IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 友田セーリング株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社石野製作所の特許一覧

特許7341731過熱蒸気を用いた加熱焼成装置および加熱処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】過熱蒸気を用いた加熱焼成装置および加熱処理方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/16 20060101AFI20230904BHJP
   A47J 37/04 20060101ALI20230904BHJP
   F24C 1/00 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
A47J27/16 G
A47J27/16 Z
A47J37/04 101Z
F24C1/00 320B
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019101102
(22)【出願日】2019-05-30
(65)【公開番号】P2020192237
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】399054572
【氏名又は名称】友田セーリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390010319
【氏名又は名称】株式会社石野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100115510
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 勝
(72)【発明者】
【氏名】友田 博
(72)【発明者】
【氏名】石野 晴紀
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-020780(JP,A)
【文献】特開2004-357844(JP,A)
【文献】特開2016-077767(JP,A)
【文献】実開平05-063430(JP,U)
【文献】特開昭48-036376(JP,A)
【文献】登録実用新案第3075202(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0010005(US,A1)
【文献】特開2017-140108(JP,A)
【文献】特開2016-169882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/16
A47J 37/04
F24C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過熱蒸気を用いて被加熱物を加熱する加熱焼成装置であって、
過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、
前記過熱蒸気によって被加熱物が焼成される焼成室と
を備え、
前記焼成室の内部には、前記被加熱物を移動させる搬送装置が設けられており、
前記焼成室の内部における前記搬送装置の上方には、上部電熱ヒータが設けられており、
前記搬送装置の下方には、前記過熱蒸気生成装置が配置されており、
前記搬送装置の側部の下方には、ドリップ受け部が配置されており、
前記焼成室の少なくとも一部は、前記焼成室の内部を開放可能な構造を有しており、
前記過熱蒸気生成装置は、
低圧蒸気である湯気を加熱する電熱ヒータ部と、
前記電熱ヒータ部に前記湯気を導入する蒸気供給配管と、
前記電熱ヒータ部を収納する第1スリーブ部と、
前記第1スリーブ部を収納する第2スリーブ部と
を備え、
前記第1スリーブ部および前記第2スリーブ部には、前記電熱ヒータ部で加熱されて生成した過熱蒸気を通過させる貫通孔が形成されている、加熱焼成装置。
【請求項2】
前記蒸気供給配管を通過する前記湯気は、高圧蒸気を減圧した蒸気であり、そして、前記湯気の絶対圧力は0.13MPaA以下であり、
前記第1スリーブ部は、円筒形状を有しており、
前記第1スリーブ部の先端部において、前記貫通孔が複数個形成されており、
前記第2スリーブ部は、円筒形状を有しており、
前記第2スリーブ部の筒部において、前記貫通孔が複数個形成されている、請求項に記載の加熱焼成装置。
【請求項3】
前記電熱ヒータ部には、フィンが設けられており、
前記電熱ヒータ部は、複数本の電熱線が束ねられてなる発熱部を含んでおり、
前記発熱部の断面は、円形の形状を有しており、
前記フィンは、前記発熱部の外径よりも大きく、かつ、前記第1スリーブ部の内径よりも小さい外径を有する円環状部材であり、
前記フィンは、前記発熱部の長手方向に沿って間隔をあけて複数配置されており、
前記電熱ヒータ部を構成する前記発熱部の少なくとも半分の部位は、前記第2スリーブ部を含む領域を囲む加熱容器部内に位置しており、
前記加熱容器部および前記焼成室は、断熱材を含む部材によって囲まれた空間が生じるように構成されている、請求項に記載の加熱焼成装置。
【請求項4】
前記焼成室と前記過熱蒸気生成装置との間には、仕切り板が形成されており、
前記仕切り板には、貫通孔が形成されており、
前記仕切り板と前記搬送装置との間には、下部電熱ヒータが配置されている、請求項1からの何れか一つに記載の加熱焼成装置。
【請求項5】
前記上部電熱ヒータおよび前記下部電熱ヒータは、前記搬送装置の進行方向に沿って、それぞれ、複数本配置されており、
前記上部電熱ヒータおよび前記下部電熱ヒータは、上方から見たときにおいて、互いに重ならない位置で配列されている、請求項に記載の加熱焼成装置。
【請求項6】
過熱蒸気を用いて被加熱物を加熱する加熱焼成装置であって、
過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、
前記過熱蒸気によって被加熱物が焼成される焼成室と
を備え、
前記焼成室の内部には、前記被加熱物を移動させる搬送装置が設けられており、
前記焼成室の内部における前記搬送装置の上方には、上部電熱ヒータが設けられており、
前記搬送装置の下方には、前記過熱蒸気生成装置が配置されており、
前記搬送装置の側部の下方には、ドリップ受け部が配置されており、
前記焼成室の少なくとも一部は、前記焼成室の内部を開放可能な構造を有しており、
前記ドリップ受け部は、前記搬送装置の進行方向の両側に配置されており、
前記ドリップ受け部は、上部が開口したU字部材から構成されており、
前記U字部材の凹部において液体が流れる構成となっている、加熱焼成装置。
【請求項7】
前記搬送装置の上には、被加熱物を載置する皿部材が配置され、
前記皿部材の中央部は、周縁部よりも高い部位であり、
前記周縁部の一部には、貫通部が形成されており、
前記皿部材の主面には、凹凸部が形成されている、請求項に記載の加熱焼成装置。
【請求項8】
前記皿部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されており、
前記凹凸部は、凸部模様および溝パターンの少なくとも一方であり、
前記貫通部は、前記ドリップ受け部に対応して設けられている、請求項に記載の加熱焼成装置。
【請求項9】
前記上部電熱ヒータは、高さ方向に位置を変更可能な電熱ヒータ支持部によって固定されている、請求項1からの何れか一つに記載の加熱焼成装置。
【請求項10】
前記加熱焼成装置は、前記焼成室を支える支持本体部を備えており、
前記焼成室は、
前記搬送装置を覆うフード部材と、
前記フード部材を前記支持本体部に回動可能に接続するヒンジ部と、
前記フード部材の一部に接続された開閉取っ手と
から構成されている、請求項1からの何れか一つに記載の加熱焼成装置。
【請求項11】
前記フード部材に前記上部電熱ヒータが取り付けられており、請求項1に記載の加熱焼成装置。
【請求項12】
前記加熱焼成装置における、被加熱物を入れる入口部、および、被加熱物を出す出口部の少なくとも一方には、前記搬送装置の先端の角度を変更可能な跳ね上げ式のアーム部が設けられている、請求項1から1の何れか一つに記載の加熱焼成装置。
【請求項13】
過熱蒸気を用いて被加熱物を加熱する加熱焼成装置であって、
過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、
前記過熱蒸気によって被加熱物が焼成される焼成室と
を備え、
前記焼成室の内部には、前記被加熱物を移動させる搬送装置が設けられており、
前記焼成室の内部における前記搬送装置の上方には、上部電熱ヒータが設けられており、
前記搬送装置の下方には、前記過熱蒸気生成装置が配置されており、
前記搬送装置の側部の下方には、ドリップ受け部が配置されており、
前記焼成室の少なくとも一部は、前記焼成室の内部を開放可能な構造を有しており、
前記加熱焼成装置は、前記加熱焼成装置へ投入される前記被加熱物を予熱する加熱装置を、さらに備えており、
前記加熱装置は、蒸気を用いて前記被加熱物を加熱するスチーム式加熱装置であり、
前記スチーム式加熱装置は、
前記被加熱物を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置の上方を覆うドーム部と、
前記ドーム部の下方に位置し、前記搬送装置の下の領域に導入される液体を保持する液体保持容器と、
前記ドーム部と前記液体保持容器とによって囲まれた空間に、蒸気を導入する蒸気導入配管とを備え、
前記蒸気導入配管から排出される蒸気の熱と、前記蒸気によって加熱されて生じた前記液体の熱によって前記被加熱物が加熱されるように構成されている加熱焼成装置。
【請求項14】
前記ドーム部の少なくとも一部は、前記空間を開放可能な構成をしている、請求項1に記載の加熱焼成装置。
【請求項15】
前記被加熱物は、食品であり、
前記搬送装置は、ネットコンベア、ベルトコンベア、チェーンコンベアおよびローラコンベアからなる群から選択される一つである、請求項1から1の何れか一つに記載の加熱焼成装置。
【請求項16】
加熱焼成装置に導入され、被加熱物を載置する皿部材であって、
前記皿部材は、
主面と、
前記主面の周縁に位置する周縁部と
から構成されており、
前記主面の中央部は、前記周縁部よりも高くなるように構成されており、
前記周縁部の一部には、貫通部が形成されており、
前記皿部材の主面には、凹凸部が形成されており、
前記凹凸部は、凸部模様および溝パターンの少なくとも一方である、皿部材。
【請求項17】
蒸気を用いて被加熱物を加熱するスチーム式加熱装置であって、
前記スチーム式加熱装置は、
前記被加熱物を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置の上方を覆うドーム部と、
前記ドーム部の下方に位置し、前記搬送装置の下の領域に導入される液体を保持する液体保持容器と、
前記ドーム部と前記液体保持容器とによって囲まれた空間に、蒸気を導入する蒸気導入配管とを備え、
前記蒸気導入配管から排出される蒸気の熱と、前記蒸気によって加熱されて生じた前記液体の熱によって前記被加熱物が加熱されるように構成されている、スチーム式加熱装置。
【請求項18】
前記蒸気導入配管の一部は、前記液体保持容器の前記液体が導入される領域に延びており、
前記蒸気導入配管の一部は、当該一部から排出される蒸気によって前記液体が加熱されるように構成されている、請求項1に記載のスチーム式加熱装置。
【請求項19】
前記ドーム部には、取っ手が取り付けられており、
前記ドーム部は、前記液体保持容器に着脱可能なように接続されている、請求項18に記載のスチーム式加熱装置。
【請求項20】
請求項1から15の何れか一つに記載の加熱焼成装置を用いた加熱処理方法であって、
蒸気を加熱することによって、過熱蒸気を発生させる工程と、
前記過熱蒸気を焼成室に導入する工程と、
前記焼成室で被加熱物を加熱する工程と
を含み、
前記焼成室の内部では、前記被加熱物は、搬送装置によって移動しており、
