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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20230904BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230904BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
G02F1/1343
G09F9/30 338
G09F9/302 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019152171
(22)【出願日】2019-08-22
(65)【公開番号】P2021033016
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 恭輔
(72)【発明者】
【氏名】前出 優次
【審査官】小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-014640(JP,A)
【文献】特開2015-092295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343
G09F 9/30
G09F 9/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶層と、を備え、
前記第1基板は、第1方向に延びる走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる信号線と、第1画素電極および第2画素電極を含む複数の画素電極と、前記複数の画素電極と前記液晶層の間に配置された第1共通電極と、前記複数の画素電極の下方に配置された第2共通電極と、前記第1共通電極および前記第2共通電極と同電位の金属層と、を備え、
前記第1共通電極は、前記第1方向または前記第2方向のいずれか一方に延びる複数のサブ電極を有し、
前記複数のサブ電極のそれぞれは、前記走査線または前記信号線よりも広い幅を有する第1部分と、前記第1部分より狭く前記走査線または前記信号線よりも広い幅を有する第2部分と、を有し、
前記第1部分および前記第2部分は、前記複数のサブ電極の延びる方向に交互に配置されており
前記複数のサブ電極の間には、隙間が設けられており、
平面視において、前記隙間は、前記複数の画素電極と重なっており、
平面視において、前記金属層および前記第2共通電極は、前記第1画素電極と前記第2画素電極の間で前記隙間と重なっており、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1部分および前記第2部分は、前記複数のサブ電極の延びる方向と交差する方向において、交互に配置されている、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1部分および前記第2部分は、千鳥状に配置されている、
請求項または2に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一例として、液晶表示装置が知られている(特許文献1~4を参照)。例えば、液晶表示装置は、画素電極および共通電極を含む第1基板と、第1基板に対向する第2基板と、これら基板の間に配置された液晶層とを備えている。
【0003】
高精細な画素を有する液晶表示装置において表示品位を高めるためには、微細な形状の画素電極および共通電極が必要となる。しかしながら、画素電極および共通電極のL/S(ラインアンドスペース)に加工技術上の限界があることから、所望の形状を実現できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-186010号公報
【文献】特開2012-68432号公報
【文献】特開2015-90435号公報
【文献】特開2016-14779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、表示品位を高めることが可能な液晶表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶層と、を備えている。前記第1基板は、第1方向に延びる走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる信号線と、第1画素電極および第2画素電極を含む複数の画素電極と、前記複数の画素電極と前記液晶層の間に配置された第1共通電極と、前記複数の画素電極の下方に配置された第2共通電極と、前記第1共通電極および前記第2共通電極と同電位の金属層と、を備えている。前記第1共通電極は、前記第1方向または前記第2方向のいずれか一方に延びる複数のサブ電極を有している。前記複数のサブ電極のそれぞれは、前記走査線または前記信号線よりも広い幅を有する第1部分と、前記第1部分より狭く前記走査線または前記信号線よりも広い幅を有する第2部分と、を有している。前記第1部分および前記第2部分は、前記複数のサブ電極の延びる方向に交互に配置されている。前記複数のサブ電極の間には、隙間が設けられている。平面視において、前記隙間は、前記複数の画素電極と重なっている。平面視において、前記金属層および前記第2共通電極は、前記第1画素電極と前記第2画素電極の間で前記隙間と重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る液晶表示装置の概略的な断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る表示装置に適用可能な画素レイアウトの一例を示す概略的な平面図である。
