(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】流量センサ
(51)【国際特許分類】
G01P 5/12 20060101AFI20230904BHJP
【FI】
G01P5/12 C
(21)【出願番号】P 2019220952
(22)【出願日】2019-12-06
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000105350
【氏名又は名称】KOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100121049
【氏名又は名称】三輪 正義
(72)【発明者】
【氏名】池野 智一
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/105753(WO,A2)
【文献】特開2018-54528(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0097252(US,A1)
【文献】特開2013-3068(JP,A)
【文献】特開昭63-201530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 5/00- 5/26
G01P13/00-13/04
G01F 1/68- 1/699
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板の厚み方向に貫く第1の熱伝導部と、
前記第1の熱伝導部の流量検知面とは反対側に配置される流量検知用抵抗素子と、
前記流量検知用抵抗素子と同じ面側に配置される温度補償用抵抗素子と、
を有することを特徴とする流量センサ。
【請求項2】
前記第1の熱伝導部は、平面視円形状であること特徴とする請求項1に記載の流量センサ。
【請求項3】
更に、前記第1の熱伝導部の外側に、前記第1の熱伝導部から略等距離、離れた位置に、前記絶縁基板を厚み方向に貫くリング状の第2の熱伝導部を有し、前記第2の熱伝導部の前記流量検知面とは反対側に、前記温度補償用抵抗素子が配置されることを特とする請求項1又は請求項2に記載の流量センサ。
【請求項4】
前記流量検知用抵抗素子は、セラミック基板と、前記セラミック基板の表面に設けられた抵抗層と、前記抵抗層と電気的に接続し、前記セラミック基板の表面に設けられた端子と、を有して構成されており、前記端子は、前記第1の熱伝導部の前記流量検知面とは反対側に形成されたランドに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の流量センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、風速を計測可能な流量センサに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱した流量検知用抵抗素子を流体に曝し、その際の放熱作用に基づいて流体の流量を検出する熱式の流量センサが知られている。例えば、特許文献1には、基板の表面に流量検知用抵抗素子と、流体の温度を検知するための温度補償用抵抗素子を配置した流量センサについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、絶縁基板の表面上を流れる流体は、風向によって、流量検知用抵抗素子に到達する前に、温度補償用抵抗素子や各種電子部品が障壁となり、適切に流量検知を行うことができない問題があった。すなわち、特許文献1の構成では、絶縁基板の表面上を流れる全方向からの流量検知を高精度に行うことができない。
【0005】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、絶縁基板の表面上を流れる全方向からの流量検知を可能とする流量センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における流量センサは、絶縁基板と、前記絶縁基板の厚み方向に貫く第1の熱伝導部と、前記第1の熱伝導部の流量検知面とは反対側に配置される流量検知用抵抗素子と、前記流量検知用抵抗素子と同じ面側に配置される温度補償用抵抗素子と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の流量センサにおいては、絶縁基板に、厚み方向に貫く第1の熱伝導部を設け、第1の熱伝導部の、流量検知面とは反対側に流量検知用抵抗素子を配置した。また、温度補償用抵抗素子を、流量検知用抵抗素子と同じ面側に配置した。これにより、流量検知面に沿って流れる流量の360°検知が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態における流量センサの斜視図である。
【
図2】本実施の形態における流量センサを裏側から見た斜視図(保護層は非表示)である。
【
図3】
図2から流量検知用抵抗素子及び温度補償用抵抗素子を除去した状態のプリント基板の裏面斜視図である。
【
図4】本実施の形態における流量センサの部分拡大断面図である。
【
