型製袋充填包装機に備わる製品供給コンベヤ装置を清掃しようとするときには、清掃運転モードを選択することができる。清掃運転モードでは、当該製品供給コンベヤ装置は通常の包装運転速度よりも充分低い低速清掃速度で運転されるので、オペレータは当該運転されている製品供給コンベヤ装置の清掃作業を安全裏に行うことができ、清掃中の製品供給コンベヤ装置がオペレータに対して安全上の危惧を生じさせるという懸念が回避される。また、駆動源によって製品供給コンベヤ装置を運転させつつ清掃をすることができ、製品供給コンベヤ装置が回っていて、目の前で清掃箇所が順次移動していく方が清掃しやすいというオペレータの効率的な清掃の求めに応じることができる。
清掃運転モードでの製品供給コンベヤ装置の清掃に適した速度とは、包装運転速度よりも充分遅い低速清掃速度とすることができ、或いは清掃に時間が掛かりそうな場合には製品供給コンベヤ装置を停止させることを含むことができる。
【0017】
請求項2に係る横型製袋充填包装機は、請求項1に係る横型製袋充填包装機において、
前記エンドシーラの前記接離動作と連動して互いに接離動作をする中間コンベヤ装置と包装体搬出コンベヤ装置とから成る組のコンベヤ装置としてのシャトルコンベヤ装置を備えており、前記組のコンベヤ装置が当該組のコンベヤ装置の前記接離動作における離間状態にあるときに前記エンドシーラが接近動作をし、前記エンドシーラが当該エンドシーラの前記離間動作における離間状態にあるときに前記組のコンベヤ装置が前記接離動作における接近動作をして前記製品を内部に収容した前記筒状包装材の渡り移動が可能であり、 前記シャトルコンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わる負荷モニター機能を利用して当該駆動モータに働く負荷がモニターされており、
前記制御装置においては、前記シャトルコンベヤ装置の運転速度を制御可能であり、前記シャトルコンベヤ装置を包装速度から定められる包装運転速度で運転する通常運転モードと、前記包装運転速度よりも充分遅い速度であって前記シャトルコンベヤ装置を清掃に適した速度で運転する清掃運転モードとが、選択可能であり、
前記制御装置は、前記シャトルコンベヤ装置における前記清掃運転モードにおいて、前記シャトルコンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わる前記負荷モニター機能によって予め設定された充分に低い検出レベル以上の負荷がモニターされたことに応じて、前記シャトルコンベヤ装置に停止させるべき負荷が生じたとして当該シャトルコンベヤ装置を停止させることができる。
ユーザが、シャトルコンベヤ装置について清掃が必要と判断した場合、シャトルコンベヤ装置をも清掃対象とするように選択して低速清掃速度で運転することができるが、製品供給コンベヤ装置とシャトルコンベヤ装置の両方のコンベヤ装置を同期した低速清掃速度で運転するようにしてよい。両方のコンベヤ装置を同期した低速清掃速度で運転するときには、横型製袋充填包装機の全体をその同期した低速清掃速度で運転することにもなり、コンベヤ装置の選択が必要なくなるので、制御装置における制御手順を却って簡略化することができる。この場合、センターシール装置やエンドシール装置のようなシール装置については、運転を停止したままとすることができる。或いは、両方のコンベヤ装置だけではなく、他のセンターシール装置やエンドシール装置までをも含めた横型製袋充填包装機の全体を充分特別にゆっくりとした低速清掃速度で運転することもできる。
【0018】
請求項2に係る横型製袋充填包装機において、前記製品供給コンベヤ装置、又は製品供給コンベヤ装置とシャトルコンベヤ装置(これらのコンベヤのうち特定のコンベヤ装置に拘らない場合には、「コンベヤ装置」と略称する。)を駆動する駆動モータに備わる負荷モニター機能を利用して当該駆動モータに働く負荷をモニターすることが可能であるとしたが、コンベヤ装置に関連する負荷をモニターする手段としては、当該コンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わっている利用可能な機能であって、当該駆動モータに働く負荷をモニター可能な負荷モニター機能とすることができる。駆動モータに働く負荷としてモニター可能なものは、当該駆動モータがサーボモータである場合の出力トルクや当該サーボモータに備わるサーボアンプに流れる電流とすることができる。清掃運転モードで駆動されるコンベヤ装置において負荷をモニターする機能自体は、既存のサーボモータのような駆動モータに備わっているものであり、負荷モニター機能の検出レベルの変更は、ハードウェアの変更に依るのではなく、駆動モータについてのソフトウェア的な設定によって行うことができる。駆動モータに備わる負荷モニター機能による負荷の検出レベルを充分に低く下げたレベルに設定することにより、コンベヤ装置の低速運転中に遭遇した負荷の上昇が小さいものであっても、そのことが駆動モータのモニター機能によってモニターされたときには、当該コンベヤ装置の運転を直ちに停止させることができる。これにより、低速清掃速度で運転されているコンベヤ装置を清掃中のオペレータが当該コンベヤ装置に触れる等によって、軽い負荷でも通常とは異なる負荷であるときには、直ちに駆動モータを駆動停止にしてコンベヤ装置を停止させるので、オペレータが安全裏にコンベヤ装置の清掃を行うことができる。