図4図4は、第1実施形態における画素電極、第2共通電極および金属層の概略的な平面図である。
図5図5は、第1実施形態における第1共通電極の概略的な平面図である。
図6図6は、第1実施形態における画素電極、第1共通電極、第2共通電極および金属層を重ね合せた状態を示す概略的な平面図である。
図7図7は、図6に示した構成において透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。
図8図8は、比較例に係る表示装置の構成を示す概略的な平面図である。
図9図9は、図8に示した構成において透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。
図10図10は、第2実施形態における画素電極および金属層の概略的な平面図である。
図11図11は、第2実施形態における画素電極、第1共通電極、第2共通電極および金属層を重ね合せた状態を示す概略的な平面図である。
図12図12は、図11に示した構成において透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。
図13図13は、第3実施形態における第1共通電極の概略的な平面図である。
図14図14は、第3実施形態における画素電極、第1共通電極、第2共通電極および金属層を重ね合せた状態を示す概略的な平面図である。
図15図15は、図14に示した構成において透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。
図16図16は、第4実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
図17図17は、第4実施形態における画素電極、第2共通電極および金属層の概略的な平面図である。
図18図18は、第4実施形態における第1共通電極の概略的な平面図である。
図19図19は、第4実施形態における画素電極、第1共通電極、第2共通電極および金属層を重ね合せた状態を示す概略的な平面図である。
図20図20は、図19に示した構成において透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。
図21図21は、比較例および各実施形態の透過率を比較するための表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
各実施形態においては、液晶層を備える液晶表示装置を開示する。ただし、各実施形態は、他種の表示素子を備える表示装置に対する、各実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。他種の表示素子を備える表示装置としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示素子やLight Emitting Diode(LED)表示素子を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子を有する電子ペーパ型の表示装置、Micro Electro Mechanical Systems(MEMS)を応用した表示装置、あるいはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などが挙げられる。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、液晶表示装置1(以下、表示装置1と呼ぶ)の一例を示す図である。図示したようにX方向、Y方向およびZ方向を定義する。これらX,Y,Z方向は、例えば互いに直交するが、90°以外の角度で交わってもよい。本実施形態においては、Z方向と平行に表示装置1を見ることを平面視と呼ぶ。
【0011】
表示装置1は、表示パネルPNLと、電子部品CTと、フレキシブル回路基板FPCとを備えている。表示パネルPNLは、第1基板SUB1(アレイ基板)と、第1基板SUB1に対向する第2基板SUB2(対向基板)と、これら基板SUB1,SUB2の間に配置された液晶層LCとを備えている。
【0012】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの周囲の周辺領域SAとを有している。第1基板SUB1は、第2基板SUB2から突出した実装領域MAを有している。実装領域MAは、周辺領域SAに含まれる。
【0013】
