(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】温度計測装置、及び、体温計
(51)【国際特許分類】
G01K 13/20 20210101AFI20230904BHJP
G01K 7/00 20060101ALI20230904BHJP
G01K 7/18 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
G01K13/20 341Z
G01K7/00 A
G01K7/18 B
(21)【出願番号】P 2019134276
(22)【出願日】2019-07-22
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390001166
【氏名又は名称】株式会社エム・システム技研
(72)【発明者】
【氏名】宮道 三郎
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-112933(JP,A)
【文献】特開平07-333073(JP,A)
【文献】特表2015-512044(JP,A)
【文献】特開昭61-000727(JP,A)
【文献】特開2012-063301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ信号を出力するセンサと、
一端側が前記センサと電気的に接続された電線と、前記電線の他端側に電気的に接続された電極とを有する配線部と、
前記電極に電気的に接続され前記配線部を介して供給された前記センサ信号を用いて演算を行い、温度情報を出力する電気回路部と、
前記電気回路部が搭載された回路基板と、
前記電線、及び、前記センサに取付けられた可撓性を有する可撓性部材と、
開口部を有し、
前記電気回路部と、前記回路基板
とを収容する筐体と、
前記開口部に備えられた固定部材と
、
前記回路基板に備えられたコネクタとを有し、
前記可撓性部材が取付けられた前記センサは前記筐体から露出し、
前記可撓性部材の第1部分は、前記筐体の前記開口部に備えられた前記固定部材を用いて前記筐体に固定され、
前記可撓性部材の第2部分は、前記筐体に収容され前記コネクタに固定され、
前記可撓性部材は、前記
第1部分及び前記第2部分以外の部分が前記筐体又は前記回路基板に
固定されていない温度計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載された温度計測装置であって、
前記筐体は、前記可撓性部材の一方側の面に対向する第1面と、前記可撓性部材の他方側の面に対向する第2面と
を有し、前記開口部に近づくほど前記第1面と前記第2面との間隔が狭くなる温度計測装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された温度計測装置を用いた体温計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度計測装置、及び、体温計に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本体部に対して弾性的に曲げることができるプローブ部を有し、検温時にフィット感が得られる電子体温計が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、温度を迅速に計測することができる温度計測装置、及び、体温計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点に係る温度計測装置は、センサ信号を出力するセンサと、一端側が前記センサと電気的に接続された電線と、前記電線の他端側に電気的に接続された電極とを有する配線部と、前記電極に電気的に接続され前記配線部を介して供給された前記センサ信号を用いて演算を行い、温度情報を出力する電気回路部と、前記電気回路部が搭載された回路基板と、前記電線、及び、前記センサに取付けられた可撓性を有する可撓性部材と、開口部を有し、前記電気回路部と、前記回路基板とを収容する筐体と、前記開口部に備えられた固定部材と、前記回路基板に備えられたコネクタとを有し、前記可撓性部材が取付けられた前記センサは前記筐体から露出し、前記可撓性部材の第1部分は、前記筐体の前記開口部に備えられた前記固定部材を用いて前記筐体に固定され、前記可撓性部材の第2部分は、前記筐体に収容され前記コネクタに固定され、前記可撓性部材は、前記第1部分及び前記第2部分以外の部分が前記筐体又は前記回路基板に固定されていない。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、温度を迅速に計測することができる温度計測装置、及び、体温計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の温度計測装置を説明するための平面断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の温度計測装置を説明するための平面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の温度計測装置を説明するための部分平面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態の温度計測装置を説明するための部分底面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態の温度計測装置を説明するための部分右側面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の温度計測装置を説明するための回路ブロック図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態の温度計測装置を説明するための回路ブロック図である。
【
図15】
図15は、第4実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図16】
図16は、第4実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図である。
【
図17】
図17は、第5実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図である。
【
図18】
図18は、第5実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図である。
【
図19】
図19は、第6実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図20】
図20は、第7実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図である。
【
図21】
図21は、第7実施形態の温度計測装置を説明するための底面部分断面図である。
【
図22】
図22は、第8実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図である。
【
図23】
図23は、第9実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図24】
図24は、第9実施形態の温度計測装置を説明するための平面断面図である。
【
図25】
図25は、第10実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図26】
図26は、第11実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図27】
図27は、第12実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図28】
図28は、第13実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図29】
図29は、第14実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図30】
図30は、第15実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図31】
図31は、第16実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図32】
図32は、第17実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図33】
図33は、第18実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図34】