前記移動している被加熱物は、前記過熱蒸気とともに、電熱ヒータで焼成され、
前記搬送装置の側部の下方には、ドリップ受け部が配置されており、
前記加熱する工程で前記被加熱物から生じるドリップ液は、前記ドリップ受け部によって受け止められる、加熱処理方法。
【請求項21】
前記焼成室の少なくとも一部は、前記焼成室の内部を開放可能な構造を有しており、
前記焼成室の少なくとも一部を開放して、前記焼成室の内部の点検および清掃の少なくとも一方を実行する、請求項2に記載の加熱処理方法。
【請求項22】
前記焼成室での加熱温度は、300℃以上であり、
前記焼成室における被加熱物は、食品であり、
前記食品は、水産物、肉類、野菜類、パン、米、コーヒー豆およびお茶からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項2または2に記載の加熱処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過熱蒸気を用いた加熱焼成装置および加熱処理方法に関する。特に、エネルギー効率に優れた加熱焼成装置(例えば、過熱蒸気式の食品加熱焼成装置)および加熱処理方法(例えば、食品加工方法)に関する。
【背景技術】
【0002】
過熱水蒸気は、水蒸気を定圧で100℃を超える温度に加熱した蒸気である。この過熱水蒸気(または過熱蒸気)は、水蒸気や高圧高温水蒸気と異なり、食品の加熱に好適な遠赤外線の放射性を持った熱放射性気体で、その雰囲気中では酸素が遮断されて酸化を防止することができる等の利点を有している。そして、過熱水蒸気を用いることにより、肉、魚等を味良く焼成等することができるとされている(特許文献1、特許文献2など参照)。
【0003】
過熱水蒸気によって肉、魚等の食品を焼成等する装置としては、例えば、特許文献2(特許文献1の図8に対応)などが知られている。特許文献2に記載された装置について説明すると、この装置は、ボイラー(不図示)と、ボイラーと配管dにより接続した吐出孔bを有する過熱蒸気発生装置aと、食品を載置して移送するコンベアcとから構成されている。この装置では、ボイラーから水蒸気を発生させて、その水蒸気を、配管dを介して過熱蒸気発生装置aに設けた加熱管a1に送り、そして、加熱管a1を通る水蒸気を、過熱蒸気発生装置aに設けたバーナーa2によって加熱することにより過熱蒸気にする。その過熱蒸気を吐出孔bから出して、コンベアcに載置した食品に吹きかけるようにして焼成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-190410号公報
【文献】特開平3-83547号公報
【文献】特許第5189219号
【文献】特開2015-84880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
過熱蒸気を発生させる方法は、上述したように、ガスや石油等の燃料を用いてバーナーで水蒸気を燃焼させるものが一般的である。しかしながら、そのようなバーナーを用いた方式では、排煙設備を含めて設備がとても大がかりなものとなり、設備投資が増大する。加えて、環境汚染対策などの付加的な設備も必要となる。さらに、この方式が一般的であるからさほど気づかないが、過熱蒸気を発生させる上でのエネルギー効率はそれほど良いものではない。また、電磁誘導式の加熱手段を用いたものも存在するが、これらもエネルギー効率はそれほどよいものではない。
【0006】
そのような従来の燃焼型の過熱蒸気による食品加工設備が一般的な中において、本願発明者は、独自に、過熱蒸気装置(連続式の加熱処理装置)を開発している(特許文献3参照)。さらには、過熱蒸気装置に導入する前の予熱装置(蒸気を用いた加熱装置)も独自に開発している(特許文献4参照)。
【0007】
本願発明者が独自に開発した過熱蒸気装置(連続式の加熱処理装置)は、従来の過熱蒸気を用いた食品加熱装置の能力を大きく上回るとともに、エネルギー効率も優れたものであった。しかしながら、本願発明者は、その独自開発の過熱蒸気装置に対して更に改良を加えて、さらに高性能・使い勝手の良い加熱焼成装置(過熱蒸気式の(食品)加熱装置)の開発に成功し、本発明に至った。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、動作時の汚れを軽減できるとともに、掃除・点検を行いやすく、そしてエネルギー効率の良い加熱焼成装置(過熱蒸気式の加熱装置)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る加熱焼成装置は、過熱蒸気を用いて被加熱物を加熱する加熱焼成装置であり、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、前記過熱蒸気によって被加熱物が焼成される焼成室とを備えている。前記焼成室の内部には、前記被加熱物を移動させる搬送装置が設けられている。前記焼成室の内部における前記搬送装置の上方には、上部電熱ヒータが設けられている。前記搬送装置の下方には、前記過熱蒸気生成装置が配置されている。前記搬送装置の側部の下方には、ドリップ受け部が配置されている。前記焼成室の少なくとも一部は、前記焼成室の内部を開放可能な構造を有している。
【0010】
ある好適な実施形態において、前記過熱蒸気生成装置は、低圧蒸気である湯気を加熱する電熱ヒータ部と、前記電熱ヒータ部に前記湯気を導入する蒸気供給配管と、前記電熱ヒータ部を収納する第1スリーブ部と、前記第1スリーブ部を収納する第2スリーブ部とを備えている。前記第1スリーブ部および前記第2スリーブ部には、前記電熱ヒータ部で加熱されて生成した過熱蒸気を通過させる貫通孔が形成されている。
【0011】
ある好適な実施形態において、前記蒸気供給配管を通過する前記湯気は、高圧蒸気を減圧した蒸気である。そして、前記湯気の絶対圧力は0.13MPaA以下である。前記第1スリーブ部は、円筒形状を有している。前記第1スリーブ部の先端部において、前記貫通孔が複数個形成されている。前記第2スリーブ部は、円筒形状を有している。前記第2スリーブ部の筒部において、前記貫通孔が複数個形成されている。
【0012】
ある好適な実施形態において、前記電熱ヒータ部には、フィンが設けられている。前記電熱ヒータ部は、複数本の電熱線が束ねられてなる発熱部を含んでいる。前記発熱部の断面は、円形の形状を有している。前記フィンは、前記発熱部の外径よりも大きく、かつ、前記第1スリーブ部の内径よりも小さい外径を有する円環状部材である。前記フィンは、前記発熱部の長手方向に沿って間隔をあけて複数配置されている。前記電熱ヒータ部を構成する前記発熱部の少なくとも半分の部位は、前記第2スリーブ部を含む領域を囲む加熱容器部内に位置している。前記加熱容器部および前記焼成室は、断熱材によって囲まれた空間が生じるように構成されている。
【0013】
ある好適な実施形態において、前記焼成室と前記過熱蒸気生成装置との間には、仕切り板が形成されている。前記仕切り板には、貫通孔が形成されている。前記仕切り板と前記搬送装置との間には、下部電熱ヒータが配置されている。
【0014】
ある好適な実施形態において、前記上部電熱ヒータおよび前記下部電熱ヒータは、前記搬送装置の進行方向に沿って、それぞれ、複数本配置されている。前記上部電熱ヒータおよび前記下部電熱ヒータは、上方から見たときにおいて、互いに重ならない位置で配列されている。
【0015】
ある好適な実施形態において、前記ドリップ受け部は、前記搬送装置の進行方向の両側に配置されている。前記ドリップ受け部は、上部が開口したU字部材から構成されている。前記U字部材の凹部において液体(例えば、水など)が流れる構成となっている。
【0016】
ある好適な実施形態において、前記搬送装置の上には、被加熱物を載置する皿部材が配置されている。前記皿部材の中央部は、周縁部よりも高い部位である。前記周縁部の一部には、貫通部が形成されている。前記皿部材の主面には、凹凸部が形成されている。
【0017】
ある好適な実施形態において、前記皿部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されている。前記凹凸部は、凸部模様および溝パターンの少なくとも一方である。前記貫通部は、前記ドリップ受け部に対応して設けられている。
【0018】
ある好適な実施形態において、前記上部電熱ヒータは、高さ方向に位置を変更可能な電熱ヒータ支持部によって固定されている。
【0019】
ある好適な実施形態において、前記加熱焼成装置は、前記焼成室を支える支持本体部を備えている。前記焼成室は、前記搬送装置を覆うフード部材と、前記フード部材を前記支持本体部に回動可能に接続するヒンジ部と、前記フード部材の一部に接続された開閉取っ手とから構成されている。
【0020】
ある好適な実施形態において、前記フード部材に前記上部電熱ヒータが取り付けられている。
【0021】
ある好適な実施形態において、前記加熱焼成装置における、被加熱物を入れる入口部、および、被加熱物を出す出口部の少なくとも一方には、前記搬送装置の先端の角度を変更可能な跳ね上げ式のアーム部が設けられている。
【0022】
ある好適な実施形態において、前記加熱焼成装置は、前記加熱焼成装置へ投入される前記被加熱物を予熱する加熱装置を、さらに備えている。
【0023】
ある好適な実施形態において、前記加熱装置は、蒸気を用いて前記被加熱物を加熱するスチーム式加熱装置である。前記スチーム式加熱装置は、前記被加熱物を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の上方を覆うドーム部と、前記ドーム部の下方に位置し、前記搬送装置の下の領域に導入される液体を保持する液体保持容器と、前記ドーム部と前記液体保持容器とによって囲まれた空間に、蒸気を導入する蒸気導入配管とを備えている。前記加熱装置は、前記蒸気導入配管から排出される蒸気の熱と、前記蒸気によって加熱されて生じた前記液体の熱によって前記被加熱物が加熱されるように構成されている。
【0024】
ある好適な実施形態において、前記蒸気導入配管の一部は、前記液体保持容器の前記液体が導入される領域に延びている。前記蒸気導入配管の一部は、当該一部から排出される蒸気によって前記液体が加熱されるように構成されている。
【0025】
ある好適な実施形態において、前記ドーム部の少なくとも一部は、前記空間を開放可能な構成をしている。
【0026】
ある好適な実施形態において、前記被加熱物は、食品である。前記搬送装置は、ネットコンベア、ベルトコンベア、チェーンコンベアおよびローラコンベアからなる群から選択される一つである。
【0027】
本発明に係る皿部材は、加熱焼成装置に導入され、被加熱物を載置する皿部材である。前記皿部材は、主面と、前記主面の周縁に位置する周縁部とから構成されている。前記主面の中央部は、前記周縁部よりも高くなるように構成されている。前記周縁部の一部には、貫通部が形成されている。前記皿部材の主面には、凹凸部が形成されている。前記凹凸部は、凸部模様および溝パターンの少なくとも一方である。
【0028】
本発明に係るスチーム式加熱装置は、蒸気を用いて被加熱物を加熱するスチーム式加熱装置である。前記スチーム式加熱装置は、前記被加熱物を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の上方を覆うドーム部と、前記ドーム部の下方に位置し、前記搬送装置の下の領域に導入される液体を保持する液体保持容器と、前記ドーム部と前記液体保持容器とによって囲まれた空間に、蒸気を導入する蒸気導入配管とを備えている。前記スチーム式加熱装置は、前記蒸気導入配管から排出される蒸気の熱と、前記蒸気によって加熱されて生じた前記液体の熱によって前記被加熱物が加熱されるように構成されている。
【0029】
ある好適な実施形態において、前記液体は、湯である。前記被加熱物は、前記空間に充満する前記蒸気による熱と、前記湯による熱によって加熱される。
【0030】