さらに、表示パネルPNLは、複数の走査線Gと、複数の信号線Sと、第1走査ドライバGD1と、第2走査ドライバGD2とを備えている。複数の走査線Gは、表示領域DAにおいてX方向に延びるとともにY方向に並んでいる。複数の信号線Sは、表示領域DAにおいてY方向に延びるとともにX方向に並んでいる。複数の走査線Gの各々は、走査ドライバGD1,GD2のいずれかに接続されている。なお、走査ドライバGD1,GD2の両方に接続されていてもよい。
【0014】
隣り合う2本の走査線Gと隣り合う2本の信号線Sとで区画された領域に、副画素SPが形成されている。表示色の異なる複数の副画素SPにより、カラー画像表示の最小単位となる1つの画素PXが構成される。
【0015】
副画素SPは、スイッチング素子SWと、スイッチング素子SWに接続された画素電極PEとを含む。スイッチング素子SWは、副画素SPに対応する走査線Gに走査信号が供給されたときに、当該副画素SPに対応する信号線Sの電圧(画素電圧)を画素電極PEに印加する。画素電極PEは、共通電圧が印加された共通電極CEとの間で電界を発生する。例えば、共通電極CEは、複数の副画素SPにわたって延びている。各副画素SPにおける電界が液晶層LCに作用することで、表示領域DAに画像が表示される。
【0016】
電子部品CTおよびフレキシブル回路基板FPCは、実装領域MAに実装されている。表示領域DAに表示する映像を表す映像データは、フレキシブル回路基板FPCを介して電子部品CTに供給される。電子部品CTは、供給された映像データに応じた電圧を各信号線Sに供給する。電子部品CTは、表示装置1を制御するコントローラとして機能する。
【0017】
図2は、表示領域DAにおける表示装置1の概略的な断面図である。第1基板SUB1は、第1絶縁基板10と、第1~第6絶縁層11~16と、第1配向膜17と、カラーフィルタ層CFと、走査線Gと、信号線Sと、画素電極PEと、共通電極CEと、スイッチング素子SWと、金属層MLとを備えている。スイッチング素子SWは、半導体層SCと、中継電極REとを備えている。
【0018】
図2の例において、共通電極CEは、画素電極PEと液晶層LCの間に位置する第1共通電極CE1と、画素電極PEの下方(第1絶縁基板10側)に位置する第2共通電極CE2とを含む。
【0019】
第1絶縁層11は、第1絶縁基板10の上面を覆っている。半導体層SCは、第1絶縁層11の上に配置されている。第2絶縁層12は、半導体層SCおよび第1絶縁層11を覆っている。走査線Gは、第2絶縁層12の上に配置されている。第3絶縁層13は、走査線Gおよび第2絶縁層12を覆っている。信号線Sおよび中継電極REは、第3絶縁層13の上に配置されている。カラーフィルタ層CFは、信号線S、中継電極REおよび第3絶縁層13を覆っている。第4絶縁層14は、カラーフィルタ層CFを覆っている。
【0020】
第2共通電極CE2は、第4絶縁層14の上に配置されている。金属層MLは、第2共通電極CE2の上に配置され、走査線Gおよび信号線Sと対向している。第5絶縁層15は、第2共通電極CE2および金属層MLを覆っている。画素電極PEは、第5絶縁層15の上に配置され、第2共通電極CE2と対向している。第6絶縁層16は、画素電極PEを覆っている。第1共通電極CE1は、第6絶縁層16の上に配置され、画素電極PEと対向している。第1配向膜17は、第1共通電極CE1を覆っている。
【0021】
信号線Sは、各絶縁層12,13を貫通する第1コンタクトホールCH1を通じて半導体層SCに接触している。中継電極REは、各絶縁層12,13を貫通する第2コンタクトホールCH2を通じて半導体層SCに接触している。走査線Gは、コンタクトホールCH1,CH2の間で半導体層SCに対向している。第1共通電極CE1は、各絶縁層15,16を貫通する第3コンタクトホールCH3を通じて第2共通電極CE2に接触している。画素電極PEは、各絶縁層14,15およびカラーフィルタ層CFを貫通する第4コンタクトホールCH4を通じて中継電極REに接触している。
【0022】
第2基板SUB2は、第2絶縁基板20と、遮光層21と、オーバーコート層22と、第2配向膜23とを備えている。遮光層21は、第2絶縁基板20の下面に配置されている。オーバーコート層22は、遮光層21および第2絶縁基板20の下面を覆っている。第2配向膜23は、オーバーコート層22を覆っている。第1配向膜17と第2配向膜23の間に、液晶層LCが配置されている。
【0023】
各絶縁基板10,20としては、ガラス基板や樹脂基板を用いることができる。各絶縁層11~13,15,16としては、例えばSiOのような酸化膜やSiNのような窒化膜を適宜に用いることができる。第4絶縁層14は、例えば有機材料で形成され、他の絶縁層11~13,15,16よりも厚く、スイッチング素子SWなどに起因して生じる凹凸を平坦化する。画素電極PEおよび共通電極CEとしては、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料を用いることができる。走査線G、信号線S、中継電極REおよび金属層MLには、各種の金属の単層構造または積層構造を適用することができる。第1配向膜17および第2配向膜23は、例えばポリイミドで形成することができる。
【0024】