図34は、第19実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図35】
図35は、第20実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図36】
図36は、第21実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図37】
図37は、第22実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図38】
図38は、第23実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。
【
図39】
図39は、第24実施形態の温度計測装置を説明するための平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
【0009】
図1は第1実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図、
図2は第1実施形態の温度計測装置を説明するための平面断面図、
図3は第1実施形態の温度計測装置を説明するための平面図である。
【0010】
図1~
図3において、第1実施形態の温度計測装置は、体温を測るための体温計である。本実施形態の温度計測装置1は、センサ10と、配線部20と、フィルム部30と、メイン基板91と、筐体(ケース)92と、電気回路80と、電池88と、液晶モニタ89とを有する。
【0011】
電気回路80は、例えば、IC(集積回路)、抵抗、コンデンサ、トランジスタ等の複数の電子部品を有し、種々の演算を行い、温度情報S2、電流信号、電圧信号等の生成を行う回路を構成している。電気回路80は、後述する配線部20を介してセンサ10に電気的に接続されている。
【0012】
液晶モニタ89は、その一部が筐体92から露出しており(
図3ご参照)、温度情報S2に対応する数値等を表示する。電池88は、電気回路80、液晶モニタ89等に電力を供給する。
【0013】
メイン基板91は、電気回路80、電池88、液晶モニタ89等を搭載する回路基板である。メイン基板91は、例えば、リジット基板等の硬質基板、ガラス成分が含有されている基板、エポキシ基板等である。メイン基板91は、電気回路80等を安定的に保持するために所定の剛性を有する。メイン基板91の厚みは、例えば、0.5mm以上3mm以下である。メイン基板91は、後述するフィルム部30と比較して熱伝達率が低い(熱伝達抵抗が高い)。
【0014】
ここで、熱伝達率(surface coefficient of heat transfer)とは、熱の伝え易さを表す値である。例えば、熱伝達率は、ある表面における熱流量密度をその表面温度と周囲の流体温度との差で除した値(W/(m2K))とすることができる。
【0015】
熱伝達抵抗(thermal resistance of surface heat transfer)とは、熱の伝え難さを表す値である。例えば、熱伝達抵抗は、熱伝達率の逆数(m2K/W)とすることができる。
【0016】
筐体92は、メイン基板91及びメイン基板91に搭載された電気回路80等の部品を収容するケースである。筐体92は電気回路80等の部品を保護するため、メイン基板91よりも剛性が高い。筐体92は、メイン基板91よりも熱伝達率が低い(熱伝達抵抗が高い)。
【0017】
次に、
図4~
図8を用いて、センサ10、配線部20及びフィルム部30について詳細に説明する。
図4は第1実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図、
図5は第1実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図、
図6は第1実施形態の温度計測装置を説明するための部分平面図、
図7は第1実施形態の温度計測装置を説明するための部分底面図、
図8は第1実施形態の温度計測装置を説明するための部分右側面図である。
【0018】
図4において、センサ10は温度に応じて抵抗値が変化する温度センサであり、温度に応じたセンサ信号S1を出力する。本実施形態において、センサ10は抵抗部11と、接続部121、122とを有する。抵抗部11は、例えば、櫛歯状、鋸刃状、矩形状等に屈折した形状の導体パターンである。接続部121は抵抗部11の一端側に接続され、接続部122は抵抗部11の他端側に接続されている。
【0019】
配線部20は、第1電線23aと、第2電線23bと、電極22a、22bとを有する。第1電線23a及び第2電線23bの一端側は、接続点21a、21bにおいて、接続部121、122の抵抗部11に接続されていない側の端に電気的に接続されている。電極22a、22bは、第1電線23a及び第2電線23bの他端側に電気的に接続されている。
【0020】
本実施形態において、センサ10、第1電線23a及び第2電線23bは、例えば、可撓性、柔軟性を有する導体パターンである。センサ10、第1電線23a及び第2電線23bのそれぞれの厚みは、例えば、0.04μm以上かつ40μm以下である。更に好ましくは、センサ10、第1電線23a及び第2電線23bのそれぞれの厚みは、例えば、0.4μm以上かつ4μm以下である。
【0021】
センサ10、第1電線23a及び第2電線23bは、例えば、蒸着、スパッタ、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition)等の半導体製造工程により製造することができる。センサ10の少なくとも一部は電線23a、23bと同一平面上に備えられている。センサ10、第1電線23a及び第2電線23bは、例えば、厚膜の導体パターンや、薄膜の導体パターン等の膜状(
図4に示したXY方向の長さに対して
図5に示したZ方向の長さが極めて短い形状)の導体で構成することが好ましい。
【0022】
図5において、フィルム部30は、第1薄膜部材31と、第2薄膜部材32とを有する。本実施形態の第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32は、可撓性、柔軟性、絶縁性を有する。第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32は、リジット基板等の硬質基板、ガラス成分が含有されている基板、エポキシ基板等と比較して、熱伝達率が極めて高い(熱伝達抵抗が極めて低い)。
【0023】
本実施形態において、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32は、例えば、ポリイミドを含有する材料で構成されている。第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32は、例えば、プラスチックフィルム、PET等で構成してもよい。第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32のそれぞれの厚みは、例えば、0.03μm以上かつ30μm以下である。更に好ましくは、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32のそれぞれの厚みは、例えば、0.3μm以上かつ3μm以下である。
【0024】
図5において、第1薄膜部材31の上には、センサ10、第1電線23a及び第2電線23bが備えられている。センサ10、第1電線23a及び第2電線23bの上には、第2薄膜部材32が積層され、センサ10及び電線23a、23bがフィルム部材30に被覆される。
【0025】
第1薄膜部材31の表面からは、電極22a、22bが露出している。第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32の表面には、電極22a、22b以外の電極が露出しておらず、電子部品も搭載されていない。
【0026】
センサ10及び電線23a、23bをフィルム部材30により被覆した装置(以下、フィルム状装置と称する)は、回路基板91よりも薄く、可撓性を有する。フィルム状装置の厚みt1(
図5ご参照)は、例えば、0.1μm以上かつ100μm以下である。更に好ましくは、フィルム状装置の厚みは、例えば、1μm以上かつ10μm以下である。好ましくは、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32のそれぞれの厚みは、電線23a、23bの厚みよりも薄い。第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32の厚みが厚すぎると温度応答性が悪くなり、厚みが薄すぎると強度を確保できないからである。
【0027】
図4、
