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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230904BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20230904BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20230904BHJP
   G02F 1/1339 20060101ALI20230904BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
G09F9/30 349A
G02F1/1368
G02F1/1335 505
G02F1/1339 500
G09F9/302 C
G09F9/30 338
G09F9/30 349Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019141427
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021026040
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊東 理
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-293385(JP,A)
【文献】特開2006-251417(JP,A)
【文献】特開昭62-019804(JP,A)
【文献】特開2004-341212(JP,A)
【文献】特開2017-044915(JP,A)
【文献】特開2016-114884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と
を具備し、
前記第1基板は、
前記第1基板上に配列された複数の画素と、
前記複数の画素に対応する複数のカラーフィルタと
を備え、
前記複数の画素は、第1方向及び第2方向に行列状に配列され、かつ、第1色を表示する第1及び第2画素と、第2色を表示する第3及び第4画素と、第3色を表示する第5及び第6画素とを含み、
前記第2画素は、前記第1画素の前記第1方向及び前記第2方向に対して斜め方向に配置され、前記複数のカラーフィルタの前記第1画素に対応する第1カラーフィルタ及び前記第2画素に対応する第2カラーフィルタの各々は、平面視において当該カラーフィルタに対応する画素の開口部と重畳する位置に形成される第1フィルタ部と、前記第1フィルタ部と少なくとも一部が連結され、平面視において当該画素の非開口部と重畳する位置に形成される第2フィルタ部とを含み、
前記第4画素は、前記第3画素の前記第1方向及び前記第2方向に対して斜め方向に配置され、前記複数のカラーフィルタの前記第3画素に対応する第3カラーフィルタ及び前記第4画素に対応する第4カラーフィルタの各々は、平面視において当該カラーフィルタに対応する画素の開口部と重畳する位置に形成される第1フィルタ部と、前記第1フィルタ部と少なくとも一部が連結され、平面視において当該画素の非開口部と重畳する位置に形成される第2フィルタ部とを含み、
前記第6画素は、前記第5画素の前記第1方向及び前記第2方向に対して斜め方向に配置され、前記複数のカラーフィルタの前記第5画素に対応する第5カラーフィルタ及び前記第6画素に対応する第6カラーフィルタの各々は、平面視において当該カラーフィルタに対応する画素の開口部と重畳する位置に形成される第1フィルタ部と、前記第1フィルタ部と少なくとも一部が連結され、平面視において当該画素の非開口部と重畳する位置に形成される第2フィルタ部とを含
表示装置。
【請求項2】
前記第1フィルタ部及び前記第2フィルタ部は、矩形状を有し、
前記第2フィルタ部の面積は、前記第1フィルタ部の面積よりも小さい
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1画素に対応する前記第1カラーフィルタ及び前記第2画素に対応する前記第2カラーフィルタの各々に含まれる前記第2フィルタ部は、前記第1及び第2画素が隣接する斜め方向に沿う直線上から外れた位置に形成され
前記第3画素に対応する前記第3カラーフィルタ及び前記第4画素に対応する前記第4カラーフィルタの各々に含まれる前記第2フィルタ部は、前記第3及び第4画素が隣接する斜め方向に沿う直線上から外れた位置に形成され、
前記第5画素に対応する前記第5カラーフィルタ及び前記第6画素に対応する前記第6カラーフィルタの各々に含まれる前記第2フィルタ部は、前記第5及び第6画素が隣接する斜め方向に沿う直線上から外れた位置に形成され
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1画素に対応する前記第1カラーフィルタ及び前記第2画素に対応する前記第2カラーフィルタの各々に含まれる第2フィルタ部は、前記第1及び第2画素が隣接する斜め方向に沿う直線上に形成され、
前記第1カラーフィルタに含まれる第1フィルタ部は、前記第2カラーフィルタに含まれる第2フィルタ部と更に連結され
前記第3画素に対応する前記第3カラーフィルタ及び前記第4画素に対応する前記第4カラーフィルタの各々に含まれる第2フィルタ部は、前記第3及び第4画素が隣接する斜め方向に沿う直線上に形成され、
前記第3カラーフィルタに含まれる第1フィルタ部は、前記第4カラーフィルタに含まれる第2フィルタ部と更に連結され、
前記第5画素に対応する前記第5カラーフィルタ及び前記第6画素に対応する前記第6カラーフィルタの各々に含まれる第2フィルタ部は、前記第5及び第6画素が隣接する斜め方向に沿う直線上に形成され、
前記第5カラーフィルタに含まれる第1フィルタ部は、前記第6カラーフィルタに含まれる第2フィルタ部と更に連結され
請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と
を具備し、
前記第1基板は、
前記第1基板上に配列された複数の画素と、
前記複数の画素に対応する複数のカラーフィルタと
を備え、
前記複数のカラーフィルタの各々は、平面視において当該カラーフィルタに対応する画素の開口部と重畳する第1フィルタ部と、前記第1フィルタ部と少なくとも一部が連結され、平面視において当該画素の非開口部と重畳する位置に形成される第2フィルタ部とを含み、
前記複数の画素は、第1色を表示する第1画素、第2色を表示する第2画素、第3色を表示する第3画素を含み、かつ、第1方向及び第2方向に行列状に配列され、
前記第1画素は、前記第1方向に配置された2つの前記第3画素間に配置され、
前記第2画素は、前記第1方向に配置された2つの前記第1画素間に配置され、
前記第3画素は、前記第1方向に配置された2つの前記第2画素間に配置され、
前記第1画素、前記第2画素及び前記第3画素の各々は、前記第2方向においてそれぞれ異なる色を表示する画素と隣接し、
前記第1画素のうちの前記第1方向及び前記第2方向に対して斜め方向に隣接する2つの第1画素において、当該2つの第1画素のうちの一方の第1画素に対応するカラーフィルタに含まれる第1フィルタ部は、他方の第1画素に対応するカラーフィルタに含まれる第2フィルタ部と更に連結され、
前記第2画素のうちの前記第1方向及び前記第2方向に対して斜め方向に隣接する2つの第2画素において、当該2つの第2画素のうちの一方の第2画素に対応するカラーフィルタに含まれる第1フィルタ部は、他方の第2画素に対応するカラーフィルタに含まれる第2フィルタ部と更に連結され、
前記第3画素のうちの前記第1方向及び前記第2方向に対して斜め方向に隣接する2つの第3画素において当該2つの第3画素のうちの一方の第3画素に対応するカラーフィルタに含まれる第1フィルタ部は、他方の第3画素に対応するカラーフィルタに含まれる第2フィルタ部と更に連結される