図5】本実施の形態における流量センサの部分拡大平面図である。
【
図6】本実施の形態における流量検知用抵抗素子の設置付近を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0010】
本実施の形態の流量センサ1は、熱式の流量センサ1であり、絶縁基板2と、絶縁基板2に配置された流量検知用抵抗素子3及び、温度補償用抵抗素子4と、を有して構成される。
図1等に示すように、流量検知用抵抗素子3及び、温度補償用抵抗素子4は、絶縁基板2の表面には現れていない。
【0011】
絶縁基板2を特に限定するものではないが、フレキシブルプリント基板(FPC)を使用することができる。或いは、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたプリント基板であってもよく、例えば、FR4基板を提示することができる。ただし、フレキシブルプリント基板のほうが、FR4基板より薄く、表裏の熱伝導が良いため好ましい。
【0012】
絶縁基板2は、流量検知面(外面)2aと、流量検知面2aとは反対側の裏面2bの、相対向する2つの主面を有する。
図1では、流量検知面2aを表側に向けて図示した。
図2では、裏面2bを表側に向けて図示した。なお、
図2では、
図1等に図示された保護層20を非表示とした。
【0013】
図1や
図4、
図5等に示すように、絶縁基板2の中央部には、絶縁基板2の流量検知面2aから裏面2bに貫く第1の熱伝導部5が設けられている。第1の熱伝導部5は、平面視にて円形状で形成されることが好ましい。すなわち、第1の熱伝導部5は、流量検知面2a及び、裏面2bに円形状で現れることが好ましい。
【0014】
また、第1の熱伝導部5は、流量検知用抵抗素子3の対向面積よりも広いことが好ましい。すなわち、流量検知用抵抗素子3全体が、第1の熱伝導部5の内側に位置することが好ましい。
【0015】
図1や
図4、
図5等に示すように、第1の熱伝導部5の外側の絶縁基板2には、第1の熱伝導部5と略等間隔の位置に、第2の熱伝導部6が形成されている。第2の熱伝導部6は、円形リング形状であることが好ましい。すなわち、第2の熱伝導部6は、流量検知面2a及び、裏面2bに円形リング形状で現れることが好ましい。第2の熱伝導部6は全域が、一定幅で形成されることが好ましい。
【0016】
第1の熱伝導部5及び、第2の熱伝導部6は、絶縁基板2に比べて熱伝導率が高い金属であり、材質を限定するものではないが、好ましくは、銅或いは銅合金で形成される。
【0017】
図4に示すように、第1の熱伝導部5の裏面側には、絶縁層7を介して、流量検知用抵抗素子3が配置されている。また、第2の熱伝導部6の裏面側には、絶縁層7を介して、温度補償用抵抗素子4が配置されている。これにより、流量検知用抵抗素子3と第1の熱伝導部5は、電気的に絶縁されており、温度補償用抵抗素子4と、第2の熱伝導部6は、電気的に絶縁されている。絶縁層7は、無機材料層であっても有機材料層であってもどちらでもよい。
【0018】
また、流量検知用抵抗素子3は、第1の熱伝導部5の中心に配置されることが好ましい。また、温度補償用抵抗素子4は、第2の熱伝導部6と重なっていれば、流量検知用抵抗素子3からみて、どの方向に配置されていてもよいが、
図2に示すように、配線パターン9a~9dの引き回しを考慮すると、温度補償用抵抗素子4を、流量検知用抵抗素子3よりも、配線パターン9a~9dを引き出す配線引出部8側に配置することが好ましい。
【0019】
図4に示す絶縁層7は、絶縁基板2の裏面2bの全域に形成されることが好ましく、絶縁層7の外面に、
図3に示す配線パターン9a~9dが形成されている。なお、
図3では、絶縁層7を省略した。
【0020】
図3に示すように、絶縁基板2には、4本の配線パターン9a~9dが形成されており、うち2本の配線パターン9a、9bは、第1の熱伝導部5と重なる位置まで引き出されている。各配線パターン9a、9bの先端は、配線パターン9a、9bよりも幅の広いランド10a、10bを構成している。また、ランド10a、10bの間には、金属部11aが形成されている。そして、金属部11aの両側から、ランド10a、10bの並び方向とは直交する方向に、金属延出部12a、12bが形成されている。金属延出部12a、12bには、第1の熱伝導部5に繋がる複数の導通部13が形成されている。本実施の形態では、ランド10a、10bと、金属部11aは、電気的に接続されていない。
【0021】
図3に示すように、配線パターン9c、9dは、第2の熱伝導部6と重なる位置まで引き出されている。各配線パターン9c、9dの先端は、配線パターン9c、9dよりも幅の広いランド10c、10dを構成している。また、ランド10c、10dの間には、金属部11bが形成されている。そして、金属部11bの両側から、ランド10c、10dの並び方向とは直交する方向に、金属延出部12c、12dが形成されている。金属延出部12c、12dには、第2の熱伝導部6に繋がる複数の導通部13が形成されている。本実施の形態では、ランド10c、10cと、金属部11bは、電気的に接続されていない。
【0022】
図6は、流量検知用抵抗素子3の設置付近を示す部分拡大断面図である。
