(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20230904BHJP
【FI】
A61J7/00 Z
(21)【出願番号】P 2021541571
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(86)【国際出願番号】 IB2020050433
(87)【国際公開番号】W WO2020152574
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2023-01-16
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519098796
【氏名又は名称】ヴァイブラント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ベン―ツール,リオール
(72)【発明者】
【氏名】シャバット,ロニ
(72)【発明者】
【氏名】モルナール,シャイ
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-222998(JP,A)
【文献】特表2008-534028(JP,A)
【文献】特開昭53-049880(JP,A)
【文献】国際公開第2018/073726(WO,A1)
【文献】特表2018-522650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するためのデバイスであって、
前記デバイスは、
第1の収容部部分
および第2の収容部部
分を含む収容部
であって、前記第2の収容部部分は、内部に形成された入口を有する、収容部と、
前記収容部内に配置され、
かつ、振動動作モードにおいて、前記デバイスを包囲する環境に前記収容部が振動を及ぼすように適合された振動攪拌機構と、
前記収容部内に配置され、
かつ、前記振動攪拌機構に給電するように適合された電源と、
前記振動動作モード
で動作
するように前記振動攪拌機構を作動させるように適合された制御要素と、
前記流動性摂取可能薬剤を包含するように寸法設定された可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器と、
前記可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器に圧力を
印加するように適合された貯蔵器付勢機構と、
前記薬剤貯蔵器から前記入口まで伸長し、
かつ、前記入口を封止する導管と、
重り
および弁付勢機構を含む弁であって、前記弁付勢機構は、閉鎖作動方向において、前記導管を通る流れを遮断するために前記導管に対し
て前記重りを付勢し、開放作動方向において、流体が前記導管
を通って流れることを可能にするために前記導管から前記重りを取り除くように適合さ
れ、前記弁は、前記振動攪拌機構が前記振動動作モード
にある時
に、前記振動攪拌機構
によってまたは前記収容部によって及ぼされ
る振動の少なくとも一部が前記弁付勢機構に
印加され、前記弁を前記閉鎖作動方向と前記開放作動方向との間で周期的に移行させるように、前記収容部および前記振動攪拌機構の
うち少なくとも1つと機能的に関連する、
弁と、
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記振動攪拌機構が前記振動動作モード
にあり、前記弁が前記開放作動方向
にある時
に、前記貯蔵器付勢機構によって前記貯蔵器に
印加される圧力は、前記流動性摂取可能薬剤を前記貯蔵器から
、前記導管および前記入口を介して
、前記デバイスを包囲する環境へ流動させる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記振動攪拌機構の少なくとも1つの振動パラメータは、前記閉鎖作動方向と前記開放作動方向との間の前記弁の移行を促進するように設定される、請求項1または請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記振動攪拌機構の少なくとも1つの振動パラメータは、前記
流動性摂取可能薬剤の前記ユーザ
の血流内への吸収を促進するように設定される、請求項1~3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記弁の少なくとも1つの弁パラメータは、前記弁がギヤ減速機とし
て機能
し、前記振動攪拌機構の周波数よりも小さい周波数で
開放および閉鎖するように設定される、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の収容部部分は、前記振動攪拌機構、前記電源、および前記制御要素を収容する封止収容部部分であり、
前記第2の収容部部分は、前記可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器、前記貯蔵器付勢機構、前記導管、および前記弁を収容し、
前記第1の収容部部分および前記第2の収容部部分は、互いに取り付けられて前記収容部を形成する個別の要素であり、
前記弁は、前記振動攪拌機構が前記振動動作モード
にある時
に、前記第1の収容部部分によって及ぼされる振動の少なくとも一部が前記弁付勢機構に
印加され、前記弁を前記閉鎖作動方向と前記開放作動方向との間で周期的に移行させるように、前記第1の収容部部分と機能的に関連する、
請求項1~
5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1
の収容部部分および
前記第2の収容部部分は、前記入口を含み
かつ単一の空洞を画定する単一の収容部要素を形成し、前記単一の空洞は、前記振動攪拌機構、前記電源、前記制御要素、前記可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器、前記貯蔵器付勢機構、および前記導管を収容する、請求項1~
5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記貯蔵器付勢機構は、圧力付与表面
で終
端する貯蔵器ばねを
備え、前記圧力付与表面は、前記薬剤貯蔵器の外側表面と係合し、前記貯蔵器ばねは
、中空収容室に係止される、請求項1~
7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記導管の復元時間は、
多くとも0.1秒である、請求項1~
8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記振動攪拌機構は、周波数fを有し、前記導管の復元時間は、
多くとも1/fに等しい、請求項1~
9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記弁付勢機構は、前記開放作動方向から前記閉鎖作動方向に動き、再び前記開放作動方向に戻る周波数fvを有し、前記導管の復元時間は、
多くとも1/fvに等しい、請求項1~
9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記重りは、前記振動攪拌機構を含む、請求項1~
11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記振動攪拌機構によって及ぼされ
る振動は、前記弁付勢機構の係止点を
通って、前記弁付勢機構に伝達
され、それによって、前記弁付勢機構
の揺動
を引き起こし、前記閉鎖作動方向と前記開放作動方向との間の前記弁
の周期的移行を
結果的にもたらす、請求項1~
12のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記制御要素は、
前記ユーザ
の身体によって前記流動性摂取可能薬剤が吸収可能である前記消化管の領域内で前記振動動作モードが少なくとも部分的に発生するような、前記振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間、および
前記貯蔵器から放出され
た流動性摂取可能薬剤の、前記導管および前記入口を介
する、前記ユーザ
の消化管内への推定吸収期間および実際の吸収期間の
うち少なくとも1つの間に前記振動動作モードが少なくとも部分的に発生するような、前記振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間
の
うち少なくとも1つを制御するように適合される、請求項1~
13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスは、前記薬剤貯蔵器内に配置された流動性摂取可能薬剤を更に備
える、請求項1~14のいずれか1項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年1月21日に出願された、DEVICE AND METHOD FOR DELIVERING A FLOWABLE INGESTIBLE MEDICAMENT INTO THE GASTROINTESTINAL TRACT OF A USERと題された英国特許出願第1900780.6号からの優先権を得るものである。
【0002】
本発明は、一般に、ユーザの体内に流動性摂取可能薬剤を送達するためのデバイスおよび方法に関し、特に、振動型カプセルによってトリガされる、流動性摂取可能薬剤のそのような送達に関するデバイスおよび方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態によると、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するためのデバイスが提供され、このデバイスは、
第1の収容部部分と、内部に入口が形成された第2の収容部部分とを含む収容部と、
収容部内に配置され、振動動作モードにおいて、デバイスを包囲する環境に収容部が振動を及ぼすように適合された振動攪拌機構と、
収容部内に配置され、振動攪拌機構に給電するように適合された電源と、
振動動作モードにおいて動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合された制御要素と、
流動性摂取可能薬剤を包含するように寸法設定された薬剤貯蔵器と、
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器に圧力を加えるように適合された貯蔵器付勢機構と、
薬剤貯蔵器から入口まで伸長し、入口を封止する導管と、
重りと、閉鎖作動方向において、導管を通る流れを遮断するために導管に対し重りを付勢し、開放作動方向において、流体が導管内を流動することを可能にするために導管から重りを取り除くように適合された弁付勢機構と、を含む弁と
を含み、
弁は、振動攪拌機構が振動動作モードである時、振動攪拌機構または収容部によって及ぼされる振動の少なくとも一部が弁付勢機構に加わり、弁を閉鎖作動方向と開放作動方向との間で周期的に移行させるように、収容部および振動攪拌機構の少なくとも1つと機能的に関連する。
【0004】
本発明の他の実施形態によると、ユーザの消化管内に摂取可能薬剤を送達する方法が提供され、この方法は、
ユーザによる摂取のために、上述したようなデバイスをユーザに提供することと、
ユーザがデバイスを摂取した後、ユーザの身体によって流動性摂取可能薬剤が吸収可能である消化管の領域内で振動動作モードが少なくとも部分的に発生することにより、閉鎖作動方向と開放作動方向との間での弁の周期的移行、および貯蔵器から導管および入口を介したデバイスを包囲する環境内への流動性摂取可能薬剤の送達をもたらすように、振動攪拌機構を制御することと
を含む。
【0005】
本発明のまた他の実施形態によると、第1の収容部部分を有する振動型摂取可能カプセルに取り付けられるように適合され、振動動作モードにおいて動作するように適合された、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するための薬剤送達室が提供され、この薬剤送達室は、
振動型摂取可能カプセルの第1の収容部部分に取り付けられるように適合され、内部に入口が形成された第2の収容部部分と、
流動性摂取可能薬剤を包含するように寸法設定された可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器と、
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器に圧力を加えるように適合された貯蔵器付勢機構と、
薬剤貯蔵器から入口まで伸長し、入口を封止する導管と、
重りと、閉鎖作動方向において、導管を通る流れを遮断するために導管に対し重りを付勢し、開放作動方向において、流体が導管内を流動することを可能にするために導管から重りを取り除くように適合された弁付勢機構とを含む弁と
を含む。
【0006】
本発明の更なる実施形態によると、ユーザの消化管内に、薬剤送達室内に配置された流動性摂取可能薬剤を送達するために、薬剤送達室に取り付けられるように適合された振動型摂取可能カプセルが提供され、この振動型摂取可能カプセルは、
薬剤送達室の対応する取付け機構に相互接続するために適合された取付け機構を含む収容部と、
収容部内に配置され、振動動作モードにおいて、振動型摂取可能カプセルを包囲する環境に収容部が振動を及ぼすように適合された振動攪拌機構と、
収容部内に配置され、振動攪拌機構に給電するように適合された電源と、
振動動作モードにおいて動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合された制御要素と
を含み、
振動攪拌機構の少なくとも1つの振動パラメータは、薬剤送達室から薬剤送達室を包囲する環境内への流動性摂取可能薬剤の送達、および流動性摂取可能薬剤のユーザの血流内への吸収の少なくとも1つを促進するように設定される。
【0007】
本発明の他の更なる実施形態によると、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するための方法が提供され、この方法は、
第1の収容部部分と、内部に入口が形成された第2の収容部部分とを含む収容部と、
収容部内に配置され、振動動作モードにおいて、摂取可能デバイスを包囲する環境に収容部が圧力を及ぼすように適合された振動攪拌機構と、
収容部内に配置され、振動攪拌機構に給電するように適合された電源と、
振動動作モードにおいて動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合された制御要素と、
内部に流動性摂取可能薬剤が配置された可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器と、
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器に圧力を加えるように適合された貯蔵器付勢機構と、
薬剤貯蔵器から入口まで伸長し、入口を封止する導管と、
重りと、閉鎖作動方向において、導管を通る流れを遮断するために導管に対し重りを付勢し、開放作動方向において、流体が導管内を流動することを可能にするために導管から重りを取り除くように適合された弁付勢機構とを含む、収容部および振動攪拌機構の少なくとも1つと機能的に関連する弁と
を含む摂取可能デバイスを提供することと、
ユーザによって摂取可能デバイスを摂取することと、
ユーザがデバイスを摂取した後、振動動作モードにおいて、振動攪拌機構または収容部によって及ぼされる振動の少なくとも一部が弁付勢機構に加わり、弁を閉鎖作動方向と開放作動方向との間で周期的に移行させるように、振動攪拌機構を制御することと
を含み、
制御中、振動攪拌機構が振動動作モードであり、弁が開放作動方向である時、貯蔵器付勢機構によって貯蔵器に加えられる圧力は、流動性摂取可能薬剤を、貯蔵器から導管および入口を介してアセンブリを包囲する環境へ流動させる。
【0008】
本発明のまた他の実施形態によると、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するための方法が提供され、この方法は、
収容部と、
収容部内に配置され、振動動作モードにおいて、振動型摂取可能カプセルを包囲する環境に収容部が振動を及ぼすように適合された振動攪拌機構と、
収容部内に配置され、振動攪拌機構に給電するように適合された電源と、
振動動作モードにおいて動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合された制御要素と
を含む振動型摂取可能カプセルを提供することと、
内部に入口が形成された第2の収容部部分と、
内部に流動性摂取可能薬剤が配置された可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器と、
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器に圧力を加えるように適合された貯蔵器付勢機構と、
薬剤貯蔵器から入口まで伸長し、入口を封止する導管と、
重りと、閉鎖作動方向において、導管を通る流れを遮断するために導管に対し重りを付勢し、開放作動方向において、流体が導管内を流動することを可能にするために導管から重りを取り除くように適合された弁付勢機構とを含む、収容部および振動攪拌機構の少なくとも1つと機能的に関連する弁と
を含む薬剤送達室を振動型摂取可能カプセルに取り付けることによって、摂取可能デバイスを形成することと、