表示装置。
【請求項6】
前記第2フィルタ部は、走査信号が供給される走査線と映像信号が供給される信号線とが交差する領域と重畳する位置に形成される請求項1~5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1基板及び前記第2基板の間に配置された液晶層と、
前記液晶層を形成する前記第1基板及び前記第2基板の間隙を保持する保持部材と
を更に具備し、
前記保持部材は、平面視において前記第2フィルタ部と重畳する位置に配置される
請求項1または5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記保持部材は、前記複数の画素のうちの特定の色を表示する画素に対応するカラーフィルタに含まれる第2フィルタ部と重畳する位置に配置される請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記特定の色は青色である請求項8記載の表示装置。
【請求項10】
前記保持部材は、平面視において第1方向に延在し、前記第1基板に備えられる第1保持部材と、平面視において第2方向に延在し、前記第2基板に備えられる第2保持部材とを含む請求項7記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一例として、一対の基板と、当該一対の基板の間に配置された液晶層とを備えた液晶表示装置が知られている。カラー表示が可能な液晶表示装置においては、一対の基板の一方にカラーフィルタが設けられる。
【0003】
このカラーフィルタは、スイッチング素子や画素電極を備えるアレイ基板とは別の対向基板に設けられることが多い。一方で、例えば混色を解消するために、アレイ基板側にカラーフィルタを設けることもある。
【0004】
上記したようにカラーフィルタをアレイ基板側に設ける構成の場合、当該カラーフィルタの形状等によっては表示装置に不具合が生じ、当該表示装置の信頼性を低下させる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3329206号公報
【文献】特許第5255758号公報
【文献】特開2006-293385号公報
【文献】特開2005-258176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る表示装置は、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板とを具備し、前記第1基板は、前記第1基板上に配列された複数の画素と、前記複数の画素に対応する複数のカラーフィルタとを備える。前記複数の画素は、第1方向及び第2方向に行列状に配列され、かつ、第1色を表示する第1及び第2画素と、第2色を表示する第3及び第4画素と、第3色を表示する第5及び第6画素とを含む。第2画素は、前記第1画素の前記第1方向及び前記第2方向に対して斜め方向に配置される。前記複数のカラーフィルタの前記第1画素に対応する第1カラーフィルタ及び前記第2画素に対応する第2カラーフィルタの各々は、平面視において当該カラーフィルタに対応する画素の開口部と重畳する位置に形成される第1フィルタ部と、前記第1フィルタ部と少なくとも一部が連結され、平面視において当該画素の非開口部と重畳する位置に形成される第2フィルタ部とを含む。前記第4画素は、前記第3画素の前記第1方向及び前記第2方向に対して斜め方向に配置され、前記複数のカラーフィルタの前記第3画素に対応する第3カラーフィルタ及び前記第4画素に対応する第4カラーフィルタの各々は、平面視において当該カラーフィルタに対応する画素の開口部と重畳する位置に形成される第1フィルタ部と、前記第1フィルタ部と少なくとも一部が連結され、平面視において当該画素の非開口部と重畳する位置に形成される第2フィルタ部とを含む。前記第6画素は、前記第5画素の前記第1方向及び前記第2方向に対して斜め方向に配置され、前記複数のカラーフィルタの前記第5画素に対応する第5カラーフィルタ及び前記第6画素に対応する第6カラーフィルタの各々は、平面視において当該カラーフィルタに対応する画素の開口部と重畳する位置に形成される第1フィルタ部と、前記第1フィルタ部と少なくとも一部が連結され、平面視において当該画素の非開口部と重畳する位置に形成される第2フィルタ部とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る表示装置の外観の一例を示す斜視図。
図2】第1基板の一例を概略的に示す斜視図。
図3】副画素の一例を概略的に示す平面図。
図4図3に示すa-a´線に沿う表示パネルの概略的な断面図。
図5】カラーフィルタの形状及び配置について説明するための図。
図6図5に示すb-b´線に沿う表示パネルの概略的な断面図。
図7図5に示すc-c´線に沿う表示パネルの概略的な断面図。
図8】第1比較例について説明するための図。
図9図8に示すd-d´線に沿う第1比較例における表示パネルの概略的な断面図。
図10図8に示すe-e´線に沿う第1比較例における表示パネルの概略的な断面図。
図11】第2比較例における表示パネルの概略的な断面図。
図12】第3比較例における表示パネルの概略的な断面図。
図13】第3比較例における表示パネルの概略的な断面図。
図14】第1変形例を示す図。
図15】第2変形例を示す図。
図16】第3変形例を示す図。
図17】スペーサの他の例を示す図。
図18】第3コンタクトホールの内部に黒色層を配置する構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本実施形態においては、表示装置の一例として、透過型の液晶表示装置を開示する。この表示装置は、例えばVR(Virtual Reality)ビュアー、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器、デジタルカメラ用モニタ等の種々の装置に用いることができる。
【0011】
なお、本実施形態は、カラーフィルタを備えた他種の表示装置に対する適用を妨げるものではない。例えば、本実施形態にて開示する構成の少なくとも一部は、反射型の液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス素子やマイクロLEDを備える自発光型の表示装置、電気泳動素子を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical System)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置等にも適用可能である。
【0012】
図1は、本実施形態に係る表示装置(液晶表示装置)DSPの外観の一例を示す斜視図である。本実施形態においては、図1に示すようにX方向、Y方向及びZ方向を定義する。X方向、Y方向及びZ方向は、例えば互いに垂直に交わる方向であるが、垂直以外の角度で交わってもよい。Z方向の矢印が示す方向を上または上方と呼び、その反対方向を下または下方と呼ぶことがある。また、Z方向と平行に表示装置DSPやその構成要素を見ることを平面視と称する。
【0013】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、照明装置BL(バックライト)と、第1偏光板PL1とを備えている。これら表示パネルPNL、照明装置BL及び第1偏光板PL1は、Z方向に積層されている。なお、表示パネルPNL及び照明装置BLの間には、後述する第2偏光板が配置されている。
【0014】
表示パネルPNLは、第1基板SU1(アレイ基板)と、第2基板SU2(対向基板)とを備えている。また、図1においては示されていないが、第1基板SU1及び第2基板SU2の間には後述する液晶層が配置されている。第1基板SU1は、接続部CNを備えている。接続部CNは、フレキシブル回路基板やICチップ等の信号供給源を接続するための端子を含む。