図2の例においては、第1基板SUB1と第2基板SUB2の間にスペーサPSが配置されている。スペーサPSは、例えば第2基板SUB2から第1基板SUB1に向けて突出しており、その先端が第1基板SUB1に接触している。スペーサPSは、遮光層21と対向している。このようなスペーサPSは、表示領域DAにおいて複数配置されている。先端が第1基板SUB1に接触しないスペーサPSが存在してもよい。
【0025】
表示パネルPNLは、第1偏光板PL1と、第2偏光板PL2とをさらに備えている。第1偏光板PL1は、第1絶縁基板10に接着されている。第2偏光板PL2は、第2絶縁基板20に接着されている。例えば、第1偏光板PL1と第2偏光板PL2の偏光軸は、互いに直交する。
【0026】
なお、表示パネルPNLの構造は、図2の例に限られない。例えば、共通電極CEは、第2共通電極CE2を備えなくてもよい。また、金属層MLは、第4絶縁層14と第2共通電極CE2の間、第1共通電極CE1と第1配向膜17の間、または第1共通電極CE1と第6絶縁層16の間に配置されてもよい。
【0027】
図3は、表示装置1に適用可能な画素レイアウトの一例を示す概略的な平面図である。この図の例において、画素PXは、赤色の副画素SP(R)と、緑色の副画素SP(G)と、青色の副画素SP(B)とを備えている。X方向においては、副画素SP(R),SP(G),SP(B)が順に配置されている。Y方向においては、副画素SP(R),SP(G),SP(B)が連続して配置されている。
【0028】
上述のカラーフィルタ層CFは、赤色の副画素SP(R)と重なる赤色のカラーフィルタCFRと、緑色の副画素SP(G)と重なる緑色のカラーフィルタCFGと、青色の副画素SPBと重なる青色のカラーフィルタCFBとを含む。これらカラーフィルタCFR,CFG,CFBは、Y方向に長尺な形状であり、X方向に順に並んでいる。スペーサPSは、例えば青色の副画素SP(B)の境界に配置されているが、この例に限られない。
【0029】
なお、画素PXは、白色の副画素SPなど、赤、緑、青以外の色の副画素を含んでもよい。また、画素PXは、同じ色の副画素SPを複数備えてもよい。画素PXに含まれる各副画素SPのサイズは例えば同じであるが、互いに異なっていてもよい。
【0030】
図4は、本実施形態における画素電極PE、第2共通電極CE2および金属層MLの概略的な平面図である。金属層MLは、例えば隣り合う副画素SPの間を通る格子状である。画素電極PE(斜線を付した領域)は、金属層MLと重なっていない。ただし、画素電極PEの周縁部が金属層MLと重なってもよい。第2共通電極CE2は、複数の副画素SPの画素電極PEと重なっている。
【0031】
図5は、本実施形態における第1共通電極CE1の概略的な平面図である。第1共通電極CE1は、複数のサブ電極SEを有している。複数のサブ電極SEは、それぞれ一定の間隔を空けてX方向に並んでおり、Y方向に並ぶ複数の副画素SPにわたって連続的に延びている。例えば、図5中の左側に位置するサブ電極SEと図5中の中央に位置するサブ電極SEとの間には、隙間SLが設けられている。つまり、複数のサブ電極SEは、それぞれ帯状に形成されている。複数のサブ電極SEは、例えば、平面視において信号線Sと重なるように形成され、表示領域DAのY方向における一端から他端にわたって延びている。他の例として、複数のサブ電極SEは、平面視において走査線Gと重なるように形成され、表示領域DAのY方向における一端から他端にわたって延びていてもよい。
【0032】
各サブ電極SEは、上述の第3コンタクトホールCH3によって第2共通電極CE2と接続されている。例えば、第3コンタクトホールCH3は、図5に示すようにサブ電極SEにおいてX方向における幅(第1幅)が最も広い位置に設けられている。他の例として、各サブ電極SEが周辺領域SAにおいて第2共通電極CE2やその他の共通電圧が印加された配線と接続されてもよい。
【0033】
各サブ電極SEは、上述の第3コンタクトホールCH3が形成される、X方向における幅が最も広い位置を含む複数の部分P1と、複数の部分P1を接続する複数の部分P2とを有している。図5の例においては、部分P1は、X方向に並ぶ2つの副画素SPおよびY方向に並ぶ2つの副画素SPと重なり、この4つの副画素SPの中心に第3コンタクトホールCH3が位置するように配置されている。部分P2は、複数の部分P1間に位置している。部分P2は、第3コンタクトホールCH3が形成される位置よりも狭く、かつ信号線SのX方向における幅よりも広い幅(第2幅)を有している。
【0034】
部分P1と部分P2は、Y方向において交互に並んでいる。図5中の左側および右側のサブ電極SEにおいては、部分P2が上段および中段の副画素SPの間に位置している。図5中の中央のサブ電極SEにおいては、部分P2が中段および下段の副画素SPの間に位置している。つまり、部分P1と部分P2は、X方向においても交互に並んでいる。例えば、図5中の上段および中段の副画素SPの間においては、中央のサブ電極SEの部分P1が、左側および右側のサブ電極SEの部分P2に挟まれるように配置されている。
【0035】