【0019】
請求項3に係る横型製袋充填包装機は、請求項1又は請求項2に係る横型製袋充填包装機において、
前記制御装置は、前記清掃運転モードが終了されたとき、請求項1を引用する場合においては前記清掃運転モードに入っていた前記製品供給コンベヤ装置請求項2を引用する場合においては前記清掃運転モードに入っていた前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置を、前記通常運転モードにおける運転開始の基準位置まで運転させてから停止させることができる。
制御装置による運転制御をこのようにすると請求項1を引用する場合には清掃運転モードに入っていた製品供給コンベヤ装置を、請求項2を引用する場合には清掃運転モードに入っていた製品供給コンベヤ装置及びシャトルコンベヤ装置を、通常運転モードにおける運転開始の基準位置まで運転させてから停止させることになるので、通常運転モードの運転開始時には、請求項1を引用するときの製品供給コンベヤ装置のポジション請求項2を引用するときの製品供給コンベヤ装置及びシャトルコンベヤ装置のポジションは基準位置を占めていることになり、通常の運転モードにスムーズに移行することができる。
【0020】
請求項4に係る横型製袋充填包装機は、請求項1又は請求項2に係る横型製袋充填包装機において、
請求項1を引用する場合においては前記製品供給コンベヤ装置には当該製品供給コンベヤ装置覆う安全カバーが、請求項2を引用する場合においては前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置には当該製品供給コンベヤ装置及び当該シャトルコンベヤ装置を覆う安全カバーが配設されており、
前記制御装置において、請求項1を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置の運転に前記清掃運転モードが選択されているときには、前記制御装置は、当該製品供給コンベヤ装置に配設されている前記安全カバーが開けられている状態でも当該製品供給コンベヤ装置を前記清掃運転モードで運転させ
前記制御装置において、請求項2を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置の運転に前記清掃運転モードが選択されているときには、前記制御装置は、当該製品供給コンベヤ装置及び当該シャトルコンベヤ装置に配設されている前記安全カバーが開けられている状態でも当該製品供給コンベヤ装置及び当該シャトルコンベヤ装置を前記清掃運転モードで運転させることができる。
現状の横型製袋充填包装機では、製品供給コンベヤ装置やシャトルコンベヤ装置にはこれらのコンベヤ装置を覆う安全カバーが配設されている。こうした安全カバーは、開放されると包装機の運転が停止する、そして安全カバーが開いている状態では包装機を運転することはできない、という安全設計となっている。したがって、製品供給コンベヤ装置、又は製品供給コンベヤ装置及びシャトルコンベヤ装置の清掃をするには、(1)包装機の運転停止、安全カバーの開放、手動でのコンベヤ装置の運転、コンベヤ装置の清掃、コンベヤ装置の手動運転と清掃の繰り返し、清掃終了時に安全カバーの閉鎖、包装機の運転再開、という手順、又は、(2)包装機の運転停止、安全カバーの開放、コンベヤ装置の清掃、安全カバーの閉鎖、包装機の若干の運転、包装機の運転停止(最初に戻る)、以上の手順の繰り返し、清掃終了時に安全カバーの閉鎖、包装機の運転再開、という煩雑な手順を取っていた。
安全カバーが配設された請求項4に係る横型製袋充填包装機では、清掃運転モードが選択される場合に、清掃対象となるコンベヤ装置の安全カバーが開放されたことが検出されると、包装機の全運転が停止されるのではなく、当該コンベヤ装置については清掃運転モードで指定されている低速清掃速度で運転(駆動モータを駆動)される。したがって、オペレータは、安全カバーを開けると、コンベヤ装置の清掃作業に入ることができる。
【0021】
請求項5に係る横型製袋充填包装機は、請求項4に係る横型製袋充填包装機において、
前記制御装置は、請求項4において請求項1を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置運転・停止と当該製品供給コンベヤ装置に配設されている前記安全カバーの開閉とを連動させ、請求項4において請求項2を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置の運転・停止と当該製品供給コンベヤ装置及び当該シャトルコンベヤ装置に配設されている前記安全カバーの開閉とを連動させることができる。
連動内容の例としては、オペレータが制御装置に用意される清掃運転モードを選択して包装機が清掃運転モードに移行したときには、安全カバーを開放すると包装機の運転は自動的に停止し、停止した状態にあるコンベヤ装置を清掃することができ、安全カバーを閉鎖すると包装機は自動的に一定速度(ゆっくりした低い速度)で運転を開始するものとすることができる。この場合、当該コンベヤ装置の清掃のためにオペレータがする操作は、安全カバーの開閉操作のみとなり、包装機の運転・停止を操作する必要はない。
