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特許7341443触感を提供する成人向けコンテンツ用VR装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】触感を提供する成人向けコンテンツ用VR装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20230904BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20230904BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20230904BHJP
   G06F 3/038 20130101ALI20230904BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/01 560
G06F3/04815
G06F3/0346 423
G06F3/038 310A
G06F3/041 480
G06F3/041 600
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023021534
(22)【出願日】2023-02-15
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0143468
(32)【優先日】2022-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522358250
【氏名又は名称】キム,テウォン
【氏名又は名称原語表記】KIM,TAE WON
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100163902
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 奈月
(72)【発明者】
【氏名】キム,テウォン
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-244558(JP,A)
【文献】特開平08-257947(JP,A)
【文献】特開2015-212946(JP,A)
【文献】特開2018-113025(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0157317(US,A1)
【文献】特開2017-188007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/04815
G06F 3/0346
G06F 3/038
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HMD(Head Mounted Display)方式のディスプレイ部と、
タッチモジュールと、
前記ディスプレイ部及び前記タッチモジュールの動作を制御する制御部と、
ユーザの手に着用されて、前記ユーザの手の位置移動をセンシングするタッチモジュールコントローラ部と、を含み、
前記タッチモジュールは、
シリコン素材からなる複数のカラム状素子と、
前記複数のカラム状素子が配置されるベースと、
前記制御部の制御の下、前記複数のカラム状素子それぞれの高さを調節する駆動部と、
前記複数のカラム状素子それぞれを介して前記ベースに加えられる圧力をセンシングするセンシング部と、
前記制御部の制御の下、前記圧力に対応して前記複数のカラム状素子それぞれに発生する反発力を調節する減衰部と、
ガス噴射部と、を含み、
前記制御部は、
前記タッチモジュールコントローラ部を介してセンシングされた前記ユーザの手の位置に基づいて、前記ディスプレイ部を介してディスプレイされている映像内で前記手の動きを示す第1オブジェクトをディスプレイし、
前記第1オブジェクトが前記映像内で第2オブジェクトにオーバレイ(overlay)されたら、前記第1オブジェクトがオーバーレイされた前記第2オブジェクトの第1領域の外形に対応して前記複数のカラム状素子の高さが調節されるように前記駆動部を制御し、
前記第1オブジェクトが前記第1領域にオーバレイされ、前記ユーザから前記複数のカラム状素子を第1圧力で加圧する動きが感知されたら、前記第1領域で前記第1圧力と予めマッピングされた第1反発力が発生され、前記第2の反発力が前記ユーザの手に伝達するように前記減衰部を制御し、前記映像内で前記第2オブジェクトの反応に関する少なくとも一つの第1イベントを出力し、
前記第1イベントは、前記ガス噴射部からガスが噴射されたイベントを含み、
前記タッチモジュールは、
複数のサブタッチモジュールと、
前記複数のタッチモジュールを連結する連結部材と、を含み、