本発明に係る加熱処理方法は、過熱蒸気を用いた加熱処理方法であり、蒸気を加熱することによって、過熱蒸気を発生させる工程と、前記過熱蒸気を焼成室に導入する工程と、前記焼成室で被加熱物を加熱する工程とを含んでいる。前記焼成室の内部では、前記被加熱物は、搬送装置によって移動している。前記移動している被加熱物は、前記過熱蒸気とともに、電熱ヒータで焼成される。前記搬送装置の側部の下方には、ドリップ受け部が配置されている。前記加熱する工程で前記被加熱物から生じるドリップ液は、前記ドリップ受け部によって受け止められる。
【0031】
ある好適な実施形態において、前記焼成室の少なくとも一部は、前記焼成室の内部を開放可能な構造を有している。前記焼成室の少なくとも一部を開放して、前記焼成室の内部の点検および清掃の少なくとも一方を実行する。
【0032】
ある好適な実施形態において、前記焼成室での加熱温度は、300℃以上である。前記焼成室における被加熱物は、食品である。前記食品は、水産物、肉類、野菜類、パン、米、コーヒー豆およびお茶からなる群から選択される少なくとも一つである。
【発明の効果】
【0033】
本発明の加熱焼成装置では、過熱蒸気によって被加熱物が焼成される焼成室の内部に設けられた搬送装置の上方に上部電熱ヒータが設けられ、搬送装置の下方に過熱蒸気生成装置が配置されている。そして、搬送装置の側部の下方には、ドリップ受け部が配置されており、焼成室の少なくとも一部は、焼成室の内部を開放可能な構造を有している。したがって、過熱蒸気生成装置による過熱蒸気とともに上部電熱ヒータの熱で、被加熱物に焦げ目をつけることができるともに、被加熱物の焼成時に生じるドリップをドリップ受け部で受け止めることができるので、加熱焼成装置の焼成室の汚れを軽減できるという利点がある。また、焼成室の少なくとも一部を開放することができることから、点検・清掃を行うことが容易となる。特に、過熱蒸気生成装置が、低圧蒸気である湯気(例えば0.13MPaA以下)を加熱して過熱蒸気を発生させるときは、高圧蒸気でないことから、動作中において焼成室の一部を開放して点検することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100の構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100の構成において焼成室20の一部を開放した様子を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100の構成を示す側面図である。
図4】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100の構成を示す断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る皿部材(食品加熱皿)110の構成を示す斜視図である。
図6】過熱蒸気生成装置80の第2スリーブ部83の構成を示す図である。
図7】過熱蒸気生成装置80の第1スリーブ部82の構成を示す図である。
図8】(a)から(c)は、それぞれ、上部電熱ヒータ23の配列、下部電熱ヒータ24の配列、および、電熱ヒータ部81の配列を示す平面図である。
図9】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100の構成において焼成室20の一部を開放した様子を示す断面図である。
図10】加熱焼成装置100において上部電熱ヒータ23の高さの位置を変更した様子を示す断面図である。
図11】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100の構成を示す側面図である。
図12】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100の構成を示す上面図である。
図13】本発明の実施形態に係るスチーム式加熱装置(予熱装置)200の構成を示す斜視図である。
図14】本発明の実施形態に係るスチーム式加熱装置200の構成を示す側面図である。
図15】本発明の実施形態に係るスチーム式加熱装置200の構成を示す上面図である。
図16】スチーム式加熱装置200の加熱室(予熱空間)50の構成を示す断面図である。
図17】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100およびスチーム式加熱装置200を組み合わせた構成(食材加工システム300)を示す斜視図である。
図18】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100およびスチーム式加熱装置200を組み合わせた構成(食材加工システム300)を示す側面図である。
図19】本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100およびスチーム式加熱装置200を組み合わせた構成(食材加工システム300)を示す上面図である。
図20】本発明の実施形態に係る食品加工方法を説明するためのフローチャートである。
図21】皿部材110に載置された加熱後の魚を示す図面代用写真である。
図22】皿部材110Bに載置された加熱前の魚を示す図面代用写真である。
図23】皿部材110に載置された加熱後の魚を示す図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
食品製造における加熱工程は、おいしい、良い製品をつくる上において最も重要なポイントである。通常は、バーナーによる加熱、温水による加熱、油による加熱が主によく使用され、それに比べると、スチーム加熱は、バーナー、温水等の加熱と比べて総熱量が少ないなどの関係から、実際にはあまり利用されていない。本願発明者は、温水等の加熱に変えて、スチーム加熱の可能性を鋭意探究した結果、過熱蒸気(過熱水蒸気)を用いた加熱方法に辿り着き、その開発を進めた。
【0036】
本願発明者は、微圧蒸気(湯気)を加熱して過熱蒸気として、その過熱蒸気を食品に当てて加熱を行う手法を開発し、そしてそれを特許第4620732号の明細書に開示した。なお、過熱蒸気を用いる加熱調理装置として、特開2004-236991号公報に開示された技術があるが、この技術は、大気圧動作のものではなく、熱交換器内の内部圧力を高圧(5.0~5.2kgf/cm2)にするものであり、本願発明者が特許第4620732号の明細書に開示した技術とは基本的に技術的思想が異なる。また、特開2003-325340号公報には、常圧の過熱蒸気による焼成装置が開示されている。しかしながら、この焼成装置は、バーナーによって過熱蒸気を生成する方式のため、上述した特許文献2について述べたように、排煙設備を含めて設備がとても大がかりなものとなるとともに、過熱蒸気を発生させる上でのエネルギー効率はそれほど良いものではない。
【0037】
本願発明者が開発した技術(特許第4620732号の明細書に開示の技術)は素晴らしいものであるが、エネルギー利用効率の改善の点で更なる進歩をすることができる余地があった。すなわち、本願発明者が開発した技術(特許第4620732号の明細書に開示の技術)は、従来のもの(例えば、特許文献2など)と比較すると、エネルギー効率は非常に良いものであるが、更なるエネルギー効率の向上とともに、加熱時の熱の均一性の点において改善する余地があった。そして、さらに、特許文献3(特許第5189219号)の明細書に開示した技術によれば、改良を重ねた連続式の過熱蒸気装置も、本願発明者は提案している。
【0038】
本願発明者が開発した技術はいずれも従来の過熱蒸気装置を越える能力を有するものであるが、メンテナンスの面でさらに改良の余地があった。すなわち、過熱蒸気装置(過熱蒸気を用いた加熱焼成装置)を動作させると、被加熱物(食材、食品)からドリップ液がでることが多いが、それが過熱蒸気装置の内部を汚すことがあった。そのようなドリップ液による汚れの防止・軽減を行うことができるとともに、過熱蒸気装置の内部を簡単に点検・清掃できる構造にすることができれば、メンテナンスの面で大きな技術的な利点がある。加えて、過熱蒸気装置を用いた食品加工方法は、過熱蒸気による加熱は優れているが(熱量、無酸素状態など)、食品の表面に、美味しそうな焼き色・焦げ目を付けることに若干苦手な面があり、その面において改良する余地があった。
【0039】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を正確に反映していない場合がある。
【0040】
また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。加えて、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0041】
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る加熱焼成装置100の構成を示す斜視図である。本実施形態の加熱焼成装置100は、過熱蒸気を用いて被加熱物を加熱する過熱蒸気装置であり、特に、被加熱物が食品である場合には、過熱蒸気式の食品加熱装置(食品加工装置、食品製造装置)である。
【0042】
図1に示すとおり、本実施形態の加熱焼成装置100は、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置80と、過熱蒸気によって被加熱物が焼成される焼成室20とから構成されている。焼成室20の内部には、被加熱物を移動させる搬送装置35が設けられている。
【0043】
焼成室20の内部における搬送装置35の上方には、上部電熱ヒータ(不図示)が設けられている。そして、搬送装置35の下方には、過熱蒸気生成装置が配置されている。また、焼成室20の内部における搬送装置35の側部の下方には、ドリップ受け部(不図示)が配置されている。加えて、焼成室20の少なくとも一部は、焼成室20の内部を開放可能な構造を有している。本実施形態の構成では、焼成室20は、焼成室20の内部で延びている搬送装置35を覆うフード部材21を備えている。フード部材21の一部には、開閉取っ手22が設けられている。この開閉取っ手22を掴んで持ち上げることにより、フード部材21を開放状態にすることができる。
【0044】
本実施形態の構成において、加熱焼成装置100は、焼成室20を支える支持本体部(台部)10を備えている。言い換えると、焼成室20は、支持本体部10上に配置されている。支持本体部10は、支柱部12を備えており、そして、支柱部12は接地部(例えば、ゴムストッパ)13を介して地面(例えば、工場の床)の上に設置されている。支持本体部10は、接地部13に代えて、または、接地部13とともにローラ部(例えば、ゴムローラ)14を備えていてもよい。図1に示した構成例では、接地部13とローラ部14の両方を備えたものであり、ローラ部14によって加熱焼成装置100を所望の位置に移動することができる。そして、所望の位置で接地部13によって加熱焼成装置100を固定(設置)することができる。
【0045】
図示した例では、加熱焼成装置100に、制御装置40が併設されている。制御装置40には、加熱焼成装置100の過熱蒸気生成装置80、搬送装置35、電熱ヒータ(例えば、上部電熱ヒータ)などを制御することができる制御回路が含まれている。制御回路は、半導体集積回路(IC)を含む電子回路または電気回路によって構築されている。具体的な構成においては、焼成室20内に温度センサが配置されており、その温度センサの数値および加熱プログラムに基づいて制御装置40にて、過熱蒸気生成装置80、搬送装置35、電熱ヒータ等を制御して、加熱焼成装置100を動作させることができる。本実施形態の構成では、すべての電熱ヒータの温度コントロールを、0%~100%の間で調整可能な構成にすることができ、そして、その制御を制御装置40で行わせることができる。
【0046】
本実施形態の制御装置40には、移動手段(ローラ部)14が設けられており、所定の位置に制御装置40を移動させて、動作中に邪魔にならないようにすることができる。また、制御装置40は、有線で加熱焼成装置100に接続する構成の他、無線で加熱焼成装置100に接続するような構成にしてもよい。無線で接続される構成のときは、制御装置40は、加熱焼成装置100に併設するのではなく、離れた位置に設置してもよい。