図5において、フィルム部30のセンサ10が備えられている領域37は、X方向の長さがX1、Y方向の長さがY2である。フィルム部30のセンサ10が備えられていない(第1電線23a及び第2電線23bが備えられている)領域36は、X方向の長さがX2、Y方向の長さがY1である。長さX1は、長さX2よりも短く、長さY2は、長さY1よりも長い。長さY2は、回路基板91のY方向の長さY3(
図2ご参照)よりも短い。
【0028】
図1、
図2に示すように、フィルム部材30のセンサ10を被覆する部分は筐体92から露出している。フィルム部材30の電線23a、23bを被覆する部分の少なくとも一部は筐体92の貫通孔921から筐体92に挿入されている。
【0029】
図9は第1実施形態の温度計測装置を説明するための回路ブロック図である。
【0030】
図9に示すように、電気回路80は、入力回路81と、制御回路82と、出力回路83とを有する。センサ10は、センサ10の温度(測定対象の温度)に対応して抵抗値が変化する。
【0031】
入力回路81は、電極22a、22bに電気的に接続されている。入力回路81は、制御回路82から供給される制御信号に基づいて、配線部20を介してセンサ10に電流を供給するとともに、センサ信号S1を取得する。センサ信号S1は、例えば、センサ10の電圧値に対応する電圧信号である。
【0032】
制御回路82は、センサ信号S1を用いて演算(センサ10の抵抗値の演算等)を行い、温度情報S2を生成する。出力回路83は、制御回路82が出力した温度情報S2を用いて表示信号S3を生成する。液晶モニタ89は、表示信号S3に対応する数値等を表示する。
【0033】
上述した本実施形態の温度計測装置は、センサ10、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32の厚み方向(
図5のZ方向)の厚みが極めて薄く、センサ10の近傍において、センサ10が第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32に挟まれた極めて簡単な薄型のフィルム状の構成を有する。
【0034】
このため、本実施形態の温度計測装置は、センサ10の近傍において、厚み方向(
図5のZ方向)の熱伝達率が極めて高く(熱伝達抵抗が極めて小さく)なり、温度応答性が極めて高くなる。例えば、温度センサが金属キャップで覆われている温度計測装置、温度センサがサーミスタである温度計測装置等と比較して温度応答性が極めて高くなる。
【0035】
ここで、温度応答性とは、例えば、センサ10に接触している測定対象の温度が変化してから液晶モニタ89に当該温度変化が表示されるまでの時間とすることができる。上述した本実施形態の温度計測装置は、センサ10の近傍における熱伝達率が極めて高いため、測定対象の温度が変化してから液晶モニタ89に当該温度変化が表示されるまでの時間が、例えば、0秒以上、0.1秒以下である。更に好ましくは、0.01秒以上、0.1秒以下である。
【0036】
本実施形態の温度計測装置において、第1薄膜部材31又は第2薄膜部材32に接触する測定対象(図示せず)とセンサ10との間には、第1薄膜部材31又は第2薄膜部材32しか介在していない。このため、厚み方向の熱伝達率が極めて高くなり、温度応答性が極めて高くなる。
【0037】
また、本実施形態の温度計測装置は、センサ10の一方側(マイナスZ方向)に第1薄膜部材31が備えられ、センサ10の他方側(プラスZ方向)に第2薄膜部材32が備えられている。このため、測定対象の熱がセンサ10の一方側及び他方側から伝達されるから温度応答性が極めて高くなる。
【0038】
本実施形態の温度計測装置において、フィルム状装置(センサ10及び電線23a、23bをフィルム部材30により被覆した装置)は、センサ10及び電線23a、23bが第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32に挟まれた極めて簡単な薄型のフィルム状の構成を有し、厚み方向(
図5のZ方向)の厚みが極めて薄く、熱容量が極めて小さい。このため、本実施形態の温度計測装置は、温度応答性が極めて高くなる。なお、熱容量とは、例えば、所定の質量、所定の比熱を有する物質を単位温度だけ変化させるのに要する熱量である。
【0039】
本実施形態の温度計測装置において、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32は、センサ10を被覆している部分のY方向の長さY2が、配線部20を被覆している部分のY方向の長さY1よりも長い。このため、センサ10を被覆している部分のY方向の長さを長くした分だけセンサ10の表面積を大きくすることができるので、温度応答性が高くなる。
【0040】
本実施形態の温度計測装置において、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32は、配線部20を被覆している部分のY方向の長さY1が、センサ10を被覆している部分のY方向の長さY2よりも短い。このため、配線部20を被覆している部分のY方向の長さを短くした分だけ熱容量が小さくなり温度応答性が高くなる。
【0041】
本実施形態の温度計測装置の第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32は、配線部20を被覆している部分のX方向の長さX2が、センサ10を被覆している部分のX方向の長さX1と比較して長く、配線部20を被覆している部分のY方向の長さY1が、センサ10を被覆している部分のY方向の長さY2と比較して短い。このため、センサ10とメイン基板91との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がメイン基板91の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高精度で温度を計測することができる。
【0042】
本実施形態の温度計測装置において、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32の表面には、電子部品等が搭載されていない。このため、表面に電子部品等が搭載されていない分だけ熱容量を小さくすることができ、温度応答性が高くなる。
【0043】
(第2実施形態)
【0044】
図10は第2実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図、
図11は第2実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図である。以下の説明において、
図1~
図9に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0045】
図10、
図11に示した本実施形態の温度計測装置は、防湿フィルム36を有する点が上述した第1実施形態の温度計測装置と相違する。
【0046】
防湿フィルム36は、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32を被覆するように備えられている。防湿フィルム36の表面からは、電極22a、22bが露出している。
【0047】
防湿フィルム36は、例えば、アルミ薄膜、銅箔等の金属薄膜、ポリオレフィン系樹脂等を主原料とする合成樹脂皮膜等で構成することができる。金属薄膜の防湿フィルム36は、例えば、例えば、蒸着、スパッタ、化学気相成長法等の半導体製造工程により製造することができる。
【0048】
防湿フィルム36は、1層であっても良いし、多層であってもよい。また、防湿フィルム36の内側、又は、外側に絶縁フィルム(図示せず)等を設けてもよい。例えば、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32よりも絶縁性が高い絶縁フィルムでフィルム状装置(センサ10及び電線23a、23bをフィルム部材30により被覆した装置)を被覆し、絶縁フィルムを防湿フィルム36で被覆してもよい。
【0049】
防湿フィルム36の厚みは、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32よりも厚いことが好ましい。また、防湿フィルム36は、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32よりも熱伝達率が高いことが好ましい。例えば、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32よりも熱伝達率が高い防湿フィルム36を用いることで、温度応答性の低下を抑えることができる。
【0050】