前記連結部材は、伸縮可能であり、
前記ユーザが両手で前記タッチモジュールにタッチすると、前記制御部は、前記ユーザの手の位置に基づいて、前記複数のサブタッチモジュールの位置を調整する
VR(Virtual Reality)装置。
【請求項2】
前記ベースは円筒状に形成され、
前記複数のカラム状素子それぞれは前記ベースの内側面から中心に向かうように前記ベースに配置される
請求項1に記載のVR装置。
【請求項3】
前記第1イベントは、
前記第2オブジェクトに関するキャラクタが音声を発話するイベントと、
前記第2オブジェクトに関するキャラクタが前記第1領域に関する身体部位を動かすイベントと
からなる群より選択される少なくとも一つ以上をさらに含む
請求項1に記載のVR装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は触感を提供する成人向けコンテンツ用VR装置に関し、詳しくは、ユーザが手で操作することができ、触感を感じることができるタッチモジュールを含む成人向けコンテンツ用VR装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実(Virtual Reality)技術の発展によってVRアトラクション市場が活性化されるにつれ、多様なゲームや教育訓練システムが開発されている。従来のVR装置は、HMD(Head Mounted Display)方式のディスプレイ部と、ディスプレイ部を介してディスプレイされているゲームなどを操作するためのパッドなどが提供されていた。しかし、従来のVR装置はユーザが仮想現実を体験するのに十分な経験を提供することができなかった。
【0003】
それを解決するために、近来はパッド以外にも多様な追加装置が開発されている。追加装置の一例として、ハンドル型装置、ユーザが乗ることができる搭乗型装置、ユーザが床を踏むことができる足場装置、またはユーザが座ることができる椅子型装置などが存在する。
【0004】
追加装置の他の一例として、ユーザが着用可能なグラブ型装置が存在する。グラブ型装置はユーザの手に着用されて、手の動きを仮想現実で表現する。グラブ型装置は上述した他の装置に比べ保管に要求される空間が少ないため、相対的に容易に商用化されると予想される。しかし、グラブ型装置は手の動きが仮想現実で表現されるだけであって、ユーザの触覚による経験を充足することができないという短所がある。よって、ユーザの触覚を満足するVR装置の技術が開発される必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国登録特許公報 第10-2022-0049891号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は上述した背景技術に対応して案出されたものであって、ユーザの触覚による経験を充足するVR装置を提供しようとする。
【0007】
本発明の技術的課題は上述した技術的課題に限らず、言及されていない他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述したような課題を解決するための本開示の一実施例によってVR(Virtual Reality)装置が開示される。前記VR装置は、HMD方式のディスプレイ部と、シリコン素材からなり、高さが調節される複数のカラム状素子を含むタッチモジュールと、前記複数のカラム状素子を介したユーザからの入力による少なくとも一つのイベントが前記ディスプレイ部を介してディスプレイされている映像に出力されるように前記ディスプレイ部及び前記タッチモジュールの動作を制御する制御部と、を含む。
【0009】
また、前記タッチモジュールは、前記複数のカラム状素子が配置されるベースを含み、前記ベースは、前記複数のカラム状素子それぞれの下方に備えられて、前記複数のカラム状素子に対するユーザの加圧を感応するタッチパネルと、前記制御部の制御の下、前記複数のカラム状素子それぞれの高さを調節する駆動部と、を含む。
【0010】
また、前記タッチモジュールは、前記複数のカラム状素子それぞれを介して前記ベースに加えられる第1圧力をセンシングするセンシング部と、前記制御部の制御の下、前記第1圧力に対応して前記複数のカラム状素子それぞれに発生する反発力を調節する減衰部と、を更に含む。
【0011】
また、前記ユーザの手に着用されて、前記ユーザの手の位置の移動をセンシングするタッチモジュールコントローラ部を更に含み、前記制御部は、前記タッチモジュールコントローラ部を介してセンシングされた前記ユーザの手の位置に基づいて、前記ディスプレイ部を介してディスプレイされている映像内で前記手の動きを示す第1オブジェクトをディスプレイし、前記第1オブジェクトが前記映像内で第2オブジェクトにオーバーレイ(overlay)され、前記ユーザから前記複数のカラム状素子を加圧する動きが感知されたら、前記映像内で前記第2オブジェクトの反応に関する少なくとも一つの第1イベントを出力する。