【0015】
例えば、照明装置BLは、第1基板SU1と対向する導光板と、この導光板の端部に沿って配置された光源と、導光板と表示パネルPNLとの間に配置されたプリズムシートや拡散シート等の光学シートとを備えている。光源は、例えば青色発光ダイオードに蛍光体を積層した構造を有しており、白色光を導光板に照射する。なお、光源の構成は、この例に限定されない。
【0016】
図2は、第1基板SU1の一例を概略的に示す斜視図である。第1基板SU1は、表示領域DAと、表示領域DAの外側に配置された一対の駆動回路PCとを備えている。表示領域DAは、X方向及びY方向に行列状に配列された多数の画素PXを含む。画素PXは、例えば赤色、緑色及び青色を表示する複数の副画素SPを含む。画素PXは、白色等の他の色を表示する副画素SPを含んでいてもよい。駆動回路PCは、副画素SPを駆動するための信号(後述の走査信号)を供給する。
【0017】
図3は、副画素SPの一例を概略的に示す平面図である。第1基板SU1は、複数の走査線Gと、複数の信号線Sとを備えている。複数の走査線Gは、X方向に延びるとともにY方向に並んでいる。複数の信号線Sは、Y方向に延びるとともにX方向に並んでいる。隣り合う2本の走査線Gと、隣り合う2本の信号線Sとで区画される領域が1つの副画素SPの開口部(開口領域)APに相当する。
【0018】
第1基板SU1は、各副画素SPに対して設けられた画素電極PEと、スイッチング素子SWと、中継電極REとを備えている。スイッチング素子SWは、半導体層SCを含む。半導体層SC、中継電極RE、画素電極PE及び共通電極CEは、この順でZ方向に積層されている。図3においては、画素電極PE及び共通電極CEを鎖線で示している。
【0019】
信号線Sと半導体層SCとは、第1コンタクトホールCH1を通じて接している。半導体層SCと中継電極REとは、第2コンタクトホールCH2を通じて接している。中継電極REと画素電極PEとは、第3コンタクトホールCH3を通じて接している。
【0020】
第1コンタクトホールCH1と第2コンタクトホールCH2との間において、半導体層SCは弧状に曲がり、走査線Gと1回交差している。図3に示す例においては、半導体層SCが走査線Gの下方に位置している。一方、中継電極REは、第2コンタクトホールCH2内の部分を除いて走査線Gの上方に位置している。中継電極REは、例えば角が丸まった矩形状であり、開口部AP及び走査線Gの双方と重なっている。
【0021】
画素電極PEは、中継電極REよりも面積が大きく、開口部APの大部分と重なっている。図3に示す例においては、画素電極PEが図中下段の走査線G(当該副画素SPの半導体層SCと交差する走査線G)と重なっているが、図中上段の走査線Gとは重なっていない。
【0022】
共通電極CEは、各副画素SPにおいてスリットSLを有している。なお、図3においては1つの副画素SPのスリットSLのみを示し、当該副画素SPに隣接する他の副画素SPのスリットSLを省略している。スリットSLの少なくとも一部は、副画素SPの対角線方向に沿って曲がっている。スリットSLは、全体的に画素電極PEと重なっている。図3に示す例においては、スリットSLが図中下段の走査線G(当該副画素SPの半導体層SCと交差する走査線G)と重なっているが、図中上段の走査線Gや各信号線Sとは重なっていない。また、スリットSLは第2コンタクトホールCH2と第3コンタクトホールCH3のそれぞれに重なり、また半導体層SCとも開口部APにて重なっている。
【0023】
第2コンタクトホールCH2は、開口部APに位置し、画素電極PE及びスリットSLと重なっている。また、第3コンタクトホールCH3は、半導体層SC、走査線G及びスリットSLと重なっている。他の観点からいうと、第3コンタクトホールCH3は、走査線Gと半導体層SCとが交差する領域と重なっている。
【0024】
なお、半導体層SC、中継電極RE、画素電極PE及びスリットSLの形状は図3に示したものに限定されず、他の種々の形状を適用し得る。また、第1コンタクトホールCH1、第2コンタクトホールCH2及び第3コンタクトホールCH3の位置も適宜に変形し得る。
【0025】
共通電極CEには、共通電圧が印加されている。走査線Gに走査信号が供給されるとスイッチング素子SWがオンされ、信号線Sに供給される映像信号が中継電極REを介して画素電極PEに印加される。このとき、スリットSLの近傍においては画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が生じる。
【0026】
このような電界が発生していない状態において、上記した第1基板SU1及び第2基板SU2の間に配置される液晶層に含まれる液晶分子は、長軸が初期配向方向ADと平行になるように配向されている。液晶分子は、例えば正の誘電率異方性を有しており、上記電界が液晶層に作用すると長軸が当該電界の方向を向くように回転する。画素電極PEと共通電極CEの重畳部分は、スイッチング素子SWがオフされている期間において液晶分子の配向状態を保つための保持容量として機能する。
【0027】
なお、図3に示す例においては初期配向方向ADがY方向と平行であるが、この例に限られない。また、液晶層LCは、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでいてもよい。負の誘電率異方性を有する液晶分子を含む場合、初期配向方向ADはX方向となる。正の誘電率異方性を有する液晶分子は、負の誘電率異方性を有する液晶分子に比べ応答性に優れ、VRビュアーとして利用するのに適している。
【0028】
図4は、図3に示すa-a´線に沿う表示パネルPNLの概略的な断面図である。第1基板SU1は、上記したように半導体層SC、走査線G、信号線S、中継電極RE、画素電極PE及び共通電極CEを備えている。更に、第1基板SU1は、第1基材B1、遮光層LS、第1アンダーコート層UC1、第2アンダーコート層UC2、第1絶縁層IL1、第2絶縁層IL2、第3絶縁層IL3(平坦化層)、第4絶縁層IL4、カラーフィルタ層CF及び第1配向膜AL1を備えている。
【0029】
遮光層LSは、第1基材B1の上面に設けられている。第1アンダーコート層UC1は、遮光層LS及び第1基材B1の上面を覆っている。第2アンダーコート層UC2は、第1アンダーコート層UC1を覆っている。半導体層SCは、第2アンダーコート層UC2の上に設けられている。半導体層SCと走査線Gとが交差する領域は、遮光層LSと対向している。第1絶縁層IL1は、半導体層SC及び第2アンダーコート層UC2を覆っている。走査線Gは、第1絶縁層IL1の上に設けられている。第2絶縁層IL2は、走査線G及び第1絶縁層IL1を覆っている。
【0030】
信号線S及び中継電極REは、第2絶縁層IL2の上に設けられている。カラーフィルタ層CFは、信号線S、中継電極RE及び第2絶縁層IL2を覆っている。第3絶縁層IL3は、中継電極RE、第2絶縁層IL2及びカラーフィルタ層CFを覆っている。画素電極PEは、第3絶縁層IL3の上に設けられている。第4絶縁層IL4は、画素電極PE及び第3絶縁層IL3を覆っている。共通電極CEは、第4絶縁層IL4の上に設けられており、複数の副画素SPにわたって延在している。共通電極CEは、上述のスリットSLを有している。第1配向膜AL1は、共通電極CE及び第4絶縁層IL4を覆っている。
【0031】
第2基板SU2は、第2基材B2及び第2配向膜AL2を備えている。第2配向膜AL2は、第2基材B2の下面を覆っている。第1配向膜AL1と第2配向膜AL2の間には上述の液晶層LCが配置されている。
【0032】
第1偏光板PL1は、第2基材B2の上面に配置されている。第2偏光板PL2は、第1基材B1の下面に配置されている。第1偏光板PL1と第2偏光板PL2との吸収軸は、互いに直交している。例えば第1偏光板PL1の吸収軸は上述の初期配向方向ADと平行であり、この場合においてはノーマリブラック型の表示装置DSPを得ることができる。