【0047】
本実施形態の搬送装置35は、例えば、ネットコンベア、ベルトコンベア、チェーンコンベア、ローラコンベアなどであるが、被加熱物を移動(搬送)できるのであれば他の装置(コンベア)を使用しても構わない。本実施形態の構成では、特に、ネットコンベアが好ましい。これは、下からの熱(過熱蒸気)を、ネットコンベア35のネット部(網の穴)を通して被加熱物(食品)に伝えやすいからである。
【0048】
加熱焼成装置100には、被加熱物が投入・排出される出入口部30が設けられている。本実施形態の構成では、搬送装置35の上に載置された被加熱物(食品)は、入口31の開口部から導入された後、搬送装置35によって焼成室20の内部を通過して、次いで、出口39の開口部から排出される。図示した例では、出口39には、搬送装置35の先端の角度を変更可能な跳ね上げ式のアーム部38が取り付けられている。この跳ね上げ式のアーム部38は、入口31に設けてもよい(入口31および/または出口39に設けてよい)。
【0049】
図示した構成例では、出入口部30に、フード部32及び36、風除けフード33及び37が設けられている。具体的には、出入口部30における入口31には導入フード部32(風除け室)があり、その導入フード部32の上部に連通するように筒状の風除けフード33が設けられている。同様に、出入口部30における出口39には排出フード部36(風除け室)があり、その排出フード部36の上部に連通するように筒状の風除けフード37が設けられている。フード部32及び/又は36があることにより、焼成室20の内部の雰囲気を安定させることができる。すなわち、フード部32及び/又は36によって、焼成室20への外気の出入りの影響を緩和することができる。そして、風除けフード33及び/又は37を設けると、焼成室20の内部の雰囲気をさらに安定させることができる。すなわち、焼成室20への外気の急激な出入りがあったとしても、風除けフード33及び/又は37の筒部で吸収することができ、その結果、焼成室20の内部の良質な加熱条件/焼成条件を維持することが容易となる。なお、出入口フード部32及び36は、いずれか一方でもよい場合がある。そして、風除けフード33及び37もいずれか一方でもよい場合がある。なお、出入口フード部32及び36、風除けフード33及び37が存在しなくても、焼成室20での焼成を行うことができる。
【0050】
また、本実施形態の構成では、風除けフード33及び37に排気口の役割を持たせることができる。具体的には、風除けフード33及び/又は37を用いて、焼成した煙(例えば、魚などの食材から生じる煙)や排気蒸気を工場外部に排気させることができる。工場外部に排気できる構成にするには、工場外部に排気ファンを取り付けるとともに、風除けフード33及び/又は37と同様の口径の配管を接続して、その配管を延ばして横壁や天井から外部に通す。そして、排気ファンの力も利用して、配管を通じて工場外部に、煙や排気蒸気を排気する。
【0051】
さらに、フード部32及び/又は36(入口31および/または出口39)には、蒸気の漏れ等を少なくために、被加熱物(食材)101の高さに合わせて、高さを調節できる部材(例えば、高さ調節板)を取り付けることができる。そのような部材(高さ調節板)を取り付けることにより、蒸気の漏れなどを減らして、入口31および/または出口39から、蒸気や熱が漏れることを抑制することができる。
【0052】
風除けフード(換気フード、または、煙突部)33及び37には、その内部にダンパーを付けて、外付けハンドルでフードの開口面積を調節できる構造にしてもよい。図1(および後述の図3)では、風除けフード33及び37に取り付けた外付けハンドルも示している。蒸気の排気が多すぎると、内部の熱を早く捨ててしまうことになり、熱的に非効率である。一方で、蒸気の排気が少なすぎると、入口31や出口39から蒸気や煙が漏れることになるので、好ましくない。したがって、加熱焼成装置100への蒸気投入量と排気とのバランスを取ることが重要であり、それゆえに、風除けフード(換気フード、または、煙突部)33及び37(および、それに付いているダンパー、外付けハンドル)の役割は重要である。言い換えると、排気蒸気と流入蒸気とのバランスを取ることが重要であり、それは、排気ダンパーと流入バルブで調節する。排気量調節ダンパーは、外のハンドルで、内部の面積をコントロールすることができる。ここで、面積を少なくすると、除由紀が入口・出口から漏れてしまうが、面積を大きくすると熱効率が悪くなるため、適切な調節弁の制御が求められる。
【0053】
また、加熱焼成装置100には、過熱蒸気生成装置80の一部(過熱蒸気生成装置80を構成するヒータ端部)を覆うカバー部26が設けられている。なお、過熱蒸気生成装置80の構成については後述する。
【0054】
図2は、加熱焼成装置100における焼成室20の内部を開放した状態を示している、図2に示した構成は、図1に示した構造から、フード部材21に取り付けられた開閉取っ手22を(手動で)上にあげることで達成できるものである。図2に示した構成例では、焼成室20の一部だけを開放状態にした様子を示しているが、本実施形態の加熱焼成装置100では、焼成室20の全ての部位を開放状態にすることが可能である。すなわち、本実施形態の加熱焼成装置100では、開放可能なユニットの繰り返し構造(21、22)をしており、図1に示した開閉取っ手22のどこを上にあげても、その部位においける焼成室20の内部を開放状態にすることができる。なお、本実施形態の加熱焼成装置100においては、全ての部位を開放状態にしなくても、一部の部分だけ(例えば、入口、出口、中央など)を開放状態にできる構成を採用しても構わない。ただし、加熱焼成装置100の焼成室20の全ての部位(フード部材21の部分)を開放状態にできる方が、点検・清掃は便利である。
【0055】
図2に示すように、本実施形態の焼成室20におけるフード部材21に、上部電熱ヒータ23が取り付けられている。具体的には、フード部材21の一部(フード部材21の内側(裏側)、すなわち、焼成空間25の側または搬送装置35の側)に、上部電熱ヒータ23が取り付けられている。上部電熱ヒータ23は、被加熱物を加熱する役割とともに、被加熱物の表面(上面側)に焦げ目(炭化焦げ)を付ける役割がある。
【0056】
また、本実施形態の加熱焼成装置100では、搬送装置35の下方に、第2の電熱ヒータ24(下部電熱ヒータ)が配置されている。下部電熱ヒータ24は、被加熱物を加熱する役割とともに、被加熱物の表面(下面側)に焦げ目(炭化焦げ)を付ける役割がある。すなわち、本実施形態の構成では、過熱蒸気で被加熱物を加熱しながら、上部電熱ヒータ23および下部電熱ヒータ24の両方のヒータによって被加熱物を加熱して焦げ目を付けることができる。また、上部電熱ヒータ23及び/又は下部電熱ヒータ24は、被加熱物101の周囲に位置する過熱蒸気を再加熱して、その再加熱された過熱蒸気で過熱蒸気を焼成することができる役割も果たしている。
【0057】
本実施形態の電熱ヒータ(上部電熱ヒータ23、下部電熱ヒータ24)は、U字形状のフィンヒータを用いている。なお、フィンヒータとは、シーズヒータに金属フープを巻き付けて、放熱面積を増加させて、熱効率を良くしたヒータである。上部電熱ヒータ23及び/又は下部電熱ヒータ24は、表面温度を300℃以上(例えば0.75kWまたはそれ以上)にできるヒータ(例えば、フィンヒータ)を使用することができる。さらに加熱条件を強める場合は、1.25kW(またはそれ以上)のものを使用することができる。また、1.5kW(またはそれ以上)の高出力のヒータ(例えば、フィンヒータ)を使用して、最大パワーを高くしながら、使用条件としては制御回路(制御装置)でヒータパワーを0%~100%の範囲で任意に制御するようにしてもよい。このような制御を行うことが可能なヒータを使用することで、色々な食品への加熱条件を適切に変更することができ、その結果、加熱(焼成)の対応の多様化を実現することができる。
【0058】
図3は、本実施形態の加熱焼成装置100の側面構成を示しており、そして、上部電熱ヒータ23、下部電熱ヒータ24および過熱蒸気生成装置80などの内部構造を示している。図4は、本実施形態の加熱焼成装置100の断面構成を示している。
【0059】
図3に示すように、本実施形態の加熱焼成装置100では、入口31の搬送装置35に被加熱物(例えば、食材)は載置され、搬送方向(進行方向)91に沿って、焼成室20の内部(焼成空間25)を通過していき、そこで焼成された被加熱物(加熱された食品)は出口39から出て行く。図3に示した構成では、加熱焼成装置100の進行方向91に沿って、複数の上部電熱ヒータ23および下部電熱ヒータ24が配列されている。具体的には、上部電熱ヒータ23と下部電熱ヒータ24とが交互になるように等間隔で配列されている。これにより、全体的に加熱効率が良いように配置されている。
【0060】
本実施形態の構成では、複数の過熱蒸気生成装置80は、搬送装置35(及び下部電熱ヒータ24)の下方に配列されている。具体的には、過熱蒸気生成装置80は、等間隔に配列されて、全体的に加熱効率が良いようにされている。また、過熱蒸気生成装置80のそれぞれには、蒸気供給配管86が接続されている。なお、本実施形態の構成では、過熱蒸気生成装置80、および、上部電熱ヒータ23、下部電熱ヒータ24を等間隔に配列させたが、加熱焼成装置100に要求される条件にあわせて、等間隔でない配列を採用しても構わない。
【0061】
図4に示すように、本実施形態の加熱焼成装置100では、過熱蒸気生成装置80は、低圧蒸気である湯気を加熱する電熱ヒータ部81から構成されている。また、本実施形態の加熱焼成装置100には、電熱ヒータ部81に、湯気を導入する蒸気供給配管86が接続されている。そして、本実施形態の加熱焼成装置100の構成では、電熱ヒータ部81を収納する第1スリーブ部82と、第1スリーブ部82を収納する第2スリーブ部83とが設けられている。そして、第1スリーブ部82および第2スリーブ部83には、電熱ヒータ部81で加熱されて生成した過熱蒸気を通過させる貫通孔が形成されている。その貫通孔を通じて、電熱ヒータ部81で生成した過熱蒸気は、加熱容器部11へと出て行くことができる。
【0062】
本実施形態の構成では、過熱蒸気生成装置80は、電熱ヒータ部81だけでなく、それ包むスリーブ部(82、83)を含んでおり、複数管構造(ここでは、二重管構造)の中に電熱ヒータ部81が位置した構造を有している。電熱ヒータ部81にスリーブ部(82、83)を被せて、複数管(二重管)構造にしているのは、蒸気/過熱蒸気の流量速度を遅くさせるためである。蒸気/過熱蒸気の流量速度が早いと、電熱ヒータ部81に蒸気/過熱蒸気が接触する時間が短くなってしまい、効率良く加熱することが難しくなる。一方、蒸気/過熱蒸気の流量速度を遅くすると、電熱ヒータ部81に蒸気/過熱蒸気が接触する時間を比較的長くすることができ、その結果、比較的効率良く加熱することができる。さらに説明すると、本実施形態の構成では、過熱蒸気がスリーブ部(82、83)を通過する速度を遅くするために、第1スリーブ部82および第2スリーブ部83を設けた構造にしている。そして、第1スリーブ部82の貫通孔82pは、入口(または、電熱ヒータ部81の根本)から遠くなるような位置(先端板82t)に設けている。また、第2スリーブ部83の貫通孔83pは、第1スリーブ82の貫通孔82p(出口)から遠くなるような位置に設けられている。加えて、第1スリーブ部82および第2スリーブ部83は、電熱ヒータ部81の根本部分で接続されているので(熱的に接続されているので)、電熱ヒータ部81の熱によって第1スリーブ部82および第2スリーブ部83も加熱されることになり、したがって、第1スリーブ部82および第2スリーブ部83によっても、電熱ヒータ部81で発生した過熱蒸気をさらに加熱することができる。
【0063】