【0012】
また、前記制御部は、前記第1オブジェクトがオーバーレイされた前記第2オブジェクトの第1領域の外形に対応して前記複数のカラム状素子の高さが調節されるように前記駆動部を制御する。
【0013】
また、前記制御部は、前記第1オブジェクトがオーバーレイされた前記第2オブジェクトの第1領域の外形に対応して前記複数のカラム状素子の反発力が調節されるように前記減衰部を制御する。
【0014】
また、前記減衰部は、前記複数のカラム状素子それぞれに発生する反発力を調節するエアセルと、前記エアセルの空気を注入または排出する空気注入部とを更に含む。
【0015】
また、前記ベースは円筒状に形成され、前記複数のカラム状素子それぞれは前記ベースの内側から中心に向かうように前記ベースに配置される。
【0016】
本開示から得られる技術的解決手段は前記で言及した解決手段に限らず、言及していない他の解決手段は、以下の記載から本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるはずである。
【発明の効果】
【0017】
本開示のいくつかの実施例による、ユーザの触覚による経験を充足するVR装置を提供するようにする。
【0018】
本開示から得られる効果は以上で言及した効果に限らず、言及していない他の効果は、以下の記載から本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示のいくつかの実施例によるVR装置の一例を説明するためのブロック構成図である。
図2】本開示のいくつかの実施例によるタッチモジュールの一例を説明するためのブロック構成図である。
図3】本開示のいくつかの実施例による映像内で少なくとも一つのイベントを出力する方法の一例について説明する図である。
図4】本開示のいくつかの実施例によるサブタッチモジュールを含むタッチモジュールを模式的に示す図である。
図5】本開示のいくつかの実施例による複数のカラム状素子の様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
多様な様相がこれから図面を参照して記載されるが、ここで類似した参照番号は総括的に類似した構成要素を指すのに利用される。以下の実施例において、説明の目的のために、多数の特定の細部事項が一つ以上の様相の総体的な理解を提供するために提示される。しかし、そのような様相(ら)はこのような特定の細部事項がなくても実施し得るということは明白である。他の例示において、公知の構造及び装置が一つ以上の様相の記載を容易にするためにブロック図の形態で示される。
【0021】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるゆえ、特定実施例を図面に例示し、発明を実施するための形態に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解すべきである。各図面を説明しながら、類似した参照符号を類似した構成要素に対して使用している。
【0022】
第1、第2、A、Bなどの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語によって制限されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながらも第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、類似して第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。及び/またはという用語は、複数の関連する記載された項目の組み合わせまたは複数の関連する記載された項目のうちいずれかの項目を含む。
【0023】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されれば、その他の構成要素に直接連結されているか、または接続されていてもよいが、その中間に他の構成要素が存在する可能性もあると理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」されているか「直接接続」されていると言及されれば、その中間に他の構成要素が存在しないと理解すべきである。
【0024】
本出願で使用された用語は単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定する意図はない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0025】