【0033】
上記した第1基材B1及び第2基材B2は、例えば厚さが0.2mm程度のホウケイサンガラス製とすることができるが、ポリイミドのような樹脂製であってもよい。第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、例えば光配向処理が施されたポリイミド膜であるが、ラビング配向処理が施されたポリイミド膜であってもよい。これら第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、上述の初期配向方向ADに液晶分子を配向する。
【0034】
第1アンダーコート層UC1は、例えば酸化珪素膜である。第2アンダーコート層UC2は、例えば窒化珪素膜である。第1絶縁層IL1は、例えば酸化珪素膜である。第2絶縁層IL2は、例えば窒化珪素膜である。第3絶縁層IL3は、透明なポジ型のフォトレジストを用いて形成される。第4絶縁層IL4は、例えば低温成膜された窒化珪素膜である。
【0035】
カラーフィルタ層CFには、複数の副画素SPの各々に対応する複数のカラーフィルタが配置されている。具体的には、カラーフィルタ層CFに配置される複数のカラーフィルタには、赤色を表示する副画素SPに対応するカラーフィルタCFRと、緑色を表示する副画素SPに対応する緑色のカラーフィルタCFGと、青色を表示する副画素SPに対応する青色のカラーフィルタCFBとが含まれる。なお、カラーフィルタCFRは赤色を表示する副画素SPと重畳する位置に配置され、カラーフィルタCFGは緑色を表示する副画素SPと重畳する位置に配置され、カラーフィルタCFBは青色を表示する副画素SPと重畳する位置に配置される。
【0036】
カラーフィルタCFR,CFG,CFBは、それぞれ赤色、緑色、青色の顔料を含むネガ型のフォトレジストから形成される。
【0037】
中継電極RE、画素電極PE及び共通電極CEは、例えばITO(インジウム・ティン・オキサイド)のような透明導電材料である。走査線G及び遮光層LSは、例えばモリブデンタングステン合金製である。信号線Sは、例えばチタン、アルミニウム、チタンを順に積層した3層構造を有する。半導体層SCは、例えばIZO(インジウム・ジンク・オキサイド)を含む金属酸化物半導体である。
【0038】
なお、第1基板SU1及び第2基板SU2の各要素は、以上例示した材料に限定されることなく、種々の材料で形成することができる。例えば半導体層はSCは、酸化物半導体に限らずポリシリコンであってもよく、アモルファスシリコンであってもよい。
【0039】
第1コンタクトホールCH1及び第2コンタクトホールCH2は、いずれも第1絶縁層IL1及び第2絶縁層IL2を貫通している。第3コンタクトホールCH3は、第3絶縁層IL3を貫通している。信号線Sは、第1コンタクトホールCH1を通じて半導体層SCに接している。中継電極REは、第2コンタクトホールCH2を通じて半導体層SCに接している。画素電極PEは、第3コンタクトホールCH3を通じて中継電極REに接している。
【0040】
なお、表示パネルPNLの構造は、図4に示した例に限られない。図4に示す例では、共通電極CEが画素電極PEと液晶層LCとの間に位置しているが、例えば画素電極PEと共通電極CEとは同じ層に配置されてもよいし、液晶層LCと共通電極CEとの間に画素電極PEが配置されてもよい。また、共通電極CEは、第2基板SU2に配置されてもよい。また、第1基板SU1または第2基板SU2は、遮光層LS、走査線G及び信号線S以外の遮光層を備えてもよい。その他にも、表示パネルPNLは種々の態様に変形することができる。
【0041】
ところで、本実施形態に係る表示装置DSPは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBがスイッチング素子SW(アクティブ素子)と同一の基板(アレイ基板)上に形成されるCOA(Color filter On Array)型の構成を有する。この場合、カラーフィルタCFR,CFG,CFBは、混色抑制効果を確実にするためスイッチング素子SWと液晶層LCとの間に形成される。このため、画素電極PEとスイッチング素子とを接続するための第3コンタクトホールCH3は、カラーフィルタ層CF及び第3絶縁層IL3を貫くように形成される。ここで混色とは純色表示時に色相が左右非対称に変化し、特にその片側で色相が大きく変化する現象で、広視野角を特徴とするIPS(In Plane Switching)方式やIPS方式の一種であるFFS(Fringe Field Switching)方式に特有である。
【0042】
なお、カラーフィルタ層CF(カラーフィルタCFR,CFG,CFB)の断面形状は色毎に異なる。このため、本実施形態においては、第3コンタクトホールCH3をカラーフィルタ層CFには直接形成せず、カラーフィルタCFR,CFG,CFB間を第3絶縁層IL3で埋めて、当該第3絶縁層IL3に第3コンタクトホールCH3を形成する。
【0043】
しかしながら、このような構成の場合には、第3コンタクトホールCH3のサイズが過大になるか、もしくはスペーサSOAの下地となる第3絶縁膜層IL3の表面形状が平坦にならないことでスペーサSOAの保持機能が不十分になり、あるいはまたカラーフィルタCFR,CFG,CFBが剥離しやすい場合があり、当該カラーフィルタCFR,CFG,CFBの剥離による不具合が生じることによって、表示装置DSPの信頼性が低下する可能性がある。
【0044】
また、図4に示すように、カラーフィルタ層CF及び第3絶縁層IL3を合わせた層の厚さは、第1絶縁層IL1及び第2絶縁層IL2を合わせた層の厚さよりも大きい。この場合、第3コンタクトホールCH3は、第1コンタクトホールCH1及び第2コンタクトホールCH2に比べて深く形成される。また、この場合における第3コンタクトホールCH3の平面視における径は、第1コンタクトホールCH1及び第2コンタクトホールCH2よりも大きくなる。
【0045】
すなわち、本実施形態に係る表示装置DSPにおいて高開口率化を実現するためには、第3コンタクトホールCH3の小型化が重要である。具体的には、第3コンタクトホールCH3は直接にはカラーフィルタ層CFを覆う第3絶縁層IL3を貫通しているが、当該第3コンタクトホールCH3を小型化するためには、当該第3絶縁層IL3の膜厚を低減する必要がある。
【0046】
更に、図4においては示されていないが、第1基板SU1及び第2基板SU2の間には、液晶層LCを形成する第1基板SU1及び第2基板SU2の間隙を保持するための保持部材としてスペーサ(SOA:Spacer On Array)が配置される。スペーサは例えば液晶層LCの厚さ(セルギャップ)を均一にするために用いられるが、第3絶縁層IL3(平坦化層)は、このスペーサを配置する下地を平坦化するために形成されている。換言すれば、スペーサが液晶層LCを安定して保持するためには当該スペーサの頂部が平坦でなければならないが、スペーサの頂部を平坦とするためには、当該スペーサの下地(つまり、第3絶縁層IL3)が平坦でなければならない。
【0047】
そこで、本実施形態に係る表示装置DSPは、上記したカラーフィルタCFR,CFG,CFBの剥離抑制、第3絶縁層IL3の膜厚低減、及びスペーサの下地の平坦化を両立するための構成を有する。
【0048】
図5は、本実施形態におけるカラーフィルタCFR,CFG,CFBの形状及び配置について説明するための図である。カラーフィルタCFR,CFG,CFBは、それぞれ赤色を表示する副画素SPR、緑色を表示する副画素SPG、青色を表示する副画素SPBに対応するように形成されている。なお、図5に示す副画素SPR,SPG,SPBは、走査線Gと信号線Sとで区画される各副画素SPの開口部(開口領域)を表している。
【0049】