ユーザによって摂取可能デバイスを摂取することと、
ユーザがデバイスを摂取した後、振動動作モードにおいて、振動攪拌機構または収容部によって及ぼされる振動の少なくとも一部が弁付勢機構に加わり、弁を閉鎖作動方向と開放作動方向との間で周期的に移行させるように、振動型摂取可能カプセルを制御することと
を含み、
制御中、振動攪拌機構が振動動作モードであり、弁が開放作動方向である時、貯蔵器付勢機構によって貯蔵器に加えられる圧力は、流動性摂取可能薬剤を、貯蔵器から導管および入口を介してアセンブリを包囲する環境へ流動させる。
【0009】
上記説明は、添付図面(1~7)と関連して取り上げた場合、以下に示す本発明の詳細な説明から、より容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するためのデバイスの概略ブロック図である。
【
図2】本発明の他の実施形態に係る、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するための、薬剤貯蔵器および弁を含むデバイスの平面断面図である。
【
図4A】薬剤貯蔵器が満杯であり、それぞれ弁が閉鎖作動方向および開放作動方向である、
図2のデバイスの部分平面断面図である。
【
図4B】薬剤貯蔵器が満杯であり、それぞれ弁が閉鎖作動方向および開放作動方向である、
図2のデバイスの部分平面断面図である。
【
図5】薬剤貯蔵器が空であり、弁が閉鎖作動方向である、
図2のデバイスの部分平面断面図である。
【
図6】本発明のまた他の実施形態に係る、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するためのデバイスの概略図である。
【
図7】本発明に係る、
図1~6のデバイスのいずれか1つの使用に基づく、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するための方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ユーザの体内へ摂取可能薬剤を送達するための発明的なデバイスおよび方法、特に、振動型カプセルを含む、摂取可能薬剤のそのような送達のためのデバイスおよび方法の原理は、図面およびそれに伴う説明を参照して、より良く理解され得る。
【0012】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、本出願において、以下の説明に記載された、または図面に示された構成要素の構造および配置の細部に限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態であること、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。また、本明細書において用いられる表現および用語は、説明を目的としており、限定的なものと見なされてはならない。
【0013】
本出願の目的に関し、「ユーザ」という用語は、人間に関する。
【0014】
本出願の目的に関し、「振動型摂取可能カプセル」という用語は、カプセルの振動プロトコルに従って少なくとも1分の累積期間にわたり少なくとも間欠的に振動するように適合された摂取可能カプセルに関する。
【0015】
本出願の目的に関し、「振動攪拌機構」という用語は、たとえばモータ駆動偏心重錘またはモータ駆動振り子などのモータ駆動撹拌器を含む、振動する、またはその近傍の要素を振動させる任意の種類の機構に関する。
【0016】
本出願の目的に関し、「間欠作動型振動攪拌機構」という用語は、振動し、またはその近傍の要素を振動させ、特定の時間に動作可能であり、他の時間には振動せず、またはその近傍の要素を振動させない振動攪拌機構に関し、その作動時間は、振動攪拌機構を制御する制御要素または他の制御ユニットによって選択される。
【0017】
本出願の目的に関し、「制御要素」という用語およびその等価語である「コントローラ」は、非有形コンピュータ可読記憶媒体と機能的に関連付けられた処理ユニットを含む、カプセルの機械部品および/または電気部品の動作を制御するための構成要素に関する。記憶媒体は、処理ユニットによって実行されると、処理ユニットに、カプセルの機械部品および/または電気部品の動作を制御する動作を実行させる命令を格納する。たとえば、命令は、特定の時間、周波数、サイクルで、および/または特定の期間にわたり振動攪拌機構の動作を作動させる命令を含んでよい。制御要素は、記憶媒体に格納された特定の命令の実行をトリガするために用いられ得る入力を受信するためのトランシーバと機能的に関連付けられ、またはトランシーバを含んでよい。
【0018】
本出願の目的に関し、「付勢機構」という用語は、第2の要素の位置が構造またはデバイスの係止点に対し変化した場合でも、第2の要素に圧力を加えるように適合された任意の構造またはデバイスに関する。付勢機構は、たとえば圧縮ばねおよび引張ばねなどのばね、ならびにばね負荷式リーフ、プランジャなどを含む。
【0019】
本出願の目的に関し、「振動プロトコル」という用語は、振動型摂取可能カプセルの間欠作動型振動攪拌機構の振動パラメータを指定するプロトコルに関する。一般に、振動プロトコルは、振動を開始するための作動遅延時間(たとえば、カプセルの「初期」作動と、振動攪拌機構の最初の作動との間の期間)、振動速度(毎時の振動サイクル数)、各振動サイクルに関する振動期間および休止期間、振動周波数、振動によって及ぼされる力の量などに関する。
【0020】
本出願の目的に関し、「治療手順」という用語は、一般に治療を行う医師または医療従事者によって定められる、振動型摂取可能カプセルを利用する治療のパラメータに関する。たとえば、治療手順は、特定の期間内に摂取されるカプセルの数(たとえば1週間に3カプセル、1日に2カプセル)、カプセルを摂取すべき頻度、カプセルを摂取すべき時間帯、カプセルを食事とともに摂取すべきか食事なしで摂取すべきか、などを含んでよい。
【0021】
本出願の目的に関し、「治療プロトコル」という用語は、振動型摂取可能カプセルを用いるユーザの治療の全態様に関し、治療手順ならびにユーザを治療するために用いられる振動プロトコルを含む。
【0022】
本出願の目的に関し、「作動入力」という用語は、カプセルの入力を処理および/または追加の構成要素を制御することができるように、制御要素またはカプセルの制御要素にそれ自体を作動させる、制御要素または振動型摂取可能カプセルの制御要素によって受信される入力に関する。作動入力は、たとえばカプセルが作動すべき特定の条件を感知するセンサなど、カプセルの一部を形成する要素から、またはたとえば遠隔制御要素などの遠隔ソースから、たとえばカプセルに送信される信号、カプセルに及ぼされる磁場、カプセルに及ぼされる特定の運動、または遠隔ソースからカプセルに提供される他の任意の種類の入力によって受信され得る。
【0023】
本出願の目的に関し、振動型摂取可能カプセルは、カプセルが、カプセルのバッテリ寿命を保つことが意図された保管状態である時、「非動作状態」であると言われる。非動作状態において、たとえば特定のセンサ、トランシーバ、および/またはタイミング機構など、作動入力を受信または提供することが意図されたカプセルの構成要素は、少なくとも最小程度にアクティブであってよい。ただし、非動作状態において、振動は起こらず、カプセルの振動を制御する制御要素は非アクティブである。
【0024】
本出願の目的に関し、振動型摂取可能カプセルは、カプセルの制御要素が入力およびデータを処理し、カプセルの振動攪拌機構を振動させ、またはその近傍の要素に振動を起こさせ得る時、「動作状態」であると言われる。
【0025】
本出願の目的に関し、「摂取可能薬剤」は、胃、小腸、および大腸の内部、より一般的には胃または小腸の内部から血流に少なくとも部分的に吸収可能である。
【0026】
本出願の目的に関し、「部分的に吸収可能」という用語は、(酸、酵素などを含む)消化管内の環境が、「部分的に吸収可能」な特性をもたらすために摂取された薬剤を化学的に変化させ得る可能性を含むことが意図される。
【0027】
本出願の目的に関し、「流動性摂取可能薬剤」という用語は、たとえば液状摂取可能薬剤、摂取可能薬剤の懸濁液、ガス状摂取可能薬剤、摂取可能薬剤の溶液、溶解摂取可能薬剤、融解摂取可能薬剤などの、導管を通って流動可能な任意の剤形の摂取可能薬剤に関する。
【0028】
本出願の目的に関し、物質または薬品の商品名の開示は、対応するジェネリック物質または薬品の開示、および、市販の物質または薬品および/または対応するジェネリック物質または薬品内の有効成分(複数も可)の開示であることが意図される。
【0029】
本出願の目的に関し、推定吸収時間は、以下のように決定され得る。
(i)胃において吸収される摂取可能薬剤は、摂取可能薬剤の摂取時間から0.5~1.5時間の範囲内の推定吸収時間を有する。
(ii)小腸において吸収される摂取可能薬剤は、摂取可能薬剤の摂取時間から1.0~5時間の範囲内の推定吸収時間を有する。
(iii)胃および小腸の両方において吸収される摂取可能薬剤は、摂取可能薬剤の摂取時間から0.5~5時間の範囲内の推定吸収時間を有する。
(iv)大腸において吸収される摂取可能薬剤は、摂取可能薬剤の摂取時間から4時間以上、より一般的には4~30時間、6~30時間、6~20時間、または8~20時間の範囲内の推定吸収時間を有する。
【0030】
特定の摂取可能薬剤が血流に吸収される消化管内の位置は、多くの場合、公知である。この位置は、特定の摂取可能薬剤の製造業者および/または販売業者によって提供され、またはそれらに既知であってよい。代替または追加として、この位置は、医師および薬剤師を含む関連医療者に、特にユーザの医療者に既知であってよい。
【0031】
本出願の目的に関し、実際の吸収時間は、当業者に既知である承認された臨床手順に従って、体内または体外で、臨床データから決定され得る。実際の吸収は期間にわたりもたらされるので、「実際の吸収時間」または「実際の吸収期間」は、吸収の20%~80%が生じる期間によって定義され得る。そのようなデータがない場合、「実際の吸収時間」または「実際の吸収期間」は、「ピーク」の実際の吸収時間を決定し、ピーク時間の前後1時間までの期間をまとめることによって定義され得る。
【0032】
本出願の目的に関し、弾性導管の復元時間は、流体が導管内を流動することができないように弾性導管を挟持する力の解除から、導管が流れを遮断しなくなるまでの期間に関する。これは、導管が部分的に復元した時、すなわち、導管内に空洞が存在するように力が取り除かれたが導管が初期の径まで戻っていない時、または、導管が完全に復元し、初期の通常径に戻った時に起こり得る。
【0033】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、パーキンソン病、またはそれに伴う神経変性の症状を含むことが意図される。
【0034】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、進行性核上性麻痺、またはそれに伴う神経変性の症状を含むことが意図される。
【0035】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、大脳皮質基底核変性症、またはそれに伴う神経変性の症状を含むことが意図される。
【0036】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、多系統萎縮症、またはそれに伴う神経変性の症状を含むことが意図される。
【0037】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、(多系統変性症障害としても知られている)パーキンソンプラス症候群、またはそれに伴う神経変性の症状を含むことが意図される。
【0038】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、被験者が、震え、姿勢動揺、および無動または動作緩慢というパーキンソン病の典型的特徴の少なくとも1つ(一般に2つまたは3つ以上)を示す任意の神経変性疾患を含むことが意図される。
【0039】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、被験者がドパミン治療に好反応を示す任意の神経変性疾患を含むことが意図される。
【0040】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、特定の被験者が抗コリン薬治療に好反応を示す任意の神経変性疾患を含むことが意図される。
【0041】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、罹患者または被験者を治療するためにドパミン治療が臨床的に用いられる任意の神経変性疾患を含むことが意図される。
【0042】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群」という用語は、罹患者または被験者を治療するために抗コリン薬治療が臨床的に用いられる任意の神経変性疾患を含むことが意図される。
【0043】
本出願の目的に関し、「パーキンソン病」(PD)という用語は、神経変性疾患の当業者によって用いられるように意図される。PDは、ドパミンを生成する脳細胞の低下に起因するとされている。パーキンソン病の初期徴候および症状は、震え(または動揺)、動作の緩慢、身体の硬直または凝り、および歩行の問題の少なくとも1つを含む。
【0044】
本出願の目的に関し、「パーキンソン症候群の治療」という用語および同種のものは、(i)パーキンソン症候群(たとえばPD)の進行を遅らせること、(ii)パーキンソン症候群(たとえばPD)の発生を緩和すること、および(iii)パーキンソン症候群(たとえばPD)の状態を管理することの少なくとも1つを指す。
【0045】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、慢性または急性便秘、またはそれに伴う症状を含むことが意図される。
【0046】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、胃不全麻痺、またはそれに伴う症状を含むことが意図される。
【0047】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、クローン病、またはそれに伴う症状を含むことが意図される。
【0048】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、慢性または急性下痢、またはそれに伴う症状を含むことが意図される。
【0049】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、大腸炎、またはそれに伴う症状を含むことが意図される。
【0050】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、消化不良または嚥下障害、またはそれに伴う症状を含むことが意図される。
【0051】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、ヒルシュスプルング病、またはそれに伴う症状を含むことが意図される。
【0052】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、過敏性腸症候群、またはそれに伴う症状を含むことが意図される。
【0053】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、被験者が浸透性胃腸治療に好反応を示す任意の疾患を含むことが意図される。
【0054】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、特定の被験者が大便軟化治療に好反応を示す任意の疾患を含むことが意図される。
【0055】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、特定の被験者が胃腸収縮誘発治療に好反応を示す任意の疾患を含むことが意図される。
【0056】
本出願の目的に関し、「消化管の病気」という用語は、被験者が胃腸液吸収誘発治療に好反応を示す任意の疾患を含むことが意図される。
【0057】
本出願の目的に関し、消化管の病気に関する「状態を管理する」という用語は、特に、たとえば消化管の病気の治療に使用される薬剤(たとえばリナクロチド(Linzess(登録商標))などの薬剤の血流内への吸収を増加させることを含むことが意図される。そのような状態管理は、(i)増加した吸収に起因する薬剤効果の増加、および(ii)増加した薬剤吸収効果に起因する投薬量の低減の少なくとも1つによって示され得る。
【0058】
本出願の目的に関し、パーキンソン症候群および同種のものに関する「状態を管理する」という用語は、特に、たとえばパーキンソン症候群の治療に使用される薬剤(たとえばレボドパ)などの薬剤の血流内への吸収を増加させることを含むことが意図される。そのような状態管理は、(i)増加した吸収に起因する薬剤効果の増加、および(ii)増加した薬剤吸収効果に起因する投薬量の低減の少なくとも1つによって示され得る。
【0059】
ここで、図面を参照すると、