また、別の連動の例として、コンベヤ装置の安全カバーを開放すると、直ちに或いは所定の短い時間を置いて、当該コンベヤ装置の運転が清掃運転モードで指定されている運転速度で開始される、とすることができる。また、安全カバーを閉鎖すると、直ちに或いは所定の短い時間を置いて、当該コンベヤ装置の運転を停止してもよく、或いは同じ運転速度で継続運転させてもよい。
【0022】
請求項6に係る横型製袋充填包装機は、請求項1又は請求項2に係る横型製袋充填包装機において、
前記清掃運転モードにおいて、請求項1を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置低速清掃速度、請求項2を引用する場合の前記製品供給コンベヤ装置及び前記シャトルコンベヤ装置の低速清掃速度、を任意の速度に変更、又は複数の速度の中から選択可能であるとすることができる。
変更・選択される速度としては、例えば、当該コンベヤ装置の低速清掃速度をデフォルト速度、更に遅い速度、或いは停止にも変更可能とすることができる。また、デフォルト速度に対して任意の速度(%割合)に設定することができる。当該コンベヤ装置の速度を低速清掃速度よりも更に遅い速度、或いは停止モードに変更して当該コンベヤ装置の念入りな清掃を行うことができる。
【0023】
請求項7に係る横型製袋充填包装機は、請求項1又は請求項2に係る横型製袋充填包装機において、前記清掃運転モードが選択されたことに応じて、前記横型製袋充填包装機が前記清掃運転モードで運転中であることを表示する表示手段を配設することができる。
表示手段によって横型製袋充填包装機が清掃運転モードで運転中であることを表示することで、当該オペレータ、或いは他のオペレータが、横型製袋充填包装機の運転モードを認識・確認をすることができる。表示手段の例としては、ランプやディスプレイのような光学的表示、或いは警報音のような音響的表示とすることができる。
【0024】
請求項8に係る横型製袋充填包装機は、請求項1又は請求項2に係る横型製袋充填包装機において、前記製品供給コンベヤ装置は、前記製品の後部を支持して搬送するプッシャアタッチメントが所定の間隔で取り付けられ、両端のスプロケットにより支持・駆動される無端チェーンから構成されているチェーンコンベヤであるとすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による製品供給コンベヤ装置の清掃に適した横型製袋充填包装機によれば、制御装置においては、オペレータが製品供給コンベヤ装置(負荷モニター機能が製品供給コンベヤにのみ備わる請求項1を引用する場合の当該製品供給コンベヤ)又は製品供給コンベヤ装置及びシャトルコンベヤ装置(負荷モニター機能が製品供給コンベヤ及びシャトルコンベヤ装置に備わる請求項2を引用する場合の当該製品供給コンベヤ及びシャトルコンベヤ装置)を清掃しようとするときには、通常の包装運転速度よりも充分遅い低速清掃速度で製品供給コンベヤ装置又は製品供給コンベヤ装置及びシャトルコンベヤ装置(以下、当段落において、シャトルコンベヤ装置が併記されるときも「製品供給コンベヤ装置」と略記する)を運転する清掃運転モードを選択することができる。清掃運転モードにおいては、低速清掃速度で製品供給コンベヤ装置を運転することにより、手動で製品供給コンベヤ装置を移動させる労力を費やす必要がなく、また、清掃中の製品供給コンベヤ装置がオペレータに対して安全上の危惧を生じさせることがない。更に、駆動源によって製品供給コンベヤ装置を運転させる中で清掃をすることができ、製品供給コンベヤ装置が回っていて目の前で清掃箇所が順次移動していく方が清掃しやすいというオペレータの効率的な清掃の求めに応じることができる。このように、製品供給コンベヤ装置を通常の運転速度よりも充分低速の低速清掃速度で運転するので、オペレータは、製品供給コンベヤ装置の清掃作業を安全裏に且つ少ない手間で行うことができる。
この横型製袋充填包装機においては、製品供給コンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わる負荷モニター機能を利用して当該駆動モータに働く負荷をモニターすることが可能であるので、駆動モータに備わる負荷モニター機能による負荷の検出レベルを充分に低く下げたレベルに設定することにより、製品供給コンベヤ装置の低速運転中に遭遇した負荷の上昇が小さいものであっても、そのことが駆動モータのモニター機能によってモニターされたときには、製品供給コンベヤ装置の運転を直ちに停止させることができる。これにより、低速清掃速度で運転されている製品供給コンベヤ装置を清掃中のオペレータが製品供給コンベヤ装置に触れる等によって、軽い負荷でも通常とは異なる負荷であるときには、直ちに駆動モータを駆動停止にして製品供給コンベヤ装置を停止させるので、オペレータが安全裏にコンベヤ装置の清掃を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による横型製袋充填包装機の制御装置の一例を示すブロック図である。
図2図1に示す制御装置によって行われるコンベヤ装置の制御の一例を示すフロー図である。
図3図3は、図1に示す横型製袋充填包装機に用いられる表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図4】本発明が適用可能な横型製袋充填包装機の一例を概略的に示す斜視図である。