ここで、図5に示す例えばカラーフィルタCFRは、大小2つの島状構造から構成されている。具体的には、カラーフィルタCFRは、平面視において副画素SPRの開口部と重畳する位置に形成される第1フィルタ部CFR1と、当該第1フィルタ部CFR1と少なくとも一部が連結され、平面視において当該副画素SPRの非開口部(つまり、開口部以外の領域)と重畳する位置に形成される第2フィルタ部CFR2(第2フィルタ部)とを含む。具体的には、第2フィルタ部CFR2は、走査線Gと信号線Sとが交差する領域に重畳する位置に形成される。
【0050】
また、第1フィルタ部CFR1及び第2フィルタ部CFR2はそれぞれ矩形状を有し、第2フィルタ部CFR2の面積は、第1フィルタ部CFR1の面積よりも小さい。ただし大小2つの島状構造の双方もしくは片方は矩形状に限らず、矩形所の角部に丸みを帯びた部分があってもよく、多角形状の島状構造であってもよく、円形の島状構造であってもよい。
【0051】
なお、図5に示す例では、複数の副画素SPRの各々に対応する全てのカラーフィルタCFRが上記した第1フィルタ部CFR1及び第2フィルタ部CFR2を含む平面形状となるように形成されている。
【0052】
本実施形態において、複数の副画素SPR(カラーフィルタCFR)は、複数の副画素SP(画素PX)が配列されるX方向及びY方向に対して斜め方向に隣接する。なお、複数の副画素SPRが隣接する方向とは、例えば当該複数の副画素SPRの各々の開口部(第1フィルタ部CFR1)の中心が配置される方向等に相当する。図5に示す例では、複数の副画素SPRは、左上から右下方向に隣接している(連なっている)。
【0053】
カラーフィルタCFRに含まれる第2フィルタ部CFR2は、上記した複数の副画素SPRが隣接する斜め方向に沿う直線上には配置されない(当該直線上から外れた位置に形成される)。換言すれば、1つのカラーフィルタCFRにおいて第1フィルタ部CFR1と第2フィルタ部CFR2とが連結される方向は、上記した複数の副画素SPRが隣接する方向とは異なる。図5に示す例では、上記したように複数の副画素SPRが左上から右下方向に隣接しているのに対して、各カラーフィルタCFRに含まれる第2フィルタ部CFR2は第1フィルタ部CFR1の右上方向に連結されている(並んでいる)。
【0054】
ここでは、カラーフィルタCFRについて説明したが、他のカラーフィルタCFG,CFBについてもカラーフィルタCFRと同様の平面形状を有し、当該カラーフィルタCFRと同様に配置されている。なお、複数のカラーフィルタCFGの各々は第1フィルタ部CFG1及び第2フィルタ部CFG2を含み、複数のカラーフィルタCFBは第1フィルタ部CFB1及び第2フィルタ部CFB2を含む。
【0055】
また、本実施形態において、上記したスペーサSOAは、例えば円柱状に形成され、カラーフィルタCFR,CFG,CFBに含まれる第2フィルタ部CFR2,CFG2,CFB2と重畳する位置に配置される。なお、スペーサSOAは、全ての第2フィルタ部CFR2,CFG2,CFB2に重畳する位置に配置される必要はなく、液晶層LCを形成する第1基板SU1及び第2基板SU2の間隙を適切に保持する(つまり、ギャップ異常を抑制する)ことができる位置に配置されていればよい。図5においては、スペーサSOAが1つの第2フィルタ部CFR2と重畳する位置に配置された例が示されている。
【0056】
また、第3コンタクトホールCH3は、X方向に隣接する2つの副画素SPの各々に対応するカラーフィルタに含まれる第2フィルタ部間に形成されている。換言すれば、第3コンタクトホールCH3は、カラーフィルタCFR,CFG,CFB(2つの大きな島状構造と2つの小さな島状構造)に囲まれた間隙部に形成される。
【0057】
なお、図5においては、第3コンタクトホールCH3が形成される間隙部以外にもカラーフィルタCFR,CFG,CFB間に一定の隙間が設けられているが、当該間隙部以外においてはカラーフィルタCFR,CFG,CFBは隙間がないように密着していてもよい。
【0058】
図6は、図5に示すスペーサSOAを含み、信号線Sに平行なb-b´線に沿う表示パネルPNLの概略的な断面図である。なお、図6においては、上記した図4と同一の部分には同一参照符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0059】
図6に示すように、スペーサSOAは、カラーフィルタCFR(に含まれる第2フィルタ部CFR2)と重畳する位置に配置されている。
【0060】
すなわち、本実施形態においては、カラーフィルタCFRに含まれる第2フィルタ部CFR2上に第3絶縁層IL3が形成されていることによって、スペーサSOAの下地を平坦化することができ、スペーサSOAが当該平坦化された下地に配置されることによって、当該スペーサSOAの頂部も平坦化される。
【0061】
これによれば、スペーサSOAの頂部の面積(つまり、第2基板SU2と接する面積)を広くすることができ、図6に示すような台形状のスペーサSOAによって液晶層LCが形成される間隙を良好に保持することができる。
【0062】
図7は、図5に示すスペーサSOA及び第3コンタクトホールCH3を含み、走査線Gに平行なc-c´線に沿う表示パネルPNLの概略的な断面図である。なお、図7においては、上記した図4と同一の部分には同一参照符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0063】
図7においては、2つの第3コンタクトホールCH3がスペーサSOAの近傍に形成されている。なお、図7に示すスペーサSOAの左側の第3コンタクトホールCH3は、図5に示すスペーサSOAと重畳する位置に形成されている第2フィルタ部CFR2と、当該第2フィルタ部CFR2を含むカラーフィルタCFRの左側に位置するカラーフィルタCFBに含まれる第2フィルタ部CFB2との間に形成されているコンタクトホールである。一方、図7に示すスペーサSOAの右側の第3コンタクトホールCH3は、図5に示すスペーサSOAと重畳する位置に形成されている第2フィルタ部CFR2と、当該第2フィルタ部CFR2を含むカラーフィルタCFRの右側に位置するカラーフィルタCFGに含まれる第2フィルタ部CFG2との間に成されているコンタクトホールである。
【0064】
本実施形態においては、第3コンタクトホールCH3を形成する前の段階で第3絶縁層IL3の上部が十分に平坦化されているため、図7に示すように、当該第3コンタクトホールCH3を断面が逆台形状となるように形成することができる。このように第3コンタクトホールCH3の断面を逆台形状に形成することにより、第3コンタクトホールCH3間(つまり、スペーサSOAが配置される面)も適切に平坦化することができる。
【0065】
なお、第3コンタクトホールCH3の頂部径は例えば3.1μm、底部径は例えば1.8μmである。このような第3コンタクトホールCH3であれば、当該第3コンタクトホールCH3は十分に小さく、各副画素SPの開口部に影響を及ぼすことはない。
【0066】
ここで、カラーフィルタ層CF(カラーフィルタCFR,CFG,CFB)は、例えばアクリル樹脂と顔料の混合物からなるネガ型のフォトレジストから形成される。アクリル樹脂はi線を吸収して光重合するが、カラーフィルタCFGは、緑色の顔料の光吸収のため、i線透過率が低い。一方、カラーフィルタCFR,CFBは、i線透過率が高い。このため、カラーフィルタCFGは、カラーフィルタCFR,CFBと比較して、剥離しやすい。
【0067】
この場合において、例えばカラーフィルタCFR,CFBを先に形成し、当該形成されたカラーフィルタCFR,CFBの後にカラーフィルタCFGが形成されるものとすると、カラーフィルタCFR,CFBにカラーフィルタCFGが重なることによって膜厚が増大した部分では、底部まで光が届かずカラーフィルタCFGの剥離の原因となる。
【0068】