図1は、本発明の実施形態に係る、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤102を送達するためのデバイス100の概略ブロック図である。
【0060】
流動性摂取可能薬剤の送達は、詳しく後述するように、振動型摂取可能カプセルが振動動作モードである時にのみトリガされ発生することが、本発明に特有の特徴である。言い換えれば、流動性摂取可能薬剤の送達は、振動型摂取可能カプセルが実際に振動している時にのみ発生し、そのような振動型摂取可能カプセルの振動によってトリガされる。
【0061】
図1に示すように、デバイス100は、振動型摂取可能カプセル110を含む。カプセル110は、長手方向軸113に沿って配置され、内部に振動攪拌機構114が設けられた、第1の収容部部分とも称されるカプセル収容部またはシェル112を含む。制御要素116は、振動攪拌機構114の動作を制御するように適合され、少なくとも1つの電源118が、振動攪拌機構114および制御要素116へ電力を供給する。
【0062】
振動型摂取可能カプセル110は、薬剤送達室120と機能的に関連する。
【0063】
いくつかの実施形態において、薬剤送達室120は、
図1に示し、
図2に関して後述するように、振動型摂取可能カプセル110とは別であり、振動型摂取可能カプセル110に取り付けられる。そのような実施形態において、薬剤送達室は、空洞122を画定する、第2の収容部部分とも称される中空薬剤収容室121を含む。中空収容室は、入口123を含み、カプセル110の収容部112に取り付けられる。
【0064】
薬剤収容室120は、振動型摂取可能カプセル110の収容部112に固定的に取り付けられ、または取外し可能に取り付けられ得る。薬剤収容室120は、たとえば接着によって、はんだ付けによって、スナップフィット係合によって、または螺合によってなど、任意の適当な取付け方法を用いて、振動型摂取可能カプセル110の収容部112に取り付けられ得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、振動型摂取可能カプセル110を中空薬剤収容室121に相互接続するために、振動型摂取可能カプセル110の収容部112は取付け機構を含み、中空薬剤収容室121は対応する取付け機構を含む。そのような取付け機構の典型的な構成は、後に詳しく説明される
図3~4Bに示される。
【0066】
他の実施形態において、薬剤送達室120は、
図6に関して後述するように、振動型摂取可能カプセル110の一部を形成してよい。そのような実施形態において、入口123は、収容部112に形成され、後述するように、振動型摂取可能カプセルの空洞は、空洞122内に含まれる全ての構成要素を含む。
【0067】
内部に流動性摂取可能薬剤102が配置されるように適合された可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器124は、空洞122内に配置され、薬剤収容室121に係止され得る貯蔵器付勢機構125によって絶えず圧力を加えられる。可撓性および/または弾性導管であってよい導管126は、導管内を流動する流体が、デバイス100を包囲する環境に送達されるように、薬剤貯蔵器124から入口123まで伸長する。一般的に、導管126は、デバイス100を包囲する環境からデバイスに流体が入り込むことを防ぐために、入口123を封止する。
【0068】
弁は、重り128と、閉鎖作動方向において、導管に対し重り128を付勢することにより導管を挟持することによって導管126を通る流れを遮断し、開放作動方向において、導管の復元時間の後、流体が導管内を流動し得るように重り128による導管126への圧力の付与を取り除くように適合された、典型的にはばねである弁付勢機構129とを含む。
【0069】
弁付勢機構129は、収容部112または振動攪拌機構114と機能的に関連することが、本発明に特有の特徴である。振動攪拌機構114が非動作可能状態である時、または動作可能であるが振動動作モードではない時、弁付勢機構129は、弁が閉鎖作動方向であり、流体が導管内を流動することができないように、導管126に対し重り128を付勢する。振動攪拌機構114が振動動作モードであり、収容部112に振動を及ぼす時、及ぼされた振動の少なくとも一部は、弁付勢機構129に加わり、弁付勢機構を周期的に動かす。弁付勢機構129の周期的運動は、対応する、重り128を導管126から遠ざける周期的運動をもたらすことにより、弁を閉鎖作動方向から開放作動方向に移行させ、流体が導管126内を流動することを可能にする。
【0070】
導管126の可撓性および弾性によって、重り128が導管から離れる方向へ動かされると、導管126は少なくとも部分的に復元し、流体が導管内を流動し得る。貯蔵器付勢機構125は貯蔵器124に絶えず圧力を加えるので、導管126が復元すると、流動性摂取可能薬剤は、導管を通って入口123からデバイス100を包囲する環境内へ流動することが可能である。このように、流動性摂取可能薬剤は、振動攪拌機構114の振動によってトリガされ、制御される。
【0071】
流動性摂取可能薬剤がデバイス100を包囲する環境内へ送達される速度は、たとえば導管の径、導管壁の厚さ、および導管の復元時間といった導管126の特性、ならびに、たとえば弁の開放作動方向と閉鎖作動方向との間の移行の周波数といった弁の特性に依存する。
【0072】
理解されるように、弁付勢機構129が、重り128を導管126の方向および導管126から離れる方向へ動かすことによって弁を開放作動方向と閉鎖作動方向との間で移行させる周波数は、振動攪拌機構114または収容部112によって及ぼされる振動の周波数、ならびに、たとえば重り128の質量および付勢機構129のばね定数といった弁の特性に依存する。
【0073】
いくつかの実施形態において、重り128の質量および付勢機構129の長さおよびばね定数は、弁がギヤ減速機としての機能を果たすように選択され得る。そのような実施形態において、弁が閉鎖作動方向と開放作動方向との間で移行する周波数(すなわち、弁付勢機構129が重り128を導管126から離れる方向へ引き寄せ、その後、導管126に圧力を加えるために重り128を再び押し付ける周波数)は、振動攪拌機構114によって及ぼされる振動の周波数よりも小さくあってよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、弁付勢機構129は、収容部112に係止される。いくつかの実施形態において、弁付勢機構129は、薬剤収容室121と振動型摂取可能カプセル110の収容部112との間の取付けが、弁付勢機構129に加わる振動の周波数または強度を減衰または低下させないこと、および薬剤収容室121に及ぼされる振動の周波数および強度が、収容部112に及ぼされる振動の周波数および強度と実質的に等しいことを条件として、薬剤収容室121に係止され得る。
【0075】
ここで、薬剤送達室120の特性に関して、薬剤送達室120が振動型摂取可能カプセル110とは別であるいくつかの実施形態において、薬剤収容室121の空洞122は、200mm3~800mm3、300mm3~700mm3、または400mm3~600mm3の範囲内の容積を有する。収容部112が薬剤送達室120の構成要素を収容する他の実施形態において、収容部112は、1000mm3~4000mm3の範囲内の容積を有する。
【0076】
いくつかの実施形態において、薬剤貯蔵器124は、1mm3~600mm3、1mm3~10mm3、5mm3~20mm3、15mm3~50mm3、30mm3~200mm3、100mm3~400mm3、または300mm3~600mm3の範囲内の最大容積を有する。
【0077】
いくつかの実施形態において、薬剤貯蔵器124は、弾性またはエラストマ特性を有し、ヤング率に関して、典型的には1GPa未満である低い値を有し得る。いくつかの実施形態において、薬剤貯蔵器124は、シリコンゴム、天然ゴム、ポリエチレン、およびPVCから成るグループから選択された材料で形成される。
【0078】
いくつかの実施形態において、貯蔵器付勢機構125は、
図2~5に示すように、薬剤貯蔵器124の外側表面と係合する圧力付与表面を終端とする貯蔵器ばねを含む。そのような実施形態において、貯蔵器ばねは、薬剤収容室121に係止され得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、貯蔵器付勢機構125は、1N/m~200N/mの範囲内のばね定数Kを有する。
【0080】
いくつかの実施形態において、可撓性かつ弾性導管126は、可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器124と一体に形成される。他の実施形態において、導管126は、薬剤貯蔵器124とは異なる材料で形成される。
【0081】
振動攪拌機構114が振動動作モードである時、流体が導管126を通って送達され得ることを確実にするために、導管の復元時間は、導管が再び重り128によって挟持される前に導管が通常径に復元し、導管内の流体通路をもたらすために、十分短い必要がある。
【0082】
このように、いくつかの実施形態において、振動攪拌機構が周波数fを有する時、導管126の復元時間は、最大で1/fに等しい。他の実施形態において、弁付勢機構129が、開放作動方向と閉鎖作動方向との間で弁を移行させる周波数fvを有する時、導管126の復元時間は、最大で1/fvに等しい。
【0083】
いくつかの実施形態において、導管126の復元時間は、最大0.1秒である。
【0084】
いくつかの実施形態において、導管126は、0.01mm~0.9mmの範囲内の径を有する。
【0085】
いくつかの実施形態において、導管126は、3mm~25mmの範囲内の長さを有する。
【0086】
いくつかの実施形態において、弁付勢機構129は、0.1N/m~5N/mの範囲内のばね定数を有する。
【0087】
いくつかの実施形態において、重り128は、0.1グラム~2グラムの範囲内の質量を有する。
【0088】
特にカプセル110に関して、電源118は、たとえば1または複数のアルカリ電池または酸化銀電池、一次電池、充電式電池、キャパシタ、および/またはスーパーキャパシタなど、任意の適当な電源であってよい。
【0089】
間欠作動型振動攪拌機構114は、(第1の動作モードとも称される)振動動作モードおよび(第2の動作モードとも称される)休止モードを有するように適合される。振動動作モードにおいて、間欠作動型振動攪拌機構114は、カプセル収容部112が、カプセル110を包囲する環境および/またはデバイス100に振動を及ぼすように、カプセル収容部112に力を及ぼすように適合される。
【0090】
いくつかの実施形態において、カプセル110は、制御要素116にカプセルを非動作状態から動作状態へ移行させる作動入力を受信するまで、非動作状態である。
【0091】
いくつかの実施形態において、制御要素116は、電源118によって給電され、たとえば作動入力が受信されてから経過した期間またはユーザがカプセル110を摂取してから経過した期間などの少なくとも1つの時間特性を追跡するように適合された、たとえば時計、世界時計、またはストップウォッチなどのタイマまたはタイミング機構130と機能的に関連し、またはこれを含む。
【0092】
いくつかの実施形態において、カプセル110は、カプセル110の環境を感知するための任意のセンサを有さない。いくつかのそのような実施形態において、制御要素116は、作動入力の受信に応答して、所定の遅延時間待機し、所定の遅延時間の後、上記第1の振動動作モードで動作するように振動攪拌機構114を作動させるように適合される。
【0093】
たとえば
図1に示す実施形態などの他の実施形態において、カプセル110は更に、制御要素116と機能的に関連する少なくとも1つのセンサ132を含む。少なくとも1つのセンサ132は、カプセル110内またはカプセル110の環境内の少なくとも1つのパラメータを感知するように適合されてよく、温度センサ、照明センサ、湿度センサ、圧力センサ、加速度計、または他の任意の適当なセンサを含んでよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサ132は、カプセル110内またはその近傍における特定の状態を識別し、状態の識別に応答して制御要素116に作動入力を提供するように適合される。たとえば、いくつかの実施形態において、状態は、カプセル110を摂取するユーザを示すものである。
【0094】
たとえば、いくつかの実施形態において、センサ132は、照明環境(たとえば人間の体外)から暗環境(たとえば人間の体内)へのカプセル110の移行を識別し、そのような移行の識別に応答して作動入力を提供するように適合された照明センサを含んでよい。
【0095】
他の例として、いくつかの実施形態において、センサ132は、カプセル110またはデバイス100に対しユーザによって実行された作動運動を識別し、そのような移行の識別に応答して作動入力を提供するように適合された、たとえば加速度計などの運動または加速センサを含んでよい。胃腸カプセルに関する作動入力を提供する加速度計の例は、全ての目的に関して参照によって本明細書に全体が記載されたものとして組み込まれる米国特許第10,314,514号に記載される。
【0096】
他の例として、いくつかの実施形態において、センサ132は、ユーザの咽頭を通るカプセルの移動を示す、カプセル110またはデバイス100に加わる圧力を識別し、そのような圧力の識別に応答して作動入力を提供するように適合された圧力センサを含んでよい。
【0097】
更なる例として、いくつかの実施形態において、センサ132は、周囲温度を有するエリア(たとえば人間の体外)から人間の体温を有するエリアへのカプセル110またはデバイス100の移行を識別し、そのような移行の識別に応答して作動入力を提供するように適合された温度センサを含んでよい。
【0098】
更なる例として、いくつかの実施形態において、センサ132は、乾燥エリア(たとえば人間の体外)から湿潤エリア(たとえば人間の体内)へのカプセル110またはデバイス100の移行を識別し、そのような移行の識別に応答して作動入力を提供するように適合された湿度センサを含んでよい。
【0099】
当業者には理解されるように、センサ132は、必ずしも
図1に示すようにカプセル110内に配置される必要はなく、デバイス100内の任意の場所、たとえば薬剤収容室120の空洞122内、カプセル110の外側、またはデバイス100の外側に配置されてよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、デバイス100およびカプセル110から遠隔であってよく、カプセルに1または複数の入力を提供するように適合された制御ユニット140と機能的に関連してよい。いくつかのそのような実施形態において、カプセル110は、制御要素116と機能的に関連し、制御ユニット140の入力提供機構142からの入力を受信するように適合された遠隔入力受信機構136を更に含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、制御ユニット140は、たとえば制御命令がカプセル110に提供されてから経過した期間などの少なくとも1つの時間特性を追跡するように適合されたタイミング機構146を更に含んでよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、制御ユニット140は、たとえばユーザ、ユーザを治療している医療従事者、またはユーザの介護人などのユーザからの入力を受信するように適合された、たとえばキーボード、タッチスクリーン、またはタッチパッドなどのユーザ入力受信機148を更に含んでよい。
【0103】
制御ユニット140は、任意の適当な種類の制御ユニットであってよい。いくつかの実施形態において、制御ユニットは、適当に構成されたスマートフォンまたはタブレットコンピュータであってよい。
【0104】
いくつかのそのような実施形態において、制御ユニット140は、たとえば無線周波数(RF)通信またはBluetooth(登録商標)通信などの短距離無線通信法を用いて、入力提供機構142から遠隔入力受信機構136へ入力を遠隔送信することによって、カプセル110に入力を提供してよい。カプセルに入力を提供するためのそのような機構の一例は、全ての目的に関して参照によって本明細書に全てが記載されたものとして組み込まれる米国特許第10,478,373号において説明される。
【0105】
いくつかの実施形態において、制御ユニット140は、カプセル110の制御要素116に作動入力を提供するように適合される。いくつかのそのような実施形態において、制御ユニット140は、カプセル110を含むデバイス100をユーザが摂取する前に作動入力を提供するが、他の実施形態において、制御ユニット140は、ユーザによるデバイス100およびカプセル110の摂取後に作動入力を提供する。
【0106】
