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特許7341627ドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法
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  • 特許-ドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】ドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法
(51)【国際特許分類】
   B63B 73/10 20200101AFI20230904BHJP
【FI】
B63B73/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022532583
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 KR2020011740
(87)【国際公開番号】W WO2021132840
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-05-30
(31)【優先権主張番号】10-2019-0174629
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522213971
【氏名又は名称】テウ シップビルディング アンド マリン エンジニアリング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DAEWOO SHIPBUILDING & MARINE ENGINEERING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】3370,Geoje-daero,Geoje-si,Gyeongsangnam-do 53302,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】パク、ガン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ソン ウォン
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0008086(KR,A)
【文献】特表2009-517290(JP,A)
【文献】国際公開第2014/013584(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0062131(KR,A)
【文献】国際公開第2008/118082(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 73/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のドライドック内で1列又は2列に複数の同種又は異種の船舶ブロックをそれぞれ建造するが、ドックヘッド隣接領域で部分進水船舶の船殻工事を行い、ドックゲート隣接領域で進水船舶の船殻部分工事を行う段階と、
前記部分進水船舶の内部にポンプを介して強制注水する段階と、
前記ドライドックのドックゲートを開放して海水を流入させて前記進水船舶を浮揚させ、前記部分進水船舶を浮揚させない段階と、
浮揚された前記進水船舶を前記ドックゲートの外部岸壁に搬出する段階と、
前記ドックゲートを閉鎖して前記ドライドックから海水を排出する段階と、
同じ位置で前記部分進水船舶に対する残余船殻部分工事を行う段階と、を含み、
前記部分進水船舶の浮力を相殺し且つCOG(Center Of Gravity)とのバランスを保つように、前記部分進水船舶の隔壁が形成されたカーゴタンクの内部に前記ポンプを介して清水又は海水を強制注水し、
前記部分進水船舶のデッキハウス及びエンジンケーシングの搭載時には、前記エンジンケーシングに隣接する左右一対のSCO(Side Crude Oil)タンクにそれぞれ強制注水する
ことを特徴とするドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法。
【請求項2】
同一のドライドック内で1列又は2列に複数の同種又は異種の船舶ブロックをそれぞれ建造するが、ドックヘッド隣接領域で部分進水船舶の船殻工事を行い、ドックゲート隣接領域で進水船舶の船殻部分工事を行う段階と、
前記部分進水船舶の内部にポンプを介して強制注水する段階と、
前記ドライドックのドックゲートを開放して海水を流入させて前記進水船舶を浮揚させ、前記部分進水船舶を浮揚させない段階と、
浮揚された前記進水船舶を前記ドックゲートの外部岸壁に搬出する段階と、
前記ドックゲートを閉鎖して前記ドライドックから海水を排出する段階と、
同じ位置で前記部分進水船舶に対する残余船殻部分工事を行う段階と、を含み、
前記部分進水船舶の浮力を相殺し且つCOG(Center Of Gravity)とのバランスを保つように、前記部分進水船舶の隔壁が形成されたカーゴタンクの内部に前記ポンプを介して清水又は海水を強制注水し、