異なるように定義されない限り、ここで使用される技術的か科学的な用語を含む全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているものと同じ用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解析すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的にまたは過度に形式的な意味で解析されない。
【0026】
本開示において、VR装置はユーザが握るかまたは触れることができるタッチモジュールを含む。タッチモジュールは球、半球、または直方体などの形状に形成される。タッチモジュールは高さが調節される複数のカラム状素子を含む。ここで、複数のカラム状素子はユーザの手のひらなどによって加圧される部材である。タッチモジュールは複数のカラム状素子を介して印加される圧力をセンシングする。ユーザは複数のカラム状素子を握るかまたは押すことで、ディスプレイ部を介してディスプレイされている映像内で特定のイベントを行う。例えば、ユーザが複数のカラム状素子を握ったら、映像内でユーザが操作するキャラクタも実際のユーザの行動に対応する。一実施例によると、映像内にはユーザに関する第1キャラクタ以外にも他の第2キャラクタが存在する。タッチモジュールは、第1キャラクタが虚空を握る第1動きと、第1キャラクタが第2キャラクタの身体を握る第2動きにおけるタッチの感度が異なるように複数のカラム状素子を制御する。それによって、ユーザの触覚による経験が増進される。以下、図1乃至図3を介して、本開示によるVR装置について説明する。
【0027】
図1は、本開示のいくつかの実施例によるVR装置の一例を説明するためのブロック構成図である。図2は、本開示のいくつかの実施例によるタッチモジュールの一例を説明するためのブロック構成図である。
【0028】
図1及び図2を参照すると、VR装置100は、制御部110と、ディスプレイ部120と、タッチモジュール130と、タッチモジュールコントローラ部140とを含む。但し、上述した構成要素はVR装置100を具現するのに当たって必須的なものではなく、VR装置100は前記で列挙した構成要素より多いかまたは少ない構成要素を有してもよい。
【0029】
VR装置100はユーザに仮想現実を提供する装置である。VR装置100は、デジタルプロセッサ、携帯用ディバイス、またはディバイス制御器などのような任意のタイプのコンピュータシステムまたはコンピュータディバイスを含む。
【0030】
制御部110は通常VR装置100の全般的な動作を処理する。制御部110は、VR装置100の構成要素を介して入力または出力される信号、データ、情報などを処理するか、保存部(図示せず)に保存されている応用プログラムを駆動することで、ユーザに適切な情報または機能を提供するか処理する。
【0031】
制御部110は一つ以上のコアで構成され、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、汎用グラフィックス処理装置(GPGPU:General Purpose Graphics Processing Unit)、テンソル処理装置(TPU:Tensor Processing Unit)などのデータ分析のためのプロセッサを含む。
【0032】
本開示において、制御部110はディスプレイ部120を介してユーザが仮想現実を経験し得る映像を出力する。また、制御部110は、タッチモジュール130を介してユーザからの入力に対応するイベントを出力する。
【0033】
ディスプレイ部120は、ユーザの頭に着用されてユーザの目の前に直接映像を提供するHMD装置である。HMD装置は、仮想現実(VR)、拡張現実(Augmented Reality、AR)、または複合現実(Mixed or Merged Reality、MR)のうち少なくとも一つを提供する装置である。
【0034】
ディスプレイ部120は、制御部110で処理される情報を表示(出力)する。
本開示のいくつかの実施例によると、ディスプレイ部120はユーザの視線を追跡する視線追跡器(eye tracker)を含む。
【0035】
詳しくは、視線追跡器は、ユーザの瞳の位置に対応するディスプレイ部120上の領域を検出することで、ディスプレイ部120上の特定領域に向かうユーザの視線の方向を感知する。
【0036】
本開示において、視線追跡器は、ユーザの眼球が撮影された画像に基づいてユーザの視線の方向を感知してもよい。一例として、ディスプレイ部120はユーザの眼球を撮影するためのカメラ部を更に含む。視線追跡器は、ユーザの眼球が撮影された画像を利用して瞳の間の距離、目の間の距離、ディスプレイ部120に対する各目の3次元(3D)位置、ねじりと回転の大きさ、及び両眼の視線の方向を決定する。