表示領域DAのより広い範囲を見た場合、部分P1と部分P2とは、千鳥状に配置されている。また、各サブ電極SE間の隙間SLは、Y方向に並ぶ複数の副画素SPにわたって連続的に延びている。各サブ電極SEの部分P1間のX方向における隙間SLは、第1間隔を有している。各サブ電極SEの部分P1と部分P2との間のX方向における隙間SLは、第1間隔よりも広い第2間隔を有している。
【0036】
部分P1は、少なくとも第1辺E1と第2辺E2を有している。第1辺E1は、Y方向に対して時計回りに角度θ1で傾いている。第2辺E2は、Y方向に対して反時計回りに角度θ1で傾いている。角度θ1は鋭角であり、例えば15°以下である。図5に示すように、例えば、第1辺E1と第2辺E2とはY方向に隣り合って接続しており、Y方向に隣り合う副画素SPのそれぞれと重なっている。また、各サブ電極SEの同じ方向に傾いている辺が各副画素SPで重なっている。例えば、図5中の左側上段の副画素SPにおいては、隙間SLはY方向に対して時計回りに角度θ1で傾いている方向に延びている。一方、図5中の左側中段の副画素SPにおいては、隙間SLはY方向に対して反時計回りに角度θ1で傾いている方向に延びている。言い換えると、図5において隙間SLは、Y方向にジグザグに延びている。このように、隙間SLがジグザグに延びるようにサブ電極SEを形成することで、疑似的なマルチドメインの画素レイアウトを実現できる。
【0037】
部分P2は、少なくとも第3辺E3を有している。第3辺E3は、Y方向に延びている。図5に示すように、例えば第3辺E3は、Y方向に隣り合う副画素SPと重なっている。図5においては、部分P2は、さらに第4辺E4と第5辺E5とを有している。第4辺E4は、Y方向に対して時計回りに角度θ2で傾いている。第5辺E5は、Y方向に対して反時計回りに角度θ2で傾いている。角度θ2は鋭角であり、角度θ1よりも大きく、例えば15°以上90°以下である。第3辺E3は、第4辺E4と第5辺E5との間に位置しており、第4辺E4と第5辺E5とを接続している。また、第4辺E4および第5辺E5は、それぞれ同じ方向に傾いている第1辺E1および第2辺E2と接続されている。
【0038】
図6は、画素電極PE、第1共通電極CE1、第2共通電極CE2および金属層MLを重ね合せた状態を示す概略的な平面図である。ドットを付した領域は共通電圧が印加される領域であり、斜線を付した領域は信号線Sを介して画素電圧が印加される領域である。
【0039】
サブ電極SEの部分P1は、画素電極PE(第1画素電極)と重なっている。部分P1の第1辺E1は、画素電極PE(第1画素電極)と重なっている。部分P1の第2辺E2は、他の画素電極PE(第2画素電極)と重なっている。また、部分P2も、画素電極PE(第1画素電極)と重なっており、さらに、他の画素電極PE(第2画素電極)とも重なっている。
【0040】
他の観点からいうと、複数のサブ電極SEの間の隙間SLは、複数の画素電極PEと重なっている。
【0041】
上述の遮光層21は、各画素電極PEと重なる開口APを有している。図6の例において、開口APは、部分P1または部分P2と重なり、隙間SLとも重なっている。
【0042】
金属層MLおよびその下方に位置する第2共通電極CE2は、Y方向に並ぶ画素電極PEの間においてサブ電極SEおよび隙間SLと重なっている。これら金属層MLおよび第2共通電極CE2は、第1共通電極CE1と同電位である。
【0043】
上述の第1配向膜17および第2配向膜23は、液晶層LCに含まれる液晶分子LMを初期配向方向ALに配向する。本実施形態における初期配向方向ALは、Y方向と平行である。また、本実施形態における液晶分子LMは、誘電率異方性が正(ポジ型)である。そのため、画素電極PEおよび共通電極CE(CE1,CE2)の間に電圧が印加されると、これにより生じる電界の方向に対して長軸が平行となる(あるいは等電位線に直交する)ように液晶分子LMを回転させる力が働く。
【0044】
例えば図6中の左上の画素電極PEに着目すると、部分P1の第1辺E1においては、反時計回りの第1回転方向R1に液晶分子LMが回転する。特に、部分P1と部分P2とで構成される角部Cにおいては液晶分子LMを第1回転方向R1に回転させる力が強く働くため、部分P1での配向が安定する。なお、部分P2においては、一部の液晶分子LMが第1回転方向R1とは反対の第2回転方向R2に回転する。
【0045】
図7は、図6に示した構成において画素電極PEと共通電極CEとの間に5Vの電位差を形成した場合の透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。白い部分ほど透過率が高く、黒い部分ほど透過率が低い。この図においては、開口APの範囲も示している。
【0046】
開口APと重なる領域においては、第1辺E1で液晶分子LMが同一方向に安定して回転するため透過率が高い。なお、第2辺E2においても、液晶分子LMが同一方向に安定して回転するため透過率が高い。
【0047】
なお、部分P2の第3辺E3においては、液晶分子LMの回転方向が揃わずに透過率が低下し得る。ただし、このような領域は開口APから外れており、表示品位に殆ど影響を及ぼさない。
【0048】