前記部分進水船舶のデッキハウス及びエンジンケーシングの未搭載時には、前記エンジンケーシングに隣接する左右一対のSCOタンクにそれぞれほとんどを強制注水し、左右一対のスロップタンクにそれぞれ残りを強制注水する
ことを特徴とするドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法。
【請求項3】
前記SCOタンクに清水又は海水を強制注水する
請求項1に記載のドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法。
【請求項4】
前記SCOタンク及び前記スロップタンクに清水又は海水を強制注水する
請求項2に記載のドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法。
【請求項5】
海水の強制注水の際に、海水淡水化装置を介して塩分及び塩素を除去した後で注水する
請求項3または4に記載のドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法。
【請求項6】
前記進水船舶の搬出位置に後続船舶の船殻部分工事を行う工程をさらに含む
請求項1または2に記載のドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一のドライドック内で同種又は異種の船舶建造の際に進水船舶と部分進水船舶を同時に建造しながら、進水船舶の搬出時に部分進水船舶をバランスを保った状態で安定的に浮揚させないことができ、部分進水船舶の建造段階に相応して異なるように強制注水して進水船舶の進水に影響を与えないことができる、ドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、効率的な大型船舶建造のためにドライドック方式(乾ドック方式)によって船舶を建造するが、ドライドック内で船舶ブロックを建造し、ドライドックに海水を流入させて船舶を浮揚させた後、岸壁に引き揚げて搬出する。
一方、ドライドック内の余裕空間を活用して進水船舶と部分進水船舶を同時に建造するようにするタンデム工法が適用されている。
【0003】
例えば、超大型コンテナ船の進水船舶とVLCC(Very Large Crude oil Carrier)の部分進水船舶のタンデム工法適用の際に、ドライドック内への海水流入時に、部分進水船舶の隔壁が形成された貨物タンク区域の浮力により船尾端側に不均衡に傾いて浮揚され、タグ(tug)船による進水船舶の引き揚げ時に、タグ船のスクリュー回転によって部分進水船舶を支える盤木が倒れて部分進水船舶が転倒される可能性があるため、超大型コンテナ船の進水船舶と部分進水船舶を同時に建造することができないという限界がある。
【0004】
このような限界を解消するための先行技術として、韓国登録特許公報第10-0796410号が開示されているが、従来のタンデム建造工法に適用される浸水工法は、ドック内でタンデム建造工法によって船舶ブロックを建造する段階と、浸水対象船舶に主エンジン、尾及び中間軸、船尾ブロック、ラッシングブリッジ又はハッチカバーの主要搭載物を設置する段階と、進水船舶の浮揚時に浸水対象船舶のカーゴ/ホールドバラスト及び一部二重底タンクに水を自然流入させて船舶を同じ位置に浸水させる段階と、進水船舶の曳航後、浸水した船舶建造を行う段階と、を含んでなり、搭載物量を全て搭載した後、船体を浸水させて、船体移動なしに同じ位置で建造を完了するようにする。
【0005】
しかし、部分進水船舶に主要搭載物が搭載された状態で、進水船舶の浮揚のために流入する水によってカーゴ/ホールドバラスト及び一部二重底タンクに自然流入させて部分進水船舶を浸水させるが、図1に示すように、進水船舶を進水する前に部分進水船舶に主要搭載物の搭載を全て完了した後にのみ可能であるため、進水船舶の建造が完了した状態で部分進水船舶の建造段階に応じて進水船舶の引き揚げ時期が遅延するという問題点があり、ドック内に自然流入した水、すなわち海水によって部分進水船舶を浸水させて塩分及び塩素による船体腐食の可能性があり、船体腐食防止のための先行工程又は後行工程を伴って工期が遅延するという問題点がある。
【0006】
このため、部分進水船舶の建造段階とは無関係に進水船舶を引き揚げるようにして工期遅延を最小化し、部分進水船舶の浸水に備えた船体腐食を最小限に抑えることができる、改善されたタンデム工法が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】大韓民国登録特許第10-0796410号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、部分進水船舶の建造段階とは無関係に進水船舶を引き揚げるようにして工期遅延を最小化し、部分進水船舶の浸水に備えた船体腐食を最小限に抑えることができる、ドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、同一のドライドック内で1列又は2列に複数の同種又は異種の船舶ブロックをそれぞれ建造するが、ドックヘッド隣接領域で部分進水船舶の船殻工事を行い、ドックゲート隣接領域で進水船舶の船殻部分工事を行う段階と、前記部分進水船舶の内部にポンプを介して強制注水する段階と、前記ドライドックのドックゲートを開放して海水を流入させて前記進水船舶を浮揚させ、前記部分進水船舶を浮揚させない段階と、浮揚された前記進水船舶を前記ドックゲートの外部岸壁に搬出する段階と、前記ドックゲートを閉鎖して前記ドライドックから海水を排出する段階と、同じ位置で前記部分進水船舶に対する残余船殻部分工事を行う段階と、を含んでなる、ドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法を提供する。