【0037】
タッチモジュール130は、ユーザからのタッチ入力を認識する。例えば、タッチモジュール130はユーザからのタッチモジュール130を加圧する入力を認識する。タッチモジュール130は球、半球、または直方体などのユーザが握ることができる形状に形成される。ユーザはタッチモジュール130を手に握って自由に移動させる。
【0038】
本開示のいくつかの実施例によると、タッチモジュール130は少なくとも一部が固定された形態であってもよい。
【0039】
詳しくは、タッチモジュール130は蛇腹またはコブラ状の据置台の一端に結合される。蛇腹またはコブラ状の据置台のタッチモジュール130が結合された一端の他端は壁、床、または天井と固定される。それによってタッチモジュール130は少なくとも一部が固定されるが、事前にセットされた範囲内でユーザによって自由に移動される。
【0040】
本開示において、タッチモジュール130は複数個である。例えば、タッチモジュール130は、ユーザが両手にそれぞれ握るように第1タッチモジュール及び第2タッチモジュールを含む。
【0041】
タッチモジュール130は、複数個のカラム状素子131と、ベース132と、センシング部133と、減衰部134とを含む。
【0042】
複数のカラム状素子131は、円柱状または四角柱状に形成されてタッチモジュール130の外形の一部を形成する部材である。複数のカラム状素子131は、タッチモジュール130内でユーザからの直接的なタッチが行われる部材である。複数のカラム状素子131はシリコン素材からなって人の皮膚と類似した質感を有する。
【0043】
ベース132には複数のカラム状素子131が配置される。複数のカラム状素子131のユーザのタッチが行われる一端の他端がベース132と結合されることで、ベース132に配置される。
【0044】
一実施例によって、タッチモジュール130は半球状である。この場合、ベース132はタッチモジュール130の底面を形成する。他の一実施例によって、タッチモジュール130が球状であれば、ベース132は球状に形成されてタッチモジュール130の中心に位置する。複数のカラム状素子131は球状のベース132に直交する形態でベース132に配置される。
【0045】
タッチモジュール130の形状の理解を助けるために図5が参照される。
【0046】
図5を参照すると、タッチモジュール130は、底面を形成するベース132と、ベース132の上方に配置される複数のカラム状素子131とを含む。
【0047】
更に図1及び図2を参照すると、ベース132はタッチパネル1321と駆動部1322とを含む。
【0048】
タッチパネル1321は複数のカラム状素子それぞれの下方に備えられて、複数のカラム状素子131に対するユーザの加圧を感応する。タッチパネル1321は感圧式タッチセンサと理解されてもよい。
【0049】
駆動部1322は制御部110の制御の下、複数のカラム状素子131それぞれの高さを調節する。一例として、駆動部1322は複数のカラム状素子131それぞれの下方に備えられて、複数のカラム状素子131それぞれの高さを調節する。他の一例として、駆動部1322はタッチパネル1321の下方に備えられて、タッチパネル1321及び複数のカラム状素子131それぞれの高さを調節する。
【0050】
駆動部1322は油圧シリンダまたはピストンなどの装置を介して具現される。または、駆動部1322はギヤとモータを利用する構造を介して具現されてもよい。
【0051】
一実施例によると、タッチモジュール130は球、半球、または直方体などの形状である。このようなタッチモジュール130の形状は、複数のカラム状素子131及び駆動部1322によって決定される。
【0052】
例えば、ベース132は円盤状に形成される。複数のカラム状素子131それぞれは円盤状のベース132の上面に配置される。駆動部1322は、複数のカラム状素子のうちベース132の中心に位置する第1カラム状素子が最も高く位置するよう、複数のカラム状素子131それぞれの高さを調節する。駆動部1322は、複数のカラム状素子のうち第1カラム状素子を囲む第2カラム状素子が第1カラム状素子に比べ相対的に低く位置するよう、複数のカラム状素子131それぞれの高さを調節する。そして、駆動部1322は、複数のカラム状素子のうち第2カラム状素子を囲む第3カラム状素子が第2カラム状素子に比べ相対的に低く位置するよう、複数のカラム状素子131それぞれの高さを調節する。このような方式で、タッチモジュール130の外形は半球状に形成される。
【0053】