図6に示すように、流量検知用抵抗素子3は、チップ型抵抗器である。
図6に示すように、流量検知用抵抗素子3は、セラミック基板16と、セラミック基板16の表面に形成された抵抗層17と、抵抗層17と電気的に接続され、セラミック基板16の表面に設けられた端子18と、を有して構成される。
図6に示すように、端子18は、セラミック基板16の両側の側面に形成され、抵抗層17と電気的に接続する位置から側面を通って、第1の熱伝導部5と対向する裏面位置まで延出している。限定するものではないが、抵抗層17は、例えば、白金を主成分として形成される。
【0023】
図6に示すように、流量検知用抵抗素子3は、端子18の部分で、絶縁基板2の裏面2bに絶縁層7を介して形成されたランド10a、10bに、半田層19を介して面実装されている。
【0024】
図示しないが、温度補償用抵抗素子4も、
図6に示す流量検知用抵抗素子3と同様の設置構造とされている。
【0025】
また、
図6には、図示していないが、
図1や
図4に示すように、絶縁基板2の裏面2bには、電気絶縁性の保護層20が設けられており、流量検知用抵抗素子3及び温度補償用抵抗素子4が、保護層20内に埋設されている。したがって、流体は、流量検知用抵抗素子3及び温度補償用抵抗素子4に直接接触しない。
【0026】
図7は、本実施の形態の流量センサの回路図である。
図7に示すように、流量検知用抵抗素子3と、温度補償用抵抗素子4と、抵抗器26、27とでブリッジ回路28を構成している。
図7に示すように、流量検知用抵抗素子3と抵抗器26とで第1の直列回路29を構成し、温度補償用抵抗素子4と抵抗器27とで第2の直列回路30を構成している。そして、第1の直列回路29と第2の直列回路30とが、並列に接続されてブリッジ回路28を構成している。
【0027】
図7に示すように、第1の直列回路29の出力部31と、第2の直列回路30の出力部32とが、夫々、差動増幅器(アンプ)33に接続されている。ブリッジ回路28には、差動増幅器33を含めたフィードバック回路34が接続されている。フィードバック回路34には、トランジスタ(図示せず)等が含まれる。
【0028】
抵抗器26、27は、流量検知用抵抗素子3、及び温度補償用抵抗素子4よりも抵抗温度係数(TCR)が小さい。流量検知用抵抗素子3は、例えば、所定の周囲温度よりも所定値だけ高くなるように制御された加熱状態で、所定の抵抗値Rs1を有し、また、温度補償用抵抗素子4は、例えば、前記の周囲温度にて、所定の抵抗値Rs2を有するように制御されている。なお、抵抗値Rs1は、抵抗値Rs2よりも小さい。限定するものではないが、例えば、抵抗値Rs2は、抵抗値Rs1の数倍~十数倍程度である。流量検知用抵抗素子3と第1の直列回路29を構成する抵抗器26は、例えば、流量検知用抵抗素子3の抵抗値Rs1と同様の抵抗値R1を有する固定抵抗器である。また、温度補償用抵抗素子4と第2の直列回路30を構成する抵抗器27は、例えば、温度補償用抵抗素子4の抵抗値Rs2と同様の抵抗値R2を有する固定抵抗器である。
【0029】
本実施の形態の流量センサ1は、例えば、風速センサである。無風状態では、差動増幅器33からの差動出力がほぼゼロとなるように制御されている。無風状態から風が作用すると、発熱抵抗である流量検知用抵抗素子3の温度は低下し、流量検知用抵抗素子3が接続された第1の直列回路29の出力部31の電位が変動する。これにより、差動増幅器33により差動出力が得られる。そして、フィードバック回路34では、差動出力に基づいて、流量検知用抵抗素子3に駆動電圧を印加する。流量センサ1は、流量検知用抵抗素子3の加熱に要する電圧の変化に基づいて風速を換算し出力することができる。風速が変化すると、それに伴い、流量検知用抵抗素子3の温度が変化するため、風速を検知することができる。
【0030】
ここで、本実施の形態では、流量検知用抵抗素子3の熱は、絶縁基板2を貫く第1の熱伝導部5を介して流量検知面2aに放熱される。そのため、風が、流量検知面2a上を流れると、第1の熱伝導部5を介して、流量検知用抵抗素子3の温度は低下し、上記した原理に基づいて風速検知が可能になる。
【0031】
また、流量検知用抵抗素子3とともに、温度補償用抵抗素子4を、絶縁基板2の裏面2b側に配置しており、流量検知用抵抗素子3及び、温度補償用抵抗素子4は、流量検知面2aに現れていない。したがって、
図5の平面図に示すように、第1の熱伝導部5が露出する絶縁基板2の流量検知面2aに沿う風向A~Dが変化しても、同様に、第1の熱伝導部5に作用する。
図5では、風向A~Dを90°間隔で示したが、360°の全方位からの風が第1の熱伝導部5に同様に作用するため、絶縁基板2の流量検知面2aに沿う全方向の風量検知を行うことが可能である。特に、本実施の形態のように、第1の熱伝導部5が平面視円形状で形成されることで、第1の熱伝導部5の外周と流量検知用抵抗素子3との間の距離を、どの方向からでも同じにできる。このため、風量が同じ風が、どの方向から作用しても、流量検知用抵抗素子3の温度低下を同じにでき、より効果的に高精度な流量検知、特に、応答性を改善することができる。
【0032】