【0010】
ここで、前記部分進水船舶の浮力を相殺し且つCOG(Center of Gravity)とのバランスを保つように、前記部分進水船舶の隔壁が形成されたカーゴタンクの内部に前記ポンプを介して清水又は海水を強制注水することができる。
【0011】
このとき、前記部分進水船舶のデッキハウス及びエンジンケーシングの搭載時には、前記エンジンケーシングに隣接する左右一対のSCOタンクにそれぞれ強制注水し、前記部分進水船舶のデッキハウス及びエンジンケーシングの未搭載時には、前記エンジンケーシングに隣接する左右一対のSCOタンクにそれぞれほとんどを強制注水し、左右一対のスロップタンクにそれぞれ残りを強制注水することができる。
【0012】
また、前記SCOタンク及び前記スロップタンクに清水又は海水を強制注水することができる。
【0013】
また、海水の強制注水の際に、海水淡水化装置を介して塩分及び塩素を除去した後で注水することができる。
【0014】
また、前記進水船舶の搬出位置で後続船舶の船殻部分工事を行う工程をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、別途清水又は海水を強制注水して船体腐食を最小限に抑えながら部分進水船舶を浮揚させず、同一のドライドック内で同種又は異種の船舶建造の際に進水船舶と部分進水船舶を同時に建造しながら、進水船舶の搬出時に部分進水船舶をバランスを保った状態で安定的に浮揚させないことができ、部分進水船舶の建造段階に相応して異なるように強制注水して進水船舶の進水に影響を与えないことができ、タンデム工法によって工期を短縮しながら大型建造船舶を連続的に建造可能にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術によるタンデム建造工法に適用される浸水工法を例示するものである。
図2】本発明の実施形態によるドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法のフローチャートを示す図である。
図3図2のドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法が実現されたドライドックを模式的に示す図である。
図4図2のドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法が適用された部分進水船舶の船尾断面構造を示す図である。
図5図3のドライドックにおける未浮揚タンデム工法の工程フローチャートをそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0018】
図2を参照すると、本発明の実施形態によるドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法は、全体的に、船殻工事及び船殻部分工事遂行段階(S110)と、強制注水段階(S120)と、海水流入段階(S130)と、進水船舶の搬出段階(S140)と、海水排水段階(S150)と、残余船殻部分工事遂行段階(S160)と、後続船舶の船殻部分工事遂行段階(S170)とを含んでなり、船舶を連続的にタンデム建造可能にすることを要旨とする。
【0019】
具体的には、図2図5を参照して、本発明の実施形態によるドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法について説明する。
【0020】
まず、船殻工事及び船殻部分工事遂行段階(S110)では、図3及び図5(a)に示すように、同一のドライドック内で1列又は2列に複数の同種船舶又は異種船舶の船舶ブロックをそれぞれ建造するが、ドックヘッド(dock head)隣接領域で部分進水船舶の船殻工事を行い、ドックゲート(dock gate)隣接領域で進水船舶の船殻部分工事を行う。
【0021】
ここで、進水船舶又は部分進水船舶は、特に限定されないが、VLCC(Very Large Crude oil Carrier)、超大型コンテナ船、LNG運搬船、LNG推進船又は化学製品運搬船の大型建造船舶などであり、500m以上の長さを有する同一のドライドック内で1列又は2列に400m前後の全長(LOA、Length Of Overall)を有する進水船舶と、120m前後の全長を有する部分進水船舶とを同時に建造することができる。
【0022】
参考までに、ドックヘッドと部分進水船舶との間隔、及びドックゲートと進水船舶との距離は5m前後の間隔を必要とし、部分進水船舶と進水船舶との距離は10m前後の間隔を必要とする。
【0023】
続いて、強制注水段階(S120)では、図3に示すように、部分進水船舶の内部にポンプPを介して強制的に注水してドック内への海水の流入時に部分進水船舶、すなわち部分進水船舶の船首部が自己浮力によって浮揚されないようにする。
【0024】