本実施形態の過熱蒸気生成装置80には、蒸気供給配管86を通じて、低圧蒸気である湯気が導入される。本実施形態における「湯気」(低圧蒸気)は、ボイラー蒸気のような高圧蒸気ではなく、微圧蒸気のことを意味する。換言すると、本実施形態の「湯気」は、高温高圧のスチーム蒸気と異なり、微圧力の蒸気(例えば、絶対圧力0.12MPaA以下の蒸気)である。なお、ここでの「湯気」は微圧力の蒸気であることを特徴としており、その蒸気が小さな水滴となって白く煙になるような状態であることまで限定されるものではない。すなわち、湯気は、白い煙のような状態であってもよいし、透明の状態であってもよい。また、湯気は、飽和水蒸気であっても、水蒸気が飽和状態でないものであってもよい。本実施形態の湯気は、微圧力(例えば、絶対圧力0.12MPaA程度以下、または、ゲージ圧力0.0187MPaG以下)の飽和水蒸気が生成する。典型的には0.13MPaA以下(一例では0.105~0.12MPaA)の湯気(微圧蒸気)を用いる。ただし、ここでの湯気(蒸気)の圧力は例示であり、実際に使用する条件にあわせて適宜好適なものを採用することができるので、その圧力を上回る場合もあるし、その圧力を下回る場合もあり得る。本実施形態の「湯気」(低圧蒸気)は、ボイラー装置(不図示)で発生させた高圧蒸気(ボイラー蒸気)を減圧した蒸気であり、そして、湯気の絶対圧力は0.13MPaA以下(一例では0.105~0.12MPaA)である。本実施形態において、高圧蒸気の減圧は、減圧バルブを用いて行う。具体的には、減圧バルブ及び蒸気ヘッダー(例えば、200A相当(配管呼び径)のもの))を利用して、蒸気ヘッダーの内部圧力を例えば0.02kg/cm2程度にして減圧を実行する。また、減圧手法は、減圧バルブや流入蒸気管にあわせて適宜好適なものを採用することができる。例えば、流入蒸気管の寸法が50Aで、減圧バルブを用いたり、蒸気ヘッダーの寸法が100A以上を用いたり、機械装置への流入蒸気管の寸法が60Aのものを用いたりすることができる。
【0064】
なお、「湯気」の発生は、ボイラー蒸気からの減圧によるものではなく、他の手法を採用してもよい。例えば、上述した特許文献3(特許第5189219号)または特許文献4(特開2015-84880号公報)に開示されている間接加熱方式のもの(熱交換器を用いた湯気発生)を採用してもよい。さらに説明すると、湯気発生部として機能する熱交換器は、互いに独立する液体経路および蒸気経路を有しており、そして、この熱交換器(湯気発生部)では、液体経路を流動する液体と蒸気経路を流動する加熱用蒸気との間で熱交換が行われる。熱交換器の蒸気経路には、ボイラー装置からの高圧蒸気(ボイラー蒸気)が導入される。一方、熱交換器の液体経路は、連通管を通して開放貯水タンクに接続されている。開放貯水タンクと液体経路とは連通管によって接続されているので、(パスカルの法則により)貯水タンクの水位と液体経路の水位が一致している。したがって、この手法によれば、大気圧を利用して簡便に水位(液面レベル)の制御を行うことが可能となり、安定した湯気(微圧蒸気)を発生させることが簡単となる。
【0065】
本実施形態の過熱蒸気生成装置80に接続される蒸気供給配管86では、蒸気供給口86aから蒸気(湯気、低圧蒸気)が供給される(矢印92参照)。そして、その蒸気(湯気)は、蒸気通路部86bを通過して(矢印93参照)、電熱ヒータ連結部86cへと流れて、次いで、電熱ヒータ部81に接触する(矢印94参照)。その蒸気(湯気)は、電熱ヒータ部81で加熱されて、過熱蒸気になる。本実施形態の過熱蒸気生成装置80では、300℃以上の過熱蒸気を生成させることができる。本実施形態の過熱蒸気生成装置80では、最大500℃の過熱蒸気を生成させることができるが、それ以上の温度の過熱蒸気を生成させるような構成にしてもよい。
【0066】
本実施形態の過熱蒸気生成装置80を構成する電熱ヒータ部81は、複数本の電熱線が束ねられてなる発熱部81cを含んでいる電熱ヒータ部81の発熱部81cの根本には、端子部81bが設けられている。電熱ヒータ部81は、表面温度を300℃以上(例えば1.5kW以上(または、3kWまたはそれ以上))にできるヒータ(例えば、フィンヒーター)を使用することができる。本実施形態では、過熱蒸気生成装置80を構成する電熱ヒータ部81は、安定して大量の過熱蒸気を生成する上で、上部電熱ヒータ23及び下部電熱ヒータ24のものよりも、高出力の電熱ヒータ(例えば、フィンヒータ)を使用している。
【0067】
本実施形態の構成では、電熱ヒータ部81にフィン(追加フィン)81aを設けてもよく、それにより、電熱ヒータ部81の周囲の蒸気/過熱蒸気の流量速度を遅くさせることができる。本実施形態の構成例の一つでは、発熱部81cの断面は、円形(または、略円形)の形状を有している。フィン81aは、発熱部81cの外径よりも大きく、かつ、第1スリーブ部82の内径よりも小さい外径を有する円環状部材である。また、フィン81aは、発熱部81cの長手方向に沿って間隔をあけて複数配置されている。
【0068】
本実施形態の電熱ヒータ部81(発熱部81c)は、高温に耐えられる耐熱性金属(特に、ステンレス)から構成されている。追加フィン81aも、高温に耐えられる耐熱性金属(特に、ステンレス)から構成されている。なお、電熱ヒータ部81は、第1スリーブ部82内に導入される蒸気(水蒸気、過熱蒸気)を加熱して、導入された蒸気よりも高温の過熱蒸気にすることができる加熱装置であれば、特に限定されるものではない。
【0069】
電熱ヒータ部81を構成する発熱部81cの少なくとも半分の部位は、第2スリーブ部83を含む領域を囲む加熱容器部11内に位置している。図示した構成例では、電熱ヒータ部81の端子部81bは、加熱容器部11の外側に位置している。また、電熱ヒータ部81の発熱部81cの大半(例えば、65%程度以上)は、加熱容器部11内に位置している。これにより、電熱ヒータ部81によって発生する過熱蒸気の熱とともに、電熱ヒータ部81の発熱部81cの熱も、加熱焼成装置100の焼成に利用することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
【0070】
本実施形態の加熱容器部11は、断熱材11uを含む部材(金属部材、例えば、ステンレス部材)から構成されている。また、焼成室20は、断熱材21uを含む部材(金属部材、例えば、ステンレス部材)によって構成されている。具体的には、加熱容器部11は、断熱材11uをステンレス部材で挟み込んだ構造をしている。そして、そして、焼成室20は、断熱材21uをステンレス部材で挟み込んだ構造をしている。したがって、加熱容器部11および焼成室20によって囲まれる空間は、金属部材によって包囲されているので、そこでの熱が外部へと逃げにくくなっており、したがって、エネルギー効率が良い。特に、断熱材(11u、21u)を挟むことにより、さらにエネルギー効率を良くすることができる。なお、断熱材(11u、21u)を挟まなくても、金属部材で囲んでいることによる保温効果(熱が装置外に逃げることを抑制する効果)を得られることができ、その上で、断熱材(11u、21u)を挟むことでその効果を更に高めることができる。なお、断熱材(11u、21u)は、加熱焼成において保温効果を発揮できるものであれば特に種類は限定されない。また、本実施形態の構成では、入口31および出口39は開口しているが、加熱容器部11および焼成室20によって囲まれる空間は、実質的に密閉な空間となっている。
【0071】
また、焼成室20と過熱蒸気生成装置80との間には、仕切り板84を形成してもよい。さらに説明すると、焼成室20の内部(焼成空間25)と、過熱蒸気生成装置80が位置する空間(加熱空間15、加熱容器部11の内部)とは繋がっており、その間(境界)に、仕切り板84を設けることができる。その仕切り板84には、貫通孔が形成されている。したがって、過熱蒸気生成装置80から生成した過熱蒸気は、仕切り板84の貫通孔を通って、焼成室20の内部へと移動し、次いで、焼成室20で被加熱物101を焼成(加熱)する。仕切り板84は、焼成室20の内部空間の雰囲気(過熱蒸気)を安定させる機能とともに、焼成室20から落ちてきたものを下にいかないように受け止め機能を有している。なお、仕切り板85を設けずに、焼成室20の内部(焼成空間25)と、過熱蒸気生成装置80が位置する空間(加熱空間15、加熱容器部11の内部)とを繋げた構造にしてもよい。
【0072】
本実施形態の構成では、上述したように、上部電熱ヒータ23に加えて、下部電熱ヒータ24が設けられている。下部電熱ヒータ24が設けられていることにより、被加熱物101の上面だけでなく、下面に対しても、焦げ目を付けることができるような加熱を行うことができる。さらに、上部電熱ヒータ23および下部電熱ヒータ24は、過熱蒸気生成装置80の発生時よりか温度が低下した可能性がある過熱蒸気を再加熱して、被加熱物(食品)101に接触させる効果がある。本実施形態の構成例では、仕切り板84と搬送装置35との間には、下部電熱ヒータ24が配置されている。ただし、下部電熱ヒータ24の配置の位置は、加熱焼成装置100に求められる条件・要求に応じて適宜適切なものを選択することができる。
【0073】
また、本実施形態の構成では、搬送装置35の側部の下方には、被加熱物101から発生するドリップを受け止めるドリップ受け部85が配置されている。図示した構成例では、ドリップ受け部85は、搬送装置35の進行方向の両側(左右)に配置されている。このドリップ受け部85によって、加熱時に被加熱物(食材・食品)101から生じるドリップ(食品中の組織液)が下に落ちないようにすることができ、その結果、加熱焼成装置100の内部を清潔にすることができ、また、掃除の負担を軽減することができる。
【0074】
本実施形態のドリップ受け部85は、上部が開口したU字部材85aから構成されている。このU字部材85aは、加熱焼成装置100の長手方向に沿って延びている。U字部材85aの凹部には、液体(例えば、水または湯)85bが導入されており、そして、その液体85bが流れる構成となっている。ドリップ受け部85を構成するU字部材85aの凹部内の液体が流れることにより、ドリップ受け部85で受け止めたドリップを(自動的に)排出することができる。本実施形態においては、U字部材85aを流れる液体(例えば、水または湯)85bの流入水と排出水とのバランスをとるように導入量を決めている。また、加熱動作中においては、液体85bは熱くなっているので(湯になっているので)、脂などを含むドリップ液がU字部材85aに落ちても、流動性がある状態で回収することができ、そのまま流れていく。したがって、加熱動作後(使用後)に、U字部材85aの内部の汚れや付着を少なくすることができる。
【0075】
本実施形態の加熱焼成装置100では、搬送装置35の上に皿部材110を置いて、その皿部材110の上に被加熱物(食材)101を載せて、加熱・焼成することができる。本実施形態の構成における皿部材110を図5に示す。
【0076】
図5に示した皿部材110は、金属材料から構成されており、図示した例のものは、アルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されている。燃焼したバーナーの加熱でなく、過熱蒸気(及び電熱ヒータ23、24)での加熱であるので、皿部材110は熱伝導性に優れた材料(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金など)から構成することが好ましい。なお、熱伝導性は、アルミニウム(またはアルミニウム)>マグネシウム合金>>>ステンレスの順番に良い。そのような材料からなる皿部材110であれば、過熱蒸気が食材101に直接接触する加熱の他、加熱された皿部材110によっても、その皿部材110に載置されている食材101を加熱することができる。また、皿部材110を過熱蒸気で加熱しやすいという観点からは、搬送装置100はネットコンベア(または、それに類するコンベア)であることが好ましい。搬送装置100がネットコンベア等であるときは、ネットコンベアの開口部(貫通孔)を通過した過熱蒸気が、皿部材110を加熱しやすくすることができる。また、ネットコンベアの開口部(貫通孔)を通過した(高温の)過熱蒸気が、食材101の周囲に到達しやすいようにすることができる。
【0077】