ここで、本実施形態との比較例について説明する。
図8は、比較例に係る表示装置の構成を示す概略的な平面図である。図9は、図8に示した構成において画素電極PEと共通電極CEとの間に5Vの電位差を形成した場合の透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。
【0049】
この比較例においては、第1共通電極CE1が画素電極PEごとにスリットSLTを有している。スリットSLTは、隙間SLと類似した形状である。
【0050】
この場合、スリットSLTのY方向における中腹部分では図6の例と同じく液晶分子LMが同一方向に回転する。しかしながら、スリットSLTのY方向における両端部においては、液晶分子LMが逆方向に回転する。このように逆方向に回転する液晶分子LMの間の領域Dにおいては、液晶分子LMの回転が抑制される。
【0051】
図9においても、領域Dにおいて液晶分子LMの回転が抑制されているために、当該領域Dにおいて透過率が著しく低下している。領域Dは、開口APとも重なっている。したがって、表示装置の透過率が低下し、これにより画像の輝度も低下することから、表示品位が低下する。
【0052】
これに対し、図6に示した本実施形態の構成においては、Y方向に並ぶ複数の画素電極PEにわたって隙間SLが形成されている。これにより、開口AP内やその近傍で低透過率(低輝度)の領域が生じにくい。
【0053】
さらに、本実施形態においては隙間SLが部分P2と対応する位置において第2間隔を有するために、上述のように第1辺E1および第2辺E2における配向が安定し、透過率を一層高めることができる。
【0054】
また、本実施形態においては、第1基板SUB1にカラーフィルタ層CFが配置されている。これにより、第1基板SUB1と第2基板SUB2のずれが生じた場合でも、隣り合う副画素SPの混色が生じにくい。
【0055】
さらには、X方向およびY方向のいずれにおいても副画素SPの間に金属層MLが配置されている。これにより、隣り合う副画素SPの混色が一層抑制される。
【0056】
仮に、図6において画素電圧が印加される領域(斜線を付した領域)の形状を第1共通電極CE1のスリット(隙間)だけで実現しようとすると、高い加工精度が必要とされる。特に、1000ppiを超える高精細な表示装置においては、製造技術上のL/Sの限界から、スリットの加工が極めて困難である。これに対し本実施形態においては、画素電圧が印加される領域の形状が、第1共通電極CE1と、第2共通電極CE2および金属層MLとを重ねることで実現される。この場合には、画素電圧が印加される領域の形状を精度良く作成することができる。
【0057】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。特に言及しない構成については、第1実施形態と同様のものを適用できる。
【0058】
図10は、本実施形態における画素電極PEおよび金属層MLの概略的な平面図である。本実施形態においては、金属層MLがX方向に隣り合う画素電極PEの間に設けられ、Y方向に隣り合う画素電極PEの間には設けられていない。
【0059】
第2共通電極CE2は、例えば画素電極PEの下方においてX方向に延びている。各金属層MLは、第2共通電極CE2と接触している。第2共通電極CE2もY方向に隣り合う画素電極PEの間には設けられていない。
【0060】
図11は、画素電極PE、第1共通電極CE1、第2共通電極CE2および金属層MLを重ね合せた状態を示す概略的な平面図である。図12は、図11に示した構成において画素電極PEと共通電極CEとの間に5Vの電位差を形成した場合の透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。
【0061】
図11の例において、隙間SLおよびサブ電極SEの形状は、図5および図6に示した形状と同じである。本実施形態においては、Y方向に隣り合う画素電極PEの間に共通電極CEと同電位の導電層(金属層MLおよび第2共通電極CE2)が配置されていない。そのため、Y方向に隣り合う2つの画素電極PEの間の領域に共通電圧が印加されていない。
【0062】
これにより、画素電極PEの端部近傍でも液晶分子LMの回転方向が揃い、図12に示すように各開口AP内とその近傍における高透過率の領域が強化される。結果として、表示装置1の透過率および輝度を高めることができる。
【0063】
なお、本実施形態においてはY方向に隣り合う副画素SPの間に金属層MLが配置されていないため、これら副画素SPの一方のカラーフィルタを通過した光が、他方の副画素SPの液晶層LCを通過する可能性がある。ただし、図3に示した画素レイアウトにおいてはY方向に同じ色の副画素SPが並んでいるために、このような光が生じたとしても表示品位への影響は軽微である。
【0064】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。特に言及しない構成については、上述の各実施形態と同様のものを適用できる。
【0065】
図13は、本実施形態における第1共通電極CE1の概略的な平面図である。本実施形態における隙間SLは、X方向に並ぶ複数の副画素SPにわたって連続的に延びている。