振動攪拌機構114の特徴に関して、振動攪拌機構は、間欠的に作動され、カプセル収容部112に適当な力を加えることができる任意の適当な機構であってよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、間欠作動型振動攪拌機構114は、カプセル収容部112に、収容部112の長手方向軸に対し径方向に径方向力を及ぼすように適合された径方向攪拌機構を含んでよい。たとえば、径方向攪拌機構は、実質的に、全ての目的に関して参照によって本明細書に全てが記載されたものとして組み込まれる米国特許第9,707,150号において説明されるように、上記バッテリによって給電される電気モータのシャフトに取り付けられた不平衡重りを含んでよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、間欠作動型振動攪拌機構114は、カプセル収容部112に、収容部112の長手方向軸に対し軸方向に径方向力を及ぼすように適合された軸方向攪拌機構を含んでよい。たとえば、軸方向攪拌機構は、バッテリによって給電される電気モータと、電気モータと関連付けられ電気モータによって駆動される付勢機構とを含んでよく、付勢機構は、実質的に米国特許第9,707,150号において説明されるように、上記軸方向力を及ぼすように適合される。いくつかの実施形態において、付勢機構は反対方向に軸方向力を及ぼすように適合される。いくつかの実施形態において、付勢機構は、軸方向力の少なくとも一部をノッキングモードで伝達するように適合される。
【0109】
いくつかの実施形態において、間欠作動型振動攪拌機構114によって、振動動作モードのカプセル収容部112に及ぼされる力は、収容部の長手方向軸に対して径方向の径方向力および長手方向軸に対して軸方向の軸方向力を含む。いくつかの実施形態において、単一の攪拌機構が、径方向力および軸方向力の両方を及ぼす。他の実施形態において、1つの攪拌機構によって軸方向力が及ぼされ、他の別の攪拌機構によって径方向力が及ぼされ、両方の攪拌機構が、間欠作動型振動攪拌機構114の一部を形成する。
【0110】
いくつかの実施形態において、間欠作動型振動攪拌機構114は、カプセル収容部112に磁場および径方向力を及ぼすように適合されたロータに取り付けられた磁石を含んでよい。たとえば、そのような磁気振動攪拌機構は、全ての目的に関して参照によって本明細書に全てが記載されたものとして組み込まれる米国特許出願公開第2016/0310357号において説明される。
【0111】
いくつかの実施形態において、収容部112は、第1および第2の部材を含んでよく、振動攪拌機構114は、実質的に、全ての目的に関して参照によって本明細書に全てが記載されたものとして組み込まれる米国特許第9,078,799号において説明されるように、収容部の第1の部材を収容部の第2の部材と反対方向に動かすことによって振動をもたらすように適合された機構を含んでよい。
【0112】
いくつかの実施形態において、収容部112は、たとえば全ての目的に関して参照によって本明細書に全てが記載されたものとして組み込まれる2016年6月16日に出願された中国特許出願第105997466号において説明されるように、カプセルの近傍に振動をもたらすために振り子を利用する振動攪拌機構114を含んでよい。
【0113】
いくつかの実施形態において、または場合によっては、制御要素116は、デバイス100を包囲する環境内への流動性摂取可能薬剤の送達および/または摂取可能薬剤のユーザの血流への吸収を促進するために振動攪拌機構114を制御し、特に、振動攪拌機構114の少なくとも1つの振動パラメータを設定するように適合される。
【0114】
たとえば、デバイス100を包囲する環境内への流動性摂取可能薬剤の送達は、導管126が比較的長い期間にわたり開放するように振動攪拌機構114の1または複数の特性を制御し、流動性薬剤の消化管内への迅速な送達をもたらすことによって促進され得る。
【0115】
他の例として、摂取可能薬剤の吸収は、摂取可能薬剤の乳化を促進する振動によって促進され得る。また他の例として、摂取可能薬剤の吸収は、摂取可能薬剤の疎水性相に、より小さな気泡を形成させることにより、吸収するための疎水性相の表面積を増加させる振動によって促進され得る。他の例として、摂取可能薬剤の吸収は、より大部分の摂取可能薬剤を環境に触れさせる振動によって促進され得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、または場合によっては、制御要素116は、カプセルが環境に力を加えることにより消化管内で消化管壁の機械的刺激がもたらされるように振動攪拌機構114を制御するように適合され得る。
【0117】
いくつかのそのような実施形態において、以下で更に詳しく説明するように、少なくとも1つの振動パラメータは、振動周波数、累積振動期間、時間単位当たりの振動サイクル数、振動サイクル内の振動期間の持続時間、振動サイクル内の休止期間の持続時間、単一の振動サイクルの合計期間、および上記収容部によって上記環境に及ぼされる合力の少なくとも1つを含む。
【0118】
いくつかの実施形態において、制御要素116は、流動性摂取可能薬剤がユーザの身体によって吸収可能であり、かつ流動性摂取可能薬剤が消化管内に送達されることが望ましい消化管の領域内で振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように、振動攪拌機構114の振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間を制御するように適合される。
【0119】
いくつかの実施形態において、制御要素116は、ユーザの消化管内での流動性摂取可能薬剤102の推定吸収期間内に振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように、振動攪拌機構114の振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間を制御するように適合される。
【0120】
いくつかの実施形態において、制御要素116は、ユーザの消化管内での流動性摂取可能薬剤102の実際の吸収期間内に振動動作モードが少なくとも部分的に生じるように、振動攪拌機構114の振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間を制御するように適合される。
【0121】
振動動作モードにおいて、間欠作動型振動攪拌機構114は、複数の振動サイクルを有するように適合され、各サイクルは、振動期間の後に休止期間を含む。振動期間中のみ、振動攪拌機構114によってカプセル収容部112に力が及ぼされ、その結果、カプセル収容部112は、振動期間中しか、その環境に力を及ぼさない。
【0122】
いくつかの実施形態において、毎時振動サイクル数は、20~400、40~400、60~400、80~400、40~380、60~380、80~380、40~360、60~360、80~360、100~360、100~330、100~300、100~280、100~250、100~220、100~200、120~300、120~280、120~250、120~220、120~200、150~300、150~280、150~250、150~220、170~300、170~250、170~220、または170~200の範囲内である。
【0123】
いくつかの実施形態において、休止期間は、振動期間より長い。
【0124】
いくつかの実施形態において、振動期間は、0.1秒~10秒、1秒~10秒、1秒~9秒、2秒~9秒、3秒~9秒、3秒~8秒、3秒~7秒、3秒~6秒、4秒~6秒、または5秒~6秒の範囲内である。
【0125】
いくつかの実施形態において、休止期間は、1秒~180秒、3秒~180秒、5秒~180秒、5秒~150秒、5秒~120秒、8秒~100秒、8秒~30秒、10秒~80秒、10秒~70秒、10秒~60秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、10秒~20秒、または15秒~20秒の範囲内である。
【0126】
いくつかの実施形態において、振動サイクルの合計期間は、1.1秒~200秒、5秒~200秒、10秒~200秒、10秒~150秒、10秒~100秒、10秒~80秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、15秒~50秒、15秒~40秒、15秒~30秒、または15秒~25秒の範囲内である。
【0127】
いくつかの実施形態において、振動動作モードの累積期間または振動サイクルが発生している累積期間は、1時間~12時間、2時間~10時間、2時間~8時間、2時間~6時間、2時間~4時間、または2時間~3時間の範囲内である。振動サイクルの累積期間は、電源118の特性に依存し得ることが理解される。
【0128】
当業者には理解されるように、振動動作モードは、振動攪拌機構114が、たとえば30分である第1の期間にわたり振動動作モードで動作可能であり、その後、たとえば1時間である第2の期間にわたり任意の振動サイクルを有し、その後、たとえば2時間である第3の期間にわたり振動モードで動作可能であり振動サイクルを有するように、間欠的または断続的であってよい。累積期間は、振動攪拌機構114が振動モードで動作可能であり、振動サイクルの振動期間および休止期間を含む振動サイクルを含んでいた全ての期間の合計に関する。
【0129】
いくつかの実施形態において、振動攪拌機構114は、カプセル収容部112によってその環境に及ぼされる合力が好適には50重量グラム(gf)~600gf、50gf~550gf、100gf~550gf、100gf~500gf、150gf~500gf、200gf~500gf、または200gf~450gfの範囲内であるように、カプセル収容部112に力を及ぼすように構成される。
【0130】
いくつかの実施形態において、振動攪拌機構114は、10Hz~650Hz、15Hz~600Hz、20Hz~550Hz、30Hz~550Hz、50Hz~500Hz、70Hz~500Hz、100Hz~500Hz、130Hz~500Hz、または150Hz~500Hzの範囲内のカプセル収容部112振動周波数を得るためにカプセル収容部112に上記力を及ぼすように構成される。
【0131】
たとえば特定のカプセルに与えることができる特定の周波数および力の範囲などのカプセルの正確な仕様は、電源118および振動攪拌機構114の仕様に依存することが理解される。
【0132】
特定のカプセルが、カプセルの様々な振動サイクルにおいてカプセルによって様々な振動周波数が得られ、および/または様々な合力が及ぼされ得るように制御要素116によって制御され得ることが更に理解される。ユーザ間の生来の差異により、単一のカプセルの様々な振動サイクルにおける複数の様々なパラメータの使用は、振動サイクルの少なくともいくつかにおいてカプセルの作動パラメータが各特定のユーザに関する最適パラメータに到達し、または近付く確率がより高くなるので、それらユーザの個人的な最適治療が同じではない場合でも、カプセルが複数のユーザを適切に治療することを可能にする。
【0133】
制御要素116は、間欠作動型振動攪拌機構114の動作を制御するように適合される。そのような制御は、振動攪拌機構114によって加えられる力、到達する振動周波数、振動攪拌機構114が振動動作モードで動作する回数、各振動サイクルの振動期間、各振動サイクルの休止期間、振動サイクル期間、および振動攪拌機構の累積振動期間のいずれか1または複数の制御を含んでよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、制御要素116は、デバイス100およびカプセル110の摂取またはカプセルの作動の前、またはデバイスおよびカプセルがユーザの消化管を通過する間、制御ユニット140から、所望の振動プロトコルに関する情報を受信するように適合される。たとえば、情報は、たとえば短距離無線通信法を用いて、制御ユニット140から制御要素116へ遠隔送信され得る。いくつかの実施形態において、情報は、振動プロトコルをもたらすための振動パラメータのリストとして送信される。いくつかの実施形態において、情報は、第1の振動プロトコルをもたらすための実行可能コードとして送信される。
【0135】
いくつかの実施形態において、情報は、所望の振動サイクル数、各振動サイクル内の所望の振動期間、各振動サイクル内の所望の休止期間、所望の累積振動期間などを含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、流動性摂取可能薬剤は、ユーザの胃で吸収可能または少なくとも部分的に吸収可能である。いくつかの実施形態において、流動性摂取可能薬剤は、ユーザの小腸で吸収可能または少なくとも部分的に吸収可能である。
【0137】
いくつかの実施形態において、流動性摂取可能薬剤は、100Pa・s~1000Pa・sの範囲内の粘度を有する。
【0138】
いくつかの実施形態において、流動性摂取可能薬剤は、パーキンソン症候群、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症、(多系統変性症障害としても知られている)パーキンソンプラス症候群、被験者が、震え、姿勢動揺、および無動または動作緩慢というパーキンソン病の典型的特徴の少なくとも1つ(一般に2つまたは3つ以上)を示す任意の神経変性疾患、被験者がドパミン治療に好反応を示す任意の神経変性疾患、特定の被験者が抗コリン薬治療に好反応を示す任意の神経変性疾患、便秘、クローン病、胃不全麻痺、過敏性腸症候群(IBS)、下痢または軟便、大腸炎、ヒルシュスプルング秒、消化不良、および嚥下障害から成るグループから選択された1または複数の症状または疾患の治療に適している。
【0139】
いくつかの実施形態において、流動性摂取可能薬剤は、レボドパ、ドパミン作用薬、少なくとも1つのカテコールアミン前駆体、ドパミン前駆体、少なくとも1つのドパミン前駆体物質、(L)-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、N-メチル-N-(2-プロピニル)-2-メチル-1-フェニルエチル-2-アミン、チロシンヒドロキシラーゼ、アポモルフィン、少なくとも1つの抗コリン薬、少なくとも1つのコリン受容体に拮抗するために選択された少なくとも1つの薬剤、トリヘキシフェニジル、オルフェナドリン、代謝型グルタミン酸受容体4(mGluR4)の少なくとも1つの選択的アロステリック増強剤、N-フェニル-7-(ヒドロキシルイミノ)シクロプロパ[b]クロメン-la-カルボキサイド、少なくとも1つの浸透圧剤、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、リン酸ナトリウム、MiraLAX(登録商標)、少なくとも1つの収縮刺激剤、ビサコジル、センナ、コレクトール、ダコジル、ダルコラックス、セネクソン、セノコット、少なくとも1つの大便軟化剤、ドクサートナトリウム、コレース、リナクロチド、ラクチュロース、ルビプロストン、プレカナチド、プルカロプリド、ロペラミド、および次サリチル酸ビスマスから成るグループから選択された摂取可能薬剤を備え、または含む。
【0140】
ここで、本発明の他の実施形態に係る、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤202を送達するための、薬剤貯蔵器224および弁を含むデバイス200の平面断面図である
図2、デバイス200の部分斜視断面図である
図3、薬剤貯蔵器224が満杯であり、それぞれ弁が閉鎖作動方向および開放作動方向であるデバイス200の部分平面断面図である
図4Aおよび
図4B、および、薬剤貯蔵器124が空であり、弁が閉鎖作動方向であるデバイス200の部分平面断面図である
図5が参照される。
【0141】
示されるように、長手方向軸に沿って配置されたデバイス200は、実質的に
図1に関して上述したように、収容部212を含む振動型摂取可能カプセル210を含む。理解されるように、カプセル210は、
図1に関して上述したように、振動攪拌機構、制御要素、および電源を少なくとも含むが、これらの構成要素は
図2A~4Bに明示されない。
【0142】
ここでは凸形ドーム形状を有するように図示される薬剤送達室220は、空洞222を画定する薬剤収容室221によって形成される。入口223が、薬剤収容室221に形成される。薬剤貯蔵器224は、空洞222内に配置され、貯蔵器付勢機構によってカプセル210の方へ付勢される。貯蔵器付勢機構は、薬剤収容室221にその一端を係止され、対向端部において、薬剤貯蔵器224の外側表面と係合し、そこに圧力を加える付勢板225bを終端とするばね225aを含む。薬剤貯蔵器224は、可撓性かつ折畳み可能であり、たとえばシリコンゴム、天然ゴム、ポリエチレン、およびPVCなどの任意の適当な材料で形成され得る。
【0143】
可撓性および/または弾性導管であってよい導管226は、流体が、薬剤貯蔵器224から、導管226および入口223を介してデバイス200を出て、デバイスを包囲する環境内へ流動し得るように、薬剤貯蔵器224から入口223まで伸長し、入口223を終端とする。いくつかの実施形態において、入口223内に配置された導管226の端部は、材料が環境からデバイス200に入り込むことを防ぐために、入口を封止もする。他の実施形態において、導管226の端部は、入口を封止するシールによって包囲され得る。
【0144】
空洞222内に配置された弁227は、弁付勢機構としての機能を果たす圧縮ばね229に係止された重り228を含む。ばね229は、重り228に対し遠位側の端部において、薬剤収容室221または振動型摂取可能カプセル210の収容部212から伸長する剛性係止棚230に係止される。
【0145】
付勢ばね229および重り228は、振動型摂取可能カプセル210が非動作可能モードである時、または動作可能モードであるが振動していない時、