つまり、水温と塩分と水圧に応じて可変する海水密度による部分進水船舶の浮力を相殺し且つCOG(Center of Gravity)とのバランスを保つように、部分進水船舶の隔壁が形成されたカーゴタンク(cargo tank)の内部にポンプPを介して清水又は海水を強制注水して部分進水船舶が定位置でブロック転倒防止のための盤木(support)から浮揚されないようにする。
【0025】
一方、図4を参照すると、強制注水の際に、部分進水船舶のデッキハウス(D/H、Deck House)A及びエンジンケーシング(engine casing)Bの搭載時には、部分進水船舶の船首部、すなわちエンジンケーシングBに隣接する左右一対のSCO(Side Crude Oil)タンク(SCO TK(P)、(S))にそれぞれ強制注水するが、VLCC(Very Large Crude oil Carrier)を基準に、それぞれ8000トン前後で注水して部分進水船舶の船首部が浮揚されないようにしながら、船尾の後端側に偏ったCOGとバランスをとるようにして船尾の前後が不均衡に傾いて部分浮揚されないようにする。例えば、No.5 SCO TK(P)には8000トンを注水し、No.5 SCO TK(S)には7,950トンを注水して合計15,950トンを注水することができる。
【0026】
又は、部分進水船舶のデッキハウスA及びエンジンケーシングBの未搭載時には、搭載時に比べてCOGが船尾の後端側に少なく偏り、エンジンケーシングBに隣接する左右一対のSCOタンクにそれぞれほとんどを強制注水し、左右一対のスロップタンク(SLOP TK(P)、(S))にそれぞれ残りを強制注水するが、VLCCを基準に、左右一対のSCOタンクにそれぞれ7000トン前後で注水して左右一対のスロップタンクにそれぞれ800トン前後で注水して船尾が浮揚しないようにしながら、船尾の後端側に相対的に少なく偏ったCOGとバランスをとるようにして船尾の前後が不均衡に傾いて部分浮揚しないようにする。例えば、No.5 SCO TK(P、S)にそれぞれ7100トンを注水し、SLOP TK(P)には860トンを主水し、SLOP TK(S)には750トンを注水して合計15810トンを注水することができる。
【0027】
ここで、SCOタンク及びスロップタンクにポンプPを介して清水又は海水を強制注水することができるが、海水の強制注水の際には、塩分及び塩素による船体の腐食を最小限に抑えるために海水淡水化装置を介して塩分及び塩素を除去した後で注水することもできる。
【0028】
このため、部分進水船舶の建造段階に相応して、異なる方式で清水又は海水を強制注水して、部分進水船舶のバランスを保った状態で安定的に浮揚させず、進水船舶の進水に影響を与えないため工期遅延を最小限に抑えることができる。
【0029】
参考までに、ポンプPは、ドライドックに配置されるものと図示されているが、部分進水船舶に搭載されて強制注水するようにすることができ、スロップタンクは、各種タンクのクリーニング後に形成される油と海水との混合物、又は機関室から流れ出てくる廃油の油性混合物を貯留するタンクであって、油による海洋汚染を防止し且つ貨物油損失分を減少させる目的で配置される。
【0030】
続いて、海水流入段階(S130)では、図5(b)に示すように、ドライドックのドックゲートを開放して海水を流入させて進水船舶を浮揚させ、部分進水船舶を定位置で浮揚させない。
【0031】
続いて、進水船舶の搬出段階(S140)では、図3及び図5(c)に示すように、浮揚した進水船舶をタグ船によってドックゲートの外部岸壁に引き揚げて搬出する。
続いて、海水排水段階(S150)では、ドックゲートを閉鎖してドライドックから海水を排水する。
【0032】
続いて、残余船殻部分工事遂行段階(S160)では、図5(d)に示すように、部分進数船舶に強制注水された清水又は海水を排水し、浸水した同じ位置で部分進水船舶に対する残りの残余船殻部分工事を行って進水船舶を建造する。
【0033】
続いて、後続船舶の船殻部分工事遂行段階(S170)では、図5(d)に示すように、進水船舶の搬出位置で後続船舶の船殻部分工事を行う。
【0034】
したがって、前述したドライドック未浮揚タンデム工法を適用した船舶建造工法の構成によって、従来技術の浸水工法による進水船舶浮揚のために自然流入した海水によって主要搭載物が搭載された部分進水船舶を浸水させることと対比して、別途清水又は海水を強制注水して船体腐食を最小限に抑えながら部分進水船舶を浮揚させず、同一のドライドック内で同種又は異種の船舶建造の際に進水船舶と部分進水船舶を同時に建造しながら、進水船舶の搬出時に部分進水船舶をバランスを保った状態で安定的に浮揚させないことができ、また、部分進水船舶の建造段階に相応して異なるように強制注水して進水船舶の進水に影響を与えないことができ、タンデム工法によって工期を短縮しながら大型建造船舶を連続的に建造することができる。
【0035】
以上、本発明を図面に示された実施形態を参照して説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明と均等な範囲に属する様々な変形例又は他の実施形態が可能である。よって、本発明の真正な保護範囲は、後続の特許請求の範囲によって定められる。
図1
図2
図3
図4
図5