本実施の形態では、流量検知用抵抗素子3と第1の熱伝導部5との間に、金属部11aを配置している。また、金属部11aには、第1の熱伝導部5に繋がる金属延出部12a、12bが設けられており、より効果的に、流量検知用抵抗素子3と、第1の熱伝導部5の間の熱伝導性を高めることが可能になっている。
【0033】
本実施の形態では、第1の熱伝導部5の外側に、絶縁基板2を貫く円形リング形状の第2の熱伝導部6を設け、温度補償用抵抗素子4を、第2の熱伝導部6の裏面側に配置している。これにより、流量検知用抵抗素子3と温度補償用抵抗素子4の間を、適切に熱分離することができ、応答性を向上させることができる。特に、本実施の形態では、円形状の第1の熱伝導部5と、円形リング形状の第2の熱伝導部6を配置することで、第1の熱伝導部5と、第2の熱伝導部6の間の間隔は、略一定となる。したがって、温度補償用抵抗素子4を、第2の熱伝導部6の裏面側のどの位置に配置しても、均一な熱分離が可能であり、高精度な応答性を実現できる。
【0034】
また、
図2、
図3に示すように、温度補償用抵抗素子4と第2の熱伝導部6との間に、金属部11bを配置しており、金属部11bには、第2の熱伝導部6に繋がる金属延出部12c、12dが設けられている。これにより、温度補償用抵抗素子4と、第2の熱伝導部6の間の熱伝導性を高めることが可能になっている。これにより温度補償用抵抗素子4にて、流体そのものの温度を精度良く検知でき、流体の温度変化の影響を効果的に補償することができる。このため、流量検知を精度よく行うことができる。
【0035】
以上のように、本実施の形態及び変形例を説明したが、他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0036】
また、本実施の形態は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらに、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【0037】
例えば、上記の実施の形態では、第1の熱伝導部5の形状を平面視円形状としたが、平面視円形状でなくてもよく、平面視多角形状等を例示できる。第1の熱伝導部5を平面視多角形としたとき、第2の熱伝導部6の形状は、多角形リング形状として、第1の熱伝導部5と第2の熱伝導部6の間の間隔を、略一定となるようにすることが好ましい。ただし、第1の熱伝導部5を平面視円形状で形成し、第2の熱伝導部6を円形リング形状で形成することが、流量の360°検知を精度良く行なうことができ好適である。
【0038】
また、上記では、本実施の形態の流量センサ1を、風速センサとして説明したが、風速センサに限定されるものではない。本実施の形態では、風以外の流体、例えば、ガス流や、水等の液体を対象とした流量センサであってもよい。
下記に、上記実施の形態における特徴点を整理する。
【0039】
上記実施の形態に記載の流量センサは、絶縁基板と、前記絶縁基板の厚み方向に貫く第1の熱伝導部と、前記第1の熱伝導部の流量検知面とは反対側に配置される流量検知用抵抗素子と、前記流量検知用抵抗素子と同じ面側に配置される温度補償用抵抗素子と、を有することを特徴とする。
【0040】
上記実施の形態に記載の流量センサは、前記第1の熱伝導部は、平面視円形状であることが好ましい。
【0041】
上記実施の形態に記載の流量センサは、更に、前記第1の熱伝導部の外側に、前記第1の熱伝導部から略等距離、離れた位置に、前記絶縁基板を厚み方向に貫くリング状の第2の熱伝導部を有し、前記第2の熱伝導部の前記流量検知面とは反対側に、前記温度補償用抵抗素子が配置されることが好ましい。
【0042】
上記実施の形態に記載の流量センサは、前記流量検知用抵抗素子は、セラミック基板と、前記セラミック基板の表面に設けられた抵抗層と、前記抵抗層と電気的に接続し、前記セラミック基板の表面に設けられた端子と、を有して構成されており、前記端子は、前記第1の熱伝導部の前記流量検知面とは反対側に形成されたランドに電気的に接続されていることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明における流量センサは、絶縁基板の表面に沿う全方向からの流量検知を可能とする。このため、本発明の流量センサを、例えば、風速を検知できる風速センサに適用したとき、流量検出方向の指向性を無くすことができ、風向が特に定まっていない様々なアプリケーションに適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 :流量センサ
2 :絶縁基板
2a :流量検知面
2b :裏面
3 :流量検知用抵抗素子
4 :温度補償用抵抗素子
5 :第1の熱伝導部
6 :第2の熱伝導部
7 :絶縁層
8 :配線引出部
9a~9d :配線パターン
10a~10d :ランド
11a、11b :金属部
12a~12d :金属延出部
13 :導通部
16 :セラミック基板
17 :抵抗層
18 :端子
19 :半田層
20 :保護層
26、27 :抵抗器
28 :ブリッジ回路
29 :第1の直列回路
30 :第2の直列回路
31、32 :出力部
33 :差動増幅器
34 :フィードバック回路
A~D :風向