本実施形態の温度計測装置は、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32が防湿フィルム36により被覆されているので、例えば、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32が防湿性を有さない場合でも、人体から放出される汗、湿度等がセンサ10、電線23a、23b等に与える影響を低減でき、計測精度の低下を抑えることができる。
【0051】
(第3実施形態)
【0052】
図12は第3実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図、
図13は第3実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図、
図14は第3実施形態の温度計測装置を説明するための回路ブロック図である。以下の説明において、
図1~
図11に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0053】
図14において、配線部20は、第1電線23cと、第2電線23dと、第3電線23eと、第4電線23fと、電極22c、22d、22e、22fとを有する。入力回路81(
図9ご参照)は、電力供給回路811と、電位差検出回路812とを有する。
【0054】
電力供給回路811は、センサ10に電力を供給するための回路であり、一方の端子が電極22cを介して第1電線23cに接続され、他方の端子が電極22dを介して第2電線23dに接続されている。第1電線23c及び第2電線23dは、センサ10に電気的に接続されている。第1電線23cには電力供給回路811から出力された第1電流が流れる。第2電線23dには、センサ10から出力された第2電流が流れる。
【0055】
電位差検出回路812は、センサ10の電圧(接続点21aと接続点21bとの間の電位差)を検出するための回路であり、一方の端子が電極22eを介して第3電線23eに接続され、他方の端子が電極22fを介して第4電線23fに接続されている。
【0056】
第3電線23eは、接続点21aにおいて第1電線23cに接続され、第1電流よりも小さい電流が流れる。第4電線23fは、接続点21bにおいて第2電線23dに接続され、第2電流よりも小さい電流が流れる。
【0057】
第3電線23e及び第4電線23fに流れる電流は、第1電線23c及び第2電線23dに流れる電流と比較して極めて小さい。第3電線23e及び第4電線23fに流れる電流は、例えば、数ピコアンペアにすることができる。
【0058】
図13において、本実施形態のフィルム部30は、第1実施形態に記載された第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32に加えて、第3薄膜部材33を有する点が第1実施形態のフィルム部30と相違する。第3薄膜部材33は、例えば、ポリイミドを含有する材料で構成してもよいし、第1薄膜部材31及び第2薄膜部材32よりも絶縁性が高い材料で構成してもよい。なお、本実施形態及び以下の実施形態において、第1薄膜部材31、第2薄膜部材32及び第3薄膜部材33が、
図10に示した防湿フィルム36により被覆されていてもよいことは言うまでもない。
【0059】
本実施形態の温度計測装置は、センサ10、第1薄膜部材31、第2薄膜部材32及び第3薄膜部材33の厚み方向の厚みが極めて薄い薄型のフィルム状の構成を有するため、極めて高い温度応答性が得られる。
【0060】
本実施形態の温度計測装置は、センサ10に電流を供給するための第1電線23c及び第2電線23dと、センサ10の電圧を検出するための第3電線23e及び第4電線23fとを有する。このため、第3電線23e及び第4電線23fに流れる電流が極めて小さくなり、第3電線23e及び第4電線23fのパターン抵抗に起因する電圧降下が極めて小さくなるので、安定性の高い温度計測が可能になる。
【0061】
例えば、温度センサが金属キャップで覆われている温度計測装置、温度センサがサーミスタである温度計測装置等は、温度応答性が低く出力信号が安定する特性を有するので、温度センサと電気回路とを接続する電線のパターン抵抗に起因する電圧降下が温度計測の安定性に与える影響は小さい。パターン抵抗に起因する電圧降下の変動が時間積分されるためである。
【0062】
これに対して、本実施形態の温度計測装置は、センサ10、第1薄膜部材31、第2薄膜部材32及び第3薄膜部材33の厚み方向の厚みが極めて薄いため、極めて高い温度応答性を有し、出力信号が俊敏に変化するため、電線のパターン抵抗に起因する電圧降下が温度計測の安定性に与える影響が大きくなる。しかしながら、本実施形態の温度計測装置は、第3電線23e及び第4電線23fに流れる電流が極めて小さいため、第3電線23e及び第4電線23fのパターン抵抗に起因する電圧降下が極めて小さくなり、安定性の高い温度計測が可能になる。
【0063】
(第4実施形態)
【0064】
図15は第4実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図、
図16は第4実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図である。以下の説明において、
図1~
図14に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0065】
本実施形態の温度計測装置は、筐体92がテーパー部922を有する点、電気回路80がコネクタ96を有する点、及び、接着剤97を有する点が上述した第1実施形態の温度計測装置と相違する。
【0066】
図15において、筐体92は貫通孔921が設けられた側にテーパー部922が設けられている。テーパー部922は、X軸方向において貫通孔921に近づくほど幅が狭くなるように窄んだ形状を有する。
【0067】
接着剤97は貫通孔921の近傍に備えられ、フィルム部30とテーパー部922とを固着している。接着剤97は防湿性を有し、メイン基板91及び筐体92よりも熱伝達率が低い。
【0068】
図15、
図16において、コネクタ96は、支持体960と、電極961と、凹溝962とを有する。コネクタ96は、メイン基板91に搭載されている。電極961は電気回路80に電気的に接続されている。
【0069】
凹溝962はZ方向の幅がフィルム状装置(センサ10及び電線23a、23bをフィルム部材30により被覆した装置)の厚みt1よりも僅かに狭い。支持体960は、フィルム部30よりも剛性が高い絶縁体であり、メイン基板91よりも熱伝達率が低く、接着剤97よりも熱伝達率が高い。
【0070】
図16に示すように、フィルム状装置を凹溝962に挿入すると、電極22a、22bが電極961に加圧接触し、電極22a、22bと電極961とが電気的に接続される。フィルム状装置は、フィルム部30とメイン基板91とが接触しないように一端側がコネクタ96の支持体960に支持され、他端側が接着剤97に固着されている。なお、本実施形態及び以下の実施形態において、配線部20及び入力回路81を
図14に示した構成と同様に構成できることは言うまでもない。
【0071】
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96の支持体960がメイン基板91よりも熱伝達率が低く、フィルム部30がメイン基板91と接触しないようにコネクタ96に支持されている。このため、フィルム部30とメイン基板91とを接触させた場合と比較して、フィルム状装置とメイン基板91との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がメイン基板91の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高精度で温度を計測することができる。
【0072】
本実施形態の温度計測装置は、筐体92の貫通孔921に接着剤97が備えられているので、高い防湿性が得られる。
本実施形態の温度計測装置において、接着剤97は支持体960よりも熱伝達率が低い。このため、接着剤97によりフィルム状装置と筐体92とを固定しても、センサ10が筐体92の温度の影響(外乱)を受け難くなる
【0073】
(第5実施形態)
【0074】
図17は第5実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図、
図18は第5実施形態の温度計測装置を説明するための正面部分断面図である。以下の説明において、
図1~
図16に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0075】