他の例として、ベース132は円盤状に形成される。複数のカラム状素子131それぞれは円盤状のベース132の上面に配置される。駆動部1322は、複数のカラム状素子のうちベース132の中心に位置する第1カラム状素子が最も低く位置するよう、複数のカラム状素子131それぞれの高さを調節する。駆動部1322は、複数のカラム状素子のうち第1カラム状素子を囲む第2カラム状素子が第1カラム状素子に比べ相対的に高く位置するよう、複数のカラム状素子131それぞれの高さを調節する。そして、駆動部1322は、複数のカラム状素子のうち第2カラム状素子を囲む第3カラム状素子が第2カラム状素子に比べ相対的に高く位置するよう、複数のカラム状素子131それぞれの高さを調節する。このような方式で、タッチモジュール130の外形は窪んだ形状に形成される。
【0054】
タッチモジュール130は、上述した方法によって球、半球、または直方体のような形状に形成される。
【0055】
一実施例によると、ベース132は円筒状に形成されてもよい。複数のカラム状素子131はベース132の内側面から中心に向かうようにベース132に配置される。この場合、複数のカラム状素子131はベース132の内側面から中心に向かう方向に高さが調節される。
【0056】
センシング部133は、複数のカラム状素子131それぞれを介してベース132に加えられる第1圧力をセンシングする。センシング部133は、複数のカラム状素子131を加圧することで発生するユーザからの圧力を測定する圧力センサである。一実施例によると、センシング部133及びタッチパネル1321は一つの装置として具現されてもよい。例えば、タッチパネル1321はユーザの3Dタッチを認識するパネルである。この場合、タッチパネル1321は、ユーザによって複数のカラム状素子131それぞれを介してベース132に加えられる第1圧力をセンシングする。
【0057】
減衰部134は制御部110の制御の下、第1圧力に対応して複数のカラム状素子131それぞれに発生する反発力を調節する。
【0058】
詳しくは、複数のカラム状素子131及びベース132にはユーザからの複数のカラム状素子131を加圧する動きに対応して反発力が発生する。反発力が大きければ、ユーザは堅い物体に触れていると認知する。反発力が小さければ、ユーザはふわふわな物体に触れていると認知する。減衰部134はこのようなユーザの経験を充足するために、制御部110の制御の下、複数のカラム状素子131それぞれに発生する反発力を調節する。
【0059】
本開示において、減衰部134はエアセル及び空気注入部などを含む。減衰部134のエアセルは制御部110の制御の下、空気が注入されるかまたは空気が排出される。エアセルは空気が注入されるかまたは空気が排出されることで反発力が調節される。例えば、エアセルに許容可能な最大容量だけの空気が注入されれば、エアセルは最大の反発力を有する。エアセルに注入された空気が最大容量未満であれば、エアセルの反発力は減る。減衰部134は複数のカラム状素子131またはタッチパネル1321の下方に位置して反発力が調節される。減衰部134は上述したエアセルだけでなく、ばねまたは油圧シリンダによって具現されてもよい。
【0060】
タッチモジュールコントローラ部140はユーザの手に着用されて、ユーザの手の位置の移動をセンシングする。タッチモジュールコントローラ部140はユーザが着用可能なグラブ型のモジュールである。または、タッチモジュールコントローラ部140は、ディスプレイ部120を介してディスプレイされている映像内のキャラクタを操作するためのスティック、ボタン、またはトリガなどを含む。一実施例によると、タッチモジュールコントローラ部140は及びタッチモジュール130は一つの装置を介して具現されてもよい。
【0061】
一方、本開示のいくつかの実施例によると、制御部110は複数のカラム状素子131を介したユーザからの入力による少なくとも一つのイベントがディスプレイ部120を介してディスプレイされている映像に出力されるよう、ディスプレイ部120及びタッチモジュール130の動作を制御する。
【0062】
例えば、制御部110は、ディスプレイ部120を介してディスプレイされている映像に含まれているユーザが操作中の第1キャラクタを決定する。制御部110は、ユーザの現実世界での実際の手の動きと第1キャラクタの手の動きをマッチする。制御部110は、タッチモジュール130を介して複数のカラム状素子131をユーザが握る動作を行ったと決定されたら、映像内の第1キャラクタも手を握る動作を行うように決定する。一実施例によると、映像内で第1キャラクタはディスプレイされなくてもよい。映像内には第1キャラクタの手に関する第1オブジェクトのみディスプレイされてもよい。
【0063】
以下では制御部110がディスプレイ部120にディスプレイされている映像内で少なくとも一つのイベントを出力する方法の一例について説明する。
【0064】
図3は、本開示のいくつかの実施例による映像内で少なくとも一つのイベントを出力する方法の一例について説明する図である。