本実施形態の皿部材110の中央部111は、周縁部(辺部113、角部115)よりも高い部位となっている。そして、本実施形態の皿部材110では、周縁部(113、115)の一部に、貫通部119が形成されている。図5に示した例では、辺部113にスリット状の貫通穴119を形成しているが、角部115に貫通穴119を形成してもよい。加えて、辺部113および角部115の両方に、貫通穴119を形成してもよい。そして、この貫通部119は、ドリップ受け部85に対応して設けられている。具体的には、皿部材110の左右両側の周縁部(113等)に貫通部119は設けられている。そして、皿部材110で焼成された食材101で生じたドリップは、中央部111よりも低い周縁部(113、115)に流れて、そして、貫通部119を通じてその下に位置するドリップ受け部85へと落ちる。当該ドリップがドリップ受け部85で受け止めれることにより、加熱焼成装置100の内部をきれいにすることができる。
【0078】
また、本実施形態の皿部材110の主面(食材101が載置される面)112には、凹凸部116が形成されている。本実施形態の凹凸部116は、凸部模様および溝パターンの少なくとも一方である。図示した凹凸部116は、短い短尺状の凸部が並んだブロックが、隣接するブロックで向きかわるように配列した模様をしている。なお、凹凸部116と記載しているが、凹部だけで、相対的な凸部を形成しても構わないし、凸部だけで、相対的な凹部を形成してもよい。本実施形態の皿部材110において、凹凸部116を形成することにより、食材101が主面112に貼り付き難くすることができる。また、食材101から生じるドリップの流れを凹凸部116で誘導することができて、それによって、ドリップを貫通部119まで持って行くことが容易になる。
【0079】
なお、図5に示した構成例では、皿部材110に周縁部(113、115)に壁部114を設けている。これにより、ドリップが皿部材110の外に漏れないようにしている。なお、壁部114の少なくとも一部をなくして、皿部材110の周縁部(113、115)の端からドリップを落として、ドリップ受け部85で受け止めるようにしても構わない。また、図示した例では、矩形(略矩形)であるが、その他の形状(例えば、変形した長方形、円形など)であってもよい。
【0080】
次に、図6及び図7を参照する。図6は、第2スリーブ部83を側面(83s)の側から見た構成を示している。また、図7は、第1スリーブ部82を先端(82t)の側から見た構成を示している。本実施形態の構成では、第1スリーブ部82は、円筒形状(または、略円筒形状)を有している。また、第2スリーブ部83も円筒形状を有している。具体的には、第2スリーブ部83は、第1スリーブ部82を収納可能な円筒形状を有している。
【0081】
本実施形態の構成では、図6に示すように、第2スリーブ部83の筒部83s(側面)において、過熱蒸気を通過させる貫通孔83pが複数個形成されている。そして、図7に示すように、第1スリーブ部82の先端部82tにおいて、過熱蒸気を通過させる貫通孔82pが複数個形成されている。このように、第1スリーブ部82および第2スリーブ部83に貫通孔(82p、83p)を形成することで、過熱蒸気の流速を遅くすることができる。その結果、電熱ヒータ部81の周囲の過熱蒸気/蒸気の流速を遅くすることができ、電熱ヒータ部81の効率(過熱蒸気の生成効率またはエネルギー効率)を向上させることができる。
【0082】
本実施形態の構成例では、図7に示した第1スリーブ部82の先端部82tに対向する面(先端部82tから出た過熱蒸気がぶつかる面)、すなわち、第2スリーブ部83の先端部には貫通孔83pは設けておかない方がよい(または、数を極力少なくしておく)。図6に示した第1スリーブ部82の貫通孔83pは、上方方向(例えば、真上の方向)に形成しているが、下方方向(例えば、真下の方向)でもよいし、それ以外の方向でもよい。図6に示した第1スリーブ部82の貫通孔83pは、一列に配列したものを示したが、それ以外のもの(複数配列、一列でないもの)であってもよい。加えて、図7に示した第1スリーブ部82の筒部82sには貫通孔82pを設けていないが、第1スリーブ部82の筒部82sを設けても構わない。ただし、第1スリーブ部82の筒部82sにおける貫通孔82pと、第2スリーブ部83の筒部83sにおける貫通孔83pとがずれた位置に存在している方が、流速を遅くする上で好ましい。
【0083】
図8(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、上部電熱ヒータ23の配列(レイヤー121)、下部電熱ヒータ24の配列(レイヤー122)、および、電熱ヒータ部81を含む過熱蒸気生成装置80の配列(レイヤー123)を示す平面図である。本実施形態の構成においては、加熱焼成装置100を上方からみたときに、上部電熱ヒータ23、下部電熱ヒータ24および過熱蒸気生成装置80は、搬送装置35の進行方向に沿って、それぞれ、複数本配置されている。特に、上部電熱ヒータ23および下部電熱ヒータ24は、上方から見たときにおいて、互いに重ならない位置で配列されている。これにより、上部電熱ヒータ23が互いに隣接する隙間の領域の温度を、その隙間の領域に位置する下部電熱ヒータ24で補うことができる。そして、下部電熱ヒータ24が互いに隣接する隙間の領域の温度を、その隙間の領域に位置する上部電熱ヒータ24で補うことができる。したがって、上部電熱ヒータ23と下部電熱ヒータ24で挟まれた領域(焼成室20の焼成空間)の温度を均一することに貢献している。また、上部電熱ヒータ23および下部電熱ヒータ24はそれぞれ等間隔に配列されており、それによっても、温度の均一化に寄与している。同様に、過熱蒸気生成装置80も等間隔に配列されている。なお、加熱焼成装置100に要求される能力・条件などによっては、等間隔でないような配列にしてもよい(例えば、入口側の温度をより高温にしたい等の条件がある場合)。
【0084】
図9は、本実施形態の構成において焼成室20の一部を開放した様子を断面図である。図9に示すように、本実施形態の構成では、焼成室20は、搬送装置35(または、焼成空間)を覆うフード部材21と、フード部材21を支持本体部10に回動可能に接続するヒンジ部21hとを備えている。このヒンジ部21hによって、フード部材21を開放状態にすることができる。図2に示すように、本実施形態の構成では、フード部材21の一部には、開閉取っ手22が取り付けられている。この開閉取っ手22によって、手動でフード部材21を開け閉めすることができる。なお、加熱焼成装置100の動作中は、焼成室20の内部は高温ではあるが、高圧蒸気でなく、ほぼ常圧の微圧蒸気(過熱蒸気)に満たされている状態であるので、動作中においても、フード部材21を空けて、内部を確認することができる。これにより、何かトラブルの可能性がありそうな時に確認を要する際において、加熱焼成装置100の動作を止めて常圧になるまで待ったなくても、(高温に注意することを条件にして)動作中でも検査・点検することができて便利であり、スループットの低下を防ぐことが可能となる。
【0085】
本実施形態の構成では、フード部材21に上部電熱ヒータ23が取り付けられている。そして、上部電熱ヒータ23は、高さの位置を変更することができる。図9に示した例において、低い位置のものは、上部電熱ヒータ23Lであり、高い位置のものは、上部電熱ヒータ23Uで表している。図示した例では、上部電熱ヒータ23は、ヒータ固定部21fによって固定されている。ヒータ固定部21fには、上部電熱ヒータ23の端子を挿入する開口部21sが形成されている。そして、ヒータ固定部21fにおいては、低い位置の上部電熱ヒータ23Uを固定する第1開口部21s1と、高い位置の上部電熱ヒータ23Uを固定する第2開口部21s2とが形成されている。
【0086】
なお、本実施形態では、上部電熱ヒータ23を、第2段階での高さ調節(23L、23U)ができる構成にしたが、さらに多段階(3段階以上)の高さ調節ができるような構成にしてもよいし、無段階の高さ調整(連続した高さ調整)をできるような構成にしてもよい。加えて、上部電熱ヒータ23の端子を開口部21sに挿入するような固定手法を採用したが、他の手法(嵌合、把持、接合など)の固定手法で、上部電熱ヒータ23をヒータ固定部21fに固定することができる。
【0087】
図10は、フード部材21を閉じた時における断面構成を示している。矢印99は、鉛直方向(上下方向)を荒らしている。この図では、低い位置の上部電熱ヒータ23L(左側)と、高い位置の上部電熱ヒータ23U(右側)を例示的に示している。上部電熱ヒータ23(23L、23U)と、下部電熱ヒータ24とに挟まれた空間(焼成空間25)で、搬送装置(35)で搬送される被加熱物(101)が焼成される。また、図10に示した構成では、上部電熱ヒータ23の上部に熱反射部材23mが設けられている。より詳細には、上部電熱ヒータ23を覆うような凹部を有する熱反射部材23mが設けられており、これにより、上部電熱ヒータ23から上方に逃げる熱(すなわち、焼成空間25の方に向かわない熱)を、焼成空間25の方に放射させることができ、その結果、加熱効率を向上させることができる。
【0088】
なお、このような構成は、下部電熱ヒータ24にも適用することができる。具体的には、ヒータ固定部21fと同様の構造(または類似した構造)を用いて、下部電熱ヒータ24の高さを多段階(または、無段階)に変更できるようにしてもよい。加えて、下部電熱ヒータ24の下側に、熱反射部材23mを配置してもよい。これにより、下部電熱ヒータ24から下方に逃げる熱(すなわち、焼成空間25の方に向かわない熱)を、焼成空間25の方に放射させることができ、その結果、加熱効率を向上させることができる。
【0089】
図11及び図12は、それぞれ、本実施形態の加熱焼成装置100の一例の側面図および上面図である。
【0090】
図11に示した加熱焼成装置100では、被加熱物101を投入/排出する入口部31および出口部39の少なくとも一方(図示した例では両方)に、搬送装置35の先端の角度を変更可能な跳ね上げ式のアーム部38が設けられている。具体的には、跳ね上げ式のアーム部38は、水平位置(又はほぼ水平)38a、下向き位置38b、上向き(跳ね上げ)位置38cのように変化させることができる。特に、工場内の作業スペースが狭いときにおいて、使用していない時に、跳ね上げ式のアーム部38を上向き位置38cにしたら、コンパクトになるので都合がよい。
【0091】
図12に示した加熱焼成装置100において、制御装置40が可動式で移動(回動)できる様子を示している。例えば、作業員90が、入口部31(または、跳ね上げ式アーム部38)の周囲で作業しようとするとき、制御装置40が初期の位置(横向き位置)40aですと作業ができない。一方で、制御装置40を移動(回動)させて、中間位置40bまたは直角位置(縦向き位置)40cにしたら、作業員90は、その場所で作業することができる。制御装置40を中間位置40bにするときは、近くに壁や機械設備がある状態において、制御装置40を直角位置(縦向き位置)40cにできないときに採用することができて便利である。
【0092】
本実施形態の加熱焼成装置100は、過熱蒸気によって被加熱物(食品)101が焼成される焼成室20と、焼成室20の内部(25)に設けられた搬送装置35と、搬送装置35の上方に設けられた上部電熱ヒータ23とを備えており、搬送装置35の下方に過熱蒸気生成装置80(電熱ヒータ部81)が配置されている。そして、搬送装置35の側部の下方には、ドリップ受け部85が配置されており、焼成室20の少なくとも一部(21)は、焼成室20の内部(25)を開放可能な構造を有している。したがって、過熱蒸気生成装置80による過熱蒸気とともに上部電熱ヒータ23の熱で、被加熱物(食品)101に焦げ目をつけることができるともに、被加熱物101の焼成時に生じるドリップをドリップ受け部85で受け止めることができるので、加熱焼成装置100の焼成室20の汚れを軽減できるという利点がある。また、焼成室20の少なくとも一部(21)を開放することができることから、点検・清掃を行うことが容易となる。特に、過熱蒸気生成装置80が、低圧蒸気である湯気を加熱して過熱蒸気を発生させるときは、高圧蒸気でないことから、動作中において焼成室20の一部を開放して点検することが可能となる。さらに、上部電熱ヒータ23とともに下部電熱ヒータ24を配置することにより、被加熱物101を上下の両方で焼成することができ、また、上部電熱ヒータ23とともに下部電熱ヒータ24で過熱蒸気を再加熱させることができる。