図17において、フィルム部30は、センサ10が備えられている領域37よりも電極22a、22b側に領域38及び領域39が設けられている点が上述した第1実施形態の温度計測装置と相違する。領域39は、電線23a、23bの一部、及び、電極22a、22bが備えられた領域である。領域38は、電線23a、23bの一部が備えられた領域であり、領域37及び領域39に隣接している。
【0076】
図16、
図17に示すように、領域38は、貫通穴381を有し、貫通穴381を設けた分だけY方向の幅が領域39よりも広い。電線23a、23bは、貫通穴381を避けるために屈折している。ネジ98は、接着剤97よりも熱伝達率が高い。ネジ98は、貫通穴381を貫通し筐体92に固定されている。
【0077】
本実施形態の温度計測装置は、センサ10が備えられている領域37よりも電極22a、22b側の領域38において、フィルム状装置(センサ10及び電線23a、23bをフィルム部材30により被覆した装置)がネジ98を用いて筐体92に固定されている。このため、ネジ98を用いて領域37を筐体92に固定する場合と比較してセンサ10と筐体92との間で熱交換がされ難くなり、高精度で温度を計測することができる。
【0078】
(第6実施形態)
【0079】
図19は第6実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図18に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0080】
本実施形態の温度計測装置は、
図15に示したコネクタ96に代えて支持部99、及び、はんだ992を有する点が、
図15に示した実施形態の温度計測装置と相違する。
【0081】
図19において、支持部99は電極991を有し、メイン基板91に搭載されている。電極991は電気回路80と電気的に接続されており、はんだ992によりフィルム状装置(センサ10及び電線23a、23bをフィルム部材30により被覆した装置)の電極22a、22b(
図2ご参照)に電気的に接続されている。
【0082】
フィルム状装置は、接着剤97及び電極991以外の部材とは接触しないように、一端側が支持部99に支持され、他端側が接着剤97に固着されている。
【0083】
本実施形態の温度計測装置は、フィルム状装置が接着剤97及び電極991以外の部材とは接触しないように備えられている。このため、
図15に示した実施形態の温度計測装置と比較して、フィルム状装置がコネクタ96の支持体960と接触していない分だけセンサ10とメイン基板91との間の熱交換がされ難くなり、高精度で温度を計測することができる。
【0084】
(第7実施形態)
【0085】
図20は第7実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図、
図21は第7実施形態の温度計測装置を説明するための底面部分断面図である。以下の説明において、
図1~
図19に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図20、
図21に示した本実施形態の温度計測装置は、センサ10の構成が
図4に示した第1実施形態の温度計測装置と相違する。
【0086】
図20、
図21において、センサ10は抵抗部11a、11bと、接続部121a、111、113、114、122aと、絶縁層(図示せず)と、絶縁層を貫通するスルーホール電極112、115とを有する。絶縁層は、XY平面と平行に領域37の全面にわたって設けられている。
【0087】
図20に示すように、絶縁層の一方側の面において、抵抗部11aの一端側が接続部121aを介して接続点21aに接続され、抵抗部11aの他端側が接続部111を介してスルーホール電極112に接続され、スルーホール電極115が接続部122aを介して接続点21bに接続されている。スルーホール電極112、115は、絶縁層を貫通して、絶縁層の一方側の面から絶縁層の他方側の面に備えられている。
【0088】
図21に示すように、絶縁層の他方側の面において、抵抗部11bの一端側が接続部113を介してスルーホール電極112に接続され、抵抗部11bの他端側が接続部114を介してスルーホール電極115に接続されている。
【0089】
本実施形態の温度計測装置は、絶縁層の一方側の面、及び、絶縁層の他方側の面に抵抗部11a、11bが設けられているから、
図4に示した実施形態の温度計測装置と比較して抵抗部の面積を2倍にすることができ、高精度で温度を計測することができる。
【0090】
(第8実施形態)
【0091】
図22は第8実施形態の温度計測装置を説明するための平面部分断面図である。以下の説明において、
図1~
図21に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図22に示した本実施形態の温度計測装置は、センサ10の構成、及び、フィルム部30の構成が
図4に示した第1実施形態の温度計測装置と相違する。
【0092】
図22において、センサ10は抵抗部11cの屈折部分が仮想円11dに沿って配置されている。フィルム部30のセンサ10が備えられている領域37は、仮想円11dよりも僅かに大きい円形に構成されている。
【0093】
本実施形態の温度計測装置は、フィルム部30の領域37が仮想円11dよりも僅かに大きい円形に構成され、抵抗部11cの屈折部分が仮想円11dに沿って配置されているため、
図4に示した実施形態の温度計測装置と比較して、領域37の面積に対する抵抗部11cが設けられた部分の面積を大きくすることができ、高精度で温度を計測することができる。
【0094】
(第9実施形態)
図23は第9実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図、
図24は第9実施形態の温度計測装置を説明するための平面断面図である。以下の説明において、
図1~
図22に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図23、
図24において、温度計測装置9は、センサ10と、配線部20と、フィルム部30と、メイン基板91と、筐体(ケース)92と、コネクタ96と、電気回路80と、電池88と、液晶モニタ89と、電気配線80a、80b、88a、89aとを有する。
配線部20(
図4ご参照)は、第1電線23aと、第2電線23bと、電極22a、22bとを有する。コネクタ96(
図16ご参照)は、支持体960と、電極961と、凹溝962とを有する。電極961は、凹溝962の内部に形成されている。電極961は、電極22aに接続される電極961a(図示せず)と、電極22bに接続される電極961b(図示せず)とを有する。
フィルム状装置(センサ10及び電線23a、23bをフィルム部材30により被覆した装置)は、筐体92の貫通孔921から筐体92に挿入されている。貫通孔921は、z方向において凹溝962と略等しい位置に設けられている。貫通孔921の面積は、フィルム状装置の断面積よりも大きく、フィルム状装置は貫通孔921に接触した状態になったり、貫通孔921に接触しない状態になったりすることができる。
フィルム状装置が凹溝962に挿入されることにより、電極22a、22bが電極961a、961bに加圧接触し、フィルム状装置がコネクタ96に片持ち支持(一点支持)される。
第1電線23aは、電極22a、電極961a及び電気配線80aを介して電気回路80に接続されている。第2電線23bは、電極22b、電極961b及び電気配線80bを介して電気回路80に接続されている。
電池88は、電気配線88aを介して電気回路80に接続されている。液晶モニタ89は電気配線89aを介して電池88に接続され、電気配線(図示せず)を介して電気回路80から制御信号が供給される。
本実施形態の温度計測装置は、フィルム状装置がコネクタ96にのみ支持(片持ち支持)されている。このため、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
本実施形態において、フィルム状装置の筐体92の内部に備えられた部分のうち、筐体92及びコネクタ96に支持されていない(接触していない)部分のx方向の長さは、コネクタ96に支持されている(接触している)部分のx方向の長さと比較して、十分に長い。このように、フィルム状装置は、筐体92及びコネクタ96に支持されていない部分のx方向の長さが長いので、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
例えば、フィルム状装置は、筐体92の内部に備えられ筐体92及びコネクタ96に支持されていない部分のx方向の長さが、コネクタ96に支持されている部分のx方向の長さ以上であることが好ましい。例えば、フィルム状装置は、筐体92の内部に備えられ筐体92及びコネクタ96に支持されていない部分のx方向の長さが、コネクタ96に支持されている部分のx方向の長さの2倍以上の長さであることが更に好ましい。