図5図4に示す横型製袋充填包装機に対応した概略図である。
図6図4に示す横型製袋充填包装機のエンドシール装置とシャトルコンベヤ装置の一例を拡大して示す側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明による横型製袋充填包装機の実施例について、以下に、図を参照して説明する。図4は、本発明が適用可能な横型製袋充填包装機の一例を概略的に示す斜視図である。横型製袋充填包装機1は、その中央上部に、包装材ロール(図示せず)を支持するとともに包装材ロールから帯状包装材を引き出して下流側に送り出す包装材繰り出し装置2を備えている。包装材繰り出し装置2は、帯状包装材を巻き取った包装材ロールを支持する巻取りホルダ3a、帯状包装材を挟み込んで送り出す包装材送りローラ3b、帯状包装材に掛かる張力を一定に保つクッションローラ3c、及び後述する製筒器への包装材進入角度と距離を整えるテンションローラ3dを備えているが、それぞれ横型製袋充填包装機おいて周知の構造であるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0028】
横型製袋充填包装機1は、また、帯状包装材を略筒状に曲成する製筒器(フォーマ)4と、製筒器4によって曲成された包装材内に包装対象物である製品を等ピッチで順次送り込む製品供給コンベヤ装置5を備えている。製品供給コンベヤ装置5それ自体は、従来のものと同様、無端チェーンに所定の間隔でプッシャアタッチメントが取り付けられたコンベヤ装置であり、駆動モータで駆動される。製筒器4を通過した略筒状の包装材の送り方向は、水平方向、即ち、横型製袋充填包装機1で言うところの横方向となっている。製品供給コンベヤ装置5は、上部を覆うカバー類を特に備えていないので、上に向かってオープンな状態にある。横型製袋充填包装機1は、更に、製品供給コンベヤ装置5の略水平延長下流側に、目加工された一組のヒートローラによって略筒状包装材の長手方向に延びる重合側縁部分にセンターシールを施して、帯状包装材を筒状包装材に成形するセンターシール装置6を備えている。センターシール装置6の下流には、目加工された一組のヒータとカッタを備えていて、筒状包装材に対して横断方向に接離可能であって筒状包装材に接触してエンドシールを施すエンドシール装置7と、製造された包装体(ピロー包装体)を包装機外の箱詰め装置等に搬出するベルト搬送式の包装体搬出装置8が配設されている。エンドシール装置7は、製品を筒状包装材の送り方向前後に挟む位置において当該筒状包装材に対して、例えばボックスモーション動作で接近・離間し、筒状包装材に接触してエンドシールを施す。
【0029】
センターシール装置6、エンドシール装置7及び包装体搬出装置8には、それぞれの装置を上側から覆う安全カバー6a,7a,8aが設けられている。オペレータは、安全カバー6a,7a,8aにそれぞれ付いている取っ手6b,7b,8bを握って上下に操作することで、安全カバー6a,7a,8aの開閉操作をすることができる。通常の包装動作では、センターシール装置6、エンドシール装置7及び包装体搬出装置8は相当の速度で動作しているので、オペレータへの安全を図り更に異物の混入を回避するため、安全カバー6a,7a,8aは閉じられている。センターシール装置6、エンドシール装置7の清掃をするときには、安全カバーカバー6a,7aを各ヒンジ回りに回動させて開状態とすることで、オペレータは各コンベヤ装置6,7を目視して汚れ等の確認をすることができる。なお、包装体搬出装置8は、ベルトコンベヤ式ではあるが、製品カスで汚れる可能性が低く且つ個別的に清掃可能でもあるので、ここでは横型製袋充填包装機における清掃対象としてのコンベヤ装置には含めない。
【0030】
図5は、図4に示す横型製袋充填包装機に対応しており、製品を供給して包装材で製品を包装している状態を示す横型製袋充填包装機の概略図である。図5(a)は横型製袋充填包装機の側面から見た概略図であり、図5(b)は横型製袋充填包装機の上面から見た概略図である。包装材繰り出し装置2は、巻取りホルダ3aに支持されている包装材ロールFrから帯状包装材Fwを繰り出しており、紙送り用サーボモータ3eから適宜の伝動機構を介して駆動される包装材送りローラ3bによって帯状包装材Fwを挟み込んで製筒器4に向かって送り出す。図4及び図5を参照すると、横型製袋充填包装機1は、連続動作型の包装機であって、横方向に連続的に移送される帯状包装材Fwから筒状包装材Ftを形成しつつその内部に製品Pを送り込み、袋包装体であるピロー包装体Bpを連続して製造する包装機である。帯状包装材Fwは、製筒器(フォーマ)4によって、当該包装フィルムFwの両側縁部分(重合部分)fe,feが互いに引き寄せられて略筒状になるまで曲成される。
【0031】
製筒器4を通過して略筒状に曲成された帯状包装材Fwは、センターシール装置6を通過し、その際に重ね合わされた両側縁部分fe,feにセンターシールが施されることで筒状包装材Ftに成形される。センターシール装置6は、包装材の送り上流側から順に、紙引きローラ部10と、その後流側の直後に配設されている加熱用のバーヒータ部30と、目付ローラ部20とを備えている。本実施例では、センターシール装置6は、紙引き装置を兼ねている。紙引きローラ部10は目加工された一組の紙引きローラ11,12を備えており、ローラ11,12は、紙引き用サーボモータ13からの駆動力の供給を受けて、互いに逆方向に同期した速度で回転される。紙引きローラ11,12の周面間に、略筒状に曲成された帯状包装材Fwの重ね合わされた両側縁部分fe,feが挟み込まれる。帯状包装材Fwは、両側縁部分fe,feが紙引きローラ11,12から作用する引っ張り力を受けて紙引きされ、後続のバーヒータ部30に送られる。