【0093】
また、本実施形態の加熱焼成装置100では、被加熱物101に対して過熱蒸気を下から吹き付けて焼成されるというよりか、過熱蒸気生成装置80で発生させた過熱蒸気を略密閉空間(15、25)に充満させるようにして、過熱蒸気の熱(および、上部電熱ヒータおよび下部電熱ヒータ24の熱)で、被加熱物(食品)101を焼成することができる。したがって、被加熱物101に過熱蒸気を下から吹き付けて焼成するときよりも、本実施形態の加熱焼成装置100を用いた焼成の方が、過熱蒸気の使用量を減らすことができるとともに、きれいな焼き目をつけることができる。その結果、エネルギー効率を向上させることができるとともに、美味しい見た目の食品を製造することができる。
【0094】
さらに、本実施形態の構成では、上部電熱ヒータ23と下部電熱ヒータ24とが交互になるように等間隔で配列されている。これにより、全体的に加熱効率が良くすることができるとともに、焼成室20の内部(25)を均一に加熱することができ、それゆえに、被加熱物(例えば、食品)101の焼け具合を良くすることができ、そして、焼きムラを低減することができる。さらに、本実施形態の加熱焼成装置100によれば、搬送装置35を用いた連続運転によって結果物(例えば、焼き魚)を大量生産することができるので、一つ一つの焼成のエネルギーコスト低減に加えて、大量生産工程の導入におけるエネルギーコスト低減の効果も得られる。
【0095】
<第2実施形態>
上述した実施形態1に係る加熱焼成装置100を用いて焼成工程を実行するにあたって、冷凍食材(例えば、冷凍魚)を焼成しようとすると、事前に前段階として予熱を施しておいた方が便利がよい。そのような予熱工程を実行する上で、第2実施形態に係る加熱装置(スチーム式の予熱装置)を用いることができる。
【0096】
図13は、本実施形態の加熱装置200の構成を示す斜視図である。また、図14および図15は、それぞれ、本実施形態の加熱装置200の構成を示す側面図および上面図である。図16は、本実施形態の加熱装置200におけるドーム部51および液体保持容器55の構成を示す断面図である。
【0097】
本実施形態の加熱装置200は、蒸気を用いて被加熱物(例えば、食品)を加熱するスチーム式加熱装置である。特に図16に示すように、スチーム式加熱装置200は、被加熱物を搬送する搬送装置65と、搬送装置65の上方を覆うドーム部51とを備えている。ドーム部51の下方には、液体保持容器55が設けられている。液体保持容器55は、搬送装置65の下の領域に導入される液体(例えば、湯)を保持する部材である。加熱装置200は、ドーム部51と液体保持容器55とによって囲まれた空間(加熱空間)50に蒸気を導入する蒸気導入配管53を備えている。そして、本実施形態の加熱装置200は、蒸気導入配管53から排出される蒸気の熱と、蒸気によって加熱されて生じた液体(湯)の熱によって被加熱物が加熱されるように構成されている。以下、これらの構成についてさらに説明する。
【0098】
図13等に示すように、本実施形態の加熱装置200は、液体保持容器55を支える支持本体部(台部)10を備えている。言い換えると、液体保持容器55は、支持本体部10上に配置されている。支持本体部10は、支柱部12を備えており、そして、支柱部12は接地部(例えば、ゴムストッパ)13を介して地面(例えば、工場の床)の上に設置されている。
【0099】
加熱装置200には、被加熱物が投入される入口61、および、加熱された被加熱物が排出される出口69が設けられている。本実施形態の構成では、搬送装置65の上に載置された被加熱物(食品)は、入口61の開口部から導入された後、搬送装置35によって、ドーム部51と液体保持容器55とによって囲まれた空間(加熱空間)50を通過して、次いで、出口69から排出される。本実施形態の構成では、液体保持容器55に湯が入っており、ドーム部51には蒸気が充満している中で、被加熱物(食品)は、搬送装置65によって加熱空間50を通過して、加熱されていく。搬送装置65は、上述した実施形態1の搬送装置35と同じものを用いることができるが、異なる種類の搬送装置を使用してもよい。
【0100】
図示した例では、入口61には、搬送装置65の先端の角度を変更可能な跳ね上げ式のアーム部68が取り付けられている。この跳ね上げ式のアーム部68は、出口69に設けてもよい(入口61および/または出口69に設けてよい)。また、入口61の側には、風除けフード67が設けられている。具体的には、入口61には導入フード部66(風除け室)があり、その導入フード部66の上部に連通するように筒状の風除けフード67が設けられている。同様な構成を出口69側に設けてもよい。また、入口61/出口69に、導入フード部66(風除け室)及び/又は風除けフード67を設けない構成にしても構わない。さらに、本実施形態の構成では、風除けフード67に排気口の役割を持たせることができる。風除けフード67を用いて、排気蒸気を工場外部に排気させることができる。なお、この点の詳細は、上述した風除けフード33及び/又は37の説明と同様であるので省略する。さらに、入口61および/または出口69に、蒸気の漏れ等を少なくために、被加熱物(食材)101の高さに合わせて、高さを調節できる部材(例えば、高さ調節板)を取り付けてもよい。
【0101】
上述した実施形態1風除けフード(換気フード、または、煙突部)33及び37と同様に、風除けフード67にも、その内部にダンパーを付けて、外付けハンドルでフードの開口面積を調節できる構造にしてもよい。図14では、風除けフード67に取り付けた外付けハンドルも示している。蒸気の排気が多すぎると、内部の熱を早く捨ててしまうことになり、熱的に非効率である。一方で、蒸気の排気が少なすぎると、入口61や出口69から蒸気や煙が漏れることになるので、好ましくない。したがって、加熱装置200への蒸気投入量と排気とのバランスを取ることが重要であり、それゆえに、風除けフード(換気フード、または、煙突部)67(および、それに付いているダンパー、外付けハンドル)の役割は重要である。
【0102】
また、本実施形態の加熱装置200には、制御装置(制御盤)60が接続されている。制御装置60は、加熱装置200の動作を制御することができる制御回路を含んでいる。制御回路は、半導体集積回路(IC)を含む電子回路または電気回路によって構築されている。具体的な構成においては、加熱装置200には温度センサ(59)が配置されており、その温度センサの数値および加熱プログラムに基づいて制御装置60にて、蒸気量、搬送装置65等を制御して、加熱装置200を動作させることができる。
【0103】
液体保持容器55の上には、ドーム部51が設けられている。本実施形態の構成では、板状のドーム部51が複数枚配列されており、それらの板状のドーム部51によって液体保持容器55の上方開口が覆われている。各ドーム部51には取っ手52が取り付けられている。そして、取っ手52を持ってドーム部51を取り外すことができ、停止中でも動作中でも、内部(50)の様子を見ることができ、点検・確認することができる。また、ドーム部51を取り外すことができるので、液体保持容器55などの掃除も行いやすい。
【0104】
液体保持容器55には、蒸気導入配管53が接続されている。蒸気導入配管53に導入される蒸気は、上記の実施形態1と同様に、低圧蒸気である湯気である。なお、ボイラー蒸気(高圧蒸気)を蒸気導入配管53に導入することも可能であるが、その時は、加熱装置200の内部(50)が常圧よりも高い圧力になるので、動作中において、板状のドーム部51を外すことは難しくなるし、また、動作中に板状のドーム部51を液体保持容器55にしっかりと固定しておくことが必要になる。また、ボイラー蒸気(高圧蒸気)は流速が早いために、液体保持容器55とドーム部51とで囲まれた加熱空間25を均一の温度制御することが難しい。一方、微圧蒸気である湯気であれば、動作中において、板状のドーム部51を外すことは容易であるとともに、液体保持容器55とドーム部51とで囲まれた加熱空間25を均一の温度制御することも容易である。
【0105】
図16に示すように、蒸気導入配管53は、スパージ管58に接続されている。スパージ管58から出た蒸気(約100℃)が、液体保持容器55とドーム部51とで囲まれた加熱空間25を充満して、搬送装置65で搬送されてくる被加熱物(食材)を加熱する。また、スパージ管58から出た蒸気によって、液体保持容器55に導入されいてる水を加熱して湯にする。さらには、本実施形態の構成において、蒸気導入配管53及び/又はスパージ管58を分岐して、その分岐した配管の一部を液体保持容器55中の液体に通して、その配管から当該液体に蒸気(湯気)を出して、それによって、液体を加熱するようにしてもよい。このような分岐した配管で液体を加熱すると、さらに効率を向上させることができる。
【0106】
本実施形態の構成では、この蒸気および湯の熱によって、搬送装置65の上に載置されている被加熱物(食材)を加熱する。搬送装置(ネットコンベア)65の下には、ネット受け部材(ネット受けレール)105が配置されており、搬送装置65の高さを維持している。また、搬送装置(ネットコンベア)65の上に、図5に示した皿部材110を載置して、その皿部材110の上に食材(例えば、冷凍魚)を配置してもよい。
【0107】
また、液体保持容器55には、液体(水)を導入する槽内給水配管57が接続されている。そして、液体保持容器55には、槽内オーバーフロー配管(または、ドレイン配管)56が接続されている。加えて、液体保持容器55には、温度センサ部59aを備えた温度計59が設けられている。液体保持容器55の上部開口を覆うドーム部51は、液体保持容器55に対して取り外し可能なように配置されている。そして、上述したように、ドーム部51の上面にある取っ手52を把持して、ドーム部51の取り外しを行うことができる。
【0108】
本実施形態の加熱装置200は、被加熱物を搬送する搬送装置65の上方を覆うドーム部51と、液体を保持する液体保持容器55とによって囲まれた加熱空間50に、蒸気を導入する蒸気導入配管53とを備えている。したがって、蒸気導入配管53から排出される蒸気の熱と、蒸気によって加熱されて生じた液体(湯)の熱によって被加熱物が加熱することができる。このような構成によれば、冷凍食材(例えば、冷凍魚)を搬送装置65の上に載せて移動させると、冷凍食材は、蒸気と湯の熱で解凍されるので、焼成食材の予熱処理を効率的に行うことができる。そして、加熱処理(予熱処理)によって冷凍食材から生じる液体によって、加熱装置200の内部が汚れることを軽減することができる。すなわち、加熱処理(予熱処理)によって冷凍食材から生じる液体は、液体保持容器55の湯の中に落ちるだけであり、汚れることがない。
【0109】
本実施形態の構成では、液体保持容器55が保持する湯の水面を比較的高い位置に調整することによって、加熱空間50を狭くすることができ、それによって、加熱装置200の動作時に使用する蒸気の量を抑制することができるとともに、湯の熱が被加熱物に伝わりやすいようにしている。
【0110】
そして、本実施形態の加熱装置200と、上述した実施形態1の加熱焼成装置100を連結させると、予熱工程と焼成工程を連続して実行することができて、非常に便利である。図17は、加熱装置200と加熱焼成装置100とを連結させた構成(食材加工システム300)の一例を示す斜視図である。そして、図18および図19は、それぞれ、加熱装置200と加熱焼成装置100とを連結させた構成(食材加工システム300)の一例を示す側面図および上面図である。なお、本実施形態の食材加工システム300は、一体のものとして構成することも可能であるが、加熱装置200と加熱焼成装置100とを連結させた方が、加熱工程処理の自由度を向上させることができて便利なことが多い。