【0095】
(第10実施形態)
図25は第10実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図24に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図25に示した本実施形態の温度計測装置は、接着剤97が備えられている構成が
図23に示した第9実施形態の温度計測装置と相違する。
図25において、温度計測装置9aは、貫通孔921の近傍に接着剤97が備えられている。接着剤97は、貫通孔921の近傍において、フィルム部30(フィルム状装置)と筐体92とを固着している。接着剤97は防湿性を有し、メイン基板91及び筐体92よりも熱伝達率が低い。
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96からx方向に間隔を隔てた位置に接着剤97が備えられ、フィルム状装置がコネクタ96及び接着剤97により両持ち支持(2点支持)される。このため、x方向におけるコネクタ96と接着剤97との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
本実施形態の温度計測装置は、筐体92のx方向に直交する面に貫通孔921が備えられている。筐体92のx方向に直交する面の厚みは、メイン基板91の厚みよりも薄くなるように構成されている。このように、筐体92のx方向に直交する面の厚みを薄くすることにより、フィルム状装置と、筐体92との間の熱交換を十分に小さくすることができ、高速又は高精度で温度を計測できる。
本実施形態の温度計測装置において、x方向におけるコネクタ96と接着剤97との間の長さは、x方向におけるフィルム状装置がコネクタ96に接触している部分の長さ、又は、x方向におけるフィルム状装置が接着剤97に接触している部分の長さよりも長いことが好ましい。
本実施形態の温度計測装置は、フィルム状装置が筐体92、及び、コネクタ96に両持ち支持(2点支持)されるので、フィルム状装置を安定的に支持することができる。このため、フィルム状装置の振動に起因するノイズを抑えることができる。
本実施形態の温度計測装置は、筐体92の貫通孔921に接着剤97が備えられているので、高い防湿性が得られる。
【0096】
(第11実施形態)
図26は第11実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図25に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図26に示した本実施形態の温度計測装置は、貫通孔921の構成が
図23に示した第9実施形態の温度計測装置と相違する。
図26において、温度計測装置9bの貫通孔921の面積は、フィルム状装置の断面積とほぼ等しい。貫通孔921に挿入されたフィルム状装置は、筐体92(貫通孔921)に加圧接触されている。
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96からx方向に間隔を隔てた位置に貫通孔921が備えられ、フィルム状装置がコネクタ96及び貫通孔921により両持ち支持(2点支持)される。このため、x方向におけるコネクタ96と貫通孔921との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
なお、本実施形態の温度計測装置において、筐体92の貫通孔921に接着剤97を備えても良いことは言うまでもない。
【0097】
(第12実施形態)
図27は第12実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図26に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図27に示した本実施形態の温度計測装置は、柱状部材71の構成が
図23に示した第9実施形態の温度計測装置と相違する。
図27において、温度計測装置9cは、x方向における貫通孔921とコネクタ96との間の位置に柱状部材71が備えられている。柱状部材71は、z方向に沿って伸びる形状であることが好ましい。
図27において、柱状部材71は、金属、樹脂等の部材で構成された本体部711と、フィルム状装置を支持する支持部712とを有する。本体部711は筐体92に固定されている。
支持部712は、フィルム状装置を支持できる形状を有する。例えば、支持部712は、フィルム状装置の断面積と略等しい開口を有する貫通孔、フィルム状装置の厚みと略等しい凹溝を有する切り欠き等である。支持部712は、z方向において凹溝962と略等しい位置に設けられている。
本実施形態の支持部712は、切り欠きであり、-z方向側の端面と、+z方向側の端面とでフィルム状装置を挟み込んでいる。z方向における凹溝962の位置と略等しい位置に支持部712が備えられているので、フィルム状装置は、柱状部材71及びコネクタ96に両持ち支持され、x方向と略平行な方向に保持されている。
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96からx方向に間隔を隔てた位置に柱状部材71が備えられ、フィルム状装置がコネクタ96及び柱状部材71により両持ち支持される。このため、x方向におけるコネクタ96と柱状部材71との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
また、本実施形態では、柱状部材71が筐体92の貫通孔921に近接して備えられているので、フィルム状装置が撓んだ場合でも、フィルム状装置と筐体92とが接触し難くなっている。このため、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0098】
(第13実施形態)
図28は第13実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図27に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図28に示した本実施形態の温度計測装置は、柱状部材71に替えて柱状部材72を有する構成が
図27に示した第12実施形態の温度計測装置と相違する。
図28において、温度計測装置9dは、x方向における貫通孔921とコネクタ96との間の位置に柱状部材72が備えられている。柱状部材72は、z方向に沿って伸びる形状であることが好ましい。
図28において、柱状部材72は、金属、樹脂等の部材で構成された本体部721と、フィルム状装置を支持する支持部722とを有する。本体部721はメイン基板91に固定されている。
支持部722は、フィルム状装置を支持できる形状を有する。例えば、支持部722は、フィルム状装置の断面積と略等しい開口を有する貫通孔、フィルム状装置の厚みと略等しい凹溝を有する切り欠き等である。支持部722は、z方向において凹溝962と略等しい位置に設けられている。
本実施形態の支持部722は、切り欠きであり、-z方向側の端面と、+z方向側の端面とでフィルム状装置を挟み込んでいる。
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96からx方向に間隔を隔てた位置に柱状部材72が備えられ、フィルム状装置がコネクタ96及び柱状部材72により両持ち支持される。このため、x方向におけるコネクタ96と柱状部材72との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0099】
(第14実施形態)
図29は第14実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図28に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図29に示した本実施形態の温度計測装置は、柱状部材71に替えて柱状部材73を有する構成が
図27に示した第12実施形態の温度計測装置と相違する。
図29において、温度計測装置9eは、x方向における貫通孔921とコネクタ96との間の位置に柱状部材73が備えられている。柱状部材73は、z方向に沿って伸びる形状であることが好ましい。
図29において、柱状部材73は、ビスである。筐体92の+z方向側の面には柱状部材73を収容するための凹溝731と、貫通孔732とが備えられ、筐体92の-z方向側の面には柱状部材73と係合するネジ穴734が備えられている。フィルム状装置には柱状部材73と係合する貫通孔733が備えられている。
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96からx方向に間隔を隔てた位置に柱状部材73が備えられ、フィルム状装置がコネクタ96及び柱状部材73により両持ち支持される。このため、x方向におけるコネクタ96と柱状部材73との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0100】