【0032】
加熱用のバーヒータ部30は、帯状包装材Fwの両側縁部分fe,feを間に挟むように近接する一対のバーヒータ31,32を備えており、両側縁部分fe,feを輻射熱により加熱する。バーヒータ部30の下流側には、目付ローラ部20が配設されている。目付ローラ部20は、目加工された一組の目付ローラ21,22を備えており、目付ローラ21,22は目付ローラ用サーボモータ23からの駆動力の供給を受けて互いに逆方向に同期した速度で回転される。紙引き用サーボモータ13と目付ローラ用サーボモータ23とは、紙引きローラ部10と目付ヒータ部20のそれぞれのローラ周速が等しくなるように制御される。帯状包装材Fwの紙送りが長時間停止するようなときに、包装材の焼付きを防止するため、バーヒータ部30は、バーヒータ31,32を互いに接近・離間させるための開閉用機構(図示せず)を備えているのが好ましい。目付ローラ21,22には発熱手段(ヒータ)が埋設されていないが、バーヒータ31,32により加熱された両側縁部分fe,feを加圧することでセンターシールを完成し、曲成された包装フィルムFwは筒状包装フィルムFtに成形される。
【0033】
センターシール装置6の後流にはエンドシール装置7が配設されている。エンドシール装置7は、送込み方向前後に連なる包装物P,P間において、筒状包装材Ftにエンドシールを施すことで袋Bのエンドシール部Seを形成する。こうした工程を経て、包装物Pが袋内に封入されたピロー包装体Bpが順次製造される。エンドシール装置7には、エンドシール部Seにおいて包装フィルムを切断するカッタ(周知のものであり、ここでは図示せず)を組み込むことで、ピロー包装体Bpを個々に分離することができる。
【0034】
図6は、図4に示す横型製袋充填包装機のンドシール装置とシャトルコンベヤ装置の一例を拡大して示す側面概略図である。図6に示すように、エンドシール装置7は、センターシール装置6による連続的な紙送りが行われている筒状包装材Ftに対してボックスモーション的に開閉駆動される直動型のエンドシーラ7c,7dを有している。エンドシーラ7c,7dは、上側と下側のヒータブロックであって、閉じ動作のときに、上下方向から筒状包装材Ftに接近し、筒状包装材Ftを挟み込みながら筒状包装材Ftとともに移動する中で加圧・加熱して筒状包装材Ftにエンドシールを施し、その後、開き動作で筒状包装材Ftから上下方向に離間する。シャトルコンベヤ装置40は、中間コンベヤ装置41と包装体搬出コンベヤ装置42とが互いに関連する動作をする組のコンベヤ装置として構成されており、ボックスモーション動作をするエンドシール装置7の前後で製品Pを内部に収容した筒状包装材Ftを渡り移動させる機能を奏する。シャトルコンベヤ装置40において、中間コンベヤ装置41と包装体搬出コンベヤ装置42とは、それぞれ、シャトルコンベヤ用サーボモータ43から適宜の伝動機構44を介して駆動される駆動プーリ45,46と、コンベヤ搬送方向に互いに接近・離間する渡りプーリ47,48と、渡りプーリ47,48の接近・離間に応じて動滑車のように移動する中間プーリ49,50と、その他の位置固定のガイドプーリ51,52を備えている。渡りコンベヤ装置41と包装体搬出装置42においては、それぞれ、これらプーリ45,47,49,51;46,48,50,52にコンベヤベルト53,54が図示のように巻き掛けられている。
【0035】
図6(a)は、エンドシール装置7のエンドシーラ7c,7dが筒状包装材Ftに接近してエンドシールを施す状態を示している。この状態では、渡りプーリ47,48が離間した状態にあり、その間を通してエンドシーラ7c,7dの筒状包装材Ftへの接近・離間を許容している。シャトルコンベヤ41,42の各プーリは、中央位置に対して、丁度、対称配置の状態にある。駆動プーリ45,46によってシャトルコンベヤ41,42の各コンベヤベルト53,54は同じ速度で移動する。
【0036】
図6(b)はエンドシール装置7のエンドシーラ7c,7dが筒状包装材Ftから離間して筒状包装材Ftの通過を許容している状態を示している。エンドシールを施した後、エンドシーラ7c,7dが筒状包装材Ftから離間すると、中間コンベヤ装置41と包装体搬出コンベヤ装置42の渡りプーリ47,48が接近して、製品P入りの筒状包装材Ftをコンベヤベルト53,54に載せて中間コンベヤ装置41から包装体搬出コンベヤ装置42へと移動させる。シャトルコンベヤ用サーボモータ43の駆動に加えて、中間プーリ49,50と渡りプーリ47,48が搬送方向に平行な方向に移動制御され、その結果、渡りプーリ47,48は、互いに接近した状態で搬送方向に移動(動滑車の原理に従って、中間プーリ49,50の移動速度の倍速で移動)して製品P入りの筒状包装材Ftの渡り状態のベルト搬送を許容している。製造されたピロー包装体Bpは、包装体搬出コンベヤ装置42から包装体搬出装置8に渡されて包装機外へ搬出される。