【0111】
本実施形態の食品加工システム300では、食材(食品)101は、加熱装置200に投入されて(矢印91a)、加熱装置200で予熱される。次いで、予熱された食材(食品)101は、加熱焼成装置100に移行し(矢印91b)、その後、加熱焼成装置100で焼成されて、食品加工(加熱処理)が完成する(矢印91c)。本実施形態の食品加工システム300は、左右と真ん中に、蒸気の煙突状廃棄口(57、33、37)を持っており、蒸気が入口・出口から漏れにくいようにしている。また、周囲の使用環境を悪くさせないよう、煙突状廃棄口(57、33、37)は、室外の廃棄ファンと連結しており、煙突部分にはダンパーを付けて排気量をコントロールして、それにより、熱効率を上げるように工夫している。
【0112】
本実施形態のシステム300を用いた場合、本願発明者が開発した従前の装置(特許文献3、特許文献4参照)と比較して、電気使用量、蒸気使用量ともに、3分の2まで節約することができ、そして、類似の他社市販装置と比較すると、エネルギー効率を4倍に向上(すなわち、使用エネルギーを4分の1まで節約)することができる。加えて、本実施形態のシステム300(200、100)は、従前の装置と比較して(特に、類似の他社市販装置と比較として)、加熱速度、出来上がりの品質、使用簡便性、多目的使用、仕様範囲の広さなどにわなって格段に優れている。
【0113】
図20は、本実施形態に係る食品加工方法を説明するためのフローチャートである。まず、食材(例えば、冷凍魚)を準備する。次いで、その食材を加熱装置200に投入して、その食材(冷凍魚)を予熱する(工程S100)。次に、その食材(解凍した魚)を加熱焼成装置100に投入して、過熱水蒸気で食材を焼成する(工程S200)。すると、焦げ目が付いた焼成した食材(焼成品)が完成する(工程S300)。
【0114】
図21は、本実施形態の加熱焼成装置100を用いて焼成した食品(焼き魚)101を示す図面代用写真である。焼き魚101はきれいに焼き上がり、美味しそうな焼き目も付いている。この焼魚(焼成された食品)は、過熱蒸気からなる良好な加熱雰囲気下(加熱ムラが少ない雰囲気下)において加熱処理されたので、味も良好である。
【0115】
図22も、加熱焼成装置100を用いて焼成した食品(焼き魚)101を示す写真である。図22では、皿部材110の上に網117を置いて、その網117の上で食材(魚)101を焼成した様子を示している。網117は、金属網(例えば、ステンレス網)、耐熱性材料網(例えば、テフロン網)を使用することができる。網117を用いることで、食材(魚)101が下地にくっつくことをより防止することができる。また、焼き目模様(すなわち、網目状の焼き目)を好む消費者のために、網117を用いることで食材101の下部に、そのような焼き目を付けることができる。さらに、食材101とドリップとの接触を少なくすることができる。
【0116】
また、図23では、皿部材110Bの上に、焼成前の生魚101を置いた様子を示してる。皿部材110Bは、貫通部119を設けずに、真ん中に高い中心線部位111Bを作成し、そこからドリップが両サイドに流れるような構成をしている。特に、ドリップが両サイドに流れやすいように、皿部材110Bの主面には、直線状の並行した溝116Bが形成されている。このような皿部材110Bを用いることも可能である。
【0117】
本実施形態で使用する湯気の温度が例えば95℃~110℃程度とすると、過熱蒸気生成装置80の電熱ヒータ部81で加熱されて、150℃以上、好ましくは180℃以上(あるいは、300℃~600℃またはそれ以上)の過熱蒸気(スーパーヒートベイパー)が発生する。本実施形態の電熱ヒータ部81は、上述した通り、例えば、数キロワット程度の電熱ヒータ(例えば、プラグヒータ、フランジヒータなど)である。
【0118】
さらに、過熱蒸気は、次のような利点を有している。まず、過熱蒸気加熱に特有の凝縮伝熱の効果が一番大きい。これは、過熱蒸気は低温の物質に触れると凝縮し、その時に物質に熱を与えて温度(芯温)を上げるという蒸気本来の性質と、加熱空気のように物質を加熱する性質を持っていることにより、短時間で焼成ができるという効果である。そして、過熱蒸気が凝縮することで、その凝縮した空間に周囲の過熱蒸気が流れ込んで、それによって加熱が加速される。そして、過熱蒸気の伝熱は、対流伝熱の他に、放射伝熱が加わるため、熱効率が非常に高いという特長を有している。過熱蒸気による魚や肉の焼き上がりは、直火・ガスと同様以上であり、さらに、水蒸気なので対流伝達も早く、空気に比べて約10倍以上も対流伝達が早い。
【0119】
加えて、製品の芯温を短時間で上昇させるので、冷凍魚・肉・パンなどの冷凍食品で解凍と焼きの2工程を一度に短時間で実行することができる。そして、本実施形態の加熱装置200で予熱を行った後で、加熱焼成装置100で焼成すると、より短時間で、美味しく調理(食品加工)することができる。また、ポーラス状態に仕上げることもできるので、インスタントラーメンや、製茶にも好適に用いることができる。
【0120】
さらには、過熱蒸気中は無酸素状態(あるいは、大気圧の酸素濃度よりも低い状態)なので、油脂の酸化・ビタミンの破壊などを抑制することができ、製品の保存を向上させることもできる。また、食品の退色防止にも役に立つ。そして、水は蒸発する時に油分を抱え込む性質があり、この性質は、脱油効果として利用することができる。
【0121】
このような特性を有する過熱蒸気による調理は、食材の水分を取り過ぎず表面の硬化を防ぎ(例えば、歩留まり85%以上)、素材の旨味を引き出すことができる可能性を持っている。
【0122】
本実施形態の加熱焼成装置100は、例えば300℃~400℃またはそれ以上(例えば、550℃)の過熱蒸気を発生させることができるのにもかかわらず、実質的に1気圧の内部圧力で動作を行っている。具体的には、せいぜい1.2気圧またはそれ以下の内部圧力で動作をしている。したがって、作業安全性に優れているという技術的な利点が大きい。なお、ボイラー蒸気を用いて、300℃~400℃またはそれ以上の高温加熱を行おうとすれば、当然、数気圧以上の動作圧力が要求されることになる。
【0123】
加熱焼成装置100が実質的に1気圧での動作を行うことができるのは、微圧蒸気である湯気を加熱して、高温の過熱蒸気を発生することができるからによる。技術常識に従えば、高温の気体を発生させるには高圧が必須となるが、例えば高温高圧のボイラー蒸気を加熱する場合、ボイラー蒸気の流速が速いために実際には上手く加熱することが難しいか、加熱することができるとしても膨大なエネルギーを要し非効率となる。一方、本実施形態の構成では、微圧蒸気である湯気はゆっくり漂うので、その間、電熱ヒータ部81で加熱することができ、大気圧で高温(例えば300℃以上)の過熱蒸気を生成させることができる。そして、生成した過熱蒸気もゆっくり漂うので、被加熱物101の周囲に位置する電熱ヒータ(23、24)で再加熱することも容易となる。
【0124】
なお、加えて、ボイラー蒸気(高温高圧の蒸気)を導入して、そのボイラー蒸気をさらに加熱して過熱蒸気を食品に吹き付ける場合、流速の速いボイラー蒸気から生じた過熱蒸気が良くあたる部分とそうでない部分との差が激しく、美味しい加熱食品とはなりにくい。また、その流速の速い過熱蒸気の場合、加熱制御が非常に困難を極め、食品の加熱という非常に繊細な温度管理(加熱温度制御)に向いていない(例えば、焦げを生じやすかったり、部分焼けや未焼成部分の発生が生じる)。加熱ムラが生じると、食品の部分的な焦げや焼けが生じてしまい、それがタンパク質の変性の増進となり、味や臭いの悪さにつながってしまう。一方、本実施形態の構成では、流速が遅い蒸気/過熱蒸気を用いるので、緻密に温度制御できる過熱蒸気の加熱によって、タンパク質の変性を抑えた美味しい食品を製造することができる。加えて、本実施形態の構成では、実質的に大気圧の動作であるので、安全面での利点が大きい。また、開放型の焼成室20として連続運転(コンベア式の運転)ができる利点も大きい。
【0125】
さらに、本実施形態の加熱焼成装置100では、加熱装置(昇温装置)として、電熱ヒータ部81を用いており、バーナ(ガスバーナ)を使用しなくてもよい。したがって、加熱焼成装置100は、電源さえあれば(例えば、200V電源など)動作させることができ、非常に便利であるとともに、火を使用しないので安全である。また、加熱焼成装置100は大気圧動作をしているので、安全の観点からはその点でも利点がある。
【0126】
本実施形態の加熱焼成装置100に使用される被加熱物101は、典型的には、食品であり、例えば、水産物(魚類、甲殻類、軟体動物、貝類、海草類など)や、肉類(牛肉、豚肉、鶏肉、ハム、ベーコンなど)、野菜、果物、お茶、コーヒー豆、米などである。被加熱物として、パンを挙げることもできる。また、加熱焼成装置100における過熱蒸気で炊飯を行うこともできる。さらに、コーヒー豆の焙煎、茶葉の処理なども行うことができる。また、本実施形態の技術は、水産物の蒸し工程や焼き工程に好適に使用できるだけでなく、パン、お茶、餅米を利用する菓子類、あるいは、洋菓子、肉類の加熱調理、野菜や芋類の蒸し料理などに積極的に使用することができる。さらに、過熱蒸気の特性を利用して、骨まで食せる魚の加工にも、適用することができる。加えて、過熱蒸気は、親子丼などの丼ものの加熱調理にも適している。
【0127】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。また、上述した実施形態1および2などの区別は便宜上のものであり、そして、上述した実施形態の各要素は、互いに矛盾するものでない限り、適宜組み合わせることができ、限定的解釈されるべきものではない点を付言しておく。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明によれば、動作時の汚れを軽減できるとともに、掃除・点検を行いやすく、そしてエネルギー効率の良い加熱焼成装置(過熱蒸気式の加熱装置)を提供するができる。
【符号の説明】
【0129】
10 支持本体部(台部)
11 加熱容器部
11u 断熱材
12 支柱部
13 接地部
14 移動手段(ローラ部)
15 加熱空間
20 焼成室
21 フード部材
21f ヒータ固定部
21h ヒンジ部
21s 開口部
21u 断熱材
22 開閉取っ手
23 上部電熱ヒータ
23m 熱反射部材
24 下部電熱ヒータ
25 焼成空間(加熱空間)
26 カバー部
31 入口
32 導入フード部
33 風除けフード
35 搬送装置(ネットコンベア)
36 排出フード部
37 風除けフード
38 跳ね上げ式のアーム部
39 出口
40 制御装置
50 加熱室
51 ドーム部
52 取っ手
53 蒸気導入配管
55 液体保持容器
56 槽内オーバーフロー配管(ドレイン配管)
57 槽内給水配管
58 スパージ管
59 温度計
59a 温度センサ部
60 制御装置(制御盤)
61 入口
65 搬送装置(ネットコンベア)
66 導入フード部
67 風除けフード
68 跳ね上げ式のアーム部
69 出口
80 過熱蒸気生成装置
81 電熱ヒータ部
81a フィン(追加フィン)
81b 端子部
81c 発熱部
82p 貫通孔
82s 筒部
82t 先端部(先端板)
83p 貫通孔
83s 筒部
84 仕切り板
85 ドリップ受け部
85a U字部材
85b 液体(湯)
86 蒸気供給配管
86a 蒸気供給口
86b 蒸気通路部
86c 電熱ヒータ連結部
90 作業員
91 搬送方向(進行方向)
100 加熱焼成装置
101 被加熱物(食材、食品)
105 ネット受け部材(ネット受けレール)
110 皿部材(食品加熱皿)
111 皿部材110の中央部
112 皿部材110の主面
113 周縁部
114 壁部
115 角部
116 凹凸部
117 網
119 貫通穴
200 加熱装置(予熱装置)
300 食材加工システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23