【0066】
隙間SLは、表示領域DAのX方向における一端から他端にわたって延びてもよい。他の例として、隙間SLは、表示領域DAのX方向における一端と他端の間に並ぶ複数の副画素SPのうちの一部と重なってもよい。この場合においては、複数の隙間SLがX方向に並んでもよい。
【0067】
各サブ電極SEは、上述の第3コンタクトホールCH3によって第2共通電極CE2と接続されている。例えば、第3コンタクトホールCH3は、図13に示すようにサブ電極SEのY方向における幅が最も広い位置に設けられている。他の例として、各サブ電極SEが周辺領域SAにおいて第2共通電極CE2やその他の共通電圧が印加された配線と接続されてもよい。
【0068】
サブ電極SEは、上述の各実施形態と同様に、上述の第3コンタクトホールCH3が形成される、X方向における幅が最も広い位置を含む複数の部分P1と、複数の部分P1を接続する複数の部分P2とを有している。部分P1は、X方向に並ぶ2つの副画素SPおよびY方向に並ぶ2つの副画素SPと重なり、この4つの副画素SPの中心に第3コンタクトホールCH3が位置するように配置されている。各部分P2は、複数の部分P1間にそれぞれ位置している。部分P2は、第3コンタクトホールCH3が形成される位置での部分P1のY方向における幅よりも狭く、かつ走査線GのY方向における幅よりも広い幅を有している。部分P1と部分P2は、X方向において交互に並んでいる。部分P1は、Y方向に対して時計回りに角度θ1で傾いている第1辺E1と、Y方向に対して反時計回りに角度θ1で傾いている第2辺E2とを有している。角度θ1は鋭角であり、例えば15°以下である。
【0069】
表示領域DAのより広い範囲を見た場合、部分P1と部分P2とは、千鳥状に配置されている。また、各サブ電極SE間の隙間SLは、X方向に並ぶ複数の副画素SPにわたって連続的に延びている。各サブ電極SE間のY方向における隙間SLは、第1間隔を有している。
【0070】
部分P2は、少なくとも第3辺E3を有している。第3辺E3は、X方向に延びている。図13に示すように、例えば第3辺E3は、X方向に隣り合う副画素SPと重なっている。図13においては、部分P1はさらに、第3辺E3と平行な第6辺E6を有している。第6辺E6は、第1辺E1と第2辺E2との間に位置しており、第1辺E1と第2辺E2とを接続している。また、第6辺E6は、X方向に隣り合う副画素SPと重なっている。
【0071】
図14は、画素電極PE、第1共通電極CE1、第2共通電極CE2および金属層MLを重ね合せた状態を示す概略的な平面図である。図15は、図14に示した構成において画素電極PEと共通電極CEとの間に5Vの電位差を形成した場合の透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。図14の例において、第2共通電極CE2および金属層MLの形状は、図4に示したこれらの形状と同じである。
【0072】
サブ電極SEの部分P1は、X方向に並ぶ副画素SPの各々に配置された画素電極PE(第1画素電極および第2画素電極)と重なっている。部分P1の第1辺E1は、画素電極PE(第1画素電極)と重なっており、第2辺E2は、他の画素電極PE(第2画素電極)と重なっている。また、部分P1の第6辺E6もX方向に並ぶ副画素SPの各々に配置された画素電極PE(第1画素電極および第2画素電極)と重なっている。さらに、隣り合うサブ電極SEの部分P2も、X方向に並ぶ副画素SPの各々に配置された画素電極PE(第1画素電極および第2画素電極)と重なっている。金属層MLおよび第2共通電極CE2は、X方向に隣り合う画素電極PEの間において、部分P2の中央部分と重なっている。これにより、画素電圧が印加される領域(斜線を付した領域)および共通電圧が印加される領域(ドットを付した領域)の各形状は、図6の例と概ね同様になる。したがって、図15に示す透過率分布も、図7の透過率分布と類似したものとなる。
【0073】
他の観点からいうと、複数のサブ電極SEの間の隙間SLは、複数の画素電極PEと重なっている。
【0074】
本実施形態の構成であっても、上述の各実施形態と同じく表示装置1の透過率および輝度を高めることができる。また、例えば第1および第2実施形態にて開示したサブ電極SEにおいては、サブ電極SEの微細な形状を得ることが困難な場合があり得る。これに対し、本実施形態においてはX方向に延びる部分P2によって第1および第2実施形態にて開示したサブ電極SEと同様の機能を実現している。このような部分P2は、第1および第2実施形態にて開示したサブ電極SEに比べて精度良く形成することができる。
【0075】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。特に言及しない構成については、上述の各実施形態と同様のものを適用できる。
【0076】
図16は、本実施形態に係る表示装置1の第1基板SUB1の概略的な断面図である。本実施形態においては、金属層MLが第1共通電極CE1と第1配向膜17の間に配置され、第1共通電極CE1と接触している。金属層MLは、第1共通電極CE1と第6絶縁層16の間に配置されてもよい。また、第1共通電極CE1に接触する金属層MLに加え、第2共通電極CE2と接触する金属層MLが設けられてもよい。