このため、本実施形態においては、カラーフィルタCFGを最初に形成し、その後、カラーフィルタCFR,CFBを順次形成するものとする。この場合、最初に形成されたカラーフィルタCFGにカラーフィルタCFR,CFBが重なることによって膜厚が増大した(つまり、カラーフィルタCFR,CFBを二層目以降にパターン形成した)としても、カラーフィルタCFR,CFBはi線透過率が高い(つまり、底部まで光が届く)ため、剥離が生じる可能性は低い。カラーフィルタCFR,CFBが形成される順番については、カラーフィルタCFRが先に形成されてもよいし、カラーフィルタCFBが先に形成されてもよい。
【0069】
なお、カラーフィルタCFR,CFBは、上記したようにi線透過率が高いため、形成時に残渣が発生しやすい。しかしながら、カラーフィルタCFR,CFBの形成において十分な現像時間を確保することができれば残渣の発生を抑制することは可能である。
【0070】
上記したように本実施形態において、カラーフィルタCFR,CFG,CFBの各々は、平面視において対応する副画素SPの開口部と重畳する位置に形成される第1フィルタ部と、当該第1フィルタ部と少なくとも一部が連結され、平面視において当該副画素SPの非開口部と重畳する位置に形成される第2フィルタ部とを含む平面形状を有する。また、第1フィルタ部及び第2フィルタ部は矩形状を有し、第2フィルタ部の面積は第1フィルタ部の面積よりも小さい。また、第2フィルタ部は、走査信号が供給される走査線Gと映像信号が供給される信号線Sとが交差する領域と重畳する位置に形成される。
【0071】
本実施形態においては、上記したようにカラーフィルタCFR,CFG,CFBを大小2つの矩形部分を連結した形状(大小2つの島状構造)とすることで、例えば図8に示すようなカラーフィルタCFR,CFG,CFBが単体の島状構造を有する構成(以下第1比較例と表記)と比較して、カラーフィルタCFR,CFG,CFBの面積を大きくすることができ、剥離を生じにくくすることができる。これにより、本実施形態においては、カラーフィルタCFR,CFG,CFBが剥離することによる表示装置DSPの不具合を回避し、当該表示装置DSPの信頼性の低下を抑制することができる。
【0072】
ここで、図9は、図8に示すスペーサSOAを含み、信号線Sに平行なd-d´線に沿う第1比較例における表示パネルの概略的な断面図である。なお、図9において、上記した図6と同様の部分には当該図6と同一の参照符号が付されている。
【0073】
図9に示すように、第1比較例においては、スペーサSOAの下部にカラーフィルタが形成されていない。図9に示す第3絶縁層IL3(平坦化膜)の塗布量が上記した図6に示す場合と同等であるものとすると、カラーフィルタが形成されていない部分が増加したことにより、第1比較例においては、カラーフィルタCFGとカラーフィルタCFBとの間の第3絶縁層IL3は上面が下方に凸となり、十分に平坦化されない。
【0074】
また、図10は、図8に示すスペーサSOA及び第3コンタクトホールCH3を含み、走査線Gに平行なe-e´線に沿う第1比較例における表示パネルの概略的な断面図である。なお、図10において、上記した図7と同様の部分には当該図7と同一の参照符号が付されている。
【0075】
図10に示す第1比較例においては、図9において説明した上面が下方に凸となっている第3絶縁層IL3に第3コンタクトホールCH3を形成しているため、第3コンタクトホールCH3の断面は本実施形態(図7に示す第3コンタクトホールCH3)のような逆台形状にはならず、第3絶縁層IL3は、信号線S上で半楕円状(かまぼこ状)となっている。
【0076】
上記したように本実施形態においてスペーサSOAは概ね台形状を有するが、図9及び図10に示すような平坦でない第3絶縁層IL3上に形成されたスペーサSOAは台形状にはならず、当該スペーサSOAの頂部は凸状となる。これによれば、スペーサSOAが第2基板SU2と接する面積は狭くなり、液晶層LCを十分に保持することができない。結果として、液晶層LCの層厚が不均一となる。
【0077】
これに対して、本実施形態においては、液晶層LCを形成する第1基板SU1及び第2基板SU2の間隙を保持するスペーサSOA(保持部材)を第2フィルタ部と重畳する位置に配置する構成により、スペーサSOA(ポストスペーサ)の基部を確保し、頂部の平坦性が良好なスペーサSOAを得ることができる。結果として、液晶層LCを十分に保持することができる。
【0078】
なお、上記した第1比較例においては液晶層LCを十分に保持することができないため、例えば図11に示すように、当該第1比較例におけるスペーサSOAのサイズを増大させる構成(以下、第2比較例と表記)が考えられる。
【0079】
この第2比較例によれば、スペーサSOAのサイズを増大させることにより当該スペーサSOAの第2基板SU2と接する面積を増やすことができるため、液晶層LCの層厚をより均一にすることは可能である。しかしながら、第2比較例においては、サイズを増大したスペーサSOAが開口部に影響を与えることになるため、表示装置におけるコントラスト比が低下する。
【0080】
これに対して、本実施形態においては、スペーサSOAが開口部に影響を与えることはないため、第2比較例のようにコントラスト比を低下させることはない。
【0081】
更に、上記した第1比較例においてはスペーサSOAを配置する下地を平坦化することができていないため、図12及び図13に示すように、当該第1比較例における第3絶縁層IL3の膜厚を増大させる構成(以下、第3比較例と表記)が考えられる。
【0082】
この第3比較例によれば、カラーフィルタCFGとカラーフィルタCFBとの間隙部分を平坦化することは可能である。しかしながら、第3比較例においては、第3絶縁層IL3の膜厚の増大により、第3コンタクトホールCH3のサイズが大きくなる。具体的には、第3コンタクトホールCH3の頂部径は例えば4.6μm、底部径は例えば2.2μm、深さ(Z方向の長さ)は例えば4.7μmとなる。
【0083】
ここで、スペーサSOAは平面視において第3コンタクトホールCH3と重畳しない位置に配置する必要がある。このため、図13に示すようなサイズの大きな第3コンタクトホールCH3が形成された場合には、スペーサSOAが第3コンタクトホールCH3と重畳しないように、当該スペーサSOAの底部の面積を縮小しなければならい。この場合、スペーサSOAの断面形状は図12及び図13に示すような形状に変化し、当該スペーサSOAの頂部の平坦性が悪化する。結果として、スペーサSOAの第2基板SU2と接する面積が減少し、液晶層LCを十分に保持することができない。
【0084】
これに対して、本実施形態においては、第3コンタクトホールCH3を十分小さく形成することが可能であるため、スペーサSOAの底部の面積を確保し、当該スペーサSOAの第2基板SU2と接する面積を広くすることができる。
【0085】
すなわち、本実施形態においては、第3コンタクトホールCH3を形成する領域以外の領域をカラーフィルタCFR,CFG,CFBで広く覆う(つまり、カラーフィルタCFR,CFG,CFB間の隙間を小さくする)ことにより、第3絶縁層IL3の元となるフォトレジストの塗布膜厚を低減でき、当該第3絶縁層IL3の薄膜化を実現することができる。これによれば、例えば図13に示す第3コンタクトホールCH3と比較して十分に小さい第3コンタクトホールCH3を形成することが可能となる。更に、第3コンタクトホールCH3はカラーフィルタCFR,CFG,CFBに囲まれた間隙部に形成されるため、当該第3コンタクトホールCH3を安定して形成することができる。
【0086】
更に、本実施形態においては、例えばその頂部が最も平坦なカラーフィルタCFRに含まれる第2フィルタ部CFR2と重畳する位置にスペーサSOAを配置することにより、スペーサSOAを配置する下地を平坦化することができ、スペーサSOAによる安定した液晶層LCの保持を実現することができる。