【0065】
図3を参照すると、VR装置100の制御部110は、タッチモジュールコントローラ部140を介してセンシングされたユーザの手の位置に基づいて、ディスプレイ部120を介してディスプレイされている映像内で手の動きを示す第1オブジェクトをディスプレイするS110。
【0066】
詳しくは、制御部110は、タッチモジュールコントローラ部140を介して現実世界のユーザの手の位置を決定する。制御部110は決定された手の位置に基づいて、映像内で第1キャラクタの手に関する第1オブジェクトの位置を決定する。制御部110は現実世界のユーザの手の位置が移動されたら、手の位置に対応して第1オブジェクトが移動される方式で第1オブジェクトをディスプレイする。
【0067】
制御部110は第1オブジェクトが映像内で第2オブジェクトにオーバーレイされたと決定されたら(Yes)S120、タッチモジュール130を介してユーザから複数のカラム状素子131を加圧する動きが感知されたのか否かを決定する。ここで、オーバーレイされるという意味は、第2オブジェクトがディスプレイされている画面に第1オブジェクトが重なってディスプレイされるという意味で理解される。第2オブジェクトは映像内で第1オブジェクトを除いた他のオブジェクトである。例えば、第2オブジェクトはユーザに関する第1キャラクタ以外の他の第2キャラクタを示すオブジェクトである。キャラクタは人または動物などである。または、第2オブジェクトは映像内に含まれている家具などを示すオブジェクトである。
【0068】
制御部110は、第1オブジェクトが映像内で第2オブジェクトにオーバーレイされたと決定されなければ(No)S120、タッチモジュールコントローラ部140を介してユーザの手の動きをモニタリングする。
【0069】
タッチモジュール130を介してユーザから複数のカラム状素子131を加圧する動きが感知されたら(Yes)S130、制御部110は映像内で第2オブジェクトの反応に関する少なくとも一つの第1イベントを出力するS140。
【0070】
少なくとも一つの第1イベントは第2オブジェクトの反応に関するイベントである。一例として、第2オブジェクトが第2キャラクタに関するオブジェクトであれば、少なくとも一つの第1イベントは第2キャラクタが音声を発話するイベントである。例えば、少なくとも一つの第1イベントは、第2キャラクタが「ああ、うん、おお」のような音声語、「いい、いやだ、速く」のような単語または文を発話するイベントである。他の例として、第2オブジェクトが第2キャラクタに関するオブジェクトであれば、少なくとも一つの第1イベントは第2キャラクタが事前に設定された行動をするイベントである。例えば、少なくとも一つの第1イベントは、第1オブジェクトが第2オブジェクトの上にオーバーレイされた第1領域に関する身体部位を動かすイベントである。もし第1領域に関する身体部位が第2キャラクタの腕であれば、少なくとも一つの第1イベントは第2キャラクタが腕を振り切るイベントである。もし第1領域に関する身体部位が第2キャラクタの頭であれば、少なくとも一つの第1イベントは第2キャラクタが頭を振るイベントである。
【0071】
一方、本開示のいくつかの実施例によると、VR装置100はユーザに嗅覚的体験を提供するためのガス噴射部を更に含む。ガス噴射部は制御部110の制御の下、香りが加味されたガスを噴射する。
【0072】
例えば、制御部110はタッチモジュール130を介してユーザから複数のカラム状素子131を加圧する動きが感知されたら、少なくとも一つの第1イベントとしてガスが噴射されるようにガス噴射部を制御する。
【0073】
一方、本開示のいくつかの実施例によると、制御部110は第1オブジェクトがオーバーレイされた第2オブジェクトの第1領域の外形を決定する。制御部110は第1領域の外形に対応して、複数のカラム状素子131の高さが調節されるように駆動部1322を制御する。
【0074】
一例として、制御部110は第1オブジェクトがオーバーレイされた第2オブジェクトの第1領域を第2キャラクタの頭と決定する。制御部110は頭の形状に対応して、複数のカラム状素子131の高さが調節されるように駆動部1322を制御する。
【0075】
他の一例として、制御部110は第1オブジェクトがオーバーレイされた第2オブジェクトの第1領域を第2キャラクタの腕と決定する。制御部110は腕の形状に対応して、複数のカラム状素子131の高さが調節されるように駆動部1322を制御する。
【0076】
また他の一例として、制御部110は第1オブジェクトがオーバーレイされた第2オブジェクトの第1領域を第2キャラクタの手と決定する。制御部110は手の形状に対応して、複数のカラム状素子131の高さが調節されるように駆動部1322を制御する。それによって、タッチモジュール130を握ったら、ユーザは映像内でディスプレイされている第2キャラクタに実際に触れているような感覚を受ける。