(第15実施形態)
図30は第15実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図29に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図30に示した本実施形態の温度計測装置は、柱状部材74と、ビス983とを有する構成が
図29に示した第14実施形態の温度計測装置と相違する。
図30において、温度計測装置9fは、x方向における貫通孔921とコネクタ96との間の位置に柱状部材74が備えられている。柱状部材74は、z方向に沿って伸びる形状であることが好ましい。
図30において、柱状部材74は、ビス982と、突起部735とを有する。筐体92の+z方向側の面にはビス982を収容するための凹溝731と、貫通孔732とが備えられている。筐体92の-z方向側の面には突起部735が設けられている。突起部735はフィルム状装置に接触する端面736と、ビス982と係合するネジ穴734とを有する。
コネクタ96は、フィルム状装置に接触する端面739と、ビス983と係合するネジ穴738とを有する。端面739は、z方向における端面736の位置と略等しい位置に備えられている。端面739には、電極22a、22b(
図24ご参照)及び電気配線80a、80b(
図24ご参照)に電気的に接続される電極(図示せず)が備えられている。
フィルム状装置には、ビス982と係合する貫通孔733と、ビス983と係合する貫通孔737とが備えられている。フィルム状装置は、端面736、739に載せられ、ビス982及びビス983で固定されるので、x方向と略平行な方向に安定的に保持される。
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96からx方向に間隔を隔てた位置に柱状部材74が備えられ、フィルム状装置がコネクタ96及び柱状部材74により両持ち支持される。このため、x方向におけるコネクタ96と柱状部材74との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0101】
(第16実施形態)
図31は第16実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図30に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図31に示した本実施形態の温度計測装置は、筐体92がテーパー部922を有する構成が
図27に示した第12実施形態の温度計測装置と相違する。
図31に示した温度計測装置9gにおいて、筐体92は貫通孔921が設けられた側にテーパー部922が設けられている。テーパー部922は、x軸方向において貫通孔921に近づくほど、筐体92の+z方向側の面と、筐体92の-z方向側の面との間隔が狭くなるように窄んだ形状を有する。
温度計測装置9gは、x方向における貫通孔921とコネクタ96との間の位置に柱状部材71が備えられている。柱状部材71は、z方向に沿って伸びる形状であることが好ましい。柱状部材71は、本体部711と、フィルム状装置を支持する支持部712とを有する。本体部711は筐体92に固定されている。
支持部712は、貫通孔、切り欠き等であり、フィルム状装置を支持できる形状を有する。支持部712は、z方向において凹溝962と略等しい位置に設けられている。
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96からx方向に間隔を隔てた位置に柱状部材71が備えられ、フィルム状装置がコネクタ96及び柱状部材71により両持ち支持される。このため、x方向におけるコネクタ96と柱状部材71との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0102】
(第17実施形態)
図32は第17実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図31に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図32に示した本実施形態の温度計測装置は、柱状部材75を有する構成が
図31に示した第16実施形態の温度計測装置と相違する。
図32において、温度計測装置9hは、x方向における貫通孔921とコネクタ96との間の位置に柱状部材75が備えられている。柱状部材75は、z方向に沿って伸びる形状であることが好ましい。
図32において、柱状部材75は、ビス984と、突起部735とを有する。筐体92(テーパー部922)の-z方向側の面には突起部735が設けられている。突起部735はフィルム状装置に接触する端面736と、ビス984と係合するネジ穴734とを有する。フィルム状装置には、ビス984と係合する貫通孔733が備えられている。フィルム状装置は、柱状部材75及びコネクタ96で固定されるので、x方向と略平行な方向に安定的に保持される。
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96からx方向に間隔を隔てた位置に柱状部材75が備えられ、フィルム状装置がコネクタ96及び柱状部材75により両持ち支持される。このため、x方向におけるコネクタ96と柱状部材75との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0103】
(第18実施形態)
図33は第18実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図32に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図33に示した本実施形態の温度計測装置は、テーパー部922の構成が
図31に示した第16実施形態の温度計測装置と相違する。
図33に示した温度計測装置9iは、テーパー部922の+z方向側の面の先端がフィルム状装置の+z方向側の面に加圧接触し、テーパー部922の-z方向側の面の先端がフィルム状装置の-z方向側の面に加圧接触しているので、フィルム状装置がテーパー部922の先端に安定的に支持される。
本実施形態の温度計測装置は、コネクタ96からx方向に間隔を隔てた位置にテーパー部922の先端が備えられている。フィルム状装置は、テーパー部922の先端、及び、コネクタ96により両持ち支持される。
このため、x方向におけるコネクタ96とテーパー部922の先端との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0104】
(第19実施形態)
図34は第19実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図33に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図34に示した本実施形態の温度計測装置は、柱状部材72を有する構成が
図33に示した第18実施形態の温度計測装置と相違する。
図34に示した温度計測装置9jは、x方向における貫通孔921(テーパー部922の先端)とコネクタ96との間の位置に柱状部材72が備えられている。
柱状部材72は、z方向に沿って伸びる形状であることが好ましい。柱状部材72は、本体部721と、フィルム状装置を支持する支持部722とを有する。本体部721はメイン基板91に固定されている。
支持部722は、貫通孔、切り欠き等であり、フィルム状装置を支持できる形状を有する。支持部722は、z方向において凹溝962及び貫通孔921と略等しい位置に設けられている。
本実施形態の温度計測装置は、テーパー部922の先端と、コネクタ96との間の位置に柱状部材72が備えられ、フィルム状装置がテーパー部922の先端、柱状部材72及びコネクタ96により3カ所で支持(3点支持)される。このため、x方向におけるテーパー部922の先端部分、柱状部材72が設けられた部分及びコネクタ96が設けられた部分以外の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0105】
(第20実施形態)
図35は第20実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図34に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図35に示した本実施形態の温度計測装置は、柱状部材72に替えて柱状部材76を有する構成が
図34に示した第19実施形態の温度計測装置と相違する。