図4Aに明示するように、付勢機構229が導管226に対し重り228を付勢することによって、導管を閉鎖状態で挟持するように構成される。これが、弁227の閉鎖作動方向である。弁227が閉鎖作動方向である時、流体が導管226内を流動することはできず、貯蔵器付勢機構によって薬剤貯蔵器224に加えられる圧力は、薬剤貯蔵器および導管の内容物によるそのような圧力に抵抗する力と平衡である。
【0146】
ただし、振動型摂取可能カプセル210が振動動作モードである時、振動型摂取可能カプセル210の振動は、係止棚230を介して付勢ばね229にも加わる。上述したように、カプセル210の振動は周期的であり、ばねを周期的に収縮および延伸させる。ばね229の収縮は、重り228を導管226から引き寄せ、または導管226から離れる方向へ動かすことにより、
図4Bに示すように、導管226が通常径に復元し、流体が導管226内を流動することを可能にする。これが、弁227の開放作動方向である。弁227が開放作動方向である時、貯蔵器付勢機構によって薬剤貯蔵器224に加えられる圧力は、薬剤202を、導管226および入口223を介して貯蔵器224からデバイス200を包囲する環境内へ流動させる。
【0147】
使用中、カプセル210が振動動作モードである時、弁227は、閉鎖作動方向と開放作動方向との間で、またはその逆に、周期的に移行する。そのような振動時間中、弁が開放作動方向である時、流動性摂取可能薬剤202は、貯蔵器224から、デバイス200を包囲する環境へ送達される。弁227の周期的な開放および閉鎖により、そのような送達は、
図5に示すように薬剤貯蔵器が空になり、全ての流動性薬剤が送達されるまで、一気に、または少量ずつ発生する。
【0148】
そのような各バーストにおいて送達される薬剤の量は、貯蔵器付勢機構によって加えられる圧力、導管226の復元時間、導管の径、および弁227が開放作動方向である期間に依存する。弁227が開放作動方向である期間は、振動型摂取可能カプセル210によって及ぼされる振動の周波数、ならびに重り228の質量、付勢ばね229の長さおよびばね定数、および係止棚230の剛性に基づく。いくつかの実施形態において、弁227は、弁が開放構成と閉鎖構成との間で移行する周波数がカプセル210の振動の周波数よりも小さくなるように、ギヤ減速機としての機能を果たす。
【0149】
薬剤送達室220の薬剤収容室221は、振動型摂取可能カプセル210の収容部212に取り付けられる。図示された実施形態において、振動型摂取可能カプセル210の収容部212は、円周スロット250の形状の第1の取付け機構と、カプセル収容部212の長手方向端部254に隣接して配置された円周突起部252とを含む。薬剤収容室221は、円周スロット260の形状の第2の対応する取付け機構と、薬剤収容室221の端部264に隣接して配置された円周突起部262とを含む。円周スロット260は、寸法において、カプセル210の円周突起部252に対応し、円周突起部262は、寸法において、カプセル210の円周スロット250に対応する。
【0150】
図示した実施形態において、薬剤収容室220は、スロット260と突起部252とのスナップフィット係合および突起部262とスロット250とのスナップフィット係合によって振動型摂取可能カプセル210に固定的に取り付けられる。ただし、螺合、はんだ付けによる係合、接着による係合などを含む、薬剤収容室221と振動型摂取可能カプセル210との間の任意の種類の取付けが本発明の範囲内で考慮される。
【0151】
ここで、本発明のまた他の実施形態に係る、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤302を送達するためのデバイス300の概略図である
図6が参照される。
【0152】
示されるように、長手方向軸に沿って配置されたデバイス300は、実質的に
図1に関して上述したように、単一の空洞を画定する第1の収容部部分および第2の収容部で形成された収容部312と、振動攪拌機構314とを含む振動型摂取可能カプセル310を含む。理解されるように、カプセル310は、
図1に関して上述したように、制御要素および電源も含むが、これらの構成要素は、
図6に明示されない。
【0153】
振動型摂取可能カプセル310は、収容部312の第2の収容部に入口323が形成されるように、薬剤送達室としての機能も果たす。薬剤貯蔵器324は、カプセル310の空洞内に配置され、貯蔵器付勢機構によって、収容部312から径方向内側に伸長する棚320の方へ付勢される。貯蔵器付勢機構は、その一端において収容部312の長手方向端部に係止され、対向端部において、薬剤貯蔵器324の外側表面と係合し、そこに圧力を加える付勢板325bを終端とするばね325aを含む。薬剤貯蔵器324は、可撓性かつ折畳み可能であり、たとえばシリコンゴム、天然ゴム、ポリエチレン、およびPVCなどの任意の適当な材料で形成され得る。
【0154】
可撓性および/または弾性導管であってよい導管326は、流体が、薬剤貯蔵器324から導管326および入口323を介して、デバイス300を出てデバイスを包囲する環境内へ流動し得るように、薬剤貯蔵器324から入口323まで伸長し、入口323を終端とする。いくつかの実施形態において、入口323内に配置された導管326の端部は、材料が環境からデバイス300に入り込むことを防ぐために、入口を封止もする。他の実施形態において、導管326の端部は、入口を封止するシールによって包囲され得る。
【0155】
振動攪拌機構314は、収容部312に係止された付勢ばね329に取り付けられる。振動攪拌機構312および圧縮ばね329が弁を形成し、この弁は、弁付勢機構としての機能を果たす
図2~5の弁227に関して上述したような機能を果たす。ばね229は、重り228に対し遠位側の端部において、薬剤収容室221または振動型摂取可能カプセル210の収容部212から伸長する剛性係止棚230に係止される。
【0156】
このように、弁の閉鎖作動方向において、付勢ばね329は、導管326に対し振動攪拌機構314を付勢することによって、導管を閉鎖状態で挟持する。この閉鎖作動方向において、流体が導管326内を流動することはできず、貯蔵器付勢機構によって薬剤貯蔵器324に加えられる圧力は、薬剤貯蔵器および導管の内容物によるそのような圧力に抵抗する力と平衡である。
【0157】
ただし、振動攪拌機構314が振動動作モードである時、付勢ばね329は周期的に収縮および延伸し、振動攪拌機構314を周期的に導管326から引き寄せ、または導管326から離れる方向へ動かすことにより、弁を開放作動方向に移行させ、導管326が通常径に復元することを可能にし、流体が導管326内を流動することを可能にする。弁が開放作動方向である時、貯蔵器付勢機構によって薬剤貯蔵器324に加えられる圧力は、薬剤302を、導管326および入口323を介して貯蔵器324からデバイス300を包囲する環境内へ流動させる。
【0158】
流動性薬剤の環境内への送達は、
図2~5に関して上述されたとおりである。
【0159】
ここで更に、本発明に係る、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するための方法の概略フローチャートである
図7が参照される。この方法は、
図1~6を参照して上述したように、振動型摂取可能カプセルおよび流動性摂取可能薬剤を含むデバイスの使用に基づいてよい。
【0160】
ステップ400に示すように、振動型摂取可能カプセルおよび薬剤送達室を含む、たとえば上述したデバイス100、200、または300などのデバイスがユーザに提供される。
【0161】
いくつかの実施形態において、ステップ402において、振動型摂取可能カプセルおよび薬剤送達室は、互いに取り付けられる。いくつかの実施形態において、ステップ402は、ステップ400においてユーザにデバイスを提供する前に、製造所で行われ得る。他の実施形態において、デバイスは、2つの個別片、すなわち振動型摂取可能カプセルおよび薬剤送達室としてユーザに提供されてよく、ユーザは、ステップ400においてデバイスを受け取った後、ステップ402を実行する。たとえば
図6に示すような、デバイスが一体構造として構成されるいくつかの実施形態において、ステップ402は省かれ得る。
【0162】
いくつかの実施形態において、ステップ402における取付けは、振動型摂取可能カプセルに薬剤送達室を固定的に取り付けることを含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、ステップ402における取付けは、振動型摂取可能カプセルに薬剤送達室を取外し可能に取り付けることを含む。
【0164】
いくつかの実施形態において、ステップ402における取付けは、スナップフィット係合、螺合、接着、はんだ付け、または他の任意の適当な取付け機構の1または複数によって、振動型摂取可能カプセルに薬剤送達室を取り付けることを含む。
【0165】
いくつかの実施形態において、ステップ402における取付けは、たとえば
図2~5に関して説明するように、振動型摂取可能カプセルにおける第1の取付け機構を、薬剤送達室における対応する取付け機構に相互接続することを含む。
【0166】
いくつかの実施形態において、流動性摂取可能薬剤が薬剤貯蔵器内および薬剤送達室内に配置されたデバイスがユーザに提供される。
【0167】
他の実施形態において、ステップ404において、流動性摂取可能薬剤は、薬剤送達室内に挿入される。ステップ404は、流動性摂取可能薬剤で薬剤貯蔵器を満たすこと、および/または薬剤貯蔵器を薬剤送達室内またはデバイス内に挿入することを含んでよい。
【0168】
いくつかの実施形態において、ステップ404は、製造所において、またはユーザによって、振動型摂取可能カプセルを薬剤送達室に取り付ける前に行われる。ステップ404において挿入された流動性摂取可能薬剤は、上記で詳しく説明したように、任意の適当な種類の流動性摂取可能薬剤であってよい。
【0169】
薬剤貯蔵器がいつデバイス内に挿入されるかにかかわらず、上述したように、薬剤貯蔵器は、デバイス内の圧力下に置かれる。
【0170】
ステップ406において、振動型摂取可能カプセル、薬剤送達室、および流動性摂取可能薬剤を含むデバイスがユーザによって摂取され、ユーザの消化管を通る移動を開始する。
【0171】
ステップ406においてユーザがデバイスを摂取した後に起こるステップ408において、振動型摂取可能カプセルは、流動性摂取可能薬剤が送達されるべき消化管の領域内で、またはユーザの消化管内での流動性摂取可能薬剤の吸収期間内に振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように(たとえば振動動作モードがいつ開始されるか、振動モードの期間などを)制御される。
【0172】
吸収期間は、本明細書で定義されたような推定吸収期間、および/または本明細書で定義されたような実際の吸収期間であってよい。
【0173】
いくつかの実施形態において、ステップ408は、流動性摂取可能薬剤が一般に血流内に吸収される消化管領域内にカプセルがある時に振動モードが少なくとも部分的に発生するように、振動動作モードのタイミングを制御することを含んでよい。この消化管領域は、ユーザの胃、ユーザの十二指腸、ユーザの小腸、ユーザの大腸、またはユーザの結腸の1または複数を含んでよい。
【0174】
たとえば、流動性摂取可能薬剤が、一般に胃壁および/または小腸壁を通って血流内に吸収される摂取可能薬剤レボドパである場合、振動モードは、デバイスが胃および小腸を通過する、または通過すると予想される期間内に少なくとも部分的に発生する。
【0175】
いくつかの実施形態において、ステップ408は、ユーザの消化管内への流動性摂取可能薬剤の送達またはユーザの血流内への摂取可能薬剤の吸収を促進するように、デバイスの振動型摂取可能カプセルの少なくとも1つの振動パラメータを設定することを含む。いくつかのそのような実施形態において、ステップ408において設定された少なくとも1つのパラメータは、振動周波数、累積振動期間、時間単位当たりの振動サイクル数、振動サイクル内の振動期間の持続時間、振動サイクル内の休止期間の持続時間、単一の振動サイクルの合計期間、および上記収容部によって上記環境に及ぼされる合力の少なくとも1つを含む。
【0176】
いくつかの実施形態において、ステップ408における制御は、振動動作モードが複数のサイクルを含むように振動攪拌機構を制御することを含み、サイクルの各々は、振動期間の後に休止期間を含み、振動期間中、収容部は振動を及ぼす。
【0177】
いくつかの実施形態において、休止期間は振動期間よりも長い。
【0178】
いくつかの実施形態において、振動期間は、0.1秒~10秒、1秒~10秒、1秒~9秒、2秒~9秒、3秒~9秒、3秒~8秒、3秒~7秒、3秒~6秒、4秒~6秒、または5秒~6秒の範囲内である。
【0179】
いくつかの実施形態において、休止期間は、1秒~180秒、3秒~180秒、5秒~180秒、5秒~150秒、5秒~120秒、8秒~100秒、8秒~30秒、10秒~80秒、10秒~70秒、10秒~60秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、10秒~20秒、または15秒~20秒の範囲内である。
【0180】
いくつかの実施形態において、複数のサイクルの各々の期間は、1.1秒~200秒、5秒~200秒、10秒~200秒、10秒~150秒、10秒~100秒、10秒~80秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、15秒~50秒、15秒~40秒、15秒~30秒、または15秒~25秒の範囲内である。
【0181】
いくつかの実施形態において、ステップ408における制御は、振動動作モードの累積期間が、1時間~12時間、2時間~10時間、2時間~8時間、2時間~6時間、2時間~4時間、または2時間~3時間の範囲内であるように振動攪拌機構を制御することを含む。
【0182】
いくつかの実施形態において、ステップ408における制御は、収容部によってその環境に及ぼされる合力が、好適には50重量グラム(gf)~600gf、50gf~550gf、100gf~550gf、100gf~500gf、150gf~500gf、200gf~500gf、または200gf~450gfの範囲内であるように、振動型摂取可能カプセルの収容部に力を及ぼすように振動攪拌機構を制御することを含む。
【0183】
いくつかの実施形態において、ステップ408における制御は、10Hz~650Hz、15Hz~600Hz、20Hz~550Hz、30Hz~550Hz、50Hz~500Hz、70Hz~500Hz、100Hz~500Hz、130Hz~500Hz、または150Hz~500Hzの範囲内の収容部振動周波数に到達するように収容部に力を及ぼすように振動攪拌機構を制御することを含む。
【0184】
いくつかの実施形態において、本明細書で更に詳しく説明するように、方法は、カプセルを(非動作状態から)動作状態に移行する追加のステップ412を含んでよい。
【0185】
カプセルは、振動プロトコルで事前プログラムされ得る。このプロトコルは、例として、カプセルが非動作状態から動作状態に移行される、摂取後の特定のまたは所定の作動時間を含んでよい。そのような実施形態において、ステップ412は、方法から省かれ得る。
【0186】
代替または追加として、カプセルは、本明細書で詳しく説明するように、作動入力を(たとえばRFを介して外部コントローラから)能動的に、または受動的に(たとえばセンサからオンボードコントローラへの信号を)受信してよい。理解されるように、振動型摂取可能カプセルが非動作状態から動作状態へ移行されるステップ412は、ステップ406におけるユーザによるデバイスの摂取より前、またはたとえばRFを介した外部制御の場合、そのような摂取の後、行われ得る。
【0187】
実質的に上述したように、たとえば制御ユニットからの信号によって、またはユーザが作動運動を行うことによって、ステップ406においてユーザがカプセルを摂取する前に、ステップ412が実行されてよく、振動型摂取可能カプセルが作動され得る。他の実施形態において、作動入力、およびカプセルの非動作状態から動作状態への移行は、詳細に上述したように、たとえばセンサがカプセルの摂取によるカプセルの環境の変化を感知することによって、摂取時または摂取直後に起こる。また他の実施形態において、ステップ412におけるカプセルの移行は、カプセルが既にユーザの体内にある場合、たとえば制御モジュール140からの遠隔通信によって、カプセルが遠隔に提供される作動入力を受信することを含んでよい。
【0188】
いくつかの実施形態において、振動型摂取可能カプセルの制御要素は、任意選択的なステップ414において、ユーザに関する所望の振動プロトコルを任意選択的に受信してよい。いくつかの実施形態において、ステップ414における所望の振動プロトコルのプログラミングは、たとえば制御要素にプロトコルを事前プログラムすることによって、振動型摂取可能カプセルまたはデバイスの製造時に起こる。他の実施形態において、ステップ414におけるユーザに関する所望の振動プロトコルの提供は、
図1に関して詳しく上述したように、たとえば
図1の制御ユニット140などの制御ユニットによってもたらされ得る。
【0189】
本発明のいくつかの実施形態は、以下に記載される。
【0190】
1.
ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するためのデバイスであって、
第1の収容部部分と、内部に入口が形成された第2の収容部部分とを含む収容部と、
収容部内に配置され、振動動作モードにおいて、デバイスを包囲する環境に収容部が振動を及ぼすように適合された振動攪拌機構と、
収容部内に配置され、振動攪拌機構に給電するように適合された電源と、
振動動作モードにおいて動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合された制御要素と、
流動性摂取可能薬剤を包含するように寸法設定された可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器と、
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器に圧力を加えるように適合された貯蔵器付勢機構と、
薬剤貯蔵器から入口まで伸長し、入口を封止する導管と、
重りと、閉鎖作動方向において、導管を通る流れを遮断するために導管に対し重りを付勢し、開放作動方向において、流体が導管内を流動することを可能にするために導管から重りを取り除くように適合された弁付勢機構とを含む弁と
を含み、弁は、振動攪拌機構が振動動作モードである時、振動攪拌機構または収容部によって及ぼされる振動の少なくとも一部が弁付勢機構に加わり、弁を閉鎖作動方向と開放作動方向との間で周期的に移行させるように、収容部および振動攪拌機構の少なくとも1つと機能的に関連する、デバイス。
【0191】
2.
振動攪拌機構が振動動作モードであり、弁が開放作動方向である時、貯蔵器付勢機構によって貯蔵器に加えられる圧力は、流動性摂取可能薬剤を、貯蔵器から導管および入口を介してデバイスを包囲する環境へ流動させる、実施形態1に記載のデバイス。
【0192】
3.
振動攪拌機構の少なくとも1つの振動パラメータは、閉鎖作動方向と開放作動方向との間での弁の移行を促進するように設定される、実施形態1または実施形態2に記載のデバイス。
【0193】
4.
振動攪拌機構の少なくとも1つの振動パラメータは、摂取可能薬剤のユーザの血流内への吸収を促進するように設定される、実施形態1~3のいずれか1つに記載のデバイス。
【0194】
5.
弁の少なくとも1つの弁パラメータは、弁がギヤ減速機としての機能を果たし、振動攪拌機構の周波数よりも小さい周波数で開閉するように設定される、実施形態1~4のいずれか1つに記載のデバイス。
【0195】
6.
少なくとも1つの弁パラメータは、重りの質量、弁付勢機構の長さ、および弁付勢機構のばね定数を含む、実施形態5に記載のデバイス。
【0196】
7.
少なくとも1つの振動パラメータは、振動周波数、累積振動期間、時間単位当たりの振動サイクル数、振動サイクル内の振動期間の持続時間、振動サイクル内の休止期間の持続時間、単一の振動サイクルの合計期間、収容部によって環境に及ぼされる合力の少なくとも1つを含む、実施形態3~6のいずれか1つに記載のデバイス。
【0197】
8.
第1の収容部部分は、振動攪拌機構、電源、および制御要素を収容する封止収容部部分であり、
第2の収容部部分は、可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器、貯蔵器付勢機構、導管、および弁を収容し、
第1の収容部部分および第2の収容部部分は、互いに取り付けられて収容部を形成する個別の要素であり、
弁は、振動攪拌機構が振動動作モードである時、第1の収容部部分によって及ぼされる振動の少なくとも一部が弁付勢機構に加わり、弁を閉鎖作動方向と開放作動方向との間で周期的に移行させるように、第1の収容部部分と機能的に関連する、実施形態1~7のいずれか1つに記載のデバイス。
【0198】
9.
第1および第2の収容部部分を相互接続するために、第1の収容部部分は取付け機構を含み、第2の収容部部分は対応する取付け機構を含む、実施形態8に記載のデバイス。
【0199】
10.
第2の収容部部分は、第1の収容部部分に固定的に取り付けられる、実施形態8または実施形態9に記載のデバイス。
【0200】
11.
第2の収容部部分は、スナップフィット係合によって第1の収容部部分に取り付けられる、実施形態8~10のいずれか1つに記載のデバイス。
【0201】
12.
第2の収容部部分は、螺合によって第1の収容部部分に取り付けられる、実施形態8~10のいずれか1つに記載のデバイス。
【0202】
13.
第2の収容部部分は、接着によって第1の収容部部分に取り付けられる、実施形態8~10のいずれか1つに記載のデバイス。
【0203】
14.
第2の収容部部分は、はんだ付けによって第1の収容部部分に取り付けられる、実施形態8~10のいずれか1つに記載のデバイス。
【0204】
15.
第1および第2の収容部部分は、入口を含み単一の空洞を画定する単一の収容部要素を形成し、単一の空洞は、振動攪拌機構、電源、制御要素、可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器、貯蔵器付勢機構、および可撓性かつ弾性導管を収容する、実施形態1~7のいずれか1つに記載のデバイス。
【0205】
16.
第2の収容部部分の空洞は、200mm3~3000mm3、200mm3~800mm3、100mm3~600mm3、400mm3~1000mm3、700mm3~1500mm3、または1400mm3~3000mm3の範囲内の容積を有する、実施形態1~15のいずれか1項に記載のデバイス。
【0206】
17.
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器は、0.5ml~15mlの範囲内の最大容積を有する、実施形態1~16のいずれか1つに記載のデバイス。
【0207】
18.
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器は、1GPa未満のヤング率を有する、実施形態1~17のいずれか1つに記載のデバイス。
【0208】
19.
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器は、シリコンゴム、天然ゴム、ポリエチレン、およびPVCから成るグループから選択された材料で形成される、実施形態1~18のいずれか1つに記載のデバイス。
【0209】
20.
貯蔵器付勢機構は、薬剤貯蔵器の外側表面と係合する圧力付与表面を終端とする貯蔵器ばねを含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載のデバイス。
【0210】
21.
貯蔵器ばねは、第2の収容部部分に係止される、実施形態20に記載のデバイス。
【0211】
22.
貯蔵器付勢機構は、1N/m~200N/mの範囲内のばね定数を有する、実施形態1~21のいずれか1つに記載のデバイス。
【0212】
23.
導管は、薬剤貯蔵器と一体に形成される、実施形態1~22のいずれか1つに記載のデバイス。
【0213】
24.
導管は、薬剤貯蔵器とは異なる材料で形成される、実施形態1~22のいずれか1つに記載のデバイス。
【0214】
25.
導管の復元時間は、最大0.1秒である、実施形態1~24のいずれか1つに記載のデバイス。
【0215】
26.
振動攪拌機構は、周波数fを有し、導管の復元時間は、最大で1/fに等しい、実施形態1~25のいずれか1つに記載のデバイス。
【0216】
27.
弁付勢機構は、開放作動方向から閉鎖作動方向に動き、再び開放作動方向に戻る周波数fvを有し、導管の復元時間は、最大で1/fvに等しい、実施形態1~25のいずれか1つに記載のデバイス。
【0217】
28.
導管は、
0.01mm~0.9mmの範囲内の径、および
3mm~25mmの範囲内の長さ
の少なくとも1つを有する、実施形態1~27のいずれか1つに記載のデバイス。
【0218】
29.
導管は、可撓性および弾性の少なくとも1つであり、任意選択的にその両方である、実施形態1~28のいずれか1つに記載のデバイス。
【0219】
30.
弁付勢機構は、第1の収容部部分に係止される、実施形態1~29のいずれか1つに記載のデバイス。
【0220】
31.
弁付勢機構は、第2の収容部部分に係止される、実施形態1~29のいずれか1つに記載のデバイス。
【0221】
32.
弁付勢機構は、0.1N/m~5N/mの範囲内のばね定数を有する、実施形態1~31のいずれか1つに記載のデバイス。
【0222】
33.
重りは、0.1グラム~2グラムの範囲内の質量を有する、実施形態1~32のいずれか1つに記載のデバイス。
【0223】
34.
重りが振動攪拌機構を含む、実施形態1~33のいずれか1つに記載のデバイス。
【0224】
35.
振動攪拌機構によって及ぼされる振動は、弁付勢機構の係止点を介して弁付勢機構に伝達することにより、弁付勢機構を揺動させ、閉鎖作動方向と開放作動方向との間での弁の周期的移行をもたらす、実施形態1~34のいずれか1つに記載のデバイス。
【0225】
36.
制御要素は、流動性摂取可能薬剤がユーザの身体によって吸収可能である消化管の領域内で振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように、振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間を制御するように適合される、実施形態1~35のいずれか1つに記載のデバイス。
【0226】
37.
制御要素は、導管および入口を介した、貯蔵器から放出された流動性摂取可能薬剤のユーザの消化管内への推定吸収期間および実際の吸収期間の少なくとも1つの間に振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように、振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間を制御するように適合される、請求項1~36のいずれか1つに記載のデバイス。
【0227】
38.
制御要素は、作動入力の受信に応答して振動動作モードで動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合される、実施形態1~37のいずれか1つに記載のデバイス。
【0228】
39.
制御要素に作動入力を提供するように適合された少なくとも1つのセンサを更に含む、実施形態38に記載のデバイス。
【0229】
40.
少なくとも1つのセンサは、第1の収容部部分内に配置される、実施形態39に記載のデバイス。
【0230】
41.
少なくとも1つのセンサは、照明環境から暗環境へのデバイスの移行を示す入力を提供するように適合された照明センサを含む、実施形態39または実施形態40に記載のデバイス。
【0231】
42.
少なくとも1つのセンサは、ユーザの咽頭を通るデバイスの移動を示す、デバイスに加えられた圧力を示す入力を提供するように適合された圧力センサを含む、実施形態39~41のいずれか1つに記載のデバイス。
【0232】
43.
少なくとも1つのセンサは、周囲温度を有する領域から人間の体温を有する領域へのデバイスの移行を示す入力を提供するように適合された温度センサを含む、実施形態39~42のいずれか1つに記載のデバイス。
【0233】
44.
少なくとも1つのセンサは、デバイスで実行された作動運動検出に応答して入力を提供するように適合された加速度計を含む、実施形態39~43のいずれか1つに記載のデバイス。
【0234】
45.
少なくとも1つのセンサは、乾燥環境から湿潤環境へのデバイスの移行を示す入力を提供するように適合された湿度センサを含む、実施形態39~44のいずれか1つに記載のデバイス。
【0235】
46.
デバイスから遠隔にある制御ユニットと機能的に関連し、制御要素は、制御ユニットからの作動入力を受信するように適合される、実施形態38に記載のデバイス。
【0236】
47.
制御要素は、デバイスの摂取後、作動入力を受信するように適合される、実施形態38~46のいずれか1つに記載のデバイス。
【0237】
48.
制御要素は、デバイスの摂取より前に、作動入力を受信するように適合される、実施形態38~46のいずれか1つに記載のデバイス。
【0238】
49.
制御要素は、振動攪拌機構の動作を制御するために制御要素によって用いられる振動プロトコルを受信することによって作動入力を受信するように適合される、実施形態38~48のいずれか1つに記載のデバイス。
【0239】
50.
振動攪拌機構は、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し径方向に径方向力を及ぼすことにより、収容部によって及ぼされる振動をもたらすように適合された径方向攪拌機構を少なくとも含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載のデバイス。
【0240】
51.
振動攪拌機構は、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し軸方向に軸方向力を及ぼすことにより、収容部によって及ぼされる振動をもたらすように適合された軸方向攪拌機構を少なくとも含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載のデバイス。
【0241】
52.
振動攪拌機構は、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し径方向に径方向力を及ぼすように適合された径方向攪拌機構と、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し軸方向に軸方向力を及ぼすように適合された別の軸方向攪拌機構とを含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載のデバイス。
【0242】
53.
振動攪拌機構は、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し径方向に径方向力を及ぼし、かつ、収容部に、収容部の長手方向軸に対し軸方向に軸方向力を及ぼすように適合された単一の攪拌機構を含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載のデバイス。
【0243】
54.
制御要素は、振動動作モードが、各々が振動期間の後に休止期間を含む複数のサイクルを含むように振動攪拌機構を制御するように適合され、収容部は、振動期間中に振動を及ぼす、実施形態1~53のいずれか1つに記載のデバイス。
【0244】
55.
休止期間は振動期間よりも長い、実施形態54に記載のデバイス。
【0245】
56.
振動期間は、0.1秒~10秒、1秒~10秒、1秒~9秒、2秒~9秒、3秒~9秒、3秒~8秒、3秒~7秒、3秒~6秒、4秒~6秒、または5秒~6秒の範囲内である、実施形態54または実施形態55に記載のデバイス。
【0246】
57.
休止期間は、1秒~180秒、3秒~180秒、5秒~180秒、5秒~150秒、5秒~120秒、8秒~100秒、8秒~30秒、10秒~80秒、10秒~70秒、10秒~60秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、10秒~20秒、または15秒~20秒の範囲内である、実施形態54~56のいずれか1つに記載のデバイス。
【0247】
58.
複数のサイクルの各々の期間は、1.1秒~200秒、5秒~200秒、10秒~200秒、10秒~150秒、10秒~100秒、10秒~80秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、15秒~50秒、15秒~40秒、15秒~30秒、または15秒~25秒の範囲内である、実施形態54~57のいずれか1つに記載のデバイス。
【0248】
59.
制御要素は、振動動作モードの累積期間が、1時間~12時間、2時間~10時間、2時間~8時間、2時間~6時間、2時間~4時間、または2時間~3時間の範囲内であるように振動攪拌機構を制御するように適合される、実施形態1~58のいずれか1つに記載のデバイス。
【0249】
60.
振動攪拌機構は、収容部によって収容部の環境に及ぼされる合力が、好適には50重量グラム(gf)~600gf、50gf~550gf、100gf~550gf、100gf~500gf、150gf~500gf、200gf~500gf、または200gf~450gfの範囲内であるように、収容部に力を及ぼすように構成される、実施形態1~59のいずれか1つに記載のデバイス。
【0250】
61.
振動攪拌機構は、10Hz~650Hz、15Hz~600Hz、20Hz~550Hz、30Hz~550Hz、50Hz~500Hz、70Hz~500Hz、100Hz~500Hz、130Hz~500Hz、または150Hz~500Hzの範囲内の収容部振動周波数に到達するように収容部に力を及ぼすように構成される、実施形態1~60のいずれか1つに記載のデバイス。
【0251】
62.
薬剤貯蔵器内に配置された流動性摂取可能薬剤を更に含む、実施形態1~61のいずれか1つに記載のデバイス。
【0252】
63.
流動性摂取可能薬剤は、100Pa・s~1000Pa・sの範囲内の粘度を有する、実施形態1~62のいずれか1つに記載のデバイス。
【0253】
64.
流動性摂取可能薬剤は、ユーザの胃で吸収可能である、実施形態62または実施形態63に記載のデバイス。
【0254】
65.