【0087】
本実施形態においては、このように第3コンタクトホールCH3のサイズの低減(第3絶縁層IL3の膜厚低減)と、液晶層LCの保持(スペーサの下地の平坦化)とを両立することによって、表示装置DSPの信頼性の低下を更に抑制することが可能となり、例えばVRビュアー等として利用可能な高精細かつ高効率の表示装置を提供することができる。
【0088】
なお、本実施形態においては、スペーサSOAがカラーフィルタCFRに含まれる第2フィルタ部CFR2と重畳する位置に配置されるものとして説明したが、スペーサSOAは、他のカラーフィルタに含まれる第2フィルタ部と重畳する位置に配置されてもよい。ここで、スペーサSOAと重畳する位置に形成されたカラーフィルタに対応する副画素SP(つまり、当該カラーフィルタで開口部が覆われた副画素SP)で表示される色は、スペーサSOAが配置されることによる液晶層LC(液晶分子)の配向の乱れ等によって、他の副画素SPで表示される色と異なる場合がある。この場合、人間の眼の色分解能は青色の感度が低いこと、並びに透過率が低いことを考慮すると、スペーサSOAはカラーフィルタCFBに含まれる第2フィルタ部CFB2と重畳する位置に配置するようにしてもよい。
【0089】
また、本実施形態において、複数の副画素SPのうちの同一の色を表示する副画素SP(第1及び第2画素)は、図5に示すように当該副画素SPが配列されるX方向(第1方向)及びY方向(第2方向)に対して斜め方向に隣接する(すなわち、色毎に斜めストライプをなすように副画素SPR,SPG,SPBが配列される)。
【0090】
一般的にはカラーフィルタの配列は、同色のカラーフィルタをY方向にストライプ状に配置するストライプ配列と、本実施形態のように同色のカラーフィルタをX方向及びY方向に対して斜め方向(X方向及びY方向と交差する対角方向)に配列させるモザイク配列とが知られている。モザイク配列においては、カラーフィルタCFR,CFG,CFBがこの順でX方向に並んでおり、カラーフィルタCFR,CFG,CFBがこの順でY方向に並んでいる。モザイク配列は、微細な色表現が可能なことから、特にVRビュアーのような製品に適している。またVRビュアーのように高解像度が求められる場合には、副画素SPを例えば1000ppi以上に高精細化することが好ましく、2000ppi以上に高精細化すれば一層好ましい。例えば、2000ppiの本実施形態における副画素SPは、縦横比が4:3(Y方向:X方向)であり、一例として副画素の大きさは8.4μm×6.3μmとしている。さらに、このような高精細に加え、カラーフィルタCFR,CFG,CFBがX方向及びY方向において分散されるために、X方向及びY方向における表示むらがユーザの目によって認識されにくくなる。
【0091】
更に、本実施形態において、上記したように斜め方向に隣接する同一の色を表示する副画素SPの各々に対応するカラーフィルタ(第1及び第2カラーフィルタ)に含まれる第2フィルタ部は、当該斜め方向に沿う直線上から外れた位置に形成される(つまり、当該直線上に配置されない)。具体的には、例えば副画素SPR(に対応するカラーフィルタCFR)が図5に示すように左上から右下方向に隣接している場合、当該カラーフィルタCFRに含まれる第2フィルタ部CFR2は第1フィルタ部CFR1の右上方向に連結される(つまり、第1フィルタ部CFR1及び第2フィルタ部CFR2は、左下から右上方向に並ぶように形成される)。なお、カラーフィルタCFR以外のカラーフィルタCFG,CFBについても同様である。本実施形態においては、このような構成により、複数の副画素SPの各々に対応するカラーフィルタCFR,CFG,CFBを互いに分離するように形成することができるため現像時に現像液が浸透しやすく、当該カラーフィルタCFR,CFG,CFBを形成するためのフォトレジスト(カラーレジスト)の残渣が当該カラーフィルタ周辺に発生することを抑制し、コンタクトが得られやすいという利点がある。
【0092】
本実施形態におけるカラーフィルタCFR,CFG,CFBの形状及び配置に関しては図5を用いて説明したが、当該カラーフィルタCFR,CFG,CFBの形状及び配置は図5に示すものと異なっていてもよい。
【0093】
以下、本実施形態の変形例として第1~第3変形例について説明する。まず、図14は、本実施形態の第1変形例を示す。
【0094】
第1変形例において、斜め方向に隣接する同一の色を表示する副画素SPの各々に対応するカラーフィルタに含まれる第2フィルタ部は、当該斜め方向に沿う直線上に配置される。図14に示すように、例えば副画素SPRが左上から右下方向に隣接している場合、当該副画素SPRに対応するカラーフィルタCFRに含まれる第2フィルタ部CFR2は、第1フィルタ部CFR1の左上に連結されている。この場合、斜め方向に隣接する2つの副画素SPのうちの一方の副画素SPRに対応するカラーフィルタCFR(第1カラーフィルタ)に含まれる第1フィルタ部CFR1は、他方の副画素SPRに対応するカラーフィルタCFR(第2カラーフィルタ)に含まれる第2フィルタ部CFR2と更に連結される。このような構成によれば、カラーフィルタCFRの面積を大きくすることとの相乗効果により、当該カラーフィルタCFRが剥離することを抑制し、当該カラーフィルタCFRを容易に形成することができるという利点がある。ここではカラーフィルタCFRについて説明したが、カラーフィルタCFG,CFBについても同様である。
【0095】
なお、第1変形例においては、前述した本実施形態と同様に、カラーフィルタCFR,CFG,CFBの各々に含まれる第1フィルタ部が副画素SPの開口部を覆い、第2フィルタ部と重畳する位置にスペーサSOAが配置される。図14に示す例では、スペーサSOAは、カラーフィルタCFGに含まれる第2フィルタ部CFG2と重畳する位置に配置されている。
【0096】
図15は、本実施形態の第2変形例を示す。第2変形例においては、複数の副画素SPR,SPG,SPBのうちの1色を表示する副画素SPに対応するカラーフィルタが第1フィルタ部及び第2フィルタ部を含むように形成され、他の色を表示する副画素SPに対応するカラーフィルタは第1フィルタ部に相当する単体の島状構造を含むように形成される。
【0097】
図15に示す例では、カラーフィルタCFR、CFG,CFBのうちのカラーフィルタCFGが第1フィルタ部CFG1及び第2フィルタ部CFG2を含むように形成され、カラーフィルタCFR,CFBは単体の島状構造として形成されている。
【0098】
これによれば、カラーフィルタCFGは第1フィルタ部CFG1及び第2フィルタ部CFG2(大小の矩形部分)を連結した平面形状を有するが、第2変形例において、当該第2フィルタ部CFG2は、第1フィルタ部CFG1の4つの頂点の位置で当該第1フィルタ部CFG1と連結されている。
【0099】
一方、カラーフィルタCFR,CFBは、カラーフィルタCFGに含まれる第1フィルタ部CFG1と同様の大きさの矩形状を有する。
【0100】
ここで、カラーフィルタの中には製造(形成)中に剥離しやすいものと残渣が発生しやすいものとがあるが、カラーフィルタが剥離した場合には輝点となり、残渣が発生した場合にはコンタクトできずに黒点を引き起こしやすくなるため、表示品位の低下の原因となる可能性がある。なお、剥離を抑制するためにはカラーフィルタの面積を大きくすればよく、残渣の発生を抑制するためには個々のカラーフィルタを島状にして他のカラーフィルタから分離して形成すればよい。
【0101】
第2変形例においては、上記したようにカラーフィルタCFGが剥離しやすい点を考慮して、複数のカラーフィルタCFGの各々に含まれる第1フィルタ部CFG1と第2フィルタ部CFG2とを斜め方向(左上から右下方向)に連続的に連結させることにより、カラーフィルタCFGを面積の大きい平面形状として形成している。これによれば、カラーフィルタCFGの剥離を抑制することができる。一方、カラーフィルタCFR,CFBは残渣が発生しやすいが、第2変形例においては、カラーフィルタCFR,CFBをカラーフィルタCFGに囲まれる島状構造として形成している。これによれば、カラーフィルタCFR,CFBにおける残渣の発生を抑制することができる。すなわち、第2変形例においては、剥離抑制と残渣抑制とを同時に実現することができる。