図35に示した温度計測装置9kは、x方向における貫通孔921(テーパー部922の先端)とコネクタ96との間の位置に柱状部材76が備えられている。
柱状部材76は、z方向に沿って伸びる形状であることが好ましい。柱状部材76は、例えば、ビス985である。
筐体92の-z方向側の面にはビス985と係合するネジ穴752が備えられている。フィルム状装置にはビス985と係合する貫通孔751が備えられている。
本実施形態の温度計測装置は、テーパー部922の先端と、コネクタ96との間の位置に柱状部材76が備えられ、フィルム状装置がテーパー部922の先端、柱状部材76及びコネクタ96により3カ所で支持(3点支持)される。このため、x方向におけるテーパー部922の先端部分、柱状部材76が設けられた部分及びコネクタ96が設けられた部分以外の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0106】
(第21実施形態)
図36は第21実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図35に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図36に示した本実施形態の温度計測装置は、筐体92が階段状部分931、932を有する構成が
図33に示した第18実施形態の温度計測装置と相違する。
図36に示した温度計測装置9lにおいて、筐体92はz方向と直交する+z方向側の面921と、z方向と直交する-z方向側の面922とを有する。階段状部分931は、z方向と直交する+z方向側の面であり、階段状部分932は、z方向と直交する-z方向側の面である。筐体92のx方向と直交する-x方向側の面には、貫通孔921が備えられている。
フィルム状装置の+z方向側の面は、貫通孔921の+z方向側の部分に加圧接触し、フィルム状装置の-z方向側の面は、貫通孔921の-z方向側の部分に加圧接触している。貫通孔921の近傍には接着剤97が備えられ、貫通孔921の近傍において、フィルム部30(フィルム状装置)と筐体92とを固着している。このため、フィルム状装置は、接着剤97が設けられた部分と、コネクタ96とにより、両持ち支持(2点支持)される。
このため、x方向における接着剤97が設けられた部分と、コネクタ96が設けられた部分との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0107】
(第22実施形態)
図37は第22実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図36に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図37に示した本実施形態の温度計測装置は、筐体92がテーパー部922と、非テーパー部933とを有する構成が
図33に示した第18実施形態の温度計測装置と相違する。
図37に示した温度計測装置9mにおいて、筐体92はテーパー部922と、テーパー部922に対向する非テーパー部933とを有する。非テーパー部933は、筐体92の-z方向側の面であり、z方向に直交する面である。
テーパー部922は、x軸方向において貫通孔921に近づくほど、非テーパー部933との間隔が狭くなるように窄んだ形状を有する。
フィルム状装置の+z方向側の面は、貫通孔921の+z方向側の部分に加圧接触し、フィルム状装置の-z方向側の面は、貫通孔921の-z方向側の部分に加圧接触している。このため、フィルム状装置は、筐体92の貫通孔921の近傍と、コネクタ96とにより、両持ち支持(2点支持)される。
このため、x方向における貫通孔921の近傍部分と、コネクタ96が設けられた部分との間の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0108】
(第23実施形態)
図38は第23実施形態の温度計測装置を説明するための正面断面図である。以下の説明において、
図1~
図37に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図38に示した本実施形態の温度計測装置は、柱状部材72と、接着剤97とを有する構成が
図37に示した第22実施形態の温度計測装置と相違する。
図38に示した温度計測装置9nは、x方向における貫通孔921(テーパー部922の先端)とコネクタ96との間の位置に柱状部材72が備えられている。
柱状部材72は、z方向に沿って伸びる形状であることが好ましい。柱状部材72は、本体部721と、フィルム状装置を支持する支持部722とを有する。本体部721はメイン基板91に固定されている。
支持部722は、貫通孔、切り欠き等であり、フィルム状装置を支持できる形状を有する。支持部722は、z方向において凹溝962と略等しい位置に設けられている。貫通孔921の近傍には接着剤97が備えられ、貫通孔921の近傍において、フィルム部30(フィルム状装置)と筐体92とを固着している。
本実施形態の温度計測装置は、テーパー部922の先端と、コネクタ96との間の位置に柱状部材72が備えられ、フィルム状装置がテーパー部922の先端、柱状部材72及びコネクタ96により3カ所で支持(3点支持)される。このため、x方向におけるテーパー部922の先端部分、柱状部材72が設けられた部分及びコネクタ96が設けられた部分以外の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
【0109】
(第24実施形態)
図39は第24実施形態の温度計測装置を説明するための平面断面図である。以下の説明において、
図1~
図38に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
図39に示した本実施形態の温度計測装置は、柱状部材77を有する構成が
図24に示した第9実施形態の温度計測装置と相違する。
図39に示した温度計測装置9oは、x方向における貫通孔921とコネクタ96との間の位置に柱状部材77が備えられている。
柱状部材77は、z方向と交差する方向に沿って伸びる形状である。本実施形態において、柱状部材77は、y方向に沿って伸びる形状である。柱状部材77は、本体部771と、フィルム状装置を支持する支持部772とを有する。本体部771は筐体92の-y方向側の側面に固定されている。
支持部772は、貫通孔、切り欠き等であり、フィルム状装置を支持できる形状を有する。支持部772は、y方向及びz方向において凹溝962及び貫通孔921と略等しい位置に備えられている。
本実施形態の温度計測装置は、フィルム状装置が柱状部材77及びコネクタ96により2カ所で支持(2点支持)される。このため、x方向における柱状部材77が設けられた部分及びコネクタ96が設けられた部分以外の部分において、フィルム状装置と、その他の部材(筐体92、メイン基板91など)との間で熱交換がされ難くなり、センサ10がその他の部材の温度の影響(外乱)を受け難くなるので、高速又は高精度で温度を計測することができる。
(変形例)
【0110】
上述した実施形態では、体温を測るための体温計について詳細に説明したが、本発明の温度計測装置は体温計に限定されるものではなく、例えば、大気の温度を計測する装置、海や川の温度を計測する装置、工業製品や工業製品の原料の温度を計測する装置等に使用することもできる。
【0111】
上述した実施形態では、抵抗(導体パターン)を用いた温度センサ10を用いて説明したが、これに限定されるものではない。
上述した実施形態では、センサ10及び電線23a、23bがフィルム部材30に被覆される形態を用いて説明したがこれに限定されるものではない。例えば、センサ10及び電線23a、23bの一部がフィルム部材30から露出していてもよい。例えば、フィルム部材30は、配線部20及びセンサ10の少なくとも一部を被覆していることが好ましい。
上述した実施形態において、コネクタ96や支持部99がメイン基板91に搭載されている形態を用いて説明したがこれに限定されるものではない。例えば、コネクタ96や支持部99が筐体92に固定されていてもよい。
【0112】
上述した各実施形態の構成は互いに組み合わせることができる。上記では、種々の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。例えば、上述した各実施形態の構成を互いに組み合わせたもの、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明によれば、温度を迅速に計測することができる温度計測装置、及び、体温計を提供することができる。
【符号の説明】
【0114】
10 センサ
20 配線部
80 電気回路部
91 回路基板
30 フィルム部材
92 筐体