【0037】
図1は、本発明のよる横型製袋充填包装機に備わる制御装置の一例を示すブロック図である。図1に示すように、制御装置60は、横型製袋充填包装機において駆動される各種の装置のタイミングや運転速度等を制御する。各装置において制御する具体的な制御対象は、それぞれの装置におけるタイミングや、位置及び速度の制御に適している駆動モータ(例えば、サーボモータ)である。制御装置60においては、運転モード制御部61として、包装材繰り出し装置2、製品供給コンベヤ装置5、センターシール装置6、エンドシール装置7、シャトルコンベヤ装置40及び包装体搬出装置8を包装速度から定められるタイミングや運転速度等で運転する通常運転モード制御部62と、包装運転速度よりも充分遅い速度であって、コンベヤ装置である製品供給コンベヤ装置5やシャトルコンベヤ装置40を清掃に適した速度で運転する清掃運転モード制御部63とが備わっており、オペレータがいずれかの運転モードを選択することができる。
【0038】
制御装置60への入力要素の一つとして、運転モード選択手段70がある。モード選択手段70においては、オペレータは、横型製袋充填包装機1が行う運転モードとして、通常運転モードか清掃運転モードかの選択を行う。モード選択手段70において選択された運転モードが制御装置60の運転モード指定部64に入力される。運転モード指定部64は、入力された運転モードに応じて運転モード制御部61に指定信号を送り、制御動作を行う運転モード制御部(通常運転モード制御部62、又は清掃運転モード制御部63)を定める。清掃対象となるコンベヤ装置としては、製品供給コンベヤ装置5やシャトルコンベヤ装置40のうち、一方のコンベヤ装置又は両方のコンベヤ装置を選択可能である。センターシール装置6やエンドシール装置7のようなシール装置については、運転を停止したままとしても、コンベヤ装置5、40と同期した低速清掃速度で運転してもよい。
【0039】
制御装置60への別の入力要素として、上記の清掃運転モードにおける清掃対象コンベヤ装置と清掃運転速度との組合せ等を詳細に設定する清掃設定手段71がある。清掃設定手段71において設定された詳細な設定内容が制御装置60における設定記憶手段65に記憶される。モード選択手段70において清掃運転モードが選択される場合に、清掃設定手段71において清掃運転モードでの清掃対象となるコンベヤ装置や清掃運転速度等の組合せ選択されると、選択された情報は運転モード指定部64から運転モード制御部61にも送られ、運転モード制御部61は、その設定内容を設定記憶手段65から呼び出すことができる。
【0040】
清掃運転モードではコンベヤ装置の運転速度は低速清掃速度であるので、オペレータは、基本的には安全にコンベヤ装置を清掃することができる。清掃中のオペレータ自身が触れる、又は清掃具が引っかかる等の万一の事態に対処するため、コンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わっている負荷モニター機能が利用される。即ち、サーボモータ等の駆動モータに備わる既存の負荷モニター機能について、その負荷検知レベルを充分低い検知レベルにソフトウェア的に設定変更するなどして、当該駆動モータに働く僅かな負荷であってもこれをモニター可能とする。当該負荷モニター機能の検出レベルを低負荷レベルに下げることにより、低速清掃速度で運転されているコンベヤ装置を清掃しているオペレータが当該コンベヤ装置に触れる等によって、通常とは異なる一定以上の負荷がモニター機能によって認識されるときには、軽い僅かな負荷であっても一定の負荷がコンベヤ装置に掛かったものとして、直ちに駆動モータの駆動を停止させてコンベヤ装置を停止させる。
【0041】
制御装置60への他の入力要素として、製品供給コンベヤ装置5とシャトルコンベヤ装置40に運転負荷、具体的には、各コンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わる負荷モニター機能72(駆動モータに流れる電流、生じているトルクをモニター可能)を利用し、制御装置60では、駆動モータに備わる負荷モニター機能72のモニター情報を負荷判定部66で受けて、その判定結果が入力される運転モード制御部61において当該判定結果に応じてコンベヤ装置の運転、即ち、当該コンベヤ装置を駆動する駆動モータを制御する。負荷判定部66での運転負荷の判定レベル(負荷モニター機能の負荷検出レベル)についてはソフトウェア的に充分低いレベルに設定することで、僅かに増大した負荷を検出する場合もコンベヤ装置の運転を停止して、オペレータによるコンベヤ装置の清掃の安全を図るのが好ましい。
【0042】