【0102】
なお、第2変形例においては、カラーフィルタCFR、カラーフィルタCFGに含まれる第1フィルタ部CFG1及びカラーフィルタCFBの各々が副画素SPの開口部を覆い、カラーフィルタCFGに含まれる第2フィルタ部CFG2と重畳する位置にスペーサSOAが配置される。
【0103】
図16は、本実施形態の第3変形例を示す。第3変形例においては、副画素SPRはX方向(第1方向)に配置された2つの副画素SPB間に配置され、副画素SPGはX方向に配置された2つの副画素SPR間に配置され、副画素SPBはX方向に配置された2つの副画素SPG間に配置され、副画素SPR,SPG,SPBの各々はY方向(第2方向)においてそれぞれ異なる色を表示する副画素SPと隣接する。
【0104】
すなわち、第3変形例においては、図16に示すように同色のカラーフィルタ(副画素SP)が上方向への一画素分のシフトと下方向への一画素分のシフトとを交互に繰り返しながら横方向に連なる構成を有する。
【0105】
また、X方向及びY方向に対して斜め方向に隣接する例えば2つの副画素SPRにおいて、一方の副画素SPRに対応するカラーフィルタCFRに含まれる第1フィルタ部CFR1は、他方の副画素SPRに対応するカラーフィルタCFRに含まれる第2フィルタ部CFR2と連結される。同様に、X方向及びY方向に対して斜め方向に隣接する例えば2つの副画素SPGにおいて、一方の副画素SPGに対応するカラーフィルタCFGに含まれる第1フィルタ部CFG1は、他方の副画素SPGに対応するカラーフィルタCFGに含まれる第2フィルタ部CFG2と連結される。更に、X方向及びY方向に対して斜め方向に隣接する例えば2つの副画素SPBにおいて、一方の副画素SPBに対応するカラーフィルタCFBに含まれる第1フィルタ部CFB1は、他方の副画素SPBに対応するカラーフィルタCFBに含まれる第2フィルタ部CFB2と連結される。
【0106】
図16に示す例では、例えば左下から右上方向に隣接する2つの副画素SPRの各々に対応する2つのカラーフィルタCFRのうち、右上に位置する副画素SPRに対応するカラーフィルタCFRに含まれる第1フィルタ部CFR1と左下に位置する副画素SPRに対応するカラーフィルタCFRに含まれる第2フィルタ部CFR2とが連結されている。カラーフィルタCFG,CFBについても同様である。
【0107】
図16においては、各カラーフィルタに含まれる第2フィルタ部が第1フィルタ部の右上の頂点の位置で当該第1フィルタ部と連結されているが、第2フィルタ部は、当該第1フィルタ部の左上の頂点の位置で当該第1フィルタ部と連結されてもよい。この場合には、左上から右下方向に連なるように2つのカラーフィルタを連結すればよい。
【0108】
上記した第3変形例においては、カラーフィルタCFR,CFG,CFBの繰り返し配列を変えたことにより、図5に示す本実施形態と比較して、左上から右下方向に向かう斜め方向の表示むらが認識されにくくなるという利点があり、例えば格子状のパターンを多く含まない自然画の表示等に適している。
【0109】
なお、第3変形例においては、カラーフィルタCFR,CFG,CFBの各々に含まれる第1フィルタ部が当該カラーフィルタに対応する副画素SPの開口部を覆い、第2フィルタ部と重畳する位置にスペーサSOAが配置される。図16に示す例では、スペーサSOAは、カラーフィルタCFBに含まれる第2フィルタ部CFB2と重畳する位置に配置されている。
【0110】
ここでは、本実施形態の第1~第3変形例について説明したが、本実施形態は、少なくとも1つの色を表示する複数の副画素SPの各々に対応するカラーフィルタが第1フィルタ部及び第2フィルタ部を含むように形成されていればよく、他のカラーフィルタの形状及び配置に適用されても構わない。また、上述した本実施形態及び第1~第3変形例として説明した構成は、表示装置DSPの用途等に応じて適宜選択されればよい。
【0111】
なお、本実施形態においては、スペーサSOAが円柱状に形成されているものとして説明したが、スペーサSOAは他の形状を有するように形成されていてもよい。具体的には、スペーサSOAは、図17に示すようにクロス柱配置のスペーサとして形成されていてもよい。図17に示すスペーサSOAは、例えば第1基板SU1側に形成された走査線Gと同じX方向に延在する柱状(直方体状)の第1スペーサ(第1保持部材)と、第2基板SU2側に形成された信号線Sと同じY方向に延在する柱状(直方体状)の第2スペーサ(第2保持部材)とをクロス状に接触させた構造を有する。このようなスペーサSOAが採用された場合には、液晶層LCの配向の乱れ等を抑制することができる。
【0112】
また、本実施形態において、スペーサSOAは、第2フィルタ部(走査線Gと信号線Sとが交差する領域)と重畳する位置に配置されるため、信号線S及び走査線Gによって遮光されるが、当該スペーサSOAを遮光する遮光層を別途設ける構成としてもよい。
【0113】
更に、本実施形態においては、画素電極PEと液晶層LCとの間に共通電極CEが配置されている。この場合においては、共通電極CEと液晶層LCとの間に画素電極PEが配置された構成と比較して、画素電極PEと中継電極REとの間の距離が小さくなる。このため、第3コンタクトホールCH3のサイズ(直径、深さ)を小さくすることができる。なお、本実施形態は、共通電極CEと液晶層LCとの間に画素電極PEが配置される構成に適用されても構わない。
【0114】
また、本実施形態においては、例えば図18に示すように第3コンタクトホールCH3の内部に黒色層BH(遮光層)を配置する構成としても構わない。なお、この黒色層BHとしては、例えばポジ型のフォトレジストに黒色顔料を混合した黒色フォトレジストを用いることができる。
【0115】
本実施形態においては、第3コンタクトホールCH3が形成される位置ではカラーフィルタは形成されていない。このような構成において高開口率化のために走査線Gの幅を狭くすると、第3コンタクトホールCH3を通過する透過光成分に起因した混色が生じる場合があるが、図18に示す黒色層BHを配置することにより、当該混色を抑制することができる。また、黒色層BHが第3コンタクトホールCH3の内部を満たす構成によれば、第3コンタクトホールCH3を覆う第1配向膜AL1を平坦化することができるため、当該第3コンタクトホールCH3近傍の液晶層LCの配向の乱れを抑制することも可能である。
【0116】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0117】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0118】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0119】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SU1…第1基板、SU2…第2基板、LC…液晶層、PX…画素、SP…副画素、G…走査線、S…信号線、SW…スイッチング素子、PE…画素電極、CE…共通電極、RE…中継電極、CF…カラーフィルタ層、CFR,CFG,CFB…カラーフィルタ、CFR1,CFG1,CFB1…第1フィルタ部、CFR2,CFG2,CFB2…第2フィルタ部、CH1…第1コンタクトホール、CH2…第2コンタクトホール、CH3…第3コンタクトホール、SOA…スペーサ。
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