【0077】
例示的な実施例において、第2オブジェクトの第1領域のサイズがタッチモジュール130より大きければ、タッチモジュール130は第1領域の全ての部分を表現することができない。この場合、制御部110はユーザの手の動きをモニタリングして、第1オブジェクトの第1領域内の具体的な位置に応じて該当部分に対応するように複数のカラム状素子131の高さを調整する。つまり、第1領域はタッチモジュール130のサイズを考慮してより細分化された領域に分けられる。ここで、第1領域のサイズとは、現実と仮想現実との差を考慮して予め設定された基準によって換算されたサイズを意味する。
【0078】
本開示のいくつかの実施例によると、ディスプレイ部120はユーザの視線を追跡する視線追跡器を含む。制御部110は、視線追跡器を介してセンシングされたユーザの視線に基づいて第1領域を決定してもよい。
【0079】
一方、本開示のいくつかの実施例によると、第1オブジェクトがオーバーレイされた第2オブジェクトの第1領域の外形が決定され、タッチモジュール130を介してユーザから複数のカラム状素子131を加圧する動きが感知されたら、センシング部133は、複数のカラム状素子131それぞれを介してベース132に加えられる第1圧力をセンシングする。制御部110は第1圧力に対応して、複数のカラム状素子131のそれぞれに発生する反発力が調節されるように減衰部134を制御する。
【0080】
一例として、制御部110は、複数のカラム状素子131それぞれに第1圧力と事前にマッピングされた第1反発力が発生するように減衰部を制御する。
【0081】
一方、本開示のいくつかの実施例によると、制御部110は第1オブジェクトがオーバーレイされた第2オブジェクトの第1領域の外形が決定されたら、第1領域の外形に基づいて複数のカラム状素子131それぞれに発生する反発力を決定する。
【0082】
一例として、制御部110は第1オブジェクトがオーバーレイされた第2オブジェクトの第1領域を第2キャラクタの頭と決定する。制御部110は頭の質感に対応して、複数のカラム状素子131に事前にマッピングされた反発力が発生するように減衰部134を制御する。
【0083】
他の一例として、制御部110は第1オブジェクトがオーバーレイされた第2オブジェクトの第1領域を第2キャラクタの腕と決定する。制御部110は腕の質感に対応して、複数のカラム状素子131に事前にマッピングされた反発力が発生するように減衰部134を制御する。それによって、タッチモジュール130を握ったら、ユーザは映像内でディスプレイされている第2キャラクタに実際に触れているような感覚を受ける。
【0084】
本発明のいくつかの実施例において、タッチモジュール130は、複数のサブタッチモジュールとそれらを連結する連結部材とを含む。連結部材は延長または縮小可能なため、サブタッチモジュールを互いに遠く分散させるか近く密集させることができる。一例として、図4のように2つのサブタッチモジュール1301、1302が連結部材1303で連結され、左右、上下、または対角線方向に延長されるか縮小される。
【0085】
ユーザが両手を利用してタッチモジュール130を接触しようとすれば、制御部110はユーザの両手の位置に対応してサブタッチモジュールの位置を調節する。それによって、ユーザが両手を同時に使用する場合であっても、その位置に関係なく両手共に触感を伝達することができる。
【0086】
提示された実施例に関する説明は、任意の本開示の技術分野における通常の知識を有する者が本開示を利用するかまたは実施し得るように提供される。このような実施例に対する多様な変形は本開示の技術分野における通常の知識を有する者に明白なるはずであり、ここで定義された一般的な原理は本開示の範囲を逸脱することなく他の実施例に適用される。よって、本開示はここに提示された実施例に限らず、ここに提示された原理及び新規な特徴と一貫する最も広い意味の範囲で解釈されるべきである。
【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの触覚による経験を充足するVR(Virtual Reality)装置を提供する。
【解決手段】VR装置100は、HMD(Head Mounted Display)方式のディスプレイ部と、シリコン素材からなり、高さが調節される複数のカラム状素子を含むタッチモジュールと、複数のカラム状素子を介したユーザからの入力による少なくとも一つのイベントがディスプレイ部を介してディスプレイされている映像に出力されるようにディスプレイ部及びタッチモジュールの動作を制御する制御部と、を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5