シャトルコンベヤ装置40の清掃については、センターシール装置6及びエンドシール装置7に備わる安全カバー6a,7aを開放して内部を目視可能とする必要がある。そこで、制御装置60への別の入力要素として、安全カバー6a,7aの開閉を検知する安全カバー開閉センサ73が設けられている。安全カバー開閉センサ73の検知信号は、制御装置60において、カバー開閉判定部67に入力される。カバー開閉判定部67の判定結果は、運転モード制御部61に入力される。通常運転モードでは、いずれかの安全カバー6a,7aが開放されている場合には、危険回避のため通常運転動作ができないように包装機1を設定することができるが、清掃運転モードでは、コンベヤ運転速度が低速であるので、カバー開閉判定部67で安全カバー6a,7aが開放されていると判定される場合には、シャトルコンベヤ装置40を清掃運転モードで運転させる(或いは運転を可能とするべく、別の操作スイッチでシャトルコンベヤ装置の運転・停止を操作させる)ことができる。また、安全カバー6a,7aの開閉で以てシャトルコンベヤ装置40の清掃運転モードの運転・停止させるように連動させれば、安全カバー6a,7aにシャトルコンベヤ装置40の運転・停止というスイッチの役目を持たせることもできる。
【0043】
清掃運転モードでは、清掃の対象とされるコンベヤ装置は、通常運転モードでの運転速度よりも充分低い低速清掃速度で運転される。低速清掃速度については、複数の速度レベルに設定可能である(後述する表示装置の表示画面を参照)。清掃運転モードでは、通常運転速度よりも充分低速の清掃速度でコンベヤ装置を運転するので、オペレータは、当該運転されているコンベヤ装置の清掃作業を安全裏に行うことができる。また、オペレータによっては、コンベヤ装置が作動していて、目の前で清掃箇所が順次移動していく方が清掃しやすいという求めがあるので、駆動モータによってコンベヤ装置を低速で運転させつつ清掃をすることができる。清掃運転モードでのコンベヤ装置の清掃に適した速度とは、一般には包装運転速度よりも充分遅い低速清掃速度であり、清掃に特別に時間が掛かりそうな場合にはコンベヤ装置を停止させることを含むことができる。
【0044】
図2は、図1に示す制御装置によって行われるコンベヤ装置の制御の一例を示すフロー図である。以下、図1図4図6に示す装置構成については、適宜、符号と共に引用して説明する。図2に示す例によれば、横型製袋充填包装機1の電源投入をして制御フローがスタートすると、先ず、包装機1の運転モードの選択(モード選択手段70による選択)がなされたか否かが判定される(ステップ1;「S1」と略す。以下同じ)。運転モードの選択がなされていなければ、待機状態に移行して、運転モードが選択されるのを待つ。S1において包装機1の運転モードの選択がなされたと判定された場合には、選択された運転モードが通常運転モードであるか、清掃運転モードであるか(運転モードの指定)が判定される(S2)。S2における選択運転モードが通常運転モードである場合には、制御装置60では製品の包装を行うため、通常運転モード制御部62が各装置を制御する(S3)。S3における通常運転モードの詳細については、包装機1において自明のものであり、ここでは説明を省略する。
【0045】
S2における選択運転モードが清掃運転モードである場合には、オペレータが選んだ清掃すべきコンベヤ装置がいずれのコンベヤ装置であるのかに応じて制御が設定される(S4)。制御装置60ではコンベヤ装置の清掃のために、清掃運転モード制御部63が各装置を制御する。清掃すべきコンベヤ装置は両方のコンベヤ装置5,40である可能性はあるが、現実的にもまた説明を簡単にするためにも、一つずつ順次に清掃されるものとして説明する。清掃すべきコンベヤ装置が安全カバーで覆われているコンベヤ装置であるか否かが判定される(S5)。安全カバーを有していないコンベヤ装置(製品供給コンベヤ装置5)である場合には、製品供給コンベヤ装置5が低速清掃運転速度で運転され、その間にオペレータが製品供給コンベヤ装置5の清掃を実行する(S6)。
【0046】
S5の判定が「有り」の場合、清掃運転モードにあって、安全カバーを有しているコンベヤ装置(シャトルコンベヤ装置40)の安全カバー6a又は7aが開けられたか否かが判定される(S7)。安全カバーが開放されていなければ、清掃の準備ができていないと判断されて、シャトルコンベヤ装置40の運転を停止(S14)させて、安全カバーが開放されるのを待つ。安全カバーが開放されている場合には、低速清掃速度での運転が実行される(S8)。逐次、安全カバーの開閉を判定することにより、安全カバーの開閉とシャトルコンベヤ装置40の低速清掃速度での運転・停止とを連動させることができる。
【0047】
いずれのコンベヤ装置であっても、低速清掃速度で運転されているときには、そのコンベヤ装置に掛かる負荷を、当該コンベヤ装置を駆動する駆動モータに備わる負荷モニター機能72でモニターして、モニターされた負荷が設定された負荷レベル(閾値)を越えているか否かが判定される(S9;負荷判定部66による判定)。モニターされた負荷が設定された負荷レベルを越えている場合には、当該コンベヤ装置に掛かる負荷が僅かであっても一定以上であるとしてその運転を停止する(S11)。過大負荷の原因が除かれたか否かの入力を待つ(S12)。S12の判定で原因が除かれれば、S8に戻って、低速清掃速度での運転が実行される。負荷モニター機能72でモニターされた負荷が設定された負荷レベル(閾値)を越えていない場合には、清掃運転モードを終了するか否かが判定される(S10)。清掃運転モードが終了される場合には、清掃運転モードに入っていたコンベヤ装置の運転を停止し、通常運転モードにおける運転開始の基準位置まで復帰運転させてから停止する(S13)。このようにすることで、通常運転モードの運転開始時には、コンベヤ装置のポジションは基準位置を占めていることになり、通常の運転モードにスムーズに移行することができる。S10の判定において、清掃運転モードが終了でない場合には、S5に戻って、安全カバーが開放状態のままであることを条件にして、低速清掃速度での運転が継続される。