流動性摂取可能薬剤は、ユーザの小腸で吸収可能である、実施形態62~64のいずれか1つに記載のデバイス。
【0255】
66.
流動性摂取可能薬剤は、パーキンソン症候群、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症、パーキンソンプラス症候群、被験者が、震え、姿勢動揺、および無動または動作緩慢というパーキンソン病の典型的特徴の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを示す任意の神経変性疾患、被験者がドパミン治療に好反応を示す任意の神経変性疾患、特定の被験者が抗コリン薬治療に好反応を示す任意の神経変性疾患、便秘、クローン病、胃不全麻痺、過敏性腸症候群(IBS)、下痢または軟便、大腸炎、ヒルシュスプルング秒、消化不良、および嚥下障害から成るグループから選択された1または複数の症状または疾患の治療に適している、実施形態62~65のいずれか1つに記載のデバイス。
【0256】
67.
流動性摂取可能薬剤は、レボドパ、少なくとも1つのドパミン作用薬、少なくとも1つのカテコールアミン前駆体、ドパミン前駆体、少なくとも1つのドパミン前駆体物質、(L)-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、N-メチル-N-(2-プロピニル)-2-メチル-1-フェニルエチル-2-アミン、チロシンヒドロキシラーゼ、アポモルフィン、少なくとも1つの抗コリン薬、少なくとも1つのコリン受容体に拮抗するために選択された少なくとも1つの薬剤、トリヘキシフェニジル、オルフェナドリン、代謝型グルタミン酸受容体4(mGluR4)の少なくとも1つの選択的アロステリック増強剤、N-フェニル-7-(ヒドロキシルイミノ)シクロプロパ[b]クロメン-la-カルボキサイド、少なくとも1つの浸透圧剤、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、リン酸ナトリウム、MiraLAX(登録商標)、少なくとも1つの収縮刺激剤、ビサコジル、センナ、コレクトール、ダコジル、ダルコラックス、セネクソン、セノコット、少なくとも1つの大便軟化剤、ドクサートナトリウム、コレース、リナクロチド、ラクチュロース、ルビプロストン、プレカナチド、プルカロプリド、ロペラミド、および次サリチル酸ビスマスから成るグループから選択された摂取可能薬剤を含み、または含む、実施形態62~66のいずれか1つに記載のデバイス。
【0257】
68.
ユーザの消化管内に摂取可能薬剤を送達する方法であって、
ユーザによる摂取のために、実施形態62~67のいずれか1つに記載のデバイスをユーザに提供することと、
ユーザがデバイスを摂取した後、ユーザの身体によって流動性摂取可能薬剤が吸収可能である消化管の領域内で振動動作モードが少なくとも部分的に発生することにより、閉鎖作動方向と開放作動方向との間での弁の周期的移行、および、貯蔵器から導管および入口を介したデバイスを包囲する環境内への流動性摂取可能薬剤の送達をもたらすように振動攪拌機構を制御すること
を含む方法。
【0258】
69.
振動攪拌機構を制御することは、ユーザの消化管内での摂取可能薬剤の推定吸収期間および実際の吸収期間の少なくとも1つの間に振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように、振動攪拌機構を制御することを更に含む、実施形態68に記載の方法。
【0259】
70.
第1の収容部部分を有する振動型摂取可能カプセルに取り付けられるように適合され、振動動作モードにおいて、ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するために動作するように適合された薬剤送達室であって、
振動型摂取可能カプセルの第1の収容部部分に取り付けられるように適合され、内部に入口が形成された第2の収容部部分と、
流動性摂取可能薬剤を包含するように寸法設定された可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器と、
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器に圧力を加えるように適合された貯蔵器付勢機構と、
薬剤貯蔵器から入口まで伸長し、入口を封止する導管と、
重りと、閉鎖作動方向において、導管を通る流れを遮断するために可撓性かつ弾性導管に対し重りを付勢し、開放作動方向において、流体が導管内を流動することを可能にするために可撓性かつ弾性導管から重りを取り除くように適合された弁付勢機構とを含む弁と
を含む薬剤送達室。
【0260】
71.
弁は、振動型摂取可能カプセルが振動動作モードである時、開放作動方向であり、導管を通る流れを可能にするように構成される、実施形態70に記載の薬剤送達室。
【0261】
72.
弁の少なくとも1つの弁パラメータは、弁がギヤ減速機としての機能を果たし、振動攪拌機構の周波数よりも小さい周波数で開閉するように設定される、実施形態71に記載の薬剤送達室。
【0262】
73.
少なくとも1つの弁パラメータは、重りの質量、弁付勢機構の長さ、および弁付勢機構のばね定数を含む、実施形態72に記載の薬剤送達室。
【0263】
74.
第2の収容部部分は、振動型摂取可能カプセルの第1の収容部部分の対応する取付け機構に相互接続するための取付け機構を含む、実施形態70~73のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0264】
75.
第2の収容部部分は、第1の収容部部分に固定的に取り付けられるように適合される、実施形態70~74のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0265】
76.
第2の収容部部分は、スナップフィット係合によって第1の収容部部分に取り付けられるように適合される、実施形態70~75のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0266】
77.
第2の収容部部分は、螺合によって第1の収容部部分に取り付けられるように適合される、実施形態70~75のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0267】
78.
第2の収容部部分は、接着によって第1の収容部部分に取り付けられるように適合される、実施形態70~75のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0268】
79.
第2の収容部部分は、はんだ付けによって第1の収容部部分に取り付けられるように適合される、実施形態70~75のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0269】
80.
第1の収容部部分に形成された空洞は、200mm3~3000mm3、200mm3~800mm3、100mm3~600mm3、400mm3~1000mm3、700mm3~1500mm3、または1400mm3~3000mm3の範囲内の容積を有する、実施形態70~79のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0270】
81.
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器は、1mm3~600mm3、1mm3~10mm3、5mm3~20mm3、15mm3~50mm3、30mm3~200mm3、100mm3~400mm3、または300mm3~600mm3の範囲内の最大容積を有する、実施形態70~80のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0271】
82.
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器は、1GPa未満のヤング率を有する、実施形態70~81のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0272】
83.
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器は、シリコンゴム、天然ゴム、ポリエチレン、およびPVCから成るグループから選択された材料で形成される、実施形態70~82のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0273】
84.
貯蔵器付勢機構は、薬剤貯蔵器の外側表面と係合する圧力付与表面を終端とする貯蔵器ばねを含む、実施形態70~83のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0274】
85.
貯蔵器ばねは、第2の収容部部分に係止される、実施形態84に記載の薬剤送達室。
【0275】
86.
貯蔵器付勢機構は、1N/m~200N/mの範囲内のばね定数を有する、実施形態70~85のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0276】
87.
導管は、薬剤貯蔵器と一体に形成される、実施形態70~86のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0277】
88.
導管は、薬剤貯蔵器とは異なる材料で形成される、実施形態70~86のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0278】
89.
導管の復元時間は、最大0.1秒である、実施形態70~88のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0279】
90.
振動型摂取可能カプセルは、周波数fで振動するように適合され、導管の復元時間は、最大で1/fに等しい、実施形態70~89のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0280】
91.
弁付勢機構は、閉鎖作動方向と開放作動方向との間で移動する周波数fvを有し、導管の復元時間は、最大で1/fvに等しい、実施形態70~89のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0281】
92.
導管は、
0.01mm~0.9mmの範囲内の径、および
3mm~25mmの範囲内の長さ
の少なくとも1つ、任意選択的に両方を有する、実施形態70~91のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0282】
93.
導管は、可撓性および弾性の少なくとも1つであり、任意選択的にその両方である、実施形態70~92のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0283】
94.
弁付勢機構は、振動型摂取可能カプセルに係止されるように適合される、実施形態70~93のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0284】
95.
弁付勢機構は、第2の収容部部分に係止される、実施形態70~93のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0285】
96.
弁付勢機構は、0.1N/m~5N/mの範囲内のばね定数を有する、実施形態70~95のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0286】
97.
重りは、0.1グラム~2グラムの範囲内の質量を有する、実施形態70~96のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0287】
98.
薬剤貯蔵器内に配置された流動性摂取可能薬剤を更に含む、実施形態70~97のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0288】
99.
流動性摂取可能薬剤は、100Pa・s~1000Pa・sの範囲内の粘度を有する、実施形態70~98のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0289】
100.
流動性摂取可能薬剤は、ユーザの胃で吸収可能である、実施形態98または実施形態99に記載の薬剤送達室。
【0290】
101.
流動性摂取可能薬剤は、ユーザの小腸で吸収可能である、実施形態98~100のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0291】
102.
流動性摂取可能薬剤は、実施形態66に挙げたグループから選択された1または複数の症状または疾患の治療に適している、実施形態98~101のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0292】
103.
流動性摂取可能薬剤は、実施形態67に挙げたグループから選択された摂取可能薬剤を含み、または含む、実施形態98~102のいずれか1つに記載の薬剤送達室。
【0293】
104.
ユーザの消化管内に、薬剤送達室内に配置された流動性摂取可能薬剤を送達するために、薬剤送達室に取り付けられるように適合された振動型摂取可能カプセルであって、
薬剤送達室の対応する取付け機構に相互接続するために適合された取付け機構を含む収容部と、
収容部内に配置され、振動動作モードにおいて、振動型摂取可能カプセルを包囲する環境に収容部が振動を及ぼすように適合された振動攪拌機構と、
収容部内に配置され、振動攪拌機構に給電するように適合された電源と、
振動動作モードにおいて動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合された制御素子と
を含み、
振動攪拌機構の少なくとも1つの振動パラメータは、薬剤送達室から薬剤送達室を包囲する環境内への流動性摂取可能薬剤の送達、およびユーザの血流内への流動性摂取可能薬剤の吸収の少なくとも1つを促進するように設定される、振動型摂取可能カプセル。
【0294】
105.
少なくとも1つの振動パラメータは、振動周波数、累積振動期間、時間単位当たりの振動サイクル数、振動サイクル内の振動期間の持続時間、振動サイクル内の休止期間の持続時間、単一の振動サイクルの合計期間、および収容部によって環境に及ぼされる合力の少なくとも1つを含む、実施形態104に記載の振動型摂取可能カプセル。
【0295】
106.
制御要素は、流動性摂取可能薬剤がユーザの身体によって吸収可能である消化管の領域内で振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように、振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間を制御するように適合される、実施形態104または実施形態105に記載の振動型摂取可能カプセル。
【0296】
107.
制御要素は、ユーザの消化管内での流動性摂取可能薬剤の推定吸収期間および実際の吸収期間の少なくとも1つの間に振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間を制御するように適合される、実施形態105~106のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0297】
108.
制御要素は、作動入力の受信に応答して振動動作モードで動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合される、実施形態104~107のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0298】
109.
制御要素に作動入力を提供するように適合された少なくとも1つのセンサを更に含む、実施形態108に記載の振動型摂取可能カプセル。
【0299】
110.
少なくとも1つのセンサは、照明環境から暗環境への振動型摂取可能カプセルの移行を示す入力を提供するように適合された照明センサを含む、実施形態109に記載の振動型摂取可能カプセル。
【0300】
111.
少なくとも1つのセンサは、ユーザの咽頭を通る振動型摂取可能カプセルの移動を示す、振動型摂取可能カプセルに加えられた圧力を示す入力を提供するように適合された圧力センサを含む、実施形態109~110のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0301】
112.
少なくとも1つのセンサは、周囲温度を有する領域から人間の体温を有する領域への振動型摂取可能カプセルの移行を示す入力を提供するように適合された温度センサを含む、実施形態109~111のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0302】
113.
少なくとも1つのセンサは、振動型摂取可能カプセルで実行された作動運動検出に応答して入力を提供するように適合された加速度計を含む、実施形態109~112のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0303】
114.
少なくとも1つのセンサは、乾燥環境から湿潤環境への振動型摂取可能カプセルの移行を示す入力を提供するように適合された湿度センサを含む、実施形態109~113のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0304】
115.
振動型摂取可能カプセルから遠隔にある制御ユニットと機能的に関連し、制御要素は、制御ユニットからの作動入力を受信するように適合される、実施形態108~114のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0305】
116.
制御要素は、振動型摂取可能カプセルの摂取後、作動入力を受信するように適合される、実施形態108~115のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0306】
117.
制御要素は、振動型摂取可能カプセルの摂取より前に、作動入力を受信するように適合される、実施形態108~115のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0307】
118.
制御要素は、振動型摂取可能カプセルの動作を制御するために制御要素によって用いられる振動プロトコルを受信することによって作動入力を受信するように適合される、実施形態108~117のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0308】
119.
振動攪拌機構は、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し径方向に径方向力を及ぼすことにより、収容部によって及ぼされる振動をもたらすように適合された径方向攪拌機構を少なくとも含む、実施形態104~118のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0309】
120.
振動攪拌機構は、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し軸方向に軸方向力を及ぼすことにより、収容部によって及ぼされる振動をもたらすように適合された軸方向攪拌機構を少なくとも含む、実施形態104~118のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0310】
121.
振動攪拌機構は、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し径方向に径方向力を及ぼすように適合された径方向攪拌機構と、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し軸方向に軸方向力を及ぼすように適合された別の軸方向攪拌機構とを含む、実施形態104~118のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0311】
122.
振動攪拌機構は、振動動作モードにおいて、収容部に、収容部の長手方向軸に対し径方向に径方向力を及ぼし、かつ、収容部に、収容部の長手方向軸に対し軸方向に軸方向力を及ぼすように適合された単一の攪拌機構を含む、実施形態104~118のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0312】
123.
制御要素は、振動動作モードが、各々が振動期間の後に休止期間を含む複数のサイクルを含むように振動攪拌機構を制御するように適合され、収容部は、振動期間中に振動を及ぼす、実施形態104~122のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0313】
124.
休止期間は振動期間よりも長い、実施形態123に記載の振動型摂取可能カプセル。
【0314】
125.
振動期間は、0.1秒~10秒、1秒~10秒、1秒~9秒、2秒~9秒、3秒~9秒、3秒~8秒、3秒~7秒、3秒~6秒、4秒~6秒、または5秒~6秒の範囲内である、実施形態123または実施形態124に記載の振動型摂取可能カプセル。
【0315】
126.
休止期間は、1秒~180秒、3秒~180秒、5秒~180秒、5秒~150秒、5秒~120秒、8秒~100秒、8秒~30秒、10秒~80秒、10秒~70秒、10秒~60秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、10秒~20秒、または15秒~20秒の範囲内である、実施形態123~125のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0316】
127.
複数のサイクルの各々の期間は、1.1秒~200秒、5秒~200秒、10秒~200秒、10秒~150秒、10秒~100秒、10秒~80秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、15秒~50秒、15秒~40秒、15秒~30秒、または15秒~25秒の範囲内である、実施形態123~126のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0317】
128.