【0077】
図16に示すように、金属層MLが第4コンタクトホールCH4と重なる場合には、第4コンタクトホールCH4に入射する光Lを遮光することができる。これにより、第4コンタクトホールCH4の近傍における不安定な液晶分子の配向が表示品位に与える影響を緩和できる。特に、第1基板SUB1にカラーフィルタ層CFが設けられる場合には、第4コンタクトホールCH4のサイズが大きくなるため、当該効果が顕著となる。
【0078】
図17は、本実施形態における画素電極PE、第2共通電極CE2および金属層MLの概略的な平面図である。ここでは、金属層MLに右下がりの斜線を付し、画素電極PEに右上がりの斜線を付している。金属層MLは、図4の例と同じく隣り合う副画素SPの間を通る格子状である。第2共通電極CE2の形状は、例えば図4の例と同様である。なお、本実施形態においては第2共通電極CE2を設けなくてもよい。
【0079】
図18は、本実施形態における第1共通電極CE1の概略的な平面図である。図18において、第1共通電極CE1は、各副画素SPと重なる部分P1が島状に形成されている。本実施形態においては、第3実施形態のように複数の部分P1を接続するX方向に延びる部分P2が設けられていない。なお、部分P1の構成については第3実施形態と同様である。
【0080】
すなわち、第1共通電極CE1は、網目状の隙間SLを有している。他の観点からいうと、第1共通電極CE1は、互いに独立した島状の複数のサブ電極SEを有している。
【0081】
図19は、画素電極PE、第1共通電極CE1、第2共通電極CE2および金属層MLを重ね合せた状態を示す概略的な平面図である。図20は、図19に示した構成において画素電極PEと共通電極CEとの間に5Vの電位差を形成した場合の透過率分布をシミュレーションした結果を示す図である。
【0082】
複数のサブ電極SEは、金属層MLによって電気的に接続されている。サブ電極SEの第1辺E1および第2辺E2は、X方向に並ぶ副画素SPの各々に配置された画素電極PEと重なっている。さらに、サブ電極SE間の隙間SLも一部が各画素電極PEと重なっている。これにより、画素電圧が印加される領域(右上がりの斜線を付した領域)の形状は、図14の例と同様になる。
【0083】
また、画素電極PEの間の領域は、共通電圧が印加された金属層MLおよびその下方の第2共通電極CE2と重なっている。そのため、共通電圧が印加される領域(ドットを付した領域と右下がりの斜線を付した領域)の形状も、図14の例と同様になる。図20に示す透過率分布も、図15の透過率分布と同様になる。
【0084】
本実施形態の構成であっても、上述の各実施形態と同じく表示装置1の透過率および輝度を高めることができる。また、本実施形態においては、島状のサブ電極SEと金属層MLの組み合わせにより画素電圧の領域を作り出す。この場合、個々の要素の製造技術上のL/Sの限界によらずに、当該画素電圧の領域をより精度良く形成できる。
【0085】
ここで、第1乃至第4実施形態における構成の作用について説明する。
図21は、上述の比較例および各実施形態の透過率を比較するための表である。比較例および各実施形態の透過率は、それぞれ図9図7図12図15および図20における開口AP内の透過率分布の平均値を表す。これらの数値は、比較例の数値を1.00とした相対値である。
【0086】
この表から明らかなように、第1乃至第4実施形態のいずれにおいても透過率が比較例を上回った。これらのことから、第1乃至第4実施形態の構成を採用することで、表示装置の表示品位を改善できることが分かる。
【0087】
なお、各実施形態においては、共通電極CEが第1共通電極CE1と第2共通電極CE2を備える場合を例示した。しかしながら、共通電極CEは、第2共通電極CE2を備えなくてもよい。
【0088】
また、各実施形態においては、誘電率異方性が正の液晶分子を液晶層LCが含む場合を例示した。しかしながら、液晶層LCは、誘電率異方性が負(ネガ型)の液晶分子を含んでもよい。この場合においては、初期配向方向ALをX方向と平行にすればよい。
【0089】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0090】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0091】
また、上述の各実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0092】
1…液晶表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、LC…液晶層、PX…画素、SP…副画素、PE…画素電極、CE1…第1共通電極、CE2…第2共通電極、ML…金属層、SL…隙間、P1,P2…サブ電極の部分、SE…サブ電極、AP…開口、AL…初期配向方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図20
図21