【0048】
図3は、図1に示す横型製袋充填包装機に用いられる表示装置の表示画面の一例を示す図である。表示装置は、包装機1に備わっており、諸設定をするときに用いる或いは包装機1の運転状態を示すモニターとすることができる。表示装置の表示画面80には、清掃運転モードにおいて、清掃の対象とするコンベヤ装置を選択することができる。チェックボックス等にマークを入れることで、一方又は両方のコンベヤ装置を選択可能である。表示画面80には、また、選択したコンベヤ装置の低速清掃速度を希望する速度に変更可能である。速度の変更は、清掃開始前に指定するか、或いは清掃中であっても可能にすることができる。低速清掃速度をデフォルト速度、更に遅い速度、或いは停止モードの中から選択可能であり、また、デフォルト速度に対する割合を変更することで、任意の速度にも変更可能である。コンベヤ装置の速度を低速清掃速度よりも更に遅い速度、或いは停止モードに変更するときは、コンベヤ装置の念入りな清掃を行うことができる。なお、図示はしていないが、コンベヤ装置の速度を低速清掃速度よりも若干速い速度に変更することで、清掃の必要のない箇所を比較的に速い速度で移動させることも可能である。
【0049】
横型製袋充填包装機1において、コンベヤ装置に働く負荷を駆動モータのモニター機能によってモニターして、一定以上の負荷をモニターしたときには、安全のために、直ちにコンベヤ装置を停止させることが好ましい。コンベヤ装置に働く負荷は、この負荷モニター機能により、駆動モータに負荷の反作用として現れる駆動電流や駆動トルクの増加としてモニター可能である。表示装置の表示画面80においては、清掃運転モードを選択する場合に、負荷の検出レベルを幾つかのレベルとして設定することができる。また、任意の負荷レベルにも設定可能とすることができる。
【0050】
横型製袋充填包装機1には、包装機1が清掃運転モードで運転中であることを表示する表示手段を配設することができる。表示手段によって横型製袋充填包装機が清掃運転モードで運転中であることを表示することで、包装機1の周囲に居るどのオペレータも、横型製袋充填包装機が清掃運転モードで運転されていることを認識・確認することができる。表示手段の例としては、ランプやディスプレイのような光学的表示、或いは警報音のような音響的表示とすることができる。表示画面80では、「点灯時 清掃運転中」である旨を表示する例が示されている。各コンベヤの駆動モータの負荷をモニタリングし、低速回転時の負荷よりも僅かに高い負荷を検出レベルとして閾値に設定し、清掃運転モードのときには、ブザー等の表示手段で周囲のオペレータに注意喚起をし、少しでも閾値を上回る負荷がモニターされればコンベヤ装置を停止する。このようにすることで、コンベヤ装置を覆う安全カバーがある場合には当該安全カバーを開放した状態であっても、安全を確保しながらコンベヤ装置の清掃を行うことができる。なお、上記実施例では、製品供給コンベヤ装置5は、上部を覆う安全カバー類を特に備えておらず、上に向かってオープンな状態に描かれているが、背景技術として従来の横型製袋充填包装機について説明しているように、製品供給コンベヤ装置5についても衛生上又は安全上の観点からその上部を安全カバーで覆うことが好ましいことがあり、その場合には、制御装置60は、製品供給コンベヤ装置5に設けた安全カバーについても、シャトルコンベヤ40に設けた安全カバー6a,7aについてする制御と同様の制御をしてもよいことは明らかである。
【符号の説明】
【0051】
1 横型製袋充填包装機 2 包装材繰り出し装置
3a 巻取りホルダ 3b 包装材送りローラ
3c クッションローラ 3d テンションローラ
3e 紙送り用サーボモータ
4 製筒器(フォーマ) 5 製品供給コンベヤ装置
6 センターシール装置
7 エンドシール装置 7c,7d エンドシーラ
8 包装体搬出装置
6a,7a,8a 安全カバー 6b,7b,8b 取っ手
10 紙引きローラ部 11,12 紙引きローラ
13 紙引き用サーボモータ
20 目付ローラ部 21,22 目付ローラ
23 目付ローラ用サーボモータ
30 バーヒータ部 31,32 バーヒータ
40 シャトルコンベヤ装置 41 中間コンベヤ装置
42 包装体搬出コンベヤ装置 43 シャトルコンベヤ用サーボモータ
44 伝動機構 45,46 駆動プーリ
47,48 渡りプーリ 49,50 中間プーリ
51,52 ガイドプーリ 53,54 コンベヤベルト
60 制御装置 61 運転モード制御部
62 通常運転モード制御部 63 清掃運転モード制御部
64 運転モード指定部 65 設定記憶手段
66 負荷判定部 67 カバー開閉判定部
70 運転モード選択手段 71 清掃設定手段
72 モータ負荷センサ 73 安全カバー開閉センサ
80 表示画面
Fr 包装材ロール Fw 帯状包装材
fe,fe 両側縁部分 Ft 筒状包装材
B 袋 P 製品
Bp ピロー包装体
図1
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図3
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図6