制御要素は、振動動作モードの累積期間が、1時間~12時間、2時間~10時間、2時間~8時間、2時間~6時間、2時間~4時間、または2時間~3時間の範囲内であるように振動攪拌機構を制御するように適合される、実施形態104~127のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0318】
129.
振動攪拌機構は、収容部によって収容部の環境に及ぼされる合力が、50重量グラム(gf)~600gf、50gf~550gf、100gf~550gf、100gf~500gf、150gf~500gf、200gf~500gf、または200gf~450gfの範囲内であるように、振動型摂取可能カプセルの収容部に力を及ぼすように構成される、実施形態104~128のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0319】
130.
振動攪拌機構は、10Hz~650Hz、15Hz~600Hz、20Hz~550Hz、30Hz~550Hz、50Hz~500Hz、70Hz~500Hz、100Hz~500Hz、130Hz~500Hz、または150Hz~500Hzの範囲内の収容部振動周波数に到達するように収容部に力を及ぼすように構成される、実施形態104~129のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0320】
131.
収容部は、薬剤送達室の第2の収容部部分に固定的に取り付けられるように適合される、実施形態104~130のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0321】
132.
収容部は、スナップフィット係合によって薬剤送達室に取り付けられるように適合される、実施形態104~131のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0322】
133.
収容部は、螺合によって薬剤送達室に取り付けられるように適合される、実施形態104~131のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0323】
134.
収容部は、接着によって薬剤送達室に取り付けられるように適合される、実施形態104~131のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0324】
135.
収容部は、はんだ付けによって薬剤送達室に取り付けられるように適合される、実施形態104~131のいずれか1つに記載の振動型摂取可能カプセル。
【0325】
136.
ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するための方法であって、
第1の収容部部分と、内部に入口が形成された第2の収容部部分とを含む収容部と、
収容部内に配置され、振動動作モードにおいて、摂取可能デバイスを包囲する環境に収容部が振動を及ぼすように適合された振動攪拌機構と、
収容部内に配置され、振動攪拌機構に給電するように適合された電源と、
振動動作モードにおいて動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合された制御要素と、
内部に流動性摂取可能薬剤が配置された可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器と、
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器に圧力を加える貯蔵器付勢機構と、
薬剤貯蔵器から入口まで伸長し、入口を封止する導管と、
重りと、閉鎖作動方向において、導管を通る流れを遮断するために導管に対し重りを付勢し、開放作動方向において、流体が導管内を流動することを可能にするために導管から重りを取り除くように適合された弁付勢機構とを含み、収容部および振動攪拌機構の少なくとも1つと機能的に関連する弁と
を含む摂取可能デバイスを提供することと、
ユーザによって摂取可能デバイスを摂取することと、
ユーザがデバイスを摂取した後、振動動作モードにおいて、振動攪拌機構または収容部によって及ぼされる振動の少なくとも一部が弁付勢機構に加わり、弁を閉鎖作動方向と開放作動方向との間で周期的に移行させるように振動攪拌機構を制御することと
を含み、
制御中、振動攪拌機構が振動動作モードであり、弁が開放作動方向である時、貯蔵器付勢機構によって貯蔵器に加えられる圧力は、流動性摂取可能薬剤を、貯蔵器から導管および入口を介してアセンブリを包囲する環境へ流動させる、方法。
【0326】
137.
提供することは、摂取可能デバイスを提供することを含み、第1の収容部部分および第2の収容部部分は、入口を含み単一の空洞を画定する単一の収容部を含み、単一の空洞は、振動攪拌機構、電源、制御要素、可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器、貯蔵器付勢機構、および導管を収容する、実施形態136に記載の方法。
【0327】
138.
重りが振動攪拌機構を含む、実施形態137に記載の方法。
【0328】
139.
ユーザの消化管内に流動性摂取可能薬剤を送達するための方法であって、
収容部と、
収容部内に配置され、振動動作モードにおいて、振動型摂取可能カプセルを包囲する環境に収容部が振動を及ぼすように適合された振動攪拌機構と、
収容部内に配置され、振動攪拌機構に給電するように適合された電源と、
振動動作モードにおいて動作可能であるように振動攪拌機構を作動させるように適合された制御要素と
を含む振動型摂取可能カプセルを提供することと、
内部に入口が形成された第2の収容部部分と、
内部に流動性摂取可能薬剤が配置された可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器と、
可撓性かつ折畳み可能な薬剤貯蔵器に圧力を加える貯蔵器付勢機構と、
薬剤貯蔵器から入口まで伸長し、入口を封止する導管と、
重りと、閉鎖作動方向において、導管を通る流れを遮断するために導管に対し重りを付勢し、開放作動方向において、流体が導管内を流動することを可能にするために導管から重りを取り除くように適合された弁付勢機構とを含み、収容部および振動攪拌機構の少なくとも1つと機能的に関連する弁と
を含む薬剤送達室を振動型摂取可能カプセルに取り付けることによって、摂取可能デバイスを形成することと、
ユーザによって摂取可能デバイスを摂取することと、
ユーザがデバイスを摂取した後、振動動作モードにおいて、振動攪拌機構または収容部によって及ぼされる振動の少なくとも一部が弁付勢機構に加わり、弁を閉鎖作動方向と開放作動方向との間で周期的に移行させるように振動攪拌機構を制御することと
を含み、
制御中、振動攪拌機構が振動動作モードであり、弁が開放作動方向である時、貯蔵器付勢機構によって貯蔵器に加えられる圧力は、流動性摂取可能薬剤を、貯蔵器から導管および入口を介してデバイスを包囲する環境へ流動させる、方法。
【0329】
140.
取付けの前に、薬剤貯蔵器を流動性摂取可能薬剤で満たすことを更に含む、実施形態139に記載の方法。
【0330】
141.
振動攪拌機構を制御することは、閉鎖作動方向と開放作動方向との間での弁の移行を促進するように振動攪拌機構の少なくとも1つの振動パラメータを設定することを含む、実施形態136~140のいずれか1つに記載の方法。
【0331】
142.
振動攪拌機構を制御することは、摂取可能薬剤のユーザの血流内への吸収を促進するように振動攪拌機構の少なくとも1つの振動パラメータを設定することを含む、実施形態136~141のいずれか1つに記載の方法。
【0332】
143.
少なくとも1つの振動パラメータは、振動周波数、累積振動期間、時間単位当たりの振動サイクル数、振動サイクル内の振動期間の持続時間、振動サイクル内の休止期間の持続時間、単一の振動サイクルの合計期間、および収容部によって環境に及ぼされる合力の少なくとも1つを含む、実施形態141または実施形態142に記載の方法。
【0333】
144.
振動型摂取可能カプセルの収容部は、取付け機構を含み、第2の収容部部分は、対応する取付け機構を含み、取付けは、振動型摂取可能カプセルの収容部を第2の収容部部分に相互接続することを含む、実施形態139~143のいずれか1つに記載の方法。
【0334】
145.
取付けは、第2の収容部部分を振動型摂取可能カプセルの収容部に固定的に取り付けることを含む、実施形態139~144のいずれか1つに記載の方法。
【0335】
146.
取付けは、スナップフィット係合によって、第2の収容部部分を振動型摂取可能カプセルの収容部に取り付けることを含む、実施形態139~144のいずれか1つに記載の方法。
【0336】
147.
取付けは、螺合によって、第2の収容部部分を振動型摂取可能カプセルの収容部に取り付けることを含む、実施形態139~144のいずれか1つに記載の方法。
【0337】
148.
取付けは、接着によって、第2の収容部部分を振動型摂取可能カプセルの収容部に取り付けることを含む、実施形態139~144のいずれか1つに記載の方法。
【0338】
149.
取付けは、はんだ付けによって、第2の収容部部分を振動型摂取可能カプセルの収容部に取り付けることを含む、実施形態139~144のいずれか1つに記載の方法。
【0339】
150.
制御することは、ユーザの身体によって流動性摂取可能薬剤が吸収可能である消化管の領域内で振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように、振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間を制御することを含む、実施形態136~149のいずれか1つに記載の方法。
【0340】
151.
制御することは、ユーザの消化管内で貯蔵器から放出される流動性摂取可能薬剤の推定吸収期間および実際の吸収期間の少なくとも1つの間に振動動作モードが少なくとも部分的に発生するように、振動動作モードのタイミングまたは作動遅延時間を制御することを含む、実施形態136~150のいずれか1つに記載の方法。
【0341】
152.
制御することの前に、制御要素において作動入力を受信することを更に含み、
制御することは、作動入力の受信後に振動動作モードにおいて動作可能であるように振動攪拌機構を作動させることを含む、実施形態136~151のいずれか1つに記載の方法。
【0342】
153.
作動入力を受信することは、少なくとも1つのセンサからの作動入力を受信することを含む、実施形態152に記載の方法。
【0343】
154.
作動入力を受信することは、照明センサから、照明環境から暗環境へのデバイスの移行を示す入力を受信することを含む、実施形態153に記載の方法。
【0344】
155.
作動入力を受信することは、圧力センサから、ユーザの咽頭を通るデバイスの移動を示す、デバイスに加えられた圧力を示す入力を受信することを含む、実施形態153~154のいずれか1つに記載の方法。
【0345】
156.
作動入力を受信することは、温度センサから、周囲温度を有する領域から人間の体温を有する領域へのデバイスの移行を示す入力を受信することを含む、実施形態153~155のいずれか1つに記載の方法。
【0346】
157.
作動入力を受信することは、加速度計から、デバイスで実行された作動運動検出に応答して入力を受信することを含む、実施形態153~156のいずれか1つに記載の方法。
【0347】
158.
作動入力を受信することは、湿度センサから、乾燥環境から湿潤環境へのデバイスの移行を示す入力を受信することを含む、実施形態153~157のいずれか1つに記載の方法。
【0348】
159.
作動入力を受信することは、デバイスから遠隔にあり、制御要素と機能的に関連する制御ユニットからの作動入力を受信することを含む、実施形態152~158のいずれか1つに記載の方法。
【0349】
160.
作動入力を受信することは、デバイスの摂取後に起こる、実施形態152~159のいずれか1つに記載の方法。
【0350】
161.
作動入力を受信することは、デバイスの摂取より前に起こる、実施形態152~160のいずれか1つに記載の方法。
【0351】
162.
作動入力を受信することは、振動攪拌機構の動作を制御するために制御要素によって用いられる振動プロトコルを受信することを含む、実施形態152~161のいずれか1つに記載の方法。
【0352】
163.
振動攪拌機構を制御することは、振動動作モードが、各々が振動期間の後に休止期間を含む複数のサイクルを含むように振動攪拌機構を制御することを含み、収容部は、振動期間中に振動を及ぼす、実施形態136~162のいずれか1つに記載の方法。
【0353】
164.
休止期間は振動期間よりも長い、実施形態163に記載の方法。
【0354】
165.
振動期間は、0.1秒~10秒、1秒~10秒、1秒~9秒、2秒~9秒、3秒~9秒、3秒~8秒、3秒~7秒、3秒~6秒、4秒~6秒、または5秒~6秒の範囲内である、実施形態163または実施形態164に記載の方法。
【0355】
166.
休止期間は、1秒~180秒、3秒~180秒、5秒~180秒、5秒~150秒、5秒~120秒、8秒~100秒、8秒~30秒、10秒~80秒、10秒~70秒、10秒~60秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、10秒~20秒、または15秒~20秒の範囲内である、実施形態163~165のいずれか1つに記載の方法。
【0356】
167.
複数のサイクルの各々の期間は、1.1秒~200秒、5秒~200秒、10秒~200秒、10秒~150秒、10秒~100秒、10秒~80秒、10秒~50秒、10秒~40秒、10秒~30秒、15秒~50秒、15秒~40秒、15秒~30秒、または15秒~25秒の範囲内である、実施形態163~166のいずれか1つに記載の方法。
【0357】
168.
制御することは、、振動動作モードの累積期間が、1時間~12時間、2時間~10時間、2時間~8時間、2時間~6時間、2時間~4時間、または2時間~3時間の範囲内であるように振動攪拌機構を制御することを含む、実施形態136~167のいずれか1つに記載の方法。
【0358】
169.
制御することは、収容部によって収容部の環境に及ぼされる合力が、50重量グラム(gf)~600gf、50gf~550gf、100gf~550gf、100gf~500gf、150gf~500gf、200gf~500gf、または200gf~450gfの範囲内であるように、収容部に力を及ぼすように振動攪拌機構を制御することを含む、実施形態136~168のいずれか1つに記載の方法。
【0359】
170.
制御することは、10Hz~650Hz、15Hz~600Hz、20Hz~550Hz、30Hz~550Hz、50Hz~500Hz、70Hz~500Hz、100Hz~500Hz、130Hz~500Hz、または150Hz~500Hzの範囲内の収容部振動周波数に到達するように収容部に力を及ぼすように振動攪拌機構を制御することを含む、実施形態136~169のいずれか1つに記載の方法。
【0360】
171.
流動性摂取可能薬剤は、100Pa・s~1000Pa・sの範囲内の粘度を有する、実施形態136~170のいずれか1つに記載の方法。
【0361】
172.
流動性摂取可能薬剤は、ユーザの胃で吸収可能である、、実施形態136~171のいずれか1つに記載の方法。
【0362】
173.
流動性摂取可能薬剤は、ユーザの小腸で摂取可能である、実施形態136~172のいずれか1つに記載の方法。
【0363】
174.
流動性摂取可能薬剤は、実施形態66に挙げたグループから選択された1または複数の症状または疾患の治療に適している、実施形態136~173のいずれか1つに記載の方法。
【0364】
175.
流動性摂取可能薬剤は、実施形態67に挙げたグループから選択された摂取可能薬剤を含み、または含む、実施形態136~174のいずれか1つに記載の方法。
【0365】
理解されるように、明確性のために別々の実施形態の文脈で説明された本発明の特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔性のために単一の実施形態の文脈で説明された本発明の様々な特徴は、個別に、または任意の適当な部分的組み合わせで提供されてもよい。
【0366】
本発明は、本発明の特定の実施形態と関連して説明されたが、当業者には多くの代替例、修正例、および変化例が明らかとなることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の主旨および広い範囲に収まるそのような全ての代替例、修正例、および変化例を包括することが意図される。本明細書において言及された全ての出版物、特許、および特許出願は、個々の出版物、特許、または特許出願が参照によって本明細書に組み込まれることを明確かつ個々に示された場合と同様に、参照によって本明細書にそれらの全体が組み込まれるものである。加えて、本出願における任意の参照文献の引用または識別は、そのような参照文献が本発明に対する従来技術として利用可能であることを認めるものとして解釈されてはならない。